JP7730456B2 - 剥離剤組成物、積層体、積層体の製造方法、及び半導体基板の製造方法 - Google Patents
剥離剤組成物、積層体、積層体の製造方法、及び半導体基板の製造方法Info
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Description
薄化前の半導体ウエハー(ここでは単にウエハーとも呼ぶ)は、研磨装置で研磨するために支持体に接着される。
その際の接着は研磨後に容易に剥離されなければならないため、仮接着と呼ばれる。この仮接着は支持体から容易に取り外されなければならず、取り外しに大きな力を加えると薄化された半導体ウエハーは、切断されたり変形することがあり、その様なことが生じない様に、容易に取り外される。しかし、半導体ウエハーの裏面研磨時に研磨応力によって外れたりずれたりすることは好ましくない。従って、仮接着に求められる性能は研磨時の応力に耐え、研磨後に容易に取り外されることである。
例えば研磨時の平面方向に対して高い応力(強い接着力)を持ち、取り外し時の縦方向に対して低い応力(弱い接着力)を有する性能が求められる。
しかし、半導体基板であるウエハーが高温に加熱された際には、その後に半導体基板と支持基板とをそれらの間に介在する剥離層を利用して分離させようとしても、分離に要する力は加熱温度が低い場合よりも強い力が必要になり、場合によっては、薄化後の半導体基板が割れてしまうほどに強い力が必要になることを、本発明者らは知見した。
[1] 支持基板と、
半導体基板と、
前記支持基板及び前記半導体基板の間に介在し、前記半導体基板に接する剥離層と、
前記支持基板及び前記剥離層の間に介在する接着層と、
を有する積層体であって、
前記剥離層が、重量平均分子量が22,000~68,000のポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物から形成される層である、積層体。
[2] 前記ポリオルガノシロキサンが、ポリジメチルシロキサンである、[1]に記載の積層体。
[3] 前記接着層が、接着剤組成物から形成される層である、[1]又は[2]に記載の積層体。
[4] 前記接着剤組成物が、硬化する成分(A)を含有する[3]に記載の積層体。
[5] 前記成分(A)が、ヒドロシリル化反応によって硬化する成分である[4]に記載の積層体。
[6] 前記成分(A)が、
ケイ素原子に結合した炭素数2~40のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン(a1)と、
Si-H基を有するポリオルガノシロキサン(a2)と、
白金族金属系触媒(A2)と、
を含有する、[4]又は[5]に記載の積層体。
[7] 前記剥離層及び前記接着層の間に介在する無機材料層を有する、[1]~[6]のいずれかに記載の積層体。
[8] 前記無機材料層が、有機ケイ素化合物をプラズマ重合して得られる層である、[7]に記載の積層体。
[9] 前記半導体基板が280℃以上に加熱される処理に用いられる、[1]~[8]のいずれかに記載の積層体。
[10] [1]~[8]のいずれかに記載の積層体における前記半導体基板が加工される工程と、
前記支持基板と加工された前記半導体基板とが離される工程と、
を含む、半導体基板の製造方法。
[11] 前記加工される工程が、前記半導体基板の前記剥離層が接する面と反対側の面が研磨され、前記半導体基板が薄くされる処理を含む、[10]に記載の半導体基板の製造方法。
[12] 前記加工される工程が、前記半導体基板が280℃以上に加熱される処理を含む、[10]又は[11]に記載の半導体基板の製造方法。
[13] [1]~[9]のいずれかに記載の積層体を製造する、積層体の製造方法であって、
前記接着層を与える接着剤塗布層が形成される工程と、
前記支持基板及び前記半導体基板が前記剥離層及び前記接着剤塗布層を介在して接した状態で、前記接着剤塗布層が加熱され、前記接着層が形成される工程と、
を含む、積層体の製造方法。
[14] 280℃以上に加熱される半導体基板に接する剥離層の形成に用いられる剥離剤組成物であって、
重量平均分子量が22,000~68,000のポリオルガノシロキサンを含有する、剥離剤組成物。
[15] 前記ポリオルガノシロキサンが、ポリジメチルシロキサンである、[14]に記載の剥離剤組成物。
[16] 支持基板と、前記半導体基板と、前記支持基板及び前記半導体基板の間に介在し、前記半導体基板に接する前記剥離層と、前記支持基板及び前記剥離層の間に介在する接着層と、を有する積層体の前記剥離層であり、且つ前記積層体の前記半導体基板が加工される際に、280℃以上に加熱される前記半導体基板に接する前記剥離層の形成に用いられる、[14]又は[15]に記載の剥離剤組成物。
本発明の積層体は、支持基板と、半導体基板と、剥離層と、接着層とを有し、必要に応じて、無機材料層を有する。
剥離層は、支持基板及び半導体基板の間に介在し、半導体基板に接する。
接着層は、支持基板及び剥離層の間に介在する。
支持基板としては、半導体基板が加工される際に、半導体基板を支持できる部材であれば、特に限定されないが、例えば、ガラス製支持基板、シリコン製支持基板などが挙げられる。
円盤状の支持基板の厚さは、半導体基板の大きさなどに応じて適宜定めればよく、特に限定されないが、例えば、500~1,000μmである。
円盤状の支持基板の直径は、半導体基板の大きさなどに応じて適宜定めればよく、特に限定されないが、例えば、100~1,000mmである。
半導体基板全体を構成する主な材質としては、この種の用途に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、シリコン、シリコンカーバイド、化合物半導体などが挙げられる。
半導体基板の形状は、特に限定されないが、例えば、円盤状である。なお、円盤状の半導体基板は、その面の形状が完全な円形である必要はなく、例えば、半導体基板の外周は、オリエンテーション・フラットと呼ばれる直線部を有していてもよいし、ノッチと呼ばれる切込みを有していてもよい。
円盤状の半導体基板の厚さとしては、半導体基板の使用目的などに応じて適宜定めればよく、特に限定されないが、例えば、500~1,000μmである。
円盤状の半導体基板の直径としては、半導体基板の使用目的などに応じて適宜定めればよく、特に限定されないが、例えば、100~1,000mmである。
積層体において、半導体基板がバンプを有する場合、半導体基板は、支持基板側にバンプを有する。
半導体基板において、バンプは、通常、回路が形成された面上に形成されている。回路は、単層であってもよし、多層であってもよい。回路の形状としては特に制限されない。
半導体基板において、バンプを有する面と反対側の面(裏面)は、加工に供される面である。
半導体基板が有するバンプの材質、大きさ、形状、構造、密度としては、特に限定されない。
バンプとしては、例えば、ボールバンプ、印刷バンプ、スタッドバンプ、めっきバンプなどが挙げられる。
通常、バンプ高さ1~200μm程度、バンプ径1~200μm、バンプピッチ1~500μmという条件からバンプの高さ、径及びピッチは適宜決定される。
バンプの材質としては、例えば、低融点はんだ、高融点はんだ、スズ、インジウム、金、銀、銅などが挙げられる。バンプは、単一の成分のみで構成されていてもよいし、複数の成分から構成されていてもよい。より具体的には、SnAgバンプ、SnBiバンプ、Snバンプ、AuSnバンプ等のSnを主体とした合金めっき等が挙げられる。
また、バンプは、これらの成分の少なくともいずれかからなる金属層を含む積層構造を有してもよい。
剥離層は、支持基板及び半導体基板の間に介在し、半導体基板に接する。
剥離層は、剥離剤組成物から形成される層である。
剥離剤組成物は、重量平均分子量が22,000~68,000のポリオルガノシロキサンを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
