JP7726091B2 - トナー用ワックス組成物 - Google Patents
トナー用ワックス組成物Info
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Description
この中で、ワックスは定着時にトナーが定着ロールに残存すること(フィルミング)を防止する離型剤として機能するとともに、熱可塑性樹脂の軟化を促進して定着性を向上させる機能を有する。
例えば特許文献1には、炭素数14~30の中から選ばれる直鎖飽和モノカルボン酸あるいはその混合物と、炭素数14~30の中から選ばれる直鎖飽和一価アルコールあるいはその混合物、または炭素数2~30の中から選ばれる2~6価の多価アルコールあるいはその混合物とを縮合反応し、その後にアルカリ水溶液を用いて中和して中和塩を遠心分離で除去することを特徴とするトナー用エステルワックスの製造方法が記載されており、本ワックスを用いることにより、保存安定性に優れたトナーが提供されることが記載されている。
例えば特許文献2には、マイクロクリスタリンワックスのような炭化水素ワックスとベヘン酸ベヘニルのようなエステルワックスを混合することで、耐擦り性に優れた印刷物が得られるトナーが紹介されており、このようなワックス組成物を用いた場合、耐擦り性が向上することで高速印刷への対応が可能となる。
例えば特許文献3には、直鎖モノカルボン酸と直鎖モノアルコールとのモノエステルを含むワックスと、水酸基1個を有する炭素数12~24の直鎖モノカルボン酸及び炭素数12~24の直鎖モノカルボン酸からなる混合カルボン酸とグリセリンとのエステルとを含む混合ワックスを用いることで、画像定着と着色剤の分散性に優れたトナーが得られることが記載されている。しかしながら、このようにグリセロール骨格を有するエステルと他のワックスを併用した場合、ワックス組成物の凝固点が著しく低下することで、高速印刷時の印刷物上に印刷部位によってワックスの固まり方の差異ひいては結晶状態の差異が生じ、印刷物同士のブロッキングや光沢ムラの原因となる恐れがある。
このようにトナーには多くの要求特性があり、これらの要求特性を同時に満たすトナー用ワックスが求められている。
すなわち、本発明のトナー用ワックス組成物は、下記構造式(1)で表されるモノエステル化合物Aと下記構造式(2)で表されるモノエステル化合物Bとを含有し、モノエステル化合物Aとモノエステル化合物Bとの質量比が99.9:0.1~30:70であるトナー用ワックス組成物である。
モノエステル化合物A:
モノエステル化合物B:
本発明のトナー用ワックス組成物は、必須成分として、下記に示すモノエステル化合物Aとモノエステル化合物Bを含有する。
なお、本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は「~」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2~5」は2以上5以下を表す。
モノエステル化合物Aは、炭素数が16~24である直鎖飽和モノカルボン酸の中から選ばれる少なくとも1種の直鎖飽和モノカルボン酸と、炭素数が16~24である直鎖飽和モノアルコールの中から選ばれる少なくとも1種の直鎖飽和モノアルコールとから得られる脂肪酸エステルワックスであり、下記構造式(1)で表される。
原料カルボン酸の具体例としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。これらの中でもステアリン酸、ベヘニン酸が特に好ましい。
原料アルコールの具体例としては、例えば、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。これらの中でもステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが特に好ましい
上記直鎖飽和モノカルボン酸と上記直鎖飽和モノアルコールとから得られるモノエステル化合物Aとしては総炭素数が36~44であることが好ましく、特に好ましくは総炭素数が40~44である。これらの中でもステアリン酸もしくはベヘニン酸とベヘニルアルコールからなるモノエステル化合物が好ましい。
