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JP7718396B2 - 水電解装置及びこれを用いた水電解システム - Google Patents
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JP7718396B2 - 水電解装置及びこれを用いた水電解システム - Google Patents

水電解装置及びこれを用いた水電解システム

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Description

本願は水電解装置及びこれを用いた水電解システムに関する。
水電解セルは、膜電極接合体と、膜電極接合体の両面に配置される1対のセパレータとを備える。膜電極接合体は、固体電解質層と、固体電解質層の一方の面に配置された酸素極触媒層と、固体電解質層の他方の面に配置された水素極触媒層を備える。水電解装置は、通常、このような水電解セルが複数積層された水電解スタックを備えている。
水電解スタックは、水電解に使用する水を供給するための水供給マニホールドと、水電解によって生成した水素が流通するための水素極側マニホールドと、水電解によって生成した酸素が流通するための酸素極側マニホールドと、を備えている。水電解反応は次のように実施される。まず、水供給マニホールドに水を供給し、各セルの酸素極触媒層に水を供給する。そして、水電解スタックの両端に電圧を印加し、水電解反応を生じさせる。これにより酸素極触媒層において、水が分解され酸素とプロトンが生成する。酸素は酸素極側マニホールドを通って取り出される。プロトンは固体電解質層を透過し、水素極触媒層において電子と結合して水素が生成する。水素は水素極側マニホールドを通って取り出される。
このような水電解スタックを備える水電解装置は、例えば特許文献1、2に記載されている。特許文献1は、酸素用経路、水素用経路及び2つの純水用経路を備えた水電解装置を開示している。また、同文献には、いずれの経路においても、開口部が上側のみに設けられた形態が開示されている。
特許文献2は、排出連通孔、水素連通孔、水供給連通孔を備えた水電解装置を開示している。排出連通孔は酸素及び水を排出するためのものであり、水素連通孔は反応により生成された水素を流すためのものであり、水供給連通孔は水を供給するためのものである。ここで、水素連通孔は水電解スタックの外部に突出する突出部に設けられているため、外部雰囲気に曝されて冷却されることで、水素中に含まれる水分が結露する。結露された水分は水素連通孔の下部に備えられた水貯留部に貯留される。これに対し、水素は水素連通孔の上部に備えられた開口から取り出される。このように、特許文献2に記載の水素連通孔は気液分離機能を有する。
特開2001-164391号公報 特開2010-189689号公報
特許文献1の水電解装置は、いずれの経路(マニホールド)も開口部が上側のみに設けられているため、未反応の水が水電解スタック内に滞留し、上方向に巻き上げられやすくなる結果、水電解装置の下流側に相応の水が流出することになり、大きな気液分離器の設置が必要になる。
特許文献2には、水電解装置の水素連通孔に気液分離機能を持たせることで、水素極側に別体の気液分離器を配設する必要がなく、システム全体の小型化を図ることができるという効果を奏することが記載されている。しかしながら、特許文献2の水電解装置は、排出連通孔から酸素及び水を排出しているため、その下流に大きな気液分離器を設置する必要がある。
そこで、本開示の主な目的は、上記実情を鑑み、システムを小型化することができる水電解装置及びこれを用いた水電解システムを提供することである。
本開示は、上記課題を解決するための一つの態様として、水電解セルを複数積層したセル積層体を備えた水電解スタックと、水電解スタックに接続された排水管と、を備え、水電解スタックは、水電解により生成した水素が流通する水素極側マニホールドと、水電解により生成した酸素が流通する酸素極側マニホールドと、水電解に使用される水が流通する水供給マニホールドと、を備え、水素極側マニホールド及び酸素極側マニホールドは積層方向に貫通しており、排水管は水素極側マニホールドに接続された水素極側排水管と、酸素極側マニホールドに接続された酸素極側排水管と、水素極側排水管及び酸素極側排水管を接続する接続管と、を備え、接続管は該接続管を流通する水の流量を調節する排水弁を備えている、水電解装置を提供する。
