JP7736259B2 - 化合物、その製造方法、複合体および短波赤外蛍光剤 - Google Patents
化合物、その製造方法、複合体および短波赤外蛍光剤Info
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Description
本発明は、化合物、その製造方法、複合体および短波赤外蛍光剤に関する。
生体を非侵襲で可視化する生体イメージング技術として、700~900nmの波長を有する近赤外光を発する蛍光剤を用いて血管または腫瘍等を可視化する方法が広く利用されている。生体イメージングに適用可能な蛍光剤の有効成分には、近赤外光の蛍光を発するインドシアニングリーン(ICG)が知られている。
一方で、近赤外光は、散乱しやすく組織に吸収されやすい。そのため、近赤外光を発する蛍光剤を用いる生体イメージングでは、対象の生体または生体組織の表面から例えば1cm以上深い部分にある微小構造を鮮明に可視化することは困難である。そのため、より散乱しにくい900~1400nmの波長を有する短波赤外光を発する蛍光剤が求められている。これに関して、ICGの蛍光は、短波赤外光の波長領域まで及ぶことも知られている(例えば、非特許文献1参照)。
Setsuko Tsuboi and Takashi Jin,RSC Advances,p.28171-28179,2020
しかしながら、ICGの短波赤外領域での蛍光強度は小さい。このため、ICGを含む蛍光剤を用いる短波赤外での生体イメージングでは、生体の表面から1cm以上深い部分にある微小構造を鮮明に可視化することが困難なことがある。よって、短波赤外での生体イメージング技術に適用可能な蛍光剤が求められている。
本発明の一態様は、短波赤外での生体イメージングを可能とする新規の技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る化合物は、下記式(1)で表される。下記式(1)中、nは3~5の整数を表し、Xは、スルホン酸基の塩、または、分子識別剤に対する反応性架橋基、を表す。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る複合体は、本発明の上記化合物における反応性架橋基の残基を介して分子識別剤と当該化合物とが結合している。
さらに、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る短波赤外蛍光剤は、本発明の上記化合物、および、本発明の上記複合体、の一方または両方を含有する。
さらには、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る下記式(1)で表される化合物の製造方法は、下記式(1a)で表される第一の化合物を合成する第一の工程と、式(1a)中のアニリノ基を下記式(1b)で表される構造に置き換える第二の工程と、式(1a)中のフェニルイミノ基を下記式(1c)で表される構造に置き換える第三の工程と、を含む。下記の式中、nは3~5の整数を表し、Xは、スルホン酸基の塩、または、分子識別剤に対する反応性架橋基、を表す。
本発明の一態様によれば、短波赤外での生体イメージングを可能とする新規の技術を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
〔化合物〕
本発明の実施形態の化合物は、下記式(1)で表される。
本発明の実施形態の化合物は、下記式(1)で表される。
式(1)中、nは3~5の整数を表す。nは、式(1)の化合物が短波赤外の蛍光を発し、かつ十分な水溶性を発現する観点から、適宜に決めることが可能である。上記の観点から、nは、3または4であることが好ましい。
なお、本発明の実施形態において、「短波赤外」とは、900nm以上1400nm以下の波長を有する電磁波を意味する。式(1)の化合物は、その構造(例えばn)に応じて、短波赤外の波長領域内に蛍光強度のピークを有する。よって、式(1)の化合物の蛍光を検出する際の波長は、式(1)の化合物が短波赤外における十分に高い強度の蛍光を発する範囲で適宜に決めてよい。また、式(1)の化合物の蛍光における励起光の波長は、式(1)の化合物が励起する光の波長であればよい。励起波長は、式(1)の化合物の構造(例えばn)または検出対象部位の深度等に応じて、例えば900~1100nmの範囲から適宜に決定することが可能である。
式(1)中、Xは、スルホン酸基の塩、または、分子識別剤に対する反応性架橋基、を表す。スルホン酸基の塩は、限定されず、例えばアルカリ金属塩であってよく、より具体的にはナトリウム塩であってよい。
反応性架橋基は、分子識別剤との結合に供される官能基である。分子識別剤との結合は、式(1)の化合物の用途に応じた適当な結合であればよく、例えば共有結合であってもよいし、水素結合であってもよい。また、反応性架橋基の分子識別剤との結合は、反応性架橋基に分子識別剤が結合する形態であってもよいし、反応性架橋基の一部の脱離を伴って反応性架橋基の一部が分子識別剤と結合する形態であってもよい。
反応性架橋基は、室温での混合などの穏和な条件で分子識別剤との架橋に供される官能基であることが、安定性および取り扱いの容易さの観点から好ましい。このような観点から、反応性架橋基は、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル基、マレイミド基、アルキニル基およびアジド基からなる群から選ばれる一以上の有機基であることが好ましい。
アルキニル基は、限定されないが、例えば式(1)の化合物の水溶性の観点から、その炭素数が5以下であることが好ましい。アルキニル基の例には、エチニル基およびプロピニル基が含まれる。
N-ヒドロキシスクシンイミドエステル基のエステル構造は、直鎖の炭化水素基に結合可能、または直鎖の炭化水素基を含む有機基から誘導可能な構造であればよく、例えばN-ヒドロキシスクシンイミドカルボニル基であってよい。反応性架橋基は、上記の有機基以外にも、本実施形態の効果が得られる範囲において、式(1)の化合物を構成し得る他の分子構造をさらに有していてもよい。なお、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル基以外の他の反応性架橋基も、直鎖の炭化水素基に結合可能、または直鎖の炭化水素基を含む有機基から誘導可能な構造(例えばアルキル基およびアミド基など)をさらに含んでいてもよい。
上記の反応性架橋基は、アミノ基、スルフヒドリル基、アジド基あるいはアルキニル基を有する分子識別剤と容易に結合し得る。よって、生体組織を識別する部位を式(1)の化合物に簡易かつ的確に導入する観点から好ましい。
あるいは、反応性架橋基は、アミノ酸への蛍光物質の結合に使用されるリンカー物質の結合によって式(1)の化合物に導入されてもよい。この場合、分子識別剤が有するアミノ基に結合可能な反応性架橋基を式(1)の化合物に導入し得る。リンカー物質の例には、6-アミノカプロン酸、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、4-アミノ酪酸、5-アミノ吉草酸、7-アミノヘプタン酸、8-アミノオクタン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸、2-アミノ安息香酸、3-アミノ安息香酸および4-アミノ安息香酸が含まれる。
分子識別剤は、特定の分子を識別可能な分子構造を有する成分である。分子識別剤は、特定の分子に結合可能な分子構造を含む成分であればよく、一種でもそれ以上でもよい。また、分子識別剤は、反応性架橋基との結合に供される部位を有する。当該部位の例には、アミノ基、スルフヒドリル基、アジド基およびアルキニル基が含まれる。分子識別剤の例には、ペプチド、タンパク質、核酸誘導体、抗体、抗原結合能を有する当該抗体の断片、および、細胞が含まれる。
上記のような式(1)の化合物は、より具体的には下記式(2)~式(9)のいずれかで表され得る。
式(1)の化合物は、短波赤外の蛍光を発する有機色素である。このような有機色素は、前述したように生体イメージングへの適用が期待されており、そのため、短波赤外の蛍光剤として、様々な分子骨格を有する化合物の検討がなされている(例えば、「Jin T, ECS J. Solid State Sci. Technol, 8, R9-R13 (2019)」など)。このように、従来、分子骨格に特有な蛍光特性として短波赤外の蛍光を有する化合物の検討がなされている。
ところで、蛍光化合物では、一般に、励起光から吸収されたエネルギーの一部は、分子の振動エネルギーに変換され、消費される。そして、分子構造がより大きくなると、上記の吸収されたエネルギーが変換され、消費される割合はより高まる、と考えられている。このような一般的な傾向によれば、ICGの鎖状構造をより長くすると、蛍光の発光効率はより低下することが予想される。
しかしながら、式(1)の化合物は、ICGと同様の構造を有し、かつICGに比べてより長い鎖状構造を有する一方で、短波赤外の蛍光において、ICGの近赤外での蛍光と同等かそれ以上の高い発光効率を有する。したがって、式(1)の化合物は、ICGに比べてより大きな分子構造を有しているにも関わらず、上記の一般的な傾向に当てはまらない、ユニークな化合物である。
〔化合物の製造方法〕
式(1)の化合物は、下記の第一から第三の工程の三工程を含む製造方法によって製造することが可能である。なお、以下の製造方法の説明において、一般式中の文字の意味は、前述の化合物のそれと同じである。
式(1)の化合物は、下記の第一から第三の工程の三工程を含む製造方法によって製造することが可能である。なお、以下の製造方法の説明において、一般式中の文字の意味は、前述の化合物のそれと同じである。
第一の工程は、下記式(1a)で表される第一の化合物を合成する工程である。前述したように、nは3~5の整数を表す。
式(1a)の化合物は、直鎖ジエンアルデヒドをリン化合物の存在下で反応させて直鎖ジエン構造を適宜に伸長させ、次いでアニリンを反応させることによって合成することが可能である。当該合成は、温度を適宜に調整することにより、効率よく進めることが可能である。直鎖ジエン構造の伸長では、中間生成物の反応性、溶解性あるいは安定性などの観点から、当該中間生成物における直鎖ジエン構造の末端のアルデヒドを、カルボン酸エステルまたはアルコールなどの他の構造に一時的に置き換えてもよい。
第二の工程は、式(1a)中のアニリノ基を下記式(1b)で表される構造に置き換える工程である。
式(1a)中のアニリノ基は、下記式(1b1)で表される化合物を、無水酢酸および酢酸ナトリウムの存在下で、式(1a)の化合物、あるいは、式(1a)中のフェニルイミノ基が下記式(1c)で表される構造に置き換えられた化合物、と反応させることにより、式(1b)の構造に置き換えることが可能である。式(1b1)の化合物は、1,1,2-トリメチル-1H-ベンゾ[e]インドールと1,4-ブタンスルトンとを反応させることによって得られる。
第三の工程は、式(1a)中のフェニルイミノ基を下記式(1c)で表される構造に置き換える工程である。
Xがスルホン酸基の塩である場合では、式(1a)中のフェニルイミノ基は、前述した式(1a)中のアニリノ基の置き換えと同様にして、式(1a)の化合物、あるいは、式(1a)中のフェニルイミノ基が式(1b)で表される構造に置き換えられた化合物、を原料として式(1c)の構造に置き換えることが可能である。
Xが前述した反応性架橋基である場合では、式(1a)中のフェニルイミノ基は、当該フェニルイミノ基をまず下記式(1c1)で表される構造に置き換え、次いで末端のカルボキシル基に反応性架橋基を結合させ、あるいは当該カルボキシル基を反応性架橋基と置き換えることによって、式(1c)の構造に置き換えることが可能である。
式(1a)中のフェニルイミノ基の式(1c1)で表される構造への置き換えは、例えば、式(1b1)のスルホン酸基がカルボキシル基に置き換わった化合物の臭素塩を用いることにより、前述した式(1a)中のアニリノ基の置き換えと同様に行うことが可能である。式(1c1)で表される構造への置き換え後のカルボキシル基に対して反応性架橋基を導入する反応は、目的とする反応性架橋基に応じて、公知の方法を適用して行えばよい。
上記の製造方法において、第二の工程と第三の工程の順序は、目的とする式(1)の化合物を製造可能な範囲において、原料または生成物の溶解性あるいは原料の反応性などの観点から適宜に決めることが可能である。
たとえば、目的の化合物が式(2)の化合物である場合、すなわち上記式中のnが3であり、Xがスルホン酸基の塩である場合では、第二の工程と第三の工程とを一度に行ってもよい。前述の第二の工程および第三の工程は、例えば、式(1a)の化合物に対して二当量以上の式(1b1)の化合物を第二の工程の条件で反応させることによって一度に行うことが可能である。第二の工程と第三の工程とを一度に行うことにより、式(1)の化合物をより簡易に製造することが可能であり、また、工数の増加による収率の低下を抑制する観点から有利である。
目的の化合物が式(3)の化合物である場合、すなわち上記式中のnが4であり、Xがスルホン酸基の塩である場合では、第二の工程の後に第三の工程を行うことが好ましい。また、目的の化合物が式(4)の化合物である場合、すなわち上記式中のnが3であり、Xが反応性架橋基である場合では、第二の工程の後に第三の工程を行うことが好ましい。これらの場合では、第二の工程の生成物を原料として第三の工程を行えばよい。式(3)の化合物または式(4)の化合物の製造において第二の工程の後に第三の工程を行うことは、第三の工程における式(1a)中のフェニルイミノ基の置き換えの収率を高める観点から好適である。
目的の化合物が式(5)の化合物である場合、すなわち上記式中のnが4であり、Xが反応性架橋基である場合では、第二の工程の前に第三の工程を行うことが好ましい。この場合では、第三の工程の生成物を原料として第二の工程を行えばよい。式(5)の化合物の製造において第二の工程の前に第三の工程を行うことは、式(1a)中のアニリノ基およびフェニルイミノ基のそれぞれの置き換えにおける収率を高める観点から好適である。
上記の製造方法は、本実施形態の効果が得られる範囲において、前述した第一の工程から第三の工程以外の他の工程をさらに含んでもよい。たとえば、上記の製造方法は、各工程における生成物を精製する工程をさらに含んでもよい。このような精製工程は、溶剤による洗浄あるいはカラムクロマトグラフィーなどの公知の方法によって適宜に行うことが可能である。
上記の製造方法では、各式の化合物は、公知の技術を利用して合成することが可能であるが、反応性と生産性との観点から、合成条件を適宜に選択することが好ましい。
たとえば、式(1a)の化合物の合成反応、第二の工程および第三の工程は、高い温度により促進される。その反面、反応温度を高くすると、所期の長さの鎖状構造を有する目的化合物と、それよりも短い鎖状構造を有する副生成物とがほぼ同じ割合で生成することがある。
当該目的化合物と副生成物とは、極性などの物性が類似しており、これらの混合物から目的化合物を分離することは困難であることは、容易に予想され得ると考えられ、実際に、物性が類似しており、また上記混合物からの目的化合物の単離は困難である。
式(1a)の化合物の合成反応、第二の工程および第三の工程では、反応温度を低くすると、反応速度も低くなるが、目的化合物をより高い割合で合成することが可能である。たとえば、後述の実施例に示すように、鎖状構造を長くする反応を敢えて室温で反応させると、反応速度は高くないものの、効率よく高純度の目的化合物を得ることが可能となる。このように、上記の製造方法では、公知の技術を利用しつつ、反応性と生産性との観点から、必要に応じて反応温度などの合成条件を適切に調整することにより、目的の化合物を高い効率で得ることが可能である。
ここで、本発明の実施形態における上記の合成反応について具体例を示しつつより詳しく説明する。従来より生体イメージングに利用されているICGの合成では、通常、nが2である式(1a)の化合物のアニリノ基を式(1b)で表されるスルホン酸化合物に置換し、続いて当該スルホン酸化合物に式(1c)の構造を導入する。本実施形態の化合物の製造方法に対応させると、前述の第二の工程、第三の工程をこの順で実施する。ICGの合成では、上記の合成を進めるほどに、特に上記スルホン酸化合物への置換を行うと、生成物の溶解性が著しく低下する。このため、ICGの通常の合成方法では、式(1b)の化合物および式(1c)の構造を導入する合成反応は、より高い温度で実施する。
一方で、本発明の実施形態では、ICGの合成に比べて、用いられる式(1a)の化合物における炭素鎖(直鎖のポリエン鎖)がより長い。特に、式(5)の化合物(ICG-C11-NHS)を合成する際に用いる際の式(1a)の化合物は、そのnが4と、直鎖のポリエン鎖がより一層長い。このために、本実施形態における製造方法では、式(1a)の化合物の安定性が、ICGの合成における式(1a)の化合物に比べて明らかに低くなる。このため、式(1b)の化合物の導入後、式(1c)の化合物を合成するにあたり、これらの合成を高温条件下で行うと、目的化合物よりもポリエン鎖の炭素数が2少ない副生成物が高い割合(おおよそ目的化合物:副生成物=1:1の比率)で生成する。目的化合物と副生成物は極性が非常に近いことから、これらの分離によって目的化合物を得ることは、収率の観点では好ましくない。
そこで、前述したように、特に式(5)の化合物の合成では、第二の工程に先立って第三の工程を実施することが好ましい。このような合成を行うことにより、先に行う第三の工程によって、溶媒への溶解性がより高い生成物が生成し、その結果、室温もしくはそれ以下の低温の条件で、その後の第二の工程を実施することが可能となる。それにより、第二の工程において、副生成物の生成が抑えられ、実質的に目的化合物のみを得ることが可能となる。このような工程の順序の合成方法は、目的化合物の反応率は若干低いものの、目的化合物を高い純度で得る観点から好ましい。
〔複合体〕
本発明の実施形態の複合体は、前述の本実施形態の化合物における反応性架橋基の残基を介して分子識別剤と当該化合物とが結合している。反応性架橋基および分子識別剤の意味は、本発明の実施形態の化合物の説明で前述したとおりである。分子イメージングへの適用の観点から、分子識別剤は、生体中の特定の部位に結合可能な成分であることが好ましい。このような観点から、分子識別剤は、先に例示した中でも、抗体、または、抗原結合能を有する当該抗体の断片であることが好ましい。このような抗体または断片と結合してなる複合体は、腫瘍などの特定の生体組織の蛍光マーカとして有用である。また、当該複合体は、短波赤外による分子イメージングによって腫瘍の検出および腫瘍に対する薬理効果または治療効果の確認に用いることが可能である。
本発明の実施形態の複合体は、前述の本実施形態の化合物における反応性架橋基の残基を介して分子識別剤と当該化合物とが結合している。反応性架橋基および分子識別剤の意味は、本発明の実施形態の化合物の説明で前述したとおりである。分子イメージングへの適用の観点から、分子識別剤は、生体中の特定の部位に結合可能な成分であることが好ましい。このような観点から、分子識別剤は、先に例示した中でも、抗体、または、抗原結合能を有する当該抗体の断片であることが好ましい。このような抗体または断片と結合してなる複合体は、腫瘍などの特定の生体組織の蛍光マーカとして有用である。また、当該複合体は、短波赤外による分子イメージングによって腫瘍の検出および腫瘍に対する薬理効果または治療効果の確認に用いることが可能である。
