以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態(実施例)について詳細に説明する。なお、同様な機能を有する部材については、同じ符号を用いることがある。また、一部の構成に符号を付して、同様の構成については、符号を付さないことがある。以下では、アンテナ(アレーアンテナ及びアンテナ素子)は、電波を放射、つまり送信するとして説明するが、アンテナの可逆性により、電波を受信することができる。
(平面アンテナ100)
図1は、本実施の形態が適用されるアレーアンテナ1の応用例の一例としての平面アンテナ100を説明する図である。図1(a)は、平面図、図1(b)は、電波の放射方向を説明する図である。図1(a)において、紙面の右方向をx方向、紙面の上方向をy方向、紙面の表面方向をz方向とする。図1(b)において、紙面の右方向をx方向、紙面の下方向をz方向、紙面の表面方向をy方向とする。図1(a)には、平面アンテナ100に加え、平面アンテナ100を制御する制御部200を図示している。
図1(a)に示すように、平面アンテナ100は、複数のアレーアンテナ1(図1(a)では、8個)を備える。複数のアレーアンテナ1は、x方向に並列に配置されている。アレーアンテナ1は、複数のアンテナ素子10(図1(a)では、7個)と給電線路50とを備える。アレーアンテナ1において、複数のアンテナ素子10は、y方向に直線状に配列されている。そして、給電線路50は、複数のアンテナ素子10に直列に接続されている。ここでは、一例として、アンテナ素子10の給電素子13(後述する図3参照)はスロットであって、給電線路50は、スロットに給電するように、アンテナ素子10と平面視において重なって設けられている。給電線路50は、-y方向側の端部において制御部200に接続されている。制御部200は、給電線路50に対して、白抜き矢印で示すように、アレーアンテナ1の備えるアンテナ素子10に電波を放射するための電力を供給する。つまり、アレーアンテナ1の複数のアンテナ素子10は、給電線路50により直列給電方式で給電されている。なお、平面視とは、z方向から構成要素(図1(a)では、アンテナ素子10と給電線路50と)を透視して見ることをいう。他の場合においても同様とする。
アンテナ素子10は、単体であっても電波を放射することからアンテナと表記してもよい。本明細書では、アレーアンテナ1と区別するために、アンテナ素子10と表記する。アンテナ素子10は、放射素子と呼ばれることがある。
アレーアンテナ1は、1本の給電線路50で給電される複数のアンテナ素子10が直線状に配列されているので、リニアアレーアンテナ又はリニアアレーと呼ばれることがある。アレーアンテナ1において、アンテナ素子10が配列されている方向(図1においては、+y方向)をアレー方向と表記する。図1(a)では、複数のアンテナ素子10は、y方向に一直線に配列されているが、一部のアンテナ素子10が+x方向又は-x方向にずれて配列されていてもよい。例えば、複数のアンテナ素子10は、ジグザグに配列されていてもよい。さらに、複数のアンテナ素子10は、弧状に配列されていてもよい。
図1(b)に示すように、複数のアレーアンテナ1が同相(位相差を設けない)で給電されると、平面アンテナ100は、z方向に電波300を放射する。一方、アレーアンテナ1間において位相差を設けて給電すると、電波300が放射される方向を、矢印で示すように、-x方向側に傾け(チルトさせ)たり、+x方向側に傾け(チルトさせ)たりできる。
複数のアレーアンテナ1を並列に配列した平面アンテナ100を、アレーアンテナ1を用いる応用例として説明した。アレーアンテナ1は、単体で用いられてもよい。以下では、アレーアンテナ1について説明する。
(直列給電方式)
図2は、アレーアンテナ1の給電方式について説明する図である。図2(a)は、直列給電方式のアレーアンテナ1、図2(b)は、並列給電方式のアレーアンテナ1′である。x、y、z方向は、図1(a)と同じである。以下では、アレーアンテナ1、1′などを、アレーアンテナと符号を付さないで表記することがある。同様に、アンテナ素子10などを、アンテナ素子と符号を付さないで表記することがある。他の用語についても同様とする。
図2(a)では、並列に配置された2個の直列給電方式のアレーアンテナ1を示している。アレーアンテナ1は、複数のアンテナ素子10(図2(a)では、アンテナ素子10-1~10-4)と、給電線路50とを備える。前述したように、複数のアンテナ素子10は、給電線路50上に、給電線路50に沿って配置されている。白抜き矢印で示すように、給電線路50は、-y方向側の端部からy方向に給電される。
直列給電方式では、1本の給電線路50により複数のアンテナ素子10が給電される。具体的には、後述する図4に示すように、給電された電力は、給電線路50に沿って、アンテナ素子10に順に分配されていく。アンテナ素子10-1に給電された電力の内、アンテナ素子10-1で電波として放射された後の残りの電力がアンテナ素子10-2側に供給される。次に、アンテナ素子10-2で電波として放射された後の残りの電力がアンテナ素子10-3側に供給される。つまり、給電線路50に直列に接続されているアンテナ素子10においては、電力が供給される上流側のアンテナ素子10で電波として放射された後の残りの電力が下流側のアンテナ素子10に供給される。このように、給電線路50に接続された全てのアンテナ素子10に順に電力が供給される。
並列に配置された2個のアレーアンテナ1の間隔(距離)を間隔P1とする。直列給電では、アレーアンテナ1を構成するアンテナ素子10の数が多くなっても、間隔P1は変わらない。例えば、間隔P1は、中心波長をλとした場合、0.5λ~1.0λに設定される。周波数が28GHzである場合、間隔P1は、5.4mm~10.7mmになる。また、周波数が60GHzである場合、間隔P1は、2.5mm~5mmになる。
図2(b)では、並列に配置された2個の並列給電方式のアレーアンテナ1′を示している。並列給電方式のアレーアンテナ1′は、複数のアンテナ素子10′(図2(b)では、アンテナ素子10′-1~10′-4)と、給電線路50′とを備える。給電線路50′は、トーナメント方式で分岐されている。そして、トーナメント方式で分岐された端部にアンテナ素子10′が接続されている。白抜き矢印で示すように、給電線路50′は、-y方向側の端部から電力が供給される。
並列給電方式において、給電線路50′は、電力が供給される端部からアンテナ素子10′までの長さが同じになるように設定される。よって、並列給電では、複数のアンテナ素子10′に並列に電力が供給される。
並列に配置された2個のアレーアンテナ1′の間隔(距離)を間隔P2とする。並列給電方式では、給電線路50′はトーナメント方式で分岐されるので、給電線路50′は、アレーアンテナ1′間の間隙に設けられる。このため、間隔P2は、図2(a)に示した直列給電方式における2個のアレーアンテナ1の間隔P1より大きくなる(P1<P2)。そして、アレーアンテナ1′を構成するアンテナ素子10′の数が増えるほど、給電線路50′の規模が大きくなり、間隔P2が大きくなる。
以上説明したように、例えば図1に示した平面アンテナ100のように複数のアレーアンテナを並列に配置する場合には、直列給電方式の給電線路50は、並列給電方式の給電線路50′に比べ規模が小さくなる。言い換えれば、直列給電方式のアレーアンテナ1間の間隔P1は、並列給電方式のアレーアンテナ1′間の間隔P2より小さくなって、平面アンテナ100が小型になる。
