Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP7730866B2 - 電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP7730866B2 - 電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法 - Google Patents

電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法

Info

Publication number
JP7730866B2
JP7730866B2 JP2023131271A JP2023131271A JP7730866B2 JP 7730866 B2 JP7730866 B2 JP 7730866B2 JP 2023131271 A JP2023131271 A JP 2023131271A JP 2023131271 A JP2023131271 A JP 2023131271A JP 7730866 B2 JP7730866 B2 JP 7730866B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
particles
active material
conductive resin
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2023131271A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2025025970A (ja
Inventor
健太 久保
洋 谷内
博一 宇佐美
郁郎 中澤
陽平 政田
貴治 青谷
真樹 山田
宏彰 小松
賢太 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2023131271A priority Critical patent/JP7730866B2/ja
Priority to PCT/JP2024/026588 priority patent/WO2025033194A1/ja
Publication of JP2025025970A publication Critical patent/JP2025025970A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7730866B2 publication Critical patent/JP7730866B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • H01M4/131Electrodes based on mixed oxides or hydroxides, or on mixtures of oxides or hydroxides, e.g. LiCoOx
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • H01M4/139Processes of manufacture
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/48Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides
    • H01M4/52Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of nickel, cobalt or iron
    • H01M4/525Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of nickel, cobalt or iron of mixed oxides or hydroxides containing iron, cobalt or nickel for inserting or intercalating light metals, e.g. LiNiO2, LiCoO2 or LiCoOxFy
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本開示は、二次電池に適用する電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法に関する。
一般に、二次電池は、電極(正極や負極)及び電解質で構成され、電極間で電解質を介したイオンの移動が生じることで、充電や放電を行う。このような二次電池は、携帯電話などの小型機器から電気自動車などの大型機器まで、幅広い用途で使用されている。そのため、二次電池の性能のさらなる向上が求められている。近年は電解質に無機固体電解質を使用した、いわゆる全固体電池の研究開発が進んでいる。全固体電池は従来の有機電解液を固体電解質に置き換えることにより、二次電池の安全性や高容量高出力化が期待されている。
一方、全固体電池は電極におけるイオンの脱挿入過程において、活物質粒子の膨張収縮に伴い、電解質と活物質の粒子間の接触が断たれ易い。これにより、全固体電池では、活物質粒子へのリチウムイオンなどのイオンの挿入脱離が遮断され、電極の抵抗が上がり、充放電可能な電流、いわゆる出力特性が大きく低下する問題がある。そこで、電極内部に、電解質粒子に比べて可橈性を有するリチウムイオン伝導性ポリマーを配する技術が知られている。
特許文献1には、活物質粒子の外表面がリチウムイオン伝導性ポリマーにより部分的に被覆されている電極が開示されている。
特開2002-373643号公報 特開2020-198301号公報
しかしながら、本発明者らは、活物質粒子の外表面がポリマーにより部分的に被覆されているだけでは、電極内のリチウムイオンの拡散性を改善するには不十分であることを見出した。これは、以下の理由によると考えられる。
すなわち、充放電に伴い、電極内の活物質粒子は膨張収縮する。また、隣接する活物質粒子もまた、同様に膨張収縮する。このため、活物質粒子の外表面がポリマーにより部分的に被覆されているだけでは、活物質粒子間のポリマーや、電解質粒子などから成るリチウムイオンの拡散経路は遮断され易い。また、特許文献1の活物質粒子においては、活物質粒子の表面にポリマーと電解質粒子とがそれぞれ部分的に被覆されている。そのため、ポリマーと電解質粒子間の接触も限定的であるため、活物質粒子の膨張収縮によって接触が遮断され易い。このため、リチウムイオンの拡散が、活物質粒子とポリマー間で制限され易い。結果として、一般的にポリマーよりイオン導電性が高い固体電解質であっても、イオン拡散の効果が低減し易い。
さらに、特許文献1は、活物質粒子の表面に部分的に被覆する方法として、メカニカルミリング法や化学的被覆処理などを開示している。しかしながら、このような処理方法は、各粒子に対して被覆面積や厚みなどを均一とし、均一な被覆状態にすることが困難であり、電極の製造方法として再現性に問題もあった。
本開示は、活物質粒子の膨張収縮を緩和し、二次電池に用いた際に電池出力の低下を抑
制することができる電極を提供する。また、本開示は、本開示の電極を含む電極複合体を提供する。加えて、本開示は、電池出力の低下が抑制された二次電池を提供する。さらに、本開示は、再現性の高い電極の製造方法を提供する。
本開示の一側面に係る電極は、
二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置
前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含む樹脂と支持電解質とを含むことを特徴とする。
本開示の一側面に係る電極は、
二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含むウレタン樹脂と支持電解質とを含むことを特徴とする。
本開示の一側面に係る電極は、
二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
前記活物質粒子の粒子間に、支持電解質を含み、前記支持電解質が、無機電解質を含むことを特徴とする。
本開示の一側面に係る電極は、
二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
前記内表面は、前記活物質粒子の外表面に連続し、
前記活物質粒子は、前記外表面から突出する突出部を有することを特徴とする。
本開示の一側面に係る電極複合体は、
電極と、前記電極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む電極複合体であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置することを特徴とする。
本開示の一側面に係る電極複合体は、
電極と、前記電極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含み、
前記電極が、本開示の電極であることを特徴とする。
本開示の一側面に係る二次電池は、
正極と、前記正極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含み、
前記正極が、請求項1~22のいずれか一項に記載の電極であり、
前記二次電池が、前記電解質層との間で前記活物質の授受を行う負極を含むことを特徴とする。
本開示の一側面に係る電極の製造方法は、
活物質粒子を含み、前記活物質粒子間に間隙を有する電極前駆体を準備する第1-1工程と、
前記電極前駆体に充填する、充填用材料を準備する第2-1工程と、
前記充填用材料を、前記電極前駆体の外部から内部に充填する第3-1工程と、
前記電極前駆体の内部に充填された前記充填用材料を、前記電極前駆体の内部に保持させる第4-1工程と、を含むことを特徴とする。
本開示によれば、活物質粒子の膨張収縮を緩和し、二次電池に用いた際に電池出力特性の低下を抑制することができる電極を提供できる。また、本開示は、本開示の電極を含む電極複合体を提供できる。さらに、本開示は、電池出力の低下が抑制された二次電池を提供できる。加えて、本開示は、再現性の高い電極の製造方法を提供できる。
電極前駆体の製造方法を示すイメージ図。 粒子配置装置1の構成を模式的に示す図。 充填装置の構成を模式的に示す図。 第1の基材上で搬送される充填剤の模式図。 第1の基材の表面近傍の拡大図。 担持材としてブラシ繊維を用いた場合の充填装置の構成を模式的に示す図。 転写部の構成を模式的に示す図。 第2の充填装置による充填プロセスにおける第2の基材の表面近傍の拡大図。 第1の粒子P1及び第2の粒子P2が転写された後の第2の基材を模式的に示す図。 粒子配置装置2の構成を模式的に示す図。 積層体成形装置の構成を模式的に示す図。 焼結処理装置の構成を模式的に示す図。 電極の製造方法の各工程における、積層体及び立体物のSEM画像。 本開示の一態様の立体物のBIB-SEM画像。 本開示の一態様の立体物に関するメカニズムの説明図。 樹脂基材の熱重量測定の結果を示す図。 熱重量・質量分析測定の結果を示す図。 第3工程後のLCO粒子を示す図。 第3工程後のLCO粒子における、STEM-EDXの結果を示す図。 電極の製造方法を示すイメージ図。 第3-1工程の一態様を表す模式図。 二次電池の充放電カーブを示す図。 正極断面の電子顕微鏡像を示す図。 正極断面の低倍率の電子顕微鏡像を示す図。 本開示の特徴を示す模式図。 正極断面の電子顕微鏡像を示す図。
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。また、本開示において、例えば「XX、YY及びZZからなる群から選択される少なくとも一つ」のような記載は、XX、YY、ZZ、XXとYYとの組合せ、XXとZZとの組合せ、YYとZZとの組合せ、又はXXとYYとZZとの組合せのいずれかを意味する。
本発明者らの検討の結果、電極内の活物質粒子に対して、導電性を有する樹脂(ポリマー)を適切な位置に配置することが重要であることがわかった。これにより、電極内部の各活物質粒子の膨張収縮を緩和しつつ、電極内のイオン拡散の低下を抑制し易くなる。本開示では、後述する方法で電極前駆体にポリマーを充填し、電極前駆体の内部に保持させることで、本開示の電極を実現している。本開示においては、各活物質粒子の膨張収縮の緩和を、便宜的に試作電池の「サイクル特性」という指標を用いて評価し、イオン伝導性を、便宜的に試作電池の「レート特性」という指標を用いて評価する。
本開示の電極は、二次電池に適用する電極である。また、電極は、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含む。電極が活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含むことで、電極間で電解質を介したイオンの移動が生じるようになり、電極として用いることができる。
活物質粒子は、内表面を有し、かつ導電性を有する樹脂は、活物質粒子の内表面に接するように位置することが好ましい。ここで、内表面とは、活物質粒子の内側に存在する表面をいう。
このように、導電性を有する樹脂が、活物質粒子の内表面に接することによって、導電性を有する樹脂の可撓性により、活物質粒子の膨張収縮を緩和しつつ、電極内のイオン拡散の低下を抑制し易くなり出力特性の低下を抑制することができる。例えば後述の第3工程のように焼結処理を行うことによって、活物質粒子に、粒子内に内表面を有させることができる。また、例えば後述の第3-1工程のように充填用材料を電極前駆体に充填することによって、導電性を有する樹脂を、活物質粒子の内表面に接するように位置させることができる。活物質粒子が、粒子内に内表面を有することは、後述の測定方法により確認することができる。また、導電性を有する樹脂が、活物質粒子の内表面に接するように位置することは、後述の測定方法により確認できる。
活物質粒子の内表面は、活物質粒子の外表面に連通する、活物質粒子内の内孔(以下、連通孔ともいう)を形成することが好ましい。このような内孔を形成することによって、後述の第3-1工程の際に、充填用材料を活物質粒子の内表面に接するように位置させやすくなる。
このような内孔を形成する方法としては、例えば後述の第3工程のように焼結処理を行うことが挙げられる。また、活物質粒子の内表面が、このような内孔を形成していることは、後述の測定方法によって確認することができる。
また、活物質粒子の内表面は、活物質粒子の外表面に連続することが好ましい。内表面が外表面に連続していることによって、後述の第3-1工程の際に、導電性を有する樹脂を活物質粒子の内表面に接するように位置させやすくなる。
また、このような内表面を有する活物質粒子としては、例えばコア部と、シェル部とを有する活物質粒子が挙げられる。
このような内表面を形成する方法としては、例えば後述の第3工程のように焼結処理を行うことが挙げられる。
活物質粒子は、外表面を有し、かつ導電性を有する樹脂は、活物質粒子の外表面に接し、活物質粒子を連絡するように配置されていることが好ましい。ここで、外表面とは、活物質粒子の外側に存在する表面をいう。
このように、導電性を有する樹脂が、活物質粒子の外表面に接し、活物質粒子を連絡するように配置されていることで、導電性を有する樹脂の可撓性により、活物質粒子の膨張収縮を緩和しつつ、電極内のイオン拡散の低下を抑制し易くなる。その結果、出力特性の低下を抑制することができる。
例えば後述の第3-1工程のように充填用材料を電極前駆体に充填することによって、導電性を有する樹脂を、活物質粒子の外表面に接し、活物質粒子を連絡するように配置させることができる。導電性を有する樹脂が、活物質粒子の外表面に接し、活物質粒子を連絡するように配置されていることは、後述の測定方法により確認できる。
活物質粒子は、突出部を有することが好ましい。突出部の形状は特に限定されず、ひげ状であるホイスカや、樹枝状であるデンドライトが挙げられる。また、突出部は、例えば外表面から突出している態様が挙げられる。このように突出部を有していると、活物質粒子の表面積が増大する。その結果、電極が電解質を含む場合に、電解質との接触面積を増加させることができる。また、突出部は、例えば後述の第3工程のように焼結処理を行うことによって形成することができる。活物質粒子が突出部を有することは、後述の電極の断面観察によって確認することができる。
活物質粒子としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。例えば、リチウムを含む複合酸化物などを用いることができる。具体的には、例えばLiCoO(コバルト酸リチウム)などのLi-Co酸化物系の活物質粒子、LiMO(Mは、Ni、Mn、Coからなる群から選択される一の元素)などの活物質粒子、Li-PO酸化物系の活物質粒子、リチウムバナジウム化合物(Li(PO、LiVOPO)、オリビン型リン酸塩系化合物(LiMPO(Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、V、Nb、Ti、Al、Zrからなる群から選択される一以上の元素))などが挙げられる。また、リチウムを含有していない活物質粒子を使用してもよい。具体的には、例えば金属酸化物(MnO、Vなど)やフッ化物(FeF、VFなど)が挙げられる。リチウムを含有していない活物質粒子を使用する場合は、負極活物質としてリチウムを含有する金属リチウムやリチウムイオンをドープした負極活物質を配置し、放電から開始することにより使用可能である。
また、負極活物質粒子である黒鉛、Si、チタン酸リチウム(LTO)等を用いること
もできる。
上記正極活物質粒子の中でも、Li-Co酸化物系の活物質粒子を用いることで正極活物質粒子の表面積が増大し、二次電池の出力特性が改善することが、本発明者らによって明らかになっている(特許文献2)。また、Li-PO酸化物系の活物質粒子は、P-O間の共有結合が強く、酸素の放出が抑制されるため非常に安定である。このため、上記正極活物質粒子の中でも、Li-Co酸化物系の活物質粒子、Li-PO酸化物系の活物質粒子を含むことが好ましい。
活物質粒子は、市販品を用いてもよく、材料として別途調製したものを用いてもよい。
Li-Co酸化物系の活物質粒子としては、例えばセルシードC-5H(商品名、日本化学工業株式会社製)(LiCoO)などを用いることができる。また、LiMO(Mは、Ni、Mn、Coからなる群から選択される一の元素)としては、セルシードNMC(商品名、日本化学工業株式会社製)(LiNi(1-x-y)MnCo)などを用いることができる。Li-PO酸化物系の活物質粒子としては、Li(PO(東京化学工業株式会社製)やLiFePO(株式会社豊島製作所製)などを用いることができる。
また、Li(POやLiFePOのように電子伝導性が低い活物質粒子を用いる場合は、一般的な手法で粒子表面にカーボンコートして使用してもよい。
なお、活物質粒子は、1種で使用されてもよく、又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
電極は、活物質粒子の粒子間に、導電性を有する樹脂、導電助剤、及び支持電解質からなる群から選択される少なくとも一を含むことが好ましく、活物質粒子の粒子間に、導電性を有する樹脂及び支持電解質を含むことがより好ましい。これにより、電極内におけるリチウムイオンの拡散性が向上し、電極抵抗を低減できる。また、電極内でリチウムイオンのやり取りができない孤立した活物質粒子が減少することにより、電池の実容量を改善することができる。
電極が、活物質粒子の粒子間に、導電性を有する樹脂、導電助剤、及び支持電解質からなる群から選択される少なくとも一を含むことは、後述の断面観察における、元素マッピングの結果により確認することができる。
導電性を有する樹脂としては特に限定されず、導電性を有していれば、公知の樹脂を用いることができる。例えば、導電性を有する樹脂としては、イオン導電性を有する樹脂であってよい。導電性を有する樹脂としては、ゲル電解質、ドライポリマー電解質が挙げられる。安全性の観点から、可燃性の電解液を含まないドライポリマー電解質が好ましい。
導電性を有する樹脂としては、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエーテルの少なくともいずれかを主鎖構造中に含むことが好ましい。また、ポリエーテル、ポリエーテルを含むウレタン樹脂、ポリエーテルを含むアクリル樹脂がより好ましく、ポリエーテルを含むウレタン樹脂がさらに好ましい。また、ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体が好ましい。
導電性を有する樹脂は、導電性を有するために、構造中にカチオン構造などのイオン性官能基を含むことが好ましい。また、導電性を有する樹脂は、アニオンを含むことが好ましい。さらに、導電性を有する樹脂は、導電助剤や、支持電解質を含むことによって導電性を有していてもよい。
イオン性基としてはカチオン性含窒素複素環構造、並びに直鎖若しくは分岐を有する構造のアンモニウムカチオンからなる群から選択される少なくとも一のカチオン構造であることが好ましい。
カチオン性含窒素複素環構造は、特に限定されないが、四員環~八員環であってよい。
カチオン性含窒素複素環構造としては、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピラジニウムカチオン、ピリミジニウムカチオン、アゼピニウムカチオン、キノリニウムカチオン、イソキノリニウムカチオン、インドリニウムカチオン、キノキサリニウムカチオン、トリアゾリウムカチオン、トリアジニウムカチオン、及びチアゾリニウムカチオンのようなカチオン性含窒素芳香族複素環構造;ピロリジニウムカチオン、ピロリニウムカチオン、イミダゾリニウムカチオン、イミダゾリジニウムカチオン、ピペラジニウムカチオン、アゼパニウムカチオン、1,3-ジアゼパニウムカチオンや1,4-ジアゼパニウムカチオンのようなジアゼパニウムカチオン、アゾカニウムカチオン、オキサゾリニウムカチオン、及びモルホリニウムカチオンのようなカチオン性含窒素脂肪族複素環構造が挙げられる。中でも、カチオン性含窒素芳香族複素環構造としてはイミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン及びピラジニウムカチオンからなる群から選択される少なくとも一が好ましく、イミダゾリウムカチオンがより好ましい。カチオン性含窒素脂肪族複素環構造としてはピロリジニウムカチオン及びピペラジニウムカチオンからなる群から選択される少なくとも一が好ましく、ピロリジニウムカチオンがより好ましい。
直鎖若しくは分岐を有する構造のアンモニウムカチオンとしては、第一級アンモニウムカチオン、第二級アンモニウムカチオン、第三級アンモニウムカチオン及び第四級アンモニウムカチオンが挙げられ、中でも第四級アンモニウムカチオンであることが好ましい。
アンモニウムカチオンが有する炭化水素基は特に限定されないが、例えば炭素数1~8(好ましくは1~4、より好ましくは1~2、さらに好ましくは1)の炭化水素基を有していてよい。また、直鎖若しくは分岐を有する構造のアンモニウムカチオンは、下記式(4)で示される構造であってよい。
カチオン構造は、炭化水素基など、任意の置換基を有していてもよい。例えば、カチオン構造は、下記式(1)~(6)で示される構造からなる群から選択される少なくとも一の構造を含むことが好ましい。以下、式(1)~(6)で示される各構造について説明する。
以下、式(1)で示される構造について説明する。

