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JP7739249B2 - 熱交換器及びその製造方法 - Google Patents
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JP7739249B2 - 熱交換器及びその製造方法 - Google Patents

熱交換器及びその製造方法

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JP7739249B2 JP2022173688A JP2022173688A JP7739249B2 JP 7739249 B2 JP7739249 B2 JP 7739249B2 JP 2022173688 A JP2022173688 A JP 2022173688A JP 2022173688 A JP2022173688 A JP 2022173688A JP 7739249 B2 JP7739249 B2 JP 7739249B2
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Description

本発明は、温度の異なる二流体を隔てる有底筒体容器状の隔壁を備える熱交換器及びその製造方法に関する。
従来、温度の異なる二流体の間で熱を受け渡す装置として、種々の伝熱方式を用いた熱交換器が普及している。表面式(隔壁式)の熱交換器では、隔壁で仕切られた2つの空間を二流体がそれぞれ流動し、隔壁を介した伝熱等によって二流体間の熱交換がなされる。
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能且つ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する研究開発が盛んに行われている。熱交換器では、エネルギーの効率化に貢献すべく、熱交換効率の向上が求められており、熱交換効率の向上のために、伝熱面積を増大させることを目的として、隔壁にフィンが設けられた構成や、隔壁の伝熱面に細孔が設けられた構成などが採用されている。
例えば、冷媒が循環する伝熱管と、その伝熱管と接触するフィンとを備え、当該フィンが、表面に微細な溝を有するフィン本体を備える熱交換器が知られている(特許文献1参照)。
また例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる熱交換器であって、表面にアルミニウム陽極酸化皮膜が形成された金属フィンを備えるものが知られている(特許文献2参照)。
特開2017-150756号公報 特開2011-252192号公報
特許文献1及び特許文献2に記載の熱交換器において、熱交換効率を向上するためには、温度の異なる二流体を隔てる隔壁(伝熱管)とフィンとは、一体成形されていることが望ましい。一方、隔壁及びフィンの形状によっては、隔壁及びフィンを一体成形するためには、用いることができる金属材料に制約がある場合があり、熱交換効率の向上には限界があった。
本発明は、隔壁及びフィンを一体成形するために用いられる材料に制約がある場合でも、熱交換効率を向上させることが可能な熱交換器及びその製造方法を提供する。
本発明は、
温度の異なる二流体を隔てる有底筒体容器状の隔壁を備える熱交換器であって、
前記隔壁は、筒形状を有する側周部と、前記側周部の一方の開口を閉塞するように形成された底部と、を有し、
前記隔壁の外面には、複数のフィンが、前記側周部の筒中心を中心とする周方向に並んで形成されており、
各前記フィンは、前記底部の外面に接続する基部を有し、
前記複数のフィンの前記基部は、いずれも前記底部の外面を前記側周部の前記筒中心を中心とする径方向に延在し、前記底部の外面において前記周方向に並んで形成されており、
前記周方向で隣り合う前記フィンの前記基部の間には、前記底部の外面に固定された板状部材が設けられており、
前記隔壁及び前記複数のフィンは、同一の材料で一体成形されており、
