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JP7741038B2 - レール締結構造に用いられる締結バネ - Google Patents
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JP7741038B2 - レール締結構造に用いられる締結バネ - Google Patents

レール締結構造に用いられる締結バネ

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Description

本発明は、軌道スラブやまくらぎに取り付けられたタイプレートにレールを締結するためのレール締結構造に用いられる締結バネに関する。
鉄道などのレールを軌道スラブやまくらぎに締結する場合に、レールを板バネなどの金属部材で保持するレール締結構造が用いられている。このようなレール締結構造は、種々の構造が知られており、例えば、特許文献1に記載されたレール締結装置が知られている。
すなわち、特許文献1に記載されたレール締結装置は、路盤側にタイプレートを固定し、このタイプレート側に固定した板バネによって上から押圧しレールを保持している。この場合板バネはその端面がレール長手方向と平行に位置し、この端面をレール底部の上面に直接押圧している。
特開2018-123480号公報
従来のレール締結装置に用いられるタイプレートや板バネは、金属製であり、腐食の防止や電気絶縁性能を確保するために、絶縁板の挿入や板バネの表面処理等が施されている。また、レールとレール締結装置の間を絶縁する電気絶縁性に起因して生じる帰線電流の地絡等による輸送障害の発生を防止するために、上述した電気絶縁性能を向上させることが望まれている。
しかし、従来のレール締結装置は、タイプレートや板バネが金属製であることから、板バネの表面処理が損傷するなど、板バネの減肉、折損または脱落などにより短絡が生じ、上述した輸送障害の発生を完全に抑制することが難しいという問題があった。
また、タイプレートや板バネの表面処理が損傷した場合などは、当該部品を起因とする腐食や電食によるレール折損が発生するため、当該レール折損の発生リスクを限りなくゼロにしたいという要求もある。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、電気絶縁性及び耐食性に優れ、重量を低減することができる非金属材料を適用したレール締結構造に用いられる締結バネを提供することを目的とする。
本発明に係る締結バネは、レールを非金属材料で形成されたタイプレートに締結するための締結バネであって、前記締結バネは、非金属材料で形成され、前記締結バネは、前記タイプレートに挿通されたボルトに挿通可能な貫通孔を有し、幅方向に沿って上側に凸となるように湾曲しており、前記貫通孔は、前記幅方向に長い長孔に形成されると共に鉛直方向断面において、鉛直方向上方から下方に向かって縮径することを特徴とする。
また、本発明に係る締結バネにおいて、前記非金属材料は、炭素繊維強化プラスチックであると好適である。
また、本発明に係る締結バネにおいて、前記締結バネは、幅方向端部が円弧状に形成された円弧端を有していると好適である。
また、本発明に係る締結バネにおいて、前記締結バネは、炭素繊維強化プラスチックのシートを幅方向に巻き回すことで、前記炭素繊維強化プラスチックが積層されていると好適である。
上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
本発明に係るレール締結構造は、タイプレートおよび締結バネを非金属材料で形成しているので、電気絶縁性及び耐食性に優れたレール締結構造を実現することができる。また、これら部品を非金属材料で形成しているので、重量を低減することが可能となる。
本発明の実施形態に係るレール締結構造の概要を示す斜視図。 本発明の実施形態に係るレール締結構造に用いられる締結バネの六面図および断面図。 本発明の実施形態に係るレール締結構造をレール延設方向から示した図。 本実施形態に係るレール締結構造の締結バネ応力の測定結果。 本実施形態に係るレール締結構造の締結バネの温度特性試験結果を示すグラフ。 本実施形態に係るレール締結構造の締結バネの先端ばね特性試験時の荷重変位曲線を示すグラフ。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係るレール締結構造の概要を示す斜視図であり、図2は、本発明の実施形態に係るレール締結構造に用いられる締結バネの六面図および断面図であり、図3は、本発明の実施形態に係るレール締結構造をレール延設方向から示した図であり、図4は、本実施形態に係るレール締結構造の締結バネ応力の測定結果であり、図5は、本実施形態に係るレール締結構造の締結バネの温度特性試験結果を示すグラフであり、図6は、本実施形態に係るレール締結構造の締結バネの先端ばね特性試験時の荷重変位曲線を示すグラフである。
