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JP7729634B2 - すきま腐食を防止する方法及びフランジ接続部の防食構造 - Google Patents
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JP7729634B2 - すきま腐食を防止する方法及びフランジ接続部の防食構造 - Google Patents

すきま腐食を防止する方法及びフランジ接続部の防食構造

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Description

本発明は、すきま腐食を防止する方法及びフランジ接続部の防食構造に関する。
ステンレス配管のフランジ接続部において、すきま腐食が発生することがある。すきま腐食を防止する方法として、例えば、非特許文献1に係る近接陽極法が挙げられる。近接陽極法に用いる陽極材として、例えば、非特許文献2に係る株式会社ソフテム製の「サスケット(登録商標)」が挙げられる。
岡本勝群、"近接陽極法による埋設管の防食技術"、[online]、1985年5月20日、中川防しょく技報、28号、p8-12、[令和4年11月18日検索]、インターネット<URL:https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200902036997323250> 株式会社ソフテム、"高純度亜鉛陽極「サスケット」"、[online]、[令和4年11月18日検索]、インターネット<URL:https://premium.ipros.jp/softem/catalog/detail/468339/>
前記従来の「サスケット(登録商標)」は、箔状の高純度亜鉛陽極材の裏面に導電性の粘着剤を塗布したものを、ガスケットの規格に合わせた形状に加工することで形成される。
しかしながら、原材料となる箔状の高純度亜鉛陽極材の幅によっては、大径のフランジ(例えば、外径200mm以上)に適用可能な製品を供給できない課題がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、大径のフランジに適用可能なすきま腐食を防止する方法及びフランジ接続部の防食構造を提供することを目的とする。
<1>本発明の態様1に係るすきま腐食を防止する方法は、フランジの表面に陽極を配置することで、前記陽極が形成する電位勾配の中に前記フランジの表面を収納して、前記フランジの電位を卑化させることにより、前記フランジにおける各部位間の電位差を消滅させるすきま腐食を防止する方法であって、前記陽極は、前記フランジの周方向に沿って間隔をあけて複数配置される。
この発明によれば、すきま腐食を防止するためにフランジの表面に配置する陽極は、フランジの周方向に沿って間隔をあけて複数配置される。これにより、例えば、フランジの大きさに合わせて一体に形成された陽極を用いる場合と比較して、1つの陽極の大きさを小さくすることができる。また、このように陽極の大きさを小さくした場合であっても、陽極を配置する間隔及び個数を適宜変更することで、フランジに対して十分な量の陽極を配置することができる。よって、例えば、陽極の原材料(例えば、箔状の高純度亜鉛陽極材)の幅が足りず、大径のフランジに対して一体に形成された陽極を供給できない場合であっても、本発明に係る方法によって、陽極を適用することができる。
<2>本発明の態様2に係るすきま腐食を防止する方法は、フランジの表面に陽極を配置することで、前記陽極が形成する電位勾配の中に前記フランジの表面を収納して、前記フランジの電位を卑化させることにより、前記フランジにおける各部位間の電位差を消滅させるすきま腐食を防止する方法であって、前記フランジは、環状であり、周方向に間隔をあけて複数のボルト孔を備え、前記陽極は、前記フランジの内周縁と、複数の前記ボルト孔との間に環状に配置される。
この発明によれば、すきま腐食を防止するためにフランジの表面に配置する陽極は、環状のフランジの内周縁と、フランジが備える複数のボルト孔との間に環状に配置される。これにより、例えば、フランジの径に対して陽極の径を小さくすることができる。よって、例えば、大径のフランジに対して、陽極の原材料の幅が足りなくなる場合を少なくすることができる。また、陽極の原材料の幅が足りない場合であっても、帯状又は線状の原材料を環状に加工することで、適当な大きさの陽極を形成することができる。よって、例えば、陽極の原材料の幅が足りず、大径のフランジに対して一体に形成された陽極を供給できない場合であっても、本発明に係る方法によって、陽極を適用することができる。
