JP7743871B2 - 微細セルロース繊維粉末、及び微細セルロース繊維粉末の製造方法 - Google Patents
微細セルロース繊維粉末、及び微細セルロース繊維粉末の製造方法Info
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Description
前記微細セルロース繊維の平均繊維幅が、1nm~1000nmであり、
前記微細セルロース繊維は、下記一般式(1)で表される硫酸エステル基を有し、
前記微細セルロース繊維は、硫酸エステル基に起因する硫黄導入量が、0.3mmol/g以上、3.0mmol/g以下であり、
前記粉末のメジアン径が、800μm以下であり、
前記粉末の水分率が50質量%以下である、微細セルロース繊維粉末。
(2) 前記微細セルロース繊維粉末を、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%となるように水に分散させることにより調製した、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%の水分散液の25℃における2.6rpmで測定される粘度が、500mPa・s以上である、(1)に記載の微細セルロース繊維粉末。
(3) 前記微細セルロース繊維粉末を、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%となるように水に分散させることにより調製した、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%の水分散液の25℃における2.6rpmで測定される粘度及び26rpmで測定される粘度から求めたチキソトロピックインデックス(TI値)が、3~30である、(1)又は(2)に記載の微細セルロース繊維粉末。
(4) 前記微細セルロース繊維粉末を、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%となるように水に分散させることにより調製した、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%の水分散液の25℃における2.6rpmで測定される粘度が、500mPa・s以上であり、
前記水分散液の25℃における2.6rpmで測定される粘度及び26rpmで測定される粘度から求めたチキソトロピックインデックス(TI値)が、3~30である、(1)に記載の微細セルロース繊維粉末。
(5) 前記一般式(1)におけるMn+が、ナトリウムイオン(Na+)である、(1)~(4)のいずれかに記載の微細セルロース繊維粉末。
(6) 前記微細セルロース繊維粉末を、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%となるように水に分散させることにより調製した、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%の水分散液の全光線透過率が、96%以上である、(1)~(5)のいずれかに記載の微細セルロース繊維粉末。
(7) 前記微細セルロース繊維粉末を、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%となるように水に分散させることにより調製した、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%の水分散液のヘイズ値が、20%以下である、(1)~(6)のいずれかに記載の微細セルロース繊維粉末。
(8) 前記微細セルロース繊維粉末が、ジメチルスルホキシドを10~1000ppm含む、(1)~(7)のいずれかに記載の微細セルロース繊維粉末。
(9) 前記微細セルロース繊維粉末が、NH4 +で表されるアンモニウムイオンを5000ppm以下含む、(1)~(8)のいずれかに記載の微細セルロース繊維粉末。
(10) (1)~(9)のいずれかに記載の微細セルロース繊維粉末を水に分散する工程を有する、微細セルロース繊維水分散液の製造方法。
(11) (10)に記載の製造方法で得られた微細セルロース繊維水分散液を成膜する工程を有する、フィルムの製造方法。
(12) (1)~(9)のいずれかに記載の微細セルロース繊維粉末を製造する方法であり、
微細セルロース繊維の水分散液を乾燥し、微細セルロース繊維及び水を含む乾燥体を得る乾燥工程を有し、
前記乾燥工程において、凍結乾燥、晶析及び真空乾燥、並びにスプレードライから選択される少なくとも1種の乾燥が行われる、微細セルロース繊維粉末の製造方法。
