本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタのチャネル形成領域に金属酸化物が含まれている場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有するトランジスタのチャネル形成領域を構成し得る場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)と呼称することができる。また、OSトランジスタと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)との少なくとも一つの内容に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことができる。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)との少なくとも一つの図に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることができる。
本明細書に記載の実施の形態について図面を参照しながら説明している。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態の発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、斜視図などにおいて、図面の明確性を期すために、一部の構成要素の記載を省略している場合がある。
本明細書等において、複数の要素に同じ符号を用いる場合、特に、それらを区別する必要があるときには、符号に“_1”、“[n]”、“[m,n]”等の識別用の符号を付記して記載する場合がある。また、図面等において、符号に“_1”、“[n]”、“[m,n]”等の識別用の符号を付記している場合、本明細書等において区別する必要が無いときには、識別用の符号を記載しない場合がある。
また、本明細書の図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置について説明する。
<構成例1>
図1Aには、本発明の一態様の半導体装置である記憶装置に備えられる、メモリセルMCの回路構成例を示している。
メモリセルMCは、トランジスタM1乃至トランジスタM3と、FTJ素子FJAと、FTJ素子FJBと、を有する。
FTJ素子FJA及びFTJ素子FJBのそれぞれは、一対の電極と、強誘電性を有しうる材料と、トンネル絶縁膜として機能する絶縁体と、を含むトンネル接合素子である。また、FTJ素子は、強誘電性を有しうる材料の分極の方向、強度などに応じて、抵抗値が変化する機能を有する。
当該絶縁体は、強誘電性を有しうる材料に重畳するように設けられ、当該絶縁体及び強誘電性を有しうる材料は、当該一対の電極の間に設けられる。また、FTJ素子は、トンネル絶縁膜として機能する絶縁体が強誘電性を有しうる材料に重畳するように設けられているため、整流特性を有する。例えば、FTJ素子が、一対の電極の一方、トンネル絶縁膜として機能する絶縁体、強誘電性を有しうる材料、一対の電極の他方の順に積層されている構成であるとき、FTJ素子の電流が流れる順方向は、一対の電極の一方から一対の電極の他方への方向となる。なお、本明細書では、当該一対の電極の一方を入力端子と記載し、当該一対の電極の他方を出力端子と記載することがある。
例えば、本明細書等で説明するFTJ素子は、平坦な絶縁膜又は導電膜上に、第1の導電体、トンネル絶縁膜、強誘電性を有しうる材料、第2の導電体をこの順に積層することで、形成することができる。なお、第1の導電体は下部電極と言い換えることができ、第2の導電体は上部電極と言い換えることができる。また、このとき、第1の導電体及び第2の導電体は上述した一対の電極であり、第1の導電体(下部電極)は、一例として、入力端子として機能し、第2の導電体(上部電極)は、一例として、出力端子として機能する。また、例えば、本明細書等で説明するFTJ素子は、平坦な絶縁膜又は導電膜上に、第1の導電体(下部電極)、強誘電性を有しうる材料、トンネル絶縁膜、第2の導電体(上部電極)をこの順に積層して形成されてもよい。また、このとき、第1の導電体(下部電極)は、一例として、出力端子として機能し、第2の導電体(上部電極)は、一例として、入力端子として機能する。
また、トンネル絶縁膜としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化シリコンと窒化シリコンの積層体などを用いることができる。
また、前述したとおり、FTJ素子は、強誘電性を有しうる材料の分極の方向、強度に応じて、抵抗値が変化する。例えば、FTJ素子の入力端子と出力端子との間の強誘電性を有しうる材料において、分極の向きが出力端子から入力端子の方向(このとき分極ベクトルの方向を負とする)となっているとき、FTJ素子において入力端子から出力端子に流れる電流の量は大きくなる。一方、FTJ素子の入力端子と出力端子との間の強誘電性を有しうる材料において、分極の向きが入力端子から出力端子(このとき分極ベクトルの方向を正とする)の方向となっているとき、FTJ素子において入力端子から出力端子に流れる電流の量は小さくなる。つまり、FTJ素子において、分極の方向が入力端子から出力端子の方向となっている場合、FTJ素子の入力端子から出力端子に流れる電流に対する抵抗値は大きくなり、また、FTJ素子において、分極の方向が出力端子から入力端子の方向となっている場合、FTJ素子の入力端子から出力端子に流れる電流に対する抵抗値は小さくなる。
なお、FTJ素子の強誘電性を有しうる材料で分極を起こす(分極の方向を変化させる)方法としては、例えば、FTJ素子の入力端子と出力端子との間に、高電圧を与えればよい。例えば、FTJ素子の入力端子側に高レベル電位、出力端子側に低レベル電位を与えることで、FTJ素子の強誘電性を有しうる材料において、分極の向きが入力端子から出力端子の方向(正方向)に向き、一方、FTJ素子の入力端子側に低レベル電位、出力端子側に高レベル電位を与えることで、分極の向きが出力端子から入力端子の方向(負方向)に向く。なお、FTJ素子は、分極の強度においてヒステリシス性を有するため、分極を起こす(分極の方向を変化させる)には、FTJ素子の構造に相応した電圧を印加する必要があり、当該電圧よりも低い電圧では、FTJ素子において、分極は起こらない(分極の方向は変化しない)。
なお、本明細書の図面において、FTJ素子は、ダイオードの回路記号に、矢印を加えたものとして表している。また、本明細書の図面において、配線に接続されているダイオードの回路記号のアノードに相当する三角形の辺を、FTJ素子における入力端子とし、配線に接続されているダイオードの回路記号のカソードに相当する三角形の頂点及び線を、FTJ素子における出力端子とする。
また、強誘電性を有しうる材料としては、例えば、酸化ハフニウムを用いることが好ましい。また、FTJ素子に含まれる強誘電性を有しうる材料として酸化ハフニウムを用いる場合、酸化ハフニウムの膜厚(又は、FTJ素子の一対の電極の間の距離)は、10nm以下とすることが好ましく、5nm以下とすることがより好ましく、2nm以下とすることがさらに好ましい。
または、強誘電性を有しうる材料としては、酸化ハフニウム以外としては、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムハフニウム(HfZrOX(Xは0よりも大きい実数とする)と記載する場合がある)、酸化ハフニウムに元素J1(ここでの元素J1は、ジルコニウム(Zr)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)など。)を添加した材料、酸化ジルコニウムに元素J2(ここでの元素J2は、ハフニウム(Hf)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)など。)を添加した材料、などが挙げられる。また、強誘電性を有しうる材料として、チタン酸鉛(PbTiOXと記載する場合がある)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム(SBT)、ビスマスフェライト(BFO)、チタン酸バリウム、などのペロブスカイト構造を有する圧電性セラミックを用いてもよい。また、強誘電性を有しうる材料としては、例えば、上記に列挙した材料から選ばれた混合物又は化合物とすることができる。又は、強誘電性を有しうる材料は、上記に列挙した材料から選ばれた複数の材料からなる積層構造とすることができる。ところで、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムハフニウム、および酸化ハフニウムに元素J1を添加した材料などは、成膜条件だけでなく、各種プロセスなどによっても結晶構造(特性)が変わり得る可能性があるため、本明細書等では強誘電性を発現する材料のみを強誘電体と呼ぶだけでなく、強誘電性を有しうる材料とも呼んでいる。
また、強誘電性を有しうる材料として酸化ジルコニウムハフニウムを用いる場合、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法、特に熱ALD法を用いて成膜することが好ましい。また、熱ALD法を用いて、強誘電性を有しうる材料を成膜する場合、プリカーサとして炭化水素(Hydro Carbon、HCともいう)を含まない材料を用いると好適である。強誘電性を有しうる材料中に、水素、及び炭素のいずれか一方または双方が含まれる場合、強誘電性を有しうる材料の結晶化を阻害する場合がある。このため、上記のように、炭化水素を含まないプリカーサを用いることで、強誘電性を有しうる材料中の、水素、及び炭素のいずれか一方または双方の濃度を低減することが好ましい。例えば、炭化水素を含まないプリカーサとしては、塩素系材料があげられる。なお、強誘電性を有しうる材料として、酸化ハフニウムおよび酸化ジルコニウムを有する材料(酸化ジルコニウムハフニウムなど)を用いる場合、プリカーサとしては、HfCl4、及び/またはZrCl4を用いればよい。
なお、強誘電性を有しうる材料を用いた膜を成膜する場合、膜中の不純物、ここでは水素、炭化水素、及び炭素の少なくとも一以上を徹底的に排除することで、高純度真性な強誘電性を有しうる膜を形成することができる。なお、高純度真性な強誘電性を有しうる膜と、後述する実施の形態に示す高純度真性な酸化物半導体とは、製造プロセスの整合性が非常に高い。よって、生産性が高い半導体装置の作製方法を提供することができる。
また、強誘電性を有しうる材料として酸化ジルコニウムハフニウムを用いる場合、熱ALD法を用いて酸化ハフニウムと酸化ジルコニウムとを1:1の組成になるように交互に成膜すると好ましい。
また、熱ALD法を用いて、強誘電性を有しうる材料を成膜する場合、酸化剤はH2OまたはO3を用いることができる。ただし、熱ALD法の酸化剤としては、これに限定されない。例えば、熱ALD法の酸化剤としては、O2、O3、N2O、NO2、H2O、及びH2O2の中から選ばれるいずれか一または複数を含んでもよい。
また、強誘電性を有しうる材料の結晶構造は、特に限定されない。例えば、強誘電性を有しうる材料の結晶構造としては、立方晶系、正方晶系、直方晶系、及び単斜晶系の中から選ばれるいずれか一の結晶構造または複数を有する複合構造とすればよい。特に強誘電性を有しうる材料としては、直方晶系の結晶構造を有すると、強誘電性が発現するため好ましい。または、強誘電性を有しうる材料として、アモルファス構造と、結晶構造とを有する複合構造としてもよい。
トランジスタM1乃至トランジスタM3のそれぞれとしては、例えば、OSトランジスタを適用することができる。また、OSトランジスタのチャネル形成領域に含まれる金属酸化物としては、例えば、インジウム、ガリウム、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物が含まれていることが好ましい。又は、当該金属酸化物としては、例えば、インジウム、元素M(元素Mとしては、例えば、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種などが挙げられる。)、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物としてもよい。また、トランジスタM1乃至トランジスタM3は、実施の形態6に記載するトランジスタの構造であることが更に好ましい。
また、トランジスタM1乃至トランジスタM3のそれぞれとしては、OSトランジスタ以外では、シリコンがチャネル形成領域に含まれるトランジスタ(以後、Siトランジスタと呼称する)を適用してもよい。また、当該シリコンとしては、例えば、非晶質シリコン(水素化アモルファスシリコンと呼ぶ場合がある)、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどとしてもよい。
また、トランジスタM1乃至トランジスタM3のそれぞれとしては、OSトランジスタ及びSiトランジスタ以外では、Geなどがチャネル形成領域に含まれているトランジスタ、ZnSe、CdS、GaAs、InP、GaN、SiGeなどの化合物半導体がチャネル形成領域に含まれているトランジスタ、カーボンナノチューブがチャネル形成領域に含まれるトランジスタ、有機半導体がチャネル形成領域に含まれるトランジスタ等を適用してもよい。
なお、トランジスタM1乃至トランジスタM3のそれぞれのチャネル形成領域には、同じ材料が含まれていてもよいし、互いに異なる材料が含まれていてもよい。例えば、トランジスタM1乃至トランジスタM3のうち、一部がOSトランジスタであって、残りがSiトランジスタであってもよい。
また、図1Aに図示しているトランジスタM1乃至トランジスタM3は、一例として、チャネルの上下にゲートを有する構造のトランジスタとしており、トランジスタM1乃至トランジスタM3のそれぞれは第1ゲートと第2ゲートとを有する。便宜上、一例として、第1ゲートをゲート(フロントゲートと記載する場合がある。)、第2ゲートをバックゲートとして区別するように記載しているが、第1ゲートと第2ゲートは互いに入れ替えることができる。そのため、本明細書等において、「ゲート」という語句は「バックゲート」という語句と入れ替えて記載することができる。同様に、「バックゲート」という語句は「ゲート」という語句と入れ替えて記載することができる。具体例としては、「ゲートは第1配線に電気的に接続され、バックゲートは第2配線に電気的に接続されている」という接続構成は、「バックゲートは第1配線に電気的に接続され、ゲートは第2配線に電気的に接続されている」という接続構成として置き換えることができる。
また、本発明の一態様の半導体装置に係るメモリセルMCは、トランジスタのバックゲートの接続構成に依らない。図1Aに図示されているトランジスタM1乃至トランジスタM3には、バックゲートが図示され、当該バックゲートの接続構成については図示されていないが、当該バックゲートの電気的な接続先は、設計の段階で決めることができる。例えば、バックゲートを有するトランジスタにおいて、そのトランジスタのオン電流を高めるために、ゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよい。つまり、例えば、トランジスタM1のゲートとバックゲートとを電気的に接続してもよい。また、例えば、バックゲートを有するトランジスタにおいて、そのトランジスタのしきい値電圧を変動させるため、または、そのトランジスタのオフ電流を小さくするために、外部回路などと電気的に接続されている配線を設けて、当該外部回路などによってトランジスタのバックゲートに固定電位、又は可変電位を与えてもよい。なお、これについては、図1Aだけでなく、明細書の他の箇所に記載されているトランジスタ、又は他の図面に図示されているトランジスタについても同様である。
また、本発明の一態様の半導体装置に係るメモリセルMCは、メモリセルMCに含まれるトランジスタの構造に依らない。例えば、図1Aに図示しているトランジスタM1乃至トランジスタM3のそれぞれは、図1Bに示すとおり、バックゲートを有さないような構成、つまり、シングルゲート構造のトランジスタとしてもよい。また、一部のトランジスタはバックゲートを有している構成とし、別の一部のトランジスタは、バックゲートを有さない構成としてもよい。なお、これについては、図1Aだけでなく、明細書の他の箇所に記載されているトランジスタ、又は他の図面に図示されているトランジスタについても同様である。
また、図1Aに図示しているトランジスタM1乃至トランジスタM3は、一例として、nチャネル型トランジスタを図示しているが、状況に応じて、又は、場合によって、全て、又は一部をpチャネル型トランジスタに置き換えてもよい。また、nチャネル型トランジスタをpチャネル型トランジスタに置き換えた場合、メモリセルMCが正常に動作するように、メモリセルMCなどに入力される電位などを適切に変更する必要がある。また、メモリセルMCから出力される結果も変わる場合がある。なお、これについては、図1Aだけでなく、明細書の他の箇所に記載されているトランジスタ、又は他の図面に図示されているトランジスタについても同様である。また、本実施の形態では、トランジスタM1乃至トランジスタM3がnチャネル型トランジスタとして、メモリセルMCの構成、及び動作を説明する。
図1AのメモリセルMCにおいて、トランジスタM1の第1端子は、配線WDLに電気的に接続され、トランジスタM1のゲートは、配線WWLに電気的に接続されている。また、FTJ素子FJAの入力端子は、配線FCAに電気的に接続されている。また、FTJ素子FJAの出力端子は、トランジスタM1の第2端子と、FTJ素子FJBの入力端子と、トランジスタM2のゲートと、に電気的に接続されている。また、FTJ素子FJBの出力端子は、配線FCBに電気的に接続されている。また、トランジスタM2の第1端子は、配線VCEに電気的に接続され、トランジスタM2の第2端子は、トランジスタM3の第1端子に電気的に接続されている。トランジスタM3の第2端子は、配線RDLに電気的に接続され、トランジスタM3のゲートは、配線RWLに電気的に接続されている。
配線WDLは、一例として、メモリセルMCに書き込まれるデータを送信する配線として機能する。つまり、配線WDLは、書き込みデータ線として機能してもよい。
配線RDLは、一例として、メモリセルMCから読み出されたデータを送信する配線として機能する。つまり、配線RDLは、読み出しデータ線として機能してもよい。
配線WWLは、一例として、データの書き込み先となるメモリセルMCを選択するための配線として機能する。つまり、配線WWLは、書き込みワード線として機能してもよい。
配線RWLは、一例として、データを読み出すメモリセルMCを選択するための配線として機能する。つまり、配線RWLは、読み出しワード線として機能してもよい。
配線FCA、及び配線FCBのそれぞれは、一例として、メモリセルMCにデータを書き込むときに、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれに含まれる、強誘電性を有しうる材料に分極を生じさせる程度の電位を与える配線として機能する。また、配線FCA、及び配線FCBのそれぞれは、一例として、メモリセルMCからデータを読み出すときに、強誘電性を有しうる材料の分極を変化させない程度の電位を与える配線としても機能する。
配線VCEは、一例として、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができる。
ところで、詳細な動作例については、後述するが、メモリセルMCの動作としては、配線FCAと配線FCBとの間に電圧を印加して、FTJ素子FJAと、FTJ素子FJBと、のそれぞれに当該電圧の分圧をかける。このとき、FTJ素子FJAと、FTJ素子FJBと、のそれぞれには、トンネル電流が流れる。このとき、トランジスタM1を介して、当該トンネル電流のリークを防ぎたい場合には、トランジスタM1としてはOSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタはオフ電流が非常に低いため、FTJ素子FJA及び/又はFTJ素子FJBに流れるトンネル電流の配線WDL側へのリークを防ぐことができる場合がある。
<動作例>
次に、図1AのメモリセルMCにおける、データの書き込み動作例、及びデータの読み出し動作例について説明する。
<<データの書き込み動作例>>
図2は、図1AのメモリセルMCにおけるデータの書き込み動作の一例を示したタイミングチャートである。図2のタイミングチャートは、時刻T11から時刻T18までの間、及びその近傍の時刻における、配線WWL、配線WDL、配線FCA、配線FCB、及び配線RWLの電位の変化を示している。
なお、本動作例において、配線RDLは電位が変化しないため、図2のタイミングチャートには図示しない。また、時刻T11から時刻T18までの間における配線RDLの電位は、特に限定されないものとする。
また、配線VCEが与える電位は、前述したとおり、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができるが、本動作例では、低レベル電位VSSとする。
[時刻T11から時刻T12まで]
時刻T11から時刻T12までの間において、配線WWL、及び配線RWLのそれぞれの電位は、低レベル電位(図2には、Lowと記載している)となっている。このため、トランジスタM1のゲートには低レベル電位が入力され、トランジスタM3のゲートには低レベル電位が入力される。したがって、トランジスタM1、及びトランジスタM3のそれぞれはオフ状態となっている。
また、配線WDLには、メモリセルMCに書き込むためのデータはまだ入力されていない。そのため、本動作例では、時刻T11から時刻T12までの間において、配線WDLの電位は、一例として、接地電位(図2には、GNDと記載している)とする。なお、本動作例において、接地電位は0Vとすることが好ましい。
また、配線FCA、及び配線FCBのそれぞれが与える電位は、V0A、V0Bとする。V0A、及びV0Bは、例えば、基準電位、又は基準電位近傍の値とすることができる。基準電位近傍の値としては、例えば、基準電位をVCとしたとき、VC-0.1[V]以上、VC-0.05[V]以上、又はVC-0.01[V]以上の電位であることが好ましく、かつVC+0.01[V]以下、VC+0.05[V]以下、又はVC+0.1[V]以下であることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。また、基準電位VCとしては、例えば、0[V]、又は接地電位とすることがより好ましい。また、V0A、及びV0Bは、互いに等しい電位とすることが更に好ましい。
[時刻T12から時刻T13まで]
時刻T12から時刻T13までの間において、配線WWLが与える電位は、低レベル電位から高レベル電位(図2には、Highと記載している)に変化する。このため、トランジスタM1のゲートには高レベル電位が入力されて、トランジスタM1はオン状態となる。つまり、配線WDLとトランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)との間が導通状態となる。したがって、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)には、配線WDLが与える接地電位が与えられる。このため、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)の電位は、接地電位になるものとする。
[時刻T13から時刻T14まで]
時刻T13から時刻T14までの間では、配線WDLからメモリセルMCに、メモリセルMCに書き込むためのデータが送信される。具体的には、例えば、配線WDLには、当該データに応じた電位としてV0、又はV1が与えられるものとする。トランジスタM1は、時刻T13以前からオン状態となっているため、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)には、配線WDLが与えるV0、又はV1が与えられる。このため、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)の電位は、V0、又はV1になるものとする。
なお、V0、及びV1のそれぞれは、2値のデータ(デジタル値)を表す電位とする。例えば、V0は“0”又は“1”の一方を示す電位とし、V1は、“0”又は“1”の他方を示す電位とすることができる。本動作例では、V0は“0”を示す電位とし、V1は“1”を示す電位として説明する。また、V0、及びV1の大きさとしては、V1-V0がFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれの分極を起こす、又は分極の方向を書き換える程度の電圧となるように設定することができる。例えば、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれにおいて、分極を発生させる(分極の方向を変化)させる程度の電圧を3Vとした場合、V1、V0は、V1-V0が3V以上となるように設定すればよい。なお、V0は、例えば、V0A、及び/又はV0Bの電位と等しいことが好ましい。具体的には、例えば、V0を0Vなどとし、V1を3Vなどとすればよい。なお、本動作例では、2値のデータの書き込み、及び読み出しについて説明するが、メモリセルMCは、例えば、多値のデータ、アナログ電位の書き込み、及び/又は、読み出しを行うことができる場合がある。
[時刻T14から時刻T15まで]
時刻T14から時刻T15までの間において、配線FCAには電位V1Aが与えられ、配線FCBには電位V0Bが与えられる。V1Aは、一例として、V0Aよりも高い電位であるものとする。また、V1Aは、FTJ素子FJAの出力端子がV0であるときに、FTJ素子FJAにて分極が起こる程度の電位とする。なお、このとき、当該分極の向きは、FTJ素子FJAの入力端子から出力端子への方向(正方向)となる。
なお、本動作例では、V1Aは、一例として、V1の電位と等しいことが好ましい。
初めに、FTJ素子FJAに着目する。FTJ素子FJAの出力端子(トランジスタM2のゲート)の電位がV0であるとき、FTJ素子FJAに含まれる強誘電性を有する誘電体は、入力端子から出力端子への方向(正方向)に分極する。一方、FTJ素子FJAの出力端子(トランジスタM2のゲート)の電位がV1であるとき、FTJ素子FJAに含まれる強誘電性を有する誘電体において分極は変化しない。
次に、FTJ素子FJBに着目する。FTJ素子FJBの入力端子(トランジスタM2のゲート)の電位がV0であるとき、FTJ素子FJBに含まれる強誘電性を有する誘電体において分極は変化しない。一方、FTJ素子FJBの入力端子(トランジスタM2のゲート)の電位がV1であるとき、FTJ素子FJBに含まれる強誘電性を有する誘電体は、入力端子から出力端子への方向(正方向)に分極する。
[時刻T15から時刻T16まで]
時刻T15から時刻T16までの間において、配線FCAには電位V0Aが与えられ、配線FCBには電位V1Bが与えられる。V1Bは、一例として、V0Bよりも高い電位であるものとする。また、V1Bは、FTJ素子FJBの入力端子がV0であるときに、FTJ素子FJBにて分極が起こる程度(分極の方向が変化する程度)の電位とする。なお、このとき、当該分極の向きは、FTJ素子FJBの出力端子から入力端子への方向(負方向)となる。
なお、V1Bは、V1Aに等しいことが好ましい。つまり、V1Bは、V1に等しいことが好ましい。
初めに、FTJ素子FJAに着目する。FTJ素子FJAの出力端子(トランジスタM2のゲート)の電位がV0であるとき、FTJ素子FJAに含まれる強誘電性を有する誘電体において分極の方向は変化しない。一方、FTJ素子FJAの出力端子(トランジスタM2のゲート)の電位がV1であるとき、FTJ素子FJAに含まれる強誘電性を有する誘電体は、出力端子から入力端子への方向(負方向)に分極する。
次に、FTJ素子FJBに着目する。FTJ素子FJBの入力端子(トランジスタM2のゲート)の電位がV0であるとき、FTJ素子FJBに含まれる強誘電性を有する誘電体は、出力端子から入力端子への方向(負方向)に分極する。一方、FTJ素子FJBの入力端子(トランジスタM2のゲート)の電位がV1であるとき、FTJ素子FJBに含まれる強誘電性を有する誘電体において分極の方向は変化しない。
時刻T14から時刻T16までの間において、配線FCA、及び配線FCBの電位が、図2のタイミングチャートのとおり変化することで、配線WDLからトランジスタM2のゲートに与えられている電位に応じて、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの分極の方向が、次の表のとおりに定められる。
なお、時刻T16以降において、配線FCA、及び配線FCBが与える電位は、それぞれV0A、V0Bとする。つまり、時刻T16以降において、配線FCA、及び配線FCBが与える電位は、時刻T14以前において、配線FCA、及び配線FCBが与える電位と同様としている。
[時刻T16から時刻T17まで]
時刻T16から時刻T17までの間において、配線WDLからメモリセルMCへのデータの送信が終了する。具体的には、例えば、配線WDLには、接地電位が与えられるものとする。トランジスタM1は、時刻T16以前からオン状態となっているため、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)には、配線WDLが与える接地電位が与えられる。このため、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)の電位は、接地電位になるものとする。
トランジスタM1は、時刻T16以前からオン状態となっているため、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)には、配線WDLが与える接地電位が与えられる。このため、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)の電位は、接地電位になるものとする。なお、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)の電位が接地電位になっても、時刻T14から時刻T16までの間に書き込まれたFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれの分極の方向は、変化しない。
[時刻T17から時刻T18まで]
時刻T17から時刻T18までの間において、配線WWLの電位は、高レベル電位から低レベル電位に変化する。このため、トランジスタM1のゲートには低レベル電位が入力されて、トランジスタM1はオフ状態となる。
上述した時刻T11から時刻T18までの間の動作によって、図1AのメモリセルMCにデータを書き込むことができる。
<<データの読み出し動作例>>
図3Aは、図1AのメモリセルMCにおけるデータの読み出し動作の一例を示したタイミングチャートである。図3Aのタイミングチャートは、時刻T21から時刻T27での間、及びその近傍の時刻における、配線WWL、配線FCA、配線FCB、配線RWL、及び配線RDLの電位の変化について示している。
なお、本動作例において、配線WDLは電位が変化がしないため、図3Aのタイミングチャートには図示しない。また、時刻T21から時刻T27までの間における配線WDLの電位は、特に限定されないものとする。なお、本動作例では、一例として、接地電位が与えられているものとする。
また、配線VCEが与える電位は、前述したとおり、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができるが、本動作例では、低レベル電位VSSとする。
[時刻T21から時刻T22まで]
時刻T21から時刻T22までの間において、配線WWL、及び配線RWLのそれぞれの電位は、低レベル電位(図3Aには、Lowと記載している)となっている。このため、トランジスタM1のゲートには低レベル電位が入力され、トランジスタM3のゲートには低レベル電位が入力される。したがって、トランジスタM1、及びトランジスタM3のそれぞれはオフ状態となっている。
また、時刻T21から時刻T22までの間において、配線FCA、及び配線FCBのそれぞれが与える電位は、時刻T11から時刻T12までの間における配線FCA、及び配線FCBのそれぞれが与える電位と同様に、V0A、V0Bとする。
[時刻T22から時刻T23まで]
時刻T22から時刻T23までの間では、配線RDLの電位には、定電圧である電位VRE1が与えられる。VRE1は、VSSよりも高い読み出し用の定電圧である。
[時刻T23から時刻T24まで]
時刻T23から時刻T24までの間において、配線FCAには電位VMが与えられ、配線FCBには電位V0Bが与えられる。VMは、V0A及びV0Bよりも高く、かつV1Aよりも低い電位とする。また、配線FCBの電位がV0Bであるとき、VMは、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBにて分極の変化が起こらない(分極の方向が変化しない)程度の電位とする。
このとき、配線FCAと配線FCBとの間では、VM-V0Bの電圧がかかるため、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれには、当該電圧の分圧がかかる。例えば、配線FCAと配線FCBとの間に電圧VM-V0Bがかかって、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBにおいて、a:b(a、及びbは正の実数とする)の比で分圧がかかるとしたとき、FTJ素子FJAの入力端子と出力端子との間の電圧をVFJAとすると、VFJA=(VM-V0B)×a/(a+b)となり、FTJ素子FJBの入力端子と出力端子との間の電圧をVFJBとすると、VFJB=(VM-V0B)×b/(a+b)となる。なお、VFJA、及びVFJBは、VM-V0B=VFJA+VFJBの関係を満たす。
また、FTJ素子FJAにおいて、分極の方向が入力端子(配線FCA)から出力端子への方向(正方向)となっているとき、VFJAは高くなり、また、分極の方向が出力端子から入力端子(配線FCA)の方向(負方向)となっているとき、VFJAは低くなる。同様に、FTJ素子FJBにおいて、分極の方向が出力端子(配線FCB)から入力端子への方向(負方向)となっているとき、VFJBは低くなり、また、分極の方向が入力端子から出力端子(配線FCB)の方向(正方向)となっているとき、VFJBは高くなる。
ここで、例えば、図2のタイミングチャートの動作例において、メモリセルMCに書き込まれた電位をV0としたとき、FTJ素子FJAの分極の方向が入力端子(配線FCA)から出力端子への方向(正方向)となるため、VFJAは高くなり、FTJ素子FJBの分極の方向が出力端子(配線FCB)から入力端子への方向(負方向)となるため、VFJBは低くなる。つまり、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれにかかる分圧の割合a:bとしては、a>bとなる。また、このときのトランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)の電位をVHLD0とする。
また、例えば、図2のタイミングチャートの動作例において、メモリセルMCに書き込まれた電位をV1としたとき、FTJ素子FJAの分極の方向が出力端子から入力端子(配線FCA)への方向(負方向)となるため、VFJAは低くなり、FTJ素子FJBの分極の方向が入力端子から出力端子(配線FCB)への方向(正方向)となるため、VFJBは高くなる。つまり、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれにかかる分圧の割合a:bとしては、b>aとなる。また、このときのトランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)の電位をVHLD1とする。
FTJ素子FJBの入力端子と出力端子との間の電圧VFJBは、メモリセルMCに書き込まれた電位がV0のときよりもV1のときのほうが高くなる。そのため、配線FCBが与える電位V0Bを基準としたとき、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)の電位は、メモリセルMCに書き込まれた電位がV0のときよりもV1のときのほうが高くなる。つまり、VHLD1>VHLD0となる。
[時刻T24から時刻T25まで]
時刻T24から時刻T25までの間において、配線RWLが与える電位は、低レベル電位から高レベル電位(図3AではHighと記載している)に変化する。このため、トランジスタM3のゲートには高レベル電位が入力されて、トランジスタM3はオン状態となる。
ところで、トランジスタM2のゲートの電位は、VHLD0、又はVHLD1となっており、トランジスタM2の第1端子の電位は、VSSとなっている。さらに、トランジスタM3はオン状態となっているため、トランジスタM2の第2端子には、一例として、配線RDLから、VSSよりも高い定電位VRE1が入力される。ここで、トランジスタM2のゲート-ソース間電圧VHLD0-VSS(又は、VHLD1-VSS)がトランジスタM2のしきい値電圧Vthよりも高いものとすると、トランジスタM2には、ゲート-ソース間電圧VHLD0-VSS(又は、VHLD1-VSS)に応じた電流が流れる。
つまり、トランジスタM3をオン状態にすることによって、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)の電位に応じて、配線RDLに流れる電流量が決まる。具体的には、VHLD1>VHLD0であるため、トランジスタM2から配線RDLに流れる電流は、配線WDLからメモリセルMCに与えられた電位がV0のときよりもV1のときのほうが大きくなる。
ここで、配線RDLに流れる電流を読み出し回路(例えば、電流電圧変換回路など)などに入力することによって、メモリセルMCに保持されたデータを読み出すことができる。
[時刻T25から時刻T26まで]
時刻T25から時刻T26までの間において、配線RWLの電位は、高レベル電位から低レベル電位に変化する。このため、トランジスタM3のゲートには低レベル電位が入力され、トランジスタM3はオフ状態となる。
[時刻T26から時刻T27まで]
時刻T26から時刻T27までの間において、配線FCAには電位V0Aが与えられ、配線FCBには電位V0Bが与えられている。つまり、時刻T26以降において、配線FCA、及び配線FCBが与える電位は、時刻T23以前において、配線FCA、及び配線FCBが与える電位と同様としている。
上述した時刻T21から時刻T27までの間の動作例によって、図1AのメモリセルMCに書き込まれたデータを読み出すことができる。また、図1AのメモリセルMCからデータを読み出したとき、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれの分極の方向は変化しないため、上述したデータの読み出し動作例は、破壊読み出しとならない。つまり、メモリセルMCに書き込まれたデータを保持したまま、メモリセルMCから当該データを読み出すことができる。
なお、図3Aのタイミングチャートの読み出し動作例では、配線VCEが与える電位を低レベル電位VSSとしたが、配線VCEが与える電位は高レベル電位としてもよい。図3Bのタイミングチャートは、図3Aのタイミングチャートの読み出し動作例において、配線VCEが与える電位を高レベル電位にした場合の動作例を示している。
以下に、図3Bのタイミングチャートの読み出し動作例について、説明する。なお、図3Bのタイミングチャートの読み出し動作において、図3Aのタイミングチャートの読み出し動作と内容が重複する箇所については、説明を省略する。また、本動作例において、配線VCEが与える高レベル電位をVDDとする。
また、図3Bのタイミングチャートの時刻T24以降の配線RDLにおいて、電位の変動を実線と破線で示している。実線で示した電位変化は、図2のタイミングチャートの書き込み動作において、配線WDLからメモリセルMCにV0が入力された場合を示し、また、破線で示した電位変化は、図2のタイミングチャートの書き込み動作において、配線WDLからメモリセルMCにV1が入力された場合を示している。
