JP7725014B2 - HTLV-1がコードするTax抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球のT細胞受容体又はその機能的断片 - Google Patents
HTLV-1がコードするTax抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球のT細胞受容体又はその機能的断片Info
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Description
再分化誘導したCTLをレパトア解析することにより、T細胞受容体(TCR)のアミノ酸配列を明らかにし、本発明を完成した。
[1]配列番号1で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列に1~3個のアミノ酸が置換、欠失若しくは付加してなるアミノ酸配列からなるα鎖V領域、及び配列番号4で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列に1~3個のアミノ酸が置換、欠失若しくは付加してなるアミノ酸配列からなるβ鎖V領域を有する、HTLV-1がコードするTax抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球のT細胞受容体又はその機能的断片。
[2]配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるα鎖V領域、及び配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるβ鎖V領域を有する、[1]記載のT細胞受容体又はその機能性断片。
[3]さらに、配列番号2で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列に1~3個のアミノ酸が置換、欠失若しくは付加してなるアミノ酸配列からなるα鎖J領域、及び配列番号5で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列に1~3個のアミノ酸が置換、欠失若しくは付加してなるアミノ酸配列からなるβ鎖J領域を有する、[1]又は[2]記載のT細胞受容体又はその機能的断片。
[4]さらに、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるα鎖J領域、及び配列番号5で示されるアミノ酸配列からなるβ鎖J領域を有する、[1]又は[2]記載のT細胞受容体又はその機能的断片。
[5][1]~[4]のいずれかに記載のT細胞受容体又はその機能的断片を有するTax抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球を含有する、成人T細胞白血病/リンパ腫治療薬組成物。
[6][1]~[4]のいずれかに記載のT細胞受容体又はその機能的断片を有するTax抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球の、成人T細胞白血病/リンパ腫治療薬製造のための使用。
[7]成人T細胞白血病/リンパ腫を治療するための、[1]~[4]のいずれかに記載のT細胞受容体又はその機能的断片を有するTax抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球。
[8][1]~[4]のいずれかに記載のT細胞受容体又はその機能的断片を有するTax抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球を投与することを特徴とする、成人T細胞白血病/リンパ腫の治療方法。
また、HTLV-1の感染対象細胞のほとんどは、CD4+T細胞である。
TCRα及びTCRβは、可変領域(V領域+J領域)及び定常領域(C領域)を有している。なお、可変領域中のV領域には相補性決定領域(CDR)が存在する。従って、TCRは、TCRα及びTCRβ中のV領域(CDR領域を含む)、又はV領域及びJ領
域のアミノ酸配列によって特徴づけることができる。
ここで、当該アミノ酸配列に1~3個のアミノ酸が置換、欠失若しくは付加してなるアミノ酸配列は、当該アミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列であってもよく、さらに当該アミノ酸配列と97%以上の同一性を有するアミノ酸配列であるのが好ましい。
本発明のTCRとしては、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるα鎖V領域、及び配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるβ鎖V領域を有するTCRが好ましい。
また、前記配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるα鎖V領域中には、配列番号3で示されるCDR3領域が含まれる。配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるβ鎖V領域には、配列番号6で示されるCDR3領域が含まれる。
ここで、当該アミノ酸配列に1~3個のアミノ酸が置換、欠失若しくは付加してなるアミノ酸配列は、当該アミノ酸配列と95%以上の同一性を有するアミノ酸配列であってもよく、さらに当該アミノ酸配列と97%以上の同一性を有するアミノ酸配列であるのが好ましい。
本発明のTCRとしては、さらに、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるα鎖J領域、及び配列番号5で示されるアミノ酸配列からなるβ鎖J領域を有するTCRが好ましい。