前記板状部材は、前記フィンの材料よりも高い放射率又は耐熱性を有する他の材料で形成されている。
また、本発明は、
温度の異なる二流体を隔てる有底筒体容器状の隔壁を備える熱交換器であって、
前記隔壁は、筒形状を有する側周部と、前記側周部の一方の開口を閉塞するように形成された底部と、を有し、
前記隔壁の外面には、複数のフィンが、前記側周部の筒中心を中心とする周方向に並んで形成されており、
各前記フィンは、前記底部の外面に接続する基部を有し、
前記複数のフィンの前記基部は、並行に並んで形成されており、
前記隣り合う前記フィンの前記基部の間には、前記底部の外面に固定された板状部材が設けられており、
前記隔壁及び前記複数のフィンは、同一の材料で一体成形されており、
前記板状部材は、前記フィンの材料よりも高い放射率又は耐熱性を有する他の材料で形成されている。
また、本発明は、
筒形状を有する側周部と、前記側周部の一方の開口を閉塞するように形成された底部と、を有し、温度の異なる二流体を隔てる有底筒体容器状の隔壁と、
前記隔壁の外面に形成され、前記側周部の筒中心を中心とする周方向に並んだ複数のフィンと、を備え、
各前記フィンは、前記底部の外面に接続する基部を有し、
前記複数のフィンの前記基部は、いずれも前記底部の外面を前記側周部の前記筒中心を中心とする径方向に延在し、前記底部の外面において前記周方向に並んで形成されており、
前記周方向で隣り合う前記フィンの前記基部の間には、前記底部の外面に固定された板状部材が設けられている、熱交換器の製造方法であって、
粉末を積層造形することによって、前記隔壁と前記複数のフィンとを一体に成形し、
前記周方向で隣り合う前記フィンの間に設けられた前記板状部材を前記フィンの材料よりも高い放射率又は耐熱性を有する他の材料で形成し、前記底部の外面に固定する。
本発明によれば、隔壁及びフィンを一体成形するために用いられる材料に制約がある場合でも、より高い放射率又は耐熱性を有する材料で形成された板状部材によって熱放射(輻射伝熱)を高めることができるので、熱交換効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態の熱交換器1の概略構成を示す断面図である。 図1の熱交換器の隔壁に形成された1枚のフィンを示す斜視図である。 図1の熱交換器の部分上面図である。 図1のシェルを除いた熱交換器の斜視図である。 図1のフィンの断面図である。 図1のフィンの伝熱面の詳細構造を示す説明図である。 図1の熱交換器の部分底面図である。 図1の熱交換器のピン状フィンの斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態の熱交換器及びその製造方法について説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
(熱交換器の構成)
図1に示すように、熱交換器1は、隔壁3、板状の複数のフィン5、ピン状の複数のピン状フィン7、及びシェル9を主として備える。熱交換器1は、隔壁3によって仕切られた温度の異なる二流体(第1流体、第2流体)の間接的な接触によりそれらの熱交換を行う。
隔壁3は、有底筒体として熱交換器1の胴体を構成する。隔壁3は、略円筒状をなす側周部11と、その側周部11の一方(ここでは、下側)の開口を閉鎖するように設けられた底部13と、を有する。隔壁3の内側には、加熱対象となる比較的低温の液体を含む第1流体14(例えば、常温の水)が注入される。また、隔壁3の外側には、第1流体よりも高温の気体を含む第2流体15(ここでは、図示しない燃焼器からの高温の燃焼ガス)が流れる。
以下、説明を簡潔且つ明確にするために、断りなく軸方向、径方向、周方向というときは、側周部11の筒中心を中心とした方向をいう。
隔壁3は、フィン5及びピン状フィン7と一体をなす一体成形品である。隔壁3、フィン5、及びピン状フィン7は、同一の材料からなる。この材料としては、金属でもよく、樹脂でもよく、セラミックでもよい。金属としては、例えば、アルミニウムである。
