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JP7739718B2 - 繊維強化複合材料中間体、繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents
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JP7739718B2 - 繊維強化複合材料中間体、繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

繊維強化複合材料中間体、繊維強化複合材料の製造方法

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本発明は、成形型に貼り付けた耐UV性およびUV遮蔽性に優れたエポキシ樹脂組成物をシート状にしたフィルムを光硬化した後、繊維強化複合材料予備体を積層した繊維強化複合材料中間体を光硬化したフィルムに積層し繊維強化複合材料中間体を成形せしめる繊維強化複合材料の製造方法に関する。
航空機構造部材、風車の羽根、自動車外板およびICトレイやノートパソコンの筐体などのコンピュータ用途等の高い構造性能を求められる製品には、繊維にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させて作製されるプリプレグやプリフォーミングした繊維に熱硬化性樹脂を注入後に加熱硬化するレジントランスファーモールディング(RTM)材が用いられることが多い。しかし、一般的なプリプレグやRTM材を硬化して得られる繊維強化複合材料は耐UV性(材料の化学構造がUV照射後に変化しない効果)が低く、表面が光にさらされると劣化変性する。そこで近年、炭素繊維強化複合材料の表面に耐UV性を付与したいとの要望が増えてきている。
特許文献1には炭素繊維強化複合材料の表面保護フィルムとして、UV遮蔽性(材料がUVを吸収または反射する効果)を有するシート材料が開示されている。また、特許文献2では耐UV性を有する樹脂組成物として、芳香環を含まないエポキシ樹脂と、同じく芳香環を含まないカルボン酸無水物ならびに紫外線吸収剤の組み合わせの開示があり、炭素繊維強化複合材料の塗布剤として用いることができる。
特表2015-507648号公報 国際公開第2003/002661号
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、フィルム材に用いられるエポキシ樹脂組成物は芳香環を含み、フィルム材自身の耐UV性が乏しいという問題があった。また、特許文献2に開示される技術では、塗布剤自体は耐UV性を有するが、繊維強化複合材料に用いられるプリプレグの表面に該塗布剤を塗布した後に熱硬化した際に、該塗布剤と耐UV性を持たないプリプレグの樹脂とが混合し、耐UV性が損なわれたり、繊維強化複合材料の力学特性が低下したりする可能性があった。
そのため、耐UV性およびUV遮蔽性に富んだ材料でプリプレグなど母材の表面を保護しUVによる劣化を防止することができ、かつ、熱硬化時に耐UV性に劣る母材の樹脂と耐UV性を有する樹脂組成物との混合を防ぐ繊維強化複合材料中間体の製造方法の実現が課題である。
本発明は、かかる課題を解決するために次の構成を有する。すなわち、本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、以下の構成要素[A]~[D]を含むエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムを成形型に貼り付けた後、該エポキシ樹脂組成物を光硬化せしめ、該樹脂フィルムの上に繊維強化複合材料予備体を積層することで得られる繊維強化複合材料中間体の製造方法。
[A]非芳香族エポキシ樹脂
[B]体積平均粒径0.1~10μmの顔料
[C]非芳香族熱可塑性樹脂
[D]カチオン硬化剤またはアニオン硬化剤。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、上記の繊維強化複合材料中間体の製造方法で製造された繊維強化複合材料中間体に対し、さらに加熱および/または加圧による後硬化を行うことを特徴とする。
また、本発明は、かかる課題を解決するために次の構成の樹脂フィルムも提供する。すなわち、以下の構成要素[A]~[D]を含むエポキシ樹脂組成物を含む、光硬化性の樹脂フィルムである。
[A]非芳香族エポキシ樹脂
[B]体積平均粒径0.1~10μmの顔料
[C]非芳香族熱可塑性樹脂
[D]カチオン硬化剤またはアニオン硬化剤。
本発明において、光硬化性とは可視光、紫外光、赤外光などの光源を照射することで硬化反応が進むことを指す。
本発明により、耐UV性およびUV遮蔽性に富んだエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムでプリプレグなど母材の表面を保護しUVによる劣化を防止することができ、かつ、加熱および/または加圧硬化時に耐UV性に劣る母材の樹脂と該樹脂フィルムとの混合を抑制した繊維強化複合材料中間体および繊維強化複合材料を提供することができる。
本発明の繊維強化複合材料中間体の製造方法は、以下の構成要素[A]~[D]を含むエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムを成形型に貼り付けた後、該エポキシ樹脂組成物を光硬化せしめ、該樹脂フィルムの上に繊維強化複合材料予備体を積層することを特徴とする。
[A]非芳香族エポキシ樹脂
[B]体積平均粒径0.1~10μmの顔料
[C]非芳香族熱可塑性樹脂
[D]カチオン硬化剤またはアニオン硬化剤。
本発明に係る構成要素[A]は非芳香族エポキシ樹脂である。ここで「芳香族」とは、芳香族炭化水素や共鳴構造を持つ化合物、共役不飽和複素環式化合物を化学構造中に含むものであり、それ以外が「非芳香族」である。すなわち、非芳香族エポキシ樹脂とは、芳香族炭化水素基や不飽和複素環を化学構造中に含まないエポキシ樹脂のことを指す。