以下、ここで開示される技術のいくつかの実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、ここで開示される技術の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここで開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、本明細書において範囲を示す「A~B」の表記は、「A以上B以下」を意味する。また、「Aを超える」および「B未満」の意を包含するものとする。
なお、本明細書において「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、一次電池と二次電池とを包含する概念である。また、本明細書において「二次電池」とは、電解質を介して正極と負極の間で電荷担体が移動することによって繰り返し充放電が可能な蓄電デバイス全般をいう。電解質は、液状電解質(電解液)、ゲル状電解質、固体電解質のいずれであってもよい。かかる二次電池は、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)の他に、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)等も包含する。以下では、リチウムイオン二次電池を対象とした場合の実施形態について説明する。
<電池の構成>
図1は、第1実施形態に係る電池100を模式的に示す斜視図である。電池100は、二次電池であることが好ましく、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池であることがより好ましい。図2は、図1中のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。図3は、図1中のIII-III線に沿う模式的な横断面図である。図4は、図2中のIV-IV線に沿う模式的な縦断面図である。なお、以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表す。また、図面中の符号Xは、電池100の短辺方向を示し、符号Yは、電池100の長辺方向を示し、符号Zは、電池100の上下方向を示す。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、電池100の設置形態を何ら限定するものではない。
図1~図3に示すように、電池100は、電池ケース10(図1参照)と、複数の電極体20(図2、図3参照)と、正極端子30(図1、図2参照)と、負極端子40(図1、図2参照)と、正極集電部50(図2参照)と、負極集電部60(図2参照)と、を備えている。図示は省略するが、電池100は、ここではさらに電解液を備えている。電池100は非水電解液二次電池である。以下、電池100の具体的な構成について説明する。
電池ケース10は、電極体20を収容する筐体である。図1に示すように、電池ケース10は、ここでは扁平かつ有底の直方体形状(角形)の外形を有する。電池ケース10の材質は、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。電池ケース10は、金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等からなることがより好ましい。図2に示すように、電池ケース10は、開口12hを有する外装体12と、開口12hを封口する封口板(蓋体)14と、を備えている。外装体12および封口板14は、電極体20の収容数(1つまたは複数。ここでは、複数。)や、サイズ等に応じた大きさを有している。
外装体12は、図1、図2から分かるように、上面に開口12hを有する有底かつ角型の容器である。外装体12は、図1に示すように、底壁12aと、底壁12aの長辺から上方に延び相互に対向する一対の長側壁12bと、底壁12aの短辺から上方に延び相互に対向する一対の短側壁12cと、を備えている。底壁12aは、略矩形状である。底壁12aは、開口12h(図2参照)と対向している。長側壁12bおよび短側壁12cは、「第1側壁」および「第2側壁」の一例である。封口板14は、外装体12の開口12hを塞ぐように外装体12に取り付けられた平面略矩形の板状部材である。封口板14は、外装体12の底壁12aと対向している。封口板14は、略矩形状である。電池ケース10は、外装体12の開口12hの周縁に封口板14が接合(例えば溶接接合)されることによって、一体化されている。これによって、電池ケース10は気密に封止(密閉)されている。
図2に示すように、封口板14には、注液孔15と、ガス排出弁17と、端子引出孔18、19と、が設けられている。注液孔15は、外装体12に封口板14を組み付けた後、電池ケース10の内部に電解液を注液するための貫通孔である。注液孔15は、電解液の注液後に封止部材16によって封止されている。ガス排出弁17は、電池ケース10内の圧力が所定値以上になったときに破断して、電池ケース10内のガスを外部に排出するように構成された薄肉部である。本実施形態では、ガス排出弁17は封口板14と一体化されているが、他の実施形態では、別体であってもよい。ガス排出弁17は、封口板14の長手方向(図1のY方向)における中央領域に配置されていることが好ましい。ここで、かかる中央領域とは、例えば封口板14の長手方向における長さLを5等分したときの中央領域とすることができる。
