図1aは、本発明による搬送装置1の代表的な構成の正面図である。図1bは、搬送装置1の側面図である。搬送装置1は、搬送面TEを形成する固定子2を有する。図示された例では、搬送面TEは、垂直軸Zと長手軸Xと横軸Yとを有する水平面である。しかし、当然に、例えば直角又は所定の角度を成して傾いている別の配置も可能である。当該構成は、主に、搬送装置1の望ましい用途に依存する。ここでは、固定子2は、互いに隣接する複数のi個の搬送区間TSiから構成されている。これにより、搬送装置1は、モジュール式に構成され得て、様々な大きさの面積を有する搬送面TEiが実現され得る。当然に、このモジュール式の構造はオプションにすぎず、1つの固定子2が、ただ1つの構成要素だけによって構成されてもよい。固定子2の搬送面TE内では、1つ又は複数の(以下では、共通して3を付記された)搬送ユニットが、少なくとも二次元で移動され得る。図示された例では、搬送ユニット3A,3Bが、互いに独立して少なくとも二次元で移動され得る。例えば、長手軸X又は横軸Yに沿った1つの軸方向だけの移動が可能であるか、又は、搬送ユニット3Bの移動軌跡BPBによって示されているように、Y軸とX軸とによる二次元の移動軌跡も可能である。搬送装置1の適切な構成の場合、その他の4つの移動自由度が、少なくとも限定的に利用されてもよい。
このため、1つ(又は複数の)平面モータ制御装置5(ハードウェア及び/又はソフトウェア)によって制御される複数の駆動コイル6が、固定子2、特に複数の搬送区間TSiに設けられている。例えば、巻き付けられた複数のワイヤコイル、又はプリント基板上に配置されたいわゆるPCBコイル(PCB=printed circuit board)が、複数の駆動コイル6として使用される。磁場を発生させるため、電流が、駆動コイル6に通電され得る。このために場合によっては必要なパワーエレクトロニクス機器が、平面モータ制御装置5又は固定子2(例えば、搬送区間TSi)に配置され得る。並設された複数の駆動コイル6を適切に制御することによって、可動の主磁場が生成され得る。搬送ユニット3の適切な移動軌跡を実現するため、当該磁場が、搬送面TE内で任意の方向に及ぶように、これらの駆動コイル6は、好ましくは固定子2に配置されている。搬送面TEは、数学的な意味での平面であると解するのではなくて、搬送ユニット3が移動できる、それぞれの固定子2によって限定された平坦な搬送面とみなされ得る。これらの駆動コイル6は、固定子2の平面内に、例えばそれぞれ90°だけずれた複数のコイル群状に(図2参照)、又はフィッシュボーン状に(例えば、Jansen, J. W., 2007. Magnetically levitated planar actuator with moving magnets. In: electromechanical ANALYSIS and Design Eindhoven: Technische Universiteit Eindhoven DOI: 10.6100/IR630846参照)配置され得る。しかし、以下で説明するように、これらの駆動コイル6は、重なり合っている複数の平面内に配置されてもよい。
図1a及び図1bに示された例では、複数の駆動コイル6が、Z方向に2つの層状に重なり合って配置されている。第1層では、複数の駆動コイル6yが、搬送ユニット3に対してY方向とZ方向とに力を発生するために使用され得るように、これらの駆動コイル6yは配向されている。第2層では、複数の駆動コイル6xが、搬送ユニット3に対してX方向とZ方向とに力を発生するために使用され得るように、これらの駆動コイル6xは配向されている。可能な限り大きい移動ルートを形成するため、両層は、搬送面TEの全域にわたってほぼ完全に延在する。図示された例では、図1bにおいて明らかであるように、Z方向において、複数の駆動コイル6yを有する当該第1層が、複数の駆動コイル6xを有する当該第2層よりも、搬送ユニット3の表面の近くに存在し、したがって搬送ユニット3の近くに存在する。当然に、当該例は、例示にすぎず、当該配置は逆にされてもよい。
これらの駆動コイル6xとこれらの駆動コイル6yとは、互いに直交に整列されなくてもよい。複数の駆動コイル6から成る1つの層又は別の複数の層がさらに設けられてもよい。さらに、1つの層の複数の駆動コイル6が、隣接した層内の複数の駆動コイル6に対して任意の角度を成して配置されてもよい。しかしながら、これらの駆動コイル6の全体は、X方向とY方向との双方の移動を可能にする。複数の搬送ユニット3と固定子2の複数の搬送区間TSiとの間の永久磁石の引力を減少させるため、これらの駆動コイル6は、特に鉄芯なしのいわゆる空芯コイルとして構成されている。これにより、これらの搬送ユニット3が、複数の駆動磁石4によって搬送面TEの方向に強く引き付けられない。駆動力を搬送ユニット3に及ぼすため、これらの駆動コイル6と協働するそれぞれ複数の駆動磁石4、例えば永久磁石が、これらの搬送ユニット3に配置されている。
したがって、搬送ユニット3を移動させるため、これらの駆動磁石4と協働する可動磁場が、これらの駆動コイル6の制御にしたがって生成される。稼働中に、空隙が、固定子2のこれらの駆動コイル6と1つの搬送ユニット3のこれらの駆動磁石4との間に設けられている。搬送面TE内での二次元の移動に加えて、搬送ユニット3の垂直方向、すなわち搬送面TEに対して垂直方向、ここではZ方向の特定の移動も可能である。すなわち、これらの駆動コイル6は、Z方向の(浮)力も引き起こす。これらの駆動コイル6を適切に制御することによって、当該空隙が、限定された範囲内で増大及び減少され得る。これにより、搬送ユニット3が、垂直方向に移動され得る。この場合、垂直方向の確保可能な移動遊び空間の大きさは、搬送装置1の構造に依存し、特にこれらの駆動コイル6及びこれらの駆動磁石4の生成可能な最大磁場に依存し、且つ当該搬送ユニットの重量及び荷重(例えば、搬送される物品の重量)に依存する。搬送装置1の大きさ及び寸法にしたがって、垂直方向の当該確保可能な移動範囲は、例えば数ミリメートルから数十センチメートルの範囲内にあり得る。Z軸を中心とした搬送ユニット3A,3Bの回転移動も可能であり、Y軸とX軸とを中心とした回転移動も、限定された範囲内で可能である。
図示された例では、搬送ユニット3の外部装着は省略され得る。搬送ユニット3は、搬送ユニット3の駆動磁石4と搬送区間TSiの駆動コイル6とから発生したZ方向に作用する磁力(浮力)だけによって浮上する。しかし、駆動コイル6と搬送磁石4との間の望ましい空隙は、必ずしも専ら磁気式に生成され又は保持される必要はなくて、搬送ユニット3が、任意の別の方法で支持されてもよい。このため、例えば、任意の適切な機構、例えば機械機構、電磁機構、空気圧機構等が協働してもよい。図示された例では、平面モータ制御装置5が設けられている。固定子2の駆動コイル6が、平面モータ制御装置5によって制御され得る。例えば、複数の固定子2又は複数の搬送装置1を一緒に制御し、同期させるため、平面モータ制御装置5は、例えば(図示されていない)上位制御装置に接続されてもよい。
しかし、当然に、平面モータ制御装置5は、上位制御装置に組み込まれてもよい。それぞれ1つの区間制御装置(ハードウェア及び/又はソフトウェア)が、それぞれの搬送区間TSiごとに、又は複数の搬送区間TSiから成る群ごとに設けられていることも提唱され得る。当該区間制御装置は、平面モータ制御装置5又は当該上位制御装置内に組み込まれてもよく、又は独立した装置として構成されてもよい。平面モータ制御装置5及び/又は当該上位制御装置は、例えば図示されていないユーザインターフェース、例えば搬送ユニット1を制御できるコンピュータに接続され得る。例えば搬送ユニット3同士の衝突を回避するため、又はこれらの搬送ユニット3によって搬送される物品同士の衝突を回避するため、複数の搬送ユニット3の複数の移動軌跡が、平面モータ制御装置5及び/又は当該上位制御装置によって互いに同期され得るか又は相互に調整され得る。搬送ユニット3の望ましい移動プロファイルを実現する制御プログラムが、平面モータ制御装置5上で実行される。しかし、平面モータの構造及び機能は基本的に公知である。それ故に、ここでは、詳細に説明しない。
本発明によれば、少なくとも1つの搬送ユニット3Aと少なくとも1つの連結ユニット50とが、搬送装置1内に設けられている。この場合、搬送ユニット3Aを連結ユニット50に脱着可能に連結するため、それぞれ少なくとも1つの連結装置11が、搬送ユニット3Aと連結ユニット50とに配置されている。搬送ユニット3Aと連結ユニット50とは、搬送面TE内で相対移動することによって複数の連結装置11を用いて少なくとも一時的に1つの搬送体群に連結可能である。この場合、搬送ユニット3Aと連結ユニット50との間の相対移動を少なくとも1つの移動自由度に限定するため、これらの連結装置11が、当該連結された搬送体群内で協働する。この場合、本発明の第1の変形例によれば、少なくとも1つの連結ユニット50は、別の搬送ユニット3Bでもよい。この場合、少なくとも2つの搬送ユニット3A,3Bは、これらの連結装置11によって1つの連結ユニット群TVに連結可能である。これらの搬送ユニット3A,3Bは、当該連結された状態において搬送面TE内で一緒に移動可能である。本発明の第2の変形例によれば、少なくとも1つの連結ユニット50は、物品Oを収容するための物品キャリアOTでもよい。この場合、搬送ユニット3Aは、物品キャリアOTと一緒に物品キャリア群OVとして結合可能である。物品キャリア群OV内の物品キャリアOTは、搬送ユニット3Aによって搬送面TE内で移動可能である。以下では、当該第1の変形例を図1a~図13に基づいて詳しく説明する。当該第2の変形例を図14a~図17bに基づいて詳しく説明する。
図1a及び図1bによる例では、少なくとも2つの搬送ユニット3、ここでは搬送ユニット3A,3Bが設けられている。これらの搬送ユニット3A,3Bを脱着可能に、特に直接に連結するため、それぞれ少なくとも1つの連結装置11が、これらの搬送ユニットに配置されている。図1aに示されているように、これらの搬送ユニット3A,3Bは、これらの連結装置11によって少なくとも一時的に1つの搬送ユニット群TVに連結され得る。その結果、搬送ユニット群TVが、1つの構成要素として平面モータ制御装置5によって制御されて搬送面TE内で移動される。これにより、非常に適応性のある製造工程が、搬送装置1によって可能になり得る。例えば、搬送ユニット群TVは、個々の搬送ユニット3A,3Bよりも高い駆動力及び浮力を発生させるために使用され得る。
当該例は、状況によっては個々の搬送ユニット3A,3Bによって移動され得ないか又は不十分にしか搬送され得ない比較的重い物品を搬送ユニット群TVによって搬送するために使用され得る。当該物品が、例えば1つの搬送ユニット3Aだけに配置されている時に、連結された1つ(又は複数)の搬送ユニット3B,3C等が、(当該物品を積載する)この搬送ユニット3Aを、例えば加速段階中に支援できる。しかし、搬送ユニット群TVは、搬送すべき物品用の面積を大きくするために使用されてもよい。搬送ユニット群TVでは、(搬送ユニット3の重量、搬送される物品の重量、連結された搬送ユニット3の数に依存する)特定の条件下で、エネルギーが節約され得る。何故なら、1つ(又は複数)の別の搬送ユニット3が、1つ(又は複数)の搬送ユニット3によって移動され得るからである。本発明の範囲内では、連結は、連結されたこれらの搬送ユニット3A,3B間の相対移動が少なくとも2つの移動自由度に限定されていることと解することができる。ここでは、脱着可能は、連結/切り離しがこれらの搬送ユニット3の移動制御によって実行され得ることと解することができる。当該移動制御は、例えば平面モータ制御装置5によってか又は上位制御装置によって実行され得る。