非芳香族エポキシ樹脂を例示すると、脂環式エポキシ樹脂(シクロアルカン環を含むエポキシ樹脂)として、テトラヒドロインデンジエポキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、(3’,4’-エポキシシクロヘキサン)メチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジペンテンジオキシド、アジピン酸ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテル、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物、エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス-(3-シクロヘキセニルメチル)修飾イプシロン-カプロラクトン、ビ-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、ドデカヒドロビスフェノールAジグリシジルエーテル、ドデカヒドロビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロテレフタル酸ジグリシジルエステル、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジグリシジルエーテル(一般名:水添ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂)、芳香環、アミン性窒素原子、シクロアルカン環、シクロアルケン環のいずれも含まないエポキシ樹脂の具体例として、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、1,4-ビス(2-オキシラニル)ブタン、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、芳香環、アミン性窒素原子のいずれも含まない単官能エポキシ化合物(1個のオキシラン環のみを含むエポキシ化合物)の具体例として、4-tert-ブチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、1-ブテンオキシド、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
耐熱性の観点から非芳香族エポキシ樹脂は、脂環式のエポキシもしくは、シクロヘキサン環などのシクロアルカン構造を分子内に有するものが好ましく用いられる。
上記非芳香族エポキシ樹脂は市販品を用いることができる。例えば、“セロキサイド”(登録商標)2021P、“セロキサイド”(登録商標)8010、“セロキサイド”(登録商標)”2000、“エポリード”(登録商標)GT401、“セロキサイド”(登録商標)2081、EHPE3150((株)ダイセル製)、THI-DE(JXTGエネルギー(株)製)、TTA21、AAT15,TTA22(サンケミカル製)、Ex-121、Ex-211、Ex-212、Ex-313、Ex-321、Ex-411(ナガセケムテック製)、“エポライト”(登録商標)4000(共栄社化学(株)製)、ST-3000、ST-4000(日鉄ケミカル&マテリアル(株)製)、YX8000(三菱ケミカル(株)製)、EPALOY5000(HUNTSMAN製)などが挙げられる。
上記非芳香族エポキシ樹脂を少なくとも2種類用いることで、エポキシ樹脂組成物の反応性を制御でき、エポキシ樹脂組成物の速硬化性とポットライフの良好なバランスを得ることができる。
上記非芳香族エポキシ樹脂をエポキシ樹脂組成物全体に対して90質量%以上含むことで、高い耐光性(耐UV性)を得ることができる。
構成要素[B]は顔料(体積平均粒径0.1~10μm)である。顔料の例は、硫酸バリウム、硫化亜鉛、酸化チタン、モリブデンレッド、カドミウムレッド、酸化クロム、チタンイエロー、コバルトグリーン、コバルトブルー、群青、チタン酸バリウム、カーボンブラック、酸化鉄、赤リン、クロム酸銅などを挙げることができる。顔料の体積平均粒径は0.1~10μmであり、好ましくは0.1~5μmであり、より好ましくは0.3~5μmであれば高いUV遮蔽性を有するエポキシ樹脂組成物を得ることができる。また、該顔料はエポキシ樹脂組成物中において体積平均粒径で0.3μm以上の凝集体を形成することで高いUV遮蔽性を発揮する点で好ましい。なお、ここで体積平均粒径とは、レーザー回折散乱法を用いたLA-950((株)堀場製作所製)を用いて測定したものである。分散媒として“アラルダイト”(登録商標)GY282(成分:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハンツマン・ジャパン(株)製)を用いて測定した体積換算の結果を粒度分布測定結果として採用し、得られた粒度分布の累積カーブにおける50%での粒径(メジアン径)を体積平均粒子径とする。
上記顔料をエポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対して好ましくは15~75質量部、より好ましくは、25~55質量部、さらに好ましくは30~50質量部含むことで樹脂硬化物のUV遮蔽性と本発明に係るエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムのタック特性と硬化物のUV遮蔽性を良好なバランスで得ることができる。
構成要素[C]は非芳香族熱可塑性樹脂である。ここで「芳香族」とは、芳香族炭化水素や共鳴構造を持つ化合物、共役不飽和複素環式化合物を化学構造中に含むものであり、それ以外が「非芳香族」である。すなわち、非芳香族熱可塑性樹脂とは、芳香族炭化水素基や不飽和複素環を化学構造中に含まない熱可塑性樹脂のことを指す。非芳香族の熱可塑性樹脂を例示すると、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、水添ビスフェノールA・ペンタエリストールホスファイトポリマー、水添テルペン、水添テルペンフェノールなどを挙げることができる。
特に非芳香族エポキシ樹脂への溶解性が高いポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタールおよびポリビニル酢酸ビニルはエポキシ樹脂組成物の粘度調整が容易である点で好ましい。ポリビニルアセトアセタールおよびポリビニルブチラールは硬化後のエポキシ樹脂組成物の伸度の向上効果が得られることからより好ましい。
これらの非芳香族の熱可塑性樹脂は、構成要素[A]の非芳香族エポキシ樹脂に溶解可能なものが好ましい。例えば、構成要素[A]の非芳香族エポキシ樹脂100質量部に対して少なくとも10質量部の熱可塑性樹脂の粉体を添加し、100~120℃、1時間で混錬した結果、開始時より該熱可塑性樹脂の粉体の減量が見られるものが溶解可能であるという。減量が見られるとは光学的に観測不可能なまで小さくなることや、残存する粉体を回収した時、開始時よりも10%以上の質量の減少が見られるケースをいう。エポキシ樹脂に溶解させる観点からは、熱可塑性樹脂の粉体は、少なくともレーザー回折法によって得られる体積平均粒径が100μm以下となることが好ましい。また体積平均粒径が100nmよりも大きいと保管時の凝集抑制やエポキシ樹脂への撹拌が容易であるなど好ましい。
