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JP7720197B2 - マグネシアカーボンれんがの評価方法 - Google Patents
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JP7720197B2 - マグネシアカーボンれんがの評価方法 - Google Patents

マグネシアカーボンれんがの評価方法

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Description

本発明はマグネシアカーボンれんがの評価方法に関する。
マグネシアカーボンれんがは、その優れた耐食性と耐熱衝撃性から、転炉や電気炉などの製鋼炉の内張り用耐火物として広く用いられている。
マグネシアカーボンれんがの代表的な用途である転炉の操業においては、転炉を片側に傾けてスクラップと溶銑を転炉に装入し、酸素を吹いて脱炭や成分調整を行い、溶銑を溶鋼に変える。吹錬が終了したら、転炉を逆側に傾けて出鋼口から溶鋼を取鍋に排出する。スクラップを装入する際には、転炉を傾け、樋状の形状をしたスクラップシュートにスクラップを入れ、スクラップシュートを傾けて転炉内に滑り落とす。また、溶銑を転炉に受ける際には、同様に転炉を傾け、溶銑鍋に入った溶銑を溶銑鍋の上部にある炉口から、転炉に注ぎ込む。転炉へスクラップと溶銑を装入する際には、スクラップが衝突し、溶銑が注ぎ込まれる部分は、スクラップや溶銑の装入による機械的衝撃や高い熱的負荷を受けることにより、他の部位と比較して特異な損傷形態を呈するため、装入壁と呼ばれている。
このように転炉の装入壁は、吹錬中に他の側壁部位と同様に溶鋼や溶融スラグに曝されるだけではなく、スクラップの装入による機械的衝撃を受けるため、損傷速度が大きく炉寿命を決定することとなる場合も多い。このことから、より高耐用なマグネシアカーボンれんが求められているが、スクラップの装入による機械的衝撃に対する耐衝撃性を含めて、マグネシアカーボンれんがの耐用性を評価する方法が確立されていないことから、より高耐用なマグネシアカーボンれんがを開発するための指針が得られておらず、その開発は難航しているのが実情である。
なお、特許文献1には、マグネシアカーボンれんがの耐衝撃性の評価方法として、マグネシアカーボンれんがのれんが面の上方の高さ1150mmの位置から逆円錐形をした850gの重錘を落下させ、20回繰り返して落下させたところで、それによって損傷した容積を測定する旨の記載があるが、単に損傷した容積を測定するだけでは、スクラップの装入による機械的衝撃に対する耐衝撃性を含めて、マグネシアカーボンれんがの耐用性を評価することはできない。
特公昭62-9553号公報
本発明が解決しようとする課題は、スクラップの装入による機械的衝撃に対する耐衝撃性を含めて、マグネシアカーボンれんがの耐用性を評価するための新たな評価方法を提供することにある。
本発明者らが、転炉の装入壁に使用されたマグネシアカーボンれんがを詳細に観察したところ、マグネシアカーボンれんがの稼働面にスクラップの装入による機械的衝撃によるものと考えられる貫入痕(凹み)があると共に、この貫入痕かられんが内部に進展する亀裂があることがわかった。そして、その亀裂には地金が差し込んでいたことから、その亀裂は稼働中に生じたものであり、具体的にはスクラップの装入による機械的衝撃により生じたものであると推察された。そこで、本発明者らが、スクラップの装入による機械的衝撃を模した衝撃試験を実施し、貫入痕かられんが内部に進展する亀裂の長さに着目して試験を重ねたところ、その亀裂の長さと実炉でのれんがの耐用性との間に相関があることがわかった。すなわち、亀裂が長いほど、この亀裂自体あるいは使用中にさらに亀裂が拡大することによってれんがの稼働面部の剥落が生じやすくなる考えられる。
また、本発明者らは貫入痕の深さも耐用性と相関があることも知見した。すなわち、貫入痕の深さが大きいほど、れんがにスクラップが衝突した際のれんが表面の削れあるいは溶銑が当たった際の摩耗が大きいと考えられる。
