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JP7735081B2 - イストラデフィリン製剤 - Google Patents
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JP7735081B2 - イストラデフィリン製剤 - Google Patents

イストラデフィリン製剤

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Description

本発明は、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む顆粒に関する。本発明はまた、前記顆粒を含む経口固形製剤に関する。さらに、本発明は、前記経口固形製剤の製造方法、および前記経口固形製剤の安定化方法に関する。
イストラデフィリンは、アデノシンA受容体拮抗作用を示し、それ故、アデノシンA受容体亢進に基づく疾患、例えば、パーキンソン病、老人性痴呆症、うつ病、喘息、骨粗鬆症等の治療等において有用である。
イストラデフィリンは、安定性に問題があり、特に、光に対して不安定である。イストラデフィリンは、光に曝されると、その構造中の二重結合部分(ビニレン部分)が異性体化し易いことが知られている。したがって、イストラデフィリンを含有する医薬製剤は、製剤化工程、病院や薬局での調剤化、保存時等において、取り扱いに細心の注意が必要である。
これまでに、イストラデフィリンを含む種々の製剤が開発されている。
例えば、特許文献1には、0.5~20μmの平均粒径を有し、結晶化度が40%以上であるイストラデフィリン微細結晶を含む固体医薬製剤が開示されている。
また、特許文献2には、イストラデフィリンまたはその薬理学的に許容される塩と、結晶セルロースとを含有する固形製剤が開示されている。
特許第4606326号公報 特許第4673745号公報
しかし、特許文献1および2に記載されたようなイストラデフィリンを含む製剤においては、その光安定性に関して、改善の余地があった。
そこで、本発明の一態様は、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む、安定性、とりわけ、光安定性が改善された新規の製剤を実現することを目的とする。また、本発明の一様態は、イストラデフィリン製剤の安定化方法を実現することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、イストラデフィリンを含む製剤において、核部にイストラデフィリンと酸化鉄とを含ませ、かつ、当該核部の外側に位置するコーティング層に、酸化チタンを含ませることにより、イストラデフィリンの光安定性が改善されることを初めて見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の一態様は、以下の構成を包含する。
<1>イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む核部と、前記核部の外側に位置する第1のコーティング層と、を含む顆粒であり、
前記核部が、酸化鉄を含み、
前記第1のコーティング層が、酸化チタンを含むことを特徴とする、顆粒。
<2>前記第1のコーティング層が、酸化鉄を含まないことを特徴とする、<1>に記載の顆粒。
<3>前記第1のコーティング層の外側に、さらに、以下の(A)または(B)のコーティング層を備えることを特徴とする、<1>または<2>に記載の顆粒:
(A)アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む第2のコーティング層
(B)アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む第2のコーティング層、および賦形剤を含む第3のコーティング層。
<4><1>~<3>のいずれかに記載の顆粒を含むことを特徴とする、経口固形製剤。<5>錠剤であることを特徴とする、<4>に記載の経口固形製剤。
<6>イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口固形製剤の製造方法であって、
イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む核部と、前記核部の外側に位置する第1のコーティング層と、を含む顆粒を得る工程を含み、
前記工程において、前記核部に酸化鉄を含ませ、前記第1のコーティング層に酸化チタンを含ませることを特徴とする、方法。
<7>イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口固形製剤の安定化方法であって、
前記経口固形製剤の製造工程において、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む核部と、前記核部の外側に位置する第1のコーティング層と、を含む顆粒を生成させる工程を含み、
