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JP7716618B2 - 断熱シートおよびその製造方法 - Google Patents
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JP7716618B2 - 断熱シートおよびその製造方法 - Google Patents

断熱シートおよびその製造方法

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Description

本開示は、断熱対策として用いられる断熱シートおよびその製造方法に関するものである。
近年省エネルギー化の要求が増加している。省エネルギー化の実現方法として機器を保温することによりエネルギー効率を向上させる方法がある。また複数個の電池セルを組み合わせた二次電池等では、ひとつの電池セルが高温になった場合に隣の電池セルに影響を与えないように、隣り合う2つの電池セルの間を断熱したいという要望もある。これらの対策として隣り合う2つの電池セルの間に、断熱効果に優れたシリカキセロゲルを用いた断熱シートを用いることがある。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2011-136859号公報 国際特許公開公報WO2014/132652号
シリカキセロゲルを用いた断熱シートは、空気の対流を抑えることにより断熱性を発揮する。しかしながら当該断熱シートを隣り合う2つの電池セルの間に用いる場合、一方の電池セルが高温になり過ぎると、一方の電池セルから他方の電池セルへ直接の熱伝導だけではなく、赤外線輻射により熱が伝わることになる。これに対してシリカキセロゲルは、赤外線を透過しやすい。そのため、隣り合う2つの電池セルのうち一方の電池セルが高温になったときにその表面から赤外線が輻射される。この赤外線が断熱シートを透過して他方の電池セルを輻射することにより他方の電池セルに熱が伝わる。その結果、他方の電池セルの温度を上昇させてしまうという問題が生じる。
本開示にかかる発明は上記問題を解決するために、繊維シートにシリカキセロゲルを担持した断熱シートであって、この断熱シートには重量比で2%以上、15%以下の赤外線吸収材が含まれるように構成したものである。
以上のように構成することにより、通常の温度ではシリカキセロゲルにより断熱性を発揮し、ひとつの電池セルが高温になって赤外線を輻射しても、断熱シートに含まれる赤外線吸収材に吸収されて、隣の電池セルへの熱の伝達を抑えることができる。
本開示の一実施の形態における断熱シートの断面図 同断熱シートの平面図 本開示の一実施の形態の断熱シートの製造方法を示すフローチャート図
以下、本開示の一実施の形態における断熱シートについて説明する。
なお、以下に示す断熱シートの構成や大きさ、形状等はあくまで例示であって、特に断りのない限り当該構成等に限定される趣旨ではない。
図1は本開示の一実施形態における断熱シート11の断面図である。図2は、断熱シート11の平面図である。図1は、図2に示す線分I-Iを通りかつ断熱シート11の上面に垂直な面で切った部分の断面図である。断熱シート11は、内部に空間を有するガラス繊維シート12と、このガラス繊維シート12の空間に担持したシリカキセロゲル13と、から構成され、縦約150mm、横約100mmの長方形状であり、厚さは約1mmとなっている。ガラス繊維シート12は、平均繊維太さ約10μmのガラス繊維からなり、ガラス繊維シート12の中で空間の占める割合は約90%となっている。このガラス繊維シート12の内部の空間にシリカキセロゲル13が充填されている。このシリカキセロゲル13は内部にナノサイズの空間を有しているため、このシリカキセロゲル13が充填されている部分の熱伝導率は、約30mW/m・Kとなっている。なおこのシリカキセロゲルは、ゲルが乾燥した状態の広義のキセロゲルであり、通常の乾燥だけでなく、超臨界乾燥、凍結乾燥等の方法によって得られるものでもかまわない。さらにこの断熱シート11の全体に赤外線吸収材14として水が分散して含まれ、断熱シート11全体の重量に対する水の重量の割合を約6%としている。
この断熱シートの25℃での熱伝導率は、25mW/m・K以上、60mW/m・K以下とすることが望ましい。このようにすることにより、常温でも高温になったときでも断熱効果を十分に得ることができる。
