JP7721082B2 - 易解体方法および易解体可能な構造体 - Google Patents
易解体方法および易解体可能な構造体Info
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Description
例えば、電気パルスにより、絶縁体と導体が結合または接合された対象物を解体する電気パルス解体方法がある(例えば特許文献1参照)。特許文献1に開示の技術では、解体する対象物の表面の離間した位置に一対の電極を当接し、電極間にパルス状の高電圧を印加して対象物を解体する。
また、細線爆発法によって衝撃波を発生させ、太陽光パネルを解体する技術も知られている(例えば特許文献2参照)。特許文献2に開示の技術では、解体に要するエネルギー量が少なく、太陽光パネルを低コストで解体でき、環境負荷が小さい。さらに、銀や銅などの有用物質を選択的に分離濃縮した状態で回収することが可能なことから、資源循環型社会の構築に大きく寄与することができる。
第1の部材と、
第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材との間に挟持された絶縁性部材または半導体部材からなる接合部材と、
前記接合部材中に設けられた、少なくとも表面が導体であるスペーサ部材と、を有する構造体の易解体方法であって、
前記第1の部材と前記第2の部材との間に電気パルスを印加し前記スペーサ部材を気化させることで、前記第1部材と前記第2部材とを分離する易解体方法が提供される。
本発明によれば、
易解体可能な構造体であって、
第1の部材と、
第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材との間に挟持された絶縁性部材または半導体部材からなる接合部材と、
前記接合部材中に設けられた、少なくとも表面が導体のスペーサ部材と、を有し、
前記スペーサ部材は前記第1の部材と前記第2の部材との間に電気パルスが印加されたときに気化する構造体が提供される。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る構造体10(「接着体」ともいう)の断面図である。本実施形態の易解体方法は、図1の構造体10を解体する方法である。構造体10として、例えば、車両(自動車や列車)のボディにおける鋼板同士を接着剤で接合した構造を例示できる。構造体10として車両に限定する趣旨ではなく、例えば、航空機や船舶、さらには冷蔵庫や洗濯機などの家電製品であってもよい。
接合部材30は、第1の部材21と第2の部材22との間に挟持されるように設けられており、第1の部材21と第2の部材22を接合する。
接合部材30が設けられた領域には、少なくとも表面が導体のスペーサ部材40が設けられている。
第1の部材21と第2の部材22との間に高電圧の電気パルスを印加し、スペーサ部材40を爆発的に気化させることで、第1の部材21と第2の部材22とを分離する。
以下、詳細に説明する。
第1の部材21および第2の部材22は、いずれも、導体により形成されている。
第1の部材21および第2の部材22の導体は、例えば、金属、金属酸化物、金属粒子含有コンポジットにより形成されている。
より具体的には、第1の部材21および第2の部材22の導体は、例えば、鋼板のような鉄合金や、アルミニウムおよびアルミニウム合金とすることができる。また、金属粒子含有コンポジットとしては、鉄、銅、アルミニウム等の金属及びそれらの金属の合金の粒子とエポキシ樹脂、ポリイミド、フェノールメラミン樹脂、尿素不飽和ポリエステル樹脂、アルキドポリウレタン樹脂等の樹脂粒子とを混合して一体化させてなる部材とすることができる。
第1の部材21と第2の部材22は異なる導体(材料)より構成されてもよい。例えば、第1の部材21が鋼材であって、第2の部材22がアルミニウム合金板であってもよい。
第1の部材21および第2の部材22の厚みは同じであってもよいし異なってもよい。
それぞれの厚みの下限値は例えば0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3mm以上とすることができる。第1の部材21および第2の部材22の厚みを上記の下限値以上とすることで、構造体10としての剛性(強度)を確保できる。
厚みの上限値は例えば20mm以下、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下とすることができる。
電気抵抗率の上限値は、電気パルスの電圧値や電流値にもよるが、投入エネルギーを抑制する観点から、1×104Ω・m以下であり、好ましくは5×103Ω・m以下であり、より好ましくは1×103Ω・m以下である。