すなわち、剥離剤組成物が含むポリオルガノシロキサンの重量平均分子量は、22,000~68,000である。
なお、剥離層はポリオルガノシロキサンのみから構成されていてもよいし、その他の成分を含有していてもよい。例えば、剥離剤組成物がポリオルガノシロキサン及び揮発成分のみから構成される場合、通常、剥離層を形成する際の加熱によって揮発成分が揮発するため、当該剥離剤組成物から形成される剥離層はポリオルガノシロキサンのみを含有する。
剥離剤組成物に含有されるポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が22,000未満であると、積層体の半導体基板を加工する際などに半導体基板が高温に曝された後、積層体の半導体基板と支持基板とを剥離装置等によって剥離しようとした際に容易に剥離することができず、場合によっては支持基板から半導体基板を剥がそうとすると半導体基板が割れることもある。剥離剤組成物に含有されるポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が68,000を超えると、積層体の半導体基板を加工する際などに半導体基板が高温に曝された後の剥離層の接着力が弱く、半導体基板と支持基板との仮接着が必要な時でも剥離が起こってしまう。
アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が好ましく、その炭素数は、特に限定されるものではないが、通常1~40であり、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、より一層好ましくは10以下である。
エポキシ基を含む有機基におけるエポキシ基は、その他の環と縮合せずに、独立したエポキシ基であってもよく、1,2-エポキシシクロヘキシル基のように、その他の環と縮合環を形成しているエポキシ基であってもよい。
エポキシ基を含む有機基の具体例としては、3-グリシドキシプロピル、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンの好ましい一例としては、エポキシ基含有ポリジメチルシロキサンを挙げることができるが、これに限定されない。
本発明の好ましい態様においては、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンの具体例としては、D10単位のみからなるポリオルガノシロキサン、D10単位とQ単位とを含むポリオルガノシロキサン、D10単位とM単位とを含むポリオルガノシロキサン、D10単位とT単位とを含むポリオルガノシロキサン、D10単位とQ単位とM単位とを含むポリオルガノシロキサン、D10単位とM単位とT単位とを含むポリオルガノシロキサン、D10単位とQ単位とM単位とT単位とを含むポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
R21は、ケイ素原子に結合する基であり、アルキル基を表し、アルキル基の具体例としては、上述の例示を挙げることができる。中でも、R21としては、メチル基が好ましい。
本発明において、メチル基含有ポリオルガノシロキサンの好ましい一例としては、ポリジメチルシロキサンを挙げることができるが、これに限定されない。
ポリオルガノシロキサンの市販品としては、例えば、ワッカーケミ社製の商品名AK 50、AK 350、AK 1000、AK 10000、AK 1000000などが挙げられる。
また、合成したポリオルガノシロキサンも、その重量平均分子量が所望の値であるときは、そのまま1種単独で用いてもよい。また、例えば、剥離層においてポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が所望の値になるように、それぞれ別に合成した、重量平均分子量の異なる2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
更に、市販品と合成したものとを組み合わせて用いてもよい。
このような溶媒としては、例えば、ポリオルガノシロキサンを良好に溶解できる限り特に限定されるものではないが、そのような良溶媒の具体例としては、ヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、イソドデカン等の直鎖状又は分岐鎖状脂肪族飽和炭化水素等の直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、イソプロピルシクロヘキサン、p-メンタン等の環状脂肪族飽和炭化水素、リモネン等の環状脂肪族不飽和炭化水素等の環状脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、メシチレン、1,2,4-トリメチルベンゼン、クメン、1,4-ジイソプロピルベンゼン、p-シメン等の芳香族炭化水素;MIBK(メチルイソブチルケトン)、エチルメチルケトン、アセトン、ジイソブチルケトン、2-オクタノン、2-ノナノン、5-ノナノン等のジアルキルケトン、シクロヘキサノン等のシクロアルキルケトン等の脂肪族飽和炭化水素ケトン、イソホロン等のアルケニルケトン等の脂肪族不飽和炭化水素ケトン等のケトン;ジエチルエーテル、ジ(n-プロピル)エーテル、ジ(n-ブチル)エーテル、ジ(n-ペンチル)エーテル等のジアルキルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状アルキルエーテル等のエーテル;ジエチルスルフィド、ジ(n-プロピル)スルフィド、ジ(n-ブチル)スルフィド等のジアルキルスルフィド等のスルフィド;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルイソブチルアミド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等のアミド;アセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリル等のニトリル;プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールモノアリールエーテル等のグリコールモノ炭化水素エーテル;シクロヘキサノール等の環状アルキルアルコール等のアルキルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、2-フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、3-フェノキシベンジルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等のアルキルアルコール以外のモノアルコール;エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル(プロピルカルビトール)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、2-エチルヘキシルカルビトール、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノアルキルエーテル等、2-フェノキシエタノール等のグリコールモノアリールエーテル等のグリコールモノエーテル;エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテ等のグリコールジアルキルエーテル等のグリコールジエーテル;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールモノアルキルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート;酢酸ブチル、酢酸ペンチル等のエステル等が挙げられる。
