JP7730866B2 - 電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法 - Google Patents
電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法Info
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Description
一方、全固体電池は電極におけるイオンの脱挿入過程において、活物質粒子の膨張収縮に伴い、電解質と活物質の粒子間の接触が断たれ易い。これにより、全固体電池では、活物質粒子へのリチウムイオンなどのイオンの挿入脱離が遮断され、電極の抵抗が上がり、充放電可能な電流、いわゆる出力特性が大きく低下する問題がある。そこで、電極内部に、電解質粒子に比べて可橈性を有するリチウムイオン伝導性ポリマーを配する技術が知られている。
特許文献1には、活物質粒子の外表面がリチウムイオン伝導性ポリマーにより部分的に被覆されている電極が開示されている。
すなわち、充放電に伴い、電極内の活物質粒子は膨張収縮する。また、隣接する活物質粒子もまた、同様に膨張収縮する。このため、活物質粒子の外表面がポリマーにより部分的に被覆されているだけでは、活物質粒子間のポリマーや、電解質粒子などから成るリチウムイオンの拡散経路は遮断され易い。また、特許文献1の活物質粒子においては、活物質粒子の表面にポリマーと電解質粒子とがそれぞれ部分的に被覆されている。そのため、ポリマーと電解質粒子間の接触も限定的であるため、活物質粒子の膨張収縮によって接触が遮断され易い。このため、リチウムイオンの拡散が、活物質粒子とポリマー間で制限され易い。結果として、一般的にポリマーよりイオン導電性が高い固体電解質であっても、イオン拡散の効果が低減し易い。
制することができる電極を提供する。また、本開示は、本開示の電極を含む電極複合体を提供する。加えて、本開示は、電池出力の低下が抑制された二次電池を提供する。さらに、本開示は、再現性の高い電極の製造方法を提供する。
二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含む樹脂と支持電解質とを含むことを特徴とする。
本開示の一側面に係る電極は、
二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含むウレタン樹脂と支持電解質とを含むことを特徴とする。
本開示の一側面に係る電極は、
二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
前記活物質粒子の粒子間に、支持電解質を含み、前記支持電解質が、無機電解質を含むことを特徴とする。
本開示の一側面に係る電極は、
二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
前記内表面は、前記活物質粒子の外表面に連続し、
前記活物質粒子は、前記外表面から突出する突出部を有することを特徴とする。
電極と、前記電極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む電極複合体であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置することを特徴とする。
本開示の一側面に係る電極複合体は、
電極と、前記電極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含み、
前記電極が、本開示の電極であることを特徴とする。
正極と、前記正極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含み、
前記正極が、請求項1~22のいずれか一項に記載の電極であり、
前記二次電池が、前記電解質層との間で前記活物質の授受を行う負極を含むことを特徴とする。
活物質粒子を含み、前記活物質粒子間に間隙を有する電極前駆体を準備する第1-1工程と、
前記電極前駆体に充填する、充填用材料を準備する第2-1工程と、
前記充填用材料を、前記電極前駆体の外部から内部に充填する第3-1工程と、
前記電極前駆体の内部に充填された前記充填用材料を、前記電極前駆体の内部に保持させる第4-1工程と、を含むことを特徴とする。
このように、導電性を有する樹脂が、活物質粒子の内表面に接することによって、導電性を有する樹脂の可撓性により、活物質粒子の膨張収縮を緩和しつつ、電極内のイオン拡散の低下を抑制し易くなり出力特性の低下を抑制することができる。例えば後述の第3工程のように焼結処理を行うことによって、活物質粒子に、粒子内に内表面を有させることができる。また、例えば後述の第3-1工程のように充填用材料を電極前駆体に充填することによって、導電性を有する樹脂を、活物質粒子の内表面に接するように位置させることができる。活物質粒子が、粒子内に内表面を有することは、後述の測定方法により確認することができる。また、導電性を有する樹脂が、活物質粒子の内表面に接するように位置することは、後述の測定方法により確認できる。
このような内孔を形成する方法としては、例えば後述の第3工程のように焼結処理を行うことが挙げられる。また、活物質粒子の内表面が、このような内孔を形成していることは、後述の測定方法によって確認することができる。
また、このような内表面を有する活物質粒子としては、例えばコア部と、シェル部とを有する活物質粒子が挙げられる。
このような内表面を形成する方法としては、例えば後述の第3工程のように焼結処理を行うことが挙げられる。
このように、導電性を有する樹脂が、活物質粒子の外表面に接し、活物質粒子を連絡するように配置されていることで、導電性を有する樹脂の可撓性により、活物質粒子の膨張収縮を緩和しつつ、電極内のイオン拡散の低下を抑制し易くなる。その結果、出力特性の低下を抑制することができる。
例えば後述の第3-1工程のように充填用材料を電極前駆体に充填することによって、導電性を有する樹脂を、活物質粒子の外表面に接し、活物質粒子を連絡するように配置させることができる。導電性を有する樹脂が、活物質粒子の外表面に接し、活物質粒子を連絡するように配置されていることは、後述の測定方法により確認できる。
また、負極活物質粒子である黒鉛、Si、チタン酸リチウム(LTO)等を用いること
もできる。
Li-Co酸化物系の活物質粒子としては、例えばセルシードC-5H(商品名、日本化学工業株式会社製)(LiCoO2)などを用いることができる。また、LiMO2(Mは、Ni、Mn、Coからなる群から選択される一の元素)としては、セルシードNMC(商品名、日本化学工業株式会社製)(LiNi(1-x-y)MnxCoyO2)などを用いることができる。Li-PO4酸化物系の活物質粒子としては、Li3V2(PO4)3(東京化学工業株式会社製)やLiFePO4(株式会社豊島製作所製)などを用いることができる。
また、Li3V2(PO4)3やLiFePO4のように電子伝導性が低い活物質粒子を用いる場合は、一般的な手法で粒子表面にカーボンコートして使用してもよい。
なお、活物質粒子は、1種で使用されてもよく、又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
電極が、活物質粒子の粒子間に、導電性を有する樹脂、導電助剤、及び支持電解質からなる群から選択される少なくとも一を含むことは、後述の断面観察における、元素マッピングの結果により確認することができる。
導電性を有する樹脂としては、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエーテルの少なくともいずれかを主鎖構造中に含むことが好ましい。また、ポリエーテル、ポリエーテルを含むウレタン樹脂、ポリエーテルを含むアクリル樹脂がより好ましく、ポリエーテルを含むウレタン樹脂がさらに好ましい。また、ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体が好ましい。
導電性を有する樹脂は、導電性を有するために、構造中にカチオン構造などのイオン性官能基を含むことが好ましい。また、導電性を有する樹脂は、アニオンを含むことが好ましい。さらに、導電性を有する樹脂は、導電助剤や、支持電解質を含むことによって導電性を有していてもよい。
カチオン性含窒素複素環構造は、特に限定されないが、四員環~八員環であってよい。
カチオン性含窒素複素環構造としては、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピラジニウムカチオン、ピリミジニウムカチオン、アゼピニウムカチオン、キノリニウムカチオン、イソキノリニウムカチオン、インドリニウムカチオン、キノキサリニウムカチオン、トリアゾリウムカチオン、トリアジニウムカチオン、及びチアゾリニウムカチオンのようなカチオン性含窒素芳香族複素環構造;ピロリジニウムカチオン、ピロリニウムカチオン、イミダゾリニウムカチオン、イミダゾリジニウムカチオン、ピペラジニウムカチオン、アゼパニウムカチオン、1,3-ジアゼパニウムカチオンや1,4-ジアゼパニウムカチオンのようなジアゼパニウムカチオン、アゾカニウムカチオン、オキサゾリニウムカチオン、及びモルホリニウムカチオンのようなカチオン性含窒素脂肪族複素環構造が挙げられる。中でも、カチオン性含窒素芳香族複素環構造としてはイミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン及びピラジニウムカチオンからなる群から選択される少なくとも一が好ましく、イミダゾリウムカチオンがより好ましい。カチオン性含窒素脂肪族複素環構造としてはピロリジニウムカチオン及びピペラジニウムカチオンからなる群から選択される少なくとも一が好ましく、ピロリジニウムカチオンがより好ましい。
アンモニウムカチオンが有する炭化水素基は特に限定されないが、例えば炭素数1~8(好ましくは1~4、より好ましくは1~2、さらに好ましくは1)の炭化水素基を有していてよい。また、直鎖若しくは分岐を有する構造のアンモニウムカチオンは、下記式(4)で示される構造であってよい。
カチオン構造は、炭化水素基など、任意の置換基を有していてもよい。例えば、カチオン構造は、下記式(1)~(6)で示される構造からなる群から選択される少なくとも一の構造を含むことが好ましい。以下、式(1)~(6)で示される各構造について説明する。
式(1)中、R1及びR2は、各々が結合する窒素原子とともに五員環の含窒素芳香族複素環構造を形成する炭化水素基を表し、Z1~Z3は、各々独立に下記式(X)で示される構造、水素原子、水酸基、炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基又は水酸基を有する炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基を表し、Z1~Z3の少なくとも一は下記式(X)で示される構造であり、d1は0~3(好ましくは0又は1)の整数を表す。
水酸基を有する炭素数1~4の炭化水素基は、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1~2のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。また、水酸基を2以上有していてもよい。
式(1)で示される構造は、少なくとも1つの下記式(X)で示される構造と、2つの
窒素原子とを有する、五員環の含窒素芳香族複素環構造のカチオンを表す。また、式(1)中の含窒素芳香族複素環構造は、例えばイミダゾリウムカチオンであることが好ましい。