接合部材30は、第1の部材21と第2の部材22とを接合するための部材であって、熔接、リベット、ボルトなどの接合技術に代替して、または併用して利用されているものである。
熱硬化性樹脂は、さらに無機粒子(スペーサ部材40を除く)を含む。
無機粒子として、シリカ、アルミナなどが例示される。
接着剤は、熱硬化性樹脂の代わり熱可塑性樹脂から構成されてもよい。
スペーサ部材40は、少なくとも表面が導体であって、第1の部材21と第2の部材22とに接触している。スペーサ部材40は、電気パルスが印加されたときに、電気パルスの導通経路となる。言い換えると、電気パルスが印加されたときに、電気パルスにより高電流がスペーサ部材40に集中的に導かれ、その周囲の接合部材30には流れない。
第1の部材21と第2の部材22との間に印加する電気パルスの特性は以下の通りである。
印加電圧は、1kV以上1000kV以下である。印加電圧の下限値は、好ましくは5kV以上であり、より好ましくは10kV以上である。印加電圧の下限値を上記範囲とすることで、スペーサ部材40を気化温度まで上昇させ爆発的に気化させることができる。印加電圧の上限値は、好ましくは500kV以下であり、より好ましくは100kV以下である。印加電圧の上限値を上記範囲とすることで、スペーサ部材40を確実に気化させ、エネルギーを過剰に投入することを回避できる。
なお、電気パルスは、上記の条件を満たしスペーサ部材40を瞬間的に気化することができれば、正弦波、単極性パルス、双極性パルス、三角波など任意の波形をとることができる。
図3、図4を参照して電気パルスによる金属球添加接着体の分離機構の推定モデルを説明する。図3及び図4は、構造体10に電気パルスを印加して構造体10を解体する手順(モデル)を説明する図であって、断面図で示している。この手順で示すモデルは、電気パルスによる金属球添加接着体(金属球添加接着剤を使用した接着体)の分離機構のモデルの推定モデルであって、後述する実施例1の実験結果から推定されたものである。
図3(a)に示すように、スペーサ部材40は、第1の接触部51で第1の部材21に接触しており、かつ第2の接触部52で第2の部材22と接触している。スペーサ部材40の周囲には接合部材30が設けられている。
図3(b)に示すように、第1の部材21と第2の部材22との間に電気パルスが印加されると、スペーサ部材40(金属球)の表面にはパルス電流55が流れる。
その結果、図3(c)に示すように、通電に伴うジュール熱により、スペーサ部材40(金属球)はプラズマ化して気化する。このプラズマ化に伴う高温によって、スペーサ部材40の周囲の接合部材30(接着剤)も気化すると考えられる。これら気化は急激な体積膨張を伴うため、図3(d)に示すように、これらガス膨張により接合部材30(接着剤)を破壊し、構造体10(第1の部材21と第2の部材22との接合状態)を分離すると考えられる。
金属球(スペーサ部材40)と母材(第1の部材21、第2の部材22)が接触していない場合であって、図4(b)~(d)に示すように、母材と金属球の間の接着剤(接合部材30)の絶縁破壊電圧Vdb[kV]の方が母材間(すなわち第1の部材21と第2の部材22との間)の大気の絶縁破壊電圧Vda[kV]よりも低い場合に、電気パルスにより接着剤(接合部材30)の絶縁破壊が発生し、金属球(スペーサ部材40)に通電し、図3で示したものと同様の分離機構が生じると考えられる。
絶縁破壊電圧は、大気および接着剤の絶縁破壊強度Ea、Eb[kV/mm]と母材間および母材と金属球との距離la、lb[mm]を用いて、Vda=Eala、Vdb=Eblbで計算される。
よって、図4(e)、(f)に示すように、母材(第1の部材21、第2の部材22)に金属球(スペーサ部材40)が接触せず、かつ母材と金属球との距離が長く、Eala<Eblb(Vda<Vdb)の場合、電気パルス印加時に接着剤(接合部材30)の絶縁破壊は発生せず、上部の母材(第1の部材21)の端21cから接着剤の沿面に沿って大気で絶縁破壊が生じ、上下の母材(第1の部材21、第2の部材22)の間で大気の沿面放電が生じると考えられる。この沿面放電は母材に放電痕が発生するのみで、後述する実施例1の図9(c)で見られるように、本電気パルスの条件では接着体の分離には至らなかったと推察される。
図5は構造体10(金属球添加接着体)の解体方法のフローチャートである。このフローチャートを参照して、構造体10の解体方法を説明する。
S10:パルス印加装置設定工程