上記水電解装置において、接続管は傾斜を有していてもよい。また、酸素極側排水管に水位計が設けられていてもよい。さらに、水素極側マニホールドの数が酸素極側マニホールドの数の2倍以上であってもよい。
本開示は、上記課題を解決するための一つの態様として、上記水電解装置と、水電解装置に電圧を印加する電源と、水電解装置に水を供給する水供給装置と、水電解装と水供給装置とを接続し、水供給装置から水電解装置に供給される水を流すための水供給流路と、水電解装置に接続され、水電解装置から排出される水を流すための水排出流路と、水電解により生成した水素を貯留する水素タンクと、水電解装置と水素タンクとを接続し、水電解装置から水素タンクに供給される水素を流すための水素流通流路と、水電解装置に接続され、水電解反応により生成した酸素を流すための酸素流通流路と、を備える、水電解システムを提供する。
本開示の水電解装置によれば、酸素極側マニホールド及び水素極側マニホールドが貫通孔であり、気液分離機能を備えているため、酸素極側及び水素極側に配置される気液分離器を小型化あるいは削減が可能である。従って、水電解システム全体を小型化することが可能である。
本開示の水電解システムによれば、上記水電解装置を備えているため、システム全体を小型化することができる。
水電解装置100の斜視図である。 水電解セル10の分解斜視図である。 排水管40に着目した概略図である。 水位計を用いて排水管の水位調整を実施したときのタイムチャートの一例である。 水電解システム1000のブロック図である。
[水電解装置]
本開示の水電解装置について、一実施形態である水電解装置100を用いて説明する。図1に水電解装置100の斜視図を示した。図1では、便宜的に水の移動を実線矢印で、酸素の移動を点線矢印、水素の移動を破線矢印で示している。図2、図3、図5も同様である。
図1に示した通り、水電解装置100は、水電解セル10を複数積層したセル積層体20を備えた水電解スタック30と、水電解スタック30に接続された排水管40と、を備えている。ここで、図1では、水電解装置100を水電解セル10の積層方向と重力方向とを一致させた状態を示している。ただし、水電解装置100の状態は積層方向と重力方向とを一致させた状態に限定されるものではなく、水電解装置100の効果を奏する範囲で適宜変更してよい。
<水電解セル10>
図2に水電解セル10の分解斜視図を示した。図2に示した通り、水電解セル10は膜電極接合体11と、膜電極接合体11の両面に配置される1対のセパレータ12、13とを備えている。また、膜電極接合体11の周囲には枠状部材14が配置されている。
膜電極接合体11は固体電解質層と、固体電解質層の一方の面に積層された酸素極触媒層と、固体電解質層の他方の面に積層された水素極触媒層と、を備える。一実施形態では、固体電解質層の積層方向の上側の面に酸素極触媒層、下側の面に水素極触媒層が積層された膜電極接合体11を用いている。
固体電解質層はプロトン伝導性を有していれば特に限定されない。例えば、スルホン酸基を有する高分子電解質であればよい。耐久性の観点から高分子電解質は含フッ素重合体としてもよい。例えば、パーフルオロカーボン重合体としてもよい。
酸素極触媒層は、水電解により酸素を生成することができる酸素極触媒を含む。酸素極触媒は特に限定されないが、例えば金属触媒が挙げられる。金属触媒としては、例えばその組成にPt、Ru、Rh、Os、Ir、Pd、及びAuを含む金属触媒が挙げられる。金属触媒はこれらの金属の酸化物であってもよい。酸素極触媒は金属触媒を担持した電気伝導性の担体(金属担持触媒)であってもよい。また、酸素極触媒層は、プロトン伝導性を有するアイオノマーを含んでいてもよい。アイオノマーは特に限定されない。例えば、プロトン伝導性ポリマーが挙げられる。プロトン伝導性ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン等のフルオロアルキルポリマー;パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー等のフルオロアルキルポリマー等が挙げられる。
水素極触媒層は、水電解により水素を生成することができる水素極触媒を含む。水素極触媒は特に限定されないが、例えば金属触媒が挙げられる。金属触媒としては、例えばその組成にPt、Ru、Rh、Os、Ir、Pd、及びAuを含む金属触媒が挙げられる。金属触媒はこれらの金属の酸化物であってもよい。水素極触媒は金属触媒を担持した電気伝導性の担体(金属担持触媒)であってもよい。担体の種類は特に限定されないが、例えば炭素担体が挙げられる。また、水素極触媒層は、プロトン伝導性を有するアイオノマーを含んでいてもよい。アイオノマーは特に限定されない。例えば、上述のアイオノマーが挙げられる。
