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JP7716711B2 - 固溶体ナノ粒子、その製造方法、固溶体ナノ粒子の分散液及び触媒 - Google Patents
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JP7716711B2 - 固溶体ナノ粒子、その製造方法、固溶体ナノ粒子の分散液及び触媒 - Google Patents

固溶体ナノ粒子、その製造方法、固溶体ナノ粒子の分散液及び触媒

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Description

本発明は、固溶体ナノ粒子、その製造方法、固溶体ナノ粒子の分散液及び触媒に関する。
Ptナノ粒子などの貴金属ナノ粒子は、バルク体とは異なる光学的性質、電気的性質、化学的性質を示すことが知られており、電子材料、磁性材料、触媒材料、医薬品材料、化粧品材料又は食料品材料として、様々な分野で使用されている。
特許文献1~4に記載されているように、触媒は、貴金属ナノ粒子の最もよく知られた用途の1つである。
特許文献5には、抗酸化剤として貴金属ナノ粒子を使用することが記載されている。
特許文献6には、造影剤の材料として貴金属ナノ粒子を使用することが記載されている。
国際公開第2002/040152号 特開2007-90331号公報 特開2009-112912号公報 特開2014-155919号公報 特開2008-156440号公報 特表2016-507726号公報
貴金属ナノ粒子の中でも、Ptナノ粒子は、様々な効果を発揮するので有用性が高い。所望の効果を向上させるために、Pt以外の貴金属をPtと合金化することが考えられる。
ただし、PtRhのような特定の組み合わせを除き、貴金属元素の組み合わせの多くは、完全な全率固溶型の合金状態図を示さない。例えば、PtIrは、高温では全率固溶体を形成するが、1370℃以下の広い組成範囲で不混和である。同様に、PtRu及びIrRuも全温度領域において、15atom%程度の不混和な組成範囲を持つ。そのため、複数の貴金属塩を含む溶液を用いて従来の還元法で貴金属ナノ粒子を合成したとしても、単体の貴金属ナノ粒子の混合物が得られるだけである。
合金状態図から予測し得ない固溶体型の金属ナノ粒子を得ることができれば、金属ナノ粒子の既存の用途における所望の効果の向上を期待できる。新たな物性の発現及び新たな物性に基づく金属ナノ粒子の用途の拡大も期待できる。
本発明は、新規な固溶体ナノ粒子、その製造方法、固溶体ナノ粒子の分散液、及び、固溶体ナノ粒子を用いた触媒を提供することを目的とする。
本発明は、
式PtxM1yM21-x-y(0<x<1、0<y<1、x+y<1)によって表される組成を有し、
M1は、Ru又はIrであり、
M1がRuのとき、M2は、Ir、Rh、Ag、Cu及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
M1がIrのとき、M2は、Rh、Pd、Ag、Cu及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
Pt、M1及びM2は、固溶体を形成している、
固溶体ナノ粒子を提供する。
別の側面において、本発明は、
上記本発明の固溶体ナノ粒子を含む、触媒を提供する。
さらに別の側面において、本発明は、
溶媒と、
前記溶媒に分散した上記本発明の固溶体ナノ粒子と、
を備えた、固溶体ナノ粒子の分散液を提供する。
さらに別の側面において、本発明は、
式PtxM1yM21-x-y(0<x<1、0<y<1、x+y<1)によって表される組成を有する固溶体ナノ粒子の製造方法であって、
Pt塩、M1の塩及びM2の塩を含む溶液を150℃以上250℃以下の範囲の温度に加熱した液体還元剤に加えて反応させることを含み、
前記M1の塩は、Ru塩又はIr塩であり、
前記M1の塩がRu塩のとき、前記M2の塩は、Ir塩、Rh塩、Ag塩、Cu塩及びAu塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
前記M1の塩がIr塩のとき、前記M2の塩は、Rh塩、Pd塩、Ag塩、Cu塩及びAu塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、
固溶体ナノ粒子の製造方法を提供する。
本発明によれば、新規な固溶体ナノ粒子、その製造方法、固溶体ナノ粒子の分散液、及び、固溶体ナノ粒子を用いた触媒を提供できる。
図1は、実施例1のZrO2に担持されたPtRuIr固溶体ナノ粒子のTEM像である。 図2Aは、実施例1のZrO2に担持されたPtRuIr固溶体ナノ粒子のHAADF-STEM像である。 図2Bは、実施例1におけるPtの元素マッピングの結果を示す。 図2Cは、実施例1におけるIrの元素マッピングの結果を示す。 図2Dは、実施例1におけるRuの元素マッピングの結果を示す。 図3Aは、EDX線分析を行ったPtRuIr固溶体ナノ粒子のSTEM像である。 図3Bは、EDX線分析の結果を示すグラフである。 図4は、参照例1のZrO2に担持されたPtナノ粒子のTEM像である。 図5は、参照例2のZrO2に担持されたRuナノ粒子のTEM像である。 図6は、参照例3のZrO2に担持されたIrナノ粒子のTEM像である。 図7は、参照例4のZrO2に担持されたPdナノ粒子のTEM像である。 図8は、実施例、参照例及び比較例の触媒のメタン酸化活性の評価を示すグラフである。 図9は、実施例1~6の触媒のメタン酸化活性の評価を示すグラフである。 図10は、400℃でのメタン転化率と固溶体ナノ粒子の組成との関係を示す三角グラフである。 図11Aは、400℃でのメタン酸化活性の経時変化を示すグラフである。 図11Bは、400℃でのメタン酸化活性の経時変化を示すグラフである。 図12は、実施例3,5及び7の触媒の400℃でのメタン酸化活性の経時変化を示すグラフである。 図13Aは、NH3-TPDの測定結果を示すグラフである。 図13Bは、CO2-TPDの測定結果を示すグラフである。 図14は、実施例8のPtIrPd固溶体ナノ粒子のTEM像である。 図15は、実施例8のPtIrPd固溶体ナノ粒子のX線回折パターンである。 図16は、実施例9のPtIrPdRh固溶体ナノ粒子のTEM像である。 図17は、実施例9のPtIrPdRh固溶体ナノ粒子のX線回折パターンである。
従来から、Ptの触媒活性を調整する手段として、Ptを担体に担持させることが知られている。これにより、Ptの比表面積を増加させたり、Ptと担体との相互作用により触媒活性を変化させたりすることができる利点がある。
特許文献1~4には、複数の貴金属を用いた触媒が開示されている。それらの触媒は、複数の貴金属塩を含む水溶液を担体に含浸させたのち、空気中、550~600℃、3~6時間の条件で担体を焼成することによって作製される。この方法は、含浸法と呼ばれる。含浸法によれば、触媒を構成する複数の貴金属は、合金化せずに単体の貴金属粒子の状態で存在したり、ばらつきのある不均一な組成の貴金属粒子を形成したりすると推測される。そのため、含浸法によって作製された触媒は、合金化による効果を十分に発揮し得ない。