式(1)中、R及びRは、各々が結合する窒素原子とともに五員環の含窒素芳香族複素環構造を形成する炭化水素基を表し、Z~Zは、各々独立に下記式(X)で示される構造、水素原子、水酸基、炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基又は水酸基を有する炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基を表し、Z~Zの少なくとも一は下記式(X)で示される構造であり、dは0~3(好ましくは0又は1)の整数を表す。
炭素数1~4の炭化水素基としては、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、炭素数1~2のアルキル基がより好ましく、炭素数1のアルキル基がさらに好ましい。
水酸基を有する炭素数1~4の炭化水素基は、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1~2のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。また、水酸基を2以上有していてもよい。
式(1)で示される構造は、少なくとも1つの下記式(X)で示される構造と、2つの
窒素原子とを有する、五員環の含窒素芳香族複素環構造のカチオンを表す。また、式(1)中の含窒素芳香族複素環構造は、例えばイミダゾリウムカチオンであることが好ましい。
式(1)で示される構造を、導電性を有する樹脂の構造中に含有させる方法は特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(1)で示される五員環の含窒素芳香族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート化合物とを反応させることにより、ウレタン樹脂の構造中に式(1)で示される構造が少なくとも一つ含まれる。
式(1)における五員環の含窒素芳香族複素環構造としては、上述のカチオン構造の欄に記載のカチオン性含窒素芳香族複素環構造を用いることができ、中でもイミダゾリウムカチオンが好ましい。
式(1)における五員環の含窒素芳香族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物の例としては、式(1)中のZ~Zの少なくとも一が、水酸基を有し、かつ直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素であるイオン化合物が挙げられる。このイオン化合物の例として、イミダゾリウムカチオンを含むイオン化合物を以下に挙げる。
1-メチル-3-ヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1-メチル-3-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1-メチル-3-(3-ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1-メチル-3-(4-ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1-エチル-3-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1-n-ブチル-3-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3-ジメチル-2-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3-ジメチル-2-(4-ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1,3-ジメチル-4-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン;
1,3-ビスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、2-メチル-1,3-ビスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、2-メチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、4-メチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、2-エチル-1,3ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、4-エチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、2-n-ブチル1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、4-n-ブチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3-ビス(3-ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,3-ビス(4-ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1-メチル-2,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1-メチル-3,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1-メチル-3,5-ビス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン;
1,2,3-トリスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1,2,3-トリス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,2,3-トリス(3-ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,2,3-トリス(4-ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4-トリスヒドロキシメチルイミダゾリウムカチオン、1,3,4-トリス(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4-トリス(3-ヒドロキシプロピル)イミダゾリウムカチオン、1,3,4-トリス(4-ヒドロキシブチル)イミダゾリウムカチオン;
及びこれらの誘導体。
以下、式(2)で示される構造について説明する。

式(2)中、Rは、結合する窒素原子とともに含窒素芳香族複素環構造を形成する炭化水素基を表し、Z及びZは、各々独立に式(X)で示される構造、水素原子、水酸基、炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基又は水酸基を有する炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基を表し、Z及びZの少なくとも一は、式(X)で示される構造であり、dは0~5(好ましくは0又は1)の整数を表す。
炭素数1~4の炭化水素基としては、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、炭素数1~2のアルキル基がより好ましく、炭素数1のアルキル基がさらに好ましい。
水酸基を有する炭素数1~4の炭化水素基は、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1~2のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。また、水酸基を2以上有していてもよい。
式(2)で示される構造は、少なくとも1つの下記式(X)で示される構造を有する、含窒素芳香族複素環構造のカチオンを表す。また、式(2)中の含窒素芳香族複素環構造は、五員環~八員環であってよく、五員環又は六員環であることが好ましい。式(2)中の含窒素芳香族複素環構造は、例えばピリジニウムカチオンであることが好ましい。
式(2)で示される構造を、導電性を有する樹脂の構造中に含有させる方法は特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(2)で示される含窒素芳香族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート基とを反応させることにより、ウレタン樹脂の構造中に式(2)で示される構造が少なくとも一つ含まれる。
式(2)における含窒素芳香族複素環構造としては、上記のカチオン構造の欄に記載のカチオン性含窒素芳香族複素環構造を用いることができ、中でもピリジニウムカチオンが好ましい。
式(2)における含窒素芳香族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物の例としては、式(2)中のZ及びZの少なくとも一が、水酸基を有し、かつ直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素であるイオン化合物が挙げられる。このイオン化合物の例として、ピリジニウムカチオンを含むイオン化合物を以下に挙げる。
1-ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1-(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1-(4-ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、2-メチル-1-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、3-メチル-1-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、4-メチル-1-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、3-エチル-1-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、3-n-ブチル-1-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1-メチル-2-ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1-メチル-3-ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1-メチル-4-ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1-メチル-2-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1-メチル-3-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1-メチル-4-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1-エチル-3-(2-
ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1-n-ブチル-3-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、2-メチル-4-n-ブチル-1-(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン;
1,2-ビスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,3-ビスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,4-ビスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,2-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,2-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,2-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,3-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,4-ビス(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,2-ビス(4-ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,3-ビス(4-ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,4-ビス(4-ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、2-メチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、2-エチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、5-メチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、5-エチル-1,3-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン;
1,2,4-トリスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,2,4-トリス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,2,4-トリス(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,2,4-トリス(4-ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン、1,3,5-トリスヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)ピリジニウムカチオン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシプロピル)ピリジニウムカチオン、1,3,5-トリス(4-ヒドロキシブチル)ピリジニウムカチオン;
及びこれらの誘導体。
以下、式(3)で示される構造について説明する。

式(3)中、R及びRは、各々が結合する窒素原子とともに六員環の含窒素芳香族複素環構造を形成する炭化水素基を表し、Z及びZは、各々独立に下記式(X)で示される構造、水素原子、水酸基、炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基又は水酸基を有する炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基を表し、Z及びZの少なくとも一は、下記式(X)で示される構造であり、dは0~4(好ましくは0~2)の整数を表す。
炭素数1~4の炭化水素基としては、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、炭素数1~2のアルキル基がより好ましく、炭素数1のアルキル基がさらに好ましい。
水酸基を有する炭素数1~4の炭化水素基は、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1~2のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。また、水酸基を2以上有していてもよい。
式(3)で示される構造は、少なくとも1つの下記式(X)で示される構造と、2つの窒素原子とを有する、六員環の含窒素芳香族複素環構造のカチオンを表す。また、式(3)中の含窒素芳香族複素環構造は、例えばピラジニウムカチオンであることが好ましい。
式(3)で示される構造を、導電性を有する樹脂の構造中に含有させる方法は特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(3)で示される六員環の含窒素芳香族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート化合物とを反応させることにより、ウレタン樹脂の構造中に式(3)で示される構造が少なくとも一つ含まれる。
式(3)における六員環の含窒素芳香族複素環構造としては、上述のカチオン構造の欄に記載のカチオン性含窒素芳香族複素環構造を用いることができ、中でもピリミジニウムカチオン、ピラジニウムカチオンが好ましい。
式(3)における六員環の含窒素芳香族複素間構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物の例としては、式(3)中のZ及びZの少なくとも一が、水酸基を有し、かつ直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素であるイオン化合物が挙げられる。このイオン化合物の例として、ピリミジウムカチオンを含むイオン化合物を以下に挙げる。
1,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピリミジニウムカチオン、1,5-ビス(3-ヒドロキシブチル)ピリミジニウムカチオン、1-(4-ヒドロキシブチル)-4-(2-ヒドロキシエチル)ピリミジニウムカチオン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-メチルピリミジニウムカチオン;及びこれらの誘導体。
以下、式(4)で示される構造について説明する。

式(4)中、Rは、水素原子又は炭素数1~4(好ましくは1~2)の炭化水素基を表し、Z~Z10は、各々独立に、下記式(X)で示される構造、水素原子、水酸基、炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基又は水酸基を有する炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基を表し、Z~Z10の少なくとも一は下記式(X)で示される構造である。
炭素数1~4の炭化水素基としては、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、炭素数1~2のアルキル基がより好ましく、炭素数1のアルキル基がさらに好ましい。
水酸基を有する炭素数1~4の炭化水素基は、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1~2のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。また、水酸基を2以上有していてもよい。
式(4)で示される構造は、少なくとも1つの下記式(X)で示される構造を有するアンモニウムカチオンを表す。
式(4)で示される構造を、導電性を有する樹脂の構造中に含有させる方法は特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(4)で示されるアンモニウムカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート化合物とを反応させることにより、ウレタン樹脂の構造中に式(4)で示される構造が少なくとも一つ含まれる。
式(4)におけるアンモニウムカチオンとしては、上述のカチオン構造の欄に記載の直鎖若しくは分岐を有する構造のアンモニウムカチオンを用いることができ、中でも第四級
アンモニウムカチオンが好ましい。
式(4)におけるアンモニウムカチオンに対応する構造のイオン化合物の例としては、式(4)中のZ~Z10の少なくとも一が、水酸基を有し、かつ直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素であるイオン化合物が挙げられる。このイオン化合物の例として、第四級アンモニウムカチオンを含むイオン化合物を以下に挙げる。
2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムカチオン、2-ヒドロキシエチルトリエチルアンモニウムカチオン、4-ヒドロキシブチルトリメチルアンモニウムカチオン、4-ヒドロキシブチル-トリ-n-ブチルアンモニウムカチオン;
ビス(ヒドロキシメチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(3-ヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニウムカチオン、ビス(4-ヒドロキシブチル)ジメチルアンモニウムカチオン;
トリス(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(3-ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムカチオン、トリス(4-ヒドロキシブチル)メチルアンモニウムカチオン;
及びこれらの誘導体。
以下、式(5)で示される構造について説明する。

式(5)中、R及びRは、各々が結合する窒素原子とともに含窒素脂肪族複素環構造を形成する炭化水素基を表し、Z11~Z14は、各々独立に下記式(X)で示される構造、水素原子、水酸基、炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基又は水酸基を有する炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基を表し、Z11~Z14の少なくとも一は、下記式(X)で示される構造であり、dは0~4(好ましくは0~2)の整数を表す。
炭素数1~4の炭化水素基としては、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、炭素数1~2のアルキル基がより好ましく、炭素数1のアルキル基がさらに好ましい。
水酸基を有する炭素数1~4の炭化水素基は、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1~2のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。また、水酸基を2以上有していてもよい。
式(5)で示される構造は、少なくとも1つの下記式(X)で示される構造と、2つの窒素原子とを有する、含窒素脂肪族複素環構造のカチオンを表す。また、式(5)中の含窒素脂肪族複素環構造は、五員環~八員環であってよく、五員環又は六員環であることが好ましい。式(5)中の含窒素脂肪族複素環構造は、例えばピペラジニウムカチオンであることが好ましい。
式(5)で示される構造を、導電性を有する樹脂の構造中に含有させる方法は特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(5)で示される含窒素脂肪族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート化合物とを反応させることにより、ウレタン樹脂の構造中に式(5)で示される構造が少なくとも一つ含まれる。
式(5)における含窒素脂肪族複素環構造としては、上記のカチオン構造の欄に記載のカチオン性含窒素脂肪族複素環構造を用いることができ、中でもピペラジニウムカチオンが好ましい。
式(5)における含窒素脂肪族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物の例としては、式(5)中のZ11~Z14の少なくとも一が、水酸基を有し、かつ直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素であるイオン化合物が挙げられる。このイオン化合物の例として、ピペラジニウムカチオンを含むイオン化合物を以下に挙げる。
1,1-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニウムカチオン、1,1,4-トリス(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニウムカチオン、1,4-ビス(3-ヒドロキシプロピル)-1-エチルピペラジニウムカチオン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)-1,3-ジエチルピペラジニウムカチオン;及びこれらの誘導体。
以下、式(6)で示される構造について説明する。

式(6)中、Rは、結合する窒素原子とともに含窒素脂肪族複素環構造を形成する炭化水素基を表し、Z15~Z17は、各々独立に式(X)で示される構造、水素原子、炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基又は水酸基を有する炭素数1~4(好ましくは1~2、より好ましくは1)の炭化水素基を表し、Z15~Z17の少なくとも一は、下記式(X)で示される構造であり、dは0~4(好ましくは0又は1)の整数を表す。
炭素数1~4の炭化水素基としては、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、炭素数1~2のアルキル基がより好ましく、炭素数1のアルキル基がさらに好ましい。
水酸基を有する炭素数1~4の炭化水素基は、炭素数1~4のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1~2のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数1のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。また、水酸基を2以上有していてもよい。
式(6)で示される構造は、少なくとも1つの下記式(X)で示される構造を有する、含窒素脂肪族複素環構造のカチオンを表す。また、式(6)中の含窒素脂肪族複素環構造は、五員環~八員環であってよく、五員環又は六員環であることが好ましい。式(6)中の含窒素脂肪族複素環構造は、例えばピロリジニウムカチオンであることが好ましい。
式(6)で示される構造を、導電性を有する樹脂の構造中に含有させる方法は特に限定されないが、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(6)で示される含窒素脂肪族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート基とを反応させることにより、ウレタン樹脂の構造中に式(6)で示される構造が少なくとも一つ含まれる。
式(6)における含窒素脂肪族複素環構造としては、上記のカチオン構造の欄に記載のカチオン性含窒素脂肪族複素環構造を用いることができ、中でもピロリジニウムカチオンが好ましい。
式(6)における含窒素脂肪族複素環構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物の例としては、式(6)中のZ15~Z17の少なくとも一が、水酸基を有し、かつ直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素であるイオン化合物が挙げられる。このイオン化合物の例
として、ピロリジニウムカチオンを含むイオン化合物を以下に挙げる。
1-メチル-1,2-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピロリジニウムカチオン、1-エチル-1,2-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピロリジニウムカチオン、1-ブチル-1,2-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピロリジニウムカチオン、1-メチル-1,2-ビス(4-ヒドロキシブチル)ピロリジニウムカチオン;およびこれらの誘導体。
以下、式(X)で示される構造について説明する。

式(X)中、R10は、直鎖又は分岐を有する2価の炭化水素基を表し、記号「*」は、式(1)~(6)中の窒素原子との結合部、又は式(1)~(3)及び式(5)~(6)中の含窒素複素環構造中の炭素原子との結合部を表し、記号「**」は、カチオン構造を有するウレタン樹脂を構成するポリマー鎖中の炭素原子との結合部を表す。
10は、直鎖又は分岐を有する炭素数1~8(好ましくは1~4、より好ましくは1~2)のアルキレン基であることが好ましい。また、R10は、水酸基のような任意の置換基を有していてもよい。
式(X)で示される構造は、例えば、導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、式(1)~式(6)で示される構造のカチオンに対応する構造のイオン化合物と、イソシアネート化合物とを反応させることにより形成される構造であってよい。イソシアネート化合物は、ポリエーテルポリオールなどのポリオールと、イソシアネート化合物とを反応させた、ウレタンプレポリマーであることが好ましい。イソシアネート化合物は、例えばポリメリックMDIを用いることができる。
式(1)~(6)で示される構造の中でも、カチオン構造が、式(1)で示される構造又は式(2)で示される構造を含む場合、カチオンとしての安定性が高く、対イオンであるアニオンとのかい離率が高い。そのため、支持電解質としてリチウム塩を含有する場合、リチウム塩のアニオンと相互作用を生じやすくなり、リチウム塩のかい離を促進し、イオン導電率が向上しやすくなるため、好ましい。
導電性を有する樹脂がウレタン樹脂である場合、ウレタン樹脂は、第一のウレタン結合と、第二のウレタン結合と、を有し、さらに第一のウレタン結合と第二のウレタン結合との間に、式(7)で示される構造と、式(8)で示される構造とを含有することが好ましい。ウレタン樹脂がこれらの構造を含有することによって、架橋点間の分子量が大きくてもポリマー主鎖の結晶性が抑制され、特に低温でのイオンの移動阻害をより抑制しやすくなる。そのため、イオン導電率及びレート特性が向上しやすくなる。
このようなウレタン樹脂を製造する方法は特に限定されないが、例えばポリエチレングリコール-プロピレングリコール共重合体をポリオールとして用い、イソシアネート化合物と反応させることによって製造することができる。また、イソシアネート化合物として、ポリエチレングリコール-プロピレングリコール共重合体と、イソシアネート化合物とを反応させたウレタンプレポリマーを、ポリオールと反応させることによっても製造することができる。

ウレタン樹脂は、下記式(9)で示される構造を含有することがさらに好ましい。ウレタン樹脂が下記式(9)で示される構造を含有することによって、ポリマー主鎖の結晶性が抑制され、特に低温でのリチウムイオンの移動阻害をより抑制しやすくなる。そのため、イオン導電率及びレート特性が向上しやすくなる。