前記工程において、前記核部に酸化鉄を含ませ、前記第1のコーティング層に酸化チタンを含ませることを特徴とする、方法。
本発明の一態様によれば、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む、光安定性が改善された新規の製剤を提供することができる。また、本発明の一態様によれば、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む製剤の安定化方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を示す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。
〔1.概要〕
本発明の一実施形態に係る顆粒(以下、「本発明の顆粒」と称する。)は、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩(以下、単に「イストラデフィリン」と称する場合がある。)を含む核部と、前記核部の外側に位置する第1のコーティング層と、を含む顆粒であり、前記核部が、酸化鉄を含み、前記第1のコーティング層が、酸化チタンを含むことを特徴とする。また、本発明の一実施形態に係る経口固形製剤(以下、「本発明の製剤」と称する。)は、上記の顆粒を含むことを特徴とする。
本発明者らは、イストラデフィリンを含む製剤につき、光安定性の観点から詳細に検討を行った結果、以下の知見を得ることに成功した。
・核部にイストラデフィリンと酸化鉄とを含ませ、かつ、当該核部の外側に位置する第1のコーティング層に、酸化チタンを含ませることにより、イストラデフィリンの光安定性が改善される。
また、本発明者らは、上記のイストラデフィリンを含む製剤につき、さらに検討を進めた結果、以下の知見を得ることに成功した。
・前記第1のコーティング層の外側に、さらに、(A)アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む第2のコーティング層、または(B)アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む第2のコーティング層、および賦形剤を含む第3のコーティング層、を備えることにより、経口固形製剤の崩壊性が改善される。
このように、本発明の顆粒(または製剤)は、上記の知見に基づく有利な効果を奏することから、有用な新規のイストラデフィリンまたは薬学的に許容されるその塩を含む製剤を提供することができる。
〔2.本発明の顆粒〕
本発明の顆粒は、有効成分として、イストラデフィリンまたは薬学的に許容されるその塩を含む。イストラデフィリンは、下記の式(1)で表される化合物であり、一般に、(E)-8-(3,4-ジメトキシスチリル)-1,3-ジエチル-7-メチル-3,7-ジヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオンと呼ばれる。
本明細書において、「薬学的に許容される塩」とは、医学的に、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等がなく、ヒトまたはその他の哺乳動物の組織と接触させて使用するのに適した塩を意味する。
イストラデフィリンの薬学的に許容される塩は、当該技術分野において周知であり、任意のものが使用可能である。イストラデフィリンの薬学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;亜鉛塩;アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩;モルホリン、ピペリジン、リジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の付加塩等が挙げられる。
また、イストラデフィリンの薬学的に許容される塩としては、結晶または非晶質のものをいずれも使用でき、またその粒度も特に限定されない。例えば、本発明の一実施形態において、イストラデフィリンの薬学的に許容される塩の平均粒子径(D50)は、例えば、21~100μmであることが好ましく、21~40μmであることがより好ましい。
本発明の顆粒は、核部に酸化鉄を含み、第1のコーティング層に酸化チタンを含む。本発明の顆粒が、核部に酸化鉄を含み、第1のコーティング層に酸化チタンを含むことにより、イストラデフィリンの光安定性が改善される効果を奏する。
本明細書において、酸化鉄は、鉄が酸化した酸化物であり、医薬において使用可能なものであれば特に限定されない。本発明の一実施形態において、酸化鉄は、黄色、赤色、黒色等の色を呈するものであり得る。本発明の一実施形態における酸化鉄としては、例えば、黄色三二酸化鉄、黄酸化鉄等の黄色を呈する酸化鉄、三二酸化鉄等の赤色を呈する酸化鉄、黒酸化鉄等の黒色を呈する酸化鉄等が挙げられる。本発明の一実施形態において、本発明の顆粒に含まれる酸化鉄は、黄色三二酸化鉄であることが好ましい。
