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JP7716972B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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JP7716972B2 - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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Description

本発明は、吸収性物品に関する。
現在市販されている使い捨ておむつ等、着用者のウエスト部に開口部を有する形状の吸収性物品は、ズレ落ちを抑制するためにウエスト開口部付近に伸縮性を有するものが多い。ウエスト開口部付近に伸縮性を付与する方法としては、おむつの外装体における該ウエスト開口部付近に、糸ゴム等の弾性部材を配する方法が挙げられる。出願人は、先に、このような吸収性物品として、特許文献1に記載された吸収性物品を提案している。特許文献1においては、外装体におけるウエスト開口部付近は、伸縮シートと、該伸縮シートの肌対向面側に配された非伸縮シートと、両シート間に配された弾性部材とにより構成されている。
外装体における該ウエスト開口部付近に弾性部材が配された吸収性物品においては、弾性部材の応力を調整することにより、ズレ落ちの抑制と跡の付きにくさを両立させることが行われている。例えば、腹囲変動の小さい腸骨領域においては弾性部材の応力を大きくし、ウエスト伸縮領域においては弾性部材の応力を小さくすることが行われている。
特開2010-284299号公報
しかしながら、弾性部材の応力を調整するだけでは、着用者に吸収性物品の跡が付くことを十分に抑制することは困難である。特に、着用者が体の大きな子供である場合には、跡がつきやすい。特許文献1の吸収性物品においても、着用者に吸収性物品の跡が付くことを防ぐことに関し、改善の余地があった。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、
着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる方向に対応する縦方向及び該縦方向と直交する横方向を有し、該腹側部の両側部と該背側部の両側部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型吸収性物品に関する。
前記外装体は、伸縮部材として易応力緩和部材と、該易応力緩和部材よりも応力緩和しにくい難応力緩和部材とを含み、且つ前記縦方向における前記吸収性本体の端縁よりも、前記ウエスト開口部の開口端側に位置し前記横方向に伸縮するウエスト伸縮領域と、前記縦方向における前記吸収性本体の端縁よりも、前記股下部側に位置する胴回り伸縮領域とを有する。
前記ウエスト伸縮領域は、前記縦方向における単位長さ当たりの前記難応力緩和部材の本数が前記胴回り伸縮領域よりも少ない。
前記ウエスト伸縮領域は、伸長倍率を1.4倍とし、温度40℃で10時間放置した後の緩和試験後応力保持率が前記胴回り伸縮領域よりも小さい。
また本発明は、吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、
着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる方向に対応する縦方向及び該縦方向と直交する横方向を有し、該腹側部の両側部と該背側部の両側部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型吸収性物品に関する。
前記外装体は、伸縮部材として、易応力緩和部材と、該易応力緩和部材よりも応力緩和しにくい難応力緩和部材とを含み、且つ前記縦方向における前記吸収性本体の端縁よりも前記ウエスト開口部の開口端側に位置し前記横方向に伸縮するウエスト伸縮領域と、前記縦方向における前記吸収性本体の端縁よりも、前記股下部側に位置する胴回り伸縮領域とを有する。
前記ウエスト伸縮領域は、前記縦方向における単位長さ当たりの前記難応力緩和部材の本数が前記胴回り伸縮領域よりも少ない。
前記ウエスト伸縮領域は、前記パンツ型吸収性物品の最大伸長状態の長さに対して71%の長さとなるまで前記横方向に伸長させて、温度40℃で10時間放置した後の標準緩和試験後応力保持率が前記胴回り伸縮領域よりも小さい。
本発明によれば、ズレ落ちを抑制することができるとともに、着用者に跡が付きにくい吸収性物品を提供することができる。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示すおむつの展開且つ伸長状態における肌対向面(内面)側を模式的に示す展開平面図である。 図3は、図1に示すおむつを分解して模式的に示す分解斜視図である。 図4は、図1に示すおむつの縦方向中央線に沿う断面図である。 図5は、図1に示すおむつに係る伸縮シートの一例を模式的に示す一部破断斜視図である。 図6は、図4の要部拡大図である。 図7は、図1に示すおむつに係る外層シート及び内層シートの変形例を模式的に示す断面斜視図である。 図8は、本発明の吸収性物品の他の実施形態のパンツ型使い捨ておむつを模式的に示す展開平面図であり、図2相当図である。 図9は、図8に示すおむつの断面図であり、図4相当図である。 図10は、本発明の吸収性物品の更に別の実施形態のパンツ型使い捨ておむつの断面図であり、図4相当図である。 図11は、本発明の吸収性物品の更に別の実施形態のパンツ型使い捨ておむつの断面図であり、図4相当図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。
図1~図6に本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ(以下、「おむつ」と言う。)1を示す。おむつ1は、図1~図3に示すとおり、着用時に着用者の腹側に配される腹側部Aと、該着用者の背側に配される背側部Bと、その間に位置する股下部Cとを備える。またおむつ1は、腹側部Aから股下部Cを介して背側部Bに延びる方向に対応する縦方向X及び該縦方向Xと直交する横方向Yを有する。図1中、符号Cyは、おむつ1の縦方向Xに沿う中央線を示す。
おむつ1は、図1~図3に示すとおり、吸収性本体2と、該吸収性本体2の非肌対向面側に配された外装体3とを備えている。外装体3は、腹側部Aに配される腹側外装体3Aと、背側部Bに配される背側外装体3Bとを含んでいる。吸収性本体2は、腹側外装体3Aと背側外装体3Bとの間に掛け渡して固定されている。
おむつ1は、腹側外装体3Aの縦方向Xに沿う両側部3e,3eと、背側外装体3Bの縦方向Xに沿う両側部3f,3fとが接合されて一対のサイドシール部S,S、ウエスト開口部WH及び一対のレッグ開口部LH,LHが形成されている。
吸収性本体2は、図4に示すとおり、吸収体23、該吸収体23の肌対向面側に配された表面シート21及び該吸収体23の非肌対向面側に配された裏面シート22を有する。
吸収体23は、吸収性本体2と同様に、おむつ1の縦方向Xに長い形状を有しており、表面シート21と裏面シート22との間に介在配置されている。
「肌対向面」は、おむつ1又はその構成部材(例えば吸収体23)に着目したときに、おむつ1の着用時に着用者の肌に向けられる面であり、「非肌対向面」は、おむつ1の着用時に着用者の肌とは反対側に向けられる面である。また「着用時」及び「着用状態」は、おむつ1の適正な着用位置が維持されて着用された状態を指す。
外装体3は、上述のとおり、腹側外装体3Aと背側外装体3Bとを含んでいる。本実施形態においては、腹側外装体3A及び背側外装体3Bは、縦方向Xにおける吸収性本体2の端縁2a,2bよりも、ウエスト開口部WHの開口端WE側に位置するウエスト伸縮領域Wと、該吸収性本体2の端縁2a,2bよりも、股下部C側に位置する胴回り伸縮領域Dとを有する。縦方向Xにおける、ウエスト伸縮領域Wの長さと胴回り伸縮領域Dの長さとを合計した長さは、サイドシール部Sの長さと一致している。ウエスト伸縮領域W及び胴回り伸縮領域Dは、横方向Yに伸縮する。腹側外装体3Aのウエスト伸縮領域Wと、背側外装体3Bのウエスト伸縮領域Wとは連続しており、全体として筒状のウエスト伸縮領域Wが形成されている。腹側外装体3Aの胴回り伸縮領域Dと、背側外装体3Bの胴回り伸縮領域Dとは連続しており、全体として筒状の胴回り伸縮領域Dが形成されている。背側外装体3Bは、胴回り伸縮領域Dから股下部C側に延出した延出領域Eを有している。
本発明において、外装体は、伸縮部材として、易応力緩和部材と、該易応力緩和部材よりも応力緩和しにくい難応力緩和部材とを有する。伸縮部材は、伸ばすことができ且つ伸ばす力を解除したときに収縮する性質を有する部材であり、応力緩和は伸長状態を所定時間維持することによって収縮力が低下することを意味する。
図1に示す実施形態においては、腹側外装体3A及び背側外装体3Bは、外層シート32、該外層シート32の肌対向面側に配された内層シート31と、両シート31,32間に配された複数本の弾性部材33と、該外層シート32の非肌対向面側に配された伸縮シート34とを有する。本実施形態においては、伸縮シート34が易応力緩和部材であり、弾性部材33が難応力緩和部材である。伸縮シート34は、ウエスト伸縮領域Wと胴回り伸縮領域Dとに跨って配されている。伸縮シート34及び外層シート32は接合されている。伸縮シート34及び外層シート32を接合する方法は特に制限されず、例えば接着剤により接合されていてもよいし、熱や超音波により融着されていてもよい。本実施形態において伸縮シート34及び外層シート32は接着剤37により接合されている(図4参照)。
易応力緩和部材及び難応力緩和部材について応力緩和し易さの大小は、以下の第1測定方法により測定した材料緩和試験後応力保持率の大小を比較することにより判断することができ、材料緩和試験後応力保持率の値が大きい程、応力緩和しにくいことを意味する。
<材料緩和試験後応力保持率の第1測定方法>
以下の方法により、易応力緩和部材及び難応力緩和部材それぞれについて、応力緩和試験前及び応力緩和試験後それぞれの測定用サンプルを得た後、得られた各測定用サンプルについて引張試験を行う。
(1)応力緩和試験前の測定用サンプルの作成方法
おむつから易応力緩和部材及び難応力緩和部材を取り出し、取り出した易応力緩和部材及び難応力緩和部材それぞれから測定用サンプルを得る。
易応力緩和部材及び難応力緩和部材のいずれについても、シート状の場合、測定用サンプルの寸法は、おむつの横方向に相当する方向の寸法を150mm、おむつの縦方向に相当する方向の寸法を、40mmとする。
易応力緩和部材及び難応力緩和部材のいずれについても、ひも状の場合(糸状の場合)、測定用サンプルとしては1本の易応力緩和部材及び難応力緩和部材を用い、測定用サンプルの寸法は、おむつの横方向に相当する方向の寸法を150mmとする。
易応力緩和部材又は難応力緩和部材から上述した寸法の測定用サンプルを得ることができない場合、できるだけ大きな寸法の測定用サンプルを得る。
(2)応力緩和試験後の測定用サンプルの作成方法
(2-1)印の付与
おむつにおける易応力緩和部材及び難応力緩和部材が配されている部分に、おむつの横方向の寸法が150mm、おむつの縦方向の寸法が40mmである矩形形状に印をつける。その後、以下の応力緩和試験を行う。おむつに、上述した寸法の印をつけることができない場合、できるだけ大きな寸法の印をつける。
