JP7724166B2 - 低級オレフィンの製造方法 - Google Patents
低級オレフィンの製造方法Info
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Description
また、非特許文献2にはSi/Al=50で粒子径が500-1000nm程度のDDR型ゼオライトの反応温度を350℃から450℃まで振った時のエチレン収率が報告されており、反応温度450℃でエチレンの最高収率は48%程度となっている。
しかしながら、エチレンを高収率化するための反応温度に関する検討は十分になされてはいない。一般的に、反応温度を上げた場合、平衡上炭素数の小さいオレフィン成分が増える傾向にあるが、一方で炭素数の一番小さいメタン等の副生物が増えるので、上述のように反応温度を475℃より高い温度にすることは行われていなかった。
[1]メタノールおよび/またはジメチルエーテルを含む原料に、DDR型ゼオライトを接触させる工程を備える低級オレフィンの製造方法であって、反応温度が490℃以上600℃以下であることを特徴とする、低級オレフィンの製造方法。
[2]前記DDR型ゼオライトの平均一次粒子径が2000nm以下である、上記[1]に記載の低級オレフィンの製造方法。
[3]前記DDR型ゼオライトが、界面活性剤の存在下、アルカリ条件で処理されているDDR型ゼオライトである、上記[1]又は[2]に記載の低級オレフィンの製造方法。
[4]前記DDR型ゼオライトの構成元素としてケイ素(Si)とアルミニウム(Al)を含有し、ケイ素(Si)とアルミニウム(Al)とのモル比(Si/Al)が25以上500以下である上記[1]~[3]のいずれかに記載の低級オレフィンの製造方法。
DDR型ゼオライトは、その構成単位として、2つの8員環構造が交差した形状を有する2次元細孔構造を有するゼオライトである。IZAのデータベースによると細孔径は3.6×4.4Åであり、MTO触媒として工業化されているSAPO-34に代表されるCHA型ゼオライト(3.8×3.8Å)と比較すると、細孔が狭まった構造となっており、そのため、C5以上の炭化水素成分の副生を抑制できると推察される。
前記結晶性ガロシリケートの場合、その構成元素の比率としては特に限定されるものではないが、そのSi/Gaモル比は、通常5以上、好ましくは10以上、より好ましくは25以上、更に好ましくは50以上、特に好ましくは100以上、とりわけ好ましくは200以上であり、通常5000以下、好ましくは1000以下、さらに好ましくは500以下である。Si/Gaモル比をこのような範囲とすることで、十分な触媒活性を有するとともに、触媒寿命が一層向上したゼオライト触媒とすることができる。
本実施形態のDDR型ゼオライトの外表面積(A1)は、通常5m2/g以上、好ましくは10m2/g以上、より好ましくは15m2/g以上、さらに好ましくは20m2/g以上であって、通常500m2/g以下、好ましくは300m2/g以下、より好ましくは200m2/g以下である。
本実施形態のDDR型ゼオライトのBET比表面積(A2)は、特に限定されるものでなく、通常150m2/g以上、好ましくは200m2/g以上、より好ましくは250m2/g以上、さらに好ましくは300m2/g以上であって、通常800m2/g以下、好ましくは700m2/g以下、より好ましくは600m2/g以下である。
本実施形態の外表面積(A1)に対する、BET比表面積(A2)の割合(A2/A1)は、20以下であることが好ましい。A2/A1が20以下であると反応生成物の細孔外への拡散が向上し、コーキングが抑制できると考えられる。以上の観点から、A2/A1はより好ましくは18以下、さらに好ましくは17以下、よりさらに好ましくは16以下、特に好ましくは15以下である。一方、下限値は特に限定されないが、通常2以上である。
本実施形態のDDR型ゼオライトのマイクロ孔容積(A3)は、特に限定されるものでなく、通常0.05ml/g以上、好ましくは0.075ml/g以上、より好ましくは0.10ml/g以上であって、通常3ml/g以下、好ましくは2ml/g以下である。
なお、外表面積(A1)、BET比表面積(A2)、及びマイクロ孔容積(A3)は窒素吸脱着測定から算出することができ、例えばマイクロトラック・ベル社製Belsorp-miniIIを用いて行うことができる。そしてデータ解析はマイクロトラック・ベル社製の解析ソフトBELMasterを用いて行うことができる。ここで、BET比表面積(A2)は相対圧(P/P0)が0.002~0.06の測定データをBETプロットすることにより算出することができる。外表面積(A1)及びマイクロ孔容積(A3)は相対圧(P/P0)が0.20~0.42のデータをtプロットすることにより算出することができる。尚、標準等温線としてHarkins-Juraを用いる。