(13) (1)~(9)のいずれかに記載の微細セルロース繊維粉末を製造する方法であり、
微細セルロース繊維及び水を含む乾燥体を乾式粉砕機により粉砕し、微細セルロース繊維粉末を得る工程を有する、微細セルロース繊維粉末の製造方法。
(14) (1)~(9)のいずれかに記載の微細セルロース繊維粉末を製造する方法であり、
微細セルロース繊維の水分散液を乾燥し、微細セルロース繊維及び水を含む乾燥体を得る乾燥工程を有し、
前記乾燥工程において、凍結乾燥、晶析及び真空乾燥、並びにスプレードライから選択される少なくとも1種の乾燥が行われ、
前記乾燥工程により得られた前記乾燥体を乾式粉砕機により粉砕し、微細セルロース繊維粉末を得る工程を有する、微細セルロース繊維粉末の製造方法。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2021-177465号の開示内容を包含する。
本実施形態の微細セルロース繊維粉末は、微細セルロース繊維を含有する。なお、一般的なセルロース(未変性セルロース)は、グルコースがβ-1,4-グリコシド結合した多糖類であり、(C6H10O5)nで示されるが、本実施形態における微細セルロース繊維は、硫酸エステル基を有することからも明らかなように、変性されたセルロースから構成される繊維である。
本実施形態の微細セルロース繊維粉末は、微細セルロース繊維と、水とを含む。微細セルロース繊維粉末は、微細セルロース繊維及び水以外の成分を含んでいてもよいが、微細セルロース繊維及び水のみから形成されていてもよい。微細セルロース繊維は、水に溶解することが通常無いため、微細セルロース繊維粉末が、微細セルロース繊維及び水のみから形成される場合には、前記粉末及び水から調製された微細セルロース繊維水分散液における固形分とは、微細セルロース繊維を意味し、固形分濃度と、微細セルロース繊維の濃度とは実質的に同義であり、固形分質量と、微細セルロース繊維の質量とは実質的に同義である。なお、微細セルロース繊維粉末には、微細セルロース繊維の製造工程に由来する成分が含まれていてもよい。例えば、微細セルロース繊維粉末としては、DMSOを10~1000ppm含んでいてもよい。また、微細セルロース繊維粉末としては、NH4 +で表されるアンモニウムイオンを5000ppm以下含んでいてもよい。なお、5000ppm以下含むとは、含まない(0ppm又は検出限界以下)を含み、言い換えると0~5000ppmを意味する。
TI値=(2.6rpmで測定される粘度)/(26rpmで測定される粘度)
前述の微細セルロース繊維粉末を製造する方法としては特に制限はないが、例えば、水や水以外の分散媒を含む微細セルロース繊維の分散液を乾燥させる工程及び粉末化工程を経て得る事ができる。水以外の分散媒としては、ジメチルスルホキシド、アルコールやポリオール等の極性有機溶媒、また4級アンモニウム化合物等のイオン液体が挙げられるが、分散媒としては、水又は水と有機溶媒との混合溶媒を用いることが好ましく、安全性等の観点から水を用いることが好ましい。
ジメチルスルホキシド(DMSO)150g、無水酢酸16.5g(解繊溶液における濃度:14質量%)及び硫酸3.35g(解繊溶液における濃度:1.87質量%)を300mlのサンプル瓶に入れ、23℃の室温下で磁性スターラーを用いて約30秒撹拌し、解繊溶液を調製した。
乾式粉砕機での処理時間を3分間から2分間に変更した以外は実施例1と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.2を得た。
乾式粉砕機での処理時間を3分間から1.5分間に変更した以外は実施例1と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.3を得た。
乾式粉砕機での処理時間を3分間から1分間に変更した以外は実施例1と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.4を得た。
解繊溶液に針葉樹クラフトパルプNBKP(日本製紙製)5.0gを加えた際の攪拌時間を120分から30分に変更した以外は実施例1と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.5を得た。
解繊溶液に針葉樹クラフトパルプNBKP(日本製紙製)5.0gを加えた際の攪拌時間を120分から180分に変更した以外は実施例1と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.6を得た。