また、これらの非芳香族の熱可塑性樹脂の分子量は好ましくは5000~70000g/mol、より好ましくは7000~65000g/mol、さらに好ましくは10000~60000g/molであるとエポキシ樹脂組成物への溶解の均一性と樹脂フロー抑制効果の良好なバランスを得ることができる。ここでの分子量とはHLC-8420GPC(東ソー(株)製)を用いたゲル浸透クロマグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
上記非芳香族の熱可塑性樹脂は市販品を用いることができる。例えば、“J-POVAL”(登録商標)(日本酢ビ・ポバール(株)製)、“ビニレック”(登録商標)(JNC(株)製)、“エスレック”(登録商標)(積水化学工業(株)製)、“ウルトラセン”(登録商標)(東ソー(株)製)JPH-3800(城北化学工業(株)製)、YSポリスターUH130(ヤスハラケミカル(株)製)などが挙げられる。
上記非芳香族熱可塑性樹脂をエポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対して20~75質量部、好ましくは30~65質量部、より好ましくは30~55質量部含むことで良好なタック特性を有する樹脂フィルムを得ることができる。
また、これらの非芳香族の熱可塑性樹脂の分子量は、好ましくは5,000~70,000g/mol、より好ましくは7,000~65,000g/mol、さらに好ましくは10,000~60,000g/molであるとエポキシ樹脂組成物への溶解の均一性と樹脂フロー抑制効果の良好なバランスを得ることができる。ここで分子量とはHLC-8420GPC(東ソー(株)製)を用いたゲル浸透クロマグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子量を指す(以下、同様)。
分子量が異なる市販品の例を挙げると、ポリビニルホルマール(“ビニレック”(登録商標)K、JNC(株)製、分子量40,000~54,000g/mol)、ポリビニルホルマール(“ビニレック”(登録商標)E、JNC(株)製、分子量95,000~134,000g/mol)、ポリビニルアセトアセタール(“エスレック”(登録商標)KS-10、積水化学工業(株)製、分子量17,000g/mol)などがある。
構成要素[D]はカチオン硬化剤またはアニオン硬化剤である。カチオン硬化剤の例として、1-ナフチルメチルメチルp-ヒドロキシフェニルスルホニウム=ヘキサフルオロアンチモナート、2-メチルベンジルメチルp-ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、ベンジルメチルp-ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、ジメチル-p-アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、ジアリールヨードニウム塩、酸フッ化ホウ素ピペリジン、酸フッ化ホウ素モノエチルアミン、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩などを挙げることができる。
上記カチオン硬化剤は市販品を用いることができる。例えば、“アデカオプトン”(登録商標)CP-77、“アデカオプトン”(登録商標)CP-66((株)ADEKA製)、CI-2639、CI-2624((株)日本曹達)、“サンエイド”(登録商標)SI-60、“サンエイド”(登録商標)SI-80、“サンエイド”(登録商標)SI-100、“サンエイド”(登録商標)SI-150、“サンエイド”(登録商標)SI-B4、“サンエイド”(登録商標)SI-B5(三新化学工業(株)製)、TA-100、IK-1PC(80)(サンアプロ(株)製)、三フッ化ホウ素ピペリジン、三フッ化ホウ素モノエチルアミン(ステラケミファ(株)製)などが挙げられる。カチオン硬化剤は、光熱カチオン硬化剤もしくは熱カチオン硬化剤であることが好ましい。光熱カチオン硬化剤とは、紫外線や可視光などの一定の波長以下の光もしくはある一定温度以上の熱を与えることで反応性が生じるものを指し、熱カチオン硬化剤は熱により反応性が生じるものを指す。光熱カチオン硬化剤を用いると多種多様な環境で硬化させることができるため好ましく、熱カチオン硬化剤の場合は温度管理により高い保管安定性が得られるため好ましい。
アニオン硬化剤の例として、六フッ化リン、六フッ化アンチモン、六フッ化ヒ素、六塩化スズ、四塩化鉄、五塩化ビスマス、六塩化ニオブ、などを挙げることができる。
上記硬化剤を2種類用いることで、エポキシ樹脂組成物の反応性を制御でき、エポキシ樹脂組成物の速硬化性とポットライフの良好なバランスを得ることができる。
上記硬化剤はエポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対して好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは1~5質量部、さらに好ましくは1~3質量部含むことで速硬化性があり成形中の樹脂フローや揮発量抑制効果、速硬化性、ポットライフと耐UV性の良好なバランスを得ることができる。
また、本発明におけるエポキシ樹脂組成物は構成要素[E]としてチキソトロピー性付与剤を含むことができ、チキソトロピー性付与剤の例としては、二酸化ケイ素、マグネシウム シリコン ナトリウム フルオライド ハイドロオキサイド オキサイド、アルキル4級アンモニウム塩、合成ヘクトライト、粘度鉱物、変性ベントナイト、鉱物および有機変性ベントナイトの混合系などを挙げることができる。
上記チキソトロピー性付与剤は市販品を用いることができ例としては、ヒュームドシリカ(“アエロジル”(登録商標)(日本アエロジル(株)製))、“OPTIGEL”(登録商標)、“OPTIBENT”(登録商標)、“GARAMITE”(登録商標)、“LAPONITE”(登録商標)、“TIXOGEL”(登録商標)、“CRAYTONE”(登録商標)、“CLOISITE”(登録商標)(BYK製)、“ソマシフ”(登録商標)ME-100、ミクロマイカMK(片倉コープアグリ(株)製)などが挙げられる。
上記チキソトロピー性付与剤をエポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対して好ましくは0.1~20質量部、より好ましくは0.5~10質量部、さらに好ましくは0.5~5質量部含むことで成形中の樹脂フロー抑制効果と樹脂フィルムのタック特性の良好なバランスを得ることができる。
さらに、本発明におけるエポキシ樹脂組成物は構成要素[F]として硬化助剤を含むことができる。硬化助剤の例としては、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム=メチルスルフェート、4-(メチルチオ)フェノールなどを挙げることができる。