セパレータ12、13は膜電極接合体11の両面にそれぞれ配置されるものである。セパレータ12は酸素極触媒層側に配置される。セパレータ13は水素極触媒層側に配置される。セパレータ12、13は導電性部材から形成されている。例えば、炭素材料を含む樹脂材料;鉄、銅、ステンレス、チタン等の金属材料等が挙げられる。セパレータ12、13の触媒層側の面には所定の流路が形成されており、流路は水電解セル10に供給される水、水電解反応により生成する酸素及び水素をガイドする役割を有する。
枠状部材14は膜電極接合体11の周囲に配置されるものである。図2に示した通り、枠状部材14は水素極孔14a、14b、酸素極孔14c、水供給孔14dを備えている。枠状部材の材料は特に限定されないが、例えば絶縁性樹脂が挙げられる。
水電解セル10は枠状部材14を伴った膜電極接合体11の両面に1対のセパレータ12、13を配置することで形成される。この際、枠状部材14の水素極孔14a、14bがセパレータ12、13の水素極孔12a、12b、13a、13bに連通し、枠状部材14の酸素極孔14cがセパレータ12、13の酸素極孔12c、12cに連通し、枠状部材14の水供給孔14dがセパレータ12、13の水供給孔12d、13dに連通するように、これらの部材が積層される。以下において、これらの連通する孔をそれぞれ水素極連通孔10a、10b、酸素極連通孔10c、水供給連通孔10dということがある。
水電解セル10における水電解反応について説明する。水電解セル10は水供給連通孔10dから水が供給されるとともに、電圧が印加されることで、それぞれの触媒層で水電解反応が生じる。まず、水は酸素極触媒層に供給され(図2の実線矢印)、水電解反応により酸素及びプロトンが生じる。生成した酸素はセパレータ12に形成された流路に沿って移動し、酸素極連通孔10cを介して外部に取り出される(図2の点線矢印)。同様に、水もセパレータ12に形成された流路に沿って移動し、酸素極連通孔10cを介して外部に取り出される。酸素極触媒層13で生成したプロトンは固体電解質層を透過し水素極触媒層に到達する。そして、到達したプロトンは電子と結合し、水素が生成される。生成した水素はセパレータ13に形成された流路に沿って移動し、水素極連通孔10a、10bを介して外部に取り出される(図2の破線矢印)。
<セル積層体20>
セル積層体20は水電解セル10が複数積層されて形成されている。水電解セル10の積層数は特に限定されず、目的の性能比応じて適宜設定してよい。セル積層体20では、水素極連通孔10a、10b、酸素極連通孔10c、及び水供給連通孔10dが連通するように複数の水電解セル10が積層される。
<水電解スタック30>
水電解スタック30はセル積層体20を含む。また、図1に示した通り、セル積層体20の両端面に端部プレート35a、35bがそれぞれ配置される。端部プレート35aはセル積層体20の積層方向の上側の端面に配置され、端部プレート35bはセル積層体20の積層方向の下側の端面に配置される。端部プレート35a、35bはターミナルプレート、絶縁プレート、及びエンドプレートから構成されており、これらが積層方向の外側に向かってこの順で配置される。
ターミナルプレートは外部の電源と接続される端子を備えており、電源からターミナルプレートに電圧が印加されることで、ターミナルプレート間に配置されたセル積層体20に電圧が印加される。エンドプレートは積層方向の内側に拘束力を付与し、セル積層体20の密着性を高めるための部材である。例えば、エンドプレートはボルト及びナットを用いてセル積層体を拘束してもよい。絶縁プレートはターミナルプレート及びエンドプレートを絶縁する役割を有する。なお、一実施形態では、端部プレート35a、35bとしてターミナルプレート、絶縁プレート、及びエンドプレートを用いたが、これらの部材は必須ではない。端部プレート35a、35bはこれらの部材の役割を代替するものを用いてもよい。
水電解スタック30は、水電解により生成した水素が流通する水素極側マニホールド31、32と、水電解により生成した酸素が流通する酸素極側マニホールド33と、水電解に使用される水が流通する水供給マニホールド34と、を備える。図1の矢印で示されている通り、水電解スタック30において、水素極側マニホールド31、32及び酸素極側マニホールド33は出口側のマニホールドであり、水供給マニホールド34は入り口側のマニホールドである。
