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JP7740953B2 - 車体フレームのクラッシュボックス構造 - Google Patents
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JP7740953B2 - 車体フレームのクラッシュボックス構造 - Google Patents

車体フレームのクラッシュボックス構造

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Description

本発明は、車体フレームの前部に衝突時の衝撃力を吸収するために設けられるクラッシュボックス構造に関する。
図1に示すように、トラック、バス、RV、SUV等の車体フレーム1として、車幅方向に間隔を隔てて車長方向に延出された一対のサイドメンバ2と、これらサイドメンバ2の間に車長方向に間隔を隔てて架け渡された複数のクロスメンバ3とを備えたラダーフレームが知られている。かかるラダーフレーム1においては、サイドメンバ2の前部にクラッシュボックス構造(図1の太線部分)4が備えられており、衝突時に前方から衝撃が加わったとき、クラッシュボックス構造4が軸圧壊する(潰れる)ことで衝撃力を吸収するようになっている。クラッシュボックス構造4は、初期ピーク荷重特性とエネルギー吸収特性が重要となる。
図2(a)に示すように、一般的なクラッシュボックス構造4として、コ字断面材5、6を一組向き合わせて最中状に溶接して構成され、四角状の閉断面が車体の前後方向にストレート状に延出されたクラッシュボックス構造4aが知られている。しかし、このような一定断面形状のストレート状のクラッシュボックス構造4aにおいては、衝突時の初期衝撃荷重が高くなり、衝突した瞬間に相手側に与える荷重および自車の搭乗員が受ける荷重が高くなってしまう。また、形状が一定断面形状のストレート状であると、衝突初期から終期にかけて軸圧壊する際、エネルギー吸収特性のコントロールが困難である。
一方、図2(b)に示すように、後部から車体の前方に向けて全体的に徐々に収縮してテーパー状に延出されたクラッシュボックス構造4bが知られている(特許文献1、2参照)。図2(a)のストレート状のクラッシュボックス構造4aと対比するため、図2(b)のテーパー状のクラッシュボックス構造4bについても、コ字断面材7、8を一組向き合わせて最中状に溶接して構成し、後部断面形状のサイズを図2(a)のストレート状のクラッシュボックス構造4aと同等(図1のサイドメンバ2の先端のサイズ)とする。このような全体がテーパー状の閉断面部材から成るクラッシュボックス構造4bは、図2(a)の断面一定のストレート状のクラッシュボックス構造4aと比べると、初期衝撃荷重を低く抑えることはできるが、全体のエネルギー吸収量が低下してしまう。
特開平9-277945号公報 特開2012-201286号公報
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、車体フレームの前部に衝突時の衝撃力を吸収するために設けられるクラッシュボックス構造において、衝突時の初期ピーク荷重を抑えつつ、全体のエネルギー吸収量を確保でき、衝突初期から終期にかけてのエネルギー吸収特性のコントロールが容易な車体フレームのクラッシュボックス構造を提供することにある。
上記目的を達成すべく創案された本発明によれば、車体フレームの前部に取り付けられた閉断面部材からなり、前方から衝突荷重が加わった際に軸圧壊して衝突エネルギーを吸収するクラッシュボックス構造であって、車体フレームの前部に装着され、軸方向前方に延出された断面形状が一定のストレート状の閉断面部材からなる後部クラッシュボックス部と、後部クラッシュボックス部の前部に繋げて設けられ、軸方向前方に徐々に収縮して延出されたテーパー状の閉断面部材からなる前部クラッシュボックス部と、を有し、前部クラッシュボックス部に、軸方向と交差する方向に凹状又は凸状に形成された前部ビードが形成され、後部クラッシュボックス部に、軸方向に沿う方向に凹状又は凸状に形成された後部ビードが形成されている、ことを特徴とする車体フレームのクラッシュボックス構造が提供される。
