JP7729071B2 - ポリエステル太細マルチフィラメント - Google Patents
ポリエステル太細マルチフィラメントInfo
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Description
本発明は、工程通過性に優れた、糸長手方向に太細を有し、濃淡コントラストの大きい杢調を表現でき、かつソフトな風合いを有する織編物を与え得るポリエステル太細マルチフィラメント糸を提供することにある。
(1)金属スルホネート基を含有するイソフタル酸成分をポリエステルの全ジカルボン酸に対して0.6~2.5モル%含有しており下記A~Bを満足することを特徴とするポリエステル太細マルチフィラメント。
A.単糸繊度0.40~1.2dtex
B.マルチフィラメント長手方向の繊度斑に由来するウースター波形の繊度変動ベースラインからの繊度変動率幅40%以上の繊度変動ピーク個数(N40)の平均値が3~17個/m
(2)破断強度が1.8~2.5cN/dtex、タフネスが19.0以上であることを特徴とする(1)に記載のポリエステル太細マルチフィラメント。
(3)マルチフィラメント長手方向の繊度斑に由来するウースター太細斑が5~16%であることを特徴とする(1)に記載のポリエステル太細マルチフィラメント。
(4)マルチフィラメント長手方向の繊度斑に由来するウースター波形の繊度変動ベースラインからの繊度変動率幅20%以上の繊度変動ピークの個数(N20)の変動係数CV%が12%以下であることを特徴とする(1)に記載のポリエステル太細マルチフィラメント。
SI成分の含有量が0.6モル%未満では、十分な発色鮮明性が得られず、杢調も濃淡コントラストが小さくなる。また、SI成分の含有量が2.5モル%を超える場合、マルチフィラメントの太細斑に関係なく均一に染まるため、杢調が目立たなくなる上に、マルチフィラメントの機械的特性(強度等)が低下する。SI成分の含有量は好ましくは1.0~2.0モル%である。
T=S×E1/2
タフネスが19.0以上であると、織編物にした際の布帛強度が衣料用途レベルであり高次加工性が良好である。
(1+定応力伸長領域伸度A(%)/100)×α倍 ・・・ (2)
(α:延伸倍率における係数)
また、本発明のポリエステル太細マルチフィラメントは、本発明の目的を逸脱しない範囲で、不均一延伸した後に加熱型ローラーなどを用いて熱セットしても良い。
チップ、繊維試料を、蛍光X線分析装置((株)リガク製 ZSX-100e)を用い、元素を分析した。S元素量にS成分の分子量を乗ずることで算出した。
チップ状のポリマーを真空乾燥機によって、水分率150ppm以下とし、メルトインデクサー(立山科学工業社製 L225-41)を用いて溶融粘度を測定した。なお、測定温度は紡糸温度と同様290℃、荷重は1000g、測定距離は2.54cm、オリフィス内径は0.2095cm、オリフィス長は0.8000cm、ピストン径は0.9478cmとし、窒素雰囲気下で測定を行った。
後述するウースター糸むら試験機を用いて25秒間測定を実施し、得られたウースター波形チャート(糸長10m分相当)の繊度変動率最低値をベースライン(図3のC)とする。ベースラインaから+40%の位置(図3のD)にラインを引き、ラインD以上にピークトップを有する繊度変動ピーク個数をカウントする(図3)。なお、ウースター波形チャートは、zellweger社製USTER TESTER UT-4を用いて、糸のトータル繊度により使用する測定用スロットルを選択した後、糸速25m/分、撚り数5000T/mの条件にて1分間測定することにより得る。
前記ウースター糸むら試験機を用いて25秒間測定を実施し、得られたウースター波形チャート(糸長10m分相当)の繊度変動率最低値をベースライン(図3のC)とする。ベースラインaから+20%の位置(図3のE)にラインを引き、ラインE以上にピークトップを有する繊度変動ピーク個数をカウントする(図3)。糸長10m中のピーク個数をカウントした後、本測定を6回繰り返し、得られたピーク個数から平均値および変動係数CV%を算出する。なお、ウースター波形チャートは前記条件同様である。
得られた高配向未延伸マルチフィラメントを10g精秤し、メタノール100mlで油剤を抽出する。抽出分の高配向未延伸マルチフィラメントに対する割合(質量%)を紡糸油剤付着量(質量%)とする。
仮撚糸を解舒張力1/11.1(g/dtex)で枠周1.0mの検尺機で100回巻き、天秤を用いて重量を測定し、100倍することにより得られた重量を総繊度とした。また、総繊度をフィラメント数で除した値を単糸繊度とした。
得られた高配向未延伸マルチフィラメントを10g精秤し、メタノール100mlで油剤を抽出する。抽出分の高配向未延伸マルチフィラメントに対する割合(質量%)を紡糸油剤付着量(質量%)とする。
ORIENTEC(現エー・アンド・ディ)社製のTENSILON RTC-1210Aを用い、試長200mm、引張速度200mm/分の条件で応力-歪み曲線を求め、糸が破断した際の力を繊度で除した値を強度とし、糸が破断した際の伸びを試料長で除した値に100を乗じた値を伸度として、各値サンプルを変えて3点ずつ測定し、その平均値を求めた。タフネスは、強度および伸度結果から前記(1)の式を用いて表す。定応力伸長領域伸度伸度は、測定で得た図3に示すチャート上のAの伸度を読み取り、サンプルを変えて6点ずつ測定し、その平均値で表す。
得られたカチオン可染性ポリエステル太細マルチフィラメントにて目付150g/m2の筒編み地を作製し、下記条件で染色し、染色織編物の発色鮮明性について、熟練の検査員3名の目視判定にて、その合議により発色鮮明性が「極めて優れている」は5点、「優れている」は4点、「普通」は3点、「劣っている」は2点、「発色鮮明性無し」は1点とし、4点以上を合格とした。
[染色条件]
染 料 ;アイゼンカロチンブルーGLH 0.7%O.W.F.
