本開示の蓄電デバイス用外装材は、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、基材層の厚みは、18μm以上22μm以下であり、バリア層の厚みは、27μm以上38μm以下であり、積層体の厚みは、100μm以下であることを特徴とする。本開示の蓄電デバイス用外装材は、このような構成を備えることにより、厚みが100μm以下と薄いにも拘わらず、成形によるカールが抑制され、さらに、高い機械的強度を有する。
以下、本開示の蓄電デバイス用外装材について詳述する。なお、本明細書において、「~」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2~15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。また、本明細書において、積層体を構成する各層の厚みは、小数点第一位を四捨五入した値とする。
1.蓄電デバイス用外装材の積層構造及び物性
本開示の蓄電デバイス用外装材10は、例えば図1に示すように、基材層1、バリア層3、及び熱融着性樹脂層4をこの順に備える積層体から構成されている。蓄電デバイス用外装材10において、基材層1が最外層側になり、熱融着性樹脂層4は最内層になる。蓄電デバイス用外装材10と蓄電デバイス素子を用いて蓄電デバイスを組み立てる際に、蓄電デバイス用外装材10の熱融着性樹脂層4同士を対向させた状態で、周縁部を熱融着させることによって形成された空間に、蓄電デバイス素子が収容される。本開示の蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体において、バリア層3を基準とし、バリア層3よりも熱融着性樹脂層4側が内側であり、バリア層3よりも基材層1側が外側である。
蓄電デバイス用外装材10は、例えば図2から図4に示すように、基材層1とバリア層3との間に、これらの層間の接着性を高めることなどを目的として、必要に応じて接着剤層2を有していてもよい。また、例えば図3及び図4に示すように、バリア層3と熱融着性樹脂層4との間に、これらの層間の接着性を高めることなどを目的として、必要に応じて接着層5を有していてもよい。また、図4に示すように、基材層1の外側(熱融着性樹脂層4側とは反対側)には、必要に応じて表面被覆層6などが設けられていてもよい。蓄電デバイス用外装材10の積層構成の具体例としては、基材層1/バリア層3/熱融着性樹脂層4がこの順に積層された積層構成;基材層1/接着剤層2/バリア層3/熱融着性樹脂層4がこの順に積層された積層構成;基材層1/バリア層3/接着層5/熱融着性樹脂層4がこの順に積層された積層構成;基材層1/接着剤層2/バリア層3/接着層5/熱融着性樹脂層4がこの順に積層された積層構成;表面被覆層6/基材層1/バリア層3/熱融着性樹脂層4がこの順に積層された積層構成;表面被覆層6/基材層1/接着剤層2/バリア層3/熱融着性樹脂層4がこの順に積層された積層構成;表面被覆層6/基材層1/バリア層3/接着層5/熱融着性樹脂層4がこの順に積層された積層構成;表面被覆層6/基材層1/接着剤層2/バリア層3/接着層5/熱融着性樹脂層4がこの順に積層された積層構成などが挙げられる。基材層1が最外層である積層構成においては、基材層1の外側及び熱融着性樹脂層4の内側の少なくとも一方の表面に滑剤が存在していてもよい。また、表面被覆層6が最外層である積層構成においては、表面被覆層6の外側及び熱融着性樹脂層4の内側の少なくとも一方の表面に滑剤が存在していてもよい。滑剤については後述する。
本開示の蓄電デバイス用外装材を構成する積層体の厚みは、100μm以下に設定されている。本開示の蓄電デバイス用外装材においては、積層体の厚みを100μm以下に設定した上で、後述の基材層1及びバリア層3の厚みを、それぞれ特定の範囲に設定することにより、蓄電デバイス用外装材の厚みが薄いにも拘わらず、成形によるカールが抑制され、かつ、高い機械的強度を有する。蓄電デバイス用外装材の厚みを可能な限り薄くしつつ、成形によるカールを好適に抑制し、さらに、高い機械的強度を好適に発揮する観点からは、積層体の厚みは、好ましくは約75μm以上、より好ましくは約77μm以上、さらに好ましくは約80μm以上、さらに好ましくは約85μm以上、さらに好ましくは約88μm以上が挙げられる。また、同様の観点から、積層体の厚みは、好ましくは約98μm以下、より好ましくは約95μm以下、さらに好ましくは約93μm以下、さらに好ましくは約91μm以下が挙げられる。積層体の厚みの好ましい範囲としては、75~100μm程度、75~98μm程度、75~95μm程度、75~93μm程度、75~91μm程度、77~100μm程度、77~98μm程度、77~95μm程度、77~93μm程度、77~91μm程度、80~100μm程度、80~98μm程度、80~95μm程度、80~93μm程度、80~91μm程度、85~100μm程度、85~98μm程度、85~95μm程度、85~93μm程度、85~91μm程度、88~100μm程度、88~98μm程度、88~95μm程度、88~93μm程度、88~91μm程度が挙げられる。
本開示の蓄電デバイス用外装材において、蓄電デバイス用外装材を構成する積層体の厚み(総厚み)に対する、基材層1、必要に応じて設けられる接着剤層2、バリア層3、必要に応じて設けられる接着層5、熱融着性樹脂層4、必要に応じて設けられる表面被覆層6の合計厚みの割合は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。具体例としては、本開示の蓄電デバイス用外装材が、基材層1、接着剤層2、バリア層3、接着層5、及び熱融着性樹脂層4を含む場合、蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚み(総厚み)に対する、これら各層の合計厚みの割合は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。また、本開示の蓄電デバイス用外装材が、基材層1、接着剤層2、バリア層3、及び熱融着性樹脂層4を含む場合についても、蓄電デバイス用外装材10を構成する積層体の厚み(総厚み)に対する、これら各層の合計厚みの割合は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。
また、本開示の蓄電デバイス用外装材において、バリア層3よりも内側(熱融着性樹脂層4側)に位置する層の合計厚みは、好ましくは約20μm以上、より好ましくは約22μm以上、さらに好ましくは約24μm以上、さらに好ましくは約28μm以上である。また、当該合計厚みは、好ましくは約40μm以下、より好ましくは約38μm以下、さらに好ましくは約35μm以下である。当該合計厚みの好ましい範囲としては、20~40μm程度、20~38μm程度、20~35μm程度、22~40μm程度、22~38μm程度、22~35μm程度、24~40μm程度、24~38μm程度、24~35μm程度、28~40μm程度、28~38μm程度、28~35μm程度が挙げられる。
なお、本開示の蓄電デバイス用外装材の各層の厚み又は積層体の厚みは、それぞれ、例えばミクロトーム(大和光機工業製:REM-710リトラトーム)を用いて蓄電デバイス用外装材を厚み方向に裁断し、蓄電デバイス用外装材を2分割し、得られた断面を例えばレーザー顕微鏡(キーエンス製:VK-9700)で観察して計測することができる。
なお、蓄電デバイス用外装材において、後述のバリア層3については、通常、その製造過程におけるMD(Machine Direction)とTD(Transverse Direction)を判別することができる。例えば、バリア層3がアルミニウム箔により構成されている場合、アルミニウム箔の圧延方向(RD:Rolling Direction)には、アルミニウム箔の表面に、いわゆる圧延痕と呼ばれる線状の筋が形成されている。圧延痕は、圧延方向に沿って伸びているため、アルミニウム箔の表面を観察することによって、アルミニウム箔の圧延方向を把握することができる。また、積層体の製造過程においては、通常、積層体のMDと、アルミニウム箔のRDとが一致するため、積層体のアルミニウム箔の表面を観察し、アルミニウム箔の圧延方向(RD)を特定することにより、積層体のMDを特定することができる。また、積層体のTDは、積層体のMDとは垂直方向であるため、積層体のTDについても特定することができる。
蓄電デバイス用外装材を構成する積層体の外表面側(基材層側または表面被覆層側)からの突刺し強さは、好ましくは19N以上、より好ましくは23N以上である。また、当該突刺し強さは、例えば30N以下である。当該突刺し強さは、例えば蓄電デバイス用外装材の積層構成、基材層1の厚み、基材層1の製造時の延伸倍率、熱固定温度等によって調整する。当該突刺し強さの測定方法は、以下の通りである。
<突刺し強さ>
蓄電デバイス用外装材を構成する積層体の外表面側(基材層側または表面被覆層側)からの突刺し強さを、JIS Z1707:1997の規定に準拠した方法により測定する。測定装置としては、例えば、イマダ社製のZP-50N(フォースゲージ)とイマダ社製のMX2-500N(測定スタンド)が使用できる。23±2℃、相対湿度50±5%の測定環境において、中央に直径15mmの開口部を有する直径115mmの台と押さえ板で試験片を固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50±5mmの速度で突刺し、針が貫通するまでの最大応力を測定する。試験片の数はそれぞれ10個であり、その平均値を求める。なお、試験片の数が足りず10個測定できない場合は測定可能な数を測定し、その平均値を求める。突刺し強さが19N以上であると、機械的強度が十分に高く、23N以上であると機械的強度が特に高いといえる。
また、蓄電デバイス用外装材の外表面(基材層側または表面被覆層側の表面)の動摩擦係数は、好ましくは約0.01以上、より好ましくは約0.05以上、さらに好ましくは約0.09以上である。また、当該動摩擦係数は、好ましくは約0.80以下、より好ましくは約0.50以下、さらに好ましくは約0.25以下である。当該動摩擦係数の好ましい範囲としては、0.01~0.80程度、0.01~0.50程度、0.01~0.25程度、0.05~0.80程度、0.05~0.50程度、0.05~0.25程度、0.09~0.80程度、0.09~0.50程度、0.09~0.25程度が挙げられる。当該動摩擦係数は、蓄電デバイス用外装材の外表面を構成する層の材質や滑剤などによって調整する。当該動摩擦係数の測定方法は、以下の通りである。
<動摩擦係数>
JIS K7125:1999の8.1フィルム対フィルムの測定に準じた方法により動摩擦係数を測定する。蓄電デバイス用外装材をTD方向80mm×MD方向200mmのサンプルに2枚切り出す。次に、外表面同士が対向するようにして、サンプルを重ね、その上に滑り片を置く。滑り片の底面にはゴムを貼り、滑り片の全質量は200gとし、サンプルと滑り片とも密着させて滑らないようにする。次に、100mm/分の速度で滑り片を引っ張り、2枚のサンプル間の動摩擦力(N)を測定し、動摩擦力を滑り片の法線力(1.96N)で除して、動摩擦係数を算出する。動摩擦係数は、静摩擦力のピークを無視し、接触面間の相対ずれ運動を開始した後の最初の30mmまでの平均値から求める。なお、ロードセルは、滑り片に直接接続させる。
また、本開示の蓄電デバイス用外装材は、下記の4つ折り試験を行った場合に、中心部分にピンホールが形成されるまでの回数が5回以上であることが好ましく、7回以上であることより好ましい。当該回数が5回以上であれば、蓄電デバイス用外装材の機械的強度が十分高く、7回以上であれば蓄電デバイス用外装材の機械的強度が特に高いといえる。
<4つ折り試験>
