JP7729634B2 - すきま腐食を防止する方法及びフランジ接続部の防食構造 - Google Patents
すきま腐食を防止する方法及びフランジ接続部の防食構造Info
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Description
しかしながら、原材料となる箔状の高純度亜鉛陽極材の幅によっては、大径のフランジ(例えば、外径200mm以上)に適用可能な製品を供給できない課題がある。
本発明に係る構造及び方法は、例えば、図1又は図2に示すようなステンレス配管Sのフランジ接続部100において発生するすきま腐食を防止するために用いられる。本発明に係る構造及び方法では、流電陽極方式の電気防食の一種である近接陽極法を用いる。
本実施形態において、すきま腐食の防止は、フランジ10における各部位間の電位差を消滅させることにより行う。図3は、高比抵抗電解質(土壌)内に配置されたパイプラインの一部にマグネシウム陽極を配置した場合の、パイプラインにおけるマグネシウム陽極からの離隔距離と電位との関係を示すグラフである。図3に示すように、パイプラインにおけるマグネシウム陽極が配置された部分の電位は、-1600mVである。電位は、パイプラインに沿ってマグネシウム陽極から離れるにつれて、0mVに近づくように変化する。
以下、陽極20の形態について、数例挙げて説明する。
本実施形態において、陽極20は、例えば、高純度亜鉛陽極である。すなわち、陽極20は、高純度亜鉛(Zn≧99.995%以上)からなる。高純度亜鉛陽極は、例えば、箔状又は板状に形成されたものが用いられる。なお、本実施形態において、箔状とは、部材の厚さが200μm以下であることをいう。板状とは、部材の厚さが200μmより厚いことをいう。以下、箔状又は板状の高純度亜鉛陽極を、それぞれ箔状亜鉛陽極20F、板状亜鉛陽極20Bという。
陽極20の第1形態において、箔状亜鉛陽極20F又は板状亜鉛陽極20Bは、例えば、図1に示すように、フランジ10に形成された窪み10dに配置される(詳細は後述する)。
上述のように、箔状亜鉛陽極20F又は板状亜鉛陽極20Bを窪み10dに配置することに代えて、フランジ10の表面に複合亜鉛陽極30を設けてもよい。すなわち、第2形態に係る陽極20は、複合亜鉛陽極30である。複合亜鉛陽極30が設けられるときは、図2に示すように、フランジ10に窪み10dが設けられていなくてもよい。
複合亜鉛陽極30は、例えば、箔状の亜鉛テープ30Tと、陽極ペースト30Pと、を備える。又は、複合亜鉛陽極30は、板状亜鉛陽極20Bと、陽極ペースト30Pと、を備えてもよい。
陽極ペースト30Pとは、例えば、亜鉛粉末と粘着剤等を混合したものである。陽極ペースト30Pには、例えば、株式会社ソフテム製の「メタルガード(登録商標)ペースト」が好適に用いられる。
例えば、陽極20は、図8又は図9に示すように、フランジ10の周方向に沿って間隔をあけて複数配置される。このとき、陽極20を配置する間隔及び個数を適宜変更することで、陽極20の量を調整する。この形態は、上述した陽極20の第1形態及び第2形態の両方で好適に用いられる。
又は、陽極20の量は、図10に示すように、帯状又は線状の箔状亜鉛陽極20F、板状亜鉛陽極20B、又は亜鉛テープ30Tを用いて、陽極20の長さを、フランジ10の周方向の長さに合わせて決定することで調整してもよい。この形態は、上述した陽極20の第1形態において特に好適に用いられるが、第2形態において用いてもよい。
次に、本実施形態に係るフランジ接続部100の防食構造について説明する。以下に説明する防食構造は、上述した陽極20の第1形態において適用される構造である。
図1に示すように、フランジ接続部100は、フランジ10と、陽極20と、を備える。
フランジ10は、ステンレス配管Sの端部に設けられる。本実施形態において、フランジ10は、例えば、環状である。ステンレス配管S同士の接続は、このフランジ10同士をボルトB及びナットNによって締め付けることでなされる。したがって、本実施形態におけるフランジ10は、図8、図9、図10に示すように、ボルト孔10hが、フランジ10の周方向に沿って間隔をあけて複数設けられている。また、フランジ10の表面には、陽極20が配置されるための窪み10dを備える。この窪み10dに陽極20が配置された状態で、フランジ10同士をボルトB及びナットNによって締結する。このことで、フランジ10同士の間に陽極20を配置して、フランジ10周辺の電位を卑化させる。
以下、窪み10d及び陽極20の形態について、数例挙げて説明する。
第1形態に係る窪み10dは、図8に示すように、フランジ10の外周縁と内周縁との間に設けられる。窪み10dは、ボルト孔10hから5.0mm離隔するように設けられる。窪み10dは、底面が平坦であり、深さが1.0mm以上3.0mm以下である。
第1形態に係る窪み10dは、平面状に形成され、フランジ10の周方向に沿って間隔をあけて複数設けられる。第1形態に係る窪み10dは、大きさ及び間隔を調整することで、窪み10dに配置される陽極20の量を調整可能とする。
第1形態に係る窪み10dにおいて、陽極20は、板状、又は箔状である。すなわち、第1形態に係る窪み10dにおいて、陽極20は、平面状の箔状亜鉛陽極20F、板状亜鉛陽極20B、又は亜鉛テープ30Tが用いられる。