本発明は、これら本発明者らによる新たな知見に基づくもので、具体的には、一軸加圧成形工程を経て得られるマグネシアカーボンれんがの評価方法であってXYZ直交座標系において、評価対象れんがの一軸加圧成形時の加圧方向がX軸方向、先端が尖った重錘を落下させるれんが面がXY平面、前記重錘の落下方向がZ軸方向になるように評価対象れんがを配置し、前記れんが面の中央部に前記重錘の先端を衝突させるように落下試験を実施し、前記れんが面に形成された貫入痕かられんが内部に進展する亀裂の長さを計測することを特徴とするものである。
本発明によれば、スクラップの装入による機械的衝撃に対する耐衝撃性を含めて、マグネシアカーボンれんがの耐用性を評価することができる。これにより、高耐用なマグネシアカーボンれんがを開発するための指針を得ることができる。具体的には、本発明の評価方法において得られる亀裂の長さを小さくすることを指針の一つとすることで、高耐用なマグネシアカーボンれんがを開発することができる。
本発明の一実施形態であるマグネシアカーボンれんがの評価方法の概念図。 れんが面に形成された貫入痕の一例を示す写真。 図2の貫入痕の最深点を通るXZ切断面を示す写真。 転炉用のマグネシアカーボンれんがの斜視図。 鱗状黒鉛の粒子を拡大した斜視図。
本発明では、例えば図4に示すような転炉の装入壁で使用される転炉用マグネシアカーボンれんが3の稼働面31にスクラップが衝突した際に発生する内部亀裂を想定して試験を行う。このマグネシアカーボンれんが3は稼働面の幅W1が150mm、背面36の幅W2が170mm、稼働面と背面の高さHがそれぞれ150mmで長さLが1000mのばち型をした細長いれんがである。そして、製造時には円周方向側面33と34が加圧面となるように一軸加圧成形されている。また、このマグネシアカーボンれんがには、鱗状(鱗片状)黒鉛が15質量%含まれている。図5に示すように鱗状黒鉛4はその粒子形状は厚みが非常に薄い薄片状をしているため、一軸加圧成形時には鱗状黒鉛の最も面積の大きな面41が加圧方向Pに対して垂直となる方向に配向しやすい性質がある。このため、稼働面31を起点とする亀裂は加圧方向Pに対して垂直となる面状にれんが内部に進展しやすくなる。
図1に、本発明の一実施形態であるマグネシアカーボンれんがの評価方法を概念的に示している。
評価対象のマグネシアカーボンれんが1は、転炉の装入壁や電気炉の内張りに一般的に使用されているマグネシアカーボンれんがと同様の製造工程により得られる。すなわち、主原料としてマグネシアと鱗状黒鉛を配合した原料配合物に有機バインダーを添加して混練し、一軸方向に加圧して成形(一軸加圧成形工程)後、熱処理して得られる。
このように一軸加圧成形工程を経て得られるマグネシアカーボンれんが1を評価するにあたり、図1に示すように、一軸加圧成形時の加圧方向Pと平行なれんが面11に対し、重錘2を落下させる。このように、一軸加圧成形時の加圧方向Pと平行なれんが面11を評価対象面とするのは、前記のように実炉において一軸加圧成形時の加圧方向Pと平行なれんが面11が稼働面となることと鱗状黒鉛(鱗片状黒鉛)が配向するためである。
なお、図1においては、一軸加圧成形時の加圧方向Pと平行なれんが面は4面あるが、どの面を選んでもよい。図1では、直方体のれんがの面積の最も小さな側面を評価対象面とした。この理由は、亀裂は重錘の落下方向に延びるためこの方向に十分な長さを確保したいためである。
本評価方法において評価対象れんがの形状についての制限は特になく、ばち形、直方体、立方体、円柱形等任意の形状とすることができる。また評価対象れんがは大きなれんがから切断加工したものでも、あるいは無加工でもいずれでも使用可能である。ただし、比較するための相互の評価対象れんがは形状による亀裂進展への影響を同じにするために形状を統一した方がよい。また、評価対象れんがが大きくなると評価装置も大きくなるため、評価装置を実用的な大きさにするためには、評価対象れんがは縦と横がそれぞれ50~200mmの範囲で長さが150~500mmの範囲の直方体とすることができる。
なお、本実施形態において評価対象れんがの一軸加圧成形時の加圧方向Pは、図1に示すように、XYZ直交座標系においてX軸方向であり、一軸加圧成形時の加圧方向Pと平行なれんが面11はXYZ直交座標系においてXY面とXZ平面である。