上記硬化助剤は市販品を用いることができ、例としては、“サンエイド”(登録商標)SI-S、“サンエイド”(登録商標)S-ME(三新化学工業(株)製)などが挙げられる。
上記硬化助剤をエポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対して好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.1~5質量部、さらに好ましくは0.1~2.5質量部含むことで、エポキシ樹脂組成物の速硬化性とポットライフの良好なバランスを得ることができる。
さらに、本発明におけるエポキシ樹脂組成物は構成要素[G]としてゴムを含むことができる。ゴムの例としては天然ゴム、ジエン系ゴム、非ジエン系ゴムなどを挙げることができる。ジエン系ゴムの例としてはスチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴムなどが挙げられる。非ジエン系ゴムの例としてはブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。本発明におけるエポキシ樹脂組成物中の含有物としては非ジエン系ゴムが好ましくなかでも二重結合をポリマー主鎖にもたない、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムは耐光性が高く、本発明におけるエポキシ樹脂組成物に対する耐光性への影響が少ないことから特に好ましい。また、ゴムの形状としては特にパウダー状であればエポキシ樹脂組成物中での分散性に優れるため好ましい。
全エポキシ樹脂100質量部に対して上記ゴムの含有量は5~50質量部が好ましい。ゴムを全エポキシ樹脂100質量部に対して5質量部以上含むことで、樹脂フロー抑制効果ならびに硬化後のエポキシ樹脂組成物の伸度が優れるため塗装後のひび割れ防止効果を得られ、50質量部以下含むことで対象と本発明における樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との密着性に優れる。
上記ゴムは市販品を用いることができ、例としては、KMP-598、KMP-600、KMP-601、KMP-602、KMP-605(信越化学工業製)、“セビアン(登録商標)”(ダイセルミライズ(株)製)、JSR N215SL、JSR N222SH、JSR N238H、JSR N241H、JSR N250S、PN30A、PN20HA、N280(JSR(株)製)などが挙げられる。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、例えば離型紙の上にコーティングしシート状にすることで樹脂フィルムとし、該離型紙付き樹脂フィルムを成形型に貼り付け、離型紙を剥がした後に光源により表層の樹脂フィルムを光硬化させる(本発明において離型紙にエポキシ樹脂組成物をコーティングした材料を「離型紙付き樹脂フィルム」、シート状のエポキシ樹脂組成物単体を「樹脂フィルム」と言う。以下、光硬化をUVによる硬化やUV硬化と記載することもある)。光硬化は樹脂フィルム表面の流動性がなくなるほど硬化させてもよく、硬化度を任意に調整してある程度の流動性を残してもよい。樹脂フィルム表面の流動性がなくなるほどの場合は樹脂フィルムと混合する繊維強化複合材料予備体に含まれる樹脂の量を抑制することができるため好ましく、硬化度を任意に調整してある程度の流動性を残した場合は繊維強化複合材料中間体における樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との密着性や繊維強化複合材料における樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性を向上させる点で好ましい。なお光硬化による樹脂フィルムの硬化度は光硬化前後の樹脂フィルムのDSCの昇温測定により光硬化後の残存発熱ピークと光硬化前の発熱ピークの比を求めることで算出できる。樹脂フィルムの取り扱い性の向上のためにシート状の支持体を用いることができる。支持体は特に限定はなく、樹脂フィルムを把持可能なものであればよく、例えば上述した離型紙が用いられる。支持体の目付は5~50g/mであると樹脂フィルムの取り扱い性が良好になる。支持体の目付が5g/m以上あると支持体が取り扱い時に破れにくく、50g/m以下だと樹脂フィルムの賦形性が良好になる点で好ましい。成形型の形は任意であり、材質は金属やFRP、石膏、木製などの型を用いることができる。成形型上で光硬化した樹脂フィルムの上に繊維強化複合材料に使用されるプリプレグやRTM材、レジンフィルムインフュージョン(RFI)材(本発明において「繊維強化複合材料前駆体」とも言う)ならびに硬化の進行した半硬化の、もしくは完全に硬化した複合材料(本発明において「繊維強化複合材料予備体」と言う)を積層し、その後、必要に応じて加熱および/または加圧により該積層体を後硬化することで表面に耐UV性およびUV遮蔽性を有する繊維強化複合材料を得ることができる(本発明において光硬化させた樹脂フィルムに繊維強化複合材料予備体を積層して得られるものを「繊維強化複合材料中間体」と言い、繊維強化複合材料中間体からさらに硬化を進めたものを「繊維強化複合材料」と言う)。ここで、繊維強化複合材料予備体のうちプリプレグは繊維(本発明において繊維強化複合材料前駆体または繊維強化複合材料予備体に用いる繊維を「強化繊維」と言う)にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸してなるシート状の繊維強化複合材料前駆体であり、RTM材は強化繊維基材を型に積層し、そこに液状の熱硬化性樹脂を注入し強化繊維基材に含浸させてなる繊維強化複合材料前駆体であり、RFI材は熱硬化性樹脂フィルムを強化繊維基材上に重ね、積層したものを加熱および/または加圧により熱硬化性樹脂を強化繊維基材に含浸させてなる繊維強化複合材料前駆体を指す。
樹脂フィルムは加熱による予備硬化をしてもよい。加熱はオーブン、IRヒーター、離型紙付き樹脂フィルムの離型紙面を熱版に接触させる等で行ってもよい。予備硬化時のオーブンや炉、IRヒーター、熱版の温度は40~200℃が好ましい。温度が40℃以上であると予備硬化時間を短縮でき、200℃以下であると樹脂フィルムを均一に予備硬化できる。