蓄電デバイス用外装材を裁断して、TD150mm×MD90mmの短冊片を作製し、これを試験サンプルする。試験サンプルを4つ折りにする作業を10回行い、中心部分にピンホールが形成されるまでの回数を測定する。4つ折りする作業は、試験サンプルの短辺(MD方向の辺)同士が重なるようにTD方向の中心位置にて熱融着性樹脂層同士が重なるように2つ折りし、さらに、MD方向の中心位置にてTD方向の辺同士が重なるように2つ折りし、試験サンプルの中心位置が4つ折りになる操作を行い、4つ折りにする作業1回とする。さらに試験サンプルの4つ折りを開いて、同様の4つ折りにする作業と試験サンプルを開く作業を繰り返して試験を行う。試験サンプルの数はそれぞれ5個であり、中心部分にピンホールが形成されるまでの回数の平均値を求める。なお、試験サンプルの数が足りず5個測定できない場合は測定可能な数を測定し、その平均値を求める。
2.蓄電デバイス用外装材を形成する各層
[基材層1]
本開示において、基材層1は、蓄電デバイス用外装材の基材としての機能を発揮させることなどを目的として設けられる層である。基材層1は、蓄電デバイス用外装材の外層側に位置する。基材層1は、最外層(外表面を構成する層)であってもよいし、例えば後述する表面被覆層6を設ける場合には、表面被覆層6が最外層(外表面を構成する層)であってもよい。
本開示の蓄電デバイス用外装材においては、基材層1の厚みが18~22μmという特定の範囲に設定されていることを特徴の1つとしている。蓄電デバイス用外装材の厚みが薄いにも拘わらず、成形によるカールを好適に抑制しつつ、高い機械的強度を好適に発揮する観点からは、基材層1の厚みは、好ましくは約19μm以上である。同様の観点から、基材層1の厚みは、好ましくは約21μm以下である。基材層1の厚みの好ましい範囲としては、18~21μm程度、19~22μm程度、19~21μm程度が挙げられる。なお、本開示において、基材層1が2層以上により構成されており、これらの層間が接着剤層などの接着剤の層で接着されている場合、基材層1の全体の厚みには、当該接着剤の層の厚みは含まれないものとする。
基材層1を形成する素材については、基材としての機能、すなわち少なくとも絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されない。基材層1は、例えば樹脂を用いて形成することができ、樹脂には後述の添加剤が含まれていてもよい。
基材層1が樹脂により形成されている場合、基材層1は、例えば、樹脂により形成された樹脂フィルムであってもよいし、樹脂を塗布して形成したものであってもよい。樹脂フィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムとしては、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムが挙げられ、二軸延伸フィルムが好ましい。二軸延伸フィルムを形成する延伸方法としては、例えば、逐次二軸延伸法、インフレーション法、同時二軸延伸法等が挙げられる。樹脂を塗布する方法としては、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、押出コーティング法などが挙げられる。
基材層1を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂などの樹脂や、これらの樹脂の変性物が挙げられる。また、基材層1を形成する樹脂は、これらの樹脂の共重合物であってもよいし、共重合物の変性物であってもよい。さらに、これらの樹脂の混合物であってもよい。
基材層1を形成する樹脂としては、これらの中でも、好ましくはポリエステル、ポリアミドが挙げられる。
ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、共重合ポリエステル等が挙げられる。また、共重合ポリエステルとしては、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル-ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン66との共重合体等の脂肪族ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン-イソフタル酸-テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)等の芳香族を含むポリアミド;ポリアミドPACM6(ポリビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンアジパミド)等の脂環式ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’-ジフェニルメタン-ジイソシアネート等のイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体等のポリアミドが挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
基材層1は、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、及びポリオレフィンフィルムのうち少なくとも1つを含むことが好ましく、延伸ポリエステルフィルム、及び延伸ポリアミドフィルム、及び延伸ポリオレフィンフィルムのうち少なくとも1つを含むことが好ましく、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリブチレンテレフタレートフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルムのうち少なくとも1つを含むことがさらに好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムのうち少なくとも1つを含むことがさらに好ましい。
基材層1は、単層であってもよいし、2層以上により構成されていてもよい。基材層1が2層以上により構成されている場合、基材層1は、樹脂フィルムを接着剤などで積層させた積層体であってもよいし、樹脂を共押出しして2層以上とした樹脂フィルムの積層体であってもよい。また、樹脂を共押出しして2層以上とした樹脂フィルムの積層体を、未延伸のまま基材層1としてもよいし、一軸延伸または二軸延伸して基材層1としてもよい。
基材層1において、2層以上の樹脂フィルムの積層体の具体例としては、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとの積層体、2層以上のナイロンフィルムの積層体、2層以上のポリエステルフィルムの積層体などが挙げられ、好ましくは、延伸ナイロンフィルムと延伸ポリエステルフィルムとの積層体、2層以上の延伸ナイロンフィルムの積層体、2層以上の延伸ポリエステルフィルムの積層体が好ましい。例えば、基材層1が2層の樹脂フィルムの積層体である場合、ポリエステル樹脂フィルムとポリエステル樹脂フィルムの積層体、ポリアミドフィルムとポリアミドフィルムの積層体、またはポリエステル樹脂フィルムとポリアミドフィルムの積層体が好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムの積層体、ナイロンフィルムとナイロンフィルムの積層体、またはポリエチレンテレフタレートフィルムとナイロンフィルムの積層体がより好ましい。また、ポリエステル樹脂は、例えば電解液が表面に付着した際に変色し難いことなどから、基材層1が2層以上の樹脂フィルムの積層体である場合、ポリエステル樹脂フィルムが基材層1の最外層に位置することが好ましい。
基材層1が、2層以上の樹脂フィルムの積層体である場合、2層以上の樹脂フィルムは、接着剤を介して積層させてもよい。好ましい接着剤については、後述の接着剤層2で例示する接着剤と同様のものが挙げられる。なお、2層以上の樹脂フィルムを積層させる方法としては、特に制限されず、公知方法が採用でき、例えばドライラミネート法、サンドイッチラミネート法、押出ラミネート法、サーマルラミネート法などが挙げられ、好ましくはドライラミネート法が挙げられる。ドライラミネート法により積層させる場合には、接着剤としてポリウレタン接着剤を用いることが好ましい。このとき、接着剤の厚みとしては、例えば2~5μm程度が挙げられる。また、樹脂フィルムにアンカーコート層を形成し積層させても良い。アンカーコート層は、後述の接着剤層2で例示する接着剤と同様のものが挙げられる。このとき、アンカーコート層の厚みとしては、例えば0.01から1.0μm程度が挙げられる。アンカーコート層の厚みは、基材層1の厚みに含めない。
蓄電デバイス用外装材の厚みが薄いにも拘わらず、成形によるカールを好適に抑制しつつ、高い機械的強度を好適に発揮する観点からは、基材層1は、単層のナイロンフィルムにより構成されていることが好ましい。
基材層1がポリアミドフィルムを含んでいる場合、フーリエ変換赤外分光法のATR法により、基材層1の外側から測定されるポリアミドフィルムの結晶化指数は、1.50以上であることが好ましい。本開示の蓄電デバイス用外装材10の基材層1について、結晶化指数を測定する方法は以下の通りである。
<蓄電デバイス用外装材の基材層の結晶化指数の測定>
蓄電デバイス用外装材を100mm×100mmの正方形に裁断してサンプルを作製する。得られたサンプルの外側に位置しているポリアミドフィルムの表面を、FT-IRのATR測定モードを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で赤外吸収スペクトル測定を実施する。装置としては、例えば、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製:Nicolet iS10が使用できる。得られた吸収スペクトルから、ナイロンのα晶の吸収に由来する1200cm-1付近のピーク強度Pと、結晶とは無関係の吸収に由来する1370cm-1付近のピーク強度Qを測定し、ピーク強度Qに対するピーク強度Pの強度比X=P/Qを結晶化指数として算出する。なお、蓄電デバイスから蓄電デバイス用外装材を取得して、基材層の結晶化指数を測定する場合には、蓄電デバイスの熱融着部や側面ではなく、天面又は底面から蓄電デバイス用外装材を取得してサンプルを作製する。
(測定条件)
手法:マクロATR法
波数分解能:8cm-1
積算回数:32回
検出器:DTGS検出器
ATRプリズム:Ge
入射角:45°
ベースライン:波数1100cm-1から1400cm-1間で直線近似として求めた。
吸収ピーク強度Y1200:波数1195cm-1から1205cm-1の範囲におけるピーク強度の最大値からベースラインの値を引いた値
吸収ピーク強度Y1370:波数1365cm-1から1375cm-1の範囲におけるピーク強度の最大値からベースラインの値を引いた値
なお、蓄電デバイス用外装材10の外側の表面が基材層1のポリアミドフィルムにより構成されている場合には、蓄電デバイス用外装材10をそのまま結晶化指数の測定対象とすることができる。また、基材層1が前述のように多層構造を有しており、ポリアミドフィルムとは異なる樹脂フィルム(例えばポリエステルフィルム)がポリアミドフィルムよりも外側に位置している場合や、基材層1の外側に後述の表面被覆層6が積層されている場合など、蓄電デバイス用外装材10の外側の表面が基材層1のポリアミドフィルムにより構成されていない場合には、ポリアミドフィルムよりも外側に位置する層を蓄電デバイス用外装材10から取り除き、ポリアミドフィルムの表面を露出させた状態で、結晶化指数を測定することができる。
蓄電デバイス用外装材10において、前記の結晶化指数は、1.50以上であればよいが、蓄電デバイス用外装材の厚みが薄いにも拘わらず、成形によるカールを好適に抑制しつつ、高い機械的強度を好適に発揮する観点からは、より好ましくは1.55以上、さらに好ましくは1.60以上、さらに好ましくは1.65以上、とくに好ましくは1.69以上である。また、前記の結晶化指数の上限については、特に制限されないが、例えば2.50以下、1.80以下などが挙げられる。当該結晶化指数の好ましい範囲としては、例えば、1.50~2.50、1.60~2.50、1.65~2.50、1.69~2.50、1.50~1.80、1.60~1.80、1.65~1.80、1.69~1.80などが挙げられる。