〔短波赤外蛍光剤〕
本発明の実施形態の短波赤外蛍光剤は、前述の式(1)の化合物および前述の複合体の一方または含有する組成物である。本発明の実施形態の短波赤外蛍光剤における式(1)の化合物は一種でもそれ以上でもよく、複合体も一種でもそれ以上でもよい。本実施形態の短波赤外蛍光剤は、式(1)の化合物またはそれを含む上記複合体が短波赤外を発する性質を有することから、本発明の実施形態の短波赤外蛍光剤は、短波赤外による蛍光イメージングに使用することが可能である。
本発明の実施形態の短波赤外蛍光剤は、前述の式(1)の化合物および前述の複合体の一方または含有する組成物である。本発明の実施形態の短波赤外蛍光剤における式(1)の化合物は一種でもそれ以上でもよく、複合体も一種でもそれ以上でもよい。本実施形態の短波赤外蛍光剤は、式(1)の化合物またはそれを含む上記複合体が短波赤外を発する性質を有することから、本発明の実施形態の短波赤外蛍光剤は、短波赤外による蛍光イメージングに使用することが可能である。
本実施形態の短波赤外蛍光剤は、本実施形態の効果が得られる範囲において、前述の式(1)の化合物および複合体以外の他の成分をさらに含んでもよい。たとえば、短波赤外蛍光剤は、通常、生体に使用されることから、リン酸緩衝生理食塩水の溶液として利用され得る。
また、ICGおよびその複合体の水溶液中での安定性は、牛血清アルブミン(BSA)の存在下で向上すること、および、ICGおよびその複合体の蛍光の発光強度は、BSAの存在下で高まること、が知られている(例えば、「Takashi Jin et al., Med. Chem. Commun, 2016, 7, 623-631」参照)。本発明の実施形態における短波赤外蛍光剤においても同様である。すなわち、本発明の実施形態における短波赤外蛍光剤がBSAを含有することは、本実施形態の化合物および複合体の水溶液中での安定性を高める観点、および、短波赤外の蛍光の発光強度を高める観点から好ましい。
短波赤外蛍光剤における本実施形態の化合物または複合体の濃度は、短波赤外蛍光剤の用途に応じた蛍光の十分な発光強度が実現する濃度であればよい。たとえば、生体イメージングまたは分子イメージングの用途であれば、短波赤外蛍光剤における本実施形態の化合物または複合体の濃度は、短波赤外での生体イメージングまたは分子イメージングにおいて十分に明確な像を形成する観点から、0.1μM以上であることが好ましく、1μM以上であることがより好ましく、10μM以上であることがさらに好ましい。また、生体イメージングまたは分子イメージングの用途において、短波赤外蛍光剤における本実施形態の化合物または複合体の濃度は、上記の観点から、100μM以下であってよく、10μM以下であってよく、あるいは1μM以下であってよい。
また、短波赤外蛍光剤におけるBSAの含有量は、上記の蛍光の発光強度を高める効果が得られる範囲において適宜に決めてよく、このような観点から、1mg/mL以上100mg/mL以下であってよい。
なお、BSA以外にも、短波赤外蛍光剤とミセルを形成する成分であれば、BSAの併用と同様の上記の効果が期待される。このような観点から、BSA以外の同様の他の成分の例には、ヒトの血清アルブミン(HSA)、レシチンなどのリン脂質および長鎖脂肪酸が含まれる。
〔用途〕
本発明の実施形態における短波赤外蛍光剤は、波長領域900nm以上の短波赤外光での生体の蛍光イメージングにおいて優れた光造影剤として機能する。生体の蛍光イメージングでは、化合物の説明で前述した範囲から、励起光の波長および蛍光の検出波長を適宜に決めることが可能である。また、励起波長および蛍光の検出波長の複数の異なる組み合わせを設定すると、短波赤外蛍光剤の生体への一回の投与によって、深さが異なる複数の生体組織または生体分子のイメージングを実施することが可能である。
本発明の実施形態における短波赤外蛍光剤は、波長領域900nm以上の短波赤外光での生体の蛍光イメージングにおいて優れた光造影剤として機能する。生体の蛍光イメージングでは、化合物の説明で前述した範囲から、励起光の波長および蛍光の検出波長を適宜に決めることが可能である。また、励起波長および蛍光の検出波長の複数の異なる組み合わせを設定すると、短波赤外蛍光剤の生体への一回の投与によって、深さが異なる複数の生体組織または生体分子のイメージングを実施することが可能である。
また、本発明の実施形態における複合体を含有する短波赤外蛍光剤は、容易に調製でき、また分子イメージング用の光造影剤として使用することが可能である。
本発明の実施形態における短波赤外蛍光剤を光造影剤として用いることにより、短波赤外光による非侵襲での、脳内血管を含む血管の造影、リンパ節の造影、がん腫瘍の高感度での検出が可能である。
また、本発明の実施形態における短波赤外蛍光剤は、例えば前述の複合体における分子識別剤に薬物成分を複合させることにより、抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate:ADC)による薬剤評価にも使用することが可能である。
生体イメージングに用いる場合の短波赤外蛍光剤の投与は、イメージングの対象に対して適切な公知の方法によって行うことが可能である。たとえば、当該短波赤外蛍光剤の投与は、イメージングしたい部分への直接投与であってもよいし、静脈注射のような生体の血管内への投与であってもよい。
〔作用効果〕
本発明の実施形態における式(1)の化合物は、臨床応用されているICGにその分子構造が類似しているICGの類縁体である。ICGは、現在、ヒトの網膜の血管造影、肝機能検査(ICG検査)などの医薬品として使われている。本実施形態の式(1)の化合物は、ICGに類似の分子構造を有しており、ICGと同様に、後述の実施例で示すように細胞毒性を実質的に有さず、また水溶液の状態で使用し得る。さらには、式(1)の化合物は、ICGと同様の手法で抗体と結合させることができるなど、従来使用されているICGと同様に、短波赤外での造影に適した形態で使用することが可能である。
本発明の実施形態における式(1)の化合物は、臨床応用されているICGにその分子構造が類似しているICGの類縁体である。ICGは、現在、ヒトの網膜の血管造影、肝機能検査(ICG検査)などの医薬品として使われている。本実施形態の式(1)の化合物は、ICGに類似の分子構造を有しており、ICGと同様に、後述の実施例で示すように細胞毒性を実質的に有さず、また水溶液の状態で使用し得る。さらには、式(1)の化合物は、ICGと同様の手法で抗体と結合させることができるなど、従来使用されているICGと同様に、短波赤外での造影に適した形態で使用することが可能である。
また、最終的な流体力学的直径が5nm未満の量子ドットは、生体から迅速かつ効率的に尿中に排泄され、体内から除去されることが知られている(例えば、「Hak Soo Choi1 et al., NATURE BIOTECHNOLOGY VOLUME 25 NUMBER 10 OCTOBER 2007」参照)。よって、本実施形態の式(1)の化合物も、生体外へ実質的に排出される十分に高い腎クリアランスを有する。このように、ICGの類縁体である式(1)の化合物は、生体に対する高い安全性を有する。
また、式(1)の化合物はスルホン基を有する。そのため、水溶性が高く、生理的緩衝液に溶解する。また、水溶性が高い有機分子であるため、生体へ導入した場合に容易に体外へ排出される。
式(1)の化合物は、近赤外領域における長波長域の波長(900nm以上)の光での励起が可能である。また、水溶液の状態で生体の蛍光イメージングに十分な短波赤外の蛍光強度を有する。短波赤外の波長領域は、生体組織による吸収、散乱が弱く、また生体組織からの自家蛍光が弱いことが知られている。したがって、式(1)の化合物は、生体におけるICGの蛍光イメージングで観察可能な部分よりもより深い部分での蛍光イメージングを実現することが可能である。
また、式(1)の化合物の励起波長がICGよりも長波長側であることから、ICGの生体における蛍光イメージングに比べて、励起光の生体組織への光吸収がより弱められる。そのため、式(1)の化合物を生体の蛍光イメージングに適用することにより、蛍光イメージングにおける生体組織への影響をより減らすことができる。
さらに、式(1)の化合物は、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル基などの反応性架橋基を有する場合では、抗体などの生体分子へ容易に結合させることが可能であり、短波赤外蛍光ラベルとしての複合体を容易に形成することが可能である。よって、分子イメージング用の光造影剤の開発が容易であり、また、短波赤外領域での非侵襲の分子イメージングが可能である。
さらには、式(1)の化合物は、励起光の露光時間を比較的短くすることが可能である。このため、式(1)の化合物を生体の蛍光イメージングに適用することにより、式(1)の化合物の蛍光およびそれによる生体組織の検出操作を効率よく行うことができる。
〔まとめ〕
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態における化合物は、前述の式(1)で表される。よって、短波赤外での生体イメージングを可能とする新規な化合物が提供される。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態における化合物は、前述の式(1)で表される。よって、短波赤外での生体イメージングを可能とする新規な化合物が提供される。
式(1)中の反応性架橋基は、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル基、マレイミド基、アルキニル基およびアジド基からなる群から選ばれる一以上の有機基を含んでもよい。この構成は、反応性架橋基が抗体などの生体由来の分子識別剤と結合して複合体を構成するにあたり、複合体を安定して収率よく得る観点からより一層効果的である。
式(1)中のnは、3または4であってよい。この構成は、十分な水溶性と短波赤外の十分な蛍光強度とを発現させる観点からより一層効果的である。
式(1)の化合物は、前述の式(2)~式(9)のいずれかで表される化合物であってよい。この構成は、短波赤外での生体イメージングおよび分子イメージングへの利用の観点から好適である。
本発明の実施形態における複合体は、本発明の実施形態の化合物における反応性架橋基の残基を介して分子識別剤と当該化合物とが結合している。当該複合体は、短波赤外での生体イメージングおよび分子イメージングに使用することができる。
当該複合体において、分子識別剤は、抗体、または、抗原結合能を有する当該抗体の断片であってよい。一例において、抗体またはその断片は、分子イメージングの対象となる生体組織に含まれる抗原に対して特異的に結合をする、抗体またはその断片である。この構成は、短波赤外による生体組織での分子イメージングを実現する観点からより一層効果的である。
本発明の実施形態における短波赤外蛍光剤は、本発明の実施形態の化合物、および、本発明の実施形態の複合体、の一方または両方を含有する。よって、当該短波赤外蛍光剤は、短波赤外による生体イメージングおよび分子イメージングに使用することができる。
本発明の実施形態における化合物の製造方法は、前述の式(1a)で表される第一の化合物を合成する第一の工程と、式(1a)中のアニリノ基を前述の式(1b)で表される構造に置き換える第二の工程と、式(1a)中のフェニルイミノ基を前述の式(1c)で表される構造に置き換える第三の工程と、を含む。よって、当該製造方法は、短波赤外での生体イメージングを可能とする新規な化合物(式(1)の化合物)を製造することができる。
本発明の実施形態における化合物の製造方法において、前述の式におけるnが3であり、Xがスルホン酸基の塩である場合では、第二の工程と第三の工程とを一度に行ってもよい。この構成は、前述の式(2)の化合物をより簡易に製造する観点、および、工数の増加による収率の低下を抑制する観点からより一層効果的である。
本発明の実施形態における化合物の製造方法において、前述の式におけるnが4であり、Xがスルホン酸基の塩である場合では、第二の工程の後に第三の工程を行ってよい。この構成は、前述の式(3)の化合物の製造において、第三の工程における式(1a)中のフェニルイミノ基の置き換えの収率を高める観点からより一層効果的である。
本発明の実施形態における化合物の製造方法において、前述の式におけるnが3であり、Xが反応性架橋基である場合では、第二の工程の後に第三の工程を行ってよい。この構成も、前述の式(4)の化合物の製造において、第三の工程における式(1a)中のフェニルイミノ基の置き換えの収率を高める観点からより一層効果的である。
本発明の実施形態における化合物の製造方法において、前述の式におけるnが4であり、Xが反応性架橋基である場合では、第二の工程の前に第三の工程を行ってよい。この構成は、前述の式(5)の化合物の製造において、式(1a)中のアニリノ基およびフェニルイミノ基のそれぞれの置き換えにおける収率を高める観点からより一層効果的である。
本発明は上述した各実施形態に限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の実施例について以下に説明する。
〔試薬の購入先および化合物の同定方法〕
下記実施例で使用する市販の溶剤および化学薬品は、シグマ アルドリッチ、東京化成工業株式会社、および富士フィルム和光純薬株式会社から購入した。
下記実施例で使用する市販の溶剤および化学薬品は、シグマ アルドリッチ、東京化成工業株式会社、および富士フィルム和光純薬株式会社から購入した。
下記実施例での合成反応は、シリカゲルプレート(0.2mm、Merck 60 F-254)での薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニターされた。下記実施例において、カラムクロマトグラフィーは、シリカゲル(Wakogel(富士フィルム和光純薬株式会社の登録商標)N60、球状、38-100μm)を使用して実施した。
下記実施例において、1H NMR(500MHz)スペクトルは、Varian-Inova-500 NMR装置(Varian社)を用いて、25°Cで測定した。測定用の溶媒には、CDCl3、CD3OD、またはDMSO-d6を用いた。化学シフト(δ)はppmで計測され、結合定数値(J)はCDCl3(δ7.27)またはCD3OD(δ3.31、4.85)、DMSO-d6(δ2.50)およびテトラメチルシランに対するヘルツ(Hz)で示している。なお、信号の多重度には、次の略語を使用している。
s=シングレット;d=ダブレット;t=トリプレット;q=クアルテット;m=多重項;dd=二重項-二重項;
s=シングレット;d=ダブレット;t=トリプレット;q=クアルテット;m=多重項;dd=二重項-二重項;
また、下記実施例において、高分解能質量スペクトルは、Q-Exactive Plus質量分析計(Thermo Fisher Scientific、マサチューセッツ、米国)によって取得された。
〔実施例1 ICG-C9の合成〕
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C9を合成した。
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C9を合成した。
[化合物1]
化合物1として、1,1,2-トリメチル-1H-ベンゾ[e]インドール(富士フィルム和光純薬)を用意した。
化合物1として、1,1,2-トリメチル-1H-ベンゾ[e]インドール(富士フィルム和光純薬)を用意した。
[化合物2]
1,1,2-トリメチル-1H-ベンゾ[e]インドール(1)(2g、9.6mmol)と1,4-ブタンスルトン(2.6g、19.1mmol)の混合物を130℃で4時間撹拌した。得られた固体を真空濾過により収集し、アセトンで完全に洗浄し、真空下で乾燥させた。こうして、化合物2を淡青色の固体(2.85g、収率86%)として得た。化合物2の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C19H23NO3Sの[M-H]+に対する
計算値:344.1344
実測値:344.131
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.37(1H,d,J=8.6Hz),8.28(1H,d,J=9.2Hz),8.19-8.21(2H,m),7.77(1H,t,J=7.3Hz),7.72(1H,t,J=7.6Hz),4.60(2H,t,J=7.8Hz),2.94(3H,s),2.51-2.53(2H,m),2.03(2H,quintet,J=7.6Hz),1.76-1.80(2H,m),1.75(6H,s)
1,1,2-トリメチル-1H-ベンゾ[e]インドール(1)(2g、9.6mmol)と1,4-ブタンスルトン(2.6g、19.1mmol)の混合物を130℃で4時間撹拌した。得られた固体を真空濾過により収集し、アセトンで完全に洗浄し、真空下で乾燥させた。こうして、化合物2を淡青色の固体(2.85g、収率86%)として得た。化合物2の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C19H23NO3Sの[M-H]+に対する
計算値:344.1344
実測値:344.131
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.37(1H,d,J=8.6Hz),8.28(1H,d,J=9.2Hz),8.19-8.21(2H,m),7.77(1H,t,J=7.3Hz),7.72(1H,t,J=7.6Hz),4.60(2H,t,J=7.8Hz),2.94(3H,s),2.51-2.53(2H,m),2.03(2H,quintet,J=7.6Hz),1.76-1.80(2H,m),1.75(6H,s)
[化合物3]
化合物3の合成スキームを以下に示す。
化合物3の合成スキームを以下に示す。
0℃でジメチルホルムアミド(10mL、130mmol)およびメタノール(0.75mL)混合溶液に、撹拌しながら不活性雰囲気下で塩化ホスホリル(8g、52mmol)を滴下して加えた。反応温度を50℃に上げ、2,4-ヘキサジエナール1(2.5g、26mmol)を滴下し、反応混合物を50℃で約4時間撹拌し、室温に冷却し、過塩素酸ナトリウム水溶液(5%水溶液)に加え、ジクロロメタン(80mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムに通して濾過した。室温で撹拌したジクロロメタン相に、アニリン(4.8g、52mmol)を滴下して加え、一晩撹拌した。得られた沈殿物を濾過により収集し、ジクロロメタンで数回洗浄した。こうして、純粋な化合物3を青色の固体として得た(6.8g、収率78%)。化合物3の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C19H18N2の[M+H]+に対する