繊維強化複合材料予備体の硬化度が0~60%であると、繊維強化複合材料予備体に含まれる樹脂の硬化が未完了であることで高い賦形性が得られ、本発明に係るエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムとの化学結合が期待でき、繊維強化複合材料における樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性が向上するため好ましい。硬化度が60%を超える繊維強化複合材料予備体の場合、表面を研磨処理および/またはプラズマ処理により表面を荒らすなどの処理をし、物理的に繊維強化複合材料における樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性を向上させるのが好ましい。硬化度が20~100%であると成形中に本発明に係るエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムと混合する繊維強化複合材料予備体に含まれる樹脂の量を抑制することが可能となる点で好ましい。従って、繊維強化複合材料における樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性と成形中に本発明に係るエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムと混合する繊維強化複合材料予備体に含まれる樹脂量の抑制効果の良好なバランスを得るためには硬化度が20~60%であることがさらに好ましい。
本発明に関わるエポキシ樹脂組成物は様々な方法でシート状にし、光硬化性の樹脂フィルムを作製することができる。例えば、エポキシ樹脂組成物をアセトン、メチルエチルケトンおよびメタノールなどから選ばれる有機溶媒に溶解させて低粘度化し、離型紙にコーティングした後に有機溶媒を蒸発させてフィルムを得るウェット法、有機溶媒を用いずに加熱により低粘度化し、離型紙にコーティングすることでフィルムを得るホットメルト法がある。
本発明に係る樹脂フィルムの目付は30~300g/mであることが好ましい。樹脂フィルムの目付が30g/m以上であると繊維強化複合材料の表面が透けて見えることなく覆うことができ、十分な耐UV性を発揮可能となる。また、樹脂フィルムの目付が300g/m以下であると繊維強化複合材料予備体とともに成形する際、エポキシ樹脂組成物硬化による発熱が抑えられるため好ましい。
本発明の製造方法はエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムを成形型へ貼り付け、光硬化した後にプリプレグやRTM材、RFI材などの繊維強化複合材料予備体を光硬化後の樹脂フィルムに積層し、繊維強化複合材料中間体を得る。繊維強化複合材料中間体は種々の方法で成形することができる。
繊維強化複合材料予備体として未処理のプリプレグやRFI材を用いる場合はプレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング法、ラッピングテープ法、内圧成形法、引抜成形法などにより加熱および/または加圧し成形することで繊維強化複合材料中間体を硬化する。また、RFI材は光硬化後の樹脂フィルムの上に熱硬化性樹脂フィルムを積層し、さらにその上から強化繊維基材を積層し、繊維強化複合材料中間体を得た後に加熱加圧にて成形することで繊維強化複合材料中間体を硬化する。RTM材は強化繊維を光硬化後の樹脂フィルムに積層(プリフォーム)した後に、真空圧により樹脂注入を行うVaRTM法や樹脂を高い圧力で加圧し注入するHP-RTM法を介して加熱、加圧し成形することで繊維強化複合材料中間体を硬化する。
光硬化後の樹脂フィルムの表面を研磨処理および/またはプラズマ処理で荒らすことで、後に積層する繊維強化複合材料予備体との密着性と成形後の樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性を向上させることが可能となり好ましい。
繊維強化複合材料予備体は事前に硬化度を調製することが可能であり、該硬化度の調整方法としては、種々の方法が用いられるが、プリプレグを用いる場合は、例えばプレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング法、ラッピングテープ法、内圧成形法、引抜成形法などにより加熱および/または加圧し成形してもよい。RTM材の硬化度の調整方法についても既知の種々の手法が用いられる。RTM材に用いる熱硬化性樹脂の特性に合わせて真空圧により樹脂注入を行うVaRTM法や樹脂を高い圧力で加圧し注入するHP-RTM法などが用いられ、硬化度は、前処理の温度、時間により制御される。制御する際は、硬化させる温度を段階的に変化させる多段階の処理を用いるとより安定して硬化度が制御でき、また繊維強化複合材料中のボイドを減らす観点で好ましい。また、RTM材は脱型後オーブンによる加熱を行うことでも硬化度を制御することが可能である。
繊維強化複合材料前駆体または繊維強化複合材料予備体の強化繊維としては、各種炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維やアラミド繊維などが好ましく用いられる。本発明の方法を介して繊維強化複合材料を製造した場合、成形過程中で本発明に係るエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムと混合する繊維強化複合材料予備体に含まれる樹脂の量を抑制することが可能となる点で好ましい。また、本発明の方法で製造した繊維強化複合材料予備体は加圧・加熱成形により完全硬化することで表面に耐UV性およびUV遮蔽性を有する繊維強化複合材料を得ることが可能となる。
後硬化させる方法についても既知の種々の方が用いられるが、例えばオートクレーブやオーブン、プレス中で加熱、必要に応じて加圧することが好ましく用いられる。後硬化させる際は、成形型上で行ってもよいし、型を用いないフリースタンドで行ってもよい。硬化温度は、用いられる繊維強化複合材料予備体の樹脂に使用される硬化剤や硬化触媒に依存するが、熱応力による歪、皺の発生を抑制したり、最表層に塗布した樹脂層と繊維強化複合材料予備体との密着性を維持したりする観点で100~200℃の温度で行うことが好ましい。
繊維強化複合材料中間体の成形により得られる繊維強化複合材料の樹脂フィルム側表面を研磨処理および/またはプラズマ処理にて荒らすことで、繊維強化複合材料表面とその上を覆うペイント剤やプライマーなどとの接着性を向上させることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。また、各種特性の測定は、特に注釈のない限り温度23℃、相対湿度50%の環境下で行った。
<実施例および比較例で用いた材料>
(1)構成要素[A]非芳香族エポキシ樹脂
・(3’,4’-エポキシシクロヘキサン)メチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(“セロキサイド”(登録商標)2021P、(株)ダイセル製)エポキシ当量:136(g/eq.)