以上のように構成した断熱シート11を電池セル間に配置する。通常使用される温度では熱の伝達はほとんどが熱伝導で行われるため、この断熱シート11により電池セル間の熱移動を十分に抑止することができる。しかしながら一つの電池セルが高温になった場合、通常の熱伝導だけでなく、赤外線輻射によっても熱が伝達されることになる。ガラス繊維シート12あるいはシリカキセロゲル13は赤外線をほとんど透過させてしまうため、赤外線輻射による熱は、そのまま隣の電池セルに伝達され、隣の電池セルも高温になり、隣の電池セルに影響を及ぼしてしまう可能性がある。このため水分を含まない断熱シート11に対しアルミニウム(Al)の層を設ける。当該アルミニウムの層が赤外線を反射することで、断熱シートが熱遮蔽を行うことが試みられている(特許文献2)。しかしながら反射するだけでは赤外線が電池セルへ戻ってくるためさらに温度が上がりやすくなり、十分な効果が得られない。これに対して本実施の形態の断熱シート11は、断熱シート11に分散された水分が赤外線を吸収し、温度が上がると気化することによって潜熱を奪うため、温度上昇を抑止することができる。
通常のシリカキセロゲル13を用いた断熱シートではシリカキセロゲル13を疎水化しているため、水分の含有量は0.2%未満であるためほとんど赤外線を吸収させることはできないが、本実施の形態のシリカキセロゲル13では赤外線吸収材14としての水分を約6%含有しているため、十分に赤外線を吸収させることができる。水の含有率は、重量比で断熱シート11の2%以上、15%以下とすることが望ましい。含有率が2%よりも低くなると十分に赤外線を吸収することができず、15%を超えると水の熱伝導により、断熱シート11自体の熱伝導率が高くなってしまうためである。
水は3μmの波長に対して厚さ10μmあたり約96%の吸収率を有する。一方、電池セルの表面が600℃くらいになったときの赤外線輻射のピークは約3μmとなっている。すなわち水は電池セルが600℃くらいになったときの赤外線を十分に吸収することになる。以上のように断熱シート11に水を分散させることにより、高温になったセルから輻射される赤外線を吸収し、熱の伝達を妨げることができる。さらに水が気化するときに潜熱を奪うため、さらに温度の上昇を妨げることができる。
また断熱シート11としてみたときに波長3μmの赤外線に対して厚さ1mmあたり2%以下の透過率を有するようにすることが望ましい。このようにすることにより、一つの電池セルが高温になったときにも、他の電池セルに悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。
なお、断熱シート11に含まれる水が全てなくなると、赤外線吸収の効果はなくなるが、電池セルが高温になるのは数分程度であるため、この時間の間だけでも熱の伝達を妨げられれば、隣の電池セルへの影響を少なくすることができる。この場合において、一度高温になった電池セルについては、その後新しい電池セルに交換すればよい。その際、高温になった電池セルに接する断熱シート11も新しい断熱シート11に交換すればよい。そのようにすれば、複数個の電池セルを組み合わせた電池を引き続き使用することができる。複数個の電池セルを組み合わせた電池としては、例えば二次電池が挙げられる。
また断熱シート11に含有させる材料は水でなくても構わない。波長3μmの赤外線に対して厚さ10μmあたり90%以上の吸収率を有する材料であれば、同様の効果を得ることができる。一例としてエチレングリコールを用いることができる。エチレングリコールを赤外線吸収材14として用いた場合、水よりも沸点が高いため、自然に蒸発してことを防ぐことができる。
また赤外線吸収材は常温で液状となる材料であることが望ましい。熱を吸収して液体から気化するときに潜熱を奪うため温度上昇を妨げることができる。
また、断熱シート11が水分を含有するとともに、細かく切ったアルミニウム箔や細かく切った他の金属層、または数十μm程度のアルミナ(Al)粒子等を添加し、断熱シート11が赤外線を反射させるようにしてもよい。
また、断熱シート11の表面を保護フィルムで覆ってもよい。このようにすれば水の蒸発を防ぐことができる。保護フィルムとしては、例えばポリイミドよりなるフィルムが挙げられる。また、保護フィルムとして、ポリイミドだけでなく、他の有機フィルムや無機フィルムも挙げることができる。また、保護フィルムとして、コーティング膜も挙げることができる。
以下、本開示の一実施の形態における断熱シートの製造方法について説明する。当該製造方法は、図3のフローチャートに示す各工程の順に行われる。
まず、内部に空間を有するガラス繊維シート12を準備する(準備工程)。
次に、高モル珪酸水溶液に触媒としてポリエチレンカーボネートを添加してシリカヒドロゾル溶液を調整する。ここでは厚み約1mmのガラス繊維からなるガラス繊維シート12の内部空間にシリカヒドロゾル溶液を溶媒除去後のガラス繊維シート12とシリカゾル溶液由来のシリカキセロゲル13の重量比が約1:1.1となるように含浸させる。なお、含浸方法としてシリカヒドロゾル溶液を滴下あるいは印刷等の方法で含浸させる方法をとっても良い。シリカヒドロゾル溶液を含浸した状態で約1分放置し、ゲル化するのを待つ。ゲル化が確認できたらプレスして厚みを均一にする。厚みの整え方は、ロールプレス等の方法を用いてもよい。厚みを整えたものを容器に入れ、繊維シートの内部空間に存在するシリカヒドロゲルの骨格を約90℃、湿度約90%の条件で成長させる。このようにして繊維シートの内部空間にシリカヒドロゲルを含浸する(ゾル溶液含侵工程)。