図3Bのタイミングチャートにおいて、時刻T22から時刻T23までの間では、配線RDLに対して、低レベル電位VSSにプリチャージが行われるものとする。また、配線RDLに対するプリチャージが行われた後、配線RDLは、フローティング状態になるものとする。
また、時刻T24から時刻T25までの間では、配線RWLの電位が、低レベル電位から高レベル電位に変化する。このため、トランジスタM3のゲートには高レベル電位が入力されて、トランジスタM3はオン状態となる。
このとき、トランジスタM2のゲートの電位は、VHLD0、又はVHLD1となっており、トランジスタM2の第1端子の電位は、VDDとなっている。さらに、トランジスタM3はオン状態となっているため、トランジスタM2の第2端子には、配線RDLにおいてプリチャージされた電位が入力される。ここで、トランジスタM2のゲート-ソース間電圧VHLD0-VSS(又は、VHLD1-VSS)がトランジスタM2のしきい値電圧Vthよりも高いものとすると、配線RDLの電位は、VSSから所定の電位まで上昇する。例えば、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)の電位がVHLD0であるとき、理想的には、配線RDLの電位はVSSからVHLD0-Vth(図3BではVONと記載している。)まで上昇する。また、例えば、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)の電位がVHLD1であるとき、理想的には、配線RDLの電位はVSSからVHLD1-Vth(図3BではVOPと記載している。)まで上昇する。
上記のとおり、配線VCEが与える電位を高レベル電位にした場合でも、配線RDLにプリチャージする電位を最適な値にすることで、図3Aのタイミングチャートと読み出し動作例と同様に、メモリセルMCに保持されているデータを読み出すことができる。
なお、図3A及び図3Bのタイミングチャートの時刻T24から時刻T25までの間では、配線RDLに流れる電流、又は配線RDLの電位を取得して、メモリセルMCに保持されたデータを読み出す動作の一例について説明したが、メモリセルMCの読み出し動作は上述した動作例に限定されない。
また、例えば、図3Aのタイミングチャートの動作例において、配線VCEが与える電位をVDDとして、時刻T22以降において、配線RDLにVDDよりも低い読み出し用の定電圧を与えて、図3Aのタイミングチャートの動作と同様に、配線RDLに流れる電流の量を取得することによって、メモリセルMCに保持されているデータを読み出すことができる。
なお、本実施の形態で説明した、図2、図3A、及び図3Bのタイミングチャートの動作は、一例であるため、状況に応じて、又は場合によって、その動作を変更することができる。例えば、図2のタイミングチャートの時刻T12から時刻T17までの間で、配線WWLに高レベル電位が与えられ、時刻T13から時刻T16までの間で、配線WDLにV0又はV1が与えられているが、配線WDLにV0又はV1が与えられている期間内に、配線WWLに高レベル電位が与えられていてもよい。また、配線FCAに電位V1Aが与えられ、かつ配線FCBに電位V0Bが与えられている期間、及び配線FCAに電位V0Aが与えられて、かつ配線FCBに電位V1Bが与えられている期間は、配線WWLに高レベル電位が与えられ、かつ配線WDLにV0又はV1が与えられている期間内であれば、どのタイミングでもよい。また、配線FCAに電位V0Aが与えられて、かつ配線FCBに電位V1Bが与えられている期間は、配線FCAに電位V1Aが与えられ、かつ配線FCBに電位V0Bが与えられている期間よりも先でもよい。
<構成例2>
本発明の一態様の半導体装置である、記憶装置に備えられるメモリセルMCは、図1Aの回路構成に限定されない。当該記憶装置に備えられるメモリセルMCの回路構成は、場合によって、又は、状況に応じて、変更してもよい。本構成例では、図1AのメモリセルMCに備えられているFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの一方を、別の回路素子に変更したメモリセルMCについて説明する。
例えば、メモリセルMCは、図4Aに示すとおり、FTJ素子FJAを強誘電キャパシタFEAに置き換え、かつFTJ素子FJBを強誘電キャパシタFEBに置き換えた構成としてもよい。
なお、本明細書の図面において、強誘電キャパシタ(例えば、強誘電キャパシタFEA、強誘電キャパシタFEBなど)の回路記号は、図4Aのとおり、容量の回路記号に斜線を加えたものとしている。また、別の回路記号としては、図4Bのとおり、容量の回路記号において、互いに平行である2本の線の間に複数の斜線を加えたものとしてもよい。
図4A、及び図4BのメモリセルMCのとおり、図1AのメモリセルMCのFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれを強誘電キャパシタFEA、及び強誘電キャパシタFEBに置き換えても、図1AのメモリセルMCと同様に、配線FCAと配線FCBとの間にかかる電圧を、強誘電キャパシタFEA、及び強誘電キャパシタFEBによって分圧することができる。また、図4A(図4B)のメモリセルMCは、図1AのメモリセルMCと同様に、図4A(図4B)メモリセルMCに書き込まれるデータに応じて、強誘電キャパシタFEA、及び強誘電キャパシタFEBのそれぞれの分圧の比が決められるため、メモリセルMCへのデータの書き込みと、保持したデータを破壊せずに、当該データを読み出すことができる場合がある。
また、図4A、及び図4Bでは、図1AのメモリセルMCのFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBを強誘電キャパシタFEA、及び強誘電キャパシタFEBに置き換えた例を示したが、図1AのメモリセルMCのFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBは、強誘電キャパシタ以外の回路素子に置き換えてもよい。例えば、図1AのメモリセルMCのFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBは、図4Cに示すとおり、抵抗値を変化させることができる回路素子ANA、及び回路素子ANBに置き換えてもよい。具体的には、回路素子ANAの入力端子は、配線FCAに電気的に接続され、回路素子ANAの出力端子は、トランジスタM1の第2端子と、トランジスタM2のゲートと、回路素子ANBの入力端子と、に電気的に接続され、回路素子ANBの出力端子は、配線FCBに電気的に接続されている。回路素子ANA、及び回路素子ANBとしては、例えば、ReRAM(Resistive Random Access Memory)などに用いられる抵抗変化素子、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などに用いられるMTJ(Magnetic Tunnel Junction、又はMagnetic Transportation Junction)素子、相変化メモリ(PCM)素子などが挙げられる。
図4CのメモリセルMCのとおり、図1AのメモリセルMCのFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれを回路素子ANA、及び回路素子ANBに置き換えても、図1AのメモリセルMCと同様に、配線FCAと配線FCBとの間にかかる電圧を、回路素子ANA、及び回路素子ANBによって分圧することができる。また、図4CのメモリセルMCは、図1AのメモリセルMCと同様に、図4CのメモリセルMCに書き込まれるデータに応じて、回路素子ANA、及び回路素子ANBのそれぞれの分圧の比が決められるため、メモリセルMCへのデータの書き込みと、保持したデータを破壊せずに、当該データを読み出すことができる場合がある。
また、例えば、メモリセルMCは、図5Aに示すとおり、図1AのメモリセルMCのFTJ素子FJAを抵抗REAに置き換えた構成としてもよい。又は、図5Bに示す通り、FTJ素子FJAを抵抗REAに置き換えず、FTJ素子FJBを抵抗REBに置き換えた構成としてもよい。
図1AのメモリセルMCのFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの一方を抵抗に置き換えても、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの他方によって、メモリセルMCに書き込まれるデータを保持することができる。また、上述した図2のタイミングチャートの書き込み動作例によって、当該データ(V0又はV1)に応じて、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの他方において発生する分極の方向を定めることができる。そのため、図5A、及び図5BのメモリセルMCの回路構成を用いても、保持したデータを破壊せずに、当該データを読み出すことができる。
また、例えば、メモリセルMCは、図5Cに示すとおり、図1AのメモリセルMCのFTJ素子FJAを容量CAに置き換えた構成としてもよい。又は、図5Dに示す通り、FTJ素子FJAを容量CAに置き換えず、FTJ素子FJBを容量CBに置き換えた構成としてもよい。
図1AのメモリセルMCのFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの一方を容量CAに置き換えても、図5A、及び図5Bと同様に、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの他方によって、メモリセルMCに書き込まれるデータを保持することができる。また、図5C及び図5Dに示すメモリセルMCを用いても、図5A、及び図5Bと同様に、保持したデータを破壊せずに、当該データを読み出すことができる。
また、例えば、メモリセルMCは、図5Eに示すとおり、図1AのメモリセルMCのFTJ素子FJAを図4Cで説明した回路素子ANAに置き換えた構成としてもよい。又は、図5Fに示す通り、FTJ素子FJAを回路素子ANAに置き換えず、FTJ素子FJBを図4Cで説明した回路素子ANBに置き換えた構成としてもよい。なお、図5E、及び図5Fのそれぞれに示す回路素子ANA、及び回路素子ANBとしては、例えば、ReRAMなどに用いられる抵抗変化素子、MRAMなどに用いられるMTJ素子、相変化メモリ素子、強誘電キャパシタなどを用いることができる。
図1AのメモリセルMCのFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの一方を回路素子ANA(回路素子ANB)に置き換えることで、図5A、及び図5Bと同様に、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの他方によって、メモリセルMCに書き込まれるデータを保持することができる。また、図5E及び図5Fに示すメモリセルMCを用いても、図5A、及び図5Bと同様に、保持したデータを破壊せずに、当該データを読み出すことができる。
また、例えば、メモリセルMCは、図6A、及び図6Cに示すとおり、FTJ素子FJAをトランジスタM4Aに置き換えた構成としてもよい。
具体的には、図6AのメモリセルMCにおいて、トランジスタM4Aの第1端子は、配線FCAと、トランジスタM4Aのゲートと、に電気的に接続され、トランジスタM4Aの第2端子は、トランジスタM1の第2端子と、トランジスタM2のゲートと、FTJ素子FJBの入力端子と、に電気的に接続されている。また、図6CのメモリセルMCにおいて、トランジスタM4Aの第1端子は、配線FCAに電気的に接続され、トランジスタM4Aの第2端子は、トランジスタM4Aのゲートと、トランジスタM1の第2端子と、トランジスタM2のゲートと、FTJ素子FJBの入力端子と、に電気的に接続されている。
また、例えば、図6B、及び図6Dに示す通り、FTJ素子FJAをトランジスタM4Aに置き換えず、FTJ素子FJBをトランジスタM4Bに置き換えた構成としてもよい。
具体的には、図6BのメモリセルMCにおいて、トランジスタM4Bの第1端子は、トランジスタM4Bのゲートと、トランジスタM1の第2端子と、トランジスタM2のゲートと、FTJ素子FJAの出力端子と、に電気的に接続され、トランジスタM4Bの第2端子は、配線FCBに電気的に接続されている。また、図6DのメモリセルMCにおいて、トランジスタM4Bの第1端子は、トランジスタM1の第2端子と、トランジスタM2のゲートと、FTJ素子FJAの出力端子と、に電気的に接続され、トランジスタM4Bの第2端子は、トランジスタM4Bのゲートと、配線FCBと、に電気的に接続されている。
図6A、及び図6Cにおいて、トランジスタM4Aは、いわゆるダイオード接続された構成となっている。また、図6B、及び図6Dにおいて、トランジスタM4Bも、ダイオード接続された構成となっている。図6A乃至図6Dに示すとおり、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの一方を、ダイオードなどの整流特性を有する回路素子に置き換えても、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの他方によって、メモリセルMCに書き込まれるデータを保持することができる。また、図6A乃至図6Dに示すメモリセルMCを用いても、図5A乃至図5Dと同様に、保持したデータを破壊せずに、当該データを読み出すことができる。
また、図6A、及び図6Cでは、トランジスタM4Aがダイオード接続された構成を示しているが、図6Eに示すとおり、トランジスタM4Aのゲートは、トランジスタM4Aの第1端子、及び第2端子ではなく、一例として、定電圧を与える配線BSAに電気的にされていてもよい。配線BSAは、トランジスタM4Aのゲートに、定電圧としてバイアス電圧を与える配線として機能する。配線BSAがトランジスタM4Aのゲートにバイアス電圧を与えることで、トランジスタM4Aの第1端子、第2端子、及びゲートのそれぞれの電位に応じた電流が、トランジスタM4Aの第1端子-第2端子間に流れる。また、トランジスタM4Aの第1端子-第2端子間の電圧と、FTJ素子FJBの入力端子-出力端子間の電圧と、のそれぞれは、配線FCAと配線FCBとの間の電圧の分圧となるため、FTJ素子FJBの分極の方向が定まると、FTJ素子FJBの入力端子-出力端子間の電圧が決まり、トランジスタM4Aの第1端子-第2端子間の電圧も決まる。このため、メモリセルMCに書き込まれるデータに応じて、トランジスタM2のゲートの電位が定まるため、図6Eに示すメモリセルMCを用いても、図5A乃至図5D、及び図6A乃至図6Dと同様に、データの書き込みと、当該データを破壊しない当該データの読み出しを行うことができる。
また、図6B、及び図6Dでは、トランジスタM4Bがダイオード接続された構成を示しているが、図6Fに示すとおり、トランジスタM4Bのゲートは、トランジスタM4Bの第1端子、及び第2端子ではなく、一例として、定電圧を与える配線BSBに電気的にされていてもよい。つまり、図6FのメモリセルMCは、図6EのメモリセルMCと同様に、書き込まれるデータに応じて、FTJ素子FJAの入力端子-出力端子間の電圧と、トランジスタM4Bの第1端子-第2端子間の電圧と、が決められる。また、図6Eのメモリセルと同様に、持したデータを破壊せずに、当該データを読み出すことができる。
<構成例3>
本構成例では、図1AのメモリセルMCとは異なる、本発明の一態様の半導体装置である記憶装置に備えることができるメモリセルについて、説明する。
図7に示すメモリセルMCは、図1AのメモリセルMCの変形例であって、配線WDLと配線RDLとが1本の配線WRDLにまとめられ、かつトランジスタM3の第2端子が配線WRDLに電気的に接続されている構成となっている。
つまり、図7のメモリセルMCは、書き込みデータ線と読み出しデータ線を1本の配線にまとめた場合の回路構成となっている。そのため、配線WRDLは、メモリセルMCに書き込むためのデータに送信する配線としても機能する。
また、図7のメモリセルMCへのデータの書き込み動作例については、図2のタイミングチャートを参酌する。特に、配線WRDLに与えられる電位としては、図2のタイミングチャートに記載の配線WDLに与えられる電位と同様とすればよい。また、図7のメモリセルMCからのデータの読み出し動作例については、図3A、又は図3Bのタイミングチャートを参酌する。特に、配線WRDLに与えられる電位としては、図3A、又は図3Bのタイミングチャートに記載の配線RDLに与えられる電位と同様とすればよい。
次に、図1A、図1B、及び図7のメモリセルMCとは異なる、本発明の一態様の半導体装置である記憶装置に備えることができるメモリセルについて、説明する。
図8Aに示すメモリセルMCは、図1AのメモリセルMCの変形例であって、トランジスタM3が設けられていない構成となっている。また、トランジスタM3が設けられていないため、図8Aには配線RWLも設けられていない。また、図8AのメモリセルMCにおいて、トランジスタM2の第1端子は、配線VCEでなく、配線RVEに電気的に接続されている。なお、配線RVEは、一例として、可変電位を与える配線として機能する。具体的には、配線RVEは、例えば、高レベル電位(例えばVDDなど)、低レベル電位(例えばVSSなど)などの電位を、状況に応じて与えることができる。
図1AのメモリセルMCは、トランジスタM3のオン状態とオフ状態の切り替えを行うことで、トランジスタM2の第2端子と配線RDLとの間を導通状態又は非導通状態にする構成としたが、図8AのメモリセルMCは、配線RVEに与えられる電位を変動させて、トランジスタM2の第2端子と配線RDLとの間を導通状態又は非導通状態にする構成となっている。
図8AのメモリセルMCにデータの書き込む場合、配線WWL、配線WDL、配線FCA、及び配線FCBの電位変化については、図2のタイミングチャートの動作例を参酌する。なお、このとき、配線RVE、及び配線RDLのそれぞれに、互いに等しい電位(例えば、低レベル電位、接地電位など)が与えられることによって、トランジスタM2のゲートの電位に依らず、トランジスタM2をオフ状態にすることができる。また、メモリセルMCからデータの読み出しを行わないとき(メモリセルMCにおいてデータを保持するとき)についても同様に、配線RVE、及び配線RDLのそれぞれに等しい電位を与えることで、トランジスタM2をオフ状態にすればよい。
図8AのメモリセルMCからデータを読み出す場合、一例として、図9Aに示すタイミングチャートの動作を行えばよい。なお、配線WWL、配線WDL、配線FCA、及び配線FCBの電位変化については、図3A、及び図3Bのタイミングチャートの動作例と同様であるため、これらの配線の電位変化については図3A、及び図3Bのタイミングチャートの説明を参酌する。
図9Aのタイミングチャートの時刻T21から時刻T24までの間では、配線RVEの電位は、配線RDLと同様の電位変化としている。図9Aのタイミングチャートにおいて、配線RVE、及び配線RDLのそれぞれの電位は、時刻T21から時刻T24までの間では、低レベル電位となっている。これにより、時刻T21から時刻T24までの間では、トランジスタM2の第1端子-第2端子間の電圧は0Vとなるため、トランジスタM2をオフ状態にすることができる。
また、図9Aのタイミングチャートの時刻T22から時刻T23までの間に、配線RDLはフローティング状態になるものとする。
その後、図9Aのタイミングチャートの時刻T24から時刻T25までの間において、配線RVEの電位を低レベル電位(図9では、Lowと記載している)から高レベル電位(図9では、Highと記載している)に変化させることで、トランジスタM2が一時的にオン状態となり、図3Aのタイミングチャートの時刻T24から時刻T25までの間と同様に、配線RDLの高レベル電位を、トランジスタM2のゲートの電位に応じた電位に変動させることができる。その後、配線RDLの電位を読み出し回路などによって取得することで、図8AのメモリセルMCに保持されたデータを破壊せずに、当該データを読み出すことができる。
次に、図9Aとは異なる、図8AのメモリセルMCからのデータの読み出し動作例について説明する。図9Bのタイミングチャートに示す動作例は、配線RDLに与えられている電圧の変化において、図9Aのタイミングチャートと異なっている。
図9Bのタイミングチャートの時刻T21から時刻T24までの間では、配線RVEの電位は、配線RDLと同様の電位変化としている。図9Bのタイミングチャートにおいて、配線RVE、及び配線RDLのそれぞれの電位は、時刻T21から時刻T24までの間では、低レベル電位となっている。これにより、時刻T21から時刻T24までの間では、トランジスタM2の第1端子-第2端子間の電圧は0Vとなるため、トランジスタM2をオフ状態にすることができる。
なお、図9Bのタイミングチャートの時刻T22から時刻T23までの間は、図9Aと異なり、配線RDLはフローティング状態にしなくてもよい。
その後、図9Bのタイミングチャートの時刻T24から時刻T25までの間において、配線RVEの電位を低レベル電位(図9BではLowと記載している)よりも高い読み出し用の定電圧VRE2に変化させることで、トランジスタM2がオン状態となり、トランジスタM2を介して、配線RVEと配線RDLとの間に、トランジスタM2のゲートの電位に応じた電流が流れる。その後、配線RDLに流れる電流の量を電流読み出し回路などによって取得することで、図8AのメモリセルMCに保持されたデータを破壊せずに、当該データを読み出すことができる。
また、本発明の一態様の半導体装置に係るメモリセルMCの回路構成は、図8AのメモリセルMCの回路構成に限定されない。本発明の一態様の半導体装置に係るメモリセルMCの構成は、場合によって、又は、状況に応じて、図8AのメモリセルMCを変更した構成としてもよい。
例えば、図8AのメモリセルMCの回路構成は、図8Bに示すメモリセルMCの回路構成に変更してもよい。図8BのメモリセルMCは、図7に示すメモリセルMCと同様に、図8Aに図示されている配線WDLと配線RDLを一本の配線WRDLにまとめた構成となっている。
配線WRDLは、一例として、図7のメモリセルMCに電気的に接続されている配線WRDLと同様に、メモリセルMCに書き込むためのデータに送信する配線としても機能し、また、メモリセルMCからデータを読み出すためにプリチャージ電位を供給する配線としても機能する。
また、図8BのメモリセルMCへのデータの書き込み動作例については、図7のメモリセルMCのデータの書き込み動作例の説明を参酌する。特に、配線WRDLに与えられる電位としては、図2のタイミングチャートに記載の配線WDLに与えられる電位と同様とすればよい。また、図7のメモリセルMCへのデータの読み出し動作例については、図9A、又は図9Bのタイミングチャートを参酌する。特に、配線WRDLに与えられる電位としては、図3A、又は図3Bのタイミングチャートに記載の配線RDLに与えられる電位と同様とすればよい。
本実施の形態で説明した、半導体装置にメモリセルMCを適用することによって、データの再書き込みが不要な半導体装置(非破壊読み出しを行う半導体装置)を構成することができる。また、半導体装置にメモリセルMCを適用することで、データの再書き込みが不要となるため、再書き込みに必要な消費電力を低減することができる。また、半導体装置にメモリセルMCを適用することで、データの再書き込みを行う回路を設ける必要が無くなるため、半導体装置の回路面積を低減することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明したメモリセルMCを備えることができる記憶装置について説明する。
<記憶装置の構成例>
図10は、当該記憶装置の回路構成の一例である。記憶装置100は、メモリセルアレイMCAと、回路WDDと、回路RDDと、回路WWDと、回路RWDと、回路FECDと、を有する。なお、図10の記憶装置100に適用できるメモリセルMCは、一例として、図1A(図1B)のメモリセルMCとしている。
メモリセルアレイMCAは、複数のメモリセルMCを有する。また、メモリセルアレイMCAにおいて、複数のメモリセルMCは、m行n列(m、nのそれぞれは1以上の整数とする)のマトリクス状に配置されている。なお、図10において、一例として、i行j列(iは1以上m以下の整数であって、jは1以上n以下の整数である)に位置するメモリセルMCは、メモリセルMC[i,j]としている(メモリセルMC[i,j]は図示しない)。
また、記憶装置100のメモリセルアレイMCAには、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]と、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]と、が列方向に延設されている。なお、配線WDL、及び配線RDLに付している[1]は、1列目の配線であることを表し、配線WDL、及び配線RDLに付している[n]は、n列目の配線であることを表している。また、配線RWL[1]乃至配線RWL[m]と、配線WWL[1]乃至配線WWL[m]と、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]と、配線FCB[1]乃至配線FCB[m]と、が行方向に延設されている。なお、配線RWL、配線WWL、配線FCA、及び配線FCBに付している[1]は、1行目の配線であることを表し、配線RWL、配線WWL、配線FCA、及び配線FCBに付している[m]は、m行目の配線であることを表している。
配線WDL[1]乃至配線WDL[n]は、図1A(図1B)のメモリセルMCにおける配線WDLに相当し、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]は、図1A(図1B)のメモリセルMCにおける配線RDLに相当する。また、配線RWL[1]乃至配線RWL[m]は、図1A(図1B)のメモリセルMCにおける配線RWLに相当し、配線WWL[1]乃至配線WWL[m]は、図1A(図1B)のメモリセルMCにおける配線WWLに相当し、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]は、図1A(図1B)のメモリセルMCにおける配線FCAに相当し、配線FCB[1]乃至配線FCB[m]は、図1A(図1B)のメモリセルMCにおける配線FCBに相当する。
回路WDDは、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]に電気的に接続されている。また、回路RWDは、配線RWL[1]乃至配線RWL[m]に電気的に接続されている。また、回路WWDは、配線WWL[1]乃至配線WWL[m]に電気的に接続されている。また、回路FECDは、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]と、配線FCB[1]乃至配線FCB[m]と、に電気的に接続されている。また、回路RDDは、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]に電気的に接続されている。
回路WWDは、一例として、書き込みワード線ドライバ回路として機能する。例えば、回路WWDは、配線WWL[1]乃至配線WWL[m]のうち1本の配線に選択信号を送信し、残りの配線に非選択信号を送信することで、メモリセルアレイMCAにおいて、書き込み動作を行う複数のメモリセルMCを選択することができる。具体的には、例えば、図1AのメモリセルMCの場合、選択信号としては高レベル電位とし、非選択信号としては低レベル電位とすればよい。図1AのメモリセルMCにおいて、配線WWLに高レベル電位が与えられている場合、トランジスタM1がオン状態となるため、配線WDLからメモリセルMCに書き込み用のデータを送信することができる。一方、図1A(図1B)のメモリセルMCにおいて、配線WWLに低レベル電位が与えられている場合、トランジスタM1がオフ状態となるため、配線WDLから別のメモリセルMCに対する書き込み用のデータが送信されたとしても、配線WWLから低レベル電位が与えられているメモリセルMCに当該データが書き込まれることはない。
回路RWDは、一例として、読み出しワード線ドライバ回路として機能する。例えば、回路RDDは、配線RWL[1]乃至配線RWL[m]のうち1本の配線に選択信号を送信し、残りの配線に非選択信号を送信することで、メモリセルアレイMCAにおいて、読み出し動作を行う複数のメモリセルMCを選択することができる。具体的には、例えば、図1AのメモリセルMCの場合、選択信号としては高レベル電位とし、非選択信号としては低レベル電位とすればよい。図1AのメモリセルMCにおいて、配線RWLに高レベル電位が与えられている場合、トランジスタM1がオン状態となるため、メモリセルMCから配線RDLに、メモリセルMCに保持されたデータを送信することができる。一方、図1AのメモリセルMCにおいて、配線RWLに低レベル電位が与えられている場合、トランジスタM3がオフ状態となるため、メモリセルMCから配線RDLに、メモリセルMCに保持されたデータが送信されることはない。
回路FECDは、一例として、配線FCA及び配線FCBのそれぞれに定電位を与える機能を有する。具体的には、例えば、回路FECDは、メモリセルMCへのデータの書き込み時において、配線FCA及び配線FCBのそれぞれに定電位を与えることによって、複数のメモリセルMCのそれぞれに備わるFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの分極を発生させる(分極の方向を変える)ことができる。又は、回路FECDは、メモリセルMCからデータを読み出す際に、配線FCA及び配線FCBのそれぞれに定電位を与えることによって、FTJ素子FJAの入力端子-出力端子間、及びFTJ素子FJBの入力端子-出力端子間のそれぞれに、配線FCAと配線FCBとの電位差に応じた分圧を与えることができる。
回路WDDは、一例として、書き込みデータ線ドライバ回路として機能する。例えば、回路WDDは、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]のそれぞれに書き込み用のデータ(例えば、電圧)を送信することで、回路WWDによって選択された特定の行に配置されている複数のメモリセルMCに、当該書き込み用のデータを書き込むことができる。
回路RDDは、一例として、読み出し回路として機能する。例えば、回路RDDは、回路RWDによって選択された特定の行に配置されている複数のメモリセルMCから出力されたデータ(例えば、電圧、電流など)を配線RDL[1]乃至配線RDL[n]のそれぞれから取得して、当該データを読み出すことができる。回路WDDは、一例として、プリチャージ回路、センスアンプ回路、電流電圧変換回路などから選ばれた一、又は複数を有する。
<記憶装置の動作例>
次に、記憶装置100の動作例について説明する。
<<書き込み動作例1>>
図11は、記憶装置100のメモリセルMCへのデータの書き込み動作の一例を示したタイミングチャートである。なお、上記の実施の形態で説明した、図2のタイミングチャートは、1個のメモリセルMCにおける動作例について示したものであって、図11のタイミングチャートは、メモリセルアレイMCAに含まれる複数のメモリセルMCへのデータ書き込みの動作例を示したものである。
図11のタイミングチャートは、時刻U1から時刻U13までの間、及びその近傍の時刻における、配線WWL[1]、配線WWL[2]、配線WWL[m]、配線WDL[1]、配線WDL[2]、配線WDL[n]、配線FCA[1]、配線FCB[1]、配線FCA[2]、配線FCB[2]、配線FCA[m]、及び配線FCB[m]の電位の変化を示している。
時刻U1から時刻U2までの間では、例えば、回路WWDは、配線WWL[1]乃至配線WWL[m]に、初期電位として、低レベル電位(図11ではLowと記載している)を与える。そのため、メモリセルアレイMCAに含まれている全てのメモリセルMCのそれぞれのトランジスタM1のゲートには、低レベル電位が与えられるため、トランジスタM1はオフ状態となる。
また、時刻U1から時刻U2までの間では、回路WDDは、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]に、書き込み用のデータを送信しない。そのため、時刻U1から時刻U2までの間では、回路WDDは、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]に、一例として、接地電位を与えている。
また、時刻U1から時刻U2までの間では、回路FECDは、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]、及び配線FCB[1]乃至配線FCB[m]のそれぞれに、電位V0A、及び電位V0Bを与える。なお、電位V0A、及び電位V0Bについては、図2のタイミングチャートの説明を参酌する。
時刻U2から時刻U5までの間では、回路WWDは、配線WWL[1]に高レベル電位(図11ではHighと記載している)を与え、配線WWL[2]乃至配線WWL[m]に低レベル電位を与える。そのため、メモリセルアレイMCAにおいて、1行目に配置されているメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM1のゲートに高レベル電位が与えられるため、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM1はオン状態となる。また、メモリセルアレイMCAにおいて、2行目乃至m行目に配置されているメモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM1のゲートに低レベル電位が与えられるため、メモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM1はオフ状態となる。つまり、回路WWDは、配線WWL[1]に高レベル電位を与え、配線WWL[2]乃至配線WWL[m]に低レベル電位を与えることで、書き込み先として、メモリセルアレイMCAの1行目に配置されているメモリセルMCを選択することができる。
また、時刻U2から時刻U5までの間では、回路WDDは、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]のそれぞれに、書き込み用のデータとして、一例として、D[1,1]乃至D[1,n]を与える。また、回路WWDによって、メモリセルアレイMCAの1行目に配置されているメモリセルMCが書き込み先として選択されているため、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートに、D[1,1]乃至D[1,n]に応じた電位が与えられる。
また、時刻U3から時刻U4までの間では、回路FECDは、配線FCA[1]に電位V1Aを与え、配線FCB[1]に電位V0Bを与える。なお、回路FECDは、配線FCA[2]乃至配線FCA[m]のそれぞれに電位V0Aを与え、また、配線FCB[2]乃至配線FCB[m]のそれぞれに電位V0Bを与える。
さらに、時刻U4から時刻U5までの間では、回路FECDは、配線FCA[1]に電位V0Aを与え、配線FCB[1]に電位V1Bを与える。なお、回路FECDは、引き続き、配線FCA[2]乃至配線FCA[m]のそれぞれに電位V0Aを与え、また、配線FCB[2]乃至配線FCB[m]のそれぞれに電位V0Bを与える。
なお、電位V1A、及び電位V1Bについては、図2のタイミングチャートの説明を参酌する。
時刻U2から時刻U5までの間の動作によって、メモリセルアレイMCAの1行目のメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれに含まれているFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBで発生する分極の方向が、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]から送られているD[1,1]乃至D[1,n]に応じて定められる。つまり、時刻U2から時刻U5までの動作で、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれへのD[1,1]乃至D[1,n]の書き込みが行われる。
時刻U5から時刻U8までの間では、回路WWDは、配線WWL[2]に高レベル電位を与え、配線WWL[1]、及び配線WWL[3]乃至配線WWL[m]に低レベル電位を与える。そのため、メモリセルアレイMCAにおいて、2行目に配置されているメモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM1のゲートに高レベル電位が与えられるため、メモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM1はオン状態となる。また、メモリセルアレイMCAにおいて、1行目、及び3行目からm行目に配置されているメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]、及びメモリセルMC[3,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM1のゲートに高レベル電位が与えられるため、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]、及びメモリセルMC[3,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM1はオフ状態となる。つまり、回路WWDは、配線WWL[2]に高レベル電位を与え、配線WWL[1]、及び配線WWL[3]乃至配線WWL[m]に低レベル電位を与えることで、書き込み先として、メモリセルアレイMCAの2行目に配置されているメモリセルMCを選択することができる。
また、時刻U5から時刻U8までの間では、回路WDDは、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]のそれぞれに、書き込み用のデータとして、一例として、D[2,1]乃至D[2,n]を与える。また、回路WWDによって、メモリセルアレイMCAの2行目に配置されているメモリセルMCが書き込み先として選択されているため、メモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートに、D[2,1]乃至D[2,n]に応じた電位が与えられる。
また、時刻U6から時刻U7までの間では、回路FECDは、配線FCA[2]に電位V1Aを与え、配線FCB[2]に電位V0Bを与える。なお、回路FECDは、配線FCA[1]、及び配線FCA[3]乃至配線FCA[m]のそれぞれに電位V0Aを与え、また、配線FCB[1]、配線FCB[3]乃至配線FCB[m]のそれぞれに電位V0Bを与える。
さらに、時刻U7から時刻U8までの間では、回路FECDは、配線FCA[2]に電位V0Aを与え、配線FCB[2]に電位V1Bを与える。なお、回路FECDは、引き続き、配線FCA[1]、及び配線FCA[3]乃至配線FCA[m]のそれぞれに電位V0Aを与え、また、配線FCB[1]、及び配線FCB[3]乃至配線FCB[m]のそれぞれに電位V0Bを与える。
時刻U5から時刻U8までの間の動作によって、メモリセルアレイMCAの2行目のメモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のそれぞれに含まれているFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBで発生する分極の方向は、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]から送られているD[2,1]乃至D[2,n]に応じて定められる。つまり、時刻U5から時刻U8までの動作で、メモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のそれぞれへのD[2,1]乃至D[2,n]の書き込みが行われる。