本明細書において、酸化チタンは、チタンが酸化した酸化物であり、医薬において使用可能なものであれば特に限定されない。
(核部)
本発明の顆粒における核部は、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩と、酸化鉄と、を含む。
本発明の一実施形態において、核部に含まれる酸化鉄の量は、顆粒の質量を基準として、例えば、0.1~50質量%であり、好ましくは、0.5~30質量%であり、より好ましくは、1~20質量%である。
本発明の一実施形態において、核部に含まれる酸化鉄の量は、例えば、0.01~20mgであり、好ましくは、0.05~15mgであり、より好ましくは、0.1~10mgである。
本発明の一実施形態において、核部に含まれるイストラデフィリンの量は、顆粒の質量を基準として、例えば、1.0~80質量%であり、好ましくは、10~70質量%であり、より好ましくは、25~60質量%である。
本発明の一実施形態において、酸化鉄は、着色剤として添加される。
本発明の顆粒における核部は、上記以外の成分として、賦形剤、結合剤、崩壊剤、着色剤等を含んでいてもよい。
賦形剤としては、特に限定されないが、例えば、D-マンニトール、乳糖、白糖、コーンスターチ(トウモロコシデンプン)、リン酸カルシウム、ソルビット、結晶セルロース等が挙げられる。好ましくは、D-マンニトールが用いられる。
結合剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体、またはこれらの重合体の組み合わせ、アルファー化デンプン、ゼラチン、カンテン、アラビアゴム等が挙げられる。
崩壊剤としては、特に限定されないが、例えば、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、バレイショデンプン等が挙げられる。好ましくは、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが用いられる。
着色剤としては、特に限定されないが、上記した酸化鉄以外に、例えば、黄色を呈する着色剤(例えば、食用黄色4号アルミニウムレーキ、ベンガラ等)、赤色を呈する着色剤(例えば、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号等)、黒色を呈する着色剤(例えば、カーボンブラック、薬用炭等)、白色を呈する着色剤(例えば、酸化チタン等)、カラメル等が挙げられる。好ましくは、酸化チタンが用いられる。
前記各添加剤の含有率は、特に限定されることなく、従来公知の技術に基づいて、適宜設定され得る。
(コーティング層)
<第1のコーティング層>
本発明の顆粒における第1のコーティング層は、酸化チタンを含む。
本発明の顆粒は、核部に酸化鉄を含むことに加えて、第1のコーティング層に酸化チタンを含むことにより、より有効に光安定性効果を発揮することができる。
本発明の一実施形態において、第1のコーティング層に含まれる酸化チタンの量は、顆粒の質量を基準として、例えば、0.01~50質量%であり、好ましくは、0.05~40質量%であり、より好ましくは、0.1~30質量%である。
本発明の一実施形態において、第1のコーティング層に含まれる酸化チタンの量は、例えば、0.1~50mgであり、好ましくは、0.5~30mgであり、より好ましくは、1~15mgである。
本発明の一実施形態において、酸化チタンは、着色剤として添加される。
なお、第1のコーティング層に含まれる着色剤は、製造工程における機能の観点から、「コーティング剤」と称されることもある。
本発明の一実施形態において、本発明の顆粒における第1のコーティング層は、酸化鉄を含まない。すなわち、本発明の一実施形態において、本発明の顆粒は、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む核部と、前記核部の外側に位置する第1のコーティング層と、を含む顆粒であり、前記核部が、酸化鉄を含み、前記第1のコーティング層が、酸化チタンを含み、かつ酸化鉄を含まないことを特徴とする顆粒である。
本発明の顆粒におけるイストラデフィリンの光安定性改善効果は、核部が酸化鉄を含み、第1のコーティング層が酸化チタンを含むことにより発揮される。
本発明の顆粒における第1のコーティング層は、酸化チタンに加えて、さらに他の着色剤を含んでいてもよい。そのような着色剤としては、特に限定されないが、例えば、黄色を呈する着色剤(例えば、食用黄色4号アルミニウムレーキ、ベンガラ等)、赤色を呈する着色剤(例えば、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号等)、黒色を呈する着色剤(例えば、カーボンブラック、薬用炭等)、カラメル等が挙げられる。
また、本発明の顆粒における第1のコーティング層は、上記以外の成分を含んでいてもよい。
