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JP7727239B2 - 偏光感受型光干渉断層撮影装置 - Google Patents
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JP7727239B2 - 偏光感受型光干渉断層撮影装置 - Google Patents

偏光感受型光干渉断層撮影装置

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JP7727239B2 JP2024212136A JP2024212136A JP7727239B2 JP 7727239 B2 JP7727239 B2 JP 7727239B2 JP 2024212136 A JP2024212136 A JP 2024212136A JP 2024212136 A JP2024212136 A JP 2024212136A JP 7727239 B2 JP7727239 B2 JP 7727239B2
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Description

本開示は、偏光感受型光干渉断層撮影装置に関する。
光干渉断層撮影法(Optical Coherence Tomography:OCT)は、主に、医療分野において眼球等の生体器官の断層撮影に用いられている。
特許文献1には、測定光側ファイバー、参照光側ファイバー、検出器側ファイバーの各々に偏光制御器が配置された偏光OCT装置が記載されている。
特開2015-130974号公報
本開示は、試料の偏光特性がよりよく反映された断層画像を取得することが可能な偏光感受型光干渉断層撮影装置を提供することを目的とする。
本開示(1)は、試料に照射された測定光の反射光と、参照用の参照光との干渉光から前記試料の偏光特性を表す信号を取得する偏光感受型光干渉断層撮影装置であって、
前記参照光の光路上に対向配置された2つの参照光用コリメータを備え、
前記参照光用コリメータにより前記参照光の光路長を調整する偏光感受型光干渉断層撮影装置である。
本開示(2)は、前記試料に照射する測定光の光路上に、前記測定光の偏光状態を調整する偏光制御素子を備える本開示(1)記載の偏光感受型光干渉断層撮影装置である。
本開示(3)は、光源からの光を、前記試料に照射する測定光と前記参照光とに分割するカプラ(1)を備え、前記測定光と前記参照光との強度比が60:40~95:5である本開示(1)又は(2)記載の偏光感受型光干渉断層撮影装置である。
本開示(4)は、前記干渉光を垂直偏光成分と水平偏光成分とに分割する偏光ビームスプリッタ、前記垂直偏光成分を検出する垂直偏光感受型検出器、及び、前記水平偏光成分を検出する水平偏光感受型検出器を備える本開示(1)~(3)のいずれかとの任意の組合せの偏光感受型光干渉断層撮影装置である。
本開示(5)は、光源からの光として、950~1400nmの範囲に中心波長を有する光を用いる本開示(1)~(4)のいずれかとの任意の組合せの偏光感受型光干渉断層撮影装置である。
本開示(6)は、波長掃引光源を備え、前記波長掃引光源からの光の波長掃引幅が100~200nmであり、繰り返し走査周波数が30~120kHzである本開示(1)~(5)のいずれかとの任意の組合せの偏光感受型光干渉断層撮影装置である。
本開示(7)は、使用者が対物レンズを備える部分を携帯しながら断層撮影を行うことが可能なように構成されている本開示(1)~(6)のいずれかとの任意の組合せの偏光感受型光干渉断層撮影装置である。
本開示(8)は、試料の偏光軸に合わせて前記干渉光の垂直偏光成分及び水平偏光成分を取得することが可能なように構成されている本開示(1)~(7)のいずれかとの任意の組合せの偏光感受型光干渉断層撮影装置である。
本開示(9)は、焦点距離が可変である焦点可変レンズを備える本開示(1)~(8)のいずれかとの任意の組合せの偏光感受型光干渉断層撮影装置である。
