以下では、本発明の一実施形態に係る電力供給システム1について説明する。
図1に示す電力供給システム1は、系統電源Sからの電力や、太陽光を利用して発電された電力を負荷Hへと供給するものである。電力供給システム1は、複数の戸建住宅(住宅)からなる住宅街区T(住宅の集合体)に適用することを想定している。各住宅には、電力を消費する電気機器(負荷群H)が設けられる。本実施形態においては、住宅街区Tには、3つの負荷群HA、HB、HCが設けられているものとする。負荷群Hは、系統電源Sと接続される。
電力供給システム1は、系統電源Sから一括購入した電力や、太陽光を利用して発電された電力(後述する太陽光発電部31等による発電電力)を複数の住宅へと適宜供給(融通)する。
ここで、上述の如く、系統電源Sからの購入電力量の削減を実施する一つの手法として、DRに参加して削減目標を達成した需要者に対して対価が支払われる仕組みが知られている。DRへの参加報酬の種類として、kW報酬とkWh報酬の2つのパターンが存在する。本実施形態において、電力供給システム1の需要者(住宅街区Tの住人)は、kWh報酬でDRに参加しているものとする。
ここで、kWh報酬において、DRの要請は30分単位で行われる。以下、DRの要請の対象とされた時間帯(30分間)を「DR要請時間帯」と称する。
本実施形態に係る電力供給システム1は、DR要請、特にkWh報酬のDR要請に対応することを目的としたものである。電力供給システム1は、配電線10、スマートメータ20、蓄電システム30及び制御部40を具備する。
配電線10は、系統電源Sと3つの負荷群Hとを接続するものである。具体的には、配電線10の一端側は、系統電源Sと接続される。また、配電線10の他端側は、3つに分岐すると共に、分岐したそれぞれの端部が負荷群Hに接続される。なお以下では、配電線10における前記一端側(系統電源S側)を「上流側」と、前記他端側(負荷群H側)を「下流側」と称する場合がある。
スマートメータ20は、電力を計測可能なものである。スマートメータ20は、配電線10の中途部(系統電源Sの近傍)に設置される。スマートメータ20は、後述する制御部40と接続され、制御部40へ計測結果を送信することができる。
蓄電システム30は、太陽光を利用して発電可能であると共に、電力を充放電可能なものである。蓄電システム30は、太陽光発電部31、蓄電池32、電力測定部33及びパワコン34を具備する。
太陽光発電部31は、太陽光を利用して発電する装置である。太陽光発電部31は、太陽電池パネル等により構成される。太陽光発電部31は、住宅の屋根の上等の日当たりの良い場所に設置される。太陽光発電部31は、後述するパワコン34に接続される。
蓄電池32は、電力を充放電可能なものである。蓄電池32は、例えばリチウムイオン電池等により構成される。蓄電池32は、後述するパワコン34に接続される。蓄電池32は、運転モードとして、放電モード、充電モード、待機モード及び充放電モードを有する。なお、これらのモードについての詳細な説明は後述する。
なお、本実施形態において、蓄電池32の最大放電電力は、2[kW]であるとする。また、蓄電池32の最大充電電力は、2[kW]であるとする。
また、蓄電池32には、停電等の非常時における電力を確保するための蓄電残量として所定の残量(以下では「残量下限値」と称する)が設定される。すなわち、蓄電池32の残量下限値とは、通常時における蓄電残量の下限値(通常時において常に確保される最低限の蓄電残量)を示すものである。なお、設定された残量下限値は、後述する制御部40によって変更可能である。蓄電池32の残量下限値の初期値は、例えば蓄電容量(最大容量)の50%に設定される。また、残量下限値は、例えば10%単位で引き下げ可能である。
また、蓄電池32には、蓄電池32の稼動状態を維持するための蓄電残量として所定の残量(以下では「最低残量」と称する)が設定される。蓄電池32は、蓄電残量が最低残量となった場合、稼動状態を維持(保護)するため充電モードが実行され、強制的に充電が行われる。最低残量は、残量下限値とは異なり変更不能である。本実施形態において、最低残量は、蓄電容量(最大容量)の5%に設定される。
電力測定部33は、電力を計測可能なものである。電力測定部33は、配電線10において、後述するパワコン34と配電線10との接続部の直ぐ上流側に設置される。より詳細には、電力測定部33は、配電線10において、前記(パワコン34と配電線10との)接続部と当該電力測定部33との間に、他の電線や電気機器が接続されないように設置される。電力測定部33は、パワコン34と接続され、パワコン34へ計測結果を送信することができる。
パワコン34は、電力を適宜変換可能なハイブリッドパワーコンディショナである。パワコン34は、上述の如く太陽光発電部31及び蓄電池32に接続される。また、パワコン34は、配電線10の中途部に接続される。このように、パワコン34は、太陽光発電部31と蓄電池32と配電線10との間に設けられる。
これにより、太陽光発電部31の発電電力は、パワコン34を介して配電線10に出力することができる。また、太陽光発電部31の発電電力は、パワコン34を介して蓄電池32に充電することができる。また、蓄電池32の放電電力は、パワコン34を介して配電線10に出力することができる。また、配電線10を流れる電力(系統電源Sからの電力)は、パワコン34を介して蓄電池32に充電することができる。
また、パワコン34は、上述の如く電力測定部33と接続される。パワコン34は、電力測定部33の設置箇所を流れる電力の大きさ及び向き(上流側又は下流側)に関する情報を取得することができる。パワコン34は、電力測定部33から取得した情報に基づいて、蓄電池32の充放電の制御を行うことができる。
このように、蓄電システム30は、太陽光発電部31の発電電力や蓄電池32の放電電力を、パワコン34を介して配電線10へ出力することができる。また、蓄電システム30は、太陽光発電部31の発電電力や系統電源Sからの電力を、パワコン34を介して蓄電池32に充電することができる。