なお、直列給電方式では、アレーアンテナ1におけるアンテナ素子10の励振方法として、進行波型と定在波型とがある。定在波型は、アレーアンテナ1を全体としてアンテナ素子10を設計する方式である。これに対して、進行波型は、アレーアンテナ1のアンテナ素子10を単位として設計する方式である。進行波型では、アンテナ素子10毎に特性の調整が可能であるので、アレーアンテナ1が設計しやすい。以下では、アレーアンテナ1は、進行波型であるとして説明する。
(アレーアンテナ1)
図3は、本実施の形態が適用されるアレーアンテナ1の一例を説明する図である。図3(a)は、斜視図、図3(b)は、図3(a)において一点鎖線で囲んだ部分の断面図である。図3(a)では、アレーアンテナ1の短手方向をx方向、長手方向をy方向、x-y平面に垂直な方向をz方向とする。図3(b)において、紙面の右方向をy方向、紙面の上方向をz方向、紙面の表面方向をx方向とする。アレーアンテナ1を実施例と表記することがある。y方向が地表に垂直な方向(垂直方向)であり、x方向が地表に水平な方向(水平方向)である。
図3(a)に示すように、アレーアンテナ1は、10個のアンテナ素子10(アンテナ素子10-1U~10-5U、10-1D~10-5D)と、給電線路50(給電線路50U、50D)とを備える。アンテナ素子10-1U~10-5U、10-1D~10-5D)のそれぞれは、誘電性材料で構成された基板11と、導電性材料で構成された接地導体12と、給電素子13-1U~13-5U、13-1D~13-5Dと、誘電性材料で構成された基板14と、導電性材料で構成された無給電素子部15-1U~15-5U、15-1D~15-5Dとをそれぞれ備える。例えば、アンテナ素子10-1Uは、基板11と、接地導体12と、給電素子13-1Uと、基板14、無給電素子部15-1Uを備える。なお、給電素子13-1U~13-5U、13-1D~13-5Dをそれぞれ区別しない場合は、給電素子13と表記し、無給電素子部15-1U~15-5U、15-1D~15-5Dをそれぞれ区別しない場合は、無給電素子部15と表記する。
アレーアンテナ1は、図3(a)に示すように、10個のアンテナ素子10がアンテナ素子10-5Dからアンテナ素子10-5Uの順に、+y方向(アレー方向)に配列されている。アレーアンテナ1は、アレー方向(+y方向)の中央部を境にして±y方向で対称に構成されている。そして、給電線路50Uは、アレー方向(+y方向)の中央部から+y方向(アレー方向側)に給電し、給電線路50Dは、アレー方向(+y方向)の中央部から-y方向(逆アレー方向側)に給電する。つまり、給電線路50Uと給電線路50Dとは、互いに反対方向に給電する。そして、一例として、給電線路50Uと給電線路50Dとは、位相が反転した(180度ずれた)電力を供給する。図3(a)において、給電線路50Uには、白抜き矢印において+1と表記し、給電線路50Dには、白抜き矢印において-1と表記する。これを、中央給電と表記する。上述したように、+y方向側にUを付し、-y方向側にDを付して区別する。
接地導体12は、基板11の表面(+z方向側の面)側に設けられている。接地導体12は、基準電位(例えば、接地電位)に設定される。給電素子13は、接地導体12を除去して設けられた開口(スロット)である。以下では、給電素子13を給電素子(スロット)13と表記する。給電線路50は、基板11の裏面(-z方向側の面)側に設けられている。給電線路50Uは、平面視において、給電素子13-1U~13-5Uと重なるように設けられている。給電線路50Dは、平面視において給電素子13-1D~13-5Dと重なるように設けられている。なお、給電素子13-1U~13-4U、13-1D~13-4Dは、x方向が長手、y方向が短手である長方形型のスロット、給電素子13-5U、13-5Dは、長方形の両端部に、y方向が長手、x方向が短手である長方形が設けられたH字型のスロットである。複数の給電素子13は、基板11上に一括して製造される。なお、基板11の表面側とは、基板11の表面であってもよく、基板11の表面に他の部材が設けられた場合において、他の部材の表面であってもよいことを意味する。裏面側についても同様である。
無給電素子部15は、基板14の表面(+z方向側の面)側に設けられている。無給電素子部15-1U、15-2U、15-1D、15-2D、は、1個の無給電素子を有する。無給電素子部15-3U、15-4U、15-3D、15-4Dは、5個の無給電素子を有する。無給電素子部15-5U、15-5Dは、4個の無給電素子を有する。複数の無給電素子部15は、基板14上に一括して製造される。なお、基板14の表面側とは、基板14の表面でもよく、基板14の表面に設けられた他の部材の表面でもよい。そして、無給電素子部15とは、複数の無給電素子を含む場合には、複数の無給電素子が設けられた領域をいい、より具体的には、後述する図4(a)に破線で示すように、複数の無給電素子の外縁を囲った領域をいう。
図3(a)の斜視図では、基板11の表面側に設けられた接地導体12(給電素子13)と無給電素子部15を設けた基板14との間に空間を設けて示している。これは構造を説明するためであって、図3(b)に示すように、基板11の表面側に設けられた接地導体12と基板14との間に空間は設けられていない。つまり、アレーアンテナ1は、二つの基板11、14が重ね合わされて構成されている。よって、準ミリ波帯以上の周波数帯域に用いられるアレーアンテナ1は、低姿勢化されるとともに、構造がシンプルで製造しやすい。なお、基板11の表面側とは、基板11の表面でもよく、基板11の表面に設けられた他の部材の表面でもよい。
図3(b)に例として示すアンテナ素子10-1Uでは、基板11の裏面(-z方向側の面)側に給電線路50Uが設けられ、基板11の表面(+z方向側の面)側に接地導体12が設けられている。接地導体12に給電素子13-1Uとして機能するスロットが設けられている。前述したように、給電線路50Uと給電素子(スロット)13-1Uとが基板11を挟んで対向する。基板14の表面(+z方向側の面)側に無給電素子部15-1Uが設けられている。そして、基板11の表面側に設けられた接地導体12側と基板14の裏面側とが絶縁性の接着シート(ボンディングシート)16により貼り合わせてある。これにより、給電素子13-1Uと無給電素子部15-1Uとが基板14を挟んで対向する。つまり、無給電素子部15-1Uが設けられた基板14の裏面側に給電素子13-1Uが接して設けられている。ここでは、接着シート16を用いたが、表面側に給電素子(スロット)13が設けられた基板11と、表面側に無給電素子部15が設けられた基板14とは、基板11の表面側と基板14の裏面側とが空間(空隙)がないように、重ね合わされていればよい。つまり、無給電素子部15-1Uが設けられた基板14の裏面側(図3(b)では、接着シート16側)に接するように給電素子(スロット)13-1Uが設けられていればよい。なお、接地導体12は、基板14の裏面側に設けられていてもよい。
以上説明したように、平面視において、給電線路50Uと、給電素子(スロット)13-1U~13-5Uと、無給電素子部15-1U~15-5Uとが、重なるように設けられている。また、平面視において、給電線路50Dと、給電素子(スロット)13-1D~13-5Dと、無給電素子部15-1D~15-5Dとが重なるように設けられている。つまり、平面視において、給電線路50、給電素子(スロット)13及び無給電素子部15は、重なるように設けられている。給電素子(スロット)13は、給電線路50から給電され、無給電素子部15における無給電素子は、給電素子13と電磁界的に結合することにより励振される。