例えば、天然ガスの燃焼排ガスのように、排ガス中の炭化水素の主成分がメタンである場合、メタンが高い化学的安定性を有するため、炭化水素の酸化分解(メタンの除去)を十分に進行させることは容易ではない。また、燃料に含まれた硫黄化合物に由来する硫黄酸化物(SOx)などの反応阻害物質が触媒の表面に析出することによって、触媒の活性が経時的に低下するという問題もある。
本発明者らは、通常は固溶しない金属同士が固溶した固溶体ナノ粒子を製造できること、及び、その固溶体ナノ粒子を新規な触媒として使用できることを見出した。本発明は、この新たな知見に基づくものである。
詳細には、本発明は、Ptに種々の金属を混合して合金化させることによって、従来では困難であったナノスケールでのPtの触媒活性の調整が可能であることを明らかにする。これは、Ptの触媒としての新たな産業上の利用可能性を示すものである。以下の実施形態は、このような触媒活性がナノレベルで調整されたPtの一態様を示すものである。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されない。
本実施形態の固溶体ナノ粒子は、下記式(1)によって表される組成を有する。
PtxM1yM21-x-y・・・(1)
式(1)において、x及びyは、0<x<1、0<y<1及びx+y<1を満たす。M1は、Ru又はIrである。M1がRuのとき、M2は、Ir、Rh、Ag、Cu及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種である。M1がIrのとき、M2は、Rh、Pd、Ag、Cu及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種である。Pt、M1及びM2は、固溶体を形成している。言い換えれば、Pt、M1及びM2は、原子レベルで互いに固溶している。固溶体ナノ粒子において、各元素が均一に分布している領域が含まれる。固溶体ナノ粒子の全体において、各元素が均一に分布していることが好ましい。
固溶体とは、合金の概念に含まれる1つの形態であり、構成元素が原子レベルで混ざり合った状態を意味する。一般に、「合金」の語句は、固溶体だけでなく、非固溶系の合金も広く含んだ広義の合金を意味する。局所的な合金組成は、固溶体では均一であるのに対し、非固溶系では均一ではない。複数種の金属元素が全体的に固溶体合金として原子レベルで混ざり合っているのか、単に非固溶系の合金を形成しているのかに応じて、合金の物性は一般的には異なる。
本実施形態の固溶体ナノ粒子は、貴金属ナノ粒子でありうる。一般に、Cuは貴金属に分類されないが、本明細書では貴金属として取り扱う。
貴金属ナノ粒子が固溶体であることを確かめるための手法として、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いたエネルギー分散型X線分析(EDX)による元素マッピング、EDX線分析、X線回折(XRD)による構造解析などが挙げられる。
本実施形態の固溶体ナノ粒子の平均粒径は、0.5nm以上100nm以下の範囲にあってもよく、1nm以上10nm以下の範囲にあってもよい。平均粒径が十分に小さいとき、固溶体ナノ粒子は、高い活性を示しうる。平均粒径は、固溶体ナノ粒子の電子顕微鏡像から算出することが可能である。電子顕微鏡像において、複数の固溶体ナノ粒子(例えば100個)の粒径(長径)を測定する。測定された粒径の平均値は、固溶体ナノ粒子の平均粒径を表す。
式(1)において、Ptの含有比率を表すxは、例えば、0.01≦x≦0.98を満たす。式(1)において、M1の含有比率を表すyは、例えば、0.01≦y≦0.98を満たす。式(1)において、M2の含有比率を表す(1-x-y)は、0.01≦(1-x-y)≦0.98を満たす。言い換えれば、、Pt、M1及びM2のそれぞれの含有比率は、固溶体ナノ粒子を基準(100mol%)として、例えば、1mol%以上98mol%以下の範囲にある。Pt、M1及びM2のそれぞれの含有比率は、5mol%以上90mol%以下の範囲にあってもよく、10mol%以上80mol%以下の範囲にあってもよい。
本実施形態の固溶体ナノ粒子は、必須成分としてPtを含む。Ptナノ粒子は、電子材料、磁性材料、触媒材料、医薬品材料、化粧品材料、食料品材料などの様々な用途に使用されうる。しかし、Ptは高価である。そのため、Ptの含有比率を下げながら、Ptナノ粒子と同等以上の機能及び活性を達成できれば、経済性に優れた固溶体ナノ粒子を提供できる。後述するように、本実施形態の固溶体ナノ粒子は、Ptナノ粒子を超える触媒活性を示す。ただし、触媒活性は、固溶体ナノ粒子の1つの機能にすぎない。
式(1)において、M1は、Ruでありうる。Ruは、Ptよりも安価であり、固溶体ナノ粒子におけるPtの代替元素として適している。
なお、単体のRuの活性(触媒活性)は、通常、Ptの活性よりも低い。そのため、Ruナノ粒子自体は、Ptナノ粒子の代替物となりにくい。
式(1)において、M1は、Irであってもよい。Irは、Ptと同様に高価な貴金属であるものの、Ruよりも高い活性を示すことが多く、本実施形態の固溶体ナノ粒子の材料として適している。Irを含むことによって、固溶体ナノ粒子は、より高い活性を示しうる。
式(1)において、M1がRuであり、M2がIrであってもよい。この場合、Pt及びIrの組み合わせの利点と、Pt及びRuの組み合わせの利点との両方が得られる。
M2は、1種、2種、3種、4種又は5種の金属元素からなっていてもよい。M2が1種の金属元素からなるとき、本実施形態の固溶体ナノ粒子は、3元系固溶体ナノ粒子である。つまり、式(1)において、M1がRuのとき、M2は、Ir、Rh、Ag、Cu又はAuである。M1がIrのとき、M2は、Rh、Pd、Ag、Cu又はAuである。4元系又は5元系と比較すれば、3元系固溶体ナノ粒子の製造は容易である。
M1がRuであり、M2が2種の金属元素からなる場合、M2=Ma p2b q2(式中、Ma及びMbは互いに異なって、Ir、Rh、Ag、Cu及びAuからなる群から選ばれ、p2=0.01~0.99、q2=0.99~0.01、p2+q2=1)で表される。
M1がIrであり、M2が2種の金属元素からなる場合、M2=Ma p2b q2(式中、Ma及びMbは互いに異なって、Rh、Pd、Ag、Cu及びAuからなる群から選ばれ、p2=0.01~0.99、q2=0.99~0.01、p2+q2=1)で表される。
M1がRuであり、M2が3種の金属元素からなる場合、M2=Ma p3b q3c r3(式中、Ma、Mb及びMcは互いに異なって、Ir、Rh、Ag、Cu及びAuからなる群から選ばれ、p3=0.01~0.98、q3=0.01~0.98、r3=0.01~0.98、p3+q3+r3=1)で表される。