電解液としては、従来公知の電池において使用されているものを特に制限なく使用できる。一例として、非水系溶媒に支持塩を溶解させた非水電解液が挙げられる。非水系溶媒の一例として、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート系溶媒が挙げられる。支持塩の一例として、LiPF6等のフッ素含有リチウム塩が挙げられる。電解液は、必要に応じて添加剤を含有してもよい。
正極端子30は、封口板14の長辺方向Yの一方の端部(図1、図2の左端部)に取り付けられている。負極端子40は、封口板14の長辺方向Yの他方の端部(図1、図2の右端部)に取り付けられている。正極端子30および負極端子40は、端子引出孔18、19に挿通され、封口板14の外側の表面に露出している。正極端子30は、電池ケース10の外側において、板状の正極外部導電部材32と電気的に接続されている。負極端子40は、電池ケース10の外側において、板状の負極外部導電部材42と電気的に接続されている。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、バスバー等の外部接続部材を介して、他の二次電池や外部機器と接続される。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、導電性に優れた金属から構成されていることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等で構成されている。ただし、正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。
図3、図4に示すように、本実施形態の電池100では、電池ケース10内に複数個(具体的には2個)の電極体20が収容されている。ただし、1つの外装体12の内部に配置される捲回電極体の数は特に限定されず、3個以上(複数)であってもよいし、1個であってもよい。なお、本実形態では、電極体20を捲回電極体とした場合について説明しているが、これに限定されない。他の実施形態では、電極体20は、正極22および負極24がセパレータ70を介して複数積層された積層型電極体であってもよい。電極体20の詳しい構造については後述するが、図2に示すように、電極体20の上部には、正極タブ群25と負極タブ群27とが突出している。電池100は、電極体20の上方に正極タブ群25と負極タブ群27とが位置する、所謂、上タブ構造である。図4に示すように、正極タブ群25は正極集電部50と接合された状態で湾曲されている。図示は省略するが、同様に負極タブ群27は、負極集電部60と接合された状態で湾曲されている。なお、ここで開示される技術は、例えば、正極タブ22tおよび負極タブ24tが形成されていない電極体や、電極体20の幅方向(図2のY方向)における一方の端部から正極タブ22tが突出し、他の端部から負極タブ24tが突出している電極体についても適用することができる。
正極集電部50は、電極体20の正極タブ群25と正極端子30とを電気的に接続している。正極集電部50は、図2に示すように、封口板14の内側面に沿って長辺方向Yに延びる板状の導電部材である。正極集電部50の一方(図2の右側)の端部は、正極タブ群25と電気的に接続されている。正極集電部50の他方(図2の左側)の端部は、正極端子30の下端部30cと電気的に接続されている。正極端子30および正極集電部50は、導電性に優れた金属から構成されていることが好ましく、例えばアルミニウムやアルミニウム合金で構成されている。
負極集電部60は、電極体20の負極タブ群27と負極端子40とを電気的に接続している。負極集電部60は、図2に示すように、封口板14の内側面に沿って長辺方向Yに延びる板状の導電部材である。負極集電部60の一方(図2の左側)の端部は、負極タブ群27と電気的に接続されている。負極集電部60の他方(図2の右側)の端部は、負極端子40の下端部40cと電気的に接続されている。負極端子40および負極集電部60は、導電性に優れた金属から構成されていることが好ましく、例えば銅や銅合金で構成されている。
電池100では、電極体20と電池ケース10との導通を防止するために、種々の絶縁部材が用いられている。例えば、図1に示すように、正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、外部絶縁部材92によって封口板14と絶縁されている。また、図2に示すように、封口板14の端子引出孔18、19には、それぞれガスケット90が装着されている。これによって、端子引出孔18、19に挿通された正極端子30および負極端子40が封口板14と導通することを防止できる。また、正極集電部50および負極集電部60と、封口板14の内面側との間には、内部絶縁部材94が配置されている。これにより、正極集電部50および負極集電部60が封口板14と導通することを防止できる。なお、内部絶縁部材94は、電極体20に向かって突出する突出部を備えていてもよい。