凍結乾燥機を用いた乾燥を、72時間から48時間に変更した以外は実施例1と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.7を得た。
凍結乾燥機を用いた乾燥を、72時間から24時間に変更した以外は実施例1と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.8を得た。
5質量%の水酸化ナトリウム水溶液を、5質量%の水酸化カリウム水溶液に変更した以外は実施例1と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.9を得た。
5質量%の水酸化ナトリウム水溶液を、5質量%の水酸化カルシウム水溶液に変更した以外は実施例1と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.10を得た。
実施例1と同様の方法で、0.5質量%の均一な硫酸エステル基を有する微細セルロース繊維の水分散液1000gを得た。微細セルロース繊維の水分散液1000gにメタノール3000gを加えて、2時間攪拌する事で微細セルロース繊維の晶析を行った。
実施例1と同様の方法で、0.5質量%の均一な硫酸エステル基を有する微細セルロース繊維の水分散液1000gを得た。微細セルロース繊維の水分散液1000gを、スプレードライヤー(シバタ製、Mini Spray Dryers, Model B-290)を用い、入口温度160℃で乾燥させ、微細セルロース繊維乾燥体5gを得た。
乾式粉砕機での処理時間を3分間から30秒間に変更した以外は実施例1と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.13を得た。
乾式粉砕機での処理時間を3分間から10秒間に変更した以外は実施例1と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.14を得た。
実施例1と同様の方法で、0.5質量%の均一な硫酸エステル基を有する微細セルロース繊維の水分散液1000gを得た。微細セルロース繊維の水分散液1000gを、ビーカーのまま熱風乾燥機(LC-114、エスペック製)に入れ、40℃で120時間乾燥させ、フィルム状の微細セルロース繊維乾燥体である試料No.15を得た。
凍結乾燥機を用いた微細セルロース繊維の水分散液の乾燥時間を72時間から18時間に変更した以外は実施例1と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.16を得た。
尿素15g、リン酸二水素ナトリウム二水和物8.3g、及びリン酸水素二ナトリウム6.2gを、水16.4gに溶解させて、リン酸化試薬を調製した。
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル(TEMPO)0.38mmol及び臭化ナトリウム30mmolを水に溶解させて、750mLの水溶液を得た。この水溶液に、絶対乾燥状の態針葉樹クラフトパルプNBKP(日本製紙製)15gを加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。混合物の温度を20℃にした後、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(富士フイルム和光純薬株式会社製)96mmolを添加して酸化反応を開始させた。反応中、反応系の温度を20℃に保ち、3N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加することによりpHを10に維持した。3時間反応させた後、結果物をガラスフィルターでろ過し、ろ物を十分に水洗した。それにより、酸化処理されたパルプを得た。
反応後の蒸留水とエタノールを使用した洗浄回数を3回から2回に変更した以外は実施例11と同様に行い、微細セルロース繊維粉末である試料No.19を得た。
実施例、比較例で得た試料の水分率は、試料作製完了後24h以内に以下の方法で求めた。
水分率(質量%)は、JIS P8203に準拠して、試料の質量に対する水分量で表すことができる。つまり、水分率(質量%)は、下記式から求めることができる。
水分率(質量%)=((試料の質量-試料の固形分質量)/試料の質量)×100
(試料の質量は、測定に供した試料の質量(g)を意味する。試料の固形分質量は、測定に供した試料と同量の試料を105℃の雰囲気下で2時間、恒量になるまで乾燥させた後に残った固形物の質量(g)を意味する。)
実施例、比較例で得た試料中の微細セルロース繊維の平均繊維幅は、原子間力顕微鏡(SPM-9700HT、株式会社島津製作所製)を用いて、任意に選択した50本の繊維における繊維幅を計測し、加算平均値をとることで測定した。なお、評価サンプルは以下の方法で調製したものを用いた。