隔壁3の外面3Aには、複数のフィン5が周方向に並んで形成されている。各フィン5は、図2にも示すように、その長手方向において隔壁3の側周部11から底部13に渡って延在する。各フィン5は、側周部11の外面に接続された側部17と、底部13の外面に接続された基部19とを含む。
各フィン5は、側周部11の周方向に対して交差又は略直交するように配置される対をなす伝熱面21、21(主伝熱面)を有する。複数のフィン5は、図3にも示すように、側周部11の全周に渡ってその周方向(すなわち、対をなす伝熱面21、21に交差する方向)に互いに間隔をおいて配列される。
図4に示すように、各フィン5における側部17は、隔壁3の側周部11に沿うように、基部19の上縁から斜め上方に向かって(すなわち、長手方向において)らせん状に湾曲した部位を構成する。このように、各フィン5の少なくとも一部を湾曲させることにより、複数のフィン5の表面近傍における流体の流れをより円滑にする(流体の流速を増大させる)ことができる。
各フィン5の側部17の幅(外縁17Aと内縁17Bとの距離)は、長手方向における略全域に渡って略同一である(図1参照)。ただし、側部17の上縁17Cは、側面視において隔壁3の外面3Aと鋭角をなすように形成される。なお、側部17は、その少なくとも一部が湾曲した部位(すなわち、伝熱面としての曲面が形成された部位)を構成すればよい。また、湾曲した部位は、らせん状に限らず、少なくとも曲面を有するものであればよい。
図5に示すように、各フィン5の側部17は、長手方向に直交する断面(図2中のV-V線断面)において、その内縁17Bから外縁17Aに向けて先細り状をなすように構成される。隣接するフィン5の間のスペース(すなわち、隣接する伝熱面21の間のスペース)は、内側(隔壁3側)から外側に向けて徐々に拡大する。これにより、隣接するフィン5の間における流体のよどみを抑制することができる。
側部17における対をなす伝熱面21、21には、内縁17Bから外縁17Aに向けて所定の間隔で配列された複数の溝25が形成されている。熱交換効率を向上させる観点から、複数の溝25の深さD(伝熱面21、21に略直交する各フィン5の厚み方向の深さ)は、100μm~400μmに設定されるとよい。同様に、複数の溝25の幅Wは、深さDの2倍程度(200μm~800μm)に設定されるとよい。同様に、隣接する溝25の間隔Lは、100μm~300μmに設定されるとよい。なお、溝25は、少なくとも一方の伝熱面21に形成されればよい。
各フィン5の基部19は、その長手方向に(底面視において)略直線状をなす。基部19は、側部17の下縁17D(図6参照)から隔壁3の底部13に沿うように延在する。基
部19は、側面視において、下方に突設され且つ略直角の頂部を有する突部31を有する。
基部19における対をなす伝熱面21、21には、側部17と同様に複数の溝125が形成されるが、それらの溝125の延在方向は、側部17の溝25とは異なる。より詳細には、図6に示すように、側部17の溝25は、隔壁3の側周部11における外面3A(側周面)に沿うように長手方向(ここでは、略上下方向)にそれぞれ延在する。一方、基部19の溝125は、隔壁3の底部13における外面3A(底面)に向けて(ここでは、上方に向けて左側に傾いた方向に)それぞれ延在する。なお、各溝125の深さ、幅、及び間隔については、側部17の溝25と同様に設定され得る。
このように、有底筒体の底面付近の第2流体を、複数の溝125によってその底面に向けて流れるように導くことにより、有底筒体の底部13での熱伝達を促進し、また、有底筒体の側周面付近の第2流体を、複数の溝25によって側周面に沿って流れるように導くことにより、有底筒体の側周11部での熱伝達を促進できる。
図1及び図7に示すように、複数のフィン5の基部19は、いずれも隔壁3の底部13の外面を径方向に延在する。複数のフィン5の基部19は、隔壁3の底部13の外面において周方向に並んで形成されている。
複数のフィン5は、基部19の径方向長さが異なる第1フィン5L及び第2フィン5Sを有する。第1フィン5Lの基部19L、及び、第2フィン5Sの基部19Sは、いずれも側部17から連続して、隔壁3の底部13の外周縁から径方向内側に向かって延在する。そして、第1フィン5Lの基部19Lの径方向内側端部は、第2フィン5Sの基部19Sの径方向内側端部よりも径方向の内側に位置している。したがって、第1フィン5Lの基部19Lは、第2フィン5Sの基部19Sよりも径方向の内側まで延在している。