本実施形態において、蓄電システム30は3つ設けられる。3つの蓄電システム30(より詳細には、蓄電システム30のパワコン34)は、配電線10にそれぞれ接続される。具体的には、3つの蓄電システム30は、配電線10のスマートメータ20と負荷群Hとの間において、電力の流れる方向に1つずつ順番に(直列に)接続される。
制御部40は、蓄電システム30の動作態様を制御することによって、電力供給システム1における電力の供給態様を制御するものである。制御部40は、3つの蓄電システム30のそれぞれのパワコン34に接続される。
制御部40は、パワコン34を介して蓄電池32を制御することができる。具体的には、制御部40は、蓄電池32の運転モードを切り換えることができる。また、制御部40は、蓄電池32の残量下限値を変更することができる。
また、制御部40は、パワコン34を介して蓄電システム30に関する情報を取得することができる。具体的には、制御部40は、蓄電池32の蓄電残量に関する情報を取得することができる。また、制御部40は、蓄電池32の実行中の運転モードに関する情報を取得することができる。
また、制御部40は、スマートメータ20に接続される。制御部40は、スマートメータ20から計測結果に関する情報を取得することができる。具体的には、制御部40は、系統電源Sから配電線10に受け入れた電力に関する情報を取得することができる。
以下では、蓄電池32の運転モード(放電モード、充電モード、待機モード及び充放電モード)について説明する。
本実施形態においては、上述の如く3つの蓄電システム30(すなわち、3つの蓄電池32)が設けられるが、各蓄電池32の運転モードの内容は同一である。
放電モードは、負荷追従運転により蓄電池32を放電させるモードである。放電モードが実行された場合、蓄電池32は、電力測定部33の測定結果に応じて放電可能な状態となる。具体的には、蓄電池32は、電力測定部33が下流側へ流れる電力を測定した場合に、当該測定した電力に対応する電力を放電し、放電状態となる。
なお、電力測定部33が下流側へ流れる電力を測定した場合とは、(太陽光発電部31が発電している場合には)太陽光発電部31の発電電力が配電線10に出力されているものの、負荷群Hの合計に対して不足している場合が想定される。
また、放電モードが実行された場合、電力測定部33が下流側へ流れる電力を測定した場合であっても、蓄電池32の蓄電残量が放電可能な残量でない場合(例えば、蓄電残量が残量下限値である場合や、最低残量である場合)には、蓄電池32は放電することができず、後述する待機モードに切り換えられる。
充電モードは、蓄電池32を充電させるモードである。充電モードが実行された場合、蓄電池32は、太陽光発電部31の発電電力を、系統電源Sからの電力に優先して充電する。また、蓄電池32は、太陽光発電部31の発電電力が蓄電池32の最大充電電力よりも小さい場合や太陽光発電部31が発電していない場合には、系統電源Sからの電力も充電する。なお、太陽光発電部31の発電電力の一部が蓄電池32に充電された場合、当該発電電力の残りは配電線10に出力される。
また、充電モードが実行された場合であっても、満充電である場合には蓄電池32は充電することができず、後述する待機モードに切り換えられる。この場合、太陽光発電部31の発電電力の全部が配電線10に出力される。
待機モードは、蓄電池32を待機させるモードである。待機モードが実行された場合、蓄電池32は稼動状態のまま充放電を行わない。
充放電モードは、負荷追従運転により蓄電池32を充放電させるモードである。充放電モードが実行された場合、蓄電池32は、電力測定部33の測定結果に応じて充放電可能な状態となる。
具体的には、蓄電池32は、放電モードと同様に、電力測定部33が下流側へ流れる電力を測定した場合に、当該測定した電力に対応する電力を放電し、放電状態となる。
なお、電力測定部33が下流側へ流れる電力を測定した場合とは、(太陽光発電部31が発電している場合には)太陽光発電部31の発電電力が配電線10に出力されているものの、負荷群Hの合計に対して不足している場合が想定される。
また、充放電モードが実行された場合、電力測定部33が下流側へ流れる電力を測定した場合であっても、蓄電池32の蓄電残量が放電可能な残量でない場合(例えば、蓄電残量が残量下限値である場合や、最低残量である場合)には、蓄電池32は放電することができず、待機モードに切り換えられる。
また、充放電モードが実行された場合、蓄電池32は、電力測定部33が上流側へ流れる電力を測定した場合に、当該測定した電力に対応する電力を充電し、充電状態となる。ここで、電力測定部33が上流側へ流れる電力を測定した場合とは、太陽光発電部31の発電電力が配電線10に出力され、負荷群Hに対して余剰している場合が想定される。すなわち、蓄電池32は、太陽光発電部31の発電電力が負荷群Hに対して余剰している場合、当該発電電力のうち余剰している分だけ充電する。
また、充放電モードが実行された場合、太陽光発電部31の発電電力が負荷群Hに対して余剰している場合であっても、満充電である場合には蓄電池32は充電することができない。この場合、蓄電池32は、充放電モードを維持しつつ、充放電を行わない待機状態となる。またこの場合、太陽光発電部31の発電電力の全部が配電線10に出力される。
また、充放電モードが実行された場合、電力測定部33が上流側及び下流側へ流れる電力を測定しなかった場合には、蓄電池32は、充放電モードを維持しつつ充放電を行わない待機状態となる。なお、電力測定部33が上流側及び下流側へ流れる電力を測定しなかった場合とは、例えば太陽光発電部31の発電電力が配電線10に出力され、負荷群Hに対して余剰も不足もしていない場合(均衡した状態)が想定される。
こうして、放電モード又は充放電モードにおいて、蓄電システム30から配電線10に出力された電力(具体的には、太陽光発電部31の発電電力や、蓄電池32の放電電力)は、負荷群Hに対して余剰していない場合、当該負荷群Hに供給される。
なお、放電モード又は充放電モードにおいて、蓄電システム30から配電線10に出力された電力(具体的には、太陽光発電部31の発電電力)は、負荷群Hに対して余剰している場合、系統電源Sに逆潮流される。