さらに、複数の電極体20は、絶縁性の樹脂シートからなる電極体ホルダ29(図3参照)に覆われた状態で、外装体12の内部に配置されている。これによって、電極体20が外装体12と直接接触することを防止できる。なお、上述した各々の絶縁部材の材質は、所定の絶縁性を有している限りにおいて特に限定されない。そのような材質の一例として、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等のポリオレフィン樹脂、パーフルオロアルコキシアルカン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂等の合成樹脂材料が挙げられる。
図5は、電極体20の構成を示す模式図である。図5に示すように、電極体20は、帯状の正極22と帯状の負極24とが2枚の帯状のセパレータ70を介して絶縁された状態で積層され、捲回軸WLを中心として長手方向に捲回されて構成されている。なお、図5等における符号LDは、帯状に製造される電極体20およびセパレータ70の長手方向(即ち、搬送方向)を示している。符号WDは、長手方向LDと略直交する方向であり、電極体20およびセパレータ70の捲回軸方向(幅方向でもある)を示している。捲回軸方向WDは、上記した電池100の上下方向Zと略平行である。
電極体20は、ここでは外形が扁平形状である。電極体20は、扁平形状の捲回電極体であることが好ましい。扁平形状の電極体20は、例えば筒状に捲回した電極体(筒状体)を扁平にプレス成形することによって形成し得る。扁平形状の電極体20は、図3に示すように、外表面が湾曲した一対の湾曲部20rと、一対の湾曲部20rを連結する外表面が平坦な一対の平坦部20fと、を有している。
電池100において、電極体20は、捲回軸方向WDが上下方向Zと略一致するように電池ケース10の内部に収容されている。言い換えれば、電極体20は、捲回軸方向WDが、長側壁12bおよび短側壁12cと略平行になり、かつ底壁12aおよび封口板14と略直交する向きで、電池ケース10の内部に配置されている。図3に示すように、一対の湾曲部20rは、外装体12の一対の短側壁12cと対向している。一対の平坦部20fは、外装体12の長側壁12bと対向している。電極体20の端面(すなわち、正極22と負極24とが積層された積層面、図5の捲回軸方向WDの両端部)は、底壁12aおよび封口板14と対向している。
正極22は、図5に示すように、帯状の部材である。正極22は、帯状の正極集電体22cと、正極集電体22cの少なくとも一方の表面上に固着された正極活物質層22aおよび正極保護層22pと、を備えている。正極活物質層22aは、電池性能の観点から、正極集電体22cの両面に形成されていることが好ましい。
正極22を構成する各部材には、一般的な電池(例えば、リチウムイオン二次電池)で使用され得る従来公知の材料を特に制限なく使用できる。例えば、正極集電体22cは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなることが好ましく、ここでは金属箔、具体的にはアルミニウム箔である。正極集電体22cの厚みは、5μm~30μmであることが好ましく、8μm~25μmであることがより好ましい。
正極22では、図5に示すように、捲回軸方向WDの一方の端辺から外側(図5の上側)に向かって複数の正極タブ22tが突出している。複数の正極タブ22tは、長手方向LDに沿って所定の間隔を空けて(間欠的に)設けられている。正極タブ22tは、ここでは正極22の一部である。正極タブ22tは、正極活物質層22aが形成されていない領域である。正極タブ22tの一部には、ここでは正極保護層22pが設けられている。ただし、正極タブ22tには正極保護層22pが設けられていなくてもよい。正極タブ22tの少なくとも一部には正極集電体22cが露出している。正極タブ22tは正極22と別の部材であってもよい。
複数の正極タブ22tは、ここではそれぞれ台形状である。ただし、正極タブ22tの形状はこれに限定されない。また、複数の正極タブ22tのサイズも特に限定されない。正極タブ22tの形状やサイズは、例えば正極集電部50に接続される状態を考慮し、その形成位置等によって、適宜調整することができる。複数の正極タブ22tは、正極22の捲回軸方向WDの一方の端部(図5の上端部)で積層され、正極タブ群25を構成している(図2参照)。
