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JP7721082B2 - 易解体方法および易解体可能な構造体 - Google Patents
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JP7721082B2 - 易解体方法および易解体可能な構造体 - Google Patents

易解体方法および易解体可能な構造体

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Description

本発明は、易解体方法および易解体可能な構造体に関するものである。
使用済み製品のリサイクルの促進のために、様々な解体技術が提案されている。
例えば、電気パルスにより、絶縁体と導体が結合または接合された対象物を解体する電気パルス解体方法がある(例えば特許文献1参照)。特許文献1に開示の技術では、解体する対象物の表面の離間した位置に一対の電極を当接し、電極間にパルス状の高電圧を印加して対象物を解体する。
また、細線爆発法によって衝撃波を発生させ、太陽光パネルを解体する技術も知られている(例えば特許文献2参照)。特許文献2に開示の技術では、解体に要するエネルギー量が少なく、太陽光パネルを低コストで解体でき、環境負荷が小さい。さらに、銀や銅などの有用物質を選択的に分離濃縮した状態で回収することが可能なことから、資源循環型社会の構築に大きく寄与することができる。
特開2020-069454号公報 特開2021-023839号公報
ところで、自動車の軽量化と剛性向上を目指して、自動車のボディを構成する部材同士(例えば鋼板同士)の接合技術として、接着剤を用いた接合技術の開発が進んでいる。接着剤を用いた接合技術では、スポット熔接やリベット接合等による接合技術に代替され、または併用される。一方で、接着剤による接合部分を容易に分解し資源を循環利用することが求められている。特許文献1や特許文献2に開示の技術では、自動車における接合部分、特にボディの接合部分を解体するには改善の余地があり、新たな技術が求められていた。
本発明によれば、
第1の部材と、
第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材との間に挟持された絶縁性部材または半導体部材からなる接合部材と、
前記接合部材中に設けられた、少なくとも表面が導体であるスペーサ部材と、を有する構造体の易解体方法であって、
前記第1の部材と前記第2の部材との間に電気パルスを印加し前記スペーサ部材を気化させることで、前記第1部材と前記第2部材とを分離する易解体方法が提供される。
本発明によれば、
易解体可能な構造体であって、
第1の部材と、
第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材との間に挟持された絶縁性部材または半導体部材からなる接合部材と、
前記接合部材中に設けられた、少なくとも表面が導体のスペーサ部材と、を有し、
前記スペーサ部材は前記第1の部材と前記第2の部材との間に電気パルスが印加されたときに気化する構造体が提供される。
本発明によれば、第1の部材と第2の部材とを絶縁性部材または半導体部材からなる接合部材で接合した構造体の解体を容易にする技術を提供することができる。
実施形態に係る構造体を示す断面図である。 実施形態に係る電気パルス発生装置の回路図である。 実施形態に係る電気パルスによる金属球添加接着体の分離機構の推定モデルを示す図である。 実施形態に係る電気パルスによる金属球添加接着体の分離機構の推定モデルを示す図である。 実施形態に係る構造体に電気パルスを印加して解体する手順を示すフローチャートである。 実施形態の実施例1に係る電気パルス実験に用いた構造体を示す斜視図である。 実施形態の実施例1に係る電気パルス実験に用いた構造体の接合部分の金属球とアルミナ球の配置例を示す図である。 実施形態の実施例1に係る電気パルス装置の電極で挟まれた接着体試料の画像である。 実施形態の実施例1に係る可視化の光学系および撮影システムの模擬図である。 実施形態の実施例1に係る電気パルス印加時に測定されたコンデンサ間の電圧波形および接着体試料に通電した電流波形を示すグラフである。 実施形態の実施例1に係る金属球が添加された接着剤で接着された接着体試料の試料1から3での電気パルス印加時の放電位置および試料の分離現象の可視化画像である。 実施形態の実施例1に係る電気パルス印加後の試料の画像を示す図である。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション1~3に用いた構造体のモデル例を示した図である。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション1~3に用いた電気パルスとしての電流源の入力波形例を示す図である。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション1~3に用いた条件を示した図である。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション1の結果であって、コンデンサ充電エネルギーEc=30J、電気パルス印加後19μs経過時のスペーサ部材およびその近傍領域の温度分布を拡大して示した図である。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション1の結果であって、コンデンサ充電エネルギーEc=10J、20J、30Jの3条件における、第1の接触部、第2の接触部の温度変化を示したグラフである。