図1a及び図1bに示された例では、これらの搬送ユニット3A,3Bは、ほぼ長方形の底面を有するそれぞれ1つの基体9を備える。1つの連結装置11が、この基体9の4つの側面のそれぞれの側面に配置されている。当該図では連結装置11は、概略的に示されているだけであり、好ましくは互いにコンパチブルに構成されている。一般に、1つの搬送ユニット3のそれぞれの連結装置11が、特に1つの別の搬送ユニット3のそれぞれの連結装置11に連結可能であることを、当該構成は意味する。このため、任意の搬送ユニット3を互いに連結できるようにするため、連結装置11は、特に規格に合わせて構成されていて、それぞれの搬送ユニット3に対して同一である。しかし、当然に、コンパチブルでない異なる種類の連結装置11が、異なる搬送ユニット3に設けられてもよい。例えば、特定の搬送ユニット3だけが連結されなければならず、別の搬送ユニット3は連結されてはならない場合に、当該規格に合わせてない構成は望ましい。
連結された搬送ユニット3A,3Bの、搬送ユニット群TV内での相対移動を、少なくとも1つの移動自由度に限定するように、特に少なくとも2つの移動自由度に限定するように、これらの連結装置11は構成されている。図1aに示された例では、例えば、X方向の並進移動自由度だけがロックされる一方で、これらの搬送ユニット3A,3B間の(少なくとも制限された)相対移動が、残りの5つの移動自由度の方向(Y方向及びZ方向の2つの並進移動自由度と、3つの軸X,Y,Zを中心とした3つの回転移動自由度と)で可能であるように、当該搬送ユニット群TVの連結されたこれらの搬送装置11は構成されている。
当該連結のため、これらの搬送ユニット3A,3Bが、例えば平面モータ制御装置5によって、図1bに複数の矢印によって示されているように、長手方向Xに(又は任意の1つの別の方向に)互いに接近しながら移動され得て、接触時に複数の連結装置11によって脱着可能に連結され得る。当該連結を実行するため、当然に、これらの搬送ユニット3A,3Bのうちの1つの搬送ユニットが停止したままで、それぞれの別の搬送ユニット3A,3Bだけが、当該停止したままの搬送ユニット3A,3Bの方向に移動されてもよい。当該連結は、例えば、これらの搬送ユニット3A,3B自体の移動によって(例えば、これらの搬送ユニット3A,3Bの慣性力に起因して、及び/又はこれらの搬送ユニット3A,3Bに対応する駆動力を生成することによって)実行されてもよい。図1a及び図1bには、これらの連結装置11は、概略的に示されているだけであり、様々に構成され得て、以下でさらに詳しく例示するように、特に係止固定式(formschluessig)に又は圧接固定式(kraftschluessig)に構成され得る。
さらに、(図1a及び図1bに示されていない)能動的に又は受動的に操作可能なロック装置の少なくとも一部が、これらの搬送ユニット3A,3Bにそれぞれ設けられ得る。連結された状態では、これらの搬送ユニット3A,3Bの相対移動が、当該ロック装置によって追加の1つの移動自由度に限定され得る。これにより、例えば、望ましくない分離が阻止され得る。受動的なロック装置が、連結すべき搬送ユニット3A,3B同士の相対移動によって操作され得る。これに関連して、相対移動は、1つの移動自由度における相対移動と解することができるか、又は複数の異なる移動自由度(例えば、連続する並進及び回転)における一連の相対移動と解することもできる。当該ロック装置を能動的に操作(ロック及び/又はロック解除)するため、例えば、(図示されていない)適切な操作装置が、これらの搬送ユニット3A,3Bのうちの少なくとも1つの搬送ユニットに設けられ得る。しかし、当該ロック装置は、外部の操作装置によって操作されてもよい。例えば以下で図7に基づいてさらに詳しく説明するように、例えば搬送区間TSiに配置され得る、外部に固定された操作装置が、搬送装置1内に設けられ得る。能動的に操作可能なロック装置の場合、当該操作装置は、例えば、適切な電気式アクチュエータでもよく、又は適切な永久磁石若しくは電気磁石でもよい。受動的に操作可能なロック装置の場合、図5に基づいてさらに詳しく説明するように、当該ロック装置用の操作エネルギーを印加する、例えばばね機構のような適切な予圧要素が設けられ得る。能動的に操作可能なロック装置の場合、エネルギーは、例えばそれぞれの搬送ユニット3に配置された電気エネルギー貯蔵部によって、又は固定子2の複数の駆動コイル6によって電磁誘導式に、その搬送ユニット3A,3Bに配置された操作装置に供給され得る。さらに、当該ロック装置は、図10に基づいてさらに詳しく説明するように、重力によって操作され得る。
当該連結後に、搬送ユニット群TVは、個々の搬送ユニット3A,3Bと同様に、従来通りに搬送面TE内で移動され得る。さらに、搬送ユニット群TVは、平面モータ制御装置5によって、又は上位制御装置によって移動制御される。連結装置11の構造次第では、少なくとも2つの搬送ユニットのうちの1つの搬送ユニット3A又は3Bだけが、固定子2の複数の駆動コイル6と協働するだけで十分であることがあり得る。このとき、当該それぞれ他方の搬送ユニット3A又は3Bは実質的に牽引される。1つの搬送ユニット群TVの場合、連結された複数の搬送ユニット3A,3Bのうちの1つの搬送ユニットの複数の駆動磁石4の一部だけが、固定子2の複数の駆動コイル6と協働してもよい。この場合、特に、例えば搬送ユニット群TVの不均一な荷重を相殺するために、モーメントが生成されるという利点が得られる。
より高い駆動力が必要である場合、例えば比較的より重い複数の物品の搬送時、及び/又は勾配のある搬送面TE上でn搬送時は、当然に、搬送ユニット群TVの2つの搬送ユニット3A,3Bの複数の駆動磁石4が、当該駆動力を生成するために固定子2の複数の駆動コイル6と協働してもよい。搬送ユニット群TVの切り離しは、同様に、これらの搬送ユニット3A,3B自体を移動させることによって(例えば、反対方向に作用する駆動力をこれらの搬送ユニット3A,3Bに生成させることによって)実行され得る。切り離し工程を切り離し力によって支援することも考えられる。例えば、例えば切り離しばねのような適切な切り離し装置又は電気アクチュエータが設けられてもよく、又は、当該切り離し力が、磁気式に印加されてもよい。連結装置11の構造は、多様に構成され得て、例えば機械式の連結装置11が考えられ、係止固定式若しくは嵌入式の連結装置11が考えられ、磁気式の連結装置11が考えられ、又はこれらの例示されたオプションの任意の組み合わせも考えられる。以下に、可能な具体的な実施の形態を図4~図11cに基づいてさらに詳しく説明する。
図2には、搬送面TEを形成するため、1つの固定子2の1つの搬送区間TSi上の複数の駆動コイル6の別の配置が示されている。これらの駆動コイル6が、稼働中に複数の搬送ユニット3の複数の駆動磁石4に面しているように、この搬送区間TSiは配置されている。ここでは、搬送区間TSiは、ほぼ正方形の底面を有するが、当然に、任意の別の形も可能である。これらの搬送ユニット3を搬送面TE内で二次元に移動させることを可能にするため、ここでは、これらの駆動コイル6は、同じ平面内に交互に並設されている複数のコイル群6A,6Bに分割されている。したがって、これらのコイル群6A,6Bは、Z方向にこれらの搬送ユニット3の固定子2又はこれらの駆動磁石4の表面から同じ間隔で離間している。これらのコイル群6A,6Bは、それぞれ特定の数の駆動コイル6を有する。この場合、コイル群6Aの複数の駆動コイル6の方向と、コイル群6Bの複数の駆動コイル6の方向とは異なる。図示された例では、それぞれ4つの駆動コイル6が、コイル群6A,6Bごとに設けられていて、コイル群6Aの複数の駆動コイル6と、コイル群6Bの複数の駆動コイル6とが、互いに90°だけ回転されている。しかし、当然に、例えば上記の複数の駆動コイル6のフィッシュボーン配置のような、別の配置、分類及び寸法比率も可能である。この場合、特に、複数の駆動コイル6の公知の二次元のハルバッハ配列が、搬送ユニット3に設けられる。当該ハルバッハ配列の場合、隣接した複数の駆動磁石4(=複数の永久磁石)の磁化方向がそれぞれ、これらの駆動磁石4の長手軸を中心として互いに90°だけ相互に傾いている。
例えば、図2によるバリエーションの場合に、複数の駆動コイル6から成る複数の層が、Z方向に設けられてもよい。したがって、この場合には、コイル群6Aとコイル群6Bとが、Z方向に好ましくは互い違いになっている。これにより、ほぼ連続する移動磁場が、軸方向Y及びXに生成され得る。図1a及び図1bのバリエーションのように、図2による複数の駆動コイル6の配置は、ここではX方向の座標とY方向の座標とを有する搬送面TE内での複数の搬送ユニット3の二次元の移動軌跡を可能にする。搬送面TEiに対して垂直方向の軸を中心とした(ここではZ軸を中心とした)複数の搬送ユニット3の回転も可能である。
図3a及び図3bには、1つの搬送区間TSiの別の構成が示されている。この場合、複数の駆動コイル6の代わりに、複数の可動永久磁石PMが、1つ又は複数の搬送区間TSiに設けられている。図3aは、この搬送区間TSiの正面図である。この場合、(稼働中に複数の搬送ユニット3に面している)上面の一部が、断面図で示されている。図3bは、この搬送区間TSiの側面図である。経時変化する(可動)磁場を生成するため、複数の永久磁石PMが、制御装置5によって制御され得る。その結果、これらの永久磁石PMは、所定の方法で移動される。図3aには、この搬送区間TSiにある複数の可動永久磁石PMの配置が例示されている。ここでは、これらの永久磁石PMは、円柱状に形成されていて、ハッチングで示された面によって示されているように、それぞれ1つのN磁極とS磁極とを有する。
ここでは、図3a及び図3bに複数の矢印によって示されているように、複数の永久磁石PMがそれぞれ、回転軸RAを中心として回転可能であることによって、可動性が得られる。ここでは、複数の回転軸RAはそれぞれ、これらの永久磁石PMの円柱軸に一致する。これらの回転軸RAは、搬送面TEに対して垂直方向を成す、すなわちZ方向に延在する。図示された例では、それぞれの永久磁石PMを駆動させるため、1つの駆動装置AE、例えば1つの電気モータが、当該それぞれの永久磁石PMに割り当てられている。しかし、当該構成は、例示にすぎず、複数の永久磁石PMから成るそれぞれのグループが、1つの駆動装置AEによって制御されてもよい。これらの永久磁石PMを希望通りに回転移動させるため、電流/電圧が、制御装置5によって駆動装置AEに供給され得る。駆動力と浮力とを搬送ユニット3に及ぼすため、これらの永久磁石PMを、時間をずらして回転させることによって、複数の搬送ユニット3の複数の駆動磁石4によって生成される磁場と協働する、希望通りに経時変化する磁場、すなわち可動磁場が、所定の方向に生成され得る。しかし、当該構成は、例示に過ぎないと解することができ、別の回転軸、例えばX軸又はY軸を有する複数の永久磁石PMが設けられてもよい。一般に、これらの可動永久磁石PMは、搬送区間TSiの全体にわたって分散させて配置され得るか、又は、例えば、駆動力/浮力が、搬送面TEのあらゆる地点で生成される必要がない場合は、搬送区間TSiの一部だけにわたって配置されてもよい。