そのような成分としては、例えば、タルク、珪酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールとアクリル酸とメタクリル酸メチルとの共重合体等を含むものが挙げられる。好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロースが用いられる。
本発明の一実施形態において、本発明の顆粒は、イストラデフィリンを、酸化鉄と、必要に応じてその他の添加剤と共に造粒し、得られた造粒物(素顆粒)を、酸化チタンを含むコーティング剤でコーティングして製造することが可能である。造粒方法は、特に限定されることなく、従来公知の技術を適用可能であり、例えば、流動層造粒法、撹拌造粒法、押出造粒法等を適用できる。
前記添加剤の含有率は、特に限定されることなく、従来公知の技術に基づいて、適宜設定され得る。
<第2のコーティング層>
本発明の一実施形態において、本発明の顆粒は、前記第1のコーティング層の外側に、さらに、第2のコーティング層を備える。本発明の顆粒における第2のコーティング層は、アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む。本発明の顆粒が、第1のコーティング層の外側に、さらに、アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む第2のコーティング層を備えていることにより、前記顆粒を含む経口固形製剤の崩壊性が改善されるという効果を奏する。
なお、経口固形製剤の崩壊性は、実施例に記載の方法により測定される。また、本明細書において、「崩壊性の改善」とは、実施例に記載の方法により測定した際に、崩壊時間が17秒未満であることを意味する。なお、通常は、崩壊時間が60秒以下であれば、口腔内崩壊錠として使用可能である。
第2のコーティング層に含まれるアミノアルキルメタクリレートコポリマーは、医薬において使用可能なグレードであれば、特に限定されないが、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(エボニック・ジャパン株式会社製の「オイドラギット(登録商標) E100」)が好ましい。
本発明の一実施形態において、第2のコーティング層に含まれるアミノアルキルメタクリレートコポリマーの量は、顆粒の質量を基準として、例えば、0.01~30.0質量%であり、好ましくは、0.5~15.0質量%であり、より好ましくは、1.0~10.0質量%である。
本発明の一実施形態において、本発明の顆粒における第2のコーティング層は、アミノアルキルメタクリレートコポリマー以外の成分を含んでいてもよい。そのような成分としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、タルク、珪酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールとアクリル酸とメタクリル酸メチルとの共重合体等を含むものが挙げられる。好ましくは、タルクが用いられる。
第2のコーティング層中の前記成分の含有率は、特に限定されることなく、従来公知の技術に基づいて、適宜設定され得る。
<第3のコーティング層>
本発明の一実施形態において、本発明の顆粒は、前記第1のコーティング層の外側に、さらに、第2のコーティング層および第3のコーティング層を備える。この実施形態においては、第3のコーティング層は、第2のコーティング層の外側に配置される。
本発明の顆粒における第3のコーティング層は、賦形剤を含む。本発明の顆粒が、第1のコーティング層の外側に、前記第2のコーティング層に加えて、さらに、賦形剤を含む第3のコーティング層を備えていることにより、さらに崩壊性が改善されるという効果を奏する。
第3のコーティング層に含まれる賦形剤は、としては、例えば、上記(核部)の項に記載したものが用いられる。
本発明の一実施形態において、第3のコーティング層に含まれる賦形剤の量は、顆粒の質量を基準として、例えば、0.1~100質量%であり、好ましくは、0.3~80質量%であり、より好ましくは、0.5~50質量%である。
本発明の一実施形態において、本発明の顆粒における第3のコーティング層は、前記賦形剤以外の成分を含んでいてもよい。そのような成分としては、特に限定されないが、例えば、エリスリトール、マルチトール、還元麦芽糖水あめ、キシリトール等が挙げられる。
第3のコーティング層中の前記成分の含有率は、特に限定されることなく、従来公知の技術に基づいて、適宜設定され得る。
〔3.本発明の製剤〕
本発明の一実施形態において、〔2.本発明の顆粒〕に記載の顆粒を含むことを特徴とする経口固形製剤(以下、「本発明の製剤」と称する。)を提供する。