・2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジグリシジルエーテル(YX8000、三菱ケミカル(株)製)。
(2)構成要素[B]顔料
・酸化チタン(ルチル型)(“Ti-Pure”(登録商標)R-960、ケマーズ(株)製、体積平均粒径0.5μm)。
(3)構成要素[C]非芳香族熱可塑性樹脂
・ポリビニルホルマール(“ビニレック”(登録商標)K、JNC(株)製)。
(4)構成要素[D]カチオン硬化剤
・ジメチル-p-アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート“サンエイド”(登録商標)SI-150、三新化学工業(株)製)。
(5)繊維強化複合材料予備体
・T300/3631-2織物(平織)プリプレグ(東レ(株)製)
・T300織物(平織)(東レ(株)製)。
(6)構成要素[E]チキソトロピー性付与剤
・ヒュームドシリカ(“AEROSIL(登録商標)”RY200S、日本アエロジル(株)製)。
(7)構成要素[F]硬化助剤
・4-(メチルチオ)フェノール(“サンエイド(登録商標)”S-ME三新化学工業(株)製)。
(8)構成要素[G]ゴム
・シリコーンゴムパウダー(KPM-601、信越化学工業(株)製)。
<エポキシ樹脂組成物および繊維強化複合材料の作製方法および評価方法>
以下の方法にて各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物ならびに繊維強化複合材料を作製し各種測定を行った。
(1)エポキシ樹脂組成物の作製
表1~6に記載の構成要素[A]に該当するエポキシ樹脂、および構成要素[B]に該当する顔料および必要であれば構成要素[E]チキソトロピー性付与剤、構成要素[G]ゴムを三本ロールミルに投入し、任意のロール回転速度で混合し、粉体混合予備体を得た。前記粉体混合予備体と表1~6に記載の構成要素[C]に該当する熱可塑性樹脂を混合器へ投入し、加熱混合を行い、熱可塑性樹脂を溶解させた。次いで、混練を続けたまま60℃以下の温度まで降温させ、表1~6に記載の構成要素[D]カチオン硬化剤を加えて攪拌し、エポキシ樹脂組成物を得た。
(2)繊維強化複合材料予備体の硬化度調整
繊維強化複合材料としてT300/3631-2織物(平織)プリプレグの6枚積層体を用意し、180℃のオーブンに一定時間入れることでプリプレグの硬化度を調整した。また、RTM材として成形型内にT300織物(平織)をプリフォーミングして6枚積層体(本発明において「プリフォーム」とも言う)を用意した。成形型にプリフォームを賦形し、トリグリシジル-m-アミノフェノール(“アラルダイト”(登録商標)MY0600 ハンツマン(株)製、エポキシ等量118)100質量部とジエチルトルエンジアミン(“jER”(登録商標)キュアW、三菱ケミカル(株)製、アミン当量68)をエポキシ当量とアミン当量の比が1.0となるように混合した樹脂組成物(本発明において「樹脂A」とも言う)を型に注入し、プリフォームに樹脂組成物を60℃で注入し、RTM材を得た。得られたRTM材を180℃のオーブンに一定時間入れることでRTM材の硬化度を調整した。
(3)繊維強化複合材料予備体の硬化度測定
繊維強化複合材料予備体の硬化度は示差走査熱量計(DSC Q2500:TAインスツルメント(株)製)を用いて、窒素雰囲気中で5℃/分の昇温速度にて、得られる発熱曲線の発熱量より計算した。上記(2)で180℃のオーブンに入れる前の繊維強化複合材料予備体の発熱量をW1(mW/g)、180℃のオーブンに入れる後の繊維強化複合材料予備体の発熱量をW2(mW/g)とし、硬化度を以下の式により計算した。
W2/W1×100[%]。
(4)繊維強化複合材料予備体の表面処理
繊維強化複合材料予備体の表面を任意に処理(研磨)した。繊維強化複合材料予備体における樹脂フィルムに密着する表面に耐水性研磨紙C34P#400(理研コランダム(株)製)を手で押し当て5往復することで、表面処理とした。
(5)エポキシ樹脂組成物の樹脂フィルム作製
(1)で作製した樹脂組成物を30cm幅の離型紙の上にエポキシ樹脂組成物の目付が200g/mとなるようにリバースロールコーターを用いてコーティングし、離型紙付き樹脂フィルムを得た。
(6)繊維強化複合材料中間体の作製
離型紙付き樹脂フィルムの樹脂フィルム側を成形型に貼り付け、離型紙のみを剥がした。ここで、成形型にはアルミニウム板に離型剤を塗布したものを用いた。
トスキュア401(東芝ライテック(株)製)を用いて樹脂フィルムへ70mW/cmのエネルギー密度で1分間UV照射し、光硬化し、その上から上記(2)~(4)の繊維強化複合材料予備体を積層することで繊維強化複合材料中間体を得た。
(7)繊維強化複合材料中間体の熱硬化
上記(6)にて得られた繊維強化複合材料中間体を熱硬化した。繊維強化複合材料予備体がプリプレグ積層体からなる繊維強化複合材料中間体はオートクレーブにて6気圧、180℃2時間、昇温1.7℃/分の条件で、硬化度を調整した繊維強化複合材料予備体がRTM材からなる繊維強化複合材料中間体はオーブンにて180℃2時間、昇温1.7℃/分の条件で熱硬化した。RTM材の前処理を行っていない場合は、光硬化後の樹脂フィルム上にプリフォームを積層し、その状態でオーブンにて樹脂Aを60℃で注入し、そのままオーブンにて180℃2時間、昇温1.7℃/分の条件で熱硬化した。
(8)熱硬化後の樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性
上記(7)にて熱硬化して得られた繊維強化複合材料の樹脂フィルム表面に補修テープ(“スコッチ”(登録商標)DUCT-TP18 3M(株)製)を48mm×80mmの範囲に貼り付け、10cm角のアルミプレートを上に重ね、その状態で5分間静置した後、テープを引き剥がした際、テープの粘着面に一部でも樹脂フィルムが付着した場合、繊維強化複合材料における樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性が「不良」、付着がなかった場合を「良好」と判定した。
(9)成形中に樹脂フィルムに混入する繊維強化複合材料予備体の樹脂量