正極活物質層22aは、図5に示すように、正極集電体22cの長手方向LDに沿って、帯状に設けられている。正極活物質層22aの幅(巻回軸方向WDの長さ。以下同じ)は、負極活物質層24aの幅よりも小さい。正極活物質層22aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質を含んでいる。正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物であることが好ましく、なかでもNi(ニッケル)およびCo(コバルト)の少なくとも一方を含むものがより好ましい。かかるリチウム遷移金属複合酸化物の一例として、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物が挙げられる。正極活物質に含まれるNiのモル比は、該正極活物質に含有される遷移金属元素の全体を100モル%としたとき、例えば50モル%以上であってもよいし、60モル%以上、70モル%以上であってもよい。また、電池100の体積エネルギー密度は、例えば500Wh/L以上であってもよいし、600Wh/L以上、700Wh/L以上であってもよい。正極活物質層22aの固形分全体を100質量%としたときに、正極活物質は、概ね80質量%以上、典型的には90質量%以上、例えば95質量%以上を占めていてもよい。正極活物質層22aは、正極活物質以外の任意成分、例えば、バインダ、導電材、各種添加成分等を含んでいてもよい。正極活物質層22aは、正極活物質に加えて、バインダと導電材とを含むことが好ましい。バインダは、典型的には樹脂製であり、なかでもポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素系樹脂が好ましい。導電材としては、アセチレンブラック(AB)等の炭素材料が好ましい。
正極保護層22pは、正極活物質層22aよりも電気伝導性が低くなるように構成された層である。正極保護層22pは、図5に示すように、正極集電体22cの長手方向LDに沿って、帯状に設けられている。正極保護層22pは、捲回軸方向WDにおいて正極集電体22cと正極活物質層22aとの境界部分に設けられている。正極保護層22pは、ここでは正極集電体22cの捲回軸方向WDの一方の端部、具体的には、正極タブ22tのある側の端部(図5の上端部)に設けられている。正極保護層22pを備えることで、セパレータ70が破損した際に正極22が負極活物質層24aと直接接触して電池100が内部短絡することを防止できる。
正極保護層22pは、絶縁性の無機フィラーを含んでいる。無機フィラーの一例として、アルミナ等のセラミック粒子が挙げられる。正極保護層22pは、無機フィラー以外の任意成分、例えば、バインダ、導電材、各種添加成分等を含んでいてもよい。バインダおよび導電材は、正極活物質層22aに含み得るとして例示したものと同じであってもよい。ただし、正極保護層22pは必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。
負極24は、図5に示すように、帯状の部材である。負極24は、帯状の負極集電体24cと、負極集電体24c少なくとも一方の表面上に固着された負極活物質層24aと、を備えている。負極活物質層24aは、電池性能の観点から、負極集電体24cの両面に形成されていることが好ましい。
負極24を構成する各部材には、一般的な電池(例えば、リチウムイオン二次電池)で使用され得る従来公知の材料を特に制限なく使用できる。例えば、負極集電体24cは、銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなることが好ましく、ここでは金属箔、具体的には銅箔である。負極集電体24cの厚みは、5μm~30μmであることが好ましく、8μm~25μmであることがより好ましい。
負極24では、図5に示すように、捲回軸方向WDの一方の端辺から外側(図5の上側)に向かって負極タブ24tが突出している。複数の負極タブ24tは、長手方向LDに沿って所定の間隔を空けて(間欠的に)設けられている。捲回軸方向WDにおいて、負極タブ24tは正極タブ22tと同じ側の端部に設けられている。負極タブ24tは、ここでは負極24の一部である。負極タブ24tは、ここでは負極活物質層24aが形成されておらず、負極集電体24cが露出した領域である。ただし、負極活物質層24aの一部が負極タブ24tにまではみ出して付着してもよい。また、負極タブ24tは負極24とは別の部材であってもよい。
複数の負極タブ24tは、ここではそれぞれ台形状である。ただし、複数の負極タブ24tの形状やサイズは、正極タブ22tと同様に適宜調整することができる。複数の負極タブ24tは、負極24の捲回軸方向WDの一方の端部(図5の上端部)で積層され、負極タブ群27を構成している(図2参照)。