計算値:275.1542
実測値:275.1534
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.30(2H,d,J=11.2Hz),7.65(2H,t,J=12.6Hz),7.42(4H,t,J=8.3Hz),7.31(4H,d,J=7.8Hz),7.22(2H,t,J=7.8Hz),6.49(7H,t,J=11.7Hz),6.27(2H,t,J=11.7Hz)
高分解能質量分析(m/z):分子式C19H18N2の[M+H]+に対する
計算値:275.1542
実測値:275.1534
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.30(2H,d,J=11.2Hz),7.65(2H,t,J=12.6Hz),7.42(4H,t,J=8.3Hz),7.31(4H,d,J=7.8Hz),7.22(2H,t,J=7.8Hz),6.49(7H,t,J=11.7Hz),6.27(2H,t,J=11.7Hz)
[化合物4(ICG-C9)]
室温で、化合物2(0.5g、1.45mmol)の無水酢酸(10mL)溶液と化合物3(215mg、0.69mmol)の混合溶液に、撹拌しながら酢酸ナトリウム(200mg、2.42mmol)を加えた。不活性雰囲気下で酢酸(4mL)を滴下した。混合物を120℃で1時間撹拌し、室温に冷却した。反応混合物を30mLのジエチルエーテルに移し、得られた沈殿物を2-プロパノール:水(4:1、50mL)に溶解し、さらに2-プロパノール(300mL)で希釈し、再結晶するために一晩4℃で保存した。沈殿物を遠心分離により収集し、得られた残留物を、クロロホルム/メタノール(8:2)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによってさらに精製した。こうして、化合物4であるICG-C9を褐色の固体(270mg、収率23%)として得た。化合物4の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C45H49N2O6S2の[M]+に対する
計算値:777.3026
実測値:777.3005
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.22(2H,d,J=8.3Hz),7.89-8.05(6H,m),7.76-7.80(1H,m),7.74(2H,d,J=9.3Hz),7.59-7.66(3H,m),7.42-7.50(3H,m),6.59(2H,t,J=12.7Hz),6.42-6.51(2H,m),4.18(4H,t,J=6.3Hz),1.94-2.02(4H,m),1.90(12H,s),1.71-1.85(8H,m),1.02-1.06(2H,m)
室温で、化合物2(0.5g、1.45mmol)の無水酢酸(10mL)溶液と化合物3(215mg、0.69mmol)の混合溶液に、撹拌しながら酢酸ナトリウム(200mg、2.42mmol)を加えた。不活性雰囲気下で酢酸(4mL)を滴下した。混合物を120℃で1時間撹拌し、室温に冷却した。反応混合物を30mLのジエチルエーテルに移し、得られた沈殿物を2-プロパノール:水(4:1、50mL)に溶解し、さらに2-プロパノール(300mL)で希釈し、再結晶するために一晩4℃で保存した。沈殿物を遠心分離により収集し、得られた残留物を、クロロホルム/メタノール(8:2)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによってさらに精製した。こうして、化合物4であるICG-C9を褐色の固体(270mg、収率23%)として得た。化合物4の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C45H49N2O6S2の[M]+に対する
計算値:777.3026
実測値:777.3005
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.22(2H,d,J=8.3Hz),7.89-8.05(6H,m),7.76-7.80(1H,m),7.74(2H,d,J=9.3Hz),7.59-7.66(3H,m),7.42-7.50(3H,m),6.59(2H,t,J=12.7Hz),6.42-6.51(2H,m),4.18(4H,t,J=6.3Hz),1.94-2.02(4H,m),1.90(12H,s),1.71-1.85(8H,m),1.02-1.06(2H,m)
[化合物4の細胞毒性試験]
HeLa細胞を96ウェルプレートに1ウェルあたり6×103個ずつ播種し、一晩培養した。0.1nM、1nM、10nMおよび100nMの各濃度の化合物4の水溶液を試験薬として調製し、各濃度の試験薬をウェルに添加し、HeLa細胞をさらに6、24、48時間培養した。各時間培養の後、ウェルにMTT(3-(4,5-di-methylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyltetrazolium bromide)試薬を加え、さらに2時間培養した。
HeLa細胞を96ウェルプレートに1ウェルあたり6×103個ずつ播種し、一晩培養した。0.1nM、1nM、10nMおよび100nMの各濃度の化合物4の水溶液を試験薬として調製し、各濃度の試験薬をウェルに添加し、HeLa細胞をさらに6、24、48時間培養した。各時間培養の後、ウェルにMTT(3-(4,5-di-methylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyltetrazolium bromide)試薬を加え、さらに2時間培養した。
2時間培養の後、ウェルに可溶化液を加え生細胞において生成されたホルマザンをピペッティングにより溶解させた。96ウェルプレートをシールして密閉し、37℃のインキュベーターで一晩置くことにより、ホルマザンを完全に可溶化させた。プレートリーダーにより570nm(ホルマザン色素)、650nm(バックグラウンド)を測定し、試験薬を添加していないウェルの細胞生存率を100%として各濃度の試験薬を添加したウェルの細胞生存率を求めた。結果を図1に示す。上記試験結果から、化合物4は、濃度1~100nMにおいて、6、24、48時間培養条件で細胞毒性を示さないことが明らかとなった。
〔実施例2 ICG-C11の合成〕
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C11を合成した。
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C11を合成した。
また、化合物8の合成スキームを以下に示す。
[化合物5]
不活性雰囲気下、0℃で水素化ナトリウム(鉱油中60%、833mg、20.8mmol)のテトラヒドロフランの溶液に、撹拌しながらトリエチルホスホノ酢酸(5.2g、22.1mmol)を滴下した。混合物を0℃で30分間撹拌し、次に2,4-ヘキサジエナール1(2g、20.8mmol)を滴下して加えた。反応物を室温に温め、約2時間撹拌し、塩化アンモニウムでクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮して、残留物を得た。これをヘキサン/酢酸エチル(9.5:0.5)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物5を白色固体として得た(3.25g、収率94%)。化合物5の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C10H14O2の[M+H]+に対する
計算値:167.1066
実測値:167.1068
1H NMR(CDCl3,500MHz):δ=7.31(1H,dd,J=11.3,4.4Hz),6.53(1H,dd,J=10.7,4.4Hz),6.14-6.24(2H,m),5.90-5.98(1H,m),5.86(1H,d,J=15.1Hz),4.21(2H,m),1.34(3H,d,J=6.4Hz),1.30(3H,t,J=7.5Hz)
不活性雰囲気下、0℃で水素化ナトリウム(鉱油中60%、833mg、20.8mmol)のテトラヒドロフランの溶液に、撹拌しながらトリエチルホスホノ酢酸(5.2g、22.1mmol)を滴下した。混合物を0℃で30分間撹拌し、次に2,4-ヘキサジエナール1(2g、20.8mmol)を滴下して加えた。反応物を室温に温め、約2時間撹拌し、塩化アンモニウムでクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮して、残留物を得た。これをヘキサン/酢酸エチル(9.5:0.5)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物5を白色固体として得た(3.25g、収率94%)。化合物5の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C10H14O2の[M+H]+に対する
計算値:167.1066
実測値:167.1068
1H NMR(CDCl3,500MHz):δ=7.31(1H,dd,J=11.3,4.4Hz),6.53(1H,dd,J=10.7,4.4Hz),6.14-6.24(2H,m),5.90-5.98(1H,m),5.86(1H,d,J=15.1Hz),4.21(2H,m),1.34(3H,d,J=6.4Hz),1.30(3H,t,J=7.5Hz)
[化合物6]
不活性雰囲気下、-60℃で化合物5のジクロロメタン溶液(2.5g、15mmol)を攪拌しながら、水素化ジイソブチルアルミニウム(ヘキサン中1.0M、45mL、45mmol)を滴下した。反応物を-60℃で30分間、次いで0℃で1時間撹拌した。水(10mL)をゆっくりと加え、続いて水酸化ナトリウム(15%水溶液10mL)を加えて反応をクエンチし、白色の沈殿物を得た。混合物を室温で1時間激しく撹拌し、硫酸マグネシウムを加え、混合物を、ジクロロメタンを含むセライトで濾過した。有機相を真空で濃縮して粗製物を得、これをヘキサン/酢酸エチル(8:2)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物6を白色固体として得た(1.65g、収率89%)。化合物6の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C8H10Oの[M+H-H2O]+に対する
計算値:107.0855
実測値:107.0860
1H NMR(CDCl3,500MHz):δ=6.20-6.28(2H,m),6.06-6.14(2H,m),5.71-5.83(2H,m),4.20(2H,d,J=5.8Hz),1.79(2H,d,J=6.8Hz),1.40(1H,s)
不活性雰囲気下、-60℃で化合物5のジクロロメタン溶液(2.5g、15mmol)を攪拌しながら、水素化ジイソブチルアルミニウム(ヘキサン中1.0M、45mL、45mmol)を滴下した。反応物を-60℃で30分間、次いで0℃で1時間撹拌した。水(10mL)をゆっくりと加え、続いて水酸化ナトリウム(15%水溶液10mL)を加えて反応をクエンチし、白色の沈殿物を得た。混合物を室温で1時間激しく撹拌し、硫酸マグネシウムを加え、混合物を、ジクロロメタンを含むセライトで濾過した。有機相を真空で濃縮して粗製物を得、これをヘキサン/酢酸エチル(8:2)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物6を白色固体として得た(1.65g、収率89%)。化合物6の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C8H10Oの[M+H-H2O]+に対する
計算値:107.0855
実測値:107.0860
1H NMR(CDCl3,500MHz):δ=6.20-6.28(2H,m),6.06-6.14(2H,m),5.71-5.83(2H,m),4.20(2H,d,J=5.8Hz),1.79(2H,d,J=6.8Hz),1.40(1H,s)
[化合物7]
不活性雰囲気下、室温で、化合物6(1.5g、12.1mmol)のジクロロメタン溶液(30mL)溶液に、活性化酸化マンガン(7.4g、84.7mmol)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。反応混合液を濾過し、濾液を濃縮してヘキサン/酢酸エチル(9:1)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製された粗製物を得た。こうして、化合物7を黄色の固体として得た(1.08g、収率73%)。化合物7の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C8H10Oの[M+H]+に対する
計算値:123.0804
実測値:123.0804
1H NMR(CDCl3,500MHz):δ=9.58(1H,d,J=9.8Hz),7.12(1H,dd,J=11.3,3.9Hz),6.65(1H,dd,J=10.3,4.4Hz),6.34(1H,dd,J=10.7,4.0Hz),6.21(1H,m),6.14(1H,dd,J=7.8,7.3Hz),6.05(1H,m),1.87(3H,d,J=7.8Hz)
不活性雰囲気下、室温で、化合物6(1.5g、12.1mmol)のジクロロメタン溶液(30mL)溶液に、活性化酸化マンガン(7.4g、84.7mmol)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。反応混合液を濾過し、濾液を濃縮してヘキサン/酢酸エチル(9:1)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製された粗製物を得た。こうして、化合物7を黄色の固体として得た(1.08g、収率73%)。化合物7の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C8H10Oの[M+H]+に対する
計算値:123.0804
実測値:123.0804
1H NMR(CDCl3,500MHz):δ=9.58(1H,d,J=9.8Hz),7.12(1H,dd,J=11.3,3.9Hz),6.65(1H,dd,J=10.3,4.4Hz),6.34(1H,dd,J=10.7,4.0Hz),6.21(1H,m),6.14(1H,dd,J=7.8,7.3Hz),6.05(1H,m),1.87(3H,d,J=7.8Hz)
[化合物8]
0℃でジメチルホルムアミド(3.2mL、42.5mmol)およびメタノール(0.4mL)の溶液に、撹拌しながら不活性雰囲気下で塩化ホスホリル(2.5g、16.4mmol)を滴下して加えた。反応温度を40℃に上げ、化合物7(1g、8.2mmol)のジメチルホルムアミド溶液(0.5mL)を滴下し、反応混合物を40℃で約4時間撹拌した。反応物を室温(室温)に冷却し、過塩素酸ナトリウム水溶液(20mL中1g)に加え、ジクロクロロメタン(25mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム層に通して濾過した。室温で攪拌したジクロクロロメタン相に、アニリン(1.5g、16.4mmol)を滴下し、一晩攪拌した。得られた沈殿物を濾過により収集し、ジクロロメタンで数回洗浄した。こうして、化合物8を緑色の固体として得た(1.25g、収率45%)。化合物8の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C21H20N2の[M+H]+に対する
計算値:301.1699
実測値:301.1699
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.21(2H,d,J=11.2Hz),7.52(2H,t,J=13.2Hz),7.4(4H,t,J=8.3Hz),7.367(1H,d,J=12.7Hz),7.27(4H,d,J=7.8Hz),7.18(2H,t,J=7.3Hz),6.47(2H,t,J=13.2Hz),6.26(2H,t,J=11.7Hz)
0℃でジメチルホルムアミド(3.2mL、42.5mmol)およびメタノール(0.4mL)の溶液に、撹拌しながら不活性雰囲気下で塩化ホスホリル(2.5g、16.4mmol)を滴下して加えた。反応温度を40℃に上げ、化合物7(1g、8.2mmol)のジメチルホルムアミド溶液(0.5mL)を滴下し、反応混合物を40℃で約4時間撹拌した。反応物を室温(室温)に冷却し、過塩素酸ナトリウム水溶液(20mL中1g)に加え、ジクロクロロメタン(25mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム層に通して濾過した。室温で攪拌したジクロクロロメタン相に、アニリン(1.5g、16.4mmol)を滴下し、一晩攪拌した。得られた沈殿物を濾過により収集し、ジクロロメタンで数回洗浄した。こうして、化合物8を緑色の固体として得た(1.25g、収率45%)。化合物8の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C21H20N2の[M+H]+に対する
計算値:301.1699
実測値:301.1699
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.21(2H,d,J=11.2Hz),7.52(2H,t,J=13.2Hz),7.4(4H,t,J=8.3Hz),7.367(1H,d,J=12.7Hz),7.27(4H,d,J=7.8Hz),7.18(2H,t,J=7.3Hz),6.47(2H,t,J=13.2Hz),6.26(2H,t,J=11.7Hz)
[化合物9]
室温で化合物2(250mg、0.72mmol)および酢酸ナトリウム(178mg、2.17mmol)のエタノール(10mL)溶液に、当該溶液を撹拌しながら化合物8(244mg、0.72mmol)を加えた。次に無水酢酸(0.4mL、4.34mmol)を不活性雰囲気下で滴下した。反応を30分間続け、溶媒を真空で除去した。残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物9を金褐色の固体(274mg、収率64%)として得た。化合物9の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C36H38N2O4Sの[M+H]+に対する
計算値:595.2625
実測値:595.2617
