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JP7732666B2 - 繊維製品の製造方法 - Google Patents
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JP7732666B2 - 繊維製品の製造方法 - Google Patents

繊維製品の製造方法

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Description

本発明は、色に所望の濃淡を付与しうる繊維製品の製造方法に関するものである。
従来より、糸、組紐、織物又は編物等の繊維製品を販売する場合、需要者の希望する色に関し、濃淡を持つ数点の繊維製品を準備するのが一般的である。しかるに、需要者の希望に沿うためには、染料や顔料等の原料又は配合量を変更し、繊維自体の製造からやり直さなければならなかった。
たとえば、特許文献1には、芯鞘型複合繊維において芯成分と鞘成分とで濃淡の異なる色に着色し、芯成分と鞘成分の質量比を変更することで、色の濃淡を持つマルチフィラメント糸を製造することが記載されている。しかしながら、この方法においても、芯鞘型複合繊維の製造自体からやり直さなければならないという欠点があった。
特開2001-254229号公報
本発明の課題は、色の濃淡を変更した繊維製品を合理的に得られる方法を提供することにある。
本発明は、予め準備された所定の色を持つマルチフィラメント糸と、予め準備された透明又は半透明のマルチフィラメント糸を用いることにより、上記課題を解決したものである。すなわち、本発明は、着色された高融点重合体成分で構成された第一芯成分と、無色透明又は無色半透明の低融点重合体成分で構成された第一鞘成分とよりなる芯鞘型第一複合フィラメントが、複数本集束されてなる第一マルチフィラメント糸を準備する工程、無色透明又は無色半透明の高融点重合体成分で構成された第二芯成分と、無色透明又は無色半透明の低融点重合体成分で構成された第二鞘成分とよりなる芯鞘型第二複合フィラメントが、複数本集束されてなる第二マルチフィラメント糸を準備する工程、前記第一マルチフィラメント糸と前記第二マルチフィラメント糸とを、螺旋状に撚り合わせて糸条を得る工程及び前記糸条に加熱処理を施す工程とよりなり、前記加熱処理により、前記糸条中の前記芯鞘型第一複合フィラメント及び前記芯鞘型第二複合フィラメントを構成している低融点重合体成分を溶融又は軟化させることにより、前記芯鞘型第一複合フィラメントと前記芯鞘型第二複合フィラメントを一体化させることを特徴とする繊維製品の製造方法に関するものである。
本発明では、まず第一マルチフィラメント糸を準備する。第一マルチフィラメント糸は、芯鞘型第一複合フィラメントが複数本集束されてなるものである。芯鞘型は同心芯鞘型であっても偏心芯鞘型であってもよい。集束される本数は任意であり、たとえば、2~200本程度である。また、複数本の集束の状態は、単に芯鞘型第一複合フィラメントが引き揃えられた状態であってもよいし、加撚されて撚りが掛かった状態であってもよい。芯鞘型第一複合フィラメントは、第一芯成分が高融点重合体成分で鞘成分が低融点重合体成分で形成されてなるものである。第一芯成分と第一鞘成分の質量比は任意であるが、第一芯成分:第一鞘成分=1~4:1であるのが好ましい。芯鞘型第一複合フィラメントの繊度も任意であり、たとえば、1~20デシテックス程度である。高融点重合体成分/低融点重合体成分の組み合わせとしては、ポリエチレンテレフタレート/共重合ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート/ポリオレフィン、ナイロン6/ナイロン66等の組み合わせが用いられる。高融点重合体成分には、顔料又は染料が添加されており、任意の色に着色されている。顔料又は染料としては、従来公知のものが用いられる。低融点重合体成分は、光が透過するように無色透明又は無色半透明となっている。低融点重合体成分を無色透明又は無色半透明にするには、顔料を添加しなければよい。したがって、第一マルチフィラメント糸は、着色された高融点重合体成分の色として視認される。
次に、第二マルチフィラメント糸を準備する。第二マルチフィラメント糸も第一マルチフィラメント糸と同様の構成となっているが、異なる点は、色のない無色透明又は無色半透明となっている点である。すなわち、第二マルチフィラメント糸を構成する芯鞘型第二複合フィラメントは、第二芯成分が無色透明又は無色半透明の高融点重合体成分で形成されており、第二鞘成分が無色透明又は無色半透明の低融点重合体成分で形成されている。なお、本発明で言う着色とか色には、白色,灰色及び黒色の無彩色も含む。
準備した第一マルチフィラメント糸と第二マルチフィラメント糸とを引き揃えた後、加撚して撚り合わせることにより、糸条を得る。この加撚により、第一マルチフィラメント糸中の芯鞘型第一複合フィラメント及び第二マルチフィラメント糸中の芯鞘型第二複合フィラメントは、各々螺旋状に撚り合わされることになる。この糸条は、第一マルチフィラメント糸が色を持ち、第二マルチフィラメント糸が無色透明又は無色半透明となっている。したがって、第一マルチフィラメント糸と第二マルチフィラメント糸の質量比を変更することよって、種々の濃淡を持つ糸条を得ることができる。なお、加熱処理前の糸条の段階では、無色透明又は無色半透明の第二マルチフィラメント糸が、着色された第一マルチフィラメント糸と混在しているため、光を透過できず光の反射によって白色と視認され、この糸条はいわゆる杢調を呈する。
次に、糸条に加熱処理を施す。この加熱処理は、第一マルチフィラメント糸中の低融点重合体成分のみ及び第二マルチフィラメント糸中の低融点重合体成分のみを、軟化又は溶融させて一体化するための処理である。したがって、加熱温度は、両低融点重合体成分の軟化温度以上又は融点以上であり、両高融点重合体成分の融点未満の温度で処理される。加熱処理は、糸条を緊張状態にして行うのが好ましい。糸条を緊張状態にしておくと、両低融点重合体成分が流動しやすくなり、一体化しやすいためである。この加熱処理により、繊維形態を維持し螺旋状となっている第一芯成分群及び第二芯成分群が、一体化した両低融点重合体成分よりなる母体中に存在することになる。このため、無色透明又は無色半透明の母体中に、色を持つ第一芯成分群と色を持たない第二芯成分群とが螺旋状で混在した状態になる。したがって、加熱処理した糸条は、第二マルチフィラメント糸が独立して存在しないため、通常の目視状態において、杢調とならず、第一芯成分群の色を薄めた色として視認されるのである。
糸条に対する加熱処理は、糸条を編組又は編織して、組紐、織物又は編物とした後で行ってもよい。この場合、組紐、織物又は編物等の繊維製品中の糸条は、第一芯成分の色を薄めた色として視認され、繊維製品全体も第一芯成分の色を薄めた色として視認されるのである。
本発明に係る方法で得られる繊維製品は、低融点重合体成分が軟化又は溶融して一体化しているので、比較的剛直である。したがって、靴の甲被、安全ネット、ブラインド地等の用途に好適に使用しうるものである。
本発明に係る繊維製品の製造方法は、色を持つ特定の第一マルチフィラメント糸と色を持たない透明又は半透明の特定の第二マルチフィラメント糸を、質量比を変更して組み合わせて処理することにより、種々の色の濃淡を持つ繊維製品を得ることができる。したがって、需要者の希望に沿う色の濃淡を持つ繊維製品を、合理的に提供しうるという効果を奏する。
実施例1
第一芯成分がポリエチレンテレフタレート(融点260℃)に黒色顔料を混合してなる黒色芯成分と、共重合ポリエステル(融点161℃)よりなる無色半透明の鞘成分とよりなる芯鞘型第一複合フィラメントを、48本集束して、280デシテックス/48フィラメントの第一マルチフィラメント糸を準備した。
一方、第二芯成分がポリエチレンテレフタレート(融点260℃)よりなる無色半透明の芯成分と、共重合ポリエステル(融点161℃)よりなる無色半透明の鞘成分とよりなる芯鞘型第二複合フィラメントを、48本集束して、280デシテックス/48フィラメントの第二マルチフィラメント糸を準備した。
なお、芯鞘型第一複合フィラメント及び芯鞘型第二複合フィラメントの芯成分と鞘成分の質量比は、芯成分:鞘成分=2.7:1である。
第一マルチフィラメント糸1本と第二マルチフィラメント糸1本とを引き揃えた後、共立機械製リング撚糸機ST-30に掛けて、800回/mの撚り数でS撚りを施し下撚糸を得た。下撚糸2本を引き揃え、共立機械製リング撚糸機ST-30に掛けて、600回/mの撚り数でZ撚りを上撚りを施して、杢調の諸撚り糸条を得た。
得られた杢調の諸撚り糸条を用いて、8打角打ち製紐機を使用し、8本角打ち組紐を得た。組紐(長さ約40cm)の両端を固定した状態で、180℃の耐熱オーブンにて2分間熱処理を行い、灰色の組紐を得た。
実施例1で得られた杢調の組紐と灰色の組紐の写真である。aは杢調の組紐であり、bが灰色の組紐である。