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション1の結果であって、コンデンサ充電エネルギーEc=10J、20J、30Jの3条件における、スペーサ部材の中心位置の温度変化を示したグラフである。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション2の結果であって、スペーサ部材と第1の部材との接触部分である第1の接触部の温度変化を示したグラフである。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション2の結果であって、スペーサ部材の中心位置(球中心)の温度変化を示したグラフである。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション2の結果であって、電気パルス印加終了時点のスペーサ部材およびその近傍領域の温度分布を拡大して示した図である。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション2の結果であって、電気パルス印加終了時点のスペーサ部材およびその近傍領域の温度分布を拡大して示した図である。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション2の結果であって、電気パルス印加終了時点のスペーサ部材およびその近傍領域の温度分布を拡大して示した図である。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション3の結果であって、スペーサ部材と第1の部材との接触部分である第1の接触部の温度変化を示したグラフである。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション3の結果であって、スペーサ部材の中心位置の温度変化を示したグラフである。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション3の結果であって、電気パルス印加終了時点のスペーサ部材およびその近傍領域の温度分布を拡大して示した図である。 実施形態の実施例2に係るシミュレーション3の結果であって、電気パルス印加終了時点のスペーサ部材およびその近傍領域の温度分布を拡大して示した図である。
<概要>
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る構造体10(「接着体」ともいう)の断面図である。本実施形態の易解体方法は、図1の構造体10を解体する方法である。構造体10として、例えば、車両(自動車や列車)のボディにおける鋼板同士を接着剤で接合した構造を例示できる。構造体10として車両に限定する趣旨ではなく、例えば、航空機や船舶、さらには冷蔵庫や洗濯機などの家電製品であってもよい。
構造体10は、第1の部材21と、第2の部材22と、第1の部材21と第2の部材22との間に設けられた接合部材30と、接合部材30中に設けられたスペーサ部材40とを有する。
接合部材30は、第1の部材21と第2の部材22との間に挟持されるように設けられており、第1の部材21と第2の部材22を接合する。
接合部材30が設けられた領域には、少なくとも表面が導体のスペーサ部材40が設けられている。
第1の部材21と第2の部材22との間に高電圧の電気パルスを印加し、スペーサ部材40を爆発的に気化させることで、第1の部材21と第2の部材22とを分離する。
以下、詳細に説明する。
<第1の部材21および第2の部材22>
第1の部材21および第2の部材22は、いずれも、導体により形成されている。
第1の部材21および第2の部材22の導体は、例えば、金属、金属酸化物、金属粒子含有コンポジットにより形成されている。
より具体的には、第1の部材21および第2の部材22の導体は、例えば、鋼板のような鉄合金や、アルミニウムおよびアルミニウム合金とすることができる。また、金属粒子含有コンポジットとしては、鉄、銅、アルミニウム等の金属及びそれらの金属の合金の粒子とエポキシ樹脂、ポリイミド、フェノールメラミン樹脂、尿素不飽和ポリエステル樹脂、アルキドポリウレタン樹脂等の樹脂粒子とを混合して一体化させてなる部材とすることができる。
第1の部材21と第2の部材22は異なる導体(材料)より構成されてもよい。例えば、第1の部材21が鋼材であって、第2の部材22がアルミニウム合金板であってもよい。
第1の部材21および第2の部材22の厚みは特に制限はないが、電気パルスを印加したときにスペーサ部材40を介して適切に導通する厚みであればよい。
第1の部材21および第2の部材22の厚みは同じであってもよいし異なってもよい。
それぞれの厚みの下限値は例えば0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3mm以上とすることができる。第1の部材21および第2の部材22の厚みを上記の下限値以上とすることで、構造体10としての剛性(強度)を確保できる。
厚みの上限値は例えば20mm以下、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下とすることができる。
電気パルスを印加したときに適切に導通することを想定した場合、第1の部材21および第2の部材22の導体の電気抵抗率(20℃)が1.5×10-8Ω・m以上1×10Ω・m以下である。電気抵抗率の下限値は特に制限は無いが、現実的な値として上記値以上とすることができる。
電気抵抗率の上限値は、電気パルスの電圧値や電流値にもよるが、投入エネルギーを抑制する観点から、1×10Ω・m以下であり、好ましくは5×10Ω・m以下であり、より好ましくは1×10Ω・m以下である。