本開示(10)は、前記偏光感受型光干渉断層撮影装置が、前記参照光の光路上に、前記参照光用コリメータを有する光路長調整モジュールと、
前記測定光の反射光と前記参照光とを合波するカプラ(2)と、
前記測定光を平行光に変換する測定光用コリメータと、
前記試料に照射される測定光を走査する走査ミラーとを備え、
前記カプラ(1)と前記参照光用コリメータとの間の光路上に偏光制御素子を備えておらず、
前記2つの参照光用コリメータは、略一直線上に位置するように対向配置され、
前記参照光用コリメータは、角度及び/又は位置が可変であり、
前記光路長調整モジュールは、前記参照光用コリメータをそれぞれ保持する保持部材を備え、
前記保持部材は、前記参照光用コリメータの角度及び/又は位置の調整が可能なものである本開示(3)~(9)のいずれかとの任意の組合せの偏光感受型光干渉断層撮影装置である。
本開示(11)は、工業用である本開示(1)~(10)のいずれかとの任意の組合せの偏光感受型光干渉断層撮影装置である。
本開示によれば、試料の偏光特性がよりよく反映された断層画像を取得することが可能な偏光感受型光干渉断層撮影装置を提供することができる。
本開示のOCT装置の一例を示す模式図である。 光路長調整モジュールの一例を示す模式図である。 本開示のOCT装置の他の一例を示す模式図である。 実施例1で得られたOCT画像を示す図である。 実施例2で得られたOCT画像を示す図である。
以下、本開示を具体的に説明する。
本開示は、試料に照射された測定光の反射光と、参照用の参照光との干渉光から上記試料の偏光特性を表す信号を取得する偏光感受型光干渉断層撮影(偏光感受型OCT)装置であって、上記参照光の光路上に対向配置された2つの参照光用コリメータを備え、上記参照光用コリメータにより上記参照光の光路長を調整する偏光感受型OCT装置(以下、本開示のOCT装置ともいう。)に関する。
本開示のOCT装置は、参照光の光路上に対向配置された2つの参照光用コリメータを備え、当該コリメータにより参照光の光路長を調整するので、測定光と参照光との光路長を正確に一致させることが容易である。試料のサイズ、形状や撮影環境に応じて測定光の光路長が変化し得る場合であっても、その変化に合わせて参照光用コリメータにより参照光の光路長を調整することにより、測定光と参照光との光路長を容易に一致させることができる。その結果、試料の偏光特性がよりよく反映された断層画像を取得することが可能となる。
参照光用コリメータは、参照光の光路上に対向配置されるものであり、2つのコリメータが略一直線上に位置するように対向配置されることが好ましい。また、一方の(上流側の)コリメータから出射した光が他方の(下流側の)コリメータに入射するように対向配置されることが好ましい。また、下流側のコリメータはリバースモード(逆入力)で使用することが好ましい。
参照光用コリメータは、角度及び/又は位置が可変であることが好ましく、角度が可変であることがより好ましい。2つの参照光用コリメータは、互いに独立して角度及び/又は位置を変化させることが可能であることが好ましい。また、上記コリメータの動作により光路長を変化させることができるように、上記コリメータの間(対向する側)には光ファイバーが配置されていないことが好ましい。
上記のように構成することで、参照光用コリメータ間の光路長を容易に調整することができ、参照光の光路長を容易に調整することができる。
本開示のOCT装置は、参照光の光路上に、上述した参照光用コリメータを有する光路長調整モジュールを備えることが好ましい。
上記光路長調整モジュールは、参照光用コリメータを有していればよいが、例えば、上流側及び下流側のコリメータをそれぞれ保持する保持部材を備えることが好ましい。上記保持部材は、コリメータの角度及び/又は位置の調整が可能なものであることが好ましく、角度の調整が可能なものであることがより好ましく、2軸(X-Y)の角度調整が可能なものであることが更に好ましい。
