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JP7722073B2 - 真贋判定装置およびプログラム - Google Patents
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JP7722073B2 - 真贋判定装置およびプログラム - Google Patents

真贋判定装置およびプログラム

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Description

本発明は、真贋判定装置とそのプログラムに関する。
金融機関では口座開設時に運転免許証等のIDカード(本人確認証)による本人確認が必要であるが、特殊詐欺などの犯罪目的から別人になりすまして口座開設を行うためにIDカードを偽造、変造等するケースが増えつつある。
通常の金融機関では、ユーザが金融機関に出向いてIDカードを提出し、金融機関側は提出されたIDカードを用いて対面により本人確認するのが一般的である。この場合、IDカードをじっくりと観察でき、カードの触感でも不自然さを検出できる。
また特許文献1、2にはIDカードの券面をスキャナ等の読取装置で読取って得た画像からIDカードの真贋を判定する真贋判定装置が記載されており、提出されたIDカードをスキャナ等の読取装置で読取ることでIDカードの真贋判定を行うことも可能である。
特開2011-34535号公報 特開2019-117549号公報
最近ではネット銀行などインターネット上の金融機関も一般的になってきている。この種の金融機関では、スマートフォン等のカメラでIDカードの券面を撮影し、その撮影画像を金融機関に送ることで本人確認が行われるものもある。
この場合、本人確認は対面でなく画像だけで行われるので、偽造を見破るための工夫が望まれている。しかしながら、IDカードの撮影画像から偽造を検出することは難しく、オンラインでの申請等における課題となっていた。特に偽造対策としてホログラムが形成された本人確認証の場合、撮影画像にホログラムが映り込むことにより判定精度が低下するケースがあった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、本人確認証の真贋判定を好適に行うことのできる真贋判定装置等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、ホログラムが形成された本人確認証の真贋判定装置であって、前記本人確認証を撮影した撮影画像の所定の色成分による色画像を用い、前記本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を、正の文字の輪郭部分と比較することにより、前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有し、前記真贋判定手段は、前記撮影画像をグレースケール変換した画像を用い、検査対象の文字の輪郭部分を正の文字の輪郭部分と比較して前記本人確認証の真贋判定を行い、前記本人確認証が真とされなかった場合に、前記色画像を用いた真贋判定を行うことを特徴とする真贋判定装置である。
本人確認証に形成される文字は、そのフォントが予め定められている。そのため、本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を正の文字の輪郭部分と比較して真贋判定を行うことで、検査対象の文字が所定のフォントで形成された真の本人確認証と、検査対象の文字が所定のフォント以外のフォントで形成された偽の本人確認証とを好適に判別できる。また撮影画像の所定の色成分による色画像を判定に用いることで、文字へのホログラムの映り込みによる判定精度の低下を抑えることができる。また、色画像による判定は、グレースケール画像による判定を行った上で本人確認証が真とされなかった場合に限定し、ホログラムの映り込みの影響が予想されない場合は色画像による判定を行わないことで、真贋判定を全体として短時間で終了できる。
第2の発明は、ホログラムが形成された本人確認証の真贋判定装置であって、前記本人確認証を撮影した撮影画像の所定の色成分による色画像を用い、前記本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を、正の文字の輪郭部分と比較することにより、前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有し、前記真贋判定手段は、複数の前記色成分のそれぞれによる複数の前記色画像を用いた真贋判定を行うことを特徴とする真贋判定装置である。
本人確認証に形成される文字は、そのフォントが予め定められている。そのため、本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を正の文字の輪郭部分と比較して真贋判定を行うことで、検査対象の文字が所定のフォントで形成された真の本人確認証と、検査対象の文字が所定のフォント以外のフォントで形成された偽の本人確認証とを好適に判別できる。また撮影画像の所定の色成分による色画像を判定に用いることで、文字へのホログラムの映り込みによる判定精度の低下を抑えることができる。また、ホログラムの映り込みの影響は、ある色成分による色画像を見たときには現れるが、別の色成分による色画像を見たときには現れないということもある。そのため、複数の色成分による複数の色画像を用いることで、真贋判定の精度を向上させることができる。
第3の発明は、ホログラムが形成された本人確認証の真贋判定装置であって、前記本人確認証を撮影した撮影画像の所定の色成分による色画像を用い、前記本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を、正の文字の輪郭部分と比較することにより、前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有し、前記真贋判定手段は、正の文字の文字領域の画像において、原点から輪郭画素までのベクトルを算出し、検査対象の文字の文字領域の画像において、原点を始点とする前記ベクトルの先にある対応画素を検出し、前記対応画素が輪郭画素でない場合、前記対応画素の外側の範囲の画素を探索することで検出された輪郭画素と前記対応画素の位置の差を差異ベクトルとして算出し、前記差異ベクトルに基づく判定値により、前記本人確認証の真贋判定を行うことを特徴とする真贋判定装置である。
