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JP7734063B2 - 板紙の水濡れの履歴確認方法 - Google Patents
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JP7734063B2 - 板紙の水濡れの履歴確認方法 - Google Patents

板紙の水濡れの履歴確認方法

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Description

本発明は、板紙の水濡れの履歴確認方法に関する。
石膏ボードは、石膏を板紙で被覆した建築材料であり(特許文献1)、安価であるが非常に丈夫であり、断熱や遮音性が高いため、建材として広く使われ、用途に合わせた種類がある。板紙は、段ボールの表裏にも使用される。
特開2006-82487号公報
板紙が何らかの理由で水に濡れた場合、時間が経過すると水分が蒸発し、目視では水濡れの有無が確認できなくなるという課題があった。特に、上水(水道水)による浸水においては、不純物が少ないためこの傾向が顕著である。
本発明は、板紙の水濡れの履歴を確認することを目的とする。
板紙の水濡れの履歴確認方法は、メタノール、エタノールまたはイソプロパノールの水溶液を、10%以上の所定濃度で板紙の表面に噴霧する工程と、前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、噴霧するのが純水ではないため、それ自体が水濡れの履歴にはならない。そして、発明者は、板紙の水濡れの履歴の確認に最適な濃度を実験により見出した。
セルロース繊維の物理変化モデルの模式図である。 実験に使用した板紙を示す写真である。 濃度20%メタノール水溶液の噴霧から5分後の写真である。 濃度40%メタノール水溶液の噴霧から5分後の写真である。 濃度20%エタノール水溶液の噴霧から5分後の写真である。 濃度40%エタノール水溶液の噴霧から5分後の写真である。 濃度10%イソプロパノール水溶液の噴霧から5分後の写真である。 濃度15%イソプロパノール水溶液の噴霧から5分後の写真である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を具体的かつ詳細に説明する。全図において同一の符号を付した部材は同一又は同等の機能を有するものであり、その繰り返しの説明を省略する。なお、図形の大きさは倍率に必ずしも一致するものではない。
建材の一種である石膏ボードの板紙や、梱包材として広く使用されている段ボールの板紙が何らかの理由で水に濡れた場合、時間が経過すると水分が蒸発し、目視では水濡れの有無が確認できなくなる。特に、上水(水道水)による浸水においては、夾雑物が少ないためこの傾向が顕著である。なお、本実施形態では、石膏ボードの石膏を被覆する石膏ボード原紙および段ボールの中芯(波状紙)に貼り合わせるライナは、いずれも、板紙に含まれるものとする。
板紙は、主に新聞紙や段ボールを回収した古紙が原料となっている。新聞紙や段ボールを構成する紙の主成分はパルプ繊維であり、パルプ繊維の主成分は多糖類で、その大部分はセルロースである。図1にセルロース分子の物理変化モデルを示す。一度紙が浸水すると、水分子によってセルロース繊維の分子構造に変化が生じる。結合が乱れることで浸透特性に変化が生じると考えられる。これを利用すれば、板紙の水濡れの履歴を確認することができると考え、本願の発明者は実験を行った。
実験では、板紙として、石膏ボード原紙、段ボール原紙のライナC5、K5、K5白、K6を使用した(図2)。ライナについて規定するJIS P 3902に従って、C5は古紙含有率90%以上の紙質で160g~170g/mの厚さであり、K5は古紙含有率50%以上の紙質で170g~180g/mの厚さであり、K6は古紙含有率50%以上の紙質で210g~220g/mの厚さであることとした。K5白は、表面が白色であり、それ以外の板紙の表面はクラフト色である。板紙は、100mm×100mmにカットして使用した。
あらかじめ、板紙に水道水500μLを滴下し、25°C環境下で自然吸水・乾燥させることで、水濡れの履歴がある状態にした。そこに、一価アルコールのうちで水に対して溶解度の高いメタノール、エタノールおよびイソプロパノールのそれぞれを所定割合で水溶液とした。エタノールの濃度は、0、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70%とし、メタノールおよびイソプロパノールそれぞれの濃度は、0、10、15、20、25、30、35、40%とした。溶媒は純水を使用した。
水溶液を霧吹きで均一になるように定量噴霧し、目視観察を行った。詳しくは、板紙の表面に、水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを目視で確認した。観察は、噴霧前、噴霧直後、30秒後、5分後に行った。
例えば、図3は、濃度20%メタノール水溶液の噴霧から5分後の写真である。図4は、濃度40%メタノール水溶液の噴霧から5分後の写真である。図5は、濃度20%エタノール水溶液の噴霧から5分後の写真である。図6は、濃度40%エタノール水溶液の噴霧から5分後の写真である。図7は、濃度10%イソプロパノール水溶液の噴霧から5分後の写真である。図8は、濃度15%イソプロパノール水溶液の噴霧から5分後の写真である。
実験結果は、次表の通りである。表において、〇は、噴霧直後から5分後まで目視確認可能だったことを示し、△は、噴霧直後30秒間は目視確認可能であったが5分経過後は目視確認が困難だったことを示し、×は、噴霧直後から目視確認が困難だったことを示す。