また、蓄電池32の運転モードの切り換えに関する処理は、制御部40により実行される電力の供給態様に関するフローに規定されている。なお、電力の供給態様に関するフローについての説明は後述する。
以下では、図2のフローチャートを用いて、電力の供給態様に関するメインフローについて説明する。
図2に示すメインフローは、制御部40により所定のタイミングで繰り返し実行される。
ステップS101において、制御部40は、現時点(当該ステップS101の処理時)がDR要請時間帯であるか否かを判定する。制御部40は、現在がDR要請時間帯であると判定した場合(ステップS101で「YES」)、ステップS102に移行する。
ステップS102において、制御部40は、当該DR要請時間帯の見込購入電力量を算出する。ここで、「見込購入電力量」とは、現時点(当該ステップS102の処理時)が属するDR要請時間帯(以下、「当該DR要請時間帯」という)における購入電力量(系統電源Sからの購入電力の積算値)の予測値[kWh]である。見込デマンド値は、以下の数1を用いて算出される。
見込購入電力量[kWh]=当該DR要請時間帯の積算値+直近n分での1分積算値の最大値×残り時間 (数1)
ここで、「当該DR要請時間帯の積算値」とは、当該DR要請時間帯の開始時点から現時点までに、負荷群Hで既に使用された系統電源Sからの電力(系統電源Sからの購入電力)の積算値である。すなわち、「当該DR要請時間帯の積算値」とは、当該DR要請時間帯における現時点までの購入電力量の実績値である。
また、本明細書において、「m分積算値」とは、m分間における系統電源Sからの使用電力の積算値(使用電力量)を意味する。すなわち、「直近n分での1分積算値の最大値」とは、直近n分(例えば3分間)における1分間の使用電力の積算値のうち、最も大きい値である。また、「残り時間」とは、現時点から当該DR要請時間帯の終了時点までの時間である。すなわち、「直近n分での1分積算値の最大値×残り時間」とは、現時点から当該DR要請時間帯の終了時点までに使用されると予測される電力の積算値(の最大)を意味する。なお、「直近n分」は、当該DR要請時間帯内に限るものではなく、DR要請時間帯が連続している場合には、当該DR要請時間帯の前のDR要請時間帯に跨っていてもよい。
制御部40は、ステップS102の処理を行った後、ステップS103に移行する。
ステップS103において、制御部40は、放電要求台数を算出する。ここで、「放電要求台数」とは、現時点(当該ステップS103の処理時)において放電が必要な蓄電池32の台数である。放電要求台数は、現時点における購入電力の瞬時値[kW]に基づいて算出される。具体的には、放電要求台数は、以下の数2を用いて算出される。なお、放電要求台数としては、以下の数2を用いて算出された値に対して、小数点以下を切り上げた値が採用される。また、前記数2により算出される値が0未満である場合、放電要求台数=0とする。
放電要求台数=(住宅総負荷-太陽光総発電電力)/放電性能+現在の放電台数 (数2)
ここで、「住宅総負荷」とは、各負荷群HA~HCで使用される系統電源Sからの購入電力[kW]の合計である。住宅総負荷は、スマートメータ20の検出結果に基づいて算出される。また、「太陽光総発電電力」とは、現時点における各太陽光発電部31の発電電力[kW]の合計である。また、「放電性能」とは、蓄電池32の最大放電電力(本実施形態においては2[kW])である。
すなわち、「放電要求台数」は、各負荷群HA~HCの消費電力[kW]を賄うのに必要な蓄電池32(放電が要求される蓄電池32)の台数である。放電要求台数は、各負荷群HA~HCの消費電力の瞬時値[kW]に基づいて算出される。全ての蓄電池32から放電しても負荷群Hを賄えない場合、放電要求台数は、電力供給システム1が備える蓄電池32の台数(本実施形態では3台)とされる。
制御部40は、ステップS103の処理を行った後、ステップS104に移行する。
ステップS104において、制御部40は、DR要請の対象日当日において、現時点(当該ステップS104の処理時)以降にDR要請時間帯があるか否かを判定する。制御部40は、以降にDR要請時間帯がないと判定した場合(ステップS104で「NO」)、ステップS108に移行する。一方、制御部40は、以降にDR要請時間帯があると判定した場合(ステップS104で「YES」)、ステップS105に移行する。
ステップS105において、制御部40は、現時点が属する当該DR要請時間帯の必要放電台数を算出する。ここで、「必要放電台数」とは、ステップS102で算出した見込購入電力量[kWh]を賄うのに必要な蓄電池32の台数である。必要放電台数は、DR要請に対する目標値や見込購入電力量[kWh]に基づいて算出される。具体的には、必要放電台数は、以下の数3を用いて算出される。なお、必要放電台数としては、以下の数3を用いて算出された値に対して、小数点以下を切り上げた値が採用される。
必要放電台数=(見込購入電力量-目標購入電力量)/放電性能 (数3)
ここで、「目標購入電力量」とは、DR要請を満たすための目標値であり、より詳細には、当該DR要請時間帯における系統電源Sからの購入電力量[kWh]の上限値である。目標購入電力量は、電力会社から要請される削減値に基づいて設定される。
すなわち、「必要放電台数」は、当該DR要請時間帯における系統電源Sからの購入電力量[kWh]が目標購入電力量を上回らないようにするために放電が必要な蓄電池32の台数である。
制御部40は、ステップS105の処理を行った後、ステップS106に移行する。
ステップS106において、制御部40は、必要放電台数が放電要求台数より少ない(必要放電台数<放電要求台数である)か否かを判定する。制御部40は、必要放電台数が放電要求台数より少ないと判定した場合(ステップS106で「YES」)、ステップS107に移行する。一方、制御部40は、必要放電台数が放電要求台数より少なくない(すなわち、必要放電台数≧放電要求台数である)と判定した場合(ステップS106で「NO」)、ステップS108に移行する。