本人確認証に形成される文字は、そのフォントが予め定められている。そのため、本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を正の文字の輪郭部分と比較して真贋判定を行うことで、検査対象の文字が所定のフォントで形成された真の本人確認証と、検査対象の文字が所定のフォント以外のフォントで形成された偽の本人確認証とを好適に判別できる。また撮影画像の所定の色成分による色画像を判定に用いることで、文字へのホログラムの映り込みによる判定精度の低下を抑えることができる。また、検査対象の文字の輪郭部分と正の文字の輪郭部分との差異を差異ベクトルによって適切に評価し、真贋判定を好適に行うことができる。
検査対象の文字の輪郭画素は、当該文字を第1の階調値、背景を第2の階調値とした二値画像において、注目画素が第1の階調値であり且つ注目画素の周囲8画素の全てが第1の階調値でない場合、注目画素を第2の階調値とし、それ以外の場合、注目画素を第1の階調値とする処理を行うことで、第2の階調値の画素として得られ、正の文字の輪郭画素は、当該文字を第1の階調値、背景を第2の階調値とした二値画像において、注目画素が第1の階調値であり且つ注目画素の上下左右の4画素の全てが第1の階調値でない場合、注目画素を第2の階調値とし、それ以外の場合、注目画素を第1の階調値とする処理を行うことで、第2の階調値の画素として得られることも望ましい。
前記した差異ベクトルの算出方法は、正の文字の輪郭画素に対応する検査対象の文字領域の画素を探索するものであるため、画素の探索回数が正の文字の輪郭画素の数に対応し、検査対象の文字の輪郭画素の数が多ければ1回の探索が早期に終了する。従って、上記のように、厳しい基準により正の文字の輪郭画素を少なくする一方、緩めの基準により検査対象の文字の輪郭画素を多くすることで、真贋判定を高速に行い、且つ真の本人確認証を偽と誤判定するのを抑制できる。
前記真贋判定装置は、前記撮影画像をユーザ端末から受信する受信手段を有することが望ましい。
これにより、ユーザ端末から送信された本人確認証の撮影画像の真贋判定を真贋判定装置によって行う真贋判定システムをネットワークを利用して構築できる。
の発明は、コンピュータを、ホログラムが形成された本人確認証の真贋判定装置であって、前記本人確認証を撮影した撮影画像の所定の色成分による色画像を用い、前記本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を、正の文字の輪郭部分と比較することにより、前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有する真贋判定装置として機能させるためのプログラムであって、前記真贋判定手段は、前記撮影画像をグレースケール変換した画像を用い、検査対象の文字の輪郭部分を正の文字の輪郭部分と比較して前記本人確認証の真贋判定を行い、前記本人確認証が真とされなかった場合に、前記色画像を用いた真贋判定を行うことを特徴とするプログラムである。
第5の発明は、コンピュータを、ホログラムが形成された本人確認証の真贋判定装置であって、前記本人確認証を撮影した撮影画像の所定の色成分による色画像を用い、前記本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を、正の文字の輪郭部分と比較することにより、前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有する真贋判定装置として機能させるためのプログラムであって、前記真贋判定手段は、複数の前記色成分のそれぞれによる複数の前記色画像を用いた真贋判定を行うことを特徴とするプログラムである。
第6の発明は、コンピュータを、ホログラムが形成された本人確認証の真贋判定装置であって、前記本人確認証を撮影した撮影画像の所定の色成分による色画像を用い、前記本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を、正の文字の輪郭部分と比較することにより、前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有する真贋判定装置として機能させるためのプログラムであって、前記真贋判定手段は、正の文字の文字領域の画像において、原点から輪郭画素までのベクトルを算出し、検査対象の文字の文字領域の画像において、原点を始点とする前記ベクトルの先にある対応画素を検出し、前記対応画素が輪郭画素でない場合、前記対応画素の外側の範囲の画素を探索することで検出された輪郭画素と前記対応画素の位置の差を差異ベクトルとして算出し、前記差異ベクトルに基づく判定値により、前記本人確認証の真贋判定を行うことを特徴とするプログラムである。
本発明により、本人確認証の真贋判定を好適に行うことのできる真贋判定装置等を提供することができる。
真贋判定システム1を示す図。 真贋判定装置3のハードウェア構成を示す図。 ユーザ端末5のハードウェア構成を示す図。 真贋判定装置3の機能を示すブロック図。 IDカード10を示す図。 真贋判定システム1の処理の概略を示すフローチャート。 IDカード10の撮影画面の例。 真贋判定方法を示すフローチャート。 文字範囲200の切り出しについて説明する図。 文字画像300の作成について説明する図。 文字画像300の二値化について説明する図。 二値画像400のノッチ削除について説明する図。 検査画像500の作成について説明する図。 差異ベクトルVecの算出について説明する図。 ベクトルvの補正について説明する図。 真贋判定の手順を示すフローチャート。 ホログラムの映り込みについて説明する図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(1.真贋判定システム1)
図1は、本発明の実施形態に係る真贋判定装置3を有する真贋判定システム1を示す図である。真贋判定システム1は、真贋判定装置3とユーザ端末5とをネットワークを介して通信可能に接続して構成される。真贋判定システム1では、ユーザのIDカード10を撮影した撮影画像をユーザ端末5から真贋判定装置3に送信し、真贋判定装置3にて当該撮影画像からIDカード10の真贋判定を行う。