時刻U8から時刻U9までの間では、時刻U2から時刻U5までの間で行われたメモリセルアレイMCAの1行目に配置されているメモリセルMCへのデータの書き込み動作、及び時刻U5から時刻U8までの間で行われたメモリセルアレイMCAの2行目に配置されているメモリセルMCへのデータの書き込み動作、と同様にメモリセルアレイMCAの3行目からm-1行目までに配置されているメモリセルMCへのデータの書き込み動作が行われる。
時刻U9から時刻U12までの間では、回路WWDは、配線WWL[m]に高レベル電位を与え、配線WWL[1]乃至配線WWL[m-1]に低レベル電位を与える。そのため、メモリセルアレイMCAにおいて、m行目に配置されているメモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM1のゲートに高レベル電位が与えられるため、メモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM1はオン状態となる。また、メモリセルアレイMCAにおいて、1行目乃至m-1行目に配置されているメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m-1,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM1のゲートに低レベル電位が与えられるため、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m-1,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM1はオフ状態となる。つまり、回路WWDは、配線WWL[m]に高レベル電位を与え、配線WWL[1]乃至配線WWL[m-1]に低レベル電位を与えることで、書き込み先として、メモリセルアレイMCAのm行目に配置されているメモリセルMCを選択することができる。
また、時刻U9から時刻U12までの間では、回路WDDは、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]のそれぞれに、書き込み用のデータとして、一例として、D[m,1]乃至D[m,n]を与える。また、回路WWDによって、メモリセルアレイMCAのm行目に配置されているメモリセルMCが書き込み先として選択されているため、メモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートに、D[m,1]乃至D[m,n]に応じた電位が与えられる。
また、時刻U10から時刻U11までの間では、回路FECDは、配線FCA[m]に電位V1Aを与え、配線FCB[m]に電位V0Bを与える。なお、回路FECDは、配線FCA[1]乃至配線FCA[m-1]のそれぞれに電位V0Aを与え、また、配線FCB[1]乃至配線FCB[m-1]のそれぞれに電位V0Bを与える。
さらに、時刻U11から時刻U12までの間では、回路FECDは、配線FCA[m]に電位V0Aを与え、配線FCB[m]に電位V1Bを与える。なお、回路FECDは、引き続き、配線FCA[1]乃至配線FCA[m-1]のそれぞれに電位V0Aを与え、また、配線FCB[1]乃至配線FCB[m-1]のそれぞれに電位V0Bを与える。
時刻U9から時刻U12までの間の動作によって、メモリセルアレイMCAのm行目のメモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに含まれているFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBで発生する分極の方向は、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]から送られているD[m,1]乃至D[m,n]に応じて定められる。つまり、時刻U9から時刻U12までの動作で、メモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれへのD[m,1]乃至D[m,n]の書き込みが行われる。
時刻U1から時刻U12までの動作が行われることによって、メモリセルアレイMCAに含まれるメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに、D[1,1]乃至D[m,n]を書き込むことができる。
なお、図11のタイミングチャートでは、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m,n]へのデータの書き込み動作の終了後の動作(時刻U12から時刻U13までの間の動作)として、回路WWDは、一例として、配線WWL[1]乃至配線WWL[m]に低レベル電位を与えている。また、回路WDDは、一例として、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]に接地電位を与えている。また、回路FECDは、一例として、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]、及び配線FCB[1]乃至配線FCB[m]のそれぞれに、電位V0A、及び電位V0Bを与えている。
なお、図11のタイミングチャートの動作は、一例であるため、状況に応じて、又は場合によって、その動作を変更してもよい。例えば、図11のタイミングチャートの時刻U2から時刻U5までの間の動作において、配線WWL[1]に高レベル電位が与えられて、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]にD[1,1]乃至D[1,n]が与えられているが、配線WWL[1]に高レベル電位が与えられている期間内に、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]にD[1,1]乃至D[1,n]が与えられていてもよいし、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]にD[1,1]乃至D[1,n]が与えられている期間内に配線WWL[1]に高レベル電位が与えられていてもよい。また、配線FCA[1]に電位V1Aが与えられ、かつ配線FCB[1]に電位V0Bが与えられている期間、及び配線FCA[1]に電位V0Aが与えられて、かつ配線FCB[1]に電位V1Bが与えられている期間は、配線WWL[1]に高レベル電位が与えられ、かつ配線WDL[1]乃至配線WDL[n]にD[1,1]乃至D[1,n]が与えられている期間内であれば、どのタイミングでもよい。また、配線FCA[1]に電位V0Aが与えられて、かつ配線FCB[1]に電位V1Bが与えられている期間は、配線FCA[1]に電位V1Aが与えられ、かつ配線FCB[1]に電位V0Bが与えられている期間よりも先でもよい。
<<書き込み動作例2>>
次に、図11のタイミングチャートとは異なる、記憶装置100のメモリセルMCへのデータの書き込み動作の一例について説明する。
図12に示すタイミングチャートは、図11のタイミングチャートの書き込み動作例とは異なる、書き込み動作の一例を示している。図12のタイミングチャートは、図11のタイミングチャートと同様に、時刻U1から時刻U13までの間、及びその近傍の時刻における、配線WWL[1]、配線WWL[2]、配線WWL[m]、配線WDL[1]、配線WDL[2]、配線WDL[n]、配線FCA[1]、配線FCB[1]、配線FCA[2]、配線FCB[2]、配線FCA[m]、及び配線FCB[m]の電位の変化を示している。
図12のタイミングチャートの書き込み動作は、時刻U2から時刻U12までの間において配線WWL[1]乃至配線WWL[m]のそれぞれに高レベル電位が入力されている点と、時刻U1から時刻U13までの間において配線FCA[1]乃至配線FCA[m]及び配線FCB[1]乃至配線FCB[m]のそれぞれの電位変動の点で、図11のタイミングチャートの書き込み動作と異なっている。
図12のタイミングチャートの時刻U2から時刻U12までの間において配線WWL[1]乃至配線WWL[m]のそれぞれに高レベル電位が入力されているため、時刻U2から時刻U12までの間では、メモリセルアレイMCAに含まれているメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれのトランジスタM1のゲートに高レベル電位が入力されるため、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれのトランジスタM1はオン状態となる。つまり、j列目に着目すると、配線WDL[j]と、メモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]のそれぞれのトランジスタM2のゲートとの間は導通状態となる。
また、図12のタイミングチャートの時刻U1から時刻U2までの間において、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]には電位VNAが与えられ、配線FCB[1]乃至配線FCB[m]には電位VNBが与えられている。
なお、VNAは、配線WDLからトランジスタM2のゲートに入力される全てのデータ(電位)に対して、FTJ素子FJAにて分極が起こらない(変化しない)程度の電位とし、VNBは、配線WDLからトランジスタM2のゲートに入力される全てのデータ(電位)に対して、FTJ素子FJBにて分極が起こらない(変化しない)程度の電位としている。例えば、VNAは、V0Aよりも高くV1Aよりも低い電位とすることができる。また、例えば、VNBは、V0Bよりも高くV1Bよりも低い電位とすることができる。
また、図12のタイミングチャートの時刻U3から時刻U4までの間において、配線FCA[1]には電位V1Aが与えられ、配線FCB[1]には電位V0Bが与えられている。なお、配線FCA[2]乃至配線FCA[m]のそれぞれには、引き続き電位VNAが与えられ、また、配線FCB[2]乃至配線FCB[m]のそれぞれには、引き続き電位VNBが与えられている。
また、図12のタイミングチャートの時刻U4から時刻U5までの間において、配線FCA[1]には電位V0Aが与えられ、配線FCB[1]には電位V1Bが与えられている。なお、配線FCA[2]乃至配線FCA[m]のそれぞれには、引き続き電位VNAが与えられ、また、配線FCB[2]乃至配線FCB[m]のそれぞれには、引き続き電位VNBが与えられている。
図12のタイミングチャートの時刻U2から時刻U5までの間の動作によって、メモリセルアレイMCAの1行目のメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれに含まれているFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBで発生する分極の方向が、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]から送られているD[1,1]乃至D[1,n]に応じて定められる。一方、時刻U2から時刻U5までの間において、配線FCA[2]乃至配線FCA[m]のそれぞれには電位VNAが与えられ、また、配線FCB[2]乃至配線FCB[m]のそれぞれには電位VNBが与えられているため、メモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれのトランジスタM1がオン状態になっていたとしても、各列のメモリセルMCにD[1,1]乃至D[1,n]が書き込まれることはない。
つまり、図12のタイミングチャートの動作では、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]、及び配線FCB[1]乃至配線FCB[m]のそれぞれを、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの分極の制御用の配線だけでなく、データの書き込みの選択信号線も兼ねて機能させることができる。
図12のタイミングチャートにおいて時刻U5以降についても、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]から送信されるデータにあわせて、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]、及び配線FCB[1]乃至配線FCB[m]を用いて、メモリセルアレイMCAの2行目からm行目まで1行ずつメモリセルMCを選択することによって、図11のタイミングチャートの動作例と同様に、メモリセルアレイMCAに含まれるメモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに、D[2,1]乃至D[m,n]を書き込むことができる。
<<読み出し動作例1>>
図13は、記憶装置100のメモリセルMCからのデータの読み出し動作の一例を示したタイミングチャートである。なお、上記の実施の形態で説明した、図3A、及び図3Bなどのタイミングチャートは、1個のメモリセルMCにおける動作例について示したものであって、図13のタイミングチャートは、メモリセルアレイMCAに含まれる複数のメモリセルMCからのデータ読み出しの動作例を示したものである。
図13のタイミングチャートは、時刻U21から時刻U33までの間、及びその近傍の時刻における、配線RWL[1]、配線RWL[2]、配線RWL[m]、配線FCA[1]、配線FCB[1]、配線FCA[2]、配線FCB[2]、配線FCA[m]、配線FCB[m]、配線RDL[1]、配線RDL[2]、及び配線RDL[n]の電位の変化を示している。
時刻U21から時刻U22までの間では、例えば、回路RWDは、配線RWL[1]乃至配線RWL[m]に、初期電位として、低レベル電位(図13ではLowと記載している)を与える。そのため、メモリセルアレイMCAに含まれている全てのメモリセルMCのそれぞれのトランジスタM3のゲートには、低レベル電位が与えられるため、トランジスタM3はオフ状態となる。
また、時刻U21から時刻U22までの間では、回路FECDは、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]、及び配線FCB[1]乃至配線FCB[m]のそれぞれに、電位V0A、及び電位V0Bを与える。なお、電位V0A、及び電位V0Bについては、図2、図3Aなどのタイミングチャートの説明を参酌する。
また、時刻U21から時刻U22までの間では、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]には、一例として、配線VCEに与えられる電位に対応した電位を与えることが好ましい。例えば、配線VCEが低レベル電位であるとき、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]には高レベル電位が与えられることが好ましく、又は、配線VCEが高レベル電位であるとき、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]には低レベル電位が与えられることが好ましい。本動作例では、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]には、メモリセルMCからのデータの読み出しに支障が出ない程度の電位として、VRE3が与えられるものとする。
時刻U22から時刻U25までの間では、回路FECDは、配線FCA[1]に電位VMを与え、配線FCB[1]に電位V0Bを与えている。また、回路FECDは、配線FCA[2]乃至配線FCA[m]に電位V0Aを与え、配線FCB[2]乃至配線FCB[m]に電位V0Bを与えている。このとき、配線FCA[1]と配線FCB[1]との間では、VM-V0Bの電圧がかかるため、メモリセルアレイMCAの1行目のメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれには、当該電圧の分圧がかかる。そのため、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位は、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの分極の方向、つまり、そのメモリセルMCに書き込まれているデータによって決められる。
なお、電位VMについては、図3Aなどのタイミングチャートの説明を参酌する。
時刻U23から時刻U24までの間では、回路RWDは、配線RWL[1]に高レベル電位(図13ではHighと記載している)を与える。また、回路RWDは、配線RWL[2]乃至配線RWL[m]に低レベル電位を与える。そのため、メモリセルアレイMCAにおいて、1行目に配置されているメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM3のゲートに高レベル電位が与えられるため、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM3はオン状態となる。また、メモリセルアレイMCAにおいて、2行目からm行目に配置されているメモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM3のゲートに低レベル電位が与えられるため、メモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM3はオフ状態となる。
つまり、回路FECDが配線FCA[1]に電位VMを与え、配線FCB[1]に電位V0Bを与え、配線FCA[2]乃至配線FCA[m]に電位V0Aを与え、配線FCB[2]乃至配線FCB[m]に電位V0Bを与えて、かつ回路RWDが配線RWL[1]に高レベル電位を与え、配線RWL[2]乃至配線RWL[m]に低レベル電位を与えることで、読み出し元として、メモリセルアレイMCAの1行目に配置されているメモリセルMCを選択することができる。
また、時刻U23から時刻U24までの間において、メモリセルアレイMCAの1行目のメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]の配線VCEと配線RDL[1]乃至配線RDL[n]との間が導通状態となるため、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位に応じた電流が、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]に流れる。又は、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位に応じて、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]のそれぞれの電位が変化する。つまり、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]には、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれに保持されているデータとして、D[1,1]乃至D[1,n]に応じたデータ(例えば、電流、又は電圧)が配線RDL[1]乃至配線RDL[n]に送信される。
このとき、回路RDDなどで、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]に送信されるデータ(例えば、電流、又は電圧)を取得することによって、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれに保持されているD[1,1]乃至D[1,n]を読み出すことができる。
時刻U25から時刻U27までの間では、回路FECDは、配線FCA[2]に電位VMを与え、配線FCB[2]に電位V0Bを与えている。また、回路FECDは、配線FCA[1]、及び配線FCA[3]乃至配線FCA[m]に電位V0Aを与え、配線FCB[1]、及び配線FCB[3]乃至配線FCB[m]に電位V0Bを与えている。このとき、配線FCA[2]と配線FCB[2]との間では、VM-V0Bの電圧がかかるため、メモリセルアレイMCAの2行目のメモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれには、当該電圧の分圧がかかる。そのため、メモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位は、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの分極の方向、つまり、そのメモリセルMCに書き込まれているデータによって決められる。
時刻U26から時刻U27までの間では、回路RWDは、配線RWL[2]に高レベル電位を与える。また、回路RWDは、配線RWL[1]、及び配線RWL[3]乃至配線RWL[m]に低レベル電位を与える。そのため、メモリセルアレイMCAにおいて、2行目に配置されているメモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM3のゲートに高レベル電位が与えられるため、メモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM3はオン状態となる。また、メモリセルアレイMCAにおいて、1行目及び3行目からm行目に配置されているメモリセルMCのそれぞれに含まれているトランジスタM3のゲートに低レベル電位が与えられるため、1行目及び3行目からm行目に配置されているメモリセルMCのそれぞれに含まれているトランジスタM3はオフ状態となる。
つまり、回路FECDが配線FCA[2]に電位VMを与え、配線FCB[2]に電位V0Bを与え、配線FCA[1]及び配線FCA[3]乃至配線FCA[m]に電位V0Aを与え、配線FCB[1]及び配線FCB[3]乃至配線FCB[m]に電位V0Bを与えて、かつ回路RWDが配線RWL[2]に高レベル電位を与え、配線RWL[1]及び配線RWL[3]乃至配線RWL[m]に低レベル電位を与えることで、読み出し元として、メモリセルアレイMCAの2行目に配置されているメモリセルMCを選択することができる。
また、時刻U26から時刻U27までの間において、メモリセルアレイMCAの2行目のメモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]の配線VCEと配線RDL[1]乃至配線RDL[n]との間が導通状態となるため、メモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位に応じた電流が、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]に流れる。又は、メモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位に応じて、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]のそれぞれの電位が変化する。つまり、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]には、メモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のそれぞれに保持されているデータとして、D[2,1]乃至D[2,n]に応じたデータ(例えば、電流、又は電圧)が配線RDL[1]乃至配線RDL[n]に送信される。
このとき、回路RDDなどで、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]に送信されるデータ(例えば、電流、又は電圧)を取得することによって、メモリセルMC[2,1]乃至メモリセルMC[2,n]のそれぞれに保持されているD[2,1]乃至D[2,n]を読み出すことができる。
時刻U28から時刻U29までの間では、時刻U22から時刻U25までの間で行われたメモリセルアレイMCAの1行目に配置されているメモリセルMCからのデータの読み出し動作、及び時刻U25から時刻U28までの間で行われたメモリセルアレイMCAの2行目に配置されているメモリセルMCからのデータの読み出し動作、と同様にメモリセルアレイMCAの3行目からm-1行目までに配置されているメモリセルMCからのデータの読み出し動作が行われる。
時刻U29から時刻U32までの間では、回路FECDは、配線FCA[m]に電位VMを与え、配線FCB[m]に電位V0Bを与えている。また、回路FECDは、配線FCA[1]乃至配線FCA[m-1]に電位V0Aを与え、配線FCB[1]乃至配線FCB[m-1]に電位V0Bを与えている。このとき、配線FCA[m]と配線FCB[m]との間では、VM-V0Bの電圧がかかるため、メモリセルアレイMCAのm行目のメモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]のFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれには、当該電圧の分圧がかかる。そのため、メモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位は、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの分極の方向、つまり、そのメモリセルMCに書き込まれているデータによって決められる。
時刻U30から時刻U31までの間では、回路RWDは、配線RWL[m]に高レベル電位を与える。また、回路RWDは、配線RWL[1]乃至配線RWL[m-1]に低レベル電位を与える。そのため、メモリセルアレイMCAにおいて、m行目に配置されているメモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM3のゲートに高レベル電位が与えられるため、メモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM3はオン状態となる。また、メモリセルアレイMCAにおいて、1行目乃至m-1行目に配置されているメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m-1,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM3のゲートに低レベル電位が与えられるため、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m-1,n]のそれぞれに含まれているトランジスタM3はオフ状態となる。
つまり、回路FECDが配線FCA[m]に電位VMを与え、配線FCB[m]に電位V0Bを与え、配線FCA[1]乃至配線FCA[m-1]に電位V0Aを与え、配線FCB[1]乃至配線FCB[m-1]に電位V0Bを与えて、かつ回路RWDが配線RWL[m]に高レベル電位を与え、配線RWL[1]乃至配線RWL[m-1]に低レベル電位を与えることで、読み出し元として、メモリセルアレイMCAのm行目に配置されているメモリセルMCを選択することができる。
また、時刻U30から時刻U31までの間において、メモリセルアレイMCAのm行目のメモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]の配線VCEと配線RDL[1]乃至配線RDL[n]との間が導通状態となるため、メモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位に応じた電流が、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]に流れる。又は、メモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位に応じて、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]のそれぞれの電位が変化する。つまり、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]には、メモリセルMC[m,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれに保持されているデータとして、D[m,1]乃至D[m,n]に応じたデータ(例えば、電流、又は電圧)が配線RDL[1]乃至配線RDL[n]に送信される。
時刻U21から時刻U32までの動作が行われることによって、メモリセルアレイMCAに含まれるメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれから、D[1,1]乃至D[m,n]を読み出すことができる。
なお、図13のタイミングチャートでは、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m,n]からのデータの読み出し動作の終了後の動作(時刻U32から時刻U33までの間の動作)として、回路RWDは、一例として、配線RWL[1]乃至配線RWL[m]に低レベル電位を与えている。また、回路FECDは、一例として、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]、及び配線FCB[1]乃至配線FCB[m]のそれぞれに、電位V0A、及び電位V0Bを与えている。また、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]のそれぞれには、一例として接地電位が与えられている。
<<読み出し動作例2>>
次に、図13のタイミングチャートとは異なる、記憶装置100のメモリセルMCからのデータの読み出し動作の一例について説明する。
図14に示すタイミングチャートは、図13のタイミングチャートの読み出し動作例とは異なる、読み出し動作の一例を示している。図14のタイミングチャートは、図13のタイミングチャートと同様に、時刻U21から時刻U33までの間、及びその近傍の時刻における、配線RWL[1]、配線RWL[2]、配線RWL[m]、配線FCA[1]、配線FCB[1]、配線FCA[2]、配線FCB[2]、配線FCA[m]、配線FCB[m]、配線RDL[1]、配線RDL[2]、及び配線RDL[n]の電位の変化を示している。
図14のタイミングチャートの読み出し動作は、時刻U22から時刻U32までの間において配線FCA[1]乃至配線FCA[m]のそれぞれが電位VMになっている点で、図13のタイミングチャートの読み出し動作と異なっている。
図14のタイミングチャートの時刻U22から時刻U32までの間において配線FCA[1]乃至配線FCA[m]のそれぞれにVMが入力され、かつ配線FCB[1]乃至配線FCB[m]のそれぞれにV0Bが入力されているため、時刻U22から時刻U32までの間では、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位は、それぞれのメモリセルMCに保持されているデータに応じた電位となる。また、このとき、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲート-第1端子間において電圧が生じるため、トランジスタM2の第2端子の電位次第で、トランジスタM2の第1端子-第2端子間に電流が流れる。
また、本動作例において、メモリセルアレイMCAから読み出すメモリセルMCを選択する場合は、回路RWDから配線RWL[1]乃至配線RWL[m]のいずれか一に高レベル電位を入力し、残りの配線に低レベル電位を入力することによって行うことができる。例えば、図14のタイミングチャートにおいて、時刻U23から時刻U24までの間のとおり、配線RWL[1]に高レベル電位を与え、配線RWL[2]乃至配線RWL[m]に低レベル電位を与えることで、メモリセルアレイMCAの1行目に配置されているメモリセルMCに保持されているデータを読み出すことができる。同様に、時刻U26から時刻U27までの間のとおり、配線RWL[2]に高レベル電位を与え、配線RWL[1]及び配線RWL[3]乃至配線RWL[m]に低レベル電位を与えることで、メモリセルアレイMCAの2行目に配置されているメモリセルMCに保持されているデータを読み出すことができ、時刻U30から時刻U31までの間のとおり、配線RWL[m]に高レベル電位を与え、配線RWL[1]乃至配線RWL[m-1]に低レベル電位を与えることで、メモリセルアレイMCAのm行目に配置されているメモリセルMCに保持されているデータを読み出すことができる。
つまり、図14のタイミングチャートの動作例において、配線RWL[1]乃至配線RWL[m]の電位の変動は、図13のタイミングチャートの動作例と同様とすることができる。
図14のタイミングチャートの動作では、メモリセルアレイMCAに含まれる複数のメモリセルMCを読み出す際に、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]と、配線FCB[1]乃至配線FCB[m]と、のそれぞれの電位を、読み出すメモリセルMCごとに電位を変化させる必要がない。つまり、図14のタイミングチャートの動作例を適用することで、回路FECDを、セレクタなど信号を送信する配線を選択する回路を有さない構成とすることができる。
<<読み出し動作例3>>
次に、図13、及び図14のタイミングチャートとは異なる、記憶装置100のメモリセルMCからのデータの読み出し動作の一例について説明する。
図15に示すタイミングチャートは、図13、及び図14のタイミングチャートの読み出し動作例とは異なる、読み出し動作の一例を示している。図15のタイミングチャートは、図13、及び図14のタイミングチャートと同様に、時刻U21から時刻U33までの間、及びその近傍の時刻における、配線RWL[1]、配線RWL[2]、配線RWL[m]、配線FCA[1]、配線FCB[1]、配線FCA[2]、配線FCB[2]、配線FCA[m]、配線FCB[m]、配線RDL[1]、配線RDL[2]、及び配線RDL[n]の電位の変化を示している。
図15のタイミングチャートの読み出し動作は、時刻U22から時刻U32までの間において配線RWL[1]乃至配線RWL[m]のそれぞれが高レベル電位になっている点と、時刻U22から時刻U32までの間において配線FCA[1]乃至配線FCA[m]及び配線FCB[1]乃至配線FCB[m]のそれぞれの電位変動の点で、図13のタイミングチャートの読み出し動作と異なっている。
図15のタイミングチャートの時刻U22から時刻U32までの間において、配線RWL[1]乃至配線RWL[m]のそれぞれに高レベル電位が入力されているため、時刻U22から時刻U32までの間では、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれのトランジスタM3のゲートに高レベル電位が入力される。このため、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[m,n]のそれぞれのトランジスタM3は、オン状態となる。
また、図15のタイミングチャートの時刻U23から時刻U24までの間において、配線FCA[1]には電位VMが与えられ、配線FCB[1]には電位V0Bが与えられる。また、配線FCA[2]乃至配線FCA[m]には電位V0Aが与えられ、配線FCB[2]乃至配線FCB[m]には電位V0Bが与えられている。このとき、配線FCA[1]と配線FCB[1]との間では、VM-V0Bの電圧がかかるため、メモリセルアレイMCAの1行目のメモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれには、当該電圧の分圧がかかる。そのため、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位は、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBの分極の方向、つまり、そのメモリセルMCに書き込まれているデータによって決められる。
また、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位が決まることで、トランジスタM2のゲート-第1端子間において電圧が生じるため、トランジスタM2の第2端子の電位次第で、トランジスタM2の第1端子-第2端子間に電流が流れる。なお、トランジスタM3はオン状態であるため、トランジスタM2の第2端子には、電位VRE3が入力される。したがって、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位に応じた電流が、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]に流れる。又は、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位に応じて、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]のそれぞれの電位が変化する。つまり、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]には、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれに保持されているデータとして、D[1,1]乃至D[1,n]に応じたデータ(例えば、電流、又は電圧)が配線RDL[1]乃至配線RDL[n]に送信される。これにより、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]に保持されているデータとして、D[1,1]乃至D[1,n]を読み出すことができる。
一方、配線FCA[2]乃至配線FCA[m]には電位V0Aが与えられ、配線FCB[2]乃至配線FCB[m]には電位V0Bが与えられているため、メモリセルアレイMCAの2行目からm行目までのメモリセルMCのFTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれには、V0A-V0Bの分圧がかかる。V0A-V0Bが0V又は0V近傍の値としたとき、メモリセルMC[1,1]乃至メモリセルMC[1,n]のそれぞれのトランジスタM2のゲートの電位も0V又は0近傍の値とすることができる。つまり、トランジスタM2のしきい値電圧が適正な値であれば、トランジスタM2はオフ状態となるため、メモリセルアレイMCAの2行目からm行目までのメモリセルMCにおいて、配線VCEと配線RDL[1]乃至配線RDL[m]との間は非導通状態となり、メモリセルMCに保持されているデータに応じたデータ(例えば、電流、電圧など)が、配線RDL[1]乃至配線RDL[m]に流れることはない。
また、本動作例において、メモリセルアレイMCAの2行目のメモリセルMCからデータを読み出す場合は、時刻U26から時刻U27までの間のとおり、配線FCA[2]に電位VMを与え、配線FCB[2]に電位V0Bを与えればよい。また、メモリセルアレイMCAのm行目のメモリセルMCからデータを読み出す場合は、時刻U30から時刻U31までの間のとおり、配線FCA[m]に電位VMを与え、配線FCB[m]に電位V0Bを与えればよい。
つまり、図15のタイミングチャートの動作例では、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]が、メモリセルアレイMCAから読み出すメモリセルMCを選択するための選択信号線として機能する。このため、図15のタイミングチャートの動作例では、配線RWL[1]乃至配線RWL[m]のそれぞれで、読み出すメモリセルMCごとに電位を変化させる必要がない。このため、図15のタイミングチャートの動作例を適用することで、回路RDDを、セレクタなど信号を送信する配線を選択する回路を有さない構成とすることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した記憶装置を演算回路として扱う場合について説明する。
<演算回路1>
一例として、図1AのメモリセルMCが適用された、図10の記憶装置100について考える。また、この場合、演算回路として機能する記憶装置100は、例えば、複数の第1データと、複数の第2データと、の積和演算を行うことができる。また、複数の第1データのそれぞれは“0”又は“1”とし、複数の第2データのそれぞれは“0”又は“1”とする。
