JP7728664B2 - 低温焼付け対応レジストインキ - Google Patents
低温焼付け対応レジストインキInfo
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Description
日本国内では交通系のICカードに使用されたり、商品や食品に電子情報を登録したRFタグを貼り、専用のリーダーで内容を読み込んで商品管理に活用する等、年々その需要は拡大しつつある。これらの方式は専用のICタグを使用しており、このICタグ製造時にレジストインキが使用される。
ICタグは一般的に金属箔にレジストインキで回路パターンとなるコイル状のマスキング印刷を行い、必要に応じて印刷部の紫外線硬化や熱硬化を経て、酸性のエッチング液に浸漬させ回路パターンとして不要な部分をエッチング除去しコイルを作成し、必要とされる回路パターンを作成する(例えば、特許文献1:特開2015-65384)。
またエッチングの際のレジストとなる印刷皮膜を熱硬化するタイプでは、通常オーブンを用いて130℃~150℃の焼付けを要する事から、省エネ・コスト削減の観点から、焼付け温度の低温化が望まれている。一方でオーブン温度が低温であっても回路となる金属箔との密着性、及び耐酸性エッチング性を兼備できる低温焼付け対応レジストインキが公開されている(例えば、特許文献1:WO2017/073309A1)。
焼付け温度を下げると、基材の金属箔と印刷皮膜の密着性が低下する傾向にあり、例えば酸性エッチング工程にて耐酸性エッチング性が低下する弊害が発生する傾向が見られる上、さらにアルカリ液でレジストインキ被膜を剥離する工程においてはアルカリ可溶性も兼備する事が望まれる。オーブン温度90~120℃の低温条件下においても、金属箔との密着性、耐酸性エッチング性、及びアルカリ可溶性を兼備する事が低温焼付け対応レジストインキに望まれるものであり、前記従来技術では密着性、レジスト皮膜の強度の目安となる耐スクラッチ性、耐酸性エッチング性、及びアルカリ可溶性を兼備するに決して十分であるとは言えない。
前記レジストインキが低温焼付け対応レジストインキであり、金属箔への印刷されたインキ量が約0.5~3g/m2であることを特徴とするレジスト印刷物の製造方法を提供する。
尚、前記の「低温焼付け」の為の温度領域としては、一般的焼付けオーブン温度130~150℃に対して、90~120℃の領域を示す。
本発明で使用するアクリル樹脂としては、重量平均分子量1500~50000、ガラス転移温度60~90℃、且つ酸価が70~250mgKOH/gである事を必須とする。
重量平均分子量が1500以上であればアルカリ可溶性を保ちつつ、密着性、耐酸性も保持される傾向となる。重量平均分子量が50000以下であれば、アルカリ可溶性を保ちつつ耐酸性が保持でき、レジストインキとしての粘度調整や分散性が好適に保持される傾向となる。
また、ガラス転移温度が60℃以上であればアルカリ可溶性を保ちつつ、密着性、耐スクラッチ性、耐酸性も保持される傾向となる。ガラス転移温度が250℃以下であれば、レジストインキの硬化被膜のひび割れを抑制できる傾向となる。
また、酸価が70mgKOH/g以上であれば、アルカリ可溶性を保ちつつ、密着性、及び特に90℃と言った低温焼付け条件下での耐酸性も保持される傾向となる。
酸価が250mgKOH/g以下であれば、アルカリ可溶性を保ちつつ、密着性、耐酸性も保持される傾向となる。
本発明の低温焼付け対応レジストインキは、ポリエステルポリカルボン酸を含有する事を必須とする。
前記ポリエステルポリカルボン酸は、例えば、多塩基酸類と、多価アルコールとの反応により得ることができる。
多塩基酸類としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、その他の脂肪族ジカルボン酸(炭素数11~13)、水添ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ダイマー酸、ヘット酸などのジカルボン酸、および、それらジカルボン酸のアルキルエステルが挙げられる。
更に、多塩基酸類には、上記例示のカルボン酸などから誘導される酸ハライド、例えば、シュウ酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、セバチン酸ジクロライドなどが含まれる。
多価アルコールとしては、例えば、ヒドロキシル基を2つ有するジオール、ヒドロキシル基を3つ以上有するポリオールが挙げられる。
ジオールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,18-オクタデカンジオールなどのC2-22アルカンジオール、例えば、2-ブテン-1,4-ジオール、2,6-ジメチル-1-オクテン-3,8-ジオールなどのアルケンジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられる。
また、ジオールとして、例えば、レゾルシン、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、これらビスフェノール類のC2-4アルキレンオキサイド付加体などの芳香族ジオールが挙げられる。