M1がIrであり、M2が3種の金属元素からなる場合、M2=Ma p3b q3c r3(式中、Ma、Mb及びMcは互いに異なって、Rh、Pd、Ag、Cu及びAuからなる群から選ばれ、p3=0.01~0.98、q3=0.01~0.98、r3=0.01~0.98、p3+q3+r3=1)で表される。
M1がRuであり、M2が4種の金属元素からなる場合、M2=Ma p4b q4c r4d s4(式中、Ma、Mb、Mc及びMdは互いに異なって、Ir、Rh、Ag、Cu及びAuからなる群から選ばれ、p4=0.01~0.97、q4=0.01~0.97、r4=0.01~0.97、s4=0.01~0.97、p4+q4+r4+s4=1)で表される。
M1がIrであり、M2が4種の金属元素からなる場合、M2=Ma p4b q4c r4d s4(式中、Ma、Mb、Mc及びMdは互いに異なって、Rh、Pd、Ag、Cu及びAuからなる群から選ばれ、p4=0.01~0.97、q4=0.01~0.97、r4=0.01~0.97、s4=0.01~0.97、p4+q4+r4+s4=1)で表される。
M1がRuであり、M2が5種の金属からなる場合、M2=Ma p5b q5c r5d s5e t5(式中、Ma、Mb、Mc、Md及びMeは互いに異なって、Ir、Rh、Ag、Cu及びAuからなる群から選ばれ、p5=0.01~0.96、q5=0.01~0.96、r5=0.01~0.96、s5=0.01~0.96、t5=0.01~0.96、p5+q5+r5+s5+t5=1)で表される。
M1がIrであり、M2が5種の金属からなる場合、M2=Ma p5b q5c r5d s5e t5(式中、Ma、Mb、Mc、Md及びMeは互いに異なって、Rh、Pd、Ag、Cu及びAuからなる群から選ばれ、p5=0.01~0.96、q5=0.01~0.96、r5=0.01~0.96、s5=0.01~0.96、t5=0.01~0.96、p5+q5+r5+s5+t5=1)で表される。
本実施形態の固溶体ナノ粒子において、Ptの含有比率は、10mol%以上30mol%以下の範囲にありうる。
例えば、固溶体ナノ粒子を触媒として使用するとき、Ptは、触媒活性を左右する主成分であると考えられる。そのため、Ptの含有比率を下げると、触媒活性も下がることが予測される。しかし、驚くべきことに、Ptの含有比率を抑えたとき、固溶体ナノ粒子を含む触媒は、最も高いメタン酸化分解活性を示す。具体的には、Ptの含有比率が50mol%、40mol%、30mol%と減少するにつれて触媒活性が高まる傾向にある。下限値に関して言えば、Ptの含有比率が5mol%、10mol%と増加するにつれて触媒活性が高まる傾向にある。このことは、後述する実施例より明らかとなる。
本実施形態の固溶体ナノ粒子は、各種の触媒として好適に使用されうる。
触媒反応としては、還元反応、酸化反応、脱水素反応、カップリング反応などの化学反応が挙げられる。これらの触媒反応を伴うプロセス又は装置に本実施形態の触媒を使用できる。触媒の具体的用途として、排ガスの浄化を含む環境用途、電極用途、及び化学プロセス用途が挙げられる。環境用途では、窒素酸化物の還元反応、一酸化炭素の酸化反応、炭化水素の酸化反応、及び揮発性有機化合物(VOC)の酸化反応からなる群より選ばれる少なくとも1つの反応に触媒が使用される。電極用途では、水素酸化反応、酸素還元反応、及び水電解反応からなる群より選ばれる少なくとも1つの反応に触媒が使用される。化学プロセス用途では、不飽和炭化水素の水添反応、及び、飽和又は不飽和炭化水素の脱水素反応からなる群より選ばれる少なくとも1つの反応に触媒が使用される。特に、熱機関から排出された排ガスの浄化、燃料電池における水素の生成、及び、揮発性有機化合物の除去に本実施形態の触媒を好適に使用できる。
排ガスの中でも、天然ガスの燃焼排ガスのように、排ガス中の炭化水素の主成分がメタンであることがある。メタンは、二酸化炭素の約25倍の温室効果を持つ。そのため、大気中へのメタンの放出を極力減らすことが地球環境保護の観点から推奨される。本実施形態の触媒は、炭化水素の酸化分解、特に、メタンの酸化分解に適している。メタンの化学的安定性は高いものの、本実施形態の触媒は高い活性を示すので、メタンの酸化分解を比較的低い温度で十分に進行させることができる。また、本実施形態の触媒は、硫黄酸化物(SOx)などの反応阻害物質に対する耐久性にも優れている。天然ガスを燃料として使用する熱機関としては、ガスタービンが挙げられる。本実施形態の触媒は、ガスタービンの燃焼排ガスの浄化装置に適している。
本実施形態の触媒は、固溶体ナノ粒子を担持している担体をさらに備えていてもよい。固溶体ナノ粒子を担体に担持させることによって、固溶体ナノ粒子の凝集を抑制できる。また、担体からの電子的相互作用により、固溶体ナノ粒子の表面への反応分子の吸着及び活性化を促進できる。担体よっては、固溶体ナノ粒子と電子的に相互作用し、固溶体ナノ粒子の触媒活性を更に向上させることも可能である。
担体の構造は特に限定されない。担体は、典型的には、粒子である。粒子の形状も特に限定されず、球状、楕円球状、鱗片状などの種々の形状の粒子が使用されうる。
担体の材料は特に限定されない。担体の材料として、酸化物、窒化物、炭化物、炭素材料、及び金属材料が挙げられる。酸化物としては、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ニオビア、シリカ-アルミナ、チタニア-ジルコニア、セリア-ジルコニア、酸化スズ、三酸化タングステン、三酸化モリブデン、五酸化タンタル、及びチタン酸ストロンチウムなどが挙げられる。酸化物は、金属酸化物であってもよい。窒化物としては、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウム、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化タングステン、窒化モリブデン、窒化チタン、及び窒化ニオブなどが挙げられる。窒化物は、金属窒化物であってもよい。炭化物としては、炭化ケイ素、炭化ガリウム、炭化インジウム、炭化アルミニウム、炭化ジルコニウム、炭化バナジウム、炭化タングステン、炭化モリブデン、炭化チタン、炭化ニオブ、及び炭化ホウ素などが挙げられる。炭化物は、金属炭化物であってもよい。炭素材料としては、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、及び活性炭素繊維などが挙げられる。金属材料としては、鉄、銅、アルミニウムなどの純金属、及び、ステンレスなどの合金が挙げられる。これらの担体から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせを使用できる。
上記の中でも、ジルコニア粒子などの金属酸化物の粒子を担体として好適に使用できる。金属酸化物は、大きい比表面積を有し、耐熱性、化学的安定性、機械的強度、分散性に優れている。