なお、DDR型ゼオライトの平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)により求めることができる。
ここで、「一次粒子」とは、粒界が確認されない最小の粒子のことをいう。本発明では、ゼオライト触媒のSEM画像を取得し、当該SEM画像に含まれるゼオライトに相当する部分であって、粒界が確認されない最小粒子を「一次粒子」として判断する。尚、本発明においては、一次粒子は単体の粒子として存在していなくてもよく、凝集等により二次粒子を形成していてもよい。二次粒子を形成していたとしても、SEM画像において二次粒子の表面の一次粒子を判別可能である。なお、DDR型ゼオライトは表面にひび割れのようなものが見られることがあるが、それは粒界とはみなさない。
「平均一次粒子径」とは以下のようにして測定されたものをいう。すなわち、ゼオライト触媒のSEM画像に含まれる一次粒子を無作為に50個選択し、選択した50個の一次粒子それぞれについて長径(一次粒子の一端と多端とを直線で結んだ場合に最長となる直線の長さ)を測定し、測定した50個の長径の相加平均値を「平均一次粒子径」とする。ただし、ゼオライト触媒全体において一次粒子が50個未満しか含まれていない場合は、ゼオライト触媒に含まれるすべての一次粒子について、それぞれの長径を測定し、その平均値を「平均一次粒子径」とする。
以下、本実施形態のDDR型ゼオライトを製造する方法について説明する。
アルミニウム源としては硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、擬ベーマイト、アルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、アルミン酸ナトリウム等の1種または2種以上を用いることができる。
ガリウム源としては硝酸ガリウム、硫酸ガリウム、リン酸ガリウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム、水酸化ガリウム等の1種または2種以上を用いることができる。
ホウ素源としてはホウ酸、ホウ酸ナトリウム、酸化ホウ素等の1種または2種以上を用いることができる。
アルカリ処理工程に用いる界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等を、単独でまたは組み合わせて用いることができる。一例として、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムなどのカチオン界面活性剤が好適に挙げられる。
アルカリ処理工程における界面活性剤の濃度は特に限定されず、処理液中に0.1~10質量%程度含有させることができる。
アルカリ処理は、DDR型ゼオライトをアルカリと接触させればよいが、界面活性剤を含むアルカリ溶液中で撹拌してもよい。また、アルカリ処理の温度も特段限定されず、例えば100~200℃程度であればよい。アルカリ処理の時間も特段限定されず、界面活性剤を含むアルカリ溶液中に0.1~24時間浸漬すればよい。
アルカリ処理後乾燥させ、触媒として用いるために再度焼成を行い、取り込まれた界面活性剤を除去することが望ましい。
本実施形態のDDR型ゼオライトは低級オレフィンを生成する反応に用いられる触媒として有用である。
本実施形態のDDR型ゼオライトを含む触媒を用いて低級オレフィンを製造する方法において、原料としてはメタノール、ジメチルエーテルを用いる。また、メタノールとジメチルエーテルの混合物を用いてもよい。
なお、反応原料としては、メタノールのみを用いてもよく、ジメチルエーテルのみを用いてもよく、これらを混合して用いてもよい。メタノールとジメチルエーテルを混合して用いる場合、その混合割合に制限はない。
また、バッチ式、半連続式または連続式のいずれの形態でも行われ得るが、連続式で行うのが好ましく、その方法は、単一の反応器を用いた方法でもよいし、直列または並列に配置された複数の反応器を用いた方法でもよい。
また、反応器には、反応に伴う発熱を分散させることを目的に、反応基質(反応原料)を分割して供給してもよい。
上記範囲であると反応速度および低級オレフィン収率の点で好ましい。
このような希釈剤としては、反応原料に含まれている不純物をそのまま使用してもよいし、別途調製した希釈剤を反応原料と混合して用いてもよい。また、希釈剤は反応器に入れる前に反応原料と混合してもよいし、反応原料とは別に反応器に供給してもよい。
反応条件によっては反応生成物中に未反応原料としてメタノールおよび/またはジメチルエーテルが含まれるが、メタノールおよび/またはジメチルエーテルの転化率が高い反応条件で行うのが好ましい。それにより、反応生成物と未反応原料との分離が容易になる。特にメタノールおよび/またはジメチルエーテルの転化率が100%になるような反応条件で反応を行うことで、反応生成物と未反応原料との分離が不要になり好ましい。