各保持部材は、OCT装置の筐体に固定してもよく、光学ケージシステムのように、ロッド等の連結部材により互いに連結してもよい。
上記光路長調整モジュールは、更に、上記光路長調整モジュールに光ファイバーを接続する接続部材を備えてもよい。
このような光路長調整モジュールとしては、後述する図2に示されるものが例示できるが、これに限定されるものではない。
測定光及び参照光は、光源からの光から生じる。本開示のOCT装置は、光源を備えるものであってよい。
上記光源は、低コヒーレンス光源であってよく、時間的に周波数(波長)を変化させて走査する波長掃引光源(周波数走査光源)であることが好ましい。
上記波長掃引光源としては、波長掃引フィルタ(ポリゴンミラーによる駆動、ガルバノミラーによる駆動等)を用いた波長掃引レーザ、FDMLレーザ、MEMS波長掃引光源(MEMS VCSEL、外部共振器型MEMSファブリペローレーザ等)、SGDBRレーザ等を用いることができる。
波長掃引光源を用いる場合、光の波長掃引幅は100~200nmであることが好ましく、120nm以上であることがより好ましく、130nm以上であることが更に好ましく、また、180nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることが更に好ましい。
また、繰り返し走査周波数は30~120kHzであることが好ましく、40kHz以上であることがより好ましく、また、100kHz以下であることがより好ましく、80kHz以下であることが更に好ましく、60kHz以下であることが更により好ましい。
上記の構成により、奥行き方向(深さ方向)の分解能を向上させることができる。
光源からの光としては、可視光線、赤外線が挙げられ、近赤外線(NIR)が好ましい。光源からの光としては、800~2000nmの範囲に中心波長を有する光を用いることが好ましい。中心波長の範囲としては、950nm以上がより好ましく、また、1400nm以下がより好ましい。
中でも、奥行き方向(深さ方向)の分解能が向上する点で、1060±50nm、又は、1310±50nmを中心波長とする光が好ましく、1060±50nmを中心波長とする光がより好ましい。
本開示のOCT装置は、光源からの光を、試料に照射する測定光と参照用の参照光とに分割するカプラ(1)を備えることが好ましい。
カプラ(1)によって生じる測定光と参照光との強度比は、60:40~95:5であることが好ましく、70:30以上であることがより好ましく、80:20以上であることが更に好ましく、85:15以上であることが更により好ましく、また、92:8以下であることがより好ましい。
強度比を上記範囲内とすることで、試料への測定光の照射強度を高めることができ、OCTの感度を高めることができる。
本開示のOCT装置は、試料に測定光を照射するための対物レンズを備えるものであってよい。上記対物レンズは、試料に測定光を集光することが可能なレンズであれば限定されないが、横方向の分解能が向上する点で、短焦点レンズであることが好ましい。
また、奥行き方向の焦点を自由に操作することができ、解像度の高い断層画像が得られる点で、焦点距離が可変である焦点可変レンズであることも好ましい。
本開示のOCT装置は、試料に照射する測定光の光路上に、上記測定光の偏光状態を調整する偏光制御素子(以下、偏光制御素子(1)ともいう。)を備えることが好ましい。偏光制御素子(1)は、カプラ(1)と対物レンズとの間の光路上に設けられることが好ましい。
試料のサイズ、形状や撮影環境によっては、プローブ(対物レンズを備える部分)を様々な角度に動かして撮影する必要があり、それに応じて測定光を伝送する光ファイバーの曲がりが変化すると、測定光の偏光状態が変化することがある。
上述した参照光用コリメータとともに偏光制御素子(1)を備えることで、光ファイバーの曲がりに起因する測定光の偏光状態の変化をより正確に補償することができる。