担体は、SnO2、WO3、MoO3、Ta25、及びNb25からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。これらの材料は、SOxに対する耐久性に優れるので、長期にわたって触媒の活性を維持する効果を奏する可能性がある。担体は、これらの材料のいずれかを主成分として含んでいてもよく、実質的にこれらの材料からなっていてもよい。「主成分」とは、質量比で最も多く含まれる成分を意味する。「実質的に・・・からなる」とは、不可避不純物を除き、特定の材料以外の材料が意図的に添加されていないことを意味する。
固溶体ナノ粒子を担体に担持させることなく触媒として使用してもよい。固溶体ナノ粒子を溶液中で触媒として用いる場合には、固溶体ナノ粒子を保護剤で保護してもよい。
次に、固溶体ナノ粒子の製造方法について説明する。以下に説明する方法は、状態図において不混和な金属の組み合わせであったとしても、原子レベルでの混合を可能にする。
式(1)で表される組成を有する固溶体ナノ粒子は、Pt塩、M1の塩及びM2の塩を含む溶液を所定温度Tに加熱した液体還元剤に加えて反応させる工程を経て作製される。固溶体ナノ粒子の組成は、原料である金属塩の比率を調節することによって制御されうる。
まず、Pt塩、M1の塩及びM2の塩を含む溶液を調製する。溶液は、典型的には、水溶液である。M1の塩は、Ru塩又はIr塩である。M1の塩がRu塩のとき、M2の塩は、Ir塩、Rh塩、Ag塩、Cu塩及びAu塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。M1の塩がIr塩のとき、M2の塩は、Rh塩、Pd塩、Ag塩、Cu塩及びAu塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。Pt塩、M1の塩及びM2の塩は、それぞれ、水溶性でありうる。
Pt塩、Ru塩、Ir塩、Rh塩、Pd塩、Ag塩、Cu塩及びAu塩としては、以下の塩が挙げられる。
Pt:K2PtCl4、(NH422PtCl4、(NH42PtCl6、Na2PtCl6、[Pt(NO22(NH32
Ru:RuCl3、RuBr3などのハロゲン化ルテニウム、硝酸ルテニウム
Ir:塩化イリジウム、イリジウムアセチルアセトナート、イリジウムシアン酸カリウム、イリジウム酸カリウム
Rh:酢酸ロジウム、硝酸ロジウム、塩化ロジウム
Pd:K2PdCl4、Na2PdCl4、K2PdBr4、Na2PdBr4、硝酸パラジウム
Ag:硝酸銀、酢酸銀
Cu:硫酸銅、塩化第1銅、塩化第2銅、酢酸銅、硝酸銅
Au:塩化金酸、臭化金酸、酢酸金
まず、Pt塩、M1の塩及びM2の塩を秤量し、水に加えて溶液を調製する。溶液のpHを調節するために、酸又はアルカリを水に加えてもよい。溶液の温度は、例えば、常温(20℃±15℃)である。
次に、必要に応じて、溶液に担体を加える。担体を溶液に加えるタイミングは特に限定されない。担体を溶液中に存在させつつ、固溶体ナノ粒子を形成するための反応を進行させると、ポリマーなどの保護剤を用いることなく担体に固溶体ナノ粒子を直接的に担持させることができる。
次に、液体還元剤と溶液とを混合して反応液を得る。一例において、所定温度Tに加熱した液体還元剤に溶液を噴霧することによって、液体還元剤と溶液とを混合する。反応液を所定温度Tに維持しながら所定時間tかけて反応を進行させる。噴霧に代えて、液体還元剤に溶液を滴下してもよい。その後、反応液を放冷して固液分離を行うことによって、所望の組成の固溶体ナノ粒子が得られる。
所定温度Tは、例えば、150℃以上250℃以下の範囲にある。所定時間tは、例えば、1分以上12時間以下の範囲にある。液体還元剤としては、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの多価アルコールが挙げられる。液体還元剤及び溶液の一方又は両方を予め加熱し、それらを混合してもよい。
反応液は、保護剤を含んでいてもよい。保護剤は、固溶体ナノ粒子の凝集を抑制する役割を持つ。保護剤としては、ポリマー、アミン、及びカルボン酸が挙げられる。ポリマーとしては、ポリ(N-ビニル-2-ピロリドン)(PVP)及びポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。アミンとしては、オレイルアミンが挙げられる。カルボン酸としては、オレイン酸が挙げられる。
なお、固溶体ナノ粒子と担体の粒子とを混合することによって、事後的に担体に固溶体ナノ粒子を担持させることも可能である。混合は、溶媒を用いて行ってもよい。溶媒を使用した場合、必要に応じて、ろ過、乾燥、及び成形の操作を行ってもよい。
固液分離の工程は、省略されることもある。つまり、固溶体ナノ粒子は、分散液の状態で提供されてもよい。分散液は、溶媒と、溶媒に分散した固溶体ナノ粒子とを含む。用途によっては、分散液の状態で固溶体ナノ粒子が提供されることが望ましい。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。
<<実施例1:PtRuIr固溶体ナノ粒子>>
40mlの水に0.117mlの塩酸を加えて希塩酸を調製した。希塩酸のpHは1.64であり、温度は24.7℃であった。0.1025mmolのK2PtCl4を8mlの希塩酸に溶解させてPt塩水溶液を得た。0.205mmolのRuCl3・nH2Oを8mlの希塩酸に溶解させてRu塩水溶液を得た。0.205mmolのIrCl4・nH2Oを8mlの希塩酸に溶解させてIr塩水溶液を得た。Pt塩水溶液、Ru塩水溶液及びIr塩水溶液を混合し、貴金属塩の混合液を得た。超音波ホモジナイザを用い、1920mgのZrO2粉末(第一稀元素社製、RC-100)を16mlの希塩酸に分散させてZrO2分散液を得た。ZrO2分散液を撹拌しながらZrO2分散液に貴金属塩の混合液を加え、原料液を得た。原料液の撹拌を15分間続けた。
一方、2mlの水に1.3mmolのNaOHを溶解させてNaOH水溶液を調製した。400mlのトリエチレングリコールにNaOH水溶液をゆっくり加えてトリエチレングリコールのpHを7に合わせた。その後、トリエチレングリコールを232℃まで加熱した。
加熱したトリエチレングリコールに19分間かけて原料液を噴霧した。噴霧時におけるトリエチレングリコールの温度は、229~232℃であった。噴霧終了後、232℃に維持しながら、トリエチレングリコールと原料液とを含む反応液を10分間かけて撹拌した。反応液を放冷したのち、沈殿物を遠心分離によって分離し、水で洗浄した。その後、分離された固形物を真空乾燥させた。これにより、ZrO2に担持されたPtRuIr固溶体ナノ粒子を得た。
[組成分析、TEM観察]
蛍光X線分析装置を用いて、PtRuIr固溶体ナノ粒子の組成を同定した。結果を表1に示す。透過電子顕微鏡によってZrO2に担持されたPtRuIr固溶体ナノ粒子を観察した。得られたTEM像を図1に示す。
Ptの担持量は、1.08wt%であり、目標値(1wt%)に概ね一致した。PtRuIr固溶体ナノ粒子における組成比(atom%)は、Pt:Ru:Ir=22:40:38であり、目標の1:2:2に概ね一致した。HfO2は、ジルコニア粒子に不可避的に含まれる不純物である。