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.35(1H,d,J=7.3Hz),8.20-8.25(2H,m),8.11(1H,d,J=8.3Hz),7.86-7.94(2H,m),7.76(1H,t,J=7.3Hz),7.65(1H,t,J=7.8Hz),7.53-7.61(3H,m),7.28-7.36(3H,m),7.12(1H,d,J=14.6Hz),6.86(2H,q,J=14.1Hz),6.69(1H,t,J=11.2Hz),6.49(1H,t,J=13.6Hz),6.20(1H,t,J=11.7Hz),5.23(2H,t,J=13.7Hz),4.59(2H,t,J=7.3Hz),2.9(2H,t,J=7.3Hz),2.14(2H,quintet,J=7.8Hz),2.00(6H,s),1.89-1.98(2H,m)
室温で化合物2(250mg、0.72mmol)および酢酸ナトリウム(178mg、2.17mmol)のエタノール(10mL)溶液に、当該溶液を撹拌しながら化合物8(244mg、0.72mmol)を加えた。次に無水酢酸(0.4mL、4.34mmol)を不活性雰囲気下で滴下した。反応を30分間続け、溶媒を真空で除去した。残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物9を金褐色の固体(274mg、収率64%)として得た。化合物9の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C36H38N2O4Sの[M+H]+に対する
計算値:595.2625
実測値:595.2617
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.35(1H,d,J=7.3Hz),8.20-8.25(2H,m),8.11(1H,d,J=8.3Hz),7.86-7.94(2H,m),7.76(1H,t,J=7.3Hz),7.65(1H,t,J=7.8Hz),7.53-7.61(3H,m),7.28-7.36(3H,m),7.12(1H,d,J=14.6Hz),6.86(2H,q,J=14.1Hz),6.69(1H,t,J=11.2Hz),6.49(1H,t,J=13.6Hz),6.20(1H,t,J=11.7Hz),5.23(2H,t,J=13.7Hz),4.59(2H,t,J=7.3Hz),2.9(2H,t,J=7.3Hz),2.14(2H,quintet,J=7.8Hz),2.00(6H,s),1.89-1.98(2H,m)
[化合物10(ICG-C11)]
室温で化合物2(29mg、0.084mmol)および酢酸ナトリウム(12mg、0.139mmol)のエタノール(3mL)溶液に、当該溶液を攪拌しながら無水酢酸(9μL、0.092mmol)を加えた。エタノール(3mL)に溶解した化合物9(50mg、0.084mmol)を、不活性雰囲気下で反応混合物に加えた。混合物を60℃で1時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(7.5:2.5)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物10であるICG-C11を褐色の固体として得た(33mg、収率48%)。化合物10の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C47H51N2O6S2の[M]+に対する
計算値:803.3183
実測値:803.3221
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.21(2H,d,J=8.3Hz),8.01(4H,d,J=7.3Hz),7.81(2H,t,J=13.1Hz),7.71(2H,t,J=8.8Hz),7.61(2H,t,J=6.8Hz),7.47(2H,t,J=7.3Hz),7.34(2H,t,J=12.7Hz),7.01(1H,t,J=12.7Hz),6.48-6.57(4H,m),6.44(2H,d,J=13.6Hz),4.17(4H,t,J=6.8Hz),1.88(12H,s),1.75-1.81(12H,m)
室温で化合物2(29mg、0.084mmol)および酢酸ナトリウム(12mg、0.139mmol)のエタノール(3mL)溶液に、当該溶液を攪拌しながら無水酢酸(9μL、0.092mmol)を加えた。エタノール(3mL)に溶解した化合物9(50mg、0.084mmol)を、不活性雰囲気下で反応混合物に加えた。混合物を60℃で1時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(7.5:2.5)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物10であるICG-C11を褐色の固体として得た(33mg、収率48%)。化合物10の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C47H51N2O6S2の[M]+に対する
計算値:803.3183
実測値:803.3221
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.21(2H,d,J=8.3Hz),8.01(4H,d,J=7.3Hz),7.81(2H,t,J=13.1Hz),7.71(2H,t,J=8.8Hz),7.61(2H,t,J=6.8Hz),7.47(2H,t,J=7.3Hz),7.34(2H,t,J=12.7Hz),7.01(1H,t,J=12.7Hz),6.48-6.57(4H,m),6.44(2H,d,J=13.6Hz),4.17(4H,t,J=6.8Hz),1.88(12H,s),1.75-1.81(12H,m)
[化合物10の細胞毒性試験]
化合物4に代えて化合物10を用いて試験薬を調製する以外は、化合物4の細胞毒性試験と同様にして、HeLa細胞の培養とウェルの細胞生存率とを行った。結果を図2に示す。上記試験結果から、化合物10は、化合物4と同様に、濃度1~100nMにおいて、6、24、48時間培養条件で細胞毒性を示さないことが明らかとなった。
化合物4に代えて化合物10を用いて試験薬を調製する以外は、化合物4の細胞毒性試験と同様にして、HeLa細胞の培養とウェルの細胞生存率とを行った。結果を図2に示す。上記試験結果から、化合物10は、化合物4と同様に、濃度1~100nMにおいて、6、24、48時間培養条件で細胞毒性を示さないことが明らかとなった。
〔実施例3 ICG-C9-NHSの合成〕
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C9-NHSを合成した。
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C9-NHSを合成した。
[化合物11]
室温で化合物2(1g、2.89mmol)と酢酸ナトリウム(712mg、8.68mmol)とエタノール(25mL)の混合溶液に、当該溶液を撹拌しながら化合物3(900mg)を加えた。次に無水酢酸(1.7mL、17.37mmol)を不活性雰囲気下で滴下した。反応を30分間続け、溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物11を金褐色の固体(1.12g、収率68%)として得た。化合物11の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C34H36N2OSの[M+H]+に対する
計算値:569.2468
実測値:569.2481
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.35(1H,d,J=8.3Hz),8.22(1H,dd,J=11.25,3.4Hz),8.18(1H,d,J=8.8Hz),8.11(1H,d,J=8.3Hz),8.00-8.04(1H,m),7.93(1H,d,J=8.7Hz),7.76(1H,t,J=7.3Hz),7.56-7.67(4H,m),7.31-7.36(3H,m),7.07(1H,d,J=15.1Hz),6.95(1H,dd,J=11.3Hz,3.0Hz),6.75(1H,dd,J=11.3,3.0Hz),6.33(1H,dd,J=11.7,2.5Hz),5.30(1H,dd,J=11.7Hz,2.0Hz),4.58(2H,t,J=7.8Hz),2.90(2H,t,J=7.3Hz),2.10-2.16(2H,m),2.00(6H,s),1.98(3H,s),1.95-1.97(2H,m)
室温で化合物2(1g、2.89mmol)と酢酸ナトリウム(712mg、8.68mmol)とエタノール(25mL)の混合溶液に、当該溶液を撹拌しながら化合物3(900mg)を加えた。次に無水酢酸(1.7mL、17.37mmol)を不活性雰囲気下で滴下した。反応を30分間続け、溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物11を金褐色の固体(1.12g、収率68%)として得た。化合物11の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C34H36N2OSの[M+H]+に対する
計算値:569.2468
実測値:569.2481
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.35(1H,d,J=8.3Hz),8.22(1H,dd,J=11.25,3.4Hz),8.18(1H,d,J=8.8Hz),8.11(1H,d,J=8.3Hz),8.00-8.04(1H,m),7.93(1H,d,J=8.7Hz),7.76(1H,t,J=7.3Hz),7.56-7.67(4H,m),7.31-7.36(3H,m),7.07(1H,d,J=15.1Hz),6.95(1H,dd,J=11.3Hz,3.0Hz),6.75(1H,dd,J=11.3,3.0Hz),6.33(1H,dd,J=11.7,2.5Hz),5.30(1H,dd,J=11.7Hz,2.0Hz),4.58(2H,t,J=7.8Hz),2.90(2H,t,J=7.3Hz),2.10-2.16(2H,m),2.00(6H,s),1.98(3H,s),1.95-1.97(2H,m)
[化合物12]
化合物12の合成スキームを以下に示す。
化合物12の合成スキームを以下に示す。
1,1,2-トリメチル-1H-ベンゾ[e]インドール(化合物1)(2.5g、11.9mmol)と6-ブロモヘキサン酸(7g、35.8mmol)のアセトニトリル溶液(100mL)を90℃、不活性雰囲気下で2日間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をジクロロメタン(25mL)に溶解した。ジエチルエーテルで希釈して生成物を沈殿物として得、濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。こうして、化合物12を薄緑色の固体として得た(3.8g、収率79%)。化合物12の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C21H26NO2の[M]+に対する
計算値:324.1958
実測値:324.1949
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.38(1H,d,J=8.8Hz),8.29(1H,d,J=8.8Hz),8.22(1H,d,J=7.9Hz),8.15(1H,d,J=8.8Hz),7.78(1H,t,J=7.4Hz),7.73(1H,t,J=6.9Hz),4.57(2H,t,J=7.8Hz),2.93(3H,s),2.23(2H,t,J=7.3),1.87-1.93(2H,m),1.75(6H,s),1.54-1.60(2H,m),1.43-1.49(2H,m)
高分解能質量分析(m/z):分子式C21H26NO2の[M]+に対する
計算値:324.1958
実測値:324.1949
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.38(1H,d,J=8.8Hz),8.29(1H,d,J=8.8Hz),8.22(1H,d,J=7.9Hz),8.15(1H,d,J=8.8Hz),7.78(1H,t,J=7.4Hz),7.73(1H,t,J=6.9Hz),4.57(2H,t,J=7.8Hz),2.93(3H,s),2.23(2H,t,J=7.3),1.87-1.93(2H,m),1.75(6H,s),1.54-1.60(2H,m),1.43-1.49(2H,m)
[化合物13]
室温での化合物12(164mg、0.405mmol)と酢酸ナトリウム(55mg、0.673mmol)とエタノール(8mL)の混合溶液に、当該溶液を撹拌しながら無水酢酸(43μL、0.446mmol)を加えた。エタノール(10mL)に溶解した化合物11(230mg、0.405mmol)を、不活性雰囲気下で反応混合物に加えた。混合物を60℃で1時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(8:2)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物13を暗緑色の固体として得た(234mg、収率76%)。化合物13の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C47H52N2O5Sの[M+H]+に対する
計算値:757.3669
実測値:757.3666
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.20(2H,t,J=7.8Hz),7.85-8.00(7H,m),7.58-7.65(3H,m),7.52(1H,d,J=9.3Hz),7.34-7.48(4H,m),6.50-6.64(3H,m),6.42(1H,d,J=13.6Hz),6.25(1H,d,J=13.1Hz),4.24(2H,t,J=6.3Hz),4.16(2H,t,J=6.8Hz),3.61(1H,q,t,J=6.8Hz),2.92(2H,t,J=6.8Hz),2.29(2H,t,J=7.3Hz),1.99-2.07(4H,m),1.86(2H,quintet,J=7.3Hz),1.71(2H,quintet,J=7.3Hz),1.53(2H,quintet,J=7.3Hz)
室温での化合物12(164mg、0.405mmol)と酢酸ナトリウム(55mg、0.673mmol)とエタノール(8mL)の混合溶液に、当該溶液を撹拌しながら無水酢酸(43μL、0.446mmol)を加えた。エタノール(10mL)に溶解した化合物11(230mg、0.405mmol)を、不活性雰囲気下で反応混合物に加えた。混合物を60℃で1時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(8:2)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物13を暗緑色の固体として得た(234mg、収率76%)。化合物13の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C47H52N2O5Sの[M+H]+に対する
計算値:757.3669
実測値:757.3666
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.20(2H,t,J=7.8Hz),7.85-8.00(7H,m),7.58-7.65(3H,m),7.52(1H,d,J=9.3Hz),7.34-7.48(4H,m),6.50-6.64(3H,m),6.42(1H,d,J=13.6Hz),6.25(1H,d,J=13.1Hz),4.24(2H,t,J=6.3Hz),4.16(2H,t,J=6.8Hz),3.61(1H,q,t,J=6.8Hz),2.92(2H,t,J=6.8Hz),2.29(2H,t,J=7.3Hz),1.99-2.07(4H,m),1.86(2H,quintet,J=7.3Hz),1.71(2H,quintet,J=7.3Hz),1.53(2H,quintet,J=7.3Hz)
[化合物14(ICG-C9-NHS)]
不活性雰囲気下、化合物13(200mg、0.264mmol)およびN-ヒドロキシコハク酸イミド(76mg、0.660mmol)のクロロホルム溶液(10mL)に、当該溶液を撹拌しながらN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(136mg、0.660mmol)のクロロホルム(1mL)溶液を滴下した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を溶出液とするカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物14であるICG-C9-NHSを暗緑色の固体(125mg、収率55%)として得た。化合物14の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C51H55N3O7Sの[M+H]+に対する
計算値:854.3833
実測値:854.3828
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.21(2H,t,J=7.3Hz),7.96(6H,m),7.62(3H,m),7.53(1H,d,J=8.8Hz),7.34-7.53(4H,m),6.50-6.65(3H,m),6.42(1H,d,J=13.6Hz),6.27(1H,d,J=13.1Hz),4.24(2H,t,J=6.3Hz),1.46(2H,t,J=7.3Hz),2.92(2H,t,J=7.3Hz),2.65-2.70(2H,m),2.00-2.07(4H,m),1.97(12H,s),1.82-1.92(6H,m),1.61-1.73(2H,m),1.39-1.45(2H,m)
不活性雰囲気下、化合物13(200mg、0.264mmol)およびN-ヒドロキシコハク酸イミド(76mg、0.660mmol)のクロロホルム溶液(10mL)に、当該溶液を撹拌しながらN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(136mg、0.660mmol)のクロロホルム(1mL)溶液を滴下した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を溶出液とするカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物14であるICG-C9-NHSを暗緑色の固体(125mg、収率55%)として得た。化合物14の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C51H55N3O7Sの[M+H]+に対する
計算値:854.3833
実測値:854.3828