れんが面11に対し重錘2を落下させると、れんが面11に重錘2の先端が貫入して貫入痕12が形成される。図2には、実際の貫入痕12の一例を写真で示し、図3には、この貫入痕12の最深点を通るXZ切断面13(図1参照)を写真で示している。図3からわかるように、れんが面11に形成された貫入痕12の最深点近傍かられんが内部に向けて進展する亀裂14がある。
本実施形態では、この図3に相当する、貫入痕12の最深点を通るXZ切断面13において、貫入痕12の深さ及び亀裂14の長さを計測する。亀裂14の長さは、XZ切断面13以外の切断面において計測することもできるが、以下の二つの理由により、貫入痕12の最深点を通るYZ平面と交差しかつ貫入痕12の最深点を通る切断面において計測することが好ましい(本実施形態におけるXZ切断面13はその一例である。)。第一に、亀裂14は貫入痕12の最深点近傍を始点としてれんが内部に向けて進展するからである。第二に、一軸加圧成形工程を経て得られるマグネシアカーボンれんが1では、鱗状黒鉛の面が一軸加圧成形時の加圧方向P(X軸方向)と垂直な方向に配列しており、そのため亀裂14は、一軸加圧成形時の加圧方向P(X軸方向)と垂直な面であるYZ平面に沿って進展しやすいからである。
本実施形態において、重錘12を落下させる方向は、図1に示すようにXYZ直交座標系においてZ軸方向、すなわち鉛直方向である。このように重錘12を落下させる落下高さ、及び重錘12の重量や形状は、重錘12の落下による機械的衝撃が、実炉におけるスクラップの装入による機械的衝撃に相当するように適宜決定することができる。言い換えれば、実炉ではマグネシアカーボンれんがの稼働面に貫入痕が見られると共に、この貫入痕かられんが内部に進展する亀裂が見られることから、これと同様の現象が再現できるように、評価対象れんがの形状、重錘12を落下させる落下高さ、及び重錘12の重量や形状を適宜決定することができる。なお、本実施形態では、重錘12の形状は先端が尖った形状としている。その場合、重錘12の先端の形状は典型的には円錐状とすることができる。先端が尖った重錘を落下させる場合には、筒状のガイドを使用することで先端を評価対象れんがの中央部に精度よく衝突させることができる。
マグネシアカーボンれんがは上述の通り、一軸加圧成形工程後、熱処理して得られるが、その評価に際しては、実炉での使用状況を考慮して、事前処理として1400℃程度での還元焼成を行うことが好ましい。焼成時間は特に限定されないが10時間程度で十分である。
また、マグネシアカーボンれんが1のれんが面11に重錘12を落下させる際、マグネシアカーボンれんが1は、実炉での使用状況を考慮して、周囲を拘束治具で拘束してもよい。例えば、側面にそれぞれ金属板を配置してクランプで挟んで締め付けて拘束することができる。
表1に、実施例1~4のマグネシアカーボンれんが(以下単に「れんが」という。)について、図1の要領で落下試験を行い、れんが面に形成された貫入痕の深さ及び貫入痕かられんが内部に進展する亀裂の長さを計測した結果、並びに各れんがを実炉(転炉の装入壁)に適用し、実炉での損耗量を評価した結果を示している。ここで、貫入痕の深さとは、れんがの評価対象面から貫入痕の最深点まで垂直に延びる直線距離のこととし、さらに亀裂の長さとは貫入痕の最深点から亀裂の先端までの直線距離のこととする。例えば図3においては点A(貫入痕12の最深点)から点B(亀裂14の先端)までの直線距離が亀裂の長さである。また、表1には、各れんがの物性も示している。
実施例1から3のれんがは、表1に示す原料配合物に有機バインダーを添加して混練後、一軸加圧成形し250℃で熱処理して得たもので、実施例4のれんがは、表1に示す原料配合物に有機バインダーを添加して混練後、一軸加圧成形し、1000℃で熱処理後にタールを含浸して得たものである。これらのれんがは100×100×230mmの直方体で、図1に示す加圧方向Pで一軸加圧成形したものである。
各れんがの物性の評価項目と評価方法は以下の通りである。
耐食性は、1400℃で10時間還元焼成したサンプルを、回転侵食試験機にて1700℃×5時間の試験に供した。侵食材は、塩基度3.4,T.Fe=18%のスラグを用いた。耐食性指数は、試験前後の寸法減少量(mm)を実施例1のれんがを100として指数化したものである。