第1データは、例えば、記憶装置100のメモリセルアレイMCAに含まれる複数のメモリセルMCに保持されるものとする。つまり、メモリセルアレイMCAに含まれる複数のメモリセルMCは、データとして“0”、又は“1”を保持するものとする。
また、本実施の形態では、例えば、配線WDLからメモリセルMCに送信される電位(第1データ)として、V0はデータ“0”に対応し、V1はデータ“1”に対応するものとする。つまり、図3A又は図3Bのタイミングチャートの時刻T23から時刻T25までの間のとおり、配線FCAに電位VMが入力され、配線FCBに電位V0Bが入力されたとき、メモリセルMCにデータ“0”が保持されている場合には、トランジスタM2のゲートの電位はVHLD0となり、メモリセルMCにデータ“1”が保持されている場合には、トランジスタM2のゲートの電位はVHLD1となる。
また、記憶装置100を演算回路として扱う場合、メモリセルMCに含まれるトランジスタM2のゲートの電位がVHLD0であるときには、トランジスタM2はオフ状態となることが好ましい。なお、本実施の形態では、メモリセルMCに含まれるトランジスタM2のゲートの電位がVHLD0であるときは、トランジスタM2はオフ状態になるものとする。
第2データは、例えば、配線RWLに与えられる電位に応じた値とすることができる。例えば、第2データが“0”であるとき、配線RWLは回路RWDによって低レベル電位が与えられ、また、第2データが“1”であるとき、配線RWLは回路RWDによって高レベル電位が与えられるものとする。
ここで、メモリセルMCに保持されている第1データと、メモリセルMCに入力される第2データと、に応じたメモリセルMCの動作例について説明する。
メモリセルMCに保持されている第1データが“0”であるとき、メモリセルMCに含まれるトランジスタM2のゲートの電位がVHLD0となるため、トランジスタM2はオフ状態となる。一方、メモリセルMCに保持されている第1データが“1”であるとき、メモリセルMCに含まれるトランジスタM2のゲートの電位がVHLD1となるため、トランジスタM2はオン状態となり、トランジスタM2の第1端子-第2端子には、トランジスタM2のゲート-ソース間電圧に応じた電流が流れる。
また、第2データが“0”であるとき、つまり、配線RWLからメモリセルMCに低レベル電位が入力されるとき、メモリセルMCに含まれるトランジスタM3はオフ状態となる。一方、第2データが“1”であるとき、つまり、配線RWLからメモリセルMCに高レベル電位が入力されるとき、メモリセルMCに含まれるトランジスタM3はオン状態となる。
上記より、第1データ、及び第2データのそれぞれが“1”であるとき、配線VCEと配線RDLとの間が導通状態となるため、メモリセルMCと配線RDLとの間には、トランジスタM2のゲート-ソース間電圧に応じた電流が流れる。また、第1データ、第2データの少なくとも一方が“0”であるとき、トランジスタM2及び/又はトランジスタM3がオフ状態となるため、メモリセルMCと配線RDLとの間には電流が流れない。換言すると、第1データと第2データとの積が“1”であるとき、結果として、メモリセルMCと配線RDLとの間に電流が流れる。また、第1データと第2データとの積が“0”であるとき、結果として、メモリセルMCと配線RDLとの間に電流が流れない。
ここで、第1データ、及び第2データのそれぞれが“1”であるときに、メモリセルMCと配線RDLとの間に流れる電流量をIMPとすると、第1データ、及び第2データのそれぞれの値によって、メモリセルMCと配線RDLとの間に流れる電流量は、下表のとおりとなる。
つまり、第1データと第2データの積が“1”であるとき、その演算結果として、メモリセルMCと配線RDLとの間に電流量IMPの電流が流れ、第1データと第2データの積が“0”であるとき、その演算結果として、メモリセルMCと配線RDLとの間に電流量0の電流が流れる(メモリセルMCと配線RDLとの間には電流が流れない)。このように、メモリセルMCは、メモリセルMCに第1データを保持し、その後にメモリセルMCに第2データを入力することによって、第1データと第2データとの積を演算することができる。
次に、メモリセルアレイMCAに含まれる複数のメモリセルMCのそれぞれに第1データが保持されている状態で、配線RWL[1]乃至配線RWL[m]のそれぞれに一括に複数の第2データを供給する場合を考える。なお、メモリセルMC[i,j](iは1以上m以下の整数とし、jは1以上n以下の整数とする)に保持される第1データをW[i,j]とし、配線RWL[i]に供給される第2データをX[i]とする。
例えば、j列目において、メモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]のそれぞれに、配線RWL[1]乃至配線RWL[m]から第2データとしてX[1]乃至X[m]が入力されたとき、メモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]のそれぞれでは、W[1,j]×X[1]乃至W[m,j]×X[m]の演算が行われる。そして、第1データ及び第2データのそれぞれが“1”であるとき、そのメモリセルMCと配線RDL[j]との間に電流量IMPの電流が流れるため、配線RDL[j]に流れる電流の総和は、W[1,j]×X[1]乃至W[m,j]×X[m]のうち、積が1となるメモリセルMCの数に応じた電流量となる。例えば、メモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]のうち、第1データと第2データとの積が1となる数をM(Mは、1以上m以下の整数とする)としたとき、配線RDL[j]には、電流量M×IMPの電流が流れる。
ここで、回路RDDが、電流電圧変換回路などの機能を有することで、例えば、配線RDL[j]に流れる電流の総和を電圧値に変換することができる。つまり、メモリセルアレイMCAのj列目のメモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]で行われる積和の結果である電流量M×IMPを電圧値として出力することができる。
また、回路RDDは、例えば、当該積和の結果を用いて、さらに関数の演算を行う機能を有してもよい。例えば、回路RDDは、積和の結果を用いて活性化関数の演算を行うことで、人工ニューラルネットワークの演算を行うことができる。当該活性化関数としては、例えば、シグモイド関数、tanh関数、ソフトマックス関数、ReLU関数、しきい値関数などを用いることができる。
また、上記では、j列目に位置するメモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]における複数の第1データと複数の第2データとの積和演算の結果について説明したが、複数の第2データは行方向に延設されている配線RWL[1]乃至配線RWL[m]によって送信されるため、j列目以外の列においても積和演算を行うことができる。つまり、記憶装置100を、積和を実行する回路として用いる場合、列の数(図10ではn個)だけ積和演算を同時に実行することができる。
<演算回路2>
上記の演算回路では、第1データが2値(“0”又は“1”)、第2データが2値(“0”又は“1”)であるときの演算を一例として説明したが、本発明の一態様は、当該演算回路の構成を変更することで、多値、アナログ値などを扱った演算を行うことができる。
図16は、“正の値”、“0”、及び“負の値”のいずれかをとる複数の第1データと、“-1”、“0”、及び“1”のいずれかをとる複数の第2データとの積和演算を行うことができる演算回路の構成例である。
演算回路110は、メモリセルアレイMCAと、回路WDDと、回路RDDと、回路WWDと、回路RWDと、回路FECDと、を有する。
メモリセルアレイMCAは、複数のメモリセルMCを有する。また、メモリセルアレイMCAにおいて、複数のメモリセルMCはm行n列(ここでのm、nのそれぞれは1以上の整数とする)のマトリクス状に配置されている。なお、図16では、メモリセルMC[1,j]とメモリセルMC[m,j]を抜粋して示している。また、図16において、一例として、i行j列(ここでのiは1以上m以下の整数であって、jは1以上n以下の整数である)に位置するメモリセルMCは、メモリセルMC[i,j]としている(図示しない)。
メモリセルMCは、回路MPと、回路MPrと、を有する。回路MPと、回路MPrと、のそれぞれの回路構成については後述する。
また、演算回路110のメモリセルアレイMCAには、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]と、配線WDLr[1]乃至配線WDLr[n]と、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]と、配線RDLr[1]乃至配線RDLr[n]と、が列方向に延設されている。なお、配線WDL、配線WDLr、配線RDL、及び配線RDLrに付している[j]は、j列目の配線であることを表している。また、配線RWLa[1]乃至配線RWLa[m]と、配線RWLb[1]乃至配線RWLb[m]と、配線WWL[1]乃至配線WWL[m]と、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]と、配線FCB[1]乃至配線FCB[m]と、が行方向に延設されている。なお、配線RWLa、配線RWLb、配線WWL、配線FCA、及び配線FCBに付している[i]は、i行目の配線であることを示している。
メモリセルMC[1,j]において、回路MP[1,j]は、配線WDL[j]と、配線RWLa[1]と、配線RWLb[1]と、配線WWL[1]と、配線FCA[1]と、配線FCB[1]と、配線RDL[j]と、配線RDLr[j]と、に電気的に接続されている。また、回路MPr[1,j]は、配線WDLr[j]と、配線RWLa[1]と、配線RWLb[1]と、配線WWL[1]と、配線FCA[1]と、配線FCB[1]と、配線RDL[j]と、配線RDLr[j]と、に電気的に接続されている。
また、メモリセルMC[m,j]において、回路MP[m,j]は、配線WDL[j]と、配線RWLa[m]と、配線RWLb[m]と、配線WWL[m]と、配線FCA[m]と、配線FCB[m]と、配線RDL[j]と、配線RDLr[j]と、に電気的に接続されている。また、回路MPr[m,j]は、配線WDLr[j]と、配線RWLa[m]と、配線RWLb[m]と、配線WWL[m]と、配線FCA[m]と、配線FCB[m]と、配線RDL[j]と、配線RDLr[j]と、に電気的に接続されている。
次に、メモリセルMCに含まれている回路MP、及び回路MPrの構成例について説明する。
図17は、図16の演算回路110のメモリセルアレイMCAに含まれるメモリセルMCに適用できる回路構成の一例を示している。
図17に示す回路MPは、実施の形態1で説明した図1AのメモリセルMCの構成を変更したもので、トランジスタM3を、トランジスタM3a、及びトランジスタM3bに置き換えた構成となっている。
トランジスタM3aの第1端子は、トランジスタM2の第2端子に電気的に接続され、トランジスタM3aの第2端子は、配線RDLに電気的に接続され、トランジスタM3aのゲートは、配線RWLaに電気的に接続されている。また、トランジスタM3bの第1端子は、トランジスタM2の第2端子に電気的に接続され、トランジスタM3bの第2端子は、配線RDLrに電気的に接続され、トランジスタM3bのゲートは、配線RWLbに電気的に接続されている。
また、図17に示す回路MPrは、回路MPと同様の構成となっている。そのため、回路MPrの有する回路素子などには、回路MPの有する回路素子などと区別をするため、符号に「r」を付している。
回路MPrにおいて、トランジスタM1rの第1端子は、配線WDLrに電気的に接続され、トランジスタM1rのゲートは、配線WWLに電気的に接続されている。また、FTJ素子FJArの入力端子は、配線FCAに電気的に接続されている。また、FTJ素子FJArの出力端子は、トランジスタM1rの第2端子と、FTJ素子FJBrの入力端子と、トランジスタM2rのゲートと、に電気的に接続されている。また、FTJ素子FJBrの出力端子は、配線FCBに電気的に接続されている。また、トランジスタM2rの第1端子は、配線VCErに電気的に接続され、トランジスタM2rの第2端子は、トランジスタM3arの第1端子と、トランジスタM3brの第1端子と、に電気的に接続されている。トランジスタM3arの第2端子は、配線RDLrに電気的に接続され、トランジスタM3arのゲートは、配線RWLaに電気的に接続されている。また、トランジスタM3brの第2端子は、配線RDLに電気的に接続され、トランジスタM3brのゲートは、配線RWLbに電気的に接続されている。
配線WDL、及び配線WDLrのそれぞれは、一例として、メモリセルMCの回路MP、及び回路MPrに書き込むための第1データを送信する配線として機能する。なお、当該第1データは、配線WDL、及び配線WDLrに送信される1組の信号によって表現されるものとする。
配線RDLは、一例として、メモリセルMCの回路MP、又は回路MPrによる演算結果をデータとして送信する配線として機能する。また、配線RDLrは、一例として、配線RDLと同様に、メモリセルMCの回路MP、又は回路MPrによる演算結果をデータとして送信する配線として機能する。
配線WWLは、一例として、データの書き込み先となるメモリセルMCを選択するための配線として機能する。つまり、配線WWLは、書き込みワード線として機能してもよい。
配線RWLa、及び配線RWLbは、一例として、第2データを送信する配線として機能する。なお、当該第2データは、配線RWLa、及び配線RWLbに送信される1組の信号によって表現されるものとする。
配線FCA、及び配線FCBのそれぞれは、一例としては、実施の形態1で説明した図1のメモリセルMCと同様に、回路MP、及び回路MPrに第1データを書き込むときに、FTJ素子FJA、FTJ素子FJB、FTJ素子FJAr、及びFTJ素子FJBrのそれぞれに含まれる、強誘電性を有しうる材料に分極を生じさせる程度の電位を与える配線として機能する。また、配線FCA、及び配線FCBのそれぞれは、一例として、メモリセルMCにおいて、第1データと第2データとの積を演算するときに、当該誘電体の分極を変化させない程度の電位を与える配線としても機能する。また、当該電位は、パルス電圧としてもよい。
配線VCEは、一例として、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができる。また、配線VCEが与える電位としては、パルス電圧としてもよい。
また、配線VCErは、一例として、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができる。配線VCErが与える電位としては、パルス電圧としてもよい。なお、配線VCErが与える電圧が、配線VCEが与える電圧と等しい場合は、配線VCEと配線VCErとの間は互いに導通状態としてもよい。
回路WDDは、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]、及び配線WDLr[1]乃至配線WDLr[n]に電気的に接続されている。また、回路RWDは、配線RWLa[1]乃至配線RWLa[m]、及び配線RWLb[1]乃至配線RWLb[m]に電気的に接続されている。また、回路WWDは、配線WWL[1]乃至配線WWL[m]に電気的に接続されている。また、回路FECDは、配線FCA[1]乃至配線FCA[m]と、配線FCB[1]乃至配線FCB[m]と、に電気的に接続されている。また、回路RDDは、配線RDL[1]乃至配線RDL[n]と、配線RDLr[1]乃至配線RDLr[1]に電気的に接続されている。
回路WWDについては、実施の形態2で説明した図10の記憶装置100の回路WWDを参酌する。また、回路FECDについては、実施の形態2で説明した図10の記憶装置100の回路FECDを参酌する。
回路WDDは、一例として、j列目において、配線WDL[j]、及び配線WDLr[j]に第1データを供給する回路として機能する。また、回路WDDは、配線WDL[1]乃至配線WDL[n]、及び配線WDLr[1]乃至配線WDLr[n]に対して、一括に第1データを供給することができる構成としてもよい。
回路RWDは、一例として、配線RWLa[i]、及び配線RWLb[i]に第2データを供給する回路として機能する。また、回路RWDは、配線RWLa[1]乃至配線RWLa[m]、及び配線RWLb[1]乃至配線RWLb[m]に対して、一括に第2データを供給することができる構成としてもよい。
ここで、第1データとして、メモリセルMCの回路MP、及び回路MPrのそれぞれに供給される電位を次のとおり定義する。
メモリセルMCに第1データとして“1”を保持する場合、配線WDLから回路MPに電位V1が供給され、配線WDLrから回路MPrに電位V0が供給されるものとする。また、メモリセルMCに第1データとして“-1”を保持する場合、配線WDLから回路MPに電位V0が供給され、配線WDLrから回路MPrに電位V1が供給されるものとする。また、メモリセルMCに第1データとして“0”を保持する場合、配線WDLから回路MPに電位V0が供給され、配線WDLrから回路MPrに電位V0が供給されるものとする。
つまり、図3A又は図3Bのタイミングチャートの時刻T23から時刻T26までの間のとおり、配線FCAに電位VMが入力され、配線FCBに電位V0Bが入力されたとき、メモリセルMCに第1データ“1”が保持されている場合には、トランジスタM2のゲートの電位はVHLD1となり、トランジスタM2rのゲートの電位はVHLD0となる。また、メモリセルMCに第1データ“-1”が保持されている場合には、トランジスタM2のゲートの電位はVHLD0となり、トランジスタM2rのゲートの電位はVHLD1となる。また、メモリセルMCに第1データ“0”が保持されている場合には、トランジスタM2のゲートの電位はVHLD0となり、トランジスタM2rのゲートの電位はVHLD0となる。
なお、演算回路110において、回路MPに含まれるトランジスタM2のゲートの電位がVHLD0であるときには、トランジスタM2はオフ状態となることが好ましい。また、回路MPrに含まれるトランジスタM2rのゲートの電位がVHLD0であるときには、トランジスタM2rはオフ状態となることが好ましい。なお、本実施の形態では、回路MPに含まれるトランジスタM2のゲートの電位がVHLD0であるときは、トランジスタM2はオフ状態になるものとし、回路MPrに含まれるトランジスタM2rのゲートの電位がVHLD0であるときは、トランジスタM2rはオフ状態になるものとする。
また、演算回路110において、回路MPに含まれるトランジスタM2のゲートの電位がVHLD1であり、トランジスタM2の第2端子に所定の電位が入力されているときには、トランジスタM2の第1端子と第2端子との間には電流量IMPの電流が流れるものとする。また、同様に、回路MPrに含まれるトランジスタM2rのゲートの電位がVHLD1であり、トランジスタM2rの第2端子に所定の電位が入力されているときには、トランジスタM2rの第1端子と第2端子との間には電流量IMPの電流が流れるものとする。
また、第2データとして、配線RWLa、及び配線RWLbのそれぞれに供給される電位を次のとおり定義する。
メモリセルMCに対して第2データとして“1”を入力する場合、配線RWLaから回路MP及び回路MPrに高レベル電位が供給され、配線RWLbから回路MP及び回路MPrに低レベル電位が供給されるものとする。また、メモリセルMCに対して第2データとして“-1”を入力する場合、配線RWLaから回路MP及び回路MPrに低レベル電位が供給され、配線RWLbから回路MP及び回路MPrに高レベル電位が供給されるものとする。また、メモリセルMCに対して第2データとして“0”を入力する場合、配線RWLaから回路MP及び回路MPrに低レベル電位が供給され、配線RWLbから回路MP及び回路MPrに低レベル電位が供給されるものとする。
つまり、メモリセルMCに対して第2データとして“1”が入力されているとき、回路MPにおいて、トランジスタM3aはオン状態、トランジスタM3bはオフ状態となり、回路MPrにおいて、トランジスタM3arはオン状態、トランジスタM3brはオフ状態となるため、回路MPと配線RDL[j]との間が導通状態となり、回路MPrと配線RDLr[j]との間が導通状態となり、回路MPと配線RDLr[j]との間が非導通状態となり、回路MPrと配線RDL[j]との間が非導通状態となる。また、メモリセルMCに対して第2データとして“-1”が入力されているとき、回路MPにおいて、トランジスタM3aはオフ状態、トランジスタM3bはオン状態となり、回路MPrにおいて、トランジスタM3arはオフ状態、トランジスタM3brはオン状態となるため、回路MPと配線RDL[j]との間が非導通状態となり、回路MPrと配線RDLr[j]との間が非導通状態となり、回路MPと配線RDLr[j]との間が導通状態となり、回路MPrと配線RDL[j]との間が導通状態となる。また、メモリセルMCに対して第2データとして“0”が入力されているとき、回路MPにおいて、トランジスタM3aはオフ状態、トランジスタM3bはオフ状態となり、回路MPrにおいて、トランジスタM3arはオフ状態、トランジスタM3brはオフ状態となるため、回路MPと配線RDL[j]との間が非導通状態となり、回路MPrと配線RDLr[j]との間が非導通状態となり、回路MPと配線RDLr[j]との間が非導通状態となり、回路MPrと配線RDL[j]との間が非導通状態となる。
上記のとおり、メモリセルMCに保持される第1データと、メモリセルMCに入力される第2データと、を定義することによって、メモリセルMCと配線RDL、又は配線RDLrとの間に流れる電流は下の表のとおりとなる。
つまり、第1データと第2データの積が“1”であるとき、その演算結果として、回路MP又は回路MPrと配線RDLとの間に電流量IMPの電流が流れ、第1データと第2データの積が“-1”であるとき、その演算結果として、回路MP又は回路MPrと配線RDLrとの間に電流量IMPの電流が流れ、第1データと第2データの積が“0”であるとき、その演算結果として、回路MP又は回路MPrと配線RDLとの間、及び回路MP又は回路MPrと配線RDLrとの間に電流量0の電流が流れる(回路MP又は回路MPrと配線RDLとの間、及び回路MP又は回路MPrと配線RDLrとの間には電流が流れない)。このように、メモリセルMCは、メモリセルMCに第1データを保持し、その後にメモリセルMCに第2データを入力することによって、第1データと第2データとの積を演算することができる。
次に、メモリセルアレイMCAに含まれる複数のメモリセルMCのそれぞれに第1データが保持されている状態で、配線RWLa[1]乃至配線RWLa[m]及び配線RWLb[1]乃至配線RWLb[m]のそれぞれに一括に複数の第2データを供給する場合を考える。なお、メモリセルMC[i,j](iは1以上m以下の整数とし、jは1以上n以下の整数とする)に保持される第1データをW[i,j]とし、配線RWL[i]に供給される第2データをX[i]とする。
例えば、j列目において、メモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]のそれぞれに、配線RWLa[1]乃至配線RWLa[m]及び配線RWLb[1]乃至配線RWLb[m]から第2データとしてX[1]乃至X[m]が入力されたとき、メモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]のそれぞれでは、W[1,j]×X[1]乃至W[m,j]×X[m]の演算が行われる。
また、第1データと第2データの積は“1”、“-1”、及び“0”の3通りなので、メモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]において、第1データと第2データの積が“1”となるメモリセルMCの個数をP個、第1データと第2データの積が“-1”となるメモリセルMCの個数をQ個、第1データと第2データの積が“0”となるメモリセルMCの個数をR個とする(P、Q、Rのそれぞれは、0以上であって、P+Q+R=mを満たす整数である)。このとき、配線RDL[j]に流れる電流量の総和は、P×IMPとなり、配線RDLr[j]に流れる電流量の総和は、Q×IMPとなる。
ここで、回路RDDは、例えば、配線RDL[j]に流れる電流量P×IMPと配線RDLr[j]に流れる電流量Q×IMPとの差分を取得して、当該差分から電圧値に変換する機能を有することによって、メモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]における複数の第1データと複数の第2データとの積和演算の結果を、当該電圧値として出力することができる。
また、回路RDDは、例えば、当該積和の結果を用いて、さらに関数の演算を行う機能を有してもよい。例えば、回路RDDは、積和の結果を用いて活性化関数の演算を行うことで、人工ニューラルネットワークの演算を行うことができる。当該活性化関数としては、例えば、シグモイド関数、tanh関数、ソフトマックス関数、ReLU関数、しきい値関数などを用いることができる。
また、上記では、j列目に位置するメモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]における複数の第1データと複数の第2データとの積和演算の結果について説明したが、複数の第2データは行方向に延設されている配線RWLa[1]乃至配線RWLa[m]及び配線RWLb[1]乃至配線RWLb[m]によって送信されるため、j列目以外の列においても積和演算を行うことができる。つまり、演算回路110で積和を実行する場合、列の数(図16ではn個)だけ積和演算を同時に実行することができる。
また、上記では、第1データを“1”、“0”、“-1”の3値とした場合について説明したが、動作方法の変更、回路構成の変更などを行うことによって、第1データを2値、4値以上、又はアナログ値として扱うことができる場合がある。
また、上記では、第2データを“1”、“0”、“-1”の3値とした場合について説明したが、動作方法の変更、回路構成の変更などを行うことによって、第2データを2値、4値以上、又はアナログ値として扱うことができる。
例えば、上記の演算回路の動作において、配線RWLa、及び配線RWLbのそれぞれに供給される、第2データに相当する電位をパルス電圧とする。このとき、配線RWLa、配線RWLbのいずれか一方が入力するパルス電圧が高レベル電位であるとき、トランジスタM3aとトランジスタM3ar、又はトランジスタM3bとトランジスタM3brの一方がパルス電圧の入力時間だけオン状態となる。
ここで、回路MPのトランジスタM2のゲートの電位がVHLD1であり、回路MPのトランジスタM2rのゲートの電位がVHLD0であるとき(つまりメモリセルMCに保持されている第1データが“1”であるとき)、回路MPから、配線RDL又は配線RDLrの一方に、当該入力時間だけ電流が流れる。又は、回路MPのトランジスタM2のゲートの電位がVHLD0であり、回路MPのトランジスタM2rのゲートの電位がVHLD1であるとき(つまりメモリセルMCに保持されている第1データが“-1”であるとき)、回路MPrから、配線RDL又は配線RDLrの一方に、当該入力時間だけ電流が流れる。つまり、配線RDL又は配線RDLrには、配線RWLa、及び配線RWLbのそれぞれに入力されるパルス電圧の入力時間に応じた電荷量が流れることになる。
例えば、メモリセルMCに第1データとして“1”が保持されている場合を考える。また、第2データが“1”であるとき、入力時間Tutだけ、配線RWLaには高レベル電位、配線RWLbには低レベル電位が与えられるものとする。このとき、メモリセルMCの回路MPと配線RDLとの間に流れる電荷量はTut×IMPとなり、メモリセルMCの回路MPrと配線RDLとの間に流れる電荷量は0となり、メモリセルMCの回路MPと配線RDLrとの間に流れる電荷量は0となり、メモリセルMCの回路MPrと配線RDLrとの間に流れる電荷量は0となる。
また、第2データが“2”であるとき、入力時間2×Tutだけ、配線RWLaには高レベル電位、配線RWLbには低レベル電位が与えられるものとする。このとき、メモリセルMCの回路MPと配線RDLとの間に流れる電荷量は2×Tut×IMPとなり、メモリセルMCの回路MPrと配線RDLとの間に流れる電荷量は0となり、メモリセルMCの回路MPと配線RDLrとの間に流れる電荷量は0となり、メモリセルMCの回路MPrと配線RDLrとの間に流れる電荷量は0となる。
また、第2データが“-2”であるとき、入力時間2×Tutだけ、配線RWLaには低レベル電位、配線RWLbには高レベル電位が与えられるものとする。このとき、メモリセルMCの回路MPと配線RDLとの間に流れる電荷量は0となり、メモリセルMCの回路MPrと配線RDLとの間に流れる電荷量は0となり、メモリセルMCの回路MPと配線RDLrとの間に流れる電荷量は2×Tut×IMPとなり、メモリセルMCの回路MPrと配線RDLrとの間に流れる電荷量は0となる。
上述したとおり、配線RWLa、及び配線RWLbに与えられるパルス電圧の入力時間を増減することによって、メモリセルMCの回路MP又は回路MPrと配線RDLとの間に流れる電荷量、及びメモリセルMCの回路MP又は回路MPrと配線RDLrとの間に流れる電荷量を変化させることができる。具体的には、配線RDL及び配線RDLrのそれぞれに流れる電荷量は、当該パルス電圧の入力時間に比例するため、第2データの値に応じて当該入力時間を決めることによって、メモリセルMCは、第2データを2値、4値以上、又はアナログ値として、第1データと第2データの積の結果に応じた電荷量を配線RDL又は配線RDLrに流すことができる。
また、ここで、回路RDDが、例えば、配線RDLに流れた電荷量、及び配線RDLrに流れた電荷量のそれぞれを電圧値に変換する回路(例えば、QV変換回路、積分回路など)を有する構成とすることによって、回路RDDは、配線RDLに流れた電荷量、及び配線RDLrに流れた電荷量のそれぞれを電圧値として取得することができる。
また、回路RDDが、例えば、配線RDLに流れた電荷量に応じた電圧値、及び配線RDLrに流れた電荷量に応じた電圧値を比較して、比較結果を電圧値として出力する回路を有する構成とすることによって、回路RDDは、メモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]における複数の第1データと複数の第2データとの積和演算の結果を、当該電圧値として出力することができる。
また、上記の例では、パルス電圧が配線RWLa、及び配線RWLbに供給される動作について説明したが、積和演算は、パルス電圧が、例えば、配線VCE、配線VCEr、配線FCA、配線FCBなどの少なくとも一に供給される動作としてもよい。例えば、メモリセルMCと配線RDLとの間に電荷を流すタイミングで、配線VCE及び配線VCErに所定の電圧をパルス電圧として入力すればよい。又は、例えば、メモリセルMCと配線RDLとの間に電荷を流すタイミングで、配線FCA及び配線FCBのそれぞれに所定の電圧をパルス電圧として入力すればよい。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したメモリセルとは異なる、本発明の一態様の半導体装置に適用可能なメモリセルについて説明する。
<構成例>
図18A、及び図18Bには、本発明の一態様の半導体装置である記憶装置に備えることができる、メモリセルMCの回路構成例を示している。なお、図18A、及び図18Bに示すメモリセルMCは、データの読み出し動作時にデータが破壊されず、かつデータのリフレッシュが可能な回路構成となっている。
図18AのメモリセルMCは、例えば、図1AのメモリセルMCの構成に加えて、トランジスタM5と、容量C1と、を有する構成となっている。また、図18AのメモリセルMCは、トランジスタM1の第2端子と、FTJ素子FJAの出力端子と、FTJ素子FJBの入力端子と、がトランジスタM5の第1端子-第2端子間を介して、トランジスタM2のゲートに電気的に接続されている点でも、図1AのメモリセルMCと異なっている。
例えば、図18AのメモリセルMCにおいて、トランジスタM5の第1端子は、トランジスタM1の第2端子と、FTJ素子FJAの出力端子と、FTJ素子FJBの入力端子と、に電気的に接続されている。また、トランジスタM5の第2端子は、容量C1の第1端子と、トランジスタM2のゲートと、に電気的に接続され、容量C1の第2端子は、配線VCE2に電気的に接続されている。また、トランジスタM5のゲートは、配線WHLに電気的に接続されている。
図18BのメモリセルMCは、例えば、図4AのメモリセルMCの構成に加えて、トランジスタM5と、容量C1と、を有する構成となっている。また、図18BのメモリセルMCは、トランジスタM1の第2端子と、強誘電キャパシタFEAの出力端子と、強誘電キャパシタFEBの入力端子と、がトランジスタM5の第1端子-第2端子間を介して、トランジスタM2のゲートに電気的に接続されている点でも、図4AのメモリセルMCと異なっている。
例えば、図18BのメモリセルMCにおいて、トランジスタM5の第1端子は、トランジスタM1の第2端子と、強誘電キャパシタFEAの出力端子と、強誘電キャパシタFEBの入力端子と、に電気的に接続されている。また、トランジスタM5の第2端子は、容量C1の第1端子と、トランジスタM2のゲートと、に電気的に接続され、容量C1の第2端子は、配線VCE2に電気的に接続されている。また、トランジスタM5のゲートは、配線WHLに電気的に接続されている。
なお、図18A、及び図18BのトランジスタM5としては、例えば、図1AのメモリセルMCに含まれているトランジスタM1乃至トランジスタM3に適用できるトランジスタを用いることができる。
配線VCE2は、一例として、定電圧を与える配線として機能する。当該定電圧としては、例えば、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができる。また、配線VCE2は、例えば、配線VCEと同一の配線としてもよい。つまり、配線VCE2が与える電圧は、配線VCEが与える電圧と同一としてもよい。
また、配線WHLは、一例として、トランジスタM5の導通状態と非導通状態との切り替えを行うための制御信号を送信する配線として機能する。例えば、配線WHLに高レベル電位を与えることによって、トランジスタM5は導通状態となり、メモリセルMCに送信されたデータを容量C1の第1端子に書き込むことができる。また、その後に、配線WHLに低レベル電位を与えることによって、トランジスタM5は非導通状態となり、当該データを容量C1の第1端子に保持することができる。
なお、図18AのメモリセルMCにおいて、図1AのメモリセルMCと重複する内容については、実施の形態1の図1AのメモリセルMCの記載を参酌する。また、図18BのメモリセルMCにおいて、図4AのメモリセルMCと重複する内容については、実施の形態1の図4AのメモリセルMCの記載を参酌する。
<動作例>
次に、図18AのメモリセルMCにおける、データの書き込み動作例、及びデータの読み出し動作例について説明する。
<<データの書き込み動作例>>
図19は、図18AのメモリセルMCにおけるデータの書き込み動作の一例を示したタイミングチャートである。図19のタイミングチャートは、時刻V11から時刻V24までの間、及びその近傍の時刻における、配線WWL、配線WDL、配線WHL、配線FCA、配線FCB、及び配線RWLの電位の変化を示している。
なお、図19のタイミングチャートの時刻V11から時刻V18までの間での動作例は、図2のタイミングチャートの時刻T11乃至時刻T18の動作例と同様である。そのため、時刻V11乃至時刻V18の間における図18AのメモリセルMCの動作例は、図2のタイミングチャートの時刻T11乃至時刻T18の間における図1AのメモリセルMCの動作例を参酌する。
なお、図19のタイミングチャートの時刻V11から時刻V19までの間において、配線WHLには、低レベル電位(図19ではLowと記載されている)が与えられているものとする。このため、時刻V11から時刻V19までの間では、トランジスタM5のゲートには低レベル電位が入力されて、トランジスタM5はオフ状態となる。
また、本動作例において、配線RDLの電位の変化はないため、図19のタイミングチャートには図示しない。また、時刻V11から時刻V24までの間における配線RDLの電位は、特に限定されないものとする。
また、配線VCEが与える電位は、前述したとおり、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができるが、本動作例では、低レベル電位VSSとする。また、配線VCE2が与える電位は、前述したとおり、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができるが、本動作例では、低レベル電位VSSとする。
[時刻V18から時刻V19まで]
時刻V18から時刻V19までの間において、配線FCAには電位VMが与えられ、配線FCBには電位V0Bが与えられる。VMは、図3Aのタイミングチャートで説明したVMと同様に、V0A及びV0Bよりも高く、かつV1Aよりも低い電位とする。また、配線FCBの電位がV0Bであるとき、VMは、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBにて分極の変化が起こらない(分極の方向が変化しない)程度の電位とする。
また、例えば、電位VMは、トランジスタM5のしきい値電圧Vth以下の電圧、又はVth以下の電圧に1V程度加えた電圧としてもよい。電位VMをこのように定めることによって、トランジスタM5の第1端子-第2端子に流れる電流量を大きくすることができる場合がある。
このとき、配線FCAと配線FCBとの間では、VM-V0Bの電圧がかかるため、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれには、当該電圧の分圧がかかる。例えば、配線FCAと配線FCBとの間に電圧VM-V0Bがかかって、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBにおいて、a:b(a、及びbは正の実数とする)の比で分圧がかかるとしたとき、FTJ素子FJAの入力端子と出力端子との間の電圧をVFJAとすると、VFJA=(VM-V0B)×a/(a+b)となり、FTJ素子FJBの入力端子と出力端子との間の電圧をVFJBとすると、VFJB=(VM-V0B)×b/(a+b)となる。なお、VFJA、及びVFJBは、VM-V0B=VFJA+VFJBの関係を満たす。
また、FTJ素子FJAにおいて、分極の方向が入力端子(配線FCA)から出力端子への方向(正方向)となっているとき、VFJAは高くなり、また、分極の方向が出力端子から入力端子(配線FCA)の方向(負方向)となっているとき、VFJAは低くなる。同様に、FTJ素子FJBにおいて、分極の方向が出力端子(配線FCB)から入力端子への方向(負方向)となっているとき、VFJBは低くなり、また、分極の方向が入力端子から出力端子(配線FCB)の方向(正方向)となっているとき、VFJBは高くなる。
ここで、例えば、図19のタイミングチャートの時刻V13から時刻V16までの間において、メモリセルMCに書き込まれた電位をV0としたとき、FTJ素子FJAの分極の方向が入力端子(配線FCA)から出力端子への方向(正方向)となるため、VFJAは高くなり、FTJ素子FJBの分極の方向が出力端子(配線FCB)から入力端子への方向(負方向)となるため、VFJBは低くなる。つまり、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれにかかる分圧の割合a:bとしては、a>bとなる。また、このときのトランジスタM5の第1端子(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)の電位をVHLD0とする。