第1の部材21および第2の部材22の表面は、絶縁層等によって被覆されていてもよいが、電気パルスを印加したときに第1の部材21および第2の部材22間をスペーサ部材40を介して電気パルスが導通すればよい。
<接合部材30>
接合部材30は、第1の部材21と第2の部材22とを接合するための部材であって、熔接、リベット、ボルトなどの接合技術に代替して、または併用して利用されているものである。
接合部材30は、絶縁材料または半導体材料によって構成されている。接合部材30は、例えば構造用接着剤を用いることができ、熱硬化性樹脂から構成されている。
熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂からなる群から選択される一または二以上の樹脂を含む。これらの樹脂の中でも、耐熱性を考慮すると、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂は、さらに無機粒子(スペーサ部材40を除く)を含む。
無機粒子として、シリカ、アルミナなどが例示される。
接着剤は、熱硬化性樹脂の代わり熱可塑性樹脂から構成されてもよい。
接合部材30の厚み、すなわち第1の部材21と第2の部材22との間の距離Lは、例えば0.05mm以上20mm以下である。距離Lの上限値は、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.4mm以下である。この距離Lは、スペーサ部材40における第1の部材21と第2の部材22との接合方向の厚さ(ここではスペーサ部材40の直径)と同一である。
<スペーサ部材40>
スペーサ部材40は、少なくとも表面が導体であって、第1の部材21と第2の部材22とに接触している。スペーサ部材40は、電気パルスが印加されたときに、電気パルスの導通経路となる。言い換えると、電気パルスが印加されたときに、電気パルスにより高電流がスペーサ部材40に集中的に導かれ、その周囲の接合部材30には流れない。
スペーサ部材40は曲面を有する形状を呈しており、曲面が第1の部材21または第2の部材22と直接接触または薄層を介して接触している。スペーサ部材40の上端部分(以下「第1の接触部51」)は、第1の部材21の内面21aと接触する。スペーサ部材40の下端部分(以下「第2の接触部52」)は、第2の部材22の内面22aと接触する。
第1の接触部51と第2の接触部52は、それぞれ、第1の部材21や第2の部材22と厳密に接触せずに近接した状態でもよい。すなわち、第1の接触部51と第1の部材21の内面21aの間に、また、第2の接触部52と第2の部材22の内面22aとの間に、接合部材30が僅かな厚みの薄層として設けられてもよい。このときの厚みは、電気パルスを印加したときに、絶縁破壊が生じ、第1の部材21とスペーサ部材40、第2の部材22とスペーサ部材40が通電するように設定される。厚みは、例えば100μm以下とすることができる。
言い換えると、スペーサ部材40の厚みD(スペーサ部材40が球であれば直径)は接合部材30の厚みである第1の部材21と第2の部材22との間の距離Lと略同一とすることができる。すなわち、スペーサ部材40の厚みDは例えば0.05mm以上20mm以下である。厚みDの上限値は、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.4mm以下である。
スペーサ部材40の形状は、特に限定はないが、第1の部材21と第2の部材22との間に配置されたときに、第1の部材21や第2の部材22との接触部分(第1の接触部51、第2の接触部52)が、実質的に点で接触するような形状である。そのような形状として、曲面を有する形状とすることができ、球状、楕球状、フレーク状の形状とすることが好ましい。特に、向きの調整が不要な球状がより好ましい。金属球のような球状のスペーサ部材40の場合、スペーサ部材40の配置の向き等に寄らず、点接触を実現できる。なお、スペーサ部材40として、接触部分(第1の接触部51、第2の接触部52)の接触面積が極小となるような多面体や、接触部分(第1の接触部51、第2の接触部52)の一方が実質的に点接触となるような錐体といった形状が用いられてもよい。
スペーサ部材40と、第1の部材21または第2の部材22との接触箇所(第1の接触部51、第2の接触部52)における接触抵抗が、スペーサ部材40の抵抗値よりも高い。第1の接触部51や第2の接触部52は、点で接触(または近接)することから、電気パルスの経路として高電気抵抗領域となっている。そのため、電気パルスが印加されたときに、第1の接触部51と第2の接触部52は、局所的、断熱的にジュール発熱を得る。その結果、スペーサ部材40は気化温度まで上昇し、爆発的に気化する。
スペーサ部材40の導体は、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、銅またはこれらを含む合金により構成されている。スペーサ部材40は、例えばステンレス球とすることができる。また、スペーサ部材40は、全体が金属である必要は無く、セラミック球の表面を上記導体でコーティングした構造であってもよい。
<電気パルス>
第1の部材21と第2の部材22との間に印加する電気パルスの特性は以下の通りである。
印加電圧は、1kV以上1000kV以下である。印加電圧の下限値は、好ましくは5kV以上であり、より好ましくは10kV以上である。印加電圧の下限値を上記範囲とすることで、スペーサ部材40を気化温度まで上昇させ爆発的に気化させることができる。印加電圧の上限値は、好ましくは500kV以下であり、より好ましくは100kV以下である。印加電圧の上限値を上記範囲とすることで、スペーサ部材40を確実に気化させ、エネルギーを過剰に投入することを回避できる。