図1において、大きい粒子がZrO2粒子である。ZrO2粒子の表面に付着した小さい粒子がPtRuIr固溶体ナノ粒子である。PtRuIr固溶体ナノ粒子は、ZrO2粒子の表面に均一に付着していた。PtRuIr固溶体ナノ粒子の平均粒径は、2.2±0.4nmであった。「A±Bnm」の表記において、Aは平均粒径を表し、Bは標準偏差を表す。
[元素マッピング及び線分析]
実施例1のZnO2に担持されたPtRuIr固溶体ナノ粒子について、エネルギー分散型X線分析(EDX)による元素マッピングと、線分析とを行った。HAADF-STEM(High-Angle Annular Dark-Field Scanning Transmission Electron Microscopy)による像、及び、元素マッピングの結果を図2A~図2Dに示す。図2Aは、HAADF-STEM像を示す。図2B、図2C及び図2Dは、それぞれ、Pt、Ir、Ruの元素マッピングのデータを示す。線分析の結果を図3A及び図3Bに示す。図3Bは、図3AのSTEM像に現れたPtRuIr固溶体ナノ粒子の線分析の結果を示している。
図2B~図2Dに現れた濃い白色の部分は、図2Aにおける小さい粒子の部分に対応している。これらの結果は、ZnO2粒子上にPtRuIr固溶体ナノ粒子が均一に形成されたことを示している。図3A及び図3Bの線分析の結果は、Pt、Ir及びRuが互いに分離して存在しているのではなく、Pt、Ir及びRuが粒子全体に均一に分布していることを示している。すなわち、図2A~図2D、図3A及び図3Bのデータは、PtRuIrナノ粒子において、Pt、Ir及びRuが原子レベルで固溶していることを示している。
<<実施例2~6:PtRuIr固溶体ナノ粒子>>
Pt塩、Ru塩及びIr塩の仕込み比を変更したことを除き、実施例1と同じ方法によって、組成比が互いに異なる実施例2~6のPtRuIr固溶体ナノ粒子を作製した。各実施例における目標の組成は、以下の通りであった。各実施例におけるPtの担持量の目標値は、1wt%であった。
実施例2:Pt0.2Ru0.6Ir0.2
実施例3:Pt0.2Ru0.2Ir0.6
実施例4:Pt0.25Ru0.25Ir0.5
実施例5:Pt0.3Ru0.3Ir0.3
実施例6:Pt0.6Ru0.2Ir0.2
<<参照例1:Ptナノ粒子>>
0.205mmolのK2PtCl4を20mlの水に溶解させてPt塩水溶液を得た。3960mgのZrO2粉末を30mlの水に分散させてZrO2分散液を得た。ZrO2分散液を撹拌しながらZrO2分散液にPt塩水溶液を加え、原料液を得た。原料液の撹拌を15分間続けた。
232℃に加熱した300mlのトリエチレングリコールに19分間かけて原料液を噴霧した。噴霧時におけるトリエチレングリコールの温度は、228~233℃であった。噴霧終了後、230℃に維持しながら、トリエチレングリコールと原料液とを含む反応液を10分間かけて撹拌した。反応液を放冷したのち、沈殿物を遠心分離によって分離し、水で洗浄した。その後、分離された固形物を真空乾燥させた。これにより、ZrO2に担持されたPtナノ粒子を得た。Ptの担持量は、1.02wt%であり、目標値(1wt%)に概ね一致した。
図4は、参照例1のZrO2に担持されたPtナノ粒子のTEM像である。図4において、大きい粒子がZrO2粒子である。ZrO2粒子の表面に付着した小さい粒子がPtナノ粒子である。Ptナノ粒子の平均粒径は、2.9±0.8nmであった。
<<参照例2:Ruナノ粒子>>
30mlの水に0.088mlの塩酸を加えて希塩酸を調製した。0.07689mmolのRuCl3・nH2Oを8mlの希塩酸に溶解させてRu塩水溶液を得た。超音波ホモジナイザを用い、1462.45mgのZrO2粉末を12mlの希塩酸に分散させてZrO2分散液を得た。ZrO2分散液を撹拌しながらZrO2分散液にRu塩水溶液を加え、原料液を得た。原料液の撹拌を15分間続けた。
一方、2mlの水に1mmolのNaOHを溶解させてNaOH水溶液を調製した。300mlのトリエチレングリコールにNaOH水溶液をゆっくり加えてトリエチレングリコールのpHを7に合わせた。その後、トリエチレングリコールを232℃まで加熱した。
加熱したトリエチレングリコールに13分間かけて原料液を噴霧した。噴霧時におけるトリエチレングリコールの温度は、229~232℃であった。噴霧終了後、230℃に維持しながら、トリエチレングリコールと原料液とを含む反応液を10分間かけて撹拌した。反応液を放冷したのち、沈殿物を遠心分離によって分離し、水で洗浄した。その後、分離された固形物を真空乾燥させた。これにより、ZrO2に担持されたRuナノ粒子を得た。Ruの担持量は、0.43wt%であり、目標値(0.5wt%)に概ね一致した。
図5は、参照例2のZrO2に担持されたRuナノ粒子のTEM像である。図5において、大きい粒子がZrO2粒子である。ZrO2粒子の表面に付着した小さい粒子がRuナノ粒子である。Ruナノ粒子の平均粒径は、4.2±0.8nmであった。
<<参照例3:Irナノ粒子>>
0.07689mmolのIrCl4・nH2Oを18mlの水に溶解させてIr塩水溶液を得た。1462.45mgのZrO2粉末を12mlの水に分散させてZrO2分散液を得た。ZrO2分散液を撹拌しながらZrO2分散液にIr塩水溶液を加え、原料液を得た。原料液の撹拌を15分間続けた。
232℃に加熱した300mlのトリエチレングリコールに12分間かけて原料液を噴霧した。噴霧時におけるトリエチレングリコールの温度は、228~232℃であった。噴霧終了後、230℃に維持しながら、トリエチレングリコールと原料液とを含む反応液を10分間かけて撹拌した。反応液を放冷したのち、沈殿物を遠心分離によって分離し、水で洗浄した。その後、分離された固形物を真空乾燥させた。これにより、ZrO2に担持されたIrナノ粒子を得た。Irの担持量は、1.1wt%であり、目標値(1wt%)に概ね一致した。
図6は、参照例3のZrO2に担持されたIrナノ粒子のTEM像である。図6において、大きい粒子がZrO2粒子である。ZrO2粒子の表面に付着した小さい粒子がIrナノ粒子である。Irナノ粒子の平均粒径は、1.3±0.3nmであった。
<<参照例4:Pdナノ粒子>>
0.3759mmolのK2PdCl4を20mlの水に溶解させてPd塩水溶液を得た。3960mgのZrO2粉末を30mlの水に分散させてZrO2分散液を得た。ZrO2分散液を撹拌しながらZrO2分散液にPd塩水溶液を加え、原料液を得た。原料液の撹拌を15分間続けた。
232℃に加熱した300mlのトリエチレングリコールに22分間かけて原料液を噴霧した。噴霧時におけるトリエチレングリコールの温度は、228~233℃であった。噴霧終了後、230℃に維持しながら、トリエチレングリコールと原料液とを含む反応液を10分間かけて撹拌した。反応液を放冷したのち、沈殿物を遠心分離によって分離し、水で洗浄した。その後、分離された固形物を真空乾燥させた。これにより、ZrO2に担持されたPdナノ粒子を得た。Pdの担持量は、1.06wt%であり、目標値(1wt%)に概ね一致した。