図2は真贋判定装置3のハードウェア構成を示す図である。真贋判定装置3は、制御部31、記憶部32、通信部33等をバス等で接続して構成されたコンピュータにより実現できる。ただしこれに限ることは無く適宜様々な構成をとることができ、複数のコンピュータによって真贋判定装置3を実現することも可能である。
制御部31はCPU、ROM、RAMなどから構成される。CPUは、記憶部32、ROMなどの記憶媒体に格納された真贋判定装置3の処理に係るプログラムをRAM上のワークエリアに呼び出して実行する。ROMは不揮発性メモリであり、ブートプログラムやBIOSなどのプログラム、データなどを恒久的に保持している。RAMは揮発性メモリであり、記憶部32、ROMなどからロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部31が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
記憶部32はハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリ等であり、後述する処理に際し真贋判定装置3が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OSなどが格納される。
通信部33はネットワークを介した通信を媒介する通信インタフェースであり、ユーザ端末5との間で通信を行う。
ユーザ端末5はユーザの所持する端末であり、IDカード10を撮影してその撮影画像を真贋判定装置3に送信する。ユーザ端末5としては、例えばスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末などが用いられる。
図3はユーザ端末5のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、ユーザ端末5は、制御部51、記憶部52、表示部53、入力部54、通信部55、カメラ56、音声入出力部57等をバス等により接続して構成される。ただしこれに限ることは無く、適宜様々な構成をとることができる。
制御部51、記憶部52、通信部55は上述した制御部31、記憶部32、通信部33と略同様である。また表示部53は液晶パネル等のディスプレイ装置を有し、ユーザ端末5に入力を行うための入力部54としてタッチパネルが設けられている。音声入出力部57は、音声の入出力に用いるマイクやスピーカーを備える。
カメラ56は、光学レンズ、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子、A/D(Analog/Digital)変換部等から構成されるエリアカメラである。カメラ56は、光学レンズを介して入力された被写体像を撮像素子により光電変換し、アナログ画像信号を生成する。そして、A/D変換部によりアナログ画像信号をデジタル画像データに変換する。
図4は、真贋判定装置3の機能を示すブロック図である。真贋判定装置3は、受信手段301、真贋判定手段302等を有する。
受信手段301は、真贋判定装置3の制御部31が、通信部33を介してユーザ端末5からIDカード10の撮影画像を受信するものである。
真贋判定手段302は、真贋判定装置3の制御部31が、ユーザ端末5から受信したIDカード10の撮影画像を用い、IDカード10の真贋判定を行うものである。この真贋判定の詳細については後述する。
(2.IDカード10)
IDカード10は、本実施形態において真贋判定の対象となる本人確認証である。本人確認証は、金融機関や携帯電話キャリア、各種の行政機関等で本人確認に用いられる媒体をいい、例えば在留カード、運転免許証、マイナンバーカード、特別永住者カードなどである。また本実施形態ではIDカード10に偽造対策としてホログラムが形成されているものとする。
図5はIDカード10(在留カード)の概略を示す図であり、IDカード10の券面情報を一部省略して模式的に示したものである。
IDカード10には様々な券面情報が印刷により形成され、例えば在留カードについては、カード発行国11、在留番号12、カード所持者の生年月日13、顔画像14、在留資格15、就労制限の有無16、カードの交付年月日17、有効期限18などが券面情報の例として挙げられる。
このうち、在留番号12、生年月日13、顔画像14、在留資格15、就労制限の有無16、交付年月日17、有効期限18などは個々のIDカード10によって異なるオンデマンド情報である。
一方、在留番号12、生年月日13、在留資格15、就労制限の有無16、交付年月日17、有効期限18の記載欄を示す「番号」「生年月日」「在留資格」「就労制限の有無」「交付年月日」「このカードは…」などの文字、およびカード発行国11やIDカード10の名称(「在留カード」)等は、各IDカード10で共通に使用される。これらの文字は、オンデマンド情報の印刷前にカード基材上の決まった位置に予め形成され、プレ印刷部分と呼ばれる。
IDカード10は、予め上記のプレ印刷部分を形成したカード基材に前記のオンデマンド情報を印刷することで製造される。オンデマンド情報やプレ印刷部分がどのような構成となるかは、在留カード、運転免許証、マイナンバーカード、特別永住者カードなどIDカード10の種類によって異なる。
(3.真贋判定システム1の処理の概略)
図6は、真贋判定システム1で実行される処理の概略を示すフローチャートである。図6のS1~S2、S7~S8はユーザ端末5の制御部51がユーザ端末5の各部を制御して実行する処理であり、S3~S6は真贋判定装置3の制御部31が真贋判定装置3の各部を制御して実行する処理である。
本実施形態では、まずユーザがユーザ端末5を操作して記憶部52に予め格納された専用のアプリケーションプログラムを立ち上げる。すると、ユーザ端末5は表示部53にメニュー画面(不図示)を表示させ、メニュー画面でのユーザの選択に応じてカメラ56を起動し、IDカード10の券面を撮影する(S1)。
図7はこの時のIDカード10の撮影画面の例である。本実施形態では、カメラ起動時にユーザ端末5の表示部53にインストラクションを表示するなどして、所定の枠531内にIDカード10を収めるよう促してIDカード10の撮影を行う。
ユーザ端末5は、IDカード10を撮影すると、撮影画像を真贋判定装置3に送信する(S2)。撮影画像は、画素の色をR(赤)、G(緑)、B(青)の各成分の階調値により定めたカラー画像(RGB画像)である。真贋判定装置3は、IDカード10の撮影画像を受信する(S3)と、撮影画像を用いてIDカード10の真贋を判定する(S4)。