水素極側マニホールド31、32は積層方向に貫通する貫通孔であり、それぞれ水素極連通孔10a、10bを連通する。また、水素極側マニホールド31、32は端部プレート35a、35bも連通している。従って、水素極側マニホールド31、32は積層方向の上側及び下側部にそれぞれ開口部を備えている。積層方向の上側に設けられた開口部31a、32aは端部プレート35aのエンドプレートに形成されており、積層方向の下側に設けられた開口部31b、32b(図3)は端部プレート35bのエンドプレートに形成されている。
水素極側マニホールド31、32は、上述の通り水電解により生成した水素が流通するものであるが、水電解セル10において酸素極触媒層を流通する水が膜電極接合体11を透過し、水素極触媒層側にリークする場合がある。そのため、水素極側マニホールド31、32はリークした水も流通する場合がある。
ここで、貫通孔である水素極側マニホールド31、32は気液分離機能を備えており、水素及び水を容易に分離することができる。具体的には、水素極側マニホールド31、32に到達した水素は積層方向の上側に移動し、開口部31a、32aを介して外部に取り出される。これに対し、水素極側マニホールド31、32に到達した水は重力による影響を受け積層方向の下側に移動し、開口部31b、32bを介して排水管40(水素極側排水管41、42)に送られる。
酸素極側マニホールド33は積層方向に貫通する貫通孔であり、酸素極連通孔10cを連通する。また、酸素極側マニホールド33は端部プレート35a、35bも連通している。従って、酸素極側マニホールド33は積層方向の上側及び下側部にそれぞれ開口部を備えている。積層方向の上側に設けられた開口部33aは端部プレート35aのエンドプレートに形成されており、積層方向の下側に設けられた開口部33b(図3)は端部プレート35bのエンドプレートに形成されている。
このように酸素極側マニホールド33は水素極側マニホールド31、32と同様に貫通孔であるので、気液分離機能を備えている。酸素極側マニホールド33は、上述の通り水電解により生成した酸素及び水が流通する。従って、酸素極側マニホールド33は酸素及び水を容易に分離することができる。具体的には、酸素極側マニホールド33に到達した酸素は積層方向の上側に移動し、開口部33aを介して外部に取り出される。これに対し、酸素極側マニホールド33に到達した水は重力による影響を受け積層方向の下側に移動し、開口部33bを介して排水管40(酸素極側排水管43)に送られる。
水供給マニホールド34は水供給連通孔10dを連通する連通孔である。また、水供給マニホールド34は端部プレート35aを連通している。従って、水供給マニホールド34の積層方向の上側に設けられた開口部34aは端部プレート35aのエンドプレートに形成されている。一方で、水供給マニホールド34の積層方向の下側の端部は閉塞している。通常、積層方向の最も下側にされた水電解セル10のセパレータ13の水供給孔13dが閉塞されている。また、閉塞部は端部プレート35bに設けられていてもよい。このように水供給マニホールド34の下端部が閉塞していることで、外部から供給された水を各水電解セル10に供給することができる。
<排水管40>
上述した通り、水素極側マニホールド31、32及び酸素極側マニホールド33は気液分離機能を備えており、積層方向の下側に水を移動させるものである。排水管40はこれらの水を合流させて、排出する機能を有する。図1に示した通り、排水管40は水素極側マニホールド31、32に接続された水素極側排水管41、42と、酸素素極側マニホールド33に接続された酸素極側排水管43と、水素極側排水管41、42及び酸素極側排水管43を接続する接続管44、45と、を備えている。図3に排水管40に着目した概略図を示した。
(水素極側排水管41、42)
水素極側排水管41、42は水素極側マニホールド31、32の気液分離機能によって分離された水を流す配管である。水素極側排水管41、42の積層方向の上端部41a、42aは水素極側マニホールド31、32の積層方向下側の開口部31b、32bに接続している。水素極側排水管41、42の積層方向の下端部41b、42bは接続管44、45の一方の端部に接続している(接続位置44a、45a)。ただし、本開示の水電解装置において、水素極側排水管と接続管との接続位置は水素極側排水管の積層方向の下端部に限定されるものではない。
(酸素極側排水管43)