また、溶媒としては、揮発性シリコーン油を用いてもよい。本発明において揮発性シリコーン油とは、以下のケイ素数2~5の化合物を指す。
ヘキサメチルジシロキサン、ヘプタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、及びペンタメチルシクロペンタシロキサン
これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
その混合順序は特に限定されるものではないが、容易にかつ再現性よく剥離剤組成物を製造できる方法の一例としては、ポリオルガノシロキサンを一度に溶媒に溶解させる方法や、ポリオルガノシロキサンの一部を溶媒に溶解させ、残りを溶媒に別途溶解させ、得られた各溶液を混合する方法が挙げられるが、これらに限定されない。剥離剤組成物を調製する際、成分が分解したり変質したりしない範囲で、適宜加熱してもよい。
また、剥離剤組成物は、例えば、支持基板と、半導体基板と、支持基板及び半導体基板の間に介在し、半導体基板に接する剥離層と、支持基板及び剥離層の間に介在する接着層と、を有する積層体の剥離層であり、且つ積層体の半導体基板が加工される際に、280℃以上に加熱される半導体基板に接する剥離層の形成に用いられる。
接着層は、支持基板及び剥離層の間に介在する。
接着層は、通常、支持基板に接する。
接着剤組成物としては、例えば、ポリシロキサン系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリスチレン系接着剤、ポリイミド接着剤、フェノール樹脂系接着剤等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの中でも、半導体基板等の加工時は好適な接着能を示し、加工の後は好適に剥離可能であり、更に耐熱性にも優れるため、接着剤組成物としては、ポリシロキサン系接着剤が好ましい。
また、接着剤組成物は、熱硬化性接着剤であってもよいし、熱可塑性接着剤であってもよい。
また、他の好ましい態様においては、熱硬化性接着剤組成物は、ヒドロシリル化反応によって硬化する成分を含む。
本発明で用いる熱硬化性接着剤組成物のより具体的な実施態様として、例えば、下記<<第一の実施態様>>から<<第三の実施態様>>を挙げることができる。
また、本発明で用いる熱可塑性接着剤組成物のより具体的な実施態様としては、例えば、<<第四の実施態様>>を挙げることができる。
好ましい実施態様として、本発明で用いる接着剤組成物は、ポリオルガノシロキサンを含有する。
例えば、本発明で用いる接着剤組成物は、接着剤成分となる硬化する成分(A)を含有する。本発明で用いる接着剤組成物は、接着剤成分となる硬化する成分(A)と、硬化反応を起こさない成分(B)とを含有してもよい。ここで、硬化反応を起こさない成分(B)としては、例えば、ポリオルガノシロキサンが挙げられる。なお、本発明において「硬化反応を起こさない」とは、あらゆる硬化反応を起こさないことを意味するのではなく、硬化する成分(A)に生じる硬化反応を起こさないことを意味する。
他の好ましい態様においては、成分(A)は、ヒドロシリル化反応によって硬化する成分であってもよいし、ヒドロシリル化反応によって硬化するポリオルガノシロキサン成分(A’)であってもよい。
他の好ましい態様においては、成分(A)は、例えば、成分(A’)の一例としての、ケイ素原子に結合した炭素数2~40のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン(a1)と、Si-H基を有するポリオルガノシロキサン(a2)と、白金族金属系触媒(A2)と、を含有する。ここで、炭素数2~40のアルケニル基は置換されていてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。
他の好ましい態様においては、ヒドロシリル化反応によって硬化するポリオルガノシロキサン成分(A’)は、SiO2で表されるシロキサン単位(Q単位)、R1R2R3SiO1/2で表されるシロキサン単位(M単位)、R4R5SiO2/2で表されるシロキサン単位(D単位)及びR6SiO3/2で表されるシロキサン単位(T単位)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の単位を含むポリシロキサン(A1)と、白金族金属系触媒(A2)とを含み、ポリシロキサン(A1)は、SiO2で表されるシロキサン単位(Q’単位)、R1’R2’R3’SiO1/2で表されるシロキサン単位(M’単位)、R4’R5’SiO2/2で表されるシロキサン単位(D’単位)及びR6’SiO3/2で表されるシロキサン単位(T’単位)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の単位を含むとともに、M’単位、D’単位及びT’単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むポリオルガノシロキサン(a1’)と、SiO2で表されるシロキサン単位(Q”単位)、R1”R2”R3”SiO1/2で表されるシロキサン単位(M”単位)、R4”R5”SiO2/2で表されるシロキサン単位(D”単位)及びR6”SiO3/2で表されるシロキサン単位(T”単位)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の単位を含むとともに、M”単位、D”単位及びT”単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むポリオルガノシロキサン(a2’)とを含む。
なお、(a1’)は、(a1)の一例であり、(a2’)は、(a2)の一例である。
置換されていてもよい環状アルケニル基の具体例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等が挙げられるが、これらに限定されず、その炭素数は、通常4~14であり、好ましくは5~10、より好ましくは5~6である。
なお、本発明において、ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量及び数平均分子量並びに分散度は、例えば、GPC装置(東ソー(株)製 HLC-8320GPC)及びGPCカラム(東ソー(株)TSKgel SuperMultiporeHZ-N, TSKgel SuperMultiporeHZ-H)を用い、カラム温度を40℃とし、溶離液(溶出溶媒)としてテトラヒドロフランを用い、流量(流速)を0.35mL/分とし、標準試料としてポリスチレン(Shodex社製)を用いて、測定することができる。
このような白金系の金属触媒は、ポリオルガノシロキサン(a1)のアルケニル基とポリオルガノシロキサン(a2)のSi-H基とのヒドロシリル化反応を促進するための触媒である。
白金とオレフィン類との錯体としては、例えばジビニルテトラメチルジシロキサンと白金との錯体が挙げられるが、これに限定されない。
白金族金属系触媒(A2)の量は、特に限定されないが、通常、ポリオルガノシロキサン(a1)及びポリオルガノシロキサン(a2)の合計量に対して、1.0~50.0ppmの範囲である。
重合抑制剤は、ヒドロシリル化反応の進行を抑制できる限り特に限定されるものではなく、その具体例としては、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、1,1-ジフェニル-2-プロピオン-1-オール等のアルキニルアルコール等が挙げられる。
重合抑制剤の量は、特に限定されないが、ポリオルガノシロキサン(a1)及びポリオルガノシロキサン(a2)の合計量に対して、通常、その効果を得る観点から1000.0ppm以上であり、ヒドロシリル化反応の過度な抑制を防止する観点から10000.0ppm以下である。