ステップS107において、制御部40は、放電要求台数を必要放電台数まで引き下げる。例えば、ステップS103において放電要求台数が3台、ステップS105において必要放電台数が2台と算出された場合、放電要求台数を2台に引き下げる。
制御部40は、ステップS107の処理を行った後、ステップS108に移行する。
ステップS108において、制御部40は、第一融通制御を行う。第一融通制御については後述する。
一方、ステップS101において、制御部40は、現在がDR要請時間帯でないと判定した場合(ステップS101で「NO」)、ステップS109に移行する。
ステップS109において、制御部40は、蓄電池32の残量下限値の設定値が、後述するステップS204の処理により元の設定値から下げられている場合、元の設定値に戻す。
制御部40は、ステップS109の処理を行った後、ステップS110に移行する。
ステップS110において、制御部40は、DR要請の対象日当日において、現時点(ステップS110の処理時)以降にDR要請時間帯があるか否かを判定する。制御部40は、以降にDR要請時間帯がないと判定した場合(ステップS110で「NO」)、ステップS111に移行する。
ステップS111において、制御部40は、第二融通制御を行う。第二融通制御については後述する。
一方、ステップS110において、制御部40は、以降にDR要請時間帯があると判定した場合(ステップS110で「YES」)、ステップS112に移行する。
ステップS112において、制御部40は、必要蓄電量を算出する。ここで、「必要蓄電量」とは、DR要請の対象日における以降のDR要請時間帯において目標値を満たすのに(系統電源Sからの購入電力量が目標購入電力量を上回らないために)必要な蓄電池32の蓄電量である。必要蓄電量は、以下の数4を用いて算出される。
必要蓄電量[kWh]=放電性能[kW]×(30/60)[h]×安全率×以降のDR要請回数 (数4)
ここで、「以降のDR要請回数」とは、DR要請の対象日における、現時点(ステップS112の処理時)以降のDR要請の回数である。以降のDR要請回数は、30分単位で数えられる。例えば、DR要請時間帯が1時間連続で続く場合には、以降のDR要請回数は2回となる。また、必要蓄電量を余裕を持たせた値とするために、前記数4においては安全率を乗じている。安全率は、例えば0.8に設定される。
制御部40は、ステップS112の処理を行った後、ステップS113に移行する。
ステップS113において、制御部40は、必要蓄電量未満の蓄電池32があるか否かを判定する。この判定は、各蓄電池32を対象として行われる。制御部40は、必要蓄電量未満の蓄電池32がないと判定した場合(ステップS113で「NO」)、ステップS114に移行する。
ステップS114において、制御部40は、第三融通制御を行う。第三融通制御については後述する。
一方、ステップS113において、制御部40は、必要蓄電量未満の蓄電池32があると判定した場合(ステップS113で「YES」)、ステップS115に移行する。
ステップS115において、制御部40は、優先充電制御を行う。優先充電制御については後述する。
ステップS108、S111、S114又はS115の処理を行った後、図2のメインフローを終了する。
以下では、図3のフローチャートを用いて、図2のステップS108の第一融通制御について説明する。
ステップS201において、制御部40は、系統電源Sからの購入電力[kW]が0より大きい(購入電力値>0である)か否かを判定する。購入電力は、スマートメータ20の検出結果に基づいて算出される。制御部40は、購入電力値が0より大きいと判定した場合(ステップS201で「YES」)、ステップS202に移行する。
なお、購入電力値が0より大きい場合(ステップS201でYES)とは、負荷群Hに対して太陽光発電部31の発電電力が余剰していないことを意味する。一方、購入電力値が0以下である場合(ステップS201でNO)とは、負荷群Hに対して太陽光発電部31の発電電力が余剰していることを意味する。
また、制御部40は、ステップS201からステップS202に移行した場合、蓄電残量の多い蓄電池32から順に、蓄電池32の台数分(本実施形態においては、3回)だけステップS202からステップS207までの処理を繰り返す。
ステップS202において、制御部40は、放電要求台数が0より大きい(放電要求台数>0である)か否かを判定する。制御部40は、放電要求台数が0より大きいと判定した場合(ステップS202で「YES」)、ステップS203に移行する。
ステップS203において、制御部40は、当該蓄電池32の蓄電残量は残量下限値以上であるか否かを判定する。制御部40は、蓄電残量は残量下限値以上であると判定した場合(ステップS203で「YES」)、ステップS205に移行する。一方、制御部40は、蓄電残量は残量下限値以上でない(すなわち、蓄電残量は残量下限値未満である)と判定した場合(ステップS203で「NO」)、ステップS204に移行する。
ステップS204において、制御部40は、現在の残量下限値を新たな残量下限値(現在の残量下限値よりも小さい残量下限値)に変更する。ここで、ステップS201からステップS202に移行された後の、最初のステップS204の処理である場合には、制御部40は、現在の残量下限値である残量下限値の初期値(例えば50%)を、新たな残量下限値(例えば40%)に変更する。
制御部40は、ステップS204の処理を行った後、ステップS205に移行する。
ステップS205において、制御部40は、当該蓄電池32に放電指示を行う。具体的には、制御部40は、当該蓄電池32の運転モードを放電モードに切り換える。
制御部40は、ステップS205の処理を行った後、ステップS206に移行する。
ステップS206において、制御部40は、放電要求台数の更新値を算出する。放電要求台数の更新値は、現在の放電要求台数から1減算した値とされる。
一方、ステップS202において、制御部40は、放電要求台数が0より大きくない(すなわち、放電要求台数が0である)と判定した場合(ステップS202で「NO」)、ステップS207に移行する。
ステップS207において、制御部40は、当該蓄電池32に待機指示を行う。具体的には、制御部40は、当該蓄電池32の運転モードを待機モードに切り換える。