酸素極側排水管43は酸素極側マニホールド33の気液分離機能によって分離された水を流す配管である。酸素極側排水管43の積層方向の上端部43aは酸素極側マニホールド33の積層方向下側の開口部33bに接続している。酸素極側排水管43は接続管44、45の他方の端部と接続していている(接続位置44b、45b)。酸素極側排水管43と接続管44、45との接続位置44b、45bは特に限定されない。ただし、後述する通り、接続位置44b、45bは、接続位置44a、45aよりも積層方向の上側に存在していてもよい。酸素極側排水管43の積層方向の下端部43bは、例えば排水弁や循環ポンプに接続されていてもよい。下端部43bが循環ポンプに接続している場合、排出される水を水供給マニホールド34に循環してもよい。
(接続管44、45)
接続管44、45は、水素極側排水管41、42と酸素極側排水管43とを接続し、水素極側マニホールド31、32によって分離された水を水素極側排水管41、42から酸素極側排水管43に流すための配管である。
このように、水素極側マニホールド31、32よって分離された水は水素極側排水管41、42及び接続管44、45を介して、酸素極側排水管43に流され、酸素極側マニホールド33によって分離された水と合流する。ここで、通常、水電解装置100において、酸素極側の圧力が水素極側の圧力よりも低く設定されている。すなわち、水電解反応によって生成される酸素の圧力が水素の圧力よりも低く設定されている。水素及び酸素の圧力は、水素極側マニホールド31、32及び酸素極側マニホールド33の出口(開口部31a、32a、33a)付近に設置された圧力測定装置によって測定することができる。
上述の通り、酸素極側の圧力が水素極側の圧力よりも低く設定されているため、圧力差により、接続管44、45を介して、水素極側排水管41、42から酸素極排水管43へ水だけでなく、水素も流れてしまう虞がある。そこで、水電解装置100は酸素極排水管43への水素の流入を抑制するために、接続管44、45に排水弁を設けている。
排水弁は接続管44、45を流通する水の流量を調節するものであり、一実施形態では遮断弁46と流調弁47を含む。遮断弁46はオン-オフ弁であり、接続管44、45に流れる水の流通及び遮断を操作する。流調弁47は流通する水の流量を調整するものであり、弁の開度によって流量を調整することができる。遮断弁46及び流調弁47は圧力の高い側から低い側、すなわち水素極側排水管41、42から酸素極側排水管43に向かって配置される。
遮断弁46及び流調弁47を用いて、酸素極側排水管42への水素の流入を抑制する方法について説明する。まず、遮断弁46及び流調弁47を閉めた状態で、水素極側排水管41、42において水を貯留する。次に、水位が所定の高さまで到達したとき、遮断弁46、流調弁47をこの順で開状態に変更する。このとき、流調弁47の開度は適宜調整してよい。そして、水位が所定の位置(酸素極側排水管42への水素の流入を抑制するために、接続位置44a、45aよりも高い位置に設定する。)まで低下したとき、遮断弁46及び流調弁47を閉状態に変更する。このように遮断弁46及び流調弁47を操作することにより酸素極側排水管43への水素の流入を抑制することができる。
貯留した水の水位を容易に調整するために、水素極側排水管41、42に水位計を設けてもよい。これにより、水位が所定の高さ(図3のH)まで到達したときに遮断弁46及び流調弁47を開状態に変更し、水位が所定の高さ(図3のL)まで下がったときに遮断弁46及び流調弁47を閉状態に変更することができる。
図4に水位計を用いて排水管の水位調整を実施したときのタイムチャートの一例を示した。図4に示した通り、開始直後は、水位計はLowを示しており、遮断弁及び流調弁は閉状態となっている。次に、時間t1において水電解を開始し、時間経過に伴って水位が上昇していく。そして、時間t2において水位が所定の高さまで上昇したことを水位計が検知し、時間t3において遮断弁が開状態に変更される。続いて、時間t4において流調弁が徐々に開き、これに伴って水位が低下していく。そして、時間t5において水位が所定の高さまで減少したことを水位計が検知し、遮断弁及び流調弁が閉状態に変更される。水位が変化しないため、時間t6において遮断弁及び流調弁の閉状態は維持される。
さらに接続管44、45について説明する。図1、図3に示した通り、接続管44、45は傾斜を有している。傾斜は圧力の高い側から低い側、すなわち水素極側排水管41、42から酸素極側排水管43に向かって高くなるように設定する。これは、酸素極側排水管43と接続管44、45との接続位置45、45bは、水素極側排水管41、42と接続管44、45との接続位置44a、45aよりも積層方向の上側に存在することを意味する。このように接続管44、45が傾斜を有していることにより、酸素極側排水管43への水素の流入をより抑制することができる。傾斜は接続管44、45の一部に設けられていてもよいが、効果を高める観点から全体に設けられていてもよい。また、傾斜角度も特に限定されず、目的に応じて適宜設定してよい。