式(1)で示される構造を、導電性を有する樹脂の構造中に含有させる方法は特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(1)で示される五員環の含窒素芳香族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート化合物とを反応させることにより、ウレタン樹脂の構造中に式(1)で示される構造が少なくとも一つ含まれる。
式(1)における五員環の含窒素芳香族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物の例としては、式(1)中のZ1~Z3の少なくとも一が、水酸基を有し、かつ直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素であるイオン化合物が挙げられる。このイオン化合物の例として、イミダゾリウムカチオンを含むイオン化合物を以下に挙げる。
1,3-ビスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、2-メチル-1,3-ビスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、2-メチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、4-メチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、2-エチル-1,3ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、4-エチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、2-n-ブチル1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、4-n-ブチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3-ビス(3-ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,3-ビス(4-ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1-メチル-2,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1-メチル-3,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1-メチル-3,5-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン;
1,2,3-トリスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3-トリス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,2,3-トリス(3-ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,2,3-トリス(4-ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4-トリスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1,3,4-トリス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4-トリス(3-ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4-トリス(4-ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン;
及びこれらの誘導体。
式(2)中、R3は、結合する窒素原子とともに含窒素芳香族複素環構造を形成する炭化水素基を表し、Z4及びZ5は、各々独立に式(X)で示される構造、水素原子、水酸基、炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基又は水酸基を有する炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基を表し、Z4及びZ5の少なくとも一は、式(X)で示される構造であり、d2は0~5(好ましくは0又は1)の整数を表す。
水酸基を有する炭素数1~4の炭化水素基は、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1~2のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。また、水酸基を2以上有していてもよい。
式(2)で示される構造は、少なくとも1つの下記式(X)で示される構造を有する、含窒素芳香族複素環構造のカチオンを表す。また、式(2)中の含窒素芳香族複素環構造は、五員環~八員環であってよく、五員環又は六員環であることが好ましい。式(2)中の含窒素芳香族複素環構造は、例えばピリジニウムカチオンであることが好ましい。
式(2)で示される構造を、導電性を有する樹脂の構造中に含有させる方法は特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(2)で示される含窒素芳香族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート基とを反応させることにより、ウレタン樹脂の構造中に式(2)で示される構造が少なくとも一つ含まれる。
式(2)における含窒素芳香族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物の例としては、式(2)中のZ4及びZ5の少なくとも一が、水酸基を有し、かつ直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素であるイオン化合物が挙げられる。このイオン化合物の例として、ピリジニウムカチオンを含むイオン化合物を以下に挙げる。
ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1-n-ブチル-3-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、2-メチル-4-n-ブチル-1-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン;
1,2-ビスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,3-ビスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,4-ビスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,2-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,2-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,2-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,3-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,4-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,2-ビス(4-ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,3-ビス(4-ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,4-ビス(4-ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、2-メチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、2-エチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、5-メチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、5-エチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン;
1,2,4-トリスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,2,4-トリス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,2,4-トリス(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,2,4-トリス(4-ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,3,5-トリスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,3,5-トリス(4-ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン;
及びこれらの誘導体。
式(3)中、R4及びR5は、各々が結合する窒素原子とともに六員環の含窒素芳香族複素環構造を形成する炭化水素基を表し、Z6及びZ7は、各々独立に下記式(X)で示される構造、水素原子、水酸基、炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基又は水酸基を有する炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基を表し、Z6及びZ7の少なくとも一は、下記式(X)で示される構造であり、d3は0~4(好ましくは0~2)の整数を表す。
水酸基を有する炭素数1~4の炭化水素基は、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1~2のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。また、水酸基を2以上有していてもよい。
式(3)で示される構造は、少なくとも1つの下記式(X)で示される構造と、2つの窒素原子とを有する、六員環の含窒素芳香族複素環構造のカチオンを表す。また、式(3)中の含窒素芳香族複素環構造は、例えばピラジニウムカチオンであることが好ましい。
式(3)で示される構造を、導電性を有する樹脂の構造中に含有させる方法は特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(3)で示される六員環の含窒素芳香族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート化合物とを反応させることにより、ウレタン樹脂の構造中に式(3)で示される構造が少なくとも一つ含まれる。
式(3)における六員環の含窒素芳香族複素間構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物の例としては、式(3)中のZ6及びZ7の少なくとも一が、水酸基を有し、かつ直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素であるイオン化合物が挙げられる。このイオン化合物の例として、ピリミジウムカチオンを含むイオン化合物を以下に挙げる。