偏光状態の調整は、例えば、OCT信号を観測して行うことができる。2つの直交する偏光方向の偏光OCT信号を観測し、画像中の偏光による縞模様の濃淡が互いに反転するように調整し、かつ、各縞模様の濃淡のコントラストが最大になるように調整することで、偏光感受型OCTに最適な偏光状態にすることができる。
偏光制御素子(1)は、OCT装置の筐体の外側に設けることもできる。このように構成することで、特に、プローブを携帯しながら撮影する際に、撮影する試料に応じた最適な偏光状態に調整することが容易になる。
カプラ(1)と参照光用コリメータとの間の光路上に偏光制御素子を設けることもできる。しかし、本開示のOCT装置では、参照光用コリメータによって光路長を調整することができるため、上記箇所に偏光制御素子を設ける必要はない。
試料に照射された測定光は、試料で反射されて反射光(試料光)となり、参照光用コリメータを通過した参照光と合波され、干渉光となる。
なお、本開示のOCT装置では、参照光用コリメータが参照面としても機能する。したがって、参照ミラー等の参照面を別途設ける必要はない。
本開示のOCT装置は、測定光の反射光と参照光とを合波するカプラ(2)を備えることが好ましい。この場合、参照光用コリメータは、カプラ(1)とカプラ(2)との間の参照光の光路上に設けられることが好ましい。
合波される測定光の反射光は、カプラ(1)を通過したものであってよい。
上記干渉光は、カプラ(2)によって2分割されて出射されてもよい。
参照光用コリメータとカプラ(2)との間の光路上、及び、カプラ(1)とカプラ(2)との間の測定光の光路上に、偏光制御素子(偏光制御素子(2)ともいう。)を設けてもよい。
本開示のOCT装置は、上記干渉光から試料の偏光特性を表す信号を取得する。本開示のOCT装置は、上記干渉光に基づく干渉信号を検出する検出器を備えることが好ましい。上記検出器は差動光検出器であることが好ましく、信号を増幅する機能を有していてもよい。また、増幅器を別途設けてもよい。
本開示のOCT装置は、上記干渉光を垂直偏光成分と水平偏光成分とに分割する偏光ビームスプリッタ、上記垂直偏光成分を検出する垂直偏光感受型検出器、及び、上記水平偏光成分を検出する水平偏光感受型検出器を備えることが好ましい。
このような構成とすることで、垂直・水平の両方の偏光成分からの情報を取得することができ、試料の偏光特性がよりよく反映された断層画像を取得することができる。
偏光ビームスプリッタは、カプラ(2)と垂直偏光感受型検出器又は水平偏光感受型検出器との間の光路上に設けられることが好ましい。
また、偏光ビームスプリッタは、カプラ(2)によって2分割された干渉光のそれぞれの光路上に設けられることが好ましい。
カプラ(2)と偏光ビームスプリッタとの間の光路上に、偏光制御素子(偏光制御素子(3)ともいう。)を設けてもよい。
本開示のOCT装置において採用し得る干渉計としては、特に限定されず、マイケルソン干渉計、マッハツェンダー干渉計等が挙げられる。
本開示のOCT装置において採用し得るOCTの種類としては、時間領域OCT(Time Domain OCT: TD-OCT)、フーリエ領域OCT(Fourier Domain OCT: FD-OCT)等を挙げることができる。FD-OCTとしては、スペクトル領域OCT(Spectral Domain OCT:SD-OCT)、周波数走査OCT(Swept Source OCT:SS-OCT)等が挙げられる。なかでも、感度が高く、計測可能深さが深い点で、SS-OCTが好ましい。
本開示のOCT装置は、更に、測定光を平行光に変換する測定光用コリメータを備えることが好ましい。測定光用コリメータは、光源と対物レンズとの間の光路上に設けられることが好ましく、カプラ(1)と対物レンズとの間の光路上に設けられることがより好ましく、偏光制御素子(1)と対物レンズとの間の光路上に設けられることが更に好ましい。
測定光用コリメータとしては、横方向の分解能が向上する点で、径の大きいコリメートレンズを使用することが好ましい。測定光用コリメータの直径は、例えば、2mm以上であることが好ましく、4mm以上であることがより好ましく、また、プローブの携帯性の観点で、12mm以下であることが好ましい。