図4aには、1つの搬送ユニット3の側面が示されている。図4bは、複数の駆動磁石4を下から見たときのこの搬送ユニット3を示す。図4cは、複数の駆動磁石4の別の配置を示す。この搬送ユニット3は、ほぼ正方形の底面を有する基体9を備える。複数の駆動磁石4が、稼働中に固定子2の搬送面TEに面している下面に公知の方法で配置されている。例えば搬送すべき1つの物品が、基体9の対向する表面上に配置され得る。基本的に、これらの駆動磁石4の配置は、いわゆる一次元配置(図4b)と二次元配置(図4c)とに分類される。搬送区間TSiにある複数の駆動コイル6と同様に、ここでは、これらの駆動磁石4も、複数の磁石群4A,4Bに分割されている。所定の数の駆動磁石4が、それぞれの磁石群4A,4Bごとに設けられている。この場合、相違する磁極又は磁化方向の複数の駆動磁石4が、図4bにおいてハッチングで示された複数の駆動磁石4とハッチングされないで示された複数の駆動磁石4とによって示されているように互い違いになっている。一方の磁石群4Aの複数の駆動磁石4は、他方のそれぞれの磁石群4Bの複数の駆動磁石4とは幾何学的に異なる方向に配向されている。
隣接している複数の駆動磁石4の磁化方向がそれぞれ、互いに90°だけ回転されている公知のハルバッハ配列も有益であることが実証されている。しかし一般には、磁石群4A,4B内の隣接した複数の駆動磁石4の複数の磁化方向が、互いに別の角度だけ回転されてもよい。当該ハルバッハ配列には、片面(特に、搬送面TEに面した面)側の磁束が対向する面側よりも大きいという利点がある。1つの磁石群4A,4Bの最も外側のそれぞれの駆動磁石4が、この磁石群4A,4Bのこれらの駆動磁石4間にあるそれぞれの駆動磁石4の幅よりも狭い幅を有する場合に、特に当該幅の半分の幅を有する場合に、この磁石群4A,4Bの磁場の特に有益な正弦波状の磁場が形成され得る。
図4bに示された例では、隣接した複数の磁石群4A,4Bの複数の駆動磁石4が、互いに90°の角度を成す。複数の磁石群4Bは、例えば、搬送ユニット3をY方向に移動させるために設けられ得る。このため、これらの磁石群4Bは、図1a及び図1bによる構成の複数の駆動コイル6y又は図2による構成の複数のコイル群6Bと協働できる。同様に、複数の磁石群4Aは、搬送ユニット3をX方向に移動させるために設けられ得る。このため、これらの磁石群4Aは、図1a及び図1bによる構成の複数の駆動コイル6x又は図2による構成のコイル群6Aと協働できる。しかし、搬送ユニット3が、90°だけ回転されると、これらの磁石群4Bは、当該X方向の移動のためにこれらの駆動コイル6x又はこれらのコイル群6Aと協働でき、これらの磁石群4Aは、当該Y方向の移動のためにこれらの駆動コイル6y又はこれらのコイル群6B協働できる。
二次元配置(図4c)の場合、相違する磁極又は磁化方向の個々の駆動磁石4が、相違するハッチングによって示されているように市松模様状に配置されている。しかし、当然に、図示された一次元配置及び二次元配置は例示にすぎないと解することができ、実際には、一次元配置及び二次元配置の多種多様な可能性が提供され得ることは明らかである。図示された搬送ユニット3の基体9の正方形の形も例示にすぎないと解することができ、別の形も考えられる。例えば、円形の底面を成す基体9を有する搬送ユニット3も設けられ得る。このとき、複数の駆動磁石4が、リング状に配置され得る。この場合、同様に、特に複数の磁石群4A,4Bが、円周方向に互い違いになっている。
ここで留意すべきは、図1a~図4cに基づいて示された搬送装置1の実施の形態は当然に例示にすぎず、限定するものではないと解しなければならない点である。上記のように、搬送装置1は、特に、当然に同様に本発明によって含まれているほぼ反対の構造を有してもよい。当該反対の構造は、例えば、経時変化する磁場が搬送ユニット3で生成され得て、経時変化しない磁場が固定子2の搬送区間TSiで生成されることを意味する。このため、駆動コイル6又は可動永久磁石PMが、搬送ユニット3に設けられ得て、駆動磁石4が、固定子2の搬送区間TSiに配置され得る。このとき、搬送ユニット3を移動させるため、駆動コイル6又は可動永久磁石PMが適切に制御される。このため、独立したそれぞれ1つの制御装置が、複数の搬送ユニット3に配置され得る。複数の制御装置及び複数の駆動コイル6又は複数の可動永久磁石が、例えば適切な1つのエネルギー供給部によってエネルギー供給される。
図5には、2つの搬送ユニット3A,3Bを上から見たときの概略正面図である。ここでは、これらの搬送ユニット3A,3Bは、同一に構成されていて、ほぼ正方形の底面を有するそれぞれ1つの基体9を備える。1つの連結装置11が、これらの搬送ユニット3A,3Bの4つの側面のそれぞれの側面上に設けられている。ここでは、これらの連結装置11は、完全に機構的に構成されていて、且つ、搬送ユニット群TV(図1a参照)に連結された搬送ユニット3A,3B同士の相対移動の全ての6つの移動自由度が限定又はロックされているように、これらの連結装置11は製造されている。すなわち、これらの搬送ユニット3A,3Bは、実質的にほぼ剛性に互いに連結され得る。したがって、結果として構成された当該搬送ユニット群TVは、二倍の大きさの単一の搬送ユニットであるかのように振る舞う。ここでは、これらの連結装置11は、この基体9のこれらの側面に所定の間隔で互いに離間して配置されているそれぞれ1つの連結要素11aと1つの収容部11bとを有する。当該連結がどの程度剛性でなければならないか、及びいくつの移動自由度が制限されなければならないかに応じて、当然に、より多い連結要素11a及び収容部11b又はより少ない連結要素11a及び収容部11bが設けられてもよい。
ここでは、連結要素11aは、円柱状のボルトとして構成されていて、対応する円柱状の連結開口部15が、収容部11bとして設けられている。ここでは、ロック装置として、押圧要素14によって押圧された締付要素13が、連結開口部15内に設けられていて、締付開口部12が、連結要素11aに設けられている。この場合、締付要素13は、当該ロックのために対応する締付開口部12に係入する。当該構成は、当然に例示にすぎないと解することができ、多くの別の公知のロック装置が設けられ得る。ここでは、当該ロック装置は、搬送ユニット3A,3Bの相対移動によって受動的に操作され得る。ここでは、押圧要素14は、ばねとして構成されていて、締付要素13を円柱状の連結開口部15の軸の方向に押圧する。図示された例では、それぞれ1つの締付開口部12が、周設されている1つの溝としてそれぞれの連結要素11aに設けられている。当然に、複数種類の形から成る複数の締付開口部12が設けられてもよく、又は別の形から成る複数の締付開口部12が設けられてもよく、又は複数種類の別の形から成る複数の締付開口部12が設けられてもよい。ここでは、締付要素13は、例えば向き合っている複数の球として構成されている。当然に、反対のバリエーションも可能である。すなわち、1つ又は複数の締付要素13が、連結要素11aに設けられていて、1つ又は複数の締付開口部12が、連結開口部15内に設けられてもよい。締付開口部12と締付要素13とを連結要素11aに設け、連結開口部15内にも設けるハイブリッドバージョンも考えられる。
2つの搬送ユニット3A,3Bを連結するため、1つの搬送ユニット3Aの連結要素11aが、それぞれの別の搬送ユニット3Bの対応する連結開口部15内に嵌入するように、これらの搬送ユニット3A,3Bが、搬送面TE内で互いに相対移動され得る。この場合、図示された例では、締付要素13が、押圧要素14の押圧力に逆らって連結要素11aから半径方向に外側に向かって押圧される。対応する位置に到達すると、締付要素13、ここでは球が、締付開口部12、ここでは周設されている1つの溝に係入する(当該球と当該溝とが一緒に、ロック装置を構成する)。これにより、当該連結工程が完了すると同時に、当該ロックが完了する。このとき、当該2つの搬送ユニット3A,3Bは、1つの搬送ユニット群TVとして互いに直接に連結されている。反対方向の力(例えば、駆動力又は慣性力)が、特定の解除力でX方向に締付要素13に作用するまで、X方向の並進移動自由度が、(一緒に当該ロック装置を構成する)対応する締付要素13と締付開口部12とによって少なくともロックされている。締付要素13を押圧要素14の押圧力に逆らって締付開口部12から再び引き離すため、例えば、十分に大きい反対方向の力が、例えば駆動力を発生させることによってこれらの搬送ユニット3A,3Bに及ぼされることで、当該ロック装置が解除され得る。
しかし、当該ロック装置を当該ロック及び/又は切り離しのために操作するため、例えば、(図5に示されていない)適切な操作ユニットが、搬送ユニット3A,3Bに設けられてもよい。しかし、当然に、搬送装置1の稼働中に搬送ユニット3A,3Bを移動させることによって、搬送ユニット群TVを構成することは必ずしも必要でない。例えば、搬送ユニット3A,3Bが、搬送装置1の外側で、例えば人によって手動で搬送ユニット群TVに連結され、次いで固定子2の搬送面TE上に設置されてもよい。当然に、同様なことは、当該切り離し時にも実行され得る。しかしながら、搬送装置1の可能な限り適応性のある工程の実行を可能にするためには、当該連結/切り離しが、当該稼働中に自動的に実行され得ることが有益である。
図6に概略的に示されているように、例えば公知のバヨネット接続部が、ロック装置として設けられてもよい。この場合、L字状の締付開口部12が、連結装置11の収容部11bに設けられていて、半径方向に突出している締付要素13が、対応する連結要素11aに設けられている。連結装置11を連結するためには、直線の矢印によって示されているように、最初に、搬送ユニット3A,3Bの軸方向の相対移動が必要である。当該連結後に、連結要素11aと収容部11bとが、曲線の矢印によって示されているように相対回転することによって、連結装置11が、当該ロック装置によってロックされ得る。この場合、連結要素11aだけが回転されるのか、又は収容部11bだけが回転されるのか、又は双方が回転されるのかは重要でない。当該ロック装置を操作するため、例えば、適切な操作装置が、2つの搬送ユニット3A,3Bのうちの少なくとも1つの搬送ユニットに設けられ得る。さらに又は代わりに、当該操作のため、又は当該操作を支援するため、例えば(図示されていない)適切な押圧要素が設けられてもよい。しかし、基本的には、搬送ユニット3Aと搬送ユニット3Bとの相対移動が連続して実行されることによって、例えば、締付要素13と締付開口部12とが揃うように、少なくとも1つの搬送ユニット3A,3Bが、当該連結前に最初に、それぞれの別の搬送ユニット3A,3Bに対するX軸又はY軸を中心とした相対回転移動を実行することによって、2つの搬送ユニット3A,3Bの連結及びロックが、バヨネット接続部によって実行されてもよい。このため、締付要素13が、L字状の締付開口部12の軸方向部分内に挿入されるように、(例えば、X方向の)これらの搬送ユニット3A,3Bの相対並進移動が実行される。締付要素13が、L字状の締付開口部12の円周方向に延在する部分に当接すると、最終的に、初期位置に戻る相対回転移動が実行される。当該工程が逆に実行されることによって、当該ロック装置が解除され、当該連結装置11が分離される。これにより、係止固定式の連結及びロックが、簡単に且つ外部エネルギーなしに実行され得る。これにより、比較的大きい力が、軸方向に作用しても、搬送ユニット群TVの望まない切り離しが起こらない。