式(4)中、R7は、水素原子又は炭素数1~4(好ましくは1~2)の炭化水素基を表し、Z8~Z10は、各々独立に、下記式(X)で示される構造、水素原子、水酸基、炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基又は水酸基を有する炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基を表し、Z8~Z10の少なくとも一は下記式(X)で示される構造である。
水酸基を有する炭素数1~4の炭化水素基は、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1~2のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。また、水酸基を2以上有していてもよい。
式(4)で示される構造は、少なくとも1つの下記式(X)で示される構造を有するアンモニウムカチオンを表す。
式(4)で示される構造を、導電性を有する樹脂の構造中に含有させる方法は特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(4)で示されるアンモニウムカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート化合物とを反応させることにより、ウレタン樹脂の構造中に式(4)で示される構造が少なくとも一つ含まれる。
アンモニウムカチオンが好ましい。
式(4)におけるアンモニウムカチオンに対応する構造のイオン化合物の例としては、式(4)中のZ8~Z10の少なくとも一が、水酸基を有し、かつ直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素であるイオン化合物が挙げられる。このイオン化合物の例として、第四級アンモニウムカチオンを含むイオン化合物を以下に挙げる。
ビス(ヒドロキシメチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(3-ヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(4-ヒドロキシブチル)ジメチルアンモニウムカチオン;
トリス(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(3-ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(4-ヒドロキシブチル)メチルアンモニウムカチオン;
及びこれらの誘導体。
式(5)中、R8及びR9は、各々が結合する窒素原子とともに含窒素脂肪族複素環構造を形成する炭化水素基を表し、Z11~Z14は、各々独立に下記式(X)で示される構造、水素原子、水酸基、炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基又は水酸基を有する炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基を表し、Z11~Z14の少なくとも一は、下記式(X)で示される構造であり、d4は0~4(好ましくは0~2)の整数を表す。
水酸基を有する炭素数1~4の炭化水素基は、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1~2のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。また、水酸基を2以上有していてもよい。
式(5)で示される構造は、少なくとも1つの下記式(X)で示される構造と、2つの窒素原子とを有する、含窒素脂肪族複素環構造のカチオンを表す。また、式(5)中の含窒素脂肪族複素環構造は、五員環~八員環であってよく、五員環又は六員環であることが好ましい。式(5)中の含窒素脂肪族複素環構造は、例えばピペラジニウムカチオンであることが好ましい。
式(5)で示される構造を、導電性を有する樹脂の構造中に含有させる方法は特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(5)で示される含窒素脂肪族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート化合物とを反応させることにより、ウレタン樹脂の構造中に式(5)で示される構造が少なくとも一つ含まれる。
式(5)における含窒素脂肪族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物の例としては、式(5)中のZ11~Z14の少なくとも一が、水酸基を有し、かつ直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素であるイオン化合物が挙げられる。このイオン化合物の例として、ピペラジニウムカチオンを含むイオン化合物を以下に挙げる。
式(6)中、R9は、結合する窒素原子とともに含窒素脂肪族複素環構造を形成する炭化水素基を表し、Z15~Z17は、各々独立に式(X)で示される構造、水素原子、炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基又は水酸基を有する炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基を表し、Z15~Z17の少なくとも一は、下記式(X)で示される構造であり、d5は0~4(好ましくは0又は1)の整数を表す。
水酸基を有する炭素数1~4の炭化水素基は、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1~2のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。また、水酸基を2以上有していてもよい。
式(6)で示される構造は、少なくとも1つの下記式(X)で示される構造を有する、含窒素脂肪族複素環構造のカチオンを表す。また、式(6)中の含窒素脂肪族複素環構造は、五員環~八員環であってよく、五員環又は六員環であることが好ましい。式(6)中の含窒素脂肪族複素環構造は、例えばピロリジニウムカチオンであることが好ましい。
式(6)で示される構造を、導電性を有する樹脂の構造中に含有させる方法は特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(6)で示される含窒素脂肪族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート基とを反応させることにより、ウレタン樹脂の構造中に式(6)で示される構造が少なくとも一つ含まれる。
式(6)における含窒素脂肪族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物の例としては、式(6)中のZ15~Z17の少なくとも一が、水酸基を有し、かつ直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素であるイオン化合物が挙げられる。このイオン化合物の例
として、ピロリジニウムカチオンを含むイオン化合物を以下に挙げる。
式(X)中、R10は、直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素基を表し、記号「*」は、式(1)~(6)中の窒素原子との結合部、又は式(1)~(3)及び式(5)~(6)中の含窒素複素環構造中の炭素原子との結合部を表し、記号「**」は、カチオン構造を有するウレタン樹脂を構成するポリマー鎖中の炭素原子との結合部を表す。
R10は、直鎖又は分岐を有する炭素数1~8(好ましくは1~4、より好ましくは1~2)のアルキレン基であることが好ましい。また、R10は、水酸基のような任意の置換基を有していてもよい。
このようなウレタン樹脂を製造する方法は特に限定されないが、例えばポリエチレングリコール-プロピレングリコール共重合体をポリオールとして用い、イソシアネート化合物と反応させることによって製造することができる。また、イソシアネート化合物として、ポリエチレングリコール-プロピレングリコール共重合体と、イソシアネート化合物とを反応させたウレタンプレポリマーを、ポリオールと反応させることによっても製造することができる。
式(9)中、m及びnは、平均付加モル数であり、各々独立に、1以上の自然数であり、n≦m≦9nを満たす。
mは好ましくは1~110であり、より好ましくは34~102である。
nは好ましくは1~55であり、より好ましくは5~43である。
式(9)で示される構造は、例えば、エチレンオキシドとプロピレンオキシドを開環重合して得られるポリエーテルポリオールを用いることによって得られる。
なお、式(9)において(-CH2-CH2-O-)で表されるエチレンオキシド構造及び(-CH2-CH(CH3)-O-)で表されるプロピレンオキシド構造の配列は、ブロック共重合でもよいし、ランダム共重合でもよい。好ましくはランダム共重合である。
活物質粒子の内表面に接する導電性を有する樹脂、又は活物質粒子の外表面に接する導電性を有する樹脂の同定は、組成、原子間結合、結晶構造、等のマッピングが可能な公知の手法を、前述の手法を置換するか、または、補うようにして、採用することが可能である。例えば、断面SPMでの粘弾性マッピング、TOF-SIMSによる元素マッピング、FT-IR、ラマンによる炭素間結合のマッピング、軟X線顕微鏡による軟組織の構造マッピング等が利用される。軟X線顕微鏡は、SPring-8のような放射光施設に付設された検査装置を適用可能である。
導電性を有する樹脂が含有することが好ましいアニオンとしては、例えばフルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロアルキルスルホネートアニオン、フルオロスルホネートアニオン、フルオロアルキルカルボン酸アニオン、フルオロアルキルメチドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、フルオロリン酸アニオン、ジシアナミドアニオン、チオシアネートアニオン、ビスオキサラトホウ酸アニオ
ン、過塩素酸アニオン、及びこれらの誘導体が挙げられる。
フルオロアルキルスルホネートアニオンとしては、具体的には、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、フルオロメタンスルホン酸アニオン、パーフルオロエタンスルホン酸アニオン、パーフルオロプロパンスルホン酸アニオン、パーフルオロブタンスルホン酸アニオン、パーフルオロペンタンスルホン酸アニオン、パーフルオロヘキサンスルホン酸アニオン、パーフルオロオクタンスルホン酸アニオンが挙げられる。
フルオロアルキルカルボン酸アニオンとしては、具体的には、トリフルオロ酢酸アニオン、パーフルオロプロピオン酸アニオン、パーフルオロ酪酸アニオン、パーフルオロ吉草酸アニオン、パーフルオロカプロン酸アニオンが挙げられる。
フルオロアルキルメチドアニオンとしては、具体的には、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロエタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロプロパンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロブタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロペンタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロヘキサンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロオクタンスルホニル)メチドアニオン等のフッ化アルキルスルホニルメチドアニオンが挙げられる。