制御部40は、ステップS206又はS207の処理を行った後、次に、蓄電残量が当該蓄電池32の次に多い蓄電池32を対象として、ステップS202からステップS207までの処理を行う。なお、当該蓄電池32が最も蓄電残量の少ない蓄電池32であった場合には、制御部40は、第一融通制御を一旦終了し、図2に示すメインフローも終了する。
一方、ステップS201において、制御部40は、購入電力値が0より大きくない(すなわち、購入電力値が0である)と判定した場合(ステップS201で「NO」)、ステップS208に移行する。
ステップS208において、制御部40は、充電許可台数を算出する。ここで、「充電許可台数」とは、太陽光発電部31の余剰電力を充電可能な蓄電池32の台数である。充電許可台数は、以下の数4を用いて算出される。
充電許可台数=(太陽光総発電電力-住宅総負荷)/充電性能 (数4)
ここで、「充電性能」とは、蓄電池32の最大充電電力(本実施形態においては2[kW])である。
制御部40は、ステップS208の処理を行った後、ステップS209に移行する。
なお、制御部40は、ステップS208からステップS209に移行した場合、蓄電残量の少ない蓄電池から順に、蓄電池32の台数分(本実施形態においては、3回)だけステップS209からステップS212までの処理を繰り返す。
ステップS209において、制御部40は、充電許可台数が0より大きい(充電許可台数>0である)か否かを判定する。制御部40は、充電許可台数が0より大きいと判定した場合(ステップS209で「YES」)、ステップS210に移行する。
ステップS210において、制御部40は、当該蓄電池32に充電指示を行う。具体的には、制御部40は、当該蓄電池32の運転モードを充電モードに切り換える。
制御部40は、ステップS210の処理を行った後、ステップS211に移行する。
ステップS211において、制御部40は、充電許可台数の更新値を算出する。充電許可台数の更新値は、現在の充電許可台数から1減算した値とされる。
一方、ステップS209において、制御部40は、充電許可台数が0より大きくない(すなわち、充電許可台数が0である)と判定した場合(ステップS209で「NO」)、ステップS212に移行する。
ステップS212において、制御部40は、当該蓄電池32に待機指示を行う。具体的には、制御部40は、当該蓄電池32の運転モードを待機モードに切り換える。
制御部40は、ステップS211又はS212の処理を行った後、次に、蓄電残量が当該蓄電池32の次に少ない蓄電池32を対象として、ステップS209からステップS212までの処理を行う。なお、当該蓄電池32が最も蓄電残量の少ない蓄電池32であった場合には、制御部40は、図2のステップS108の第一融通制御を一旦終了し、図2に示すメインフローも終了する。
以上のようにステップS108の第一融通制御を行うことにより、蓄電池32からの放電電力によって、負荷群Hの少なくとも一部を賄うことができる。また、蓄電池32の蓄電残量の多い順に放電指示を行うことにより(図3のステップS202からS207参照)、蓄電残量の均一化を図ることができる。
以上のように、図3に示す第一融通制御においては、DR要請時間帯であっても、基本的には系統電源Sからの購入電力の瞬時値[kW]に基づいて蓄電池32の放電の制御を行っている。以下、その理由について説明する。
図8は、本実施形態に係る電力供給システム1における電力の供給態様の一例を示している。一方、図7は、図3に示す第一融通制御を行わず、単に必要放電台数だけ放電指示した場合の電力の供給態様の一例を示している。なお、負荷群H(の消費電力)の合計は、3[kW]であるものとする。また、図7及び図8においては、3台の蓄電池32を、負荷群Hに最も近い順に、蓄電池32a、蓄電池32b、蓄電池32cと称する。また、説明の便宜上、太陽光発電部31は発電していないものとする。
また、図7及び図8において、蓄電池32の内部に記載されたメモリ(4つの矩形状の枠)は、蓄電池32の充電残量をイメージ化したものである。具体的には、4つの矩形状の枠のうち色付きの枠の数が、最大容量に対する蓄電残量の大まかな割合を示している。また、黒色の枠は、蓄電残量が放電可能な残量であることを示している。図7及び図8においては、蓄電池32b、蓄電池32a、蓄電池32cの順に蓄電残量が多いものとする。
図7に示す電力の供給態様の一例においては、負荷群Hに近い蓄電池32aから放電される。ここで、必要放電台数が3台、放電要求台数が2台と算出されたと仮定する。このとき、必要放電台数の分だけ(すなわち3台に)蓄電池32に放電指示がなされた場合、蓄電池32aから2kW、蓄電池32bから1kWの電力が放電される。このように、負荷群Hに近い蓄電池32から順に放電されるため、蓄電残量の最も少ない蓄電池32aが放電してしまう(蓄電残量が蓄電池32aよりも多い蓄電池32cが放電できない)。
これに対して、本実施形態に係る電力供給システム1においては、例えば必要放電台数が3台、放電要求台数が2台と算出された場合、制御部40は、放電要求台数(2台)だけ蓄電残量の多い蓄電池32から順に放電指示を行う。すなわち、制御部40は、負荷群Hで消費される購入電力の瞬時値[kW]に基づいて蓄電池32からの放電を制御する。これにより、図8に示すように、蓄電残量の最も少ない蓄電池32aを待機指示させ、蓄電残量の比較的多い蓄電池32b及び蓄電池32cから放電させることができる。これにより、蓄電残量の均一化を図ることができる。
このように、DR要請時間帯であっても、系統電源Sからの購入電力が比較的少ない時間においては、必要放電台数より少ない台数(放電要求台数)の蓄電池32からの放電で系統電源Sからの負荷群Hの消費電力を賄うことができる場合がある。よって、本実施形態に係る電力供給システム1においては、DR要請時間帯であっても、蓄電池32の放電の制御の判断基準に、DR要請の目標購入電力量すなわち購入電力の積算値[kWh]だけでなく、購入電力の瞬時値[kW]を含めるようにしている。