図2に示した電気パルス装置100に対して、解体対象の構造体10に対して印加する電気パルスを設定する。例えば、電圧やパルス幅、パルス回数などを設定する。
設定完了後(S10)、図4(a)に示すように、構造体10の第1の部材21と第2の部材22の外面21b、22bに電気パルス印加装置の電極61を接触させ、設定された電気パルスを印加する。
電気パルスが印加されると、電気パルスによる高電流が第1の部材21、スペーサ部材40、第2の部材22で構成される経路に流れる。一方で、スペーサ部材40の周囲の接合部材30には電流が流れない。このとき、第1の接触部51と第2の接触部52は、局所的、断熱的にジュール発熱を得る。その結果、図3(c)や図4(c)に示すように爆発的に気化する。その爆発力によって、接合部材30は破壊され、第1の部材21と接合部材30、第2の部材22と接合部材30は分離する。すなわち、第1の部材21と第2の部材22とが分離する。
このような技術を用いることで、上記の構造体10を有する製品の分離・解体性を向上させることができ、リサイクル率を向上させることができる。また、電気パルスは瞬間的であり、投入されるエネルギーは少ない。また、装置自体も一般的な回路構成で実現できる。したがって、短時間で低エネルギーで解体できることから、解体コストを抑制することができる。また、第1の部材21と第2の部材22の間に印加した電気パルスは、電極61の位置に寄らず、スペーサ部材40を流れる。すなわち、電極61を接触させる位置を実質的に限定することがないため、電極61の接触位置を特定させ作業が発生することがない。
以下では、実施例1として実際に構造体10に相当する接着体試料を用いて電気パルスを印加して分離する実験を行った。実施例2として、コンピュータシミュレーションにより、電気パルスを印加して分離する際の好適な条件を算出した。
<電気パルス印加実験>
<接着体試料>
図6Aは電気パルス印加実験に用いた構造体10(接着体試料)の模式図である。ここでは斜視図として示している。図6Bは電気パルス印加実験に用いた構造体10の接合部分の金属球(スペーサ部材40)とアルミナ球70の配置例を示す図である。ここでは接着面の断面図として示している。接着体試料として、第1の部材21及び第2の部材22をスペーサ部材40を配置して接合部材30で接合した構造体10を用いた。接着体試料は、JIS K6850で定められた接着剤の引張せん断強度試験用の試料の形状を参考として作製した。
第1の部材21、第2の部材22の材質(鋼板)、寸法は以下の通りである。
第1の部材21、第2の部材22の材質:SUS304
寸法:100mm×25mm×0.5mm
接合部分(接合部材30)の領域:25mm×25mm
接合部分(接合部材30)の厚み:0.3mm
接合部材30の材質:一液硬化型エポキシ樹脂系接着剤(EP138、セメダイン社)
スペーサ部材40:直径0.3mmのSUS440C金属球
図6Bに示すように、接合部分(接合部材30)の領域(すなわち接着面積)は1辺が25mmの正方形であり、接着面の中心に導電体であるスペーサ部材40(直径0.3mm、SUS440C)を1つ、その周囲に絶縁体であるアルミナ球70(直径0.3mm)を4つ配置し、接着剤の硬化を行った。硬化条件は、120℃30分とした。電気パルスによる接着体分離への接着剤添加金属球の影響を調査するために、n数は3とし、3枚の本試料を作製した。
電気パルスは、上述の図2で説明した電気パルス装置100を用いて発生させ、構造体10に印加した。図6Cは電気パルス装置100の電極61(電極(+)61a、電極(-)61b)で挟まれた接着体試料(構造体10)の画像である。
電気パルス装置100は、充電回路と放電回路から構成されている。充電回路では、コントローラーを用いて直流電源(152A、TDKラムダ社製)に充電電圧5kVを充電させ、3つのコンデンサ(FL40W804KWFAAA、SHIZUKI ELECTRIC Co.,INC)を並列に接続し、コンデンサ容量はC=2.4μFとした。メカニカルスイッチを転換することにより、放電回路に切り替えた。