フルオロリン酸アニオンしては、具体的には、例えばヘキサフルオロリン酸アニオンが挙げられる。
レン誘電体等の有機導電性材料等を用いることができる。
また、全固体電池に通常使用されるイオン伝導性固体を用いることができる。例えば、Li-B酸化物系の固体電解質粒子、Li-Yb酸化物系の固体電解質粒子、ナシコン型の固体電解質粒子(LiAlTi(PO4)3、LiAlGe(PO4)3など)、Li-P-O系の固体電解質粒子(Li3PO4、LiPON(Li3PO4のOの一部をNで置換した粒子)など)が挙げられる。上記固体電解質粒子の中でも、Li-B酸化物系の固体電解質粒子、Li-Yb酸化物系の固体電解質粒子は、比較的低温(700℃以下)で焼結することができるため、焼結時の正極活物質粒子との反応を抑制し、イオン伝導性を保つことができる。このため、上記固体電解質粒子の中でも、Li-B酸化物系の固体電解質粒子、Li-Yb酸化物系の固体電解質粒子を含むことが好ましい。
これらの中でも、LiN(CF3SO3)3、LiN(C2F5SO2)2及びLiClO4からなる群から選択される少なくとも一が好ましい。これらのリチウム塩は、リチウム系活物質に対する化学的な安定性が高く、負極界面において、リチウム塩の分解に伴う絶縁性被膜が生成しにくい。そのため、負極界面の抵抗が変動しにくくなる。リチウム塩は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
導電性を有する樹脂に含まれる指示電解質の種類や、含有量は、溶媒抽出した後、LC-MS等によって測定することができる。
Li-B酸化物系の固体電解質粒子としては、例えばLi3BO3(株式会社豊島製作所製)や、Li3BO3のOの一部をCで置換した粒子などを用いることができる。また、Li-Yb酸化物系の固体電解質粒子としては、例えばLi5.9Yb0.81La0.09Zr0.1(BO3)3などを用いることができる。
導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、上記のような関係にあることにより、無機電解質である固体電解質粒子間の界面抵抗を低減する効果がある。一般的に導電性を有する樹脂と比較して固体電解質(バルク)の方がイオン導電性が良好であるものの、固体電解
質粒子間の界面抵抗による導電性低下を引き起こし易い。導電性を有する樹脂が固体電解質粒子の含有される領域と重なることにより、固体電解質(バルク)の高いイオン導電性を大きく低下させることなく、低い抵抗の電極を実現しやすくなる。また、上記のような関係は、後述の断面観察における、元素マッピングの結果により確認することができる。
以下、図面を参照して、電極前駆体の製造方法の一例を詳細に説明する。以下、電極前駆体は、例えば活物質粒子として正極活物質粒子を用いることで、正極前駆体とすることができる。また、活物質粒子として負極活物質粒子を用いることで、負極前駆体とすることができる。
(1)粘着部を備えた樹脂基材上に、活物質粒子及び電解質粒子を含む粒子層を形成する第1工程(図1中、S101)
(2)前記粒子層が形成された樹脂基材(以後、基材ともいう)を複数積層した積層体を成形する第2工程(図1中、S102)
(3)前記積層体から樹脂基材を除去して、活物質粒子及び電解質粒子を含む立体物を成形する第3工程(図1中、S103)
(4)前記立体物を後処理する第4工程(図1中、S104)
第1工程は、粘着部を備えた樹脂基材上に、活物質粒子及び電解質粒子を含む粒子層を形成する工程である。第1工程は、粒子配置装置を用いて、樹脂基材上に粒子を配置することで、粒子層を形成する。以下、粒子配置装置について、使用することが可能な粒子配置装置1、粒子配置装置2を順に説明する。
図2は、粒子配置装置1の構成を模式的に示す図である。以下、第1の粒子P1は上述した活物質粒子を示し、第2の粒子P2は、上述した電解質粒子を示す。
粒子配置装置1は、第1の基材11aを格納供給する第1の格納容器21aと、前記第1の基材11aを搬送する第1のベルト装置22aと、第1の基材11a上に凹凸パターンを形成するパターン形成装置23と、を有する。粒子配置装置1は、第1の基材11a上に形成された凹凸パターンの凹部に第1の粒子P1を配置する第1の充填装置24aを有する。
粒子配置装置1は、第2の基材11bを格納供給する第2の格納容器21bと、第2の基材11bを搬送する第2のベルト装置22bと、を有する。粒子配置装置1は、第1のベルト装置22aと第2のベルト装置22bがそれぞれ有するローラ223a及び223bが対向した転写部25aを有しており、転写部25aにおいて第1の基材11aから第2の基材11bへと第1の粒子P1が転写される。
脂基材上の、第1の粒子P1が配置されていない領域に第2の粒子P2を配置する第2の配置手段といえる。
まず、供給手段(不図示)によって第1の格納容器21aから第1のベルト装置22aに第1の基材11aが供給される。
パターン形成装置23(後述)によって紫外線硬化性の液体が塗布される場合には、第1の基材11aの少なくとも表面の材質は、紫外線硬化性の液体の濡れ性が高い材料で構成されていることが好ましい。また、第1の基材11aの表面は、平滑であることが好ましい。
1を第1の基材11a上の凹部に充填する場合、第1の基材11a上の凹凸パターンの凹部の開口径(幅)は、第1の粒子P1の体積基準の累積50%粒径(メジアン径)よりも大きいことが好ましい。また、凹部の開口径(幅)は、担持材S1の平均サイズよりも小さいことが好ましい。ここで、凹凸パターンの凹部の開口径は、凹部の短手方向の開口径であることが好ましく、凹部の短手方向の最大開口径であることがより好ましい。
凹部の幅は、第1の粒子P1及び担持材S1の粒径などにより適宜調整することができる。凹部の幅は特に限定されないが、例えば0.2~30μmとすることが好ましく、2~15μmとすることが好ましい。
図3は、充填装置の構成を模式的に示す図である。以下、第1の充填装置24aの構成について説明するが、第2の充填装置24bについても同様である。
担持材S1の粒径は、凹部のサイズ(面積、幅、深さ)により適宜調整することができ
る。例えば、体積基準の累積50%粒径(メジアン径)が、50~100μmであることが好ましい。
なお、磁石246a及び磁石248aは複数の磁石から構成されていてもよく、磁石246a及び磁石248aを構成する磁石の種類は特に限定はされない。例えば、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石などの希土類磁石、プラスチック磁石等の永久磁石や、電磁石などの磁界を発生する手段を用いることができる。なお、磁石248aは、第1の基材11aの搬送方向又はその逆方向に移動可能に構成してもよい。
第1の搬送部材224aが図3中の実線矢印d1方向に移動することにより、第1の搬送部材224aによって担持搬送されている第1の基材11aが搬送され、第1の充填装置24aの充填位置へと搬送される。
11aが形成されている。凹凸パターンは、ハニカムパターンやラインパターンなど所望のパターンとして形成することができる。
充填剤241aは、この凹凸パターン111aに接触し、第1の基材11aの表面に対して垂直な方向への磁力(図中実線Fm)を受けながら、第1の基材11aに対して0ではない相対速度を有しつつ、第1の基材11aと共に搬送される。これにより、担持材S1に担持された第1の粒子P1は第1の基材11aの表面の凹凸パターン111aに摺擦されながら搬送される。
凸部のピッチは、特に制限されないが、例えば1.0~20μmが好ましく、2.0~15μmがより好ましい。
凸部の高さは、特に制限されないが、例えば0.1~20.0μmが好ましく、1.0~10.0μmがより好ましい。
凹部の面積率(凹凸パターンの面積に対する凹部の割合)は、特に制限されないが、例えば50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
ターンの全体に対する凹部の面積率)を50%、凹部の深さを第1の粒子P1の粒径以下に制御すればよい。このとき、凹部の開口幅は、第1の粒子P1のメジアン径よりも大きく、担持材S1の平均サイズ(ここでは平均粒径)よりも小さくする。
なお、後述する第2の粒子P2の粒径と、第2の基材上に第1の粒子P1によって形成される凹凸パターンの凹部のサイズについても同様である。また、担持材としてブラシ繊維を用いる場合には、上述の説明における「担持材の平均粒径」は「担持材の平均繊維径」となる。
充填剤241a中の第1の粒子P1の質量%は、特に制限されないが、好ましくは5~40質量%、10~30質量%の範囲が挙げられる。
充填装置24cは、表面にブラシ繊維を有するローラ2410を有する。ローラ2410は、その表面にブラシ繊維が植毛された、いわゆるブラシローラである。ローラ2410の有するブラシ繊維を構成する繊維の材質は、例えば、ナイロン、レーヨン、アクリル、ビニロン、ポリエステル、塩化ビニルなどを用いることができる。帯電性や剛性を調整する目的で、繊維の表面に表面処理を施してもよい。
容されている。またこの例において、充填剤241aは磁性粒子である担持材S1は含まない。充填剤241aは、撹拌スクリュー部材243aによって撹拌、搬送され、供給部材249に供給される。
充填装置24dは、充填装置24cと同様の構成を有するが、ブラシ繊維を有するローラ2410の代わりに弾性材を有するローラ2411を用いる点で異なる。ローラ2411は、表面に弾性層が形成されたローラである。
弾性層が表面に凸部を有する場合、弾性層の凸部のサイズは凹凸パターン111aの凹部のサイズよりも大きくしておく。弾性層の凸部のサイズは、上述のブラシ繊維の繊維径と同様の方法で測定することができる。
ここで、第2のベルト装置22bは図2に示すように、第1のベルト装置22aと同様に、駆動ローラ221b,222bと、加圧ローラ223bと、それらに懸架されたベルト状の搬送部材224bと、を有する。このとき、加圧ローラ223bは従動で回転している。転写部25aでは、第1のベルト装置22aの加圧ローラ223aと第2のベルト装置22bの加圧ローラ223bとが対向している。
子P1に対する付着力よりも大きな基材である。換言すれば、第2の基材11bに対する第1の粒子P1の付着力は、第1の基材11aに対する第1の粒子P1の付着力よりも大きい。これにより、ニップ部において、第1の基材11a上の第1の粒子P1は、第2の基材11b上へと転写される。
粘着剤の種類や塗布量は使用する凹凸パターンの形状や材質、第1の粒子P1及び第2の粒子P2の粒径や材質などによって適宜調整されるが、凹凸パターン111aに比べて粘着剤の粘着力が大きいことが好ましい。粘着力の比較は、ナノインデンターを用いる一般的な手法により測定可能である。
第2の充填装置24bは、充填容器242a中に、第1の粒子P1と担持材S1を有する充填剤241aの代わりに第2の粒子P2と担持材S2を有する充填剤241bが収容されている点以外は、第1の充填装置24aと同様の構成及び機能を有する。
。
第2の粒子P2は、第1の粒子P1間の空隙部の開口幅以下のメジアン径であることが好ましい。なお、ここでは担持材として磁性粒子を用いる場合について説明するが、第1の充填装置24aと同様に、ブラシ繊維や弾性材を担持材として用いてもよい。
充填剤241b中の第2の粒子P2の質量%は、特に制限されないが、好ましくは5~40質量%、10~30質量%の範囲が挙げられる。
い。