本開示のOCT装置は、更に、試料に照射される測定光を走査する走査ミラーを備えることが好ましい。上記走査ミラーは、光源と対物レンズとの間の光路上に設けられることが好ましく、カプラ(1)と対物レンズとの間の光路上に設けられることがより好ましく、測定光用コリメータと対物レンズとの間の光路上に設けられることが更に好ましい。
上記走査ミラーとしては、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、MEMSミラー等が挙げられる。なかでもガルバノミラーが好ましく、1軸又は2軸のガルバノミラーがより好ましく、2軸のガルバノミラーが更に好ましい。
本開示のOCT装置は、更に、上記走査ミラーを駆動するための駆動装置を備えることが好ましい。
本開示のOCT装置は、更に、測定光及び参照光による干渉信号を収集するデータ収集(DAQ)装置を備えることが好ましい。上記DAQ装置は、A/Dコンバータを含むことが好ましい。上記DAQ装置は、収集した干渉信号をデジタルデータに変換することが好ましい。
本開示のOCT装置は、更に、測定光及び参照光の干渉信号に基づく光干渉断層画像を生成する演算装置を備えることが好ましい。上記演算装置は、干渉信号を強度等の特性に応じて画像化することにより、光干渉断層画像を生成する。
本開示のOCT装置は、更に、得られた光干渉断層画像を表示する表示装置を備えることが好ましい。上記表示装置は、据え置き型であっても携帯型であってもよいが、携帯型であれば、撮影現場で画像を確認することができるので好ましい。また、上記演算装置との接続は有線でも無線でもよい。上記表示装置は1つでも、複数でもよい。
本開示のOCT装置において、光が入射又は出射する装置又は部材は、光ファイバーにより接続されていてよい。上記光ファイバーとしては、シングルモードファイバー(SMF)が好ましく用いられる。上述した偏光ビームスプリッタに入射する光ファイバー(カプラ(2)と偏光ビームスプリッタとの間の光路を形成する光ファイバー)は、偏波保持ファイバー(PFM)であってもよい。
本開示のOCT装置の一例を図1に示すが、本開示のOCT装置はこれに限定されるものではない。
図1のOCT装置100において、波長掃引光源101は、OCTに使用する光を出力する。波長掃引光源101は、周波数走査の開始ごとにトリガー信号を出力する。また、マッハツェンダー干渉計によって光を検出し、周波数等間隔のサンプリングのためのKクロック信号を出力する。
波長掃引光源101から出力された光は、光ファイバー102を通り、カプラ103において、試料に照射する測定光と参照用の参照光とに90:10の強度比にて分割される。
測定光は数メートルの長さの光ファイバー104を通じてプローブ106に伝送される。光ファイバー104には、測定光の偏光状態の変化を補償する偏光制御素子105が設けられている。
プローブ106において、測定光はコリメータ107により平行光に変換された後、ガルバノミラー108により反射されて、対物レンズ109に入射する。ガルバノミラー108は、ガルバノミラードライバ(図示せず)により駆動され、上記平行光を、光軸に垂直なXY方向に走査する。対物レンズ109に入射した平行光は、撮影対象である試料110に集光され、試料面において反射して反射光(試料光)として同じ光路を通ってカプラ103に戻り、光ファイバー111に出射され、偏光制御素子112を通過してカプラ118に入射する。
一方、カプラ103から出射した参照光は、光ファイバー113を通って上流側の光路長調整モジュール114が備えるコリメータ115を通過して平行光となる。上記平行光は、下流側の光路長調整モジュール114が備えるリバースモードのコリメータ115を通過して光ファイバー116に導光される。