実施例、比較例で得た試料のメジアン径は、以下の方法で求めた。
レーザ回折・散乱法の規格ISO 13320及びJIS Z 8825に準拠した乾式粒度分布計(マイクロトラック MT-3000、マイクロトラック・ベル社製)を用い、粒子径を測定した。続いて、測定した粒度分布の積算値が50%となる値であるメジアン径(X50)を求めた。
実施例、比較例で得た試料中の微細セルロース繊維の置換基導入量は、以下の方法で求めた。
試料No.1~No.16、及び試料No.19については、置換基導入量として、硫酸エステル基に起因する硫黄導入量(mmol/g)を求め、試料No.17については、置換基導入量として、リン酸エステル基に起因するリン導入量(mmol/g)を求め、試料No.18については、置換基導入量として、カルボキシ基に起因するカルボキシ基導入量(mmol/g)を求めた。
カルボキシ基官能基量(mmol/g)=V(ml)×0.05/セルロースの質量(g)
まず、実施例、比較例で得た試料0.5gに抽出液として水15gを加え、超音波洗浄機で30分処理した。その後、アセトン30gを加え、手振りで撹拌後、超音波洗浄機で5分処理した。抽出液を採取してメンブレンフィルター(0.45μm)を通し、GC-MSを使用して抽出液中のDMSO量を測定した。
実施例、比較例で得た試料に含まれるアンモニウムイオン(NH4 +)量は、X線光電子分光法(Thermo Fisher Scientific 社製 K-Alpha+)を用いて、アンモニウムイオン由来の窒素の含有量から計算した。試料を水に分散させた後、室温で乾燥させ、膜状の固体としたものを得、これをX線光電子分光法にて測定した。照射X線は単結晶分光AlのKα線を使い、スポット径を400μmとし、中和電子銃を使用した。得られたチャートの面積比率から、各原子の原子百分率を計算し、結合エネルギー4101.9eVのピークをアンモニウムイオン由来の窒素のピークとして、アンモニウムイオン由来の窒素の原子百分率を求めた。原子百分率の値に分子量(原子量)をかけたうえでアンモニウムイオンの重量比率を計算し、アンモニウムイオンの量とした。ただし、結合エネルギーはC-C,C-Hを284.6eVとして基準化した値を示した。また、原子百分率を求める際は、装置の相対感度係数を用いて算出した。
実施例、比較例で得た試料を用いて、微細セルロース繊維水分散液を作製した。
前記水分率に基づき、微細セルロース繊維が0.3gとなるように試料を秤量し、試料を、試料との合計が100gになるように秤量した蒸留水に加え、ミキサー(G5200、 Biolomix製)を用いて3分撹拌することにより0.3質量%の均一な微細セルロース繊維の水分散液(微細セルロース繊維水分散液-1)を得た。
実施例、比較例で得た試料から作製された微細セルロース繊維水分散液-1の粘度は、以下の条件で脱泡及び24時間静置した後、B型粘度計を用いて、粘度測定開始後(回転開始後)10分の時点の粘度を記録(N=3)し、平均値を算出することにより求めた。
TI値=(回転数2.6rpmにおける微細セルロース繊維水分散液の粘度)/(回転数26rpmにおける微細セルロース繊維水分散液の粘度)
実施例、比較例で得た試料から作製された微細セルロース繊維水分散液-1の透過率を以下の方法で測定した。
前記[透過率]の項で記載した方法により求めた拡散光線透過率及び全光線透過率を用い、下記式に基づきヘイズ値を計算することにより、波長600nmにおけるヘイズ値を求めた。なお、波長600nmにおけるヘイズ値を単にヘイズとも記す。
ヘイズ値=(拡散光線透過率/全光線透過率)×100
実施例、比較例で得た試料を用いて、微細セルロース繊維水分散液-2を作製した。
前記水分率に基づき、微細セルロース繊維が1.0gとなるように試料を秤量し、試料を、試料との合計が100gになるように秤量した蒸留水に加え、ミキサー(G5200、Biolomix製)を用いて3分撹拌することにより1.0質量%の微細セルロース繊維の水分散液(微細セルロース繊維水分散液-2)を得た。
実施例、比較例で得た試料から作製された微細セルロース繊維水分散液-2の液分離安定性を以下の方法で測定した。
◎:上澄みが60日経過時点で未発生
〇:上澄みが30日以上、60日未満経過で発生
△:上澄みが10日以上、30日未満経過で発生
×:上澄みが10日未満経過で発生