図7は、参照例4のZrO2に担持されたPdナノ粒子のTEM像である。図7において、大きい粒子がZrO2粒子である。ZrO2粒子の表面に付着した小さい粒子がPdナノ粒子である。Pdナノ粒子の平均粒径は、3.9±0.8nmであった。
<<比較例1:含浸法によるナノ粒子の作製>>
2.94gのZrO2粉末を50mlの水に分散させてZrO2分散液を得た。ZrO2分散液を室温で30分間かけて撹拌した。0.666gのPt(NO22(NH32溶液(Pt含有量:4.595wt%)と、1.043gのRu(NO)(NO33溶液(Ru含有量:1.50wt%)と、0.375gのIr(NO34溶液(Ir含有量:7.91wt%)とを混合して混合液を得た。ZrO2分散液を撹拌しながらZrO2分散液に混合液をゆっくりと滴下し、原料液を得た。原料液の撹拌を1時間続けた。
エバポレータを用い、50℃の湯浴にて原料液から溶媒を除去した。残った粉末を回収し、乾燥器に入れ、空気中、110℃、12時間の条件で乾燥させた。乾燥した粉末を乳鉢で粉砕したのち、電気炉に入れ、空気中、600℃、5時間の条件で焼成した。これにより、比較例1のPtRuIr/ZrO2粒子を得た。
[メタン酸化活性の評価]
実施例5、参照例1~4及び比較例1のナノ粒子を触媒として使用したときのメタン酸化活性を調べた。メタン酸化活性は、メタンを酸化分解する触媒能を意味する。以下、実施例のナノ粒子を用いた触媒を「実施例の触媒」と称する。参照例のナノ粒子を用いた触媒を「参照例の触媒」と称する。比較例のナノ粒子を用いた触媒を「比較例の触媒」と称する。
実施例5、参照例1~4及び比較例1の触媒のメタン酸化活性は、固定床流通式の反応装置を用いて評価した。まず、ペレット状に成形した50mgの触媒を内径7mmの石英製反応管に石英ウールを用いて充填した。反応管をガス供給装置に接続し、天然ガスの燃焼排ガスを模擬した反応ガス(CH4:0.1%、O2:10%、SO2:5volppm、H2O:3%、He:バランスガス)を触媒に向けて供給した。
測定前の前処理として、上記の反応ガス中で触媒を600℃に加熱して1時間保持した。その後、触媒の温度を200℃まで下げ、100ml/minの流量にて反応ガスを供給した。触媒の温度は、200℃から600℃まで50℃ずつ上昇させた。触媒の温度を各温度で20分間維持し、定常状態にある触媒を通過した反応ガス中のメタンの濃度を測定した。測定された濃度からメタン転化率(%)を算出した。結果を図8に示す。縦軸の「メタン転化率」は、酸化分解されたメタンの割合を示す。メタン転化率が大きければ大きいほど、触媒のメタン酸化活性が高いことを意味する。
実施例5の触媒の400℃におけるメタン転化率は、41%であった(図8)。比較例1の触媒の400℃でのメタン転化率は、29%であった。下記式に基づき、速度定数kを算出したところ、実施例5の触媒の速度定数は、4.71×10-5mol/min/g-catであった。比較例1の触媒の速度定数は、3.06×10-5mol/min/g-catであった。実施例5の触媒の速度定数は、比較例1の触媒の速度定数の約1.5倍であった。
k=-(F/W)ln(1-x)
F:メタンのモル流速(=(0.1/100)×100/22400)
W:触媒の重量(50mg)
x:転化率
実施例5のPtRuIr触媒(Pt0.3Ru0.3Ir0.3/ZnO2)は、参照例4のPd触媒と同等以上の高い活性を示した。350~500℃の低温度域において、実施例5のPtRuIr触媒の活性は、比較例1の触媒の活性を上回っていた。実施例5のPtRuIr触媒の活性は、参照例1~3のPt触媒、Ru触媒及びIr触媒の活性を大幅に上回った。例えば、400℃において、参照例1~3のPt触媒、Ru触媒及びIr触媒のメタン転化率は10%未満であった。これに対し、400℃における実施例5の触媒のメタン転化率は、約40%であった。
「400℃」は、例えば、一般的なガスタービンの排ガスの温度よりも十分に低い温度である。そのため、400℃で十分な活性を発揮しうる触媒は、ガスタービンの排ガスからメタンを除去するための用途に適していると言える。
同じ方法によって、実施例1~4及び6のPtRuIr触媒のメタン酸化活性も調べた。結果を図9に示す。
実施例1~6において、貴金属の合計の担持量(wt%)は互いに異なる。実施例1~6において、Ptの担持量は、1wt%で等しい。例えば、400℃での活性(メタン転化率)を比較したとき、実施例1のPtRuIr触媒(Pt0.2Ru0.4Ir0.4)の活性は最も高かった。実施例6のPtRuIr触媒(Pt0.6Ru0.2Ir0.2)の活性は最も低かった。実施例1におけるPtの担持量も実施例6におけるPtの担持量も概ね1wt%で等しい。Ptの含有比率が比較的低いとき、PtRuIr触媒が高い活性を示した。
Ruナノ粒子の単独でのメタン酸化活性は非常に低い(図8)。それにもかかわらず、実施例1のPtRuIr触媒(Pt0.2Ru0.4Ir0.4)及び実施例2のPtRuIr触媒(Pt0.2Ru0.6Ir0.2)が非常に高い活性を示したことは驚きに値する。
なお、貴金属の全担持量を所定の割合(例えば4wt%)に統一しつつ、PtRuIr固溶体ナノ粒子の組成を変更した場合にも、様々な組成を持つPtRuIr触媒は、上記実施例と同じ傾向を示すと推測される。
図10は、400℃でのメタン転化率と固溶体ナノ粒子の組成との関係を示す三角グラフである。Pt-Ru-Irの組成比が0.2:0.4:0.4であるとき(実施例1)、PtRuIr触媒は最高の活性(77.3%)を示した。図9及び図10から理解できるように、PtRuIr固溶体ナノ粒子におけるPtの含有比率が適切な範囲にあるとき、PtRuIr固溶体ナノ粒子を用いた触媒が高い活性を示した。図9及び図10より、Ptの含有比率が50mol%、40mol%、30mol%と減少するにつれて触媒活性が高まる傾向があった。下限値に関して言えば、Ptの含有比率が5mol%、10mol%と増加するにつれて触媒活性が高まる傾向があった。したがって、PtRuIr固溶体ナノ粒子におけるPtの含有比率の上限値は、例えば、50mol%、40mol%又は30mol%である。PtRuIr固溶体ナノ粒子におけるPtの含有比率の下限値は、例えば、5mol%又は10mol%である。PtRuIr固溶体ナノ粒子におけるPtの含有比率は、10mol%以上30mol%以下の範囲にあってもよい。
[耐久試験]
次に、実施例1、実施例5、参照例1~4及び比較例1の触媒の耐久性を調べた。具体的には、先に説明した反応装置及び反応ガスを使用し、30時間が経過するまで400℃でのメタン酸化活性の経時変化を調べた。触媒の量を50mgから200mgに変更した。先に説明した方法と同じ方法で前処理を行った。結果を図11A及び図11Bに示す。
図11Aに示すように、参照例4の触媒(Pdナノ粒子)の活性は、時間の経過に伴って大幅に低下した。この結果は、PdがSO2によって被毒されたことを示している。
実施例1、実施例5及び比較例1の触媒の活性は、それぞれ、30時間の試験期間にわたって概ね一定であった。この結果は、PtRuIr触媒が硫黄被毒を受けにくいことを示している。また、実施例1及び実施例5の触媒の活性は、比較例1の触媒の活性よりも遥かに高かった。