また、例えば、図19のタイミングチャートの時刻V13から時刻V16までの間において、メモリセルMCに書き込まれた電位をV1としたとき、FTJ素子FJAの分極の方向が出力端子から入力端子(配線FCA)への方向(負方向)となるため、VFJAは低くなり、FTJ素子FJBの分極の方向が入力端子から出力端子(配線FCB)への方向(正方向)となるため、VFJBは高くなる。つまり、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれにかかる分圧の割合a:bとしては、b>aとなる。また、このときのトランジスタM5の第1端子(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)の電位をVHLD1とする。
FTJ素子FJBの入力端子と出力端子との間の電圧VFJBは、メモリセルMCに書き込まれた電位がV0のときよりもV1のときのほうが高くなる。そのため、配線FCBが与える電位V0Bを基準としたとき、トランジスタM5の第1端子(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)の電位は、メモリセルMCに書き込まれた電位がV0のときよりもV1のときのほうが高くなる。つまり、VHLD1>VHLD0となる。
[時刻V19から時刻V20まで]
時刻V19から時刻V20までの間において、配線WHLが与える電位は、低レベル電位から高レベル電位(図19ではHighと記載している)に変化する。このため、トランジスタM5のゲートには高レベル電位が入力されて、トランジスタM5はオン状態となる。
トランジスタM5がオン状態になることによって、トランジスタM5の第1端子(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)と、トランジスタM2のゲート及び容量C1の第1端子と、の間が導通状態となる。また、時刻V19から時刻V20までの間では、配線FCAからVMが与えられ、配線FCBからV0Bが与えられているため、トランジスタM2のゲート及び容量C1の第1端子のそれぞれの電位は、VHLD0、又はVHLD1となる。
[時刻V20から時刻V21まで]
時刻V20から時刻V21までの間において、配線WHLが与える電位は、高レベル電位から低レベル電位に変化する。このため、トランジスタM5のゲートには低レベル電位が入力されて、トランジスタM5はオフ状態となる。
トランジスタM5がオフ状態になることによって、トランジスタM5の第1端子(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)と、トランジスタM2のゲート及び容量C1の第1端子と、の間が非導通状態となる。また、これにより、トランジスタM2のゲートの電位VHLD0、又はVHLD1は、容量C1によって保持される。
[時刻V21から時刻V22まで]
時刻V21から時刻V22までの間において、配線FCAには電位V0Aが与えられ、配線FCBには電位V0Bが与えられている。つまり、時刻V21以降において、配線FCA、及び配線FCBが与える電位は、時刻V18以前において、配線FCA、及び配線FCBが与える電位と同様としている。
[時刻V22から時刻V23まで]
時刻V22から時刻V23までの間において、配線WWLが与える電位は、低レベル電位から高レベル電位に変化する。このため、トランジスタM1のゲートには高レベル電位が入力されて、トランジスタM1はオン状態となる。つまり、配線WDLとトランジスタM5の第1端子(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)との間が導通状態となる。したがって、トランジスタM5の第1端子(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)には、配線WDLが与える接地電位が与えられる。このため、トランジスタM2のゲート(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)の電位は、接地電位になるものとする。
なお、図18のメモリセルMCの動作例において、時刻V22から時刻V23までの間の動作は必須ではなく、行わなくてもよい。
[時刻V23から時刻V24まで]
時刻V23から時刻V24までの間において、配線WWLが与える電位は、高レベル電位から低レベル電位に変化する。このため、トランジスタM1のゲートには低レベル電位が入力されて、トランジスタM1はオフ状態となる。つまり、配線WDLとトランジスタM5の第1端子(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)との間が非導通状態となる。
上述した時刻V23から時刻V24までの間の動作によって、図18のメモリセルMCにデータを書き込むことができる。
<<データの読み出し動作例>>
図20Aは、図18AのメモリセルMCにおけるデータの読み出し動作の一例を示したタイミングチャートである。図20Aのタイミングチャートは、時刻V25から時刻V29での間、及びその近傍の時刻における、配線RWL、及び配線RDLの電位の変化について示している。
なお、図20Aのタイミングチャートに示す時刻V25よりも以前の動作は、図19のタイミングチャートの動作例が行われたものとする。つまり、図18AのメモリセルMCは、図19のタイミングチャートの動作例によって、トランジスタM2のゲート及び容量C1の第1端子のそれぞれの電位は、VHLD0、又はVHLD1となっているものとする。
なお、本動作例において、配線WWL、配線WDL、配線WHL、配線FCA、及び配線FCBにおいて電位の変化はないため、図20Aのタイミングチャートには図示しない。また、時刻V25から時刻V29までの間における配線WWL、配線WDL、配線WHL、配線FCA、及び配線FCBの電位は、特に限定されないものとする。なお、本動作例では、一例として、配線WWLには低レベル電位が与えられ、配線WDLには接地電位が与えられ、配線WHLには低レベル電位が与えられ、配線FCAには電位V0Aが与えられ、配線FCBには電位V0Bが与えられているものとする。
また、配線WWLには低レベル電位が与えられているため、トランジスタM1はオフ状態となる。また、配線WHLには低レベル電位が与えられているため、トランジスタM5はオフ状態となる。
[時刻V25から時刻V26まで]
時刻V25から時刻V26までの間において、配線RWLの電位は、低レベル電位(図20Aには、Lowと記載している)となっている。そのため、トランジスタM3のゲートには低レベル電位が入力され、トランジスタM3はオフ状態となっている。また、配線RDLの電位は、低レベル電位となっている。
[時刻V26から時刻V27まで]
時刻V26から時刻V27までの間では、配線RDLの電位には、定電圧である電位VRE1が与えられる。VRE1は、VSSよりも高い読み出し用の定電圧である。
[時刻V27から時刻V28まで]
時刻V27から時刻V28までの間において、配線RWLが与える電位は、低レベル電位から高レベル電位(図20AではHighと記載している)に変化する。このため、トランジスタM3のゲートには高レベル電位が入力されて、トランジスタM3はオン状態となる。
ところで、トランジスタM2のゲートの電位は、VHLD0、又はVHLD1となっており、トランジスタM2の第1端子の電位は、VSSとなっている。さらに、トランジスタM3はオン状態となっているため、トランジスタM2の第2端子には、一例として、配線RDLから、VSSよりも高い定電位VRE1が入力される。ここで、トランジスタM2のゲート-ソース間電圧VHLD0-VSS(又は、VHLD1-VSS)がトランジスタM2のしきい値電圧Vthよりも高いものとすると、トランジスタM2には、ゲート-ソース間電圧VHLD0-VSS(又は、VHLD1-VSS)に応じた電流が流れる。
つまり、トランジスタM3をオン状態にすることによって、トランジスタM2のゲートの電位に応じて、配線RDLに流れる電流量が決まる。具体的には、VHLD1>VHLD0であるため、トランジスタM2から配線RDLに流れる電流は、配線WDLからメモリセルMCに与えられた電位がV0のときよりもV1のときのほうが大きくなる。
ここで、配線RDLに流れる電流を読み出し回路(例えば、電流電圧変換回路など)などに入力することによって、メモリセルMCに保持されたデータを読み出すことができる。
[時刻V28から時刻V29まで]
時刻V28から時刻V29までの間において、配線RWLの電位は、高レベル電位から低レベル電位に変化する。このため、トランジスタM3のゲートには低レベル電位が入力され、トランジスタM3はオフ状態となる。
上述した時刻V28から時刻V29までの間の動作例によって、図18AのメモリセルMCに書き込まれたデータを読み出すことができる。また、図18AのメモリセルMCからデータを読み出したとき、FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれの分極の方向は変化しないため、上述したデータの読み出し動作例は、破壊読み出しとならない。つまり、メモリセルMCに書き込まれたデータを保持したまま、メモリセルMCから当該データを読み出すことができる。
なお、図20Aのタイミングチャートの読み出し動作例では、配線VCEが与える電位を低レベル電位VSSとしたが、配線VCEが与える電位は高レベル電位としてもよい。図20Bのタイミングチャートは、図20Aのタイミングチャートの読み出し動作例において、配線VCEが与える電位を高レベル電位にした場合の動作例を示している。
以下に、図20Bのタイミングチャートの読み出し動作例について、説明する。なお、図20Bのタイミングチャートの読み出し動作において、図20Aのタイミングチャートの読み出し動作と内容が重複する箇所については、説明を省略する。また、本動作例において、配線VCEが与える高レベル電位をVDDとする。
また、図20Bのタイミングチャートの時刻V27以降の配線RDLにおいて、電位の変動を実線と破線で示している。実線で示した電位変化は、図19のタイミングチャートの書き込み動作において、配線WDLからメモリセルMCにV0が入力された場合を示し、また、破線で示した電位変化は、図19のタイミングチャートの書き込み動作において、配線WDLからメモリセルMCにV1が入力された場合を示している。
図20Bのタイミングチャートにおいて、時刻V25から時刻V27までの間では、配線RDLに対して、低レベル電位VSSにプリチャージが行われるものとする。また、配線RDLに対するプリチャージが行われた後、配線RDLは、フローティング状態になるものとする。
また、時刻V27から時刻V28までの間では、配線RWLの電位が、低レベル電位から高レベル電位に変化する。このため、トランジスタM3のゲートには高レベル電位が入力されて、トランジスタM3はオン状態となる。
このとき、トランジスタM2のゲートの電位は、VHLD0、又はVHLD1となっており、トランジスタM2の第1端子の電位は、VDDとなっている。さらに、トランジスタM3はオン状態となっているため、トランジスタM2の第2端子には、配線RDLにおいてプリチャージされた電位が入力される。ここで、トランジスタM2のゲート-ソース間電圧VHLD0-VSS(又は、VHLD1-VSS)がトランジスタM2のしきい値電圧Vthよりも高いものとすると、配線RDLの電位は、VSSから所定の電位まで上昇する。例えば、トランジスタM2のゲートの電位がVHLD0であるとき、理想的には、配線RDLの電位はVSSからVHLD0-Vth(図20BではVONと記載している。)まで上昇する。また、例えば、トランジスタM2のゲートの電位がVHLD1であるとき、理想的には、配線RDLの電位はVSSからVHLD1-Vth(図20BではVOPと記載している。)まで上昇する。
上記のとおり、配線VCEが与える電位を高レベル電位にした場合でも、配線RDLにプリチャージする電位を最適な値にすることで、図20Aのタイミングチャートと読み出し動作例と同様に、メモリセルMCに保持されているデータを読み出すことができる。
なお、図20A及び図20Bのタイミングチャートの時刻V27から時刻V28までの間では、配線RDLに流れる電流、又は配線RDLの電位を取得して、メモリセルMCに保持されたデータを読み出す動作の一例について説明したが、メモリセルMCの読み出し動作は上述した動作例に限定されない。
また、例えば、図20Aのタイミングチャートの動作例において、配線VCEが与える電位をVDDとして、時刻V25以降において、配線RDLにVDDよりも低い読み出し用の定電圧を与えて、図20Aのタイミングチャートの動作と同様に、配線RDLに流れる電流の量を取得することによって、メモリセルMCに保持されているデータを読み出すことができる。
なお、本実施の形態で説明した、図19、図20A、及び図20Bのタイミングチャートの動作は、一例であるため、状況に応じて、又は場合によって、その動作を変更することができる。例えば、図19のタイミングチャートの時刻V12から時刻V17までの間で、配線WWLに高レベル電位が与えられ、時刻V13から時刻V16までの間で、配線WDLにV0又はV1が与えられているが、配線WDLにV0又はV1が与えられている期間内に、配線WWLに高レベル電位が与えられていてもよい。また、配線FCAに電位V1Aが与えられ、かつ配線FCBに電位V0Bが与えられている期間、及び配線FCAに電位V0Aが与えられて、かつ配線FCBに電位V1Bが与えられている期間は、配線WWLに高レベル電位が与えられ、かつ配線WDLにV0又はV1が与えられている期間内であれば、どのタイミングでもよい。また、配線FCAに電位V0Aが与えられて、かつ配線FCBに電位V1Bが与えられている期間は、配線FCAに電位V1Aが与えられ、かつ配線FCBに電位V0Bが与えられている期間よりも先でもよい。また、例えば、図19のタイミングチャートの時刻V18から時刻V21までの間で、配線FCAにVMが与えられ、時刻V19から時刻V20までの間で、配線WHLに高レベル電位が与えられているが、配線WHLに高レベル電位が与えられている期間内に、配線FCAにVMが与えられていてもよい。
また、例えば、図19のタイミングチャートの時刻V18から時刻V21までの間で、配線FCAにVMが与えられ、配線FCBにV0Bが与えられているが、このとき、配線FCAにV0Aが与えられ、配線FCBにVMが与えられていてもよい。
<<データのリフレッシュの動作例>>
図18A、図18BのメモリセルMCの容量C1の第1端子に保持した電位VHLD0、又はVHLD1が時間経過によって変動したとき、所定の動作を行うことによって、図18A、図18BのメモリセルMCの容量C1の第1端子の電位をVHLD0、又はVHLD1に戻すことができる。つまり、図18A、図18BのメモリセルMCは、保持したデータに対してリフレッシュを行う機能を有する。
メモリセルMCの容量C1の第1端子に保持した電位をリフレッシュする場合は、図19のタイミングチャートの時刻V18から時刻V24の動作を行えばよい。FTJ素子FJA、及びFTJ素子FJBのそれぞれの強誘電性を有しうる材料の分極の方向が定まっているため、配線FCAからFTJ素子FJAの入力端子に電位VMを与え、配線FCBからFTJ素子FJBの出力端子にV0Bを与えることによって、トランジスタM5の第1端子(FTJ素子FJAの出力端子、FTJ素子FJBの入力端子)の電位をVHLD0、又はVHLD1にすることができる。そして、トランジスタM5をオン状態にすることによって、メモリセルMCの容量C1の第1端子と、トランジスタM2のゲートと、の電位をVHLD0、又はVHLD1にリフレッシュすることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したメモリセルとは異なる、本発明の一態様の半導体装置に適用可能なメモリセルについて説明する。
<構成例>
図21には、本発明の一態様の半導体装置である記憶装置に備えることができる、メモリセルMCの回路構成例を示している。なお、図21に示すメモリセルMCは、図18A、及び図18BのメモリセルMCと同様に、データの読み出し動作時にデータが破壊されず、かつデータのリフレッシュが可能な回路構成となっている。
図21のメモリセルMCは、例えば、図1AのメモリセルMCの構成に加えて、トランジスタM6と、容量C2と、を有する構成となっている。また、図21のメモリセルMCは、トランジスタM1の第2端子と、FTJ素子FJAの出力端子と、FTJ素子FJBの入力端子と、が容量C2の第1端子-第2端子間を介して、トランジスタM2のゲートに電気的に接続されている点でも、図1AのメモリセルMCと異なっている。
例えば、図21のメモリセルMCにおいて、容量C2の第1端子は、トランジスタM1の第2端子と、FTJ素子FJAの出力端子と、FTJ素子FJBの入力端子と、に電気的に接続されている。また、容量C2の第2端子は、トランジスタM6の第1端子と、トランジスタM2のゲートと、に電気的に接続されている。トランジスタM6の第2端子は、トランジスタM2の第2端子と、トランジスタM3の第1端子と、に電気的に接続されている。また、トランジスタM6のゲートは、配線WCLに電気的に接続されている。
なお、トランジスタM6としては、例えば、図1AのメモリセルMCに含まれているトランジスタM1乃至トランジスタM3に適用できるトランジスタを用いることができる。
また、配線WCLは、一例として、トランジスタM6の導通状態と非導通状態との切り替えを行うための制御信号を送信する配線として機能する。例えば、配線WCLに高レベル電位を与えることによって、トランジスタM6は導通状態となり、また、配線WCLに低レベル電位を与えることによって、トランジスタM6は非導通状態となる。
なお、図21のメモリセルMCにおいて、図1AのメモリセルMCと重複する内容については、実施の形態1の図1AのメモリセルMCの記載を参酌する。
<動作例>
次に、図21のメモリセルMCにおける、トランジスタM2のしきい値電圧を補正する動作例について説明する。
図22は、図21のメモリセルMCにおける、トランジスタM2のしきい値電圧を補正する動作例を示したタイミングチャートである。図22のタイミングチャートは、時刻W11から時刻W18までの間、及びその近傍の時刻における、配線WWL、配線WDL、配線WCL、配線RWL、及び配線RDLの電位の変化を示している。
また、本動作例において、配線FCA、及び配線FCBのそれぞれの電位の変化はないため、図22のタイミングチャートには図示しない。なお、本動作例において、配線FCAには電位V0Aが与えられ、配線FCBには電位V0Bが与えられているものとする。
また、配線VCEが与える電位は、前述したとおり、高レベル電位、低レベル電位、接地電位などとすることができるが、本動作例では、低レベル電位VSSとする。
[時刻W11から時刻W12まで]
時刻W11から時刻W12までの間において、配線WWL、配線WCL、及び配線RWLのそれぞれの電位は、低レベル電位(図22には、Lowと記載している)となっている。そのため、トランジスタM1、トランジスタM6、及びトランジスタM3のそれぞれのゲートには低レベル電位が入力され、トランジスタM1、トランジスタM6、及びトランジスタM3のそれぞれはオフ状態となっている。
また、時刻W11から時刻W12までの間において、配線WDL、及び配線RDLのそれぞれには、一例として、接地電位(図22では、GNDと記載している)が入力されている。
[時刻W12から時刻W13まで]
時刻W12から時刻W13までの間において、配線WWL、配線WCL、及び配線RWLのそれぞれが与える電位は、低レベル電位から高レベル電位(図22には、Highと記載している)に変化する。このため、トランジスタM1、トランジスタM6、及びトランジスタM3のそれぞれのゲートには高レベル電位が入力されて、トランジスタM1、トランジスタM6、及びトランジスタM3のそれぞれはオン状態となる。
トランジスタM1がオン状態になることによって、配線WDLと、容量C2の第1端子(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)と、の間が導通状態となる。このため、容量C2の第1端子(FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子)の電位は、配線WDLから接地電位が入力されるため、接地電位となる。
また、トランジスタM3、及びトランジスタM6がオン状態になることによって、配線RDLと、容量C2の第2端子(トランジスタM2のゲート)と、の間が導通状態となる。このため、容量C2の第2端子(トランジスタM2のゲート)の電位は、配線RDLから接地電位が入力されるため、接地電位となる。
[時刻W13から時刻W14まで]
時刻W13から時刻W14までの間において、配線RDLが与える電位は、接地電位から、トランジスタM2のしきい値電圧Vthよりも高い電位に変化する。例えば、当該電位としては、Vth+ΔVとする。
このとき、トランジスタM3はオン状態となっているため、トランジスタM2の第2端子には、配線RDLからVth+ΔVが入力される。更に、トランジスタM6もオン状態となっているため、トランジスタM2のゲート、及び容量C2の第2端子のそれぞれにも、配線RDLからVth+ΔVが入力される。
[時刻W14から時刻W15まで]
時刻W14から時刻W15までの間において、配線RWLが与える電位は、高レベル電位から低レベル電位に変化する。このため、トランジスタM3のゲートには低レベル電位が入力されて、トランジスタM3はオフ状態となる。
このとき、トランジスタM6はオン状態となっているため、トランジスタM2のゲートとトランジスタM2の第2端子は導通状態となっている。また、トランジスタM2のゲートとトランジスタM2の第2端子とのそれぞれの電位はVth+ΔV、トランジスタM1の第1端子の電位は低レベル電位VSSであるため、トランジスタM2はオン状態となる。このため、トランジスタM2のゲートとトランジスタM2の第2端子とのそれぞれの電位は、トランジスタM2がオフ状態となるまで低下する。具体的には、トランジスタM2のゲート-ソース間電圧がしきい値電圧まで低下することでトランジスタM2はオフ状態となるので、このときのトランジスタM2のゲートの電位は、VSS+Vthとなる。
[時刻W15から時刻W16まで]
時刻W15から時刻W16までの間において、配線WCLが与える電位は、高レベル電位から低レベル電位に変化する。このため、トランジスタM6のゲートには低レベル電位が入力されて、トランジスタM6はオフ状態となる。
また、容量C2の第1端子には、配線WDLからの接地電位が与えられている。これにより、トランジスタM2のゲートの電位であるVSS+Vthは、容量C2の第2端子によって保持される。
上述した動作によって、トランジスタM2のしきい値電圧の補正を行うことができる。これにより、複数配置されたメモリセルMCのそれぞれに含まれるトランジスタM2のしきい値電圧のばらつきを少なくすることができる。トランジスタM2のしきい値電圧のばらつきを少なくすることによって、同じデータが保持されている複数のメモリセルMCから読み出されたそれぞれの電流の量をほぼ等しくすることができる。
[時刻W16から時刻W17まで]
時刻W16から時刻W17までの間において、配線WWLが与える電位は、高レベル電位から低レベル電位に変化する。このため、トランジスタM1のゲートには低レベル電位が入力されて、トランジスタM1はオフ状態となる。
[時刻W17から時刻W18まで]
時刻W17から時刻W18までの間において、配線RDLが与える電位は、Vth+ΔVから接地電位に変化する。
その後、図21のメモリセルMCにおいて、図1のメモリセルMCと同様に、例えば、図2のタイミングチャートの動作例と同様に、データの書き込みを行い、また、図3Aのタイミングチャートの動作例と同様に、当該データの読み出しを行うことによって、しきい値電圧が補正されたトランジスタM2の第1端子-第2端子間に流れる電流を、読み出し用のデータとして扱うことができる。
例えば、図21のメモリセルMCの構成で、図3Aのタイミングチャートの時刻T23から時刻T26までの間の動作を行ったとき、配線FCAに電位VMが入力され、配線FCBに電位V0Bが入力されて、FTJ素子FJAの出力端子、及びFTJ素子FJBの入力端子の電位はVHLD0、又はVHLD1となる。このとき、トランジスタM2のゲートの電位は、容量C2の容量結合によって、VHLD0+VSS+Vth、又はVHLD1+VSS+Vthとなる。したがって、トランジスタM2のゲート-ソース間電圧は、VHLD0+Vth、又はVHLD1+Vthとなる。このため、トランジスタM2が飽和領域で動作する場合、トランジスタM2の第1端子-第2端子間に流れる電流量は、トランジスタM2のしきい値電圧に依存しなくなるため、メモリセルMCから読み出されたデータが受ける、トランジスタM2のしきい値電圧のばらつきによる影響を少なくすることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置の構成例、及び上記の実施の形態で説明した半導体装置に適用できるトランジスタの構成例について説明する。
<半導体装置の構成例1>
図23は、容量素子を含むメモリセルを有する半導体装置であって、当該半導体装置は、トランジスタ300と、トランジスタ500と、容量素子600と、を有する。また、図24Aにはトランジスタ500のチャネル長方向の断面図、図24Bにはトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図を示しており、図24Cにはトランジスタ300のチャネル幅方向の断面図を示している。
トランジスタ500は、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(OSトランジスタ)である。トランジスタ500は、オフ電流が小さく、また、高温でも電界効果移動度が変化しにくい特性を有する。トランジスタ500を、半導体装置、例えば、上記実施の形態で説明した、メモリセルMCに含まれるトランジスタM1などに適用することにより、高温でも動作能力が低下しにくい半導体装置を実現できる。特に、トランジスタ500を、例えば、トランジスタM1に適用することにより、オフ電流が小さい特性を利用して、メモリセルMCの容量に書き込んだ電位を長時間保持することができる。
トランジスタ500は、例えば、トランジスタ300の上方に設けられ、容量素子600は、例えば、トランジスタ300、及びトランジスタ500の上方に設けられている。なお、容量素子600は、例えば、メモリセルに書き込まれるデータに応じた電位を保持する容量素子とすることができる。なお、回路構成によっては、図23に示す容量素子600は必ずしも設けなくてもよい。
トランジスタ300は、基板310上に設けられ、素子分離層312、導電体316、絶縁体315、基板310の一部からなる半導体領域313、ソース領域又はドレイン領域として機能する低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bを有する。なお、トランジスタ300は、例えば、上記実施の形態で説明したトランジスタM2などに適用することができる。なお、図23では、トランジスタ300のゲートが、容量素子600の一対の電極を介して、トランジスタ500のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている構成を示しているが、本発明の一態様の半導体装置の構成によっては、トランジスタ300のソース又はドレインの一方が、容量素子600の一対の電極を介して、トランジスタ500のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている構成とすることができ、また、トランジスタ300のソース又はドレインの一方が、容量素子600の一対の電極を介して、トランジスタ500のゲートに電気的に接続されている構成とすることができ、また、トランジスタ300の各端子は、トランジスタ500の各端子、容量素子600の各端子のいずれにも電気的に接続されない構成とすることができる。
また、基板310としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)を用いることが好ましい。
トランジスタ300は、図24Cに示すように、半導体領域313の上面及びチャネル幅方向の側面が絶縁体315を介して導電体316に覆われている。このように、トランジスタ300をFin型とすることにより、実効上のチャネル幅が増大することによりトランジスタ300のオン特性を向上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、トランジスタ300のオフ特性を向上させることができる。
なお、トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域313のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、又はドレイン領域となる低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bなどにおいて、シリコン系半導体などの半導体を含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。又は、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)、GaN(窒化ガリウム)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。又はGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、又はホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料によって仕事関数が決まるため、当該導電体の材料を選択することで、トランジスタのしきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタン、窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステン、アルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
素子分離層312は、基板310上に形成されている複数のトランジスタ同士を分離するために設けられている。素子分離層は、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法、STI(Shallow Trench Isolation)法、メサ分離法などを用いて形成することができる。
なお、図23に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成、駆動方法などに応じて適切なトランジスタを用いればよい。例えば、トランジスタ300は、図24Cに示すFIN型ではなく、プレーナ型の構造としてもよい。また、例えば、半導体装置をOSトランジスタのみの単極性回路とする場合、図25に示すとおり、トランジスタ300の構成を、酸化物半導体を用いているトランジスタ500と同様の構成にすればよい。なお、トランジスタ500の詳細については後述する。なお、本明細書等において、単極性回路とは、nチャネル型トランジスタ又はpチャネル型トランジスタの一方のみの極性のトランジスタを含む回路のことをいう。
なお、図25において、トランジスタ300は、基板310A上に設けられているが、この場合、基板310Aとしては、図23の半導体装置の基板310と同様に半導体基板を用いてもよい。また、基板310Aとしては、例えば、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、サファイアガラス基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどを用いることができる。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下のものがあげられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の合成樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ樹脂、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
図23に示すトランジスタ300には、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、絶縁体326が、基板310側から順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。また、本明細書中において、酸化窒化アルミニウムとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化アルミニウムとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁体322は、絶縁体320に覆われているトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体324には、基板310、又はトランジスタ300などから、トランジスタ500が設けられる領域に、水素、不純物などが拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、膜の表面温度が50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm2以下、好ましくは5×1015atoms/cm2以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体326の比誘電率は、絶縁体324の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326には容量素子600、又はトランジスタ500と接続する導電体328、及び導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、及び導電体330は、プラグ又は配線としての機能を有する。また、プラグ又は配線としての機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、及び導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、及び配線(導電体328、導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を、単層又は積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステン、モリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。又は、アルミニウム、銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体326、及び導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図23において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が、絶縁体326、及び導電体330の上方に、順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、トランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。なお導電体356は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水素、水などの不純物に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、絶縁体352、及び絶縁体354としては、絶縁体326と同様に、配線間に生じる寄生容量を低減するために、比誘電率が比較的低い絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体356は、水素、水などの不純物に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体350が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構造であることが好ましい。
また、絶縁体354、及び導電体356上には、絶縁体360と、絶縁体362と、絶縁体364が順に積層されている。
絶縁体360は、絶縁体324などと同様に、水、水素などの不純物に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。そのため、絶縁体360としては、例えば、絶縁体324などに適用できる材料を用いることができる。
絶縁体362、及び絶縁体364は、層間絶縁膜、及び平坦化膜としての機能を有する。また、絶縁体362、及び絶縁体364は、絶縁体324と同様に、水、水素などの不純物に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。このため、絶縁体362、及び/又は絶縁体364としては、絶縁体324に適用できる材料を用いることができる。
また、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364において、導電体356と重畳する領域に開口部が形成されて、当該開口部を埋めるように導電体366が設けられている。また、導電体366は、絶縁体362上にも形成されている。導電体366は、一例として、トランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。なお、導電体366は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
絶縁体364、及び導電体366上には絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516が、順に積層して設けられている。絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516のいずれかは、酸素、水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、例えば、基板310、又はトランジスタ300を設ける領域などから、トランジスタ500が設けられている領域に、水素、不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、絶縁体512、及び絶縁体516には、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体512、及び絶縁体516として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516には、導電体518、及びトランジスタ500を構成する導電体(例えば、図24A、及び図24Bに示す導電体503)等が埋め込まれている。なお、導電体518は、容量素子600、又はトランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体518は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体510、及び絶縁体514と接する領域の導電体518は、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する層で、分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体516の上方には、トランジスタ500が設けられている。