本実施形態の真贋判定は、真のIDカード10では券面の文字に所定のフォントが使用されることに基づいて行う。真贋判定方法の詳細については後述する。
真贋判定装置3は、IDカード10が真でないと判定した場合(S5;NO)、IDカード10が真でない旨をユーザ端末5に送信する(S6)。ユーザ端末5は、IDカード10が真でない旨を受信すると(S7)、これを表示部53に表示し(S8)、処理を終了する。
一方、真贋判定装置3は、IDカード10を真と判定した場合(S5;YES)、真贋判定処理を完了する。例えばインターネット上の金融機関で口座を開設する際の本人確認として上記真贋判定を行う場合、真贋判定処理の後、口座開設に必要な情報としてIDカード10の券面のユーザ情報(氏名や生年月日など)をIDカード10の撮影画像から取得してその登録を行い、記憶部52にユーザ情報を記憶することができる。
(3-1.文字の形状面に基づく真贋判定)
前記したように、本実施形態では、真のIDカード10の券面の文字に所定のフォントが使用されることに基づいて、文字の形状面からS4(図6参照)の真贋判定を行う。
すなわち、IDカード10のプレ印刷部分やオンデマンド情報の文字は、所定範囲に所定のフォントで形成されている。従って、IDカード10の撮影画像から抽出した所定範囲の文字と、真のIDカード10で当該所定範囲に使用されている正の文字とを形状面から比較することで、正のIDカード10とは異なるフォントを用いた偽のIDカード10を判別することができる。
図8は、前記のS4(図6参照)における真贋判定方法の手順を示すフローチャートである。
本実施形態では、S4において、まずIDカード10の撮影画像(RGB画像)の所定範囲をグレースケール変換し、グレースケール画像を作成する。また撮影画像の所定範囲に関し、所定の色成分としてB成分、R成分を抽出し、これらの色成分による色画像、すなわちB成分の階調値による画像(以下、B画像という)とR成分の階調値による画像(以下、R画像という)を作成する(S401)。上記の所定範囲は、検査対象の文字が存在する範囲として予め設定することができ、本実施形態では前記したプレ印刷部分の文字が形成された範囲とする。
次に、真贋判定装置3は、グレースケール画像を二値化する(S402)。グレースケール画像は、画素の明度を0~255の階調値で示す画像とし、階調値0を黒、階調値255を白とする。また二値画像は、文字部分を黒の画素(第1の階調値の画素)とし、背景部分を白の画素(第2の階調値の画素)とした画像とする。これは後述する他の二値画像でも同様である。ただし、グレースケール画像の仕様や二値画像の表現は上記に限らない。
次に、真贋判定装置3は、二値化後の画像について、検査対象の文字の範囲(文字範囲という)を切り出す(S403)。
切り出し方法は特に限定されないが、本実施形態では、まず、図9(a)に示すように、二値化後の画像100において黒画素が存在する列101と行102を検出する。そして、図9(b)に示すように、黒画素の存在する列101が画像100の中心に近い位置で所定数以上連続する領域を101aとし、黒画素の存在する行102が、同じく画像100の中心に近い位置で所定数以上連続する領域を102aとし、領域101a、102aからなる範囲100aを抽出する。
真贋判定装置3は、必要に応じて、抽出した範囲100aについて図9(a)、(b)の処理を行い、図9(c)に示すように最終的に抽出された範囲200を文字範囲とする。上記の所定数は例えば10ドットとするが、これに限定されない。図10(a)は、検査対象の文字をIDカード10のプレ印刷部分の「留」の文字とし、S402~S403の処理により「留」の文字範囲200を切り出した例である。
真贋判定装置3は、図10(b)に示すように、文字範囲200の切り出しを行った元のグレースケール画像20について、その解像度(dpi)を、上記の文字範囲200が所定サイズとなるように変換する(S404)。
本実施形態では、上記の所定サイズとして、縦横のドット数を複数(本実施形態では89、90、91の3つ)設定し、文字範囲200がこれらのサイズとなるように変換した複数のグレースケール画像20’について後述するS405~S410の処理を行う。これは撮影画像のノイズの影響を減らし、判定精度を向上させるためである。しかしながら、上記の所定サイズは1つとしてもよいし、具体的なサイズも特に限定されない。解像度変換時の倍率は、上記のドット数に、元のグレースケール画像20の文字範囲200の縦横のドット数のうち大きい方のドット数を合わせる倍率とし、解像度変換には例えばBicubic法を用いることができる。
真贋判定装置3は、次に、グレースケール画像20’から検査対象の文字を再度切り出し、文字画像を作成する(S405)。ここでは、図10(c)に示すように、文字画像300の範囲を、その中心Cがグレースケール画像20’における文字範囲200の中心と一致する、前記所定サイズよりも大きいサイズ(例えば縦横104ドット)の範囲とするが、これに限ることはない。
次に、真贋判定装置3は、文字画像300についてノイズ除去処理を行う(S406)。本実施形態では、ノイズ除去処理としてローパスフィルタ処理と膨張収縮処理を行い、これにより高周波の階調値変化(ノイズ)を除去する。
本実施形態では、S406において、まず、文字画像300のローパスフィルタ処理を行う。ローパスフィルタ処理は既知であるが、例えば本実施形態では、下式(1)に示すように、文字画像300の注目画素を中心とする一定範囲の各画素の階調値pnに、各画素の位置に応じた係数kn(重み付け係数)を掛けてその総和Σ(pn×kn)を算出し、この総和Σ(pn×kn)を係数knの総和Σknで割って注目画素の階調値p0’とする処理を、文字画像300の各画素を注目画素として行う。
p0’=Σ(pn×kn)/Σkn…(1)
ただし本実施形態では、上記の総和Σ(pn×kn)、Σknを、上記一定範囲内の画素のうち、その階調値pnと注目画素の元の階調値p0との差が所定値未満である画素について算出する。総和Σ(pn×kn)、Σknの算出にあたり、注目画素との階調値の差が大きい画素を考慮しないことで、文字周囲のエッジがボケないようにローパスフィルタ処理を実行できる。上記の所定値は例えば30とするが、これに限ることはない。