<3>本発明の態様3に係るすきま腐食を防止する方法は、態様1又は態様2に係るすきま腐食を防止する方法において、前記陽極は、箔状又は板状の高純度亜鉛陽極である。
この発明によれば、すきま腐食の防止に用いられる陽極は、箔状又は板状の高純度亜鉛陽極である。これにより、すきま腐食の防止を効果的に行うことができる。
<4>本発明の態様4に係るすきま腐食を防止する方法は、態様1から態様3のいずれか1つに係るすきま腐食を防止する方法において、前記陽極は、複合亜鉛陽極であり、前記複合亜鉛陽極は、箔状の亜鉛テープ又は板状の亜鉛陽極と、陽極ペーストと、を備える。
この発明によれば、すきま腐食の防止に用いられる陽極は、複合亜鉛陽極である。複合亜鉛陽極は、箔状の亜鉛テープ又は板状の亜鉛陽極と、陽極ペーストと、を備える。箔状の亜鉛テープ又は板状の亜鉛陽極に加えて陽極ペーストを用いることで、亜鉛陽極同士の間隙において陽極電位を維持しやすくなる。また、陽極ペーストは、小片の亜鉛陽極を用いる場合の亜鉛陽極同士の隙間を埋め、フランジ表面との段差を解消するのにも利用できるため、複合亜鉛陽極を、フランジの形状に対して柔軟に対応できるようにすることができる。更に、フランジの表面に隙間が生じることを抑えることができる。よって、すきま腐食の防止を効果的に行うことができる。
<5>本発明の態様5に係るフランジ接続部の防食構造は、フランジのすきま腐食を防止するための構造であって、前記フランジは、前記フランジの周方向に沿って間隔をあけて複数設けられる窪みを備え、前記窪みには、陽極が配置される。
この発明によれば、フランジは、周方向に沿って間隔をあけて複数設けられる窪みを備え、窪みには、陽極が配置される。これにより、例えば、フランジ接続部を、すきま腐食を防止しやすい構造とすることができる。また、例えば、フランジの大きさに合わせて一体に形成された陽極を用いる場合と比較して、1つの陽極の大きさを小さくすることができる。また、このように陽極の大きさを小さくした場合であっても、窪みを設ける間隔及び個数を適宜変更することで、フランジに対して十分な量の陽極を配置することができる。よって、例えば、陽極の原材料(例えば、箔状の高純度亜鉛陽極材)の幅が足りず、大径のフランジに対して一体に形成された陽極を供給できない場合であっても、本発明に係る方法によって、陽極を適用することができる。更に、1つの陽極の大きさを小さくすることで、フランジに陽極を配置しやすくすることができる。よって、施工現場における作業性を向上させることができる。
<6>本発明の態様6に係るフランジ接続部の防食構造は、態様5に係るフランジ接続部の防食構造において、前記フランジは環状であり、周方向に間隔をあけて設けられた複数のボルト孔を備え、前記窪みは、前記ボルト孔から5.0mm離隔するように設けられ、底面が平坦であり、深さが1.0mm以上3.0mm以下である。
この発明によれば、窪みは、フランジの備えるボルト孔から5.0mm離隔するように設けられる。これにより、フランジを他の部品にボルトにより取り付ける際、窪み及び窪みに配置される陽極が、取り付けに支障をきたすことを抑えることができる。窪みは、底面が平坦であり、深さが1.0mm以上3.0mm以下である。これにより、陽極を配置するために十分な形状及び大きさとすることができる。
<7>本発明の態様7に係るフランジ接続部の防食構造は、態様5又は態様6に係るフランジ接続部の防食構造において、前記窪みは平面状に形成され、前記陽極は、板状、又は箔状である。
この発明によれば、窪みは平面状に形成され、陽極は、板状、又は箔状である。これにより、陽極を窪みに配置する際は、前記複数の窪みに、1つずつ陽極を置くようにして配置することができる。よって、窪みと陽極との位置合わせを容易にすることができ、作業性を向上することができる。
<8>本発明の態様8に係るフランジ接続部の防食構造は、態様7に係るフランジ接続部の防食構造において、前記窪みは、円状であり、前記窪みの中心は、前記フランジの中央を中心とする仮想円上に位置するように配置される。
