JP7727029B2 - アデノ随伴ウイルスの肝臓特異的向性 - Google Patents
アデノ随伴ウイルスの肝臓特異的向性Info
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Description
本出願は、2019年4月30日出願の米国特許仮出願第62/841,179号およ
び2018年5月11日出願の米国特許仮出願第62/670,543号に対する優先権
を主張する。
、AAVの肝臓向性の制御に関する。
ペンドパルボウイルス(Dependoparvovirus)属に属する、小型のウイルスである。この
ウイルスは、複製欠損のエンベロープを有しないウイルスであり、感染するが、ヒトおよ
びある特定の霊長類種において疾患を生じることは知られていない。AAVは、分裂およ
び静止細胞の両方に感染し、天然のウイルスでは、ウイルスが有する遺伝子の宿主ゲノム
への組込みが生じ得る場合があるが、宿主細胞のゲノムに組み込まれずに染色体外の状態
で存続することができる。このような特徴により、AAVは、ウイルスベクターとしての
遺伝子治療における使用の候補となっている。しかし、ある特定のAAV血清型は、治療
する疾患に応じて、望ましい場合も望ましくない場合もある肝臓向性を示す。
性を操作可能とすることは、有益である。
書に記載する方法および組成物は、特異性を有する特定のAAVの組織向性を変更して、
変更されたこのようなAAVにより送達される治療を改善することを可能とする。例えば
、AAVの肝臓向性を変更または変化させることは、例えば、肝臓が所望の標的である場
合、例えば、天然の肝臓向性を向上させることにより、また、肝臓が所望の標的ではない
場合、例えば、天然の肝臓向性を低下させることにより、有益となり得る。例えば、この
ウイルスを肝臓(または非肝臓臓器)の細胞に、より効果的に送達し、より効率的にトラ
ンスフェクトする場合、より低用量の所与のAAVを対象に投与することができる。
更する方法を提供する。このような方法は、Anc80(配列番号1)のカプシドタンパ
ク質における266位に対応するAAVカプシドタンパク質内のアミノ酸位置を位置づけ
るステップと、位置づけられた位置の天然に存在するアミノ酸を、グリシン(G)アミノ
酸残基と置き換えて、得られるAAVベクターの肝臓向性の向上をもたらすか、またはア
ラニン(A)アミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVの肝臓向性を低下させる、すな
わち、肝臓の脱標的化をもたらすステップとを典型的に含む。
ミノ酸をGアミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVベクターの肝臓向性の向上、例え
ば、肝臓での濃縮をもたらすステップを含む。一部の実施形態において、このような方法
は、位置づけられた位置の天然に存在するアミノ酸をAアミノ酸残基と置き換えて、得ら
れるAAVの肝臓向性の低下、例えば、肝臓の脱標的化をもたらすステップを含む。
変更する方法を提供する。このような方法は、Anc80(配列番号1)のカプシドタン
パク質における168位に対応するAAVカプシドタンパク質内のアミノ酸位置を位置づ
けるステップと、および位置づけられた位置の天然に存在するアミノ酸を、アルギニン(
R)アミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVベクターの肝臓向性の向上、例えば、肝
臓での濃縮をもたらすか、またはリジン(K)アミノ酸残基と置き換えて、得られるAA
Vの肝臓向性の低下、例えば、肝臓の脱標的化をもたらすステップとを典型的に含む。
ミノ酸をRアミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVベクターの肝臓での濃縮をもたら
すステップを含む。一部の実施形態において、このような方法は、位置づけられた位置の
天然に存在するアミノ酸をKアミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVの肝臓標的化の
低下をもたらすステップを含み得る。
を提供する。このような方法は、図14に定義する肝臓トグル領域をAAVカプシドタン
パク質内に位置づけるステップと、天然に存在する肝臓トグル領域を、異種血清型由来の
肝臓トグル領域またはde novo由来の配列と置き換えて、得られるAAVベクター
の肝臓向性を変更する、例えば、肝臓標的化の向上または低下をもたらすステップとを典
型的に含む。
80(配列番号1)のカプシドタンパク質における266位に対応するAAVカプシドタ
ンパク質内の位置にGアミノ酸残基を含む場合、得られるAAVベクターの肝臓での濃縮
がもたらされる。一部の実施形態において、異種またはde novo由来の肝臓トグル
領域が、Anc80(配列番号1)のカプシドタンパク質における266位に対応するA
AVカプシドタンパク質内の位置にAアミノ酸残基を含む場合、得られるAAVベクター
の肝臓標的化の低下がもたらされる。
成したDNAの部位特異的変異誘発、制限分解およびライゲーション、現存の、もしくは
de novo合成したDNAの相同性による会合、またはこれらの組合せを使用して実
施する。一部の実施形態において、位置づけるステップは、シーケンシングすることによ
り実施する。
たAAVをスクリーニングする方法を提供する。このような方法は、AAVカプシドタン
パク質をコードする核酸をシーケンシングするステップと、Anc80(配列番号1)の
カプシドタンパク質における266位に対応するAAVカプシドタンパク質内のアミノ酸
位置を位置づけるステップと、位置づけられた位置にGアミノ酸残基または位置づけられ
た位置にAアミノ酸残基を有するAAVカプシドタンパク質を同定するステップとを典型
的に含む。一般には、位置づけられた位置のGアミノ酸残基は、肝臓へのトランスフェク
ションが強化されたAAVを示し、一方、位置づけられた位置のAアミノ酸残基は、肝臓
へのトランスフェクションが低下されたAAVを示す。
たAAVをスクリーニングする方法を提供する。このような方法は、AAVカプシドタン
パク質をコードする核酸をシーケンシングするステップと、Anc80(配列番号1)の
カプシドタンパク質における168位に対応するAAVカプシドタンパク質内のアミノ酸