蓄電デバイス用外装材10の基材層1に含まれるポリアミドフィルムの結晶化指数を1.50以上にまで高める方法としては、ポリアミドフィルムの製造工程における延伸倍率、熱固定温度、さらには、後加熱の温度や時間などによって結晶化を促進する(α晶の生成を促進する)方法が挙げられる。
また、基材層1の表面及び内部の少なくとも一方には、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤、耐電防止剤等の添加剤が存在していてもよい。添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本開示において、蓄電デバイス用外装材の成形性を高める観点からは、基材層1の表面には、滑剤が存在していることが好ましい。滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。アミド系滑剤の具体例としては、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、脂肪酸エステルアミド、芳香族ビスアミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸アミドの具体例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸アミドの具体例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどが挙げられる。置換アミドの具体例としては、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミドなどが挙げられる。また、メチロールアミドの具体例としては、メチロールステアリン酸アミドなどが挙げられる。飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸ビスアミドの具体例としては、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドなどが挙げられる。脂肪酸エステルアミドの具体例としては、ステアロアミドエチルステアレートなどが挙げられる。また、芳香族ビスアミドの具体例としては、m-キシリレンビスステアリン酸アミド、m-キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドなどが挙げられる。滑剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
基材層1の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、好ましくは約3mg/m2以上、より好ましくは4~15mg/m2程度、さらに好ましくは5~14mg/m2程度が挙げられる。
基材層1の表面に存在する滑剤は、基材層1を構成する樹脂に含まれる滑剤を滲出させたものであってもよいし、基材層1の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。また、基材層1の表面に存在する滑剤は、蓄電デバイス用外装材が巻芯などに巻き取られた巻取体の状態で、熱融着性樹脂層4の表面に存在した滑剤が、基材層1の表面に転移したものであってもよい。
[接着剤層2]
本開示の蓄電デバイス用外装材において、接着剤層2は、基材層1とバリア層3との接着性を高めることを目的として、必要に応じて、これらの間に設けられる層である。
接着剤層2は、基材層1とバリア層3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着剤層2の形成に使用される接着剤は限定されないが、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。また、2液硬化型接着剤(2液性接着剤)であってもよく、1液硬化型接着剤(1液性接着剤)であってもよく、硬化反応を伴わない樹脂でもよい。また、接着剤層2は単層であってもよいし、多層であってもよい。
接着剤に含まれる接着成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、共重合ポリエステル等のポリエステル;ポリエーテル;ポリウレタン;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド;ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、酸変性環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリ酢酸ビニル;セルロース;(メタ)アクリル樹脂;ポリイミド;ポリカーボネート;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの接着成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着成分の中でも、好ましくはポリウレタン接着剤が挙げられる。また、これらの接着成分となる樹脂は適切な硬化剤を併用して接着強度を高めることができる。前記硬化剤は、接着成分の持つ官能基に応じて、ポリイソシアネート、多官能エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有ポリマー、ポリアミン樹脂、酸無水物などから適切なものを選択する。
ポリウレタン接着剤としては、例えば、ポリオール化合物を含有する主剤と、イソシアネート化合物を含有する硬化剤とを含むポリウレタン接着剤が挙げられる。好ましくはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびアクリルポリオール等のポリオールを主剤として、芳香族系又は脂肪族系のポリイソシアネートを硬化剤とした二液硬化型のポリウレタン接着剤が挙げられる。また、ポリオール化合物としては、繰り返し単位の末端の水酸基に加えて、側鎖にも水酸基を有するポリエステルポリオールを用いることが好ましい。硬化剤としては、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族のイソシアネート系化合物が挙げられる。イソシアネート系化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素化XDI(H6XDI)、水素化MDI(H12MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等が挙げられる。また、これらのジイソシアネートの1種類又は2種類以上からの多官能イソシアネート変性体等が挙げられる。また、ポリイソシアネート化合物として多量体(例えば三量体)を使用することもできる。このような多量体には、アダクト体、ビウレット体、ヌレート体等が挙げられる。接着剤層2がポリウレタン接着剤により形成されていることで蓄電デバイス用外装材に優れた電解液耐性が付与され、側面に電解液が付着しても基材層1が剥がれることが抑制される。
また、接着剤層2は、接着性を阻害しない限り他成分の添加が許容され、着色剤や熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、フィラーなどを含有してもよい。接着剤層2が着色剤を含んでいることにより、蓄電デバイス用外装材を着色することができる。着色剤としては、顔料、染料などの公知のものが使用できる。また、着色剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
顔料の種類は、接着剤層2の接着性を損なわない範囲であれば、特に限定されない。有機顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジン系、インジゴチオインジゴ系、ペリノン-ペリレン系、イソインドレニン系、ベンズイミダゾロン系等の顔料が挙げられ、無機顔料としては、カーボンブラック系、酸化チタン系、カドミウム系、鉛系、酸化クロム系、鉄系等の顔料が挙げられ、その他に、マイカ(雲母)の微粉末、魚鱗箔等が挙げられる。
着色剤の中でも、例えば蓄電デバイス用外装材の外観を黒色とするためには、カーボンブラックが好ましい。
顔料の平均粒子径としては、特に制限されず、例えば、0.05~5μm程度、好ましくは0.08~2μm程度が挙げられる。なお、顔料の平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定されたメジアン径とする。
接着剤層2における顔料の含有量としては、蓄電デバイス用外装材が着色されれば特に制限されず、例えば5~60質量%程度、好ましくは10~40質量%が挙げられる。
接着剤層2の厚みは、基材層1とバリア層3とを接着できれば、特に制限されないが、例えば、約1μm以上、約2μm以上である。また、接着剤層2の厚みは、例えば、約10μm以下、約5μm以下である。また、接着剤層2の厚みの好ましい範囲については、1~10μm程度、1~5μm程度、2~10μm程度、2~5μm程度が挙げられる。
[着色層]
着色層は、基材層1とバリア層3との間に必要に応じて設けられる層である(図示を省略する)。接着剤層2を有する場合には、基材層1と接着剤層2との間、接着剤層2とバリア層3との間に着色層を設けてもよい。また、基材層1の外側に着色層を設けてもよい。着色層を設けることにより、蓄電デバイス用外装材を着色することができる。
着色層は、例えば、着色剤を含むインキを基材層1の表面、またはバリア層3の表面に塗布することにより形成することができる。着色剤としては、顔料、染料などの公知のものが使用できる。また、着色剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
着色層に含まれる着色剤の具体例としては、[接着剤層2]の欄で例示したものと同じものが例示される。
[バリア層3]
蓄電デバイス用外装材において、バリア層3は、少なくとも水分の浸入を抑止する層である。
バリア層3としては、例えば、バリア性を有する金属箔、蒸着膜、樹脂層などが挙げられる。蒸着膜としては金属蒸着膜、無機酸化物蒸着膜、炭素含有無機酸化物蒸着膜などが挙げられ、樹脂層としてはポリ塩化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)を主成分としたポリマー類やテトラフルオロエチレン(TFE)を主成分としたポリマー類やフルオロアルキル基を有するポリマー、およびフルオロアルキル単位を主成分としたポリマー類などのフッ素含有樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体などが挙げられる。また、バリア層3としては、これらの蒸着膜及び樹脂層の少なくとも1層を設けた樹脂フィルムなども挙げられる。バリア層3は、複数層設けてもよい。バリア層3は、金属材料により構成された層を含むことが好ましい。バリア層3を構成する金属材料としては、具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン鋼、鋼板などが挙げられ、金属箔として用いる場合は、アルミニウム合金箔及びステンレス鋼箔の少なくとも一方を含むことが好ましい。
アルミニウム合金箔は、蓄電デバイス用外装材の成形性を向上させる観点から、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム合金などにより構成された軟質アルミニウム合金箔であることがより好ましく、より成形性を向上させる観点から、鉄を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。鉄を含むアルミニウム合金箔(100質量%)において、鉄の含有量は、0.1~9.0質量%であることが好ましく、0.5~2.0質量%であることがより好ましい。鉄の含有量が0.1質量%以上であることにより、より優れた成形性を有する蓄電デバイス用外装材を得ることができる。鉄の含有量が9.0質量%以下であることにより、より柔軟性に優れた蓄電デバイス用外装材を得ることができる。軟質アルミニウム合金箔としては、例えば、JIS H4160:1994 A8021H-O、JIS H4160:1994 A8079H-O、JIS H4000:2014 A8021P-O、又はJIS H4000:2014 A8079P-Oで規定される組成を備えるアルミニウム合金箔が挙げられる。また必要に応じて、ケイ素、マグネシウム、銅、マンガンなどが添加されていてもよい。また軟質化は焼鈍処理などで行うことができる。