本発明の一実施形態において、本発明の製剤は、核部がイストラデフィリンと酸化鉄とを含み、当該核部の外側に位置する第1のコーティング層が酸化チタンを含む、顆粒を含むことにより、イストラデフィリンの光安定性が改善される効果を奏する。また、本発明の一実施形態において、本発明の製剤は、第1のコーティング層の外側に、さらに、アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む第2のコーティング層、またはメタクリレートコポリマーを含む第2のコーティング層および賦形剤を含む第3のコーティング層を備える、顆粒を含むことにより、当該製剤の崩壊性が改善されるという効果を奏する。
本明細書において、経口固形製剤は、経口で投与されるように成形された薬剤であれば特に限定されないが、例えば、錠剤(口腔内崩壊錠を含む)、カプセル剤、顆粒剤、散剤、ドライシロップ等が挙げられる。本発明の製剤は、好ましくは、錠剤である。
本発明の一実施形態において、本発明の製剤に含まれる酸化鉄の量は、製剤の質量を基準として、例えば、0.01~20質量%であり、好ましくは、0.05~15質量%であり、より好ましくは、0.1~10質量%である。
本発明の一実施形態において、本発明の製剤に含まれる酸化鉄の量は、例えば、0.01~20mgであり、好ましくは、0.05~15mgであり、より好ましくは、0.1~10mgである。
本発明の一実施形態において、本発明の製剤に含まれる酸化チタンの量は、製剤の質量を基準として、例えば、0.01~30質量%であり、好ましくは、0.05~25質量%であり、より好ましくは、0.1~20質量%である。
本発明の一実施形態において、本発明の製剤に含まれる酸化チタンの量は、例えば、0.01~50mgであり、好ましくは、0.05~30mgであり、より好ましくは、0.1~20mgである。
本発明の一実施形態において、本発明の製剤に含まれるアミノアルキルメタクリレートコポリマーの量は、製剤の質量を基準として、例えば、0.01~30質量%であり、好ましくは、0.1~25質量%であり、より好ましくは、0.5~20質量%である。
本発明の一実施形態において、本発明の製剤に含まれる酸化チタンの量は、例えば、0.1~50mgであり、好ましくは、0.5~30mgであり、より好ましくは、1~15mgである。
本発明の一実施形態において、本発明の製剤に含まれるイストラデフィリンの量は、製剤の質量を基準として、例えば、1.0~50.0質量%であり、好ましくは、5.0~30.0質量%であり、より好ましくは、10.0~20.0質量%である。
本発明の製剤は、上記顆粒の他に、製剤の種類や形態に合わせて種々の成分を含んでいてもよい。そのような成分としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、滑沢剤等が挙げられる。
賦形剤、結合剤、崩壊剤および着色剤としては、例えば、〔2.本発明の顆粒〕に記載したものが用いられる。
滑沢剤としては、特に限定されないが、例えば、カルナウバロウ、含水二酸化ケイ素、含水無晶形酸化ケイ素、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、重質無水ケイ酸、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミニウムゲル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、セタノール、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、無水ケイ酸水加物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。好ましくは、ステアリン酸マグネシウムが用いられる。
前記添加剤の含有率は、特に限定されることなく、従来公知の技術に基づいて、適宜設定され得る。
本発明の製剤の成形は、特に限定されることなく、どのような形状も採用することができる。本発明の製剤が錠剤である場合、例えば、円形、楕円形、球形、棒状型、ドーナツ型の形状等であり得る。また、本発明の製剤が錠剤である場合、単層錠、積層錠、有核錠等であってもよい。
本発明の製剤に含まれる水分量は、例えば、5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。
本発明の製剤が錠剤である場合、その硬度は20~100Nであることが好ましい。また、本発明の製剤が錠剤である場合、錠剤の厚み(錠厚)は、例えば、2.5~4.5mmであり、好ましくは、3.0~4.0mmであり、より好ましくは、3.2~3.6mmである。
本実施形態において、各構成要素(例えば、「イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩」、「核部」、「コーティング層」等)の説明は、〔2.本発明の顆粒〕に記載したものが援用される。
〔4.その他〕