耐熱衝撃性は、溶銑浸漬スポール試験にて評価した。1400℃で10時間還元焼成したサンプルを、1600℃の溶銑中に90秒浸漬させ、その後水冷30秒を計3回繰り返した。耐熱衝撃性指数は、試験前後の動弾性率の維持率を実施例1のれんがを100として指数化したものである。動弾性率の維持率は、(試験前動弾性率÷試験後動弾性率)×100で求めた。
実炉での損耗量は、実施例1~5のれんがを実際の転炉の装入壁にライニングして、使用後のれんがの平均残存寸法の計測から損耗寸法を計算し、1チャージ当りの損耗速度(mm・ch-1)を求めた。
落下試験は図1に示す要領で行った。具体的には、一軸加圧成形時の加圧方向と平行なれんが面11に対し、先端が円錐状(頂角90度)の形状を有する10kgの重錘12を1.5mの落下高さから落下させた。このとき、円筒パイプをガイドとして使用した。そして、れんが面11に形成された貫入痕12から貫入痕の深さ及びれんが内部に進展する亀裂14の長さを、貫入痕12の最深点を通るXZ切断面13においてそれぞれノギスで計測した。なお、落下試験に際し、マグネシアカーボンれんが1には事前処理として、1400℃×10hの還元焼成を行った。
今回試験に供された実施例1~4のれんがは、耐食性及び耐熱衝撃性の観点では実炉での損耗量を大きく左右するほどの差は認められなかった。一方で表1に示す通り、落下試験で計測された亀裂の長さには大きな違いが認められている。そして表1の通り、この亀裂の長さが小さいほど、実炉での損耗量が小さいことがわかる。すなわち、本発明のれんがの評価方法で得られる亀裂の長さは、実炉でのれんがの耐用性と相関があることがわかる。具体的には、本発明のれんがの評価方法で得られる亀裂の長さが小さいほど、稼働面部の剥落が生じ難くなり実炉でのれんがの耐用性が向上することがわかる。これより、本発明の評価方法において得られる亀裂の長さを小さくすることを指針の一つとすることで、高耐用なマグネシアカーボンれんがを開発することができるといえる。
さらに、実施例3と実施例4は、亀裂の長さはほぼ同等で貫入痕の深さの差が大きな場合であるが、実炉での損耗速度では明らかな差が生じている。実炉では、スクラップがれんが表面に衝突したときに表面が削り取られる摩耗や溶銑が落下するときの溶銑による摩耗が生じていると考えられ、貫入痕の深さはこの耐摩耗性と相関があると考えられる。
以上の通り、本発明の評価方法は、実炉での使用時にスクラップの装入による機械的衝撃を受けるマグネシアカーボンれんがの評価方法として有効である。
1 マグネシアカーボンれんが(評価対象れんが)
11 れんが面(評価対象面)
12 貫入痕
13 XZ切断面(切断面)
14 亀裂
2 重錘
3 転炉用マグネシアカーボンれんが
31 稼働面
32 上面
33 円周方向側面
34 円周方向側面
35 下面
36 背面

Claims (4)

  1. 一軸加圧成形工程を経て得られるマグネシアカーボンれんがの評価方法であって
    XYZ直交座標系において、評価対象れんがの一軸加圧成形時の加圧方向がX軸方向、先端が尖った重錘を落下させるれんが面がXY平面、前記重錘の落下方向がZ軸方向になるように評価対象れんがを配置し、前記れんが面の中央部に前記重錘の先端を衝突させるように落下試験を実施し、前記れんが面に形成された貫入痕かられんが内部に進展する亀裂の長さを計測するマグネシアカーボンれんがの評価方法。
  2. 前記れんが面に形成された貫入痕かられんが内部に進展する亀裂の長さは、貫入痕の最深点を通るYZ平面と交差しかつ貫入痕の最深点を通る切断面において計測する、請求項1に記載のマグネシアカーボンれんがの評価方法。
  3. 前記重錘を落下させるときに筒状のガイドを使用する、請求項1又は請求項2に記載のマグネシアカーボンれんがの評価方法。
  4. 前記れんが面に形成された貫入痕の深さを計測する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のマグネシアカーボンれんがの評価方法。
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