位置を位置づけるステップと、位置づけられた位置にRアミノ酸残基または位置づけられ
た位置にKアミノ酸残基を有するAAVカプシドタンパク質を同定するステップとを典型
的に含む。一般には、位置づけられた位置のRアミノ酸残基は、肝臓へのトランスフェク
ションが強化されたAAVを示し、一方、位置づけられた位置のKアミノ酸残基は、肝臓
へのトランスフェクションが低下されたAAVを示す。
配列番号1[Anc80]に示す配列を有するAAVを提供する。
番号1[Anc80]に示す配列を有するAAVを提供する。
AAVを提供する。
に示す配列を有するAAVを提供する。
するAAVを提供する。
示す配列を有するAAVを提供する。
I]に示す配列を有するAAVを提供する。
A-VRI]に示す配列を有するAAVを提供する。
有するAAVを提供する。
7 N268T]に示す配列を有するAAVを提供する。
に示す配列を有するAAVを提供する。
G]に示す配列を有するAAVを提供する。
S268T]に示す配列を有するAAVを提供する。
S268T]に示す配列を有するAAVを提供する。
に示す配列を有するAAVを提供する。
I]に示す配列を有するAAVを提供する。
G266A-VRI]に示す配列を有するAAVを提供する。
す配列を有するAAVを提供する。
び/またはトランスフェクションに対する天然の組織特異性を指す。例えば、多くのAA
Vは肝臓向性を示し、これはこのようなAAVが、他の組織型の細胞ではなく肝細胞に選
択的に感染および/またはトランスフェクトすることを意味する。組織向性は、特定の組
織の細胞の表面および/または特定のAAVの表面に見出される特定の表面タンパク質、
例えば、受容体タンパク質に基づくことが多い。
Vカプシドタンパク質内の特定の位置または領域を指す。このため、本明細書に記載する
トグル位置または領域に天然に存在するアミノ酸を異なるアミノ酸と置き換える場合、こ
のAAVの組織向性は、変更される。したがって、「肝臓トグル」、例えば、「肝臓トグ
ル1」は、トランスフェクションが、肝細胞へ他よりも優位にもしくは本質的に完全に生
じるか、または肝細胞へ他よりも優位にもしくは本質的に完全に生じないように「切り替
える」ことが可能な残基を指す。
に、「肝臓トグル」が存在する2つのベータ鎖間に位置するアミノ酸残基20個を指す。
したがって、「肝臓トグル領域」は、トランスフェクションが、肝細胞へ他よりも優位に
もしくは本質的に完全に生じるか、または肝細胞へ他よりも優位にもしくは本質的に完全
に生じないように、異種AAVまたはde novo由来物からの移入により「切り替え
る」ことが可能な連続した一連の残基を指す。肝臓トグル領域は、可変領域I(VRI)
と重複するため、すべてのトグル領域スワップでは、略称としてこの用語を使用する。
指す。したがって、「肝臓トグル2」は、肝臓トグル1において問題の残基とは異なり、
トランスフェクションが、肝細胞へ他よりも優位にもしくは本質的に完全に生じるか、ま
たは肝細胞へ他よりも優位にもしくは本質的に完全に生じないように「切り替える」こと
が可能な別の残基を指す。
本発明の方法および組成物が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同一
の意味を有する。本明細書に記載のものと類似または等価な方法および材料を本発明の方
法および組成物の実践または試験において使用することができるが、適する方法および材
料は、以下に記載する。加えて、材料、方法、および実施例は、単なる例示であり、制限
することを意図しない。本明細書において言及するすべての公表文献、特許出願、特許、
および他の参照は、これらの全体を参照により組み込む。
を有するこの特許または特許出願公開のコピーは、要請および必要な料金の支払いに応じ
て庁より提供されるだろう。
する疾患に対する遺伝子治療処置にとっての利点であるが、この臓器に効果的に形質導入
するのに必要とされるゲノム含有ウイルス粒子の数は、患者と提供者の両方に負担をそれ
でもなおもたらし得る。対照的に、非肝臓病因を有する疾患の関連する治療は、AAVに
より送達される治療物質のほとんどにおいて肝臓がシンクとして作用するため、効果が低
いか、または高用量の投薬を必要とし得る。加えて、有望なAAV血清型は、マウス肝臓
に効率的には形質導入せず、臨床的適合性および投薬試験のためのマウスモデルの使用を
著しく制限する。
を同定するのに、例えば、高度に関連する現存の血清型の、明確な特性との比較、無関係
な血清型間のランダムドメインスワップ、または高次構造の考察に依存している。例えば
、AAV向性の決定基のマッピングは、高度に関連する血清型を比較することにより行わ
れている。1つのこのような例は、AAV1とAAV6との間の単一アミノ酸の変異(E
531K)であり、これによりAAV1によるマウス肝臓形質導入が向上する(Wu et al
., 2006, J. Virol., 80(22):11393-7)。別の例は、AAV2とAAV8との間のドメイ
ンの相反的スワップであり、これにより向性が変更されるが、いかなる安定な特異的組織
標的モチーフも定義することができなかった(Raupp et al., 2012, J. Virol., 86(17):
9396-408)。さらに、構造の全体的考察は、良好または不良な肝臓形質導入物質間の全体
的な差異のみを強調しており、実践において有用であるというよりも観察的なものである
(Nam et al., 2007, J. Virol., 81(22):12260-71)。
本開示では、二峰性マウス肝臓向性を生じる、単一部位におけるアミノ酸(例えば、「
肝臓トグル」)の変異を同定するための、合理的にデザインされたAAVカプシドライブ
ラリーのスクリーニングを記載する。また、本開示では、a)ヒトにおける肝臓形質導入
を向上させるか、または必要に応じて、肝臓を脱標的化し、これにより有効用量を低下さ
せることが可能となり、b)マウス肝臓形質導入を向上させると同時に、他の好ましい特
性を最小限に変更し、このような血清型をマウス疾患モデルにおいて使用することが可能
となる、AAVカプシドにおける特異的残基を記載する。
0(配列番号1)の266位の1つの残基を変異させることにより変更することができる
。例えば、この位置の非グリシン(G)アミノ酸残基をグリシン(G)アミノ酸残基に変