本発明の一実施形態において、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口固形製剤の製造方法であって、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む核部と、前記核部の外側に位置する第1のコーティング層と、を含む顆粒を得る工程を含み、前記工程において、前記核部に酸化鉄を含ませ、前記第1のコーティング層に酸化チタンを含ませることを特徴とする方法を提供する。また、本発明の一実施形態において、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口固形製剤の製造方法であって、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む核部と、前記核部の外側に位置する第1のコーティング層と第2のコーティング層、または第1のコーティング層と第2のコーティング層と第3のコーティング層と、を含む顆粒を得る工程を含み、前記工程において、前記核部に酸化鉄を含ませ、前記第1のコーティング層に酸化チタンを含ませ、前記第2のコーティング層にアミノアルキルメタクリレートコポリマーを含ませ、前記第3のコーティング層に賦形剤を含ませることを特徴とする方法を提供する。上記の製造方法を合わせて、以下、「本発明の製造方法」と称する。
本発明の製造方法は、例えば、造粒物の製造工程、および混合打錠工程を含み得る。例えば、実施例に記載の方法により、イストラデフィリンを含む造粒物(A粒)およびイストラデフィリンを含まない別の造粒物(B粒)を製造する。次いで、A粒をコーティングし、コーティング後のA粒とB粒とを混合し、滑沢剤を添加して打錠することにより、本発明の製剤(錠剤)を得ることができる。この例において、打錠する際の打錠圧は4~12であることが好ましい。
本発明の製造方法において、各構成要素(例えば、「イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩」、「経口固形製剤」、「核部」、「コーティング層」、「酸化チタン」、「酸化鉄」、「アミノアルキルメタクリレートコポリマー」、「賦形剤」等)の説明は、〔2.本発明の顆粒〕および〔3.本発明の製剤〕に記載したものが援用される。
また、本発明の一実施形態において、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口固形製剤の安定化方法であって、前記経口固形製剤の製造工程において、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む核部と、前記核部の外側に位置する第1のコーティング層と、を含む顆粒を生成させる工程を含み、前記工程において、前記核部に酸化鉄を含ませ、前記第1のコーティング層に酸化チタンを含ませることを特徴とする方法(以下、「本発明の安定化方法」と称する。)を提供する。
さらに、本発明の一実施形態において、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口固形製剤の安定化および崩壊性の改善方法であって、前記経口固形製剤の製造工程において、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む核部と、前記核部の外側に位置する第1のコーティング層と第2のコーティング層、または第1のコーティング層と第2のコーティング層と第3のコーティング層と、を含む顆粒を生成させる工程を含み、前記工程において、前記核部に酸化鉄を含ませ、前記第1のコーティング層に酸化チタンを含ませ、前記第2のコーティング層にアミノアルキルメタクリレートコポリマーを含ませ、前記第3のコーティング層に賦形剤を含ませることを特徴とする方法(以下、「本発明の安定化および崩壊性の改善方法」と称する。)を提供する。
本発明の安定化方法、および本発明の安定化および崩壊性の改善方法において、各構成要素(例えば、「イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩」、「経口固形製剤」、「核部」、「コーティング層」、「酸化チタン」、「酸化鉄」、「アミノアルキルメタクリレートコポリマー」、「賦形剤」等)の説明は、〔2.本発明の顆粒〕および〔3.本発明の製剤〕に記載したものが援用される。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の一実施例について以下に説明する。
〔測定および評価方法〕
(光安定性試験)
実施例および比較例で製造した錠剤を数個とり、シャーレに入れ、キセノン120万Lx照射した。また、処方例で製造した錠剤を数個とり、シャーレに入れ、D65 120万Lx照射した。
(崩壊試験)
第17改正日本薬局方の崩壊試験法(即崩性製剤)に準じて、補助盤なしで崩壊性試験を実施し、錠剤が崩壊したときの崩壊時間を測定した。
〔実施例1〕
(A粒の製造)
イストラデフィリン、D-マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ショ糖脂肪酸エステル、および黄色三二酸化鉄(癸巳社製)を精製水と共に混合して造粒した。得られた造粒物を、解砕し、乾燥した後、整粒し、A粒とした。