第1フィン5Lと第2フィン5Sとは、周方向において交互に配置されている。
本実施形態では、第1フィン5Lの基部19Lは、底面視において、径方向内側に向けて先細りのテーパ形状となっている。
隔壁3の底部13において、周方向で隣り合うフィン5の間には、底部13の外面に固定された板状部材35が設けられている。各板状部材35は、略矩形の板状である。
各板状部材35は、隔壁3及びフィン5を構成する材料(例えば、アルミニウム)よりも高い放射率を有する他の材料(例えば、ステンレス)で形成されている。複数の板状部材35は、隔壁3の底部13における外面3Aに形成された複数の取付け溝37にそれぞれ圧入により嵌め込まれている。なお、圧入による固定に加えて、若しくは圧入による固定に代えて耐熱接着剤で隔壁3の底部13の外面に固定されてもよく、溶接による溶着により固定されていてもよく、カシメによる固定でもよい。なお、板状部材35を構成する材料については、ステンレスに限らず、少なくとも隔壁3及びフィン5を構成する材料よりも高い放射率を有するものであればよい。
これにより、隔壁3及びフィン5を一体成形するために用いられる材料に制約がある場合でも、より高い放射率を有する材料で形成された板状部材35によって熱放射(輻射伝熱)を高めることができるので、熱交換効率を向上させることができる。
また、板状部材35は、耐熱接着剤やカシメで隔壁3の底部13の外面に固定することで、板状部材35を構成する材料に、隔壁3及びフィン5を構成する材料の融点と大きく異なる融点を有する材料を用いた場合でも、隔壁3の底部13の外面に板状部材35を強固に固定できる。
各板状部材35は、底面視において、周方向で隣り合う第1フィン5Lの間、且つ、第2フィン5Sの径方向内側端部よりも径方向の内側で、第2フィン5Sの径方向内側端部から中心に向かって径方向に延在する仮想直線に沿って、径方向に延在する。
したがって、板状部材35は、第2フィン5Sと同数設けられる。
そして、各板状部材35は、径方向において、第2フィン5Sの基部19Sの径方向内側端部の径方向内側から、第1フィン5Lの基部19Lの径方向内側端部と略同位置まで延在する。
これにより、より高い放射率を有する材料で形成された板状部材35を、底部13のより中心近傍に設けることができるので、熱交換器1の熱交換効率が向上する。また、第2流体15が中心から周方向で隣り合うフィン5の間を径方向外側に向かって流れる際の損失増加を抑制するように板状部材35が配置されるので、熱交換器1の熱交換効率がより向上する。
なお、各板状部材35は、フィン5(第1フィン5L及び第2フィン5S)と当接していない。
これにより、フィン5の内部の熱伝導を維持しつつ、板状部材35からの輻射熱をフィン5に伝熱できる。また、各板状部材35は、フィン5に比べて板厚が薄い。そのため、板状部材35は第2流体15の通路を閉塞することがなく、熱放射を行うことでガスの熱エネルギーをフィン5に受け取らせることができる。結果的に、フィン5は物理的に接触する第2流体15との熱伝達による受熱量よりも見かけ上あたかも熱伝達率が上がったかのような大量の受熱量をガスから受け取ることができるようになる。
なお、各板状部材35は、必ずしも、隔壁3及びフィン5を構成する材料よりも高い放射率を有する他の材料で形成されている必要はなく、隔壁3及びフィン5を構成する材料よりも高い耐熱性を有する他の材料で形成されていればよい。なぜなら隔壁3やフィン5の部分は周囲の低温部への熱引きにより高温になることが無いのに対し、薄い板状部材35は周りを高温ガスにさらされていて熱が熱伝導で逃げることが無い為に第2流体15の温度近くまで(赤熱するほどの)高温になる。輻射熱の放出量は温度(ケルビン温度)の4乗に比例するので多少輻射率は小さくても高温状態では大量の輻射熱を放出する。そのため、板状部材35に必要なのは、高温になっても溶けない高い耐熱性である。なお、輻射効果が明確に表れるのは第2流体の温度が高温(400℃~500℃以上)の場合である。