異させると、AAVの肝臓に対する向性または標的化の向上または上昇が生じるか、ある
いは、この位置の非アラニン(A)アミノ酸残基をアラニン(A)アミノ酸残基に変異さ
せると、AAVの肝臓に対する向性または標的化の低下(「脱標的化」)が生じる。した
がって、AAVが肝臓に感染および/またはトランスフェクトする傾向は、Anc80(
配列番号1)のAAVカプシドタンパク質内の266位の非G残基をG残基に変異させる
ことにより上昇させることができ、一方、AAVが肝臓に感染および/またはトランスフ
ェクトする傾向は、Anc80(配列番号1)のAAVカプシドタンパク質内の266位
の非A残基をA残基に変異させることにより低下させることができる。
、10または11に由来する既知の他のカプシドタンパク質のAnc80の266位に対
応するアミノ酸位置は、所望の肝臓特異的向性に応じて、Gアミノ酸残基またはAアミノ
酸残基のいずれかに変異させることができる。一部の実施形態において、Gアミノ酸残基
またはAアミノ酸残基のいずれかの挿入は、所望により肝臓特異的向性を変更することが
できる。一部の実施形態において、肝臓トグル領域におけるさらなる変更、挿入、または
欠失により、所望により肝臓特異的向性を向上させることができる。一部の実施形態にお
いて、トグル残基を含む天然の肝臓トグル領域全体を、異種カプシドまたはde nov
o合成した配列の肝臓トグル領域と置き換えて、所望の肝臓向性の向上または低下を達成
することができる。
位に対応する所望のアミノ酸残基を有するように遺伝学的に改変またはデザインして、他
のウイルス成分と混合してAAVウイルス粒子に会合させる場合、AAVウイルス粒子を
肝臓において濃縮するか、肝臓を脱標的化することができる(例えば、変異させる前のカ
プシド配列、または適切な位置にGを有しないか、もしくはAを有しない対応するカプシ
ド配列、または適切な位置にGの代わりにA、もしくはAの代わりにGを有する対応する
カプシド配列と比較して)。
c80(配列番号1)の168位の1つの残基を変異させることにより変更することがで
きる。例えば、この位置の非アルギニンアミノ酸残基をアルギニン(R)アミノ酸残基に
変異させると、AAVの肝臓向性の向上または上昇が生じるか、あるいは、この位置の非
リジンアミノ酸残基をリジン(K)アミノ酸残基に変異させると、AAVの肝臓向性の低
下(「脱標的化」)が生じる。したがって、AAVが肝臓に感染および/またはトランス
フェクトする傾向は、Anc80(配列番号1)のAAVカプシドタンパク質内の168
位の非R残基をR残基に変異させることにより上昇または向上させることができ、一方、
AAVが肝臓に感染および/またはトランスフェクトする傾向は、Anc80(配列番号
1)のAAVカプシドタンパク質内の168位の非K残基をK残基に変異させることによ
り低下させることができる。
、10または11に由来する既知の他のカプシドタンパク質のAnc80の168位に対
応するアミノ酸位置は、所望の肝臓特異的向性に応じて、Rアミノ酸残基またはKアミノ
酸残基のいずれかに変異させることができる。
性度、疎水性、電荷、および/またはサイズ)を有するアミノ酸を使用可能である(例え
ば、Anc80に対して266位のGもしくはAの代わりに、またはAnc80に対して
168位のRもしくはKの代わりに)ことが理解される。
に定義される)肝臓トグル領域内のさらなる残基を変異させることにより変更することが
できる。一部の実施形態において、天然に存在する肝臓トグル領域は、所望の肝臓向性を
有する(例えば、得られるAAVベクターの肝臓向性を向上するか、または肝臓向性を低
下させる)ように異種血清型由来の肝臓トグル領域と置き換えることができる。一部の実
施形態において、天然に存在する肝臓トグル領域は、所望の肝臓向性を有する(例えば、
得られるAAVベクターの肝臓向性を向上するか、または肝臓向性を低下させる)ように
de novoで合成することができる。本明細書に記載するように、異種またはde
novo由来の肝臓トグル領域が、Anc80(配列番号1)のカプシドタンパク質にお
ける266位に対応するAAVカプシドタンパク質内の位置にGアミノ酸残基を含む場合
、得られるAAVベクターの肝臓向性は、向上され、異種またはde novo由来の肝
臓トグル領域が、Anc80(配列番号1)のカプシドタンパク質における266位に対
応するAAVカプシドタンパク質内の位置にAアミノ酸残基を含む場合、得られるAAV
ベクターの肝臓向性は、低下する。
ら脱標的化されたAAVについて、カプシドタンパク質の配列、ならびに詳細には、An
c80(配列番号1)における266および/または168位に対応するアミノ酸残基を
コードする核酸の配列に基づいて、AAVをスクリーニングすることが可能であることが
明らかとなる。核酸をシーケンシングする方法は、当技術分野において周知であり、鎖停
止法(例えば、サンガーシーケンシング法)または化学分解法(例えば、マクサム・ギル
バートシーケンシング法)を含むが、これらに限定されない。多くの変形形態および改良
形態が、開発されており、当技術分野において、自動シーケンシング法およびハイスルー
プットシーケンシング法を含むシーケンシングに使用されている。
Anc80(配列番号1)において、266位に対応するアミノ酸位置にGアミノ酸残基
を、および/または168位に対応するRアミノ酸位置を有しない場合(例えば、オリジ
ナルもしくは野生型配列、または変異させる前の配列)の肝細胞におけるAAVゲノム数
と比較した、肝細胞におけるAAVゲノム数の上昇を指す。本明細書において使用する場
合、脱標的化された、または脱標的化は、カプシドタンパク質が、Anc80(配列番号
1)において、266位に対応するアミノ酸位置にAアミノ酸残基を、および/または1
68位に対応するKアミノ酸位置を有しない場合(例えば、オリジナルもしくは野生型配
列、または変異させる前の配列)の肝細胞におけるAAVゲノム数と比較した、肝細胞に
おけるAAVゲノム数の低下を指す。
あり、不死化および/または初代肝細胞のin vitroでの形質導入、ならびに野生
型とヒト化の両マウスへのin vivoでの全身注射を典型的に含む(例えば、Grimm
et al., 2008, J. Virol., 82:5887-911; Lisowski et al., 2014, Nature, 382:doi:10.