この発明によれば、窪みは円状である。これにより、陽極を窪みに配置する際は、前記複数の窪みに、1つずつ陽極を置くようにして配置することができる。よって、窪みと陽極との位置合わせを容易にすることができ、作業性を向上することができる。また、窪みの中心は、フランジの中央を中心とする仮想円上に位置するように配置される。このように、フランジの中心から窪みの中心までの距離を揃えることで、フランジの周方向に沿って均等に陽極を配置することができる。
<9>本発明の態様9に係るフランジ接続部の防食構造は、フランジのすきま腐食を防止するための構造であって、前記フランジは、環状であり、周方向に間隔をあけて複数のボルト孔を備え、前記フランジの内周縁と、複数の前記ボルト孔との間に環状に設けられる窪みを備え、前記窪みには、陽極が配置される。
この発明によれば、フランジは、窪みを備え、窪みには、陽極が配置される。これにより、フランジに陽極を配置しやすくすることができる。よって、施工現場における作業性を向上させることができる。また、窪みは、フランジの内周縁と、複数のボルト孔と、の間に設けられる。これにより、例えば、フランジを他の部品にボルトにより取り付けた後に、陽極の位置がずれ、フランジと他の部品との間から陽極が外れ出ることを抑えることができる。よって、フランジ接続部を、すきま腐食を防止しやすい構造とすることができる。
また、窪みは、環状であるフランジの内周縁と、フランジが備える複数のボルト孔との間に環状に設けられる。これにより、例えば、フランジの径に対して窪みの径を小さくすることで、陽極の径を小さくすることができる。よって、例えば、大径のフランジに対して、陽極の原材料の幅が足りなくなる場合を少なくすることができる。また、陽極の原材料の幅が足りない場合であっても、帯状又は線状の原材料を環状に加工することで、適当な大きさの陽極を形成することができる。よって、例えば、陽極の原材料の幅が足りず、大径のフランジに対して一体に形成された陽極を供給できない場合であっても、本発明に係る方法によって、陽極を適用することができる。
<10>本発明の態様10に係るフランジ接続部の防食構造は、態様9に係るフランジ接続部の防食構造において、前記窪みは、前記ボルト孔から5.0mm離隔するように設けられ、底面が平坦であり、深さが1.0mm以上3.0mm以下である。
この発明によれば、窪みは、フランジの備えるボルト孔から5.0mm離隔するように設けられる。これにより、フランジを他の部品にボルトにより取り付ける際、窪み及び窪みに配置される陽極が、取り付けに支障をきたすことを抑えることができる。また、窪みは、底面が平坦であり、深さが1.0mm以上3.0mm以下である。これにより、陽極を配置するために十分な形状及び大きさとすることができる。
<11>本発明の態様11に係るフランジ接続部の防食構造は、態様5から態様10のいずれか1つに係るフランジ接続部の防食構造において、前記窪みと前記陽極とは、同一の形状及び同一の寸法であり、前記フランジの前記窪み以外の部分と、前記陽極とは、面一である。
この発明によれば、窪みと陽極とは、同一の形状及び同一の寸法である。これにより、例えば、フランジの止水機能を阻害しにくくすることができる。フランジの窪み以外の部分と、陽極とは、面一である。これにより、よりフランジの止水機能を阻害しにくくすることができる。
<12>本発明の態様12に係るフランジ接続部の防食構造は、態様5から態様11のいずれか1つに係るフランジ接続部の防食構造において、前記陽極と前記窪みとの接触面に、陽極ペーストが配置される。
この発明によれば、陽極と窪みとの接触面に、陽極ペーストが配置される。これにより、陽極ペーストによって、陽極と窪みとの隙間を埋めることができる。よって、フランジと陽極との電気的な接続を強化することができる。
本発明によれば、大径のフランジに適用可能なすきま腐食を防止する方法及びフランジ接続部の防食構造を提供することできる。