(2-2)応力緩和試験
おむつの内寸が、該おむつの自然状態における内寸に対して1.4倍となるように該おむつを伸長させ、該おむつを40℃で10時間保存する。おむつの内寸は、該おむつの横方向における、外装体のサイドシール部間の距離を意味する。おむつの内寸が、おむつの縦方向において一定ではない場合、おむつの内寸を、該縦方向において10mm間隔で測定し、その平均値を内寸とする。
(2-3)測定用サンプルの取り出し
応力緩和試験後のおむつから、前記印をつけた部分を切り出す。そして、切り出した部分から易応力緩和部材及び難応力緩和部材を取り出し、それぞれ測定用サンプルとする。応力緩和部材及び難応力緩和部材のいずれについても、ひも状の場合(糸状の場合)、測定用サンプルとしては1本の易応力緩和部材及び難応力緩和部材を用いる。
(3)引張試験
上記(1)及び(2)により得られた各測定用サンプルについて、引っ張り試験機を用いて引張試験を行う。具体的には、各測定用サンプルを、非伸長且つ弛みの無い状態で、引っ張り試験機のチャックに固定する。このとき、測定用サンプルの長手方向の両端部それぞれについて、該測定用サンプルの長手方向の端縁から20mmの部分をチャックで挟む。つまり、測定用サンプルの長手方向の長さが150mmの場合、チャック間距離は110mmとなる。そして、チャック間距離を300mm/分の速度で拡大させる。チャック間距離が、引き伸ばす部分の初期長さの1.4倍に達した時点の応力を測定する。なお、応力緩和試験後の測定用サンプルは、応力緩和試験後1時間静置したのちに引張試験を行う。応力緩和試験前の測定用サンプルの測定結果を保存前応力S0とし、応力緩和試験後の測定用サンプルの測定結果を保存後応力S1とし、以下の式1により材料緩和試験後応力保持率を算出する。
材料緩和試験後応力保持率=S1/S0・・・(式1)
このようにして得られた易応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率と、難応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率とを比較し、易応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率が難応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率よりも小さければ、易応力緩和部材の方が難応力緩和部材よりも応力緩和し易いと判定する。
材料緩和試験後応力保持率は、更に、以下の第2測定方法によって測定した保存前応力S0及び保存後応力S1を用いて算出することもできる。例えば、上述のとおり易応力緩和部材の方が難応力緩和部材よりも応力緩和し易いと判定する場合、第1測定方法によって得られた易応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率が難応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率よりも小さいことに加えて、又はそれに代えて第2測定方法によって得られた易応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率が難応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率よりも小さいことが好ましい。
上述した第1測定方法によって算出した材料緩和試験後応力保持率と、第2測定方法によって算出した材料緩和試験後応力保持率とは、実質的に同一である。ここでいう「実質的に同一」とは、第1測定方法によって算出した易応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率と難応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率の大小関係、並びに第2測定方法によって算出した易応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率と難応力緩和易応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率の大小関係が変化しないことをいう。
<材料緩和試験後応力保持率の第2測定方法>
(1)応力緩和試験前の測定用サンプルの作成方法
上述の<材料緩和試験後応力保持率の第1測定方法>の(1)応力緩和試験前の測定用サンプルの作成方法と同様の方法で行う。
(2)応力緩和試験後の測定用サンプルの作成方法
(2-1)印の付与
上述の<材料緩和試験後応力保持率の第1測定方法>の(2-1)印の付与と同様の方法で行う。
(2-2)応力緩和試験
おむつの最大伸長状態の長さに対して71%の長さとなるまで横方向Yに伸長させたときの該おむつの内寸の2倍の円周長を有する円筒を用意する。おむつを円筒に履かせて、おむつの横方向Yの長さが最大伸長状態の長さに対して71%の長さとなるまで伸長させた状態で、該おむつを40℃で10時間保存する。おむつの内寸は、該おむつの横方向における、外装体のサイドシール部間の距離を意味する。おむつの内寸が、おむつの縦方向において一定ではない場合、おむつの内寸を、該縦方向において10mm間隔で測定し、その平均値を内寸とする。
(2-3)測定用サンプルの取り出し
上述の<材料緩和試験後応力保持率の第1測定方法>の(2-3)測定用サンプルの取り出しと同様の方法で行う。
(3)引張試験
上記(1)及び(2)によって得られた各測定用サンプルを引っ張り試験機のチャックに固定した後、チャック間距離が、引き伸ばす部分の最大伸長状態の長さに対して71%の長さに達した時点での応力を測定する以外は、上述の<材料緩和試験後応力保持率の第1測定方法>の(3)引張試験と同様の方法で行う。
易応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率と、難応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率の比(易応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率/難応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率)は、応力緩和し易さに差を設けておむつのズレ落ちを抑制しつつ、お腹まわりを締め付けすぎないようするようにする観点から、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.30以上であり、好ましくは1.00より小さい、より好ましくは0.80以下、更に好ましくは0.60以下であり、好ましくは0.10以上1.00未満、より好ましくは0.20以上0.80以下、更に好ましくは0.30以上0.50以下である。
易応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率は、お腹まわりを締め付けすぎず、ズレ落ちを抑制する観点及び、大き目の着用者が着用した際、適度に応力緩和し、最適な締め付け応力となるようにする観点から、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.30以上であり、好ましくは0.70以下、より好ましくは0.60以下、更に好ましくは0.50以下であり、好ましくは0.10以上0.70以下、より好ましくは0.20以上0.60以下、更に好ましくは0.30以上0.50以下である。
難応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率は、お腹まわりを締め付けすぎず、ズレ落ちを抑制する観点及び、易応力緩和部材が環境温度、体型によって、過度に応力緩和した際、最低限ズレ落ちを抑制可能な応力を保持する観点から、好ましくは0.50以上、より好ましくは0.60以上、更に好ましくは0.70以上であり、好ましくは1.0より小さい。
本実施形態においては、ウエスト伸縮領域W及び胴回り伸縮領域Dの両方において、弾性部材33が、横方向Yに沿って伸長状態で配されている。これにより、ウエスト伸縮領域W及び胴回り伸縮領域Dは、横方向Yに伸縮可能となっている。
ウエスト伸縮領域Wと胴回り伸縮領域Dとは、縦方向Xにおける単位長さ当たりの難応力緩和部材の本数が異なっている。より具体的には、ウエスト伸縮領域Wは、胴回り伸縮領域Dよりも、縦方向Xに沿う単位長さ当たりの弾性部材33の本数が少ない。本実施形態においては、ウエスト伸縮領域Wにも弾性部材33が配されているが、ウエスト伸縮領域Wには、弾性部材33が配されていなくてもよい。また、ウエスト伸縮領域Wと胴回り伸縮領域Dとで、難応力緩和部材の縦方向Xにおけるピッチを異ならせることにより、ウエスト伸縮領域Wと胴回り伸縮領域Dとで、縦方向Xにおける単位長さ当たりの難応力緩和部材の本数を異ならせることもできる。
ウエスト伸縮領域Wは、縦方向Xにおける単位長さ当たりの弾性部材33の本数が胴回り伸縮領域Dよりも少ないことを条件として、当該本数が好ましくは0.10本/10mm以上であり、より好ましくは0.20本/10mm以上であり、更に好ましくは0.25本/10mm以上であり、好ましくは1.85本/10mm以下であり、より好ましくは1.00本/10mm以下であり、更に好ましくは0.50本/10mm以下である。ウエスト伸縮領域Wは、縦方向Xにおける単位長さ当たりの弾性部材33の本数がこの範囲にあることで、お腹まわりを締め付けすぎず、ズレ落ちを抑制できる。また、大き目の着用者が着用した際、適度に応力緩和し、最適な締め付け応力とすることができる。
胴回り伸縮領域Dは、縦方向Xにおける単位長さ当たりの弾性部材33の本数がウエスト伸縮領域Wよりも多いことを条件として、当該本数が好ましくは1.2本/10mm以上であり、より好ましくは1.45本/10mm以上であり、更に好ましくは1.70本/10mm以上であり、好ましくは2.50本/10mm以下であり、より好ましくは2.25本/10mm以下であり、更に好ましくは1.90本/10mm以下である。胴回り伸縮領域Dは、縦方向Xにおける単位長さ当たりの弾性部材33の本数がこの範囲にあることで、お腹まわりを締め付けすぎず、ズレ落ちを抑制できる。また、易応力緩和部材が環境温度、体型によって、過度に応力緩和した際、最低限ズレ落ちを抑制可能な応力を保持することができる。
単位長さ当たりの弾性部材33の本数の測定方法について、ウエスト伸縮領域Wにおける単位長さ当たりの弾性部材33の本数の測定方法を例に説明する。縦方向Xにおけるウエスト伸縮領域Wの長さLwを測定する。また、ウエスト伸縮領域W内に含まれる弾性部材33の本数をNwとする。そして、以下の式2により、単位長さ当たりの弾性部材33の本数を算出する。単位長さは10mmとする。
単位長さ当たりの弾性部材の本数=〔Nw(本)/Lw(mm)〕×10mm・・・(式2)
胴回り伸縮領域Dにおける単位長さ当たりの弾性部材33の本数も、同様にして求めることができる。即ち、縦方向Xにおける胴回り伸縮領域Dの長さをLd(mm)とし、胴回り伸縮領域Dに含まれる弾性部材33の本数をNd(本)として、以下の式3により求められる。
単位長さ当たりの弾性部材の本数=〔Nd(本)/Ld(mm)〕×10mm・・・(式3)