ガラス繊維シート12に含浸させたシリカヒドロゲルの内部に存在する水をイソプロピルアルコール(以下IPAと記す)に約30分浸漬することで溶媒の置換を行う。この置換時間は溶媒の種類、断熱材の厚みによって変更してもよい。この時の溶媒は、IPAだけではなく30mN/m以下の表面張力の低い溶媒であればその他アルコール溶液等でもよい。これにより乾燥時の毛細管力を低下させシリカキセロゲル13の凝集破壊を防止することができる(養生工程)。
骨格の強度を促進させるために約400℃の温度で約2時間加熱することで、溶媒除去を行い、繊維シート内部のシリカヒドロゲルからシリカキセロゲル13を得るとともに、ゲルの表面からのシラノール基の脱水反応を促進させ、シロキサン結合を形成させることでシリカキセロゲル13の骨格を強化する(骨格強化工程)。このようにすることにより、シリカキセロゲル13を疎水化しなくても、後の工程でシリカキセロゲル13の内部構造が破壊されるのを防ぐことができる。シリカキセロゲル13の骨格を強化する工程で、温度を300℃以上、450℃以下とすることが望ましい。この温度が300℃よりも低くなるとシラノール基の脱水反応を起こしにくい。逆に450℃を超えるとガラス繊維が軟化するため望ましくない。
これにより得られた断熱シート11は、赤外線吸収材14を断熱シート11に内包させた際にも毛細管力による応力によってシリカキセロゲル13の内部構造が破壊されなくなる。
次に断熱シート11に対して85℃かつ赤外線吸収材14の飽和蒸気85%の蒸気圧となるような環境、約12時間保管する(赤外線吸収材含侵工程)。ここでは例として赤外線吸収材14として水を用いで断熱シート中のシリカキセロゲル13の表面に対して水を吸着させることで、赤外線吸収材14を断熱シート11の内部に約6%の水分を内包させることができる。水の含有率は、重量比で断熱シート11の2%以上、15%以下とすることが望ましい。この含有率が2%よりも低くなると十分に赤外線を吸収することができず、15%を超えると水の熱伝導により、断熱シート11自体の熱伝導率が高くなってしまうためである。
以上の方法で作成された断熱シート11においてシリカキセロゲルは粉落ちしやすく、また、赤外線吸収材14の断熱材からの脱離を防ぐためにも溶媒を遮断するような保護フィルムで覆うことが望ましい。保護フィルムとしては、例えばポリイミドよりなるフィルムが考えられる。このようにして水の蒸発を防ぐことができ、長期間にわたってひとつの電池セルが高温になっても、隣の電池セルに影響を及ぼしにくくすることができる。
なお、保護フィルムとしては、例えばポリイミドよりなるフィルムが挙げられる。また、保護フィルムとして、ポリイミドだけでなく、他の有機フィルムや無機フィルムも挙げることができる。また、保護フィルムとして、コーティング膜も挙げることができる。
なお、上記に示した断熱シート11の製造方法はあくまで最適な製造方法の一例であって、他の製造方法を適用して本開示にかかる断熱シート11を得ることも可能である。
本開示に係る断熱シートおよびその製造方法は、通常の温度ではシリカキセロゲルにより断熱性を発揮し、ひとつの電池セルが高温になって赤外線を輻射しても、断熱シートに含まれる赤外線吸収材に吸収されて、隣の電池セルへの熱の伝達を抑えることができ、産業上有用である。
11 断熱シート
12 ガラス繊維シート
13 シリカキセロゲル
14 赤外線吸収材

Claims (2)

  1. 内部に空間を有するガラス繊維シートを準備する工程と、
    前記ガラス繊維シートの内部空間にシリカゾル溶液を含浸させる工程と、
    前記シリカゾル溶液をゲル化させて前記ガラス繊維にシリカキセロゲルを担持させる養生工程と、
    前記シリカキセロゲルを形成したシートを所定の温度に保持することにより前記シリカキセロゲルを軟化させゲル骨格を強化する強化工程と、
    前記シリカキセロゲルを担持させたシートを赤外線吸収材の雰囲気に置くことにより前記赤外線吸収材を含浸させる工程と、を備え、
    前記シリカキセロゲルを担持させたシートには重量比で2%以上、15%以下の赤外線吸収材が含まれるようにする断熱シートの製造方法。
  2. 前記強化工程において、保持する温度を300℃以上、450℃以下とする請求項記載の断熱シートの製造方法。
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