図10は、粒子配置装置2の構成を模式的に示す図である。粒子配置装置2は、基材11に粒子層12を形成する装置であって、基材11を格納供給する格納容器21と、基材11を搬送するベルト装置22と、を有する。また、粒子配置装置2は、基材11に粘着部を設けるための液体を配置する液体付与装置201を有してもよい。その際、基材11に粒子を密に配置するためには、基材11にパターン状に液体を配置することが好ましい。
インクジェット方式で液体を吐出する装置は、例えば、サーマルタイプ、ピエゾタイプ、静電タイプ、コンティニュアスタイプなど、さまざまな吐出方法の装置を用いることができる。
第2工程は、粒子層が形成された樹脂基材(以後、基材ともいう)を複数積層した積層体を成形する工程である。積層体の層の数は特に限定されず、所望の電極容量に応じて決定される。また、積層体は、基盤としての正極集電体などの集電体上に成形されることが好ましい。すなわち、積層体は、基盤を含むことが好ましい。集電体としては、Al箔、SUS箔や白金、金箔などの公知の集電体を用いることができる。基盤として、電解質を用いても構わない。
積層面と逆側に負極や負極基材が形成されていても構わない。
搬送装置31によって基材11がステージ32に搬送されると、ステージ32は基材11及び粒子層12の厚さ分、垂直方向に移動する。搬送装置31による搬送とステージ32の移動とを繰り返すことで、粒子層12がそれぞれ形成された複数の基材11が積層され、積層体15が成形される。
また、積層体15が成形された後に、基材間の空隙を軽減するために、積層体を脱気する脱気工程を有することが好ましい。脱気工程では、真空包装機等により脱気することが好ましい。
第3工程は、積層体から樹脂基材を除去して、活物質粒子及び電解質粒子を含む立体物を成形する工程である。好ましくは、積層体を焼結して、積層体から樹脂基材を除去する工程である。これにより、活物質粒子に内表面や、外表面を形成することができる。すなわち、第3工程は、活物質粒子に内表面を形成する工程であるといえ、活物質粒子に外表面を形成する工程であるともいえる。
図12は、焼結処理装置U4の構成を模式的に示す図である。焼結処理装置U4は、積層体15を搬送する搬送装置41と、積層体15を加熱する加熱炉42と、を有する。
雰囲気ガスとしては、酸化雰囲気(O2)、不活性雰囲気(Ar、N2等)や還元雰囲気(Ar-H2)を用いることができるが、大気下で焼結を行ってもよい。
熱分解温度とは、焼結処理装置における加熱の際の雰囲気下で温度を徐々に上げていった場合に、その材料の重量減少が始まる温度のことである。したがって、基材11の熱分解温度以上の温度で積層体を加熱することで、積層体中の基材11を分解してその重量を減らすことができ、積層体から基材11を除去することができる。
このため、樹脂基材の厚みを薄くして、粒子層への影響を軽減することが好ましい。
z)としたとき、樹脂基材上に配置された各粒子が存在する領域(x、y、z)における、zの最大値と最小値の差の値を示す。
BIB-SEMにより電極の断面撮影を行う。
以下にBIB-SEMの撮影条件について説明する。
電極が電池に含まれている場合、電池を解体して、電極を含むサンプルを取り出す。例えば、ラミネート型電池の場合は、ラミネートを開封し、電極を含む積層体を取り出す。下記断面加工の負荷を抑えるために、撮影に不要な他方の集電体や電極を積層体から分離し、電極を含むサンプルを取り出す。電極は、電解質層と集電体の層間の領域として特定できる。
積層方向に沿った切断面とするようにワイヤーソー(DWS3400/ワイヤー径170μm・ダイヤモンド径30μm)でサンプルを切断する。切断面に対してArによるブロードイオンビームで断面加工(JEOL製SM-09010 Cross Section Polisher)する。断面加工の条件は、電圧6kV、電流150~200mAとする。BIB-SEM画像として、電極サンプルの積層方向の断面を得て、断面観察を行う。ブロードイオンビーム(BIB)の代わりに、ビーム中のイオン粒子強度、ビーム径を変えたファインイオンビーム(FIB)を用いることもできる。
検出器:ESB(反射電子像)
観察条件:加速電圧3kV
倍率:1000倍
フィルター:ESBフィルターに1500Vのバイアス印加
活物質粒子と、電解質粒子と、導電性を有する樹脂との識別は、上述の方法により行う。電極をX線回折(XRD)等で分析し、電極を構成する物質の同定を行う。その後、活物質粒子、電解質粒子、及び導電性を有する樹脂それぞれに含まれる特有の元素を、上述の方法によりSEM-EDXで検出し、識別する。電極を構成する物質の同定は、上述のX線回折以外にも、TEMにおける電子エネルギー損失分光法(EELS)により行うこともできる。また、ラマン分光やTOF-SIMSにより同定することもでき、上述の各分析法を組み合わせて、電極を構成する物質の同定を行ってもよい。
第1の粒子P1として正極活物質粒子のLiCoO2(以下LCO)、第2の粒子P2として電解質粒子のLi3BO3(以下LBO)を用いて、本開示の製造方法により立体物16を成形する。本実施形態においては、LCO粒子(第1の粒子P1)は、図14A及び14Bに示すように、コア部P1aと、シェル部P1bと、シェル部の表面上の、放射状に突出する突出部P1cと、を有している。コア部とシェル部との間には、間隙部P1dが存在する。図14Bにおいて、P1dは、活物質粒子の外表面に連通する、活物質粒子内の内孔であり、連通孔19-1ともいえる。また、LCO粒子は、実線で示すような内表面19を有する。
図15Aは、本開示の電極前駆体の製造方法の各工程(S101~S104)における温度プロファイル、及び雰囲気による酸化還元性を示すプロファイルの例を示す。図15Bは、図15Aに示されるプロファイルにおける、LCO粒子の変化の様子を示す模式図である。第1工程(S101)及び第2工程(S102)においては、室温且つ大気雰囲気(又は不活性雰囲気)のため、樹脂基材上のLCO粒子に変化はない。一方、第3工程(S103)では、焼結処理装置(大気雰囲気)により加熱される。ここで、温度が樹脂基材の融点を越え、十分に加熱されると、基材の重量の減少が始まる。
図17は、熱重量・質量分析測定(TG-MS)の結果である。図17Aは、LCO粒子と樹脂基材の混合サンプルの測定結果である。図17Bは、樹脂基材のみを測定サンプルとした測定結果である。樹脂基材の重量の減少が始まる300℃付近から、還元ガスの一酸化炭素COと考えられる分子量28である分子の増加が確認される。図17Bにおいて、COは500℃付近まで増加傾向(図17B実線)であるのに対し、図17Aにおいては、COは400℃手前で減少傾向となる(図17A実線)。また、図17Aの500℃付近においては、酸素と考えられる分子量32である分子の減少(図17A破線)が確認され、二酸化炭素と考えられる分子量44(図17A点線)の増加が確認された。TG及びTG-MSの結果より、以下が推定される。
一方、COは、基材の減少に伴い発生量が減少していくため、徐々に還元分解が起こりにくくなる。基材の重量の減少が進行すると、COの影響が減少し、LCO粒子に対して還元から酸化が支配的になる。還元された粒子P1rは、酸化により再び、三価のCoであるLiCoO2に変化する(500℃付近)。このとき、LCO粒子内部の、還元分解時に生成された間隙部P1dを有したまま、コア部P1aと、シェル部P1bと、シェル部の表面上の、放射状に突出する突出部P1cと、を有したLCO粒子に変化すると考えられる。
図18-2A~2Dは、第3工程後のLCO粒子(図18-1)における、図18-2A~2Dに示す各部位におけるSTEM-EELSの結果(図18-2A~2D)である。LCO粒子におけるコア部P1a(図18-2D中のArea4)、シェル部P1b(図18-2B中のArea2)、及び突出部P1c(図18-2A中のArea1)は、Coを含み、かつ組成がほぼ同様の酸化物であることが確認できる。
第4工程は、第3工程で得られる立体物を後処理する工程である。後処理を行うことで、電極前駆体に対する、後述の充填用材料の充填工程(第2-1工程)において、充填用材料が充填しやすくなる。
後処理としては、後述する加圧工程の他に、濡れ性や充填性を高めるための物理的、化学的処理が挙げられ、公知の処理方法を採用することができる。具体的には、物理的処理としては、レーザーエッジング等による立体物の物理的処理が挙げられる。また、UV照射やコロナ放電等による表面改質、ガス吸着等の化学的処理が挙げられる。以下、加圧工程を例に説明する。
加圧の際の圧力は、5~500MPaであることが好ましい。加圧により、樹脂基材が除去された立体物内の細孔(空隙)サイズは減少する。一般的に、毛細管現象で知られて
いる通り、細孔サイズの減少に伴い、液体は浸透し易くなる。このため、加圧による後処理を行うことで、後述の充填用材料の充填工程の際の、充填用材料の充填性がより向上する。また、加圧による後処理を行うことで、立体物を構成する粒子を、互いに接触しやすくすることができる。その結果、イオン伝導性及び電子伝導性を上げることや、立体物の強度を上げることができる。
第4工程後に、再度熱処理を行い、立体物の緻密性や強度を上げてもよい。その場合、第3工程の焼結処理装置を用いてもよく、別途、電気炉、管状炉、ホットプレスや熱間等方圧加圧装置(HIP)等で焼結してもよい。
空隙が少ないと、後述の充填用材料の充填工程において、電極前駆体に充填用材料が充填され難く、充填用材料による効果が発現し難い。一方、空隙が多いと、活物質粒子や電解質粒子間の接触が不足し、電極内のイオン伝導性及び電子伝導性が低下する場合がある。空隙の割合は、断面加工(FIB)とSEM観察を繰り返すことによって連続断面画像を取得し、解析ソフトウェアにより再構築して立体画像を取得する、いわゆる3D-SEMにより求めることができる。電極部の□50μm×50μmの領域に対して、積層方向に0.1μmごとに断面加工およびSEM観察を繰り返して、50μm×50μm×10μmの立体画像を取得し、空隙の割合を算出する。また、二次元の正極断面のBIB-SEM画像から、空隙の割合を求めてもよい。このとき、正極断面における中心を含む500μm×10μmの領域のSEM画像を取得し、空隙の割合を算出してもよい。市販の画像解析ソフト(Photoshop(登録商標))により全体の画像(ピクセル)に対する、空隙(ピクセル)の割合として算出できる。
以下、図面を参照して、電極の製造方法の一例を詳細に説明する。以下、電極は、電極前駆体として正極前駆体を用いることで、正極とすることができる。また、電極前駆体として負極前駆体を用いることで、負極とすることができる。
図19は、電極の製造方法を示すイメージ図である。
(1)活物質粒子を含み、活物質粒子間に空隙を有する電極前駆体を準備する第1-1工程(不図示)
(2)電極前駆体に充填する充填用材料を準備する第2-1工程(図19中、S201)(3)充填用材料を、電極前駆体の外部から内部に充填する第3-1工程(図19中、S202)
(4)電極前駆体の内部に充填された充填用材料を、電極前駆体の内部に保持させる第4-1工程(図19中、S203)
(5)第4-1工程によって得られた電極前駆体を後処理する第5-1工程(図19中、S204)
第1-1工程は、活物質粒子を含み、活物質粒子間に空隙を有する電極前駆体を準備する工程である。第1-1工程は、電極前駆体を準備することができれば特に限定されないが、例えば上述の電極前駆体の製造方法を用いて、電極前駆体を準備することができる。
すなわち、第1-1工程は、粘着部を備えた樹脂基材上に、活物質粒子及び電解質粒子を含む粒子層を形成する第1工程と、前記粒子層が形成された樹脂基材を複数積層した積層体を成形する第2工程と、前記積層体から前記樹脂基材を除去して、活物質粒子及び電解質粒子を含む立体物を成形する第3工程と、前記立体物を後処理する第4工程と、を含むことが好ましい。