1038/ nature12875を参照)。
付与する代表的カプシドタンパク質を本明細書において提供する。効率的肝臓向性を付与
する(例えば、肝細胞におけるAAVゲノムの濃縮を生じる)代表的カプシドタンパク質
の配列は、配列番号2[AAV9 Anc80+266G]、配列番号6[AAV9 A
nc80+266G VRI]、配列番号9[AAV3B A266G S267 N2
68T]、配列番号11[AAV3B G265 A266G]、配列番号13[AAV
3B G265 A266G S268T]、配列番号14[AAV3B AAV9+2
67G-VRI]、配列番号15[AAV3B Anc80+266G-VRI]に示し
、一方、肝臓向性の低下を付与する(例えば、AAV粒子による肝臓の脱標的化を生じる
)代表的カプシドタンパク質の配列は、配列番号3[Anc80+266A]、配列番号
4[AAV9 G267A]、配列番号5[AAV9 G267A S269T]、配列
番号7[AAV9 Anc80+266A-VRI]、配列番号10[AAV3B G2
65 A266A]、配列番号12[AAV3B G265 A266A S268T]
、配列番号16[AAV3B Anc80+266A-VRI]、配列番号17[Anc
80L65 R168K]に示す。
シドタンパク質の配列の、配列番号2および配列番号3は、配列番号1に示す配列を有す
るAnc80足場配列に起源を有し、この場合、図1においてX3で示す266位は、G
またはAのいずれかである。同様に、二峰性パターンの肝臓形質導入を示す2つのAAV
カプシドタンパク質の配列の、配列番号16および配列番号17は、配列番号1に示す配
列を有するAnc80足場配列に起源を有し、この場合、X1で示す168位は、Rまた
はKのいずれかである。
本明細書に記載するように、AAVカプシドタンパク質におけるアミノ酸残基を266
位トグルのGアミノ酸残基とAアミノ酸残基との間で変異させるか、または挿入すると、
得られるAAVの肝臓向性が濃縮と脱標的化とで切り替わる。同様に、AAVカプシドタ
ンパク質におけるアミノ酸残基を168位トグルのRアミノ酸残基とKアミノ酸残基との
間で変異させると、得られるAAVの肝臓向性が、濃縮と脱標的化とで切り替わる。配列
の変異は、核酸レベルで行われ、変異は、コードされたアミノ酸配列(例えば、コードさ
れたタンパク質)に典型的に翻訳される。本明細書において使用する場合、核酸は、1つ
または複数の核酸類似体または骨格修飾を含むものを含む、DNAおよびRNAを含み得
る。核酸は、一本鎖または二本鎖であり、通常、目的の使用に依存し得る。
おいて周知である。例えば、変異は、変異誘発(例えば、部位特異的変異誘発、PCRに
よる変異誘発)を使用して、または所望の変異(複数可)を含む核酸分子を化学的に合成
することにより核酸に導入することができる。例えば、Sambrook, Fritsch & Maniatis(
Molecular Cloning: a laboratory manual, 1989, Ed. 2)およびDieffenbach & Dveksle
r(PCR primer: a laboratory manual, 2003, Ed. 2)を参照されたい。
きる。例えば、核酸は、それらに限定されないが、組換え核酸技術、および/またはポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)を含む任意の方法を使用して単離することができる。一般的
PCR技術は、例えば、PCR Primer: A Laboratory Manual, Dieffenbach & Dveksler, E
ds., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995に記載されている。組換え核酸技術は
、例えば、核酸の単離に使用可能な、制限酵素分解およびライゲーションを含む。また、
単離した核酸は、単一核酸分子または一連のオリゴヌクレオチドのいずれかとして化学的
に合成することができる。
たは両端に天然に隣接する配列を含まない核酸分子である(例えば、PCRまたは制限酵
素分解により生成したcDNAまたはゲノムDNA断片)。このような単離された核酸分
子は、一般に、操作の利便性のため、または以下に詳細に検討する融合核酸分子を生成す
るために、ベクター(例えば、クローニングベクター、または発現ベクター)に導入する
。加えて、単離した核酸分子は、組換えまたは合成核酸分子のような改変核酸分子を含み
得る。
マトグラフィーのような既知の方法により、天然源(例えば、生体試料)から得る(例え
ば、精製する)ことができる。また、ポリペプチドは、例えば、発現ベクターにより核酸
を発現させることにより精製することができる。加えて、精製したポリペプチドは、化学
合成により得ることができる。ポリペプチドの純度の程度は、任意の適切な方法、例えば
、カラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、またはHPLC分析を
使用して測定することができる。
る細胞成分から分離または精製したポリペプチドである。典型的には、ポリペプチドは、
乾燥重量で少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、9
5%または99%)これが天然に付随するタンパク質および天然に存在する分子を含まな
い場合に「精製された」と考えられる。化学的に合成したポリペプチドは、本来、これが
天然に付随する成分から分離しているため、合成ポリペプチドは、「精製されて」いる。
たは非ウイルスベクターを含むことができ、また、発現ベクターを含むことができる。多
くのベクターは、市販されており、ベクターは、当技術分野において通例の組換えDNA
技術を使用して容易に生成することができる。核酸を含むベクターは、一部の例では、こ
のような核酸に動作可能に結合させることができる発現エレメントを有し得る。ベクター
は、選択的マーカーをコードする配列(例えば、抗生物質耐性遺伝子)のような配列をさ
らに含み得る。核酸を含むベクターは、キメラまたは融合ポリペプチド(すなわち、ポリ
ペプチドのN末端またはC末端のいずれかに存在し得る異種ポリペプチドに動作可能に結
合するポリペプチド)をコードすることができる。代表的異種ポリペプチドは、コードさ
れたポリペプチドの精製において使用可能なものである(例えば、6xHisタグ、グル
タチオンSトランスフェラーゼ(GST))。
する核酸配列を含む。発現エレメントの1つの例は、プロモーター配列である。また、発
現エレメントは、核酸の発現を調節する、イントロン、エンハンサー配列、応答エレメン
ト、または誘導性エレメントを含み得る。発現エレメントは、ウイルス起源であるか、も
しくは非ウイルス分子生物学的技術によるもの(例えば、プラスミドベクターの単純増殖
)であり得るか、発現エレメントは、それらに限定されないが、細菌、酵母、昆虫、もし
くは哺乳動物起源であり得るか、または発現エレメントは、種々の起源のエレメントの組
合せであり得る。本明細書において使用する場合、動作可能に結合する、は、プロモータ
ーまたは他の発現エレメント(複数可)が、核酸の発現を配向するか、または制御するよ
うに核酸に対してベクター内に位置することを意味する。一部の例では、動作可能に結合
する、は、2つの配列がインフレームであることを意味する。
ルスの天然の感染能力を典型的に利用する。非ウイルスベクターを宿主細胞に導入する方