上流側及び下流側の光路長調整モジュール114は、それぞれコリメータ115を備え、2つのコリメータ115が対向するように配置される。光路長調整モジュール114の模式図を図2に示す。光路長調整モジュール114は、2軸(X-Y)の角度調整が可能なようにコリメータ115を保持する角度調整ホルダー114aと、角度調整ホルダー114aを筐体に固定するための固定部材114bと、光ファイバー113又は116を接続するファイバーコネクター114cとを備える。角度調整ホルダー114aを動かしてコリメータ115の角度を調整することにより、参照光の光路長を調整することができる。
なお、図2では角度調整ホルダー114aを固定部材114bによって筐体に固定しているが、固定部材114bを用いずに、複数本のスチール製ロッドで上流側及び下流側の角度調整ホルダー114aを連結して光学ケージシステムを構成してもよい。
下流側の光路長調整モジュール114から出射した参照光は、光ファイバー116を通り、偏光制御素子117を通過してカプラ118に入射し、試料光と合波されて干渉光となる。
干渉光は、カプラ118によって2分割され、一方は光ファイバー119を通って偏光制御素子120を通過して偏光ビームスプリッタ121に入射し、他方は光ファイバー124を通って偏光制御素子125を通過して偏光ビームスプリッタ126に入射する。
偏光ビームスプリッタ121及び126に入射した干渉光は水平偏光成分と垂直偏光成分とに分割され、水平偏光成分は光ファイバー122及び127を通って水平偏光感受型検出器129に入射し、垂直偏光成分は光ファイバー123及び128を通って垂直偏光感受型検出器130に入射する。
水平偏光感受型検出器129及び垂直偏光感受型検出器130は、それぞれ干渉光の水平偏光成分及び垂直偏光成分に基づく干渉信号を検出する。
検出された干渉信号は、制御部(図示せず)が備えるDAQ装置(A/Dコンバータ)(図示せず)により収集され、デジタルデータに変換される。干渉信号の収集は、波長掃引光源101が発するトリガー信号によって開始され、Kクロック信号に同期して行われる。
制御部が備える演算装置は、DAQ装置により変換された干渉信号に基づいて、試料110の光干渉断層画像を生成し、モバイルディスプレイ(図示せず)に表示する。
本開示のOCT装置は、使用者が対物レンズを備える部分を携帯しながら断層撮影を行うことが可能なように構成されていることが好ましい。このように対物レンズを備える部分を携帯型にすることで、試料のサイズや形状に応じて様々な位置、角度から撮影を行うことができる。また、試料の偏光軸に合わせて干渉光の垂直偏光成分及び水平偏光成分を取得することもできる。
対物レンズを備える部分を携帯型にした場合、撮影時に測定光の光路長が変化しやすくなるが、本開示のOCT装置は、参照光用コリメータにより参照光の光路長を調整できるので、試料の偏光特性がよりよく反映された断層画像を取得することができる。
上記対物レンズを備える部分は、例えばOCT装置のプローブであり、対物レンズに加えて、測定光用コリメータ、走査ミラー等を備えることが好ましい。
本開示のOCT装置は、使用者が対物レンズを備える部分を手に持って断層撮影を行うことが可能なように構成されていることが好ましく、使用者が対物レンズを備える部分を片手に持って断層撮影を行うことが可能なように構成されていることがより好ましい。
本開示のOCT装置は、対物レンズを備える部分以外に、断層撮影時に使用者が携帯することが可能な部分を備えていてもよい。当該部分としては、例えば、表示装置が挙げられる。
本開示のOCT装置においては、携帯される対物レンズを備える部分と、携帯されない部分とが光ファイバーを介して接続されており、測定光及びその反射光(試料光)が上記光ファイバーを通じて伝送されることが好ましい。この態様においては、撮影対象が上記携帯されない部分から離れた場所にある場合でも、上記光ファイバーの長さを調整することで、上記対物レンズを備える部分を撮影対象の近傍に位置させて断層撮影することができる。また、光ファイバーを用いる有線型であるため、携帯されない部分から離れた場所にある撮影対象に対しても、高分解能のOCT計測を実施することができる。