おむつ1においては、ウエスト伸縮領域Wは、緩和試験後応力保持率が胴回り伸縮領域Dよりも大きい。ここで言う緩和試験後応力保持率は、伸長倍率を1.4倍とし、温度40℃で10時間放置した後の緩和試験後応力保持率(以下、「標準緩和試験後応力保持率」とも言う。)を意味する。標準緩和試験後応力保持率は、以下の第1測定方法により測定することができる。
<標準緩和試験後応力保持率の第1測定方法>
以下の方法により、おむつの測定対象領域から、応力緩和試験前及び応力緩和試験後それぞれの測定片を得た後、得られた各測定片について引張試験を行う。
(1)応力緩和試験前の測定片の作成方法
おむつから測定対象の領域を切り出し、おむつの横方向に相当する方向を長手方向、おむつの縦方向に相当する方向を幅方向とする、長手方向長さが150mm、幅方向長さが40mmの矩形形状の測定片を得る。
(2)応力緩和試験後の測定片の作成方法
(2-1)印の付与
おむつにおける測定対象の領域に、おむつの横方向の寸法が150mm、おむつの縦方向の寸法が40mmである矩形形状に印をつける。その後、以下の応力緩和試験を行う。(2-2)応力緩和試験
上述の<材料緩和試験後応力保持率の第1測定方法>の(2-2)応力緩和試験と同様の方法で行う。
(2-3)測定片の取り出し
応力緩和試験後のおむつから、前記印をつけた部分を切り出し、測定片とする。
(3)引張試験
上記(1)及び(2)により得られた各測定片について、引っ張り試験機を用いて引張試験を行う。具体的には、各測定片を、非伸長且つ弛みの無い状態で、引っ張り試験機のチャックに固定する。このとき、測定片の長手方向の両端部それぞれについて、該測定片の長手方向の端縁から20mmの部分をチャックで挟む。つまり、測定片の長手方向の長さが150mmの場合、チャック間距離は110mmとなる。そして、チャック間距離を300mm/分の速度で拡大させる。チャック間距離が、引き伸ばす部分の初期長さの1.4倍に達した時点の応力を測定する。なお、応力緩和試験後の測定片は、応力緩和試験後1時間静置したのちに引張試験を行う。応力緩和試験前の測定片の測定結果を保存前応力P0とし、応力緩和試験後の測定片の測定結果を保存後応力P1とし、以下の式4により、標準緩和試験後応力保持率を算出する。
標準緩和試験後応力保持率=P1/P0・・・(式4)
標準緩和試験後応力保持率は、更に、以下の第2測定方法によって測定した保存前応力P0及び保存後応力P1を用いて算出することもできる。例えば、第1測定方法によって得られたウエスト伸縮領域Wの緩和試験後応力保持率が胴回り伸縮領域Dの緩和試験後応力保持率よりも大きいことに加えて、又はそれに代えて第2測定方法によって得られたウエスト伸縮領域Wの緩和試験後応力保持率が胴回り伸縮領域Dの緩和試験後応力保持率よりも大きいことが好ましい。
上述した第1測定方法によって算出した標準緩和試験後応力保持率と、第2測定方法によって算出した標準緩和試験後応力保持率とは、実質的に同一である。ここでいう「実質的に同一」とは、第1測定方法によって算出したウエスト伸縮領域Wの緩和試験後応力保持率と胴回り伸縮領域Dの緩和試験後応力保持率の大小関係、並びに第2測定方法によって算出したウエスト伸縮領域Wの緩和試験後応力保持率と胴回り伸縮領域Dの緩和試験後応力保持率の大小関係が変化しないことをいう。
<標準緩和試験後応力保持率の第2測定方法>
以下の方法により、おむつの測定対象領域から、応力緩和試験前及び応力緩和試験後それぞれの測定片を得た後、得られた各測定片について引張試験を行う。
(1)応力緩和試験前の測定片の作成方法
サイドシール部S,Sで接合されている外装体3どうしを剥がし、おむつを展開して平面状に拡げ、該おむつから、おむつの横方向Yと平行な直線に沿って、幅方向長さが30mmの矩形形状の測定片を切り出す。測定片を切り出すときは、外装体3のみならず、吸収性本体2、弾性部材33及びサイドシール部Sを含むおむつ全体を切断する。
(2)応力緩和試験後の測定片の作成方法
(2-1)応力緩和試験
上述の<材料緩和試験後応力保持率の第2測定方法>の(2-2)応力緩和試験と同様の方法で行う。
(2-2)測定片の取り出し
上述の<標準緩和試験後応力保持率の第1測定方法>の(2-3)測定片の取り出しと同様の方法で行う。
(3)引張試験
上記(1)及び(2)によって得られた各測定用サンプルについて、引っ張り試験機を用いて引張試験を行う。具体的には、各測定用サンプルを、非伸長且つ弛みの無い状態で、引っ張り試験機のチャックに固定する。このとき、測定用サンプルの長手方向の両端部であり、サイドシール部S,Sを形成していた部分のすぐ内側をチャックで挟む。そして、チャック間距離を300mm/分の速度で拡大させる。チャック間距離が、引き伸ばす部分の最大伸長状態の長さに対して71%の長さに達した時点の応力を測定する。これ以外は、上述の<標準緩和試験後応力保持率の第1測定方法>の(3)引張試験と同様の方法で行う。
以下、ウエスト伸縮領域Wと胴回り伸縮領域Dとで、緩和試験後応力保持率が異なる理由について詳述する。おむつ1を長時間着用したときには、腹側外装体3A及び背側外装体3Bが横方向Yに伸長された状態が長時間維持されるので、該外装体3A,3Bの応力は緩和される。本実施形態のおむつ1においては、上述のとおり、ウエスト伸縮領域W及び胴回り伸縮領域Dには、易応力緩和部材である伸縮シート34及び難応力緩和部材である弾性部材33の両方が配されているが、ウエスト伸縮領域Wと胴回り伸縮領域Dとは、単位長さ当たりの弾性部材33の本数が異なっている。これにより、ウエスト伸縮領域Wと胴回り伸縮領域Dとは、伸長状態が維持されたときの応力緩和のし易さが異なっている。より具体的には、ウエスト伸縮領域Wは、胴回り伸縮領域Dよりも、単位長さ当たりの弾性部材33の本数が少ないので、ウエスト伸縮領域Wは、胴回り伸縮領域Dよりも緩和試験後応力保持率が小さい。
本実施形態のおむつ1は、ウエスト伸縮領域Wの緩和試験後応力保持率が相対的に小さく、胴回り伸縮領域Dの緩和試験後応力保持率が相対的に大きい。これにより、本実施形態のおむつ1は、ズレ落ちを抑制することができるとともに、着用者に跡が付きにくくなっている。以下、この点について詳述する。
従来の吸収性物品においては、胴回り伸縮領域では、着用者の腹囲変動が相対的に小さく、ウエスト伸縮領域では、着用者の腹囲変動が相対的に大きいことが知られている。したがって、ズレ落ちを抑制しつつ、跡付きを最低限にとどめるためには、胴回り伸縮領域Dにはズレ落ちを抑制する程度の応力を持たせる一方、ウエスト伸縮領域Wは、跡付きを低減させる観点から、なるべく応力を持たせないことが重要である。本実施形態のおむつ1においては、ウエスト伸縮領域Wの緩和試験後応力保持率と胴回り伸縮領域Dの緩和試験後応力保持率とを上述のような関係とすることにより、おむつ1を長時間着用したときに、胴回り伸縮領域Dにおいては応力が緩和しにくく、胴回り伸縮領域Dの応力は維持されやすいので、おむつ1のズレ落ちを抑制することができる。一方、ウエスト伸縮領域Wにおいては、おむつ1を着用している間に、着用者の体型に応じて応力が緩和し易い。このように、おむつ1は、ウエスト伸縮領域Wの応力が着用者の体型に応じた応力となりやすいので、着用者におむつ1の跡が付くことを防ぐことができる。
以上のように、本実施形態のおむつ1によれば、ズレ落ちを抑制することができるとともに、着用者に跡が付くことを防ぐことができる。
本実施形態のおむつ1においては、胴回り伸縮領域Dにおいて、難応力緩和部材である弾性部材33は、易応力緩和部材である伸縮シート34の肌対向面側に配されていることが好ましい。こうすることにより、標準より大きめの体型を持つ着用者がおむつ1を着用したときに、胴回り伸縮領域Dの応力が適度に緩和することになり、過度な締め付けを抑制し、後付きが発生することを防ぐことができる。
この効果を一層顕著にする観点から、胴回り伸縮領域Dの標準緩和試験後応力保持率R1に対する、ウエスト伸縮領域Wの標準緩和試験後応力保持率R2の比率R2/R1は、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.25以上、更に好ましくは0.40以上であり、好ましくは1.0より小さい、より好ましくは0.85以下、更に好ましくは0.60以下であり、好ましくは0.10以上1.00未満、より好ましくは0.25以上0.85以下、更に好ましくは0.40以上0.60以下である。
胴回り伸縮領域Dの標準緩和試験後応力保持率R1は、ズレ落ちを防止する観点から、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.40以上、更に好ましくは0.50以上であり、着用者の胴回りを過度に締め付けることを防ぐ観点から、好ましくは0.80以下、より好ましくは0.70以下、更に好ましくは0.60以下であり、それらの両立の観点から、好ましくは0.30以上0.80以下、より好ましくは0.40以上0.70以下、更に好ましくは0.50以上0.60以下である。
ウエスト伸縮領域Wの標準緩和試験後応力保持率R2は、ズレ落ちを防止する観点から、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.30以上であり、着用者の胴回りを過度に締め付けることを防ぐ観点から、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.50以下、更に好ましくは0.40以下であり、それらの両立の観点から、好ましくは0.10以上0.60以下、より好ましくは0.20以上0.50以下、更に好ましくは0.30以上0.40以下である。
またウエスト伸縮領域Wは、人間の体温以下の温度の環境下で伸長させたときの緩和試験後応力保持率(以下、「低温時緩和試験後応力保持率」とも言う。)R4が、標準緩和試験後応力保持率R1よりも大きいことが好ましい。こうすることにより、おむつ1を着用者が着用しているときに応力が緩和され、例えばおむつ1が包装され店頭で販売されている状態等では応力が緩和されにくくなる。この効果を一層顕著にする観点から、ウエスト伸縮領域Wは、標準緩和試験後応力保持率R1に対する低温時緩和試験後応力保持率R4の比率R4/R1が、好ましくは1.50以上、より好ましくは1.75以上、更に好ましくは2.00以上であり、好ましくは4.00以下、より好ましくは3.75以下、更に好ましくは3.50以下であり、好ましくは1.50以上4.00以下、より好ましくは1.75以上3.75以下、更に好ましくは2.00以上3.50以下である。低温時緩和試験後応力保持率は、上述した(応力緩和試験)において、伸長状態のおむつを10時間保存するときの温度を23℃に変更する以外は上述した<標準緩和試験後応力保持率の第1測定方法>と同様(以下、「低温時緩和試験後応力保持率の第1測定方法」という。)にして求めることができる。または、上述した(応力緩和試験)において、伸長状態のおむつを10時間保存するときの温度を23℃に変更する以外は上述した<標準緩和試験後応力保持率の第2測定方法>と同様(以下、「低温時緩和試験後応力保持率の第2測定方法」という。)にして求めることができる。標準緩和試験後応力保持率R1に対する低温時緩和試験後応力保持率R4の比率R4/R1は、低温時緩和試験後応力保持率の第1測定方法によって算出した低温時緩和試験後応力保持率R4を用いて得られた値が上述した数値範囲を満たすことに加えて、又はそれに代えて低温時緩和試験後応力保持率の第2測定方法によって算出した低温時緩和試験後応力保持率R4を用いて得られた値が上述した数値範囲を満たすことが好ましい。