本発明に係る車体フレームのクラッシュボックス構造においては、前部クラッシュボックスの前端の断面積が、後部クラッシュボックスの断面積の1/4~3/4であってもよい。
本発明に係る車体フレームのクラッシュボックス構造においては、前部クラッシュボックス部および後部クラッシュボックス部からなる全体の軸方向の長さを1としたとき、前部クラッシュボックス部の軸方向の長さが1/3プラスマイナス1/10であり、後部クラッシュボックス部の軸方向の長さが2/3プラスマイナス1/10であってもよい。
本発明に係る車体フレームのクラッシュボックス構造においては、正面から見て、前部クラッシュボックス部の前端が、後部クラッシュボックス部の中心に対して上下・左右にずらして配置されていてもよい。
本発明に係る車体フレームのクラッシュボックス構造によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)衝突時に、先ずテーパー状の閉断面部材からなる前部クラッシュボックス部(軸方向強度小)が軸圧壊し、次いで断面形状が一定の閉断面部材からなる後部クラッシュボックス部(軸方向強度大)が軸圧壊するため、軸方向強度が小さい前部クラッシュボックス部の潰れによって衝突初期のピーク荷重を低く抑えつつ、軸方向強度が大きい後部クラッシュボックス部の潰れによって全体のエネルギー吸収量を確保できる。
(2)軸方向強度が小さいテーパー状の前部クラッシュボックス部と軸方向強度が大きいストレート状の後部クラッシュボックス部とが前後に連なって構成されているので、全長に対する前部クラッシュボックス部の軸方向長さの割合(後部クラッシュボックス部の割合でも同様)を変更することで、衝突初期から終期にかけてのエネルギー吸収特性を様々な特性にコントロールできる。
(3)衝突初期のピーク荷重は前部クラッシュボックス部の軸方向強度に相関し、前部クラッシュボックス部の軸方向強度は前部クラッシュボックス部のテーパー率に相関するので、前部クラッシュボックス部の後端の断面積に対する前端の断面積の縮小率(すなわち後部クラッシュボックス部の断面積に対する前部クラッシュボックス部の前端の断面積の縮小率)を変更して前部クラッシュボックス部のテーパー率を変更することで、衝突初期のピーク荷重をコントロールできる。
(4)軸方向強度が小さいテーパー状の前部クラッシュボックス部に軸方向と直交する前部ビードが形成されており、軸方向強度が大きいストレート状の後部クラッシュボックス部に軸方向と平行な後部ビードが形成されているため、前部ビードによって前部クラッシュボックス部の軸方向強度が更に低下し、後部ビードによって後部クラッシュボックス部9の軸方向強度が更に増大する。よって、衝突時に、先ずテーパー状の前部クラッシュボックス部が軸圧壊する際の初期ピーク荷重が低く抑えられ、次いで断面積一定の後部クラッシュボックス部が軸圧壊する際のエネルギー吸収量が大きくなる。
クラッシュボック構造を備えた車体フレームの斜視図である。 従来例を示すクラッシュボックス構造の説明図であり、(a)は断面形状が一定のストレート状のクラッシュボックス構造の斜視図、(b)は断面形状が前方に徐々に収縮されたテーパー状のクラッシュボック構造の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るクラッシュボックス構造の説明図であり、(a)は本実施形態に係るクラッシュボックス構造の斜視図、(b)はその前端の断面積を示す概略図、(c)はその後端の断面積を示す概略図である。 本実施形態のクラッシュボックス構造と、従来例のクラッシュボックス構造(一定断面品、全体テーパー品)について、衝突特性(軸方向前方から衝突力を模擬した力を加えた際の変位と荷重およびエネルギー吸収量との関係)のシミュレーション結果を表したグラフである。 本実施形態のクラッシュボックス構造の前端断面積を後端断面積の3/4にしたものと、従来例の一定断面のクラッシュボックス構造について、夫々、衝突特性のシミュレーション結果を表したグラフである。 