<効果>
従来、水電解システムでは、水素極側マニホールドから排出された水素及び水は気液分離器によって分離されていた。また、酸素極側マニホールドから排出された酸素及び水は気液分離器によって分離されていた。このように従来の水電解システムでは、酸素極側及び水素極側の両方に気液分離器が設けられていた。一方で、水電解装置100は、上述した通り、気液分離機能を有する水素極側マニホールド31、32及び酸素極側マニホールド33を備えている。そのため、水電解システムにおいて酸素極側及び水素極側に設けられる気液分離器を小型化あるいは削減が可能である。従って、水電解装置100によれば、水電解システム全体を小型化することができる。
ここで、水電解装置100では、水素極側マニホールド31、32及び酸素極側マニホールド33によって分離された水はそれぞれ水素極側排水管41、42及び酸素極側排水管43に流入する。水素極側排水管41、42に流入した水は、接続管44、45を介して、酸素極側排水管43に流入する。これにより、排水する水を酸素極側排水管43に集めることができるため、排水効率を向上することができる。
しかしながら、上述した通り、水電解装置100において、通常、酸素極側の圧力が水素極側の圧力よりも低く設定されている。そのため、圧力差により、水素が接続管44、45を介して水素極側排水管41、42から酸素極側排水管43に流入する虞がある。そこで、水電解装置100では、このような圧力差による気体の逆流を抑制するために、接続管44、45に排水弁(遮断弁46及び流調弁47)を備えている。これにより、排水管40において気体の逆流を抑制することができる。
<補足>
水電解装置100では、水素極側マニホールドの数が酸素極側マニホールドの数の2倍である。これは、水電解反応により生成される水素量が酸素量に比べて2倍であるためである。従って、水電解装置100において、酸素極側マニホールドの2倍の水素極側マニホールドを備えることで、水電解反応により生じた水素による圧損を低減することができる。ただし、本開示の水電解装置において、水素極側マニホールドの数は酸素極側マニホールドの数の2倍未満でもよい。例えば、水素極側マニホールドの数は酸素極側マニホールドの数と同じでもよい。しかしながら、圧損を低減する観点から、水素極側マニホールドの数は酸素極側マニホールドの数の2倍以上としてもよい。
水電解装置100では、酸素極側の圧力が水素極側の圧力よりも低く設定されていることに基づいて、排水管40の構造を決定していた。しかしながら、本開示の水電解装置において、水素極側の圧力が酸素極側の圧力よりも低く設定されてもよい。この場合、水電解スタックによって分離された水は、低圧側の水素極側排水管に集められて、外部に排出されてもよい。また、接続管の傾斜も酸素極側排水管から水素極側排水管に向かって高くなるように設定されていてもよい。
[水電解システム]
上記水電解装置を用いることで水電解システム全体を小型化することができる。そこで、本開示は上記水電解装置を用いた水電解システムについて、一実施形態を用いて説明する。一実施形態は、酸素極側及び水素極側に気液分離器を含まない形態である。ただし、本開示の水電解システムは、気液分離器を酸素極側及び水素極側の少なくとも一方に備えていてもよい。
一実施形態は上記水電解装置100と、水電解装置100に電圧を印加する電源200と、水電解装置100に水を供給する水供給装置300と、水電解装置100と水供給装置300とを接続し、水供給装置300から水電解装置100に供給される水を流すための水供給流路510と、水電解装置100に接続され、水電解装置100から排出される水を流すための水排出流路520と、水電解により生成した水素を貯留する水素タンク400と、水電解装置100と水素タンク400とを接続し、水電解装置100から水素タンク400に供給される水素を流すための水素流通流路530と、水電解装置100に接続され、水電解反応により生成した酸素を流すための酸素流通流路540と、を備える、水電解システム1000である。図5に水電解システム1000のブロック図を示した。