上記(7)で調製した繊維強化複合材料の樹脂フィルム側をATR法によるIR測定(FT/IR-4000日本分光(株)製 プリズム:ダイヤモンド、測定波長:400~4,000cm-1、積算回数:16回)を行い、エステルを示す1,715cm-1のピークを用いて規格化し、繊維強化複合材料予備体に使用されている樹脂硬化物由来のベンゼン環を示す1,592cm-1のピークの値を評価することで、繊維強化複合材料予備体に使用されている樹脂が成形中に樹脂フィルムと混合し、繊維強化複合材料の表面へ露出した量を評価することが可能となる。繊維強化複合材料予備体に使用されている樹脂硬化物起因のベンゼン環を示す1,592cm-1のピークの値が0.6以下であれば、繊維強化複合材料の表面の耐UV性は良好と判定した。また、実施例50~53においては上記と同様にATR法によるIR測定を実施し、エステルを示す1715cm-1のピークを用いた規格化は行わず、繊維強化複合材料予備体に使用されている樹脂硬化物起因のベンゼン環を示す1592cm-1のピークの値を評価した。この場合、繊維強化複合材料予備体に使用されている樹脂硬化物起因のベンゼン環を示す1592cm-1のピークの値が1.0以下であれば、繊維強化複合材料の表面の耐UV性は良好と判定した。
<実施例1~22>
実施例1~22は、耐UV性およびUV遮蔽性を有するエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムを成形型に貼り付けた後、該樹脂フィルムをUV照射により硬化し、その上から未処理のまたは硬化度を調整したプリプレグの表面を未処理または研磨処理を行った繊維強化複合材料予備体を積層することで得られた繊維強化複合材料中間体をオートクレーブにて成形した。
実施例1~22は成形中に樹脂フィルム中に混入するプリプレグの樹脂量について良好との判定が得られた。また、プリプレグの硬化度が高い程熱成形中に樹脂フィルムに混入するプリプレグの樹脂量の抑制効果が高く、特に実施例5~22でその効果が高いことが示された。
実施例1~14は成形後の樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性が良好との判定が得られた。一方で、実施例15~22の内、硬化度を調整したプリプレグへの表面研磨を行わなかった実施例15、17、19、21は繊維強化複合材料における樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性が不良との判定が得られ、繊維強化複合材料予備体を表面研磨した実施例16、18、20、22は繊維強化複合材料における樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性が良好との判定が得られた。
<実施例23~43>
実施例23~43は耐UV性およびUV遮蔽性を有するエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムを成形型に貼り付けた後、該樹脂フィルムをUV照射により硬化し、硬化度を調整したRTM材の表面を未処理または研磨処理した繊維強化複合材料予備体を積層することで得られた繊維強化複合材料中間体をオーブンにて熱硬化した。前処理を行っていない場合は、光硬化後の樹脂フィルム上にプリフォームを積層し、その状態で樹脂Aを60℃で注入し、オーブンにて熱硬化した。
実施例23~43は熱硬化中に樹脂フィルムに混入するRTM材の樹脂量について良好との判定が得られた。また、RTM材の硬化度が高い程熱成形中に樹脂フィルム中に混入するRTM材の樹脂量の抑制効果が高く、特に実施例26~43でその効果が高いことが示された。
実施例23~35は熱硬化後の樹脂フィルムと繊維強化複合材料の接着性が良好との判定が得られた。一方で、実施例36~43の内、硬化度を調整した繊維強化複合材料予備体への表面研磨を行わなかった実施例36、38、40、42は繊維強化複合材料における樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性が不良との判定が得られ、繊維強化複合材料予備体を表面研磨した実施例37、39、41,43は繊維強化複合材料における樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性が良好との判定が得られた。
<比較例1~2>
比較例1は耐UV性およびUV遮蔽性を有するエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムを成形型に貼り付けた後、該樹脂フィルムにUV照射を行わず未処理のプリプレグを積層しオートクレーブにて熱硬化した。比較例2は耐UV性およびUV遮蔽性を有するエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムを成形型に貼り付けた後、該樹脂フィルムにUV照射を行わずプリフォームを積層し、その状態で樹脂Aを60℃で注入し、オーブンにて熱硬化することでRTM材による繊維複合材料を得た。
比較例1~2は繊維強化複合材料における樹脂フィルムと繊維強化複合材料予備体との接着性が良好との判定が得られた一方、熱成形中に樹脂フィルムに混入するプリプレグまたはRTM材の樹脂量が多く不良と判定された。
<実施例1、5、44~53>
実施例44~53は耐UV性およびUV遮蔽性を有するエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムを成形型に貼り付けた後、該樹脂フィルムをUV照射により硬化し、その上から未処理のまたは硬化度を調整したプリプレグの表面を未処理または研磨処理を行った繊維強化複合材料予備体を積層することで得られた繊維強化複合材料中間体をオートクレーブにて成形した。実施例44~53は熱成形中に塗布剤中に混入するプリプレグの樹脂量について良好との判定が得られた。また、塗布前のプリプレグの硬化度が高い程熱成形中に塗布剤に混入するプリプレグの樹脂量の抑制効果が高いことが示された。