ヒドロキシル基を3つ以上有するポリオールとして、例えば、グリセリン、2-メチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジヒドロキシ-3-ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2-メチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)ペンタン、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-3-ブタノールおよびその他の脂肪族トリオール(炭素数8~24)などのトリオール、例えば、テトラメチロールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、D-ソルビトール、キシリトール、D-マンニトール、D-マンニットなどのヒドロキシル基を4つ以上有するポリオールなどが挙げられる。
そして、ポリエステルポリカルボン酸は、多塩基酸類と多価アルコールとを、多塩基酸類の酸基(カルボキシル基、カルボン酸エステル、酸無水物基、酸ハライド)が多価アルコールのヒドロキシル基より過剰となる割合(COOH/OHが1.0を超過する割合、好ましくは、1.01~2.10の割合)で配合して、それらをエステル化反応させることにより、得ることができる。
本発明の低温焼付け対応レジストインキに用いる着色顔料としては、一般のインキ、塗料、及び記録剤などに使用されている無機顔料、有機顔料を挙げることができる。有機顔料としては、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。また未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。以下に有機顔料として好ましいものの具体的な例を挙げる。
藍色顔料としてC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、
緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、
赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド166、
紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、
黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、
橙色顔料としてC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、
等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも一種または二種以上を使用することが好ましい。
また前記酸化チタンの平均粒径としては、100~500nmのものを使用することが好ましく、150~400nmのものを使用することがより好ましい。平均粒径が100nm以下であると分散安定性はより実現し易くなるものの、白色度が低下しカラーICチップ向けとして彩色制御がしにくい一方、平均粒径が500nm以上になるとインキ塗膜の平滑性や見た目の光沢性が低下する傾向にある。粒径について実用的には200~300nmが更により好ましい。
なお原料としての酸化チタンの平均粒径は電子顕微鏡写真により20個の粒径測定を行って平均をとったものとする。
なお、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)Mwの測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR-Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0重量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
また、ガラス転移温度(Tg)の測定は、示差走査熱量計(株式会社TAインスツルメント製「DSC Q100」)を用い、窒素雰囲気下、冷却装置を用い温度範囲-80~450℃、昇温温度10℃/分の条件で走査を実施した。
アクリル樹脂、及びポリエステルポリカルボン酸の酸価については、各々固形分1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数を示すものであり、JIS K2501に準じた水酸化カリウム・エタノール溶液による電位差滴定から算出した。
重量平均分子量36,000、ガラス転移温度80℃、酸価102mgKOH/gである市販品のアクリル樹脂(A)を60部、ルチル型硫酸法酸化チタン(平均粒子径0.27μm 吸油量23)を7部、ポリエステルポリカルボン酸を0.4部、トルエン11部、メチルエチルケトン12.5部、イソプロピルアルコール9部、フッ素変性シリコーン消泡剤0.1部の計100部を混合攪拌し白色レジストインキを作製した。
得られたレジストインキに、前記トルエン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(質量比で50/30/20の混合液)を更に加え、粘度がザーンカップ#3(離合社製)で18秒(25℃)に調整し、金属箔(サイズ:縦20cm×横10cm)に、ヘリオダイレクト彫刻グラビア凹版(225線/inch)を備えたグラビア校正機を用い、塗膜量が2.7g/m2になる様、全面ベタで2度刷りを行った。