本実施例では可視化計測法であるシャドウグラフ法を用いて、電気パルス印加時の接着体試料での放電発生位置および接着体の分離現象を可視化した。そして、可視化したこれら現象を高速ビデオカメラ(HPV-X2、島津製作所社製)を用いて撮影した。図7に可視化の光学系および撮影システムの模擬図を示す。光学系の光源には波長640nm、出力500Wのパルスダイオードレーザー(Cavilux Smart、CavitorLtd社製)を使用し、パルス幅は20nsとした。放電発光を抑えた鮮明な可視化を行うために、NDフィルター(品名:ND400)を高速ビデオカメラのカメラレンズに装着した。カメラレンズの焦点距離は300mmであり、絞り値は3.5である。高速ビデオカメラの撮影速度は2.0×105frame/sec、撮影間隔は5.0μs、露光時間は200ns/frameである。後述の図8に示すように、オシロスコープで測定された電圧電流波形の電圧の立ち上がりをトリガーとして、ファンクションジェネレーターを介して、TTL信号を高速度ビデオカメラに入力しカメラの記録を開始した。本カメラからレーザー光源に同期信号を出力することにより、電極間での接着体試料への電気パルス印加とレーザー光源の発光および高速度ビデオカメラの撮影開始を同期した可視化と記録を行った。
試料の電気物性の測定としてインピーダンス測定(PSM1750、岩崎通信機社製)を行った。測定周波数は1kHz、印加電圧は10Vとした。電気パルス印加実験前の試料の両端から1cmの位置をケルビンリードで挟み、電圧の印加方向は電気パルス印加実験時と同じとなるよう測定した。
<電気パルス印加時の電圧電流波形>
図8に電気パルス印加時に測定されたコンデンサ間の電圧波形および接着体試料に通電した電流波形を示す。図8で見られるように、本実験では電圧と電流は減衰振動した。図2の電気パルス装置100での放電回路にて、本実験ではR2<4LCであったため、この減衰振動が発生したと考えられる。図8において、最大電圧は充電電圧である5.0kVとなり、最大電流は3.8kAとなった。
図9に金属球が添加された接着剤で接着された接着体試料の試料1~3での電気パルス印加時の放電位置および試料の分離現象の可視化画像を示す。図10に電気パルス印加後の試料1~3の画像を示す。図9(a)及び図10(a)が試料1、図9(b)及び図10(b)が試料2、図9(c)及び図10(c)が試料3に対応する。図9(a)(b)に示すように、試料1、2では接着剤内の金属球が添加された位置において放電発光が観測された。よって、接着剤内に金属球を添加することにより、金属球に電気パルスが印加され、接着剤内に放電を誘導することができることが明らかとなった。また、図9(a)(b)に示すように、電気パルス印加時に接着剤内からガス膨張が観測された。そして、ガス膨張とともに接着体の分離が発生した。
接着剤への金属球の添加による電気パルス印加時の接着剤内への放電誘導を評価するために、電気パルス前の接着体試料のインピーダンス値と放電位置の関係の考察を行った。表1に周波数1kHでの各試料のインピーダンス値Zの測定結果を示す。試料1ではZ=8.13×10-1Ωであり、他の2つの試料と比較してインピーダンスの値が104倍以上小さく、母材の鋼板と接着剤内の金属球が接触し、導通状態であることが示唆された。一方で、試料2、3ではそれぞれZ=1.46×104、1.70×104Ωであり、金属球と母材は接触していないことが推定された。
<シミュレーション>
実施例2では、コンピューターによる電流・伝熱シミュレーションにより、スペーサ部材40(金属球)の物性(抵抗、直径、材質)に対するスペーサ部材40(SUS304の金属球)を気化(爆発)させる電気パルスの条件を確認した。
具体的には以下の(1)~(3)の項目を確認した。
(1)シミュレーション1:投入エネルギー依存性の調査
印加した電気パルスのエネルギ(コンデンサ充電エネルギEc)を変化させてスペーサ部材40の温度変化を確認した。
(2)シミュレーション2:パルス幅依存性の調査
電荷量一定(0.1C(クーロン))とし、パルス幅と電流を変化させて、スペーサ部材40の温度変化を確認した。
(3)シミュレーション3:球半径依存性の調査
パルス電流波形を一定(1kA、100μs)とし、球半径を変化させてスペーサ部材40の温度変化を確認した。
温度変化として、(a)スペーサ部材40(金属球)の第1の接触部51、第2の接触部52の温度と(b)スペーサ部材40の中心部の温度を算出し、沸点を超えるか否かを確認した。
図13は、シミュレーション1~3に用いた条件を示している。ここではSUS304の物性値と構成方程式を示している。
以下シミュレーション結果を示す。
(1)シミュレーション1(投入エネルギ依存性の調査)の結果
印加した電気パルスのエネルギ(コンデンサ充電エネルギEc)は、10J、20J、30Jの3条件である。
スペーサ部材40は、SUS304金属球で直径0.3mmである。
図14~図16にシミュレーション1の結果を示す。
図14は、コンデンサ充電エネルギーEc=30J、電気パルス印加後19μs経過時のスペーサ部材40およびその近傍領域の温度分布を拡大して示した図である。