パルス幅は1ns以上100ms以下である。パルス幅の下限値は、好ましくは2ns以上であり、好ましくは5ns以上である。パルス幅の下限値を上記範囲とすることで、スペーサ部材40の気化温度までに昇温させるエネルギーを投入することができる。パルス幅の上限値は、好ましくは1ms以下であり、より好ましくは100μs以下である。パルス幅の上限値を上記範囲とすることで、スペーサ部材40を瞬間的、言い換えると断熱的に気化温度まで昇温させることができる。
なお、電気パルスは、上記の条件を満たしスペーサ部材40を瞬間的に気化することができれば、正弦波、単極性パルス、双極性パルス、三角波など任意の波形をとることができる。
図2は、電気パルスを発生させる装置(以下、電気パルス装置100)の例であり、ここでは基本的な回路例を示している。
図2の電気パルス装置100により、上述した特性を有する電気パルスは特性を発生させ、第1の部材21と第2の部材22との間に印加する。図2の電気パルス装置100では、充電回路と放電回路から構成されており、5kVの直流電源に接続されたコンデンサに充電された電荷を、スイッチを切り替えて、構造体10(図中「LOAD」と表記)に電気パルスを印加する。なお、電気パルス装置100は、実施例において用いた回路構成でもあり、具体的な構成は実施例において後述する。
<電気パルスによる金属球添加接着体の分離機構の推定モデル>
図3、図4を参照して電気パルスによる金属球添加接着体の分離機構の推定モデルを説明する。図3及び図4は、構造体10に電気パルスを印加して構造体10を解体する手順(モデル)を説明する図であって、断面図で示している。この手順で示すモデルは、電気パルスによる金属球添加接着体(金属球添加接着剤を使用した接着体)の分離機構のモデルの推定モデルであって、後述する実施例1の実験結果から推定されたものである。
図3は金属球(スペーサ部材40)と母材(第1の部材21、第2の部材22)とが接触している場合のモデルである。
図3(a)に示すように、スペーサ部材40は、第1の接触部51で第1の部材21に接触しており、かつ第2の接触部52で第2の部材22と接触している。スペーサ部材40の周囲には接合部材30が設けられている。
図3(b)に示すように、第1の部材21と第2の部材22との間に電気パルスが印加されると、スペーサ部材40(金属球)の表面にはパルス電流55が流れる。
その結果、図3(c)に示すように、通電に伴うジュール熱により、スペーサ部材40(金属球)はプラズマ化して気化する。このプラズマ化に伴う高温によって、スペーサ部材40の周囲の接合部材30(接着剤)も気化すると考えられる。これら気化は急激な体積膨張を伴うため、図3(d)に示すように、これらガス膨張により接合部材30(接着剤)を破壊し、構造体10(第1の部材21と第2の部材22との接合状態)を分離すると考えられる。
図4は金属球(スペーサ部材40)と母材(第1の部材21、第2の部材22)とが接触していない場合のモデルである。ここでは、図4(a)に示すように、第1の部材21とスペーサ部材40とは接触せず、第2の部材22とスペーサ部材40とが接触している。
金属球(スペーサ部材40)と母材(第1の部材21、第2の部材22)が接触していない場合であって、図4(b)~(d)に示すように、母材と金属球の間の接着剤(接合部材30)の絶縁破壊電圧Vdb[kV]の方が母材間(すなわち第1の部材21と第2の部材22との間)の大気の絶縁破壊電圧Vda[kV]よりも低い場合に、電気パルスにより接着剤(接合部材30)の絶縁破壊が発生し、金属球(スペーサ部材40)に通電し、図3で示したものと同様の分離機構が生じると考えられる。
絶縁破壊電圧は、大気および接着剤の絶縁破壊強度Ea、Eb[kV/mm]と母材間および母材と金属球との距離la、lb[mm]を用いて、Vda=Eala、Vdb=Eblbで計算される。
よって、図4(e)、(f)に示すように、母材(第1の部材21、第2の部材22)に金属球(スペーサ部材40)が接触せず、かつ母材と金属球との距離が長く、Eala<Eblb(Vda<Vdb)の場合、電気パルス印加時に接着剤(接合部材30)の絶縁破壊は発生せず、上部の母材(第1の部材21)の端21cから接着剤の沿面に沿って大気で絶縁破壊が生じ、上下の母材(第1の部材21、第2の部材22)の間で大気の沿面放電が生じると考えられる。この沿面放電は母材に放電痕が発生するのみで、後述する実施例1の図9(c)で見られるように、本電気パルスの条件では接着体の分離には至らなかったと推察される。
<構造体10の解体方法>
図5は構造体10(金属球添加接着体)の解体方法のフローチャートである。このフローチャートを参照して、構造体10の解体方法を説明する。
S10:パルス印加装置設定工程
図2に示した電気パルス装置100に対して、解体対象の構造体10に対して印加する電気パルスを設定する。例えば、電圧やパルス幅、パルス回数などを設定する。
S12:パルス印加実行工程
設定完了後(S10)、図4(a)に示すように、構造体10の第1の部材21と第2の部材22の外面21b、22bに電気パルス印加装置の電極61を接触させ、設定された電気パルスを印加する。
S14:気化・分離工程
電気パルスが印加されると、電気パルスによる高電流が第1の部材21、スペーサ部材40、第2の部材22で構成される経路に流れる。一方で、スペーサ部材40の周囲の接合部材30には電流が流れない。このとき、第1の接触部51と第2の接触部52は、局所的、断熱的にジュール発熱を得る。その結果、図3(c)や図4(c)に示すように爆発的に気化する。その爆発力によって、接合部材30は破壊され、第1の部材21と接合部材30、第2の部材22と接合部材30は分離する。すなわち、第1の部材21と第2の部材22とが分離する。