また、隔壁3の底部13において、複数の第1フィン5Lの基部19Lの径方向内側端部と複数の板状部材35の径方向内側端部によって、複数のピン状フィン7が配置される略円形の領域が画定される。
図8に示すように、各ピン状フィン7は、先細り状をなす円柱状(又は円錐状)状をなす。各ピン状フィン7の周面には、長手方向(突出方向)に延びる複数の突条41が形成されている。複数の突条41は、周方向に所定の間隔をおいて配置されている。
そのような複数の突条41により各ピン状フィン7の表面積が増大する。また、複数の突条41が、先細り状をなすピン状フィン7に形成されることにより、ピン状フィン7の表面付近に形成される温度境界層の厚みを低減する効果も得られる。その結果、隔壁3の内側の第1流体14への熱抵抗が減少し、また、第1流体の対流伝熱が促進される。
隔壁3の内面3Bには、未封孔のアルマイト皮膜が形成されている。アルマイト皮膜には、10nm~30nmの孔径をそれぞれ有する複数の細孔が形成されている。これにより、熱交換器1では、隔壁3の外面3Aに形成されたフィン5によって、第2の流体と隔壁3との熱伝達を促進しつつ、隔壁3の内面3Bに形成された細孔によって、第1の流体と隔壁3との熱伝達を促進することができる。ただし、そのようなアルマイト皮膜は省略されてもよい。また、アルマイト皮膜は、隔壁3の内面3Bの一部(例えば、底部13の内面13B)にのみ形成されてもよい。
シェル9は、略筒状をなし、図1に示すように複数のフィン5の外側を覆うように設けられる。これにより、シェル9の内面9Aと隔壁3の外面3Aとによって第2流体15の流路が画定され、その流路内に内複数のフィン5が位置する。
シェル9は、複数のフィン5において隔壁3とは反対側に位置する外縁部に接続される上部51と、上部51の下縁に接続され、下方に延在する下部53とを有する。上部51の下縁51Aは、各フィン5の基部19における突部31の角に接続される。下部53は、ピン状フィン7の更に外方(ここでは、下方)に位置し、略円形状をなす開口55を有している。開口55は、第2流体15の入口を構成する。このようなシェル9により、有底筒体に設けられたフィン5に対して第2流体を効率的に導くことが可能となる。
(熱交換器の製造)
続いて、前述した構成を有する熱交換器1の製造について説明する。熱交換器1の隔壁3、複数のフィン5、及び複数のピン状フィン7は、公知の3Dプリンティング技術を用いて、粉体材料を積層造形(Additive Manufacturing)することによって一体に成形される。積層造形に用いられる加工方式については、前述のような構造を実現可能な限りにおいて特に限定されない。例えば、熱交換器1は、金属粉末及びレーザ(又は電子ビーム)を造形部位に同時に照射し、溶融した金属粉末を前述した形状に積層することによって成形される。
シェル9は、隔壁3等と共に一体成形されてもよい。或いは、シェル9は、隔壁3を構成する材料とは異なる他の材料によって形成された後に、複数のフィン5の外側を覆うように溶接等によって取り付けられてもよい。
隔壁3の内面3Bにおける未封孔のアルマイト皮膜は、公知のアルマイト加工(アルミニウムの陽極酸化処理)によって形成される。アルマイト皮膜における複数の細孔の構造(孔径等)については、例えば、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて確認することができる。
そして、複数の板状部材35を、隔壁3及びフィン5を構成する材料よりも高い放射率を有する他の材料で形成し、隔壁3の底部13における外面3Aに形成された複数の取付け溝37に圧入により嵌め込んで隔壁3の底部13の外面に固定する。
このように、材料粉末を積層造形することによって、隔壁3と複数のフィン5とを一体に成形し、板状部材35を隔壁3及びフィン5を構成する材料よりも高い放射率を有する他の材料で形成し、底部13の外面に固定することで、隔壁3及びフィン5を一体成形するために用いられる材料に制約がある場合でも、熱交換効率を向上させることができる。