S406では、ローパスフィルタ処理後の文字画像300について、さらに、文字部分の膨張収縮処理を行う。膨張収縮処理は既知であるが、例えば本実施形態では、注目画素の階調値を、注目画素を中心とする一定範囲の画素の階調値のうち最も大きな値に置き換える処理を、文字画像300の各画素を注目画素として行う。これにより文字部分を収縮させた後、上記とは逆に、注目画素の階調値を、注目画素を中心とする一定範囲の画素の階調値のうち最も小さい値に置き換える処理を、文字画像300の各画素を注目画素として行う。こうして収縮後の文字部分を膨張させることで、文字部分の輪郭が整形されてノイズが減少する。
最後に、文字画像300のトリミング処理を行うことで、S406の処理を終了する。トリミングにより除去する部分は、文字画像300の外縁の所定幅の部分とし、その幅はS407の処理で設定した各一定範囲のサイズに応じて定める。
その後、真贋判定装置3は、文字画像300の二値化処理を行う(S407)。
本実施形態では、真贋判定に用いる正のデータとして、検査対象の文字(本実施形態では「留」)の正の二値画像が予め真贋判定装置3の記憶部32に登録されている。S407では、正のデータとの比較の上で最適な二値化を行うため、二値化の際の閾値を正のデータとの比較により決定する。
より具体的には、まず文字画像300について、階調値ごとの画素数を示すヒストグラムを作成する。そして、図11(a)に示すように、文字画像300に登場する階調値Vの最小値と最大値の間を均等に分割し、その分割値Dnと各分割区間Dの中心値Cnを設定する。設定方法は様々であるが、この例では分割区間D内の最小の階調値Vが分割値Dnとなっており、分割値Dnの最大値は文字画像300に登場する階調値Vの最大値より1大きい。また中心値Cnは上下の分割値Dnの平均により算出できる。分割区間Dの数は実際には16程度とするが、図11の例では説明のためその数を3としている。
次に、それぞれの分割区間Dについて、分割区間D内の各階調値V、および、各階調値Vの画素数Sを用い、下式(2)により重心値Mnを算出する。そして、図11(b)に示すように、上下の分割区間Dの重心値Mnの平均により新たな分割値Dnを算出し、これにより前記の分割値Dn(分割値Dnの最大値と最小値を除く)を更新する。
Mn=Σ(V・S)/ΣS…(2)
そして、図11(c)に示すように、更新後の新たな分割値Dnを用いて前記と同様に新たな中心値Cnを算出し、これにより前記の中心値Cnを更新する。図11(a)~(c)の処理を、新たな中心値Cnと更新前の中心値Cnの間に差異が無くなるまで繰り返し、処理終了時の分割値Dn(分割値Dnの最小値を除く)を閾値に設定する。これにより複数の閾値が得られる。なお重心値Mn以外の各値は整数値であり、上記の処理においては、算出された値を必要に応じて四捨五入等により整数化する。
真贋判定装置3は、各閾値により文字画像300を二値化し、その際の黒の画素の数を正のデータの黒の画素の数と比較し、差が最も小さくなる閾値を、最終的な閾値とする。S407では、この閾値により文字画像300を二値化することで、正のデータとの比較の上で最適な二値化を行うことができる。
図12(a)はS407の処理で得られる二値画像400の例であり、真贋判定装置3は、この二値画像400について、ノッチ削除処理を行う(S408)。
削除するノッチは細かな(例えば1ドット単位の)凹凸であり、本実施形態では、二値画像400の注目画素を中心とする一定範囲について、図12(b)に示すように、ノッチの存在するパターンを検出した時に当該パターンをノッチの存在しないパターンに置き換える処理を、二値画像400の各画素を注目画素として行う。ノッチの存在するパターンとノッチの存在しないパターンは1対1で対応し、白の画素のノッチと黒の画素のノッチのそれぞれについて図12(b)の例以外にも複数用意される。
本実施形態では、上記の置き換え処理を行った後の二値画像400について、必要に応じて、再度同じ置き換え処置を行う。これにより、二値画像400に存在する細かな凹凸を確実に削除し、真贋判定の精度を向上させることができる。
次に、真贋判定装置3は、ノッチ削除後の二値画像400について、文字の輪郭抽出処理を行って検査画像を作成する(S409)。
本実施形態では、図13(a)に示すように、二値画像400の注目画素について、注目画素が黒(第1の階調値)であり且つ注目画素の周囲8画素の少なくともいずれかが白(第2の階調値)の場合、注目画素を白とし、それ以外の場合は注目画素を黒とする処理を、二値画像400の各画素を注目画素として行う。これにより、図13(b)に示すように文字の輪郭画素を白で示す検査画像500を作成する。
一方、本実施形態では、図13(c)に示すように、正のデータについても、同様の輪郭抽出処理を行って正の輪郭画像を得る。ただし、輪郭抽出の際の条件は上記とは異なり、正のデータ(二値画像)の注目画素について、注目画素が黒(第1の階調値)であり且つ注目画素の上下左右の4画素の少なくともいずれかが白(第2の階調値)の場合、注目画素を白とし、それ以外の場合は注目画素を黒とする。これにより、正のデータについても、図13(d)に示すように文字の輪郭画素を白で示す正の輪郭画像Rが作成される。
図13(a)と図13(c)の比較で分かるように、輪郭抽出時の条件は、注目画素の上下左右の4画素のみで白の画素を探索する正のデータの方が、注目画素の周囲8画素で白の画素を探索する二値画像400よりも厳しくなっており、そのため正の輪郭画像Rでは、検査画像500よりも輪郭画素の数が少なくなっている。
真贋判定装置3は、次に、検査画像500の輪郭部分と正の輪郭画像Rの輪郭部分とを比較し、これらの輪郭部分の差異に基づき、真贋判定に用いる判定値を算出する(S410)。
本実施形態では、まず図14(a)に示すように、検査画像500と正の輪郭画像Rのそれぞれについて、輪郭画素に外接する矩形領域を文字領域t、rとして抽出する。文字領域t、rは、画像(検査画像500、正の輪郭画像R)内で最も左に位置する輪郭画素と最も右に位置する輪郭画素との間を横方向の範囲、画像内で最も上に位置する輪郭画素と最も下に位置する輪郭画素との間を縦方向の範囲とした領域となる。
真贋判定装置3は、図14(b)に示すように、正の輪郭画像Rの文字領域rの輪郭画素について、文字領域rの原点о(Xr0,Yr0)からのベクトルv(xr,yr)を求める。そして、図14(c)に示すように、検査画像500の文字領域tの原点501(Xt0,Yt0)を始点とする上記ベクトルvの先にある対応画素502を検出する。