ウエスト伸縮領域Wの低温時緩和試験後応力保持率R4は、包装され店頭で販売されている状態等では応力が緩和されにくくなる観点から、好ましくは0.500以上、より好ましくは0.55以上、更に好ましくは0.60以上であり、標準緩和試験後応力保持率を高くしないという観点から、好ましくは0.90以下、より好ましくは0.85以下、更に好ましくは0.80以下であり、それらの両立の観点から、好ましくは0.500以上0.90以下、より好ましくは0.55以上0.85以下、更に好ましくは0.60以上0.80以下である。
腹側外装体3A及び背側外装体3Bの好ましい構成について説明する。
腹側外装体3Aにおいて、外層シート32は、内層シート31よりも縦方向Xの長さが長く、内層シート31の縦方向端から延出する延出部32Eを有し、該延出部32Eは、図4に示すように、該外層シート32の肌対向面側に折り返されている。外層シート32の延出部32Eは、縦方向Xにおける吸収性本体2の端部を覆っている。ウエスト伸縮領域Wにおいては、外層シート32と、該外層シート32の延出部32Eとの間に弾性部材33が配されている。
また、伸縮シート34も、内層シート31よりも縦方向Xの長さが長く、内層シート31の縦方向端から延出する延出部34Eを有している。伸縮シート34の延出部34Eも、伸縮シート34の肌対向面側に折り返されている。
背側外装体3Bは、伸縮シート34の股下部C側の端部34cの位置が異なる点が、腹側外装体3Aと異なっている。背側外装体3Bにおける伸縮シート34は、腹側外装体3Aにおける伸縮シート34よりも、股下部C側の端部34cが、該股下部C側に位置している。換言すれば、腹側部A側の胴回り伸縮領域Dは、背側部B側の胴回り伸縮領域Dよりも、股下部C側の伸縮シート34の端部34cがウエスト開口部WH側に位置している。
腹側外装体3Aとの胴回り伸縮領域Dと、背側外装体3Bの胴回り伸縮領域Dとは、股下部C側の伸縮シート34の端部34cの位置が同じであってもよいし、異なっていてもよい。腹側外装体3Aと背側外装体3Bの胴回り伸縮領域Dとで、股下部C側の伸縮シート34の端部34cの位置が異なる場合、いずれの伸縮シート34の端部34cがウエスト開口部WH側に位置していてもよいが、本実施形態のように、腹側外装体3Aの胴回り伸縮領域Dにおける伸縮シート34の端部34cの方がウエスト開口部WH側に位置していることが好ましい(図4参照)。背側外装体3Bに比して応力の変動が大きい腹側外装体3Aにおける股下部C側の端部に、応力緩和し易い伸縮シート34が配されていない領域をより大きく形成することによっても、腹側外装体3Aの胴回り伸縮領域Dの応力が過度に低減してしまうことを防ぐことができるので、ズレ落ちを効果的に防止することができる。
腹側外装体3Aと背側外装体3Bとは、胴回り伸縮領域Dに配された弾性部材33の本数が同じであってもよいし、異なっていてもよいが、本実施形態のように、該弾性部材33の本数は同じであることが好ましい。こうすることにより、腹側外装体3Aの胴回り伸縮領域Dの応力が背側外装体3Bの胴回り伸縮領域Dの応力に比して過度に低減してしまうことを防ぎ、ズレ落ちを防止できる最低限の応力を腹側外装体3Aの胴回り伸縮領域Dに付与することができる。
胴回り伸縮領域Dにおいて、弾性部材33は、伸縮シート34の肌対向面側に配されていてもよいし、伸縮シート34の非肌対向面側に配されていてもよいが、本実施形態のように、伸縮シート34の肌対向面側に配されていることが好ましい。こうすることにより、ズレ落ちの抑制と跡の付きにくさとを、より両立させやすくなる。以下、この点について詳述する。胴回り伸縮領域Dは、おむつ1のズレ落ち防止に強く寄与する部位である。胴回り伸縮領域Dにおいては、ズレ落ちを防止するために必要な応力を弾性部材33により担保しており、伸縮シート34を配することにより、該胴回り伸縮領域Dの応力が着用者の体型に合った大きさになるように調整している。本実施形態のように、弾性部材33が伸縮シート34の肌対向面側に配されていることにより、胴回り伸縮領域Dにおいて、弾性部材33による応力の担保と、伸縮シート34による応力の調整とのバランスがとりやすくなるので、ズレ落ちの抑制と跡の付きにくさとを、より両立させやすくなる。
弾性部材33と伸縮シート34とは、接していてもよいし、接していなくてもよいが、本実施形態のように、接していないことが好ましい。こうすることにより、ズレ落ちを防止するために必要な応力を発現するという弾性部材33の作用と、着用者の体型に応じて外装体の応力を緩和し、過度な締め付けを抑制するという伸縮シート34の作用とが互いに干渉しにくくなり、ズレ落ちの抑制と跡の付きにくさとを、より両立させやすくなる。
本実施形態において、胴回り伸縮領域Dは、相対的にウエスト開口部WH側に位置する第1領域D1と、相対的に股下部C側に位置する第2領域D2とを有する。第1領域D1は、胴回り伸縮領域Dを縦方向Xに二等分したときにウエスト開口部WH側に位置する領域であり、第2領域D2は、胴回り伸縮領域Dを縦方向Xに二等分したときに股下部C側に位置する領域である。第2領域D2は、第1領域D1よりも弾性部材33の応力が大きいことが好ましい。こうすることにより、ズレ落ちを効果的に防止することができる。以下、この点について詳述する。腹側外装体3A及び背側外装体3Bに股下部C側の端部は、着用者の足の動きに連動して動くので、第2領域D2は、第1領域D1に比して応力の変動が大きい。第2領域D2の弾性部材33の応力T2を、第1領域D1の弾性部材33の応力T1よりも大きくすることにより、着用時に応力の変動によって第2領域D2の応力が過度に低減してしまうことを防ぐことができるので、ズレ落ちを防止することができる。
ここでいう弾性部材33の応力は、伸長倍率1.4倍での応力であり、上述した<材料緩和試験後応力保持率の測定方法>と同様の方法により測定することができる。
ズレ落ち防止効果の一層の向上の観点から、前記応力T1に対する前記応力T2の比率T2/T1は、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.3以上、更に好ましくは1.5以上であり、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.0以下であり、好ましくは1.1以上3.0以下、より好ましくは1.3以上2.5以下、更に好ましくは1.5以上2.0以下である。
本実施形態において、伸縮シート34は、図5に示すとおり、横方向Yに延びるように配された弾性フィラメント43が2枚の不織布41,42の間に接合されている伸縮シートである。2枚の繊維シート41,42は横方向Yに伸縮可能である。
伸縮シート34は、例えば、特開2009-61743号公報に記載の方法に従って製造することができる。具体的には例えば、紡糸ノズルから紡出された溶融状態の複数の弾性フィラメント43を所定速度で引き取って延伸しつつ、該弾性フィラメント43の固化前に、該弾性フィラメント43が互いに交差せず一方向に配列するように該弾性フィラメント43を繊維シート41,42に融着させた後、その弾性フィラメント43が融着した両シート41,42を、該弾性フィラメント43の延びる方向に沿って延伸することによって、伸縮シート34を製造することができる。伸縮シート34は、その全体が横方向Yに伸縮性を有している。
腹側外装体3A又は背側外装体3Bにおいては、伸縮シート34の弾性フィラメント43と、弾性部材33とが、該外装体3A,3Bの厚み方向Zに重なっている部分8の面積M1が小さいことが好ましい(図6参照)。こうすることにより、弾性フィラメント43の応力と、弾性部材33の応力との両方が加わる領域を少なくすることができるので、腹側外装体3A又は背側外装体3Bの応力が過度に大きくなることを防ぎ、おむつ1の跡が着用者に付くことをより効果的に防止することができる。この効果を一層顕著にする観点から、おむつ1の最大伸長状態での外装体3A,3Bの平面視において、弾性フィラメント43の面積M2に対する、弾性部材33と該弾性フィラメント43とが重なる領域の面積M1の割合は、好ましくは80%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは0%、すなわち弾性部材33と弾性フィラメント43とは厚み方向Zにおいて互いに重なっていないことが更に好ましい。前記面積M1は、伸縮シート34の弾性フィラメント43と、弾性部材33とが、該外装体3A,3Bの厚み方向Zに重なっている部分8の長さの合計値に、外装体3A,3Bの横方向Yの長さを乗じて求めることができる(図6参照)。前記面積M2は、伸縮シート34が有する複数の弾性フィラメント43の直径の合計値に、外装体3A,3Bの横方向Yの長さを乗じて求めることができる(図6参照)。
本実施形態においては、吸収性本体2は、該吸収性本体2の肌対向面における縦方向Xに沿う左右両側部に一対の防漏カフ15,15を備えていてもよい。防漏カフ15は縦方向Xに沿って延びている。防漏カフ15は、図2に示すとおり、横方向Yの一端側が他の構成部材、例えば表面シート21に固定されて固定端部とされている。また防漏カフ15は、横方向Yの他端側が他の構成部材に非固定の自由端部15bとされている。防漏カフ15の自由端部15bには、糸状又は帯状の弾性部材(以下、「防漏カフ形成用弾性部材」と言う。)16が縦方向Xに沿って伸長状態で配置されている。防漏カフ15は、伸長状態で配された防漏カフ形成用弾性部材16が、おむつ1の着用状態において収縮することによって少なくとも股下部Cで起立し、それによって尿等の排泄物の横方向Yの外方への流出が阻止するようになっている。本実施形態においては、縦方向Xにおける防漏カフ形成用弾性部材16の両端は、伸縮シート34における股下部C側の端部34cよりも、該縦方向X内方に位置している。
腹側外装体3A及び背側外装体3Bは、該腹側外装体3A又は該背側外装体3Bと防漏カフ15とが重なっている領域における股下部C側の端部に、伸縮シート34が存在していない易応力緩和部材非存在領域Kを有することが好ましい。本実施形態では、易応力緩和部材非存在領域Kは、横方向Yに沿って延びる帯状形状を有している。腹側外装体3A又は該背側外装体3Bが易応力緩和部材非存在領域Kを有することにより、おむつ1の着用時に、腹側外装体3A又は背側外装体3Bの応力が緩和された場合であっても、吸収性本体2、特に防漏カフ15の着用者の肌への当たり方が変化しにくくなり、着用感を維持することができる。
また、同様の観点から、易応力緩和部材非存在領域Kの縦方向Xの長さH1は、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは5mm以上、更に好ましくは10mm以上であり、また好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以下、更に好ましくは15mm以下であり、好ましくは1mm以上30mm以下、より好ましくは5mm以上20mm以下、更に好ましくは10mm以上15mm以下である。
本実施形態においては、吸収性本体2は、腹側外装体3A及び背側外装体3Bに接合されている。吸収性本体2と、腹側外装体3A及び背側外装体3Bとは、胴回り伸縮領域Dにおいて接合されている。
吸収性本体2と、腹側外装体3A及び背側外装体3Bとを接合する方法は特に制限されず、例えば接着剤により接合されていてもよいし、熱や超音波により融着されていてもよい。