第2-1工程は、電極前駆体に充填する充填用材料を準備する工程である。第2-1工程としては、以下の原料を配合及び調製する工程が挙げられる。前述のように電極前駆体の空隙に充填するため、充填用材料は液体である必要がある。充填用材料としては、例えば導電性を有する樹脂及び導電性を有する樹脂の前駆体からなる群から選択される少なくとも一を溶媒に溶解した溶液を用いてもよく、導電性を有する樹脂及び導電性を有する樹脂の前駆体からなる群から選択される少なくとも一を分散媒に分散した分散液を用いてもよい。
導電性を有する樹脂の前駆体としては、例えば熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂などのモノマーやオリゴマー、ポリマーを、導電性を有する樹脂の前駆体として用いることができる。すなわち、導電性を有する樹脂は、導電性を有する樹脂の前駆体の硬化物であることが好ましい。導電性を有する樹脂の前駆体としては、具体的には、上述の式(1)~(6)で示される構造に対応する構造のイオン化合物、上述のポリオール、上述のイソシアネート化合物などが挙げられる。
・導電性を有する樹脂及び導電性を有する樹脂の前駆体からなる群から選択される少なくとも一
・必要に応じてリチウム塩等の支持電解質
・溶媒又は分散媒
・必要に応じて導電助剤
第3-1工程は、第2-1工程で準備された充填用材料を電極前駆体の外部から内部に充填する工程である。充填する手段は、液体の充填手段である公知の手段を用いることができる。充填する手段としては、例えば電極前駆体に充填用材料を塗布する塗布工程と、塗布された充填用材料を電極前駆体の内部に浸透させる浸透工程と、を含むことが好ましい。また、活物質粒子の内表面と接するように充填用材料を電極前駆体の内部に浸透させる浸透工程を含むことや、活物質粒子の外表面と接するように充填用材料を電極前駆体の内部に浸透させる浸透工程を含むことがより好ましい。塗布工程に用いる装置としては、例えば、インクジェット装置、ディスペンサー装置、ディップ塗布装置、スピン塗布装置、スプレー塗布装置やロール状塗布装置などが挙げられる。中でも、ディスペンサー装置を用いることが好ましい。浸透工程に用いる装置としては、真空乾燥機や真空包装機などが挙げられる。また、浸透をサポートするために重しなどで加圧してもよい。
ここで、充填用材料は、電極前駆体18の基材14に対する当接面18-2(以下、基材支持面ともいう)と反対側の面18-1(以下、粒子配置面ともいう)に塗布されてもよく、電極前駆体18の端部17に塗布されてもよいが、端部17に塗布されることが好ましい。この理由は後述する。端部とは、電極前駆体の基材面をxy面、積層方向をz方向としたときの、xz面、yz面である(図13B)。
電極前駆体18は、第3工程において、積層体から樹脂基材を除去して立体物を成形しているため、電極前駆体18においては、粒子配置面18-1から連通する細孔が設けられる。また、端部17から連通する細孔が設けられる。これにより、充填用材料50が電極前駆体18の全体に均等に浸透し易い。結果として、導電性を有する樹脂が、活物質粒子の内表面に接するように位置しやすくなる。また、導電性を有する樹脂が、活物質粒子の外表面に接し、活物質粒子を連絡するように配置されやすくなる。
また、端部においては、電極前駆体の積層構造の層間が露出している。そのため、充填用材料が端部に塗布されると、充填用材料が内部に充填されやすくなる。
一方、充填用材料50を電極前駆体18の粒子配置面18-1から、すなわちxy面から塗布する場合は、均等に浸透させるために、xy面の複数個所に少量ずつ塗布することが好ましい。
第4-1工程は、第3-1工程で電極前駆体の内部に充填された充填用材料を、電極前駆体の内部に保持させる工程である。保持させる手段は特に限定されず、充填用材料によって適宜選択される。例えば、充填用材料を増粘する工程や、充填用材料を硬化する工程が挙げられる。具体的には、充填用材料として熱硬化型のポリマー電解質を用いる場合、真空オーブンなどの公知の手段を用いることができる。充填用材料としてUV硬化型のポリマー電解質を用いる場合、UV照射装置などの公知の手段を用いることができる。
UV照射装置を用いる場合、電極の厚みによっては、UV照射によって充填用材料が硬化しにくい場合がある。その場合は、電極前駆体の厚みを、充填した充填用材料が硬化しやすい厚みとし、当該電極前駆体を離型性の高い基盤上に複数成形し、各電極前駆体で充填用材料を硬化後に、転写積層することで電極を得ることができる。
また、第3-1工程の充填は、一度に行ってもよく、複数回に分けて少量ずつ行ってもよい。具体的には、充填を複数回に分けて少量ずつ行う場合、以下のように電極を得てもよい。すなわち、一度第3-1工程の充填を少量行った後、第4-1工程によって充填用材料を電極前駆体の内部に保持させる。その後、再度第3-1工程の充填を行い、第4-1工程によって充填用材料を電極前駆体の内部に保持させる。このように、第3-1工程と第4-1工程とを繰り返し行って、電極前駆体を得てもよい。
第4-1工程によって得られた電極前駆体を、電極として用いることができる。また、
第4-1工程によって得られた電極前駆体を、第5-1工程に付して電極とすることが好ましい。
第5-1工程は、第4-1工程によって得られた電極前駆体を後処理して、電極を得る工程である。後処理としては、第4-1工程によって得られた電極前駆体を加圧する加圧工程、電極の表面に電解質との界面緩衝層を形成する緩衝層形成工程、搬送や保管時の剥離、亀裂や大気暴露を防ぐため、保護フィルムなどによる被覆やALラミネートフィルムなどによる真空包装する梱包工程などが挙げられる。
加圧工程における加圧手段は、公知の手段を用いることができ、具体的には真空脱気、等方圧加圧や、一般的な油圧プレス機やローラ加圧機が挙げられ、中でも真空脱気と等方圧加圧を組み合わせて加圧することが好ましい。
緩衝層形成工程における手段は、公知のコーティング手段を用いることができ、具体的には真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタ、気相成長(CVD)、更に第3-1工程の各塗布手段などが挙げられる。上述した手段を用いず、別途作製された緩衝層シート(ポリマー電解質シートなど)を積層しても構わない。また、第3-1工程で充填される充填用材料が緩衝層も兼ねるように、予め第3-1工程において充填用材料の充填量を制御して、電極上に緩衝層を設けても構わない。
上述の電極の製造方法を用いて、二次電池を製造することができる。二次電池の製造方法としては特に限定されないが、以下の具体例が挙げられる。
上記の電極の製造方法を、正極又は負極の製造方法として用いる場合について説明する。集電体、又は別手段で成形された電解質を基盤として、正極若しくは負極、又は正極及び負極の両極を、上述の電極の製造方法により製造することができる。
また、二次電池の製造方法は、上述の電極の製造方法により電極を準備する工程と、電極に隣接する固体電解質を設ける工程とを含んでもよい。また、上述の電極と、電極に隣接する固体電解質を一括して設ける工程を含んでもよい。すなわち、電極と固体電解質とは、別の工程でそれぞれを準備してもよく、同一の工程で一括して準備してもよい。
製造された各部材を、正極集電体、正極、電解質、負極、負極集電体の順で積層することで、二次電池を製造することができる。二次電池としては、例えばラミネートフィルム内に梱包するラミネート型電池やコインケース内に梱包するコイン型電池が挙げられる。
正極、電解質、負極を構成する各粒子は、焼結時に適切な温度や適切な雰囲気が異なる場合がある。このような材料を取り扱う際には、それぞれの部材である正極、電解質、負極を別途製造し、電池として組立てることが好ましい。また、負極としてリチウム金属又はインジウムを用いる場合は、負極は金属箔として用いたり、スパッタ等の真空プロセスにより、集電体や電解質に成形されることが好ましい。リチウム金属は還元力が強いため、固体電解質種によっては、分解されやすい。その場合、電極と電解質間に緩衝層を設けてもよい。緩衝層としては、ポリマー電解質等を使用することが好ましい。
一方で、二次電池を主に構成する、正極集電体、正極、電解質、負極、及び負極集電体からなる群から選択される2種以上を含む積層体を成形し、電極を含む立体物として製造することもできる。
例えば、それぞれの基材を粒子配置装置1により作製する。つまり、正極集電体基材、正極基材、電解質基材、負極基材、負極集電体基材である。それぞれの基材は、複数種(例えば、正極基材の場合、正極活物質粒子と電解質粒子)の粒子を含んでもよく、単種類の粒子のみを含んでもよい。単種類の粒子のみを含む場合、充填装置24a、24bに同種の充填剤を使用することで、基材上に単種類の緻密な粒子層を形成することができる。
電解質基材は、電解質粒子を含む粒子層で形成される。負極基材は、負極活物質粒子を含む粒子層で形成される。集電体基材は、導電粒子を含む粒子層で形成される。これらの基材を積層体成形装置により、正極集電体基材、正極基材、電解質基材、負極基材、負極集電体基材の順で積層した積層体を作製し、焼結処理装置により電極を含む立体物を成形し、電極前駆体を含む二次電池前駆体を得ることができる。前記電極前駆体に対して、充填用材料の充填及び保持(第2-1~第4-1工程)を行い、二次電池を製造することができる。
さらに、集電体基材の両面側にそれぞれ正極及び負極を積層したバイポーラ型の二次電池も同様に製造することができる。この場合、充填用材料は、少なくとも電極に対して充填、保持されるが、電極以外の電解質や集電体に充填、保持されても構わない。
電極複合体は、本開示の電極と、電極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む。このような電極複合体に、さらに正極又は負極となる電極を設けることによって、活物質粒子の膨張収縮を緩和し、電池出力の低下を抑制することができる二次電池とすることができる。
二次電池は、本開示の正極と、正極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む。また、二次電池は、前記電解質層との間で前記活物質の授受を行う負極を含む。このような二次電池であることによって、活物質粒子の膨張収縮を緩和し、電池出力の低下を抑制することができる。また、電解質層としてイオン伝導性固体のような固体電解質を用いることで、二次電池を全固体電池とすることもできる。
二次電池の製造方法は特に限定されないが、上述の製造方法を用いることができる。
[正極の製造例]
<正極前駆体の製造例>
上述の電極前駆体の製造方法により、実施例1に係る正極前駆体を成形した。
まず、図2に示す粒子配置装置1を用いて、粘着部を備えた樹脂基材上に正極活物質粒子(第1の粒子P1)、及び電解質粒子(第2の粒子P2)からなる粒子層を形成し、樹脂基材とした(第1工程)。
第1の粒子P1はLiCoO2(以下LCO)とし、第2の粒子P2はLi3BO3(以下LBO)とした。LCOは日本化学工業株式会社製(セルシードC-5H)のものを用い、LBOは株式会社豊島製作所製のものを用いた。
第1の基材11aとしては、表面に凹凸構造を有したPDMS(紫外線硬化型液状シリコーンゴム)シートを用いた。第2の基材11bとしては、ポリエステル(PET)製の
樹脂シートであり、表裏面にアクリル系粘着材が塗布された粘着部を有しているものを用いた。使用した第2の基材11b(PET)の厚みは3μmであった。また、粘着部の厚みは1μmであった。樹脂シート上には、LCO粒子がハニカムパターンで配置されており、LCO粒子が配置されていない領域にLBO粒子が配置されている(図9B)。