上記においては、基板11、接地導体12、及び基板14は、アレーアンテナ1において、アンテナ素子10間で連続している。ここでは、アンテナ素子10は、基板11、接地導体12、及び基板14がアンテナ素子10毎に設けられているとする。
基板11の裏面側に給電線路50が設けられ、基板11の表面側に接地導体12が設けられている。給電線路50は、マイクロストリップライン(MSL)を構成する。また、給電素子13はスロットであることから、アンテナ素子10は、マイクロストリップアンテナ(MSA)である。なお、アンテナ素子10は、無給電素子を有する無給電素子部15を備えることから、アンテナ素子10は、無給電素子付きマイクロストリップアンテナ(MSA)と呼ばれることがある。マイクロストリップアンテナ(MSA)は、無給電素子を備えることで、広帯域化が図れる。
アレーアンテナ1では、給電線路50の形状、給電素子(スロット)13の形状、及び無給電素子部15における無給電素子の数を、アンテナ素子10毎に変更している。これは、同一構成のアンテナ素子を配列したアレーアンテナでは、広帯域化が図れないことによる。
本実施の形態が適用されるアレーアンテナ1では、アンテナ素子10における無給電素子部15が有する無給電素子の数が、アンテナ素子10間で異なっている。無給電素子を1個有するアンテナ素子10-1U~10-2U、10-1D~10-2Dのいずれかが第1のアンテナ素子の一例、無給電素子を5個有するアンテナ素子10-3U~10-4U、10-3D~10-4D及び無給電素子を4個有するアンテナ素子10-5U、10-5Dのいずれかが第2のアンテナ素子の一例である。また、無給電素子を5個有するアンテナ素子10-3U~10-4U、10-3D~10-4Dのいずれかを第1のアンテナ素子の一例、無給電素子を4個有するアンテナ素子10-5U、10-5Dを第2のアンテナ素子の一例としてもよい。無給電素子部15における無給電素子の数が互いに異なる2つのアンテナ素子10の一方が第1のアンテナ素子の一例、他方が第2のアンテナ素子の一例である。また、基板14が基板の一例、基板11が他の基板の一例である。
図4は、本実施の形態が適用されるアレーアンテナ1が備えるアンテナ素子10の無給電素子部15が有する無給電素子の形状及び寸法を説明する図である。図4(a)は、1個の無給電素子を有する無給電素子部15-1U、15-2U、15-1D、15-2Dの平面形状、図4(b)は、5個の無給電素子を有する無給電素子部15-3U、15-4U、15-3D、15-4Dの平面形状、図4(c)は、4個の無給電素子を有する無給電素子部15-5U、15-5Dの平面形状、図4(d)は、無給電素子の寸法を示す。図4(a)~(c)において、紙面の横方向がx方向、紙面の上方向がy方向、紙面の表面方向がz方向である。図4(d)において、無給電素子の寸法の単位は、mmである。ここでは、アレーアンテナ1は、設計中心周波数が28.5GHzに設定されている。
基板11は、例えば厚さt1が0.127mm、比誘電率が2.19のプリント基板である。基板14は、例えば厚さt2が0.76mm、比誘電率が3.3の高周波用のプリント基板である。導電性材料は、例えば銅(Cu)である。導電性材料は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)又はこれらを含む合金であってよい。
図4(a)は、1個の無給電素子を示す。無給電素子は、平面形状が長方形であって、x方向の幅を幅WH、y方向の幅を幅WEとする。なお、図4(b)、(c)における無給電素子についても同様である。なお、Hは磁界方向、Eは電界方向であることを示す。そして、図4(d)に、無給電素子部15-1U、15-2U、15-1D、15-2Dが有する1個の無給電素子(1無給電素子と表記)の寸法(素子寸法(mm))を示す。
図4(b)は、5個の無給電素子を示す。y方向に配列された2個の無給電素子の2組が±x方向の端部に配置され、x方向の中央に1個の無給電素子が配置されている。±x方向の端部に配置された4個の無給電素子を四隅素子と呼び、x方向の中央に配置された無給電素子を中央素子と呼ぶ。4個の四隅素子の平面形状は同じである。y方向に配列された2個の無給電素子間のy方向の距離を間隙GEとし、y方向に配列された2個の2組の間のx方向の距離を間隙GHとする。そして、図4(d)に、5個の無給電素子を有する15-3U、15-4U、15-3D、15-4Dが有する5個の無給電素子(複数無給電素子)について、四隅素子の寸法(四隅素子寸法(mm))、中央素子の寸法(中央素子寸法(mm))、間隙GH、GE(間隙(mm))を示す。
図4(c)は、4個の無給電素子を示す。y方向に配列された2個の無給電素子が2組x方向に配置されている。これらの4個の無給電素子を四隅素子と呼ぶ。4個の四隅素子の平面形状は同じである。無給電素子間のy方向の距離を間隙GEとし、無給電素子間のx方向の距離を間隙GHとする。そして、図4(d)に、4個の無給電素子を有する15-5U、15-5Dが有する4個の無給電素子(複数無給電素子)について、四隅素子の寸法(四隅素子寸法(mm))、間隙GH、GE(間隙(mm))を示す。
図5は、比較のために示す、本実施の形態が適用されないアレーアンテナ2を示す図である。図5(a)は、斜視図、図5(b)は、図5(a)において一点鎖線で囲んだ部分の断面図である。アレーアンテナ2を比較例と表記することがある。図5(a)、(b)のxyz方向は、図3(a)、(b)と同じである。
図5(a)に示すように、アレーアンテナ2は、10個のアンテナ素子20(アンテナ素子20-1U~20-5U、20-1D~20-5D)と、給電線路60(給電線路60U、60D)を備える。アンテナ素子20-1U~20-5U、20-1D~20-5D)のそれぞれは、誘電性材料で構成された基板11と、導電性材料で構成された接地導体12と、給電素子23-1U~23-5U、23-1D~23-5Dと、誘電性材料で構成された基板14と、導電性材料で構成された無給電素子部25-1U~25-5U、25-1D~25-5Dとをそれぞれ備える。なお、給電素子23-1U~23-5U、23-1D~23-5Dをそれぞれ区別しない場合は、給電素子23と表記し、無給電素子部25-1U~25-5U、25-1D~25-5Dをそれぞれ区別しない場合は、無給電素子部25と表記する。
アレーアンテナ2は、図5(a)に示すように、10個のアンテナ素子20がアンテナ素子20-5Dからアンテナ素子20-5Uの順に、+y方向(アレー方向)に配列されている。アレーアンテナ2は、アレー方向(+y方向)の中央部を境にして±y方向で対称に構成されている。
接地導体12は、基板11の表面(+z方向側の面)側に設けられている。アンテナ素子20(アンテナ素子20-1U~20-5U、20-1D~20-5D)の給電素子23は、接地導体12を除去して設けられた開口(スロット)である。給電線路60は、基板11の裏面(-z方向側の面)側に設けられている。給電素子(スロット)23及び給電線路60は、アレーアンテナ1の給電素子(スロット)13及び給電線路50と同様であるが、一部において寸法が異なっている。
アンテナ素子20(アンテナ素子20-1U~20-5U、20-1D~20-5D)の無給電素子部25は、基板14の表面(+z方向側の面)側に設けられている。そして、無給電素子部25は、アレーアンテナ1におけるアンテナ素子10の無給電素子部15と異なっている。無給電素子部25-1U~25-5U、25-1D~25-5Dは、1個の無給電素子を有する。