また、ステンレス鋼箔としては、オーステナイト系、フェライト系、オーステナイト・フェライト系、マルテンサイト系、析出硬化系のステンレス鋼箔などが挙げられる。さらに成形性に優れた蓄電デバイス用外装材を提供する観点から、ステンレス鋼箔は、オーステナイト系のステンレス鋼により構成されていることが好ましい。
ステンレス鋼箔を構成するオーステナイト系のステンレス鋼の具体例としては、SUS304、SUS301、SUS316Lなどが挙げられ、これら中でも、SUS304が特に好ましい。
本開示の蓄電デバイス用外装材においては、バリア層3の厚みが27~38μmという特定の範囲に設定されていることを特徴の1つとしている。蓄電デバイス用外装材の厚みが薄いにも拘わらず、成形によるカールを好適に抑制しつつ、高い機械的強度を好適に発揮する観点からは、バリア層3の厚みは、好ましくは28μm以上、より好ましくは約30μm以上、さらに好ましくは33μm以上が挙げられる。同様の観点から、バリア層の厚みは、好ましくは37μm以下、より好ましくは36μm以下が挙げられる。バリア層の厚みの好ましい範囲としては、27~37μm程度、27~36μm程度、28~38μm程度、28~37μm程度、28~36μm程度、30~38μm程度、30~37μm程度、30~36μm程度、33~38μm程度、33~37μm程度、33~36μm程度が挙げられる。
また、バリア層3が金属箔の場合は、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも基材層と反対側の面に耐腐食性皮膜を備えていることが好ましい。バリア層3は、耐腐食性皮膜を両面に備えていてもよい。ここで、耐腐食性皮膜とは、例えば、ベーマイト処理などの熱水変成処理、化成処理、陽極酸化処理、ニッケルやクロムなどのメッキ処理、コーティング剤を塗工する腐食防止処理をバリア層の表面に行い、バリア層に耐腐食性(例えば耐酸性、耐アルカリ性など)を備えさせる薄膜をいう。耐腐食性皮膜は、具体的には、バリア層の耐酸性を向上させる皮膜(耐酸性皮膜)、バリア層の耐アルカリ性を向上させる皮膜(耐アルカリ性皮膜)などを意味している。耐腐食性皮膜を形成する処理としては、1種類を行ってもよいし、2種類以上を組み合わせて行ってもよい。また、1層だけではなく多層化することもできる。さらに、これらの処理のうち、熱水変成処理及び陽極酸化処理は、処理剤によって金属箔表面を溶解させ、耐腐食性に優れる金属化合物を形成させる処理である。なお、これらの処理は、化成処理の定義に包含される場合もある。また、バリア層3が耐腐食性皮膜を備えている場合、耐腐食性皮膜を含めてバリア層3とする。
耐腐食性皮膜は、蓄電デバイス用外装材の成形時において、バリア層(例えば、アルミニウム合金箔)と基材層との間のデラミネーション防止、電解質と水分とによる反応で生成するフッ化水素により、バリア層表面の溶解、腐食、特にバリア層がアルミニウム合金箔である場合にバリア層表面に存在する酸化アルミニウムが溶解、腐食することを防止し、かつ、バリア層表面の接着性(濡れ性)を向上させ、ヒートシール時の基材層とバリア層とのデラミネーション防止、成形時の基材層とバリア層とのデラミネーション防止の効果を示す。
化成処理によって形成される耐腐食性皮膜としては、種々のものが知られており、主には、リン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物、及び希土類酸化物のうち少なくとも1種を含む耐腐食性皮膜などが挙げられる。リン酸塩、クロム酸塩を用いた化成処理としては、例えば、クロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理、リン酸-クロム酸塩処理、クロム酸塩処理などが挙げられ、これらの処理に用いるクロム化合物としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどが挙げられる。また、これらの処理に用いるリン化合物としては、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などが挙げられる。また、クロメート処理としてはエッチングクロメート処理、電解クロメート処理、塗布型クロメート処理などが挙げられ、塗布型クロメート処理が好ましい。この塗布型クロメート処理は、バリア層(例えばアルミニウム合金箔)の少なくとも内層側の面を、まず、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法、酸活性化法等の周知の処理方法で脱脂処理を行い、その後、脱脂処理面にリン酸Cr(クロム)塩、リン酸Ti(チタン)塩、リン酸Zr(ジルコニウム)塩、リン酸Zn(亜鉛)塩などのリン酸金属塩及びこれらの金属塩の混合体を主成分とする処理液、または、リン酸非金属塩及びこれらの非金属塩の混合体を主成分とする処理液、あるいは、これらと合成樹脂などとの混合物からなる処理液をロールコート法、グラビア印刷法、浸漬法等の周知の塗工法で塗工し、乾燥する処理である。処理液は例えば、水、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤など各種溶媒を用いることができ、水が好ましい。また、このとき用いる樹脂成分としては、フェノール系樹脂やアクリル系樹脂などの高分子などが挙げられ、下記一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。なお、当該アミノ化フェノール重合体において、下記一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位は、1種類単独で含まれていてもよいし、2種類以上の任意の組み合わせであってもよい。アクリル系樹脂は、ポリアクリル酸、アクリル酸メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸マレイン酸共重合体、アクリル酸スチレン共重合体、またはこれらのナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等の誘導体であることが好ましい。特にポリアクリル酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩、又はアミン塩等のポリアクリル酸の誘導体が好ましい。本開示において、ポリアクリル酸とは、アクリル酸の重合体を意味している。また、アクリル系樹脂は、アクリル酸とジカルボン酸又はジカルボン酸無水物との共重合体であることも好ましく、アクリル酸とジカルボン酸又はジカルボン酸無水物との共重合体のアンモニウム塩、ナトリウム塩、又はアミン塩であることも好ましい。アクリル系樹脂は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
一般式(1)~(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基またはベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一または異なって、ヒドロキシ基、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)~(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などの炭素数1~4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、1-ヒドロキシブチル基、2-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、4-ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1~4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)~(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)~(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシ基またはヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500~100万程度であることが好ましく、1000~2万程度であることがより好ましい。アミノ化フェノール重合体は、例えば、フェノール化合物又はナフトール化合物とホルムアルデヒドとを重縮合して上記一般式(1)又は一般式(3)で表される繰返し単位からなる重合体を製造し、次いでホルムアルデヒド及びアミン(R1R2NH)を用いて官能基(-CH2NR1R2)を上記で得られた重合体に導入することにより、製造される。アミノ化フェノール重合体は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
耐腐食性皮膜の他の例としては、希土類元素酸化物ゾル、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するコーティング剤を塗工するコーティングタイプの腐食防止処理によって形成される薄膜が挙げられる。コーティング剤には、さらにリン酸またはリン酸塩、ポリマーを架橋させる架橋剤を含んでもよい。希土類元素酸化物ゾルには、液体分散媒中に希土類元素酸化物の微粒子(例えば、平均粒径100nm以下の粒子)が分散されている。希土類元素酸化物としては、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ネオジウム、酸化ランタン等が挙げられ、密着性をより向上させる観点から酸化セリウムが好ましい。耐腐食性皮膜に含まれる希土類元素酸化物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。希土類元素酸化物ゾルの液体分散媒としては、例えば、水、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤など各種溶媒を用いることができ、水が好ましい。カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノ化フェノールなどが好ましい。また、アニオン性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸またはその塩、あるいは(メタ)アクリル酸またはその塩を主成分とする共重合体であることが好ましい。また、架橋剤が、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、オキサゾリン基のいずれかの官能基を有する化合物とシランカップリング剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、前記リン酸またはリン酸塩が、縮合リン酸または縮合リン酸塩であることが好ましい。
耐腐食性皮膜の一例としては、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをバリア層の表面に塗布し、150℃以上で焼付け処理を行うことにより形成したものが挙げられる。
耐腐食性皮膜は、必要に応じて、さらにカチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの少なくとも一方を積層した積層構造としてもよい。カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマーとしては、上述したものが挙げられる。