法は、当技術分野において既知である。本明細書において使用する場合、「宿主細胞」は
、ウイルスまたは非ウイルスベクターが導入される特定の細胞を指し、このような細胞の
子孫または潜在的子孫をも含む。宿主細胞は、必要に応じて、原核または真核細胞であり
得る。例えば、核酸は、大腸菌(E. coli)のような細菌細胞において、または昆虫細胞
、酵母もしくは哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)また
はCOS細胞)において発現させることができる。他の適する宿主細胞は、当業者に既知
である。非ウイルス核酸は、それらに限定されないが、エレクトロポレーション、リン酸
カルシウム沈殿、ポリエチレングリコール(PEG)形質転換、ヒートショック、リポフ
ェクション、マイクロインジェクション、およびウイルスによる核酸導入のような既知の
方法を使用して、in vivoおよびin vitroのいずれによっても宿主細胞に
導入することができる。
AAVウイルスは、導入遺伝子を(他のウイルス配列とともにcisまたはtrans
で)含んで細胞に送達し得る。導入遺伝子は、例えば、レポーター遺伝子(例えば、ベー
タ-ラクタマーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ(LacZ)、アルカリホスファターゼ、
チミジンキナーゼ、緑色蛍光ポリペプチド(GFP)、クロラムフェニコールアセチルト
ランスフェラーゼ(CAT)、またはルシフェラーゼ、またはヘマグルチニンもしくはM
ycのような抗原タグドメインを含む融合ポリペプチド)または治療遺伝子(例えば、ホ
ルモンもしくはこの受容体、増殖因子もしくはこの受容体、分化因子もしくはこの受容体
、免疫系制御因子(例えば、サイトカインおよびインターロイキン)もしくはこの受容体
、酵素、RNA(例えば、阻害RNAまたは触媒RNA)または標的抗原(例えば、発癌
性抗原、自己免疫抗原)をコードする遺伝子)であり得る。
る。単なる例として、遺伝子導入または遺伝子治療は、血友病、網膜色素変性症、嚢胞性
線維症、レーバー先天黒内障、リソソーム蓄積障害、先天性代謝異常(例えば、フェニル
ケトン尿症を含む先天性アミノ酸代謝異常、プロピオン酸血症を含む先天性有機酸代謝異
常、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症(MCAD)を含む先天性脂肪酸代謝異常
)、がん、色覚異常、錐体杆体ジストロフィー、黄斑変性症(例えば、加齢性黄斑変性症
)、リポポリペプチドリパーゼ欠損症、家族性高コレステロール血症、脊髄性筋萎縮症、
デュシェンヌ型筋ジストロフィー、アルツハイマー病、パーキンソン病、肥満、炎症性腸
障害、糖尿病、うっ血性心不全、高コレステロール血症、難聴、冠動脈心疾患、家族性腎
アミロイドーシス、マルファン症候群、致死性家族性不眠症、クロイツフェルト・ヤコブ
病、鎌状赤血球症、ハンチントン病、前頭側頭葉変性症、アッシャー症候群、ラクトース
不耐症、脂質蓄積障害(例えば、ニーマン・ピック病C型)、バッテン病、コロイデレミ
ア、糖原病II型(ポンペ病)、毛細血管拡張性運動失調症(ルイ・バー症候群)、先天
性甲状腺機能低下症、重症複合免疫不全症(SCID)、および/または筋萎縮性側索硬
化症(ALS)の治療に適用することができる。また、例として、遺伝子導入または遺伝
子治療は、網膜ジストロフィーの治療に適用することができる(例えば、両アレル性RP
E65変異関連網膜ジストロフィーが確認された患者の治療を示す1回限りの遺伝子治療
製品である(LUXTURNA(商標))(ボレチジーンネパルボベック-rzyl(vo
retigene neparvovec-rzyl))(Spark Therapeutics Inc.,フ
ィラデルフィア、PA州))。
滅危惧動物))の免疫化に有用な免疫原であり得る。例えば、免疫原は、生物(例えば、
病原体)またはその免疫原性の部分もしくは成分(例えば、毒素ポリペプチドまたはこの
副産物)から得ることができる。例として、免疫原性ポリペプチドを得ることが可能な病
原体は、ウイルス(例えば、ピコルナウイルス、エンテロウイルス、オルソミクソウイル
ス、レオウイルス、レトロウイルス)、原核生物(例えば、肺炎球菌(Pneumococci)、
ブドウ球菌(Staphylococci)、リステリア(Listeria)、シュードモナス(Pseudomonas
))、および真核生物(例えば、アメーバ、マラリア、リーシュマニア、線虫)を含む。
本明細書に記載の方法およびこのような方法により生成される組成物が、特定のいかなる
導入遺伝子によっても制限されないことが理解される。
象(例えば、ヒトまたは非ヒト哺乳動物)に投与することができる。適する担体は、多様
な緩衝液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、ラクトース、スクロース、リン酸カルシウ
ム、ゼラチン、デキストラン、アガー、ペクチン、および水を用いて処方され得る生理食
塩水を含む。AAVウイルスは、適切な細胞に形質導入または感染し、十分なレベルの遺
伝子導入および発現を提供し、過度の有害作用もなく治療的利点をもたらす十分な量で投
与する。通常の薬学的に許容される投与経路は、経口、鼻腔内、気管内、吸入、静脈内、
筋肉内、眼内、皮下、皮内、経粘膜、または他の投与経路による、例えば、肝臓または肺
のような臓器への直接送達を含むが、これらに限定されない。投与経路は、必要に応じて
、組み合わせることができる。
、および対象の健康状態のような因子に依存する。例えば、ヒト対象に投与される治療有
効量のAAVウイルスは、一般に、約1×101~1×1012ゲノムコピー(GC)の
濃度のウイルス(例えば、約1×103~1×109GC)を含む溶液約0.1ml~約
10mlの範囲である。導入遺伝子の形質導入および/または発現は、DNA、RNA、
またはタンパク質アッセイによる投与後に種々の時点で監視することができる。一部の例
では、導入遺伝子の発現レベルを監視して、投薬の頻度および/または量を決定すること
ができる。また、治療目的のために記載するものに類似する投薬レジメンは、免疫化に利
用し得る。
技術分野の技術において利用し得る。このような技術は、文献において十分に説明されて
いる。本発明は、特許請求の範囲に記載する本発明の方法および組成物の範囲を制限しな
い以下の実施例においてさらに記載される。
AAV肝臓トグルを同定するための材料および方法
AAV配列の211(2048)バリアントAnc80ライブラリー(例えば、米国特
許第9,695,220号を参照)を、Anc80足場配列(配列番号1;図1)内の1
1個の位置(図1におけるX1~X11)を変更することにより生成した。各バリアント
は、哺乳動物発現プラスミドにクローニングし、pRepおよびpAdヘルパーアクセサ
リープラスミドを用いてHEK293細胞にトランスフェクトして、ウイルスベクターの
形態でライブラリーを生成した。次いで、このライブラリーは、肝臓局在性のin vi
voでのスクリーニングに使用した(例えば、濃縮対脱標的化)。簡潔には、1つの実験
において、3匹のマウスに、Anc80ベクターライブラリーを総gc2.7311(約
1e13gc/kg)で注射した。注射後3日目に、マウスを屠殺し、肝臓を回収して凍
結した。別の実験では、2匹のアカゲザルに、Anc80ベクターライブラリー1.6e