式(9)中、m及びnは、平均付加モル数であり、各々独立に、1以上の自然数であり、n≦m≦9nを満たす。
mは好ましくは1~110であり、より好ましくは34~102である。
nは好ましくは1~55であり、より好ましくは5~43である。
式(9)で示される構造は、例えば、エチレンオキシドとプロピレンオキシドを開環重合して得られるポリエーテルポリオールを用いることによって得られる。
なお、式(9)において(-CH-CH-O-)で表されるエチレンオキシド構造及び(-CH-CH(CH)-O-)で表されるプロピレンオキシド構造の配列は、ブロック共重合でもよいし、ランダム共重合でもよい。好ましくはランダム共重合である。
樹脂の構造の同定は、例えば、熱分解GC/MS、TF-IR、NMRなどによる公知の分析手法を単独または組み合わせて採用することが可能である。
活物質粒子の内表面に接する導電性を有する樹脂、又は活物質粒子の外表面に接する導電性を有する樹脂の同定は、組成、原子間結合、結晶構造、等のマッピングが可能な公知の手法を、前述の手法を置換するか、または、補うようにして、採用することが可能である。例えば、断面SPMでの粘弾性マッピング、TOF-SIMSによる元素マッピング、FT-IR、ラマンによる炭素間結合のマッピング、軟X線顕微鏡による軟組織の構造マッピング等が利用される。軟X線顕微鏡は、SPring-8のような放射光施設に付設された検査装置を適用可能である。
(アニオン構造)
導電性を有する樹脂が含有することが好ましいアニオンとしては、例えばフルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロアルキルスルホネートアニオン、フルオロスルホネートアニオン、フルオロアルキルカルボン酸アニオン、フルオロアルキルメチドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、フルオロリン酸アニオン、ジシアナミドアニオン、チオシアネートアニオン、ビスオキサラトホウ酸アニオ
ン、過塩素酸アニオン、及びこれらの誘導体が挙げられる。
フルオロアルキルスルホニルイミドアニオンとしては、具体的には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ドデカフルオロペンタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(パーフルオロヘキサンスルホニル)イミドアニオンのような、炭素数1以上6以下のフルオロアルキル基を有するフルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、および、N,N-ヘキサフルオロプロパン-1,3-ジスルホニルイミドのような環状のフルオロアルキルスルホニルイミドアニオンが挙げられる。
フルオロスルホニルイミドアニオンとしては、具体的には、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオンが挙げられる。
フルオロアルキルスルホネートアニオンとしては、具体的には、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、フルオロメタンスルホン酸アニオン、パーフルオロエタンスルホン酸アニオン、パーフルオロプロパンスルホン酸アニオン、パーフルオロブタンスルホン酸アニオン、パーフルオロペンタンスルホン酸アニオン、パーフルオロヘキサンスルホン酸アニオン、パーフルオロオクタンスルホン酸アニオンが挙げられる。
フルオロアルキルカルボン酸アニオンとしては、具体的には、トリフルオロ酢酸アニオン、パーフルオロプロピオン酸アニオン、パーフルオロ酪酸アニオン、パーフルオロ吉草酸アニオン、パーフルオロカプロン酸アニオンが挙げられる。
フルオロアルキルメチドアニオンとしては、具体的には、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロエタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロプロパンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロブタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロペンタンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロヘキサンスルホニル)メチドアニオン、トリス(パーフルオロオクタンスルホニル)メチドアニオン等のフッ化アルキルスルホニルメチドアニオンが挙げられる。
フルオロホウ酸アニオンとしては、具体的には、例えばテトラフルオロホウ酸アニオンが挙げられる。
フルオロリン酸アニオンしては、具体的には、例えばヘキサフルオロリン酸アニオンが挙げられる。
これらのアニオンの中でも、フルオロアルキルスルホニルイミドアニオン、フルオロスルホニルイミドアニオン、フルオロホウ酸アニオン、ジシアナミドアニオン、チオシアネートアニオンからなる群から選択される少なくとも一は、低温環境下における導電性の低下がより少ないため、特に好ましい。
導電性を有する樹脂は、活物質粒子より高い可撓性を有することが好ましい。導電性を有する樹脂が、活物質粒子より高い可撓性を有することで、充放電に伴う活物質粒子の膨張収縮に応じて、形状変化しやすくなる。その結果、イオン導電性や電子伝導性の低下を抑えやすくなる。導電性を有する樹脂が、活物質粒子より高い可撓性を有することは、ナノインデンター等の市販装置でヤング率を測定することによって確認することができる。
導電助剤としては特に限定されず、天然黒鉛、人造黒鉛等のグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、フッ化カーボン粉末、また炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属繊維等の導電性繊維、また金、白金、銀、アルミニウム等の金属粉末、また酸化亜鉛等の導電性ウィスカー、酸化チタン等の導電性金属酸化物、フェニ
レン誘電体等の有機導電性材料等を用いることができる。
支持電解質としては特に限定されず、例えば導電性を有する樹脂を有機電解質として用いることもでき、リチウム塩のような無機電解質を含んでよい。
また、全固体電池に通常使用されるイオン伝導性固体を用いることができる。例えば、Li-B酸化物系の固体電解質粒子、Li-Yb酸化物系の固体電解質粒子、ナシコン型の固体電解質粒子(LiAlTi(PO、LiAlGe(POなど)、Li-P-O系の固体電解質粒子(LiPO、LiPON(LiPOのOの一部をNで置換した粒子)など)が挙げられる。上記固体電解質粒子の中でも、Li-B酸化物系の固体電解質粒子、Li-Yb酸化物系の固体電解質粒子は、比較的低温(700℃以下)で焼結することができるため、焼結時の正極活物質粒子との反応を抑制し、イオン伝導性を保つことができる。このため、上記固体電解質粒子の中でも、Li-B酸化物系の固体電解質粒子、Li-Yb酸化物系の固体電解質粒子を含むことが好ましい。
また、支持電解質は、リチウム塩であることがより好ましい。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCFSO、LiAsF、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiN(CFSO、LiN(CSOからなる群から選択される少なくとも一が挙げられる。
これらの中でも、LiN(CFSO、LiN(CSO及びLiClOからなる群から選択される少なくとも一が好ましい。これらのリチウム塩は、リチウム系活物質に対する化学的な安定性が高く、負極界面において、リチウム塩の分解に伴う絶縁性被膜が生成しにくい。そのため、負極界面の抵抗が変動しにくくなる。リチウム塩は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
支持電解質の含有量は、導電性を有する樹脂100質量部に対して、0.8~40.0質量部であることが好ましく、5.0~40.0質量部であることがより好ましく、5.0~15.0質量部であることがさらに好ましく、5.0~10.0質量部であることが特に好ましい。支持電解質の含有量がこの範囲であると、導電性を有する樹脂と相溶しやすく、低温でも析出することなく、かつ高いイオン導電率が得られる。
導電性を有する樹脂に含まれる指示電解質の種類や、含有量は、溶媒抽出した後、LC-MS等によって測定することができる。
固体電解質粒子は、市販品を用いてもよく、材料として別途調製したものを用いてもよい。
Li-B酸化物系の固体電解質粒子としては、例えばLiBO(株式会社豊島製作所製)や、LiBOのOの一部をCで置換した粒子などを用いることができる。また、Li-Yb酸化物系の固体電解質粒子としては、例えばLi5.9Yb0.81La0.09Zr0.1(BOなどを用いることができる。
活物質粒子の粒子間に、無機電解質を含む電極である場合、活物質粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂が含有される領域が、無機電解質が含有される領域と重なることが好ましい。このように、活物質粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂が含有される領域が、無機電解質が含有される領域と重なることを、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在するともいう。また、導電性を有する樹脂が含有される領域内に、無機電解質が含有される領域が含まれることがより好ましい。
導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、上記のような関係にあることにより、無機電解質である固体電解質粒子間の界面抵抗を低減する効果がある。一般的に導電性を有する樹脂と比較して固体電解質(バルク)の方がイオン導電性が良好であるものの、固体電解
質粒子間の界面抵抗による導電性低下を引き起こし易い。導電性を有する樹脂が固体電解質粒子の含有される領域と重なることにより、固体電解質(バルク)の高いイオン導電性を大きく低下させることなく、低い抵抗の電極を実現しやすくなる。また、上記のような関係は、後述の断面観察における、元素マッピングの結果により確認することができる。
<電極前駆体の製造方法>
以下、図面を参照して、電極前駆体の製造方法の一例を詳細に説明する。以下、電極前駆体は、例えば活物質粒子として正極活物質粒子を用いることで、正極前駆体とすることができる。また、活物質粒子として負極活物質粒子を用いることで、負極前駆体とすることができる。
本開示の電極前駆体の製造方法は、下記の4つの工程(第1工程、第2工程、第3工程、及び第4工程)を有することが好ましい。図1は、電極前駆体の製造方法を示すイメージ図である。
(1)粘着部を備えた樹脂基材上に、活物質粒子及び電解質粒子を含む粒子層を形成する第1工程(図1中、S101)
(2)前記粒子層が形成された樹脂基材(以後、基材ともいう)を複数積層した積層体を成形する第2工程(図1中、S102)
(3)前記積層体から樹脂基材を除去して、活物質粒子及び電解質粒子を含む立体物を成形する第3工程(図1中、S103)
(4)前記立体物を後処理する第4工程(図1中、S104)
(第1工程)
第1工程は、粘着部を備えた樹脂基材上に、活物質粒子及び電解質粒子を含む粒子層を形成する工程である。第1工程は、粒子配置装置を用いて、樹脂基材上に粒子を配置することで、粒子層を形成する。以下、粒子配置装置について、使用することが可能な粒子配置装置1、粒子配置装置2を順に説明する。
[粒子配置装置1]
図2は、粒子配置装置1の構成を模式的に示す図である。以下、第1の粒子P1は上述した活物質粒子を示し、第2の粒子P2は、上述した電解質粒子を示す。
粒子配置装置1は、第1の基材11aを格納供給する第1の格納容器21aと、前記第1の基材11aを搬送する第1のベルト装置22aと、第1の基材11a上に凹凸パターンを形成するパターン形成装置23と、を有する。粒子配置装置1は、第1の基材11a上に形成された凹凸パターンの凹部に第1の粒子P1を配置する第1の充填装置24aを有する。
粒子配置装置1は、第2の基材11bを格納供給する第2の格納容器21bと、第2の基材11bを搬送する第2のベルト装置22bと、を有する。粒子配置装置1は、第1のベルト装置22aと第2のベルト装置22bがそれぞれ有するローラ223a及び223bが対向した転写部25aを有しており、転写部25aにおいて第1の基材11aから第2の基材11bへと第1の粒子P1が転写される。
さらに、粒子配置装置1は、第2の基材11b上の非転写部に第2の粒子P2を配置する第2の充填装置24bを有する。なお、本件の効果を説明する上で関連性の低い装置、例えば転写後の第1の基材11aを第1のベルト装置22aから剥離回収するための剥離回収装置や各クリーニング装置などは、図示及び詳細説明を省略する。
粒子配置装置1においては、パターン形成装置23、第1の充填装置24a、及び転写部25aが、第2の基材11bである樹脂基材上に第1の粒子P1をパターン状に配置する第1の配置手段といえる。また、第2の充填装置24bが、第2の基材11bである樹
脂基材上の、第1の粒子P1が配置されていない領域に第2の粒子P2を配置する第2の配置手段といえる。
以下、粒子配置装置1による基材11上への粒子の配置方法を、プロセスごとに流れに沿って説明する。
まず、供給手段(不図示)によって第1の格納容器21aから第1のベルト装置22aに第1の基材11aが供給される。
パターン形成装置23(後述)によって紫外線硬化性の液体が塗布される場合には、第1の基材11aの少なくとも表面の材質は、紫外線硬化性の液体の濡れ性が高い材料で構成されていることが好ましい。また、第1の基材11aの表面は、平滑であることが好ましい。
第1の基材11aとしては、使用する紫外線硬化性の液体(水系又は油系)に合わせて親水処理又は親油処理が施されたポリエステルなどの樹脂製のシートを用いることができる。なお、第1の基材11aは、カット紙のように個別に切り離された基材を用いてもよいし、ロール紙のようにロール状に巻かれた連続した基材や、連続用紙のように交互に折りたたまれた連続した基材を用いてもよい。
第1のベルト装置22aは、供給された第1の基材11aをパターン形成装置23のパターン形成位置へと搬送する。第1のベルト装置22aは、駆動ローラ221a,222aと、加圧ローラ223aと、それらに懸架されたベルト状の搬送部材224aと、を有する。その際、加圧ローラ223aは、従動で回転している。
搬送部材224aは、樹脂製や金属製などから選択されることが好ましく、例えば、ポリイミド製の樹脂ベルトを用いることができる。駆動ローラ221a,222aは、金属製の金属ローラを用いることが好ましく、例えば、ステンレス製の金属ローラを用いることができる。加圧ローラ223aは、表層に弾性層を有するソフトローラを用いることが好ましく、例えば、ステンレス製の芯金の表面にシリコーンゴムの弾性層を設けたソフトローラを用いることができる。
なお、図2においては、第1の基材11aを搬送する搬送装置として第1のベルト装置22aを用いているが、ベルト装置の代わりにローラ装置を用いることもできる。後述する第2のベルト装置22bについても同様である。
パターン形成装置23は、パターン形成位置へと搬送された第1の基材11aに微細な凹凸パターンを形成する。凹凸パターンを形成する方法としては、UVインプリント方式、熱インプリント方式、UVインクジェット方式、印刷方式、レーザーエッチング方式などを用いることができる。
パターン形成装置23がUVインプリント方式によって凹凸パターンを形成する場合には、パターン形成装置23は、第1の基材11a上に紫外線硬化性の液体を塗布する塗布手段を有する。紫外線硬化性の液体としては、例えば紫外線硬化性液状シリコーンゴムなどの紫外線硬化性樹脂を使用することができる。また、パターン形成装置23は、表面に凹凸パターンが形成されたモールドを第1の基材11a上の紫外線硬化性の液体に押印する押印手段と、紫外線硬化性の液体に紫外線を照射する光源と、を有する。典型的には、紫外線硬化性の液体としては、紫外線硬化型液状シリコーンゴム(PDMS)や樹脂を用い、モールドとしてはフィルムモールドを用い、光源としてはUVランプを用いることができる。
第1の充填装置24aが、第1の粒子P1を担持した担持材S1を用いて第1の粒子P
1を第1の基材11a上の凹部に充填する場合、第1の基材11a上の凹凸パターンの凹部の開口径(幅)は、第1の粒子P1の体積基準の累積50%粒径(メジアン径)よりも大きいことが好ましい。また、凹部の開口径(幅)は、担持材S1の平均サイズよりも小さいことが好ましい。ここで、凹凸パターンの凹部の開口径は、凹部の短手方向の開口径であることが好ましく、凹部の短手方向の最大開口径であることがより好ましい。
凹部の幅は、第1の粒子P1及び担持材S1の粒径などにより適宜調整することができる。凹部の幅は特に限定されないが、例えば0.2~30μmとすることが好ましく、2~15μmとすることが好ましい。
凹凸パターンの凹部の開口径を上述のように設定することにより、第1の粒子P1は凹凸パターンの凹部の底部や側面部(典型的には底面)に接触することができる。一方で、担持材S1は凹部の底部や側面部には接触することができない。これにより、凹部の底部や側面部に接触した第1の粒子P1を凹凸パターンで捕捉することができ、一方で、担持材S1は凹凸パターンで捕捉しないようにすることができる。なお、換言すれば、第1の粒子P1は凹凸パターンの凹部の底部や側面部に接触でき、第1の担持材S1は凹凸パターンの凹部の底部や側面部に接触できないことが好ましい。
なお、パターン形成装置23によって第1の基材11a上に凹凸パターンを形成するが、表面に凹凸パターンが予め形成された基材を第1の基材11aとして用いてもよい。また、第1のベルト装置22aの搬送部材224aの表面に直接、パターン形成装置23によって凹凸パターンを形成してよいし、搬送部材224aとしてその表面に凹凸パターンを有する搬送部材を用いてもよい。この場合は、耐久性を鑑みて、ステンレスやアルミニウムなどの金属ベルトを用い、レーザーエッチングやウェットエッチング、ドライエッチングなどの微細加工技術により表面に凹凸パターンを形成することが好ましい。
表面に凹凸パターンが形成された第1の基材11aは、第1のベルト装置22aによって第1の充填装置24aの充填位置へと搬送される。
図3は、充填装置の構成を模式的に示す図である。以下、第1の充填装置24aの構成について説明するが、第2の充填装置24bについても同様である。
第1の充填装置24aは、充填剤241aを収容する充填容器242aと、充填剤241aを撹拌搬送する撹拌スクリュー部材243aと、充填剤を回収する回収部材244aと、磁性部材247aと、を有する。
充填剤241aは、第1の粒子P1と、第1の粒子P1を担持する担持材S1と、を有する。充填剤241aは、複数の第1の粒子P1によって構成される粉体と、複数の担持材S1によって構成される粉体と、を含む複数の粉体の混合物である。充填容器242aに収容された充填剤241aは、撹拌スクリュー部材243aによって撹拌、搬送される際に十分に混ざり合う。これにより、担持材S1の表面に第1の粒子P1が担持される。担持される際の粒子間に作用する力は、摩擦帯電等による静電気力の他にも、ファンデルワールス力や液架橋力などが挙げられる。
担持材S1は、磁性粒子である。担持材S1は、フェライトコア粒子や磁性体が分散された樹脂粒子の表面を、樹脂組成物で被覆した粒子であることが好ましい。例えば、磁性粒子である標準キャリア(日本画像学会製 標準キャリアP02)などを用いることができる。担持材S1の粒径や材質は、第1の粒子P1の粒径や材質に合わせて適宜選択される。これにより、第1の粒子P1を安定して担持することができる。また、第1の粒子P1が小粒径等で凝集し易い場合にも、担持材S1との攪拌、搬送によりほぐす役割を果たす。
担持材S1の粒径は、凹部のサイズ(面積、幅、深さ)により適宜調整することができ
る。例えば、体積基準の累積50%粒径(メジアン径)が、50~100μmであることが好ましい。
回収部材244aは、図中の矢印d2方向に回転可能なローラ245aと、ローラ245aの内部に配置され、充填容器242aに対して固定された磁石246aと、を有している。また、磁性部材247aは、搬送部材224aを介して充填容器242aと対向して配置されており、その内部に磁石248aを有している。
磁石246aは、回収部材244aの回転方向に沿って交互に配置された複数のN極とS極を有している。磁石248aは、搬送部材224aの搬送方向に沿って交互に配置された複数のN極とS極を有している。また、磁石246aは、磁石248aの最下流の磁極(図3におけるS1極)と最も近接して対向する位置に異極の磁極(図3におけるN1極)を有しており、最下流の位置でN1極と同極のN2極が配置されている。
なお、磁石246a及び磁石248aは複数の磁石から構成されていてもよく、磁石246a及び磁石248aを構成する磁石の種類は特に限定はされない。例えば、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石などの希土類磁石、プラスチック磁石等の永久磁石や、電磁石などの磁界を発生する手段を用いることができる。なお、磁石248aは、第1の基材11aの搬送方向又はその逆方向に移動可能に構成してもよい。
なお、回収部材244aの、搬送部材224aの搬送方向の上流又は下流に、第1の基材11a上の充填剤241aを規制する規制部材や、回収部材244aによって回収しきれない充填剤241aを再度回収する回収部材を設けても構わない。再度回収する回収部材としては、回収部材244aと同様の部材のほか、固定磁石や規制部材のような簡易な部材からエアブローによる回収を行う回収部材などを用いることができる。
次に、第1の充填装置24aによって第1の基材11a上の凹部に第1の粒子P1を充填するプロセスについて、図3~5を用いて説明する。
第1の搬送部材224aが図3中の実線矢印d1方向に移動することにより、第1の搬送部材224aによって担持搬送されている第1の基材11aが搬送され、第1の充填装置24aの充填位置へと搬送される。
撹拌スクリュー部材243aにより、充填剤241aが搬送され、第1の基材11a上に供給される(図3中点線a)。このとき、磁性部材247aと回収部材244aによって磁界が形成されており、磁性粒子である担持材S1を含む充填剤241aはその磁界によって第1の基材11a上で複数の磁気穂を形成する。第1の基材11a上に供給された充填剤241aは、第1の基材11aの移動に伴い、磁気穂を形成した状態で第1の基材11a上で搬送される(図3中点線b)。
図4A、4B、4Cは、第1の基材11a上で搬送される充填剤241aの模式図である。説明上、一本の磁気穂を形成している充填剤以外の充填剤241aは、図示を省略している。第1の基材11a上の充填剤241aは、上述のとおり、形成されている磁界の磁力線に沿って磁気穂を形成しており、第1の基材11aの移動に伴って図4A、図4B、図4Cのように磁気穂の形状を変えながら搬送される。このとき、磁石248aの近傍では特に強い磁気力が作用するため、充填剤241aの搬送速度v2は、充填剤241aが磁極から遠ざかる場合には第1の基材11aの移動速度v1よりも小さく、その逆の場合は大きくなる。すなわち、第1の基材11a上の充填剤241aは第1の基材11aに対して0ではない相対速度を有する。
図5は、図4A~4Cにおけるの第1の基材11aの表面近傍の拡大図である。図4A~4Cでは図示を省略したが、図5に示すように第1の基材11a上には凹凸パターン1
11aが形成されている。凹凸パターンは、ハニカムパターンやラインパターンなど所望のパターンとして形成することができる。
充填剤241aは、この凹凸パターン111aに接触し、第1の基材11aの表面に対して垂直な方向への磁力(図中実線Fm)を受けながら、第1の基材11aに対して0ではない相対速度を有しつつ、第1の基材11aと共に搬送される。これにより、担持材S1に担持された第1の粒子P1は第1の基材11aの表面の凹凸パターン111aに摺擦されながら搬送される。
このとき、第1の粒子P1の粒径は凹凸パターン111aの凹部の開口径よりも小さく、第1の担持材S1の粒径は凹部の開口径よりも大きいため、凹凸パターン111aの凹部の底面(底部)や側面部には、第1の粒子P1は接触できるが、担持材S1は接触できない。すなわち、充填剤241aの中で第1の粒子P1のみが選択的に凹部の底面や側面部に接触する。
前記凹部に接触した第1の粒子P1は、凹凸パターン111aの構造による物理的な拘束力や、第1の基材11a及び凹凸パターン111aを構成する構造材料との静電的付着力や粘着力等の非静電的付着力により強く拘束され、担持材S1から脱離する。なお、図5は説明上、担持材S1の表面に第1の粒子P1が担持されているが、充填剤241aの攪拌時、供給時や搬送時において、担持材S1に担持されない粒子P1が存在していても構わない。
磁性部材247aの下流には、図3に示すように、回収部材244aが第1の搬送部材224aと間隙を有して配置されている。第1の基材11aの移動に伴い、磁石248aの最下流の磁極(S1極)の近傍に搬送された充填剤241aは、磁石246aによって形成される磁界の影響を受けて、第1の基材11aから回収部材244aへと移動し、回収される(図3中点線c)。
以上のように搬送過程(図3中点線a,b,c)において、第1の基材11aの表面の凹凸パターン111aの凹部は、複数の充填剤241aと十分に接触する。そのため、回収部材244aによって充填剤241aが回収された後の凹凸パターン111aの凹部には第1の粒子P1が選択的に緻密に配置される。
なお、図4A~4C及び図5では第1の粒子P1をすべて同一の粒径で図示しているが、実際には粒度分布があり、さらに、材料によっては凝集した二次粒子を形成している場合もある。また、図示のような球形状でない場合もある。このような場合でも、凹凸パターン111aの凹部に接触できる粒子のみが選択的に緻密に充填されるため、粒子の配置工程に悪影響を及ぼし得る粗粉や二次粒子などは除外されやすい。
このように、凹凸パターン111aの凹部への第1の粒子P1の充填量は、凹凸パターンのサイズ(面積、幅、深さ)と第1の粒子P1の粒径により制御可能となる。具体的には、凹部の面積が略充填面積になり、充填された第1の粒子P1の層厚は凹部の深さで決定される。
凸部のピッチは、特に制限されないが、例えば1.0~20μmが好ましく、2.0~15μmがより好ましい。
凸部の高さは、特に制限されないが、例えば0.1~20.0μmが好ましく、1.0~10.0μmがより好ましい。
凹部の面積率(凹凸パターンの面積に対する凹部の割合)は、特に制限されないが、例えば50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
例えば、基材面積に対し50%の薄層(単層)を得るためには、凹部の面積比(凹凸パ
ターンの全体に対する凹部の面積率)を50%、凹部の深さを第1の粒子P1の粒径以下に制御すればよい。このとき、凹部の開口幅は、第1の粒子P1のメジアン径よりも大きく、担持材S1の平均サイズ(ここでは平均粒径)よりも小さくする。
なお、第1の粒子P1は広い粒度分布(ブロードな粒度分布)を有していてもよいが、担持材S1は狭い粒度分布を有していることが好ましく、単分散であることがより好ましい。これにより、担持材S1を、凹部の底部(又は底面)や側面部に接触させないようにしやすい。凹部の底部や側面部に担持材S1が接触できる場合、凹部に担持材S1も拘束され充填されてしまう場合がある。
さらに、凹凸パターン111aの凹部の開口幅は、第1の粒子P1の粒径の4倍より小さいことが好ましい。開口幅を第1の粒子P1の粒径の4倍より小さくすることで、第1の粒子P1が凹凸パターン111aの凹部の底面及び側面の2か所に接触する確率を高めることができる。このように、凹凸パターン111aと多点接触した第1の粒子P1は凹凸パターン111aに強く拘束されるため、凹凸パターン111aへの第1の粒子P1の充填の効率を高めることができる。
なお、後述する第2の粒子P2の粒径と、第2の基材上に第1の粒子P1によって形成される凹凸パターンの凹部のサイズについても同様である。また、担持材としてブラシ繊維を用いる場合には、上述の説明における「担持材の平均粒径」は「担持材の平均繊維径」となる。
回収部材244aによって回収された充填剤241aは、回転する回収部材であるローラ244aにより搬送される(図3中点線d)。ローラ244aによって搬送された充填剤241aは、隣接し、反発しあう2つの同極の磁極(N1、N2)による磁界、及び重力の影響によって充填容器242a中に落下する(図3中点線e)。その後、再び撹拌スクリュー部材243aにより撹拌搬送されて、以後これを繰り返す。
充填容器242a内における充填剤241a中の第1の粒子P1と担持材S1の重量比は、電子写真装置で一般的な、透磁率を用いて測定するインダクタンスセンサや、基材上等の反射濃度を測定して予測するパッチ濃度センサ等により決定される。そして、必要に応じて補給手段(不図示)によって第1の粒子P1及び担持材S1の少なくとも一方が補給される。これにより、長期にわたり安定した充填が可能となる。
充填剤241a中の第1の粒子P1の質量%は、特に制限されないが、好ましくは5~40質量%、10~30質量%の範囲が挙げられる。
なお、ここでは磁性粒子を担持材として用いていわゆる磁気ブラシを形成することで粒子材料を凹部に充填する方式の充填装置について説明したが、充填装置の方式はこれに限定はされない。担持材として、ブラシ繊維を用いることもできる。あるいは、担持材として、少なくとも表面が弾性体で構成された弾性材を用いることもできる。
図6Aは、担持材としてブラシ繊維を用いた場合の充填装置24cの構成を模式的に示す図である。
充填装置24cは、表面にブラシ繊維を有するローラ2410を有する。ローラ2410は、その表面にブラシ繊維が植毛された、いわゆるブラシローラである。ローラ2410の有するブラシ繊維を構成する繊維の材質は、例えば、ナイロン、レーヨン、アクリル、ビニロン、ポリエステル、塩化ビニルなどを用いることができる。帯電性や剛性を調整する目的で、繊維の表面に表面処理を施してもよい。
充填装置24cは、ローラ2410に充填剤241aを供給する供給部材を有する。なお、充填剤241aは、第1の粒子P1を含む粉体を含んでおり、充填容器242aに収
容されている。またこの例において、充填剤241aは磁性粒子である担持材S1は含まない。充填剤241aは、撹拌スクリュー部材243aによって撹拌、搬送され、供給部材249に供給される。
供給部材249は、充填剤241aをローラ2410に供給する部材であり、その構成は特に限定はされない。供給部材249は、例えば、少なくとも表面が、弾性を有する多孔性の発泡材で構成されたローラを用いることができる。典型的には、発泡骨格構造を有し、比較的低硬度なポリウレタンフォームを芯金上に形成した弾性スポンジローラを用いることができる。なお、発泡材の材質としては、ウレタン以外にも、ニトリルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴムなどの各種ゴム材料を用いることができる。
供給された充填剤241aは、供給部材249の表面の発泡材に充填され、ローラ2410と接触する供給部まで搬送される。供給部において、発泡材に充填された充填剤241aはローラ2410の有するブラシ繊維との接触により帯電し、ローラ2410の有するブラシ繊維に担持される。さらに、供給部材249は、ローラ2410に残留する充填剤241aを剥ぎ取り、リフレッシュする機能を兼ね備えてもよい。ローラ2410に供給された充填剤241aはブラシ繊維の移動により、第1の基材11aと接触する。
このとき、第1の基材11aの表面の凹凸パターン111aの凹部の底面や側面部には、充填剤241a中の第1の粒子P1は接触できるが、ブラシ繊維は接触できないようにしておく。すなわち、ブラシ繊維の繊維径を凹凸パターン111aの凹部の開口幅よりも大きくしておく。なお、ブラシ繊維の繊維径は、ローラ2410の表面にガラスを当て、光学顕微鏡によってガラス越しに取得されたブラシ繊維の画像から測定することができる。このとき、100本程度のブラシ繊維の繊維径を測定し、繊維径の分布を計測して、平均径を算出する。
搬送部材224aの移動、及びローラ2410の回転によってローラ2410のブラシ繊維は第1の基材11aの表面に摺擦される。これにより、ブラシ繊維に担持されていた第1の粒子は第1の基材11aの表面の凹凸パターン111aの凹部に緻密に配置される。
図6Bは、担持材として弾性材を用いた場合の充填装置24dの構成を模式的に示す図である。
充填装置24dは、充填装置24cと同様の構成を有するが、ブラシ繊維を有するローラ2410の代わりに弾性材を有するローラ2411を用いる点で異なる。ローラ2411は、表面に弾性層が形成されたローラである。
弾性層は、シリコーンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどのゴム材料などの弾性を有する材料で形成されている。弾性層は、球形状樹脂などの微粒子を添加して、表面形状が制御されていてもよい。
弾性層が表面に凸部を有する場合、弾性層の凸部のサイズは凹凸パターン111aの凹部のサイズよりも大きくしておく。弾性層の凸部のサイズは、上述のブラシ繊維の繊維径と同様の方法で測定することができる。
搬送部材224aの移動、及びローラ2411の回転によってローラ2411の表面の弾性材は第1の基材11aの表面に摺擦される。これにより、弾性材に担持されていた第1の粒子は、第1の基材11aの表面の凹凸パターン111aの凹部に緻密に配置される。
図6Aや図6Bのように担持材としてブラシ繊維や弾性材を用いることで、充填剤中に磁性粒子を含ませる必要がなくなる。また、充填装置の構成を簡便化することができる。一方で、図3のように担持材として磁性粒子を用いる場合には、ブラシ繊維や弾性材の場合よりも担持材のサイズや形状の自由度が高い。また、磁性粒子の場合には基材上における担持材の移動の自由度が高い。
これらの理由により、磁性粒子を担持材として用いた場合には、第1の粒子P1等の粒子を基材上により効率的に供給して、基材上の凹部により効率的に充填することができる。また、担持材として磁性材料を用いた場合には、プロセスの途中で担持材が劣化した場合にも、プロセスを止めずに担持材を補充したり入れ替えたりすることもできる。
粒子を担持させた担持材を摺擦することによって凹部に粒子を充填する方法によれば、ブレードなどの規制部材による充填方法に比べて、分散させた粒子を凹部により多く供給することができ、安定的かつ緻密に充填を行うことができる。このメリットは、充填する粒子の粒径が小さいほど、粒子が凝集しやすくなるために顕著になる。