なお、耐腐食性皮膜の組成の分析は、例えば、飛行時間型2次イオン質量分析法を用いて行うことができる。
化成処理においてバリア層3の表面に形成させる耐腐食性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、塗布型クロメート処理を行う場合であれば、バリア層3の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で例えば0.5~50mg程度、好ましくは1.0~40mg程度、リン化合物がリン換算で例えば0.5~50mg程度、好ましくは1.0~40mg程度、及びアミノ化フェノール重合体が例えば1.0~200mg程度、好ましくは5.0~150mg程度の割合で含有されていることが望ましい。
耐腐食性皮膜の厚みとしては、特に制限されないが、皮膜の凝集力や、バリア層や熱融着性樹脂層との密着力の観点から、好ましくは1nm~20μm程度、より好ましくは1nm~100nm程度、さらに好ましくは1nm~50nm程度が挙げられる。なお、耐腐食性皮膜の厚みは、透過電子顕微鏡による観察、または、透過電子顕微鏡による観察と、エネルギー分散型X線分光法もしくは電子線エネルギー損失分光法との組み合わせによって測定することができる。飛行時間型2次イオン質量分析法を用いた耐腐食性皮膜の組成の分析により、例えば、CeとPとOからなる2次イオン(例えば、Ce2PO4
+、CePO4
-などの少なくとも1種)や、例えば、CrとPとOからなる2次イオン(例えば、CrPO2
+、CrPO4
-などの少なくとも1種)に由来するピークが検出される。
化成処理は、耐腐食性皮膜の形成に使用される化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、バリア層の表面に塗布した後に、バリア層の温度が70~200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、バリア層に化成処理を施す前に、予めバリア層を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、バリア層の表面の化成処理をより効率的に行うことが可能となる。また、脱脂処理にフッ素含有化合物を無機酸で溶解させた酸脱脂剤を用いることで、金属箔の脱脂効果だけでなく不動態である金属のフッ化物を形成させることが可能であり、このような場合には脱脂処理だけを行ってもよい。
[熱融着性樹脂層4]
本開示の蓄電デバイス用外装材において、熱融着性樹脂層4は、最内層に該当し、蓄電デバイスの組み立て時に熱融着性樹脂層同士が熱融着して蓄電デバイス素子を密封する機能を発揮する層(シーラント層)である。
熱融着性樹脂層4を構成している樹脂については、熱融着可能であることを限度として特に制限されないが、ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン骨格を含む樹脂が好ましい。熱融着性樹脂層4を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能である。また、熱融着性樹脂層4を構成している樹脂を赤外分光法で分析すると、無水マレイン酸に由来するピークが検出されることが好ましい。例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。熱融着性樹脂層4が無水マレイン酸変性ポリオレフィンより構成された層である場合、赤外分光法にて測定すると、無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;エチレン-αオレフィン共重合体;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン;プロピレン-αオレフィン共重合体;エチレン-ブテン-プロピレンのターポリマー等が挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレンが好ましい。共重合体である場合のポリオレフィン樹脂は、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。これらポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ポリオレフィンは、環状ポリオレフィンであってもよい。環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4-メチル-1-ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。また、環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは環状アルケン、さらに好ましくはノルボルネンが挙げられる。
酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンを酸成分でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。酸変性されるポリオレフィンとしては、前記のポリオレフィンや、前記のポリオレフィンにアクリル酸若しくはメタクリル酸等の極性分子を共重合させた共重合体、又は、架橋ポリオレフィン等の重合体等も使用できる。また、酸変性に使用される酸成分としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸またはその無水物が挙げられる。
酸変性ポリオレフィンは、酸変性環状ポリオレフィンであってもよい。酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、酸成分に代えて共重合することにより、または環状ポリオレフィンに対して酸成分をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、酸変性に使用される酸成分としては、前記のポリオレフィンの変性に使用される酸成分と同様である。
好ましい酸変性ポリオレフィンとしては、カルボン酸またはその無水物で変性されたポリオレフィン、カルボン酸またはその無水物で変性されたポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
熱融着性樹脂層4は、1種の樹脂単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらに、熱融着性樹脂層4は、1層のみで形成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂によって2層以上で形成されていてもよい。
また、熱融着性樹脂層4は、必要に応じて滑剤などを含んでいてもよい。熱融着性樹脂層4が滑剤を含む場合、蓄電デバイス用外装材の成形性を高め得る。滑剤としては、特に制限されず、公知の滑剤を用いることができる。滑剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
滑剤としては、特に制限されないが、好ましくはアミド系滑剤が挙げられる。滑剤の具体例としては、基材層1で例示したものが挙げられる。滑剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
熱融着性樹脂層4の表面に滑剤が存在する場合、その存在量としては、特に制限されないが、蓄電デバイス用外装材の成形性を高める観点からは、好ましくは10~50mg/m2程度、さらに好ましくは15~40mg/m2程度が挙げられる。
熱融着性樹脂層4の表面に存在する滑剤は、熱融着性樹脂層4を構成する樹脂に含まれる滑剤を滲出させたものであってもよいし、熱融着性樹脂層4の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。
また、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、蓄電デバイス用外装材を構成している積層体の厚み、基材層1の厚み、さらにバリア層3の厚みを前記所定の厚みに設定しつつ、接着層5の有無や、接着層5の厚みなどに応じて設定することができる。熱融着性樹脂層4の厚みは、例えば約33μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約17μm以下、約15μm以下などである。また、熱融着性樹脂層4の厚みは、約8μm以上、約10μm以上、約15μm以上、約20μm以上、約22μm以上、約25μm以上、約28μm以上などである。熱融着性樹脂層4の厚みの好ましい範囲としては、8~33μm程度、8~30μm程度、8~20μm程度、8~17μm程度、8~15μm程度、10~33μm程度、10~30μm程度、10~20μm程度、10~17μm程度、10~15μm程度、15~33μm程度、15~30μm程度、15~20μm程度、15~17μm程度、20~33μm程度、20~30μm程度、22~33μm程度、22~30μm程度、25~33μm程度、25~30μm程度、28~33μm程度、28~30μm程度などである。
とりわけ、後述の接着層5の厚みが12~17μmの範囲内である場合、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、好ましくは約17μm以下、より好ましくは約15μm以下である。また、後述の接着層5の厚みが12~17μmの範囲内である場合、熱融着性樹脂層4の厚みとしては、好ましくは約8μm以上、より好ましくは10μm以上である。後述の接着層5の厚みが12~17μmの範囲内である場合、熱融着性樹脂層4の厚みの好ましい範囲としては、8~17μm程度、8~15μm程度、10~17μm程度、10~15μm程度が挙げられる。
また、後述の接着層5の厚みが1~5μmの範囲内である場合、熱融着性樹脂層4の厚みは、好ましくは約22μm以上、より好ましくは約25μm以上、さらに好ましくは約28μm以上である。また、後述の接着層5の厚みが1~5μmの範囲内である場合、熱融着性樹脂層4の厚みは、好ましくは約33μm以下、より好ましくは約30μm以下である。後述の接着層5の厚みが1~5μmの範囲内である場合、熱融着性樹脂層4の厚みの好ましい範囲は、22~33μm程度、22~30μm程度、25~33μm程度、25~30μm程度、28~33μm程度、28~30μm程度である。
[接着層5]
本開示の蓄電デバイス用外装材において、接着層5は、バリア層3(又は耐腐食性皮膜)と熱融着性樹脂層4を強固に接着させるために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層5は、バリア層3と熱融着性樹脂層4とを接着可能である樹脂によって形成される。接着層5の形成に使用される樹脂としては、例えば接着剤層2で例示した接着剤と同様のものが使用できる。また、接着層5と熱融着性樹脂層4とを強固に接着する観点から、接着層5の形成に使用される樹脂としてはポリオレフィン骨格を含んでいることが好ましく、前述の熱融着性樹脂層4で例示したポリオレフィン、酸変性ポリオレフィンが挙げられる。一方、バリア層3と接着層5とを強固に接着する観点から、接着層5は酸変性ポリオレフィンを含むことが好ましい。酸変性成分としては、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸やこれらの無水物、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられるが、変性のし易さや汎用性などの点から無水マレイン酸が最も好ましい。また、蓄電デバイス用外装材の耐熱性の観点からは、オレフィン成分はポリプロピレン系樹脂であることが好ましく、接着層5は無水マレイン酸変性ポリプロピレンを含むことが最も好ましい。
接着層5を構成している樹脂がポリオレフィン骨格を含むことは、例えば、赤外分光法、ガスクロマトグラフィー質量分析法などにより分析可能であり、分析方法は特に問わない。また、接着層5を構成している樹脂が酸変性ポリオレフィンを含むことは、例えば、赤外分光法にて無水マレイン酸変性ポリオレフィンを測定すると、波数1760cm-1付近と波数1780cm-1付近に無水マレイン酸由来のピークが検出される。ただし、酸変性度が低いとピークが小さくなり検出されない場合がある。その場合は核磁気共鳴分光法にて分析可能である。