図6は、本実施の形態が適用されないアレーアンテナ2が備えるアンテナ素子20の無給電素子部25が有する無給電素子の形状及び寸法を説明する図である。図6(a)は、無給電素子を有する無給電素子部25の平面形状、図6(b)は、無給電素子の寸法を示す。図6(a)のxyz方向は、図4(a)と同じである。図6(b)において、無給電素子の寸法を、mmで示す。ここでも、アレーアンテナ2は、設計中心周波数が28.5GHzに設定されている。
前述したように、アレーアンテナ2におけるアンテナ素子20の無給電素子部25が有する無給電素子は、それぞれ1個である。なお、無給電素子部25-1U、25-2U、25-1D、25-2Dの有する無給電素子は、アレーアンテナ1におけるアンテナ素子10の無給電素子部15-1U、15-2U、15-1D、15-2Dの有する無給電素子と同じ寸法である。
図7は、アレーアンテナ1のアンテナ素子10(アンテナ素子10-1U~10-5U、10-1D~10-5D)及びアレーアンテナ2のアンテナ素子20(アンテナ素子20-1U~20-5U、20-1D~20-5D)に設定された相対放射電力量と放射性能とを説明する図である。相対放射電力量は、サイドローブレベルS.L.L.(Side Lobe Level)が-25dB程度に設定されている。なお、相対放射電力量は、入力電力を1とした場合の相対量である。
図7において、相対放射電力量は、アレーアンテナ1において、中央部(アンテナ素子10-1U、10-1D)が大きく、端部側(アンテナ素子10-5U、10-5D)に向かって小さくなるように設定されている。つまり、相対放射電力量は、アンテナ素子10-1U、10-1Dが37%、アンテナ素子10-2U、10-2Dが30%、残りのアンテナ素子10-3U~10-5U、10-3D~10-5Dが33%を放射するように設定されている。そして、アレーアンテナ1において、Uが付されたアンテナ素子10とDが付されたアンテナ素子10とで、対称に設定されている。また、アレーアンテナ2においても、同様である。
一方、放射性能は、アンテナ素子10、20が入力された電力の内、電波として放射する電力の割合である。アレーアンテナ1のUが付されたアンテナ素子10にて、相対電力量と放射性能とを説明する。入力された100%の電力の内、アンテナ素子10-1Uは相対電力量である37%を放射する。よって、アンテナ素子10-1Uの放射性能は、37%である。アンテナ素子10-1Uが放射した後の残りの電力は、63%である。アンテナ素子10-2Uは、63%の電力から47%を放射する。よって、アンテナ素子10-2Uが放射する相対放射電力量は、入力電力を1として、1×0.63×0.47となり、0.3となる。このようにして、アンテナ素子10-3U~10-5Uの放射性能が設定される。なお、アンテナ素子10-5Uは、相対放射電力量は0.06であって、入力された電力のすべてを放射するので放射性能が100%である。
図8は、アレーアンテナ1、2の放射特性(設計値)と、反射特性とを示す図である。図8(a)は、放射特性(設計値)、図8(b)は、反射特性である。図8(a)の放射特性(設計値)は、図3(a)のアレーアンテナ1のy方向の中央部におけるx-z面での放射特性である。横軸がz方向を0度とした角度[deg.]、縦軸が相対強度[dB]である。図8(b)は、z方向における反射特性であって、横軸は周波数[GHz]、縦軸はSパラメータのS11[dB]である。なお、S11は、リターンロスと呼ばれることがある。
図8(a)に示すように、アレーアンテナ1及びアレーアンテナ2は、上述したように、サイドローブレベルS.L.L.が-25dB程度に設計されている。
図8(b)に示すように、アレーアンテナ1における反射特性は、アレーアンテナ2に比べ、28.5GHzを挟んで低周波数側(27GHz側)及び高周波数側(30GHz側)において、S11が小さくなっている。そして、27GHzから30GHzの範囲において、S11が-10dB以下に抑えられている。この周波数範囲から周波数比帯域を求めると、周波数比帯域は、10%以上であることが分かる。なお、周波数比帯域とは、リターンロスが-10dB以下となる最小の周波数と最大の周波数との差の、最小の周波数と最大の周波数との平均値に対する割合である。
アレーアンテナ1は、アレーアンテナ2に比べ、広帯域になっている。これは、アレーアンテナ1において、無給電素子部15が有する無給電素子の数が、アンテナ素子10間において異なっていることによる。つまり、アレーアンテナ1は、図3に示した無給電素子部15-3U、15-4U、15-5U、15-3D、15-4D、15-5Dのように、複数の無給電素子を有する無給電素子部15を備えている。
図9は、本実施の形態が適用されるアレーアンテナ1の垂直(E)面内における指向性特性である。図9(a)は、周波数が27.5GHz、図9(b)は、周波数が28.5GHz、図9(c)は、周波数が29.5GHzの場合である。ここで、垂直面とは、図3におけるy-z面であって、地表に対して垂直な方向である。アレーアンテナ1が放射する電波は、垂直偏波である。なお、交差偏波は、-60dB以下であるので示していない。交差偏波とは、垂直偏波に交差する水平偏波である。図9(a)~(c)において、横軸は、z方向を0度とした角度[deg.]、縦軸は、相対強度[dB]である。
図9(a)~(c)に示すように、いずれの周波数に対してもアレーアンテナ1のサイドローブは、-25dB程度に抑制されている。
図10は、本実施の形態が適用されるアレーアンテナ1の水平(H)面内における指向性特性である。図10(a)は、周波数が27.5GHz、図10(b)は、周波数が28.5GHz、図10(c)は、周波数が29.5GHzの場合である。ここで、水平面とは、図3におけるx-z面であって、地表に対して平行な面である。なお、交差偏波は、-60dB以下であるので示していない。図10(a)~(c)において、横軸は、z方向を0度とした角度[deg.]、縦軸は、相対強度[dB]である。
-3dBでビーム幅を定義すると、図10(a)~(c)に示すように、いずれの周波数に対しても、ビーム幅は、概ね75度が得られている。
(アンテナ素子10)
アレーアンテナ1におけるアンテナ素子10は、無給電素子部15が有する無給電素子の数が異なっている。アレーアンテナ1は、1個の無給電素子を有する無給電素子部25のアンテナ素子20を備えるアレーアンテナ2に比べて、広帯域である。以下では、アレーアンテナ1に用いるアンテナ素子10について説明する。
まず、1個の無給電素子を有する無給電素子部25のアンテナ素子20を備えるアレーアンテナ2を説明する。
図11は、無給電素子部25が1個の無給電素子を有するアンテナ素子20における反射特性を説明する図である。図11(a)は、アンテナ素子20の斜視図、図11(b)は、図11(a)において一点鎖線で囲んだ部分の断面図、図11(c)は、異なる放射性能による反射特性である。図11(a)では、アンテナ素子20の横方向がx方向、アンテナ素子20の縦方向がy方向、x-y平面に垂直な方向がz方向である。図11(b)では、紙面の左方向がz方向、紙面の上方がy方向、紙面の表面方向がx方向である。図11(c)では、横軸が周波数[GHz]、縦軸がSパラメータのS11[dB]である。