石膏ボード原紙に対して行った実験では、メタノールまたはエタノールの水溶液であれば、濃度0~40%で目視確認が可能であった。また、イソプロパノールの水溶液であれば、濃度0~15%で目視確認が可能であった。
段ボール原紙のライナC5に対して行った実験では、メタノールまたはエタノールの水溶液であれば、濃度0~30%で目視確認が可能であった。また、イソプロパノールの水溶液であれば、濃度0~15%で目視確認が可能であった。
段ボール原紙のライナK5に対して行った実験では、メタノールの水溶液であれば、濃度0~30%で目視確認が可能であった。エタノールの水溶液であれば、濃度0~20%で目視確認が可能であった。イソプロパノールの水溶液であれば、濃度0~10%で目視確認が可能であった。
段ボール原紙のライナK5白に対して行った実験では、メタノールの水溶液であれば、濃度0~25%で目視確認が可能であった。エタノールの水溶液であれば、濃度0~20%で目視確認が可能であった。一方、イソプロパノールの水溶液では、濃度10%以上で目視確認が不可能であった。
段ボール原紙のライナK6に対して行った実験では、メタノールの水溶液であれば、濃度0~30%水溶液で目視確認が可能であった。エタノールの水溶液であれば、濃度0~20%水溶液で目視確認が可能であった。一方、イソプロパノールの水溶液であれば、濃度0~10%水溶液で目視確認が可能であった。
なお、濃度0%(純水)については、全てのケースで目視確認が可能であったが、噴霧後の時間が経過するといずれの板紙においても表面が寄れてしまい、その後の使用に差し支えがあることがわかった。
以上の実験結果から見出した、板紙の水濡れの履歴確認方法は次の通りである。
(1)板紙の水濡れの履歴確認方法は、メタノールまたはエタノールの水溶液を、濃度10%以上20%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、を含む。
(2)板紙の水濡れの履歴確認方法は、メタノールの水溶液を、濃度10%以上25%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、を含む。
(3)(1)又は(2)に記載された板紙の水濡れの履歴確認方法において、前記板紙は、石膏ボード原紙であることを特徴としてもよい。
(4)(1)又は(2)に記載された板紙の水濡れの履歴確認方法において、前記板紙は、段ボール原紙のライナであり、前記ライナの紙質および厚さは、C5(古紙含有率90%以上;160g~170g/m)であることを特徴としてもよい。
(5)(1)又は(2)に記載された板紙の水濡れの履歴確認方法において、前記板紙は、段ボール原紙のライナであり、前記ライナの紙質および厚さは、K5(古紙含有率50%以上;170g~180g/m)であることを特徴としてもよい。
(6)(1)又は(2)に記載された板紙の水濡れの履歴確認方法において、前記板紙は、段ボール原紙のライナであり、前記ライナの前記表面は、白色であり、前記ライナの紙質および厚さは、K5(古紙含有率50%以上;170g~180g/m)であることを特徴としてもよい。
(7)(1)又は(2)に記載された板紙の水濡れの履歴確認方法において、前記板紙は、段ボール原紙のライナであり、前記ライナの紙質および厚さは、K6(古紙含有率50%以上;210g~220g/m)であることを特徴としてもよい。
(8)板紙の水濡れの履歴確認方法は、エタノールの水溶液を、濃度10%以上25%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、を含み、前記板紙は、石膏ボード原紙または段ボール原紙のライナであり、前記ライナの紙質および厚さは、C5(古紙含有率90%以上;160g~170g/m)である。
(9)板紙の水濡れの履歴確認方法は、メタノールの水溶液を、濃度10%以上30%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、を含み、前記板紙は、石膏ボード原紙または段ボール原紙のライナであり、前記ライナの紙質および厚さは、C5(古紙含有率90%以上;160g~170g/m)、K5(古紙含有率50%以上;170g~180g/m)またはK6(古紙含有率50%以上;210g~220g/m)のいずれかである。
(10)板紙の水濡れの履歴確認方法は、エタノールの水溶液を、濃度10%以上30%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、を含み、前記板紙は、石膏ボード原紙または段ボール原紙のライナであり、前記ライナの紙質および厚さは、C5(古紙含有率90%以上;160g~170g/m)である。
(11)板紙の水濡れの履歴確認方法は、メタノールまたはエタノールの水溶液を、濃度10%以上40%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、を含み、前記板紙は、石膏ボード原紙である。
(12)板紙の水濡れの履歴確認方法は、イソプロパノールの水溶液を、濃度10%以上15%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、を含み、前記板紙は、石膏ボード原紙または段ボール原紙のライナであり、前記ライナの紙質および厚さは、C5(古紙含有率90%以上;160g~170g/m)である。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。