上記のように、(図示されていない)1つ又は複数のアクチュエータが、1つ又は複数の搬送ユニット3に配置されてもよい。当該ロック装置を操作するため、例えば、電気アクチュエータが、操作装置として設けられ得る。これにより、図5に示された完全に機構的な連結装置11に比べて、例えば、当該連結工程に必要な力が低減され得る。この場合、エネルギーが、それぞれの搬送ユニット3に配置されたエネルギー貯蔵部、例えばバッテリによって当該1つのアクチュエータ(又は複数のアクチュエータ)に供給され得る。しかし、エネルギーを固定子2から当該アクチュエータに電磁誘導式に伝達することも考えられる。これにより、独立したエネルギー貯蔵部が省略され得る。
しかし、例えば1つの搬送ユニット3の1つの磁石群4A,4Bが、当該操作装置を操作するためのアクチュエータとして使用されてもよい。このため、例えば、これらの磁石群4A,4Bのうちの少なくとも1つの磁石群(又は図示されていない追加の1つの磁石群)が、その他の磁石群に対して相対可動にこの搬送ユニット3に配置され得る。例えば、当該その他の磁石群に対して直線状に相対移動可能又は回転可能な1つの磁石群が考えられる。この場合、それぞれのロック装置を操作するために必要な移動を実行し、必要な操作力及び/又は操作モーメントを生成するため、当該可動な磁石群は、当該操作装置に適切に接続されている。その結果、複数の駆動コイル6を適切に制御することによって、当該可動な磁石群と当該その他の(固定された)磁石群とが相対移動され得る。当該操作装置が、当該相対移動によって操作され得る。しかし、当該ロック装置の操作の代わりに、又は当該ロック装置の操作に加えて、当該1つ又は複数のアクチュエータは、さらに別の機能を充足してもよい。例えば、搬送すべき物品用の(図示されていない)取扱装置が、搬送ユニット3に設けられ得る。例えば、当該物品を搬送ユニット3に固定するための締付治具、及び/又は当該物品を搬送ユニット3に対して相対回転させるための回転装置、及び/又は当該物品を昇降するための昇降装置等が、取扱装置として設けられ得る。
このとき、同様に、当該取扱装置は、1つ又は複数のアクチュエータによって駆動され得る。したがって、搬送装置1の適応性がさらに向上され得る。例えば、物品が、当該取扱装置によって一方の搬送ユニット3から他方の搬送ユニット3に引き渡され得る。例えば、物品が、当該取扱装置によって搬送ユニット3から搬送装置1内に設けられている作業ステーションに引き渡されてもよい。この作業ステーションでは、製造工程の特定の作業ステップ、例えば物品の洗浄、組み立て又は加工が実行される。しかし、例えば、当該物品を引き渡すことなしに、当該物品が、当該取扱装置によって当該作業ステーション内の搬送位置から作業位置に移動されてもよい。このとき、特定の作業工程を実行するため、当該物品は、搬送ユニット3によって当該作業ステーション内で希望通りに移動され得る。
図7は、1つの搬送ユニット群TVに連結されている2つの搬送ユニット3A,3Bを上から見たときの正面図である。これらの搬送ユニット3A,3Bは、それぞれ1つの基体9を有する。右の搬送ユニット3Aの連結装置11は、収容部11bを有し、右の搬送ユニット3Bの連結装置11は、連結要素11aを有する。例えば、同様に(図5と同様に)、連結要素11aは、円柱状のボルトとして構成され得て、収容部11bは、対応する円柱状の連結開口部15として構成され得る。ここでは、ロック装置として、同様に、締付要素13が、連結開口部15内に設けられていて、当該締付要素13と協働する締付開口部12が、連結要素11aに設けられている。この場合、締付要素13は、連結装置11をロックするために対応する締付開口部12内に係入する。
ここでは、これらの搬送ユニット3A,3Bは、図5による例と同様に相対移動によって連結され得る。ここでも、締付要素13が、対応する締付開口部12内に係入することによって、連結装置11が、相対移動によって連結された状態で固定される。ここでは、当該ロック装置を解除するため、外部操作装置が設けられている。図示されているように、当該外部操作装置は、搬送装置1の固定構造物22に配置され得る。この場合、固定構造物22は、例えば、搬送区間TSiの一部でもよい。しかし、当然に、当該外部操作装置は、(図示されていない)第3搬送ユニットに配置されてもよい。この実施の形態では、操作開口部19が、左の搬送ユニット3Aに設けられている。操作開口部19は、連結開口部15を搬送ユニット3Aの基体9の側面に結合する。傾斜した第1操作面18aが、連結要素11aの自由端部に設けられている。当該第1操作面18aは、垂直軸(ここでは、Z軸)を中心として特定の角度で傾斜していて、連結された状態で操作開口部19に面している。ここでは、当該操作装置は、円柱状の操作ロッド21を有する。右の搬送ユニット3Bの連結要素11aの操作面18と協働して、当該ロック装置を解除するため、操作ロッド21は、左の搬送ユニット3Aの操作開口部19内に挿入され得る。このため、第1操作面18aに対して相補的に傾斜した第2操作面18bが、操作ロッド21の自由端部に設けられ得る。第2操作面18bは、当該解除工程を容易にする。
当該ロック装置を解除するため、操作ロッド21が、操作開口部19と揃うように、搬送ユニット群TVが、搬送面TE内で当該操作装置に対して相対移動され得る。このため、操作ロッド21が、連結要素11aの第1操作面18を押圧するように、搬送ユニット群TVは、当該操作装置の方向(ここでは、Y方向)に移動され得る。これにより、締付要素13が、押圧要素14の力に逆らって当該押圧要素14と協働する連結要素11aの締付開口部12から押圧される。これにより、当該ロック装置が解除され、これらの搬送ユニット3A,3Bが、搬送ユニット群TVから分離され得る。当然に、連結要素11aの第1操作面18aが、例えば、操作開口部19を通じて適切な工具によって操作されることによって、当該ロック装置が、手動で解除されてもよい。
作業ステーション内で工程中に作用する力(Prozesskraefte)、例えば作業工程中に外部から作用する力を吸収するため、複数の搬送ユニット3を1つの搬送ユニット群TVに連結することが、特に有益に利用されてもよい。このため、例えば、最初に、搬送ユニット群TVが、例えば作業ステーションの外側で(例えば、搬送面TE内で又は手動で)特定の数(少なくとも2つ)の搬送ユニット3から構成され得る。その後に、搬送面TE内の搬送ユニット群TVは、作業ステーションの領域内に移動され得る。特定の作業工程が、当該作業ステーションの領域内で実行され、当該作業工程中に発生する力が、搬送ユニット群TVに作用する。当該作業工程の完了後に、搬送ユニット群TVは、当該作業ステーションの領域から移動され得て、個々の搬送ユニット3に再び分離され得る。搬送ユニット群TVが、2つよりも多い搬送ユニット3から構成されている場合、当然に、1つ(又はほんの一部の複数)の搬送ユニット3だけが分離され、残りの搬送ユニット3は、より小さい搬送ユニット群TVとして再び移動されてもよい。1つの搬送ユニット群TVを作業ステーションの領域内で構成することによって、当該作業工程中に作用するより大きい力が吸収され得る。何故なら、ただ1つの搬送ユニットの状況のときよりも多い駆動磁石4が使用されるからである。
1つの搬送ユニット群TVのさらなる利点は、個々の搬送ユニット3に比べてより大きい加速度が達成され得ることである。何故なら、より多数の駆動コイル6と同時に協働できるより多数の駆動磁石4が、この搬送ユニット群TVを加速させるために使用されるからである。さらに、この搬送ユニット群TVは、個々の搬送ユニット3に比べてより大きい幾何学寸法を有するので、加速工程から発生する回転モーメント(加速モーメント)により良好に対抗できる。加速モーメントは、特に、この搬送ユニット群TVの重心とこれらの駆動磁石4との間のZ方向の間隔によって発生する。駆動力が、この搬送ユニット群TVのこれらの駆動磁石4に作用し、いわゆる制御トルク(Stellmomente)が、この搬送ユニット群TVの当該重心から(移動方向に応じて)X方向及び/又はY方向に離間している、この搬送ユニット群TVの複数の駆動磁石4と協働する複数の駆動コイル6を介して生成されることによって、当該駆動力の少なくとも一部が相殺され得る。
連結された搬送ユニット群TVのさらなる利点は、例えば、連結されていない搬送ユニット群TVに比べて、連結された状態における力及びモーメントが、常に連結装置11を介して伝達され、搬送される物品を介して伝達されないことである。これにより、負荷が、当該物品にさらにかかる。当然に、図5~7に基づいて既に説明された実施の形態は、例示にすぎないと解することができ、別の構造も考えられる。当業者は、希望した用途に応じて適切な連結装置11、ロック装置又は操作装置を当該別の構造から選択できる。当然に、当該事項は、以下でさらに詳しく説明する図8~11による実施の形態に対しても同様に成立する。図示された連結装置11が、搬送ユニット3の側面に設けられていても、当然に、当該構成は、限定的と解してはならない。代替的に又は追加的に、例えば、適切な連結装置11が、搬送ユニット3の表面上に設けられてもよく、例えば駆動磁石4に対向する搬送ユニット3の上面及び/又は下面上に設けられてもよい。さらに、連結装置11は、連結だけのために又は連結を支援するために磁石要素を有してもよい。以下に、主な別の実施の形態を図8~11に基づいて説明する。
図8の上部には、2つの搬送ユニット3A,3Bが示されている。それぞれ1つの連結装置11が、これらの搬送ユニット3A,3Bに配置されている。その下部には、連結された状態にあるこれらの搬送ユニット3A,3Bが、搬送ユニット群TVとして示されている。搬送ユニット3Bの連結要素11aは、少なくとも1つの連結要素11aを有する。当該連結要素11aは、駆動磁石4に対向する基体9の上面に配置されていて、この基体9の左側の側面から突出している。当然に、当該構成は、例示にすぎず、複数の連結要素11aが設けられてもよい。連結要素11aは、任意に構成され得て、例えば、円柱状のボルト、長方形の断面を有するロッド等として構成され得る。ここでは、別の搬送ユニット3Aの連結装置11は、同様に基体9の上面に配置されている少なくとも1つの収容部11bを有する。連結要素11a及び収容部11bは、それぞれの搬送ユニット3A,3Bに任意の方法で結合、例えば接着若しくはねじ止めされ得るか、又はこれらの搬送ユニット3A,3Bの基体9内に組み込まれてもよい。これらの搬送ユニット3A,3Bを搬送ユニット群TVに連結するため、収容部11bは、一方の搬送ユニット3Bの連結要素11aを収容するために設けられている。このため、例えば1つの連結開口部15が設けられ得る。連結要素11aが、特に両搬送ユニット3A,3Bの相対移動によってこの連結開口部15内に挿入され得る。ここでは、連結要素11aと連結開口部15とが揃うと、X方向の移動だけが、当該連結のために必要である。図示された例では、連結要素11aは、図8にハッチングされた横断面によって示されているように円柱状のボルトとして構成されていて、これに対応するように、連結開口部15は、収容部11b内にX方向に延在する円柱状の孔として構成されている。