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.21(2H,t,J=7.3Hz),7.96(6H,m),7.62(3H,m),7.53(1H,d,J=8.8Hz),7.34-7.53(4H,m),6.50-6.65(3H,m),6.42(1H,d,J=13.6Hz),6.27(1H,d,J=13.1Hz),4.24(2H,t,J=6.3Hz),1.46(2H,t,J=7.3Hz),2.92(2H,t,J=7.3Hz),2.65-2.70(2H,m),2.00-2.07(4H,m),1.97(12H,s),1.82-1.92(6H,m),1.61-1.73(2H,m),1.39-1.45(2H,m)
〔実施例4 ICG-C11-NHSの合成〕
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C11-NHSを合成した。
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C11-NHSを合成した。
[化合物15]
室温で化合物12(250mg、0.618mmol)と酢酸ナトリウム(101mg、1.236mmol)のエタノール(15mL)溶液に、当該溶液を撹拌しながら化合物8(208mg、0.618mmol)を加えた。次に無水酢酸(175μL、1.855mmol)を不活性雰囲気下で滴下した。反応を30分間続け、溶媒を真空で除去した。残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を溶出液とするカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物15を金褐色の固体(310mg、収率77%)として得た。化合物15の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C38H41N2O3の[M]+に対する
計算値:573.3111
実測値:573.3108
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.36(1H,d,J=8.3Hz),8.25(1H,dd,J=11.2,4.0Hz),8.19(1H,d,J=8.8Hz),8.12(1H,d,J=8.3Hz),7.89(2H,m),7.77(1H,t,J=7.3Hz),7.67(1H,t,J=7.3Hz),7.60(2H,j,J=7.4Hz),7.54(1H,t,J=7.8Hz),7.36(1H,dd,J=11.8,2.4Hz),7.30(2H,d,J=7.4Hz),7.04(1H,d,J=15.1Hz),6.79-6.90(2H,m),6.71(1H,dd,J=11.3,3.4Hz),6.50(1H,dd,J=11.3,3.0Hz),6.21(1H,dd,J=11.3,3.4Hz),5.23(1H,dd,J=11.3,3.0Hz),4.56(2H,t,J=7.3Hz),2.29(2H,t,J=7.3Hz)2.01(6H,s),1.92-1.97(5H,m),1.69(2H,quintet,J=6.8Hz),1.54(2H,quintet,J=7.3Hz)
室温で化合物12(250mg、0.618mmol)と酢酸ナトリウム(101mg、1.236mmol)のエタノール(15mL)溶液に、当該溶液を撹拌しながら化合物8(208mg、0.618mmol)を加えた。次に無水酢酸(175μL、1.855mmol)を不活性雰囲気下で滴下した。反応を30分間続け、溶媒を真空で除去した。残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を溶出液とするカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物15を金褐色の固体(310mg、収率77%)として得た。化合物15の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C38H41N2O3の[M]+に対する
計算値:573.3111
実測値:573.3108
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.36(1H,d,J=8.3Hz),8.25(1H,dd,J=11.2,4.0Hz),8.19(1H,d,J=8.8Hz),8.12(1H,d,J=8.3Hz),7.89(2H,m),7.77(1H,t,J=7.3Hz),7.67(1H,t,J=7.3Hz),7.60(2H,j,J=7.4Hz),7.54(1H,t,J=7.8Hz),7.36(1H,dd,J=11.8,2.4Hz),7.30(2H,d,J=7.4Hz),7.04(1H,d,J=15.1Hz),6.79-6.90(2H,m),6.71(1H,dd,J=11.3,3.4Hz),6.50(1H,dd,J=11.3,3.0Hz),6.21(1H,dd,J=11.3,3.4Hz),5.23(1H,dd,J=11.3,3.0Hz),4.56(2H,t,J=7.3Hz),2.29(2H,t,J=7.3Hz)2.01(6H,s),1.92-1.97(5H,m),1.69(2H,quintet,J=6.8Hz),1.54(2H,quintet,J=7.3Hz)
[化合物16]
不活性雰囲気下、0℃で化合物15(110mg、0.168mmol)とN-ヒドロキシコハク酸イミド(48mg、0.42mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に、当該溶液を撹拌しながらN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(86mg、0.42mmol)のクロロホルム(1mL)溶液を滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を、クロロホルム/メタノール(9.5:0.5)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物16を褐色の固体として得た(88mg、収率70%)。化合物16の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C42H44N3O5の[M]+に対する
計算値:670.3275
実測値:670.3272
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.36(1H,d,J=8.3Hz),8.24(1H,t,J=11.7Hz),8.18(1H,d,J=9.3Hz),8.12(1H,d,J=7.8Hz),7.87-7.89(2H,m),7.77(1H,t,J=7.3Hz),7.67(1H,t,J=7.8Hz),7.54-7.61(4H,m),7.29-7.38(3H,m),7.04(1H,d,J=14.6Hz),6.78-6.90(2H,m),6.72(1H,t,J=13.6Hz),6.50(H,t,J=11.2Hz),6.21(1H,t,J=14.1Hz),5.24(1H,t,J=11.7Hz),4.57(2H,t,J=6.3Hz),2.76-2.84(4H,m),2.01(6H,s),1.89-1.97(4H,m),1.85(2H,quintet,J=6.8Hz),1.64(2H,quintet,J=5.0Hz)
不活性雰囲気下、0℃で化合物15(110mg、0.168mmol)とN-ヒドロキシコハク酸イミド(48mg、0.42mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に、当該溶液を撹拌しながらN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(86mg、0.42mmol)のクロロホルム(1mL)溶液を滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を、クロロホルム/メタノール(9.5:0.5)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物16を褐色の固体として得た(88mg、収率70%)。化合物16の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C42H44N3O5の[M]+に対する
計算値:670.3275
実測値:670.3272
1H NMR(CD3OD,500MHz):δ=8.36(1H,d,J=8.3Hz),8.24(1H,t,J=11.7Hz),8.18(1H,d,J=9.3Hz),8.12(1H,d,J=7.8Hz),7.87-7.89(2H,m),7.77(1H,t,J=7.3Hz),7.67(1H,t,J=7.8Hz),7.54-7.61(4H,m),7.29-7.38(3H,m),7.04(1H,d,J=14.6Hz),6.78-6.90(2H,m),6.72(1H,t,J=13.6Hz),6.50(H,t,J=11.2Hz),6.21(1H,t,J=14.1Hz),5.24(1H,t,J=11.7Hz),4.57(2H,t,J=6.3Hz),2.76-2.84(4H,m),2.01(6H,s),1.89-1.97(4H,m),1.85(2H,quintet,J=6.8Hz),1.64(2H,quintet,J=5.0Hz)
[化合物17(ICG-C11-NHS)]
室温で、化合物2(55mg、0.160mmol)および酢酸ナトリウム(13mg、0.160mmol)のエタノール(3mL)溶液に、当該溶液を撹拌しながら無水酢酸(15μL、0.160mmol)を加えた。エタノール(5mL)に溶解した化合物16(80mg、0.106mmol)を、不活性雰囲気下で反応混合物に加えた。混合物を60℃で1時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物17であるICG-C11-NHSを暗緑色の固体として得た(42mg、収率45%)。化合物17の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C53H57N3O7Sの[M+H]+に対する
計算値:880.3990
実測値:880.3985
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.25(1H,d,J=8.3Hz),8.18(1H,d,J=8.8Hz),8.06(2H,t,J=8.8Hz),7.99(2H,d,J=8.8Hz),7.92(1H,t,J=12.7Hz),7.80(1H,d,J=8.8Hz),7.71(1H,t,J=12.7Hz),7.65(1H,t,J=7.3Hz),7.60(2H,t,J=8.8Hz),7.51(1H,t,J=7.8Hz),7.37-7.44(2H,m),7.27(1H,t,J=12.7Hz),7.01(1H,t,J=13.1Hz),6.45-6.64(5H,m),6.22(1H,d,J=13.7Hz),4.25(2H,t,J=6.8Hz),4.09(2H,t,J=7.3Hz),2.80(4H,s),2.68(2H,t,J=6.8Hz),1.90(6H,s),1.88(6H,s),1.82-1.86(3H,m),1.68-1.79(7H,m),1.50(2H,quintet,J=7.3Hz),1.40(2H,quintet,J=6.8Hz)
室温で、化合物2(55mg、0.160mmol)および酢酸ナトリウム(13mg、0.160mmol)のエタノール(3mL)溶液に、当該溶液を撹拌しながら無水酢酸(15μL、0.160mmol)を加えた。エタノール(5mL)に溶解した化合物16(80mg、0.106mmol)を、不活性雰囲気下で反応混合物に加えた。混合物を60℃で1時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を溶出液としてカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物17であるICG-C11-NHSを暗緑色の固体として得た(42mg、収率45%)。化合物17の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C53H57N3O7Sの[M+H]+に対する
計算値:880.3990
実測値:880.3985
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.25(1H,d,J=8.3Hz),8.18(1H,d,J=8.8Hz),8.06(2H,t,J=8.8Hz),7.99(2H,d,J=8.8Hz),7.92(1H,t,J=12.7Hz),7.80(1H,d,J=8.8Hz),7.71(1H,t,J=12.7Hz),7.65(1H,t,J=7.3Hz),7.60(2H,t,J=8.8Hz),7.51(1H,t,J=7.8Hz),7.37-7.44(2H,m),7.27(1H,t,J=12.7Hz),7.01(1H,t,J=13.1Hz),6.45-6.64(5H,m),6.22(1H,d,J=13.7Hz),4.25(2H,t,J=6.8Hz),4.09(2H,t,J=7.3Hz),2.80(4H,s),2.68(2H,t,J=6.8Hz),1.90(6H,s),1.88(6H,s),1.82-1.86(3H,m),1.68-1.79(7H,m),1.50(2H,quintet,J=7.3Hz),1.40(2H,quintet,J=6.8Hz)
[ICG-C11-NHSの他の合成方法]
なお、ICG-C11-NHSは、以下に示す合成スキームにしたがっても合成することが可能である。以下、ICG-C11-NHSの他の合成法を具体的に説明する。
なお、ICG-C11-NHSは、以下に示す合成スキームにしたがっても合成することが可能である。以下、ICG-C11-NHSの他の合成法を具体的に説明する。
[化合物18]
室温で化合物2(175mg、0.505ミリモル)および酢酸ナトリウム(21mg、0.838ミリモル)のエタノール(10mL)溶液に、無水酢酸(53μL、0.555ミリモル)を加えた。次に、エタノール(10mL)に溶解した化合物15(330mg、0.505mmol)を、不活性雰囲気下で上記反応混合物に加え、混合物を60℃で約1.5時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(8:2)を溶出液とするカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物18を暗褐色の固体として得た(127mg、64%)。化合物18の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C49H54N2O5Sの[M+H]+に対する
計算値:783.3826
実測値:783.3817
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.25(1H,d,J=8.8Hz),8.19(1H,d,J=8.8Hz),8.06(2H,t,J=8.3Hz),8.00(2H,d,J=8.8Hz),7.92(1H,t,J=12.7Hz),7.80(1H,d,J=8.8Hz),7.71(1H,t,J=12.7Hz),7.65(1H,t,J=7.3Hz),7.60(2H,t,J=8.8Hz),7.51(1H,t,J=7.3Hz),7.37-7.44(2H,m),7.27(1H,t,J=12.7Hz),7.01(1H,t,J=12.7Hz),6.45-6.63(5H,m),6.22(1H,d,J=13.1Hz),4.24(2H,t,J=6.3Hz),4.09(2H,t,J=6.8Hz),2.14(2H,t,J=6.8Hz),1.90(6H,s),1.88(6H,s),1.82-1.84(2H,m),1.68-1.79(4H,m),1.55(2H,quintet,J=7.3Hz),1.40(2H,quintet,J=6.8Hz)
室温で化合物2(175mg、0.505ミリモル)および酢酸ナトリウム(21mg、0.838ミリモル)のエタノール(10mL)溶液に、無水酢酸(53μL、0.555ミリモル)を加えた。次に、エタノール(10mL)に溶解した化合物15(330mg、0.505mmol)を、不活性雰囲気下で上記反応混合物に加え、混合物を60℃で約1.5時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(8:2)を溶出液とするカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、化合物18を暗褐色の固体として得た(127mg、64%)。化合物18の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/z):分子式C49H54N2O5Sの[M+H]+に対する
計算値:783.3826
実測値:783.3817
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.25(1H,d,J=8.8Hz),8.19(1H,d,J=8.8Hz),8.06(2H,t,J=8.3Hz),8.00(2H,d,J=8.8Hz),7.92(1H,t,J=12.7Hz),7.80(1H,d,J=8.8Hz),7.71(1H,t,J=12.7Hz),7.65(1H,t,J=7.3Hz),7.60(2H,t,J=8.8Hz),7.51(1H,t,J=7.3Hz),7.37-7.44(2H,m),7.27(1H,t,J=12.7Hz),7.01(1H,t,J=12.7Hz),6.45-6.63(5H,m),6.22(1H,d,J=13.1Hz),4.24(2H,t,J=6.3Hz),4.09(2H,t,J=6.8Hz),2.14(2H,t,J=6.8Hz),1.90(6H,s),1.88(6H,s),1.82-1.84(2H,m),1.68-1.79(4H,m),1.55(2H,quintet,J=7.3Hz),1.40(2H,quintet,J=6.8Hz)
[化合物17(ICG-C11-NHS)]
不活性雰囲気下0°Cで化合物18(53mg、0.0677mmol)およびN-ヒドロキシコハク酸イミド(20mg、0.169mmol)のクロロホルム(8mL)溶液に、当該溶液を攪拌しながら、N,N‘-ジシクロヘキシルカルボジイミド(35mg、0.169mmol)のクロロホルム(1mL)溶液を滴下し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を、クロロホルム/メタノール(9:1)を溶出液とするカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、ICG-C11-NHS(化合物17)を暗褐色の固体として得た(31mg、52%)。得られた化合物17の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果は、前述の通りである。