Claims (12)

  1. メタノールまたはエタノールの水溶液を、濃度10%以上20%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、
    前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、
    を含むことを特徴とする板紙の水濡れの履歴確認方法。
  2. メタノールの水溶液を、濃度10%以上25%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、
    前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、
    を含むことを特徴とする板紙の水濡れの履歴確認方法。
  3. 請求項1又は2に記載された板紙の水濡れの履歴確認方法において、
    前記板紙は、石膏ボード原紙であることを特徴とする板紙の水濡れの履歴確認方法。
  4. 請求項1又は2に記載された板紙の水濡れの履歴確認方法において、
    前記板紙は、段ボール原紙のライナであり、
    前記ライナの紙質は、古紙含有率90%以上であり、
    前記ライナの厚さは、160g~170g/mであることを特徴とする板紙の水濡れの履歴確認方法。
  5. 請求項1又は2に記載された板紙の水濡れの履歴確認方法において、
    前記板紙は、段ボール原紙のライナであり、
    前記ライナの紙質は、古紙含有率50%以上であり、
    前記ライナの厚さは、170g~180g/mであることを特徴とする板紙の水濡れの履歴確認方法。
  6. 請求項1又は2に記載された板紙の水濡れの履歴確認方法において、
    前記板紙は、段ボール原紙のライナであり、
    前記ライナの紙質は、古紙含有率50%以上であり、
    前記ライナの前記表面は、白色であり、
    前記ライナの厚さは、170g~180g/mであることを特徴とする板紙の水濡れの履歴確認方法。
  7. 請求項1又は2に記載された板紙の水濡れの履歴確認方法において、
    前記板紙は、段ボール原紙のライナであり、
    前記ライナの紙質は、古紙含有率50%以上であり、
    前記ライナの厚さは、210g~220g/mであることを特徴とする板紙の水濡れの履歴確認方法。
  8. エタノールの水溶液を、濃度10%以上25%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、
    前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、
    を含み、
    前記板紙は、石膏ボード原紙または段ボール原紙のライナであり、
    前記ライナの紙質は、古紙含有率90%以上であり、
    前記ライナの厚さは、160g~170g/mであることを特徴とする板紙の水濡れの履歴確認方法。
  9. メタノールの水溶液を、濃度10%以上30%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、
    前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、
    を含み、
    前記板紙は、石膏ボード原紙または段ボール原紙のライナであり、
    前記ライナの紙質および厚さは、古紙含有率90%以上であって160g~170g/m、古紙含有率50%以上であって170g~180g/mまたは古紙含有率50%以上であって210g~220g/mのいずれかであることを特徴とする板紙の水濡れの履歴確認方法。
  10. エタノールの水溶液を、濃度10%以上30%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、
    前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、
    を含み、
    前記板紙は、石膏ボード原紙または段ボール原紙のライナであり、
    前記ライナの紙質は、古紙含有率90%以上であり、
    前記ライナの厚さは、160g~170g/mであることを特徴とする板紙の水濡れの履歴確認方法。
  11. メタノールまたはエタノールの水溶液を、濃度10%以上40%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、
    前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、
    を含み、
    前記板紙は、石膏ボード原紙であることを特徴とする板紙の水濡れの履歴確認方法。
  12. イソプロパノールの水溶液を、濃度10%以上15%以下で、板紙の表面に噴霧する工程と、
    前記板紙の前記表面に、前記水溶液の浸透差によって色の濃淡が現れるかどうかを、前記水溶液の噴霧から5分以内に目視で確認する工程と、
    を含み、
    前記板紙は、石膏ボード原紙または段ボール原紙のライナであり、
    前記ライナの紙質は、古紙含有率90%以上であり、
    前記ライナの厚さは、160g~170g/mであることを特徴とする板紙の水濡れの履歴確認方法。

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