第1の充填装置24aによって凹凸パターン111aの凹部に第1の粒子1が充填された第1の基材11aは、第1のベルト装置22aによって、転写部25aへと搬送される。
ここで、第2のベルト装置22bは図2に示すように、第1のベルト装置22aと同様に、駆動ローラ221b,222bと、加圧ローラ223bと、それらに懸架されたベルト状の搬送部材224bと、を有する。このとき、加圧ローラ223bは従動で回転している。転写部25aでは、第1のベルト装置22aの加圧ローラ223aと第2のベルト装置22bの加圧ローラ223bとが対向している。
第2のベルト装置22bには、第2の格納容器21bより第2の基材11bが供給され、図2中の矢印方向に搬送される。供給された第2の基材11bは、第1の基材11aが転写部25aに搬送されるタイミングに合わせて搬送される。転写部25aでは、第1の基材11aに充填された第1の粒子P1が第2の基材11bへと転写される。
すなわち、第1の基材11aは、第2の基材11bへと第1の粒子P1を転写するための転写用基材と言うこともできる。また、第1の基材11aの表面に形成されている凹凸パターンは、転写用凹凸パターンと言うこともできる。以下、この転写プロセスについて、図7を参照して説明する。
図7は、転写部25aの構成を模式的に示す図である。転写部25aは、第1のベルト装置22aの加圧ローラ223a及び搬送部材224aと、第2のベルト装置22bの加圧ローラ223b及び搬送部材224bと、で構成されている。上述のように、加圧ローラ223a及び223bは従動で回転し、2つのローラは搬送部材224a及び224bを介して接触している。加圧ローラ223a及び223bのうち一以上は、表層に弾性層を有するソフトローラであり、2つのローラが接触した部分にはニップ部が形成されている。
第1の充填装置24aにより第1の粒子P1が充填された第1の基材11aと、第2の基材11bとは、それぞれの搬送部材(224a,224b)によって略等速で搬送され、加圧ローラ223a,223bが接触して形成されるニップ部に侵入する。ニップ部において、第1の基材11a上の第1の粒子P1は第2の基材11bと接触し、第2の基材11b上に転写される。
第2の基材11bは、第1の粒子P1に対する付着力が、第1の基材11aの第1の粒
子P1に対する付着力よりも大きな基材である。換言すれば、第2の基材11bに対する第1の粒子P1の付着力は、第1の基材11aに対する第1の粒子P1の付着力よりも大きい。これにより、ニップ部において、第1の基材11a上の第1の粒子P1は、第2の基材11b上へと転写される。
第2の基材11bの材質は特に限定はされず、第1の基材11aと同様の材質の基材を用いることができる。なお、第2の基材11bも第1の基材11aと同様に、カット紙のように個別に切り離された基材であってもよいし、ロール紙のようにロール状に巻かれた連続した基材や、連続用紙のように交互に折りたたまれた連続した基材であってもよい。
第2の基材11bは、接触した第1の粒子P1を転写するために、付着力を高めるための表面処理が施されていることが好ましい。例えば、第2の基材11bは、その表面に粘着剤が塗布された粘着部を有していることが好ましい。粘着部を備えた樹脂基材を準備する準備工程として、例えば第2の基材11bを準備する。第2の基材の厚みは特に制限されないが、例えば1~10μmであることが好ましい。また、粘着部の厚みは特に制限されないが、例えば0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
さらに、第2の基材11bの裏面(第1の粒子P1が転写されていない面)も、表面と同じ粘着剤が塗布された粘着部を有し、さらにその表面を保護フィルム等で被覆されていることが好ましい。これにより、後述する積層する際に基材間のずれを防止できるとともに、基材間の活物質粒子や電解質粒子が上下面(積層方向)で挟まれ、強く固定される。これにより、積層時、積層体の保管時、熱処理時や加圧時に粒子の移動が抑制され、所望の電極前駆体が成形できる。
粘着剤としては、特に限定されず、アクリル系粘着剤や、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤であってもよいし、熱や光などの外乱により粘着力が変化する熱可塑性樹脂や光硬化性樹脂などであってもよい。また、粒子配置装置1は、搬送中の第2の基材11bの表面に粘着剤を塗布するディスペンサーやインクジェットヘッドなどの塗布手段を有していてもよい。
粘着剤の種類や塗布量は使用する凹凸パターンの形状や材質、第1の粒子P1及び第2の粒子P2の粒径や材質などによって適宜調整されるが、凹凸パターン111aに比べて粘着剤の粘着力が大きいことが好ましい。粘着力の比較は、ナノインデンターを用いる一般的な手法により測定可能である。
ニップ部において、第1の粒子P1は第2の基材11bとの間に生じる付着力によって拘束される。ニップ部を過ぎて両搬送部材224a,224bが離間すると、第1の基材11a上にあった第1の粒子P1は、第2の基材11bへと転写される。
第1の粒子P1が転写された第2の基材11bは、搬送部材224bによって第2の充填装置24bの充填位置へと搬送される。
第2の充填装置24bは、充填容器242a中に、第1の粒子P1と担持材S1を有する充填剤241aの代わりに第2の粒子P2と担持材S2を有する充填剤241bが収容されている点以外は、第1の充填装置24aと同様の構成及び機能を有する。
第2の充填装置24bは、第2の基材11b上の、第1の粒子P1が配置されていない部分に、第2の粒子P2を充填する。上述のように、転写部25aを通過した第2の基材11b上には第1の粒子P1が配置されているが、第1の粒子P1が配置されていない部分には粘着部が露出し、いわば凹部が形成されている。第2の充填装置24bは、この凹部(粘着部)に、第1の充填装置24aと同様のプロセスで、第2の粒子P2を充填する
このように、第2の基材11b上の第1の粒子P1が配置されていない空隙部に充填可能な第2の粒子P2が選択的に充填されることで、粒子による基材のカバー率が向上する。
第2の粒子P2は、第1の粒子P1間の空隙部の開口幅以下のメジアン径であることが好ましい。なお、ここでは担持材として磁性粒子を用いる場合について説明するが、第1の充填装置24aと同様に、ブラシ繊維や弾性材を担持材として用いてもよい。
充填剤241bは、第2の粒子P2と、第2の粒子P2を担持する担持材S2と、を有する。充填剤241bは、複数の第2の粒子P2によって構成される粉体と、複数の担持材S2によって構成される粉体と、を含む複数の粉体の混合物である。担持材S2は、担持材S1と同様のものを用いても、異なっていても構わない。第2の粒子P2の粒径や材質や、上述した空隙部の開口幅に合わせて適宜選択される。
充填剤241b中の第2の粒子P2の質量%は、特に制限されないが、好ましくは5~40質量%、10~30質量%の範囲が挙げられる。
図8は、第2の充填装置24bによる充填プロセスにおける第2の基材11bの表面近傍の拡大図である。第2の基材11b上には、第1の粒子P1が配置されて形成された凸部と、第1の粒子P1が配置されていない凹部と、を有する凹凸パターンが形成されている。第2の基材11b上の、第1の粒子P1が配置されていない凹部には、粘着部13bが露出している。第2の充填装置24bによる充填プロセスにおいては、第2の基材11bの表面上の粘着部13bに、第2の粒子P2を配置する。第2の充填装置24bによる充填プロセス後、第2の基材11bの粘着部の表面には、第1の粒子P1及び第2の粒子P2が隣接して配置されている。すなわち、第2の基材11b上の、第1の粒子P1が配置されていない部分に第2の粒子P2を配置することで、第1の粒子P1と第2の粒子P2を隣接して配置することができる。また、必ずしもすべての第1の粒子P1の隣に第2の粒子P2が配置されていなくてもよく、第1の粒子P1同士、又は第2の粒子P2同士が隣接していてもよい。
充填剤241bは、この凹凸パターンに接触し、第2の基材11bの表面に対して垂直な方向への磁力(図中実線Fm)を受けながら、第2の基材11bに対して0ではない相対速度を有しつつ、第2の基材11bと共に搬送される。これにより、担持材S2に担持された第2の粒子P2は第2の基材11bの表面の凹凸パターンに摺擦されながら搬送される。
このとき、凹凸パターンの凹部の開口幅を、凹部に第2の粒子P2は接触できるが、担持材S2は接触できないサイズとしておく。すなわち、第2の基材11b上の凹凸パターンの凹部の開口径は、第2の粒子P2の体積基準の粒度分布における累積50%粒径(メジアン径)よりも大きいことが好ましい。また、凹部の開口径は、担持材S2の平均サイズよりも小さいことが好ましい。ここで、凹凸パターンの凹部の開口径は、凹部の短手方向の開口径であることが好ましく、凹部の短手方向の最大開口径であることがより好ましい。これにより、充填剤241bの中で第2の粒子P2のみが選択的に凹部に接触することができる。
凹部に接触した第2の粒子P2は、凹凸パターンの構造による物理的な拘束力や、第2の基材11b及び凹凸パターンを構成する構造材料(ここでは第1の粒子P1)との静電的付着力や粘着力により強く拘束され、担持材S2から脱離する。なお、図8は説明上、担持材S2の表面に第2の粒子P2が担持されているが、充填剤241bの攪拌時、供給時や搬送時において、担持材S2に担持されない第2の粒子P2が存在していても構わな
い。
図9Aは、転写部25aによって第1の粒子P1が転写された後の第2の基材11bを模式的に示す図であり、第2の基材11bを基材面に垂直な方向から見た図である。図9Aに示すように、第2の基材11b上には、正六角形状に第1の粒子P1が配置された配置領域が整列したハニカムパターンが形成されている。
この正六角形の領域内には第1の粒子P1が緻密に配置されており、それ以外の部分(図9Aの白地部分)には第1の粒子P1は配置されておらず、第2の基材11bの表面の粘着部が露出している。かかる第1の粒子P1が保持される正六角形の領域は、第一のパターン部と換言される。また、第2の粒子P2が保持され、第一のパターン部の間隙に相当するハニカムパターンの領域は、第二のパターン部であると換言される。
図9Bは、第2の充填装置24bによって第2の粒子P2を充填した後の第2の基材11bを模式的に示す図であり、第2の基材11bを基材面に垂直な方向から見た図である。図9Bに示すように、第1の粒子P1が配置されず粘着部が露出していた領域には、第2の粒子P2が緻密に配置されている。また、第1の粒子P1が配置されている領域と第2の粒子P2が配置されている領域との間の境界部においても、第1の粒子P1と第2の粒子P2とが緻密に配置されている。なお、第1の粒子P1間の僅かな隙間にも同様の方法で粒子を充填することができる。この場合、第1の粒子P1間の隙間に相当する粒径の粒子を含む充填剤を用いて、上述の同様の方法で充填することが可能であり、さらに緻密な薄膜を形成することができる。
なお、第1の粒子P1と第2の粒子P2はそれぞれ1台の充填装置24a、24bにより配置されるが、複数台の充填装置を用いてもよい。これにより緻密性を改善することもできる。また、第1の粒子P1と第2の粒子P2に限定されず、充填装置を追加することにより、第1の粒子及び第2の粒子以外の第3の粒子を配置することもできる。
[粒子配置装置2]
図10は、粒子配置装置2の構成を模式的に示す図である。粒子配置装置2は、基材11に粒子層12を形成する装置であって、基材11を格納供給する格納容器21と、基材11を搬送するベルト装置22と、を有する。また、粒子配置装置2は、基材11に粘着部を設けるための液体を配置する液体付与装置201を有してもよい。その際、基材11に粒子を密に配置するためには、基材11にパターン状に液体を配置することが好ましい。
液体付与装置201としては、インクジェット方式で液体を吐出する装置や液体を塗布する装置を用いることができるが、フレキソ版などの有版方法を用いることもできる。なかでも、液体付与装置としては、インクジェット方式で液体を吐出する装置を用いることが好ましい。
インクジェット方式で液体を吐出する装置は、例えば、サーマルタイプ、ピエゾタイプ、静電タイプ、コンティニュアスタイプなど、さまざまな吐出方法の装置を用いることができる。
液体付与装置201が付与する液体としては、第1の粒子P1を付着できる材料を含むものであれば、水性であっても油性であってもよい。第1の粒子P1と反応しない材料を選択するなど適宜選択される。また、液体付与装置201は、複数種の液体によってパターンL1を形成してもよい。例えば、液体付与装置201は、基材11で反応させて粘着性を高めるような2種の液体を付与してもよい。第1の粒子P1を付着できる材料としては、アクリル樹脂などの樹脂が挙げられる。
粉末付与装置202は、液体がパターン状に配置された基材11に、第1の粒子P1を含む粉末を付与する。これにより、基材11上の材料によって第1の粒子P1が固定され、パターンL1に対応したパターン状に粒子P1が固定される。
粉末付与装置202による粉末の付与手段は、粉末を基材11に向けて吹き付ける手段や、振りかける手段を用いることができる。粉末付与装置202は、基材11に固定されなかった第1の粒子P1を、振動、遠心や送風、吸引などの手段で除去する手段をさらに備えていてもよい。
粒子配置装置2は、液体付与装置201によって付与された液体の少なくとも一部を蒸発させて、基材11上の材料の量やパターンL1の厚さなどを制御する乾燥装置をさらに有していてもよい。この乾燥装置は、液体付与装置201の下流側であって、粉末付与装置202の上流側に設ければよい。乾燥後の基材上の材料は、液体、固形分を含む液体又は固形分のみでも構わない。
基材11に第1の粒子P1を固定配置した後に、液体付与装置203によって、少なくとも第1の粒子P1が配置されなかった領域に粘着部を設けるための液体を配置する。液体付与装置203は、液体付与装置201と同様の機能を有す。液体付与装置203によって、液体を付与された基材11は、第2の充填装置24を用いて、第2の粒子P2が配置される。その結果、基材11上に緻密な粒子層12が成形される。
また、粒子配置装置2は、粒子配置装置1と同様に、転写部を有していても構わない。この場合、粉末付与装置202の下流側に転写部を設ける。基材11から粘着部を有する別の基材に第1の粒子P1を転写する。第1の粒子P1が転写された基材において、第1の粒子P1が配置されず粘着部が露出している領域に、第2の充填装置24を用いて、第2の粒子P2を配置させることができる。これにより、樹脂基材の粘着部上に緻密に第1の粒子P1及び第2の粒子P2を配置させることが可能となる。
粒子配置装置1及び2において、第1の粒子P1及び第2の粒子P2による樹脂基材の被覆率は、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。第1の粒子P1及び第2の粒子P2による樹脂基材の被覆率は、粒子層が形成されている領域を基材鉛直方向から光学顕微鏡により撮影し、当該領域内における第1の粒子P1及び第2の粒子P2の面積率を画像処理ソフトによって算出することで測定することができる。
上述の粒子配置装置1又は粒子配置装置2により、図1の第1工程(図1中、S101)で樹脂基材の粘着部に第1の粒子P1を配置し、第2の粒子P2を配置する。
(第2工程)
第2工程は、粒子層が形成された樹脂基材(以後、基材ともいう)を複数積層した積層体を成形する工程である。積層体の層の数は特に限定されず、所望の電極容量に応じて決定される。また、積層体は、基盤としての正極集電体などの集電体上に成形されることが好ましい。すなわち、積層体は、基盤を含むことが好ましい。集電体としては、Al箔、SUS箔や白金、金箔などの公知の集電体を用いることができる。基盤として、電解質を用いても構わない。
このとき、電解質は、別途作製された固体電解質シートや、同様の基材上に電解質粒子のみから成る電解質基材でも構わない。また、電解質として固体電解質を用いることができる。また、電極を正極とする場合、前記固体電解質シートや電解質基材は、正極基材の
積層面と逆側に負極や負極基材が形成されていても構わない。
図11は、積層体成形装置U3の構成を模式的に示す図である。積層体成形装置U3は、粒子層12が形成された基材11を搬送する搬送装置31と、不図示のアクチュエータによって垂直方向に早退移動可能なステージ32と、を有する。
搬送装置31は、粒子配置装置を用いて形成された粒子層12を有する基材11を受け取って、ステージ32へと搬送する。基材11を搬送可能な搬送装置31として、例えば、ベルトコンベア、ローラ、ロボットアームなどが挙げられる。
搬送装置31によって基材11がステージ32に搬送されると、ステージ32は基材11及び粒子層12の厚さ分、垂直方向に移動する。搬送装置31による搬送とステージ32の移動とを繰り返すことで、粒子層12がそれぞれ形成された複数の基材11が積層され、積層体15が成形される。
このとき、粒子層12が形成された基材11の裏側の面に粘着部を有していることが好ましい。この粘着部により、基材同士が付着し、積層体の強度が上がり、第2工程以降も基材間のずれを抑制できる。更に基材間の粒子層12は、上下の粘着部により挟まれることにより、工程時や積層体の保管時にも配置のずれを抑制できる。なお、前記粘着部は、積層前に不図示の塗工装置により塗工されてもよいし、予め塗工された基材を用い、積層前に塗工面に被覆された保護フィルムを剥離して積層してもよい。
なお、積層体15が成形される直前に、基材を除電する除電工程を有することが好ましい。粒子配置装置を用いて形成された粒子層12や基材11は、帯電されやすく、積層する際に基材と基材との間に静電的な反発力が生じる。そのため、第2工程で積層する際に、基材が剥がれたり、基材と基材との間に空隙ができやすくなったりする。除電工程では、静電気除電ブロアー等により非接触で除電することが好ましい。
また、積層体15が成形された後に、基材間の空隙を軽減するために、積層体を脱気する脱気工程を有することが好ましい。脱気工程では、真空包装機等により脱気することが好ましい。
(第3工程)
第3工程は、積層体から樹脂基材を除去して、活物質粒子及び電解質粒子を含む立体物を成形する工程である。好ましくは、積層体を焼結して、積層体から樹脂基材を除去する工程である。これにより、活物質粒子に内表面や、外表面を形成することができる。すなわち、第3工程は、活物質粒子に内表面を形成する工程であるといえ、活物質粒子に外表面を形成する工程であるともいえる。
図12は、焼結処理装置U4の構成を模式的に示す図である。焼結処理装置U4は、積層体15を搬送する搬送装置41と、積層体15を加熱する加熱炉42と、を有する。
搬送装置41は、積層体形成装置から積層体15を受け取って加熱炉42へと搬送する。搬送装置41は、搬送装置31と同様に、積層体15を搬送可能な装置であることが好ましい。積層体15を搬送可能な装置として、例えば、ベルトコンベア、ローラ、ロボットアームなどが挙げられる。
加熱炉42は、積層体15を加熱する炉である。加熱炉42は、加熱手段421と、加圧手段422と、雰囲気調整手段423(423a及び423b)と、を有する。加熱炉42としては、セラミックなどの焼成に用いられる焼成炉を用いることができる。加圧手段422は、加熱炉42において加熱されている積層体15を加圧したり、加熱前後の積層体15を加圧したりする。
なお、加圧手段422は、積層体15を加圧する加圧部が気体を通過させやすい多孔質体で形成されていることが好ましい。雰囲気調整手段423は、雰囲気ガス供給手段423a及び減圧手段423bを有し、加熱炉42の処理空間内の雰囲気ガスの調整を行う。
雰囲気ガスとしては、酸化雰囲気(O)、不活性雰囲気(Ar、N等)や還元雰囲気(Ar-H)を用いることができるが、大気下で焼結を行ってもよい。
積層体を焼結処理する際に、積層体15中の基材11の熱分解温度以上の温度で加熱することが好ましく、積層体15中の各粒子層の熱分解温度未満の温度で加熱することが好ましい。積層体を加熱する温度としては、200℃以上1000℃以下であることが好ましく、400℃以上800℃以下であることがさらに好ましく、450℃以上800℃以下であることが特に好ましく、450℃以上650℃以下であることが殊更好ましい。焼結温度にて30分以上維持することが好ましく、1時間以上維持することがより好ましい。また、上限は特に限定されないが、例えば3時間以下であってよく、2時間以下であってよい。例えば、焼結温度にて30分~3時間、1時間~2時間維持することが好ましい。
熱分解温度とは、焼結処理装置における加熱の際の雰囲気下で温度を徐々に上げていった場合に、その材料の重量減少が始まる温度のことである。したがって、基材11の熱分解温度以上の温度で積層体を加熱することで、積層体中の基材11を分解してその重量を減らすことができ、積層体から基材11を除去することができる。
加熱温度は、基材11の熱分解温度以上の温度であることが好ましいが、熱分解温度よりもさらに高い温度で加熱することが好ましい。具体的には、焼結処理装置における加熱の際の雰囲気(典型的には空気)下で室温(25℃)から5℃/分の割合で昇温させて熱重量分析を行った場合に、初期重量の70%となるときの温度以上の温度で加熱することが好ましい。具体的には、例えば385℃以上であることが好ましい。
また、同様に熱重量分析を行ったときに、初期重量の50%となるときの温度以上の温度で加熱することがより好ましく、初期重量の20%となるときの温度以上の温度で加熱することがさらに好ましい。具体的には、例えば400℃以上であることが好ましく、450℃以上であることがより好ましい。これにより、基材11の除去に要する時間を短縮したり、基材11の除去率を高めたりすることができる。
このように、焼結処理装置が加熱により基材11を除去する場合には、活物質粒子や固体電解質粒子が、基材11よりも高い熱分解温度を有することが好ましい。一般に、無機材料は有機材料よりも熱分解温度が高い傾向にあるため、活物質粒子や固体電解質粒子は無機材料であり、基材11の材質は樹脂などの有機材料であることが好ましい。また、焼結処理装置が加熱により基材11を除去する場合には、活物質粒子は、基材11の熱分解温度より高い軟化点温度を有する材料であることが好ましい。
焼結処理装置は、加熱により、積層体15中の樹脂基材の90重量%以上を消失させることが好ましく、95重量%以上を消失させることがより好ましく、97重量%以上を消失させることがさらに好ましい。その際、樹脂基材は燃焼又はガス化して気体として外部に放出されることが好ましい。このとき、熱分解によってガス化した樹脂基材が気体として積層体の外部に放出される際に、樹脂基材上に形成された粒子層を押し上げて形状を乱すことがある。
このため、樹脂基材の厚みを薄くして、粒子層への影響を軽減することが好ましい。
具体的には、樹脂基材の厚み(μm)は、樹脂基材上の粒子層の厚みの10倍以下であることが好ましく、5倍以下であることがより好ましく、2倍以下であることがさらに好ましい。ここで、粒子層の厚みとは、樹脂基材面を(x、y)、樹脂基材の積層方向を(
z)としたとき、樹脂基材上に配置された各粒子が存在する領域(x、y、z)における、zの最大値と最小値の差の値を示す。
樹脂基材上の粒子層の厚みは、BIB-SEMにより、積層体15の断面をSEM観察し、樹脂基材面をx、樹脂基材の積層方向をzとしたとき、粒子の存在領域(x、z)を画像処理ソフトにより求め、zの最大値と最小値の差を求めて、算出される。ここで、BIB-SEMの撮影条件、必要な画像領域や画像処理方法については、後述の条件と同様である。
樹脂基材の厚みは、活物質粒子の粒径と同様にBIB-SEMから求めてもよく、デジタル厚みゲージ等を用いて測定してもよい。また、BIB-SEMを用いたSEM観察において、活物質粒子、固体電解質粒子、基材、粘着部をそれぞれ特定する方法としては、EDSにより元素組成分析する方法などが挙げられる。
電極の断面観察は、Arによるブロードイオンビーム(BIB)で断面を加工し、その断面を走査型電子顕微鏡により得られる二次元像より求める。以下、前述の二次元像の観察方法をBIB-SEMと呼ぶ。測定方法の詳細は後述する。
<BIB-SEMの撮影方法>
BIB-SEMにより電極の断面撮影を行う。
以下にBIB-SEMの撮影条件について説明する。
電極が電池に含まれている場合、電池を解体して、電極を含むサンプルを取り出す。例えば、ラミネート型電池の場合は、ラミネートを開封し、電極を含む積層体を取り出す。下記断面加工の負荷を抑えるために、撮影に不要な他方の集電体や電極を積層体から分離し、電極を含むサンプルを取り出す。電極は、電解質層と集電体の層間の領域として特定できる。
積層方向に沿った切断面とするようにワイヤーソー(DWS3400/ワイヤー径170μm・ダイヤモンド径30μm)でサンプルを切断する。切断面に対してArによるブロードイオンビームで断面加工(JEOL製SM-09010 Cross Section Polisher)する。断面加工の条件は、電圧6kV、電流150~200mAとする。BIB-SEM画像として、電極サンプルの積層方向の断面を得て、断面観察を行う。ブロードイオンビーム(BIB)の代わりに、ビーム中のイオン粒子強度、ビーム径を変えたファインイオンビーム(FIB)を用いることもできる。
断面部を電子顕微鏡(ULTRA55)により以下の条件で撮影する。
検出器:ESB(反射電子像)
観察条件:加速電圧3kV
倍率:1000倍
フィルター:ESBフィルターに1500Vのバイアス印加
次に、SEM-EDX(Bruker社製 XFlash Detector 630M)により、電極の各粒子および導電性を有する樹脂の元素、組成分析を行い、活物質粒子と、電解質粒子と、導電性を有する樹脂と、を識別した。
活物質粒子と、電解質粒子と、導電性を有する樹脂との識別は、上述の方法により行う。電極をX線回折(XRD)等で分析し、電極を構成する物質の同定を行う。その後、活物質粒子、電解質粒子、及び導電性を有する樹脂それぞれに含まれる特有の元素を、上述の方法によりSEM-EDXで検出し、識別する。電極を構成する物質の同定は、上述のX線回折以外にも、TEMにおける電子エネルギー損失分光法(EELS)により行うこともできる。また、ラマン分光やTOF-SIMSにより同定することもでき、上述の各分析法を組み合わせて、電極を構成する物質の同定を行ってもよい。
樹脂基材の厚みは、1μm以上1mm以下であることが好ましい。粒子層の厚みは、0.1μm以上100μm以下であることが好ましい。
基材として樹脂などの有機材料で形成された基材を用いることで、加熱による基材の除去を容易にすることができる。基材を構成する材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ナイロンなどのポリアミド、などを用いることができる。なかでも、分解温度や熱分解時に発生する気体の低有害性の観点から、PETを用いることが好ましい。
焼結処理装置は、減圧手段423bによって、放出された気体を加熱炉42の外部に排気することが好ましい。雰囲気ガス供給手段423aなどによって、加熱炉42の内部を酸化雰囲気、すなわち、空気などの酸素ガスを含む雰囲気としておくことで、樹脂基材を燃焼させて除去することができる。一方、用いる活物質粒子や電解質粒子によっては、酸化雰囲気での焼結により分解や組成変化を引き起こす場合がある。このような場合には、不活性雰囲気(Ar、N等)や還元雰囲気(Ar-H)で焼結することが好ましい。
上述の通り、積層体15から樹脂基材が熱分解によってガス化して気体として放出されると、積層体15中の各粒子層が押し上げられて形状が変化してしまうことがある。そのため、加熱炉42において加熱を行う際には、加熱の前又は加熱中に、加圧手段422によって積層体15を加圧しても構わない。
図13Aは、第2工程後の積層体断面のBIB-SEM画像である。樹脂基材14上に、粒子層12と第2の基材11bとを含む積層単位が6単位、粒子層12と第2の基材11bとが交互となるように積層された積層体15の積層断面に対応する。図13Bは、第3工程後の立体物16のBIB-SEM画像である。積層体15から樹脂基材が除去され、6層の粒子層からなる立体物16である。図13Cは、立体物16の上方のSEM画像である。第1工程で第2の基材11b上に周期的に配置した第1の粒子P1、第2の粒子P2が、第2工程以降も維持されている。
図14Aは、本開示における一実施形態(実施例1)に係る立体物16のBIB-SEM画像である。図14Bは、図14Aの拡大像である。
第1の粒子P1として正極活物質粒子のLiCoO(以下LCO)、第2の粒子P2として電解質粒子のLiBO(以下LBO)を用いて、本開示の製造方法により立体物16を成形する。本実施形態においては、LCO粒子(第1の粒子P1)は、図14A及び14Bに示すように、コア部P1aと、シェル部P1bと、シェル部の表面上の、放射状に突出する突出部P1cと、を有している。コア部とシェル部との間には、間隙部P1dが存在する。図14Bにおいて、P1dは、活物質粒子の外表面に連通する、活物質粒子内の内孔であり、連通孔19-1ともいえる。また、LCO粒子は、実線で示すような内表面19を有する。
図15~図18-1、図18-2A~2Dを用いて、本実施形態において、立体物16が上記のような構成となることに関し、推定されるメカニズムについて説明する。
図15Aは、本開示の電極前駆体の製造方法の各工程(S101~S104)における温度プロファイル、及び雰囲気による酸化還元性を示すプロファイルの例を示す。図15Bは、図15Aに示されるプロファイルにおける、LCO粒子の変化の様子を示す模式図である。第1工程(S101)及び第2工程(S102)においては、室温且つ大気雰囲気(又は不活性雰囲気)のため、樹脂基材上のLCO粒子に変化はない。一方、第3工程(S103)では、焼結処理装置(大気雰囲気)により加熱される。ここで、温度が樹脂基材の融点を越え、十分に加熱されると、基材の重量の減少が始まる。
図16は、樹脂基材の熱重量測定(TG)の結果である。樹脂基材の融点(約260℃)を越えた300℃付近から重量の減少が始まる。
図17は、熱重量・質量分析測定(TG-MS)の結果である。図17Aは、LCO粒子と樹脂基材の混合サンプルの測定結果である。図17Bは、樹脂基材のみを測定サンプルとした測定結果である。樹脂基材の重量の減少が始まる300℃付近から、還元ガスの一酸化炭素COと考えられる分子量28である分子の増加が確認される。図17Bにおいて、COは500℃付近まで増加傾向(図17B実線)であるのに対し、図17Aにおいては、COは400℃手前で減少傾向となる(図17A実線)。また、図17Aの500℃付近においては、酸素と考えられる分子量32である分子の減少(図17A破線)が確認され、二酸化炭素と考えられる分子量44(図17A点線)の増加が確認された。TG及びTG-MSの結果より、以下が推定される。
温度上昇に伴い、樹脂基材の重量の減少が始まり(300℃付近)、還元ガスであるCOが生成され、還元性が高まる。発生したCOの一部は、LCO粒子の還元に寄与する。そのため、LCO粒子は還元分解され、LCO粒子内部に一部間隙部を有する粒子P1rに変化すると考えられる(図15B)。
一方、COは、基材の減少に伴い発生量が減少していくため、徐々に還元分解が起こりにくくなる。基材の重量の減少が進行すると、COの影響が減少し、LCO粒子に対して還元から酸化が支配的になる。還元された粒子P1rは、酸化により再び、三価のCoであるLiCoOに変化する(500℃付近)。このとき、LCO粒子内部の、還元分解時に生成された間隙部P1dを有したまま、コア部P1aと、シェル部P1bと、シェル部の表面上の、放射状に突出する突出部P1cと、を有したLCO粒子に変化すると考えられる。
図18-2A~2Dは、第3工程後のLCO粒子(図18-1)における、図18-2A~2Dに示す各部位におけるSTEM-EELSの結果(図18-2A~2D)である。LCO粒子におけるコア部P1a(図18-2D中のArea4)、シェル部P1b(図18-2B中のArea2)、及び突出部P1c(図18-2A中のArea1)は、Coを含み、かつ組成がほぼ同様の酸化物であることが確認できる。
(第4工程)
第4工程は、第3工程で得られる立体物を後処理する工程である。後処理を行うことで、電極前駆体に対する、後述の充填用材料の充填工程(第2-1工程)において、充填用材料が充填しやすくなる。
後処理としては、後述する加圧工程の他に、濡れ性や充填性を高めるための物理的、化学的処理が挙げられ、公知の処理方法を採用することができる。具体的には、物理的処理としては、レーザーエッジング等による立体物の物理的処理が挙げられる。また、UV照射やコロナ放電等による表面改質、ガス吸着等の化学的処理が挙げられる。以下、加圧工程を例に説明する。
例えば、第4工程は、第3工程で得られる、樹脂基材を除去した立体物16を加圧する工程である(図12)。加熱後の冷却又は放熱中に、加圧手段422によって立体物16を加圧しても構わない。また、焼結処理装置により樹脂基材を除去した後、別途加圧装置で加圧しても構わない。加圧方法は特に限定されないが、例えば真空脱気、等方圧加圧、一般的な油圧プレス機やローラ加圧機などにより行うことが好ましい。なかでも、真空脱気と等方圧加圧を組み合わせて加圧することが好ましい。また、立体物をニクロム箔のような離型材と積層して第4工程を行うことが好ましく、さらにラミネートフィルム内に梱包して第4工程を行うことがより好ましい。
加圧の際の圧力は、5~500MPaであることが好ましい。加圧により、樹脂基材が除去された立体物内の細孔(空隙)サイズは減少する。一般的に、毛細管現象で知られて
いる通り、細孔サイズの減少に伴い、液体は浸透し易くなる。このため、加圧による後処理を行うことで、後述の充填用材料の充填工程の際の、充填用材料の充填性がより向上する。また、加圧による後処理を行うことで、立体物を構成する粒子を、互いに接触しやすくすることができる。その結果、イオン伝導性及び電子伝導性を上げることや、立体物の強度を上げることができる。
第4工程後に、再度熱処理を行い、立体物の緻密性や強度を上げてもよい。その場合、第3工程の焼結処理装置を用いてもよく、別途、電気炉、管状炉、ホットプレスや熱間等方圧加圧装置(HIP)等で焼結してもよい。
第1工程~第4工程を経て得られる電極前駆体は、活物質粒子及び電解質粒子を含み、空隙を有する。空隙とは、例えば、活物質粒子と電解質粒子との間の隙間を指す。空隙を有することで、後述のように、充填用材料を充填することができる。電極前駆体に占める空隙の割合は、1~30体積%であってよく、5~20体積%であってよい。