不活性雰囲気下0°Cで化合物18(53mg、0.0677mmol)およびN-ヒドロキシコハク酸イミド(20mg、0.169mmol)のクロロホルム(8mL)溶液に、当該溶液を攪拌しながら、N,N‘-ジシクロヘキシルカルボジイミド(35mg、0.169mmol)のクロロホルム(1mL)溶液を滴下し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を、クロロホルム/メタノール(9:1)を溶出液とするカラムクロマトグラフィーによって精製した。こうして、ICG-C11-NHS(化合物17)を暗褐色の固体として得た(31mg、52%)。得られた化合物17の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果は、前述の通りである。
〔実施例5 ICG-C9-マレイミドの合成〕
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C9-マレイミドを合成した。
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C9-マレイミドを合成した。
[化合物19]
不活性雰囲気下、室温でジクロロメタン(10mL)中の化合物13(60mg、0.079ミリモル)の撹拌溶液に、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU)(75mg、0.198ミリモル)、N、N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(31mg、0.237ミリモル)、1-(2-アミノエチル)マレイミド塩酸塩(21mg、0.119mmol)を加えた。反応混合物を室温で約4~5時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、暗褐色の固体として化合物19を得た(45mg、64%)。化合物19の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析 (m/s): 分子式C53H58N4O6Sの[M+H]+に対する
計算値:879.4149
実測値:879.4121
1H NMR (DMSO-d6,500MHz):δ=8.56(1H,d,J=3.4Hz),8.36(1H,d,J=8.3Hz),8.22(2H,dd,J=17.5,8.3Hz),7.99-8.06(4H,m),7.85-7.88(2H,m),7.78(1H,d,J=8.8Hz),7.59-7.65(3H,m),7.43-7.51(3H,m),7.34-7.37(1H,m),6.46-6.64(4H,m),6.31(1H,d,J=13.2Hz),4.22(2H,t,J=6.3Hz),4.12(2H,t,J=6.8Hz),3.58(1H,s),3.38(2H,t,J=5.8Hz),3.15(2H,t,J=5.3Hz),1.98(2H,t,J=4.9Hz),1.90(6H,s),1.89(6H,s),1.84(2H,q,J=7.3Hz),1.77(2H,q,J=6.8Hz),1.69(2H,quintet,J=7.3Hz),1.51(2H,quintet,J=7.3Hz),1.34(2H,quintet,J=7.3Hz)
不活性雰囲気下、室温でジクロロメタン(10mL)中の化合物13(60mg、0.079ミリモル)の撹拌溶液に、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU)(75mg、0.198ミリモル)、N、N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(31mg、0.237ミリモル)、1-(2-アミノエチル)マレイミド塩酸塩(21mg、0.119mmol)を加えた。反応混合物を室温で約4~5時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、暗褐色の固体として化合物19を得た(45mg、64%)。化合物19の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析 (m/s): 分子式C53H58N4O6Sの[M+H]+に対する
計算値:879.4149
実測値:879.4121
1H NMR (DMSO-d6,500MHz):δ=8.56(1H,d,J=3.4Hz),8.36(1H,d,J=8.3Hz),8.22(2H,dd,J=17.5,8.3Hz),7.99-8.06(4H,m),7.85-7.88(2H,m),7.78(1H,d,J=8.8Hz),7.59-7.65(3H,m),7.43-7.51(3H,m),7.34-7.37(1H,m),6.46-6.64(4H,m),6.31(1H,d,J=13.2Hz),4.22(2H,t,J=6.3Hz),4.12(2H,t,J=6.8Hz),3.58(1H,s),3.38(2H,t,J=5.8Hz),3.15(2H,t,J=5.3Hz),1.98(2H,t,J=4.9Hz),1.90(6H,s),1.89(6H,s),1.84(2H,q,J=7.3Hz),1.77(2H,q,J=6.8Hz),1.69(2H,quintet,J=7.3Hz),1.51(2H,quintet,J=7.3Hz),1.34(2H,quintet,J=7.3Hz)
〔実施例6 ICG-C9-アルキンの合成〕
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C9-アルキンを合成した。
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C9-アルキンを合成した。
[化合物20]
不活性雰囲気下、室温でCH2Cl2(10mL)中の化合物13(60mg、0.079ミリモル)の撹拌溶液に、HATU(75mg、0.198ミリモル)、DIPEA(31mg、0.238ミリモル)、プロパルギルアミン(9mg、0.159ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で約4~5時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、暗褐色の固体として化合物20を得た(43mg、68%)。化合物20の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/s):分子式C53H58N4O6Sの[M+H]+に対する
計算値:793.3907
実測値:793.3790
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.68(1H,d,J=4.3Hz),8.48(1H,d,J=8.3Hz),8.19-8.24(3H,m),8.00-8.06(4H,m),7.88(1H,t,J=13.2),7.78(1H,d,J=8.8Hz),7.60-7.65(3H,m),7.44-7.51(3H,m),6.50-6.64(3H,m),6.31(1H,d,J=13.6Hz),4.22(2H,t,J=6.3Hz),4.13(2H,t,J=6.8Hz),3.80-3.82(2H,m),3.06(1H,s),2.08(2H,t,J=7.3Hz),1.90(6H,s),1.89(6H,s),1.84(2H,q,J=6.8Hz),1.68-1.79(4H,m),1.56(2H,quintet,J=7.3Hz),1.38(2H,quintet,J=6.8Hz),1.22-1.25(2H,m)
不活性雰囲気下、室温でCH2Cl2(10mL)中の化合物13(60mg、0.079ミリモル)の撹拌溶液に、HATU(75mg、0.198ミリモル)、DIPEA(31mg、0.238ミリモル)、プロパルギルアミン(9mg、0.159ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で約4~5時間撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物をクロロホルム/メタノール(9:1)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、暗褐色の固体として化合物20を得た(43mg、68%)。化合物20の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/s):分子式C53H58N4O6Sの[M+H]+に対する
計算値:793.3907
実測値:793.3790
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.68(1H,d,J=4.3Hz),8.48(1H,d,J=8.3Hz),8.19-8.24(3H,m),8.00-8.06(4H,m),7.88(1H,t,J=13.2),7.78(1H,d,J=8.8Hz),7.60-7.65(3H,m),7.44-7.51(3H,m),6.50-6.64(3H,m),6.31(1H,d,J=13.6Hz),4.22(2H,t,J=6.3Hz),4.13(2H,t,J=6.8Hz),3.80-3.82(2H,m),3.06(1H,s),2.08(2H,t,J=7.3Hz),1.90(6H,s),1.89(6H,s),1.84(2H,q,J=6.8Hz),1.68-1.79(4H,m),1.56(2H,quintet,J=7.3Hz),1.38(2H,quintet,J=6.8Hz),1.22-1.25(2H,m)
〔実施例7 ICG-C11-マレイミドの合成〕
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C11-マレイミドを合成した。
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C11-マレイミドを合成した。
[化合物21]
不活性雰囲気下、室温でジクロロメタン(10mL)中の化合物18(50mg、0.064ミリモル)の撹拌溶液に、HATU(60mg、0.160ミリモル)、DIPEA(25mg、0.192ミリモル)、1-(2-アミノエチル)マレイミド塩酸塩(17mg、0.10mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を、クロロホルム/メタノール(9:1)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、暗緑色の固体として化合物21を得た(32mg、55%)。化合物21の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/s):分子式C53H58N4O6Sの[M+H]+に対する
計算値:905.4306
実測値:905.4295
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.94(2H,s),8.24(1H,d,J=8.3Hz),8.18(1H,d,J=8.8Hz),8.05(2H,t,J=8.3Hz),7.97-8.00(2H,m),7.87-7.90(2H,m),7.79(1H,d,J=8.8Hz),7.57-7.75(5H,m),7.50(1H,t,J=7.3Hz),7.36-7.44(2H,m),7.28(1H,t,J=12.7Hz),6.98(2H,s),6.46-6.62(4H,m),6.25(1H,d,J=13.7Hz),4.23(2H,t,J=7.3Hz),4.09(2H,t,J=5.3Hz),3.38(2H,t,J=5.8Hz),3.11-3.15(2H,m),1.97(2H,t,J=7.3Hz),1.89(6H,s),1.87(6H,s),1.81-1.86(2H,m),1.76(2H,quintet,J=6.8Hz),1.68(2H,quintet,J=6.8Hz),1.50(2H,quintet,J=7.3Hz),1.32-1.37(2H,m)
不活性雰囲気下、室温でジクロロメタン(10mL)中の化合物18(50mg、0.064ミリモル)の撹拌溶液に、HATU(60mg、0.160ミリモル)、DIPEA(25mg、0.192ミリモル)、1-(2-アミノエチル)マレイミド塩酸塩(17mg、0.10mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を、クロロホルム/メタノール(9:1)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、暗緑色の固体として化合物21を得た(32mg、55%)。化合物21の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/s):分子式C53H58N4O6Sの[M+H]+に対する
計算値:905.4306
実測値:905.4295
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.94(2H,s),8.24(1H,d,J=8.3Hz),8.18(1H,d,J=8.8Hz),8.05(2H,t,J=8.3Hz),7.97-8.00(2H,m),7.87-7.90(2H,m),7.79(1H,d,J=8.8Hz),7.57-7.75(5H,m),7.50(1H,t,J=7.3Hz),7.36-7.44(2H,m),7.28(1H,t,J=12.7Hz),6.98(2H,s),6.46-6.62(4H,m),6.25(1H,d,J=13.7Hz),4.23(2H,t,J=7.3Hz),4.09(2H,t,J=5.3Hz),3.38(2H,t,J=5.8Hz),3.11-3.15(2H,m),1.97(2H,t,J=7.3Hz),1.89(6H,s),1.87(6H,s),1.81-1.86(2H,m),1.76(2H,quintet,J=6.8Hz),1.68(2H,quintet,J=6.8Hz),1.50(2H,quintet,J=7.3Hz),1.32-1.37(2H,m)
〔実施例8 ICG-C11-アルキンの合成〕
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C11-アルキンを合成した。
以下に示す合成スキームにしたがって、本発明の化合物であるICG-C11-アルキンを合成した。
[化合物22]
不活性雰囲気下、室温でジクロロメタン(10mL)中の化合物18(50mg、0.064ミリモル)の撹拌溶液に、HATU(61mg、0.160ミリモル)、DIPEA(25mg、0.192ミリモル)、プロパルギルアミン(7mg、0.128mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を、クロロホルム/メタノール(9:1)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、暗緑色の固体として化合物22得た(30mg、58%)。化合物22の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/s):分子式C53H58N4O6Sの[M+H]+に対する
計算値:920.4142
実測値:920.4130
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.17-8.24(3H,m),8.05(2H,t,J=7.8Hz),8.00(2H,d,J=8.3Hz),7.90(1H,t,J=13.2Hz),7.70-7.79(2H,m),7.58-7.66(3H,m),7.50(1H,t,J=7.3Hz),7.43(1H,t,J=7.3Hz),7.28(1H,t,J=13.2Hz),7.01(1H,t,J=12.7),6.46-6.62(4H,m),6.24(1H,d,J=13.2Hz),4.23(2H,t,J=6.8Hz),4.09(2H,t,J=5.3Hz),3.80-3.82(2H,m),3.06(1H,s),2.91(2H,s),2.08(2H,t,J=7.3Hz),1.89(6H,s),1.87(6H,s),1.81-1.84(2H,m),1.76(2H,quintet,J=7.3Hz),1.70(2H,quintet,J=6.8Hz),1.37(2H,quintet,J=6.8Hz)
不活性雰囲気下、室温でジクロロメタン(10mL)中の化合物18(50mg、0.064ミリモル)の撹拌溶液に、HATU(61mg、0.160ミリモル)、DIPEA(25mg、0.192ミリモル)、プロパルギルアミン(7mg、0.128mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を、クロロホルム/メタノール(9:1)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、暗緑色の固体として化合物22得た(30mg、58%)。化合物22の質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)の分析結果を以下に示す。
高分解能質量分析(m/s):分子式C53H58N4O6Sの[M+H]+に対する
計算値:920.4142
実測値:920.4130
1H NMR(DMSO-d6,500MHz):δ=8.17-8.24(3H,m),8.05(2H,t,J=7.8Hz),8.00(2H,d,J=8.3Hz),7.90(1H,t,J=13.2Hz),7.70-7.79(2H,m),7.58-7.66(3H,m),7.50(1H,t,J=7.3Hz),7.43(1H,t,J=7.3Hz),7.28(1H,t,J=13.2Hz),7.01(1H,t,J=12.7),6.46-6.62(4H,m),6.24(1H,d,J=13.2Hz),4.23(2H,t,J=6.8Hz),4.09(2H,t,J=5.3Hz),3.80-3.82(2H,m),3.06(1H,s),2.91(2H,s),2.08(2H,t,J=7.3Hz),1.89(6H,s),1.87(6H,s),1.81-1.84(2H,m),1.76(2H,quintet,J=7.3Hz),1.70(2H,quintet,J=6.8Hz),1.37(2H,quintet,J=6.8Hz)
〔実施例9、10〕
[短波赤外蛍光剤1、2の調製]
化合物4(ICG-C9)の1mgを1mLのジメチルスルホキシド(富士フィルム和光純薬株式会社)に溶解する。次に、この溶液の0.1mLを重量比1%の牛血清アルブミン(シグマ アルドリッチ)0.9mLに加える。この溶液1mLを蒸留水で透析(スペクトラム透析、MWCO:50kDa)した。こうして、血管、およびリンパ節の造影用の蛍光プローブ水溶液(1mg/mL、1%牛血清アルブミン)を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤1とする。
[短波赤外蛍光剤1、2の調製]