(熱交換器の使用)
ユーザは、熱交換器1の使用時には、例えば、隔壁3の内側に第1流体としての水を注入した後、熱交換器1の下方に配置されて燃焼器(例えば、ガスバーナー)を稼働させる。これにより、第2流体としての燃焼器の燃焼ガスがシェル9の開口55から導入される。燃焼ガスは、隔壁3とシェル9との間に位置する複数のフィン5の間を流れ、開放されたシェル9の上部から排出される。このとき、燃焼ガスの熱が、隔壁3、フィン5、及びピン状フィン7に伝達され、隔壁3の内面3Bを介して第1流体に伝達される。このような燃焼ガスと水との熱交換により、隔壁3内の水の温度を上昇させる(最終的に沸騰させる)ことができる。
このように、熱交換器1では、隔壁3及び複数のフィン5を一体成形することにより、隔壁3とフィン5との界面における熱抵抗を低減し、また、湾曲した部位(ここでは、側部17)を有する複数のフィン5に適切な深さの溝を形成することにより、フィン5の伝熱面積を増大させつつ、フィン5の表面近傍における第2流体の流れを円滑にすることができる。その結果、熱交換器1の熱交換効率を向上させることが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、第1流体及び第2流体は、液体及び気体の組み合わせである必要はなく、任意の流体の組み合わせ(例えば、液体同士又は気体同士の組み合わせ)が採用されうる。また、熱交換器1は、少なくとも二流体を用いるものであればよく、三流体以上を用いて熱交換が行われてもよい。
熱交換器1の用途としては、例えば、冷蔵庫及び産業用熱交換器や、プレート型熱交換器、パイプ状通路式熱交換器が挙げられる。また、熱交換器1は、隔壁及びフィンを有することにより熱交換器として機能する装置や機械の一部としても用いられ得る。そのような熱交換器1の用途としては、例えば、空冷エンジンヘッド、ラジエター、オイルクーラー、湯沸かし器、空調設備、EGRクーラー、及びスターリングエンジンなどの流体通路構造などが挙げられる。
また、前述の実施形態では、フィン5の基部19を底部13に放射状に配置したが、これに限らず、並行に配置してもよい。なお、並行とは、平行に限らず、略同じ方向に並んでいることを意味する。放射率又は耐熱性の高い薄い板状部材35を並行に並ぶフィン5の基部19の中間に配置した場合にも放射状フィンの場合と同様に、高温となった板状部材35から発する輻射熱により第2流体15からフィン5への伝熱量が増加し、見かけ上熱伝達率が向上する。
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
(1) 温度の異なる二流体を隔てる有底筒体容器状の隔壁(隔壁3)を備える熱交換器(熱交換器1)であって、
前記隔壁は、筒形状を有する側周部(側周部11)と、前記側周部の一方の開口を閉塞するように形成された底部(底部13)と、を有し、
前記隔壁の外面には、複数のフィン(フィン5)が、前記側周部の筒中心を中心とする周方向に並んで形成されており、
各前記フィンは、前記底部の外面に接続する基部(基部19)を有し、
前記複数のフィンの前記基部は、いずれも前記底部の外面を前記側周部の前記筒中心を中心とする径方向に延在し、前記底部の外面において前記周方向に並んで形成されており、
前記周方向で隣り合う前記フィンの前記基部の間には、前記底部の外面に固定された板状部材(板状部材35)が設けられており、
前記隔壁及び前記複数のフィンは、同一の材料で一体成形されており、
前記板状部材は、前記フィンの材料よりも高い放射率を有する他の材料で形成されている、熱交換器。
(1)によれば、隔壁及びフィンを一体成形するために用いられる材料に制約がある場合でも、より高い放射率を有する材料で形成された板状部材によって熱放射(輻射伝熱)を高めることができるので、熱交換効率を向上させることができる。
(2) (1)に記載の熱交換器であって、
前記板状部材は、耐熱接着剤で前記底部の前記外面に固定されている、熱交換器。