上記光ファイバーの長さは特に限定されず、撮影対象のある場所に応じて決定することができるが、例えば、0.5m以上であってよく、1m以上であることが好ましい。また、5m以下であってよく、3m以下であることが好ましい。
上記範囲内とすることで、OCT装置本体(筐体)に配置された機器(偏光制御素子等)を操作しながら、対物レンズを備える部分を携帯して断層撮影を行うことが容易になる。
上記携帯されない部分は、例えば、OCT装置本体(筐体)であり、光源、偏光制御素子、参照光用コリメータ、検出器、DAQ装置、演算装置等を備えることが好ましい。
上記対物レンズを備える部分以外に携帯される部分がある場合、当該部分と上記対物レンズを備える部分又は上記携帯されない部分との接続は、必ずしも光ファイバーによる接続に限定されず、例えば電線による接続であってもよい。
本開示のOCT装置は、試料の偏光軸に合わせて干渉光の垂直偏光成分及び水平偏光成分を取得することが可能なように構成されていることが好ましい。これにより、試料の偏光特性がよりよく反映された断層画像を取得することができる。
上記の構成は、例えば、対物レンズを備える部分(プローブ)を携帯型にすることで、実現できる。
本開示のOCT装置の他の一例(対物レンズを備える部分を携帯型にした例)を図3に示すが、本開示のOCT装置はこれに限定されるものではない。
図3において、使用者201は、OCT装置のプローブ202を片手に携帯している。プローブ202は、光ファイバー203を介してOCT装置の筐体204と接続されている。
筐体204には、光源、偏光制御素子、参照光用コリメータ、ガルバノミラードライバ、検出器、DAQ装置、演算装置等が格納されている。また、筐体204の外部には測定光用の偏光制御素子205が設置されており、断層撮影の際に使用者201が操作することができる。
本開示のOCT装置は、分野を問わず、偏光感受型光干渉断層撮影全般に好適に用いることができる。特に、多種多様な試料を撮影対象とし、試料や撮影環境に応じて測定光の光路長が変化しやすい分野、例えば、理化学分野や工業分野において好適に用いることができる。
本開示のOCT装置は、理化学用又は工業用であることが好ましく、工業用であることがより好ましい。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
次に実施例を挙げて本開示を更に詳しく説明するが、本開示はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
図1に示す構成を有する偏光感受型OCT装置を用いて、株式会社トンボ鉛筆製スティックのり(消えいろピットN、PT-NC)の蓋の側面部をOCT撮影した。
OCT光源として、Excelitas社製高速波長掃引光源(中心波長:1060nm、掃引幅:140nm、繰り返し走査周波数:50kHz)を用い、参照用コリメータとして、Thorlabs社製F280APC-1064をコリメータ用アダプター(Thorlabs社製AD1109)に繋ぎ、キネマティックマウント(Thorlabs社製KC05-T/M)に保持したものを2組対向配置した。
上記OCT撮影により、水平方向に振動する光波(P偏光波)に基づくサンプル画像、及び、垂直方向に振動する光波(S偏光波)に基づくサンプル画像を取得した。ノイズ除去のため全てのサンプル画像に対してガウシアンフィルタをかけた。P偏光波及びS偏光波のそれぞれのサンプル画像から、バックグラウンド情報(BG画像)を除去し、P偏光波画像及びS偏光波画像を得た。
得られたP偏光波画像及びS偏光波画像の全てのピクセルに対して下記式による処理を行い、位相差画像を生成した。
(式中、I(x,z)及びI(x,z)は、それぞれバックグラウンド情報を除去したP偏光波及びS偏光波の干渉信号を表す。)
得られたP偏光波画像、S偏光波画像及び位相差画像を、それぞれ図4(a)、(b)及び(c)に示す。
画像には試料特有の干渉縞が見られ、試料の偏光特性がよく反映されていた。
実施例2