空隙が少ないと、後述の充填用材料の充填工程において、電極前駆体に充填用材料が充填され難く、充填用材料による効果が発現し難い。一方、空隙が多いと、活物質粒子や電解質粒子間の接触が不足し、電極内のイオン伝導性及び電子伝導性が低下する場合がある。空隙の割合は、断面加工(FIB)とSEM観察を繰り返すことによって連続断面画像を取得し、解析ソフトウェアにより再構築して立体画像を取得する、いわゆる3D-SEMにより求めることができる。電極部の□50μm×50μmの領域に対して、積層方向に0.1μmごとに断面加工およびSEM観察を繰り返して、50μm×50μm×10μmの立体画像を取得し、空隙の割合を算出する。また、二次元の正極断面のBIB-SEM画像から、空隙の割合を求めてもよい。このとき、正極断面における中心を含む500μm×10μmの領域のSEM画像を取得し、空隙の割合を算出してもよい。市販の画像解析ソフト(Photoshop(登録商標))により全体の画像(ピクセル)に対する、空隙(ピクセル)の割合として算出できる。
<電極の製造方法>
以下、図面を参照して、電極の製造方法の一例を詳細に説明する。以下、電極は、電極前駆体として正極前駆体を用いることで、正極とすることができる。また、電極前駆体として負極前駆体を用いることで、負極とすることができる。
本開示の電極の製造方法は、下記の4つの工程(第1-1工程、第2-1工程、第3-1工程、第4-1工程)を有する。また、第5-1工程を有していてもよい。ここで、第1-1工程と第2-1工程の順番は特に制限されず、第1-1工程の後に第2-1工程を行ってもよく、第2-1工程の後に第1-1工程を行ってもよい。
図19は、電極の製造方法を示すイメージ図である。
(1)活物質粒子を含み、活物質粒子間に空隙を有する電極前駆体を準備する第1-1工程(不図示)
(2)電極前駆体に充填する充填用材料を準備する第2-1工程(図19中、S201)(3)充填用材料を、電極前駆体の外部から内部に充填する第3-1工程(図19中、S202)
(4)電極前駆体の内部に充填された充填用材料を、電極前駆体の内部に保持させる第4-1工程(図19中、S203)
(5)第4-1工程によって得られた電極前駆体を後処理する第5-1工程(図19中、S204)
(第1-1工程)
第1-1工程は、活物質粒子を含み、活物質粒子間に空隙を有する電極前駆体を準備する工程である。第1-1工程は、電極前駆体を準備することができれば特に限定されないが、例えば上述の電極前駆体の製造方法を用いて、電極前駆体を準備することができる。
すなわち、第1-1工程は、粘着部を備えた樹脂基材上に、活物質粒子及び電解質粒子を含む粒子層を形成する第1工程と、前記粒子層が形成された樹脂基材を複数積層した積層体を成形する第2工程と、前記積層体から前記樹脂基材を除去して、活物質粒子及び電解質粒子を含む立体物を成形する第3工程と、前記立体物を後処理する第4工程と、を含むことが好ましい。
(第2-1工程)
第2-1工程は、電極前駆体に充填する充填用材料を準備する工程である。第2-1工程としては、以下の原料を配合及び調製する工程が挙げられる。前述のように電極前駆体の空隙に充填するため、充填用材料は液体である必要がある。充填用材料としては、例えば導電性を有する樹脂及び導電性を有する樹脂の前駆体からなる群から選択される少なくとも一を溶媒に溶解した溶液を用いてもよく、導電性を有する樹脂及び導電性を有する樹脂の前駆体からなる群から選択される少なくとも一を分散媒に分散した分散液を用いてもよい。
導電性を有する樹脂の前駆体としては、例えば熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂などのモノマーやオリゴマー、ポリマーを、導電性を有する樹脂の前駆体として用いることができる。すなわち、導電性を有する樹脂は、導電性を有する樹脂の前駆体の硬化物であることが好ましい。導電性を有する樹脂の前駆体としては、具体的には、上述の式(1)~(6)で示される構造に対応する構造のイオン化合物、上述のポリオール、上述のイソシアネート化合物などが挙げられる。
充填用材料としては、例えば、以下の原料の混合物が挙げられる。
・導電性を有する樹脂及び導電性を有する樹脂の前駆体からなる群から選択される少なくとも一
・必要に応じてリチウム塩等の支持電解質
・溶媒又は分散媒
・必要に応じて導電助剤
溶媒又は分散媒としては特に限定されず、例えば有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えばメタノールやエタノールなどのアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトンなどのケトン、及びヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素溶媒などを用いることができる。中でも、メチルエチルケトンが好ましい。
充填用材料は、支持電解質を含有していてもよい。充填用材料が支持電解質を含有することで、電極において、導電性を有する樹脂が支持電解質を含むことができる。また、支持電解質や導電助剤としては、上述のものを用いることができる。
(第3-1工程)
第3-1工程は、第2-1工程で準備された充填用材料を電極前駆体の外部から内部に充填する工程である。充填する手段は、液体の充填手段である公知の手段を用いることができる。充填する手段としては、例えば電極前駆体に充填用材料を塗布する塗布工程と、塗布された充填用材料を電極前駆体の内部に浸透させる浸透工程と、を含むことが好ましい。また、活物質粒子の内表面と接するように充填用材料を電極前駆体の内部に浸透させる浸透工程を含むことや、活物質粒子の外表面と接するように充填用材料を電極前駆体の内部に浸透させる浸透工程を含むことがより好ましい。塗布工程に用いる装置としては、例えば、インクジェット装置、ディスペンサー装置、ディップ塗布装置、スピン塗布装置、スプレー塗布装置やロール状塗布装置などが挙げられる。中でも、ディスペンサー装置を用いることが好ましい。浸透工程に用いる装置としては、真空乾燥機や真空包装機などが挙げられる。また、浸透をサポートするために重しなどで加圧してもよい。
図20Aは、ディスペンサー装置511による充填の様子を示す模式図である。充填用材料50はディスペンサー装置511におけるシリンジ内に収容され、シリンジ先端のノズルを通して、電極前駆体18に塗布される。一方、基材14(電極集電体又は固体電解質シート)上に成形された電極前駆体18は、支持台512に固定されている。
ここで、充填用材料は、電極前駆体18の基材14に対する当接面18-2(以下、基材支持面ともいう)と反対側の面18-1(以下、粒子配置面ともいう)に塗布されてもよく、電極前駆体18の端部17に塗布されてもよいが、端部17に塗布されることが好ましい。この理由は後述する。端部とは、電極前駆体の基材面をxy面、積層方向をz方向としたときの、xz面、yz面である(図13B)。
電極前駆体18は、第3工程において、積層体から樹脂基材を除去して立体物を成形しているため、電極前駆体18においては、粒子配置面18-1から連通する細孔が設けられる。また、端部17から連通する細孔が設けられる。これにより、充填用材料50が電極前駆体18の全体に均等に浸透し易い。結果として、導電性を有する樹脂が、活物質粒子の内表面に接するように位置しやすくなる。また、導電性を有する樹脂が、活物質粒子の外表面に接し、活物質粒子を連絡するように配置されやすくなる。
また、端部においては、電極前駆体の積層構造の層間が露出している。そのため、充填用材料が端部に塗布されると、充填用材料が内部に充填されやすくなる。
一方、充填用材料50を電極前駆体18の粒子配置面18-1から、すなわちxy面から塗布する場合は、均等に浸透させるために、xy面の複数個所に少量ずつ塗布することが好ましい。
図20Bは、ディップ塗布装置513による充填の様子を示す模式図である。充填用材料50はディッピング容器514内に収容されている。矢印方向へのディップ塗布装置513の移動に伴い、充填用材料50が、電極前駆体18の端部に塗布される。
図20Cは、スピン塗布装置515による充填の様子を示す模式図である。充填用材料50はディスペンサー装置511におけるシリンジ内に収容され、シリンジ先端のノズルを通して樹脂基材14上に付与される。一方、樹脂基材14(電極集電体或いは固体電解質シート)上に成形された電極前駆体18は、スピン塗布装置515の支持台に固定されている。樹脂基材14上に付与された充填用材料50は、スピン塗布装置515による遠心力により電極前駆体18の端部に塗布される。
(第4-1工程)
第4-1工程は、第3-1工程で電極前駆体の内部に充填された充填用材料を、電極前駆体の内部に保持させる工程である。保持させる手段は特に限定されず、充填用材料によって適宜選択される。例えば、充填用材料を増粘する工程や、充填用材料を硬化する工程が挙げられる。具体的には、充填用材料として熱硬化型のポリマー電解質を用いる場合、真空オーブンなどの公知の手段を用いることができる。充填用材料としてUV硬化型のポリマー電解質を用いる場合、UV照射装置などの公知の手段を用いることができる。
UV照射装置を用いる場合、電極の厚みによっては、UV照射によって充填用材料が硬化しにくい場合がある。その場合は、電極前駆体の厚みを、充填した充填用材料が硬化しやすい厚みとし、当該電極前駆体を離型性の高い基盤上に複数成形し、各電極前駆体で充填用材料を硬化後に、転写積層することで電極を得ることができる。
また、第3-1工程の充填は、一度に行ってもよく、複数回に分けて少量ずつ行ってもよい。具体的には、充填を複数回に分けて少量ずつ行う場合、以下のように電極を得てもよい。すなわち、一度第3-1工程の充填を少量行った後、第4-1工程によって充填用材料を電極前駆体の内部に保持させる。その後、再度第3-1工程の充填を行い、第4-1工程によって充填用材料を電極前駆体の内部に保持させる。このように、第3-1工程と第4-1工程とを繰り返し行って、電極前駆体を得てもよい。
第4-1工程によって得られた電極前駆体を、電極として用いることができる。また、
第4-1工程によって得られた電極前駆体を、第5-1工程に付して電極とすることが好ましい。
(第5-1工程)
第5-1工程は、第4-1工程によって得られた電極前駆体を後処理して、電極を得る工程である。後処理としては、第4-1工程によって得られた電極前駆体を加圧する加圧工程、電極の表面に電解質との界面緩衝層を形成する緩衝層形成工程、搬送や保管時の剥離、亀裂や大気暴露を防ぐため、保護フィルムなどによる被覆やALラミネートフィルムなどによる真空包装する梱包工程などが挙げられる。
加圧工程における加圧手段は、公知の手段を用いることができ、具体的には真空脱気、等方圧加圧や、一般的な油圧プレス機やローラ加圧機が挙げられ、中でも真空脱気と等方圧加圧を組み合わせて加圧することが好ましい。
緩衝層形成工程における手段は、公知のコーティング手段を用いることができ、具体的には真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタ、気相成長(CVD)、更に第3-1工程の各塗布手段などが挙げられる。上述した手段を用いず、別途作製された緩衝層シート(ポリマー電解質シートなど)を積層しても構わない。また、第3-1工程で充填される充填用材料が緩衝層も兼ねるように、予め第3-1工程において充填用材料の充填量を制御して、電極上に緩衝層を設けても構わない。
<二次電池の製造方法>
上述の電極の製造方法を用いて、二次電池を製造することができる。二次電池の製造方法としては特に限定されないが、以下の具体例が挙げられる。
上記の電極の製造方法を、正極又は負極の製造方法として用いる場合について説明する。集電体、又は別手段で成形された電解質を基盤として、正極若しくは負極、又は正極及び負極の両極を、上述の電極の製造方法により製造することができる。
二次電池は、電極、集電体及び電解質を積層し、必要に応じてアルミラミネートフィルムなどで梱包し、成形、加圧することにより製造できる。すなわち、二次電池の製造方法は、電極、集電体及び電解質を積層する工程を含んでもよい。電極としては、上述の電極を用いることができる。
また、二次電池の製造方法は、上述の電極の製造方法により電極を準備する工程と、電極に隣接する固体電解質を設ける工程とを含んでもよい。また、上述の電極と、電極に隣接する固体電解質を一括して設ける工程を含んでもよい。すなわち、電極と固体電解質とは、別の工程でそれぞれを準備してもよく、同一の工程で一括して準備してもよい。
ここで、電解質を成形する別手段とは、公知の手段で、例えば電解質粒子を一軸加圧装置などでペレット成形し、電気炉などで焼結する手段が挙げられる。
製造された各部材を、正極集電体、正極、電解質、負極、負極集電体の順で積層することで、二次電池を製造することができる。二次電池としては、例えばラミネートフィルム内に梱包するラミネート型電池やコインケース内に梱包するコイン型電池が挙げられる。
正極、電解質、負極を構成する各粒子は、焼結時に適切な温度や適切な雰囲気が異なる場合がある。このような材料を取り扱う際には、それぞれの部材である正極、電解質、負極を別途製造し、電池として組立てることが好ましい。また、負極としてリチウム金属又はインジウムを用いる場合は、負極は金属箔として用いたり、スパッタ等の真空プロセスにより、集電体や電解質に成形されることが好ましい。リチウム金属は還元力が強いため、固体電解質種によっては、分解されやすい。その場合、電極と電解質間に緩衝層を設けてもよい。緩衝層としては、ポリマー電解質等を使用することが好ましい。
上記の二次電池の製造方法の具体例は、上述の電極の製造方法を用いて、集電体又は電解質を基盤として、正極又は負極の積層体を成形し、電極を製造している。
一方で、二次電池を主に構成する、正極集電体、正極、電解質、負極、及び負極集電体からなる群から選択される2種以上を含む積層体を成形し、電極を含む立体物として製造することもできる。
例えば、それぞれの基材を粒子配置装置1により作製する。つまり、正極集電体基材、正極基材、電解質基材、負極基材、負極集電体基材である。それぞれの基材は、複数種(例えば、正極基材の場合、正極活物質粒子と電解質粒子)の粒子を含んでもよく、単種類の粒子のみを含んでもよい。単種類の粒子のみを含む場合、充填装置24a、24bに同種の充填剤を使用することで、基材上に単種類の緻密な粒子層を形成することができる。
電解質基材は、電解質粒子を含む粒子層で形成される。負極基材は、負極活物質粒子を含む粒子層で形成される。集電体基材は、導電粒子を含む粒子層で形成される。これらの基材を積層体成形装置により、正極集電体基材、正極基材、電解質基材、負極基材、負極集電体基材の順で積層した積層体を作製し、焼結処理装置により電極を含む立体物を成形し、電極前駆体を含む二次電池前駆体を得ることができる。前記電極前駆体に対して、充填用材料の充填及び保持(第2-1~第4-1工程)を行い、二次電池を製造することができる。
さらに、集電体基材の両面側にそれぞれ正極及び負極を積層したバイポーラ型の二次電池も同様に製造することができる。この場合、充填用材料は、少なくとも電極に対して充填、保持されるが、電極以外の電解質や集電体に充填、保持されても構わない。
<電極複合体>
電極複合体は、本開示の電極と、電極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む。このような電極複合体に、さらに正極又は負極となる電極を設けることによって、活物質粒子の膨張収縮を緩和し、電池出力の低下を抑制することができる二次電池とすることができる。
<二次電池>
二次電池は、本開示の正極と、正極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む。また、二次電池は、前記電解質層との間で前記活物質の授受を行う負極を含む。このような二次電池であることによって、活物質粒子の膨張収縮を緩和し、電池出力の低下を抑制することができる。また、電解質層としてイオン伝導性固体のような固体電解質を用いることで、二次電池を全固体電池とすることもできる。
二次電池の製造方法は特に限定されないが、上述の製造方法を用いることができる。
以下に、実施例を用いて本開示をより詳細に説明するが、本開示はこれら実施例に限定されるものではない。以下の実施例において、特に断りのない限り、部数は質量部基準である。
(実施例1)
[正極の製造例]
<正極前駆体の製造例>
上述の電極前駆体の製造方法により、実施例1に係る正極前駆体を成形した。
まず、図2に示す粒子配置装置1を用いて、粘着部を備えた樹脂基材上に正極活物質粒子(第1の粒子P1)、及び電解質粒子(第2の粒子P2)からなる粒子層を形成し、樹脂基材とした(第1工程)。
第1の粒子P1はLiCoO(以下LCO)とし、第2の粒子P2はLiBO(以下LBO)とした。LCOは日本化学工業株式会社製(セルシードC-5H)のものを用い、LBOは株式会社豊島製作所製のものを用いた。
第1の基材11aとしては、表面に凹凸構造を有したPDMS(紫外線硬化型液状シリコーンゴム)シートを用いた。第2の基材11bとしては、ポリエステル(PET)製の
樹脂シートであり、表裏面にアクリル系粘着材が塗布された粘着部を有しているものを用いた。使用した第2の基材11b(PET)の厚みは3μmであった。また、粘着部の厚みは1μmであった。樹脂シート上には、LCO粒子がハニカムパターンで配置されており、LCO粒子が配置されていない領域にLBO粒子が配置されている(図9B)。
第1工程で得られた、粒子層が形成された樹脂基材を用いて第2工程を行った。すなわち、図11に示す積層体成形装置U3を用いて、粒子層が形成された樹脂基材を集電体AC-1(Al箔)上に積層(積層数3枚)して積層体を成形した。
その後、図12に示す焼結処理装置U4を用いて、積層体から樹脂基材を加熱により除去することで立体物を成形した(第3工程)。焼結雰囲気は大気下、焼結温度は510℃、焼結時間は1時間とした。
立体物を離型材(ニクロム箔)と積層した状態で、ラミネートフィルム(コーパック)内に梱包し、真空包装機により真空包装した。真空包装したラミネートフィルムを等方圧加圧装置により1分加圧(196MPa)して、正極前駆体を得た(第4工程)。
<充填用材料の準備例(第2-1工程)>
(イオン化合物I-01の製造例)
ジムロート冷却器を取り付けたナスフラスコに、攪拌子とテトラヒドロフラン(THF
関東化学社製)60mlを入れ、水素化ナトリウム(60質量%、流動パラフィンに分散、東京化成工業社製)24.0g(0.60mol)を分散させ、ナスフラスコを氷浴で冷却した。イミダゾール(東京化成工業社製)10.2g(0.15mol)をTHF60mlに溶解させた溶液をゆっくり滴下した後、氷浴を取り外し室温で2時間攪拌した。2-ブロモエタノール(東京化成工業社製)47.6g(0.38mol)を室温で加えた後、70℃で7時間加熱還流した。反応後の反応液をろ過し、不溶分をTHFで洗い流し、得られたろ液の溶媒を減圧留去した。得られた生成物をジクロロメタン200mlに溶解し、アニオン原料として、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成工業社製)43.6g(0.15mol)を溶解させた水溶液を加え、室温下で10時間攪拌した。得られた溶液を分液し、有機層を得た。この有機層を、純水にて3回洗浄した。次に、ジクロロメタンを減圧留去し、イオン化合物I-01を得た。イオン化合物I-01は、下記式で表される化合物である。
(導電性を有する樹脂の前駆体の製造例)
窒素雰囲気下、反応容器中でイソシアネートとしてポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR-200、東ソー社製)19.6質量部に対し、ポリエーテルポリオール(商品名:アデカポリオールPR-5007、ADEKA社製)120.5質量部を、反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65度で3.5時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、メチルエチルケトン49.8質量部を添加して、イソシアネート基含有量2.5質量%のイソシアネート基末端プレポリマーの溶液を得た。
得られたイソシアネート基末端プレポリマーの溶液100質量部に対し、以下の材料を攪拌混合し、充填用材料を得た。
・アデカポリオール PR-5007 113質量部
・イオン化合物 I-1 3.7質量部
・支持電解質 (ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成工業社製)) 18.6質量部
・メチルエチルケトン 175質量部
次に、第4工程で得られた正極前駆体に、図20Aに示す塗布装置を用いて、正極前駆体の周縁に位置する端面の一部から準備した充填用材料を充填した(第3-1工程)。
充填用材料を充填した正極前駆体を真空オーブン(140℃)で1時間加熱することにより、充填用材料を硬化させて、導電性を有する樹脂とし、正極A-1を成形した(第4-1工程)。なお、充填用材料の充填量を振った水準のサンプルを用意し、上述のBIB-SEMにより、電極内の導電性を有する樹脂が過不足なく浸透する水準を決定した。
成形した正極A-1を用いて、二次電池を作製した。作製方法について説明する。正極A-1以外の、電解質層SE-1と負極C-1については、以下の方法で準備した。電解質層SE-1は、Li1.5Al0.5Ge1.512(以下LAGP)粉末(豊島製作所製)を一軸加圧装置でペレット成形し、電気炉で焼結(850℃/12h)した電解質シート(厚み260μm)を用いた。負極C-1は、インジウム箔(厚み50μm、ニラコ製)を用いた。
正極集電体AC-1(Al箔厚み20μm)、正極A-1、電解質層SE-1、負極C-1、負極集電体CC-1(Cu箔厚み20μm)の順で積層し、予め集電体に溶接した取出し電極用のタブリードを、ラミネート外部に配置するようにアルミラミネートフィルム内に梱包した。その後、真空包装機によりラミネートセル型に成形し、等方圧加圧装置で1分加圧(196MPa)して、二次電池SB-1を作製した。
図22A~22Dは、後述する方法で撮影した正極A-1断面の電子顕微鏡像である。図22Aは、電子顕微鏡像である。図22Bは、EDX像(元素Co)をもとに、LCO粒子(P1t、P1u、P1v、P1w、P1x、P1y、P1z)を同定し、粒子の境界を破線で示している。LCO粒子は、コア部P1aと、シェル部P1bと、シェル部の表面上の、放射状に突出する突出部P1cと、を有している。また、コア部とシェル部との間には、間隙部P1dが存在する(図14)。図22Bにおいては、粒子P1t、及びP1uの粒子内の間隙部P1dの境界を実線で示している。すなわち、実線は、活物質粒子の内表面を表しているともいえる。
図22Cは、導電性を有する樹脂に由来する硫黄元素のEDX像である。図22B同様に粒子の境界を破線で示している。間隙部P1dの内表面、すなわち活物質粒子の内表面に接するように導電性を有する樹脂が存在する。また、導電性を有する樹脂が、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されている。
図22Dは、固体電解質LBOに由来するホウ素元素のEDX像である。図22B同様に粒子の境界を破線で示している。図22C及び22Dから分かるように、LCO粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在している。
図23は、正極A-1断面の低倍率の電子顕微鏡像である。図23Aは、電子顕微鏡像である。図23Bは、EDX像(元素Co)をもとに、LCO粒子を同定し、粒子の境界を破線で示している。図23CはEDX像(元素Co)、図23DはEDX像(元素C)、図23EはEDX像(元素B)である。図23C~23Eにおいて、LCO粒子の境界を破線で示している。間隙部P1dの内表面、すなわち活物質粒子の内表面に接するように導電性を有する樹脂が存在する。また、導電性を有する樹脂が、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されている。さらに、導電性を有する樹脂は、L
BOが含有される領域と重なるように存在する。
図24A~24Cは、例えば実施例1に係る本開示の特徴を示す模式図である。図24Aは、電極の模式図であり、図24Bは、図24A中のA-A’線上におけるEDXの元素分布を示す。図24Cは、図24A中のB-B’線上におけるEDXの元素分布を示す。
図24A~24Cに示されるように、導電性を有する樹脂は、活物質粒子の外表面に接し、活物質粒子間を連絡するように配置される。そして、活物質粒子との良好な界面を形成するとともに、支持電解質粒子とも良好な界面を形成し、電極内のイオン拡散を改善していると考えられる。
また、導電性を有する樹脂が、充放電に伴う活物質粒子の膨張収縮に応じて形状変化することにより、イオン伝導性や電子伝導性の低下を抑えていると考えられる。さらに電極内の空隙が、活物質粒子の膨張収縮に応じた導電性を有する樹脂の拡縮を含めた変形のスペースとして機能していると考えられる。
また、導電性を有する樹脂は、LCO粒子内の間隙部P1dに充填されている。すなわち、LCO粒子の内表面に接するように位置している。このように、導電性を有する樹脂が、突出部P1cを有するLCO粒子表面と良好な界面を形成するとともに、LCO粒子内の間隙部P1dとも、良好な界面を形成し、電極内のイオン拡散を更に改善していると考えられる。また、可橈性を有する導電性を有する樹脂がLCO粒子内にも充填されることにより、充放電に伴う活物質粒子の膨張収縮に応じて、形状変化する。その結果、粒子内におけるイオン伝導性や電子伝導性の低下を抑えていると考えられる。さらに活物質粒子の粒子内の不連続性(例えば亀裂や間隙)や粒子間の不連続性(例えば空隙)を連絡するように、活物質粒子の内表面や外表面に接する導電性を有する樹脂が、活物質粒子の充放電に伴う拡縮に応じて変形しイオン伝導性が維持されることが考えられる。
<正極の断面観察>
正極の断面を観察するために、電池を積層方向に分離するように解体して正極を取り出した。取り出した正極をワイヤーソー(DWS3400/ワイヤー径170μm・ダイヤモンド径30μm)で切断した。切断面に対してArによるブロードイオンビームで断面加工した(JEOL製SM-09010 Cross Section Polisher)。断面加工の条件は、電圧6kV、電流150~200mAとした。
断面部を電子顕微鏡(ULTRA55)により撮影し、BIB-SEM画像を得た。条件は以下の通りとした。
検出器:ESB(反射電子像)
観察条件:加速電圧3kV
倍率:1000倍
フィルター:ESBフィルターに1500Vのバイアス印加
次に、SEM-EDX(Bruker社製 XFlash Detector 630M)により、元素マッピングを得た。元素マッピングの結果から、活物質粒子と、電解質粒子と、導電性を有する樹脂と、を識別した。
以下、二次電池の評価方法について説明する。
<充放電特性 容量維持率>
粒子層が形成された樹脂基材の単位面積当たりの活物質粒子質量M(g/cm)から、正極の活物質粒子質量(M×積層枚数×正極面積cm)を算出した。単位面積当たりの活物質粒子質量Mは、以下のようにして求めた。
粒子配置装置1中の第1の充填装置24aにより第1の粒子P1を充填した後の、第1の基材11aの重量を測定した。次に、上述の第1の粒子P1を第2の基材11bへ転写
した後の、第1の基材11aの重量を測定した。その差分を計算し、第2の基材11b上の第1の粒子P1の質量を求めた。その後、第1の粒子P1の質量を、第2の基材11bの面積(凹凸領域の面積)で割ることで単位面積当たりの活物質粒子質量Mを算出した。
別の算出方法として、ICP発光分光分析法を用いる方法もある。予め上述の方法等で、単位面積当たりの活物質粒子質量M(g/cm)が明らかになっている粒子層が形成された樹脂基材を、3水準準備する。これらの樹脂基材をマイクロウェーブによる酸分解(ETHOS PRO)で溶解して、酸分解液を超純水で希釈する。そして、ICP-AES測定(CIROS CCD)を行い、Co元素の定量化を行う。得られた元素濃度に対する単位面積当たりの活物質粒子質量M(g/cm)の検量線が得られる。検量線より、測定対象である粒子層が形成された樹脂基材の単位面積当たりの活物質粒子質量M(g/cm)を求めることができる。
電流レート0.4Cの電流値を決定し、電流レート0.4Cの充放電測定(定電流充電/定電流放電)を行った。測定は、充放電装置(バイオロジック社製)により行った。図21は、測定した充放電カーブを示す。縦軸が電池セルの電圧(V vs. Li/Li)を示し、横軸が電池セルの容量(mAh/g)を示す。容量は、正極の活物質質量当たりの容量である。
LCOの実容量は、120mAh/gとし、カットオフ電圧(対Li)を4.2V(充電)/2.6V(放電)とした。その際の、容量維持率は、充電容量に対する放電容量の割合である(放電容量/充電容量×100%)。上記測定を5回繰り返し行い、その平均値を求め、80%以上を良好とした。
<サイクル特性>
電流レート0.4Cでサイクル評価(定電流モードの繰り返し充放電測定)を行った。上述の容量維持率に対して、容量維持率が80%以下になるまで繰り返し充放電測定を行い、その回数nを求め、10回以上を良好とした。
電池評価の結果、容量維持率は100%、サイクル回数nは12回であった。上記評価に従って、充放電特性およびサイクル特性が良好である場合を、電池評価をAとした(表1)。
(実施例2)
充填用材料を、正極前駆体の粒子配置面から塗布し正極前駆体に充填したこと以外は、実施例1と同様の方法で正極A-2を作製した。また正極A-2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、二次電池SB-2を作製した。
正極A-2の断面観察を行ったところ、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂が、間隙部の内表面に接するように位置していた。また、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されていた。さらに、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LBOが含有される領域と重なるように存在していた。また、LCO粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在していた。
また、得られた二次電池SB-2は、二次電池SB-1と同様に、容量維持率とサイクル特性が良好であることが確認された。
(実施例3)
第3工程における焼結温度を510℃から700℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で正極A-3を作製した。また正極A-3を用いた以外は実施例1と同様にして、二次電池SB-3を作製した。
図25A~図25Cは、正極A-3断面の電子顕微鏡像である。図25Aは、電子顕微鏡像、図25Bは、EDX像(元素C)、図25CはEDX像(元素B)である。高温で
焼成したためか、LCO粒子の酸化が進行し、原料のLCO粒子に近い形態に戻っており、間隙部は認められなかった。
得られた正極A-3の断面構造において、導電性を有する樹脂は、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されていた。さらに、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LBOが含有される領域と重なるように存在していた。また、LCO粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在していた。
また、得られた二次電池SB-3は、二次電池SB-1と同様に、容量維持率とサイクル特性が良好であることが確認された。
(実施例4)
第1の粒子を粒径の大きいLCO(セルシードC-8H)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で正極A-4を作製した。正極A-4の断面観察を行ったところ、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂が、間隙部の内表面に接するように位置していた。また、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されていた。さらに、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LBOが含有される領域と重なるように存在していた。また、LCO粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在していた。また、得られた二次電池SB-4は、二次電池SB-1と同様に、容量維持率とサイクル特性が良好であることが確認された。
(実施例5)
焼結処理装置U4において、加圧手段422により加圧(50MPa)したこと以外は、実施例1と同様の方法で正極A-5を作製した。正極A-5の断面観察を行ったところ、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂が、間隙部の内表面に接するように位置していた。また、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されていた。さらに、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LBOが含有される領域と重なるように存在していた。また、LCO粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在していた。また、得られた二次電池SB-5は、二次電池SB-1と同様に、容量維持率とサイクル特性が良好であることが確認された。
(実施例6)
電解質粒子としてLi5.9Yb0.81La0.09Zr0.1(BO(LYbBO-1)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で正極A-6を作製した。また正極A-6を用いた以外は実施例1と同様にして、二次電池SB-6を作製した。
正極A-6の断面観察を行ったところ、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂が、間隙部の内表面に接するように位置していた。また、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LCO粒子の外表面に接し、LCO粒子を連絡するように配置されていた。さらに、正極A-1と同様に、導電性を有する樹脂は、LBOが含有される領域と重なるように存在していた。また、LCO粒子の粒子間において、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在していた。
また、得られた二次電池SB-6は、二次電池SB-1と同様に、容量維持率とサイクル特性が良好であることが確認された。
実施例1~6の処方及び製造条件と、評価結果とを整理した対比表を表1に示す。