図15はコンデンサ充電エネルギーEc=10J、20J、30Jの3条件における、第1の接触部51、第2の接触部52の温度変化を示したグラフである。
図16はコンデンサ充電エネルギーEc=10J、20J、30Jの3条件における、スペーサ部材40の中心位置53(金属球中央)の温度変化を示したグラフである。
コンデンサ充電エネルギーEc=10J、20J、30Jの3条件のいずれにおいても、第1の接触部51(または第2の接触部52)の温度はスペーサ部材40(SUS304)の主成分の鉄の沸点3134Kよりも十分に高いことが確認できた。
コンデンサ充電エネルギーEc=20J、30Jの2条件において、電気パルス印加後5μsの時点で、スペーサ部材40の中心位置で主成分の鉄の沸点3134Kよりも十分に高く、スペーサ部材40が爆発的に気化することが確認できた。
シミュレーション2では、電荷量一定(0.1C(クーロン))とし、パルス幅と電流を変化させて、スペーサ部材40の温度変化を確認した。電流とパルス幅の組み合わせは下記の7種類である。
1:100kA、1μs
2:10kA、 10μs
3:1kA、100μs
4:100A、1ms
5:10A、10ms
6:1A、100ms
7:0.1A、1s
以下、上記の組み合わせを便宜的に「電流/パルス幅組1~7」と称して説明する。図17、18のグラフ中の(1)~(7)は電流/パルス幅組1~7に対応する。図中の(8)は鉄の沸点を示す。
図17はスペーサ部材40と第1の部材21(または第2の部材22)との接触部分である第1の接触部51(または第2の接触部52)の温度変化を示したグラフである。
図18はスペーサ部材40の中心位置(球中心)の温度変化を示したグラフである。
図19~図21に電気パルス印加終了時点のスペーサ部材40およびその近傍領域の温度分布を拡大して示した図である。図19(a)~図19(c)は電流/パルス幅組1~3、図20(a)~(b)は電流/パルス幅組4~5、図21(a)~(b)は電流/パルス幅組6~7の温度分布を示す。
シミュレーション3ではパルス電流波形を一定(1kA、100μs)とし、スペーサ部材40の球半径を変化させてスペーサ部材40の温度変化を確認した。
球半径r=0.05mm~0.5mmの範囲で0.05mm刻みで10種類である。
図22はスペーサ部材40と第1の部材21(または第2の部材22)との接触部分である第1の接触部51(または第2の接触部52)の温度変化を示したグラフである。
図23はスペーサ部材40の中心位置(球中心)の温度変化を示したグラフである。
図22及び図23のグラフ中の(1)~(10)は上記10種類の球半径(0.05mm~0.5mmの範囲で0.05mm刻み)について小径から順に対応したものである。
図中の(11)は鉄の沸点を示す。
図24~図25に電気パルス印加終了時点のスペーサ部材40およびその近傍領域の温度分布を拡大して示した図である。図24(a)~図24(c)は半径r=0.1mm、0.2mm、0.3mm、図25(a)~図24(b)は半径r=0.4mm、0.5mのときの温度分布を示す。
21 第1の部材
22 第2の部材
30 接合部材
40 スペーサ部材
51 第1の接触部
52 第2の接触部
70 アルミニウム球
100 電気パルス装置
Claims (28)
- 第1の部材と、
第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材との間に挟持された絶縁性部材または半導体部材からなる接合部材と、
前記接合部材中に設けられた、少なくとも表面が導体であるスペーサ部材と、を有する構造体の易解体方法であって、
前記第1の部材と前記第2の部材との間に電気パルスを印加し前記スペーサ部材を気化させることで、前記第1の部材と前記第2の部材とを分離する易解体方法。 - 前記スペーサ部材と、前記第1の部材または前記第2の部材とが接触しており、
前記スペーサ部材と、前記第1の部材または前記第2の部材との接触箇所における接触抵抗が、前記スペーサ部材の抵抗値よりも高い、請求項1に記載の易解体方法。 - 前記第1の部材および前記第2の部材は、いずれも、導体により形成されている、請求項1または2に記載の易解体方法。
- 前記導体が、金属、金属酸化物、金属粒子含有コンポジットにより形成されている、請求項3に記載の易解体方法。
- 前記導体の20℃における電気抵抗率が1.5×10-8Ω・m以上1×104Ω・m以下である、請求項3または4に記載の易解体方法。