さらに本発明のTCRは、配列番号7で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列に1~3個のアミノ酸が置換、欠失若しくは付加してなるアミノ酸配列からなるα鎖、及び配列番号8で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列に1~3個のアミノ酸が置換、欠失若しくは付加してなるアミノ酸配列からなるβ鎖を有するTCRが好ましい。
末梢血からTax抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球を誘導するには、健常人であっても、ウイルス感染症を患っているヒトであってもよい。
本発明においてT-iPS細胞に誘導されるT細胞は、Tax抗原特異性を有するT細胞が好ましい。例えば、CD3及びCD8が発現しているT細胞であり、具体的にはCD8陽性細胞であるCTLが挙げられる。また、例えばCD3及びCD4が発現しているT細胞であり、具体的にはCD4陽性細胞であるT細胞が挙げられる。なお、T細胞における抗原特異性は、抗原特異的な、再構成されたTCR遺伝子によりもたらされる。なお、製造効率の観点からは、特にこれに限定されないが、抗原特異的CD8陽性細胞を得るためには、T-iPS細胞へ誘導されるヒトT細胞としては、抗原特異的CD8陽性T細胞を用いることが好ましい。また、免疫療法を実施する場合、iPS細胞から分化させるヒトT細胞は、iPS細胞へ誘導されるヒトT細胞と抗原特異性が同一または実質的に同一であることが好ましい。また、T-iPS細胞を誘導するT細胞として、抗原特異性のないT細胞も含まれる。具体的にはCART細胞もしくはTCR-T細胞など遺伝子改変T細胞が挙げられる。
ステルス型RNA発現ベクターとは、ベクターが染色体に入ることを回避し、核内ではなく細胞質内で、持続的で安定して遺伝子が発現するように設計されたベクターである。1万3000塩基対以上の大きな遺伝子の導入や、10個の遺伝子の同時導入もでき、細胞に傷害を与えず、導入遺伝子が不要な時には除去が可能で、細胞がベクターを異物として認識できないステルス性を持っている。
このようなステルス型RNA発現ベクターとしては、下記(1)~(8)のRNA配列を含むマイナス一本鎖RNA(A)と、一本鎖RNA結合タンパク質(B)、RNA依存性RNA合成酵素からなり、自然免疫構造を活性化させない複合体が挙げられる。
(1)前記遺伝子群に対するRNA配列、
(2)非コード領域を構成するヒトmRNA由来RNA配列、
(3)前記RNA依存性RNA合成酵素が認識する転写開始シグナル配列、
(4)前記RNA依存性RNA合成酵素が認識する転写終結シグナル配列、
(5)前記RNA依存性RNA合成酵素が認識する複製起点を含むRNA配列、
(6)前記RNA依存性RNA合成酵素をコードするRNA配列、
(7)前記RNA依存性RNA合成酵素の活性を調節するタンパク質をコードするRNA配列、
(8)前記一本鎖RNA結合タンパク質をコードするRNA配列。
この再分化誘導方法としては、T-iPS細胞を、CD8+シングルポジティブT細胞に分化させる方法が好ましく、T-iPS細胞を、CD4/CD8ダブルネガティブT細胞に分化させ、次いで当該CD4/CD8ダブルネガティブT細胞をCD8+シングルポジティブT細胞に分化させる方法がより好ましい。
更には、前記特許文献1記載のように、T-iPS細胞を、CD4/CD8ダブルネガティブ細胞に分化させ、T細胞受容体を刺激する物質を添加してCD4/CD8ダブルネガティブ細胞に刺激を与え、次いでT細胞受容体に刺激を与えた前記CD4/CD8ダブルネガティブ細胞を、IL-7及びIL-15のサイトカインの存在下でCD8シングルポジティブT細胞に分化させることにより得るのが好ましい。
用いるストローマ細胞としては、放射線照射等の処理を施したOP9細胞、10T1/2細胞(C3H10T1/2細胞)であることが好ましい。培地に添加されるサイトカインは、VEGF、SCF、TPO及びFLT3L群から選択される少なくとも1種のサイトカインであることが好ましく、VEGF、SCF及びTPO、又は、VEGF、SCF及びFLT3Lであることがより好ましい。
また、培地としては、例えば、X-VIVO培地、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM培地)、α-MEM、DMEMが挙げられるが、T-iPSサック(造血前駆細胞を含有する袋状の構造物)を形成させやすくする点から、IMDM培地が好ましい。このT-iPS細胞の培養期間としては、T-iPS細胞の培養を開始してから好ましくは8~14日間、より好ましくは10~14日間である。培養環境としては、特に制限はないが、好ましくは、5%CO2、35~38℃、より好ましくは37℃の条件である。また、低酸素濃度条件(酸素濃度:例えば、5~20%)下にて1週間程度培養することがより好ましい。
宿主T細胞にTCRをコードする遺伝子を導入するには、種々のウイルスベクターに当該遺伝子を組み込むのが好ましい。
Tax抗原特異的細胞傷害性を有する細胞の選択は、前記のTax抗原特異的細胞傷害活性の確認でもよいし、IFN-γなどのサイトカインの産生能の検出でもよい。
本発明の医薬組成物の形態は、注射剤が好ましく、T細胞輸注療法用の注射剤が好ましい。
Tax特異的CTLクローンよりセンダイウイルスベクターを用いてT-iPS細胞の樹立。
1)健常人末梢血より末梢血単核球を分離後、抗原提示目的に樹状細胞を誘導した。7日後、誘導した樹状細胞にTax抗原ペプチド(Tax11-19,A0201)を添加し末梢血単核球と共培養開始した。約8~10日後にTax特異的CTL検出のため、CTLをMHCテトラマーで染色後、フローサイトメトリーにてテトラマー陽性率を確認した。Tax特異的CTLを確認後、シングルセルソート又はテトラマー/PEビーズセレクション後限界希釈法を行った。