染色助剤 ;酢酸ソーダ 0.15g/L
;酢酸(100%) 0.5mL/L
浴 比 ; 1:100
染 色 ;50℃×15分処理の後、1.6℃/分の速度で昇温し、98℃×20分処理する。
上記(9)項で調製した筒編み地について、熟練の検査員3名の目視判定にて、その合議により濃淡コントラストが「十分大きい」は5点、「大きい」は4点、「普通」は3点、「小さい」は2点、「濃淡コントラスト無し」は1点とし、4点以上を合格とした。
上記(9)項で調製した筒編み地について、5年以上の品位判定経験を有する検査員3名の目視判定にて、その合議により杢調が「十分分散している」は5点、「分散している」は4点、「普通」は3点、「やや局在化している」は2点、「局在化している」は1点とし、4点以上を合格とした。
上記(9)項で調製した筒編み地を、ソフトな風合いについて、官能評価を実施した。熟練の検査員3名に対して、その合議により、ソフトな肌触りが「極めて優れている」は5点、「優れている」は4点、「普通」は3点、「劣っている」は2点、「ソフトな肌触り無し」は1点とし、4点以上を合格とした。
製糸時の糸切れ発生率を、4錘建て巻取機にて生産した場合の値に換算した際に、糸切れ回数を紡糸数量で除した糸切れ発生率が「1.0回未満」は○○、「1.0回以上3.0回未満」は○、「3.0回以上5.0回未満」は△、「5.0回以上」は×とした。○以上が目標レベルである。
不均一延伸糸の製造装置にて、巻き量3.0kgの加工糸を製造した際に、加工糸ドラムの満管率が、「90%以上」は○○、「85%以上90%未満」は○、「80%以上85%未満」は△、「80%未満」は×とした。○以上が目標レベルである。
高次加工の操業性は、カチオン可染性ポリエステル太細マルチフィラメントを用いて織編物を作製する際に、糸切れ回数を仕掛数で除した罰点率が「1.0%未満」は○○、「1.0%以上3.0%未満」は○、「3.0%以上5.0%未満」は△、「5.0%以上」は×とした。○以上が目標レベルである。
290℃における溶融粘度比(共重合ポリエステルB/ポリエステルA)が1.3となる、金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分(SI成分)を含有しないポリエステルAとSI成分を含有する共重合ポリエステルBとを、SI成分の割合が全ジカルボン酸に対して1.6モル%となるよう計量し、混錬温度284℃で単軸エクストルーダーにて溶融混練し、分割、位置変換の回数12回の配管ミキサーを通して混合し、192孔を配列した紡糸口金を使用して紡糸温度290℃、紡糸速度2000m/分で溶融紡糸し、紡糸油剤を0.85質量%塗布したのちに、2糸条取りでドラムに巻き付け96フィラメント、総繊度が100dtexの高配向未延伸糸を得た。
実施例1において共重合ポリエステルB/ポリエステルAのブレンド比を変更し、糸中の全ジカルボン酸に対するSI成分の割合を変更した以外は実施例1と同様にして紡糸・延伸加工実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表1に示す。得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、表1に示すとおり、良好な性質を持っていた。
共重合ポリエステルBに含まれるSI成分の割合、共重合ポリエステルB/ポリエステルAのブレンド比、糸中の全ジカルボン酸に対するSI成分の割合を変更した以外は実施例1と同様にして紡糸・延伸加工実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表2に示す。得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、表1に示すとおり、良好な性質を持っていた。
実施例1において使用する紡糸口金のホール数、ポリマー吐出量を変化させた以外は、実施例1と同様にして紡糸・延伸加工実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表3に示す。得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、表1に示すとおり、良好な性質を持っていた。
実施例1において使用する配管ミキサーの分割・位置交換回数を5回とした以外は実施例1と同じ方法で紡糸・延伸加工を実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表3に示す。得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、表1に示すとおり、良好な性質を持っていた。
実施例1において使用するポリマーの溶融粘度比を変更した以外は、実施例1と同じ方法で紡糸・延伸加工を実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表4に示す。得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、表1に示すとおり、良好な性質を持っていた。
実施例1において紡糸油剤の付着量を変更した以外は、実施例1と同じ方法で紡糸・延伸加工を実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表4に示す。得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、表1に示すとおり、良好な性質を持っていた。