このような成分(B)として、典型的には、ポリオルガノシロキサンが挙げられ、その具体例としては、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサン、メチル基含有ポリオルガノシロキサン、フェニル基含有ポリオルガノシロキサン等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、成分(B)としては、ポリジメチルシロキサンが挙げられる。当該ポリジメチルシロキサンは変性されていてもよい。変性されていてもよいポリジメチルシロキサンとしては、例えば、エポキシ基含有ポリジメチルシロキサン、無変性のポリジメチルシロキサン、フェニル基含有ポリジメチルシロキサン等が挙げられるが、これらに限定されない。
成分(B)であるポリオルガノシロキサンの粘度は、特に限定されないが、通常1,000~2,000,000mm2/sである。なお、成分(B)であるポリオルガノシロキサンの粘度の値は、動粘度で示され、センチストークス(cSt)=mm2/sである。粘度(mPa・s)を密度(g/cm3)で割って求めることもできる。すなわち、その値は、25℃で測定したE型回転粘度計で測定した粘度と密度から求めることができ、動粘度(mm2/s)=粘度(mPa・s)/密度(g/cm3)という式から算出することができる。
エポキシ基を含む有機基におけるエポキシ基は、その他の環と縮合せずに、独立したエポキシ基であってもよく、1,2-エポキシシクロヘキシル基のように、その他の環と縮合環を形成しているエポキシ基であってもよい。
エポキシ基を含む有機基の具体例としては、3-グリシドキシプロピル、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンの好ましい一例としては、エポキシ基含有ポリジメチルシロキサンを挙げることができるが、これに限定されない。
本発明の好ましい態様においては、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンの具体例としては、D10単位のみからなるポリオルガノシロキサン、D10単位とQ単位とを含むポリオルガノシロキサン、D10単位とM単位とを含むポリオルガノシロキサン、D10単位とT単位とを含むポリオルガノシロキサン、D10単位とQ単位とM単位とを含むポリオルガノシロキサン、D10単位とM単位とT単位とを含むポリオルガノシロキサン、D10単位とQ単位とM単位とT単位とを含むポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
R21は、ケイ素原子に結合する基であり、アルキル基を表し、アルキル基の具体例としては、上述の例示を挙げることができる。中でも、R21としては、メチル基が好ましい。
本発明において、メチル基含有ポリオルガノシロキサンの好ましい一例としては、ポリジメチルシロキサンを挙げることができるが、これに限定されない。
すなわち、ヒドロシリル化反応によって硬化するポリオルガノシロキサン成分(A’)が含まれる場合、成分(A’)と成分(B)との比率は、質量比〔(A’):(B)〕で、好ましくは99.995:0.005~30:70、より好ましくは99.9:0.1~75:25である。
好ましい実施態様として、本発明で用いる接着剤組成物は、例えば、以下に記載の硬化性接着剤材料、又は該硬化性接着剤材料と剥離添加剤とを含有する。
硬化性接着剤材料としては、例えば、ポリアリーレンオリゴマー、環状オレフィンオリゴマー、アリールシクロブテンオリゴマー、ビニル芳香族オリゴマー、及びこれらの混合物から選択される。
剥離添加剤としては、例えば、ポリエーテル化合物が挙げられる。
ポリエーテル化合物が、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ及びこれらの混合物からなる群から選択される末端基を含むことが好ましい。
ポリエーテル化合物が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(1,3-プロパンジオール)、ポリブチレングリコール、ポリ(テトラヒドロフラン)、エチレングリコール-プロピレングリコールコポリマー、及びこれらの混合物から選択されることが好ましい。
剥離添加剤が、ポリアルキレンオキシドホモポリマー及びポリアルキレンオキシドコポリマーからなる群から選択されることが好ましい。
第二の実施態様の接着剤組成物としては、例えば、特開2014-150239号公報に記載の一時的結合組成物を用いることができる。
第二の実施態様の接着剤組成物について、以下さらに詳しく説明する。
好ましい実施態様として、本発明で用いる接着剤組成物は、例えば、以下に記載の熱硬化性重合体を含有する。
第三の実施態様の接着剤組成物としては、例えば、特許6528747号公報に記載の熱硬化性重合体を用いることができる。
熱硬化性重合体としては、特に限定されないが、好ましい例として、下記式(3)で表される繰り返し単位及び必要に応じて下記式(4)で表される繰り返し単位からなる、重量平均分子量が3,000~500,000のシロキサン結合含有重合体(以下、シリコーンAともいう。)が挙げられる。
好ましい実施態様として、本発明で用いる接着剤組成物は、例えば、以下に記載の熱可塑性組成物である。
第四の実施態様の接着剤組成物としては、例えば、特許5788173号公報に記載の接合用組成物層を形成するための熱可塑性組成物(以下、「接合用組成物」という)を用いることができる。
接合用組成物としては、特に限定されないが、好ましい例として、溶媒系に分散または溶解し、イミド、アミドイミド及びアミドイミド-シロキサンのポリマー及びオリゴマーからなる群から選択される化合物を含む。
化合物は、例えば、下記式(I)及び下記式(II)の少なくともいずれかの繰り返し単位を有するポリマー及びオリゴマーからなる群から選択される。
式(I):
からなる群から選択される。)からなる群から選択される。]
mは1~6であり、
pは1~50、好ましくは1~20、より好ましくは1~10である。]で表される。
kは0~20、好ましくは0~10、より好ましくは0~5である。]からなる群から選択される基を有する。
その混合順序は特に限定されるものではないが、容易にかつ再現性よく接着剤組成物を製造できる方法の一例としては、例えば、成分(A)と成分(B)を溶媒に溶解させる方法や、成分(A)と成分(B)の一部を溶媒に溶解させ、残りを溶媒に溶解させ、得られた溶液を混合する方法が挙げられるが、これらに限定されない。なお、接着剤組成物を調製する際、成分が分解したり変質したりしない範囲で、適宜加熱してもよい。
本発明においては、異物を除去する目的で、接着剤組成物を製造する途中で又は全ての成分を混合した後に、用いる溶媒や溶液等をフィルター等を用いてろ過してもよい。
積層体は、無機材料層を有していてもよい。
無機材料層は、通常、剥離層及び接着層の間に介在する。無機材料層によって、剥離層と接着層とが混ざることが抑制される。
好ましくは、無機材料層は、有機ケイ素化合物をプラズマ重合して得られる層である。
プラズマ重合コーティングに用いられる材料としては、例えば、有機ケイ素化合物が挙げられる。例えば、剥離層又は接着層上に有機ケイ素化合物のプラズマ重合コーティングを行うことによって、有機ケイ素化合物を含む原料ガスを分解させて、剥離層又は接着層上にSi-O結合を含む薄膜である無機材料層を形成できる。
有機ケイ素化合物を含む原料ガスには、O2やN2Oなどの酸素を含有する気体を配合することが好ましい。また、アルゴンやヘリウムなどの希ガスをキャリアガスとして原料ガスに配合してもよい。原料ガスを分解する方法の好ましい一例においては、プラズマ発生装置を用いて、適切な圧力条件下、発生させたプラズマによって原料ガスを分解させる。なお、プラズマを用いて原料ガスを分解させて膜(層)を形成させる技術を一般に、プラズマ重合法ということがある。