また、吸収性本体2と、腹側外装体3A又は背側外装体3Bとが接合された接合部Gの平面視形状は特に制限されない。前記接合部Gの形状について、腹側外装体3Aと吸収性本体2との接合部Gの形状を例に説明する。本実施形態においては、図2に示すように、腹側外装体3Aと吸収性本体2との接合部Gは、第1接合部G1と第2接合部G2と第3接合部G3とを有している。第1接合部G1は、縦方向Xにおける吸収性本体2の端部に位置し、横方向Yに延びている。第2接合部G2は、第1接合部G1の横方向Yの中央部から股下部C側に向かって延びている。第2接合部2G2は、横方向Yに2分割されていてもよいし、横方向Yに2分割されていなくてもよい。第3接合部G3は、第2接合部G2における第1接合部G1とは反対側の端部から、横方向Y外方に延びている。本実施形態においては、腹側外装体3Aと吸収性本体2との接合部Gがこのような形状となっていることにより、腹側外装体3Aの応力が緩和された場合であっても、吸収性本体2の着用者の肌への当たり方が変化しにくくなり、着用感を維持することができる。
図7に、本実施形態のおむつ1に係る外装体3の変形例を示す。図7に示す変形例においては、外層シート32と、易応力緩和部材である伸縮シート34とは、横方向Yに間欠的に接合されている。換言すれば、外層シート32及び伸縮シート34は、横方向Yに間欠的に配された複数の接合部5を有している。複数の接合部5が、横方向Yに沿って間隔を置いて配置された接合部列Lを形成しており、この接合部列Lが複数条設けられている。各接合部列Lは、縦方向Xに間隔を置いて並列している。なお、接合部5は、縦方向Xに連続して延びるように形成することもできる。
図7に示す変形例においては、外層シート32と内層シート31とは部分的に接合されている。具体的には、外層シート32と内層シート31とは横方向Yに間欠的に接合されている。図7に示す変形例において、内層シート31は、外層シート32及び伸縮シート34を接合する接合部5において、該外層シート32と接合している。
図7に示すとおり、内層シート31は、伸縮シート34から離れる方向に向かって突出した凸部61を形成している。凸部61は、腹側外装体3A又は背側外装体3Bの弛緩状態において、外層シート32と内層シート31との間に伸長状態で配された弾性部材33の収縮によって接合部列Lどうしの間隔が狭まることに起因して、内層シート31が伸縮シート34から離間するように隆起することで形成される。図7に示す変形例においては、外層シート32も、内層シート31とともに伸縮シート34から離れる方向に向かって突出しているが、該変形例において、外層シート32は、伸縮シート34から離れる方向に向かって突出していなくてもよい。
図7に示す外装体3を有するおむつ1においては、着用者におむつ1の跡が付くことをより効果的に防止しつつ、応力が過度に緩和することを防ぐことができる。以下、この点について詳述すると、おむつ1を着用した初期状態(以下、「初期状態」と言う。)においては、外装体3における、着用者の肌側に向かって突出している凸部61が、着用者の肌に主に接している。着用者にとって、おむつ1が小さい場合、初期状態では、凸部61における着用者の肌との接触面積は相対的に小さいので、着用者の体温が、易応力緩和部材である伸縮シート34に過度に伝わることを抑制し、着用者の体温に起因する熱よって外装体3が過度に応力緩和することを防ぎ、外装体3の応力が過度に下がることを抑制することができる。一方、着用者にとって、おむつ1が大きい場合、凸部61における着用者の肌との接触面積は相対的に大きいので、伸縮シート34に、着用者の体温に起因する熱を優先的に伝えて、該伸縮シート34を素早く応力緩和させることにより、過度な締め付けを抑制することができる。
本実施形態において、ウエスト伸縮領域Wは、高い伸長倍率で伸長させたときの緩和試験後応力保持率(以下、「高伸長時緩和試験後応力保持率」とも言う。)R3が、標準緩和試験後応力保持率R1よりも小さいことが好ましい。こうすることにより、標準より大きめの体型を持つ着用者がおむつ1を着用した場合であっても、該着用者の体型に合わせてウエスト伸縮領域Wの応力が緩和し易くなるので、着用者におむつ1の跡が付くことをより効果的に防止することができる。この効果を一層顕著にする観点から、ウエスト伸縮領域Wは、標準緩和試験後応力保持率R1に対する高伸長時緩和試験後応力保持率R3の比率R3/R1が、好ましくは0以上、より好ましくは0.10以上、更に好ましくは0.25以上であり、好ましくは1.00以下、より好ましくは0.90以下、更に好ましくは0.75以下であり、好ましくは0以上1.00以下、より好ましくは0.10以上0.90以下、更に好ましくは0.25以上0.75以下である。高伸長時緩和試験後応力保持率は、上述した(応力緩和試験)における伸長倍率を1.6倍に変更する以外は上述した<標準緩和試験後応力保持率の第1測定方法>と同様(以下、「高伸長時緩和試験後応力保持率の第1測定方法」という。)にして求めることができる。または、上述した(応力緩和試験)におけるおむつの横方向Yの長さを最大伸長状態の長さに対して80%の長さとなるまで伸長させる以外は上述した<標準緩和試験後応力保持率の第2測定方法>と同様(以下、「高伸長時緩和試験後応力保持率の第2測定方法」という。)にして求めることができる。標準緩和試験後応力保持率R1に対する高伸長時緩和試験後応力保持率R3の比率R3/R1は、高伸長時緩和試験後応力保持率の第1測定方法によって算出した高伸長時緩和試験後応力保持率R3の比率R3を用いて得られた値が上述した数値範囲を満たすことに加えて、又はそれに代えて高伸長時緩和試験後応力保持率の第2測定方法によって算出した高伸長時緩和試験後応力保持率R3の比率R3を用いて得られた値が上述した数値範囲を満たすことが好ましい。
ウエスト伸縮領域Wにおける、高伸長時緩和試験後応力保持率R3が標準緩和試験後応力保持率R1よりも小さくなるようにするための手段としては、例えば、外装体3の構成を、図7に示す変形例のようにすることが挙げられる。こうすることにより、ウエスト伸縮領域Wが高い伸長倍率で伸長したときに、凸部61の高さが低くなり、易応力緩和部材である伸縮シート34と着用者の肌との距離が近くなるので、着用者の体温に起因する熱よって外装体3が応力緩和しやすくなる。これにより、高伸長時緩和試験後応力保持率R3を、標準緩和試験後応力保持率R1よりも小さくすることができる。
ウエスト伸縮領域Wの高伸長時緩和試験後応力保持率R3は、ズレ落ちを防止する観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.100以上、更に好ましくは0.150以上であり、着用者の胴回りを過度に締め付けることを防ぐ観点から、好ましくは0.350以下、より好ましくは0.300以下、更に好ましくは0.250以下であり、それらの両立の観点から、好ましくは0.05以上0.350以下、より好ましくは0.100以上0.300以下、更に好ましくは0.150以上0.250以下である。
次に、本発明の別の実施形態について図8~図11を参照しながら説明する。図8~図12に示す実施形態については、図1~図6に示す実施形態と異なる点についてのみ説明する。図8~図11に示す実施形態について特に説明しない点は、図1~図6に示す実施形態と同様であり、同実施形態についての説明が適宜適用される。
図8及び図9に示す実施形態においては、伸縮シート34は、内層シート31の縦方向端から延出する延出部34Eを有しているが、該延出部34Eは、肌対向面側に折り返されていない。より具体的には、延出部34Eの端部、即ち、伸縮シート34におけるウエスト開口部WH側の端部と、該ウエスト開口部WHの開口端WEとは、縦方向Xの位置が一致している。また、図8及び図9に示す実施形態においては、背側外装体3Bは延出領域Eを有していない。図8及び図9に示す実施形態においても、図1~図6に示す実施形態と同様の効果が奏される。
図10に示す実施形態においては、腹側外装体3A及び背側外装体3Bは、外層シート32と内層シート31と、両シート31,32間に配された複数本の弾性部材33とからなる。本実施形態においては、外層シート32が伸縮シート34により構成されている。内層シート31は、吸収性本体2の縦方向端から延出する延出部31Eを有している。内層シート31の延出部31Eは、該内層シート31の肌対向面側に折り返されており、縦方向Xにおける吸収性本体2の端部を覆っている。外層シート32も、吸収性本体2の縦方向端から延出する延出部32Eを有しており、該延出部32Eは、該外層シート32の肌対向面側に折り返されている。本実施形態においては、外層シート32である伸縮シート34と弾性部材33とが接している。図10に示す実施形態においても、図1~図6に示す実施形態と同様の効果が奏される。
図11に示す実施形態においても、図10に示す実施形態と同様に、腹側外装体3A及び背側外装体3Bは、外層シート32と内層シート31と、両シート31,32間に配された複数本の弾性部材33とからなり、外層シート32が伸縮シート34により構成されている。図11に示す実施形態においても、図9に示す実施形態と同様に、内層シート31は延出部31Eを有しており、該延出部31Eは、内層シート31の肌対向面側に折り返されており、縦方向Xにおける吸収性本体2の端部を覆っている。外層シート32は、吸収性本体2の縦方向端から延出しておらず、外層シート32におけるウエスト開口部WH側の端部と、該ウエスト開口部WHの開口端WEとは、縦方向Xの位置が一致している。図11に示す実施形態においても、図1~図6に示す実施形態と同様の効果が奏される。
次に、上述した各実施形態について共有する事項について説明する。
易応力緩和部材としては、上述した伸縮シート34の他に、弾性を有する熱可塑性樹脂フィルム、等が挙げられる。弾性を有する熱可塑性樹脂フィルムとしては、ウレタンフィルム、等が挙げられる。易応力緩和部材としては、これらの中でも、応力緩和し易い観点から、伸縮シート34を用いることが好ましい。
易応力緩和部材として用いる伸縮シート34を構成する2枚の繊維シート41,42は、それぞれ、短繊維の不織布であり得る。不織布としては、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等が挙げられる。両シート41,42は、互いに同種でもよく、異種でもよい。
伸縮シート34を構成する弾性フィラメント43は、ブロックA及びブロックBの2種類の重合体ブロックを有するA-B-Aトリブロック共重合体で現わされる熱可塑性エラストマー樹脂であることが好ましい。A-B-Aトリブロック共重合体は、ブロックA及びブロックBから構成されている。A-B-Aトリブロック共重合体は、詳述するブロックAの物質からなる群及びブロックBの物質からなる群から選択される共重合体であり得る。弾性フィラメント43は、1種類のA-B-Aトリブロック共重合体でもよいし、2種以上のA-B-Aトリブロック共重合体でもよい。
A-B-Aトリブロック共重合体において、ブロックAは、ハードセグメントであり、A-B-Aトリブロック共重合体中、ブロックAの鎖同士が凝集し、硬質相を形成する。ブロックAは、ガラス転移温度(Tg)が25℃以上であるため、例えば室温程度では硬質相を形成し、物理架橋点として振る舞う。また、ブロックAは、ガラス転移温度(Tg)以上では、溶融して流動性を持つため、加工、成形が容易となる。