(コーティング)
上記A粒、ヒドロキシプロピルセルロース、および酸化チタンを精製水と共に混合してコーティングし、乾燥後、整粒し、コーティング末とした。
(B粒の製造)
D-マンニトール、エチルセルロース、トウモロコシデンプン、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸、および黄色三二酸化鉄(癸巳社製)を精製水と共に混合して造粒し、乾燥後、整粒し、B粒とした。
(混合・打錠)
上記コーティング後のA粒(コーティング末)、上記B粒、アスパルテームおよび軽質無水ケイ酸を混合した。得られた混合物にステアリン酸マグネシウムを加え混合し、打錠末とした。前記打錠末を直径7.0mmの円形状の杵を用いて、打錠圧力6kNで打錠し、硬度53N、厚み3.4mmの錠剤(口腔内崩壊錠)を得た。
なお、各成分の分量については、表1を参照のこと(以下、実施例については同様。)。表1において、各成分の分量は、「mg」で表す。また、表1において、コーティングIIおよびコーティングIIIの工程以外の各成分の分量は、製造した錠剤中の各成分の分量を示す。コーティングIIおよびコーティングIIIの工程における各成分の分量は、仕込み量を示す。
〔実施例2〕
各成分の分量を表1に記載の通り変更した以外は、実施例1と同様の方法により、硬度57N、厚み3.4mmの錠剤を得た。
〔実施例3〕
(A粒の製造)
イストラデフィリン、D-マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ショ糖脂肪酸エステル、黄色三二酸化鉄(癸巳社製)、および軽質無水ケイ酸を精製水と共に混合して造粒した。得られた造粒物を、解砕し、乾燥した後、整粒し、A粒とした。
(コーティング)
上記A粒、ヒドロキシプロピルセルロース、および酸化チタンを精製水と共に混合してコーティングし、乾燥後、整粒し、整粒品(I)とした。次いで、上記整粒品(I)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、およびタルクをエタノールと精製水との混和液と共に混合してコーティングし、乾燥後、整粒し、コーティング末とした。
(B粒の製造)
D-マンニトール、エチルセルロース、トウモロコシデンプン、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸、および黄色三二酸化鉄(癸巳社製)を精製水と共に混合して造粒し、乾燥後、整粒し、B粒とした。
(混合・打錠)
上記コーティング後のA粒(コーティング末)、上記B粒、アスパルテームおよび軽質無水ケイ酸を混合した。得られた混合物にステアリン酸マグネシウムを加え混合し、打錠末とした。前記打錠末を直径7.0mmの円形状の杵を用いて、打錠圧力6kNで打錠し、硬度69N、厚み3.4mmの錠剤(口腔内崩壊錠)を得た。
なお、各成分の分量については、表1を参照のこと。
〔実施例4〕
上記の(コーティング)までは、実施例3と同様の方法で製造した。実施例3の(コーティング)で得られた「コーティング末」を「整粒品(II)」とし、当該整粒品(II)、およびD-マンニトールを精製水と共に混合してコーティングし、乾燥後、整粒し、コーティング末とした。
得られた上記コーティング末を用いて、各成分の分量を表1に記載の通り変更した以外は、実施例3の(B粒の製造)および(混合・打錠)と同様の方法により、硬度67N、厚み3.4mmの錠剤を得た。
〔比較例1〕
各成分の分量を表2に記載の通り変更し、コーティング工程を除いた以外は、実施例1と同様の方法により、錠剤を得た。なお、表2において、各成分の分量は、「mg」で表す。また、表2において、各成分の分量は、製造した錠剤中の各成分の分量を示す。
〔比較例2〕
A粒の製造工程において、酸化チタンを5mg添加し、D-マンニトールの量を16.74mgに変更した以外は、比較例1と同様の方法により、錠剤を得た。
〔比較例3〕
A粒の製造工程において、D-マンニトールの量を9.24mgに変更し、酸化チタンの量を7.5mgに変更した以外は、比較例1と同様の方法により、錠剤を得た。
〔比較例4〕
B粒の製造工程において、酸化チタンを1.896mg添加し、D-マンニトールの量を58.626mgに変更した以外は、比較例1と同様の方法により、錠剤を得た。
〔結果〕
(1.光安定性試験)
上記実施例1~2および比較例1~4で製造した錠剤について、イストラデフィリンの光安定性試験を行った結果を表3に示す。なお、表3中、「Z-イストラ」および「Dimer-2」は、類縁物質を示す。また、「Z-イストラ」、「Dimer-2」および「総類縁」の単位は、「%」である。