また同様の観点で、水酸基価は10mgKOH/g以下が好ましく、さらには5mgKOH/g以下が好ましく、特に3mgKOH/g以下が好ましい。
なお、酸価はJOCS(日本油化学会)2.3.1-1996に準拠して測定することができ、水酸基価はJOCS(日本油化学会)2.3.6.2-1996に準拠して測定することができる。
モノエステル化合物Aの融点は、昇温速度毎分10℃の示差走査熱量分析(DSC)により測定することができ、DSC分析により測定される吸熱ピークのトップピークの温度を融点とすることができる。
本発明のモノエステル化合物Bは、炭素数が16~24である直鎖飽和モノカルボン酸の中から選ばれる少なくとも1種の直鎖飽和モノカルボン酸と、炭素数が2~6である直鎖飽和アルキレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種の脂肪族アルコールとから得られるモノエステル化合物であり、下記構造式(2)で表される。
原料カルボン酸の具体例としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。これらの中でもステアリン酸が特に好ましい。
上記直鎖飽和モノカルボン酸と上記直鎖飽和アルキレングリコールとから得られるモノエステル化合物Bとしては総炭素数が20~26であることが好ましく、特に好ましくは総炭素数が20~24であり、これらの中でもステアリン酸とエチレングリコールとからなるモノエステル化合物が好ましい。
また、顔料分散および高速印刷時の光沢ムラ抑制の観点で、水酸基価は140mgKOH/g~190mgKOH/gが好ましく、さらには160mgKOH/g~180mgKOH/gが好ましい。
なお、酸価はJOCS(日本油化学会)2.3.1-1996に準拠して測定することができ、水酸基価はJOCS(日本油化学会)2.3.6.2-1996に準拠して測定することができる。
モノエステル化合物Bの融点は、昇温速度毎分10℃の示差走査熱量分析(DSC)により測定することができ、DSC分析により測定される吸熱ピークのトップピークの温度を融点とすることができる。
本発明のトナー用ワックス組成物は、上述のモノエステル化合物Aとモノエステル化合物Bとを含有し、モノエステル化合物Aとモノエステル化合物Bとの質量比(A):(B)が99.9:0.1~70:30であり、好ましくは99:1~85:15である。モノエステル化合物Aとモノエステル化合物Bの質量比が99.9:0.1~70:30を満たさない場合には本発明の効果が得られず、99:1~85:15を満たす場合には本発明の効果がより顕著に得られる。
本発明においては、トナー用ワックス組成物を溶融状態から徐冷した時の結晶化エンタルピーΔHSは、降温速度毎分2℃の示差走査熱量分析(DSC)により、130℃から30℃への降温時の発熱ピークの積分値を算出し、得られた積分値をΔHSとした。また、溶融状態から急冷した時の結晶化エンタルピーΔHRは、降温速度毎分10℃の示差走査熱量分析(DSC)により、130℃から30℃への降温時の発熱ピークの積分値を算出し、得られた積分値をΔHSとした。
モノエステル化合物Aとモノエステル化合物Bをそれぞれ合成した後に配合してトナー用ワックス組成物を製造する方法については、モノエステル化合物Aとモノエステル化合物Bを融点以上に加熱した上で、均一に混合した後に、冷却、微粒子化等を行うことが、品質のばらつきの観点から好ましい。
〔モノエステル化合物Aの調製例〕
表1に、実施例及び比較例で用いたモノエステル化合物Aの酸価、水酸基価、及び融点を示す。調製方法は次のとおりである。
[モノエステル化合物A―1の調製]
温度計、窒素導入管、攪拌羽および冷却管を取り付けた3Lの4つ口フラスコに、ステアリン酸を1090.9g(3.8mol)、ベヘニルアルコールを1200g(3.7mol)を加え、窒素気流下、220℃で反応させた。得られたエステル粗生成物は2228.5gであり、酸価が5.0mgKOH/gであった。
本エステル粗生成物にトルエン700gおよび2-プロパノール150gを入れ、エステル粗生成物の残存酸価の2.0倍当量に相当する量の水酸化カリウムを含む10質量%水酸化カリウム水溶液を加え、70℃で30分間攪拌した。その後、30分間静置して水層部(下層)を分離・除去した。排水のpHが中性になるまで水洗を4回繰り返した。残ったエステル層の溶剤を180℃、1kPaの減圧条件下で留去し、濾過を行い、ワックスA-1を2072.5g得た。