さらに、蓄電デバイス用外装材の耐熱性や耐内容物性などの耐久性や、厚みを薄くしつつ成形性を担保する観点からは、接着層5は酸変性ポリオレフィンと硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることがより好ましい。酸変性ポリオレフィンとしては、好ましくは、前記のものが例示できる。
また、接着層5は、酸変性ポリオレフィンと、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む樹脂組成物の硬化物であることが好ましく、酸変性ポリオレフィンと、イソシアネート基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む樹脂組成物の硬化物であることが特に好ましい。また、接着層5は、ポリウレタン、ポリエステル、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリウレタン及びエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。ポリエステルとしては、例えばエポキシ基と無水マレイン酸基の反応により生成するエステル樹脂、オキサゾリン基と無水マレイン酸基の反応で生成するアミドエステル樹脂が好ましい。なお、接着層5に、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、エポキシ樹脂などの硬化剤の未反応物が残存している場合、未反応物の存在は、例えば、赤外分光法、ラマン分光法、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)などから選択される方法で確認することが可能である。
また、バリア層3と接着層5との密着性をより高める観点から、接着層5は、酸素原子、複素環、C=N結合、及びC-O-C結合からなる群より選択される少なくとも1種を有する硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。複素環を有する硬化剤としては、例えば、オキサゾリン基を有する硬化剤、エポキシ基を有する硬化剤などが挙げられる。また、C=N結合を有する硬化剤としては、オキサゾリン基を有する硬化剤、イソシアネート基を有する硬化剤などが挙げられる。また、C-O-C結合を有する硬化剤としては、オキサゾリン基を有する硬化剤、エポキシ基を有する硬化剤などが挙げられる。接着層5がこれらの硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることは、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)、赤外分光法(IR)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)、X線光電子分光法(XPS)などの方法で確認することができる。
イソシアネート基を有する化合物としては、特に制限されないが、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高める観点からは、好ましくは多官能イソシアネート化合物が挙げられる。多官能イソシアネート化合物は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば、特に限定されない。多官能イソシアネート系硬化剤の具体例としては、ペンタンジイソシアネート(PDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらをポリマー化やヌレート化したもの、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物などが挙げられる。また、アダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。
接着層5における、イソシアネート基を有する化合物の含有量としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
オキサゾリン基を有する化合物は、オキサゾリン骨格を備える化合物であれば、特に限定されない。オキサゾリン基を有する化合物の具体例としては、ポリスチレン主鎖を有するもの、アクリル主鎖を有するものなどが挙げられる。また、市販品としては、例えば、日本触媒社製のエポクロスシリーズなどが挙げられる。
接着層5における、オキサゾリン基を有する化合物の割合としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
エポキシ基を有する化合物としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、分子内に存在するエポキシ基によって架橋構造を形成することが可能な樹脂であれば、特に制限されず、公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂の重量平均分子量としては、好ましくは50~2000程度、より好ましくは100~1000程度、さらに好ましくは200~800程度が挙げられる。なお、第1の開示において、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、標準サンプルとしてポリスチレンを用いた条件で測定された、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値である。
エポキシ樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル誘導体、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型グリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。エポキシ樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層5における、エポキシ樹脂の割合としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
ポリウレタンとしては、特に制限されず、公知のポリウレタンを使用することができる。接着層5は、例えば、2液硬化型ポリウレタンの硬化物であってもよい。
接着層5における、ポリウレタンの割合としては、接着層5を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、電解液などのバリア層の腐食を誘発する成分が存在する雰囲気における、バリア層3と接着層5との密着性を効果的に高めることができる。
なお、接着層5が、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種と、前記酸変性ポリオレフィンとを含む樹脂組成物の硬化物である場合、酸変性ポリオレフィンが主剤として機能し、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ基を有する化合物は、それぞれ、硬化剤として機能する。
接着層5には、カルボジイミド基を有する改質剤が含まれていてもよい。
また、接着層5の厚みとしては、蓄電デバイス用外装材を構成している積層体の厚み、基材層1の厚み、さらにバリア層3の厚みを前記所定の厚みに設定しつつ、熱融着性樹脂層4の厚みなどに応じて設定することができる。接着層5の厚みは、例えば約17μm以下、約16μm以下、約15μm以下、約8μm以下、約5μm以下、約3μm以下などである。また、接着層5の厚みは、例えば約1μm以上、約3μm以上、約8μm以上、約10μm以上、約12μm以上、約15μm以上などである。接着層の厚みの好ましい範囲は、例えば、1~17μm程度、1~16μm程度、1~15μm程度、1~8μm程度、1~5μm程度、1~3μm程度、3~17μm程度、3~16μm程度、3~15μm程度、3~8μm程度、3~5μm程度、8~17μm程度、8~16μm程度、8~15μm程度、10~17μm程度、10~16μm程度、10~15μm程度、12~17μm程度、12~16μm程度、12~15μm程度、15~17μm程度、15~16μm程度などである。
とりわけ、前述の熱融着性樹脂層4の厚みが8~17μmである場合、接着層5の厚みは、好ましくは約12μm以上、より好ましくは約15μm以上である。また、熱融着性樹脂層4の厚みが8~17μmである場合、接着層5の厚みは、好ましくは約17μm以下、より好ましくは約16μm以下である。また、熱融着性樹脂層4の厚みが8~17μmである場合、接着層5の厚みの好ましい範囲は、12~17μm程度、12~16μm程度、15~17μm程度、15~16μm程度である。
また、前述の熱融着性樹脂層4の厚みが22~33μmである場合、接着層5の厚みは、好ましくは約5μm以下である。また、前述の熱融着性樹脂層4の厚みが22~33μmである場合、接着層5の厚みは、好ましくは約1μm以上、より好ましくは約3μm以上である。この場合、接着層5としては、熱融着性樹脂層4で例示した酸変性ポリオレフィンを用いることが好ましい。前述の熱融着性樹脂層4の厚みが22~33μmである場合、接着層5の厚みの好ましい範囲としては、1~5μm程度、3~5μm程度である。この場合、接着層5としては、酸変性ポリオレフィンと硬化剤との硬化物や、接着剤層2で例示した接着剤と同様のものを用いることが好ましい。
[表面被覆層6]
本開示の蓄電デバイス用外装材は、意匠性、耐電解液性、耐傷性、成形性などの向上の少なくとも一つを目的として、必要に応じて、基材層1の上(基材層1のバリア層3とは反対側)に、表面被覆層6を備えていてもよい。表面被覆層6は、蓄電デバイス用外装材を用いて蓄電デバイスを組み立てた時に、蓄電デバイス用外装材の最外層側に位置する層である。
表面被覆層6は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂により形成することができる。
表面被覆層6を形成する樹脂が硬化型の樹脂である場合、当該樹脂は、1液硬化型及び2液硬化型のいずれであってもよいが、好ましくは2液硬化型である。2液硬化型樹脂としては、例えば、2液硬化型ポリウレタン、2液硬化型ポリエステル、2液硬化型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも2液硬化型ポリウレタンが好ましい。
2液硬化型ポリウレタンとしては、例えば、ポリオール化合物を含有する主剤と、イソシアネート化合物を含有する硬化剤とを含むポリウレタンが挙げられる。好ましくはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびアクリルポリオール等のポリオールを主剤として、芳香族系又は脂肪族系のポリイソシアネートを硬化剤とした二液硬化型のポリウレタンが挙げられる。また、ポリオール化合物としては、繰り返し単位の末端の水酸基に加えて、側鎖にも水酸基を有するポリエステルポリオールを用いることが好ましい。硬化剤としては、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族のイソシアネート系化合物が挙げられる。イソシアネート系化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素化XDI(H6XDI)、水素化MDI(H12MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等が挙げられる。また、これらのジイソシアネートの1種類又は2種類以上からの多官能イソシアネート変性体等が挙げられる。また、ポリイソシアネート化合物として多量体(例えば三量体)を使用することもできる。このような多量体には、アダクト体、ビウレット体、ヌレート体等が挙げられる。なお、脂肪族イソシアネート系化合物とは脂肪族基を有し芳香環を有さないイソシアネートを指し、脂環式イソシアネート系化合物とは脂環式炭化水素基を有するイソシアネートを指し、芳香族イソシアネート系化合物とは芳香環を有するイソシアネートを指す。表面被覆層6がポリウレタンにより形成されていることで蓄電デバイス用外装材に優れた電解液耐性が付与される。