(2)によれば、板状部材は、耐熱接着剤で底部の外面に固定されているので、板状部材を構成する材料に、フィンを構成する材料の融点と大きく異なる融点を有する材料を用いた場合でも、底部の外面に板状部材を強固に固定できる。
(3) (1)又は(2)に記載の熱交換器であって、
前記複数のフィンは、第1フィン(第1フィン5L)と第2フィン(第2フィン5S)とを有し、
前記第1フィンの前記基部の径方向内側端部は、前記第2フィンの前記基部の径方向内側端部よりも前記径方向の内側に位置し、
前記第1フィンと前記第2フィンとは、前記周方向において交互に配置されており、
前記板状部材は、底面視において、前記周方向で隣り合う前記第1フィンの間、且つ、前記第2フィンの前記径方向内側端部よりも前記径方向の内側で、前記第2フィンの前記径方向内側端部から前記中心に向かって前記径方向に延在する仮想直線に沿って、前記径方向に延在する、熱交換器。
(3)によれば、より高い放射率を有する材料で形成された板状部材を、底部のより中心近傍に設けることができるので、熱交換器の熱交換効率が向上する。また、流体が中心から周方向で隣り合うフィンの間を径方向外側に向かって流れる際の損失増加を抑制するように板状部材が配置されるので、熱交換器の熱交換効率がより向上する。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の熱交換器であって、
前記板状部材は、前記フィンと当接していない、熱交換器。
(4)によれば、フィンの内部の熱伝導を維持しつつ、板状部材からの輻射熱をフィンに伝熱できる。
(5) 筒形状を有する側周部(側周部11)と、前記側周部の一方の開口を閉塞するように形成された底部(底部13)と、を有し、温度の異なる二流体を隔てる有底筒体容器状の隔壁(隔壁3)と、
前記隔壁の外面に形成され、前記側周部の筒中心を中心とする周方向に並んだ複数のフィン(フィン5)と、を備え、
各前記フィンは、前記底部の外面に接続する基部(基部19)を有し、
前記複数のフィンの前記基部は、いずれも前記底部の外面を前記側周部の前記筒中心を中心とする径方向に延在し、前記底部の外面において前記周方向に並んで形成されており、
前記周方向で隣り合う前記フィンの前記基部の間には、前記底部の外面に固定された板状部材(板状部材35)が設けられている、熱交換器(熱交換器1)の製造方法であって、
粉末を積層造形することによって、前記隔壁と前記複数のフィンとを一体に成形し、
前記周方向で隣り合う前記フィンの間に設けられた前記板状部材を前記フィンの材料よりも高い放射率を有する他の材料で形成し、前記底部の外面に固定する、熱交換器の製造方法。
(5)によれば、隔壁及びフィンを一体成形するために用いられる材料に制約がある場合でも、より高い放射率を有する材料で形成された板状部材によって熱放射(輻射伝熱)を高めることができるので、熱交換効率を向上させることができる。
(6) 温度の異なる二流体を隔てる有底筒体容器状の隔壁(隔壁3)を備える熱交換器(熱交換器1)であって、
前記隔壁は、筒形状を有する側周部(側周部11)と、前記側周部の一方の開口を閉塞するように形成された底部(底部13)と、を有し、
前記隔壁の外面には、複数のフィン(フィン5)が、前記側周部の筒中心を中心とする周方向に並んで形成されており、
各前記フィンは、前記底部の外面に接続する基部(基部19)を有し、
前記複数のフィンの前記基部は、並行に並んで形成されており、
隣り合う前記フィンの前記基部の間には、前記底部の外面に固定された板状部材(板状部材35)が設けられており、
前記隔壁及び前記複数のフィンは、同一の材料で一体成形されており、
前記板状部材は、前記フィンの材料よりも高い放射率又は耐熱性を有する他の材料で形成されている、熱交換器。
(6)によれば、隔壁及びフィンを一体成形するために用いられる材料に制約がある場合でも、より高い放射率を有する材料で形成された板状部材によって熱放射(輻射伝熱)を高めることができるので、熱交換効率を向上させることができる。
1 熱交換器
3 隔壁
5 フィン
5L 第1フィン
5S 第2フィン
11 側周部
13 底部
19 基部