搬送ユニット群TV内では、これらの搬送ユニット3A,3B間の相対移動が、当該連結によって少なくとも1つの移動自由度、ここではY方向に限定されている。しかしながら、連結要素11aと連結開口部15との当該円柱状の構成によって、ここではX方向に延在する共通の連結軸KAを中心とした特定の相対回転移動も可能になり得る。連結要素11aを収容部11b内に係止固定式に又は圧接固定式にロックするため、当然に、ここでも同様に、(図示されていない)適切なロック装置が設けられてもよい。例えば、図5に示されている1つ又は複数の押圧要素14を伴う1つ又は複数の締付要素13と対応する1つ又は複数の締付開口部12との組み合わせが、ロック装置として設けられ得る。当然に、アクチュエータを操作装置として有する能動的なロック装置も考えられる。当然に、ここでも、破線で示されているように、複数の連結装置11が、搬送ユニット3A,3Bごとに設けられてもよい。この場合、当然に、それぞれの連結装置11は、複数の連結要素11a及び/又は複数の収容部11bを有してもよい。
図9には、協働する複数の連結装置11の別の構成が示されている。その上部には、分離された2つの搬送ユニット3A,3Bが示されていて、下部には、1つの搬送ユニット群TVに連結されたこれらの搬送ユニット3A,3Bが示されている。ここでは、少なくとも1つの連結開口部15が、収容部11bとして搬送ユニット3Aの基体9内に直接に設けられている。同様に、少なくとも1つの収容部11bに対応する少なくとも1つの連結要素11aが、それぞれの別の搬送ユニット3Bの基体9の上面に配置されている。連結開口部15の形は、ほぼ任意に形成され得る。特に、連結開口部15の形は、搬送ユニット群TVに連結された状態にあるこれらの搬送ユニット3A,3Bの希望した移動自由度に依存して選択される。
図示された例では、連結開口部15は、垂直方向(Z方向)に基体9の一部の中まで延在する円柱状の孔として構成されている。部分的に垂直方向に下に向かって延在する円柱状の突出部16が、連結要素11aの下面に設けられている。例えば図5及び図7aによる構成の場合は、搬送面TE内の(X方向及びY方向の)ただ1つの移動だけが必要である一方で、図9による実施の形態では、固定子2の搬送面TEに対して直角の垂直軸方向の搬送ユニット3A,3Bの相対移動も必要である。例えば、搬送ユニット3Aが、搬送ユニット3Bに対してZ方向に降下され得る(及び/又は搬送ユニット3Bが、搬送ユニット3Aに対して上昇され得る)。当該降下及び/又は上昇は、平面モータ制御装置5を用いて対応する駆動コイル6を制御することによって実行され得る。
当該制御により、搬送ユニット3Aの駆動磁石4と固定子2との間の空隙が減少され、及び/又は、搬送ユニット3Bの駆動磁石4と固定子2との間の空隙が増大される。当該連結を完了するため、搬送ユニット3Aの収容部11bの連結開口部15と、搬送ユニット3Bの連結要素11aの突出部16とが揃うように、これらの搬送ユニットが、搬送面TE内で(X方向に及びY方向に)移動することによって位置決めされた後に、搬送ユニット3Aが、Z方向に新たに上昇され得るか、及び/又は、搬送ユニット3Bが降下され得る。同様な方法で、X軸、Y軸及びZ軸を中心とした回転も、当該連結又は当該連結の解除のために使用され得る。図示された例では、これらの搬送ユニット3A,3Bの2つの並進移動自由度(X,Y)が完全に制限されていて、第3並進移動自由度(Z)の一部が制限されている。さらに、連結装置11の構造とこれらの搬送ユニット3A,3Bの形とに応じて、(X軸とY軸とを中心とした)2つの回転移動自由度が完全に制限されていて、Z軸を中心とした回転移動自由度の少なくとも一部が制限されている。
しかし、搬送ユニット3A,3Bの形に応じて、例えば、1つ又は複数の搬送ユニット3A,3Bが、円形の底面を有する基体9を備えるか、又は、特定の間隔が、連結された状態にある2つの基体9間に設けられることによって(当然に、全ての別の実施の形態に対しても成立する)、垂直方向の連結軸KAを中心とした搬送ユニット3A,3Bの特定の相対移動が実行され得る。しかし、図9に示されているように、基体9が、それぞれ1つの長方形の底面を有し、これらの搬送ユニット3A,3Bが、連結された状態で互いに直接に隣接している場合、Z軸(ここでは、連結軸KA)を中心とした回転移動自由度も制限されている。当然に、図9による実施の形態でも同様に、複数の連結装置11が、搬送ユニット3A,3Bごとに設けられてもよく、及び/又は、1つの連結装置11が、複数の収容部11b及び/又は連結要素11aを有してもよい。
図10は、協働する複数の連結装置11の別の実施の形態を示す。その上部には、同様に、分離された2つの搬送ユニット3A,3Bが示されていて、その下部には、1つの搬送ユニット群TVにされたこれらの搬送ユニット3A,3Bが示されている。ここでは、連結開口部15が、収容部11bとして搬送ユニット3Aの基体9内に直接に設けられている。同様に、当該連結のための少なくとも1つの収容部11bに対応する1つの連結要素11aが、それぞれの別の搬送ユニット3Bの基体9の側面に配置されている。連結開口部15は、例えば、円柱状の孔として構成されてもよく、又は例えば長方形の断面を有する溝状の別の形を有してもよい。連結要素11aは、連結開口部15と協働するように対応させて構成されてもよい。
(ここでは、X方向の)追加の移動自由度をロックするためのロック装置として、少なくとも1つの締付開口部12が、連結要素11a内に設けられていて、連結装置11をロックするために締付開口部12と協働する少なくとも1つの締付要素13が、連結開口部15内に設けられている。締付要素13は、当該ロックのために設けられている開口部内で二重矢印によって示されているようにZ方向に摺動可能に配置されている。当然に、複数の締付要素13と複数の締付開口部12とが設けられてもよい。この実施の形態では、当該ロック装置は、当該ロックのために重力によって操作され、当該ロック装置を解除するための操作が磁気式に実行される。このため、外部の操作装置BEが設けられている。操作装置BEは、例えば搬送装置1の固定構造物22、例えば搬送区間TSiに配置され得る。操作装置BEは、永久磁石として又は電磁石として構成され得る第1操作磁石23aを有する。締付要素13を上昇させる磁力を締付要素13に向けて垂直方向に発生させるため、第1操作磁石23aと協働できる第2操作磁石23b、特に永久磁石が、締付要素13に配置されている。
当該ロック装置をロックするため、例えば、図示されているように、締付要素13が、操作装置BEの下方の領域内に存在するように、この締付要素13が設けられている搬送ユニット3Aが、固定された操作装置BEに対して移動され得る。締付要素13を垂直方向に上昇させ、当該上昇された位置で保持するため、操作磁石23aと操作磁石23bとが、この位置で協働する。このとき、連結要素11aが、対応する連結開口部15と協働することによって、これらの搬送ユニット3A,3Bが、1つの搬送ユニット群TVに連結されるように、締付要素13が配置されている搬送ユニット3Bは、それぞれの別の搬送ユニット3Aに対して相対移動され得る。連結開口部15は、当該上昇された締付要素13の下方で連結された状態にある。この位置では、締付要素13の第2操作磁石23bを(固定された)第1操作磁石23aの磁場から遠ざけるため、これらの搬送ユニット3A,3B又はこの搬送ユニット群TVが、例えば、同時に1つの方向(例えば、X方向又はY方向)に移動され得る。十分な磁力が、下に向かって締付要素13にもはや作用しないと、締付要素13は、締付開口部12内に降下し、連結装置11がロックされる。場合によっては、当該ロックを加速又は支援するため、押圧要素が、搬送ユニット3Aの締付要素13と基体9との間に垂直方向に配置されてもよい。しかしながら、当該磁力が、当該押圧力よりも常に大きくし得るように、当該押圧力は選択されなければならない。
しかし、操作装置BEの第1操作磁石23aが、電磁石として構成されている場合、搬送ユニット群TVは、例えば、操作装置BEの領域内に留まり、当該電磁石が停止されてもよい。これにより、締付要素13に作用する磁力FMが消滅する。その結果、連結装置11をロックするため、締付要素13は、重力(及び場合によっては追加の押圧力)によって締付開口部12内に垂直方向に降下する。当該ロック装置を解除するためには、締付要素13を上昇させるために、搬送ユニット群TVが、操作装置BEの領域内に移動されることによって、基本的に反対の工程が実行され得る。このとき、連結要素11aが配置されている搬送ユニット3Bは、搬送ユニット3Aから遠ざかるようにそれぞれの別の搬送ユニット3Aに対して相対移動され得る。
しかし、当該ロック装置をロックするための操作は、基本的に外部の磁場FMなしでも実行され得る。例えば、適切に協働する複数の傾斜した接触面が、締付要素13及び/又は連結要素11aに設けられてもよい。例えば、連結開口部15の開口面に面する適切な第1斜面24aが、締付要素13に配置され得る。対応する第2斜面24bが、連結要素11aの自由端部に設けられ得る。これにより、当該ロック装置は、2つの搬送ユニット3A,3Bの相対移動だけによってロックされ得る。X方向の力が、X方向の相対移動によって生成され得る。連結要素11aが、当該力によって締付要素13に作用する。当該締付要素に垂直方向に作用する上昇力が、協働するこれらの斜面24a,24bによって生成され得る。当該上昇力によって、締付要素13が、連結要素11aの円周面の高さまで上昇され得て、締付開口部12内に係入し得る。ここでは、斜面が、連結開口部15の内側端部に面する締付要素13の側面に設けられていない。したがって、当該ロック装置の解除は、例えば、外部の操作装置BEと磁場FMとによって新たに実行され得る。
図11a~11cには、本発明の別の構成が例示されている。図11aには、上から見たときの2つの搬送ユニット3A,3Bが示されている。上記のように、同様に、これらの搬送ユニット3A,3Bは、長方形の底面を有するそれぞれ1つの基体9を備える。複数の連結装置11がそれぞれ、これらの搬送ユニット3A,3Bの4つの側面に設けられている。ここでは、連結装置11は、相違する磁化方向を有する複数の磁石要素17a,17bを備える。これらの搬送ユニット3A,3Bを連結するため、これらの磁石要素17a,17bが協働するように、これらの磁石要素17a,17b間の間隔が十分に小さくなるまで、これらの搬送ユニット3A,3Bは互いに相対移動される。次いで、これらの磁石要素17a,17bは、互いに配向された引力を生成する。これにより、これらの搬送ユニット3A,3Bは、磁気だけによって1つの搬送ユニット群TVに連結される。したがって、この場合、当該連結は、基本的に専ら圧接固定式に磁力によって又は当該磁力に依存する摩擦力によって実行される。
図11bには、可能な搬送ユニット群TVが示されている。協働する複数の連結装置11には、それぞれ1つの磁石要素17a,17bだけが設けられているので、複数の搬送ユニット3A,3Bの(ここでは、Y方向の)特定のずれを伴う搬送ユニット群TVも可能になる。この場合、Y方向のほぼ連続的な相対位置決めが可能である。これにより、破線で示されているように、例えば、第3搬送ユニット3Cによる連結も可能である。搬送ユニット群TVを新たに分離するため、例えば、磁気による引力を超える(ここでは、X方向の)反対の駆動力が、固定子2によって生成され得る。しかし、これらの搬送ユニット3A,3Bが、接線に沿って反対方向(ここでは、Y方向)に移動されることによって、分離が、剪断運動によっても可能である。