図11(a)の斜視図では、基板11の表面側に設けられた接地導体12と無給電素子部25が設けられた基板14との間に空間を設けて示しているが、これは構造を説明するためであって、図11(b)の断面図に示すように、空間は設けられていない。ここでは、基板11の表面側に設けられた接地導体12側と基板14の裏面側とが絶縁性の接着シート(ボンディングシート)16により貼り合わせてある。図11(c)には、基板14の厚さt2が0.76mmであって、放射性能が37%、47%、55%、59%、100%の場合(図7参照)と、基板14の厚さt2が1mmであって、放射性能が100%の場合とを示す。基板14の厚さt2が0.76mmの放射性能(%)は、図7に示したように、図5におけるアンテナ素子20に対応する。37%は、アンテナ素子20-1U、20-1Dに、47%は、アンテナ素子20-2U、20-2Dに、55%は、アンテナ素子20-3U、20-3Dに、59%は、アンテナ素子20-4U、20-4Dに、100%は、アンテナ素子20-5U、20-5Dに対応する。
図11(c)に示すように、基板14の厚さt2が0.76mmの場合、S11は、28.5GHzを挟んで低周波数側(27GHz側)及び高周波数側(30GHz側)において、放射性能が37%から100%へと大きくなるにしたがい、S11が大きくなっている。広帯域なアレーアンテナを構成する場合には、各アンテナ素子のS11が小さいことが好ましい。放射性能が37%のS11は、27GHzから30GHzの周波数範囲の全体において、S11が小さい。しかし、放射性能が47%、55%、59%、100%のS11は、設計周波数である28.5GHz近傍では、放射性能が37%に比べて小さいが、低周波数側(27GHz側)及び高周波数側(30GHz側)において、放射性能が37%に比べて大きい。したがって、アレーアンテナ2は、図8(b)に示すように、S11が、低周波数側(27GHz側)及び高周波数側(30GHz側)において、アレーアンテナ1に比べ大きい。
図11(c)に示した、基板14の厚さt2が1mmの場合には、放射性能が100%であっても、S11は、基板14の厚さt2が0.76mmの場合に比べ、小さくなっている。これは、図11(b)に一点鎖線で囲んで示す、給電素子13と無給電素子部25との間の容積Vが、異なるためである。すなわち、基板14の厚さt2が1mmの場合が基板14の厚さt2が0.76mmの場合より容積Vが大きく、広帯域になる。ここでは、便宜的に容積Vと呼ぶが、容積Vは、無給電素子部25(無給電素子)の面積と、給電素子13と無給電素子部25との間の誘電性材料(誘電体)の厚さとで求めた積ではない。つまり、容積Vは、給電素子13と無給電素子部25(無給電素子)との間における電界強度を考慮して求められる量である。容積Vは、体積又は容量と表記されてもよい。
一般に、アレーアンテナは、同じ構成のアンテナ素子が用いられる。このようなアンテナ素子は、給電素子に対向して設けられた1個の無給電素子(無給電素子部)を有している。アンテナ素子の反射特性は、前述したように、給電素子と無給電素子との間の容積Vで決まる。そして、放射性能(図7参照)が異なると、適切な容積Vが異なる。小さな容積Vを必要とするアンテナ素子に合わせて基板14の厚さt2を選んだ場合、大きな容積Vを必要するアンテナ素子には、容積Vを増やすことが求められる。この際、無給電素子の面積を大きくするか、基板14の厚さt2を大きくするかになる。しかし、無給電素子の面積は、無給電素子における励振条件によって制限される。このため、無給電素子の面積を、必要な容積Vに対応させて大きくすることは容易でない。一方、広帯域化が必要とされるアンテナ素子の部分の基板14の厚さt2を他の部分と異ならせると、基板14の製造が複雑になる。
図12は、無給電素子部15が4個の無給電素子を有するアンテナ素子10における反射特性を説明する図である。図12(a)は、アンテナ素子10の斜視図、図12(b)は、図12(a)において一点鎖線で囲んだ部分の断面図、図12(c)は、放射性能が100%の場合の反射特性である。ここでは、図3に示したアンテナ素子10-5Uで説明する。図12(a)、(b)のxyz方向は、図11(a)、(b)と同様であり、図12(c)の横軸、縦軸は、図11(c)と同様である。なお、図12(b)では、図12(a)において一点鎖線で囲んだ部分に含まれない無給電素子部15を破線で示している。また、図12(c)には、無給電素子部25が1個の無給電素子を有するアンテナ素子20における放射性能が100%の場合(図5におけるアンテナ素子20-5Uに対応)を合わせて示す。
図12(a)の斜視図では、基板11の表面側に設けられた接地導体12と無給電素子部15が設けられた基板14との間に空間を設けて示しているが、これは構造を説明するためであって、図12(b)の断面図に示すように、空間は設けられていない。ここでは、基板11の表面側に設けられた接地導体12側と基板14の裏面側とが絶縁性の接着シート(ボンディングシート)16により貼り合わせてある。基板14の厚さt2は、0.76mmである。
図12(c)に示すように、4個の無給電素子を有するアンテナ素子10-5U(4無給電素子と表記)は、1個の無給電素子を有するアンテナ素子20(1無給電素子と表記)に比べ、27GHzから30GHzの周波数帯域において、S11が小さくなっている。これは、無給電素子を4個としたアンテナ素子10-5Uは、無給電素子が1個であるアンテナ素子20(アンテナ素子20-5U)に比べ、給電素子13と無給電素子部15-5Uとの間の容積Vが大きくなったことによる。よって、容積Vを大きくして広帯域化を図るために、基板14の厚さt2を大きくすることを要しない。すなわち、基板14の厚さt2は、アンテナ素子10に対して変更せず、一定でよい。つまり、基板14は、表面が平坦でよい。このため、複数のアンテナ素子10を配置したアレーアンテナ1の製造が容易になる。
図13は、複数の無給電素子を有する無給電素子部15の電圧分布を説明する図である。図13(a)は、無給電素子が2個の場合、図13(b)は、無給電素子が5個の場合である。図13(a)、(b)とも、紙面の右方向がx方向、紙面の上方向がy方向、紙面の表面方向がz方向である。色の濃淡により、電圧分布を示している。
図13(a)に示す無給電素子部15は、2個の無給電素子15a、15bを備える。y方向が電界(E)方向、x方向が磁界(H)方向である。2個の無給電素子15a、15bは、破線で示す給電素子13のy方向における中央のH面(x-z面)を境に分けられて設けられている。図13(a)には、H面がx-y平面と交差する線を一点鎖線で示している。そして、2個の無給電素子15a、15bは、基本モードのみが励振されるように設定されている。
無給電素子15a、15bはそれぞれのy方向の中心が電圧の節となり、+y方向の端部が+(又は-)の電圧の腹になり、-y方向の端部が-(又は+)の電圧の腹になっている。そして、無給電素子15a、15bは、同相で励振されている。つまり、無給電素子15a、15bのy方向(E方向)の長さは、基本モードの励振条件、概ね1/2波長に設定されている。ただし、無給電素子15a、15bのy方向(E方向)の長さは、短縮効果のため、1/2波長よりやや短く設定されている。一方、x方向(H方向)の幅は、任意であるが、広げすぎると高次モードが発生し、指向特性を劣化させてしまう。その上限値は、1個の無給電素子を用いる場合と同じである。よって、無給電素子部15が2個の無給電素子を有する場合に設定できる無給電素子の最大面積は、無給電素子部15が1個の無給電素子を有する場合の最大値の2倍になる。なお、上記の波長は、誘電体中の電磁波の波長(実効波長)であって、自由空間における波長を、誘電体の比誘電率の平方根で割った値である(実効波長=自由空間における波長/√比誘電率)。
給電素子13のy方向における中央のH面で分けられ、基本モードのみが同相で励振される無給電素子15a、15bを設けると、放射特性を損なうことなく、無給電素子部15における無給電素子の面積(合計面積)が、1個の無給電素子を設ける場合に比べ大きくなる。よって、給電素子13と2個の無給電素子15a、15bを設けた無給電素子部15との間の容積V(図12参照)は、1個の無給電素子を設ける場合に比べ大きくなる。