フランジ接続部の第1例である。 フランジ接続部の第2例である。 高比抵抗電解質(土壌)中に配置されたパイプラインの一部にマグネシウム陽極を設置した場合に形成される、電位勾配(陽極効果範囲)を示す図である。 フランジ面に亜鉛陽極を設置した場合に形成される電位勾配(陽極効果範囲)を示す図である。 複合亜鉛陽極における亜鉛陽極と陽極ペーストの接続部の状態を示す図である。 従来例に係る、環状に一体成型された亜鉛陽極がフランジ面に配置された図である。 従来例に係る、環状に一体成型された亜鉛陽極である。 フランジ面に平面状の窪みが複数形成された例である。 フランジ面に円状の窪みが複数形成された例である。 フランジ面に環状の窪みが形成された例である。 フランジ面の窪みと、窪みに配置された亜鉛陽極との接触面に、電気的接続を強化するために陽極ペーストを塗布した状態を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るフランジ接続部100の防食構造及びフランジ接続部100のすきま腐食を防止する方法について説明する。
本発明に係る構造及び方法は、例えば、図1又は図2に示すようなステンレス配管Sのフランジ接続部100において発生するすきま腐食を防止するために用いられる。本発明に係る構造及び方法では、流電陽極方式の電気防食の一種である近接陽極法を用いる。
(すきま腐食の防止方法について)
本実施形態において、すきま腐食の防止は、フランジ10における各部位間の電位差を消滅させることにより行う。図3は、高比抵抗電解質(土壌)内に配置されたパイプラインの一部にマグネシウム陽極を配置した場合の、パイプラインにおけるマグネシウム陽極からの離隔距離と電位との関係を示すグラフである。図3に示すように、パイプラインにおけるマグネシウム陽極が配置された部分の電位は、-1600mVである。電位は、パイプラインに沿ってマグネシウム陽極から離れるにつれて、0mVに近づくように変化する。
本実施形態では、フランジ10の表面に陽極20を配置することで、陽極20が形成する電位勾配(陽極効果範囲)の中、つまり、パイプラインにおいて他の部位よりも電位のマイナス値が大きくなっている領域の中に、フランジ10の表面を収納する。このことで、フランジ10の電位を卑化させることにより、フランジ10における各部位間の電位差を消滅させる。なお、フランジ10のすきま腐食を防止するためには、フランジ10が配置される場所の電位は、例えば、-1000mV以下であることが好ましい。
図4は、亜鉛陽極をフランジ10の表面に配置した場合の、フランジ10における亜鉛陽極からの離隔距離と電位との関係を示すグラフである。図4に示すように、フランジ10の一部にのみ亜鉛陽極を配置した場合でも、フランジ10の表面の全体において、電位を-900mVとすることができることがわかる。このため、フランジ10の表面に亜鉛陽極を離散的に配置したとしても、フランジ10の全体が陽極効果範囲に入っていれば、フランジ10の全体ですきま腐食を防止することが可能であることがわかる。
以下、陽極20の形態について、数例挙げて説明する。
(陽極20の第1形態)
本実施形態において、陽極20は、例えば、高純度亜鉛陽極である。すなわち、陽極20は、高純度亜鉛(Zn≧99.995%以上)からなる。高純度亜鉛陽極は、例えば、箔状又は板状に形成されたものが用いられる。なお、本実施形態において、箔状とは、部材の厚さが200μm以下であることをいう。板状とは、部材の厚さが200μmより厚いことをいう。以下、箔状又は板状の高純度亜鉛陽極を、それぞれ箔状亜鉛陽極20F、板状亜鉛陽極20Bという。
陽極20の第1形態において、箔状亜鉛陽極20F又は板状亜鉛陽極20Bは、例えば、図1に示すように、フランジ10に形成された窪み10dに配置される(詳細は後述する)。
(陽極20の第2形態)
上述のように、箔状亜鉛陽極20F又は板状亜鉛陽極20Bを窪み10dに配置することに代えて、フランジ10の表面に複合亜鉛陽極30を設けてもよい。すなわち、第2形態に係る陽極20は、複合亜鉛陽極30である。複合亜鉛陽極30が設けられるときは、図2に示すように、フランジ10に窪み10dが設けられていなくてもよい。
複合亜鉛陽極30は、例えば、箔状の亜鉛テープ30Tと、陽極ペースト30Pと、を備える。又は、複合亜鉛陽極30は、板状亜鉛陽極20Bと、陽極ペースト30Pと、を備えてもよい。
亜鉛テープ30Tとは、例えば、箔状亜鉛陽極20Fに粘着剤を塗布したものである。亜鉛テープ30Tには、例えば、株式会社ソフテム製の「サスケット(登録商標)」が好適に用いられる。複合亜鉛陽極30に用いられる板状亜鉛陽極20Bは、例えば、板状亜鉛陽極20Bを円板状又はその他の形状に打ち抜き加工したものである。
陽極ペースト30Pとは、例えば、亜鉛粉末と粘着剤等を混合したものである。陽極ペースト30Pには、例えば、株式会社ソフテム製の「メタルガード(登録商標)ペースト」が好適に用いられる。