A-B-Aトリブロック共重合体は、ブロックAのガラス転移温度(Tg)が25℃以上であるが、ブロックAのガラス転移温度(Tg)は60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、また、100℃以下が好ましい。また、ブロックBのガラス転移温度(Tg)が25℃未満であるが、ブロックBのガラス転移温度(Tg)は0℃以下が好ましく、-30℃以下がより好ましく、また、-70℃以上が好ましい。本明細書におけるガラス転移温度(Tg)は、熱機械分析(TMA)や示差走査熱量測定(DSC)、示差熱分析(DTA)、動的粘弾性測定により測定できる。具体的には、例えば、市販の粘弾性測定装置レオバイブロンDDV-GPシリーズ(株式会社エーアンドデイ社)を用いて求めることができる。ガラス転移温度(Tg)の測定条件は、測定試料がフィルムシートである場合には、厚さ2mm、幅5mm、長さ2cmのシートを、窒素雰囲気中2Hzねじりモードで-75℃から昇温速度5℃/分にて加熱して測定して求めることができる。また、試料がおむつ等の製品中に搭載されている場合には、まずは製品中から対象とする試料のみを剥がして取り出す。取り出した試料をトルエン溶媒に溶解させ、この時点で固形物が存在する場合には濾過を行い、濾過した溶媒を留去することでフィルム形態でのサンプルを得ることができる。こうして得られた試料を、前述した測定方法から選定して評価することができる。
A-B-Aトリブロック共重合体中、ブロックAの重量平均分子量としては、1900以上が好ましく、4000以上がより好ましく、6000以上が更に好ましい。また、ブロックAの重量平均分子量は、12000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、8000以下が更に好ましい。ブロックAの重量平均分子量がこの範囲にあることで、着用者の体温によって、易応力緩和部材がズレ落ちたり、外観を損なったりせずに、過度な締め付けによるゴム跡を無くすことが可能となる。
A-B-Aトリブロック共重合体において、ブロックAは、ビニル芳香族重合体を主体とすることが好ましい。ここで、「主体とする」とは、ブロックAにおけるビニル芳香族重合体の含有量が、ブロックAの全構造単位に対して、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、更に好ましくは100質量%であることをいう。試料に含まれる構造は、核磁気共鳴(NMR)や赤外分光分析(IR)を用いることで構造式を特定でき、また、NMRのピーク積分値からその割合が求められる。
製品中に搭載されている試料を測定する場合には、前述の手段で得たサンプルを、NMR測定においてはトルエン溶媒に溶解し、IR測定においてはそのままの形態で評価することができる。
A-B-Aトリブロック共重合体のブロックAを構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p-tert-ブトキシスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルトルエン、1-ビニルナフタレン、3-メチルスチレン、4-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-ドデシルスチレン、2-エチル-4-ベンジルスチレン、4-(フェニルブチル)スチレン等が挙げられる。A-B-Aトリブロック共重合体のブロックAは、これらのビニル芳香族化合物が単独で構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。これらのビニル芳香族化合物のうち、重合の容易性や汎用性の点からスチレンを用いることがより好ましい。
また、A-B-Aトリブロック共重合体において、ブロックBは、ソフトセグメントであり、A-B-Aトリブロック共重合体中、ブロックBは、例えば室温程度では軟質相として振る舞い、ゴム弾性を発現する部分である。
A-B-Aトリブロック共重合体中、ブロックBの重量平均分子量としては、10000以上が好ましく、15000以上がより好ましく、20000以上が更に好ましく、30000以上が特に好ましい。また、ブロックBの重量平均分子量は、90000以下が好ましく、70000以下がより好ましく、50000以下が更に好ましく、40000以下が特に好ましい。ブロックBの重量平均分子量がこの範囲にあることで、着用者の体温によって、易応力緩和部材がズレ落ちたり、外観を損なったりせずに、過度な締め付けによるゴム跡を無くすことが可能となる。
A-B-Aトリブロック共重合体のブロックBは、ポリオレフィンを主体とすることが好ましい。ここで、「主体とする」とは、ブロックBにおけるポリオレフィンの含有量が、ブロックBの全構造単位に対して、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であることをいう。
A-B-Aトリブロック共重合体のブロックBを構成するオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、フェニルブタジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、3-ブチル-1,3-オクタジエン等が挙げられる。ブロックBは、これらのオレフィンが単独で構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。また、ブロックBは、水素添加されて二重結合の一部又は全部が飽和された状態でもよい。
A-B-Aトリブロック共重合体として、具体的には、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、SBSの水素添加物であるスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、SISの水素添加物であるスチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)等が挙げられる。これらの中でも、SEBS、SEPS、SEEPSは、熱安定性・耐候性の点で好ましい。
A-B-Aトリブロック共重合体の重量平均分子量としては、30000以上が好ましく、35000以上がより好ましく、40000以上が更に好ましく、45000以上が特に好ましい。また、A-B-Aトリブロック共重合体の重量平均分子量は、110000以下が好ましく、90000以下がより好ましく、70000以下が更に好ましく、60000以下が特に好ましい。A-B-Aトリブロック共重合体の重量平均分子量がこの範囲にあることで、着用者の体温によって、易応力緩和部材がズレ落ちたり、外観を損なったりせずに、過度な締め付けによるゴム跡を無くすことが可能となる。
本明細書において、A-B-Aトリブロック共重合体の重量平均分子量は、GPC法により測定される。なお、ブロックAの重量平均分子量及びブロックBの重量平均分子量は、A-B-Aトリブロック共重合体全体の重量平均分子量を測定した後、別途、核磁気共鳴(NMR)を用いて構造式の特定とNMRのピーク積分値からその割合を求め、得られた割合と全体の重量平均分子量から得ることができる。GPC法の測定条件は、カラム:TSKgel G-2000H、カラム温度:40℃、移動相:テトラヒドロフラン(THF)、流量:1.0mL/min、試料濃度:10mg/5mL-THF、注入量:500μLであり、重量平均分子量は、ポリスチレンにより換算した値である。なお、分析試料には、前処理として、試料10mgを5mLのTHF(テトラヒドロフラン)に常温で10分間溶解後、孔径0.45μmの焼結フィルターでろ過したものを用いる。
本実施形態において、A-B-Aトリブロック共重合体は、例えば次の工程で合成できる。先ず、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒に、ビニル芳香族化合物及び共役ジエン化合物を適宜の順序で添加し、有機リチウム化合物や金属ナトリウム等を開始剤としてアニオン重合を行い共役ジエンに基づく二重結合を有する共重合体を得る。
次に、この共重合体の共役ジエンに基づく二重結合に水素を添加して、目的とするA-B-Aトリブロック共重合体を得る。共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率は、その80%以上、特に90%以上であることが、耐熱性、耐候性の点から好ましい。水素添加反応は、白金、パラジウム等の貴金属系触媒や、有機ニッケル化合物、有機コバルト化合物又はこれらの化合物と他の有機金属化合物との複合触媒を用いて行うことができる。水素添加率は、ヨウ素価測定法によって算出される。
また、A-B-Aトリブロック共重合体としては、市販品を用いることもできる。A-B-Aトリブロック共重合体として本実施形態で好ましく用いられる市販品としては、例えば、クレイトンポリマー社の商品名「クレイトン」、旭化成ケミカルズ株式会社の商品名「タフテック」及び「タフプレン」、株式会社クラレの商品名「セプトン」及び「ハイブラー」シリーズ等が挙げられる。
熱可塑性エラストマー樹脂は、A-B-Aトリブロック共重合体以外の他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、例えば、ゴム、又はポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等を用いることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、可塑剤を含有してもよく、可塑剤としては、パラフィン系オイル、パラフィン系ワックス、ナフテン系オイル、エチレン-α-オレフィンオリゴマー、低分子量ポリエチレン等を用いることができる。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
難応力緩和部材として用いる弾性部材33としては、例えば、スチレン-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン、等を糸状(糸ゴム等)又は紐状(平ゴム等)に形成したもの等を好ましく用いることができる。これらの中でも、応力緩和しにくい観点から、スチレン-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、が特に好ましい。弾性部材33の断面は矩形、正方形、円形、楕円形、多角形状等であってもよい。
表面シートとしては、液透過性を有するシート、例えば不織布や穿孔フィルムなどを用いることができる。表面シートは、その肌対向面側が凹凸形状になっていてもよい。例えば表面シートの肌対向面側に、散点状に複数の凸部を形成することができる。あるいは、表面シートの肌対向面側に、一方向に延びる畝部と溝部とを交互に形成することができる。そのような目的のために、2枚以上の不織布を用いて表面シートを形成することもできる。
一方、裏面シートとしては、例えば液難透過性のフィルムやスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド積層不織布などを用いることができる。液難透過性のフィルムに、複数の微細孔を設け、該フィルムに水蒸気透過性を付与してもよい。吸収性物品の肌触り等を一層良好にする目的で、裏面シートの外面に不織布等の風合いの良好なシートを積層してもよい。