実施例44~45では対応した実施例1、5に記載のエポキシ樹脂組成物に構成要素[E]チキソトロピー性付与剤をそれぞれ添加している。実施例44~45と実施例1、5を比較すると実施例44~45の方が熱成形過程中に塗布剤に混入するプリプレグの樹脂量が抑制されることが示された。
実施例46~47では対応した実施例1、5に記載のエポキシ樹脂組成物に構成要素[F]硬化助剤をそれぞれ添加している。実施例46~47と実施例1、5を比較すると硬化助剤の添加により熱成形過程中に塗布剤に混入するプリプレグの樹脂量が増加は見られる一方で、判定は良好である。構成要素[F]硬化助剤は硬化反応を抑制する効果があり、エポキシ樹脂組成物調製時の工程通過性を高める効果があるため、該工程通過性と熱成形過程中に塗布剤に混入するプリプレグの樹脂量を両立するように制御することが可能となることが示された。
実施例48~49では対応した実施例1、5に記載のエポキシ樹脂組成物に構成要素[G]ゴムをそれぞれ添加している。実施例48~49と実施例1、5を比較すると実施例48~49の方が熱成形過程中に塗布剤に混入するプリプレグの樹脂量が抑制されることが示された。
実施例50~51では構成要素[A]非芳香族エポキシ樹脂を2種類含有している。対応する実施例1、5と比較すると構成要素[A]を2種類含有することにより熱成形過程中に塗布剤に混入するプリプレグの樹脂量が増加は見られる一方で、判定は良好であった。
実施例52~53は構成要素[A]を2種類含有し、構成要素[E]チキソトロピー性付与剤、構成要素[F]硬化助剤、[G]ゴムを添加している。構成要素[A]の2種類配合ならびに構成要素[F]硬化助剤の添加により、熱成形過程中に塗布剤に混入するプリプレグの樹脂量が増加する効果が実施例46~47、50~51で見られたが、実施例44~45、48~49にて熱成形過程中に塗布剤に混入するプリプレグの樹脂量が低減する効果を示した構成要素[E]チキソトロピー性付与剤と構成要素[G]ゴムの添加による効果が上回り、熱成形過程中に塗布剤に混入するプリプレグの樹脂量を抑制可能なことが示された。

Claims (13)

  1. 以下の構成要素[A]~[D]を含むエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対して構成要素[B]を15~75質量部含むエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムを成形型に貼り付けた後、該エポキシ樹脂組成物を光硬化せしめ、該樹脂フィルムの上に繊維強化複合材料予備体を積層することで得られる繊維強化複合材料中間体の製造方法。
    [A]非芳香族エポキシ樹脂
    [B]体積平均粒径0.1~10μmの顔料
    [C]非芳香族熱可塑性樹脂
    [D]カチオン硬化剤またはアニオン硬化剤
  2. 前記エポキシ樹脂組成物がさらに構成要素[E]を含む、請求項1に記載の繊維強化複合材料中間体の製造方法。
    [E]チキソトロピー性付与剤
  3. 前記エポキシ樹脂組成物がさらに構成要素[F]を含む、請求項1または2に記載の繊維強化複合材料中間体の製造方法。
    [F]硬化助剤
  4. 前記エポキシ樹脂組成物が構成要素[A]を少なくとも2種類含む、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化複合材料中間体の製造方法。
  5. 前記構成要素[A]~[D]を含むエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルムを光硬化せしめた後、該樹脂フィルム表面を研磨処理および/またはプラズマ処理する、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化複合材料中間体の製造方法。
  6. 前記エポキシ樹脂組成物を光硬化せしめた後、前記樹脂フィルムの上に繊維強化複合材料予備体を積層する前に該繊維強化複合材料予備体の硬化度を20~60%とする、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化複合材料中間体の製造方法。
  7. 前記エポキシ樹脂組成物を光硬化せしめた後、前記樹脂フィルムの上に繊維強化複合材料予備体を積層する前に該繊維強化複合材料予備体の硬化度を20~60%とした後、該繊維強化複合材料予備体の表面を研磨処理および/またはプラズマ処理する、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化複合材料中間体の製造方法。
  8. 前記繊維強化複合材料予備体が炭素繊維を含む、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化複合材料中間体の製造方法。
  9. 請求項1~のいずれかに記載の繊維強化複合材料中間体の製造方法で製造された繊維強化複合材料中間体に対し、さらに加熱、または加熱および加圧による成形を行う、繊維強化複合材料の製造方法。
  10. 前記繊維強化複合材料の構成要素[A]~[D]を含むエポキシ樹脂組成物を含む樹脂フィルム側の表面を研磨処理および/またはプラズマ処理する、請求項に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  11. 以下の構成要素[A]~[]を含むエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対して構成要素[B]を15~75質量部含むエポキシ樹脂組成物を含む、光硬化性の樹脂フィルム。
    [A]非芳香族エポキシ樹脂
    [B]体積平均粒径0.1~10μmの顔料
    [C]非芳香族熱可塑性樹脂
    [D]カチオン硬化剤またはアニオン硬化剤
    [E]チキソトロピー性付与剤
  12. 前記エポキシ樹脂組成物がさらに構成要素[F]を含む、請求項11に記載の光硬化性の樹脂フィルム。
    構成要素[F]硬化助剤
  13. 前記エポキシ樹脂組成物が構成要素[A]を少なくとも2種類含む、請求項11または12に記載の光硬化性の樹脂フィルム。
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