12gc/kgを注射して、注射後28日目に試験を終了し肝臓を回収した。総ゲノムD
NAは、肝臓から抽出し、組織に存在するウイルスバリアントの集団は、次世代シーケン
シングにより定量化した。以下に記載するように、図1に示すAnc80足場配列におい
て強調したX3位は、肝臓トグル位置であると決定した。X3位は、Anc80足場配列
の残基266に対応する。
ける、ウイルスインプット(x軸)に対する2048バリアントAnc80ライブラリー
メンバーの存在量(y軸)を示すプロットを示す。y軸では、ゼロは、インプットの変化
がないことを示し、正および負の値は、相対的濃縮または脱標的化をそれぞれ示す。An
c80足場配列内のトグル位置11個のうちX3位は、観察された肝臓二峰性と相関した
。
アミノ酸残基の同一性であり、Anc80足場配列の残基168に対応する。トグル「ヒ
ートマップ」と呼ばれる方法により、すべてのトグル位置の同一性の考察が、ビジュアル
形式で可能となった。また、所望の特性によりバリアントの群を選択することによって、
ヒートマップでは、存在する場合、影響を受ける複数のトグル位置を明らかとすることが
できる。図9および図10から同一のデータを使用すると、野生型C57BL/6マウス
(図25)とアカゲザル(図26)の両方は、最も肝臓濃縮されたAnc80バリアント
に存在する、X3=1(G)およびX1=1(R)を有する。X1位の適合性を裏付けて
、FRGヒト肝臓異種移植マウスモデルから回収したマウスとヒトの両方の肝細胞につい
て、ならびにin vivoでの肝臓構造を模倣する条件下で培養した初代ヒト肝細胞(
マイクロパターン化共培養物、MPCC)において、類似のパターンが観察された。
AAV肝臓トグルの生成および試験
肝臓トグルを含む、2048バリアントAnc80ライブラリー由来の特定の配列(例
えば、その全体を参照により本明細書において組み込む米国特許第9,719,070号
を参照)を生成した(図2)。Anc80L65(配列番号2)は、266位にGを含ん
で肝臓濃縮を示し、Anc80L65 G266A(配列番号3)は、266位にAを含
んで肝臓脱標的化を示す。G/A肝臓トグルは、強調し、図2に示す色分けと一致するよ
うに、図3において色分けする。
成断片とを混合する等温(ギブソン)クローニングのいずれかに由来する。このようなバ
リアントは、標準的rep/cap「trans」プラスミドにクローニングしてベクタ
ーを生成する。次いで、GFPおよびアルファ1-アンチトリプシンを発現するベクター
バリアントは、グラウスベック遺伝子治療センター(Grousbeck Gene Therapy Center)
の遺伝子導入ベクターコア(Gene Transfer Vector Core)により生成する。
約5e12gc/kg)を注射し、3日目に肝臓組織を回収する。肝臓におけるゲノムコ
ピー数は、qPCRにより判定し、絶対値および親対照に対する比率として表す。図11
は、266位にGを含むAnc80L65(配列番号2)が、肝臓濃縮を示し、266位
にAを含むAnc80L65 G266A(配列番号3)が、肝臓脱標的化を示すことを
示す。さらに、図12は、肝臓組織のeGFP染色により観察されるゲノムからの発現が
、266位にGを含むAnc80L65(配列番号2)を利用する場合、266位にAを
含むAnc80L65 G266A(配列番号3)に対して、より明白であることを示す
。
相当する肝臓トグル残基を他の血清型において同定する
図13Aは、AAV2 VP3カプシド単量体の結晶構造を示す。肝臓トグル(「LT
」)の位置は、矢印により示し、LTを包含する領域の構造は、四角で囲む。肝臓トグル
残基は、Anc80の266位に相当する位置のαトグルに対して2~3残基分n末端に
位置し得る。図13Bは、AAV2、3、6、8および9VP3のLT領域のオーバーレ
イを示し、トグル位置を定義する局所的二次構造を強調する、AAV2 VP3の結晶構
造である。トグル領域は、β上行(βa)およびβ下行(βd)の二次構造間に位置して
、これらの二次構造を含み、αトグル(αt)に対して残基2~3個分N末端にコードさ
れる主要な官能基を有する、残基として定義する。LT残基は、残基3個のアルファヘリ
ックスに対してN末端の、ベータシート結合ループであるVR1内に位置する。
Iアミノ酸配列のアラインメントであり、Anc80L65は、15行目に位置する。β
上行(βa)、β下行(βd)、αトグル(αt)、トグル領域、およびトグル自体の位
置を強調する。β上行(βa)は、保存されたチロシンにおいて開始し、β下行(βd)
は、保存されたセリンにおいて終止する。多くの血清型では、Anc80 266に相当
する位置は、近い同一性により容易に推測することができる。他に、注目すべきは、クレ
ードBウイルスAAV2およびAAV3、ならびに関連するウイルスAAV4およびRh
32.33において、相当する位置は、より曖昧であるか、それほど明白でない。それに
もかかわらず、一次配列は、他の血清型において、肝臓トグルを同定するガイドとして作
用し得る。図5に示すように、トグルは、Anc80L65において残基266、AAV
9において残基267、およびAAV5において残基257を表し、トグルを定義すると
、位置番号が関連していることが強調される。
他の血清型におけるAAV肝臓トグルの生成および試験
同様に、図15は、Anc80L65、AAV3B、およびAAV9血清型、ならびに
肝臓トグルの仮説を試験するために構築したバリアントのC末端におけるαトグル(ND
N)に方向づけられた、肝臓トグル領域の配列アラインメントである。Anc80L65
、AAV3B、およびAAV9、ならびに他のバリアントを、マウス(M)または霊長類
(P)の肝臓においてin vivoで試験した。このような血清型についてのマウス肝
臓形質導入効率は、最後の2列において「オン」または「オフ」により示す。完了した実
験についての表現型は、太字で示し、なお進行中の実験についての表現型は、イタリック
体で示す。
ル機能を異種血清型に移入すると同時に、肝臓トグル源血清型の所望の他の特徴を保持し
得る。図16では、このような残基に隣接する保存されたドメインを利用することによる
肝臓トグル領域の移植性を迅速かつ容易に試験する方法を記載する。この約100~11
0bpの領域の増幅またはde novo合成により、異種血清型への相同性特異的会合
が可能となる。
域スワップを列挙する。最後の2列では、この試験により決定したマウスおよび霊長類に
おけるin vivoでの肝臓トグル機能を太字で、または予想された肝臓トグル機能を
イタリック体で記載する。
トの生存率を試験すること、このようなバリアントのin vivoでの肝臓トグル「オ
ン」または「オフ」表現型を示唆することの両方でin vitroで役立つ。図18お
よび図19に説明するように、ベクター送達ルシフェラーゼ発現により判定すると、力価
について正規化した場合、改変バリアントのほとんどは、驚くべきことに、安定とはなら
ないまでも、いくらかの生存率を提示した。さらに、観察されたルシフェラーゼ活性の量
は、Anc80に相当する位置の肝臓オン「G」を有するこのようなバリアントが、肝臓
オフ「A」のこれらの同胞よりも高いRLU値を有したという点において、予想された肝
臓トグル表現型と適合した。
voで実証され、これは、AAV9において267位である。AAV9において、G26
7をAに変更すると、図20および図21に説明するように、生存中のルシフェラーゼシ