吸収体は、吸収性コアを備えている。吸収性コアは例えばパルプを初めとするセルロース等の親水性繊維の積繊体、該親水性繊維と吸収性ポリマーとの混合積繊体、吸収性ポリマーの堆積体、2枚の吸収性シート間に吸収性ポリマーが担持された積層構造体などから構成される。吸収性コアは、少なくともその肌対向面が液透過性のコアラップシートで覆われていてもよく、肌対向面及び非肌対向面を含む表面の全域がコアラップシートで覆われていてもよい。コアラップシートとしては、例えば親水性繊維からなる薄葉紙や、液透過性を有する不織布などを用いることができる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。
例えば、上述した各実施形態においては、外装体3が腹側外装体3Aと背側外装体3Bとに分割されているが、外装体3は、腹側部A、股下部C及び背側部Bにわたる連続した形状であってもよい。
また、前述した一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、
着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる方向に対応する縦方向及び該縦方向と直交する横方向を有し、該腹側部の両側部と該背側部の両側部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型吸収性物品であって、
前記外装体は、伸縮部材として、易応力緩和部材と、該易応力緩和部材よりも応力緩和しにくい難応力緩和部材とを含み、且つ前記縦方向における前記吸収性本体の端縁よりも前記ウエスト開口部の開口端側に位置し前記横方向に伸縮するウエスト伸縮領域と、前記縦方向における前記吸収性本体の端縁よりも、前記股下部側に位置する胴回り伸縮領域とを有しており、
前記ウエスト伸縮領域は、前記縦方向における単位長さ当たりの前記難応力緩和部材の本数が前記胴回り伸縮領域よりも少なく、
前記ウエスト伸縮領域は、伸長倍率を1.4倍とし、温度40℃で10時間放置した後の標準緩和試験後応力保持率が前記胴回り伸縮領域よりも小さい、吸収性物品。
<2>
前記難応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率に対する、前記易応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率の比は、0.10以上1.00未満、好ましくは0.20以上0.80以下、より好ましくは0.30以上0.50以下である、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記易応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率は、0.10以上0.70以下、好ましくは0.20以上0.60以下、より好ましくは0.30以上0.50以下である、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記難応力緩和部材の材料緩和試験後応力保持率は、0.50以上、好ましくは0.60以上、好ましくは0.70以上であり、好ましくは1.0より小さい、前記<1>~<3>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<5>
前記胴回り伸縮領域の前記標準緩和試験後応力保持率に対する、前記ウエスト伸縮領域の前記標準緩和試験後応力保持率は、0.10以上1.00未満、好ましくは0.25以上0.85以下、より好ましくは0.40以上0.60以下である、前記<1>~<4>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<6>
前記胴回り伸縮領域の前記標準緩和試験後応力保持率は、0.30以上0.80以下、好ましくは0.40以上0.70以下、より好ましくは0.50以上0.60以下である、前記<1>~<5>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<7>
前記ウエスト伸縮領域の前記標準緩和試験後応力保持率は、0.10以上0.60以下、好ましくは0.20以上0.50以下、より好ましくは0.30以上0.40以下である、前記<1>~<6>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<8>
前記胴回り伸縮領域において、前記難応力緩和部材は、前記易応力緩和部材の肌対向面側に配されている、前記<1>~<7>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<9>
前記易応力緩和部材と前記難応力緩和部材とは直接接していない、前記<1>~<8>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<10>
前記ウエスト伸縮領域は、伸長倍率を1.6倍とし、温度40℃で10時間放置した後の高伸長時緩和試験後応力保持率が、前記標準緩和試験後応力保持率よりも小さい、前記<1>~<9>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<11>
前記ウエスト伸縮領域における前記標準緩和試験後応力保持率に対する前記高伸長時緩和試験後応力保持率の比率が、0以上1.00以下、好ましくは0.10以上0.90以下、より好ましくは0.25以上0.75以下である、前記<10>に記載の吸収性物品。
<12>
前記ウエスト伸縮領域の高伸長時緩和試験後応力保持率は、0.05以上0.350以下、好ましくは0.100以上0.300以下、より好ましくは0.150以上0.250以下である、前記<10>又は<11>に記載の吸収性物品。
<13>
前記ウエスト伸縮領域は、伸長倍率を1.4倍とし、温度23℃で10時間放置した後の低温時緩和試験後応力保持率が、前記標準緩和試験後応力保持率よりも大きい、前記<1>~<12>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<14>
前記ウエスト伸縮領域における前記緩和試験後応力保持率に対する前記低温時緩和試験後応力保持率の比率が、1.50以上4.00以下、好ましくは1.75以上3.75以下、より好ましくは2.00以上3.50以下である、前記<13>に記載の吸収性物品。
<15>
前記ウエスト伸縮領域の前記低温時緩和試験後応力保持率は、0.500以上0.90以下、好ましくは0.55以上0.85以下、より好ましくは0.60以上0.80以下である、前記<13>又は<14>に記載の吸収性物品。
<16>
前記易応力緩和部材は、前記横方向に延びるように配された弾性フィラメントが2枚の不織布の間に接合されている伸縮シートであり、
前記吸収性物品の最大伸長状態での前記外装体の平面視において、前記弾性フィラメントの面積に対する、前記難応力緩和部材と、前記弾性フィラメントとが重なる領域の面積の割合が80%以下である、前記<1>~<15>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<17>
前記外装体は、前記腹側部に配される腹側外装体と、前記背側部に配される背側外装体とを含み、
前記吸収性本体は、前記腹側外装体と前記背側外装体との間に掛け渡して固定されており、
前記吸収性本体は、前記縦方向に沿って延びる防漏カフを有しており、
前記腹側外装体及び前記背側外装体は、該腹側外装体又は該背側外装体と前記防漏カフとが重なっている領域における前記股下部側の端部に、前記易応力緩和部材が存在していない易応力緩和部材非存在領域を有する、請前記<1>~<16>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<18>
前記易応力緩和部材非存在領域の前記縦方向の長さが、1mm以上30mm以下、好ましくは5mm以上20mm以下、より好ましくは10mm以上15mm以下である、前記<17>に記載の吸収性物品。
<19>
前記外装体は、前記腹側部に配される腹側外装体と、前記背側部に配される背側外装体とを含み、
前記吸収性本体は、前記腹側外装体と前記背側外装体との間に掛け渡して固定されており、
前記腹側外装体及び前記背側外装体は、前記吸収性本体と接合部により接合されており、
前記接合部は、前記横方向に延びる第1接合部と、第1接合部の該横方向の中央部から前記股下部側に向かって延びる第2接合部と、前記股下部側における第2接合部の端部から前記横方向の外方に延びる第3接合部とを有している、前記<1>~<18>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<20>
前記腹側部側の前記胴回り伸縮領域と、前記背側部側の前記胴回り伸縮領域とは、配されている難応力緩和部材の数が同じであり、
前記腹側部側の前記胴回り伸縮領域は、前記背側部側の前記胴回り伸縮領域よりも、前記股下部側の前記易応力緩和部材の端部が、前記ウエスト開口部側に位置している、前記<1>~<19>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<21>
前記胴回り伸縮領域は、相対的に前記ウエスト開口部側に位置する第1領域と、相対的に前記股下部側に位置する第2領域とを有し、
前記第2領域の方が、前記第1領域よりも前記難応力緩和部材の応力が大きい、前記<1>~<20>のいずれか一に記載の吸収性物品。
<22>
前記第1領域における前記難応力緩和部材の応力に対する、前記第2領域における前記難応力緩和部材の応力の比率が、1.1以上3.0以下、好ましくは1.3以上2.5以下、より好ましくは1.5以上2.0以下である、前記<21>に記載の吸収性物品。
<23>
前記外装体は、易応力緩和部材の肌対向面側に配された外層シート、及び該外層シートの肌対向面側に配された内層シートを有しており、
前記外層シートと前記易応力緩和部材とは横方向に間欠的に接合されており、
前記外層シートと前記内層シートとは部分的に接合されており、
前記内層シートは、前記易応力緩和部材から離れる方向に向かって突出した凸部を形成している、前記<1>~<22>のいずれか一に記載の吸収性物品。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
図2に示すおむつ1と基本構成が同様のパンツ型使い捨ておむつを作製した。具体的には、市販のパンツ型使い捨ておむつ(花王株式会社製、商品名「メリーズ(登録商標)パンツLサイズ」)を用意し、用意したおむつの伸縮シートを別の伸縮シートに変更し、該おむつの弾性部材を別の弾性部材に変更したものを実施例1とした。
実施例1においては、特開2009-61743号公報に記載の方法に従って伸縮シート34を製造し、これを易応力緩和部材とした。易応力緩和部材を構成する弾性フィラメント43には、A-B-Aトリブロック共重合体として、SEPSを用いた。A-B-Aトリブロック共重合体の分子量、ブロックAの分子量及びブロックBの分子量は表1に示すとおりにした。
実施例1においては、表1に示す弾性部材33を用い、これを難応力緩和部材とした。用意したおむつのウエスト伸縮領域における単位長さ当たりの難応力緩和部材の本数、及び該おむつの胴回り伸縮領域における単位長さ当たりの難応力緩和部材の本数は表1に示すとおりにした。
〔実施例2〕
実施例1において、易応力緩和部材を構成する弾性フィラメント43におけるA-B-Aトリブロック共重合体の分子量、ブロックAの分子量及びブロックBの分子量を表1に示すとおりに変更した。これら以外は、実施例1と同様の構成のパンツ型使い捨ておむつを作製し、実施例2とした。
〔比較例1〕