以上、本実施形態によると、構造体10の第1の部材21、第2の部材22に電気パルスを印加し、スペーサ部材40に高電流を瞬間的に意図した位置に導き、特にスペーサ部材40の第1の接触部51、第2の接触部52で断熱的に温度上昇を生じさせて、スペーサ部材40を気化爆発させる。その結果、意図した位置(すなわちスペーサ部材40の位置)で接合部材30が破壊され、第1の部材21と第2の部材22とが分離される。
このような技術を用いることで、上記の構造体10を有する製品の分離・解体性を向上させることができ、リサイクル率を向上させることができる。また、電気パルスは瞬間的であり、投入されるエネルギーは少ない。また、装置自体も一般的な回路構成で実現できる。したがって、短時間で低エネルギーで解体できることから、解体コストを抑制することができる。また、第1の部材21と第2の部材22の間に印加した電気パルスは、電極61の位置に寄らず、スペーサ部材40を流れる。すなわち、電極61を接触させる位置を実質的に限定することがないため、電極61の接触位置を特定させ作業が発生することがない。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
以下では、実施例1として実際に構造体10に相当する接着体試料を用いて電気パルスを印加して分離する実験を行った。実施例2として、コンピュータシミュレーションにより、電気パルスを印加して分離する際の好適な条件を算出した。
[実施例1]
<電気パルス印加実験>
<接着体試料>
図6Aは電気パルス印加実験に用いた構造体10(接着体試料)の模式図である。ここでは斜視図として示している。図6Bは電気パルス印加実験に用いた構造体10の接合部分の金属球(スペーサ部材40)とアルミナ球70の配置例を示す図である。ここでは接着面の断面図として示している。接着体試料として、第1の部材21及び第2の部材22をスペーサ部材40を配置して接合部材30で接合した構造体10を用いた。接着体試料は、JIS K6850で定められた接着剤の引張せん断強度試験用の試料の形状を参考として作製した。
第1の部材21、第2の部材22の材質(鋼板)、寸法は以下の通りである。
第1の部材21、第2の部材22の材質:SUS304
寸法:100mm×25mm×0.5mm
接合部分(接合部材30)の領域:25mm×25mm
接合部分(接合部材30)の厚み:0.3mm
接合部材30の材質:一液硬化型エポキシ樹脂系接着剤(EP138、セメダイン社)
スペーサ部材40:直径0.3mmのSUS440C金属球
図6Bに示すように、接合部分(接合部材30)の領域(すなわち接着面積)は1辺が25mmの正方形であり、接着面の中心に導電体であるスペーサ部材40(直径0.3mm、SUS440C)を1つ、その周囲に絶縁体であるアルミナ球70(直径0.3mm)を4つ配置し、接着剤の硬化を行った。硬化条件は、120℃30分とした。電気パルスによる接着体分離への接着剤添加金属球の影響を調査するために、n数は3とし、3枚の本試料を作製した。
<電気パルス発生装置(回路)および電気パルスの条件>
電気パルスは、上述の図2で説明した電気パルス装置100を用いて発生させ、構造体10に印加した。図6Cは電気パルス装置100の電極61(電極(+)61a、電極(-)61b)で挟まれた接着体試料(構造体10)の画像である。
電気パルス装置100は、充電回路と放電回路から構成されている。充電回路では、コントローラーを用いて直流電源(152A、TDKラムダ社製)に充電電圧5kVを充電させ、3つのコンデンサ(FL40W804KWFAAA、SHIZUKI ELECTRIC Co.,INC)を並列に接続し、コンデンサ容量はC=2.4μFとした。メカニカルスイッチを転換することにより、放電回路に切り替えた。
図6Cに示すように、放電回路(図2の電気パルス装置100)にて接着体試料(構造体10)の両端を電極61(電極(+)61a、電極(-)61b)で挟み、ボルトにて固定し、接着体試料に電気パルスを印加させた。電極間距離は9cmとした。放電回路は、放電回路の全抵抗R、放電回路のインダクタンスL、コンデンサ容量Cから形成されるRLC回路である。電気パルス印加時のコンデンサの電圧を電圧計(HV-P60A、岩崎通信機社製)で測定し、試料に流れた電流を電流計(Model110A-EOR、Peason Electronics社製)を用いて測定した。測定された電圧および電流はオシロスコープ(HDO4104A、TELEDYNE LECROY社製)にて記録した。
<接着体試料への電気パルス現象の可視化法>
本実施例では可視化計測法であるシャドウグラフ法を用いて、電気パルス印加時の接着体試料での放電発生位置および接着体の分離現象を可視化した。そして、可視化したこれら現象を高速ビデオカメラ(HPV-X2、島津製作所社製)を用いて撮影した。図7に可視化の光学系および撮影システムの模擬図を示す。光学系の光源には波長640nm、出力500Wのパルスダイオードレーザー(Cavilux Smart、CavitorLtd社製)を使用し、パルス幅は20nsとした。放電発光を抑えた鮮明な可視化を行うために、NDフィルター(品名:ND400)を高速ビデオカメラのカメラレンズに装着した。カメラレンズの焦点距離は300mmであり、絞り値は3.5である。高速ビデオカメラの撮影速度は2.0×10frame/sec、撮影間隔は5.0μs、露光時間は200ns/frameである。後述の図8に示すように、オシロスコープで測定された電圧電流波形の電圧の立ち上がりをトリガーとして、ファンクションジェネレーターを介して、TTL信号を高速度ビデオカメラに入力しカメラの記録を開始した。本カメラからレーザー光源に同期信号を出力することにより、電極間での接着体試料への電気パルス印加とレーザー光源の発光および高速度ビデオカメラの撮影開始を同期した可視化と記録を行った。
<インピーダンス測定>