表3では、Z-イストラ(イストラデフィリンの幾何異性体)、Dimer-2(イストラデフィリンの二量体)、および総類縁(イストラデフィリンの分解産物)の割合を指標として、イストラデフィリンの光安定性を評価した。Z-イストラ、Dimer-2、および総類縁は、イストラデフィリンの不安定化に伴いその割合が増加する。上記実施例1および2では、比較例1~4に比して、Z-イストラ、Dimer-2、および総類縁の増加量(すなわち、表3では、「120万lx(キセノン)」-「INITIAL」で示される値)が低い結果となった。
したがって、イストラデフィリンを含む製剤において、核部に、酸化鉄を含ませ、かつ、当該核部の外側に位置する第1のコーティング層に、酸化チタンを含ませることにより、イストラデフィリンの光安定性が改善されることが示された。
(2.崩壊試験)
上記実施例1~4で製造した錠剤について、崩壊試験を行った結果を表4に示す。
表4より、アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む第2のコーティング層を備えた場合に、崩壊性が改善される結果となった(実施例3)。また、上記第2のコーティング層に加えて、D-マンニトール(賦形剤)を含む第3のコーティング層をさらに備えた場合に、さらに崩壊性が改善される結果となった(実施例4)。
したがって、上記製剤において、アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む第2のコーティング層を備えるか、または当該第2のコーティング層に加えて、さらに、D-マンニトール(賦形剤)を含む第3のコーティング層を備えることにより、当該製剤の崩壊性が改善されることが示された。
[処方例1]
各成分の種類および分量を表5に記載の通り変更した以外は、実施例4と同様の方法により、硬度50N、厚み3.4mmの錠剤を得た。なお、表5において、各成分の分量は、「mg」で表す。
上記処方例1で製造した錠剤について、イストラデフィリンの光安定性試験および崩壊試験を行った結果を、それぞれ表6および7に示す。なお、表6中、「Z-イストラ」および「Dimer-2」は、類縁物質を示す。また、「Z-イストラ」、「Dimer-2」および「総類縁」の単位は、「%」である。
本発明の製剤は、イストラデフィリンまたは薬学的に許容される塩の光安定性、または光安定性と崩壊性とが改善されているため、イストラデフィリンの新規製剤として(例えば、アデノシンA受容体亢進に基づく各種疾患、例えば、パーキンソン病の治療等において)、好適に利用することができる。

Claims (6)

  1. イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む核部と、前記核部の外側に位置する第1のコーティング層と、を含む顆粒であり、
    前記核部が、酸化鉄を含み、
    前記第1のコーティング層が、酸化チタンを含み、
    前記第1のコーティング層の外側に、さらに、以下の(A)または(B)のコーティング層を備えることを特徴とする、顆粒:
    (A)アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む第2のコーティング層;
    (B)アミノアルキルメタクリレートコポリマーを含む第2のコーティング層、および賦形剤を含む第3のコーティング層。
  2. 前記第1のコーティング層が、酸化鉄を含まないことを特徴とする、請求項1に記載の顆粒。
  3. 請求項1または2に記載の顆粒を含むことを特徴とする、経口固形製剤。
  4. 錠剤であることを特徴とする、請求項に記載の経口固形製剤。
  5. イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口固形製剤の製造方法であって、
    イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む核部と、前記核部の外側に位置する第1のコーティング層と、前記第1のコーティング層の外側に位置する第2のコーティング層と、を含む顆粒を得る工程を含み、
    前記工程において、前記核部に酸化鉄を含ませ、前記第1のコーティング層に酸化チタンを含ませ、前記第2のコーティング層にアミノアルキルメタクリレートコポリマーを含ませることを特徴とする、方法。
  6. イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む経口固形製剤の安定化方法であって、
    前記経口固形製剤の製造工程において、イストラデフィリンまたはその薬学的に許容される塩を含む核部と、前記核部の外側に位置する第1のコーティング層と、前記第1のコーティング層の外側に位置する第2のコーティング層と、を含む顆粒を生成させる工程を含み、
    前記工程において、前記核部に酸化鉄を含ませ、前記第1のコーティング層に酸化チタンを含ませ、前記第2のコーティング層にアミノアルキルメタクリレートコポリマーを含ませることを特徴とする、方法。
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