図1に示すように、本実施形態に係るレール締結構造1は、図示しない路盤に位置決めされた軌道スラブやまくらぎに取り付けられている。本実施形態に係るレール締結構造1は、軌道スラブやまくらぎに取り付けられた非金属材料であるガラス短繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)で構成されたタイプレート10と、タイプレート10にレール高さ調節パッド3および軌道パッド4を介して載置されたレール2と、該レール2の下部を上方から保持する締結バネ20と、締結バネ20を固定する締結ボルト33、締結ナット32および絶縁座金31とを有している。
図2に示すように、締結バネ20は、幅方向に沿って上側に凸となるように湾曲した部材であり、非金属材料であるガラス繊維強化プラスチック(GFRP)や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)によって構成されており、例えば、エポキシ樹脂にカーボンが混合されている。炭素繊維強化プラスチックは、ヤング率が特に高いことに加え、導電率が金属と比べて低いことから本実施形態に係るレール締結構造1に好適に用いられる。
締結バネ20の中央部には、鉛直方向に延びる貫通孔21が形成されている。貫通孔21は、幅方向に長い長孔に形成されており、上方から下方に向かって径が縮径するように形成されている。
また、締結バネ20の幅方向端部は、円弧状に形成された円弧端を有している。締結バネ20は、炭素繊維強化プラスチックのシートを幅方向に巻き回すことで、断面に補強繊維が積層されて構成されており、炭素繊維強化プラスチックのシートを幅方向に巻き回すことで、円弧端を形成することが可能となっている。さらに、電気絶縁性や耐摩耗性を高めるために、締結バネ20の炭素繊維強化プラスチックの外層にガラス繊維強化プラスチックの層を形成しても構わない。
このように構成された本実施形態に係るレール締結構造1は、図3に示すように、図示しない路盤上にタイプレート10を固定し、締結ボルト33および締結ナット32によって締結バネ20によって上から押圧しレール2を保持している。このとき、締結バネ20の基端側の円弧端22が係止部12にレール2の敷設方向回りに回動自在に係止することで、他端側の円弧端が高さ調整自在に取り付けられる。
また、締結バネ20の貫通孔21は、上方から下方に向かって径が縮径するように形成されているので、上述し他端側の円弧端が回動することによる締結ボルト33と貫通孔21の干渉を防止して締結バネ20の弾性力を確実にレール2に付与することが可能となる。
なお、本実施形態に係るレール締結構造1は、タイプレート10が非金属材料で構成されているので、従来のレール締結構造に用いられていた、タイプレートと路盤の間に介在される絶縁プレートを削減することが可能である。
次に、図4を参照して、本実施形態に係るレール締結構造1の性能試験結果について説明を行う。性能試験は、「鉄道構造物等設計標準・同解説 軌道構造」(以下、「軌道標準」という)に則り静的・動的二方向載荷試験を行った。載荷試験は、JIS60kgレール、在来線(締結間隔625mm)、曲線半径600m以上の軌道への適用を想定したものとし、設計軸重150kNのもとで設計作用A荷重およびB荷重を決定した。測定点は、タイプレートの裏面の一方の固定ボルト孔近傍I,他方の固定ボルト孔近傍II,タイプレート上面のレール嵌合溝の一方の長手方向端部近傍IIIおよび他方の長手方向端部近傍IVの位置で測定を行った。
図4に示すように、載荷中に本実施形態に係るレール締結構造1の締結バネ20に発生する最大応力は、57.1MPaであり、炭素繊維強化プラスチックの引張強さ638MPaに対して十分に小さいことが確認できた。
また、動的載荷試験は、静的載荷試験と同様の条件で実施し、目標繰り返し回数は10回とした。10回載荷後、締結ボルト・締結ナットの緩みは生じず、外観上の異状は認められなかった。
このように、静的載荷試験および動的載荷試験の結果から、本実施形態に係るレール締結構造1は、疲労破壊に関する安全性を有することが確認できた。
次に、本実施形態に係るレール締結構造1について、軌道標準に準拠して電気絶縁抵抗試験を実施した。電気絶縁抵抗試験は、乾燥状態として散布なし、降雨状態として水道水を散布、汚損状態として濃度0.1%の食塩水を散布した状態の3パターンについて電気絶縁抵抗値を測定した。電気絶縁抵抗試験の結果、電気絶縁抵抗値は、いずれの状態においても軌道標準に示される設計基準値1.6kΩを上回り、試験条件のうち汚損状態であっても従来のレール締結構造と比較して20倍以上となった。これにより、本実施形態に係るレール締結構造1は、従来のレール締結構造と比較して十分に高い電気絶縁性を有することが確認できた。