負極活物質層24aは、図5に示すように、負極集電体24cの長手方向LDに沿って、帯状に設けられている。負極活物質層24aの幅は、正極活物質層22aの幅よりも大きい。なお、負極活物質層24aの幅とは、厚みが略一定である部分の巻回軸方向WDの長さをいい、例えば負極活物質層24aの一部が負極タブ24tにまではみ出して付着していても、負極タブ24tの部分を含まないものとする。負極活物質層24aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な負極活物質を含んでいる。負極活物質は、例えば、黒鉛等の炭素材料や、シリコン材料が好ましい。負極活物質層24aの固形分全体を100質量%としたときに、負極活物質は、概ね80質量%以上、典型的には90質量%以上、例えば95質量%以上を占めていてもよい。負極活物質層24aは、負極活物質以外の任意成分、例えば、バインダ、導電材、各種添加成分等を含んでいてもよい。負極活物質層24aは、負極活物質に加えて、バインダを含むことが好ましい。バインダは、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類や、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース類を含むことが好ましい。負極活物質層24aは、必要に応じて導電材として炭素材料を含んでもよい
セパレータ70は、図5に示すように、帯状の部材である。セパレータ70は、電荷担体が通過し得る微細な貫通孔が複数形成された絶縁シートである。セパレータ70の幅は、負極活物質層24aの幅よりも大きい。正極22と負極24との間にセパレータ70を介在させることによって、正極22と負極24との接触を防止すると共に、正極22と負極24との間に電荷担体(例えばリチウムイオン)を移動させることができる。特に限定されるものではないが、セパレータ70の厚みは、例えば3μm以上であってもよいし、5μm以上であってもよい。また、セパレータ70の厚みは、例えば25μm以下であってもよいし、18μm以下、14μm以下であってもよい。
セパレータ70は、ここでは1つの電極体20に2枚使用されている。セパレータ70は、本実施形態のように1つの電極体20に2枚、すなわち、第1セパレータおよび第2セパレータを含むことが好ましい。また、ここでは2枚のセパレータがそれぞれ異なる構成であるが、それぞれ同様の構成であってもよい。
続いて、本実施形態に係る電池100が備える移動規制部材1について説明する。先ず、上述したように、電池100は、正極22および負極24を含む電極体20と、電極体20を収容する電池ケース10と、を備えている。電池ケース10は、矩形状の開口12h、該矩形状の開口12hと対向する底壁12a、一対の第1側壁(ここでは、長側壁12b)、および一対の第2側壁(ここでは、短側壁12c)を含む外装体12と、ガス排出弁17を有し、開口12hを封口する矩形状の封口板14と、を有している。図2に示すように、電池100は、電池ケース10の内面に接続され、電極体20が封口板14側に移動することを規制する移動規制面1cを有する移動規制部材1を備えている。そして、移動規制面1cは、電極体20の封口板14側の端面において、封口板14の長手方向(図2のY方向)における端部近傍の領域の少なくとも一部と対向するように配置されている。なお、封口板14の長手方向における端部近傍の領域とは、電極体20におけるY方向の長さをWとしたとき(図3を参照)、例えば、電極体20の長手方向Yにおける端部から1/6Wまでの領域であり、1/5Wまでの領域であってもよいし、1/4Wまでの領域であってもよい。ただし、これらに限定されることを意図したものではない。
例えば、従来の電池では、電池の異常時に、発生するガスと共に電極体の一部の部材が移動することで該電極体の拘束力が低下し、該電極体が固定されなくなってしまうおそれがあった。かかる場合、ガスの噴出の勢いで電極体がガス排出弁を塞ぎ、電池の内圧が急上昇することによって電池が損傷するおそれがあるため、好ましくない。これに対して、ここで開示される電池100では、移動規制部材1を備えているため、ガスの噴出時においても、電極体20の移動が好適に抑制される。これによって、電極体20によってガス排出弁17が塞がれず、かつ、ガスが電池100外に好適に排出されるため、電池100の内圧の上昇による電池100の損傷を好適に防止することができる。即ち、信頼性が好適に向上された電池100を提供することができる。
ここで、図7は、電極体20と移動規制部材1とを示す模式図である。なお、図7では、見易くするために、正極タブ群22tおよび負極タブ24tの記載を省略している。図6および図7に示すように、本実施形態に係る移動規制部材1は、第1領域1a、第2領域1b、および第3領域1cの3つの領域に分かれている。第1領域1aは、封口板14に接続されている。第2領域1bは、第1領域1aから電極体20に向かって延在している。第3領域1c(移動規制面に対応)は、第2領域1bから折れ曲がり、電極体20の封口板14側の端面に沿って伸びている。第2領域1bは、封口板14の長手方向(図6のY方向)において、第1領域1aの封口板14の中央側の端部に接続されており、第3領域1cの封口板14の端部側の端部に接続されている。かかる構成の移動規制部材1は、例えば金型成型等によって得ることができる。また、移動規制部材1の厚み(図6のZ方向における幅)は、例えば1mm~10mm(好ましくは2mm~8mm)とすることができる。ただし、これらに限定されることを意図したものではない。なお、図6では、負極端子近傍における移動規制部材1の態様を示しているが、正極端子近傍における移動規制部材1の構成についても同様である。