本実施形態のクラッシュボックス構造のテーパー状の前部クラッシュボックス部の長さを全体の1/3にしたもの、1/3+1/5にしたもの、1/3-1/5にしたものについて、夫々、衝突特性のシミュレーション結果を表したグラフである。 本発明にクラッシュボックス構造の変形例を正面から見た説明図であり、(a)は前端が中心に配置されたもの、(b)は前端が左右端に配置されたもの、(c)は前端が上下端に配置されたもの、(d)は前端が四隅に配置されたもの、を示す。 変形例(左右端合わせ、中心合わせ、四隅合わせ)に係るにクラッシュボックス構造について、衝突特性のシミュレーション結果を表したグラフである。 本発明の別の変形例(ビード有り)を示すクラッシュボックス構造の斜視図である。 別の変形例(ビード有り)、最初の実施例(ビード無し)、従来例(一定断面品)について、夫々、衝突特性のシミュレーション結果を表したグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。係る実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(車体フレーム1のクラッシュボックス構造4xの概要)
図3(a)に本発明の一実施形態に係る車体フレーム1のクラッシュボックス構造4xを示す。本実施形態に係るクラッシュボックス構造4xは、図1に示す車体フレーム(ラダーフレーム)1のサイドメンバ2の前部に取り付けられている従来のクラッシュボックス構造(太線表示)4(4a、4b)の代わりに取り付けられ、前方から衝突荷重が加わった際に軸圧壊して衝突エネルギーを吸収するものである。
図3(a)に示すように、本実施形態に係るクラッシュボックス構造4xは、図1に示す車体フレーム1のサイドメンバ2の前部に装着(溶接)される後部クラッシュボックス部9と、後部クラッシュボックス部9の前部に繋げて設けられた前部クラッシュボックス部10とを有する。後部クラッシュボックス部9は、サイドメンバ2の前部から軸方向前方に延出された断面形状(矩形)が一定のストレート状の閉断面部材からなり、前部クラッシュボックス部10は、後部クラッシュボックス部9の前部から軸方向前方に徐々に収縮して延出されたテーパー状の閉断面部材からなる。後部クラッシュボックス部9の断面形状はサイドメンバ5の前端の断面形状に合わせられている。
このようにテーパー状の閉断面部材からなる前部クラッシュボックス部10とストレート状の閉断面部材からなる後部クラッシュボックス部9とから成るクラッシュボックス構造4xは、本実施形態においては、コ字断面材11、12を一組向き合わせて最中状に溶接して断面矩形に構成されているが、前後方向に一体的なパイプ材(前部クラッシュボックス部10となる前部がテーパー状に絞られ、後部クラッシュボックス部9となる後部がストレート状のパイプ材)であってもよく、テーパー状の前部クラッシュボックス部10とストレート状の後部クラッシュボックス部9とを別々に製作してそれらを直列に溶接したものであってもよい。
(前部クラッシュボックス部10の前端の断面積)
図3(a)、図3(b)、図3(c)に示すように、本実施形態に係るクラッシュボックス構造4xにおいては、前部クラッシュボックス10の前端の断面積が、後部クラッシュボックス9の断面積の1/4~3/4となっている。すなわち、ストレート状の後部クラッシュボックス部9の高さをH、幅をBとすると、テーパー状の前部クラッシュボックスス部10の前端の高さが0.5~0.87H、幅が0.5~0.87Bとなっており、ストレート状の後部クラッシュボックス部9の断面積をAとすると、テーパー状の前部クラッシュボックス部10の前端の断面積は(1/4~3/4)Aとなっている。
(前部クラッシュボックス部10の長さ)
図3(a)に示すように、本実施形態に係るクラッシュボックス構造4xにおいては、前部クラッシュボックス部10および後部クラッシュボックス部9からなる全体の軸方向の長さをLとしたとき、前部クラッシュボックス部10の軸方向の長さが(1/3プラスマイナス1/10)Lであり、後部クラッシュボックス部9の軸方向の長さが(2/3プラスマイナス1/10)Lとなっている。これらの長さの割合は、前部クラッシュボックス部10の軸方向の長さが(1/3)L、後部クラッシュボックス部9の軸方向の長さが(2/3)Lが好ましく、上下10%の変動が許容されている。