水電解装置100については上述したため、ここでは説明を省略する。電源200は、水電解装置100に電圧を印加し、水電解装置100において水電解反応を生じさせるものである。このような電源200は公知である。電源200は、水電解装置100の端部プレート35a、35bのターミナルプレートにそれぞれ接続される。水供給装置300は水電解装置100に水を供給するものである。このような水供給装置300は公知である。水素タンク400は、水電解により生成した水素を貯留するものである。このような水素タンク400は公知である。
水供給流路510は水供給装置300から水電解装置100に供給される水を流すための配管である。水供給流路510は水電解装置100の水供給マニホールド34の開口部34aに接続されている。
水排出流路520は水電解装置100に接続され、水電解装置100から排出される水を流すための配管である。水排出流路520は水電解装置100の酸素極側排水管43に接続されている。水電解装置100から排出される水は水排出流路520を介して外部に排出されてもよいが、図5に示したように水供給装置300に送液されてもよい。すなわち、水排出流路520は酸素極側排水管43と水供給装置300とを接続してもよい。これにより、水を再利用することができる。
水素流通流路530は、水電解装置100と水素タンク400とを接続し、水電解装置100から水素タンク400に供給される水素を流すための配管である。水素流通流路530は水電解装置100の水素極側供給マニホールド31、32の開口部31a、32aにそれぞれ接続している。図5に示した通り、水素流通流路530は水素極側供給マニホールド31、32から流れる水素を合流させる形態でもよい。
酸素流通流路540は、水電解装置100に接続され、水電解反応により生成した酸素を流すための配管である。酸素流通流路540は水電解装置100の酸素極側マニホールド33の開口部33aに接続している。水電解装置100から排出される酸素は酸素流通流路540を介して、外部に排出されてもよい。
10 水電解セル
11 膜電極接合体11
12、13 セパレータ
14 枠状部材14
20 セル積層体
30 水電解スタック
31、32 水素極側マニホールド
33 酸素極側マニホールド
34 水供給マニホールド
35a、35b 端部プレート
40 排水管
41、42 水素極側排水管
43 酸素極側排水管
44、45 接続管
46 遮断弁
47 流調弁
100 水電解装置
200 電源
300 水供給装置
400 水素タンク
1000 水電解システム

Claims (5)

  1. 水電解セルを複数積層したセル積層体を備えた水電解スタックと、前記水電解スタックに接続された排水管と、を備え、
    前記水電解スタックは、水電解により生成した水素が流通する水素極側マニホールドと、
    水電解により生成した酸素が流通する酸素極側マニホールドと、水電解に使用される水が流通する水供給マニホールドと、を備え、
    前記水素極側マニホールド及び前記酸素極側マニホールドは積層方向に貫通しており、
    前記排水管は前記水素極側マニホールドに接続された水素極側排水管と、前記酸素極側マニホールドに接続された酸素極側排水管と、前記水素極側排水管及び前記酸素極側排水管を接続する接続管と、を備え、
    前記接続管は該接続管を流通する水の流量を調節する排水弁を備えている、
    水電解装置。
  2. 前記接続管は傾斜を有している、請求項1に記載の水電解装置。
  3. 前記酸素極側排水管に水位計が設けられている、請求項1又は2に記載の水電解装置。
  4. 前記水素極側マニホールドの数は前記酸素極側マニホールドの数の2倍以上である、請求項1又は2に記載の水電解装置。
  5. 請求項1又は2に記載の水電解装置と、
    前記水電解装置に電圧を印加する電源と、
    前記水電解装置に水を供給する水供給装置と、
    前記水電解装と前記水供給装置とを接続し、前記水供給装置から前記水電解装置に供給される前記水を流すための水供給流路と、
    前記水電解装置に接続され、前記水電解装置から排出される水を流すための水排出流路と、
    水電解により生成した水素を貯留する水素タンクと、
    前記水電解装置と前記水素タンクとを接続し、前記水電解装置から前記水素タンクに供給される水素を流すための水素流通流路と、
    前記水電解装置に接続され、水電解反応により生成した酸素を流すための酸素流通流路と、を備える、
    水電解システム。
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