グナル、1細胞あたりのゲノムコピーおよび送達されたマーカー発現が、肝臓において桁
違いに低下する。さらに、他のトグル領域残基の変更の必要性は、トグル単独変異体AA
V9 G267Aに対する二重変異体AAV9 G267A S269Tの優れた能力に
より実証される。二重変異体は、肝臓「オフ」表現型を示すだけでなく、この結果は、心
臓および骨格筋への遺伝子送達の利点を示唆する。
ト肝臓モデルによるさらなる研究により、AAVによる肝臓遺伝子送達に影響する第2の
位置が同定され、本明細書において「肝臓トグル2」と呼んだ。このトグルは、Anc8
0足場の残基X1によりコードされ、Anc80L65の168位に対応する。
Tを2残基C末端に挿入するか(配列番号9)、または268位の残基をSからTに変更
するか、もしくは変更せずにGをA266の前に挿入するか(配列番号11)のいずれか
により、肝臓「オン」とすることができることを生存中のルシフェラーゼ発現により実証
する。肝臓「オフ」の予想は、このような後者2つのバリアントのA「オフ」挿入の適合
により観察される(配列番号10)。さらに、天然AAV3B肝臓トグル「オフ」領域を
、AAV9(配列番号14)およびAnc80L65(配列番号15)由来の肝臓トグル
「オン」領域とスワップすると、マウス肝臓形質導入も向上する。肝臓トグル「オフ」A
nc80L65 G266Aにおいてスワップすると、in vivoでのルシフェラー
ゼ発現が、この「オン」対応物Anc80L65と比較して低下する(配列番号16)。
所的状況を同定する。これは、AAV5を除くすべてのAAVの配列アラインメントによ
り容易に同定可能な、VP2のN末端に近い正荷電モチーフに位置し、このVP2 N末
端は、残基17~20個分短い。それにもかかわらず、すべての血清型は、この保存され
た隣接残基:残基2個分N末端のプロリンおよび残基1個分C末端のリジンに対する関連
性により肝臓トグル2を定義することができる。
では、実験により、野生型C57BL/6マウス、およびヒト肝臓異種移植マウスモデル
FRGのマウス肝細胞成分の両方におけるAnc80バリアントの濃縮を検索した。図2
6では、実験により、アカゲザル肝臓、FRG実験による相互的ヒト肝細胞、およびマイ
クロパターン共培養(MPCC)と呼ばれる技術を使用してin vitroで培養した
ヒト肝細胞におけるAnc80バリアントの濃縮を検索した。いずれの場合も、肝臓濃縮
されたバリアントが、付随するMAプロットから選択されると、肝臓トグルX3の適合性
が明らかとなった。加えて、X1位の適合性は明らかであり、ランク順に下位から上位ま
で濃縮が上昇するにつれて、バリアントによりトグル0=Kからトグル1=Rに切り替わ
った。このパターンは、X1位の肝臓トグル2は、X3位の肝臓トグルに依存しないが、
X3のトグルは、優位な位置であることを示唆する。
FR)に依存するという発見以来(Ling et al., 2010, Hum. Gen. Ther, 21(12): 1741-
1747)、臨床的に適合する血清型として好評を得ている。この発見以前は、この血清型は
、マウスにおけるこの不十分な肝臓送達能力のため、遺伝子治療では却下されていた。そ
れにもかかわらず、ほとんどの前臨床疾患モデルは、マウスにおいてであり、このような
マウスモデルは、例えば、効率、安全性の判定、および遺伝子治療薬の用量の決定におい
て重要な役割を果たす。AAV3Bが、所望の治療特性を保持すると同時に、マウスにお
ける肝臓送達能力が霊長類と同レベルまで向上するようにAAV3Bを改変することは、
産業にとって非常に有用である。AAV3Bは、Anc80と比較して、短縮されたVR
Iおよび肝臓トグル領域を有し、これにより、Anc80の266位に相当する位置とし
て残基を割り当てることが困難となっている(図14および図15を参照)。
変更により、機能喪失表現型がAAV3Bに生成され得る。所望の特性の改変において、
肝臓トグル領域全体を考察する必要性を強化して、AAV3Bにおける相当する位置のT
のAnc80への挿入と同時にA266のGへの変更、またはAnc80における相当す
るであろう位置におけるAもしくはGのいずれかの挿入により、Huh7細胞およびin
vivoにおいて、肝臓「オン」および「オフ」の両表現型を示すバリアントが生成さ
れる(図19および図22)。さらに、AAV3Bは、肝臓トグル領域スワップに良好な
耐容性を示すと考えられ、AAV9およびAnc80L65から肝臓「オン」肝臓トグル
領域を移入すると、このようなバリアントのHuh7およびin vivoでのマウス肝
細胞遺伝子送達が、AAV3B単独に対して向上する。肝臓「オフ」Anc80L65
G266A肝臓トグル領域を移入すると、この能力がバックグラウンドレベル付近まで低
下する(図19および図22)。重要なことには、GをG265とA266の間へ単一挿
入すると、肝臓におけるルシフェラーゼシグナルにより判定する場合、マウスにおいてA
AV9と同等の能力を有する、3Bをベースとする血清型が生成される(図22)。
本発明の方法および組成物は、いくつかの異なる態様とともに本明細書において記載さ
れているが、種々の態様についての前述の記載は、例示であり、本発明の方法および組成
物の範囲を制限しないことを意図することが理解されるべきである。他の態様、利点、お
よび修飾形態は、以下の特許請求の範囲内に存在する。
本発明の様々な実施形態を以下に示す。
1.アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの組織向性を変更する方法であって、
Anc80(配列番号1)のカプシドタンパク質における266位に対応するか、またはAnc80(配列番号1)のカプシドタンパク質における168位に対応する、AAVカプシドタンパク質内のアミノ酸位置を位置づけるステップと、
Anc80(配列番号1)の前記カプシドタンパク質における266位に対応する位置づけられた位置の天然に存在するアミノ酸を、グリシン(G)アミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVベクターの肝臓向性を向上させるか、もしくはアラニン(A)アミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVの肝臓向性を低下させるステップ、または
Anc80(配列番号1)の前記カプシドタンパク質における168位に対応する位置づけられた位置の天然に存在するアミノ酸を、アルギニン(R)アミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVベクターの肝臓向性を向上させるか、もしくはリジン(K)アミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVの肝臓向性を低下させるステップと
を含む、方法。
2.Anc80(配列番号1)の前記カプシドタンパク質における266位に対応する位置づけられた位置の天然に存在する前記アミノ酸をGアミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVベクターの肝臓向性を向上させるステップを含む、上記1に記載の方法。
3.Anc80(配列番号1)の前記カプシドタンパク質における266位に対応する位置づけられた位置の天然に存在する前記アミノ酸をAアミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVベクターの肝臓向性を低下させるステップを含む、上記1に記載の方法。