(作用・効果)
図3(a)に示す本実施形態に係る車体フレーム1のクラッシュボックス構造4xによれば、衝突時に、先ずテーパー状の閉断面部材からなる前部クラッシュボックス部10(軸方向強度小)が軸圧壊し、次いで断面形状が一定の閉断面部材からなる後部クラッシュボックス部9(軸方向強度大)が軸圧壊するため、軸方向強度が小さい前部クラッシュボックス部10の潰れによって衝突初期のピーク荷重を低く抑えつつ、軸方向強度が大きい後部クラッシュボックス部9の潰れによって全体のエネルギー吸収量を確保できる。
これを解析(シミュレーション)で確認した。図4は、本実施形態のクラッシュボックス構造4x(図3(a)参照)と、従来例のクラッシュボックス構造(図2(a)に示す一定断面品のクラッシュボックス構造4a、図2(b)に示す全体テーパー品のクラッシュボックス構造4b)について、夫々、軸方向前方から衝突力を模擬した力を加えた際の変位と荷重、変位とエネルギー吸収量の関係をシミュレーションした結果を表したグラフである。
図4に矢印Aで示すように、本実施形態のクラッシュボックス構造4xの初期ピーク荷重は、全体テーパー品のクラッシュボックス構造4bの初期ピーク荷重と同等であり、一定断面のクラッシュボックス構造4aの初期ピーク荷重よりも大幅に低くなっている。これにより、本実施形態のクラッシュボックス構造4xは、衝突した瞬間に相手側に与える荷重および自車の搭乗員が受ける荷重を、一定断面のクラッシュボックス構造4aと比べて大幅に低くでき、全体テーパー品のクラッシュボックス構造4bと同等にできる。
図4に矢印B、Cで示すように、本実施形態のクラッシュボックス構造4xの最終的なエネルギー吸収量は、一定断面のクラッシュボックス構造4aよりも低いものの、全体テーパー品のクラッシュボックス構造4bよりは大きい。よって、本実施形態のクラッシュボックス構造4xは、全体テーパー品のクラッシュボックス構造4bよりも規模(衝撃)の大きな衝突に対応できる。すなわち、本実施形態のクラッシュボックス構造4xによれば、初期ピーク荷重を全体テーパー品のクラッシュボックス構造4bと同等に小さくしつつ、エネルギー吸収量を全体テーパー品のクラッシュボックス構造4bよりも大きくでき一定断面のクラッシュボックス構造4aに近付けることができる。
(前部クラッシュボックス部10の断面積の縮小率の範囲について)
また、図3(a)に示す本実施形態に係る車体フレームのクラッシュボックス構造4xにおいては、衝突初期のピーク荷重は前部クラッシュボックス部10の軸方向強度に相関し、前部クラッシュボックス部10の軸方向強度は前部クラッシュボックス部10のテーパー率に相関する。よって、前部クラッシュボックス部10の後端の断面積に対する前端の断面積の縮小率(すなわち後部クラッシュボックス部9の断面積に対する前部クラッシュボックス部10の前端の断面積の縮小率)を変更して前部クラッシュボックス部10のテーパー率を変更することで、衝突初期のピーク荷重をコントロールできる。
図3(a)、図3(b)、図3(c)に示すように、本実施形態に係るクラッシュボックス構造4xにおいては、前部クラッシュボックス部10の前端を後部クラッシュボックス9の後端に対して相似形に縮小し、前部クラッシュボックス部10の前端の断面積を後部クラッシュボックス部9の断面積の1/4~3/4としている。この数値範囲について説明する。
図5は、本実施形態のクラッシュボックス構造4xの前端断面積を後端断面積の3/4にしたものと、従来例の一定断面のクラッシュボックス構造4aについて、夫々、軸方向前方から衝突力を模擬した力を加えた際の変位と荷重、変位とエネルギー吸収量の関係をシミュレーションした結果を表したグラフである。