次に、締結バネ20の性能確認試験結果について説明を行う。性能確認試験は、締結バネ20の温度特性およびばね特性に関する試験を行った。
(温度特性)
CFRPのような樹脂系材料は、高温時の軟化や低温時の脆化など環境温度に依存して機械的強度などの特性が変化する。その一方で、締結バネ20の使用環境温度は、-20℃から60℃と想定されるため、この温度領域における機械的強度の指標となる引張強さと引張弾性率および曲げ強さと曲げ弾性率に関する温度特性を取得した。
図5に示すように、温度特性試験の結果は、CFRPの引張強さは室温23℃での638MPaに対して、低温側で低減傾向がみられ、最低値は-20℃での527MPa(17%低減)であった。一方、曲げ強さは、室温23℃での462MPaに対して、高温側で低減傾向がみられ、最低値は60℃での439MPa(5%低減)であった。このように、CFRPの機械的強度は、温度依存性の影響が比較的少ないことが確認できた。
(ばね特性)
締結バネ20の先端ばね特性試験は、図3に示すようなタイプレート10の座面形状を模した治具と締結バネ20でレールを締結し、試験速度1mm/minでレールに載荷した。レール位置は、敷設時のレール高低調整時に想定される締結バネの姿勢変化が先端ばね特性に及ぼす影響を評価するため、座面が治具の締結バネ座面から各8mm,18mm,24mm低い位置とした。また、ボルトは軸力が負荷されない程度に手締め締結とした。この試験では、荷重範囲4kN~12kNの載荷を繰り返し、3回目の荷重区間4kN~12kNの変位と荷重から先端ばね定数を求めた。ばね特性試験時の荷重と変位の関係を図6に示す。図6に示すように、締結バネ20の荷重変位曲線は、荷重区間0kN~12kNの範囲でヒステリシス性がみられた。
先端ばね特性試験の測定結果は以下の表1の通りとなった。先端ばね定数(算出区間4~8kN)は、レール位置8mmで8.0MN/m,24mmで7.6MN/mであった。このように曲面形状の締結バネ20は、姿勢変化の影響が少なく、レール高さに依存しない安定した締結力が得られることが確認できた。
このように、本実施形態に係るレール締結構造1は、タイプレート10および締結バネ20が非金属材料で構成されているので、レールと支承体の間を絶縁する電気絶縁性能を向上させることができ、当該電気絶縁性に起因して生じる帰線電流の地絡などの輸送障害の発生リスクを低減することが可能となる。
また、本実施形態に係るレール締結構造1は、タイプレート10を非金属材料で構成しているので、従来のタイプレートと比較して重量を低減することが可能となる。
また、上述した本実施形態に係るレール締結構造は、タイプレート10をガラス短繊維強化熱可塑性プラスチックで構成し、締結バネ20を炭素繊維強化プラスチックで形成した場合について説明を行ったが、非金属材料は、これらに限定されず、従来周知の種々の非金属材料を適用しても構わない。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 レール締結構造, 2 レール, 3 高さ調整パッド, 4 軌道パッド, 10 タイプレート, 20 締結バネ, 21 貫通孔, 22 円弧端, 31 絶縁座金, 32 締結ナット, 33 締結ボルト。

Claims (4)

  1. レールを非金属材料で形成されたタイプレートに締結するための締結バネであって、
    前記締結バネは、非金属材料で形成され、
    前記締結バネは、前記タイプレートに挿通されたボルトに挿通可能な貫通孔を有し、幅方向に沿って上側に凸となるように湾曲しており、
    前記貫通孔は、前記幅方向に長い長孔に形成されると共に鉛直方向断面において、鉛直方向上方から下方に向かって縮径することを特徴とする締結バネ。
  2. 請求項1に記載の締結バネにおいて、
    前記非金属材料は、炭素繊維強化プラスチックであることを特徴とする締結バネ。
  3. 請求項に記載の締結バネにおいて、
    前記締結バネは、幅方向端部が円弧状に形成された円弧端を有していることを特徴とする締結バネ。
  4. 請求項に記載の締結バネにおいて、
    前記締結バネは、炭素繊維強化プラスチックのシートを幅方向に巻き回すことで、前記炭素繊維強化プラスチックが積層されていることを特徴とする締結バネ。
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