化合物4(ICG-C9)の1mgを1mLのジメチルスルホキシド(富士フィルム和光純薬株式会社)に溶解する。次に、この溶液の0.1mLを重量比1%の牛血清アルブミン(シグマ アルドリッチ)0.9mLに加える。この溶液1mLを蒸留水で透析(スペクトラム透析、MWCO:50kDa)した。こうして、血管、およびリンパ節の造影用の蛍光プローブ水溶液(1mg/mL、1%牛血清アルブミン)を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤1とする。
また、化合物4に代えて化合物10(ICG-C11)を用いる以外は、短波赤外蛍光剤1と同様にして、短波赤外蛍光剤2を調製した。
[短波赤外蛍光剤1、2による血管およびリンパ節の造影]
<マウスの下肢部および腹部の血管の造影>
ヘアレスマウス(オス5週齢、Hos:HR-1、日本エスエルシー株式会社)をイソフルラン(富士フィルム和光純薬株式会社)の麻酔下で、その尾静脈から0.2mLの短波赤外蛍光剤1を注入した。その後、ヘアレスマウスの下肢部および腹部の血管の短波赤外での蛍光イメージングを行った。
<マウスの下肢部および腹部の血管の造影>
ヘアレスマウス(オス5週齢、Hos:HR-1、日本エスエルシー株式会社)をイソフルラン(富士フィルム和光純薬株式会社)の麻酔下で、その尾静脈から0.2mLの短波赤外蛍光剤1を注入した。その後、ヘアレスマウスの下肢部および腹部の血管の短波赤外での蛍光イメージングを行った。
また、短波赤外蛍光剤1に代えて短波赤外蛍光剤2を用いる以外は、短波赤外蛍光剤1による短波赤外での蛍光イメージングと同様にして、ヘアレスマウスの下肢部および腹部の血管の短波赤外での蛍光イメージングを行った。浜松ホトニクス株式会社製、冷却InGaAs短波赤外カメラ(C10633-34、ペルチェ冷却+水冷 -70°C、暗電流132electrons/pixel/s)を使用して蛍光画像を撮影した。
短波赤外蛍光剤1による短波赤外での蛍光イメージングでは、励起波長は905nm、蛍光検出波長は1000nmであった。短波赤外蛍光剤2による短波赤外での蛍光イメージングでは、励起波長は975nm、蛍光検出波長は1100nmであった。いずれの短波赤外での蛍光イメージングにおいても、励起光の強度は、20~40mW/cm2であり、露光時間は5~10秒間であった。
へアレスマウスの下肢部および腹部における明視野画像と、短波赤外蛍光剤1による短波赤外蛍光画像を表す写真を図3に示す。また、へアレスマウスの下肢部および腹部における明視野画像と、短波赤外蛍光剤2による短波赤外蛍光画像を表す写真を図4に示す。図3、図4に示されるように、短波赤外蛍光剤1、短波赤外蛍光剤2は、いずれも、肢部および腹部における血管の短波赤外光の明瞭な像を形成することができる。より詳しくは、短波赤外蛍光剤1、短波赤外蛍光剤2による短波赤外蛍光画像は、いずれも、蛍光シグナルの強度が強く、かつ画像のにじみが少なく、鮮明である。このように、短波赤外蛍光剤1および短波赤外蛍光剤2によって、実用可能のみならず実用上優れた短波赤外での生体の蛍光イメージングが実現される。
<マウスの脳血管の造影>
ヘアレスマウス(オス5週齢、Hos:HR-1、日本エスエルシー株式会社)をイソフルラン(富士フィルム和光純薬株式会社)の麻酔下で、その尾静脈から0.2mLの短波赤外蛍光剤1を注入した。その後、ヘアレスマウスの脳血管の短波赤外での蛍光イメージングを行った。蛍光画像の撮影は、浜松ホトニクス株式会社製、冷却InGaAs短波赤外カメラ(C10633-34、ペルチェ冷却+水冷 -70℃、暗電流132electrons/pixel/s)を使用した。
ヘアレスマウス(オス5週齢、Hos:HR-1、日本エスエルシー株式会社)をイソフルラン(富士フィルム和光純薬株式会社)の麻酔下で、その尾静脈から0.2mLの短波赤外蛍光剤1を注入した。その後、ヘアレスマウスの脳血管の短波赤外での蛍光イメージングを行った。蛍光画像の撮影は、浜松ホトニクス株式会社製、冷却InGaAs短波赤外カメラ(C10633-34、ペルチェ冷却+水冷 -70℃、暗電流132electrons/pixel/s)を使用した。
また、短波赤外蛍光剤1に代えて短波赤外蛍光剤2を用いる以外は、短波赤外蛍光剤1による短波赤外での蛍光イメージングと同様にして、ヘアレスマウスの脳血管の短波赤外での蛍光イメージングを行った。
さらに、比較のため、短波赤外蛍光剤1に代えて短波赤外蛍光剤C1を用いる以外は、短波赤外蛍光剤1による短波赤外での蛍光イメージングと同様にして、ヘアレスマウスの脳血管の短波赤外での蛍光イメージングを行った。短波赤外蛍光剤C1は、化合物4に代えてICGを用いる以外は短波赤外蛍光剤1と同様に調整された蛍光剤である。
短波赤外蛍光剤1による短波赤外での蛍光イメージングでは、励起波長は905nmであり、蛍光検出波長は1000nmであった。また、励起光の強度は10mW/cm2であり、露光時間は1秒間であった。
短波赤外蛍光剤2による短波赤外での蛍光イメージングでは、励起波長は975nmであり、蛍光検出波長は1100nmであった。励起光の強度は20~40mW/cm2であり、露光時間は1~2.5秒間であった。
短波赤外蛍光剤C1による短波赤外での蛍光イメージングでは、励起波長は758nmであり、蛍光検出波長は900nmであった。また、励起光の強度は、5mW/cm2であり、露光時間は1秒間であった。
へアレスマウスの頭頂部における明視野画像と、短波赤外蛍光剤C1、1、2による短波赤外蛍光画像を表す写真を図5に示す。図5に示されるように、短波赤外蛍光剤1、2は、ICGを含有する短波赤外蛍光剤C1に比べて、ヘアレスマウスの脳血管の短波赤外光の外部から観察可能な像を、明確に、また脳血管の細部まで形成することができる。
〔実施例11、12〕
[短波赤外蛍光剤3、4の調製]
短波赤外蛍光剤3、4をそれぞれ調製した。短波赤外蛍光剤3は、化合物14(ICG-C9-NHS)が反応性架橋基の残基であるカルボニル基を含むアミド基を介して牛血清アルブミン(BSA)と結合しており、短波赤外蛍光剤4は、化合物17(ICG-C11-NHS)が当該アミド基を介してBSAと結合している。短波赤外蛍光剤3、4の調製スキームを以下に示す。
[短波赤外蛍光剤3、4の調製]
短波赤外蛍光剤3、4をそれぞれ調製した。短波赤外蛍光剤3は、化合物14(ICG-C9-NHS)が反応性架橋基の残基であるカルボニル基を含むアミド基を介して牛血清アルブミン(BSA)と結合しており、短波赤外蛍光剤4は、化合物17(ICG-C11-NHS)が当該アミド基を介してBSAと結合している。短波赤外蛍光剤3、4の調製スキームを以下に示す。
牛血清アルブミン(BSA)の5mgを10mMの炭酸ナトリウム溶液1mLに溶解し、化合物14のジメチルスルホキシド溶液(1mg/mL)の0.1mLを反応させた。こうして、BSAが結合した化合物14(ICG-C9-BSA)を得た。精製は、生理的リン酸緩衝液(PBS)を溶出液としてゲル濾過カラム(PD10,GE Healthcare)によって行った。ICG-C9-BSAを1mg/mLの濃度となるようにPBSに溶解させた。得られた水溶液を短波赤外蛍光剤3とする。
また、化合物14に代えて化合物17を用いる以外は、短波赤外蛍光剤3と同様にして、短波赤外蛍光剤4を調製した。
[短波赤外蛍光剤3、4による血管およびリンパ節の造影]
<マウスの下肢部および腹部の血管の造影>
短波赤外蛍光剤1に代えて短波赤外蛍光剤3または短波赤外蛍光剤4を用いる以外は実施例5と同様にして、ヘアレスマウスの下肢部および腹部の血管の短波赤外での蛍光イメージングを行った。
<マウスの下肢部および腹部の血管の造影>
短波赤外蛍光剤1に代えて短波赤外蛍光剤3または短波赤外蛍光剤4を用いる以外は実施例5と同様にして、ヘアレスマウスの下肢部および腹部の血管の短波赤外での蛍光イメージングを行った。
短波赤外蛍光剤3による短波赤外での蛍光イメージングでは、励起波長は905nmであり、蛍光検出波長は1000nmであった。また、励起光の強度は10mW/cm2であり、露光時間は5秒間であった。へアレスマウスの下肢部および腹部の明視野画像と、短波赤外蛍光剤3による短波赤外蛍光画像を表す写真を図6に示す。
短波赤外蛍光剤4による短波赤外での蛍光イメージングでは、励起波長は975nmであり、蛍光検出波長は1100nmであった。また、励起光の強度は20~40mW/cm2であり、露光時間は5~15秒間であった。へアレスマウスの下肢部および腹部の明視野画像と、短波赤外蛍光剤4による短波赤外蛍光画像を表す写真を図7に示す。
図6、図7に示されるように、短波赤外蛍光剤3、短波赤外蛍光剤4も、短波赤外蛍光剤1、短波赤外蛍光剤2と同様に、下肢部および腹部における血管の短波赤外光の明瞭な像を形成することができる。
<マウスの脳血管の造影>
短波赤外蛍光剤1に代えて短波赤外蛍光剤3または短波赤外蛍光剤4を用いる以外は実施例5と同様にして、ヘアレスマウスの脳血管の短波赤外での蛍光イメージングを行った。
短波赤外蛍光剤1に代えて短波赤外蛍光剤3または短波赤外蛍光剤4を用いる以外は実施例5と同様にして、ヘアレスマウスの脳血管の短波赤外での蛍光イメージングを行った。
さらに、比較のため、短波赤外蛍光剤1に代えて短波赤外蛍光剤C2を用いる以外は実施例5と同様にして、ヘアレスマウスの脳血管の短波赤外での蛍光イメージングを行った。短波赤外蛍光剤C2は、化合物14に代えてICG-NHSを用いる以外は短波赤外蛍光剤1と同様に調整された蛍光剤である。ICG-NHSは、五稜化薬株式会社から購入することができる。
短波赤外蛍光剤3による短波赤外での蛍光イメージングでは、励起波長は905nmであり、蛍光検出波長は1000nmであった。また、励起光の強度は10mW/cm2であり、露光時間は7.5秒間であった。
短波赤外蛍光剤4による短波赤外での蛍光イメージングでは、励起波長は975nmであり、蛍光検出波長は1100nmであった。また、励起光の強度は20~40mW/cm2であり、露光時間は1秒間であった。
短波赤外蛍光剤C2による短波赤外での蛍光イメージングでは、励起波長は758nmであり、蛍光検出波長は900nmであった。また、励起光の強度は5mW/cm2であり、露光時間は20秒間であった。
へアレスマウスの頭頂部における明視野画像と、短波赤外蛍光剤C2、3、4による短波赤外蛍光画像を表す写真を図8に示す。図8に示されるように、短波赤外蛍光剤3、4も、短波赤外蛍光剤1、2と同様に、ヘアレスマウスの脳血管の短波赤外光の外部から観察可能な像を、明確に、また脳血管の細部まで形成することができる。これに対して、短波赤外蛍光剤C2による短波赤外光の像からでは、ヘアレスマウスの脳血管を外部から観察することは困難であった。
〔実施例13~15〕
[複合体1~3の調製]
複合体1、2をそれぞれ調製した。複合体1は、化合物14(ICG-C9-NHS)が反応性架橋基の残基であるカルボニル基を含むアミド基を介して抗体(Erbitux)と結合しており、複合体2は、化合物17(ICG-C11-NHS)が当該アミド基を介して抗体と結合している。複合体1、2の調製スキームを以下に示す。
[複合体1~3の調製]
複合体1、2をそれぞれ調製した。複合体1は、化合物14(ICG-C9-NHS)が反応性架橋基の残基であるカルボニル基を含むアミド基を介して抗体(Erbitux)と結合しており、複合体2は、化合物17(ICG-C11-NHS)が当該アミド基を介して抗体と結合している。複合体1、2の調製スキームを以下に示す。
抗ヒトEGFRモノクロナール抗体(Erbitux(アービタックス)、メルクセローノ株式会社)の2mgを10mMの炭酸ナトリウム溶液1mLに溶解し、化合物14のジメチルスルホキシド溶液(1mg/mL)の50μLを反応させ、化合物14がErbituxで修飾された複合体1(ICG-C9-Erbitux)を得た。精製は、ゲル濾過カラムによって行った。
また、化合物14に代えて化合物17を用いる以外は、複合体1と同様にして、化合物17がErbituxで修飾された複合体2(ICG-C11-Erbitux)を調製した。
[蛍光特性]
複合体1、2のそれぞれをPBSに溶解した水溶液の蛍光スペクトルを測定した。測定した水溶液の濃度は1mg/mLである。また、励起光の波長は、複合体1では785nm、複合体2では900nmである。複合体1、2の蛍光スペクトルを図9に示す。図9に示されるように、複合体1の蛍光の発光ピークは約950nmであり、複合体2の蛍光の発光ピークは約1100nmであった。
複合体1、2のそれぞれをPBSに溶解した水溶液の蛍光スペクトルを測定した。測定した水溶液の濃度は1mg/mLである。また、励起光の波長は、複合体1では785nm、複合体2では900nmである。複合体1、2の蛍光スペクトルを図9に示す。図9に示されるように、複合体1の蛍光の発光ピークは約950nmであり、複合体2の蛍光の発光ピークは約1100nmであった。
さらに、抗ヒトEGFRモノクロナール抗体に代えて抗体-薬物複合体(ADC)である抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体(Kadcyra(カドサイラ、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社の登録商標)、中外製薬)を用いる以外は複合体2の調製と同様にして、化合物17がKadcylaで修飾された複合体3(ICG-C11-Kadcyla)を調製した。複合体3も、複合体2と同様に、化合物17(ICG-C11-NHS)が、カルボニル基を含むアミド基を介してアミド基を介して、上記抗体-薬物複合体における抗体と結合している。複合体3の励起光の波長および蛍光ピークは、複合体2のそれと実質的に同じである。
〔実施例16~18〕
[短波赤外蛍光剤5~7の調製]
複合体1をPBSで希釈して濃度1mg/mLの複合体1の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤5とする。
[短波赤外蛍光剤5~7の調製]
複合体1をPBSで希釈して濃度1mg/mLの複合体1の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤5とする。
複合体1に代えて複合体2を用いる以外は短波赤外蛍光剤5と同様にして短波赤外蛍光剤6を調製した。また、複合体1に代えて複合体3を用いる以外は短波赤外蛍光剤5と同様にして短波赤外蛍光剤7を調製した。
[短波赤外蛍光剤5、6による乳がん腫瘍の蛍光イメージング]
<乳がんモデルマウスの作製>
5週令ヌードマウス(BALB/c Slc-nu/n、日本SLC)にヒト乳がん細胞(MDA-MB-468(ATCC)、約1.5×107個)をマウス下肢の第2乳房付近に移植した。こうして、乳がんモデルマウスとしての担がんマウスを作製した。当該マウスを2~3週間生育し、腫瘍のサイズを数ミリまで成長させた。
<乳がんモデルマウスの作製>
5週令ヌードマウス(BALB/c Slc-nu/n、日本SLC)にヒト乳がん細胞(MDA-MB-468(ATCC)、約1.5×107個)をマウス下肢の第2乳房付近に移植した。こうして、乳がんモデルマウスとしての担がんマウスを作製した。当該マウスを2~3週間生育し、腫瘍のサイズを数ミリまで成長させた。
<乳がんモデルマウスにおける乳がん腫瘍の蛍光イメージング>
上記担がんマウスをイソフルラン(富士フィルム和光純薬株式会社)の麻酔下で、その尾静脈から0.2mLの短波赤外蛍光剤5を注入した、その後、担がんマウスの乳がん腫瘍の短波赤外での蛍光イメージングをin vivoで行った。その後、担がんマウスを解剖し、担がんマウスの乳がん腫瘍および臓器(心臓、腎臓、脾臓および肝臓)を取り出した。そして、取り出した乳がん腫瘍および各臓器の短波赤外での蛍光イメージングをex vivoで行った。
上記担がんマウスをイソフルラン(富士フィルム和光純薬株式会社)の麻酔下で、その尾静脈から0.2mLの短波赤外蛍光剤5を注入した、その後、担がんマウスの乳がん腫瘍の短波赤外での蛍光イメージングをin vivoで行った。その後、担がんマウスを解剖し、担がんマウスの乳がん腫瘍および臓器(心臓、腎臓、脾臓および肝臓)を取り出した。そして、取り出した乳がん腫瘍および各臓器の短波赤外での蛍光イメージングをex vivoで行った。
短波赤外蛍光剤5による短波赤外での蛍光イメージングでは、励起波長は905nmであり、蛍光検出波長は1000nmであった。また、励起光の強度は10mW/cm2であり、露光時間は15秒間であった。in vivoでのヌードマウスにおける乳がん腫瘍の明視野画像と、短波赤外蛍光剤5による短波赤外蛍光画像とを表す写真を図10に示す。また、ex vivoでのヌードマウスの乳がん腫瘍、心臓、腎臓、脾臓および肝臓の明視野画像と、短波赤外蛍光剤5による短波赤外蛍光画像とを表す写真を図11に示す。
また、短波赤外蛍光剤5に代えて短波赤外蛍光剤6を用いる以外は、短波赤外蛍光剤5による短波赤外での蛍光イメージングと同様にして、上記のin vivoおよびex vivoでの短波赤外での蛍光イメージングを行った。
短波赤外蛍光剤6による短波赤外での蛍光イメージングでは、励起波長は975nmであり、蛍光検出波長は1100nmであった。また、励起光の強度は20~40mW/cm2であり、露光時間は15~30秒間であった。in vivoでのヌードマウスにおける乳がん腫瘍の明視野画像と、短波赤外蛍光剤6による短波赤外蛍光画像とを表す写真を図12に示す。また、ex vivoでのヌードマウスにおける乳がん腫瘍、心臓、腎臓、脾臓および肝臓の明視野画像と、短波赤外蛍光剤6による短波赤外蛍光画像とを表す写真を図13に示す。
図10、11、12および13から明らかなように、乳がん腫瘍は、複合体1または複合体2の集積により短波赤外蛍光を発している。このように、短波赤外蛍光剤5および短波赤外蛍光剤6は、いずれも、乳がん腫瘍に特異的に結合し、かつ短波赤外光の検出により乳がん腫瘍の像を形成することができることがわかる。
また、図10、11、12および13から明らかなように、心臓、腎臓、脾臓および肝臓の各臓器からも、複合体1または複合体2による短波赤外蛍光の発光が認められた。心臓および腎臓での発光は、脾臓および肝臓での発光に比べて弱い。心臓の発光が弱い理由は、血液は心臓には滞留せず通過するだけであるため、と考えられる。また、腎臓の発光が弱い理由は、腎臓に到達した複合体は尿として体外に排出されることから、脾臓および肝臓に比べて複合体の貯蔵量が少ないため、と考えられる。
[短波赤外蛍光剤7による乳がん腫瘍の蛍光イメージング]
ヒト乳がん細胞にKPL-4細胞(川崎医大からの提供、約1.5×107個)を用いる以外は前述の乳がんモデルマウスの作製と同様にして、担がんマウスを作製し、腫瘍のサイズを数ミリまで成長させた。そして、短波赤外蛍光剤6に代えて短波赤外蛍光剤7を用いる以外は同様にして、in vivoおよびex vivoによる乳がんモデルマウスにおける乳がん腫瘍の蛍光イメージングを行った。in vivoでのヌードマウスにおける乳がん腫瘍の明視野画像と、短波赤外蛍光剤7による短波赤外蛍光画像とを表す写真を図14に示す。また、ex vivoでのヌードマウスにおける乳がん腫瘍、心臓、腎臓、脾臓および肝臓の明視野画像と、短波赤外蛍光剤7による短波赤外蛍光画像とを表す写真を図15に示す。