その後、図12に示す焼結処理装置U4を用いて、積層体から樹脂基材を加熱により除去することで立体物を成形した(第3工程)。焼結雰囲気は大気下、焼結温度は510℃、焼結時間は1時間とした。
立体物を離型材(ニクロム箔)と積層した状態で、ラミネートフィルム(コーパック)内に梱包し、真空包装機により真空包装した。真空包装したラミネートフィルムを等方圧加圧装置により1分加圧(196MPa)して、正極前駆体を得た(第4工程)。
(イオン化合物I-01の製造例)
ジムロート冷却器を取り付けたナスフラスコに、攪拌子とテトラヒドロフラン(THF
関東化学社製)60mlを入れ、水素化ナトリウム(60質量%、流動パラフィンに分散、東京化成工業社製)24.0g(0.60mol)を分散させ、ナスフラスコを氷浴で冷却した。イミダゾール(東京化成工業社製)10.2g(0.15mol)をTHF60mlに溶解させた溶液をゆっくり滴下した後、氷浴を取り外し室温で2時間攪拌した。2-ブロモエタノール(東京化成工業社製)47.6g(0.38mol)を室温で加えた後、70℃で7時間加熱還流した。反応後の反応液をろ過し、不溶分をTHFで洗い流し、得られたろ液の溶媒を減圧留去した。得られた生成物をジクロロメタン200mlに溶解し、アニオン原料として、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成工業社製)43.6g(0.15mol)を溶解させた水溶液を加え、室温下で10時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を、純水にて3回洗浄した。次に、ジクロロメタンを減圧留去し、イオン化合物I-01を得た。イオン化合物I-01は、下記式で表される化合物である。
窒素雰囲気下、反応容器中でイソシアネートとしてポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR-200、東ソー社製)19.6質量部に対し、ポリエーテルポリオール(商品名:アデカポリオールPR-5007、ADEKA社製)120.5質量部を、反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65度で3.5時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、メチルエチルケトン49.8質量部を添加して、イソシアネート基含有量2.5質量%のイソシアネート基末端プレポリマーの溶液を得た。
・アデカポリオール PR-5007 113質量部
・イオン化合物 I-1 3.7質量部
・支持電解質 (ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成工業社製)) 18.6質量部
・メチルエチルケトン 175質量部
充填用材料を充填した正極前駆体を真空オーブン(140℃)で1時間加熱することにより、充填用材料を硬化させて、導電性を有する樹脂とし、正極A-1を成形した(第4-1工程)。なお、充填用材料の充填量を振った水準のサンプルを用意し、上述のBIB-SEMにより、電極内の導電性を有する樹脂が過不足なく浸透する水準を決定した。
正極集電体AC-1(Al箔厚み20μm)、正極A-1、電解質層SE-1、負極C-1、負極集電体CC-1(Cu箔厚み20μm)の順で積層し、予め集電体に溶接した取出し電極用のタブリードを、ラミネート外部に配置するようにアルミラミネートフィルム内に梱包した。その後、真空包装機によりラミネートセル型に成形し、等方圧加圧装置で1分加圧(196MPa)して、二次電池SB-1を作製した。
図22Cは、導電性を有する樹脂に由来する硫黄元素のEDX像である。図22B同様に粒子の境界を破線で示している。間隙部P1dの内表面、すなわち活物質粒子の内表面に接するように導電性を有する樹脂が存在する。また、導電性を有する樹脂が、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されている。
図22Dは、固体電解質LBOに由来するホウ素元素のEDX像である。図22B同様に粒子の境界を破線で示している。図22C及び22Dから分かるように、LCO粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在している。
BOが含有される領域と重なるように存在する。
図24A~24Cに示されるように、導電性を有する樹脂は、活物質粒子の外表面に接し、活物質粒子間を連絡するように配置される。そして、活物質粒子との良好な界面を形成するとともに、支持電解質粒子とも良好な界面を形成し、電極内のイオン拡散を改善していると考えられる。
また、導電性を有する樹脂が、充放電に伴う活物質粒子の膨張収縮に応じて形状変化することにより、イオン伝導性や電子伝導性の低下を抑えていると考えられる。さらに電極内の空隙が、活物質粒子の膨張収縮に応じた導電性を有する樹脂の拡縮を含めた変形のスペースとして機能していると考えられる。
正極の断面を観察するために、電池を積層方向に分離するように解体して正極を取り出した。取り出した正極をワイヤーソー(DWS3400/ワイヤー径170μm・ダイヤモンド径30μm)で切断した。切断面に対してArによるブロードイオンビームで断面加工した(JEOL製SM-09010 Cross Section Polisher)。断面加工の条件は、電圧6kV、電流150~200mAとした。
断面部を電子顕微鏡(ULTRA55)により撮影し、BIB-SEM画像を得た。条件は以下の通りとした。
検出器:ESB(反射電子像)
観察条件:加速電圧3kV
倍率:1000倍
フィルター:ESBフィルターに1500Vのバイアス印加
<充放電特性 容量維持率>
粒子層が形成された樹脂基材の単位面積当たりの活物質粒子質量M(g/cm2)から、正極の活物質粒子質量(M×積層枚数×正極面積cm2)を算出した。単位面積当たりの活物質粒子質量Mは、以下のようにして求めた。
粒子配置装置1中の第1の充填装置24aにより第1の粒子P1を充填した後の、第1の基材11aの重量を測定した。次に、上述の第1の粒子P1を第2の基材11bへ転写
した後の、第1の基材11aの重量を測定した。その差分を計算し、第2の基材11b上の第1の粒子P1の質量を求めた。その後、第1の粒子P1の質量を、第2の基材11bの面積(凹凸領域の面積)で割ることで単位面積当たりの活物質粒子質量Mを算出した。
LCOの実容量は、120mAh/gとし、カットオフ電圧(対Li)を4.2V(充電)/2.6V(放電)とした。その際の、容量維持率は、充電容量に対する放電容量の割合である(放電容量/充電容量×100%)。上記測定を5回繰り返し行い、その平均値を求め、80%以上を良好とした。
電流レート0.4Cでサイクル評価(定電流モードの繰り返し充放電測定)を行った。上述の容量維持率に対して、容量維持率が80%以下になるまで繰り返し充放電測定を行い、その回数nを求め、10回以上を良好とした。
電池評価の結果、容量維持率は100%、サイクル回数nは12回であった。上記評価に従って、充放電特性およびサイクル特性が良好である場合を、電池評価をAとした(表1)。
充填用材料を、正極前駆体の粒子配置面から塗布し正極前駆体に充填したこと以外は、実施例1と同様の方法で正極A-2を作製した。また正極A-2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、二次電池SB-2を作製した。
正極A-2の断面観察を行ったところ、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂が、間隙部の内表面に接するように位置していた。また、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されていた。さらに、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LBOが含有される領域と重なるように存在していた。また、LCO粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在していた。
また、得られた二次電池SB-2は、二次電池SB-1と同様に、容量維持率とサイクル特性が良好であることが確認された。
第3工程における焼結温度を510℃から700℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で正極A-3を作製した。また正極A-3を用いた以外は実施例1と同様にして、二次電池SB-3を作製した。
図25A~図25Cは、正極A-3断面の電子顕微鏡像である。図25Aは、電子顕微鏡像、図25Bは、EDX像(元素C)、図25CはEDX像(元素B)である。高温で
焼成したためか、LCO粒子の酸化が進行し、原料のLCO粒子に近い形態に戻っており、間隙部は認められなかった。
得られた正極A-3の断面構造において、導電性を有する樹脂は、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されていた。さらに、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LBOが含有される領域と重なるように存在していた。また、LCO粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在していた。
また、得られた二次電池SB-3は、二次電池SB-1と同様に、容量維持率とサイクル特性が良好であることが確認された。
第1の粒子を粒径の大きいLCO(セルシードC-8H)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で正極A-4を作製した。正極A-4の断面観察を行ったところ、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂が、間隙部の内表面に接するように位置していた。また、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されていた。さらに、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LBOが含有される領域と重なるように存在していた。また、LCO粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在していた。また、得られた二次電池SB-4は、二次電池SB-1と同様に、容量維持率とサイクル特性が良好であることが確認された。
焼結処理装置U4において、加圧手段422により加圧(50MPa)したこと以外は、実施例1と同様の方法で正極A-5を作製した。正極A-5の断面観察を行ったところ、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂が、間隙部の内表面に接するように位置していた。また、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されていた。さらに、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LBOが含有される領域と重なるように存在していた。また、LCO粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在していた。また、得られた二次電池SB-5は、二次電池SB-1と同様に、容量維持率とサイクル特性が良好であることが確認された。