温度計、窒素導入管、攪拌羽および冷却管を取り付けた3Lの4つ口フラスコに、ベヘニン酸を1226.2g(3.6mol)、ベヘニルアルコールを1200g(3.7mol)、パラトルエンスルホン酸を4.4g(0.1mol)加え、窒素気流下、220℃で反応させた。得られたエステル粗生成物は2360.5gであり、酸価が1.0mgKOH/gであった。
[モノエステル化合物A―3の調製]
直鎖飽和脂肪酸としてベヘニン酸を用い、直鎖飽和脂肪族アルコールとしてパルミチルアルコールを用いて、原料仕込み量を変えたこと以外はモノエステル化合物A-2と同様の手順で、表1に示すモノエステル化合物A―3を得た。
表2に、実施例及び比較例で用いたモノエステル化合物Bの酸価、水酸基価、及び融点を示す。
[モノエステル化合物B―1の調製]
温度計、窒素導入管、攪拌羽および冷却管を取り付けた3Lの4つ口フラスコに、エチレングリコールを800.0g(12.9mol)、ステアリン酸を1834.6g(6.4mol)加え、窒素気流下、200℃で反応させた後、250℃、30kPaの減圧条件下で留去した。得られたエステル粗生成物は2058.0gであり、酸価が2.0mgKOH/gであった。
本エステル粗生成物500gをヘプタン1000gと2-プロパノール1000gの混合溶媒に70℃で完全に溶解させた後、徐冷することで再結晶を行い、得られた沈殿物をろ過にて回収した。同様の手順で再結晶を3回行った後、回収した沈殿物を40℃にて真空乾燥することで、モノエステル化合物B―1を200g得た。
直鎖飽和アルキレングリコールとして1,4-ブタンジオールを用い、原料仕込み量を変えたこと以外はモノエステル化合物B―1と同様の手順で、表2に示すモノエステル化合物B―2を得た。
[モノエステル化合物B―3の調整]
直鎖飽和アルキレングリコールとして1,6-ヘキサンジオールを用い、原料仕込み量を変えたこと以外はモノエステル化合物B―1と同様の手順で、表2に示すモノエステル化合物B―3を得た。
[モノエステル化合物B―4の調整]
直鎖飽和脂肪酸としてベヘニン酸を用い、原料仕込み量を変えたこと以外はモノエステル化合物B―1と同様の手順で、表2に示すモノエステル化合物B―4を得た。
[モノエステル化合物B―5の調整]
直鎖飽和脂肪酸としてパルミチン酸を用い、原料仕込み量を変えたこと以外はモノエステル化合物B―1と同様の手順で、表2に示すモノエステル化合物B―5を得た。
[モノエステル化合物B―6の調整]
直鎖飽和アルキレングリコールとして1,10-デカンジオールを用い、原料仕込み量を変えたこと以外はモノエステル化合物B―1と同様の手順で、表2に示すモノエステル化合物B―6を得た。
[モノエステル化合物B―7]
直鎖飽和アルキレングリコールの代わりに、グリセリン(日油株式会社の製品「モノグリD」)を用い、原料仕込み量を変えたこと以外はモノエステル化合物B―1と同様の手順で、表2に示すモノエステル化合物B―7を得た。
表3に、実施例及び比較例で用いたワックス組成物の組成と溶融状態からの徐冷時の結晶化エンタルピーΔHSと急冷時の結晶化エンタルピーΔHRの比(ΔHR/ΔHS)を示す。調製方法は、次のとおりである。
撹拌羽、窒素導入管を取り付けた0.3L容のセパラブルフラスコに、モノエステル化合物Aとモノエステル化合物Bを表3に示した質量比で溶融混合させ、窒素気流下、150℃で1時間撹拌した。その後、冷却、固化、粉砕を経て、トナー用ワックス組成物を得た。
実施例および比較例で行った各種試験及び評価の方法は、次のとおりである。
[モノエステル化合物A及びBの試験]
(1)酸価の測定
JOCS(日本油化学会)2.3.1-1996に準拠し測定した。
(2)水酸基価の測定
JOCS(日本油化学会)2.3.6.2-1996に準拠し測定した。