実施例1において延伸倍率における係数αを変更した以外は、実施例1と同じ方法で紡糸・延伸加工を実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表4に示す。得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、表1に示すとおり、良好な性質を持っていた。
実施例1において不均一延伸した後、加熱型ローラーにて90℃で熱セットしたこと以外は、実施例1と同じ方法で紡糸・延伸加工を実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表4に示す。得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、表1に示すとおり、良好な性質を持っていた。
ポリエステルAを用いず、SI成分をイソフタル酸の割合が全ジカルボン酸に対して1.6モル%含有する共重合ポリエステルBのみを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で紡糸・延伸加工を実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表5に示す。得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、濃淡コントラストが小さく、バラツキの大きい杢調を有しており、意匠性素材としては特徴に欠ける杢調であった。また、高次加工操業性は目標未達であった。
共重合ポリエステルB/ポリエステルAのブレンド比を変更し、糸中の全ジカルボン酸に対するSI成分の割合を変更した以外は実施例1と同様にして紡糸・延伸加工実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表5に示す。比較例2にて得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、発色鮮明性に欠けるものであった。
実施例1において使用する紡糸口金ホール数、ポリマー吐出量を変化させた以外は、実施例1と同様にして紡糸・延伸加工実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表5に示す。比較例5にて得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、表5に示すとおり濃淡コントラストが小さく意匠性素材としては特徴に欠ける杢調であり、また、紡糸、加工および高次加工操業性は目標未達であった。
実施例1において延伸倍率における係数αを変更した以外は、実施例1と同様にして紡糸・延伸加工実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表5に示す。得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、表5に示すとおり濃淡コントラストが小さく意匠性素材としては特徴に欠ける杢調であった。
実施例1において摩擦抵抗体を用いずホットローラーを用いて延伸した以外は、実施例1と同じ方法で紡糸・延伸加工を実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表5に示す。得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、濃淡コントラストが小さく、バラツキの大きい杢調を有しており、意匠性素材としては特徴に欠ける杢調であった。
ポリエステルAのみを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法で紡糸・延伸加工を実施し、ポリエステル太細マルチフィラメントを得た。得られたマルチフィラメントの特性を表5に示す。得られたポリエステル太細マルチフィラメントは、発色性に欠けるものであった。
2:フィードローラー
3:摩擦抵抗体(熱ピン)
4:延伸ローラー
5:フィードローラー
6:ワインダー
A:NDR伸度
B:破断までの伸び
C:ウースター波形チャートのベースライン
D:ウースター波形チャートのベースラインから繊度変動率+40%を示す直線
E:ウースター波形チャートのベースラインから繊度変動率+20%を示す直線
Claims (4)
- 金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分をポリエステルの全ジカルボン酸に対して0.6~2.5モル%含有しており、下記A~Bを満足することを特徴とするポリエステル太細マルチフィラメント。
A.単糸繊度0.40~1.2dtex
B.マルチフィラメント長手方向の繊度斑に由来するウースター波形の繊度変動ベースラインからの繊度変動率幅40%以上の繊度変動ピーク個数(N40)の平均値が3~17個/m - 破断強度が1.8~2.5cN/dtex、タフネスが19.0以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル太細マルチフィラメント。
- マルチフィラメント長手方向の繊度斑に由来するウースター太細斑が5~16%であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル太細マルチフィラメント。
- マルチフィラメント長手方向の繊度斑に由来するウースター波形の繊度変動ベースラインからの繊度変動率幅20%以上の繊度変動ピークの個数(N20)の変動係数CV%が12%以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル太細マルチフィラメント。
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