試料の電気物性の測定としてインピーダンス測定(PSM1750、岩崎通信機社製)を行った。測定周波数は1kHz、印加電圧は10Vとした。電気パルス印加実験前の試料の両端から1cmの位置をケルビンリードで挟み、電圧の印加方向は電気パルス印加実験時と同じとなるよう測定した。
<実験結果>
<電気パルス印加時の電圧電流波形>
図8に電気パルス印加時に測定されたコンデンサ間の電圧波形および接着体試料に通電した電流波形を示す。図8で見られるように、本実験では電圧と電流は減衰振動した。図2の電気パルス装置100での放電回路にて、本実験ではR<4LCであったため、この減衰振動が発生したと考えられる。図8において、最大電圧は充電電圧である5.0kVとなり、最大電流は3.8kAとなった。
<電気パルス印加時の接着体試料での放電位置および接着体分離現象>
図9に金属球が添加された接着剤で接着された接着体試料の試料1~3での電気パルス印加時の放電位置および試料の分離現象の可視化画像を示す。図10に電気パルス印加後の試料1~3の画像を示す。図9(a)及び図10(a)が試料1、図9(b)及び図10(b)が試料2、図9(c)及び図10(c)が試料3に対応する。図9(a)(b)に示すように、試料1、2では接着剤内の金属球が添加された位置において放電発光が観測された。よって、接着剤内に金属球を添加することにより、金属球に電気パルスが印加され、接着剤内に放電を誘導することができることが明らかとなった。また、図9(a)(b)に示すように、電気パルス印加時に接着剤内からガス膨張が観測された。そして、ガス膨張とともに接着体の分離が発生した。
図10(a)(b)において、電気パルス後の分離した接着体の接着面は凝集破壊しており、金属球は残存しておらず、金属球が添加された位置で放電痕が観測された。この放電痕では母材の鋼板の表面が露出し、鋼板にクレーター状のへこみ(図3、図4のへこみ51a、52a)が生じていた。また、接着剤の破面の一部は黒く変色していることが観測された。これら観測により、電気パルス印加により金属球はプラズマ化し、気化され、膨張し、また、このプラズマの高温により、金属球周囲の接着剤も気化したと考えられる。よって、電気パルスによる接着剤内の金属球のプラズマ化に伴うガス膨張および接着剤の気化により、接着体は分離したと推察される。
一方で、試料3では、図9(c)で見られるように、電極の負極正極に接続された鋼板の端部で放電が発生、接着体は分離されなかった。図10(c)において、電気パルス後の鋼板の端部に放電痕が観測されたが、接着剤の破壊は確認されなかった。接着剤内の金属球が母材の鋼板に接触していない場合、金属球には電気パルスは印加されず、接着剤内ではなく、電界が集中する鋼板の端部で電気パルスによる放電が発生するものと考えられる。よって、試料3では接着剤に添加された金属球が母材に接触していなかったものと推察される。
<接着体のインピーダンス値と放電位置の関係の考察>
接着剤への金属球の添加による電気パルス印加時の接着剤内への放電誘導を評価するために、電気パルス前の接着体試料のインピーダンス値と放電位置の関係の考察を行った。表1に周波数1kHでの各試料のインピーダンス値Zの測定結果を示す。試料1ではZ=8.13×10-1Ωであり、他の2つの試料と比較してインピーダンスの値が10倍以上小さく、母材の鋼板と接着剤内の金属球が接触し、導通状態であることが示唆された。一方で、試料2、3ではそれぞれZ=1.46×10、1.70×10Ωであり、金属球と母材は接触していないことが推定された。
金属球と母材が接触している場合は、金属球に電気パルスが印加され、接着剤内で金属球の位置にて放電が発生することが考えられる。一方で、試料2では金属球と母材が接触していないことが推定されたものの図9(b)において、接着剤内の金属球の位置で放電が生じた。金属球と母材が接触していない場合、金属球と母材の間には接着剤が満たされている。ここで、金属球と母材の間の接着剤の絶縁破壊電圧の方が2つの母材の間に満たされた接着剤の周囲の大気を絶縁破壊させる電圧より低い場合、電気パルスにより金属球と母材の間の接着剤が絶縁破壊され、そして金属球に電気パルスが印加し、接着剤内部で放電が発生すると推察される。
[実施例2]
<シミュレーション>
実施例2では、コンピューターによる電流・伝熱シミュレーションにより、スペーサ部材40(金属球)の物性(抵抗、直径、材質)に対するスペーサ部材40(SUS304の金属球)を気化(爆発)させる電気パルスの条件を確認した。
具体的には以下の(1)~(3)の項目を確認した。
(1)シミュレーション1:投入エネルギー依存性の調査
印加した電気パルスのエネルギ(コンデンサ充電エネルギEc)を変化させてスペーサ部材40の温度変化を確認した。
(2)シミュレーション2:パルス幅依存性の調査
電荷量一定(0.1C(クーロン))とし、パルス幅と電流を変化させて、スペーサ部材40の温度変化を確認した。
(3)シミュレーション3:球半径依存性の調査
パルス電流波形を一定(1kA、100μs)とし、球半径を変化させてスペーサ部材40の温度変化を確認した。
温度変化として、(a)スペーサ部材40(金属球)の第1の接触部51、第2の接触部52の温度と(b)スペーサ部材40の中心部の温度を算出し、沸点を超えるか否かを確認した。
図11は、シミュレーション1~3に用いた構造体10のモデル例であって、ジオメトリと境界条件を示している。図11で示される領域を軸を中心に回転させて得られた立体をモデルとした。すなわち二つのSUS304の円柱(第1の部材21、第2の部材22に相当)でSUS304の金属球(スペーサ部材40に相当)を挟んだモデルを用いた。
図12は電気パルスとしての電流源の入力波形例である。ここでは電流値1.0kA、パルス幅10×10-5sの例を示している。