図11Bに示すように、参照例1~3の触媒の活性は、時間の経過に伴って少し低下した。ただし、参照例1~3の触媒の活性は、初期から低かった。初期の活性を基準としたときの低下の割合で比較すると、参照例1~3の触媒の活性の低下の割合は大きかった。このことは、Pdほどではないものの、Pt、Ru及びIrも硫黄被毒を受けることを示している。実施例1の触媒の活性は殆ど低下しなかったことから、Pt、Ru及びIrが固溶体を形成することによって、PtRuIr触媒が硫黄被毒に対する優れた耐久性を新たに獲得したと考えられる。
<<実施例7:PtRuIr固溶体ナノ粒子/SnO2>>
ZrO2粉末に代えて、1438.5mgのSnO2粉末を用い、担持後の合計金属量が4.1wt%となるように仕込みの金属塩の量を調整したこと除き、実施例5と同じ方法によって、SnO2に担持されたPtRuIr固溶体ナノ粒子を得た。すなわち、実施例7におけるPtRuIr固溶体ナノ粒子の組成は、Pt0.3Ru0.3Ir0.3である。
[耐久試験]
以下の4種類の触媒の耐久性を調べた。具体的には、先に説明した反応装置及び反応ガスを使用し、100時間が経過するまで400℃でのメタン酸化活性の経時変化を調べた。結果を図12に示す。
実施例3の触媒(Pt0.2Ru0.2Ir0.6/ZrO2)200mg
実施例5の触媒(Pt0.3Ru0.3Ir0.3/ZrO2)50mg
実施例7の触媒(Pt0.3Ru0.3Ir0.3/SnO2)200mg
実施例7の触媒(Pt0.3Ru0.3Ir0.3/SnO2)50mg
図12は、実施例3,5及び7の触媒の400℃でのメタン酸化活性の経時変化を示すグラフである。ZrO2を担体として用いた実施例3の触媒200mgの初期活性(0~50時間)は、SnO2を担体として用いた実施例7の触媒200mgの初期活性よりも優れていた。しかし、100時間経過後は、実施例7の触媒の活性がサンプル1の触媒の活性を上回った。つまり、SnO2を担体として用いた触媒は耐久性に優れていた。
実施例5の触媒におけるPtRuIr固溶体ナノ粒子の組成は、実施例7の触媒におけるPtRuIr固溶体ナノ粒子の組成と同一である。実施例5の触媒50mgの活性は、試験開始後直ちに低下し、その後、40%付近で推移した。これに対し、実施例7の触媒50mgは、100時間経過後も初期の活性(60%)を維持していた。つまり、SnO2を担体として用いた触媒は耐久性に優れていた。
[担体の酸点及び塩基点]
担体としてのZrO2粒子及びSnO2粒子の表面の酸性質及び塩基性質を昇温脱離法(TPD)によって測定した。酸点の測定では、塩基プローブ分子であるアンモニアを担体に吸着させ、温度を連続的に上昇させたときに脱離するアンモニアの量を測定した(NH3-TPD)。塩基点の測定では、酸プローブ分子である二酸化炭素を使用して測定を行った(CO2-TPD)。具体的には、以下の条件で前処理及び測定を行った。
(前処理)
100mgのZrO2粒子又はSnO2粒子をサンプルとして反応管に充填し、Arを流しながら600℃まで昇温させ、30分間かけてAr処理を実施した。その後、100%のO2に切り替えて30分間処理を実施した後、Arに切り替えて30分間処理を実施した。その後、サンプルを100℃(NH3-TPD)又は50℃(CO2-TPD)まで冷却した。NH3-TPDでは100℃で1時間にわたって0.5vol%の濃度でNH3を含むNH3/Ar混合ガスを流通させてサンプルにNH3を吸着させた。CO2-TPDでは、50℃で1時間にわたって0.5vol%の濃度のCO2を含むCO2/Ar混合ガスを流通させてサンプルにCO2を吸着させた。その後、Arに切り替えて、30分間かけてサンプルから物理吸着種を脱離させた。
(測定)
40ml/minの流量でArを流しながら、10℃/minの速度で100℃(NH3)又は50℃(CO2)から600℃までサンプルを昇温させた。NH3-TPDでは、NH3のフラグメントである質量数16のMSシグナルを測定した。CO2-TPDでは、CO2に相当する質量数44のMSシグナルを測定した。結果を図13A及び図13Bに示す。
図13Aは、NH3-TPDの測定結果を示すグラフである。図13Bは、CO2-TPDの測定結果を示すグラフである。横軸はサンプルの温度を示す。縦軸はMSシグナル強度を示す。図13A及び図13Bに示すように、ZrO2は、広い温度範囲にわたってNH3及びCO2の脱離を示した。つまり、ZrO2には酸点及び塩基点の両方が存在していた。一方、SnO2は、広い温度範囲にわたってNH3の脱離を示したが、CO2の脱離を殆ど示さなかった。200℃以上ではCO2のシグナルが検出されなかった。つまり、SnO2には塩基点が殆ど存在しなかった。これらの結果から、SnO2を担体として用いた場合にメタン転化率の低下が緩やかである理由は、SnO2にSO4 2-が吸着しにくいためであると考えられる。CO2-TPD測定を行ったときに200℃以上でCO2のシグナルが検出されない担体を用いることによって、触媒の効果が長期に渡って維持されうる。
<<実施例8:PtIrPd固溶体ナノ粒子>>
超音波ホモジナイザを用い、0.3mmolのK2PtCl4、0.3mmolのIrCl4・nH2O、及び0.3mmolのK2PdCl4を40mlの水に溶解させた。これにより、貴金属塩を含む原料液を得た。
300mlのトリエチレングリコールに9mmolのPVPを加えて加熱した。加熱したトリエチレングリコールに15分間かけて原料液を噴霧した。噴霧時におけるトリエチレングリコールの温度は、228~233℃であった。噴霧終了後、230℃に維持しながら、トリエチレングリコールと原料液とを含む反応液を10分間かけて撹拌した。反応液を放冷したのち、沈殿物を遠心分離によって分離した。上澄み液は無色透明であった。これにより、736.89mgのPtIrPd固溶体ナノ粒子を得た。
[組成分析、TEM観察]
蛍光X線分析装置を用いて、PtIrPd固溶体ナノ粒子の組成を同定した。結果を表2に示す。透過電子顕微鏡によってPtIrPd固溶体ナノ粒子を観察した。得られたTEM像を図14に示す。
PtIrPd固溶体ナノ粒子における組成比(atom%)は、Pt:Ir:Pd=32:35:32であり、目標の1:1:1に概ね一致した。なお、定量結果(wt%)は、貴金属以外の残部がPVPであるものと仮定して算出した値である。
図14は、実施例8のPtIrPd固溶体ナノ粒子のTEM像である。図14に示すように、ナノサイズのPtIrPd固溶体ナノ粒子が得られた。PtIrPd固溶体ナノ粒子の平均粒径は、4.4±0.9nmであった。平均粒径は、TEM像中の粒子(100個)の粒径(長径)を実測し、その平均を算出するという方法で算出した。A±Bnmという表記のAは平均粒径を表し、Bは標準偏差を表している。「長径」は、粒子の外縁上の2点間距離のうち、最も長いものを意味する。
[X線回折測定]