実施例1と同じ偏光感受型OCT装置を用いて、微細パターンNBS 1963A分解能(解像度)テストターゲット(Thorlabs社製R2L2S1P1)のOCT撮影を行った。得られたOCT画像を図5に示す。
数μm程度まで明瞭に識別できており、横方向の高い分解能が得られた。
100:OCT装置
101:波長掃引光源
102、104、111、113、116、119、122、123、124、127、128:光ファイバー
103、118:カプラ
105、112、117、120、125:偏光制御素子
106:プローブ
107:コリメータ
108:ガルバノミラー
109:対物レンズ
110:試料
114:光路長調整モジュール
114a:角度調整ホルダー
114b:固定部材
114c:ファイバーコネクター
115:コリメータ
121、126:偏光ビームスプリッタ
129:水平偏光感受型検出器
130:垂直偏光感受型検出器
201:使用者
202:プローブ
203:光ファイバー
204:筐体
205:偏光制御素子

Claims (10)

  1. 試料に照射された測定光の反射光と、参照用の参照光との干渉光から前記試料の偏光特性を表す信号を取得する偏光感受型光干渉断層撮影装置であって、
    前記参照光の光路上に対向配置された2つの参照光用コリメータと、
    光源からの光を、前記試料に照射する測定光と前記参照光とに分割するカプラ(1)を備え、
    前記参照光用コリメータにより前記参照光の光路長を調整し、
    前記参照光用コリメータは、角度が可変であり、
    前記測定光と前記参照光との強度比が60:40~95:5である偏光感受型光干渉断層撮影装置。
  2. 前記試料に照射する測定光の光路上に、前記測定光の偏光状態を調整する偏光制御素子を備える請求項1記載の偏光感受型光干渉断層撮影装置。
  3. 前記干渉光を垂直偏光成分と水平偏光成分とに分割する偏光ビームスプリッタ、前記垂直偏光成分を検出する垂直偏光感受型検出器、及び、前記水平偏光成分を検出する水平偏光感受型検出器を備える請求項1又は2記載の偏光感受型光干渉断層撮影装置。
  4. 光源からの光として、950~1400nmの範囲に中心波長を有する光を用いる請求項1又は2記載の偏光感受型光干渉断層撮影装置。
  5. 波長掃引光源を備え、前記波長掃引光源からの光の波長掃引幅が100~200nmであり、繰り返し走査周波数が30~120kHzである請求項1又は2記載の偏光感受型光干渉断層撮影装置。
  6. 使用者が対物レンズを備える部分を携帯しながら断層撮影を行うことが可能なように構成されている請求項1又は2記載の偏光感受型光干渉断層撮影装置。
  7. 試料の偏光軸に合わせて前記干渉光の垂直偏光成分及び水平偏光成分を取得することが可能なように構成されている請求項1又は2記載の偏光感受型光干渉断層撮影装置。
  8. 焦点距離が可変である焦点可変レンズを備える請求項1又は2記載の偏光感受型光干渉断層撮影装置。
  9. 前記偏光感受型光干渉断層撮影装置は、前記参照光の光路上に、前記参照光用コリメータを有する光路長調整モジュールと、
    前記測定光の反射光と前記参照光とを合波するカプラ(2)と、
    前記測定光を平行光に変換する測定光用コリメータと、
    前記試料に照射される測定光を走査する走査ミラーとを備え、
    前記カプラ(1)と前記参照光用コリメータとの間の光路上に偏光制御素子を備えておらず、
    前記2つの参照光用コリメータは、略一直線上に位置するように対向配置され、
    前記参照光用コリメータは、更に位置が可変であり、
    前記光路長調整モジュールは、前記参照光用コリメータをそれぞれ保持する保持部材を備え、
    前記保持部材は、前記参照光用コリメータの角度及び/又は位置の調整が可能なものである請求項1又は2記載の偏光感受型光干渉断層撮影装置。
  10. 工業用である請求項1又は2記載の偏光感受型光干渉断層撮影装置。
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