図13は、シミュレーション1~3に用いた条件を示している。ここではSUS304の物性値と構成方程式を示している。
<シミュレーション結果>
以下シミュレーション結果を示す。
(1)シミュレーション1(投入エネルギ依存性の調査)の結果
印加した電気パルスのエネルギ(コンデンサ充電エネルギEc)は、10J、20J、30Jの3条件である。
スペーサ部材40は、SUS304金属球で直径0.3mmである。
図14~図16にシミュレーション1の結果を示す。
図14は、コンデンサ充電エネルギーEc=30J、電気パルス印加後19μs経過時のスペーサ部材40およびその近傍領域の温度分布を拡大して示した図である。
図15はコンデンサ充電エネルギーEc=10J、20J、30Jの3条件における、第1の接触部51、第2の接触部52の温度変化を示したグラフである。
図16はコンデンサ充電エネルギーEc=10J、20J、30Jの3条件における、スペーサ部材40の中心位置53(金属球中央)の温度変化を示したグラフである。
第1の部材21(または第2の部材22)とスペーサ部材40との接触部分である第1の接触部51(または第2の接触部52)は電気抵抗値が高く、温度が特に上昇することが確認できた。
コンデンサ充電エネルギーEc=10J、20J、30Jの3条件のいずれにおいても、第1の接触部51(または第2の接触部52)の温度はスペーサ部材40(SUS304)の主成分の鉄の沸点3134Kよりも十分に高いことが確認できた。
コンデンサ充電エネルギーEc=20J、30Jの2条件において、電気パルス印加後5μsの時点で、スペーサ部材40の中心位置で主成分の鉄の沸点3134Kよりも十分に高く、スペーサ部材40が爆発的に気化することが確認できた。
(2)シミュレーション2(パルス幅依存性の調査)の結果
シミュレーション2では、電荷量一定(0.1C(クーロン))とし、パルス幅と電流を変化させて、スペーサ部材40の温度変化を確認した。電流とパルス幅の組み合わせは下記の7種類である。
1:100kA、1μs
2:10kA、 10μs
3:1kA、100μs
4:100A、1ms
5:10A、10ms
6:1A、100ms
7:0.1A、1s
以下、上記の組み合わせを便宜的に「電流/パルス幅組1~7」と称して説明する。図17、18のグラフ中の(1)~(7)は電流/パルス幅組1~7に対応する。図中の(8)は鉄の沸点を示す。
図17~図21にシミュレーション2の結果を示す。
図17はスペーサ部材40と第1の部材21(または第2の部材22)との接触部分である第1の接触部51(または第2の接触部52)の温度変化を示したグラフである。
図18はスペーサ部材40の中心位置(球中心)の温度変化を示したグラフである。
図19~図21に電気パルス印加終了時点のスペーサ部材40およびその近傍領域の温度分布を拡大して示した図である。図19(a)~図19(c)は電流/パルス幅組1~3、図20(a)~(b)は電流/パルス幅組4~5、図21(a)~(b)は電流/パルス幅組6~7の温度分布を示す。
図17~図21の結果から分かるように、パルス幅が短いほど温度は上昇傾向が見られた。また、電荷量0.1Cの場合、パルス幅1ms以下のときにスペーサ部材40の中心部分(球中心部)の温度が鉄の沸点を超えることが確認された。
(3)シミュレーション3(球半径依存性の調査)の結果
シミュレーション3ではパルス電流波形を一定(1kA、100μs)とし、スペーサ部材40の球半径を変化させてスペーサ部材40の温度変化を確認した。
球半径r=0.05mm~0.5mmの範囲で0.05mm刻みで10種類である。
図22~図25にシミュレーション3の結果を示す。
図22はスペーサ部材40と第1の部材21(または第2の部材22)との接触部分である第1の接触部51(または第2の接触部52)の温度変化を示したグラフである。
図23はスペーサ部材40の中心位置(球中心)の温度変化を示したグラフである。
図22及び図23のグラフ中の(1)~(10)は上記10種類の球半径(0.05mm~0.5mmの範囲で0.05mm刻み)について小径から順に対応したものである。
図中の(11)は鉄の沸点を示す。
図24~図25に電気パルス印加終了時点のスペーサ部材40およびその近傍領域の温度分布を拡大して示した図である。図24(a)~図24(c)は半径r=0.1mm、0.2mm、0.3mm、図25(a)~図24(b)は半径r=0.4mm、0.5mのときの温度分布を示す。
図22~図25の結果から分かるように、スペーサ部材40の球半径が大きくなるにつれて中心温度は低下傾向であることが確認された。また、スペーサ部材40の球半径r=0.2mm以下(直径0.4mm以下)のとき、すなわち第1の部材21と第2の部材22の距離が0.4mm以下のときに、スペーサ部材40の主成分である鉄の沸点を超えることが確認された。
以上、実施例1、2によると、二つの鋼板(第1の部材21と第2の部材22)を接合部材30で接合した構造体10において、接合部材30の内部に金属小球(スペーサ部材40)を上下端部が鋼板に接するように予め置いて接着させるように構成されている場合、解体・分離の際には両鋼板に高電圧パルスを印加することで、スペーサ部材40を爆発的に気化させて、構造体10を短期間かつ低投入エネルギーで解体することができる。
10 構造体
21 第1の部材
22 第2の部材
30 接合部材
40 スペーサ部材
51 第1の接触部
52 第2の接触部
70 アルミニウム球
100 電気パルス装置

Claims (28)

  1. 第1の部材と、
    第2の部材と、
    前記第1の部材と前記第2の部材との間に挟持された絶縁性部材または半導体部材からなる接合部材と、
    前記接合部材中に設けられた、少なくとも表面が導体であるスペーサ部材と、を有する構造体の易解体方法であって、