- 前記スペーサ部材の導体は金属から形成されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の易解体方法。
- 前記スペーサ部材が、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、銅またはこれらを含む合金により構成されている、請求項6に記載の易解体方法。
- 前記スペーサ部材は、球状、楕球状またはフレーク状のいずれかの形状を呈する請求項1から7までのいずれか1項に記載の易解体方法。
- 前記スペーサ部材は曲面を有する形状を呈しており、前記曲面が第1または第2の部材と直接接触または100μm以下の薄層を介して接触している、請求項1から8までのいずれか1項に記載の易解体方法。
- 前記第1の部材と前記第2の部材との間の距離をLとし、
前記スペーサ部材における前記第1の部材と前記第2の部材との接合方向の長さをDとしたときに、前記長さDが前記距離Lに等しい請求項1から9までのいずれか1項に記載の易解体方法。 - 前記長さDは0.05mm以上20mm以下である請求項10に記載の易解体方法。
- 前記接合部材は熱硬化性樹脂から構成されている、請求項1から11までのいずれか1項に記載の易解体方法。
- 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂からなる群から選択される一または二以上の樹脂を含む請求項12に記載の易解体方法。
- 前記熱硬化性樹脂は、さらに無機粒子(前記スペーサ部材を除く)を含む、請求項13に記載の易解体方法。
- 前記電気パルスの印加電圧が1kV以上1000kV以下であり、パルス幅が1ns以上100ms以下である、請求項1から14までのいずれか1項に記載の易解体方法。
- 易解体可能な構造体であって、
第1の部材と、
第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材との間に挟持された絶縁性部材または半導体部材からなる接合部材と、
前記接合部材中に設けられた、少なくとも表面が導体のスペーサ部材と、を有し、
前記スペーサ部材は、前記第1の部材と前記第2の部材との間に電気パルスが印加されたときに気化し、
前記スペーサ部材と、前記第1の部材または前記第2の部材とが接触しており、
前記スペーサ部材と、前記第1の部材または前記第2の部材との接触箇所における接触抵抗が、前記スペーサ部材の抵抗値よりも高く、
前記第1の部材および前記第2の部材は、いずれも、導体により形成されている、構造体。 - 前記導体が、金属、金属酸化物、金属粒子含有コンポジットにより形成されている、請求項16に記載の構造体。
- 前記導体の20℃における電気抵抗率が1.5×10-8Ω・m以上1×104Ω・m以下である、請求項16または17に記載の構造体。
- 前記スペーサ部材の導体は金属から形成されている、請求項16から18までのいずれか1項に記載の構造体。
- 前記スペーサ部材が、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、銅またはこれらを含む合金により構成されている、請求項19に記載の構造体。
- 前記スペーサ部材は、球状、楕球状またはフレーク状のいずれかの形状を呈する請求項16から20までのいずれか1項に記載の構造体。
- 前記スペーサ部材は曲面を有する形状を呈しており、前記曲面が第1または第2の部材と直接接触または100μm以下の薄層を介して接触している、請求項16から21までのいずれか1項に記載の構造体。
- 前記第1の部材と前記第2の部材との間の距離をLとし、
前記スペーサ部材における前記第1の部材と前記第2の部材との接合方向の長さをDとしたときに、前記長さDが前記距離Lに等しい請求項16から22までのいずれか1項に記載の構造体。 - 前記長さDは0.05mm以上20mm以下である請求項23に記載の構造体。
- 前記接合部材は熱硬化性樹脂から構成されている、請求項16から24までのいずれか1項に記載の構造体。
- 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂からなる群から選択される一または二以上の樹脂を含む請求項25に記載の構造体。
- 前記熱硬化性樹脂は、さらに無機粒子(前記スペーサ部材を除く)を含む、請求項26に記載の構造体。
- 前記電気パルスの印加電圧が1kV以上1000kV以下であり、パルス幅が1ns以上100ms以下である、請求項16から27までのいずれか1項に記載の構造体。
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