表中、塗布場所は、第3-1工程において、充填用材料を正極前駆体に対して塗布した場所を示し、接触箇所は、導電性を有する樹脂と、LCO粒子との接触箇所を示し、共偏在の有無は、導電性を有する樹脂と、無機電解質とが、共偏在しているか否かを示す。
本開示は、以下の構成及び方法に関する。
[構成1]
二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置する、電極。
[構成2]
前記導電性を有する樹脂は、イオン導電性を有する樹脂を含む、構成1に記載の電極。[構成3]
前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含む樹脂と支持電解質とを含む構成1又は2に記載の電極。
[構成4]
前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含むウレタン樹脂と支持電解質とを含む構成1~3のいずれかに記載の電極。
[構成5]
前記内表面は、前記活物質粒子の外表面に連続する構成1~4のいずれかに記載の電極。
[構成6]
前記導電性を有する樹脂は、前記外表面に接する構成5に記載の電極。
[構成7]
前記活物質粒子の粒子間に、導電性を有する樹脂、導電助剤、及び支持電解質からなる群から選択される少なくとも一を含む構成1~6のいずれかに記載の電極。
[構成8]
前記活物質粒子の粒子間に、支持電解質を含み、
前記支持電解質が、無機電解質を含む構成1~7のいずれかに記載の電極。
[構成9]
前記粒子間において、前記導電性を有する樹脂が含有される領域が、前記無機電解質が含有される領域と重なる、構成8に記載の電極。
[構成10]
前記活物質粒子は、コバルト酸リチウムを含む構成1~9のいずれかに記載の電極。
[構成11]
前記活物質粒子は、前記外表面から突出する突出部を有する構成5~10のいずれかに記載の電極。
[構成12]
前記導電性を有する樹脂は、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエーテルの少なくともいずれかを主鎖構造中に含む構成1~11のいずれかに記載の電極。
[構成13]
前記導電性を有する樹脂は、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体であるポリエーテルを主鎖構造中に含む構成1~12のいずれかに記載の電極。[構成14]
前記導電性を有する樹脂は、前記活物質粒子より高い可橈性を有する、構成1~13のいずれかに記載の電極。
[構成15]
二次電池に適用する電極であって、
前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
前記活物質粒子が、外表面を有し、
前記樹脂が、前記外表面に接し、前記活物質粒子を連絡するように配置されている、電極。
[構成16]
前記導電性を有する樹脂は、イオン導電性を有する樹脂を含む、構成15に記載の電極。
[構成17]
前記導電性を有する樹脂は、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエーテルの少なくともいずれかを主鎖構造中に含む構成15又は16に記載の電極。
[構成18]
前記導電性を有する樹脂は、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体であるポリエーテルを主鎖構造中に含む構成15~17のいずれかに記載の電極。
[構成19]
前記活物質粒子が、内表面を有し、
前記内表面は、前記外表面に連続する、構成15~18のいずれかに記載の電極。
[構成20]
前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置する、構成19に記載の電極。
[構成21]
前記活物質粒子の粒子間に、支持電解質を含み、
前記支持電解質が、無機電解質を含む構成15~20のいずれかに記載の電極。
[構成22]
前記粒子間において、前記導電性を有する樹脂が含有される領域が、前記無機電解質が含有される領域と重なる、構成21に記載の電極。
[構成23]
電極と、前記電極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む電極複合体であって、
前記電極が、構成1~22のいずれかに記載の電極である、電極複合体。
[構成24]
正極と、前記正極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む二次電池であって、
前記正極が、構成1~22のいずれかに記載の電極であり、
前記二次電池が、前記電解質層との間で前記活物質の授受を行う負極を含む、二次電池。
[方法25]
活物質粒子を含み、前記活物質粒子間に間隙を有する電極前駆体を準備する第1-1工程と、
前記電極前駆体に充填する、充填用材料を準備する第2-1工程と、
前記充填用材料を、前記電極前駆体の外部から内部に充填する第3-1工程と、
前記電極前駆体の内部に充填された前記充填用材料を、前記電極前駆体の内部に保持させる第4-1工程と、を含む電極の製造方法。
[方法26]
前記第3-1工程は、前記活物質粒子の外表面と接するように前記充填用材料を前記電極前駆体の内部に浸透させる浸透工程を含む、方法25に記載の電極の製造方法。
[方法27]
前記第1-1工程は、前記活物質粒子に内表面を形成する工程を含む、方法25又は26に記載の電極の製造方法。
[方法28]
前記活物質粒子に内表面を形成する工程が、前記活物質粒子を焼結する工程である、方法27に記載の電極の製造方法。
[方法29]
前記第1-1工程は、
粘着部を備えた樹脂基材上に、活物質粒子及び電解質粒子を含む粒子層を形成する第1工程と、
前記粒子層が形成された樹脂基材を複数積層した積層体を成形する第2工程と、
前記積層体から前記樹脂基材を除去して、活物質粒子及び電解質粒子を含む立体物を成形する第3工程と、
前記立体物を後処理する第4工程と、
を含む、方法25~28のいずれかに記載の電極の製造方法。
[方法30]
前記第3-1工程は、前記活物質粒子の内表面と接するように前記充填用材料を前記電極前駆体の内部に浸透させる浸透工程を含む、方法25~29のいずれかに記載の電極の製造方法。
[方法31]
前記電極前駆体は、端部を有し、
前記第3-1工程は、前記充填用材料を前記電極前駆体の前記端部に塗布する工程を含む方法25~30のいずれかに記載の電極の製造方法。