また、DR要請時間帯においては、蓄電池32の蓄電残量が残量下限値未満の場合(図3のステップS203でNO)、当該蓄電池32の残量下限値を引き下げる。これにより、蓄電池32からの放電電力を増やすことができる。したがって、系統電源Sからの購入電力量がDR要請の目標購入電力量を上回らないようにし易くすることができる。
また、DR要請の対象日当日、以降にDR要請時間帯がある場合には(ステップS104でYES)、ステップS105からS107の処理を行う。そして、放電要求台数が必要放電台数より大きい場合には(ステップS106でYES)、放電要求台数を必要放電台数に引き下げたうえで(図2のステップS107)、放電指示を行う。例えば、必要放電台数が3台、放電要求台数が2台と算出された場合、制御部40は、放電要求台数を必要放電台数(2台)に引き下げる。そして、制御部40は、蓄電残量の多い蓄電池32から順に放電指示を行う(図3のステップS202からS207)。すなわち、制御部40は、必要放電台数(2台)だけ蓄電残量の多い蓄電池32から順に放電指示を行う。これにより、蓄電池32に対して不必要な放電指示が行われるのを抑制しつつ、以降のDR要請時間帯のために蓄電池32の蓄電残量の確保を図ることができる。
また、負荷群Hに対して太陽光発電部31の発電電力が余剰している場合(ステップS201でNO)、ステップS208からS212の処理を行うことにより、太陽光発電部31の余剰電力を蓄電池32に充電することができる。
以下では、図4のフローチャートを用いて、図2のステップS111の第二融通制御について説明する。
図4に示す第二融通制御は、ステップS204を行わない点等を除いて図3に示す第一融通制御と概ね同じである。より詳細には、図3に示す第一融通制御においては、蓄電池32の蓄電残量が残量下限値未満である場合(ステップS203でNO)、当該蓄電池32の残量下限値を下げたうえで放電させる(ステップS204、S205)ものとしたが、図4に示す第二融通制御においては、蓄電池32の蓄電残量が残量下限値未満である場合(ステップS303でNO)、当該蓄電池32を待機状態とする(ステップS307)点で、両者は相違する。なお、図4に示す第二融通制御のステップS301からS303、S305からS312は、それぞれ図3に示す第一融通制御のステップS201からS203、S205からS212に相当する。
このように、DR要請時間帯以外の時間帯においては、図4に示す第二融通制御を行うことにより、蓄電池32からの放電電力を負荷群Hに用いることができ、かつ、蓄電残量の均一化を図ることができる。
以下では、図5のフローチャートを用いて、図2のステップS114の第三融通制御について説明する。
図5に示す第三融通制御は、ステップS204を行わない点、ステップS404を行う点を除いて図3に示す第一融通制御と同じである。なお、図5に示す第三融通制御のステップS401からS403、S405からS412は、それぞれ図3に示す第一融通制御のステップS201からS203、S205からS212に相当する。
具体的には、ステップS403において、制御部40は、当該蓄電池32の蓄電残量は残量下限値以上であるか否かを判定する。制御部40は、蓄電残量は残量下限値以上であると判定した場合(ステップS403で「YES」)、ステップS404に移行する。一方、制御部40は、蓄電残量は残量下限値以上でない(すなわち、蓄電残量が残量下限値未満である)と判定した場合(ステップS403で「NO」)、ステップS407に移行する。
ステップS404において、制御部40は、当該蓄電池32の蓄電残量は必要蓄電量以上か否かを判定する。制御部40は、蓄電残量は必要蓄電量以上であると判定した場合(ステップS404で「YES」)、ステップS405に移行し、放電指示を行う。一方、制御部40は、蓄電残量は必要蓄電量以上でない(すなわち、蓄電残量が必要蓄電量未満である)と判定した場合(ステップS404で「NO」)、ステップS407に移行し、待機指示を行う。
以上のように、DR要請時間帯以外の時間帯であっても、以降にDR要請時間帯がある場合には、図5に示す第三融通制御を行う場合がある。これにより、蓄電池32の蓄電残量が残量下限値以上であっても必要蓄電残量未満である場合には(ステップS404でNO)、当該蓄電池32の放電を許可せず待機指示とする(ステップS407)。これにより、以降のDR要請時間帯に備えて、蓄電池32の蓄電残量を確保しておくことができる。
以下では、図6のフローチャートを用いて、図2のステップS115の優先充電制御について説明する。
ステップS501において、制御部40は、契約容量×安全率>購入電力量であるか否かを判定する。制御部40は、契約容量×安全率>購入電力量であると判定した場合(ステップS501で「YES」)、ステップS502に移行する。なお、契約容量とは、電力会社(系統電源S)との契約上、使用できる電力使用容量を意味する。本実施形態において、契約容量は、45[kVA]であるとする。
なお、ステップS501でYESの場合とは、系統電源Sからの購入電力量が契約容量に対して比較的余裕があることを意味する。一方、ステップS501でNOの場合とは、系統電源Sからの購入電力量が契約容量に対してあまり余裕がないことを意味する。
ステップS502において、制御部40は、優先充電許可台数を算出する。ここで、「優先充電許可台数」とは、蓄電池32の蓄電残量を確保するため、充電を開始することが必要な蓄電池32の台数を意味する。優先充電許可台数は、以下の数5を用いて算出される。なお、優先充電許可台数としては、以下の数5を用いて算出された値に対して、小数点以下を切り下げた値が採用される。
優先充電許可台数={(契約容量×安全率-購入電力量)-(放電性能×放電台数)}/充電性能 (数5)
ここで、「放電台数」とは、既に放電中の蓄電池32の台数である。
制御部40は、ステップS502の処理を行った後、ステップS503に移行する。
なお、制御部40は、ステップS502からステップS503に移行した場合、蓄電残量の多い蓄電池32から順に、蓄電池32の台数分(本実施形態においては、3回)だけステップS503からステップS508までの処理を繰り返す。