35 板状部材

Claims (6)

  1. 温度の異なる二流体を隔てる有底筒体容器状の隔壁を備える熱交換器であって、
    前記隔壁は、筒形状を有する側周部と、前記側周部の一方の開口を閉塞するように形成された底部と、を有し、
    前記隔壁の外面には、複数のフィンが、前記側周部の筒中心を中心とする周方向に並んで形成されており、
    各前記フィンは、前記底部の外面に接続する基部を有し、
    前記複数のフィンの前記基部は、いずれも前記底部の外面を前記側周部の前記筒中心を中心とする径方向に延在し、前記底部の外面において前記周方向に並んで形成されており、
    前記周方向で隣り合う前記フィンの前記基部の間には、前記底部の外面に固定された板状部材が設けられており、
    前記隔壁及び前記複数のフィンは、同一の材料で一体成形されており、
    前記板状部材は、前記フィンの材料よりも高い放射率又は耐熱性を有する他の材料で形成されている、熱交換器。
  2. 請求項1に記載の熱交換器であって、
    前記板状部材は、前記底部の前記外面に設けられた溝に圧入されている、又は、耐熱接着剤で前記底部の前記外面に固定されている、又は、前記底部の前記外面に溶着されている、熱交換器。
  3. 請求項1に記載の熱交換器であって、
    前記複数のフィンは、第1フィンと第2フィンとを有し、
    前記第1フィンの前記基部の径方向内側端部は、前記第2フィンの前記基部の径方向内側端部よりも前記径方向の内側に位置し、
    前記第1フィンと前記第2フィンとは、前記周方向において交互に配置されており、
    前記板状部材は、底面視において、前記周方向で隣り合う前記第1フィンの間、且つ、前記第2フィンの前記径方向内側端部よりも前記径方向の内側で、前記第2フィンの前記径方向内側端部から前記中心に向かって前記径方向に延在する仮想直線に沿って、前記径方向に延在する、熱交換器。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の熱交換器であって、
    前記板状部材は、前記フィンと当接していない、熱交換器。
  5. 筒形状を有する側周部と、前記側周部の一方の開口を閉塞するように形成された底部と、を有し、温度の異なる二流体を隔てる有底筒体容器状の隔壁と、
    前記隔壁の外面に形成され、前記側周部の筒中心を中心とする周方向に並んだ複数のフィンと、を備え、
    各前記フィンは、前記底部の外面に接続する基部を有し、
    前記複数のフィンの前記基部は、いずれも前記底部の外面を前記側周部の前記筒中心を中心とする径方向に延在し、前記底部の外面において前記周方向に並んで形成されており、
    前記周方向で隣り合う前記フィンの前記基部の間には、前記底部の外面に固定された板状部材が設けられている、熱交換器の製造方法であって、
    粉末を積層造形することによって、前記隔壁と前記複数のフィンとを一体に成形し、
    前記周方向で隣り合う前記フィンの間に設けられた前記板状部材を前記フィンの材料よりも高い放射率又は耐熱性を有する他の材料で形成し、前記底部の外面に固定する、熱交換器の製造方法。
  6. 温度の異なる二流体を隔てる有底筒体容器状の隔壁を備える熱交換器であって、
    前記隔壁は、筒形状を有する側周部と、前記側周部の一方の開口を閉塞するように形成された底部と、を有し、
    前記隔壁の外面には、複数のフィンが、前記側周部の筒中心を中心とする周方向に並んで形成されており、
    各前記フィンは、前記底部の外面に接続する基部を有し、
    前記複数のフィンの前記基部は、並行に並んで形成されており、
    隣り合う前記フィンの前記基部の間には、前記底部の外面に固定された板状部材が設けられており、
    前記隔壁及び前記複数のフィンは、同一の材料で一体成形されており、
    前記板状部材は、前記フィンの材料よりも高い放射率又は耐熱性を有する他の材料で形成されている、熱交換器。
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