Claims (4)

  1. 着色された高融点重合体成分で構成された第一芯成分と、無色透明又は無色半透明の低融点重合体成分で構成された第一鞘成分とよりなる芯鞘型第一複合フィラメントが、複数本集束されてなる第一マルチフィラメント糸を準備する工程、
    無色透明又は無色半透明の高融点重合体成分で構成された第二芯成分と、無色透明又は無色半透明の低融点重合体成分で構成された第一鞘成分とよりなる芯鞘型第二複合フィラメントが、複数本集束されてなる第二マルチフィラメント糸を準備する工程、
    前記第一マルチフィラメント糸と前記第二マルチフィラメント糸とを、螺旋状に撚り合わせて糸条を得る工程及び
    前記糸条に加熱処理を施す工程とよりなり、
    前記加熱処理により、前記糸条中の前記芯鞘型第一複合フィラメント及び前記芯鞘型第二複合フィラメントを構成している低融点重合体成分を溶融又は軟化させることにより、前記芯鞘型第一複合フィラメントと前記芯鞘型第二複合フィラメントを一体化させることを特徴とする繊維製品の製造方法。
  2. 糸条を用いて組紐、編物又は織物を得た後に、加熱処理を施す請求項1記載の繊維製品の製造方法。
  3. 芯鞘型第一複合フィラメント及び芯鞘型第二複合フィラメントを構成している高融点重合体成分がポリエチレンテレフタレートであり、芯鞘型第一複合フィラメント及び芯鞘型第二複合フィラメントを構成している低融点重合体成分が共重合ポリエステルである請求項1記載の繊維製品の製造方法。
  4. 第一芯成分が顔料で着色されている請求項1記載の繊維製品の製造方法。
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