表面被覆層6の厚みは、表面被覆層6としての上記の機能を発揮し、蓄電デバイス用外装材を構成している積層体の厚み、基材層1の厚み、さらにバリア層3の厚みが前記所定の厚みに設定されれば特に制限されないが、例えば、約0.1μm以上、約0.5μm以上、約1μm以上、約2μm以上である。また、表面被覆層6の厚みは、例えば、約5μm以下、約4μm以下、約3μm以下である。表面被覆層6の厚みの好ましい範囲としては、0.1~5μm程度、0.1~4μm程度、0.1~3μm程度、0.5~5μm程度、0.5~4μm程度、0.5~3μm程度、1~5μm程度、1~4μm程度、1~3μm程度、2~5μm程度、2~4μm程度、2~3μm程度が挙げられる。
表面被覆層6は、表面被覆層6の表面及び内部の少なくとも一方には、該表面被覆層6やその表面に備えさせるべき機能性等に応じて、必要に応じて、前述した滑剤や、アンチブロッキング剤、艶消し剤、難燃剤、酸化防止剤、粘着付与剤、耐電防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、平均粒子径が0.5nm~5μm程度の微粒子が挙げられる。添加剤の平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定されたメジアン径とする。
添加剤は、無機物及び有機物のいずれであってもよい。また、添加剤の形状についても、特に制限されず、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、鱗片状などが挙げられる。
添加剤の具体例としては、タルク、シリカ、グラファイト、カオリン、モンモリロナイト、マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、高融点ナイロン、アクリレート樹脂、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケルなどが挙げられる。添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの添加剤の中でも、分散安定性やコストなどの観点から、好ましくはシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、添加剤には、表面に絶縁処理、高分散性処理などの各種表面処理を施してもよい。
表面被覆層6を形成する方法としては、特に制限されず、例えば、表面被覆層6を形成する樹脂を塗布する方法が挙げられる。表面被覆層6に添加剤を配合する場合には、添加剤を混合した樹脂を塗布すればよい。
表面被覆層6の表面に存在する滑剤は、基材層1を構成する樹脂に含まれる滑剤を滲出させたものであってもよいし、基材層1の表面に滑剤を塗布したものであってもよい。また、表面被覆層6の表面に存在する滑剤は、蓄電デバイス用外装材が巻芯などに巻き取られた巻取体の状態で、熱融着性樹脂層4の表面に存在した滑剤が、表面被覆層6の表面に転移したものであってもよい。
3.蓄電デバイス用外装材の製造方法
蓄電デバイス用外装材の製造方法については、本発明の蓄電デバイス用外装材が備える各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されず、少なくとも、基材層1、バリア層3、及び熱融着性樹脂層4がこの順となるように積層する工程を備える方法が挙げられる。すなわち、本開示の蓄電デバイス用外装材の製造方法においては、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層がこの順となるように積層して積層体を得る工程を備えており、基材層の厚みは、18μm以上22μm以下であり、バリア層の厚みは、27μm以上38μm以下であり、積層体の厚みは、100μm以下である。
本発明の蓄電デバイス用外装材の製造方法の一例としては、以下の通りである。まず、基材層1、接着剤層2、バリア層3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成は、具体的には、基材層1上又は必要に応じて表面が化成処理されたバリア層3に接着剤層2の形成に使用される接着剤を、グラビアコート法、ロールコート法などの塗布方法で塗布、乾燥した後に、当該バリア層3又は基材層1を積層させて接着剤層2を硬化させるドライラミネート法によって行うことができる。
次いで、積層体Aのバリア層3上に、熱融着性樹脂層4を積層させる。バリア層3上に熱融着性樹脂層4を直接積層させる場合には、積層体Aのバリア層3上に、熱融着性樹脂層4をサーマルラミネート法、押出ラミネート法などの方法により積層すればよい。また、バリア層3と熱融着性樹脂層4の間に接着層5を設ける場合には、例えば、(1)積層体Aのバリア層3上に、接着層5及び熱融着性樹脂層4を押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネート法、タンデムラミネート法)、(2)別途、接着層5と熱融着性樹脂層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aのバリア層3上にサーマルラミネート法により積層する方法や、積層体Aのバリア層3上に接着層5が積層した積層体を形成し、これを熱融着性樹脂層4とサーマルラミネート法により積層する方法、(3)積層体Aのバリア層3と、予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aと熱融着性樹脂層4を貼り合せる方法(サンドイッチラミネート法)、(4)積層体Aのバリア層3上に、接着層5を形成させるための接着剤を溶液コーティングし、乾燥させる方法や、さらには焼き付ける方法などにより積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜した熱融着性樹脂層4を積層する方法などが挙げられる。
表面被覆層6を設ける場合には、基材層1のバリア層3とは反対側の表面に、表面被覆層6を積層する。表面被覆層6は、例えば表面被覆層6を形成する上記の樹脂を基材層1の表面に塗布することにより形成することができる。なお、基材層1の表面にバリア層3を積層する工程と、基材層1の表面に表面被覆層6を積層する工程の順番は、特に制限されない。例えば、基材層1の表面に表面被覆層6を形成した後、基材層1の表面被覆層6とは反対側の表面にバリア層3を形成してもよい。
上記のようにして、必要に応じて設けられる表面被覆層6/基材層1/必要に応じて設けられる接着剤層2/バリア層3/必要に応じて設けられる接着層5/熱融着性樹脂層4をこの順に備える積層体が形成されるが、必要に応じて設けられる接着剤層2及び接着層5の接着性を強固にするために、さらに、加熱処理に供してもよい。
蓄電デバイス用外装材において、積層体を構成する各層には、必要に応じて、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理などの表面活性化処理を施すことにより加工適性を向上させてもよい。例えば、基材層1のバリア層3とは反対側の表面にコロナ処理を施すことにより、基材層1表面へのインクの印刷適性を向上させることができる。
4.蓄電デバイス用外装材の用途
本開示の蓄電デバイス用外装材は、正極、負極、電解質等の蓄電デバイス素子を密封して収容するための包装体に使用される。すなわち、本開示の蓄電デバイス用外装材によって形成された包装体中に、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子を収容して、蓄電デバイスとすることができる。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子を、本開示の蓄電デバイス用外装材で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子を外側に突出させた状態で、蓄電デバイス素子の周縁にフランジ部(熱融着性樹脂層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部の熱融着性樹脂層同士をヒートシールして密封させることによって、蓄電デバイス用外装材を使用した蓄電デバイスが提供される。なお、本開示の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に蓄電デバイス素子を収容する場合、本開示の蓄電デバイス用外装材の熱融着性樹脂部分が内側(蓄電デバイス素子と接する面)になるようにして、包装体を形成する。2つの蓄電デバイス用外装材の熱融着性樹脂層同士を対向させて重ね合わせ、重ねられた蓄電デバイス用外装材の周縁部を熱融着して包装体を形成してもよく、また、図5に示す例のように、1つの蓄電デバイス用外装材を折り返して重ね合わせ、周縁部を熱融着して包装体を形成してもよい。折り返して重ね合わせる場合は、図5に示す例のように、折り返した辺以外の辺を熱融着して三方シールにより包装体を形成してもよいし、フランジ部が形成できるように折り返して四方シールしてもよい。また、蓄電デバイス用外装材には、蓄電デバイス素子を収容するための凹部が、深絞り成形または張出成形によって形成されてもよい。図5に示す例のように、一方の蓄電デバイス用外装材には凹部を設けて他方の蓄電デバイス用外装材には凹部を設けなくてもよいし、他方の蓄電デバイス用外装材にも凹部を設けてもよい。
本開示の蓄電デバイス用外装材は、電池(コンデンサー、キャパシター等を含む)などの蓄電デバイスに好適に使用することができる。また、本開示の蓄電デバイス用外装材は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池に使用される。本開示の蓄電デバイス用外装材が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、全固体電池、鉛蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本開示の蓄電デバイス用外装材の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本開示を詳細に説明する。但し本開示は実施例に限定されるものではない。
<蓄電デバイス用外装材の製造>
実施例1-8及び比較例1-8
表1に記載の各層の材料及び厚みとなるようにして、それぞれの蓄電デバイス用外装材を以下の手順により製造した。基材層としての二軸延伸ナイロンフィルム(Ny 表1に記載の厚み)と、両面に耐酸性皮膜を形成したバリア層としてのアルミニウム箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、表1に記載の厚み)を用意した。なお、実施例1-8で使用した二軸延伸ナイロンフィルムの結晶化度は1.72であり、比較例1-4で使用した二軸延伸ナイロンフィルムの結晶化度は1.68である。結晶化度は、蓄電デバイス用外装材に積層された状態の二軸延伸ナイロンフィルムを測定対象とし、装置としてサーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製:Nicolet iS10を使用して、前記の方法で測定された値である。アルミニウム箔としては、入手先の異なる2種類のアルミニウム箔を用いた。基材層とバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、両面に耐酸性皮膜を形成したアルミニウム箔の一方面に、2液硬化型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート化合物)を塗布し、アルミニウム箔上に接着剤層(硬化後の厚み3μm)を形成した。次いで、アルミニウム箔上の接着剤層と二軸延伸ナイロンフィルムを積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。なお、実施例2,6においては、基材層とバリア層とを接着する前記2液硬化型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート化合物)の代わりに、黒色顔料が配合された2液硬化型ウレタン接着剤(黒色顔料とポリオール化合物と芳香族イソシアネート化合物)を用いた。