図11cには、互いに磁気結合された2つの搬送ユニット3A,3Bから成る1つの搬送ユニット群TVの別の例が示されている。ここでは、これらの搬送ユニット3A,3Bの複数の連結装置11が、並設されたそれぞれ複数の、相違する磁化方向を有する磁石要素17a,17bを備える。当該連結のため、搬送ユニット3Aの連結装置11のそれぞれの磁石要素17aが、別の搬送ユニット3Bの連結装置11の複数の磁石要素17bと協働して、(ここでは、X方向の)磁気による引力を生成する。このため、対向する同じに磁化されたそれぞれ2つの磁石要素17a,17bが反発し合い、対向する相違して磁化された磁石要素17a,17bが引き付け合うことによって、これらの搬送ユニット3A,3B同士のある種の固着が、所定の相対位置で達成され得る。
図示された例では、それぞれ4つの磁石要素17a,17bが、これらの搬送ユニット3A,3Bの複数の連結装置11内にそれぞれ交互に並設されている。搬送ユニット群TVでは、左の搬送ユニット3Aの連結装置11の全ての4つの磁石要素17a,bが、右の搬送ユニット3Bの連結装置11の全ての4つの磁石要素17a,bと協働する。しかし、図11bによる搬送ユニット群TVと同様にずれた連結も可能である。しかし、連結装置11ごとに磁石要素17a,17bを1つだけ有するバリエーション(図11a+11b)とは違って、2つの搬送ユニット3A,3B間の(ここでは、Y方向の)当該ずれは、無段式に調整可能である。
ここでは、当該ずれは、主に磁石要素17a,17bの数、配置及び幅に依存する。図11cに図示された搬送ユニット群TVでは、例えば、上方又は下方への磁石幅bの2つ分のずれが可能である。しかしながら、この場合には、左の搬送ユニット3Aの2つの磁石要素17a,17bだけが、右の搬送ユニットの2つの磁石要素17b,17aと協働し、それぞれ別の磁石要素17a,17bは解放されている。当然に、同様に、これらの別の磁石要素17a,17bは、(図示されていない)第3の搬送ユニットに連結するため等に使用され得る。当該構成から、多種多様な磁気連結装置11が実現され得ることが分かる。この実施の形態でも、好ましくは、剪断運動が、搬送ユニット群TVを分離するために実行され得る。
当然に、連結装置11は、機械的な連結と磁気的な連結とを組み合わせたものでもよい。例えば、機械的な連結装置11の場合に、追加の磁石要素が、連結工程を支援するために設けられることが考えられる。磁気誘導を実現するため、例えば、連結要素11aと収容部11bとが、相違する方向に磁化され得る。より容易な連結が、当該磁気誘導によって可能になる。図9による実施の形態では、例えば、搬送ユニット3Aにある連結開口部15の領域と、搬送ユニット3Bの連結要素11aの突出部16とが、相違する方向に磁化され得る。当該構成に固有の図は添付されていない。
上記のように、図12a~12fに示されているようなより大きい搬送ユニット群TVを得るため、当然に、2つよりも多い搬送ユニット3が、複数の連結装置11によって連結されてもよい。図12a~12fには、それぞれ複数の搬送ユニットが、1つの搬送ユニット群TVに連結されている。この場合、これらの連結装置11は、概略的に示されているにすぎず、ほぼ任意に構成され得る。上記のように、例えば、完全に機械的な構成若しくは完全に磁気的な構成が考えられ、又は、ハイブリッドバージョンも考えられる。この場合、上記のように、これらの搬送ユニット3間の力の伝達は、同様に、対応する複数の連結装置11を介してそれぞれ実行される。
図12aには、既に図1aに示されているように、複数の連結装置11によって1つの搬送ユニット群TVに連結されている2つの搬送ユニット3A,3Bが示されている。しかし、複数の連結装置11が、これらの搬送ユニット3A,3Bの全ての4つの側面に設けられているので、当然に、それぞれの別の側面との連結も可能である。図12bには、正方形の底面を有する4つの搬送ユニット3A~3Dが、1つの搬送ユニット群TVに連結されている。その結果、実質的にただ1つの大きい正方形の搬送ユニットが得られる。これにより、図12に示されているように、例えば、個別の1つの搬送ユニット3A~3DからX方向とY方向とにはみ出すであろう比較的大きい物品Oが搬送され得る。しかし、この搬送ユニット群TVは、1つ(又は複数)の搬送ユニット3A~3Dの最大積載量を超える比較的重い物品Oが搬送されなければならない場合にも有益であり得る。固定子2の複数の駆動コイル6と協働するため、例えば、4つの搬送ユニット3A~3Dのうちの1つの搬送ユニットの複数の駆動磁石4だけが使用されることによって、搬送ユニット群TVが、(図示されていない)搬送面TE内で移動され得る。
より大きい駆動力が必要である場合、当然に、搬送ユニット群TVの全ての搬送ユニット3A~3Dの複数又は全ての駆動磁石4が使用されてもよい。例えば、図12bによる例では、搬送ユニット群TV内の中央で互いに隣接する複数の駆動磁石に割り当てられている複数の駆動コイル6が、駆動力を生成するために使用されることも考えられるが、効率的な稼働のためには、好ましくは、使用可能な全ての駆動コイル6が使用される。図12dは、4つの搬送ユニット3A~3Dを1つのT字形の搬送ユニット群TVに連結する別の可能性を示す。図12c及び図12fは、連結された3つの搬送ユニット3A~3Cを有する1つの搬送ユニット群TVの2つのバリエーションを示す。
図12c中の搬送ユニット群TVは、例えば、偏心的な重心Sを有する物品Oによって示されているように、不均一な質量分布を有する物品Oを搬送するのに有益であり得る。ここでは、偏心的な重心Sから発生するモーメントにより良好に対抗できるように、2つの搬送ユニット3A,3Cが、搬送ユニット3Bを支援するためにこの搬送ユニット3Bに連結され得る。図12fには、比較的大きい質量を有する比較的小さい物品Oが示されている。確かに、物品Oの幾何学的寸法に関しては、中央の搬送ユニット3Bで十分である。しかしながら、例えば、物品Oの質量は、搬送ユニット3Bの最大積載量を超え得る(又は複数の駆動コイル6を制御するのに、許容できない大きい電力を必要とする)。したがって、図示された搬送ユニット群TV内の2つの別の搬送ユニット3A,3Bの支援が有益であり得る。図12eには、完璧を期するため、6つの搬送ユニット3A~3Fを有する1つの搬送ユニット群TVがさらに示されている。この搬送ユニット群TVは、例えば細長い物品Oを搬送するために使用され得る。これらの構成から、1つの搬送ユニット群TVのさらに多くの別の大きさ及び形が容易に形成され得ることが明らかである。この場合、搬送ユニット群TVの具体的な構成は、適用分野に応じて変更され得る。
図13には、瓶25を充填工程の個々の作業ステーションASi間で搬送するため、瓶充填工場で使用される搬送装置1が示されている。当然に、当該搬送装置1は、本発明を好適な適用分野に基づいて説明するための例示にすぎないと解しなければならない。当然に、搬送装置1は、任意の別の搬送工程にも使用され得る。互いに隣接する複数の搬送区間TS1~TS7が、搬送装置1内に設けられている。これらの搬送区間は一緒に、1つの搬送面TEを構成する。ここでは、搬送面TE内で少なくとも二次元にX方向に且つY方向に移動可能である3つの搬送ユニット3A~33Cが、搬送装置1内に設けられている。ここでは、対抗するそれぞれ2つの連結装置11が、これらの搬送ユニット3A~3Cに配置されている。これらの連結装置11は、上記のようにほぼ任意に構成され得て、例えば完全に機械的に、完全に磁気的に又はこれらを組み合わせて構成され得る。ロック装置が、これらの連結装置11を連結された状態でロックするために設けられてもよい。
制御装置が、搬送ユニット3A~3Cの移動を制御するために当該搬送装置内に設けられてもよい。例えば、複数の適切な区間制御装置が、それぞれの搬送区間TSiに割り当てられてもよい。この場合、これらの区間制御装置は、制御命令を変更するために搬送ユニットの上位制御装置と通信できる。これらの搬送ユニット3A~3Cの移動工程を連続して同調させるため、同様に、当該搬送装置の制御装置は、例えば、充填システムのシステム制御装置に接続され得る。以下で説明するように、これらの搬送ユニット3A~3Cは、搬送工程の様々な段階で示されている。
第1ステップでは、第1搬送区間TS1にある第1搬送ユニット3Aが、開始領域SBから第1作業ステーションAS1の作業領域内に移動される。ここでは、作業ステーションAS1は、固定された引渡ステーションとして空の瓶25Lを搬送ユニット3Aに引き渡すように構成されている。空の瓶は、例えば、図示されていない収集ステーションから当該引渡ステーションの引渡位置UBに移動され得て、この引渡位置UBで適切な操作装置によって搬送ユニット3Aに引き渡され得る。しかし、当該引渡ステーションの具体的な構成は重要ではなく、当該引渡ステーションは、例えば、公知の産業用ロボットとして、ロングステータ・リニアモータ様式の搬送ユニットとして又はエンドレスコンベヤとして構成され得る。図示された例では、引渡位置UB内の空の瓶25Lが、第2ステップS2で上から搬送ユニット3A上に降ろされ得るように、当該引渡ステーションは、搬送面TEの上方にZ方向に配置されている。ここでは、空の瓶25Lが、1つずつ引き渡されるが、当然に、搬送ユニット3Aの積載量が、複数の瓶25Lの積載を許容する場合は、複数の瓶25Lが引き渡されてもよい。
第3ステップでは、1つの空の瓶25Lを積載している第1搬送ユニット3Aが、隣接する第2搬送区間TS2に向かって連結領域KB内に移動する。当該移動工程は、当然に、瓶25Lの倒れを引き起こす許容できない高い加速度が発生しないように有益に実行される。第4ステンレスでは、第1搬送ユニット3Aが、連結領域KB内で第2搬送ユニット3Bと第3ステップ3Cとに連結されて1つの搬送ユニット群TVになる。当該連結は、例えば、第1搬送ユニット3Aの停止中に実行され得るが、3つの搬送ユニット3A~3Cの移動工程が連続して同調されることによって、移動中に実行されてもよい。当該連結は、同時に実行される必要はなくて、最初に、第2搬送ユニット3B又は第3搬送ユニット3Cが、第1搬送ユニット3Aに連結され、その後にそれぞれ別の搬送ユニット3B,3Cが連結されてもよい。1つの搬送ユニット群TVに連結することによって、個別の1つの搬送ユニット3の場合よりも大きい電磁力が、この搬送ユニット群TVに印加され得る。何故なら、より多数の駆動磁石4が駆動可能であり、したがってこれらの駆動磁石4が、平面モータのより多数の駆動コイル6と協働できるからである。
第5ステップS5では、搬送ユニット群TVが、第2作業ステーションAS2の作業領域内に移動される。全ての搬送ユニット3A~3Cの複数の駆動磁石4と協働するため、又はこれらの駆動磁石4の一部と協働するため、第2搬送区間TS2の複数の駆動コイル6が制御されることによって、当該移動が実行され得る。ここでは、第2作業ステーションAS2は、固定された充填ステーションとして構成されている。この充填ステーション内では、搬送ユニット群TVによって搬送された空の瓶25Lが、ハッチングによって示されているように充填位置FPの領域内で第6ステップS6中に液体で充填される。ここでは、当該充填ステーションは、同様に搬送面TEの上方に配置されている。当然に、作業工程が、搬送ユニット群TV又は1つの搬送ユニット3の移動中に実行され得るように、充填ステーション又は一緒に複数の作業ステーションASiが可動に構成されていることも、原理的に考えられる。例えば、図示された例では、当該充填工程が、搬送ユニット群TVの移動中に実行されるように、当該充填ステーションが、搬送ユニット群TVと同じ速度でX方向に移動され得る。