図13(b)に示す無給電素子部15は、5個の無給電素子15c、15d、15e、15f、15gを備える。ここでも、y方向が電界(E)方向、x方向が磁界(H)方向である。無給電素子15c、15dは、破線で示す給電素子13のy方向における中央のH面を境に分けられている。同様に、無給電素子15f、15gは、給電素子13のy方向における中央のH面を境に分けられて設けられている。そして、無給電素子15c、15d、15f、15gのそれぞれは、基本モードのみが同相で励振されるように設定されている。一方、無給電素子15eは、H面で分けられていない。ただし、無給電素子15eは、基本モードのみが励振されるように設定されている。このように、H面で分けられ、基本モードのみが励振される無給電素子15c、15d、15f、15gに加えて、H面で分けられていない、基本モードのみが励振される無給電素子15eを備えてもよい。なお、x方向(H方向)の幅の合計の上限値は、1個の無給電素子を用いる場合の幅の上限値に近い値に設定される。この場合であっても、放射特性を損なうことなく、無給電素子部15における無給電素子の面積(合計)が、1個の無給電素子を設ける場合に比べ大きくなり、給電素子13と無給電素子部15との間の容積V(図12参照)が大きくなる。H面で分けられていない無給電素子15eを備えることで、容積の調整範囲が広げられる。ここでは、無給電素子部15が有する無給電素子の数は、7個など他の値であってもよい。
図13(a)、(b)では、無給電素子部15が有する複数の無給電素子は、x方向において対称に設けられている。なお、電波の放射方向をx-z面において、z方向から傾ける(チルトさせる)場合には、無給電素子部15が有する複数の無給電素子を、x方向において非対称に設けてもよい。同様に、無給電素子部15が有する複数の無給電素子は、y方向において対称に設けられている。なお、電波の放射方向をy-z面において、z方向から傾ける(チルトさせる)場合には、無給電素子部15が有する複数の無給電素子を、y方向において非対称に設けてもよい。
図14は、無給電素子部15を説明する図である。図14(a)は、1個の無給電素子を有する場合、図14(b)は、5個の無給電素子を有する場合、図14(c)は、4個の無給電素子を有する場合、図14(d)は、2個の無給電素子を有する場合である。
無給電素子部15と給電素子13との間の容積Vは、図14(a)の1個の無給電素子を有する場合の容積Vを1とした場合、図14(d)の2個の無給電素子を有する場合の容積Vが概ね2倍になる。そして、容積Vは、図14(a)の1個の無給電素子を有する場合から、図14(b)の5個の無給電素子を有する場合、図14(c)の4個の無給電素子を有する場合、そして図14(d)の2個の無給電素子を有する場合の順に大きくなる。よって、無給電素子部15がH面で分けられた複数の無給電素子を有することで、給電素子13と無給電素子部15との間の容積Vは、1倍(1個の無給電素子を有する場合)から2倍(2個の無給電素子を有する場合)の範囲で設定が可能である。
容積Vは、基板14の厚さt2に比例する。このことから、1個の無給電素子の無給電素子部15を有するアンテナ素子10に適切な基板14の厚さt0を算出すれば、基板14の厚さt2として、t0/2<t2<t0の範囲の基板14を選べばよいことになる。つまり、厚さt2の選択の範囲が広がることで、入手しやすい厚さt2の基板14が選択できる。
図15は、本実施の形態が適用されるアレーアンテナ1が備えるアンテナ素子10の反射特性を説明する図である。横軸、縦軸は、図11(c)と同じである。基板14は、厚さt2が0.76mm、比誘電率が3.3である。図15には、放射性能(%)が、37%、47%、55%、59%、100%の場合を示している。これらの放射性能(%)は、図3におけるアンテナ素子10に対応する。37%は、1個の無給電素子(1無給電素子)のアンテナ素子10-1U、10-1Dに、47%は、1個の無給電素子(1無給電素子)のアンテナ素子10-2U、10-2Dに、55%は、5個の無給電素子(5無給電素子)のアンテナ素子10-3U、10-3Dに、59%は、5個の無給電素子(5無給電素子)のアンテナ素子10-4U、10-4Dに、100%は、4個の無給電素子(4無給電素子)のアンテナ素子10-5U、10-5Dに対応する。
図15に示すように、放射性能が55%、59%、100%のアンテナ素子10は、無給電素子部15に複数の無給電素子を有する。よって、図12(a)で説明したように、これらのアンテナ素子10のS11は、図11(b)に示した1個の無給電素子を有する無給電素子部25のアンテナ素子20に比べて小さくなっている。よって、図8(b)に示したように、アレーアンテナ1は、アレーアンテナ2に比べて、S11が小さくなっている。
図16は、給電素子(スロット)13の形状について説明する図である。図16(a)は、長方形型、図16(b)は、ダンベル型、図16(c)は、ボウタイ(蝶ネクタイ)型、図16(d)は、H字型である。
図3に示したアレーアンテナ1では、図7(a)に示したアンテナ素子10の放射電力及び放射性能に応じて、給電素子(スロット)13の形状・寸法、無給電素子部15における無給電素子の数、及び給電線路50の形状が設定される。よって、給電素子(スロット)13の形状として、図16(a)~(d)に示した形状が用いられてもよい。
(他の偏波を放射するアンテナ素子10)
上記においては、アレー方向(図3では、y方向)に電界方向が向いた垂直偏波のアンテナ素子10を説明した。ここでは、アレー方向に給電線路50が設けられたアレーアンテナ1において、アレー方向から45度傾いた偏波(45度偏波と表記する。)のアンテナ素子10Aと、アレー方向から90度傾いた偏波(水平偏波と表記する。)のアンテナ素子10Bとを説明する。
図17は、本実施の形態が適用される45度偏波のアンテナ素子10Aを説明する図である。図17(a)は、アンテナ素子10Aの斜視図、図17(b)は、図17(a)において一点鎖線で囲んだ部分の断面図であって、図17(c)のXVIIB-XVIIB線での断面図、図17(c)は、無給電素子部15A側から平面視した図である。図17(a)、(b)のxyz方向は、図11(a)、(b)と同様である。図17(c)では、紙面の右方向がx方向、紙面の上方向がy方向、紙面の表面方向がz方向である。
アンテナ素子10Aは、基板11と、接地導体12と、給電素子13Aと、基板14と、無給電素子部15Aとを備える。基板11、接地導体12、基板14は、アンテナ素子10と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。また、給電線路50は、図11に記載した給電線路50と同様である。図17(a)の斜視図では、接地導体12が設けられた基板11と、無給電素子部15Aが設けられた基板14との間に空間を設けて示しているが、これは構造を説明するためであって、図17(b)の断面図に示すように、空間は設けられていない。無給電素子部15Aが設けられた基板14の裏面側に接して給電素子13Aが設けられている。ここでは、基板11の表面側に設けられた接地導体12側と基板14の裏面側とが絶縁性の接着シート(ボンディングシート)16により貼り合わせてある。これにより、給電素子13Aと無給電素子部15Aとが基板14を挟んで対向する。つまり、無給電素子部15-1Uが設けられた基板14の裏面側に給電素子13-1Uが接して設けられている。無給電素子部15Aは、図14(b)に示した5個の無給電素子を有するとしているが、他の個数の無給電素子を備えてもよい。