図5に矢印Dで示すように、前端断面3/4のクラッシュボックス構造4xの初期ピーク荷重は、一定断面品のクラッシュボックス構造4aの初期ピーク荷重に対して約10%低減される。従って、前端断面積が3/4よりも大きいと、明確な初期ピーク荷重の低減(10%以上)が得られないと推定できる。よって、前端断面のMax.を3/4とした。また、前端断面が1/4よりも小さいと、初期ピーク荷重が小さくなり過ぎて全体としてのエネルギー吸収量が稼げない。よって、前端断面のMin.を1/4とした。なお、矢印Eに示すように、前端断面3/4のクラッシュボックス構造4xの最終的なエネルギー吸収量は、一定断面のクラッシュボックス構造4aと同等となる。
(前部クラッシュボックス部10と後部クラッシュボックス部9の割合について)
また、図3(a)に示す本実施形態に係る車体フレームのクラッシュボックス構造4xにおいては、軸方向強度が小さいテーパー状の前部クラッシュボックス部10と軸方向強度が大きいストレート状の後部クラッシュボックス部9とが前後に連なって構成されているので、全長に対する前部クラッシュボックス部10の軸方向長さの割合(後部クラッシュボックス部の割合9でも同様)を変更することで、衝突初期から終期にかけてのエネルギー吸収特性を様々な特性にコントロールできる。
図3(a)に示すように、本実施形態に係るクラッシュボックス構造4xにおいては、全長に対する前部クラッシュボックス部10の軸方向の長さが1/3プラスマイナス1/10であり、全長に対する後部クラッシュボックス部9の軸方向の長さが2/3プラスマイナス1/10としている。この数値範囲について説明する。
図6は、本実施形態のクラッシュボックス構造4xのテーパー状の前部クラッシュボックス部10の長さを全体の1/3(後部クラッシュボックス部9を2/3)にしたもの、1/3+1/5(後部クラッシュボックス部9を2/3-1/5)にしたもの、1/3-1/5(後部クラッシュボックス部9を2/3+1/5)にしたものについて、夫々、軸方向前方から衝突力を模擬した力を加えた際の変位と荷重、変位とエネルギー吸収量の関係をシミュレーションした結果を表したグラフである。
図6において、前部クラッシュボックス部10を1/3としたもの(基準品)、前部クラッシュボックス部10を1/3+1/5としたもの、前部クラッシュボックス部10を1/3-1/5としたものを対比すると、断面変化の数値範囲がプラスマイナス1/5(20%)としたものは、初期ピーク荷重については矢印Fで示すように基準品と同等であるが、エネルギー吸収量については矢印Gで示すように基準品と最大で10%以上の差が生じてしまう。このため、断面変化の数値範囲を基準品に対してプラスマイナス1/10(10%)とした。
(前部クラッシュボックス部10の前端の配置について)
図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(d)は、本実施形態に係るクラッシュボックス構造4xにおける前部クラッシュボックス部10の前端位置の変形例を正面から見た説明図であり、(a)は前部クラッシュボックス部10の前端が後部クラッシュボックス部9の中心に配置されたクラッシュボックス構造(基準品)4x、(b)は前端が左右端に配置されたクラッシュボックス構造4x1、(c)は前端が上下端に配置されたクラッシュボックス構造4x2、(d)は前端が四隅に配置されたクラッシュボックス構造4x3である。これらの内、(a)、(b)、(d)について、既述したシミュレーションと同様のシミュレーションを行った。
図8は、図7(a)の前部クラッシュボックス部10の前端が後部クラッシュボックス部9の中心に配置されたクラッシュボックス構造(中心合わせ、基準品)4x、図7(b)の前端が左右端に配置されたクラッシュボックス構造(左右端合わせ)4x1、図7(d)の前端が四隅に配置されたクラッシュボックス構造(四隅合わせ)4x3について、夫々、軸方向前方から衝突力を模擬した力を加えた際の変位と荷重、変位とエネルギー吸収量の関係をシミュレーションした結果を表したグラフである。
図8に示すように、中心合わせ、左右端合わせ、四隅合わせは、前部クラッシュボックス部10の前端の配置が異なっていても、初期ピーク荷重が矢印Hで示すように略同等であり、エネルギー吸収量も矢印Iで示すように略同等である。すなわち、前端の配置違いによる初期ピーク荷重およびエネルギー吸収量への影響は小さい。よって、前部クラッシュボックス部10の前端の位置はどこでもよく、車体フレーム1を設計する上でレイアウトの自由度が広がる。