ステップS503において、制御部40は、蓄電池32の蓄電残量が必要蓄電量より小さい(蓄電残量<必要蓄電量である)か否かを判定する。制御部40は、蓄電残量が必要蓄電量より小さいと判定した場合(ステップS503で「YES」)、ステップS504に移行する。一方、制御部40は、蓄電残量が必要蓄電量より小さくない(すなわち、蓄電残量≧必要蓄電量である)と判定した場合(ステップS503で「NO」)、ステップS508に移行する。
ステップS504において、制御部40は、蓄電池32が充電状態以外であるか否かを判定する。制御部40は、蓄電池32が充電状態以外である(すなわち、蓄電池32が放電状態又は待機状態)と判定した場合(ステップS504で「YES」)、ステップS505に移行する。
ステップS505において、制御部40は、優先充電許可台数が0より大きい(優先充電許可台数>0である)か否かを判定する。制御部40は、優先充電許可台数が0より大きいと判定した場合(ステップS505で「YES」)、ステップS506に移行する。
ステップS506において、制御部40は、当該蓄電池32に充電指示を行う。具体的には、制御部40は、当該蓄電池32の運転モードを充電モードに切り換える。蓄電池32は、蓄電残量が必要蓄電量となるまで充電を行う。なお、充電後の充電残量は、これに限るものではなく、任意の値とすることができ、例えば最大容量の100%まで充電してもよい。
制御部40は、ステップS506の処理を行った後、ステップS507に移行する。
ステップS507において、制御部40は、優先充電許可台数の更新値を算出する。優先充電許可台数の更新値は、現在の優先充電許可台数から1減算した値とされる。
一方、制御部40は、優先充電許可台数が0より大きくない(すなわち、優先充電許可台数が0である)と判定した場合(ステップS505で「NO」)、ステップS508に移行する。
ステップS508において、制御部40は、当該蓄電池32に待機指示を行う。具体的には、制御部40は、当該蓄電池32の運転モードを待機モードに切り換える。
制御部40は、ステップS507又はS508の処理を行った後、次に、蓄電残量が当該蓄電池32の次に多い蓄電池32を対象として、ステップS202からステップS207までの処理を行う。なお、当該蓄電池32が最も蓄電残量の少ない蓄電池32であった場合には、制御部40は、優先充電制御を一旦終了し、図2に示すメインフローも終了する。
以上のように、DR要請時間帯以外の時間帯であっても、以降にDR要請時間帯がある場合には、図6に示す優先充電制御を行う場合がある。これにより、蓄電池32の蓄電残量が必要蓄電量以上である場合(ステップS503でYES)、蓄電池32への充電指示を行う。これにより、以降のDR要請時間帯に備え、蓄電池32の蓄電残量を確保しておくことができる。
以上のように、本実施形態に係る電力供給システム1においては、DR要請時間帯とそれ以外の時間帯とで、蓄電池32からの放電の制御を異なるものとしている。
具体的には、DR要請時間帯においては、必要に応じて蓄電池32の残量下限値を下げたうえで当該蓄電池32に放電指示する場合がある(図3のステップS204、S205)。一方、DR要請時間帯以外の時間帯においては、蓄電池32の残量下限値を下げる処理は行わない。
また、本実施形態に係る電力供給システム1においては、放電可能な蓄電池32の台数がDR要請を満たすのに十分である場合と不足する場合とで、蓄電池32からの放電の制御を異なるものとしている。
具体的には、DR要請時間帯においては、DR要請の目標値(目標購入電力量)に対して、放電可能な蓄電池32の台数が十分であると考えられる場合(すなわち、放電指示した蓄電池32のうち全ての蓄電池32が図3のステップS203でYESの場合)には、蓄電池32の残量下限値を下げる処理は行わない。一方で、例えば、蓄電残量が残量下限値未満の蓄電池32があると(図3のステップS203でNO)、放電可能な蓄電池32の台数が不足すると考えられる場合がある。このような場合には、不足台数分だけ蓄電残量の多い蓄電池32から順に、残量下限値の設定を下げて、放電可能な蓄電池32の台数を増加させる(図3のステップS204、S205)。これにより、DR要請時間帯における蓄電池32からの放電電力を増加させることができる。したがって、DR要請に対応し易くすることができる。
また、本実施形態に係る電力供給システム1においては、DR要請時間帯において、以降にDR要請時間帯があるか否かによって、蓄電池32からの放電の制御を異なるものとしている。
具体的には、以降にDR要請時間帯がない場合、放電要求台数だけ蓄電池32からの放電を許可する。
一方、以降にDR要請時間帯がある場合、系統電源Sからの購入電力の瞬時値[kW]に基づいて放電要求台数を算出するとともに(図2のステップS103)、系統電源Sからの購入電力の積算値[kWh]に基づいて必要放電台数を算出する(図2のステップS105)。
そして、放電要求台数が必要放電台数以下である場合には(図2のステップS106でNO)、放電要求台数だけ蓄電池32からの放電を許可することにより、蓄電池32に対して不必要な放電指示が行われるのを抑制することができる(図7及び図8参照)。一方、放電要求台数が必要放電台数より多い場合には(図2のステップS106でYES)、必要放電台数だけ蓄電池32からの放電を許可することにより(図2のステップS107)、蓄電池32からの必要最低限の放電電力で(蓄電池32からの余分な放電を抑制しつつ)、系統電源Sからの購入電力量がDR要請を満たすための目標購入電力量を上回らないようにすることができる。よって、以降のDR要請時間帯(や非常時等)に備えて、蓄電池32の蓄電残量の確保を図ることができる。
また、DR要請時間帯以外の時間帯においても、以降にDR要請時間帯があるか否かによって、蓄電池32からの放電の制御を異なるものとしている。具体的には、以降にDR要請時間帯がない場合には(図2のステップS110でNO)、通常の制御を行う(図2のステップS111)。一方、以降にDR要請時間帯がある場合には(図2のステップS110でYES)、第三融通制御(ステップS114)又は優先充電制御(ステップS115)を行う。