示差走査熱量分析計として、株式会社日立ハイテクサイエンス社製の「DSC-7000X」を使用した。測定は、約10mgのエステルを試料ホルダーに入れ、レファレンス材料としてアルミナ10mgを用いて行い、昇温速度毎分10℃として30℃から180℃まで昇温した。なお、測定の前に、30℃から180℃までの昇温工程と180℃から30℃までの冷却工程を経たサンプルを測定試料として用いた。上記DSCにより測定された吸熱ピークのトップピークの温度を、モノエステル化合物A及びBの融点とした。
上記「(3)融点の測定」と同様の装置及び手順で、トナー用ワックス組成物を溶融状態から徐冷または急冷した時の結晶化エンタルピーを測定した。徐冷時の結晶化エンタルピーΔHSは、降温速度毎分2℃の示差走査熱量分析(DSC)により、130℃から30℃への降温時におけるトナー用ワックス組成物の発熱ピークの積分値を算出し、得られた積分値をΔHSとした。また、急冷時の結晶化エンタルピーΔHRは、降温速度毎分10℃の示差走査熱量分析(DSC)により、130℃から30℃への降温時におけるトナー用ワックス組成物の発熱ピークの積分値を算出し、得られた積分値をΔHSとした。得られた測定値から、徐冷時の結晶化エンタルピー(ΔHS)と急冷時の結晶化エンタルピー(ΔHR)の比(ΔHR/ΔHS)を算出した。
(1)トナー用ワックス組成物の保存安定性
ワックス組成物をバインダー樹脂に混合したときの保存安定性について、以下の方法で評価した。実施例1~8および比較例1~6のそれぞれについて、評価サンプルを作成した。具体的には、ポリエステル樹脂(製品名:ダイヤクロンER-508、三菱レイヨン社製)を95質量部、表3に示したワックス組成物を5質量部の割合で混合し、二軸混錬機「ラボプラストミル」(東洋精機社製)を用いて溶融混錬を行ない、樹脂混練物を得た。溶融混錬は120℃、80rpm/分で約5分間行い、得られた樹脂混練物を粉砕し、粒径50μm以下に成形し、評価サンプルとした。
それぞれの評価サンプルについて、ガラスバイアルに評価サンプルである樹脂混練物5gを入れ、45℃に保たれた恒温槽に2週間静置し、バイアルをひっくり返し、力を加えることなくサンプルを取り出した。サンプルを取り出した際に、バイアルに沈着することなく流出し、かつ粒径が50μm以下に保たれているサンプルの質量をXとしたとき、耐ブロッキング率Rは以下の計算式(I)より算出される。
計算式(I): R=X(g)/5(g)
算出された耐ブロッキング率Rを下記の評価基準に照らし、保存安定性を評価した。このように算出された耐ブロッキング率Rの値が大きいほど、保存安定性に優れていると評価される。
<評価基準>
◎(非常に優れた保存安定性を示す):0.95≦R
〇(優れた保存安定性を示す):0.90<R<0.95
×(保存安定性が不十分である):0.90≧R
高速印刷時にはワックス組成物は素早く溶融し、かつ素早く凝固する必要があることから、ワックス組成物の融点と凝固点の差が小さいことが好ましいといえる。そこで本発明では、ワックス組成物の融点と凝固点の差ΔTを算出し、ΔTを指標としてワックス組成物の高速印刷への応答性について評価した。具体的には、示差走査熱量分析計として、株式会社日立ハイテクサイエンス社製の「DSC-7000X」を使用した。測定は、約10mgのワックス組成物を試料ホルダーに入れ、レファレンス材料としてアルミナ10mgを用いて行い、昇温速度毎分10℃として30℃から180℃まで昇温した後、180℃から30℃まで冷却した。なお、測定の前に、30℃から180℃までの昇温工程と180℃から30℃までの冷却工程を経たサンプルを測定試料として用いた。上記DSCにより測定された昇温時の吸熱ピークのトップピークの温度を融解温度(Tpm)、降温時の発熱ピークのトップピークの温度を凝固温度(Tec)とした。
得られたトナー用ワックス組成物の融解温度(Tpm)および凝固温度(Tec)を用いて、以下の計算式(II)によって、融解温度と凝固温度の差ΔTを算出した。
計算式(II):ΔT=Tpm-Tec
算出されたΔTの値をもとに、以下の基準でワックス組成物の高速印刷への応答性を評価した。
<評価基準>
◎(超高速印刷にも対応可能である):12≧ΔT
〇(高速印刷に問題なく対応可能である):12<ΔT≦15
×(高速印刷には適さない):15<ΔT
トナー用ワックス組成物の顔料分散性向上効果について、以下の方法で評価した。