複合亜鉛陽極30は、例えば、図2及び図5に示すように、フランジ10の表面に配置された亜鉛テープ30T、箔状亜鉛陽極20F又は板状亜鉛陽極20Bの周囲に、陽極ペースト30Pを塗布することで形成される。この時、図5に示すように、複合亜鉛陽極30において、亜鉛テープ30T、箔状亜鉛陽極20F又は板状亜鉛陽極20Bと、陽極ペースト30Pと、が面一になるようにすることが好ましい。
ここで、従来例に係る陽極20は、図6及び図7に示すように、箔状亜鉛陽極20F又は板状亜鉛陽極20Bをフランジの接合面と同じ環状に一体形成したものが用いられていた。このとき、原材料となる高純度亜鉛陽極材の幅によっては、大径のフランジ10(例えば、外径200mm以上)に適用可能な製品を供給できなかった。
上述の課題に対応するために、陽極20の第1形態及び第2形態において、フランジ10に配置される陽極20の量は、フランジ10の大きさに合わせて適宜調整される。なお、ここでいう陽極20とは、箔状亜鉛陽極20F、板状亜鉛陽極20B、及び亜鉛テープ30Tを含み、陽極ペースト30Pは含まない。
例えば、陽極20は、図8又は図9に示すように、フランジ10の周方向に沿って間隔をあけて複数配置される。このとき、陽極20を配置する間隔及び個数を適宜変更することで、陽極20の量を調整する。この形態は、上述した陽極20の第1形態及び第2形態の両方で好適に用いられる。
又は、陽極20の量は、図10に示すように、帯状又は線状の箔状亜鉛陽極20F、板状亜鉛陽極20B、又は亜鉛テープ30Tを用いて、陽極20の長さを、フランジ10の周方向の長さに合わせて決定することで調整してもよい。この形態は、上述した陽極20の第1形態において特に好適に用いられるが、第2形態において用いてもよい。
(フランジ接続部100の防食構造について)
次に、本実施形態に係るフランジ接続部100の防食構造について説明する。以下に説明する防食構造は、上述した陽極20の第1形態において適用される構造である。
図1に示すように、フランジ接続部100は、フランジ10と、陽極20と、を備える。
フランジ10は、ステンレス配管Sの端部に設けられる。本実施形態において、フランジ10は、例えば、環状である。ステンレス配管S同士の接続は、このフランジ10同士をボルトB及びナットNによって締め付けることでなされる。したがって、本実施形態におけるフランジ10は、図8、図9、図10に示すように、ボルト孔10hが、フランジ10の周方向に沿って間隔をあけて複数設けられている。また、フランジ10の表面には、陽極20が配置されるための窪み10dを備える。この窪み10dに陽極20が配置された状態で、フランジ10同士をボルトB及びナットNによって締結する。このことで、フランジ10同士の間に陽極20を配置して、フランジ10周辺の電位を卑化させる。
本実施形態において、陽極20には、箔状亜鉛陽極20F又は板状亜鉛陽極20Bが用いられる。窪み10dと陽極20とは、同一の形状及び同一の寸法であることが好ましい。窪み10dに陽極20が配置された時、フランジ10の窪み10d以外の部分と、陽極20とは、図11に示すように、面一であることが好ましい。また、陽極20と窪み10dとの接触面には、陽極ペースト30Pが配置されてもよい。このことで、陽極20と窪み10dとの間の隙間を埋めるようにすることが好ましい。
以下、窪み10d及び陽極20の形態について、数例挙げて説明する。
(窪み10d及び陽極20の第1形態)
第1形態に係る窪み10dは、図8に示すように、フランジ10の外周縁と内周縁との間に設けられる。窪み10dは、ボルト孔10hから5.0mm離隔するように設けられる。窪み10dは、底面が平坦であり、深さが1.0mm以上3.0mm以下である。
第1形態に係る窪み10dは、平面状に形成され、フランジ10の周方向に沿って間隔をあけて複数設けられる。第1形態に係る窪み10dは、大きさ及び間隔を調整することで、窪み10dに配置される陽極20の量を調整可能とする。
第1形態に係る窪み10dにおいて、陽極20は、板状、又は箔状である。すなわち、第1形態に係る窪み10dにおいて、陽極20は、平面状の箔状亜鉛陽極20F、板状亜鉛陽極20B、又は亜鉛テープ30Tが用いられる。
(窪み10d及び陽極20の第2形態)