図17(a)、(c)に示す、45度偏波のアンテナ素子10Aでは、給電素子13Aは、アレー方向(+y方向)から時計回りに45度方向に長手方向を有する長方形型のスロットである。そして、無給電素子部15Aは、図14(b)の無給電素子部15をアレー方向(+y方向)から反時計回りに45度回転させたものである。アンテナ素子10の代わりにアンテナ素子10Aを用いると、アレーアンテナ1は、アレー方向(+y方向)から反時計回りに45度傾いた45度偏波を放射する。
図17(c)に示すように、アンテナ素子10と同様に、アンテナ素子10Aにおいても、平面視において、給電線路50が無給電素子部15Aと重なって配置される。よって、アンテナ素子10の代わりにアンテナ素子10Aを配置したアレーアンテナ1を複数並列に配列した場合において、アレーアンテナ1間の間隔(図2(a)の間隔P1)を広げることを要せず、小さくできる。よって、複数のアレーアンテナ1を並列配置したアンテナ(図1(a)の平面アンテナ100に類似したアンテナ)を小型化できる。
45度偏波のアンテナ素子10Aを用いたアレーアンテナ1を中央給電で給電する場合、アレー方向の中央からアレー方向と逆アレー方向とで位相を180度異ならせることがよい。
図18は、本実施の形態が適用される水平偏波のアンテナ素子10Bを説明する図である。図18(a)は、アンテナ素子10Bの斜視図、図18(b)は、図18(a)において一点鎖線で囲んだ部分の断面図であって、図18(c)のXVIIIB-XVIIIB線での断面図、図18(c)は、無給電素子部15B側から平面視した図である。図18(a)、(b)、(c)のxyz方向は、図17(a)、(b)、(c)と同様である。
アンテナ素子10Bは、基板11と、接地導体12と、給電素子13Bと、基板14と、無給電素子部15Bとを備える。基板11、接地導体12、基板14は、アンテナ素子10と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。図18(a)の斜視図では、接地導体12が設けられた基板11と、無給電素子部15Bが設けられた基板14との間に空間を設けて示しているが、これは構造を説明するためであって、図18(b)の断面図に示すように、空間は設けられていない。ここでは、基板11の表面側に設けられた接地導体12側と基板14の裏面側とが絶縁性の接着シート(ボンディングシート)16により貼り合わせてある。これにより、給電素子13Bと無給電素子部15Bとが基板14を挟んで対向する。つまり、無給電素子部15Bが設けられた基板14の裏面側に給電素子13Bが接して設けられている。無給電素子部15Bは、図14(b)に示した5個の無給電素子を有するとしているが、他の個数の無給電素子を備えてもよい。
図18(a)、(c)に示すように、水平偏波のアンテナ素子10Bでは、給電素子13Bは、アレー方向(+y方向)に長手方向を有する長方形型のスロットである。そして、無給電素子部15Bは、図14(b)に示した無給電素子部15をアレー方向(+y方向)から時計回りに90度回転させたものである。給電線路50は、y方向に延びる幹部51と、幹部51からx方向に分岐する枝部52とを備える。幹部51は、給電素子13Bから-x方向側にずれて設けられ、平面視において、枝部52は、給電素子13Bと重なるように+x方向に伸びている。このアンテナ素子10Bを用いると、水平偏波を放射するアレーアンテナ1となる。
図18(c)に示すように、水平偏波のアンテナ素子10Bにおいても、平面視において、給電線路50が無給電素子部15Bに重なって配置される。よって、アンテナ素子10の代わりにアンテナ素子10Bを用いたアレーアンテナ1を複数並列に配列した場合において、アレーアンテナ1間の間隔(図2(a)の間隔P1)を広げることを要せず、小さくできる。よって、複数のアレーアンテナ1を並列配置したアンテナ(図1(a)の平面アンテナ100に類似したアンテナ)を小型化できる。
なお、水平偏波のアンテナ素子10Bを用いたアレーアンテナ1を中央給電で給電する場合には、アレー方向の中央からアレー方向と逆アレー方向とで位相を異ならせることを要しない。
(アンテナ素子10の変形例1)
アンテナ素子10では給電素子13としてスロットを用いた。スロットを給電素子13として用いる場合、給電線路50をコプレーナ(CPW:コプレーナウエーブ)型としてもよい。
図19は、本実施の形態の変形例1である、コプレーナ型の給電線路70が適用されるアンテナ素子30の一例を説明する図である。図19(a)は、アンテナ素子30の斜視図、図19(b)は、図19(a)において一点鎖線で囲んだ部分の断面図である。図19(a)、(b)のxyz方向は、図11(a)、(b)と同様である。
アンテナ素子30は、基板14と、接地導体32と、給電素子33と、無給電素子部15とを備える。基板14、無給電素子部15は、アンテナ素子10と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。なお、無給電素子部15は、5個の無給電素子を有するとしているが、他の個数の無給電素子を備えてもよい。
アンテナ素子30では、無給電素子部15は、アンテナ素子10と同様に、基板14の表面側に設けられているが、接地導体32及び給電素子33は、基板14の裏面側に設けられている。そして、給電線路70も、基板14の裏面側に設けられている。図19(a)の斜視図では、接地導体32、給電素子33及び給電線路70を、無給電素子部15が設けられた基板14と別に記載しているが、これは構造を説明するためであって、図19(b)の断面図に示すように、接地導体32、給電素子33及び給電線路70は、基板14の裏面側に設けられている。
接地導体32、給電素子33及び給電線路70は、基板14の裏面側に設けられた導電性材料により形成されている。つまり、図19(a)に示すように、基板14の裏面側のx方向における中央部に給電線路70が設けられ、接地導体32が給電線路70を挟んで基板11の±x方向の両側に分けて設けられている。給電素子33は、接地導体32を±x方向に広げるように除去して設けられた開口(スロット)であって、アレー方向(+y方向)に直交する方向(+x方向)が長手、アレー方向(+y方向)が短手である長方形である。そして、開口(スロット)の中心に、給電線路70が設けられている。そして、給電素子33と無給電素子部15とが基板14を挟んで対向する。つまり、無給電素子部15が設けられた基板14の裏面側に給電素子(スロット)33が設けられている。
アンテナ素子30では、基板14の裏面側に設けた1層の導電性材料の層により、接地導体32、給電素子(スロット)33及び給電線路70が構成されている。よって、両面(表面及び裏面)に導電性材料の層が設けられた基板14により、表面側に無給電素子部15を設け、裏面側に接地導体32、給電素子(スロット)33及び給電線路70を設ければよい。よって、アンテナ素子10が基板11、14を用いるのに対して、アンテナ素子30は、基板11を要しない。つまり、アンテナ素子30は、基板の数が少ない。
なお、給電線路70の端部に配置されるアンテナ素子30(図3(a)のアンテナ素子10-5U、10-5Dに相当する。)では、給電線路70は、接地導体32に接続されている。