Claims (20)

  1. 二次電池に適用する電極であって、
    前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
    前記活物質粒子が、内表面を有し、
    前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置
    前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含む樹脂と支持電解質とを含む電極。
  2. 二次電池に適用する電極であって、
    前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
    前記活物質粒子が、内表面を有し、
    前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
    前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含むウレタン樹脂と支持電解質とを含む電極。
  3. 二次電池に適用する電極であって、
    前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
    前記活物質粒子が、内表面を有し、
    前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
    前記活物質粒子の粒子間に、支持電解質を含み、前記支持電解質が、無機電解質を含む電極
  4. 二次電池に適用する電極であって、
    前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
    前記活物質粒子が、内表面を有し、
    前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置し、
    前記内表面は、前記活物質粒子の外表面に連続し、
    前記活物質粒子は、前記外表面から突出する突出部を有する電極。
  5. 前記導電性を有する樹脂は、イオン導電性を有する樹脂を含む、請求項に記載の電極。
  6. 前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含む樹脂と支持電解質とを含む請求項に記載の電極。
  7. 前記導電性を有する樹脂は、イオン性官能基を含むウレタン樹脂と支持電解質とを含む請求項に記載の電極。
  8. 前記内表面は、前記活物質粒子の外表面に連続する請求項1に記載の電極。
  9. 前記導電性を有する樹脂は、前記外表面に接する請求項に記載の電極。
  10. 前記活物質粒子の粒子間に、導電性を有する樹脂、導電助剤、及び支持電解質からなる群から選択される少なくとも一を含む請求項1に記載の電極。
  11. 前記活物質粒子の粒子間に、支持電解質を含み、
    前記支持電解質が、無機電解質を含む請求項1に記載の電極。
  12. 前記粒子間において、前記導電性を有する樹脂が含有される領域が、前記無機電解質が含有される領域と重なる、請求項に記載の電極。
  13. 前記活物質粒子は、コバルト酸リチウムを含む請求項1に記載の電極。
  14. 前記活物質粒子は、前記外表面から突出する突出部を有する請求項に記載の電極。
  15. 前記導電性を有する樹脂は、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエーテルの少なくともいずれかを主鎖構造中に含む請求項1に記載の電極。
  16. 前記導電性を有する樹脂は、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体であるポリエーテルを主鎖構造中に含む請求項1に記載の電極。
  17. 前記導電性を有する樹脂は、前記活物質粒子より高い可橈性を有する、請求項1に記載の電極。
  18. 電極と、前記電極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む電極複合体であって、
    前記電極が、活物質粒子と、導電性を有する樹脂と、を含み、
    前記活物質粒子が、内表面を有し、
    前記導電性を有する樹脂は、前記内表面に接するように位置する、電極複合体。
  19. 電極と、前記電極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む電極複合体であって、
    前記電極が、請求項1~17のいずれか一項に記載の電極である、電極複合体。
  20. 正極と、前記正極との間で活物質の授受を行う電解質層と、を含む二次電池であって、
    前記正極が、請求項1~17のいずれか一項に記載の電極であり、
    前記二次電池が、前記電解質層との間で前記活物質の授受を行う負極を含む、二次電池。
JP2023131271A 2023-08-10 2023-08-10 電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法 Active JP7730866B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023131271A JP7730866B2 (ja) 2023-08-10 2023-08-10 電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法
PCT/JP2024/026588 WO2025033194A1 (ja) 2023-08-10 2024-07-25 電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023131271A JP7730866B2 (ja) 2023-08-10 2023-08-10 電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2025025970A JP2025025970A (ja) 2025-02-21
JP7730866B2 true JP7730866B2 (ja) 2025-08-28