図24A、及び図24Bに示すように、トランジスタ500は、絶縁体514上の絶縁体516と、絶縁体514または絶縁体516に埋め込まれるように配置された導電体503(導電体503a、および導電体503b)と、絶縁体516上、および導電体503上の絶縁体522と、絶縁体522上の絶縁体524と、絶縁体524上の酸化物530aと、酸化物530a上の酸化物530bと、酸化物530b上の導電体542aと、導電体542a上の絶縁体571aと、酸化物530b上の導電体542bと、導電体542b上の絶縁体571bと、酸化物530b上の絶縁体552と、絶縁体552上の絶縁体550と、絶縁体550上の絶縁体554と、絶縁体554上に位置し、酸化物530bの一部と重なる導電体560(導電体560a、および導電体560b)と、絶縁体522、絶縁体524、酸化物530a、酸化物530b、導電体542a、導電体542b、絶縁体571a、および絶縁体571b上に配置される絶縁体544と、を有する。ここで、図24A、及び図24Bに示すように、絶縁体552は、絶縁体522の上面、絶縁体524の側面、酸化物530aの側面、酸化物530bの側面および上面、導電体542の側面、絶縁体571の側面、絶縁体544の側面、絶縁体580の側面、および絶縁体550の下面と接する。また、導電体560の上面は、絶縁体554の上部、絶縁体550の上部、絶縁体552の上部、および絶縁体580の上面と高さが概略一致するように配置される。また、絶縁体574は、導電体560の上面、絶縁体552の上部、絶縁体550の上部、絶縁体554の上部、および絶縁体580の上面の少なくともいずれかの一部と接する。
絶縁体580、および絶縁体544には、酸化物530bに達する開口が設けられる。当該開口内に、絶縁体552、絶縁体550、絶縁体554、および導電体560が配置されている。また、トランジスタ500のチャネル長方向において、絶縁体571a、および導電体542aと、絶縁体571b、および導電体542bと、の間に導電体560、絶縁体552、絶縁体550、および絶縁体554が設けられている。絶縁体554は、導電体560の側面と接する領域と、導電体560の底面と接する領域と、を有する。
酸化物530は、絶縁体524の上に配置された酸化物530aと、酸化物530aの上に配置された酸化物530bと、を有することが好ましい。酸化物530b下に酸化物530aを有することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。
なお、トランジスタ500では、酸化物530が、酸化物530a、および酸化物530bの2層を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、トランジスタ500は、酸化物530bの単層、または3層以上の積層構造を有する構成とすることができる。又は、酸化物530a、および酸化物530bのそれぞれが積層構造を有する構成とすることができる。
導電体560は、第1のゲート(トップゲートともいう。)電極として機能し、導電体503は、第2のゲート(バックゲートともいう。)電極として機能する。また、絶縁体552、絶縁体550、及び絶縁体554は、第1のゲート絶縁体として機能し、絶縁体522、および絶縁体524は、第2のゲート絶縁体として機能する。なお、ゲート絶縁体は、ゲート絶縁層、またはゲート絶縁膜と呼ぶ場合もある。また、導電体542aは、ソースまたはドレインの一方として機能し、導電体542bは、ソースまたはドレインの他方として機能する。また、酸化物530の導電体560と重畳する領域の少なくとも一部はチャネル形成領域として機能する。
ここで、図24Aにおけるチャネル形成領域近傍の拡大図を図26Aに示す。酸化物530bに酸素が供給されることで、導電体542aと導電体542bの間の領域にチャネル形成領域が形成される。よって、図26Aに示すように、酸化物530bは、トランジスタ500のチャネル形成領域として機能する領域530bcと、領域530bcを挟むように設けられ、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域530baおよび領域530bbと、を有する。領域530bcは、少なくとも一部が導電体560と重畳している。言い換えると、領域530bcは、導電体542aと導電体542bの間の領域に設けられている。領域530baは、導電体542aに重畳して設けられており、領域530bbは、導電体542bに重畳して設けられている。
チャネル形成領域として機能する領域530bcは、領域530baおよび領域530bbよりも、酸素欠損(本明細書等では、金属酸化物中の酸素欠損をVO(oxygen vacancy)と呼称する場合がある。)が少なく、または不純物濃度が低いため、キャリア濃度が低い高抵抗領域である。よって領域530bcは、i型(真性)または実質的にi型であるということができる。
金属酸化物を用いたトランジスタは、金属酸化物中のチャネルが形成される領域に不純物または酸素欠損(VO)が存在すると、電気特性が変動しやすく、信頼性が悪くなる場合がある。また、酸素欠損(VO)近傍の水素が、酸素欠損(VO)に水素が入った欠陥(以下、VOHと呼称する場合がある。)を形成し、キャリアとなる電子を生成する場合がある。このため、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性(ゲート電極に電圧を印加しなくてもチャネルが存在し、トランジスタに電流が流れる特性)となりやすい。したがって、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域では、不純物、酸素欠損、およびVOHはできる限り低減されていることが好ましい。
また、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域530baおよび領域530bbは、酸素欠損(VO)が多く、または水素、窒素、金属元素などの不純物濃度が高い、ことでキャリア濃度が増加し、低抵抗化した領域である。すなわち、領域530baおよび領域530bbは、領域530bcと比較して、キャリア濃度が高く、低抵抗なn型の領域である。
ここで、チャネル形成領域として機能する領域530bcのキャリア濃度は、1×1018cm-3以下であることが好ましく、1×1017cm-3未満であることがより好ましく、1×1016cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm-3未満であることがさらに好ましい。なお、チャネル形成領域として機能する領域530bcのキャリア濃度の下限値については、特に限定は無いが、例えば、1×10-9cm-3とすることができる。
また、領域530bcと領域530baまたは領域530bbとの間に、キャリア濃度が、領域530baおよび領域530bbのキャリア濃度と同等、またはそれよりも低く、領域530bcのキャリア濃度と同等、またはそれよりも高い、領域が形成されていてもよい。つまり、当該領域は、領域530bcと領域530baまたは領域530bbとの接合領域として機能する。当該接合領域は、水素濃度が、領域530baおよび領域530bbの水素濃度と同等、またはそれよりも低く、領域530bcの水素濃度と同等、またはそれよりも高くなる場合がある。また、当該接合領域は、酸素欠損が、領域530baおよび領域530bbの酸素欠損と同等、またはそれよりも少なく、領域530bcの酸素欠損と同等、またはそれよりも多くなる場合がある。
なお、図26Aでは、領域530ba、領域530bb、および領域530bcが酸化物530bに形成される例について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、上記の各領域が酸化物530bだけでなく、酸化物530aまで形成されてもよい。
また、酸化物530において、各領域の境界を明確に検出することが困難な場合がある。各領域内で検出される金属元素、ならびに水素、および窒素などの不純物元素の濃度は、領域ごとの段階的な変化に限らず、各領域内でも連続的に変化していてもよい。つまり、チャネル形成領域に近い領域であるほど、金属元素、ならびに水素、および窒素などの不純物元素の濃度が減少していればよい。
トランジスタ500は、チャネル形成領域を含む酸化物530(酸化物530a、および酸化物530b)に、半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)を用いることが好ましい。
また、半導体として機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物530として、例えば、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有するIn-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、錫、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。また、酸化物530として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物、インジウム酸化物を用いてもよい。
ここで、酸化物530bに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
このように、酸化物530bの下に酸化物530aを配置することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物からの、酸化物530bに対する、不純物および酸素の拡散を抑制することができる。
また、酸化物530aおよび酸化物530bが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、酸化物530aと酸化物530bの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。酸化物530aと酸化物530bとの界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
酸化物530bは、結晶性を有することが好ましい。特に、酸化物530bとして、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)を用いることが好ましい。
CAAC-OSは、結晶性の高い、緻密な構造を有しており、不純物、及び欠陥(例えば、酸素欠損(VO))が少ない金属酸化物である。特に、金属酸化物の形成後に、金属酸化物が多結晶化しない程度の温度(例えば、400℃以上600℃以下)で加熱処理することで、CAAC-OSをより結晶性の高い、緻密な構造にすることができる。このようにして、CAAC-OSの密度をより高めることで、当該CAAC-OS中の不純物または酸素の拡散をより低減することができる。
一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
酸化物半導体を用いたトランジスタは、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に不純物および酸素欠損が存在すると、電気特性が変動しやすく、信頼性が悪くなる場合がある。また、酸素欠損近傍の水素が、酸素欠損に水素が入った欠陥(以下、VOHと呼ぶ場合がある。)を形成し、キャリアとなる電子を生成する場合がある。このため、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性(ゲート電極に電圧を印加しなくてもチャネルが存在し、トランジスタに電流が流れる特性)となりやすい。したがって、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域では、不純物、酸素欠損、およびVOHはできる限り低減されていることが好ましい。言い換えると、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域は、キャリア濃度が低減され、i型(真性化)または実質的にi型であることが好ましい。
これに対して、酸化物半導体の近傍に、加熱により脱離する酸素(以下、過剰酸素と呼ぶ場合がある。)を含む絶縁体を設け、熱処理を行うことで、当該絶縁体から酸化物半導体に酸素を供給し、酸素欠損、およびVOHを低減することができる。ただし、ソース領域またはドレイン領域に過剰な量の酸素が供給されると、トランジスタ500のオン電流の低下、または電界効果移動度の低下を引き起こすおそれがある。さらに、ソース領域またはドレイン領域に供給される酸素の量が基板面内でばらつくことで、トランジスタを有する半導体装置の特性にばらつきが出ることになる。
よって、酸化物半導体中において、チャネル形成領域として機能する領域530bcは、キャリア濃度が低減され、i型または実質的にi型であることが好ましいが、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域530baおよび領域530bbは、キャリア濃度が高く、n型であることが好ましい。つまり、酸化物半導体の領域530bcの酸素欠損、およびVOHを低減し、領域530baおよび領域530bbには過剰な量の酸素が供給されないようにすることが好ましい。
そこで、本実施の形態では、酸化物530b上に導電体542aおよび導電体542bを設けた状態で、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行い、領域530bcの酸素欠損、およびVOHの低減を図る。ここで、マイクロ波処理とは、例えばマイクロ波を用いて高密度プラズマを発生させる電源を有する装置を用いた処理のことを指す。
酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うことで、マイクロ波、またはRF等の高周波を用いて酸素ガスをプラズマ化し、当該酸素プラズマを作用させることができる。このとき、マイクロ波、またはRF等の高周波を領域530bcに照射することもできる。プラズマ、マイクロ波などの作用により、領域530bcのVOHを分断し、水素Hを領域530bcから除去し、酸素欠損VOを酸素で補填することができる。つまり、領域530bcにおいて、「VOH→H+VO」という反応が起きて、領域530bcの水素濃度を低減することができる。よって、領域530bc中の酸素欠損、およびVOHを低減し、キャリア濃度を低下させることができる。
また、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行う際、マイクロ波、またはRF等の高周波、酸素プラズマなどの作用は、導電体542aおよび導電体542bに遮蔽され、領域530baおよび領域530bbには及ばない。さらに、酸素プラズマの作用は、酸化物530b、および導電体542を覆って設けられている、絶縁体571、および絶縁体580によって、低減することができる。これにより、マイクロ波処理の際に、領域530baおよび領域530bbで、VOHの低減、および過剰な量の酸素供給が発生しないので、キャリア濃度の低下を防ぐことができる。
また、絶縁体552となる絶縁膜の成膜後、または絶縁体550となる絶縁膜の成膜後に、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うとことが好ましい。このように絶縁体552、または絶縁体550を介して、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うことで、効率良く領域530bc中へ酸素を注入することができる。また、絶縁体552を導電体542の側面、および領域530bcの表面と接するように配置することで、領域530bcへの必要量以上の酸素の注入を抑制し、導電体542の側面の酸化を抑制することができる。また、絶縁体550となる絶縁膜の成膜時に導電体542の側面の酸化を抑制することができる。
また、領域530bc中に注入される酸素は、酸素原子、酸素分子、酸素ラジカル(Oラジカルともいう。不対電子をもつ原子または分子、あるいはイオン)など様々な形態がある。なお、領域530bc中に注入される酸素は、上述の形態のいずれか一または複数であれば好ましく、特に酸素ラジカルであると好適である。また、絶縁体552、および絶縁体550の膜質を向上させることができるので、トランジスタ500の信頼性が向上する。
このようにして、酸化物半導体の領域530bcで選択的に酸素欠損、およびVOHを除去して、領域530bcをi型または実質的にi型とすることができる。さらに、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域530baおよび領域530bbに過剰な酸素が供給されるのを抑制し、導電性を維持することができる。これにより、トランジスタ500の電気特性の変動を抑制し、基板面内でトランジスタ500の電気特性のばらつきを少なくすることができる。
以上のような構成にすることで、トランジスタ特性のばらつきが少ない半導体装置を提供することができる。また、信頼性が良好な半導体装置を提供することができる。また、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することができる。
また、図24Bに示すように、トランジスタ500のチャネル幅方向の断面視において、酸化物530bの側面と酸化物530bの上面との間に、湾曲面を有してもよい。つまり、当該側面の端部と当該上面の端部は、湾曲してもよい(以下、ラウンド状ともいう。)。
上記湾曲面での曲率半径は、0nmより大きく、導電体542と重なる領域の酸化物530bの膜厚より小さい、または、上記湾曲面を有さない領域の長さの半分より小さいことが好ましい。上記湾曲面での曲率半径は、具体的には、0nmより大きく20nm以下、好ましくは1nm以上15nm以下、さらに好ましくは2nm以上10nm以下とする。このような形状にすることで、絶縁体552、絶縁体550、絶縁体554、および導電体560の、酸化物530bへの被覆性を高めることができる。
酸化物530は、化学組成が異なる複数の酸化物層の積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物530aに用いる金属酸化物において、主成分である金属元素に対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、主成分である金属元素に対する元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物530aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
また、酸化物530bは、CAAC-OSなどの結晶性を有する酸化物であることが好ましい。CAAC-OSなどの結晶性を有する酸化物は、不純物、及び欠陥(酸素欠損など)が少なく、結晶性の高い、緻密な構造を有している。よって、ソース電極またはドレイン電極による、酸化物530bからの酸素の引き抜きを抑制することができる。これにより、熱処理を行っても、酸化物530bから酸素が引き抜かれることを低減できるので、トランジスタ500は、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対して安定である。
ここで、酸化物530aと酸化物530bの接合部において、伝導帯下端はなだらかに変化する。換言すると、酸化物530aと酸化物530bの接合部における伝導帯下端は、連続的に変化または連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物530aと酸化物530bとの界面に形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物530aと酸化物530bが、酸素以外に共通の元素を主成分として有することで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物530bがIn-M-Zn酸化物の場合、酸化物530aとして、In-M-Zn酸化物、M-Zn酸化物、元素Mの酸化物、In-Zn酸化物、インジウム酸化物などを用いてもよい。
具体的には、酸化物530aとして、In:M:Zn=1:3:4[原子数比]もしくはその近傍の組成、またはIn:M:Zn=1:1:0.5[原子数比]もしくはその近傍の組成の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530bとして、In:M:Zn=1:1:1[原子数比]もしくはその近傍の組成、またはIn:M:Zn=4:2:3[原子数比]もしくはその近傍の組成の金属酸化物を用いればよい。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。また、元素Mとして、ガリウムを用いることが好ましい。
なお、金属酸化物をスパッタリング法により成膜する場合、上記の原子数比は、成膜された金属酸化物の原子数比に限られず、金属酸化物の成膜に用いるスパッタリングターゲットの原子数比であってもよい。
また、図24Aなどに示すように、酸化物530の上面および側面に接して、酸化アルミニウムなどにより形成される絶縁体552を設けることにより、酸化物530と絶縁体552の界面およびその近傍に、酸化物530に含まれるインジウムが偏在する場合がある。これにより、酸化物530の表面近傍が、インジウム酸化物に近い原子数比、またはIn-Zn酸化物に近い原子数比になる。このように酸化物530、特に酸化物530bの表面近傍のインジウムの原子数比が大きくなることで、トランジスタ500の電界効果移動度を向上させることができる。
酸化物530aおよび酸化物530bを上述の構成とすることで、酸化物530aと酸化物530bとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ500は大きいオン電流、および高い周波数特性を得ることができる。
絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581の少なくとも一は、水、水素などの不純物が、基板側から、または、トランジスタ500の上方からトランジスタ500に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。したがって、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、および絶縁体581の少なくとも一は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。
なお、本明細書において、バリア絶縁膜とは、バリア性を有する絶縁膜のことを指す。本明細書において、バリア性とは、対応する物質の拡散を抑制する機能(透過性が低いともいう)とする。または、対応する物質を、捕獲、および固着する(ゲッタリングともいう)機能とする。
絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、および絶縁体581としては、水、水素などの不純物、および酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウム、インジウムガリウム亜鉛酸化物、窒化シリコン、または窒化酸化シリコンなどを用いることができる。例えば、絶縁体512、絶縁体544、および絶縁体576として、より水素バリア性が高い、窒化シリコンなどを用いることが好ましい。また、例えば、絶縁体514、絶縁体571、絶縁体574、および絶縁体581として、水素を捕獲および水素を固着する機能が高い、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムなどを用いることが好ましい。これにより、水、水素などの不純物が絶縁体512、および絶縁体514を介して、基板側からトランジスタ500側に拡散することを抑制できる。または、水、水素などの不純物が絶縁体581よりも外側に配置されている層間絶縁膜などから、トランジスタ500側に拡散するのを抑制することができる。または、絶縁体524などに含まれる酸素が、絶縁体512、および絶縁体514を介して基板側に、拡散するのを抑制することができる。または、絶縁体580などに含まれる酸素が、絶縁体574などを介してトランジスタ500より上方に、拡散するのを抑制することができる。この様に、トランジスタ500を、水、水素などの不純物、および酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体512、絶縁体514、絶縁体571、絶縁体544、絶縁体574、絶縁体576、および絶縁体581で取り囲む構造とすることが好ましい。
ここで、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、および絶縁体581として、アモルファス構造を有する酸化物を用いることが好ましい。例えば、AlOx(xは0より大きい任意数)、またはMgOy(yは0より大きい任意数)などの金属酸化物を用いることが好ましい。このようなアモルファス構造を有する金属酸化物では、酸素原子がダングリングボンドを有しており、当該ダングリングボンドで水素を捕獲または固着する性質を有する場合がある。このようなアモルファス構造を有する金属酸化物をトランジスタ500の構成要素として用いる、またはトランジスタ500の周囲に設けることで、トランジスタ500に含まれる水素、またはトランジスタ500の周囲に存在する水素を捕獲または固着することができる。特にトランジスタ500のチャネル形成領域に含まれる水素を捕獲または固着することが好ましい。アモルファス構造を有する金属酸化物をトランジスタ500の構成要素として用いる、またはトランジスタ500の周囲に設けることで、良好な特性を有し、信頼性の高いトランジスタ500、および半導体装置を作製することができる。
また、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、および絶縁体581は、アモルファス構造であることが好ましいが、一部に多結晶構造の領域が形成されていてもよい。また、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、および絶縁体581は、アモルファス構造の層と、多結晶構造の層と、が積層された多層構造であってもよい。例えば、アモルファス構造の層の上に多結晶構造の層が形成された積層構造でもよい。
絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、および絶縁体581の成膜は、例えば、スパッタリング法を用いて行えばよい。スパッタリング法は、成膜ガスに水素を含む分子を用いなくてよいので、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、および絶縁体581の水素濃度を低減することができる。なお、成膜方法は、スパッタリング法に限られるものではなく、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法などを適宜用いてもよい。
また、絶縁体512、絶縁体544、および絶縁体576の抵抗率を低くすることが好ましい場合がある。例えば、絶縁体512、絶縁体544、および絶縁体576の抵抗率を概略1×1013Ωcmとすることで、半導体装置作製工程のプラズマ等を用いる処理において、絶縁体512、絶縁体544、および絶縁体576が、導電体503、導電体542、導電体560などのチャージアップを緩和することができる場合がある。絶縁体512、絶縁体544、および絶縁体576の抵抗率は、好ましくは、1×1010Ωcm以上1×1015Ωcm以下とする。
また、絶縁体516、絶縁体574、絶縁体580、および絶縁体581は、絶縁体514よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体516、絶縁体580、および絶縁体581として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンなどを適宜用いればよい。
また、絶縁体581は、一例として、層間膜、平坦化膜などとして機能する絶縁体とすることが好ましい。
導電体503は、酸化物530、および導電体560と、重なるように配置する。ここで、導電体503は、絶縁体516に形成された開口に埋め込まれて設けることが好ましい。また、導電体503の一部が絶縁体514に埋め込まれる場合がある。
導電体503は、導電体503a、および導電体503bを有する。導電体503aは、当該開口の底面および側壁に接して設けられる。導電体503bは、導電体503aに形成された凹部に埋め込まれるように設けられる。ここで、導電体503bの上部の高さは、導電体503aの上部の高さおよび絶縁体516の上部の高さと概略一致する。
ここで、導電体503aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2など)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
導電体503aに、水素の拡散を低減する機能を有する導電性材料を用いることにより、導電体503bに含まれる水素などの不純物が、絶縁体524等を介して、酸化物530に拡散するのを防ぐことができる。また、導電体503aに、酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることにより、導電体503bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。したがって、導電体503aとしては、上記導電性材料を単層または積層とすればよい。例えば、導電体503aは、窒化チタンを用いればよい。
また、導電体503bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。例えば、導電体503bは、タングステンを用いればよい。
導電体503は、第2のゲート電極として機能する場合がある。その場合、導電体503に印加する電位を、導電体560に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ500のしきい値電圧(Vth)を制御することができる。特に、導電体503に負の電位を印加することにより、トランジスタ500のVthをより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体503に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体560に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
また、導電体503の電気抵抗率は、上記の導電体503に印加する電位を考慮して設計され、導電体503の膜厚は当該電気抵抗率に合わせて設定される。また、絶縁体516の膜厚は、導電体503とほぼ同じになる。ここで、導電体503の設計が許す範囲で導電体503および絶縁体516の膜厚を薄くすることが好ましい。絶縁体516の膜厚を薄くすることで、絶縁体516中に含まれる水素などの不純物の絶対量を低減することができるので、当該不純物が酸化物530に拡散するのを低減することができる。
なお、導電体503は、上面から見て、酸化物530の導電体542aおよび導電体542bと重ならない領域の大きさよりも、大きく設けるとよい。特に、図24Bに示すように、導電体503は、酸化物530aおよび酸化物530bのチャネル幅方向の端部よりも外側の領域においても、延伸していることが好ましい。つまり、酸化物530のチャネル幅方向における側面の外側において、導電体503と、導電体560とは、絶縁体を介して重畳していることが好ましい。当該構成を有することで、第1のゲート電極として機能する導電体560の電界と、第2のゲート電極として機能する導電体503の電界によって、酸化物530のチャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。本明細書において、第1のゲート、および第2のゲートの電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S-channel)構造とよぶ。
なお、本明細書等において、S-channel構造のトランジスタとは、一対のゲート電極の一方および他方の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を表す。また、本明細書等で開示するS-channel構造は、Fin型構造およびプレーナ型構造とは異なる。S-channel構造を採用することで、短チャネル効果に対する耐性を高める、別言すると短チャネル効果が発生し難いトランジスタとすることができる。
また、図24Bに示すように、導電体503は延伸させて、配線としても機能させている。ただし、これに限られることなく、導電体503の下に、配線として機能する導電体を設ける構成にしてもよい。また、導電体503は、必ずしも各トランジスタに一個ずつ設ける必要はない。例えば、導電体503を複数のトランジスタで共有する構成にしてもよい。
なお、トランジスタ500では、導電体503は、導電体503a、および導電体503bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体503は、単層、または3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
絶縁体522、および絶縁体524は、ゲート絶縁体として機能する。
絶縁体522は、水素(例えば、水素原子、水素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。また、絶縁体522は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。例えば、絶縁体522は、絶縁体524よりも水素および酸素の一方または双方の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。
絶縁体522は、絶縁性材料であるアルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。当該絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁体522を形成した場合、絶縁体522は、酸化物530から基板側への酸素の放出と、トランジスタ500の周辺部から酸化物530への水素等の不純物の拡散と、を抑制する層として機能する。よって、絶縁体522を設けることで、水素等の不純物が、トランジスタ500の内側へ拡散することを抑制し、酸化物530中の酸素欠損の生成を抑制することができる。また、導電体503が、絶縁体524、又は酸化物530が有する酸素と反応することを抑制することができる。
または、上記絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。または、これらの絶縁体を窒化処理してもよい。また、絶縁体522は、これらの絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体522は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウムなどの、いわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層または積層で用いてもよい。トランジスタの微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁体の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。また、絶縁体522として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、(Ba,Sr)TiO3(BST)などの誘電率が高い物質を用いることができる場合もある。
酸化物530と接する絶縁体524は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコンなどを適宜用いればよい。
また、トランジスタ500の作製工程中において、酸化物530の表面が露出した状態で、加熱処理を行うと好適である。当該加熱処理は、例えば、100℃以上600℃以下、より好ましくは350℃以上550℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、加熱処理は酸素雰囲気で行うことが好ましい。これにより、酸化物530に酸素を供給して、酸素欠損(VO)の低減を図ることができる。また、加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で行ってもよい。または、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で加熱処理した後に、連続して窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理を行ってもよい。
なお、酸化物530に加酸素化処理を行うことで、酸化物530中の酸素欠損を、供給された酸素により修復させる、別言すると「VO+O→null」という反応を促進させることができる。さらに、酸化物530中に残存した水素に供給された酸素が反応することで、当該水素をH2Oとして除去する(脱水化する)ことができる。これにより、酸化物530中に残存していた水素が酸素欠損に再結合してVOHが形成されるのを抑制することができる。
なお、絶縁体522、および絶縁体524が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。また、絶縁体524は、酸化物530aと重畳して島状に形成してもよい。この場合、絶縁体544が、絶縁体524の側面および絶縁体522の上面に接する構成になる。
導電体542a、および導電体542bは酸化物530bの上面に接して設けられる。導電体542aおよび導電体542bは、それぞれトランジスタ500のソース電極またはドレイン電極として機能する。
導電体542(導電体542a、および導電体542b)としては、例えば、タンタルを含む窒化物、チタンを含む窒化物、モリブデンを含む窒化物、タングステンを含む窒化物、タンタルおよびアルミニウムを含む窒化物、チタンおよびアルミニウムを含む窒化物などを用いることが好ましい。本発明の一態様においては、タンタルを含む窒化物が特に好ましい。また、例えば、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いてもよい。これらの材料は、酸化しにくい導電性材料、または、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。
なお、酸化物530bなどに含まれる水素が、導電体542aまたは導電体542bに拡散する場合がある。特に、導電体542aおよび導電体542bに、タンタルを含む窒化物を用いることで、酸化物530bなどに含まれる水素は、導電体542aまたは導電体542bに拡散しやすく、拡散した水素は、導電体542aまたは導電体542bが有する窒素と結合することがある。つまり、酸化物530bなどに含まれる水素は、導電体542aまたは導電体542bに吸い取られる場合がある。
また、導電体542の側面と導電体542の上面との間に、湾曲面が形成されないことが好ましい。当該湾曲面が形成されない導電体542とすることで、チャネル幅方向の断面における、導電体542の断面積を大きくすることができる。これにより、導電体542の導電率を大きくし、トランジスタ500のオン電流を大きくすることができる。
絶縁体571aは、導電体542aの上面に接して設けられており、絶縁体571bは、導電体542bの上面に接して設けられている。絶縁体571は、少なくとも酸素に対するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。したがって、絶縁体571は、酸素の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。例えば、絶縁体571は、絶縁体580よりも酸素の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。絶縁体571としては、例えば、窒化シリコンなどのシリコンを含む窒化物を用いればよい。また、絶縁体571は、水素などの不純物を捕獲する機能を有することが好ましい。その場合、絶縁体571としては、アモルファス構造を有する金属酸化物、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムなどの絶縁体を用いればよい。特に、絶縁体571として、アモルファス構造を有する酸化アルミニウム、またはアモルファス構造の酸化アルミニウムを用いることで、より効果的に水素を捕獲または固着できる場合があるため好ましい。これにより、良好な特性を有し、信頼性の高いトランジスタ500、および半導体装置を作製することができる。