図19(a)、(b)に示すように、アンテナ素子30においても、アンテナ素子10と同様に、平面視において、給電線路70が無給電素子部15に重なって配置される。よって、アンテナ素子10の代わりにアンテナ素子30を配置したアレーアンテナ1を複数並列に配列した場合において、アレーアンテナ1間の間隔(図2(a)の間隔P1)を広げることを要せず、小さくできる。よって、複数のアレーアンテナ1を並列配置したアンテナ(図1(a)の平面アンテナ100に類似したアンテナ)を小型化できる。
アンテナ素子10及び給電線路50の代わりに、アンテナ素子30及び給電線路70を用いたアレーアンテナ1は、アレー方向(+y方向)の偏波(垂直偏波)を放射する。
(アンテナ素子10の変形例2)
アンテナ素子10の給電素子13及びアンテナ素子30の給電素子33として、スロットを用いた。給電素子として、パッチを用いてもよい。以下では、給電素子(パッチ)43と表記する。
図20は、本実施の形態の変形例2である、給電素子(パッチ)43が適用されるアンテナ素子40の一例を説明する図である。図20(a)は、アンテナ素子40の斜視図、図20(b)は、図20(a)において一点鎖線で囲んだ部分の断面図である。図20(a)、(b)のxyz方向は、図11(a)、(b)と同様である。
アンテナ素子40は、基板11と、接地導体42と、給電素子(パッチ)43と、基板14と、無給電素子部15とを備える。基板11、基板14、無給電素子部15は、アンテナ素子10と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。図20(a)の斜視図では、給電素子(パッチ)43が設けられた基板11と、無給電素子部15が設けられた基板14との間に空間を設けて示しているが、これは構造を説明するためであって、図20(b)の断面図に示すように、空間は設けられていない。ここでは、基板11の表面側に設けられた給電素子(パッチ)43側と基板14の裏面側とが絶縁性の接着シート(ボンディングシート)16により貼り合わせてある。無給電素子部15は、5個の無給電素子を有するとしているが、他の個数の無給電素子を備えてもよい。
給電素子(パッチ)43は、基板11の表面側に導電性材料で構成されている。給電素子(パッチ)43は、外形が長方形であって、基板14に設けられた無給電素子部15と対向する。接地導体32は、基板11の裏面側に導電性材料で構成されている。ここでは、接地導体32は、基板11の裏面側の全面を覆うように設けられている。ただし、接地導体32は、必ずしも基板11の裏面側の全面を覆うことを要せず、基板11の裏面側において、表面側に設けられる給電素子(パッチ)43及び後述する給電線路80に対向するように設けられればよい。なお、給電素子(パッチ)43を用いたアンテナ素子40は、マイクロストリップアンテナ(MSA)である。そして、給電素子43と無給電素子部15とが基板14を挟んで対向する。つまり、無給電素子部15が設けられた基板14の裏面側に給電素子13-1Uが接して設けられている。なお、給電素子(パッチ)43及び給電線路80は、基板14の裏面側に設けられてもよい。
給電線路80は、基板11の表面側において導電性材料で構成され、給電素子(パッチ)43に接続されている。つまり、給電線路80及び給電素子(パッチ)43は、基板11の表面側に設けた1層の導電性材料の層により構成されている。図20では、1個のアンテナ素子40が表記されているが、複数のアンテナ素子40を配列したアレーアンテナとする場合、給電線路80は、複数の給電素子(パッチ)43間を直列に接続するように設けられる。なお、給電線路80は、端部に配置されるアンテナ素子40(図3(a)のアンテナ素子10-5U、10-5Dに相当する。)で終端される。
アンテナ素子10の代わりに、アンテナ素子40を用いたアレーアンテナ1は、アレー方向(+y方向)に電界が向いた垂直偏波を放射する。
図20(a)、(b)に示すように、アンテナ素子40においても、アンテナ素子10と同様に、平面視において、給電線路80が無給電素子部15に重なって配置される。よって、アンテナ素子10の代わりにアンテナ素子40を配置したアレーアンテナ1を複数並列に配列した場合において、アレーアンテナ1間の間隔(図2(a)の間隔P1)を広げることを要せず、小さくできる。よって、複数のアレーアンテナ1を並列配置したアンテナ(図1(a)の平面アンテナ100に類似したアンテナ)を小型化できる。
なお、パッチを給電素子43に用いる場合、給電線路80が設けられる方向(ここでは、y方向)に対して、45度傾けた偏波(45度偏波)や90度傾けた偏波(水平偏波)のアレーアンテナは構成しづらい。45度偏波のアレーアンテナ又は水平偏波のアレーアンテナを構成するには、インピーダンス整合回路などを介して給電線路80から分岐した給電線路を設けて給電することを要するためである。このため、隣接するアレーアンテナ間の間隔(図2(a)の間隔P1)が大きくなるおそれがある。よって、パッチを給電素子43に用いる場合には、給電線路80が設けられる方向の偏波を用いることがよい。
以上説明したように、本実施の形態が適用されるアレーアンテナ1は、中央給電によりアレー方向(+y方向側)のアンテナ素子10(図3では、アンテナ素子10-1U~10-5U)と、逆アレー方向(-y方向側)のアンテナ素子10(図3では、アンテナ素子10-1D~10-5D)が給電される直列給電方式として説明した。しかし、アンテナ素子10が配置された一方の端(片隅)から給電する片隅給電を用いてもよい。
なお、中央給電では、アンテナ素子10の数の半分にそれぞれ電力を供給すればよく、図7に示したように、相対放射電力量が大きいアンテナ素子10から給電される。一方、片隅給電では、アンテナ素子10の全てに電力を供給するとともに、相対放射電力量が小さいアンテナ素子10から給電を始めることになる。
本実施の形態が適用されるアンテナ素子10では、無給電素子部15に含まれる無給電素子の平面形状を長方形としたが、無給電素子の平面形状は、長方形以外の四角形や、角を取った四角形であってもよく、円形、楕円形、多角形など他の形状であってもよい。
以上説明したように、本実施の形態が適用されるアレーアンテナ1では、アンテナ素子10の無給電素子部15が有する無給電素子の数を異ならせることで、アンテナ素子10の反射特性を制御している。そして、無給電素子部15が給電素子13の中心におけるH面で分けられた複数の無給電素子を有するようにして、給電素子13と無給電素子部15との容積Vを調整可能としている。無給電素子部15が複数の無給電素子を有することにより、無給電素子部15が1個の無給電素子を有する場合に比べて、給電素子13と無給電素子部15との間の容積Vが大きくなる。よって、基板14の厚さを大きくすることなく、容積Vを大きくすることができる。複数の無給電素子は、それぞれが基本モードで励振されるように設定されている。よって、アンテナ素子10の放射特性が劣化することを抑制しつつ、リターンロスであるS11を抑制して、アンテナ素子10を広帯域化している。
給電素子をスロット(給電素子13、33)、又は給電素子をパッチ(給電素子43)とすると、給電線路(給電線路50、70、80)は、平面視において、アンテナ素子(アンテナ素子10、30、40)の無給電素子部15に重なって配置される。つまり、平面視において、給電線路は、アンテナ素子と重なる。よって、複数のアンテナ素子を備えるアレーアンテナ1を並列に配置した場合、アレーアンテナ1間の間隔(図2(a)の間隔P1)を小さくできる。このため、複数のアレーアンテナ1を並列配置したアンテナ(図1(a)の平面アンテナ100に類似したアンテナ)を小型化できる。
さらに、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形を行っても構わない。