実施例8のPtIrPd固溶体ナノ粒子の粉末X線回折測定を実施した。図15は、実施例8のPtIrPd固溶体ナノ粒子のX線回折パターンである。X線回折測定は、CuKα線を用いて室温で行った。X線回折パターンは、単一のfccパターンを示していた。このことは、試料がPt、Ir及びPdの混合物ではなく、固溶体であることを示している。複数種類の単体の貴金属ナノ粒子が単に物理的に混合されている場合、又は、単一の粒子の中で複数種類の単体の貴金属が相分離している場合、各単体の貴金属の格子定数は異なるため、ピーク位置の異なるfccパターンが複数観測される。しかし、全元素が均一に原子レベルで混合した固溶体の場合、その格子定数は各元素の組成比と原子半径とにより単一の値に決定されるため、単一のfccパターンしか観測されない。
<<実施例9:PtIrPdRh固溶体ナノ粒子>>
超音波ホモジナイザを用い、0.25mmolのK2PtCl4、0.25mmolのIrCl4・nH2O、0.25mmolのK2PdCl4、及び0.25mmolのRhCl3・3H2Oを40mlの水に溶解させた。これにより、貴金属塩を含む原料液を得た。
300mlのトリエチレングリコールに2mmolのPVPを加えて加熱した。加熱したトリエチレングリコールに16分間かけて原料液を噴霧した。噴霧時におけるトリエチレングリコールの温度は、229~232℃であった。噴霧終了後、230℃に維持しながら、トリエチレングリコールと原料液とを含む反応液を10分間かけて撹拌した。反応液を放冷したのち、沈殿物を遠心分離によって分離した。上澄み液はうすい茶色の色を有していた。これにより、105.19mgのPtIrPdRh固溶体ナノ粒子を得た。
[組成分析、TEM観察]
蛍光X線分析装置を用いて、PtIrPdRh固溶体ナノ粒子の組成を同定した。結果を表3に示す。透過電子顕微鏡によってPtIrPdRh固溶体ナノ粒子を観察した。得られたTEM像を図16に示す。
PtIrPdRh固溶体ナノ粒子における組成比(atom%)は、Pt:Ir:Pd:Rh=21:24:28:27であり、目標の1:1:1:1に概ね一致した。なお、定量結果(wt%)は、貴金属以外の残部がPVPであるものと仮定して算出した値である。
図16は、実施例9のPtIrPdRh固溶体ナノ粒子のTEM像である。図16に示すように、ナノサイズのPtIrPdRh固溶体ナノ粒子が得られた。PtIrPdRh固溶体ナノ粒子の平均粒径は、3.9±1.2nmであった。
[X線回折測定]
実施例9のPtIrPdRh固溶体ナノ粒子の粉末X線回折測定を実施した。図17は、実施例9のPtIrPdRh固溶体ナノ粒子のX線回折パターンである。X線回折パターンは、単一のfccパターンを示していた。このことは、試料がPt、Ir、Pd及びRhの混合物ではなく、固溶体であることを示している。複数種類の単体の貴金属ナノ粒子が単に物理的に混合されている場合、又は、単一の粒子の中で複数種類の単体の貴金属が相分離している場合、各単体の貴金属の格子定数は異なるため、ピーク位置の異なるfccパターンが複数観測される。しかし、全元素が均一に原子レベルで混合した固溶体の場合、その格子定数は各元素の組成比と原子半径とにより単一の値に決定されるため、単一のfccパターンしか観測されない。
本発明の固溶体ナノ粒子は、電子材料、磁性材料、触媒材料、医薬品材料、化粧品材料又は食料品材料として有用である。

Claims (13)

  1. 式PtxM1yM21-x-y(0<x<1、0<y<1、x+y<1)によって表される組成を有する固溶体ナノ粒子であって、
    (i)M1がRuであり、M2がIrである、
    (ii)M1がIrであり、M2がPdである、又は、
    (iii)M1がIrであり、M2がPd及びRhであり、
    前記固溶体ナノ粒子において、Pt、M1及びM2の含有比率は、それぞれ、10mol%以上80mol%以下であり、
    前記(i)を満たす場合、前記固溶体ナノ粒子において、Ptの含有比率は、10mol%以上20mol%以下である、
    固溶体ナノ粒子。
  2. 請求項1に記載の固溶体ナノ粒子を含む、触媒。
  3. 前記固溶体ナノ粒子を担持している担体をさらに備えた、
    請求項に記載の触媒。
  4. 前記担体は、金属酸化物の粒子である、
    請求項に記載の触媒。
  5. 10℃/minの昇温速度で前記担体のCO2-TPD測定を行ったときに200℃以上でCO2のシグナルが検出されない、
    請求項3又は4に記載の触媒。
  6. 前記担体は、SnO2、WO3、MoO3、Ta25、及びNb25からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、
    請求項からのいずれか1項に記載の触媒。
  7. 炭化水素の酸化分解用触媒である、
    請求項からのいずれか1項に記載の触媒。
  8. 前記炭化水素がメタンを含む、
    請求項に記載の触媒。
  9. 前記(ii)又は前記(iii)を満たす場合、前記固溶体ナノ粒子において、Ptの含有比率は、10mol%以上30mol%以下である、
    請求項2から8のいずれか1項に記載の触媒。
  10. 前記触媒は、天然ガスの燃焼排ガスに含まれる前記炭化水素の酸化分解触媒であり、前記排ガスは、二酸化硫黄及び水をさらに含む、
    請求項7又は8に記載の触媒。
  11. 式Pt x M1 y M2 1-x-y (0<x<1、0<y<1、x+y<1)によって表される組成を有する固溶体ナノ粒子と、
    前記固溶体ナノ粒子を担持している担体と、
    を備え、
    M1がRuであり、
    M2がIrであり、
    前記担体は、SnO2の粒子であり、
    前記固溶体ナノ粒子において、Ptの含有比率は、10mol%以上30mol%以下であり、
    前記固溶体ナノ粒子において、M1及びM2の含有比率は、それぞれ、10mol%以上80mol%以下であり、
    メタンの酸化分解用触媒である、
    触媒。
  12. 式PtxM1yM21-x-y(0<x<1、0<y<1、x+y<1)によって表される組成を有する固溶体ナノ粒子の製造方法であって、
    Pt塩、M1の塩及びM2の塩を含む溶液を150℃以上250℃以下の範囲の温度に加熱した液体還元剤に加えて反応させることを含み、
    (i)前記M1の塩がRu塩であり、前記M2の塩がIr塩である、
    (ii)前記M1の塩がIr塩であり、前記M2の塩がPd塩である、又は、
    (iii)前記M1の塩がIr塩であり、前記M2の塩がPd塩及びRh塩であり、
    前記固溶体ナノ粒子において、Pt、M1及びM2の含有比率は、それぞれ、10mol%以上80mol%以下であり、
    前記(i)を満たす場合、前記固溶体ナノ粒子において、Ptの含有比率は、10mol%以上20mol%以下である、
    固溶体ナノ粒子の製造方法。
  13. 前記溶液が担体をさらに含む、
    請求項12に記載の固溶体ナノ粒子の製造方法。
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