シロキサン化合物としては、例えば、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ジメチルジシロキサン、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7-オクタメチルテトラシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、1,1,5,5-テトラフェニル-1,3,3,5-テトラメチルトリシロキサン等の鎖状シロキサン;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7-テトラビニル-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサンなどが挙げられる。
ジシラザン化合物としては、例えば、1,1,3,3-テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルシクロテトラシラザンなどが挙げられる。
シラン化合物としては、例えば、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメトキシシラン、トリエチルシラン、トリクロロメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、クロロトリメチルシラン、テトラメトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、エトキシジメチルシラン、アセトキシトリメチルシラン、アリルオキシトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ブトキシトリメチルシラン、ブチルトリメトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、ジフェニルシランジオール、トリアセトキシメチルシラン、トリアセトキシエチルシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、トリエトキシオクチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリメチルフェニルシラン、プロポキシトリメチルシラン、トリエトキシプロピルシラン、テトラアセトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラプロポキシシラン、トリアセトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリフェニルシラノール、トリメチルビニルシラン、トリス(2-メトキシエトキシ)ビニルシランなどが挙げられる。
図1は積層体の一例の概略断面図である。
図1の積層体は、半導体基板1と、剥離層2と、無機材料層3と、接着層4と、支持基板5とをこの順で有する。
剥離層2は、半導体基板1に接している。
接着層4は、支持基板5及び剥離層2の間に介在する。接着層4は、支持基板5と無機材料層3に接している。
無機材料層3は、剥離層2及び接着層4の間に介在する。無機材料層3は、剥離層2と接着層4に接している。
図1の積層体は、剥離層2と接着層4とに接する無機材料層3を有するが、本発明の積層体においては、無機材料層3は用いられなくてもよく、また、無機材料層3は、剥離層2と接着層4の一方としか接していなくてもよく、いずれとも接していなくてもよい。また、図1の積層体は、支持基板5と無機材料層3とに接する接着層4を有するが、本発明の積層体においては、接着層4は、支持基板5と無機材料層3の一方としか接していなくてもよく、いずれとも接していなくてもよい。
本発明の積層体の製造方法は、例えば、剥離層形成工程と、接着剤塗布層形成工程と、接着層形成工程とを含み、更に必要に応じて、無機材料層形成工程、貼り合せ工程などのその他の工程を含む。
剥離層形成工程は、剥離層が形成される工程である。
用いる剥離剤組成物が溶媒を含まない場合、例えば、半導体基板上に、剥離剤組成物を塗布することによって、剥離層は形成されるが、層を軟化させて基板への密着性を向上させる等の目的で、必要があれば、層を形成する過程で加熱をしてもよい。
用いる剥離剤組成物が溶媒を含む場合、例えば、半導体基板上に、剥離剤組成物を塗布して剥離剤塗布層を形成し、剥離剤塗布層を加熱して溶媒を除去することによって、剥離層は形成されるが、スピンによる成膜に伴って溶媒も除去される等の事情で、必要がなければ、層を形成する過程で加熱をしなくてもよい。
塗布方法としては、特に限定されるものではないが、通常、スピンコート法である。
加熱温度は、溶媒の沸点や加熱の目的に応じて適宜決定されるものではあるが、通常50~250℃であり、加熱時間は、加熱温度に応じて適宜決定されるものではあるが、通常30秒~1時間である。
加熱は、例えば、オーブンやホットプレートを用いて行うことができる。
無機材料層形成工程は、無機材料層が形成される工程であれば、特に限定されないが、例えば、上述の無機材料層の説明において挙げた無機材料層の形成方法を含む工程が挙げられる。
接着剤塗布層形成工程としては、接着剤塗布層が形成される工程であれば特に制限されず、例えば、剥離層上、無機材料層上又は支持基板上に、接着剤組成物を塗布した後に、加熱(前加熱処理)して、未硬化又は未完全硬化の接着層である接着剤塗布層が形成される方法を含む工程が挙げられる。このようにして、接着剤塗布層が、例えば、剥離層若しくは無機材料層上に、又は支持基板上に、形成される。
接着剤塗布層の厚さは、積層体中の接着層の厚さ等を考慮して、適宜決定される。
接着剤組成物が溶媒を含む場合、通常、塗布した接着剤組成物を加熱する。
塗布した接着剤組成物の加熱温度は、接着剤組成物が含む接着剤成分の種類や量、溶媒が含まれるか否か、用いる溶媒の沸点、所望の接着層の厚さ等に応じて異なるため一概に規定できないが、通常80~150℃、その加熱時間は、通常30秒~5分である。
加熱は、ホットプレート、オーブン等を用いて行うことができる。
接着層形成工程としては、接着剤塗布層が加熱され、接着層が形成される工程であれば、特に限定されない(後加熱処理)。
例えば、剥離層及び接着剤塗布層が形成された半導体基板と支持基板とを用いて、2つの層(剥離層及び接着剤塗布層)を挟み込むように2つの基板(半導体基板及び支持基板)を配することによって、支持基板と接着剤塗布層が接するようにした後、加熱処理を施せばよい。または、例えば、剥離層が形成された半導体基板と、接着剤塗布層が形成された支持基板とを用いて、2つの層(剥離層及び接着剤塗布層)を挟み込むように2つの基板(半導体基板及び支持基板)を配することによって、剥離層と接着剤塗布層が接するようにした後、加熱処理を施せばよい。
例えば、剥離層、無機材料層及び接着剤塗布層が形成された半導体基板と支持基板とを用いて、3つの層(剥離層、無機材料層及び接着剤塗布層)を挟み込むように2つの基板(半導体基板及び支持基板)を配することによって、支持基板と接着剤塗布層が接するようにした後、加熱処理を施せばよい。または、例えば、剥離層及び無機材料層が形成された半導体基板と、接着剤塗布層が形成された支持基板とを用いて、3つの層(剥離層、無機材料層及び接着剤塗布層)を挟み込むように2つの基板(半導体基板及び支持基板)を配することによって、無機材料層と接着剤塗布層が接するようにした後、加熱処理を施せばよい。
加熱の温度及び時間としては、接着剤塗布層が接着層に転化される温度及び時間であれば、特に限定されない。
加熱の温度としては、十分な硬化速度を実現する観点等から、好ましくは120℃以上であり、積層体を構成する各層(支持基板及び半導体基板を含む)の変質を防ぐ観点等から、好ましくは260℃以下である。