空の瓶25Lを充填することによって、質量、すなわち搬送ユニット群TV自体の重量と全ての瓶25Vの重量とを合わせたこの搬送ユニット群TVに作用する重量が増大する。しかし、この搬送ユニット群TVに起因して個別の1つの搬送ユニット3Aの場合よりも大きい重力が、Z方向に生成される。それ故に、全ての瓶25Vの重量は、例えば、個別の1つの搬送ユニット3Aの最大積載荷重よりも大きくなり得る。何故なら、追加の重力が、連結された搬送ユニット3B,3Cによって生成され得るからである。当然に、別の又は追加のプロセス力が、搬送ユニット群TVに作用し得る。一般に、当該プロセス力は、搬送ユニット群TVの追加の荷重と解するべきであり、したがって当該重量だけと解するのではなくて、作業工程中に搬送ユニット群TVに作用する別の力又はモーメントと解するべきである。さらに、この搬送ユニット群TVに起因して、個別の1つの搬送ユニット3Aの場合よりも大きい駆動力が、X方向又はY方向に生成され得る。したがって、例えば、より大きい加速度が達成され得て、結果としてより動的な工程が実行され得る。
第7ステップでは、搬送ユニット群TVによって搬送された全ての瓶25Vを有するこの搬送ユニット群TVが、第3搬送区間TS3にある荷卸し領域EB内に移動される。荷卸し領域EB内では、全ての瓶25Vが、第8ステップS8中に適切な操作装置26によって、例えば産業用ロボットによって把持され、搬送ユニット群TVから荷卸しされる。当該荷卸しによって、搬送工程は終了され、全ての瓶25Vによる荷重が無くなるので、搬送ユニット群TVは再び分離され得る。それ故に、個々の搬送ユニット3A~3Cが、例えば、所定の開始位置に再び移動され得る。例えば、後続する搬送工程及び充填工程が既に実行されている間に、例えば、第1搬送ユニット3Aが、第1搬送区間TS1にある開始領域SB内に戻り移動され得る。このため、破線で示されているように、例えば別の搬送区間TS8が設けられてもよい。矢印と破線で描かれた搬送ユニット3Bとによって示されているように、後続する第1搬送ユニット3Aに連結されるように、第2搬送ユニット3Bが、例えば第4搬送区間TS4と第5搬送区間TS5とを介して連結領域KB内に戻り移動され得る。同様に、第3搬送ユニット3Cが、例えば第6搬送区間TS6と第7搬送区間TS7とを介して連結領域KB内に戻り移動され得る。
操作装置26は、搬送ユニット群TVから取り出された全ての瓶25Vを、例えば別の搬送装置27に移動させ得る。当該全ての瓶25Vは、搬送装置27によって、例えば収集領域内に移動され得るか、又は後続する処理ステーション、例えば、全ての瓶25Vの栓を締める栓締めステーションへ移動され得る。当然に、搬送装置27は、同様に、本発明の搬送装置1として構成され得るか、又はロングステータ・リニアモータ様式の搬送装置、エンドレスコンベヤ、産業用ロボット等として構成されてもよい。
以下に、上記の本発明の第2の変形例を図14a~図17bに基づいて詳しく説明する。当該第2の変形例によれば、搬送ユニット3Aが、(連結ユニット50としての)物品キャリアOTに連結され得る。搬送装置の基本構成及び機能は、変更されていないので、この点に関しては新たに説明しない。当該搬送装置の構成は、例えば図1a及び図1bによる構成に一致する。図14aは、搬送ユニット3Aと物品キャリアOTとの側面図である。図14bは、(物品キャリアOTを有しない)搬送ユニット3Aを上から見たときの正面図である。図14a中の区間A-Aは、図14b中の区間線に一致する。任意の物品Oが、物品キャリアOTに配置され得る。当該物品は、搬送ユニット3Aによって当該搬送装置の(専ら概略的に示された)搬送面TE内で移動され得る。図4a~4cに基づいて既に詳しく説明したように、搬送ユニット3Aは、例えば、複数の駆動磁石4が基体9の下面に配置されている当該基体9を有し得る。それぞれ少なくとも1つの連結装置11が、搬送ユニット3Aと物品キャリアOTとに設けられている。搬送ユニット3Aと物品キャリアOTとの間の相対移動によって、搬送ユニット3Aが、物品キャリアOTに連結されて1つの物品キャリア群OVになり得る。当該連結後に、固定子の複数の駆動コイル又は複数の可動永久磁石が制御されることによって、この物品キャリア群OVは、搬送面TE内で従来の方法で移動され得る。より容易に認識できるように、図14aでは、物品キャリアOT及び搬送ユニット3Aは、連結されていない状態で示されている。
本発明の範囲内では、相対移動は、停止している物品キャリアOTに対する搬送ユニット3Aの相対移動、又は停止している搬送ユニット3Aに対する物品キャリアOTの相対移動、又は搬送ユニット3Aと物品キャリアOTとの相互の相対移動と解することができる。搬送ユニット3Aの移動可能性は、主に搬送装置1の構成に依存し、特に搬送ユニット3Aにある複数の駆動磁石4の配置に依存し、且つ当該固定子にある複数の駆動コイル又は複数の可動永久磁石の配置に依存する。一般に、搬送面TE内の移動は、少なくとも2つで且つ6つまでの移動自由度の方向の移動と解することができる。図示された例では、搬送ユニット3Aは、X-Y平面内ではほとんど制限されずに並進移動され得て、Z方向には限定的に並進移動され得る。ほとんど制限されない回転移動が、Z軸を中心として可能であり、限定的な回転移動が、X軸及びY軸を中心として可能である。
例えば、物品キャリアOTは、搬送装置1の(図示されていない)固定されたホルダに切り離し可能に保持され得る。当該ホルダは、搬送ユニット3Aが到達し得る適切な位置に配置され得る。このとき、最初に、搬送ユニット3Aは、搬送面TE内で物品キャリアOTに向かって移動され得る。搬送ユニット3Aが、物品キャリアOTの領域内に存在する時に、搬送ユニット3Aの連結装置11が、物品キャリアOTの連結装置11に合致され得る。その後に、搬送ユニット3Aは、相対移動だけによって物品キャリアOTに連結され得る。この場合、物品キャリアOTが、当該ホルダから切り離される。次いで、希望した搬送工程を実行するため、物品キャリア群OVは、搬送ユニット3Aを適切に制御することによって搬送面TE内で移動され得る。当然に、反対のバリエーションも可能である。当該バリエーションの場合、搬送ユニット3Aが停止したままで、物品キャリアOTが、例えばロボットのような適切な操作装置によって、搬送ユニット3Aに対して相対移動される。しかし、この場合、当該連結工程は変更されないままである。
図14a及び図14bによる例では、物品キャリアOTの連結装置11は、連結要素11aを有し、搬送ユニット3Aの連結装置11は、当該連結要素11aに対応する収容部11bを有する。ここでは、連結要素11aは、搬送ユニット3Aに面した物品キャリアOTの下面に配置されていて、当該下面に隣接するウェブ28と当該ウェブ28に対してより幅広の自由端部29とを有する。ここでは、自由端部29は、例えば長方形の横断面を有する。しかし、自由端部29及び/又はウェブ28は、例えばそれぞれ円柱状に構成されてもよい。この場合、ウェブ28は、自由端部29よりも小さい直径を有する。当該より幅広の自由端部29は、本発明の意味におけるロック装置の一部、特に締付要素とみなせ得る。
収容部11bは、複数の駆動磁石4に対向する搬送ユニット3Aの基体9の表面に配置されている。ここでは、収容部11bは、長方形の横断面を有する収容開口部30を備える。この収容開口部30は、当該表面から基体9の一部にわたって当該下面の方向に延在する。しかし、当然に、収容開口部30は、同様に、別の形、例えば円形の横断面を有してもよい。上に向かって開いている(ここでは、ほぼZ字状に延在する)誘導経路31と、この誘導経路31の下方でZ方向に存在する収容経路32とが、収容開口部30の片面に隣接している。誘導経路31及び収容経路32は、本発明の意味におけるロック装置の一部、特に締付開口部とみなせ得る。この場合、誘導経路31の幅は、物品キャリアOTの連結要素11aのウェブ28の幅にほぼ一致するか又は僅かに大きく、収容経路32の幅は、物品キャリアOTの連結要素11aの自由端部29の幅にほぼ一致するか又は僅かに大きい。
物品キャリアOTと搬送ユニット3Aとの間の相対移動によって、この物品キャリアOTとこの搬送ユニット3Aとが連結されて1つの物品キャリア群OVになり得る。このため、連結要素11aと収容部11bとが揃うように、最初に、物品キャリアOTと搬送ユニット3Aとが、X-Y平面内で互いに位置決めされる。その後に、連結要素11aが、収容部11b内に収容されるまで、Z方向の相対移動が実行される。これにより、本発明の意味における連結が完了される。当該連結の場合、物品キャリアOTと搬送ユニット3Aとの間の相対移動の少なくとも1つの自由度(ここでは、X方向及びY方向の2つの並進自由度並びにZ軸を中心とした回転自由度)が制限されている。連結要素11aのウェブ28が、誘導経路31内に収容され、連結要素11aの自由端部29が、収容経路32内に収容されるように、ここでは、当該ロック装置が、同様に当該相対移動によって(ここでは、最初にX方向に)操作され得る。これにより、当該相対移動の別の自由度(ここでは、Z方向の自由度)が制限される。その後に、誘導経路31と平行な収容経路32とのルートにほぼ依存するさらなる相対移動が実行され得る。したがって、図示された例では、当該ウェブが、誘導経路31の閉鎖端部の領域内に到達するまで、この相対移動は、 上記のX方向の相対移動と、当該相対移動に後続するY方向の相対移動と、X方向のさらなる相対移動とから成るZ字状の推移を構成する。
しかし、当然に、図示された構成の実施の形態は、例示にすぎないと解することができ、当然に、これらの構成要素は、構成的に異なって構成されてもよい。例えば、連結要素11aと収容部11bとは、別の形を有してもよく、誘導経路31と収容経路32とは、別のルートを有してもよい。当然に、物品キャリアOTの連結装置11は、複数の同種の連結要素11aを有してもよく、搬送ユニット3Aの連結装置11は、複数の同種の収容部11bを有してもよい。例えば、(図示されていない)追加の複数の磁石要素が、当該連結工程を支援するために設けられていることも考えられる。例えば、より容易な連結を可能にする磁気誘導を実現するため、連結要素11aと収容部11bとは、相違する方向に磁化され得る。例えば、保持力を生成するため、連結要素11aと磁気的に協働する1つの磁石要素が、収容経路32の端部の領域内だけに設けられてもよい。
図15a及び15bによる例は、連結要素11aとこの連結要素11aに対応する収容部11bとの構成だけによって図14a及び図14bによる構成と相違する。ここでは、連結要素11aは、同様に、搬送ユニット3Aに面した物品キャリアOTの下面に配置されていて、当該下面に隣接する円柱状の突出部33と、その円周面に配置された半径方向に突出している旋回軸34とを有する。この旋回軸34は、例えば、同様に円柱状に構成され得る。旋回軸34は、少なくとも物品キャリアOTの下面からZ方向に離間している。ここでは、旋回軸34は、Z方向に突出部33のほぼ中央に配置されているが、さらに下にあってもよい。旋回軸34は、本発明の意味におけるロック装置の一部、特に締付要素とみなされ得る。ここでは、収容部11bは、その上面から基体9の一部にわたってその下面の方向に延在する円柱状の収容開口部35を有する。この収容開口部35の直径は、円柱状の突出部33の直径にほぼ一致するか又は僅かに大きい。上から見てY方向に、半径方向に外側に向かって延在する垂直なスリット36が、収容開口部35の側面に設けられている。垂直なスリット36は、Z方向に見て、基体9の上面の始点から収容開口部35の深さ距離の一部にわたって延在する。この場合、当該一部は、物品キャリアOTの下面から旋回軸34の下面までの距離にほぼ一致する。当該円周方向に見て、スリット36は、ほぼ円環扇形の形を有する誘導経路37に結合されている。図15aで明らかなように、誘導経路37は、半径方向に収容開口部35に結合されていて、基体9の上面から離間している。当該誘導経路は、スリット36から所定の角度、ここでは例えば90°にわたって円周方向に延在する。したがって、スリット36と誘導経路37とは、本発明の意味におけるロック装置、特に締付開口部を構成する。