用意したおむつのウエスト伸縮領域における単位長さ当たりの難応力緩和部材の本数、及び該おむつの胴回り伸縮領域における単位長さ当たりの難応力緩和部材の本数を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様の構成のパンツ型使い捨ておむつを作製し、比較例1とした。
〔比較例2〕
実施例1において、易応力緩和部材を構成する弾性フィラメント43におけるA-B-Aトリブロック共重合体の分子量、ブロックAの分子量及びブロックBの分子量を表1に示すとおりに変更した。これら以外は、実施例1と同様の構成のパンツ型使い捨ておむつを作製し、比較例2とした。
<単位長さ当たりの弾性部材の本数の測定>
実施例1及び2、並びに比較例1及び2のパンツ型使い捨ておむつについて、上述の方法にしたがい、ウエスト伸縮領域における単位長さ当たりの弾性部材の本数、及び胴回り伸縮領域における単位長さ当たりの弾性部材の本数を測定した。
<標準緩和試験後応力保持率の測定>
実施例1及び2、並びに比較例1及び2のパンツ型使い捨ておむつについて、標準緩和試験後応力保持率の第2測定方法にしたがい、ウエスト伸縮領域の標準緩和試験後応力保持率R2、及び胴回り伸縮領域の標準緩和試験後応力保持率R1を測定した。ウエスト伸縮領域の標準緩和試験後応力保持率R2、胴回り伸縮領域の標準緩和試験後応力保持率R1、及びR2/R1を表1に示す。
<おむつのズレ落ちにくさの評価>
実施例1及び2、並びに比較例1及び2によって得られたパンツ型使い捨ておむつを、1~2才児相当のベビー動的モデルに装着した。このモデルを15回/分の速度で15分脚を同時に上下させる動作をさせた後、以下に示す評価基準にしたがいパンツ型使い捨ておむつのズレ落ちにくさを評価した。
A:ズレ落ち量が15mm未満。
B:ズレ落ち量が15mm以上25mm未満。
C:ズレ落ち量が25mm以上。
<着用者へのおむつの跡の付きにくさの評価>
実施例1及び2、並びに比較例1及び2によって得られたパンツ型使い捨ておむつを、1~2才児に4~10時間装着(通常通り使用)し、おむつの跡の様子を観察した。以下の評価基準にしたがいパンツ型使い捨ておむつを装着したことに起因する着用者への跡の付きにくさを評価した。
A:殆どおむつの跡が見えないレベル。
B:おむつの跡があっても気にならないレベル。
C:おむつの跡がくっきり付いており、気になるレベル。
表1に示す結果から明らかなとおり、実施例1及び2で得られたパンツ型使い捨ておむつにおいて、ウエスト伸縮領域は、単位長さ当たりの難応力緩和部材の本数が胴回り伸縮領域よりも少ないことがわかる。このことに起因して、ウエスト伸縮領域は、胴回り伸縮領域よりも標準緩和試験後応力保持率が小さくなり、実施例1及び2で得られたパンツ型使い捨ておむつは、比較例1及び2で得られたパンツ型使い捨ておむつと比較して、ズレ落ちが抑制され、着用者におむつの跡が付きにくくなった。更に、実施例1及び2で得られたパンツ型使い捨ておむつにおいて、ウエスト伸縮領域は、標準緩和試験後応力保持率が胴回り伸縮領域よりも小さいことがわかる。このことからも、実施例1及び2で得られたパンツ型使い捨ておむつは、比較例1及び2で得られたパンツ型使い捨ておむつと比較して、ズレ落ちが抑制され、着用者におむつの跡が付きにくくなった。
1 パンツ型使い捨ておむつ
2 吸収性本体
21 表面シート
22 裏面シート
23 吸収体
3 外装体
3A 腹側外装体
3B 背側外装体
31 内層シート
32 外層シート
33 難応力緩和部材(弾性部材)
34 易応力緩和部材(伸縮シート)
41,42 繊維シート
43 弾性フィラメント
W ウエスト伸縮領域
D 胴回り伸縮領域

Claims (14)

  1. 吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、
    着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる方向に対応する縦方向及び該縦方向と直交する横方向を有し、該腹側部の両側部と該背側部の両側部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型吸収性物品であって、
    前記外装体は、伸縮部材として、易応力緩和部材と、該易応力緩和部材よりも応力緩和しにくい難応力緩和部材とを含み、且つ前記縦方向における前記吸収性本体の端縁よりも前記ウエスト開口部の開口端側に位置し前記横方向に伸縮するウエスト伸縮領域と、前記縦方向における前記吸収性本体の端縁よりも、前記股下部側に位置する胴回り伸縮領域とを有しており、
    前記ウエスト伸縮領域は、前記縦方向における単位長さ当たりの前記難応力緩和部材の本数が前記胴回り伸縮領域よりも少なく、
    前記ウエスト伸縮領域は、伸長倍率を1.4倍とし、温度40℃で10時間放置した後の標準緩和試験後応力保持率が前記胴回り伸縮領域よりも小さく、
    前記胴回り伸縮領域において、前記難応力緩和部材は、前記易応力緩和部材の肌対向面側に配されている、吸収性物品。
  2. 吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、
    着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる方向に対応する縦方向及び該縦方向と直交する横方向を有し、該腹側部の両側部と該背側部の両側部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型吸収性物品であって、
    前記外装体は、伸縮部材として、易応力緩和部材と、該易応力緩和部材よりも応力緩和しにくい難応力緩和部材とを含み、且つ前記縦方向における前記吸収性本体の端縁よりも前記ウエスト開口部の開口端側に位置し前記横方向に伸縮するウエスト伸縮領域と、前記縦方向における前記吸収性本体の端縁よりも、前記股下部側に位置する胴回り伸縮領域とを有しており、
    前記ウエスト伸縮領域は、前記縦方向における単位長さ当たりの前記難応力緩和部材の本数が前記胴回り伸縮領域よりも少なく、
    前記ウエスト伸縮領域は、前記パンツ型吸収性物品の最大伸長状態の長さに対して71%の長さとなるまで前記横方向に伸長させて、温度40℃で10時間放置した後の標準緩和試験後応力保持率が前記胴回り伸縮領域よりも小さく、
    前記胴回り伸縮領域において、前記難応力緩和部材は、前記易応力緩和部材の肌対向面側に配されている、吸収性物品。
  3. 前記易応力緩和部材と前記難応力緩和部材とは直接接していない、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記ウエスト伸縮領域は、伸長倍率を1.6倍とし、温度40℃で10時間放置した後の高伸長時緩和試験後応力保持率が、前記標準緩和試験後応力保持率よりも小さい、請求項1~のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記ウエスト伸縮領域は、伸長倍率を1.4倍とし、温度23℃で10時間放置した後の低温時緩和試験後応力保持率が、前記標準緩和試験後応力保持率よりも大きい、請求項1~のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記易応力緩和部材は、前記横方向に延びるように配された弾性フィラメントが2枚の不織布の間に接合されている伸縮シートであり、
    前記吸収性物品の最大伸長状態での前記外装体の平面視において、前記弾性フィラメントの面積に対する、前記難応力緩和部材と、前記弾性フィラメントとが重なる領域の面積の割合が80%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記外装体は、前記腹側部に配される腹側外装体と、前記背側部に配される背側外装体とを含み、
    前記吸収性本体は、前記腹側外装体と前記背側外装体との間に掛け渡して固定されており、
    前記吸収性本体は、前記縦方向に沿って延びる防漏カフを有しており、
    前記腹側外装体及び前記背側外装体は、該腹側外装体又は該背側外装体と前記防漏カフとが重なっている領域における前記股下部側の端部に、前記易応力緩和部材が存在していない易応力緩和部材非存在領域を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  8. 前記易応力緩和部材非存在領域の前記縦方向の長さが、1mm以上30mm以下である、請求項に記載の吸収性物品。
  9. 前記外装体は、前記腹側部に配される腹側外装体と、前記背側部に配される背側外装体とを含み、
    前記吸収性本体は、前記腹側外装体と前記背側外装体との間に掛け渡して固定されており、
    前記腹側外装体及び前記背側外装体は、前記吸収性本体と接合部により接合されており、
    前記接合部は、前記横方向に延びる第1接合部と、第1接合部の該横方向の中央部から前記股下部側に向かって延びる第2接合部と、前記股下部側における第2接合部の端部から前記横方向の外方に延びる第3接合部とを有している、請求項1~のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  10. 前記腹側部側の前記胴回り伸縮領域と、前記背側部側の前記胴回り伸縮領域とは、配されている難応力緩和部材の数が同じであり、
    前記腹側部側の前記胴回り伸縮領域は、前記背側部側の前記胴回り伸縮領域よりも、前記股下部側の前記易応力緩和部材の端部が、前記ウエスト開口部側に位置している、請求項1~のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  11. 前記胴回り伸縮領域は、相対的に前記ウエスト開口部側に位置する第1領域と、相対的に前記股下部側に位置する第2領域とを有し、
    前記第2領域の方が、前記第1領域よりも前記難応力緩和部材の応力が大きい、請求項1~10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  12. 前記外装体は、易応力緩和部材の肌対向面側に配された外層シート、及び該外層シートの肌対向面側に配された内層シートを有しており、
    前記外層シートと前記易応力緩和部材とは横方向に間欠的に接合されており、
    前記外層シートと前記内層シートとは部分的に接合されており、
    前記内層シートは、前記易応力緩和部材から離れる方向に向かって突出した凸部を形成している、請求項1~11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  13. 前記ウエスト伸縮領域は、前記パンツ型吸収性物品の最大伸長状態の長さに対して80%の長さとなるまで前記横方向に伸縮させて、温度40℃で10時間放置した後の高伸長時緩和試験後応力保持率が、前記標準緩和試験後応力保持率よりも小さい、請求項1~12のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  14. 前記ウエスト伸縮領域は、前記パンツ型吸収性物品の最大伸長状態の長さに対して71%の長さとなるまで前記横方向に伸長させて、温度23℃で10時間放置した後の低温時緩和試験後応力保持率が、前記標準緩和試験後応力保持率よりも大きい、請求項1~13のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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