絶縁体544は、絶縁体524、酸化物530a、酸化物530b、導電体542、および絶縁体571を覆うように設けられる。絶縁体544として、水素を捕獲および水素を固着する機能を有することが好ましい。その場合、絶縁体544としては、窒化シリコンまたは、アモルファス構造を有する金属酸化物、例えば、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムなどの絶縁体を含むことが好ましい。また、例えば、絶縁体544として、酸化アルミニウムと、当該酸化アルミニウム上の窒化シリコンの積層膜を用いてもよい。
上記のような絶縁体571および絶縁体544を設けることで、酸素に対するバリア性を有する絶縁体で導電体542を包み込むことができる。つまり、絶縁体524、および絶縁体580に含まれる酸素が、導電体542に拡散するのを防ぐことができる。これにより、絶縁体524、および絶縁体580に含まれる酸素によって、導電体542が直接酸化されて抵抗率が増大し、オン電流が低減するのを抑制することができる。
絶縁体552は、ゲート絶縁体の一部として機能する。絶縁体552としては、酸素に対するバリア絶縁膜を用いることが好ましい。絶縁体552としては、上述の絶縁体574に用いることができる絶縁体を用いればよい。絶縁体552として、アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。当該絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)、ハフニウムおよびシリコンを含む酸化物(ハフニウムシリケート)などを用いることができる。本実施の形態では、絶縁体552として、酸化アルミニウムを用いる。この場合、絶縁体552は、少なくとも酸素と、アルミニウムと、を有する絶縁体となる。
図24Bに示すように、絶縁体552は、酸化物530bの上面および側面、酸化物530aの側面、絶縁体524の側面、および絶縁体522の上面に接して設けられる。つまり、酸化物530a、酸化物530b、および絶縁体524の導電体560と重なる領域は、チャネル幅方向の断面において、絶縁体552に覆われている。これにより、熱処理などを行った際に、酸化物530aおよび酸化物530bで酸素が脱離するのを、酸素に対するバリア性を有する絶縁体552でブロックすることができる。よって、酸化物530aおよび酸化物530bに酸素欠損(Vo)が形成されるのを低減することができる。これにより、領域530bcに形成される、酸素欠損(Vo)、およびVOHを低減することができる。よって、トランジスタ500の電気特性を良好にし、信頼性を向上させることができる。
また、逆に、絶縁体580および絶縁体550などに過剰な量の酸素が含まれていても、当該酸素が酸化物530aおよび酸化物530bに過剰に供給されるのを抑制することができる。よって、領域530bcを介して、領域530baおよび領域530bbが過剰に酸化され、トランジスタ500のオン電流の低下、または電界効果移動度の低下を起こすのを抑制することができる。
また、図24Aに示すように、絶縁体552は、導電体542、絶縁体544、絶縁体571、および絶縁体580、それぞれの側面に接して設けられる。よって、導電体542の側面が酸化され、当該側面に酸化膜が形成されるのを低減することができる。これにより、トランジスタ500のオン電流の低下、または電界効果移動度の低下が起こるのを抑制することができる。
また、絶縁体552は、絶縁体554、絶縁体550、および導電体560と、ともに、絶縁体580などに形成された開口に設ける必要がある。トランジスタ500の微細化を図るにあたって、絶縁体552の膜厚は薄いことが好ましい。絶縁体552の膜厚は、0.1nm以上、0.5nm以上、又は1.0nm以上とすることが好ましく、かつ1.0nm以下、3.0nm以下、又は5.0nm以下とすることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。この場合、絶縁体552は、少なくとも一部において、上記のような膜厚の領域を有していればよい。また、絶縁体552の膜厚は絶縁体550の膜厚より薄いことが好ましい。この場合、絶縁体552は、少なくとも一部において、絶縁体550より膜厚が薄い領域を有していればよい。
絶縁体552を上記のように膜厚を薄く成膜するには、ALD法を用いて成膜することが好ましい。ALD法は、反応のための第1の原料ガス(前駆体、プリカーサ、または金属プリカーサとも呼ぶ)と第2の原料ガス(反応剤、リアクタント、酸化剤、または非金属プリカーサとも呼ぶ)を交互にチャンバーに導入し、これらの原料ガスの導入を繰り返すことで成膜を行う方法である。ALD法には、プリカーサ及びリアクタントの反応を熱エネルギーのみで行う熱ALD(Thermal ALD)法、プラズマ励起されたリアクタントを用いるPEALD(Plasma Enhanced ALD)法などがある。PEALD法では、プラズマを利用することで、より低温での成膜が可能となり好ましい場合がある。
ALD法は、原子の性質である自己制御性を利用し、一層ずつ原子を堆積することができるので、極薄の成膜が可能、アスペクト比の高い構造への成膜が可能、ピンホールなどの欠陥の少ない成膜が可能、被覆性に優れた成膜が可能、低温での成膜が可能、などの効果がある。よって、絶縁体552を絶縁体580などに形成された開口の側面などに被覆性良く、上記のような薄い膜厚で成膜することができる。
なお、ALD法で用いるプリカーサには炭素などを含むものがある。このため、ALD法により設けられた膜は、他の成膜法により設けられた膜と比較して、炭素などの不純物を多く含む場合がある。なお、不純物の定量は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)、またはX線光電子分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて行うことができる。
絶縁体550は、ゲート絶縁体の一部として機能する。絶縁体550は、絶縁体552の上面に接して配置することが好ましい。絶縁体550は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンなどを用いることができる。特に、酸化シリコン、および酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるため好ましい。この場合、絶縁体550は、少なくとも酸素とシリコンと、を有する絶縁体となる。
絶縁体550は、絶縁体524と同様に、絶縁体550中の水、水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体550の膜厚は、1nm以上、又は0.5nm以上とすることが好ましく、かつ15nm以下、又は20nm以下とすることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。この場合、絶縁体550は、少なくとも一部において、上記のような膜厚の領域を有していればよい。
図24A、及び図24Bなどでは、絶縁体550を単層とする構成について示したが、本発明はこれに限られず、2層以上の積層構造としてもよい。例えば図26Bに示すように、絶縁体550を、絶縁体550aと、絶縁体550a上の絶縁体550bの2層の積層構造にしてもよい。
図26Bに示すように、絶縁体550を2層の積層構造とする場合、下層の絶縁体550aは、酸素を透過しやすい絶縁体を用いて形成し、上層の絶縁体550bは、酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体を用いて形成することが好ましい。このような構成にすることで、絶縁体550aに含まれる酸素が、導電体560へ拡散するのを抑制することができる。つまり、酸化物530へ供給する酸素量の減少を抑制することができる。また、絶縁体550aに含まれる酸素による導電体560の酸化を抑制することができる。例えば、絶縁体550aは、上述した絶縁体550に用いることができる材料を用いて設け、絶縁体550bは、アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。当該絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)、ハフニウムおよびシリコンを含む酸化物(ハフニウムシリケート)などを用いることができる。本実施の形態では、絶縁体550bとして、酸化ハフニウムを用いる。この場合、絶縁体550bは、少なくとも酸素と、ハフニウムと、を有する絶縁体となる。また、絶縁体550bの膜厚は、0.5nm以上、又は1.0nm以上とすることが好ましく、かつ3.0nm以下、又は5.0nm以下とすることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。この場合、絶縁体550bは、少なくとも一部において、上記のような膜厚の領域を有していればよい。
なお、絶縁体550aに酸化シリコン、酸化窒化シリコンなどを用いる場合、絶縁体550bは、比誘電率が高いhigh-k材料である絶縁性材料を用いてもよい。ゲート絶縁体を、絶縁体550aと絶縁体550bとの積層構造とすることで、熱に対して安定、かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。したがって、ゲート絶縁体の物理膜厚を保持したまま、トランジスタ動作時に印加するゲート電位の低減化が可能となる。また、ゲート絶縁体として機能する絶縁体の等価酸化膜厚(EOT)の薄膜化が可能となる。よって、絶縁体550の絶縁耐圧を高くすることができる。
絶縁体554は、ゲート絶縁体の一部として機能する。絶縁体554としては、水素に対するバリア絶縁膜を用いることが好ましい。これにより、導電体560に含まれる水素などの不純物が、絶縁体550、および酸化物530bに拡散するのを防ぐことができる。絶縁体554としては、上述した絶縁体576に用いることができる絶縁体を用いればよい。例えば、絶縁体554としてPEALD法で成膜した窒化シリコンを用いればよい。この場合、絶縁体554は、少なくとも窒素と、シリコンと、を有する絶縁体となる。
また、絶縁体554が、さらに酸素に対するバリア性を有してもよい。これにより、絶縁体550に含まれる酸素が、導電体560へ拡散するのを抑制することができる。
また、絶縁体554は、絶縁体552、絶縁体550、および導電体560と、ともに、絶縁体580などに形成された開口に設ける必要がある。トランジスタ500の微細化を図るにあたって、絶縁体554の膜厚は薄いことが好ましい。絶縁体554の膜厚は、0.1nm以上、0.5nm以上、又は1.0nm以上とすることが好ましく、かつ3.0nm以下、又は5.0nm以下とすることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。この場合、絶縁体554は、少なくとも一部において、上記のような膜厚の領域を有していればよい。また、絶縁体554の膜厚は絶縁体550の膜厚より薄いことが好ましい。この場合、絶縁体554は、少なくとも一部において、絶縁体550より膜厚が薄い領域を有していればよい。
導電体560は、トランジスタ500の第1のゲート電極として機能する。導電体560は、導電体560aと、導電体560aの上に配置された導電体560bと、を有することが好ましい。例えば、導電体560aは、導電体560bの底面および側面を包むように配置されることが好ましい。また、図24Aおよび図24Bに示すように、導電体560の上部の高さの位置は、絶縁体550の上部の高さの位置と概略一致している。なお、図24Aおよび図24Bでは、導電体560は、導電体560aと導電体560bの2層構造として示しているが、導電体560は、当該2層構造以外としては、単層構造、又は3層以上の積層構造とすることができる。
導電体560aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
また、導電体560aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体550に含まれる酸素により、導電体560bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。
また、導電体560は、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、導電体560bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体560bは、積層構造とすることができる。具体的には、例えば、導電体560bは、チタン、または窒化チタンと上記導電性材料との積層構造とすることができる。
また、トランジスタ500では、導電体560は、絶縁体580などに形成されている開口を埋めるように自己整合的に形成される。導電体560をこのように形成することにより、導電体542aと導電体542bとの間の領域に、導電体560を位置合わせすることなく確実に配置することができる。
また、図24Bに示すように、トランジスタ500のチャネル幅方向において、絶縁体522の底面を基準としたときの、導電体560の、導電体560と酸化物530bとが重ならない領域の底面の高さは、酸化物530bの底面の高さより低いことが好ましい。ゲート電極として機能する導電体560が、絶縁体550などを介して、酸化物530bのチャネル形成領域の側面および上面を覆う構成とすることで、導電体560の電界を酸化物530bのチャネル形成領域全体に作用させやすくなる。よって、トランジスタ500のオン電流を増大させ、周波数特性を向上させることができる。絶縁体522の底面を基準としたときの、酸化物530aおよび酸化物530bと、導電体560とが、重ならない領域における導電体560の底面の高さと、酸化物530bの底面の高さと、の差は、0nm以上、3nm以上、又は5nm以上とすることが好ましく、かつ20nm以下、50nm以下、又は100nm以下とすることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。
絶縁体580は、絶縁体544上に設けられ、絶縁体550、および導電体560が設けられる領域に開口が形成されている。また、絶縁体580の上面は、平坦化されていてもよい。
層間膜として機能する絶縁体580は、誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。絶縁体580は、例えば、絶縁体516と同様の材料を用いて設けることが好ましい。特に、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、空孔を有する酸化シリコンなどの材料は、加熱により脱離する酸素を含む領域を容易に形成することができるため好ましい。
絶縁体580は、絶縁体580中の水、水素などの不純物濃度は低減されていることが好ましい。例えば、絶縁体580は、酸化シリコン、酸化窒化シリコンなどのシリコンを含む酸化物を適宜用いればよい。
絶縁体574は、水、水素などの不純物が、上方から絶縁体580に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましく、水素などの不純物を捕獲する機能を有することが好ましい。また、絶縁体574は、酸素の透過を抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。絶縁体574としては、アモルファス構造を有する金属酸化物、例えば、酸化アルミニウムなどの絶縁体を用いればよい。この場合、絶縁体574は、少なくとも酸素と、アルミニウムと、を有する絶縁体となる。絶縁体512と絶縁体581に挟まれた領域内で、絶縁体580に接して、水素などの不純物を捕獲する機能を有する、絶縁体574を設けることで、絶縁体580などに含まれる水素などの不純物を捕獲し、当該領域内における、水素の量を一定値にすることができる。特に、絶縁体574として、アモルファス構造を有する酸化アルミニウムを用いることで、より効果的に水素を捕獲または固着できる場合があるため好ましい。これにより、良好な特性を有し、信頼性の高いトランジスタ500、および半導体装置を作製することができる。
絶縁体576は、水、水素などの不純物が、上方から絶縁体580に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能する。絶縁体576は、絶縁体574の上に配置される。絶縁体576としては、窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンなどの、シリコンを含む窒化物を用いることが好ましい。例えば、絶縁体576としてスパッタリング法で成膜された窒化シリコンを用いればよい。絶縁体576をスパッタリング法で成膜することで、密度が高い窒化シリコン膜を形成することができる。また、絶縁体576として、スパッタリング法で成膜された窒化シリコンの上に、さらに、PEALD法または、CVD法で成膜された窒化シリコンを積層してもよい。
また、トランジスタ500の第1端子、又は第2端子の一方は、プラグとして機能する導電体540aに電気的に接続され、トランジスタ500の第1端子、又は第2端子の他方は、導電体540bに電気的に接続されている。なお、本明細書等では、導電体540a、及び導電体540bをまとめて導電体540と呼ぶこととする。
導電体540aは、一例として、導電体542aと重畳する領域に設けられている。具体的には、導電体542aと重畳する領域において、図24Aに示す絶縁体571a、絶縁体544、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581、更に図23に示す絶縁体582、及び絶縁体586には開口部が形成されており、導電体540aは、当該開口部の内側に設けられている。また、導電体540bは、一例として、導電体542bと重畳する領域に設けられている。具体的には、導電体542bと重畳する領域において、図24Aに示す絶縁体571b、絶縁体544、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581、更に図23に示す絶縁体582、及び絶縁体586には開口部が形成されており、導電体540bは、当該開口部の内側に設けられている。なお、絶縁体582、及び絶縁体586については後述する。
さらに、図24Aに示すとおり、導電体542aと重畳する領域の開口部の側面と導電体540aとの間には、不純物に対してバリア性を有する絶縁体として、絶縁体541aを設けてもよい。同様に、導電体542bと重畳する領域の開口部の側面と導電体540bとの間には、不純物に対してバリア性を有する絶縁体として、絶縁体541bを設けてもよい。なお、本明細書等では、絶縁体541a、及び絶縁体541bをまとめて絶縁体541と呼ぶこととする。
導電体540aおよび導電体540bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体540aおよび導電体540bは積層構造としてもよい。
また、導電体540を積層構造とする場合、絶縁体574、絶縁体576、絶縁体581、絶縁体580、絶縁体544、および絶縁体571の近傍に配置される第1の導電体には、水、水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。例えば、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、ルテニウム、酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。また、水、水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料は、単層または積層で用いてもよい。また、絶縁体576より上層に含まれる水、水素などの不純物が、導電体540aおよび導電体540bを通じて酸化物530に混入することを抑制することができる。
絶縁体541aおよび絶縁体541bとしては、絶縁体544などに用いることができるバリア絶縁膜を用いればよい。例えば、絶縁体541aおよび絶縁体541bとして、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化酸化シリコンなどの絶縁体を用いればよい。絶縁体541aおよび絶縁体541bは、絶縁体574、絶縁体576、および絶縁体571に接して設けられるので、絶縁体580などに含まれる水、水素などの不純物が、導電体540aおよび導電体540bを通じて酸化物530に混入するのを抑制することができる。特に、窒化シリコンは水素に対するブロッキング性が高いので好適である。また、絶縁体580に含まれる酸素が導電体540aおよび導電体540bに吸収されるのを防ぐことができる。
絶縁体541aおよび絶縁体541bを、図24Aに示すように積層構造にする場合、絶縁体580などの開口の内壁に接する第1の絶縁体と、その内側の第2の絶縁体は、酸素に対するバリア絶縁膜と、水素に対するバリア絶縁膜を組み合わせて用いることが好ましい。
例えば、第1の絶縁体として、ALD法で成膜された酸化アルミニウムを用い、第2の絶縁体として、PEALD法で成膜された窒化シリコンを用いればよい。このような構成にすることで、導電体540の酸化を抑制し、さらに、導電体540に水素が混入するのを低減することができる。
なお、トランジスタ500では、絶縁体541の第1の絶縁体および絶縁体541の第2の絶縁体を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、絶縁体541を単層、または3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ500では、導電体540の第1の導電体および導電体540の第2の導電体を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体540を単層、または3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
また、図23に示すとおり、導電体540aの上部、および導電体540bの上部に接して配線として機能する導電体610、導電体612などを配置してもよい。導電体610、導電体612は、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、当該導電体は、積層構造としてもすることができる。具体的には、例えば、当該導電体は、チタン、または窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。なお、当該導電体は、絶縁体に設けられた開口に埋め込むように形成してもよい。
なお、本発明の一隊の半導体装置に含まれるトランジスタの構造は、図23、図24A、図24B、及び図25に示したトランジスタ500に限定されない。本発明の一態様の半導体装置に含まれるトランジスタの構造は、状況に応じて、変更してもよい。
例えば、図23、図24A、図24B、及び図25に示すトランジスタ500は、図27に示す構成としてもよい。図27のトランジスタは、酸化物543a、及び酸化物543bを有する点で、図23、図24A、図24B、及び図25に示すトランジスタ500と異なっている。なお、本明細書等では、酸化物543a、及び酸化物543bをまとめて酸化物543と呼ぶこととする。また、図27のトランジスタのチャネル幅方向の断面の構成については、図24Bに示すトランジスタ500の断面と同様の構成とすることができる。
酸化物543aは、酸化物530bと導電体542aの間に設けられ、酸化物543bは、酸化物530bと導電体542bの間に設けられる。ここで、酸化物543aは、酸化物530bの上面、および導電体542aの下面に接することが好ましい。また、酸化物543bは、酸化物530bの上面、および導電体542bの下面に接することが好ましい。
酸化物543は、酸素の透過を抑制する機能を有することが好ましい。ソース電極、又はドレイン電極として機能する導電体542と酸化物530bとの間に酸素の透過を抑制する機能を有する酸化物543を配置することで、導電体542と、酸化物530bとの間の電気抵抗が低減されるので好ましい。このような構成とすることで、トランジスタ500の電気特性、電界効果移動度、および信頼性を向上させることができる場合がある。
また、酸化物543として、元素Mを有する金属酸化物を用いてもよい。特に、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、または錫を用いるとよい。また、酸化物543は、酸化物530bよりも元素Mの濃度が高いことが好ましい。また、酸化物543として、酸化ガリウムを用いてもよい。また、酸化物543として、In-M-Zn酸化物等の金属酸化物を用いてもよい。具体的には、酸化物に用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物543の膜厚は、0.5nm以上、又は1nm以上であることが好ましく、かつ2nm以下、3nm以下、又は5nm以下であることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。また、酸化物543は、結晶性を有すると好ましい。酸化物543が結晶性を有する場合、酸化物530中の酸素の放出を好適に抑制することが出来る。例えば、酸化物543としては、六方晶などの結晶構造であれば、酸化物530中の酸素の放出を抑制できる場合がある。
絶縁体581上には、絶縁体582が設けられ、絶縁体582上には絶縁体586が設けられている。
絶縁体582は、酸素、及び水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。したがって、絶縁体582には、絶縁体514と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体582には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
また、絶縁体586は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体586として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
続いて、図23、及び図25に示す半導体装置に含まれている、容量素子600、及びその周辺の配線、又はプラグについて説明する。なお、図23、及び図25に示すトランジスタ500の上方には、容量素子600と、配線、及び/又はプラグが設けられている。
容量素子600は、一例として、導電体610と、導電体620と、絶縁体630とを有する。
導電体540a又は導電体540bの一方、導電体546、及び絶縁体586上には、導電体610が設けられている。導電体610は、容量素子600の一対の電極の一方としての機能を有する。
また、導電体540a、又は導電体540bの他方、及び絶縁体586上には、導電体612が設けられる。導電体612は、トランジスタ500と、上方に配置される回路素子、配線等と、を電気的に接続するプラグ、配線、端子などとしての機能を有する。
なお、導電体612、及び導電体610は、同時に形成してもよい。
導電体612、及び導電体610には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル膜、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図23では、導電体612、及び導電体610は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、及び導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
絶縁体586、導電体610上には、絶縁体630が設けられている。絶縁体630は、容量素子600の一対の電極に挟まれる誘電体として機能する。
絶縁体630としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化酸化ハフニウム、窒化ハフニウム、酸化ジルコニウムなどを用いることができる。また、絶縁体630は、上述した材料を用いて、積層または単層として設けることができる。
また、例えば、絶縁体630には、酸化窒化シリコンなどの絶縁耐力が大きい材料と、高誘電率(high-k)材料との積層構造を用いてもよい。当該構成により、容量素子600は、高誘電率(high-k)の絶縁体を有することで、十分な容量を確保でき、絶縁耐力が大きい絶縁体を有することで、絶縁耐力が向上し、容量素子600の静電破壊を抑制することができる。
なお、高誘電率(high-k)材料(高い比誘電率の材料)の絶縁体としては、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化物、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化窒化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化窒化物またはシリコンおよびハフニウムを有する窒化物などがある。
または、絶縁体630は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba、Sr)TiO3(BST)などのhigh-k材料を含む絶縁体を単層または積層で用いてもよい。また、絶縁体630としては、ハフニウムと、ジルコニウムとが含まれる化合物などを用いても良い。半導体装置の微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁体、および容量素子に用いる誘電体の薄膜化により、トランジスタ、容量素子などのリーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体、および容量素子に用いる誘電体として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減、および容量素子の容量の確保が可能となる。
絶縁体630を介して、導電体610と重畳するように、導電体620を設ける。導電体610は、容量素子600の一対の電極の一方としての機能を有し、導電体620は、容量素子600の一対の電極の他方としての機能を有する。
なお、導電体620は、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステン、モリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料であるCu(銅)、Al(アルミニウム)等を用いればよい。また、例えば、導電体620は、導電体610に適用できる材料を用いることができる。また、導電体620は、単層構造ではなく、2層以上の積層構造としてもよい。
導電体620、及び絶縁体630上には、絶縁体640が設けられている。絶縁体640としては、例えば、トランジスタ500が設けられている領域に、水素、不純物などが拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
絶縁体640上には、絶縁体650が設けられている。絶縁体650は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体650は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。そのため、絶縁体650としては、例えば、絶縁体324に適用できる材料とすることができる。
ところで、図23、及び図25に示す容量素子600は、プレーナ型としているが、容量素子の形状はこれに限定されない。容量素子600は、プレーナ型ではなく、例えば、シリンダ型としてもよい。
また、容量素子600の上方には、配線層を設けてもよい。例えば、図23において、絶縁体411、絶縁体412、絶縁体413、及び絶縁体414が、絶縁体650の上方に、順に設けられている。また、絶縁体411、絶縁体412、及び絶縁体413には、プラグ、又は配線として機能する導電体416が設けられている構成を示している。また、導電体416は、一例として、後述する導電体660に重畳する領域に設けることができる。
また、絶縁体630、絶縁体640、及び絶縁体650には、導電体612と重畳する領域に開口部が設けられ、当該開口部を埋めるように導電体660が設けられている。導電体660は、上述した配線層に含まれている導電体416に電気的に接続するプラグ、配線として機能する。
絶縁体411、及び絶縁体414は、例えば、絶縁体324などと同様に、水、水素などの不純物に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。そのため、絶縁体411、及び絶縁体414としては、例えば、絶縁体324などに適用できる材料を用いることができる。
絶縁体412、及び絶縁体413は、例えば、絶縁体326と同様に、配線間に生じる寄生容量を低減するために、比誘電率が比較的低い絶縁体を用いることが好ましい。
また、導電体612、及び導電体416は、例えば、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
<半導体装置の構成例2>
次に、上述した半導体装置に、FTJ素子を備えた場合の構成例を説明する。
図28は、図23に示した半導体装置において、絶縁体582、及び導電体546の上面に位置する容量素子600をFTJ素子700に変更した例を示している。
具体的には、FTJ素子700は、一例として、下部電極として機能する導電体610と、上部電極として機能する導電体620と、絶縁体630と、絶縁体631と、を有する。特に、絶縁体631としては、強誘電性を有しうる材料を用いることができる。
なお、強誘電性を有しうる材料としては、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムハフニウム(HfZrOX)、酸化ハフニウムに元素J1(ここでの元素J1は、ジルコニウム(Zr)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)など。)を添加した材料、酸化ジルコニウムに元素J2(ここでの元素J2は、ハフニウム(Hf)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)など。)を添加した材料、などが挙げられる。また、強誘電性を有しうる材料として、チタン酸鉛(PbTiOX)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム(SBT)、ビスマスフェライト(BFO)、チタン酸バリウム、などのペロブスカイト構造を有する圧電性セラミックを用いてもよい。また、強誘電性を有しうる材料としては、例えば、上記に列挙した材料から選ばれた混合物又は化合物とすることができる。又は、強誘電性を有しうる材料としては、上記に列挙した材料から選ばれた複数の材料からなる積層構造とすることができる。ところで、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムハフニウム、および酸化ハフニウムに元素J1を添加した材料などは、成膜条件だけでなく、各種プロセスなどによっても結晶構造(特性)が変わり得る可能性があるため、本明細書等では強誘電性を発現する材料を強誘電体と呼ぶだけでなく、強誘電性を有しうる材料とも呼んでいる。
中でも強誘電性を有しうる材料として、酸化ハフニウム、あるいは酸化ハフニウムおよび酸化ジルコニウムを有する材料は、数nmといった薄膜に加工しても強誘電性を有しうることができるため、好ましい。ここで、絶縁体631の膜厚は、100nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは10nm以下にすることができる。薄膜化された強誘電体層を用いることによって、強誘電体キャパシタを、微細化されたトランジスタ500に組み合わせて半導体装置を形成することができる。
図28において、導電体610、及び導電体612は、図23の導電体610、及び導電体612と同様の材料とすることができる。また、図28において、導電体610、及び導電体612は、図23の導電体610、及び導電体612と同様の方法で形成することができる。
また、図28において、絶縁体630は、導電体610と、絶縁体586の一部の領域と、の上面に設けられている。また、絶縁体631は、絶縁体630の上面に設けられ、導電体620は、絶縁体631の上面に設けられている。
絶縁体630は、FTJ素子700におけるトンネル絶縁膜として機能する。絶縁体630としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化シリコンと窒化シリコンの積層などを用いることができる。
また、図28において、絶縁体640は、絶縁体630の端部を含む領域と、絶縁体631の端部を含む領域と、導電体620と、絶縁体586の一部の領域と、の上面に設けられている。
絶縁体640としては、例えば、図23の絶縁体640に適用できる材料を用いることができる。
図28のとおり、FTJ素子700の構成を適用することによって、図23に示した半導体装置に、FTJ素子を設けることができる。
なお、図28に示したFTJ素子700は、例えば、上記実施の形態で示した、FTJ素子FJBとすることができる。なお、トンネル絶縁膜として機能する絶縁体630と、強誘電性を有しうる材料を含む絶縁体631と、の積層順を変えることで、FTJ素子700をFTJ素子FJAとすることができる。
例えば、図28に示したトンネル絶縁膜として機能する絶縁体630と、強誘電性を有しうる材料を含む絶縁体631と、の積層順を入れ換えた構成を図29に示す。図29に示したFTJ素子700は、例えば、上記実施の形態で示した、FTJ素子FJAとすることができる。
次に、図28とは異なる、強誘電キャパシタを備えた場合の半導体装置の構成例について、説明する。
図30に示す半導体装置は、図28の半導体装置の変形例であって、絶縁体571、絶縁体544、絶縁体574、絶縁体576、絶縁体581、絶縁体641、絶縁体642などによって、トランジスタ500と、FTJ素子700を取り囲む構造となっている。
また、図23、及び図28のそれぞれの半導体装置では、基板310から絶縁体574までが順に設けられた後に、絶縁体514まで達する開口部が設けられているが、図30の半導体装置では、基板310から絶縁体640までが順に設けられた後に、絶縁体514まで達する開口部が設けられている。
また、図30の半導体装置において、当該開口部の底部と、絶縁体640と、の上面には、絶縁体641、絶縁体642、及び絶縁体650が順に設けられている。
絶縁体641、絶縁体642は、例えば、水、水素などの不純物が、トランジスタ500、及びFTJ素子700の上方からトランジスタ500、及びFTJ素子700に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。
絶縁体641の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法を用いることができる。例えば、絶縁体641として、スパッタリング法で成膜した窒化シリコンを用いることができる。スパッタリング法は、成膜ガスに水素を含む分子を用いなくてよいので、絶縁体641の水素濃度を低減することができる。このように、導電体610、導電体612、及び絶縁体586に接する絶縁体641の水素濃度が低減されていることで、絶縁体641から、導電体610、導電体612、及び絶縁体586に水素が拡散することを抑制できる。
絶縁体642としては、例えば、ALD法、特にPEALD法を用いて成膜することが好ましい。例えば、絶縁体642として、PEALD法で成膜した窒化シリコンを用いることができる。これにより、絶縁体642を被覆性良く成膜することができるので、下地の凹凸によって絶縁体641にピンホールまたは段切れなどが形成されたとしても、絶縁体642でそれらを覆うことで、水素が導電体610、導電体612、及び絶縁体586に拡散することを低減することができる。