第2形態に係る窪み10dは、図10に示すように、環状である。窪み10dは、フランジ10の内周縁と、複数のボルト孔10hと、の間に設けられる。窪み10dは、ボルト孔10hから5.0mm離隔するように設けられる。窪み10dは、底面が平坦であり、深さが1.0mm以上3.0mm以下である。第2形態に係る窪み10dの、フランジ10の周方向の長さは、フランジ10の大きさによって決定される。これにより、窪み10dに配置される陽極20の量を調整可能とする。
第2形態に係る窪み10dにおいて、陽極20は、複数の帯状の板材、又は環状の線材である。つまり、第2形態に係る窪み10dにおいて、陽極20には、帯状又は線状の箔状亜鉛陽極20F、板状亜鉛陽極20B、又は亜鉛テープ30Tが配置される。すなわち、第2形態に係る窪み10dに配置される陽極20の長さは、フランジ10の周方向の長さに合わせて決定される。
第3形態に係る窪み10dは、図9に示すように、円状であり、フランジ10の周方向に間隔をあけて複数設けられる。複数の窪み10dは、それぞれボルト孔10hから5.0mm離隔するように設けられる。複数の窪み10dは、それぞれの中心が、フランジ10の中央を中心とする仮想円上に位置するように配置される。
第3形態に係る窪み10dは、大きさ及び間隔を調整することで、窪み10dに配置される陽極20の量を調整可能とする。
第3形態に係る窪み10dにおいて、陽極20は、板状、又は箔状である。すなわち、第3形態に係る窪み10dにおいて、陽極20は、円状に形成された箔状亜鉛陽極20F、板状亜鉛陽極20B、又は亜鉛テープ30Tが用いられる。
以上の各形態を適宜組み合わせることで、本実施形態に係るフランジ接続部の防食構造が形成される。
例えば、フランジ10はボルト孔10hを備えなくてもよい。この場合、フランジ10同士の接続は、不図示のクランプ部材によって行ってもよい。
10d 窪み
10h ボルト孔
20 陽極
20B 板状亜鉛陽極
20F 箔状亜鉛陽極
30 複合亜鉛陽極
30P 陽極ペースト
30T 亜鉛テープ
100 フランジ接続部
B ボルト
N ナット
S ステンレス配管
Claims (12)
- フランジの表面に陽極を配置することで、前記陽極が形成する電位勾配の中に前記フランジの表面を収納して、前記フランジの電位を卑化させることにより、前記フランジにおける各部位間の電位差を消滅させるすきま腐食を防止する方法であって、
前記陽極は、前記フランジの周方向に沿って間隔をあけて複数配置される、
すきま腐食を防止する方法。 - フランジの表面に陽極を配置することで、前記陽極が形成する電位勾配の中に前記フランジの表面を収納して、前記フランジの電位を卑化させることにより、前記フランジにおける各部位間の電位差を消滅させるすきま腐食を防止する方法であって、
前記フランジは、環状であり、周方向に間隔をあけて複数のボルト孔を備え、
前記陽極は、前記フランジの内周縁と、複数の前記ボルト孔との間に環状に配置され、 前記陽極は、箔状の亜鉛テープ又は板状の亜鉛陽極であり、
前記陽極の周囲には、陽極ペーストが配置される、
すきま腐食を防止する方法。 - 前記陽極は、箔状又は板状の高純度亜鉛陽極である、
請求項1に記載のすきま腐食を防止する方法。 - 前記陽極は、箔状の亜鉛テープ又は板状の亜鉛陽極であり、
前記陽極の周囲には、陽極ペーストが配置される、
請求項1に記載のすきま腐食を防止する方法。 - フランジのすきま腐食を防止するための構造であって、
前記フランジは、前記フランジの周方向に沿って間隔をあけて複数設けられる窪みを備え、
前記窪みには、陽極が配置される、
フランジ接続部の防食構造。 - 前記フランジは環状であり、周方向に間隔をあけて設けられた複数のボルト孔を備え、 前記窪みは、
前記ボルト孔から5.0mm離隔するように設けられ、
底面が平坦であり、
深さが1.0mm以上3.0mm以下である、
請求項5に記載のフランジ接続部の防食構造。 - 前記窪みは平面状に形成され、
前記陽極は、板状、又は箔状である、
請求項6に記載のフランジ接続部の防食構造。 - 前記窪みは、円状であり、前記窪みの中心は、前記フランジの中央を中心とする仮想円上に位置するように配置される、
請求項7に記載のフランジ接続部の防食構造。 - フランジのすきま腐食を防止するための構造であって、
前記フランジは、環状であり、周方向に間隔をあけて複数のボルト孔を備え、
前記フランジの内周縁と、複数の前記ボルト孔との間に環状に設けられる窪みを備え、 前記窪みには、陽極が配置され、
前記陽極と前記窪みとの接触面に、陽極ペーストが配置される、
フランジ接続部の防食構造。 - 前記窪みは、
前記ボルト孔から5.0mm離隔するように設けられ、
底面が平坦であり、
深さが1.0mm以上3.0mm以下である、
請求項9に記載のフランジ接続部の防食構造。 - 前記窪みと前記陽極とは、同一の形状及び同一の寸法であり、
前記フランジの前記窪み以外の部分と、前記陽極とは、面一である、
請求項5から10のいずれか1項に記載のフランジ接続部の防食構造。 - 前記陽極と前記窪みとの接触面に、陽極ペーストが配置される、
請求項5から8のいずれか1項に記載のフランジ接続部の防食構造。
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| JP2020186428A (ja) | 2019-05-13 | 2020-11-19 | 株式会社ソフテム | フランジ締結部用防食部材 |
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