4)7日後にT-iPS細胞のコロニーが観察でき、その後コロニーピックアップして拡大培養を行なった。その後iPSC由来 rejuvenated Tax-CTL(Tax-rejT)を分化誘導した。
5)細胞傷害性試験を行うと元の末梢血CTLより強力に腫瘍細胞に抗原特異的細胞傷害活性を示すことができた。
(細胞傷害性試験)
1)ATL腫瘍細胞に対するTax-rejTの細胞傷害活性と末梢血由来Tax-CTLの細胞傷害性細胞傷害性を比較するために51クロム放出試験を行った。エフェクターとしてTax-rejT又は末梢血由来Tax-CTL、クロムでラベルしたターゲットである患者由来(自家)ATL細胞、コントロールターゲットであるHLA不一致EBウイルス感染腫瘍細胞株(LCL)をエフェクター:ターゲット比を20:1、10:1、5:1と2.5:1で6時間共培養した。
2)共培養後培養上清を別のカウンター用のプレートに移し、乾燥後プレートリーダーで測定した。
3)Tax-rejTはATL細胞に対して強い抗原特異的細胞傷害性を示したが(60-70%)、コントロールのHLA不一致腫瘍細胞株に対しては10%以下と細胞傷害性を示さなかった。末梢血由来Tax-CTLはATL細胞に対して15-20%程度の細胞傷害性を示した。コントロールのHLA不一致腫瘍細胞株に対しては10%以下と細胞傷害性を示さなかった。Tax-rejTのTax抗原特異的細胞傷害活性はTax-CTLより強力であった(図2)。
TCR配列の解析結果を、図3に示す。
Claims (3)
- 配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるα鎖V領域、及び配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるβ鎖V領域を有する、HTLV-1がコードするTax抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球のT細胞受容体又はその抗原結合断片。
- さらに、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるα鎖J領域、及び配列番号5で示されるアミノ酸配列からなるβ鎖J領域を有する、請求項1記載のT細胞受容体又はその抗原結合断片。
- 請求項1又は2記載のT細胞受容体又はその抗原結合断片を有するTax抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球を含有する、成人T細胞白血病/リンパ腫治療薬組成物。
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Applications Claiming Priority (1)
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| JP2021055570A JP7725014B2 (ja) | 2021-03-29 | 2021-03-29 | HTLV-1がコードするTax抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球のT細胞受容体又はその機能的断片 |
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2021
- 2021-03-29 JP JP2021055570A patent/JP7725014B2/ja active Active
Non-Patent Citations (3)
| Title |
|---|
| Bourcier KD et al.,Conserved CDR3 regions in T-cell receptor (TCR) CD8(+) T cells that recognize the Tax11-19/HLA-A*0201 complex in a subject infected with human T-cell leukemia virus type 1: relationship of T-cell fine specificity and major histocompatibility complex/peptide/TCR crystal structure,J Virol,2001年,Vol.75(20),pp.9836-9843 |
| Ishihara Y et al.,A Unique T-Cell Receptor Amino Acid Sequence Selected by Human T-Cell Lymphotropic Virus Type 1 Tax301-309-Specific Cytotoxic T Cells in HLA-A24:02-Positive Asymptomatic Carriers and Adult T-Cell Leukemia/Lymphoma Patients,J Virol,2017年,Vol.91(19):e00974-17,pp.1-15 |
| Kawamura K et al.,Development of a Unique T Cell Receptor Gene-Transferred Tax-Redirected T Cell Immunotherapy for Adult T Cell Leukemia,Biol Blood Marrow Transplant,Vol.26(8),2020年,pp.1377-1385 |
Also Published As
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|---|---|
| JP2022152704A (ja) | 2022-10-12 |
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