移動規制部材1を構成する材料は、ここで開示される技術の効果が発揮される限りにおいて特に制限されない。移動規制部材1を構成する材料は、例えば金属材料であってもよいし、樹脂材料であってもよい。あるいは、金属材料と樹脂材料とが組み合わせて用いられてもよい。具体的には、移動規制部材1の骨格を金属製とし、特に短絡のおそれがあり絶縁性を担保したい箇所に、絶縁性を有する領域(例えば樹脂製の領域)を設けてもよい。かかる樹脂製の領域は、例えば樹脂塗布、樹脂テープの貼り付け、樹脂部材の形成等によって設けることができる。例えば、移動規制部材1が金属製の場合は、強度の観点から好ましく、移動規制部材1が樹脂製の場合は、絶縁性の観点から好ましい。上記金属材料の一例としては、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄等やこれらの合金等が挙げられる。移動規制部材1を構成する金属材料は、例えば電池ケース10と接続可能な種類であることが好ましく、電池ケース10と同種の金属であることが好ましい。また、上記樹脂材料の一例としては、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等のポリオレフィン樹脂、パーフルオロアルコキシアルカン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂等の合成樹脂材料が挙げられる。なお、本実施形態では、移動規制部材1を金属製としている。
図2に示すように、本実施形態では、電極体20の封口板14側の端面に、正極22に設けられた正極タブ22tと、負極24に設けられた負極タブ24tと、が配置されている。換言すると、電池100は、電極体20の捲回軸WLが封口板14(あるいは、底壁12a)に対して垂直方向に配置されている。電極体20は、封口板14の幅広面に対して垂直方向に捲回した捲き取り電極体である。そして、封口板14の長辺方向(図2のY方向)において、正極タブ22tおよび負極タブ24tの外側に、それぞれ移動規制面1cが配置されている。捲回軸WLが封口板14に対して垂直に配置される場合、ガスは中央領域から封口板14側に排出される。そして、図8に示す構成によると、正極タブ22tおよび負極タブ24tの内側からガス排出弁17に向かって集中するガスの流れ(図8の破線矢印を参照)を阻害しにくくなるため、該ガスを排出弁17からより効果的に排出することができる。
図6に示すように、本実施形態では、移動規制部材1は、封口板14に接続されている。かかる構成によると、電極体20の位置を電池ケース10下部に安定的に固定することができるため、好ましい。また、移動規制部材1は、第1側壁12b、第2側壁12c、および底壁12aの少なくとも一つに接続されていることが好ましい。かかる構成によると、電極体20が移動しても封口板14に負荷が加わりにくくなる。これによって、封口板14と外装体12との接合部(溶接部)の損傷を好適に防止することができる。なお、本実施形態では、移動規制部材1は、第2側壁12cに接続されている。なお、移動規制部材1と封口板14(あるいは、第1側壁12b,第2側壁12c,底壁12a)との接続(接合)は、例えばレーザー溶接、抵抗溶接、超音波溶接、溶接治具の差し込み等によって実施することができる。
<電池の製造方法>
次に、電池100の製造方法の一例について説明する。なお、ここで開示される電池100の製造方法は、任意の段階でさらに他の工程を含んでもよい。
先ず、電極体20を2つ用意する。電極体20は、この種の捲回電極体の従来公知の方法に従って作製することができる。続いて、封口板14に、端子(正極端子30および負極端子40)、集電部材(正極集電部50および負極集電部60)、外部導電部材(正極外部導電部材32および負極外部導電部材42)、絶縁部材(ガスケット90,外部絶縁部材92,および内部絶縁部材94)、および移動規制部材1を組み付ける。このとき、例えばレーザー溶接等によって、移動規制部材1の第1領域1aと封口板14とを接続する。次に、電極体20に設けられたタブ群(正極タブ群25および負極タブ群27)と、集電部材(正極集電部50および負極集電部60)とを接続する。
続いて、封口板14に取り付けられた電極体20を、外装体12に挿入する。本実施形態のように、電極体20は電極体ホルダ29に包まれていてもよい。次に、封口板14によって外装体12を塞ぎ、封口板14と外装体12とを接合する。そして、その後、封口板14に設けられた注液孔15から電解液を注液した後、注液孔15を封止部材16によって封止する。なお、注液孔15を封止部材16により封止する前の段階では、正極タブ22tおよび負極タブ24tを外装体12の開口12hからずれた位置まで延びた状態とし、封口板14が外装体12の開口12hからずれた状態とすることが好ましい。以上のようにして、電池100を製造することができる。
<電池の用途>