図30に示す構成を適用することによって、水、水素などの不純物が、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体641、絶縁体642などを介して、トランジスタ500、及びFTJ素子700側への拡散を防ぐことができる。また、絶縁体580などに含まれる酸素が、絶縁体574、絶縁体641、絶縁体642などを介して、外部への拡散を防ぐことができる。
酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置に、本実施の形態で説明した本構造を適用することにより、当該トランジスタの電気特性の変動を抑制するとともに、信頼性を向上させることができる。
また、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、回路素子の積層化、微細化、高集積化などを図ることで、半導体装置を構成する回路の面積を低減することができる。特に、半導体装置に含まれる容量素子として、強誘電キャパシタを用いることによって、当該容量素子の静電容量の値を大きくすることができるため、容量素子の微細化を図ることができる。このため、当該容量素子を含む回路の面積を低減することができる。また、本実施の形態で説明したとおり、トランジスタ及び容量素子を積層することにより、半導体装置の回路面積の増加を抑えつつ、回路規模を大きくすることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したOSトランジスタに用いることができる金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)について説明する。
金属酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウム、コバルトなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
<結晶構造の分類>
まず、酸化物半導体における、結晶構造の分類について、図31Aを用いて説明を行う。図31Aは、酸化物半導体、代表的にはIGZO(Inと、Gaと、Znと、を含む金属酸化物)の結晶構造の分類を説明する図である。
図31Aに示すように、酸化物半導体は、大きく分けて「Amorphous(無定形)」と、「Crystalline(結晶性)」と、「Crystal(結晶)」と、に分類される。また、「Amorphous」の中には、completely amorphousが含まれる。また、「Crystalline」の中には、CAAC(c-axis-aligned crystalline)、nc(nanocrystalline)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)が含まれる(excluding single crystal and poly crystal)。なお、「Crystalline」の分類には、single crystal、poly crystal、及びcompletely amorphousは除かれる。また、「Crystal」の中には、single crystal、及びpoly crystalが含まれる。
なお、図31Aに示す太枠内の構造は、「Amorphous(無定形)」と、「Crystal(結晶)」との間の中間状態であり、新しい境界領域(New crystalline phase)に属する構造である。すなわち、当該構造は、エネルギー的に不安定な「Amorphous(無定形)」、及び「Crystal(結晶)」とは全く異なる構造と言い換えることができる。
なお、膜または基板の結晶構造は、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)スペクトルを用いて評価することができる。ここで、「Crystalline」に分類されるCAAC-IGZO膜のGIXD(Grazing-Incidence XRD)測定で得られるXRDスペクトルを図31Bに示す(横軸は2θ[deg.]とし、また、縦軸は強度(Intensity)を任意単位(a.u.)で表している)。なお、GIXD法は、薄膜法またはSeemann-Bohlin法ともいう。以降、図31Bに示すGIXD測定で得られるXRDスペクトルを、単にXRDスペクトルと記す場合がある。なお、図31Bに示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、図31Bに示すCAAC-IGZO膜の厚さは、500nmである。
図31Bに示すように、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、明確な結晶性を示すピークが検出される。具体的には、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、2θ=31°近傍に、c軸配向を示すピークが検出される。なお、図31Bに示すように、2θ=31°近傍のピークは、ピーク強度が検出された角度を軸に左右非対称である。
また、膜または基板の結晶構造は、極微電子線回折法(NBED:Nano Beam Electron Diffraction)によって観察される回折パターン(極微電子線回折パターンともいう。)にて評価することができる。CAAC-IGZO膜の回折パターンを、図31Cに示す。図31Cは、電子線を基板に対して平行に入射するNBEDによって観察される回折パターンである。なお、図31Cに示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、極微電子線回折法では、プローブ径を1nmとして電子線回折が行われる。
図31Cに示すように、CAAC-IGZO膜の回折パターンでは、c軸配向を示す複数のスポットが観察される。
<<酸化物半導体の構造>>
なお、酸化物半導体は、結晶構造に着目した場合、図31Aとは異なる分類となる場合がある。例えば、酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、上述のCAAC-OS、及びnc-OSがある。また、非単結晶酸化物半導体には、多結晶酸化物半導体、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、非晶質酸化物半導体、などが含まれる。
ここで、上述のCAAC-OS、nc-OS、及びa-like OSの詳細について、説明を行う。
[CAAC-OS]
CAAC-OSは、複数の結晶領域を有し、当該複数の結晶領域はc軸が特定の方向に配向している酸化物半導体である。なお、特定の方向とは、CAAC-OS膜の厚さ方向、CAAC-OS膜の被形成面の法線方向、またはCAAC-OS膜の表面の法線方向である。また、結晶領域とは、原子配列に周期性を有する領域である。なお、原子配列を格子配列とみなすと、結晶領域とは、格子配列の揃った領域でもある。さらに、CAAC-OSは、a-b面方向において複数の結晶領域が連結する領域を有し、当該領域は歪みを有する場合がある。なお、歪みとは、複数の結晶領域が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。つまり、CAAC-OSは、c軸配向し、a-b面方向には明らかな配向をしていない酸化物半導体である。
なお、上記複数の結晶領域のそれぞれは、1つまたは複数の微小な結晶(最大径が10nm未満である結晶)で構成される。結晶領域が1つの微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の最大径は10nm未満となる。また、結晶領域が多数の微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の大きさは、数十nm程度となる場合がある。
また、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズ、チタンなどから選ばれた一種、または複数種)において、CAAC-OSは、インジウム(In)、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛(Zn)、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能である。よって、(M,Zn)層にはインジウムが含まれる場合がある。また、In層には元素Mが含まれる場合がある。なお、In層にはZnが含まれる場合もある。当該層状構造は、例えば、高分解能TEM像において、格子像として観察される。
CAAC-OS膜に対し、例えば、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、c軸配向を示すピークが2θ=31°またはその近傍に検出される。なお、c軸配向を示すピークの位置(2θの値)は、CAAC-OSを構成する金属元素の種類、組成などにより変動する場合がある。
また、例えば、CAAC-OS膜の電子線回折パターンにおいて、複数の輝点(スポット)が観測される。なお、あるスポットと別のスポットとは、試料を透過した入射電子線のスポット(ダイレクトスポットともいう。)を対称中心として、点対称の位置に観測される。
上記特定の方向から結晶領域を観察した場合、当該結晶領域内の格子配列は、六方格子を基本とするが、単位格子は正六角形とは限らず、非正六角形である場合がある。また、上記歪みにおいて、五角形、七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリー)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないこと、金属原子が置換することで原子間の結合距離が変化すること、などによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
なお、明確な結晶粒界が確認される結晶構造は、いわゆる多結晶(polycrystal)と呼ばれる。結晶粒界は、再結合中心となり、キャリアが捕獲されトランジスタのオン電流の低下、電界効果移動度の低下などを引き起こす可能性が高い。よって、明確な結晶粒界が確認されないCAAC-OSは、トランジスタの半導体層に好適な結晶構造を有する結晶性の酸化物の一つである。なお、CAAC-OSを構成するには、Znを有する構成が好ましい。例えば、In-Zn酸化物、及びIn-Ga-Zn酸化物は、In酸化物よりも結晶粒界の発生を抑制できるため好適である。
CAAC-OSは、結晶性が高く、明確な結晶粒界が確認されない酸化物半導体である。よって、CAAC-OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入、及び欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物、欠陥(酸素欠損など)などの少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC-OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。また、CAAC-OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対しても安定である。したがって、OSトランジスタにCAAC-OSを用いると、製造工程の自由度を広げることが可能となる。
[nc-OS]
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。別言すると、nc-OSは、微小な結晶を有する。なお、当該微小な結晶の大きさは、例えば、1nm以上10nm以下、特に1nm以上3nm以下であることから、当該微小な結晶をナノ結晶ともいう。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OS、及び非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc-OS膜に対し、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、結晶性を示すピークが検出されない。また、nc-OS膜に対し、ナノ結晶よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc-OS膜に対し、ナノ結晶の大きさと近いかナノ結晶より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、ダイレクトスポットを中心とするリング状の領域内に複数のスポットが観測される電子線回折パターンが取得される場合がある。
[a-like OS]
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a-like OSは、鬆又は低密度領域を有する。即ち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。また、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、膜中の水素濃度が高い。
<<酸化物半導体の構成>>
次に、上述のCAC-OSの詳細について、説明を行う。なお、CAC-OSは材料構成に関する。
[CAC-OS]
CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つまたは複数の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
さらに、CAC-OSとは、第1の領域と、第2の領域と、に材料が分離することでモザイク状となり、当該第1の領域が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。つまり、CAC-OSは、当該第1の領域と、当該第2の領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。
ここで、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSを構成する金属元素に対するIn、Ga、およびZnの原子数比のそれぞれを、[In]、[Ga]、および[Zn]と表記する。例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSにおいて、第1の領域は、[In]が、CAC-OS膜の組成における[In]よりも大きい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、CAC-OS膜の組成における[Ga]よりも大きい領域である。または、例えば、第1の領域は、[In]が、第2の領域における[In]よりも大きく、且つ、[Ga]が、第2の領域における[Ga]よりも小さい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、第1の領域における[Ga]よりも大きく、且つ、[In]が、第1の領域における[In]よりも小さい領域である。
具体的には、上記第1の領域は、インジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。また、上記第2の領域は、ガリウム酸化物、ガリウム亜鉛酸化物などが主成分である領域である。つまり、上記第1の領域を、Inを主成分とする領域と言い換えることができる。また、上記第2の領域を、Gaを主成分とする領域と言い換えることができる。
なお、上記第1の領域と、上記第2の領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、Inを主成分とする領域(第1の領域)と、Gaを主成分とする領域(第2の領域)とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSをトランジスタに用いる場合、第1の領域に起因する導電性と、第2の領域に起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSに付与することができる。つまり、CAC-OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。導電性の機能と絶縁性の機能とを分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。よって、CAC-OSをトランジスタに用いることで、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、および良好なスイッチング動作を実現することができる。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、CAC-OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
トランジスタには、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体のキャリア濃度は1×1017cm-3以下、好ましくは1×1015cm-3以下、さらに好ましくは1×1013cm-3以下、より好ましくは1×1011cm-3以下、さらに好ましくは1×1010cm-3未満であり、1×10-9cm-3以上である。なお、酸化物半導体膜のキャリア濃度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性又は実質的に高純度真性と言う。なお、キャリア濃度の低い酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼称する場合がある。
また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコン、炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコン、炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコン、炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。または、酸化物半導体において、窒素が含まれると、トラップ準位が形成される場合がある。この結果、トランジスタの電気特性が不安定となる場合がある。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中の窒素濃度を、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満にする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態は、上記実施の形態に示す記憶装置などが形成された半導体ウェハ、及び当該記憶装置が組み込まれた電子部品の一例を示す。
<半導体ウェハ>
初めに、記憶装置などが形成された半導体ウェハの例を、図32Aを用いて説明する。
図32Aに示す半導体ウェハ4800は、ウェハ4801と、ウェハ4801の上面に設けられた複数の回路部4802と、を有する。なお、ウェハ4801の上面において、回路部4802の無い部分は、スペーシング4803であり、ダイシング用の領域である。
半導体ウェハ4800は、ウェハ4801の表面に対して、前工程によって複数の回路部4802を形成することで作製することができる。また、その後に、ウェハ4801の複数の回路部4802が形成された反対側の面を研削して、ウェハ4801を薄膜化してもよい。この工程により、ウェハ4801の反りなどを低減し、部品としての小型化を図ることができる。
次の工程としては、ダイシング工程が行われる。ダイシングは、一点鎖線で示したスクライブラインSCL1及びスクライブラインSCL2(ダイシングライン、又は切断ラインと呼ぶ場合がある)に沿って行われる。なお、スペーシング4803は、ダイシング工程を容易に行うために、複数のスクライブラインSCL1が平行になるように設け、複数のスクライブラインSCL2が平行になるように設け、スクライブラインSCL1とスクライブラインSCL2が垂直になるように設けるのが好ましい。
ダイシング工程を行うことにより、図32Bに示すようなチップ4800aを、半導体ウェハ4800から切り出すことができる。チップ4800aは、ウェハ4801aと、回路部4802と、スペーシング4803aと、を有する。なお、スペーシング4803aは、極力小さくなるようにするのが好ましい。この場合、隣り合う回路部4802の間のスペーシング4803の幅が、スクライブラインSCL1の切りしろと、又はスクライブラインSCL2の切りしろとほぼ同等の長さであればよい。
なお、本発明の一態様の素子基板の形状は、図32Aに図示した半導体ウェハ4800の形状に限定されない。例えば、矩形の形状の半導体ウェハあってもよい。素子基板の形状は、素子の作製工程、及び素子を作製するための装置に応じて、適宜変更することができる。
<電子部品>
図32Cに電子部品4700および電子部品4700が実装された基板(実装基板4704)の斜視図を示す。図32Cに示す電子部品4700は、モールド4711内にチップ4800aを有している。なお、図32Cに示すチップ4800aには、回路部4802が積層された構成を示している。つまり、回路部4802として、上記の実施の形態で説明した記憶装置を適用することができる。図32Cは、電子部品4700の内部を示すために、一部を省略している。電子部品4700は、モールド4711の外側にランド4712を有する。ランド4712は電極パッド4713と電気的に接続され、電極パッド4713はチップ4800aとワイヤ4714によって電気的に接続されている。電子部品4700は、例えばプリント基板4702に実装される。このような電子部品が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板4702上で電気的に接続されることで実装基板4704が完成する。
図32Dに電子部品4730の斜視図を示す。電子部品4730は、SiP(System in package)またはMCM(Multi Chip Module)の一例である。電子部品4730は、パッケージ基板4732(プリント基板)上にインターポーザ4731が設けられ、インターポーザ4731上に半導体装置4735、および複数の半導体装置4710が設けられている。
電子部品4730では、半導体装置4710を有する。半導体装置4710としては、例えば、上記実施の形態で説明した記憶装置、広帯域メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)などとすることができる。また、半導体装置4735は、CPU、GPU、FPGA、記憶装置などの集積回路(半導体装置)を用いることができる。
パッケージ基板4732は、セラミック基板、プラスチック基板、またはガラスエポキシ基板などを用いることができる。インターポーザ4731は、シリコンインターポーザ、樹脂インターポーザなどを用いることができる。
インターポーザ4731は、複数の配線を有し、端子ピッチの異なる複数の集積回路を電気的に接続する機能を有する。複数の配線は、単層または多層で設けられる。また、インターポーザ4731は、インターポーザ4731上に設けられた集積回路をパッケージ基板4732に設けられた電極と電気的に接続する機能を有する。これらのことから、インターポーザを「再配線基板」または「中間基板」と呼ぶ場合がある。また、インターポーザ4731に貫通電極を設けて、当該貫通電極を用いて集積回路とパッケージ基板4732を電気的に接続する場合もある。また、シリコンインターポーザでは、貫通電極として、TSV(Through Silicon Via)を用いることも出来る。
インターポーザ4731としてシリコンインターポーザを用いることが好ましい。シリコンインターポーザでは能動素子を設ける必要が無いため、集積回路よりも低コストで作製することができる。一方で、シリコンインターポーザの配線形成は半導体プロセスで行なうことができるため、樹脂インターポーザでは難しい微細配線の形成が容易である。
HBMでは、広いメモリバンド幅を実現するために多くの配線を接続する必要がある。このため、HBMを実装するインターポーザには、微細かつ高密度の配線形成が求められる。よって、HBMを実装するインターポーザには、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、シリコンインターポーザを用いたSiP、MCMなどでは、集積回路とインターポーザ間の膨張係数の違いによる信頼性の低下が生じにくい。また、シリコンインターポーザは表面の平坦性が高いため、シリコンインターポーザ上に設ける集積回路とシリコンインターポーザ間の接続不良が生じにくい。特に、インターポーザ上に複数の集積回路を横に並べて配置する2.5Dパッケージ(2.5次元実装)では、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、電子部品4730と重ねてヒートシンク(放熱板)を設けてもよい。ヒートシンクを設ける場合は、インターポーザ4731上に設ける集積回路の高さを揃えることが好ましい。例えば、本実施の形態に示す電子部品4730では、半導体装置4710と半導体装置4735の高さを揃えることが好ましい。
電子部品4730を他の基板に実装するため、パッケージ基板4732の底部に電極4733を設けてもよい。図32Dでは、電極4733を半田ボールで形成する例を示している。パッケージ基板4732の底部に半田ボールをマトリクス状に設けることで、BGA(Ball Grid Array)実装を実現できる。また、電極4733を導電性のピンで形成してもよい。パッケージ基板4732の底部に導電性のピンをマトリクス状に設けることで、PGA(Pin Grid Array)実装を実現できる。
電子部品4730は、BGAおよびPGAに限らず様々な実装方法を用いて他の基板に実装することができる。例えば、SPGA(Staggered Pin Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、QFP(Quad Flat Package)、QFJ(Quad Flat J-leaded package)、またはQFN(Quad Flat Non-leaded package)などの実装方法を用いることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、上記の実施の形態の記憶装置を備えることができるCPUについて説明する。
図33は、上記の実施の形態で説明した記憶装置を一部に用いたCPUの一例の構成を示すブロック図である。
図33に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198(Bus I/F)、書き換え可能なROM1199、及びROMインターフェース1189(ROM I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199及びROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図33に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図33に示すCPUまたは演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するような構成、つまりGPUのような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路、データバスで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置、周辺回路などからの割り込み要求を、その優先度、マスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出し、又は書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、及びレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号を元に、内部クロック信号を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号を上記各種回路に供給する。
図33に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ1196は、例えば、先の実施の形態に示した記憶装置などを有してもよい。
図33に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態10)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した記憶装置を有する電子機器の一例について説明する。なお、図34A乃至図34Iには、当該記憶装置を有する電子部品4700が各電子機器に含まれている様子を図示している。
[携帯電話]
図34Aに示す情報端末5500は、情報端末の一種である携帯電話(スマートフォン)である。情報端末5500は、筐体5510と、表示部5511と、を有しており、入力用インターフェースとして、タッチパネルが表示部5511に備えられ、ボタンが筐体5510に備えられている。
情報端末5500は、上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することで、アプリケーションの実行時に生成される一時的なファイル(例えば、ウェブブラウザの使用時のキャッシュなど)を保持することができる。
[ウェアラブル端末]
また、図34Bには、ウェアラブル端末の一例である情報端末5900が図示されている。情報端末5900は、筐体5901、表示部5902、操作ボタン5903、竜頭5904、バンド5905などを有する。
ウェアラブル端末は、先述した情報端末5500と同様に、上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することで、アプリケーションの実行時に生成される一時的なファイルを保持することができる。
[情報端末]
また、図34Cには、ノート型情報端末5300が図示されている。図34Cに示すノート型情報端末5300には、一例として、筐体5330aに表示部5331、筐体5330bにキーボード部5350が備えられている。
ノート型情報端末5300は、先述した情報端末5500と同様に、上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することで、アプリケーションの実行時に生成される一時的なファイルを保持することができる。
なお、上述では、電子機器としてスマートフォン、ウェアラブル端末、ノート型情報端末を例として、それぞれ図34A乃至図34Cに図示したが、スマートフォン、ウェアラブル端末、ノート型情報端末以外の情報端末を適用することができる。スマートフォン、ウェアラブル端末、ノート型情報端末以外の情報端末としては、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、デスクトップ用情報端末、ワークステーションなどが挙げられる。
[電化製品]
また、図34Dには、電化製品の一例として電気冷凍冷蔵庫5800が図示されている。電気冷凍冷蔵庫5800は、筐体5801、冷蔵室用扉5802、冷凍室用扉5803等を有する。
電気冷凍冷蔵庫5800に上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することによって、電気冷凍冷蔵庫5800を、例えば、IoT(Internet of Things)として利用することができる。IoTを利用することによって、電気冷凍冷蔵庫5800は、電気冷凍冷蔵庫5800に保存されている食材、その食材の消費期限などの情報を、インターネットなどを通じて、上述したような情報端末などに送受信することができる。また、電気冷凍冷蔵庫5800は、当該情報を送信する際に、当該情報を一時ファイルとして、当該記憶装置に保持することができる。
本一例では、電化製品として電気冷凍冷蔵庫について説明したが、その他の電化製品としては、例えば、掃除機、電子レンジ、電気オーブン、炊飯器、湯沸かし器、IH調理器、ウォーターサーバ、エアーコンディショナーを含む冷暖房器具、洗濯機、乾燥機、オーディオビジュアル機器などが挙げられる。
[ゲーム機]
また、図34Eには、ゲーム機の一例である携帯ゲーム機5200が図示されている。携帯ゲーム機5200は、筐体5201、表示部5202、ボタン5203等を有する。
また、携帯ゲーム機5200の映像は、テレビジョン装置、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、ゲーム用ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどの表示装置によって、出力することができる。
携帯ゲーム機5200に上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することによって、低消費電力の携帯ゲーム機5200を実現することができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、及びモジュールへの影響を少なくすることができる。
更に、携帯ゲーム機5200に上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することによって、ゲームの実行中に発生する演算に必要な一時ファイルなどの保持をおこなうことができる。
図34Eでは、ゲーム機の一例として携帯ゲーム機を図示しているが、本発明の一態様の電子機器はこれに限定されない。本発明の一態様の電子機器としては、例えば、据え置き型ゲーム機、娯楽施設(ゲームセンター、遊園地など)に設置されるアーケードゲーム機、スポーツ施設に設置されるバッティング練習用の投球マシンなどが挙げられる。
[移動体]
上記実施の形態で説明した記憶装置は、移動体である自動車、及び自動車の運転席周辺に適用することができる。
図34Fには移動体の一例である自動車5700が図示されている。
自動車5700の運転席周辺には、スピードメーター、タコメーター、走行距離、燃料計、ギア状態、エアコンの設定などを表示することで、様々な情報を提供するインストゥルメントパネルが備えられている。また、運転席周辺には、それらの情報を示す表示装置が備えられていてもよい。
特に当該表示装置には、自動車5700に設けられた撮像装置(図示しない。)からの映像を映し出すことによって、ピラーなどで遮られた視界、運転席の死角などを補うことができ、安全性を高めることができる。
上記実施の形態で説明した記憶装置は、情報を一時的に保持することができるため、例えば、当該記憶装置を自動車5700の自動運転システム、道路案内、危険予測などを行うシステムなどにおける、必要な一時的な情報の保持に用いることができる。当該表示装置には、道路案内、危険予測などの一時的な情報を表示する構成としてもよい。また、自動車5700に備え付けられたドライビングレコーダの映像を保持する構成としてもよい。
なお、上述では、移動体の一例として自動車について説明しているが、移動体は自動車に限定されない。例えば、移動体としては、電車、モノレール、船、飛行体(ヘリコプター、無人航空機(ドローン)、飛行機、ロケット)なども挙げることができる。
[カメラ]
上記実施の形態で説明した記憶装置は、カメラに適用することができる。
図34Gには、撮像装置の一例であるデジタルカメラ6240が図示されている。デジタルカメラ6240は、筐体6241、表示部6242、操作ボタン6243、シャッターボタン6244等を有し、また、デジタルカメラ6240には、着脱可能なレンズ6246が取り付けられている。なお、ここではデジタルカメラ6240を、レンズ6246を筐体6241から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ6246と筐体6241とが一体となっていてもよい。また、デジタルカメラ6240は、ストロボ装置、ビューファインダー等を別途装着することができる構成としてもよい。
デジタルカメラ6240に上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することによって、低消費電力のデジタルカメラ6240を実現することができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、及びモジュールへの影響を少なくすることができる。
[ICD]
上記実施の形態で説明した記憶装置は、植え込み型除細動器(ICD)に適用することができる。
図34Hは、ICDの一例を示す断面模式図である。ICD本体5400は、バッテリー5401と、電子部品4700と、レギュレータと、制御回路と、アンテナ5404と、右心房へのワイヤ5402、右心室へのワイヤ5403とを少なくとも有している。
ICD本体5400は手術により体内に設置され、二本のワイヤは、人体の鎖骨下静脈5405及び上大静脈5406を通過させて一方のワイヤ先端が右心室、もう一方のワイヤ先端が右心房に設置されるようにする。
ICD本体5400は、ペースメーカとしての機能を有し、心拍数が規定の範囲から外れた場合に心臓に対してペーシングを行う。また、ペーシングによって心拍数が改善しない場合(速い心室頻拍、心室細動など)、電気ショックによる治療が行われる。
ICD本体5400は、ペーシング及び電気ショックを適切に行うため、心拍数を常に監視する必要がある。そのため、ICD本体5400は、心拍数を検知するためのセンサを有する。また、ICD本体5400は、当該センサなどによって取得した心拍数のデータ、ペーシングによる治療を行った回数、時間などを電子部品4700に記憶することができる。
また、アンテナ5404で電力が受信でき、その電力はバッテリー5401に充電される。また、ICD本体5400は複数のバッテリーを有することにより、安全性を高くすることができる。具体的には、ICD本体5400の一部のバッテリーが使えなくなったとしても残りのバッテリーが機能させることができるため、補助電源としても機能する。
また、電力を受信できるアンテナ5404とは別に、生理信号を送信できるアンテナを有していてもよく、例えば、脈拍、呼吸数、心拍数、体温などの生理信号を外部のモニタ装置で確認できるような心臓活動を監視するシステムを構成してもよい。
[PC用の拡張デバイス]
上記実施の形態で説明した記憶装置は、PC(Personal Computer)などの計算機、情報端末用の拡張デバイスに適用することができる。
図34Iは、当該拡張デバイスの一例として、持ち運びのできる、情報の記憶が可能なチップが搭載された、PCに外付けする拡張デバイス6100を示している。拡張デバイス6100は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などでPCに接続することで、当該チップによる情報の記憶を行うことができる。なお、図34Iは、持ち運びが可能な形態の拡張デバイス6100を図示しているが、本発明の一態様に係る拡張デバイスは、これに限定されず、例えば、冷却用ファンなどを搭載した比較的大きい形態の拡張デバイスとしてもよい。
拡張デバイス6100は、筐体6101、キャップ6102、USBコネクタ6103及び基板6104を有する。基板6104は、筐体6101に収納されている。基板6104には、上記実施の形態で説明した記憶装置などを駆動する回路が設けられている。例えば、基板6104には、電子部品4700、コントローラチップ6106が取り付けられている。USBコネクタ6103は、外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。
また、図示していないが、PC(Personal Computer)などの計算機、情報端末用の拡張デバイスに取り付けが可能なSDカード、SSD(Solid State Drive)などについても、上記実施の形態で説明した記憶装置を適用することができる。
実施の形態1、又は実施の形態2で説明した半導体装置、又は記憶装置を、上述した電子機器に含まれている記憶装置に適用することによって、新規の電子機器を提供することができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。