加熱の時間としては、積層体を構成する各層(支持基板及び半導体基板を含む)の好適な接合を実現する観点から、好ましくは1分以上であり、より好ましくは5分以上であり、過度の加熱による各層への悪影響等を抑制又は回避する観点から、好ましくは180分以下であり、より好ましくは120分以下である。
加熱は、ホットプレート、オーブン等を用いて行うことができる。
加熱は、段階的に行ってもよい。
接着剤塗布層形成工程と接着層形成工程の間には、半導体基板と支持基板との貼り合せを十分なものとするために、貼り合せ工程を行うことが好ましい。
貼り合せ工程としては、基板と層の貼り合わせができ、かつ基板や層に損傷を与えない限り特に限定されるものではないが、典型的には、支持基板及び半導体基板の厚さ方向に荷重が掛け得られる工程であり、より好ましくは、減圧下で支持基板及び半導体基板の厚さ方向に荷重が掛け得られる工程である。
荷重は、基板と層の貼り合わせができ、かつ基板や層に損傷を与えない限り特に限定されるものではないが、例えば、10~1,000Nである。
減圧度は、基板と層の貼り合わせができ、かつ基板や層に損傷を与えない限り特に限定されるものではないが、例えば、10~10,000Paである。
本発明の半導体基板の製造方法は、加工工程と、剥離工程と、除去工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
加工工程としては、本発明の積層体における半導体基板が加工される工程であれば、特に限定されないが、例えば、研磨処理、貫通電極形成処理などを含む。
研磨処理としては、例えば、半導体基板のバンプが存在する面と反対側の面を研磨し、半導体基板を薄くする処理であれば、特に限定されないが、例えば、研磨剤や砥石を用いた物理的研磨などが挙げられる。
研磨処理は、半導体基板の研磨に使用されている一般的な研磨装置を用いて行うことができる。
研磨処理によって、半導体基板の厚さが減り、所望の厚さに薄化した半導体基板が得られる。薄化した半導体基板の厚みとしては、特に限定されないが、例えば、30~300μmであってもよいし、30~100μmであってもよい。
研磨された半導体基板には、複数の薄化された半導体基板を積層した際に薄化された半導体基板間の導通を実現するための貫通電極が形成される場合がある。
そのため、半導体基板の製造方法は、研磨処理の後であって剥離工程の前に、研磨された半導体基板に貫通電極が形成される貫通電極形成処理を含んでいてもよい。
半導体基板に貫通電極を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、貫通孔を形成し、形成された貫通孔に導電性材料を充填することなどが挙げられる。
貫通孔の形成は、例えば、フォトリソグラフィーによって行われる。
貫通孔への導電性材料の充填は、例えば、めっき技術によって行われる。
剥離工程は、加工工程の後に、支持基板と加工された半導体基板とが離される工程である限り特に限定されない。
例えば、鋭部を有する機材(いわゆるディボンダー)で機械的に剥離する方法が挙げられる。具体的には、例えば、半導体基板と支持基板との間に鋭部を挿入した後、半導体基板と支持基板とを分離する。通常、剥離層と半導体基板又は無機材料層との界面で剥離が起こる。
除去工程としては、剥離工程の後に、剥離層が除去される工程であれば、特に限定されないが、例えば、溶解除去が挙げられる。また、除去テープ等を用いて除去を実施してもよい。なお、剥離工程の後に、半導体基板上に剥離層を介して接着層の残渣がある場合には、除去工程では、その残渣も除去される。
洗浄剤組成物を用いる場合、例えば、剥離層付き半導体基板を洗浄剤組成物に浸漬したり、洗浄剤組成物を吹き付けたりすることができる。
第四級アンモニウム塩は、第四級アンモニウムカチオンと、アニオンとから構成されるものであって、この種の用途に用いられるものであれば特に限定されるものではない。
このような第四級アンモニウムカチオンとしては、典型的には、テトラ(炭化水素)アンモニウムカチオンが挙げられる。一方、それと対を成すアニオンとしては、水酸化物イオン(OH-);フッ素イオン(F-)、塩素イオン(Cl-)、臭素イオン(Br-)、ヨウ素イオン(I-)等のハロゲンイオン;テトラフルオロホウ酸イオン(BF4 -);ヘキサフルオロリン酸イオン(PF6 -)等が挙げられるが、これらに限定されない。
第四級アンモニウム塩中、ハロゲン原子は、カチオンに含まれていても、アニオンに含まれていてもよいが、好ましくはアニオンに含まれる。
フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムにおける炭化水素基の具体例としては、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数6~20のアリール基等が挙げられる。
より好ましい一態様においては、フッ化テトラ(炭化水素)アンモニウムは、フッ化テトラアルキルアンモニウムを含む。
フッ化テトラアルキルアンモニウムの具体例としては、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、フッ化テトラプロピルアンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム(テトラブチルアンモニウムフルオリドともいう)等が挙げられるが、これらに限定されない。中でも、フッ化テトラブチルアンモニウムが好ましい。
第四級アンモニウム塩の量は、洗浄剤組成物に含まれる溶媒に溶解する限り特に制限されるものではないが、洗浄剤組成物に対して、通常0.1~30質量%である。
このようなその他の有機溶媒は、この種の用途に用いられるものであって、上述のアミド化合物と相溶性がある有機溶媒であれば特に限定されるものではない。
好ましいその他の溶媒としては、アルキレングリコールジアルキルエーテル、芳香族炭化水素化合物が、環状構造含有エーテル化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
上述のアミド化合物とは異なるその他の有機溶媒の量は、洗浄剤組成物に含まれる第四級アンモニウム塩が析出又は分離せず、かつ、上述のアミド化合物と均一に混ざり合う限りにおいて、通常、洗浄剤組成物に含まれる溶媒中95質量%以下で適宜決定される。
なお、本発明で用いる洗浄剤組成物は、溶媒として、水を含んでもよいが、基板の腐食等を回避する観点等から、通常、有機溶媒のみが、溶媒として意図して用いられる。なお、この場合において、塩の水和水や、有機溶媒に含まれる微量含まれる水が、洗浄剤組成物に含まれてしまうことまでもが、否定される訳ではない。本発明で用いる洗浄剤組成物の含水量は、通常5質量%以下である。
(2)真空貼り合わせ装置:ズースマイクロテック(株)製、XBS300
(3)マニュアル剥離装置:ズースマイクロテック(株)製、マニュアルデボンダー
(4)真空加熱装置:アユミ工業(株)製、VJ-300-S
ポリジメチルシロキサンの重量平均分子量及び数平均分子量、は、GPC装置(東ソー(株)製 HLC―8320GPC)及びGPCカラム(東ソー(株)TSKgel SuperMultiporeHZ-N、TSKgel SuperMultiporeHZ-H)を用い、カラム温度を40℃とし、溶離液(溶出溶媒)としてテトラヒドロフランを用い、流量(流速)を0.35mL/分とし、標準試料としてポリスチレン(Shodex社製)を用いて、測定した。
[調製例1]
自転公転ミキサー専用600mL撹拌容器に、ポリシロキサン骨格とビニル基とを含有するMQ樹脂(ワッカーケミ社製)80g、粘度100mPa・sのSiH基含有直鎖状ポリジメチルシロキサン(ワッカーケミ社製)2.52g、粘度70mPa・sのSiH基含有直鎖状ポリジメチルシロキサン(ワッカーケミ社製)5.89g、及び1-エチニル-1-シクロヘキサノール(ワッカーケミ社製)0.22gを入れ、撹拌機で5分間撹拌し混合物(I)を得た。