図8を詳細に考察すると、厳密には、左右端合わせ、四隅合わせが、中心合わせよりも、初期ピーク荷重、エネルギー吸収量が共に高くなっている。これは、左右端合わせ、四隅合わせにおいては、前部クラッシュボックス部10の一部の側面が後部クラッシュボックス部9の一部の側面と面一となっているため、面一となっていない中心合わせよりも座屈強度が向上したためと考えられる。よって、図7(c)の上下合わせのクラッシュボックス構造4x2についても面一となっているためシミュレーションはしていないが同様の結果になると推定できる。
(別の変形例)
図9に本発明の別の変形例に係る車体フレーム1のクラッシュボックス構造4yを示す。この変形例に係るクラッシュボックス構造4yは、上述した最初の実施例に係るクラッシュボックス構造4xと基本的には同様の構成であり、前部クラッシュボックス部10に、軸方向と交差する方向に凹凸状に形成された前部ビード13が形成され、後部クラッシュボックス部9に、軸方向に沿う方向に凹凸状に形成された後部ビード14が形成されている点が、最初の実施形態と相違する。よって、最初の実施形態と同様の構成要素について同様の符号を付して説明を省略し、最初の実施形態と相違する構成要素のみを説明する。
(前部ビード13)
図9に示すように、前部クラッシュボックス部10は、最初の実施形態と同様に軸方向前方に徐々に収縮して延出されたテーパー状の閉断面部材からなり、その前部クラッシュボックス部には、軸方向と交差する方向に凹状に形成された前部ビード13が形成されている。この実施例では、前部ビード13は、軸方向に間隔を隔てて2個形成されているが、1個でも3個以上でもよい。前部ビード13は、前部クラッシュボックス部10の外面を一周するように環状に形成されているが、一周せずに途切れるように形成されていてもよい。前部ビード13は、凹状ではなく凸状に形成されていてもよい。前部ビード13は、軸方向に対して直交(90度)して形成されているが、軸方向と交差する方向であれば斜めに形成されれたもの(例えば軸方向に対して45度以上90度以下)でもよい。
(後部ビード14)
図9に示すように、後部クラッシュボックス部9は、最初の実施形態と同様に軸方向前方に延出された断面形状が一定のストレート状の閉断面部材からなり、その後部クラッシュボックス部9には、軸方向に沿う方向に凹状に形成された後部ビード14が形成されている。この実施例では、後部ビード14は、上下方向(軸方向と直交する方向)に間隔を隔てて2個形成されているが、1個でも3個以上でもよい。後部ビード14は、後部クラッシュボックス部9の車幅方向左右の側面に夫々形成されているが、何れか一方の側面のみに形成してもよく、上下面に形成してもよい。後部ビード14は、凹状ではなく凸状に形成されていてもよい。後部ビード14は、軸方向に対して平行に形成されているが平行から多少ずれていてもよく、軸方向に沿う方向には、軸方向に平行のみならず平行から多少ずれるもの(例えば軸方向に対して0度以上45度未満)も含まれる。
(図9の作用・効果)
図9に示す変形例に係るクラッシュボックス構造4yによれば、軸方向強度が小さいテーパー状の前部クラッシュボックス部10に軸方向と直交する前部ビード13が形成されており、軸方向強度が大きいストレート状の後部クラッシュボックス部9に軸方向と平行な後部ビード14が形成されているため、前部ビード13によって前部クラッシュボックス部10の軸方向強度が更に低下し、後部ビード14によって後部クラッシュボックス部9の軸方向強度が更に増大する。
このため、図9に示すビード有りのクラッシュボックス構造4yによれば、衝突時に、先ずテーパー状の前部クラッシュボックス部10が軸圧壊する際の初期ピーク荷重が、前部ビード13が無いもの(図3(a)参照)と比べて低く抑えられ、次いで断面積一定の後部クラッシュボックス部9が軸圧壊する際のエネルギー吸収量が、後部ビード14の無いもの(図3(a)参照)と比べて大きくなる。