対応画素502が輪郭画素でない場合、対応画素502を中心とする文字領域tの一定範囲(以下、探索範囲ということがある)において、対応画素502の近傍から外側に向かって順に画素を探索する。具体的な探索順は特に限定されない。そして、最初に検出された輪郭画素と対応画素502の位置の差を差異ベクトルVec(x,y)として記憶部32に記録する。対応画素502が輪郭画素の場合は、(0,0)を差異ベクトルVec(x,y)として記録する。なお原点о(Xr0,Yr0)、原点501(Xt0,Yt0)はそれぞれ文字領域r、tの左上部分の画素とするが、これに限らない。
真贋判定装置3は、正の輪郭画像Rの文字領域rの各輪郭画素について上記の手順で差異ベクトルVec(x,y)を算出し、その総和ΣVec(x,y)を求め、Vec(x,y)の平均値avgVec(x,y)を以下の式(3)で算出する。Nは差異ベクトルVecの総数すなわち文字領域rの輪郭画素の数である。
avgVec(x,y)=(1/N)ΣVec(x,y)…(3)
真贋判定装置3は、avgVecの両要素x,yの絶対値が0.5未満であれば処理を終了し、当該avgVecを得た時の差異ベクトルVec(x,y)の長さの平均値に100を掛けたものを判定値Resultとし、判定値Resultを以下の式(4)により算出する。
Result=(100/N)Σ(Vec(x)2+Vec(y)2)1/2…(4)
一方、真贋判定装置3は、avgVecの要素x,yのいずれかあるいは双方の絶対値が0.5以上の場合、図14(d)に示すように、検査画像500の原点501を、avgVec(x,y)の各要素x,yを四捨五入等により整数化したベクトルIntavgVec(x,y)分だけ補正(オフセット)し、前記の手順により正の輪郭画像Rの文字領域rの各輪郭画素について差異ベクトルVec(x,y)を再度算出する。そして、これらの差異ベクトルVec(x,y)から式(4)により判定値Resultを算出する。なお、式(4)では差異ベクトルVec(x,y)の長さの平均値に100を掛けているが、100を掛けない値を判定値Resultとして用いることもできる。
S405~S410の処理は、S404の解像度変換で得た3つのグレースケール画像20’(図10(b)参照)について行われ、真贋判定装置3は、各グレースケール画像20’について得た判定値Resultのうち最も小さい値を最終的な判定値として決定し、その判定値Resultを利用した真贋判定を行う(S411)。真贋判定の手順については後述する。
判定値Resultの基本的な算出手順については上記の通りであるが、S410では、正の輪郭画像Rの文字領域rと検査画像500の文字領域tのサイズの違いを考慮し、ベクトルvや原点501の位置(Xt0,Yt0)の補正を行うことも望ましい。
例えばベクトルvの補正については、両文字領域r、tのサイズの違いを、横方向の倍率magXおよび縦方向の倍率magYとして下式(5)、(6)により算出し、magXとmagYのうち1に近い方を比較倍率magとして求める。
magX=(文字領域tの横方向のサイズ)/(文字領域rの横方向のサイズ)…(5)
magY=(文字領域tの縦方向のサイズ)/(文字領域rの縦方向のサイズ)…(6)
そして、図15に示すように、検査画像500の文字領域t内で対応画素502を検出する際に用いるベクトルv(xr,yr)を、各要素xr,yrに比較倍率magを掛けたベクトルv・magとして補正する。なおベクトルv・magの各要素(xr・mag,yr・mag)については、四捨五入等による整数化を行う。検査画像500の文字領域tの原点501に関しても、上記の比較倍率magを考慮した位置の補正を行うことができ、例えば比較倍率magの値に応じて、原点501の位置が文字領域tの中心に近づくあるいは文字領域tの中心から遠ざかるようにオフセットを行う。
その他、文字領域tにおける画素の探索(図14(c)参照)に関しても、文字領域tの輪郭画素のそれぞれについて、検出回数(差異ベクトルVecの算出対象となった回数)を記録するようにし、探索時には、探索対象の画素が輪郭画素であることに加え、当該画素の検出回数が所定値以下であることを検出条件としてもよい。例えば上記の所定値を2とする場合、検出回数が3以上の画素についてはそれが輪郭画素であっても差異ベクトルVecの算出対象として検出せず、前記の探索順に従って次の画素を探索する。
また、探索範囲を全て探索し終わっても差異ベクトルVecの算出対象の輪郭画素を検出できなかった場合には、例えば差異ベクトルVec(x,y)を、輪郭画素を検出できなかった回数がその探索時も含めて偶数回の場合(8,8)、奇数回の場合(-8,-8)と記録することができる。こうして同絶対値、異符号の値を偶奇に応じて記録することにより、差異ベクトルVecの総和ΣVec(x,y)を算出する際の影響を小さくできる。なお絶対値は探索範囲のサイズ等を考慮して定めることができ、上記のように8に限定されることはない。また探索範囲の大きさ、形状等も限定されず、例えば形状に関しては、探索範囲を正方形状の範囲としてもよいし、円形の範囲としてもよい。
(3-2.判定値Resultを利用した真贋判定の手順)
前記したように、S411(図8参照)では判定値Resultを利用した真贋判定を行う。この判定値ResultはS401で作成したグレースケール画像20から最終的に得られたものであるが、本実施形態では必要に応じてS401で作成したR画像、B画像も判定に利用するので、その手順について以下説明する。
図16は、S411における真贋判定の手順を示すフローチャートである。本実施形態では、判定値Resutを所定の基準値と比較し、判定値Resultが基準値より小さい場合(S4110;YES)、IDカード10を真とする(S4111)。基準値は判定精度等を考慮して適宜定めることができる。
一方、判定値Resutが基準値以上の場合(S4110;NO)は、IDカード10を真とはしない。ただし本実施形態では、図17に示すように、IDカード10の撮影画像へのホログラムの映り込みにより二値画像400の文字が大きく欠け、判定値Resultを誤算出した可能性を考慮し、判定値Resultが一定値以上の場合(S4112;YES)は、B画像についてS402~S410の処理を行い、検査対象の文字の輪郭部分と正の文字の輪郭部分との比較に基づく判定値Resultを算出する(S4113)。
これは、IDカード10の撮影画像のRGB成分をグレースケール化したグレースケール画像20とは異なり、IDカード10の撮影画像の個々の色成分、特にR成分やB成分を見た場合には、ホログラムの色が現れず、文字への影響が少ないことがあるためである。例えば撮影画像におけるホログラムの色が赤である場合、撮影画像のB成分を見た時に文字への影響が少なくなり、ホログラムの色が青である場合、R成分を見た時に文字への影響が少なくなる。上記の一定値は基準値より大きな値とし、具体的な値は判定精度等を考慮して適宜定めることができる。