第2形態に係る窪み10dは、図10に示すように、環状である。窪み10dは、フランジ10の内周縁と、複数のボルト孔10hと、の間に設けられる。窪み10dは、ボルト孔10hから5.0mm離隔するように設けられる。窪み10dは、底面が平坦であり、深さが1.0mm以上3.0mm以下である。第2形態に係る窪み10dの、フランジ10の周方向の長さは、フランジ10の大きさによって決定される。これにより、窪み10dに配置される陽極20の量を調整可能とする。
第2形態に係る窪み10dにおいて、陽極20は、複数の帯状の板材、又は環状の線材である。つまり、第2形態に係る窪み10dにおいて、陽極20には、帯状又は線状の箔状亜鉛陽極20F、板状亜鉛陽極20B、又は亜鉛テープ30Tが配置される。すなわち、第2形態に係る窪み10dに配置される陽極20の長さは、フランジ10の周方向の長さに合わせて決定される。
(窪み10d及び陽極20の第3形態)
第3形態に係る窪み10dは、図9に示すように、円状であり、フランジ10の周方向に間隔をあけて複数設けられる。複数の窪み10dは、それぞれボルト孔10hから5.0mm離隔するように設けられる。複数の窪み10dは、それぞれの中心が、フランジ10の中央を中心とする仮想円上に位置するように配置される。
第3形態に係る窪み10dは、大きさ及び間隔を調整することで、窪み10dに配置される陽極20の量を調整可能とする。
第3形態に係る窪み10dにおいて、陽極20は、板状、又は箔状である。すなわち、第3形態に係る窪み10dにおいて、陽極20は、円状に形成された箔状亜鉛陽極20F、板状亜鉛陽極20B、又は亜鉛テープ30Tが用いられる。
以上の各形態を適宜組み合わせることで、本実施形態に係るフランジ接続部の防食構造が形成される。
以上説明したように、本実施形態に係るすきま腐食を防止する方法によれば、すきま腐食を防止するためにフランジ10の表面に配置する陽極20は、フランジ10の周方向に沿って間隔をあけて複数配置される。これにより、例えば、フランジ10の大きさに合わせて一体に形成された陽極20を用いる場合と比較して、1つの陽極20の大きさを小さくすることができる。また、このように陽極20の大きさを小さくした場合であっても、陽極20を配置する間隔及び個数を適宜変更することで、フランジ10に対して十分な量の陽極20を配置することができる。よって、例えば、陽極20の原材料(例えば、箔状の高純度亜鉛陽極材)の幅が足りず、大径のフランジ10に対して一体に形成された陽極20を供給できない場合であっても、本発明に係る方法によって、陽極20を適用することができる。
また、すきま腐食を防止するためにフランジ10の表面に配置する陽極20は、環状のフランジ10の内周縁と、フランジ10が備える複数のボルト孔10hとの間に環状に配置される。これにより、例えば、フランジ10の径に対して陽極20の径を小さくすることができる。よって、例えば、大径のフランジ10に対して、陽極20の原材料の幅が足りなくなる場合を少なくすることができる。また、陽極20の原材料の幅が足りない場合であっても、帯状又は線状の原材料を環状に加工することで、適当な大きさの陽極20を形成することができる。よって、例えば、陽極20の原材料の幅が足りず、大径のフランジ10に対して一体に形成された陽極20を供給できない場合であっても、本発明に係る方法によって、陽極20を適用することができる。
また、すきま腐食の防止に用いられる陽極20は、箔状又は板状の高純度亜鉛陽極である。これにより、すきま腐食の防止を効果的に行うことができる。
また、すきま腐食の防止に用いられる陽極20は、複合亜鉛陽極30である。複合亜鉛陽極30は、箔状の亜鉛テープ30T又は板状亜鉛陽極20Bと、陽極ペースト30Pと、を備える。箔状の亜鉛テープ30T又は板状亜鉛陽極20Bに加えて陽極ペースト30Pを用いることで、亜鉛陽極同士の間隙において陽極電位を維持しやすくなる。また、陽極ペーストは、小片の亜鉛陽極を用いる場合の亜鉛陽極同士の隙間を埋め、フランジ表面との段差を解消するのにも利用できるため、複合亜鉛陽極30を、フランジ10の形状に対して柔軟に対応できるようにすることができる。更に、フランジ10の表面に隙間が生じることを抑えることができる。よって、すきま腐食の防止を効果的に行うことができる。