電解質粒子としてLi5.9Yb0.81La0.09Zr0.1(BO3)3(LYbBO-1)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で正極A-6を作製した。また正極A-6を用いた以外は実施例1と同様にして、二次電池SB-6を作製した。
正極A-6の断面観察を行ったところ、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂が、間隙部の内表面に接するように位置していた。また、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されていた。さらに、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LBOが含有される領域と重なるように存在していた。また、LCO粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在していた。
また、得られた二次電池SB-6は、二次電池SB-1と同様に、容量維持率とサイクル特性が良好であることが確認された。
表中、塗布場所は、第3-1工程において、充填用材料を正極前駆体に対して塗布した場所を示し、接触箇所は、導電性を有する樹脂と、LCO粒子との接触箇所を示し、共偏在の有無は、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在しているか否かを示す。
[構成1]
二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置する、電極。
[構成2]
前記導電性を有する樹脂は、イオン導電性を有する樹脂を含む、構成1に記載の電極。[構成3]
前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含む樹脂と支持電解質とを含む構成1又は2に記載の電極。
[構成4]
前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含むウレタン樹脂と支持電解質とを含む構成1~3のいずれかに記載の電極。
[構成5]
前記内表面は、前記活物質粒子の外表面に連続する構成1~4のいずれかに記載の電極。
[構成6]
前記導電性を有する樹脂は、前記外表面に接する構成5に記載の電極。
[構成7]
前記活物質粒子の粒子間に、導電性を有する樹脂、導電助剤、及び支持電解質からなる群から選択される少なくとも一を含む構成1~6のいずれかに記載の電極。
[構成8]
前記活物質粒子の粒子間に、支持電解質を含み、
前記支持電解質が、無機電解質を含む構成1~7のいずれかに記載の電極。
[構成9]
前記粒子間において、前記導電性を有する樹脂が含有される領域が、前記無機電解質が含有される領域と重なる、構成8に記載の電極。
[構成10]
前記活物質粒子は、コバルト酸リチウムを含む構成1~9のいずれかに記載の電極。
[構成11]
前記活物質粒子は、前記外表面から突出する突出部を有する構成5~10のいずれかに記載の電極。
[構成12]
前記導電性を有する樹脂は、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエーテルの少なくともいずれかを主鎖構造中に含む構成1~11のいずれかに記載の電極。
[構成13]
前記導電性を有する樹脂は、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体であるポリエーテルを主鎖構造中に含む構成1~12のいずれかに記載の電極。[構成14]
前記導電性を有する樹脂は、前記活物質粒子より高い可橈性を有する、構成1~13のいずれかに記載の電極。
[構成15]
二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、外表面を有し、
前記樹脂が、前記外表面に接し、前記活物質粒子を連絡するように配置されている、電極。
[構成16]
前記導電性を有する樹脂は、イオン導電性を有する樹脂を含む、構成15に記載の電極。
[構成17]
前記導電性を有する樹脂は、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエーテルの少なくともいずれかを主鎖構造中に含む構成15又は16に記載の電極。
[構成18]
前記導電性を有する樹脂は、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体であるポリエーテルを主鎖構造中に含む構成15~17のいずれかに記載の電極。
[構成19]
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記内表面は、前記外表面に連続する、構成15~18のいずれかに記載の電極。
[構成20]
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置する、構成19に記載の電極。
[構成21]
前記活物質粒子の粒子間に、支持電解質を含み、
前記支持電解質が、無機電解質を含む構成15~20のいずれかに記載の電極。
[構成22]
前記粒子間において、前記導電性を有する樹脂が含有される領域が、前記無機電解質が含有される領域と重なる、構成21に記載の電極。
[構成23]
電極と、前記電極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む電極複合体であって、
前記電極が、構成1~22のいずれかに記載の電極である、電極複合体。
[構成24]
正極と、前記正極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む二次電池であって、
前記正極が、構成1~22のいずれかに記載の電極であり、
前記二次電池が、前記電解質層との間で前記活物質の授受を行う負極を含む、二次電池。
[方法25]
活物質粒子を含み、前記活物質粒子間に間隙を有する電極前駆体を準備する第1-1工程と、
前記電極前駆体に充填する、充填用材料を準備する第2-1工程と、
前記充填用材料を、前記電極前駆体の外部から内部に充填する第3-1工程と、
前記電極前駆体の内部に充填された前記充填用材料を、前記電極前駆体の内部に保持させる第4-1工程と、を含む電極の製造方法。
[方法26]
前記第3-1工程は、前記活物質粒子の外表面と接するように前記充填用材料を前記電極前駆体の内部に浸透させる浸透工程を含む、方法25に記載の電極の製造方法。
[方法27]
前記第1-1工程は、前記活物質粒子に内表面を形成する工程を含む、方法25又は26に記載の電極の製造方法。
[方法28]
前記活物質粒子に内表面を形成する工程が、前記活物質粒子を焼結する工程である、方法27に記載の電極の製造方法。
[方法29]
前記第1-1工程は、
粘着部を備えた樹脂基材上に、活物質粒子及び電解質粒子を含む粒子層を形成する第1工程と、
前記粒子層が形成された樹脂基材を複数積層した積層体を成形する第2工程と、
前記積層体から前記樹脂基材を除去して、活物質粒子及び電解質粒子を含む立体物を成形する第3工程と、
前記立体物を後処理する第4工程と、
を含む、方法25~28のいずれかに記載の電極の製造方法。
[方法30]
前記第3-1工程は、前記活物質粒子の内表面と接するように前記充填用材料を前記電極前駆体の内部に浸透させる浸透工程を含む、方法25~29のいずれかに記載の電極の製造方法。
[方法31]
前記電極前駆体は、端部を有し、
前記第3-1工程は、前記充填用材料を前記電極前駆体の前記端部に塗布する工程を含む方法25~30のいずれかに記載の電極の製造方法。
Claims (20)
- 二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含む樹脂と支持電解質とを含む電極。 - 二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含むウレタン樹脂と支持電解質とを含む電極。 - 二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
前記活物質粒子の粒子間に、支持電解質を含み、前記支持電解質が、無機電解質を含む電極。 - 二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
前記内表面は、前記活物質粒子の外表面に連続し、
前記活物質粒子は、前記外表面から突出する突出部を有する電極。 - 前記導電性を有する樹脂は、イオン導電性を有する樹脂を含む、請求項4に記載の電極。
- 前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含む樹脂と支持電解質とを含む請求項4に記載の電極。
- 前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含むウレタン樹脂と支持電解質とを含む請求項4に記載の電極。
- 前記内表面は、前記活物質粒子の外表面に連続する請求項1に記載の電極。
- 前記導電性を有する樹脂は、前記外表面に接する請求項8に記載の電極。
- 前記活物質粒子の粒子間に、導電性を有する樹脂、導電助剤、及び支持電解質からなる群から選択される少なくとも一を含む請求項1に記載の電極。
- 前記活物質粒子の粒子間に、支持電解質を含み、
前記支持電解質が、無機電解質を含む請求項1に記載の電極。 - 前記粒子間において、前記導電性を有する樹脂が含有される領域が、前記無機電解質が含有される領域と重なる、請求項3に記載の電極。
- 前記活物質粒子は、コバルト酸リチウムを含む請求項1に記載の電極。
- 前記活物質粒子は、前記外表面から突出する突出部を有する請求項8に記載の電極。
- 前記導電性を有する樹脂は、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエーテルの少なくともいずれかを主鎖構造中に含む請求項1に記載の電極。
- 前記導電性を有する樹脂は、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体であるポリエーテルを主鎖構造中に含む請求項1に記載の電極。
- 前記導電性を有する樹脂は、前記活物質粒子より高い可橈性を有する、請求項1に記載の電極。
- 電極と、前記電極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む電極複合体であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置する、電極複合体。 - 電極と、前記電極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む電極複合体であって、
前記電極が、請求項1~17のいずれか一項に記載の電極である、電極複合体。 - 正極と、前記正極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む二次電池であって、
前記正極が、請求項1~17のいずれか一項に記載の電極であり、
前記二次電池が、前記電解質層との間で前記活物質の授受を行う負極を含む、二次電池。
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| JP2023131271A JP7730866B2 (ja) | 2023-08-10 | 2023-08-10 | 電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法 |
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