真贋判定装置3は、S4113により得られた判定値Resultが上記の一定値以上でない場合(S4114;NO)、その判定値Resultを所定の基準値と比較し、判定値Resultが基準値より小さい場合(S4115;YES)、IDカード10を真とする(S4116)。
なお、S4112で判定値Resultが一定値より小さい場合(S4112;NO)およびS4115で判定値Resultが基準値以上の場合(S4115;NO)は、いずれもIDカード10を偽とする(S4117)。
一方、S4114で判定値Resultが一定値以上の場合(S4114;YES)は、さらに、R画像についてS402~S410の処理を行い、検査対象の文字の輪郭部分と正の文字の輪郭部分との比較に基づく判定値Resultを算出し(S4118)、グレースケール画像20、B画像、R画像から得られた判定値Resultのうち最も小さいものを最終判定値として決定する(S4119)。
そして、その判定値Resultが基準値より小さい場合(S4115;YES)、IDカード10を真とし(S4116)、判定値Resultが基準値以上の場合(S4115;NO)はIDカード10を偽とする(S4117)。
以上説明したように、本実施形態では、IDカード10に形成される文字のフォントが予め定められていることを利用し、IDカード10の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を正の文字の輪郭部分と比較して真贋判定を行うことで、検査対象の文字が所定のフォントで形成された真のIDカード10と、検査対象の文字が所定のフォント以外のフォントで形成された偽のIDカード10とを好適に判別できる。
本実施形態の真贋判定方法は、特に、ホログラムなどの偽造防止策がとられているため単純なコピーが難しいIDカード10に対して有効であり、券面を一から作成するような変造が行われた偽のIDカード10を好適に判別できる。また本実施形態では、撮影画像の所定の色成分による色画像を判定に用いることで、文字へのホログラムの映り込みによる判定精度の低下を抑えることができる。
また色画像による判定は、グレースケール画像20による判定を行った上でIDカード10が真とされなかった場合に限定し、ホログラムの映り込みの影響が予想されない場合は色画像による判定を行わないことで、真贋判定を全体として短時間で終了できる。
ホログラムの映り込みの影響は、ある色成分による色画像を見たときには現れるが、別の色成分による色画像を見たときには現れないということもある。そのため、複数の色成分(本実施形態ではB成分、R成分)による複数の色画像を用いることで、真贋判定の精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では検査対象の文字をプレ印刷部分の文字としている。プレ印刷部分の文字については、どの範囲にどの文字が形成されるかが予め決まっているので、比較対象となる正の文字が予め分かっており、正のデータが少数で済む。また形状面での比較を行うことにより、フォントが異なる場合だけでなく、文字自体が異なる場合にも偽のIDカード10として検出できる。
また本実施形態では、図14等で説明した手法により算出した差異ベクトルVecにより、検査対象の文字の輪郭部分と正の文字の輪郭部分との差異を適切に評価し、真贋判定を好適に行うことができる。
ここで、図14等で説明した差異ベクトルVecの算出方法は、正の文字の輪郭画素に対応する検査対象の文字領域tの画素を探索するものであるため、画素の探索回数が正の文字の輪郭画素の数に対応し、検査対象の文字の輪郭画素の数が多ければ1回の探索が早期に終了する。従って、図13等で説明したように、厳しい基準により正の文字の輪郭画素を少なくする一方、緩めの基準により検査対象の文字の輪郭画素を多くすることで、真贋判定を高速に行い、且つ真のIDカード10を偽と誤判定するのを抑制できる。
しかしながら、本発明は以上の実施形態で説明したものに限らない。例えば本実施形態では口座開設時の本人確認として真贋判定を行うことについて例示したが、本実施形態の真贋判定の適用場面あるいは適用目的は特に限定されない。
また本実施形態では、検査対象の文字をプレ印刷部分の文字としたが、オンデマンド情報の文字としてもよい。この場合、検査対象の文字を含む撮影画像の所定範囲について既知のOCR(Optical Character Recognition)処理を行って文字を認識したうえで、当該文字に対応する正のデータを真贋判定に用いる。
ただし、オンデマンド情報に関しては、撮影画像の所定範囲に形成される文字が個々のIDカード10によって異なるので、準備すべき正のデータが多くなる。しかしながら、オンデマンド情報としては、生年月日など0から9の数字のみ形成される範囲や、AからZのアルファベットのみ形成される範囲も存在するので、当該範囲の文字を真贋判定に用いる場合は、正のデータが比較的少数で済む。
また本実施形態では、S407(図8参照)での文字画像300の二値化にあたり、二値化時の黒画素の数を正のデータの黒画素の数と比較することにより複数の閾値のなかから最終的な閾値を定めたが、全ての閾値あるいはそのうち二値化時の黒画素の数が正のデータの黒画素の数に近い複数の閾値により二値化を行った各二値画像について、前記した手順により式(4)による判定値Resultの算出まで行い、判定値Resultが最も小さいものを最終的な閾値として決定しても良い。
また本実施形態では検査対象の文字を1つとしているが、検査対象の文字を複数とし、全ての文字について前記の真贋判定手順でIDカード10が真とされるか、あるいは、IDカード10が真とされる文字が所定数以上の場合に、IDカード10が真であると最終的に決定してもよい。
また本実施形態では撮影画像のG成分を真贋判定に用いていないが、これはG成分による画像(G画像)がグレースケール画像20に近いためである。ただし、グレースケール画像20からの真贋判定を省略することもでき、この場合は、R画像、B画像、G画像のそれぞれについてS402~S410の手順で算出した判定値Resultを比較し、そのうち最も小さいものを基準値と比較して真贋判定を行っても良い。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1:真贋判定システム