図5に示す第三融通制御においては、以降のDR要請時間帯に備えて、蓄電池32からの放電を必要最低限の放電に留めている(ステップS404、S405、S407)。また、図6に示す優先充電制御においては、系統電源Sからの購入電力量が契約容量に対して余裕がある場合には(ステップS501でYES)、必要に応じて系統電源Sや太陽光発電部31からの電力を蓄電池32に充電させる(ステップS506)。これにより、以降のDR要請に対応し易くすることができる。
以上の如く、本実施形態に係る電力供給システム1は、
系統電源Sと接続された負荷群H(負荷)に電力を供給する電力供給システム1であって、
系統電源Sと前記負荷群Hとの間に接続されると共に所定の供給源(系統電源S及び太陽光発電部31)からの電力を充放電可能な複数の蓄電池32と、
前記蓄電池32の充放電を制御する制御部40と、
を具備し、
前記制御部40は、
DR要請時間帯(デマンドレスポンス要請の対象とされた時間帯)において所定の制御を実行可能であり、
前記所定の制御においては、
前記系統電源Sからの購入電力の瞬時値に基づいて、放電が要求される蓄電池の台数を放電要求台数として算出するとともに(図2のステップS103)、
DR(デマンドレスポンス)要請を満たすための、当該DR要請時間帯における前記系統電源Sからの購入電力量の上限値を目標購入電力量として取得し(図2のステップS102)、
当該DR要請時間帯における前記系統電源Sからの購入電力量が前記目標購入電力量を上回らないために放電が必要な蓄電池の台数を必要放電台数として算出し(図2のステップS105)、
前記放電要求台数が前記必要放電台数以下である場合(図2のステップS106でNO)、前記放電要求台数だけ前記蓄電池32からの放電を許可し(図3のステップS202からS207)、
前記放電要求台数が前記必要放電台数より多い場合(図2のステップS106でYES)、前記必要放電台数だけ前記蓄電池32からの放電を許可する(図2のステップS107)ものである。
このような構成により、蓄電池32に対して不必要な放電指示が行われるのを抑制しつつ、デマンドレスポンス要請に対応することができる。
また、前記制御部40は、
DR要請の対象日において、前記DR要請時間帯以降に、さらにDR要請時間帯がある場合に(図2のステップS101でYES)、前記所定の制御を実行するものである。
このような構成により、以降のDR要請時間帯に備えて、蓄電池32の蓄電残量の確保を図ることができる。
また、前記制御部40は、
複数の前記蓄電池32のうち蓄電残量の多い蓄電池32から順番に放電させる(図3のステップS202からS207)ものである。
このような構成により、蓄電池32の蓄電残量の均一化を図ることができる。
また、前記蓄電池32は、
通常時における蓄電残量の下限値を示す残量下限値が設定され、
前記制御部40は、
前記DR要請時間帯においては、放電を許可した前記蓄電池32の中に蓄電残量が前記残量下限値より少ない蓄電池32がある場合(図3のステップS203でNO)、当該蓄電池32の前記残量下限値を引き下げ可能である(図3のステップS204)ものである。
このような構成により、DR要請の目標購入電力量を上回らないようにし易くすることができる。
また、前記制御部40は、
DR要請の対象日のうち、前記DR要請時間帯より前のDR要請の対象とされていない時間帯において、(図2のステップS101でNO、ステップS110でYES)、
DR要請に対して必要な蓄電残量を必要蓄電量として算出し(図2のステップS112)、蓄電残量が前記必要蓄電量以上である蓄電池32に対してのみ放電を許可する(図5のステップS404でYES、ステップS405)ものである。
このような構成により、以降のDR要請時間帯に備えて、蓄電池32の蓄電残量の確保を図ることができる。
また、前記蓄電池32は、
通常時における蓄電残量の下限値を示す残量下限値が設定され、
前記制御部40は、
DR要請の対象日のうち、前記DR要請時間帯より前のDR要請の対象とされていない時間帯において(図2のステップS101でNO、ステップS110でYES)、
前記残量下限値未満の蓄電残量の蓄電池32がある場合、前記系統電源Sからの電力を当該蓄電池32に充電可能とする優先充電指示(図2のステップS115)を行うものである。
このような構成により、以降のDR要請時間帯に備えて、蓄電池32の蓄電残量の確保を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態において、電力供給システム1は、住宅街区Tに設けられるものとしたが、工場やマンション、事務所、病院等の任意の場所や建物に設けられてもよい。
また、本実施形態において、蓄電システム30は3つ設けられるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば2つであってもよく、また4つ以上であってもよい。
また、蓄電システム30は、太陽光発電部31を有する構成としたが、太陽光発電部31を有しなくてもよい。また、太陽光発電部31に加えて(又は代わりに)他の電力の供給源(例えば、燃料電池や、太陽光以外の自然エネルギーを用いて発電を行う水力発電部や風力発電部等)を有していてもよい。
また、本実施形態において、制御部40は、蓄電システム30の外部に設けられる構成としたが、蓄電池32の内部に組み込まれる等、蓄電システム30の内部に設けられる構成でもよく、その構成は限定されるものではない。
また、本実施形態において、蓄電池32の残量下限値は、蓄電容量(最大容量)の10%単位で引き下げ可能であるものとしたが、引き下げ幅は任意の値とすることができる。また、蓄電池32の残量下限値を引き上げる場合は、残量下限値を(すぐに初期値に戻すのではなく)段階的に引き上げることができる。
また、本実施形態において、図2のステップS105からS107の処理は、以降にDR要請時間帯がある場合に行われるものとしたが、当該処理が行われるタイミングはこれに限定されるものではなく、以降にDR要請時間帯がない場合にも行われるものとしてもよい。この場合、停電等の非常時に備えて蓄電池32の蓄電残量を確保することができる。