実施例1~8および比較例1~6のそれぞれについて、評価サンプルを作成した。具体的には、ポリエステル樹脂(製品名:ダイヤクロンER-508、三菱レイヨン社製)を94質量部、表2に示したワックスを5質量部、着色剤(製品名:PV-FAST BLUE BG、クラリアント社製)を1質量部の割合で混合し、二軸混錬機(製品名「ラボプラストミル」、東洋精機社製)を用いて溶融混錬を行ない、樹脂混練物を得た。溶融混錬は120℃、80rpm/分で約5分間行い、得られた樹脂混練物を錠剤成型機(品名「卓上油圧成形機MP250」、マーセン社製)を用いて、ペレット化することで、サンプルを得た。それぞれの評価サンプルについて、サンプル表面の異なる10カ所を色差計(色差計ZE6000、日本電色工業株式会社製)を用いて反射モードで測定し、CIE1976(L*,a*,b*)色空間(いわゆるCIELAB)における色相ごとの発色a*、b*での値を得た。得られた測定値を用いて以下の計算式(III)で、評価サンプルの彩度Cを求めた。
計算式(III): C=(a*2+b*2)1/2
同一サンプル内において測定された彩度の最大値Cmaxと最低値Cminの差ΔCを以下の計算式(IV)で求めた。このように算出された彩度差ΔCの値が小さいほど、着色剤の分散に優れていると評価される。
計算式(IV): ΔC=Cmax-Cmin
<評価基準>
◎(着色剤の分散に非常に優れる):0.5≧ΔC
〇(着色剤の分散に優れる):0.5<ΔC≦1.0
×(着色剤の分散に優れない):1.0<ΔC
高速印刷時の光沢ムラ抑制効果について、以下の方法で評価した。実施例1~8および比較例1~6のそれぞれについて、10gを融点以上の温度で融解させ、鏡面処理が施された直径20cmの金属製プレートに厚さ2mmの枠を挟み、枠内に融解液を流し込んで、金属プレートで上下から挟みこんで徐冷もしくは急冷することで、ワックス板を作成した。得られたワックス板について、株式会社堀場製作所製グロスチェッカIG-320を用いて、入射角60℃の条件で測定(10箇所の測定領域を評価)し、その平均値を光沢値とした。計算式(V)で求められる徐冷時の光沢値GSと急冷時の光沢値GRの差の絶対値ΔGが小さいほど光沢ムラの抑制効果に優れていると評価される。
計算式(V):ΔG=|GR-GS|
<評価基準>
◎(冷却速度の差による光沢ムラ抑制に非常に優れる):1.0≧ΔG
〇(冷却速度の差による光沢ムラ抑制に優れる):1.0<ΔG≦2.0
×(冷却速度の差による光沢ムラ抑制に優れない):2.0<ΔG
以上の実施例および比較例について、評価結果を表4および表5に示した。
モノエステル化合物Bを構成するアルコールが3価のアルコールであるワックス組成物W10を用いた比較例2では、顔料分散性の向上効果は確認できたが、保存安定性が悪化し、ワックス組成物の融点と凝固点の差が大きく高速印刷に対応できず、光沢ムラの抑制効果も得られなかった。
モノエステル化合物Bを含有しないワックス組成物W11、12を用いた比較例3、比較例4では、保存安定性と高速印刷への対応性は確認できたが、顔料分散性の向上効果と光沢ムラの抑制効果が得られなかった。
モノエステル化合物Bの配合部数が本発明の範囲よりも高いワックス組成物W13を用いた比較例5では、顔料分散性の向上効果は確認できたが、保存安定性が悪化し、ワックス組成物の融点と凝固点の差が大きく高速印刷に対応できず、光沢ムラの抑制効果も得られなかった。
モノエステル化合物Aを含有しない比較例6では、顔料分散性の向上効果は確認できたが、保存安定性が悪化し、ワックス組成物の融点と凝固点の差が大きく高速印刷に対応できず、光沢ムラの抑制効果も得られなかった。
Claims (1)
- 下記構造式(1)で表されるモノエステル化合物Aと下記構造式(2)で表されるモノエステル化合物Bとを含有し、モノエステル化合物Aとモノエステル化合物Bとの質量比(A):(B)が99.9:0.1~70:30であるトナー用ワックス組成物。
モノエステル化合物A:
(式中のR1は炭素数15~24の直鎖飽和アルキル基を表し、R2は炭素数16~24の直鎖飽和アルキル基を表す。)
モノエステル化合物B:
(式中のR3は炭素数15~24の直鎖飽和アルキル基を表し、nは2~6の整数を表す。)
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