4.Anc80(配列番号1)の前記カプシドタンパク質における168位に対応する位置づけられた位置の天然に存在する前記アミノ酸をRアミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVベクターの肝臓向性を向上させるステップを含む、上記1に記載の方法。
5.Anc80(配列番号1)の前記カプシドタンパク質における168位に対応する位置づけられた位置の天然に存在する前記アミノ酸をKアミノ酸残基と置き換えて、得られるAAVの肝臓向性を低下させるステップを含む、上記1に記載の方法。
6.前記置き換えるステップが、部位特異的変異誘発を使用して実施される、上記1から5のいずれかに記載の方法。
7.前記置き換えるステップが、現存の、またはde novo合成したDNAの制限分解およびライゲーションにより実施される、上記1から6のいずれかに記載の方法。
8.前記置き換えるステップが、現存の、またはde novo合成したDNAの相同性による会合により実施される、上記1から7のいずれかに記載の方法。
9.前記位置づけるステップが、シーケンシングすることにより実施される、上記1から8のいずれかに記載の方法。
10.アデノ随伴ウイルス(AAV)の肝臓向性のレベルをスクリーニングする方法であって、
AAVカプシドタンパク質をコードする核酸をシーケンシングするステップと、
Anc80(配列番号1)のカプシドタンパク質における266位に対応する前記AAVカプシドタンパク質内のアミノ酸位置、またはAnc80(配列番号1)のカプシドタンパク質における168位に対応する前記AAVカプシドタンパク質内のアミノ酸位置を位置づけるステップと、
Anc80(配列番号1)の前記カプシドタンパク質における266位に対応する位置づけられた位置にGアミノ酸残基もしくはAアミノ酸残基を有するか、またはAnc80(配列番号1)の前記カプシドタンパク質における168位に対応する位置づけられた位置にRアミノ酸残基もしくはKアミノ酸残基を有する、AAVカプシドタンパク質を同定するステップと
を含み、Anc80(配列番号1)のカプシドタンパク質における266位に対応する位置づけられた位置のGアミノ酸残基、またはAnc80(配列番号1)のカプシドタンパク質における168位に対応する位置づけられた位置のRアミノ酸残基が、肝臓向性を示すAAVを示し、Anc80(配列番号1)のカプシドタンパク質における266位に対応する位置づけられた位置のAアミノ酸残基、またはAnc80(配列番号1)のカプシドタンパク質における168位に対応する位置づけられた位置のKアミノ酸残基が、肝臓向性をほとんど提示しないか、もしくはまったく提示しないAAVを示す、方法。
11.266位のX 3 が、GまたはAから選択され、168位のX 1 が、RまたはKから選択される、配列番号1[Anc80]に示す配列を有するアデノ随伴ウイルス(AAV)。
12.配列番号2[Anc80L65]、配列番号3[Anc80L65 G266A]、配列番号4[AAV9 G267A]、配列番号5[AAV9 G267A S269T]、配列番号6[AAV9 Anc80L65-VRI]、配列番号7[AAV9 Anc80L65 G266A-VRI]、配列番号8[AAV3B A266G]、配列番号9[AAV3B A266G S267 N268T]、配列番号10[AAV3B G265 A266A]、配列番号11[AAV3B G265 A266G]、配列番号12[AAV3B G265 A266A S268T]、配列番号13[AAV3B G265 A266G S268T]、配列番号14[AAV3B AAV9-VRI]、配列番号15[AAV3B Anc80L65-VRI]、配列番号16[AAV3B Anc80L65 G266A-VRI]、および配列番号17[Anc80L65 R168K]からなる群から選択される配列を有するアデノ随伴ウイルス(AAV)。
13.アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの組織向性を変更する方法であって、
AAVカプシドタンパク質内の図14に定義する肝臓トグル領域を位置づけるステップと、
天然に存在する肝臓トグル領域を、異種血清型由来の肝臓トグル領域またはde novo由来の配列と置き換えて、得られるAAVベクターの肝臓向性を向上させるか、または肝臓向性を低下させるステップと
を含む、方法。
14.異種またはde novo由来の前記肝臓トグル領域が、Anc80(配列番号1)のカプシドタンパク質における266位に対応するAAVカプシドタンパク質内の位置にGアミノ酸残基を含む場合、得られるAAVベクターの肝臓向性が、向上する、上記13に記載の方法。
15.異種またはde novo由来の前記肝臓トグル領域が、Anc80(配列番号1)のカプシドタンパク質における266位に対応するAAVカプシドタンパク質内の位置にAアミノ酸残基を含む場合、得られるAAVベクターの肝臓向性が、低下する、上記13に記載の方法。
Claims (7)
- 以下からなる群から選択されるカプシドタンパク質を含む、アデノ随伴ウイルス(AAV):
a)その肝臓トグル領域においてAAV3B-VR1(SQSGASNDN、配列番号58)を含む改変を含むAAV9カプシドタンパク質;
b)その肝臓トグル領域においてAAV3B-VR1(SQSGASNDN、配列番号63)を含む改変を含むAnc80L65カプシドタンパク質;
c)その肝臓トグル領域においてAAV9-VR1(NSTSGGSSNDN、配列番号62)を含む改変を含むAnc80L65カプシドタンパク質;及び
d)S268T改変を含むAAV3Bカプシドタンパク質。 - 前記カプシドタンパク質が、その肝臓トグル領域においてAAV3B-VR1(SQSGASNDN、配列番号58)を含む改変を含むAAV9カプシドタンパク質である、請求項1に記載のアデノ随伴ウイルス(AAV)。
- 前記カプシドタンパク質が、その肝臓トグル領域においてAAV3B-VR1(SQSGASNDN、配列番号63)を含む改変を含むAnc80L65カプシドタンパク質である、請求項1に記載のアデノ随伴ウイルス(AAV)。
- 前記カプシドタンパク質が、その肝臓トグル領域においてAAV9-VR1(NSTSGGSSNDN、配列番号62)を含む改変を含むAnc80L65カプシドタンパク質である、請求項1に記載のアデノ随伴ウイルス(AAV)。
- 前記カプシドタンパク質が、S268T改変を含むAAV3Bカプシドタンパク質である、請求項1に記載のアデノ随伴ウイルス(AAV)。
- アデノ随伴ウイルス(AAV)の組織向性を変更する方法であって、
a)AAV9カプシドタンパク質の肝臓トグル領域がAAV3B-VR1(SQSGASNDN、配列番号58)を含むように改変すること;
b)Anc80L65カプシドタンパク質の肝臓トグル領域がAAV3B-VR1(SQSGASNDN、配列番号63)を含むように改変すること;
c)Anc80L65カプシドタンパク質の肝臓トグル領域がAAV9-VR1(NSTSGGSSNDN、配列番号62)を含むように改変すること;又は
d)AAV3Bカプシドタンパク質の肝臓トグル領域がS268T改変を含むように改変すること;
を含む、方法。 - 請求項6に記載の方法によって作製された、アデノ随伴ウイルス(AAV)。
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