また、本実施形態に係るフランジ接続部100の防食構造によれば、フランジ10は、周方向に沿って間隔をあけて複数設けられる窪み10dを備え、窪み10dには、陽極20が配置される。これにより、例えば、フランジ接続部100を、すきま腐食を防止しやすい構造とすることができる。また、例えば、フランジ10の大きさに合わせて一体に形成された陽極20を用いる場合と比較して、1つの陽極20の大きさを小さくすることができる。また、このように陽極20の大きさを小さくした場合であっても、窪み10dを設ける間隔及び個数を適宜変更することで、フランジ10に対して十分な量の陽極20を配置することができる。よって、例えば、陽極20の原材料(例えば、箔状の高純度亜鉛陽極材)の幅が足りず、大径のフランジ10に対して一体に形成された陽極20を供給できない場合であっても、本発明に係る方法によって、陽極20を適用することができる。更に、1つの陽極20の大きさを小さくすることで、フランジ10に陽極20を配置しやすくすることができる。よって、施工現場における作業性を向上させることができる。
また、窪み10dは、フランジ10の備えるボルト孔10hから5.0mm離隔するように設けられる。これにより、フランジ10を他の部品にボルトBにより取り付ける際、窪み10d及び窪み10dに配置される陽極20が、取り付けに支障をきたすことを抑えることができる。窪み10dは、底面が平坦であり、深さが1.0mm以上3.0mm以下である。これにより、陽極20を配置するために十分な形状及び大きさとすることができる。
また、窪み10dは平面状に形成され、陽極20は、板状、又は箔状である。これにより、陽極20を窪み10dに配置する際は、前記複数の窪み10dに、1つずつ陽極20を置くようにして配置することができる。よって、窪み10dと陽極20との位置合わせを容易にすることができ、作業性を向上することができる。
また、窪み10dは円状である。これにより、陽極20を窪み10dに配置する際は、前記複数の窪み10dに、1つずつ陽極20を置くようにして配置することができる。よって、窪み10dと陽極20との位置合わせを容易にすることができ、作業性を向上することができる。また、窪み10dの中心は、フランジ10の中央を中心とする仮想円上に位置するように配置される。このように、フランジ10の中心から窪み10dの中心までの距離を揃えることで、フランジ10の周方向に沿って均等に陽極20を配置することができる。
また、フランジ10は、窪み10dを備え、窪み10dには、陽極20が配置される。これにより、フランジ10に陽極20を配置しやすくすることができる。よって、施工現場における作業性を向上させることができる。また、窪み10dは、フランジ10の内周縁と、複数のボルト孔10hと、の間に設けられる。これにより、例えば、フランジ10を他の部品にボルトBにより取り付けた後に、陽極20の位置がずれ、フランジ10と他の部品との間から陽極20が外れ出ることを抑えることができる。よって、フランジ接続部100を、すきま腐食を防止しやすい構造とすることができる。
また、窪み10dは、環状であるフランジ10の内周縁と、フランジ10が備える複数のボルト孔10hとの間に環状に設けられる。これにより、例えば、フランジ10の径に対して窪み10dの径を小さくすることで、陽極20の径を小さくすることができる。よって、例えば、大径のフランジ10に対して、陽極20の原材料の幅が足りなくなる場合を少なくすることができる。また、陽極20の原材料の幅が足りない場合であっても、帯状又は線状の原材料を環状に加工することで、適当な大きさの陽極20を形成することができる。よって、例えば、陽極20の原材料の幅が足りず、大径のフランジ10に対して一体に形成された陽極20を供給できない場合であっても、本発明に係る方法によって、陽極20を適用することができる。
また、窪み10dは、フランジ10の備えるボルト孔10hから5.0mm離隔するように設けられる。これにより、フランジ10を他の部品にボルトBにより取り付ける際、窪み10d及び窪み10dに配置される陽極20が、取り付けに支障をきたすことを抑えることができる。また、窪み10dは、底面が平坦であり、深さが1.0mm以上3.0mm以下である。これにより、陽極20を配置するために十分な形状及び大きさとすることができる。
また、窪み10dと陽極20とは、同一の形状及び同一の寸法である。これにより、例えば、フランジ10の止水機能を阻害しにくくすることができる。フランジ10の窪み10d以外の部分と、陽極20とは、面一である。これにより、よりフランジ10の止水機能を阻害しにくくすることができる。