Family

ID=94534256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023131271A Active JP7730866B2 (ja) 2023-08-10 2023-08-10 電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7730866B2 (ja)
WO (1) WO2025033194A1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005268066A (ja) 2004-03-19 2005-09-29 Mitsubishi Electric Corp 電池及びその製造方法
WO2012165422A1 (ja) 2011-05-31 2012-12-06 日本ゼオン株式会社 リチウム二次電池正極用複合粒子、リチウム二次電池正極用複合粒子の製造方法、リチウム二次電池用正極の製造方法、リチウム二次電池用正極、及びリチウム二次電池
JP2017027771A (ja) 2015-07-22 2017-02-02 三菱化学株式会社 非水系二次電池用炭素材、及び、リチウムイオン二次電池
WO2019093221A1 (ja) 2017-11-10 2019-05-16 日本碍子株式会社 二次電池
JP2021141066A (ja) 2020-03-05 2021-09-16 三星エスディアイ株式会社Samsung SDI Co., Ltd. リチウム二次電池用複合正極活物質、その製造方法、及びそれを含む正極を含むリチウム二次電池

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005268066A (ja) 2004-03-19 2005-09-29 Mitsubishi Electric Corp 電池及びその製造方法
WO2012165422A1 (ja) 2011-05-31 2012-12-06 日本ゼオン株式会社 リチウム二次電池正極用複合粒子、リチウム二次電池正極用複合粒子の製造方法、リチウム二次電池用正極の製造方法、リチウム二次電池用正極、及びリチウム二次電池
JP2017027771A (ja) 2015-07-22 2017-02-02 三菱化学株式会社 非水系二次電池用炭素材、及び、リチウムイオン二次電池
WO2019093221A1 (ja) 2017-11-10 2019-05-16 日本碍子株式会社 二次電池
JP2021141066A (ja) 2020-03-05 2021-09-16 三星エスディアイ株式会社Samsung SDI Co., Ltd. リチウム二次電池用複合正極活物質、その製造方法、及びそれを含む正極を含むリチウム二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2025025970A (ja) 2025-02-21
WO2025033194A1 (ja) 2025-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fedorov et al. Molecular engineering approaches to fabricate artificial solid‐electrolyte interphases on anodes for Li‐ion batteries: a critical review
Zhong et al. Advancements in prelithiation technology: transforming batteries from Li‐shortage to Li‐rich systems
Liu et al. Design of high-voltage stable hybrid electrolyte with an ultrahigh Li transference number
Huang et al. Challenges and solutions of solid‐state electrolyte film for large‐scale applications
CN102576902B (zh) 使用含有聚合物复合微粒的高分子固体电解质的电化学器件
CN108475816B (zh) 全固态二次电池及相关粒子、组合物、电极片、制造方法
JP2014534590A (ja) 全固体電池電極の製造方法
US20160226094A1 (en) Electrode composite body, method of manufacturing electrode composite body, and battery
JP7690262B2 (ja) 活物質、活物質の製造方法、正極、及び、二次電池
CN114930594A (zh) 含无机固体电解质组合物、全固态二次电池用片材及全固态二次电池、以及全固态二次电池用片材及全固态二次电池的制造方法
US12494555B2 (en) Method of manufacturing tab-less cylindrical cells
FR3111741A1 (fr) Anode de forte densite d’energie et de puissance pour batteries
KR20240062964A (ko) 이중층 하이브리드 고체전해질, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 전고체 배터리
JP7730866B2 (ja) 電極、電極複合体、二次電池、及び電極の製造方法
Mwizerwa et al. High gravimetric and volumetric energy densities enabled by 3D-printed thick anode
WO2021260565A1 (fr) Anode de forte densité d'énergie et de puissance pour batteries et méthode de sa fabrication
EP4128389A1 (fr) Procede de fabrication de couches denses, utilisables comme electrodes et/ou electrolytes pour batteries a ions de lithium, et microbatteries a ions de lithium ainsi obtenues
CA3173400A1 (fr) Procede de fabrication de batteries a ions de lithium
KR102464213B1 (ko) 표면 처리된 리튬이차전지용 양극 활물질, 이의 제조방법, 상기 양극 활물질을 포함하는 리튬이차전지용 양극 및 상기 양극을 포함하는 리튬이차전지
CN117795705A (zh) 表面改性电极、制备方法和电化学用途
US20250391899A1 (en) Solid-state secondary battery, method for preparing the same, energy storage system and electric equipment
US20250182925A1 (en) Laminate for solid state electrochemical element, solid state electrochemical element, electric device, and mobile object
Shovon et al. Surface Modification of Lithium Metal as an Anode in Lithium Metal‐Based Batteries
CN121753136A (zh) 制造多孔电极的方法和含有这样的电极的电池
KR20250053727A (ko) 리튬 이차 전지용 음극의 제조 방법, 이로부터 제조된 음극 및 음극을 포함하는 리튬 이차 전지

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20250422

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20250623

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20250715

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20250818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7730866

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150