1M水酸化ナトリウム水溶液3.63g、有機構造規定剤である1-アダマンチルアミン0.30gおよび水9.62gを混合し、これに硫酸アルミニウム0.062gを加えて撹拌した後に、シリカ源としてCataloidSI-30(日揮触媒化成社製)を3.95g加えて十分に撹拌した。さらに種結晶(Seed)として粉砕処理を施したDDR型ゼオライトを0.072g加えて、撹拌することにより原料ゲルを調製した。
1M水酸化ナトリウム水溶液3.61g、1-アダマンチルアミン0.60gおよび水9.64gを混合し、これに硫酸アルミニウム0.060gを加えて撹拌した後に、シリカ源としてCataloidSI-30(日揮触媒化成社製)を3.97g加えて十分に撹拌した。さらに種結晶(Seed)として粉砕処理を施したDDR型ゼオライトを0.073g加えて、撹拌することにより原料ゲルを調製した。得られた原料ゲルを製造例1と同様の方法で加熱・後処理し、プロトン型ゼオライト粉末を得た。
得られたプロトン型ゼオライト0.400g、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム0.280g、脱塩水23.98g、10%アンモニア水1.63gを混合し、十分に攪拌した。得られたスラリーをオートクレーブに仕込み、静置下150℃7時間加熱した。生成物を濾過、水洗した後、100℃で乾燥させ、白色粉末を得た。乾燥後に、空気雰囲気下、600℃で6時間焼成し、ゼオライト粉末を得た。当該ゼオライトをサンプルBとする。
1M水酸化ナトリウム水溶液8.37g、1-アダマンチルアミン0.61gおよび水23.73gを混合し、これに硫酸アルミニウム0.124gを加えて撹拌した後に、シリカ源としてaerosil200(日本アエロジル社製)を2.40g加えて十分に撹拌することにより原料ゲルを調製した。得られた原料ゲルを160℃5日間加熱すること以外は製造例1と同様の方法で加熱・後処理し、プロトン型ゼオライト粉末を得た。当該ゼオライトをサンプルCとする。
1M水酸化ナトリウム水溶液3.65g、1-アダマンチルアミン0.30gおよび水9.61gを混合し、これに硫酸アルミニウム0.125gを加えて撹拌した後に、シリカ源としてCataloidSI-30(日揮触媒化成社製)を3.96g加えて十分に撹拌した。さらに種結晶(Seed)として粉砕処理を施したDDR型ゼオライトを0.072g加えて、撹拌することにより原料ゲルを調製した。得られた原料ゲルを製造例1と同様の方法で加熱・後処理し、プロトン型ゼオライト粉末を得た。当該ゼオライトをサンプルDとする。
1M水酸化ナトリウム水溶液3.62g、1-アダマンチルアミン0.30gおよび水9.61gを混合し、これに硫酸アルミニウム0.015gを加えて撹拌した後に、シリカ源としてCataloidSI-30(日揮触媒化成社製)を3.95g加えて十分に撹拌した。さらに種結晶(Seed)として粉砕処理を施したDDR型ゼオライトを0.072g加えて、撹拌することにより原料ゲルを調製した。得られた原料ゲルを製造例1と同様の方法で加熱・後処理し、プロトン型ゼオライト粉末を得た。当該ゼオライトをサンプルEとする。
サンプルA~Eに係るゼオライトについて以下の評価を行った。
合成したゼオライトのX線回折(XRD)測定は、BRUKER社製の「D2PHASER」を用いて行った。測定により得られたXRDパターンを図1に示す。図1から、サンプルA~Eに係るゼオライトは、いずれもDDR型構造を有することが確認された。
元素分析は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)により行った。サンプルA~Eのゼオライトの測定には、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「iCAP7600Duo」を用いた。合成したゼオライトのSi/Alモル比を表1に示す。
サンプルA,D,Eに係る走査型電子顕微鏡(SEM)測定は、Zeiss社製の「ULTRA55」を用いて行った。また、サンプルB,Cに係るSEM測定は、日立ハイテクノロジーズ社製の「S-4800」を用いて行った。図2にサンプルA~Eに係るゼオライト触媒についてのSEM画像を示す。なお、図2は10000倍の画像である。得られたSEM像から無作為に一次粒子50個を抽出し、その粒子の長径を測定し、粒径とした。(なお、サンプルCについては粒径が大きいため、4000倍の画像を用いて粒径を測定した。)求めた粒径の相加平均をもって平均一次粒子径とした。結果を表1に示す。