3:真贋判定装置
5:ユーザ端末
10:IDカード
301:受信手段
302:真贋判定手段

Claims (8)

  1. ホログラムが形成された本人確認証の真贋判定装置であって、
    前記本人確認証を撮影した撮影画像の所定の色成分による色画像を用い、前記本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を、正の文字の輪郭部分と比較することにより、前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有し、
    前記真贋判定手段は、前記撮影画像をグレースケール変換した画像を用い、検査対象の文字の輪郭部分を正の文字の輪郭部分と比較して前記本人確認証の真贋判定を行い、前記本人確認証が真とされなかった場合に、前記色画像を用いた真贋判定を行う
    ことを特徴とする真贋判定装置。
  2. ホログラムが形成された本人確認証の真贋判定装置であって、
    前記本人確認証を撮影した撮影画像の所定の色成分による色画像を用い、前記本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を、正の文字の輪郭部分と比較することにより、前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有し、
    前記真贋判定手段は、複数の前記色成分のそれぞれによる複数の前記色画像を用いた真贋判定を行う
    ことを特徴とする真贋判定装置。
  3. ホログラムが形成された本人確認証の真贋判定装置であって、
    前記本人確認証を撮影した撮影画像の所定の色成分による色画像を用い、前記本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を、正の文字の輪郭部分と比較することにより、前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有し、
    前記真贋判定手段は、
    正の文字の文字領域の画像において、原点から輪郭画素までのベクトルを算出し、
    検査対象の文字の文字領域の画像において、原点を始点とする前記ベクトルの先にある対応画素を検出し、
    前記対応画素が輪郭画素でない場合、前記対応画素の外側の範囲の画素を探索することで検出された輪郭画素と前記対応画素の位置の差を差異ベクトルとして算出し、
    前記差異ベクトルに基づく判定値により、前記本人確認証の真贋判定を行う
    ことを特徴とする真贋判定装置。
  4. 検査対象の文字の輪郭画素は、
    当該文字を第1の階調値、背景を第2の階調値とした二値画像において、注目画素が第1の階調値であり且つ注目画素の周囲8画素の少なくともいずれかが第2の階調値である場合、注目画素を第2の階調値とし、それ以外の場合、注目画素を第1の階調値とする処理を行うことで、第2の階調値の画素として得られ、
    正の文字の輪郭画素は、
    当該文字を第1の階調値、背景を第2の階調値とした二値画像において、注目画素が第1の階調値であり且つ注目画素の上下左右の4画素の少なくともいずれかが第2の階調値である場合、注目画素を第2の階調値とし、それ以外の場合、注目画素を第1の階調値とする処理を行うことで、第2の階調値の画素として得られることを特徴とする請求項記載の真贋判定装置。
  5. 前記真贋判定装置は、前記撮影画像をユーザ端末から受信する受信手段を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の真贋判定装置。
  6. コンピュータを、
    ホログラムが形成された本人確認証の真贋判定装置であって、
    前記本人確認証を撮影した撮影画像の所定の色成分による色画像を用い、前記本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を、正の文字の輪郭部分と比較することにより、前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有する真贋判定装置として機能させるためのプログラムであって、
    前記真贋判定手段は、前記撮影画像をグレースケール変換した画像を用い、検査対象の文字の輪郭部分を正の文字の輪郭部分と比較して前記本人確認証の真贋判定を行い、前記本人確認証が真とされなかった場合に、前記色画像を用いた真贋判定を行う
    ことを特徴とするプログラム
  7. コンピュータを、
    ホログラムが形成された本人確認証の真贋判定装置であって、
    前記本人確認証を撮影した撮影画像の所定の色成分による色画像を用い、前記本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を、正の文字の輪郭部分と比較することにより、前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有する真贋判定装置として機能させるためのプログラムであって、
    前記真贋判定手段は、複数の前記色成分のそれぞれによる複数の前記色画像を用いた真贋判定を行う
    ことを特徴とするプログラム
  8. コンピュータを、
    ホログラムが形成された本人確認証の真贋判定装置であって、
    前記本人確認証を撮影した撮影画像の所定の色成分による色画像を用い、前記本人確認証の所定範囲に形成された検査対象の文字の輪郭部分を、正の文字の輪郭部分と比較することにより、前記本人確認証の真贋判定を行う真贋判定手段を有する真贋判定装置として機能させるためのプログラムであって、
    前記真贋判定手段は、
    正の文字の文字領域の画像において、原点から輪郭画素までのベクトルを算出し、
    検査対象の文字の文字領域の画像において、原点を始点とする前記ベクトルの先にある対応画素を検出し、
    前記対応画素が輪郭画素でない場合、前記対応画素の外側の範囲の画素を探索することで検出された輪郭画素と前記対応画素の位置の差を差異ベクトルとして算出し、
    前記差異ベクトルに基づく判定値により、前記本人確認証の真贋判定を行う
    ことを特徴とするプログラム
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