同様に、物品キャリアOTと搬送ユニット3Aとは、相対位置によって連結され得る。このため、連結要素11aと収容部11bとが揃うように、最初に、物品キャリアOTと搬送ユニット3Aとが、X-Y平面内で互いに位置決めされる。図示された例では、当該位置決めは、円柱状の突出部33が収容開口部35と揃い、旋回軸34がスリット36と揃うことを意味する。その後に、連結要素11aが、収容部11b内に収容されるまで、Z方向の相対移動が実行される。これにより、当該相対移動の少なくとも1つの自由度が制限される(ここでは、2つのX方向及びY方向の並進自由度がロックされ、Z軸を中心とした回転自由度がロックされ、さらに、円柱状の係止固定に起因して、当然に、X軸及びY軸を中心とした回転もロックされる)ので、当該連結が完了される。その後に、連結要素11aの旋回軸34が、誘導経路37内に収容されるように、ロック装置が、Z軸を中心とした相対回転移動によって作動し得る。これにより、当該相対移動のさらなる自由度、ここではZ方向の自由度が制限される。当然に、図15a及び図15bに示された構成の実施の形態も、同様に例示にすぎないと解することができ、当然に、これらの構成要素も、構成的に異なって構成され得る。図14a及び図14bに対して既に上述したように、同様に、磁気的な支援がなされてもよい。
図16a及び図16bには、物品キャリアOTと搬送ユニット3Aとを連結する可能な別の実施の形態が示されている。ここでは、物品キャリアOTの連結装置11は、物品キャリアOTの下面に配置されている4つの連結要素11aを有し、搬送ユニット3Aは、これらの連結要素11aに対応する4つの収容部11bを基体9の上面に有する。これらの連結要素11aは、それぞれ1つの正方形の突出部38を有し、これらの収容部11bは、複数の正方形の凹部39を有する。これらの凹部39の大きさは、これらの突出部38にほぼ一致するか又は僅かに大きい。図示された例では、本発明の意味におけるロック装置の一部、特に締付開口部とみなされ得る1つの収容開口部38aが、それぞれの突出部38ごとに設けられている。ここでは、収容開口部38aは、例えば、Y方向に延在する円柱状の貫通孔として構成されている。ここでは、第1ロック経路40aと第2ロック経路40bとが、それぞれの正方形の凹部39に設けられている。第1ロック経路40aの1つの端部が、正方形の凹部39に結合されていて、他方の端部は閉じられている。第1ロック経路40aは、(連結された状態で)突出部38の収容開口部38aに対して平行に、ここではY方向に延在する。第2ロック経路40bの1つの端部が、第1ロック経路40aに結合されていて、他方の端部は閉じられている。ロック経路40aの長手軸とロック経路40bの長手軸とは、交差していて、互いに所定の角度、ここでは90°を成して配置されている。それ故に、第2ロック経路40bは、X方向に延在する。第1ロック要素41aが、第1ロック経路40a内に配置されている。この第1ロック要素41aは、第1ロック経路40a内で当該長手軸の方向に可動である。同様に、第2ロック要素41bが、第2ロック経路40b内に配置されている。この第2ロック要素41bは、第2ロック経路40b内で当該長手軸の方向に可動である。第1ロック要素41aは、本発明の意味におけるロック装置の締付要素とみなされ得る。
同様に、物品キャリアOTと搬送ユニット3Aとが、相対移動によって連結され得る。最初に、連結要素11aと収容部11bとが揃うように、物品キャリアOTと搬送ユニット3Aとが、X-Y平面内で互いに位置決めされる。図示された例では、当該位置決めは、正方形の突出部38が正方形の凹部39と揃うことを意味する。この場合、全ての4つの収容部11bに対する代表として図16bの左上に示されているように、第1ロック要素41aは、特に完全に第1ロック経路40a内に存在する。その後に、突出部38が、凹部39内に収容されるまで、Z方向の相対移動が実行される。これにより、当該相対移動の少なくとも1つの自由度が制限される(ここでは、2つのX方向及びY方向の並進自由度がロックされ、Z軸を中心とした回転自由度がロックされ、さらに、係止固定に起因して、当然に、X軸及びY軸を中心とした回転もロックされる)ので、本発明の意味における連結工程が完了される。その後に、同様に、当該ロック装置が、相対移動によって作動され得る。これに対して、図16bには、4つの連結装置11の複数のロック要素41a,41bが、当該ロック工程の複数の異なる経時ステップ(左上、右上、左下及び右下)で示されている。当該ロック装置を操作するため、全ての4つの収容部11bに対する代表として図16bの右上に示されているように、第1ロック要素41aの一部が、対応する突出部38の収容開口部38a内に収容されるまで、最初に、物品キャリア群OVが、X軸を中心として水平方向から傾斜される。この場合、当該ロック要素は、重力に起因して移動され得るが、さらに又は代わりに、質量慣性力に起因して移動されてもよい。これにより、当該相対移動の別の自由度、ここではZ方向に係止固定式に制限される。その後に、全ての4つの収容部11bに対する代表として図16bの左下に示されているように、第2ロック要素41bの一部が、第1ロック経路40a内に収容されるまで、物品キャリア群OVが、Y軸を中心として(さらに又はこの物品キャリア群OVが水平方向に戻った後に)傾斜される。したがって、第2ロック要素41bは、第1ロック要素41a用の保護部材として作用する。その結果、この第1ロック要素41aは、収容開口部38aから不本意に離れるように移動しない。ロック解除は、当該移動シーケンスの反対の順序で実行され得る。すなわち、第2ロック要素41bが、第1ロック要素41aを解放するように、最初に、Y軸を中心とした傾斜が実行され(図16bの右下)、その後に、第1ロック要素41aが、収容開口部38aを解放するように、X軸を中心とした傾斜が実行される。当然に、図16a及び図16bに示された構成の実施の形態は、同様に例示にすぎないと解することができ、当然に、これらの構成要素は、構成的に異なって構成され得る。同様に、図14a及び図14bで既に上述したように、磁気的な支援が設けられてもよい。
図17a及び図17bには、物品キャリアOTと搬送ユニット3Aとを連結する可能な別の実施の形態が示されている。ここでは、物品キャリアOTの連結装置11は、例えば、物品キャリアOTの下面に配置されている2つの連結要素11aを有し、搬送ユニット3Aは、これらの連結要素11aに対応する2つの収容部11bを基体9の上面に有する。図16aによる例と同様に、これらの連結要素11aは、ロック装置の一部、特に締付開口部を構成する収容開口部42aを有するそれぞれ1つの正方形の突出部42を備える。図16bによる例と同様に、これらの収容部11bは、正方形の凹部43を有する。1つのロック経路44が、それぞれの正方形の凹部43に設けられている。ロック経路44の1つの端部が、正方形の凹部43に結合されていて、他方の端部は、特に閉じられている。ロック経路44は、(連結された状態で)突出部42の収容開口部42aに対して平行に、ここではY方向に延在する。図17bの右側に示されているように、磁気式のロック要素46が、ロック経路44内に配置されていて、このロック経路内で長手軸の方向に可動であり、当該ロック要素46は、ばね要素によって凹部43の方向に押圧される。したがって、ロック経路44、ロック要素46及びばね45は、本発明の意味におけるロック装置の一部を構成する。この場合、ロック要素46は、本発明の意味における特に締付要素とみなされ得る。操作されない状態では、ロック要素46は、右側に示されたロック状態にある。この例では、当該ロック装置を操作するため、図10の例に基づいて既に説明したように、操作装置BEが必要である。図17bに示されているように、操作装置BEは、例えば搬送装置1の一部でもよいが、当然に、搬送ユニット3Aの一部でもよい。図示された例では、磁気式の操作部47、例えば永久磁石又は電磁石が、操作装置BEに設けられている。操作装置BEは、例えば機械式の操作によって異なって構成されてもよい。
物品キャリアOTを搬送ユニット3Aに連結するため、最初に、搬送ユニット3Aが、操作装置BEの操作領域内に移動され得る。磁力FMが、当該操作領域内でロック要素46に向かって生成される。ロック要素46は、磁力FMによって(図17bの右側の)ロック位置から(図17bの左側の)解除位置に移動される。その後に、当該物品キャリアは、相対移動によって搬送ユニット3Aに連結され得る。この場合、連結要素11aと収容部11bとが揃うように、物品キャリアOTと搬送ユニット3Aとが、X-Y平面内で互いに位置決めされる。図示された例では、当該位置決めは、正方形の突出部42が正方形の凹部43と揃うことを意味する。その後に、突出部42が、凹部43内に収容されるまで、Z方向の相対移動が実行される。これにより、当該相対移動の少なくとも1つの自由度が制限される(ここでは、2つのX方向及びY方向の並進自由度がロックされ、Z軸を中心とした回転自由度がロックされ、さらに、係止固定に起因して、当然に、X軸及びY軸を中心とした回転もロックされる)ので、本発明の意味における連結工程が完了される。
その後に、物品キャリア群OVが、当該操作装置の操作領域から移動されることによって、当該ロック装置が操作され得る。磁力FMが消滅するので、ロック要素46が、弾性要素45によってロック状態(図17bの右側)に再び移動される。このとき、ロック要素46は、収容開口部42a内に収容されている。これにより、相対移動の別の自由度が、ここでは係止固定式にZ方向に制限されている。ロック解除は、当該移動シーケンスの反対の順序で実行され得る。すなわち、最初に、操作装置BEが、操作領域内に移動され、その後に、物品キャリアOTが、搬送ユニット3Aから分離される。当然に、図17a及び図17bに示された構成の実施の形態は、同様に例示にすぎないと解することができ、当然に、これらの構成要素は、構成的に異なって構成され得て、任意の数の連結要素11aと収容部11bとが設けられてもよい。図10による例と同様に、ロック要素46が、連結工程中に相対移動によってロック状態から解除状態に移行されるように、当然に、(図示されていない)対応する斜面が、ロック要素46と突出部42とに配置されてもよい。この場合、操作装置BEによる当該操作は、当該ロック解除のためだけに必要である。
非常に適応性のある搬送工程が、本発明による搬送装置1によって実行され得て、任意の物品が、当該当該搬送工程中に非常にフレキシブルに搬送され得ることは明らかである。搬送工程を望ましい移動シーケンスによって実行できるようにするため、本発明の第1の変形例にしたがって複数の搬送ユニット3Aを1つの搬送ユニット群TVに連結することによって、当該搬送工程は、搬送される物品の大きさ及び重量に有益に適合され得る。本発明の第2の変形例による搬送ユニット3と物品キャリアOTとの連結には、搬送ユニット3と物品キャリアOTとの連結/分離がより簡単に可能になるという利点がある。その結果、例えば、様々な物品キャリアOTのより簡単で且つより速い交換が可能になる。