これを解析(シミュレーション)で確認した。図10は、図9に示すビード有りのクラッシュボックス構造(変形例)4y、図3(a)に示すビード無しのクラッシュボックス構造(最初の実施例)4x、図2(a)に示す一定断面品のクラッシュボックス構造(従来例)4aについて、夫々、軸方向前方から衝突力を模擬した力を加えた際の変位と荷重、変位とエネルギー吸収量の関係をシミュレーションした結果を表したグラフである。
シミュレーションした結果を表したグラフである。
図10に矢印Jで示すように、ビード有りのクラッシュボックス構造4yの初期ピーク荷重は、ビード無しのクラッシュボックス構造4xの初期ピーク荷重よりも大幅に低く(55%程度)なっている。この結果、図9に示すビード有りのクラッシュボックス構造4yは、図3(a)に示すビード無しクラッシュボックス構造4xと比べ、衝突した瞬間に相手側に与える荷重および自車の搭乗員が受ける荷重を大幅に低くできる。
図10に矢印Kで示すように、ビード有りのクラッシュボックス構造4yの最終的なエネルギー吸収量は、ビード無しのクラッシュボックス構造4xのエネルギー吸収量よりも明らかに増大しており、一定断面品のクラッシュボックス構造4aのエネルギー吸収量と同等になっている。この結果、図9に示すビード有りのクラッシュボックス構造4yは、図3(a)に示すビード無しクラッシュボックス構造4xよりも規模(衝撃)の大きな衝突に対応でき、図2(a)に示す一定断面品のクラッシュボックス構造4aと同等の規模(衝撃)の衝突に対応可能となる。
本発明は、トラック、バス等の車体フレームの前部に衝突時の衝撃力を吸収するために設けられるクラッシュボックス構造に利用できる。
1 車体フレーム
2 サイドメンバ
3 クロスメンバ
4x クラッシュボックス構造
4y クラッシュボックス構造
9 後部クラッシュボックス部
10 前部クラッシュボックス部
13 前部ビード
14 後部ビード

Claims (4)

  1. 車体フレームの前部に取り付けられた閉断面部材からなり、前方から衝突荷重が加わった際に軸圧壊して衝突エネルギーを吸収するクラッシュボックス構造であって、
    前記車体フレームの前部に装着され、軸方向前方に延出された断面形状が一定のストレート状の閉断面部材からなる後部クラッシュボックス部と、
    該後部クラッシュボックス部の前部に繋げて設けられ、軸方向前方に徐々に収縮して延出されたテーパー状の閉断面部材からなる前部クラッシュボックス部と、を有し、
    前記前部クラッシュボックス部に、軸方向と交差する方向に凹状又は凸状に形成された前部ビードが形成され、前記後部クラッシュボックス部に、軸方向に沿う方向に凹状又は凸状に形成された後部ビードが形成されている、ことを特徴とする車体フレームのクラッシュボックス構造。
  2. 前記前部クラッシュボックスの前端の断面積が、前記後部クラッシュボックスの断面積の1/4~3/4である、ことを特徴とする請求項1に記載の車体フレームのクラッシュボックス構造。
  3. 前記前部クラッシュボックス部および前記後部クラッシュボックス部からなる全体の軸方向の長さを1としたとき、前記前部クラッシュボックス部の軸方向の長さが1/3プラスマイナス1/10であり、前記後部クラッシュボックス部の軸方向の長さが2/3プラスマイナス1/10である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車体フレームのクラッシュボックス構造。
  4. 正面から見て、前記前部クラッシュボックス部の前端が、前記後部クラッシュボックス部の中心に対して上下・左右にずらして配置されている、ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の車体フレームのクラッシュボックス構造。
JP2021173600A 2021-10-25 2021-10-25 車体フレームのクラッシュボックス構造 Active JP7740953B2 (ja)

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