    前記第1の部材と前記第2の部材との間に電気パルスを印加し前記スペーサ部材を気化させることで、前記第1の部材と前記第2の部材とを分離する易解体方法。
  2. 前記スペーサ部材と、前記第1の部材または前記第2の部材とが接触しており、
    前記スペーサ部材と、前記第1の部材または前記第2の部材との接触箇所における接触抵抗が、前記スペーサ部材の抵抗値よりも高い、請求項1に記載の易解体方法。
  3. 前記第1の部材および前記第2の部材は、いずれも、導体により形成されている、請求項1または2に記載の易解体方法。
  4. 前記導体が、金属、金属酸化物、金属粒子含有コンポジットにより形成されている、請求項3に記載の易解体方法。
  5. 前記導体の20℃における電気抵抗率が1.5×10-8Ω・m以上1×10Ω・m以下である、請求項3または4に記載の易解体方法。
  6. 前記スペーサ部材の導体は金属から形成されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の易解体方法。
  7. 前記スペーサ部材が、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、銅またはこれらを含む合金により構成されている、請求項6に記載の易解体方法。
  8. 前記スペーサ部材は、球状、楕球状またはフレーク状のいずれかの形状を呈する請求項1から7までのいずれか1項に記載の易解体方法。
  9. 前記スペーサ部材は曲面を有する形状を呈しており、前記曲面が第1または第2の部材と直接接触または100μm以下の薄層を介して接触している、請求項1から8までのいずれか1項に記載の易解体方法。
  10. 前記第1の部材と前記第2の部材との間の距離をLとし、
    前記スペーサ部材における前記第1の部材と前記第2の部材との接合方向の長さをDとしたときに、前記長さDが前記距離Lに等しい請求項1から9までのいずれか1項に記載の易解体方法。
  11. 前記長さDは0.05mm以上20mm以下である請求項10に記載の易解体方法。
  12. 前記接合部材は熱硬化性樹脂から構成されている、請求項1から11までのいずれか1項に記載の易解体方法。
  13. 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂からなる群から選択される一または二以上の樹脂を含む請求項12に記載の易解体方法。
  14. 前記熱硬化性樹脂は、さらに無機粒子(前記スペーサ部材を除く)を含む、請求項13に記載の易解体方法。
  15. 前記電気パルスの印加電圧が1kV以上1000kV以下であり、パルス幅が1ns以上100ms以下である、請求項1から14までのいずれか1項に記載の易解体方法。
  16. 易解体可能な構造体であって、
    第1の部材と、
    第2の部材と、
    前記第1の部材と前記第2の部材との間に挟持された絶縁性部材または半導体部材からなる接合部材と、
    前記接合部材中に設けられた、少なくとも表面が導体のスペーサ部材と、を有し、
    前記スペーサ部材は、前記第1の部材と前記第2の部材との間に電気パルスが印加されたときに気化し、
    前記スペーサ部材と、前記第1の部材または前記第2の部材とが接触しており、
    前記スペーサ部材と、前記第1の部材または前記第2の部材との接触箇所における接触抵抗が、前記スペーサ部材の抵抗値よりも高く、
    前記第1の部材および前記第2の部材は、いずれも、導体により形成されている、構造体。
  17. 前記導体が、金属、金属酸化物、金属粒子含有コンポジットにより形成されている、請求項16に記載の構造体。
  18. 前記導体の20℃における電気抵抗率が1.5×10-8Ω・m以上1×10Ω・m以下である、請求項16または17に記載の構造体。
  19. 前記スペーサ部材の導体は金属から形成されている、請求項16から18までのいずれか1項に記載の構造体。
  20. 前記スペーサ部材が、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、銅またはこれらを含む合金により構成されている、請求項19に記載の構造体。
  21. 前記スペーサ部材は、球状、楕球状またはフレーク状のいずれかの形状を呈する請求項16から20までのいずれか1項に記載の構造体。
  22. 前記スペーサ部材は曲面を有する形状を呈しており、前記曲面が第1または第2の部材と直接接触または100μm以下の薄層を介して接触している、請求項16から21までのいずれか1項に記載の構造体。
  23. 前記第1の部材と前記第2の部材との間の距離をLとし、
    前記スペーサ部材における前記第1の部材と前記第2の部材との接合方向の長さをDとしたときに、前記長さDが前記距離Lに等しい請求項16から22までのいずれか1項に記載の構造体。
  24. 前記長さDは0.05mm以上20mm以下である請求項23に記載の構造体。
  25. 前記接合部材は熱硬化性樹脂から構成されている、請求項16から24までのいずれか1項に記載の構造体。
  26. 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂からなる群から選択される一または二以上の樹脂を含む請求項25に記載の構造体。
  27. 前記熱硬化性樹脂は、さらに無機粒子(前記スペーサ部材を除く)を含む、請求項26に記載の構造体。
  28. 前記電気パルスの印加電圧が1kV以上1000kV以下であり、パルス幅が1ns以上100ms以下である、請求項16から27までのいずれか1項に記載の構造体。
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