電池100は各種用途に利用可能であるが、例えば、乗用車、トラック等の車両に搭載されるモータ用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHEV;Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)、電気自動車(BEV;Battery Electric Vehicle)等が挙げられる。電池100は、電池反応のバラつきが低減されているため、組電池の構築に好適に用いることができる。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本開示は、他にも種々の形態にて実施することができる。本開示は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形態様に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形態様を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
図9は、第2実施形態に係る図6対応図である。図9に示すように、第2実施形態に係る移動規制部材101は、第1領域101aおよび第2領域101bの2つの領域に分かれている。第1領域101aは、外装体12の第2側壁12cに接続されている。第2領域101b(移動規制面に対応)は、第1領域101aから折れ曲がり、電極体20の封口板14側の端面に沿って伸びている。第1領域101aは、封口板14の長手方向(図9のY方向)において、第2領域101bの封口板14の端部側の端部に接続されている。
続いて、第2実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。先ず、電極体20を2つ用意する。電極体20は、この種の捲回電極体の従来公知の方法に従って作製することができる。次に、封口板14に、端子(正極端子30および負極端子40)、集電部材(正極集電部50および負極集電部60)、外部導電部材(正極外部導電部材32および負極外部導電部材42)、絶縁部材(ガスケット90,外部絶縁部材92,および内部絶縁部材94)を組み付ける。そして、電極体20に設けられたタブ群(正極タブ群25および負極タブ群27)と、集電部材(正極集電部50および負極集電部60)とを接続する。
続いて、封口板14に取り付けられた電極体20を、移動規制部材101と併せて外装体12に挿入する。本実施形態のように、電極体20は電極体ホルダ29に包まれていてもよい。次に、封口板14によって外装体12を塞ぎ、封口板14と外装体12とを接合する。このとき、例えばレーザー溶接等によって、電池100の外部から移動規制部材101の第1領域101aと第2側壁12cとを接続する。なお、封口板14によって外装体12を塞ぎ、封口板14と外装体12とを接合する前の段階では、正極タブ22tおよび負極タブ24tを外装体12の開口12hからずれた位置まで延びた状態とし、封口板14が外装体12の開口12hからずれた状態とすることが好ましい。その後、封口板14に設けられた注液孔15から電解液を注液した後、注液孔15を封止部材16によって封止する。以上のようにして、電池100を製造することができる。
図10は、第3実施形態に係る図6対応図である。図10に示すように、第3実施形態に係る移動規制部材201は、第1領域201a、第2領域201b、および第3領域201cの3つの領域に分かれている。第1領域201a(移動規制面に対応)は、電極体20の封口板14側の端面に沿って伸びている。第2領域201bは、第1領域201aから折れ曲がり、封口板14から底壁12aに向かって延在している。第3領域201cは、第2領域201bから折れ曲がり、電極体20の底壁12aに沿って伸びている。第2領域201bは、第2側壁12cに接続されており、第3領域201cは、底壁12aに接続されている。
ここで、図11は、第3実施形態に係る図7対応図である。図12は、第3実施形態に係る移動規制部材について説明するための模式図である。図13は、図12の貫通孔201dを上面から視たときの模式図である。図12に示すように、本実施形態では、移動規制部材201の移動規制面201aに、貫通孔201dが形成されている。図13に示すように、貫通孔201dは、2つの電極体20の湾曲外面の間に形成されている。そして、底壁12aに対して垂直な方向(図11のZ方向)から視たとき、底壁12aの貫通孔201dと重なる部分において、移動規制部材201と底壁12aとが接続されている。図13中の領域Aは、上述した底壁12aと貫通孔201dとが重なる領域を示している。かかる構成によると、例えば、電池ケース10内に電極体20を収容した後でも、移動規制部材201と底壁12aとを接続しやすくなるため、好ましい。なお、接続をより効率的に行うという観点から、移動規制部材201と電池ケース10との接続経路に存在する絶縁部材等の部材には、レーザー光を通過させるような開口や切り欠きが設けられていることが好ましい。