また、陽極20と窪み10dとの接触面に、陽極ペースト30Pが配置される。これにより、陽極ペースト30Pによって、陽極20と窪み10dとの隙間を埋めることができる。よって、フランジ10と陽極20との電気的な接続を強化することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、フランジ10はボルト孔10hを備えなくてもよい。この場合、フランジ10同士の接続は、不図示のクランプ部材によって行ってもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 フランジ
10d 窪み
10h ボルト孔
20 陽極
20B 板状亜鉛陽極
20F 箔状亜鉛陽極
30 複合亜鉛陽極
30P 陽極ペースト
30T 亜鉛テープ
100 フランジ接続部
B ボルト
N ナット
S ステンレス配管

Claims (12)

  1. フランジの表面に陽極を配置することで、前記陽極が形成する電位勾配の中に前記フランジの表面を収納して、前記フランジの電位を卑化させることにより、前記フランジにおける各部位間の電位差を消滅させるすきま腐食を防止する方法であって、
    前記陽極は、前記フランジの周方向に沿って間隔をあけて複数配置される、
    すきま腐食を防止する方法。
  2. フランジの表面に陽極を配置することで、前記陽極が形成する電位勾配の中に前記フランジの表面を収納して、前記フランジの電位を卑化させることにより、前記フランジにおける各部位間の電位差を消滅させるすきま腐食を防止する方法であって、
    前記フランジは、環状であり、周方向に間隔をあけて複数のボルト孔を備え、
    前記陽極は、前記フランジの内周縁と、複数の前記ボルト孔との間に環状に配置され、 前記陽極は、箔状の亜鉛テープ又は板状の亜鉛陽極であり、
    前記陽極の周囲には、陽極ペーストが配置される、
    すきま腐食を防止する方法。
  3. 前記陽極は、箔状又は板状の高純度亜鉛陽極である、
    請求項1に記載のすきま腐食を防止する方法。
  4. 前記陽極は、箔状の亜鉛テープ又は板状の亜鉛陽極であり、
    前記陽極の周囲には、陽極ペーストが配置される、
    請求項1に記載のすきま腐食を防止する方法。
  5. フランジのすきま腐食を防止するための構造であって、
    前記フランジは、前記フランジの周方向に沿って間隔をあけて複数設けられる窪みを備え、
    前記窪みには、陽極が配置される、
    フランジ接続部の防食構造。
  6. 前記フランジは環状であり、周方向に間隔をあけて設けられた複数のボルト孔を備え、 前記窪みは、
    前記ボルト孔から5.0mm離隔するように設けられ、
    底面が平坦であり、
    深さが1.0mm以上3.0mm以下である、
    請求項5に記載のフランジ接続部の防食構造。
  7. 前記窪みは平面状に形成され、
    前記陽極は、板状、又は箔状である、
    請求項6に記載のフランジ接続部の防食構造。
  8. 前記窪みは、円状であり、前記窪みの中心は、前記フランジの中央を中心とする仮想円上に位置するように配置される、
    請求項7に記載のフランジ接続部の防食構造。
  9. フランジのすきま腐食を防止するための構造であって、
    前記フランジは、環状であり、周方向に間隔をあけて複数のボルト孔を備え、
    前記フランジの内周縁と、複数の前記ボルト孔との間に環状に設けられる窪みを備え、 前記窪みには、陽極が配置され、
    前記陽極と前記窪みとの接触面に、陽極ペーストが配置される、
    フランジ接続部の防食構造。
  10. 前記窪みは、
    前記ボルト孔から5.0mm離隔するように設けられ、
    底面が平坦であり、
    深さが1.0mm以上3.0mm以下である、
    請求項9に記載のフランジ接続部の防食構造。
  11. 前記窪みと前記陽極とは、同一の形状及び同一の寸法であり、
    前記フランジの前記窪み以外の部分と、前記陽極とは、面一である、
    請求項5から10のいずれか1項に記載のフランジ接続部の防食構造。
  12. 前記陽極と前記窪みとの接触面に、陽極ペーストが配置される、
    請求項5から8のいずれか1項に記載のフランジ接続部の防食構造。
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