次に、実施例1,3,5,7及び比較例1-8では、得られた積層体のバリア層の上に、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa、表1に記載の厚み)と、熱融着性樹脂層としてのポリプロピレン(PP、表1に記載の厚み)とを共押出しすることにより、バリア層上に接着層/熱融着性樹脂層を積層させた。次に、得られた積層体をエージングし、加熱することにより、二軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/バリア層/接着層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材(表1に記載の総厚み)を得た。
また、実施例2,6では、得られた積層体のバリア層の上に、接着層としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン(PPa、表1に記載の厚み)と、熱融着性樹脂層としてのポリプロピレン(PP、表1に記載の厚み)とを共押出しすることにより、バリア層上に接着層/熱融着性樹脂層を積層させた。さらに、得られた積層体の二軸延伸ナイロンフィルムの表面に、グラビアコートで、添加剤であるフィラーとしての平均粒子径1.5μmのシリカと、エルカ酸アミドと、平均粒子径2.5μmのスチレン系樹脂とを含む樹脂組成物(硬化後の厚みが3μm)を塗布し、マット調の表面被覆層を形成して、表面被覆層/二軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/バリア層/接着層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材(表1に記載の総厚み)を得た。なお、シリカの平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製の「LA-950」)で測定されたメジアン径である。
また、実施例4,8では、基材層/接着剤層/バリア層の積層体のバリア層の上に、2液硬化型接着剤(酸変性ポリプロピレンとエポキシ化合物)を塗布し、アルミニウム箔上に接着層(硬化後の厚み3μm)を形成した。さらに、接着層の上から、熱融着性樹脂層としての未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP、表1に記載の厚み)をドライラミネート法により積層した。次に、得られた積層体をエージングし、加熱することにより、二軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/バリア層/接着層/熱融着性樹脂層がこの順に積層された蓄電デバイス用外装材(表1に記載の総厚み)を得た。
なお、実施例1,3-5,7,8及び比較例1-8の各蓄電デバイス用外装材の基材層の外側表面には、それぞれ、滑剤としてエルカ酸アミドを塗布した。
<外表面の動摩擦係数>
実施例及び比較例で得られた蓄電デバイス用外装材の外表面(基材層側の表面)の動摩擦係数を次のようにして測定した。摩擦試験は、JIS K7125:1999の8.1フィルム対フィルムの測定に準じた方法により測定した。まず、上記で得られた各蓄電デバイス用外装材をTD方向80mm×MD方向200mmのサンプルに2枚切り出した。次に、外表面同士が対向するようにして、サンプルを重ね、その上に滑り片を置いた。滑り片の底面にはゴムを貼り、滑り片の全質量は200gとし、サンプルと滑り片とも密着させて滑らないようにした。次に、100mm/分の速度で滑り片を引っ張り、2枚のサンプル間の動摩擦力(N)を測定し、動摩擦力を滑り片の法線力(1.96N)で除して、動摩擦係数を算出した。動摩擦係数は、静摩擦力のピークを無視し、接触面間の相対ずれ運動を開始した後の最初の30mmまでの平均値から求めた。なお、ロードセルは、滑り片に直接接続させた。得られた結果を以下の基準によって評価した。結果を表1に示す。
<成形によるカールの評価>
上記で得られた蓄電デバイス用外装材を裁断して、TD(Transverse Direction)150mm×MD(Machine Direction)90mmの短冊片を作製し、これを試験サンプルとした。31.6mm×54.5mmの矩形状の雄型(表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が1.6μmである。コーナーR2.0mm、稜線R1.0mm)とこの雄型とのクリアランスが0.3mmの雌型(表面は、JIS B 0659-1:2002附属書1(参考) 比較用表面粗さ標準片の表2に規定される、最大高さ粗さ(Rzの呼び値)が3.2μmである。コーナーR2.0mm、稜線R1.0mm)からなる金型を用い、雄型側に熱融着性樹脂層側が位置するように雌型上に上記試験サンプルを載置し、31.6mm(MD)×54.5mm(TD)、成形深さ6mmとなるように当該試験サンプルを0.25MPaの押え圧(面圧)で押えて、冷間成形(引き込み1段成形)した。成形を行った位置の詳細は、図6に示される通りである。図6に示されるように、矩形状の成形部Mと蓄電デバイス用外装材10の端部Pとの最短距離d=70.5mmとなる位置で成形した。成形部Mは、金型によって凹部が形成される位置を示している。次に、成形後の蓄電デバイス用外装材10を、図7に示すようにして水平面20におき、水平面20から端部Pまでの垂直方向yの距離の最大値tをカールしている部分(試験サンプルの4つの角のうちの最大高さを示した角)の最大高さとした。成形によるカールは、値が小さいほどカールが小さく、蓄電デバイス用外装材として優れている。成形カール(mm)は、最大値tの小数点第二位を四捨五入した値である。成形カールを以下の基準により評価した。結果を表1に示す。
A+:成形カールが0mm以上15mm未満である。成形カールが小さく、生産性をほとんど低下させない。
A:成形カールが15mm以上25mm未満である。成形カールはやや大きいが、生産性の低下は小さい。
B:成形カールが25mm以上35mm未満である。成形カールが大きく、生産性の低下が大きい。
C:成形カールが35mm以上である。成形カールが非常に大きく、生産性の低下が非常に大きい。
[機械的強度の評価]
以下の突刺し強さの測定及び4つ折り試験により、蓄電デバイス用外装材の機械的強度を評価した。それぞれの結果を表1に示す。
<突刺し強さ>
蓄電デバイス用外装材を構成する積層体の外表面側(基材層側または表面被覆層側)からの突刺し強さを、イマダ社製のZP-50N(フォースゲージ)とイマダ社製のMX2-500N(測定スタンド)を用い、JIS Z1707:1997の規定に準拠した方法により測定した。具体的には、23±2℃、相対湿度50±5%の測定環境において、中央に直径15mmの開口部を有する直径115mmの台と押さえ板で試験片を固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50±5mmの速度で突刺し、針が貫通するまでの最大応力を測定した。試験片の数はそれぞれ10個であり、その平均値を求めた。なお、試験片の数が足りず10個測定できない場合は測定可能な数を測定し、その平均値を求める。評価基準は以下の通りである。
A+:突刺し強さが23N以上である。
A:突刺し強さが19N以上23N未満である。
B:突刺し強さが18N以上19N未満である。
C:突刺し強さが18N未満である。
<4つ折り試験>
上記で得られた蓄電デバイス用外装材を裁断して、TD(Transverse Direction)150mm×MD(Machine Direction)90mmの短冊片を作製し、これを試験サンプルとした。試験サンプルを4つ折りにする作業を10回行い、中心部分にピンホールが形成されるまでの回数を測定した。4つ折りする作業は、試験サンプルの短辺(MD方向の辺)同士が重なるようにTD方向の中心位置にて熱融着性樹脂層同士が重なるように2つ折りし、さらに、MD方向の中心位置にてTD方向の辺同士が重なるように2つ折りし、試験サンプルの中心位置が4つ折りになる操作を行い、4つ折りにする作業1回とした。さらに試験サンプルの4つ折りを開いて、同様の4つ折りにする作業と試験サンプルを開く作業を繰り返して試験を行った。試験サンプルの数はそれぞれ5個であり、中心部分にピンホールが形成されるまでの回数の平均値を求めた。なお、試験サンプルの数が足りず5個測定できない場合は測定可能な数を測定し、その平均値を求める。評価基準は以下の通りである。
A+:中心部分にピンホールが形成されるまでの回数が7回以上である。
A:中心部分にピンホールが形成されるまでの回数が5回以上6回以下である。
B:中心部分にピンホールが形成されるまでの回数が2回以上4回以下である。
C:中心部分にピンホールが形成されるまでの回数が1回である。
表1において、「ONy」は二軸延伸ナイロンフィルム、「ウレタン」はドライラミネート法を用いて2液硬化型ウレタン接着剤により形成された接着剤層、「ALM A」及び「ALM B」はそれぞれアルミニウム箔を意味する。
表1に示されるように、実施例1-8の蓄電デバイス用外装材は、少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、基材層の厚みは、18μm以上22μm以下であり、バリア層の厚みは、27μm以上38μm以下であり、積層体の厚みは、100μm以下である。実施例1-8の蓄電デバイス用外装材は、厚みが100μm以下と薄いにも拘わらず、成形によるカールが抑制されており、さらに、高い機械的強度を有していることが分かる。
以上の通り、本開示は、以下に示す態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成されており、
前記基材層の厚みは、18μm以上22μm以下であり、
前記バリア層の厚みは、27μm以上38μm以下であり、
前記積層体の厚みは、100μm以下である、蓄電デバイス用外装材。
項2. 前記バリア層と前記熱融着性樹脂層との間に、接着層を備えており、
前記接着層の厚みは、12μm以上17μm以下であり、
前記熱融着性樹脂層の厚みは、8μm以上17μm以下である、項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
項3. 前記バリア層と前記熱融着性樹脂層との間に、接着層を備えており、
前記接着層の厚みは、1μm以上5μm以下であり、
前記熱融着性樹脂層の厚みは、22μm以上33μm以下である、項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
項4. 前記基材層の前記バリア層側とは反対側に、表面被覆層をさらに備える、項1~3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項5. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた蓄電デバイス素子が、項1~4のいずれかに記載の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に収容されている、蓄電デバイス。
項6. 少なくとも、基材層、バリア層、及び熱融着性樹脂層がこの順となるように積層して積層体を得る工程を備えており、
前記基材層の厚みは、18μm以上22μm以下であり、
前記バリア層の厚みは、27μm以上38μm以下であり、
前記積層体の厚みは、100μm以下である、蓄電デバイス用外装材の製造方法。