表1~6に示す組成配合により、実施例2~20と比較例1~9について、実施例1と同様にレジストインキを作成し粘度調整した後、同じ要領で金属箔にベタ刷りを行った。
実施例6~10については、アクリル樹脂(A)の代わりに、重量平均分子量12,500、ガラス転移温度73℃、酸価213mgKOH/gである市販品のアクリル樹脂(B)を60部添加した。
実施例11~15については、アクリル樹脂(A)の代わりに、重量平均分子量8,500、ガラス転移温度65℃、酸価105mgKOH/gである市販品のアクリル樹脂(C)を60部添加した。
実施例16~20については、酸化チタンの代わりに藍顔料(フタロシアニン ピグメントブルー15:4)を7部添加し、藍色レジストインキを作製した。
比較例1は、ポリエステルポリカルボン酸を無添加とした。
比較例2~5については、アクリル樹脂(A)の代わりに、重量平均分子量8,100、ガラス転移温度50℃、酸価53mgKOH/gである市販品のアクリル樹脂(D)を60部添加した。
比較例6~9については、アクリル樹脂(A)の代わりに、重量平均分子量1,700、ガラス転移温度56℃、酸価238mgKOH/gである市販品のアクリル樹脂(D)を60部添加した。
レジストインキをベタ刷りした金属箔を90℃、及び120℃にて6分間オーブン加熱(楠本化成製 環境試験機 HISPEC HT310)した後、常温(25℃)で2時間放置後、90℃、及び120℃焼付け処理した各々について、印刷面にセロハンテープ(ニチバン製)を貼り付け、これを急速に剥がしたときのレジスト印刷皮膜の外観の状態を目視判定した。なお判定基準は次の4段階とした。
◎:レジスト皮膜が全く剥がれなかった。
○:レジスト皮膜の70%以上~90%が金属箔に残った。
△:レジスト皮膜の50%以上~70%未満が金属箔に残った。
×:レジスト皮膜の50%以下が金属箔に残った。
レジストインキをベタ刷りした金属箔を90℃、及び120℃にて6分間オーブン加熱(楠本化成製 環境試験機 HISPEC HT310)した後、常温(25℃)で2時間放置後、90℃、及び120℃焼付け処理した各々について、爪で10回擦ったときのレジスト印刷皮膜の外観の状態を目視判定した。なお判定基準は次の4段階とした。
◎:レジスト皮膜が全く剥がれなかった。
○:レジスト皮膜の70%以上~90%が金属箔に残った。
△:レジスト皮膜の50%以上~70%未満が金属箔に残った。
×:レジスト皮膜の50%以下が金属箔に残った。
耐酸性トレーに濃度9%塩酸液を液温25℃で保管し、レジストインキをベタ刷りした後、前記90℃、及び120℃焼付け処理した金属箔を1時間浸漬後、引上げ水洗しレジスト印刷皮膜の外観の状態を、下記判定基準の4段階にて目視判定した。
◎:レジスト皮膜が全く剥がれなかった。
○:レジスト皮膜の70%以上~90%が金属箔に残った。
△:レジスト皮膜の50%以上~70%未満が金属箔に残った。
×:レジスト皮膜の50%以下が金属箔に残った。
濃度1%の水酸化ナトリウム液を25℃で用意し、レジストインキをベタ刷りした後、前記90℃、及び120℃焼付け処理した金属箔を各々5分間浸漬後、引き上げ水洗し、レジスト印刷皮膜の剥がれ状態を下記判定基準の4段階にて目視判定した。
◎:レジスト皮膜が全て剥がれた。
○:レジスト皮膜の70%以上~90%が剥がれた。
△:レジスト皮膜の50%以上~70%が剥がれた。
×:レジスト皮膜の50%以下が剥がれた。
Claims (5)
- アクリル樹脂、着色顔料、及びポリエステルポリカルボン酸を含有するレジストインキであって、前記アクリル樹脂の重量平均分子量が1500~50000、ガラス転移温度60~90℃、且つ酸価が70~250mgKOH/gであり、前記着色顔料をインキ固形分全量の3~15質量%含有し、
前記ポリエステルポリカルボン酸が、アジピン酸とヒドロキシル基を3つ以上有するポリオールであるトリメチロールプロパンとの反応物であることを特徴とする低温焼付け対応レジストインキ。 - 前記ポリエステルポリカルボン酸に対する前記着色顔料の質量比率が1:20~1:2の範囲である請求項1に記載の低温焼付け対応レジストインキ。
- 前記ポリエステルポリカルボン酸の酸価が、1~150mgKOH/gの範囲である請求項1又は2に記載の低温焼付け対応レジストインキ。
- 前記着色顔料が酸化チタンである請求項1~3の何れか1つに記載の低温焼付け対応レジストインキ。
- 金属箔にレジストインキで印刷を行う工程と、印刷する事で形成したレジストインキの皮膜を80℃以上に加熱硬化させる工程と、硬化したレジストインキ被膜の上から酸性エッチング液でエッチングする工程と、アルカリ液でレジストインキ被膜を剥離する工程とをこの順に有するレジスト印刷物の製造方法であって、
前記レジストインキが請求項1~4の何れか1つに記載の低温焼付け対応レジストインキであり、金属箔への印刷されたインキ量が0.5~3g/m2であることを特徴とするレジスト印刷物の製造方法。
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