白金触媒(ワッカーケミ社製)0.147gと粘度1,000mPa・sのビニル基含有直鎖状ポリジメチルシロキサン(ワッカーケミ社製)5.81gを撹拌機で5分間撹拌して混合物(II)を得た。
混合物(I)全量に、混合物(II)3.96gを加え、撹拌機で5分間撹拌し混合物(III)を得た。最後に、得られた混合物(III)をナイロンフィルター300メッシュでろ過し、接着剤組成物を得た。
[調製例2-1]
250mL撹拌容器に、重量平均分子量が7120及び分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が1.41のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 50)1.81gとヘキサメチルジシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 0.65)98.19gを入れ、撹拌機で5分間撹拌した。最後に、得られた混合物を0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、剥離剤組成物を得た。
250mL撹拌容器に、重量平均分子量が21110及び分散度が1.72のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 350)1.80gとヘキサメチルジシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 0.65)98.2gを入れ、撹拌機で5分間撹拌した。最後に、得られた混合物を0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、剥離剤組成物を得た。
250mL撹拌容器に、重量平均分子量が34550及び分散度が2.24のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 1000)1.81gとヘキサメチルジシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 0.65)98.19gを入れ、撹拌機で5分間撹拌した。最後に、得られた混合物を0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、剥離剤組成物を得た。
250mL撹拌容器に、重量平均分子量が69980及び分散度が3.66のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 10000)1.70gとヘキサメチルジシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 0.65)98.3gを入れ、撹拌機で5分間撹拌した。最後に、得られた混合物を0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、剥離剤組成物を得た。
250mL撹拌容器に、重量平均分子量が171860及び分散度が2.18のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 1000000)1.34gとヘキサメチルジシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 0.65)98.66gを入れ、撹拌機で5分間撹拌した。最後に、得られた混合物を0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、剥離剤組成物を得た。
250mL撹拌容器に重量平均分子量が21110及び分散度が1.72のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 350)1.17gと重量平均分子量が34550及び分散度が2.24のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 1000)0.52gとヘキサメチルジシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 0.65)98.33gを入れ、撹拌機で5分間撹拌した。最後に、得られた混合物を0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、剥離剤組成物を得た。
なお、重量平均分子量が21110及び分散度が1.72のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 350)1.17gと重量平均分子量が34550及び分散度が2.24のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 1000)0.52gとの混合物におけるポリジメチルシロキサンの重量平均分子量は、25100であった。また分散度は4.04であった。
250mL撹拌容器に、重量平均分子量が21110及び分散度が1.72のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 350)0.50gと重量平均分子量が34550及び分散度が2.24のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 1000)1.38gとヘキサメチルジシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 0.65)98.32gを入れ、撹拌機で5分間撹拌した。最後に、得られた混合物を0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、剥離剤組成物を得た。
なお、重量平均分子量が21110及び分散度が1.72のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 350)0.50gと重量平均分子量が34550及び分散度が2.24のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 1000)1.38gとの混合物におけるポリジメチルシロキサンの重量平均分子量は、29270であった。また分散度は4.94であった。
250mL撹拌容器に、重量平均分子量が34550及び分散度が2.24のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 1000)1.33gと重量平均分子量が69980及び分散度が3.66のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 10000)0.57gとヘキサメチルジシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 0.65)98.10gを入れ、撹拌機で5分間撹拌した。最後に、得られた混合物を0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、剥離剤組成物を得た。
なお、重量平均分子量が34550及び分散度が2.24のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 1000)1.33gと重量平均分子量が69980及び分散度が3.66のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 10000)0.57gとの混合物におけるポリジメチルシロキサンの重量平均分子量は、49350であった。また分散度は8.37であった。