図13に示すように、本実施形態では、貫通孔201dの平面視の形状を矩形状としている。ただし、他の実施形態では、貫通孔201dの形状は、円形状、楕円形状、三角形状等種々の形状とすることができる。また、貫通孔201dの大きさは、移動規制部材201と底壁12aとが接続できるように、適宜設計されることが好ましい。貫通孔201dは、例えば、金型成型によって移動規制部材201を作製するときに形成することができる。なお、他の実施形態では、貫通孔201dは切り欠きであってもよい。
以上をまとめると、移動規制部材が底壁に接続されており、上記移動規制部材の移動規制面には貫通孔および/または切り欠きが形成されており、上記底壁に対して垂直な方向から視たとき、上記貫通孔および/または上記切り欠きと重なる領域において、上記移動規制部材と上記底壁とが接続されている電池が開示される。
続いて、第3実施形態に係る電池の製造方法の一例について説明する。先ず、電極体20を2つ用意する。電極体20は、この種の捲回電極体の従来公知の方法に従って作製することができる。次に、封口板14に、端子(正極端子30および負極端子40)、集電部材(正極集電部50および負極集電部60)、外部導電部材(正極外部導電部材32および負極外部導電部材42)、絶縁部材(ガスケット90,外部絶縁部材92,および内部絶縁部材94)を組み付ける。そして、電極体20に設けられたタブ群(正極タブ群25および負極タブ群27)と、集電部材(正極集電部50および負極集電部60)とを接続する。
続いて、封口板14に取り付けられた電極体20を、移動規制部材201と併せて外装体12に挿入する。本実施形態のように、電極体20は電極体ホルダ29に包まれていてもよい。次に、封口板14によって外装体12を塞ぎ、封口板14と外装体12とを接合する。このとき、例えばレーザー溶接等によって、電池100の外部から移動規制部材201の貫通孔201dを介して、移動規制部材201の第3領域1cと底壁12aとを接続する。なお、封口板14によって外装体12を塞ぎ、封口板14と外装体12とを接合する前の段階では、正極タブ22tおよび負極タブ24tを外装体12の開口12hからずれた位置まで延びた状態とし、封口板14が外装体12の開口12hからずれた状態とすることが好ましい。その後、封口板14に設けられた注液孔15から電解液を注液した後、注液孔15を封止部材16によって封止する。以上のようにして、電池100を製造することができる。
あるいは、第3実施形態に係る電池の製造方法に関して、予め電池ケース10に移動規制部材201を接続しておき、その後、封口板14に取り付けられた電極体20を、外装体12に挿入することもできる。かかる場合、電極体20の挿入時に、移動規制部材201における第1領域201aが電極体20の封口板14側の端面に沿う方向に折り曲がるように、移動規制部材201が設計されていることが好ましい。
また、第3実施形態に関して、移動規制部材201における貫通孔201dの替わりに凹部が設けられていてもよい。即ち、移動規制部材は、底壁に接続されており、電池ケースには、電極体としての第1捲回電極体および第2捲回電極体とが、それぞれ捲回軸が上記底壁に対して垂直な方向に延びるように収容されており、上記第1捲回電極体の湾曲外面と上記第2捲回電極体の湾曲外面との間に形成され、上記底壁に対して垂直な方向に延びる凹部を備えており、上記底壁に対して垂直な方向から視たとき、上記凹部と重なる領域において、上記移動規制部材と上記底壁と接続されている電池が開示される。かかる構成によると、電池ケース10内に電極体20を収容した後でも、移動規制部材と底壁12aとを接続し易くなるため、好ましい。
なお、移動規制部材101,201を構成する材料等に関しては、移動規制部材1の説明を適宜参照することができる。
以上のとおり、ここで開示される技術の具体的な態様として、以下の各項(item)に記載のものが挙げられる。
項1:正極および負極を含む電極体と、上記電極体を収容する電池ケースと、を備えた電池であって、上記電池ケースは、矩形状の開口、該矩形状の開口と対向する底壁、一対の第1側壁、および一対の第2側壁を含む外装体と、ガス排出弁を有し、上記開口を封口する矩形状の封口板と、を有しており、上記電池ケースの内面に接続され、上記電極体が上記封口板側に移動することを規制する移動規制面を有する移動規制部材を備えており、上記移動規制面は、上記電極体の上記封口板側の端面において、上記封口板の長手方向における端部近傍の領域の少なくとも一部と対向するように配置されている、電池。
項2:上記電極体の上記封口板側の端面に、上記正極に設けられた正極タブと、上記負極に設けられた負極タブと、が配置されており、上記封口板の長手方向において、上記正極タブの外側および上記負極タブの外側のそれぞれに、上記移動規制面が配置されている、項1に記載の電池。
項3:上記移動規制部材は、上記封口板に接続されている、項1または項2に記載の電池。
項4:上記移動規制部材は、上記第1側壁、上記第2側壁、および上記底壁の少なくとも一つに接続されている、項1~項3のいずれか一つに記載の電池。