合成したゼオライトの窒素吸脱着測定は、マイクロトラック・ベル社製「Belsorp-miniII」を用いて行った。測定にあたり、ゼオライトを真空下400℃で2時間加熱・乾燥させた後、液体窒素温度にて窒素吸脱着測定を実施した。データ解析はマイクロトラック・ベル社製の解析ソフトBELMasterを用いて行った。BET比表面積(A2)は相対圧(P/P0)が0.002~0.06の測定データをBETプロットすることにより算出した。外表面積(A1)およびマイクロ孔容積(A3)は相対圧(P/P0)が0.20~0.42のデータをtプロットすることにより算出した。尚、標準等温線としてHarkins-Juraを用いた。
[実施例1]
サンプルAのゼオライトを用いて、低級オレフィンの製造を行った。反応には、固定床流通反応装置を用い、内径6mmの石英反応管に、予め混合したプロトン型ゼオライト粉末100mgおよび石英砂400mgを充填した。メタノール50モル%、窒素50モル%の混合ガスをメタノールの重量空間速度が1hr-1となるように反応器に供給し、500℃、0.1MPa(絶対圧)で反応を行った。反応開始から1時間毎にガスクロマトグラフィーで生成物の分析を行った。図3にメタノール転化率、および選択率の推移を表したグラフを示す。表1に反応開始から3時間経過後のメタノール転化率(%)、エチレン収率(C-mol%)、プロピレン収率(C-mol%)、ブテン収率(C-mol%)を示す。なお、メタノール転化率(%)、エチレン収率(C-mol%)、プロピレン収率(C-mol%)、ブテン収率(C-mol%)について、反応から2時間後から4時間後までの平均値をあわせて示す。
触媒にサンプルBを用いた以外は実施例1と同様の方法で低級オレフィンの製造を行った。表1に触媒評価結果を示す。
触媒にサンプルCを用いた以外は実施例1と同様の方法で低級オレフィンの製造を行った。表1に触媒評価結果を示す。
触媒にサンプルDを用いた以外は実施例1と同様の方法で低級オレフィンの製造を行った。表1に触媒評価結果を示す。
触媒にサンプルEを用いた以外は実施例1と同様の方法で低級オレフィンの製造を行った。表1に触媒評価結果を示す。
実施例1において、反応温度を450℃とした以外は実施例1と同様の方法で低級オレフィンの製造を行った。表1に触媒評価結果を示す。
実施例2において、反応温度を450℃とした以外は実施例2と同様の方法で低級オレフィンの製造を行った。表1に触媒評価結果を示す。
実施例3において、反応温度を450℃とした以外は実施例3と同様の方法で低級オレフィンの製造を行った。表1に触媒評価結果を示す。
実施例4において、反応温度を450℃とした以外は実施例4と同様の方法で低級オレフィンの製造を行った。表1に触媒評価結果を示す。
実施例5において、反応温度を450℃とした以外は実施例5と同様の方法で低級オレフィンの製造を行った。表1に触媒評価結果を示す。
Claims (4)
- メタノールおよび/またはジメチルエーテルを含む原料に、DDR型ゼオライトを接触させる工程を備える低級オレフィンの製造方法であって、
反応温度が490℃以上600℃以下であり、前記DDR型ゼオライトの平均一次粒子径が2000nm以下であることを特徴とする、低級オレフィンの製造方法。 - 前記DDR型ゼオライトが、界面活性剤の存在下、アルカリ条件で処理されたDDR型ゼオライトである、請求項1に記載の低級オレフィンの製造方法。
- 前記DDR型ゼオライトの構成元素としてケイ素(Si)とアルミニウム(Al)を含有し、ケイ素(Si)とアルミニウム(Al)とのモル比(Si/Al)が25以上500以下である請求項1又は2に記載の低級オレフィンの製造方法。
- 前記DDR型ゼオライトの外表面積(A1)に対するBET比表面積(A2)の割合(A2/A1)が20以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の低級オレフィンの製造方法。
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Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| YARULINA, Irina et al.,Methanol-to-olefins process over zeolite catalysts with DDR topology: effect of composition and structual defects on catalytic performance,Catal. Sci. Technol.,2016年01月25日,vol.6,pp.2663-2678 |
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