ヒト乳がん細胞にKPL-4細胞(川崎医大からの提供、約1.5×107個)を用いる以外は前述の乳がんモデルマウスの作製と同様にして、担がんマウスを作製し、腫瘍のサイズを数ミリまで成長させた。そして、短波赤外蛍光剤6に代えて短波赤外蛍光剤7を用いる以外は同様にして、in vivoおよびex vivoによる乳がんモデルマウスにおける乳がん腫瘍の蛍光イメージングを行った。in vivoでのヌードマウスにおける乳がん腫瘍の明視野画像と、短波赤外蛍光剤7による短波赤外蛍光画像とを表す写真を図14に示す。また、ex vivoでのヌードマウスにおける乳がん腫瘍、心臓、腎臓、脾臓および肝臓の明視野画像と、短波赤外蛍光剤7による短波赤外蛍光画像とを表す写真を図15に示す。
図14および図15から明らかなように、短波赤外蛍光剤7も、短波赤外蛍光剤6と同様に、乳がん腫瘍に特異的に結合し、かつ短波赤外光の検出により乳がん腫瘍の像を形成することができることがわかる。
〔実施例19、20〕
[複合体4、5の調製]
複合体4、5をそれぞれ調製した。複合体4は、化合物19(ICG-C9-マレイミド)が反応性架橋基の残基であるスクシンイミド基を介して抗体(Herceptin)と結合しており、複合体5は、化合物21(ICG-C11-マレイミド)が当該スクシンイミド基を介して当該抗体と結合している。複合体4、5の調製スキームを以下に示す。
[複合体4、5の調製]
複合体4、5をそれぞれ調製した。複合体4は、化合物19(ICG-C9-マレイミド)が反応性架橋基の残基であるスクシンイミド基を介して抗体(Herceptin)と結合しており、複合体5は、化合物21(ICG-C11-マレイミド)が当該スクシンイミド基を介して当該抗体と結合している。複合体4、5の調製スキームを以下に示す。
抗ヒトHER2モノクロナール抗体(Herceptin(ハーセプチン)、中外製薬株式会社)の2mgを10mMの炭酸ナトリウム溶液1mLに溶解し、これに20μLのNHS-Fluorescein(Thermo Scientific社)ジメチルスルホキシド溶液(1mg/mL)を加えて、室温で1時間反応させた。次に2mgのジチオトレイトール(東京化成工業株式会社)を加え30分間放置し、PBSを溶出液としてゲル濾過により過剰のジチオトレイトールを除去した。この溶液に、50μLの化合物19(ICG-C9-マレイミド)ないしは化合物21(ICG-C11-マレイミド)のジメチルスルホキシド溶液(1mg/mL)を加え、2時間室温で反応させた。精製はゲル濾過カラムにより行い、複合体4(ICG-C9-マレイミド-Herceptin)および複合体5(ICG-C11-マレイミド-Herceptin)を得た。
〔実施例21、22〕
[複合体6、7の調製]
複合体6、7をそれぞれ調製した。複合体6は、化合物20(ICG-C9-アルキン)が反応性架橋基の残基であるトリアゾール基を介して抗体(Herceptin)と結合しており、複合体7は、化合物22(ICG-C11-アルキン)が当該トリアゾール基を介して当該抗体と結合している。複合体6、7の調製スキームを以下に示す。
[複合体6、7の調製]
複合体6、7をそれぞれ調製した。複合体6は、化合物20(ICG-C9-アルキン)が反応性架橋基の残基であるトリアゾール基を介して抗体(Herceptin)と結合しており、複合体7は、化合物22(ICG-C11-アルキン)が当該トリアゾール基を介して当該抗体と結合している。複合体6、7の調製スキームを以下に示す。
抗ヒトHER2モノクロナール抗体(Herceptin(ハーセプチン)、中外製薬株式会社)の2mgを10mMの炭酸ナトリウム溶液1mLに溶解し、これに20μLのAzido-PEG4-NHSester(東京化成工業株式会社)ジメチルスルホキシド溶液(1mg/mL)を加えて、室温で1時間反応させた。未反応のAzido-PEG4-NHSesterは、PBSを溶出液としてゲル濾過により除去し、Azido-PEG4を修飾した抗ヒトEGFRモノクロナール抗体を調整した。次に、0.5mLのPBS溶液に、10μLのトリス(3-ヒドロキシプロピルトリアゾリルメチル)アミン(3mg/mL水溶液、Sigma-Aldrich)、10μLの硫酸銅(0.5mg/mL,CuSO4・5H2O,ナカライテスク株式会社)、50μLの化合物20(ICG-C9-アルキン)ないしは化合物22(ICG-C11-アルキン)のジメチルスルホキシド溶液(1mg/mL)を加えた。さらに10μLのアスコルビン酸ナトリウム(100mg/mL,ナカライテスク株式会社)を加え1分間放置した。この溶液に、1mLのAzido-PEG4修飾抗ヒトEGFRモノクロナール抗体(2mg/mL)を加え12時間室温で反応させた。精製は遠心およびゲル濾過(PD10カラム,GE Healthcare社)により行い、複合体6(ICG-C9-アルキン-Herceptin)および複合体7(ICG-C11-アルキン-Herceptin)を得た。
〔実施例23、24〕
[短波赤外蛍光剤8、9の調製]
複合体4をPBSで希釈して濃度1mg/mLの複合体4の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤8とする。また、複合体5をPBSで希釈して濃度1mg/mLの複合体5の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤9とする。
[短波赤外蛍光剤8、9の調製]
複合体4をPBSで希釈して濃度1mg/mLの複合体4の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤8とする。また、複合体5をPBSで希釈して濃度1mg/mLの複合体5の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤9とする。
[短波赤外蛍光剤8(複合体4)および9(複合体5)による乳がんイメージング]
HER2過剰発現乳がん細胞(KPL-4)を移植したヌードマウスに、0.2mLの短波赤外蛍光剤8(1mg/mLの濃度の複合体4)および0.2mLの短波赤外蛍光剤9(1mg/mLの濃度の複合体5)を尾静脈から注入し、3日後に、担がんマウスの乳がん腫瘍の短波赤外での蛍光イメージングをin vivoで行った。蛍光画像の撮影条件は、励起波長が905nmで蛍光検出波長は1000nm以上であった。励起光の強度は、20mW/cm2で、露光時間は5秒間であった。短波赤外蛍光剤8および短波赤外蛍光剤9のそれぞれにおけるin vivoでのヌードマウスにおける乳がん腫瘍の明視野画像と短波赤外蛍光画像とを表す写真を図16に示す。この結果から、短波赤外蛍光剤8、9によっても乳がん腫瘍が明瞭に検出できることが示された。
HER2過剰発現乳がん細胞(KPL-4)を移植したヌードマウスに、0.2mLの短波赤外蛍光剤8(1mg/mLの濃度の複合体4)および0.2mLの短波赤外蛍光剤9(1mg/mLの濃度の複合体5)を尾静脈から注入し、3日後に、担がんマウスの乳がん腫瘍の短波赤外での蛍光イメージングをin vivoで行った。蛍光画像の撮影条件は、励起波長が905nmで蛍光検出波長は1000nm以上であった。励起光の強度は、20mW/cm2で、露光時間は5秒間であった。短波赤外蛍光剤8および短波赤外蛍光剤9のそれぞれにおけるin vivoでのヌードマウスにおける乳がん腫瘍の明視野画像と短波赤外蛍光画像とを表す写真を図16に示す。この結果から、短波赤外蛍光剤8、9によっても乳がん腫瘍が明瞭に検出できることが示された。
〔実施例25、26〕
[短波赤外蛍光剤10、11の調製]
複合体6をPBSで希釈して濃度1mg/mLの複合体6の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤10とする。また、複合体7をPBSで希釈して濃度1mg/mLの複合体7の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤11とする。
[短波赤外蛍光剤10、11の調製]
複合体6をPBSで希釈して濃度1mg/mLの複合体6の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤10とする。また、複合体7をPBSで希釈して濃度1mg/mLの複合体7の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤11とする。
[短波赤外蛍光剤10(複合体6)および11(複合体7)による乳がんイメージング]
HER2過剰発現乳がん細胞(KPL-4)を移植したヌードマウスに、0.2mLの短波赤外蛍光剤10(1mg/mLの濃度の複合体6)および0.2mLの短波赤外蛍光剤11(1mg/mLの濃度の複合体7)を尾静脈から注入し、3日後に担がんマウスの乳がん腫瘍の短波赤外での蛍光イメージングをin vivoで行った。蛍光画像の撮影条件は、励起波長が905nmで蛍光検出波長は1000nm以上であった。励起光の強度は、20mW/cm2で、露光時間は10秒間(短波赤外蛍光剤10)と30秒間(短波赤外蛍光剤11)であった。短波赤外蛍光剤10および短波赤外蛍光剤11のそれぞれにおけるin vivoでのヌードマウスにおける乳がん腫瘍の明視野画像と短波赤外蛍光画像とを表す写真を図17に示す。この結果から、短波赤外蛍光剤10、11によっても乳がん腫瘍が明瞭に検出できることが示された。
HER2過剰発現乳がん細胞(KPL-4)を移植したヌードマウスに、0.2mLの短波赤外蛍光剤10(1mg/mLの濃度の複合体6)および0.2mLの短波赤外蛍光剤11(1mg/mLの濃度の複合体7)を尾静脈から注入し、3日後に担がんマウスの乳がん腫瘍の短波赤外での蛍光イメージングをin vivoで行った。蛍光画像の撮影条件は、励起波長が905nmで蛍光検出波長は1000nm以上であった。励起光の強度は、20mW/cm2で、露光時間は10秒間(短波赤外蛍光剤10)と30秒間(短波赤外蛍光剤11)であった。短波赤外蛍光剤10および短波赤外蛍光剤11のそれぞれにおけるin vivoでのヌードマウスにおける乳がん腫瘍の明視野画像と短波赤外蛍光画像とを表す写真を図17に示す。この結果から、短波赤外蛍光剤10、11によっても乳がん腫瘍が明瞭に検出できることが示された。
〔実施例27、28〕
[複合体8、9の調製]
組み換えタンパク質であるアネキシンVの合成は発明者の論文(Setsuko Tsuboi and Takashi Jin, ChemBioChem 18, 2231-2235, 2017)で公表されている方法に従った。1mLのアネキシンVのPBS溶液(1mg/mL)に50μLの化合物14(ICG-C9-NHS)ないしは化合物17(ICG-C11-NHS)のジメチルスルホキシド溶液(1mg/mL)を加え、1時間反応させた。精製はゲル濾過カラムにより行い、複合体8(ICG-C9-アネキシンV)および複合体9(ICG-C11-アネキシンV)を得た。
[複合体8、9の調製]
組み換えタンパク質であるアネキシンVの合成は発明者の論文(Setsuko Tsuboi and Takashi Jin, ChemBioChem 18, 2231-2235, 2017)で公表されている方法に従った。1mLのアネキシンVのPBS溶液(1mg/mL)に50μLの化合物14(ICG-C9-NHS)ないしは化合物17(ICG-C11-NHS)のジメチルスルホキシド溶液(1mg/mL)を加え、1時間反応させた。精製はゲル濾過カラムにより行い、複合体8(ICG-C9-アネキシンV)および複合体9(ICG-C11-アネキシンV)を得た。
〔実施例29、30〕
[短波赤外蛍光剤12、13の調製]
複合体8をPBSで希釈して濃度0.5mg/mLの複合体8の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤12とする。また、複合体9をPBSで希釈して濃度0.5mg/mLの複合体9の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤13とする。
[短波赤外蛍光剤12、13の調製]
複合体8をPBSで希釈して濃度0.5mg/mLの複合体8の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤12とする。また、複合体9をPBSで希釈して濃度0.5mg/mLの複合体9の水溶液を得た。当該水溶液を短波赤外蛍光剤13とする。
[短波赤外蛍光剤12(複合体8)および13(複合体9)による乳がん細胞のアポトーシス(細胞死)イメージング]
HER2過剰発現乳がん細胞(KPL-4)を移植したヌードマウスに、0.1mLのKadcyla(カドサイラ、2mg/mL)を尾静脈から注入し、3日後に腫瘍部分の短波赤外蛍光剤12(0.5mg/mLの濃度の複合体8)または短波赤外蛍光剤13(0.5mg/mLの濃度の複合体9)を注入した。翌日、担がんマウスの乳がん腫瘍の短波赤外での蛍光イメージングをin vivoで行った。蛍光画像の撮影条件は、励起波長が905nmで蛍光検出波長は1000nm以上であった。励起光の強度は、20mW/cm2で、露光時間は5秒間(短波赤外蛍光剤12)と10秒間(短波赤外蛍光剤13)であった。短波赤外蛍光剤12および短波赤外蛍光剤13のそれぞれについて、カドサイラを注入したヌードマウス(左)とカドサイラを注入していないヌードマウス(右)とにおけるin vivoでの乳がん腫瘍の明視野画像と短波赤外蛍光画像とを表す写真を図18に示す。
HER2過剰発現乳がん細胞(KPL-4)を移植したヌードマウスに、0.1mLのKadcyla(カドサイラ、2mg/mL)を尾静脈から注入し、3日後に腫瘍部分の短波赤外蛍光剤12(0.5mg/mLの濃度の複合体8)または短波赤外蛍光剤13(0.5mg/mLの濃度の複合体9)を注入した。翌日、担がんマウスの乳がん腫瘍の短波赤外での蛍光イメージングをin vivoで行った。蛍光画像の撮影条件は、励起波長が905nmで蛍光検出波長は1000nm以上であった。励起光の強度は、20mW/cm2で、露光時間は5秒間(短波赤外蛍光剤12)と10秒間(短波赤外蛍光剤13)であった。短波赤外蛍光剤12および短波赤外蛍光剤13のそれぞれについて、カドサイラを注入したヌードマウス(左)とカドサイラを注入していないヌードマウス(右)とにおけるin vivoでの乳がん腫瘍の明視野画像と短波赤外蛍光画像とを表す写真を図18に示す。
蛍光画像から、Kadcylaにより腫瘍細胞のアポトーシス(細胞死)が誘導されていることが示された。コントロールの画像(右図)はKadcylaを注入していない乳がん腫瘍ヌードマウスに対するもので、短波赤外蛍光剤12および13の顕著な集積は認められなかった。
[短波赤外蛍光剤13(複合体9)による乳がん細胞のアポトーシス(細胞死)の時間経過イメージング]
HER2過剰発現乳がん細胞(KPL-4)を移植したヌードマウスに、0.1mLのKadcyla(カドサイラ、2mg/mL)を尾静脈から注入し、3日後に腫瘍部分の短波赤外蛍光剤13(0.5mg/mLの濃度の複合体9)を注入した。その後、3日、5日、11日後に、担がんマウスの乳がん腫瘍の短波赤外での蛍光イメージングをin vivoで行った。蛍光画像の撮影条件は、励起波長が905nmで蛍光検出波長は1000nm以上であった。励起光の強度は、20mW/cm2で、露光時間は10秒間であった。短波赤外蛍光剤13におけるカドサイラを注入したヌードマウスのin vivoでの乳がん腫瘍の、特定の時間経過後における明視野画像と短波赤外蛍光画像とを表す写真を図19に示す。
HER2過剰発現乳がん細胞(KPL-4)を移植したヌードマウスに、0.1mLのKadcyla(カドサイラ、2mg/mL)を尾静脈から注入し、3日後に腫瘍部分の短波赤外蛍光剤13(0.5mg/mLの濃度の複合体9)を注入した。その後、3日、5日、11日後に、担がんマウスの乳がん腫瘍の短波赤外での蛍光イメージングをin vivoで行った。蛍光画像の撮影条件は、励起波長が905nmで蛍光検出波長は1000nm以上であった。励起光の強度は、20mW/cm2で、露光時間は10秒間であった。短波赤外蛍光剤13におけるカドサイラを注入したヌードマウスのin vivoでの乳がん腫瘍の、特定の時間経過後における明視野画像と短波赤外蛍光画像とを表す写真を図19に示す。
蛍光画像からは、Kadcyla処理により腫瘍細胞のアポトーシス(細胞死)が誘導され、腫瘍サイズが小さくなることが確認できた。この結果は、本短波赤外蛍光剤が動物実験レベルでの抗体-薬物複合体(ADC)の効果確認に有効であることを示している。
本発明は、短波赤外での蛍光イメージング技術に利用することができ、本発明によって、従来技術をはるかに凌ぐ高分解能な生体深部の可視化が期待される。
Claims (12)
- 下記式(1)で表される化合物。
(式(1)中、nは3~5の整数を表し、Xは、スルホン酸基の塩、または、分子識別剤に対する反応性架橋基、を表す。) - 前記反応性架橋基は、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル基、アルキニル基、マレイミド基およびアジド基からなる群から選ばれる一以上の有機基を含む、請求項1に記載の化合物。
- 前記nは、3または4である、請求項1または2に記載の化合物。
- 下記式(2)~式(9)のいずれかで表される、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
- 請求項1~4のいずれか一項の化合物における前記反応性架橋基の残基を介して分子識別剤と前記化合物とが結合している複合体。
- 前記分子識別剤は、抗体、または、抗原結合能を有する当該抗体の断片である、請求項5に記載の複合体。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、および、請求項5または6に記載の複合体、の一方または両方を含有する短波赤外蛍光剤。
- 下記式(1a)で表される第一の化合物を合成する第一の工程と、
前記式(1a)中のアニリノ基を下記式(1b)で表される構造に置き換える第二の工程と、
前記式(1a)中のフェニルイミノ基を下記式(1c)で表される構造に置き換える第三の工程と、
を含む、下記式(1)で表される化合物の製造方法。
(前記の式中、nは3~5の整数を表し、Xは、スルホン酸基の塩、または、分子識別剤に対する反応性架橋基、を表す。) - 前記nが3であり、前記Xがスルホン酸基の塩であり、前記第二の工程と前記第三の工程とを一度に行う、請求項8に記載の化合物の製造方法。
- 前記nが4であり、前記Xがスルホン酸基の塩であり、前記第二の工程の後に前記第三の工程を行う、請求項8に記載の化合物の製造方法。
- 前記nが3であり、前記Xが前記反応性架橋基であり、前記第二の工程の後に前記第三の工程を行う、請求項8に記載の化合物の製造方法。
- 前記nが4であり、前記Xが前記反応性架橋基であり、前記第二の工程の前に第三の工程を行う、請求項8に記載の化合物の製造方法。
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| Bioconjugate Chemistry,Vol. 32,No. 8,2021年,pp. 1541-1547 |
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