250mL撹拌容器に、重量平均分子量が34550及び分散度が2.24のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 1000)0.55gと重量平均分子量が69980及び分散度が3.66のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 10000)1.28gとヘキサメチルジシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 0.65)98.17gを入れ、撹拌機で5分間撹拌した。最後に、得られた混合物を0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、剥離剤組成物を得た。
なお、重量平均分子量が34550及び分散度が2.24のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 1000)0.55gと重量平均分子量が69980及び分散度が3.66のポリジメチルシロキサンであるポリオルガノシロキサン(ワッカーケミ社製、商品名AK 10000)1.28gとの混合物におけるポリジメチルシロキサンの重量平均分子量は、68740であった。また分散度は12.5であった。
(比較例1)
調製例2-1で得られた剥離剤組成物を半導体基板である12インチのシリコンウエハーに、最終的に得られる積層体中の膜厚が170nmとなるようにスピンコートし、剥離層を形成した。
次いで無機材料層であるプラズマポリマー層を最終的に得られる積層体中の膜厚が160nmとなるように剥離層の上に形成した。プラズマポリマー層の形成は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって行った。具体的には、CVDは、40W、65mTorr、ヘキサメチルジシロキサン流量15sccmの条件で実施した。
次いで、調製例1で得られた接着剤組成物を最終的に得られる積層体中の膜厚が60μmとなるようにスピンコートし、プラズマポリマー層の上に接着剤塗布層を形成した。
そして貼り合わせ装置を用いて半導体基板であるシリコンウエハーと支持基板である12インチのガラスウエハーを、剥離層、プラズマポリマー層及び接着剤塗布層を挟み込むように貼り合わせた後、半導体基板を下にして、ホットプレート上で170℃7分間及び190℃7分間の加熱処理を順次することにより積層体を作製した。なお、貼り合わせは、温度23℃、減圧度1,000Paで行った。
調製例2-1で得られた剥離剤組成物の代わりに、それぞれ、調製例2-3、2-6~2-8で得られた剥離剤組成物を用いた以外は、比較例1と同様の方法で積層体を作製した。
調製例2-1で得られた剥離剤組成物の代わりに、それぞれ、調製例2-2、2-4、2-5、2-9で得られた剥離剤組成物を用いた以外は、比較例1と同様の方法で積層体を作製した。
真空加熱装置を用いて、作製した積層体に加熱処理を施した。処理は次の手順で行った。
300℃に設定した加熱ステージ上に積層体の半導体基板を下にして置き、10分間加熱した。なお、加熱は窒素雰囲気下で実施した。
処理後の各積層体の半導体基板の状況を支持基板であるガラスウエハー越しに光学顕微鏡を用いて、観察し、ボイド及びデラミネーションの有無を目視で確認した。また観察後、マニュアル剥離装置を用いて、積層体の半導体基板と支持基板との間に鋭利な機材を入れ、半導体基板と支持基板とを好適にマニュアルで分離できるか否かを確認した。この際、剥離可否の評価結果として、基板に強い負荷がかかっていると感じる程度の力をかけずに、剥離層と無機材料層との界面にて、マニュアルで半導体基板と支持基板とを分離できた場合を「可能」と、それ以外の場合を「不可」と評価した。なお、評価結果が「不可」の場合、更に力をかけて剥離しようとしたときに、それでもなお基板同士を全く分離できない事態や、基板は強引に分離できたが基板にひびが入る事態等が発生した。
ここで、ボイドとは、積層体の基板と層の間、2つの層の間又は層中に気泡がある状態を意味し、望ましくない気泡があるこのような状態では、半導体基板の十分な保護を期待することができない。デラミネーションとは、半導体基板から剥離層が部分的に剥離している状態を意味し、この状態では、半導体基板の十分な保護を期待することができない。
結果を下記表1に示す。
剥離の可否の点で、比較例2は比較例1よりも良好であり、比較例2のポリオルガノシロキサンの重量平均分子量よりももう少し重量平均分子量が大きいポリオルガノシロキサン(例えば、重量平均分子量が22,000のポリオルガノシロキサン)を用いると、剥離が可能になると考えられる。
デラミネーションの程度の点で、比較例3及び5は比較例4よりも良好であり、比較例5のポリオルガノシロキサンの重量平均分子量よりももう少し重量平均分子量が小さいポリオルガノシロキサン(例えば、重量平均分子量が68,000のポリオルガノシロキサン)を用いると、デラミネーションが生じないようになると考えられる。
2 剥離層
3 無機材料層
4 接着層
5 支持基板
Claims (15)
- 支持基板と、
半導体基板と、
前記支持基板及び前記半導体基板の間に介在し、前記半導体基板に接する剥離層と、
前記支持基板及び前記剥離層の間に介在する接着層と、
を有する積層体であって、
前記剥離層が、重量平均分子量が22,000~68,000のポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物から形成される層である、積層体。 - 前記ポリオルガノシロキサンが、ポリジメチルシロキサンである、請求項1に記載の積層体。
- 前記接着層が、接着剤組成物から形成される層である、請求項1又は2に記載の積層体。
- 前記接着剤組成物が、硬化する成分(A)を含有する請求項3に記載の積層体。
- 前記成分(A)が、ヒドロシリル化反応によって硬化する成分である請求項4に記載の積層体。
- 前記成分(A)が、
ケイ素原子に結合した炭素数2~40のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン(a1)と、
Si-H基を有するポリオルガノシロキサン(a2)と、
白金族金属系触媒(A2)と、
を含有する、請求項4又は5に記載の積層体。 - 前記剥離層及び前記接着層の間に介在する無機材料層を有する、請求項1~6のいずれかに記載の積層体。
- 前記無機材料層が、有機ケイ素化合物をプラズマ重合して得られる層である、請求項7に記載の積層体。
- 前記半導体基板が280℃以上に加熱される処理に用いられる、請求項1~8のいずれかに記載の積層体。
- 請求項1~8のいずれかに記載の積層体における前記半導体基板が加工される工程と、
前記支持基板と加工された前記半導体基板とが離される工程と、
を含む、半導体基板の製造方法。 - 前記加工される工程が、前記半導体基板の前記剥離層が接する面と反対側の面が研磨され、前記半導体基板が薄くされる処理を含む、請求項10に記載の半導体基板の製造方法。
- 前記加工される工程が、前記半導体基板が280℃以上に加熱される処理を含む、請求項10又は11に記載の半導体基板の製造方法。
- 請求項1~9のいずれかに記載の積層体を製造する、積層体の製造方法であって、
前記接着層を与える接着剤塗布層が形成される工程と、
前記支持基板及び前記半導体基板が前記剥離層及び前記接着剤塗布層を介在して接した状態で、前記接着剤塗布層が加熱され、前記接着層が形成される工程と、
を含む、積層体の製造方法。 - 支持基板と、半導体基板と、前記支持基板及び前記半導体基板の間に介在し、前記半導体基板に接する剥離層と、前記支持基板及び前記剥離層の間に介在する接着層と、を有する積層体の前記剥離層であり、且つ前記積層体の前記半導体基板が加工される際に、280℃以上に加熱される前記半導体基板に接する前記剥離層の形成に用いられる剥離剤組成物であって、
重量平均分子量が22,000~68,000のポリオルガノシロキサンを含有する、剥離剤組成物。 - 前記ポリオルガノシロキサンが、ポリジメチルシロキサンである、請求項14に記載の剥離剤組成物。
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