150mLの実施例、比較例で得た試料から作製された微細セルロース繊維水分散液-1を内寸10cm×10cm×5cmの樹脂製容器に流し込み、10日間自然乾燥させることによりS-CNF膜を得た。続いて、S-CNF膜を光学顕微鏡(VHX-8000、キーエンス製)を用いて任意の10か所で500μm×500μm範囲における観察を行い、以下の基準で膜中の微細セルロース繊維凝集物抑制を評価した。
◎:20μm以上の微細セルロース繊維凝集物が0個
〇:20μm以上の微細セルロース繊維凝集物が1個以上、3個未満
△:20μm以上の微細セルロース繊維凝集物が3個以上、5個未満
×:20μm以上の微細セルロース繊維凝集物が5個以上
実施例、比較例で得た試料(微細セルロース繊維粉末)のカビ耐性を以下の方法で評価した。
〇:直径0.3mm以上のカビ等の菌類に由来するコロニーが発生無し
×:直径0.3mm以上のカビ等の菌類に由来するコロニーが発生有り
<微細セルロース繊維分散液の製造>
針葉樹クラフトパルプNBKP(日本製紙製))を使用した。以下では、参考例1に用いたNBKPを単にパルプとも記す。パルプは、大量の純水で洗浄後、200メッシュのふるいで水を切り、固形分濃度を測定後使用した。
パルプを以下のように調製した反応液に加え撹拌してスラリー状にした。
スルホン化剤と尿素または/およびその誘導体が以下の固形分濃度となるように調製した。
スルファミン酸/尿素比((g/L)/(g/L))=200/300
恒温槽の温度:160℃、加熱時間:1時間
得られた0.5重量%スルホン化微細セルロース繊維分散液50g(絶乾重量にして0.25g分)をシャーレ上に分取し乾燥機内で水分率が平衡となるまで(水分率10%以下)60℃で加熱乾燥させ、微細セルロース繊維含有乾燥固形物を得た。
微細セルロース繊維含有乾燥固形物中の微細セルロース繊維が0.3gとなるように試料を秤量し、試料を、試料との合計が100gになるように秤量した蒸留水に加え、ミキサー(G5200、Biolomix製)を用いて3分撹拌することにより0.3質量%の均一な微細セルロース繊維の水分散液(微細セルロース繊維水分散液)を得た。
微細セルロース繊維水分散液100gを脱泡装置(泡とり練太郎ARE-310、シンキー製)で10秒間脱泡処理し、24時間静置した。続いてB型粘度計(DV-II+、Brookfield社製)を用いて、回転数2.6rpmで粘度測定を行い、測定開始後(回転開始後)10分の時点の粘度を記録した。同様の方法で別に調整した計3つの微細セルロース繊維水分散液の粘度測定を記録(N=3)し、その3回の平均値を微細セルロース繊維水分散液の粘度(回転数2.6rpmにおける微細セルロース繊維水分散液の粘度)とした。なお、測定は水分散液の温度が25℃となる環境で実施した。
回転数2.6rpmにおける微細セルロース繊維水分散液の粘度及び回転数26rpmにおける微細セルロース繊維水分散液の粘度から、下記式に基づきチキソトロピックインデックス(TI値)を算出した。
TI値=(回転数2.6rpmにおける微細セルロース繊維水分散液の粘度)/(回転数26rpmにおける微細セルロース繊維水分散液の粘度)
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。
いくつかの実施形態を以下に示す。
項1
微細セルロース繊維と、水とを含む微細セルロース繊維粉末であり、
前記微細セルロース繊維の平均繊維幅が、1nm~1000nmであり、
前記微細セルロース繊維は、下記一般式(1)で表される硫酸エステル基を有し、
前記微細セルロース繊維は、硫酸エステル基に起因する硫黄導入量が、0.3mmol/g以上、3.0mmol/g以下であり、
前記粉末のメジアン径が、800μm以下であり、
前記粉末の水分率が50質量%以下である、微細セルロース繊維粉末。
項2
前記微細セルロース繊維粉末を、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%となるように水に分散させることにより調製した、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%の水分散液の25℃における2.6rpmで測定される粘度が、500mPa・s以上である、項1に記載の微細セルロース繊維粉末。
項3
前記微細セルロース繊維粉末を、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%となるように水に分散させることにより調製した、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%の水分散液の25℃における2.6rpmで測定される粘度及び26rpmで測定される粘度から求めたチキソトロピックインデックス(TI値)が、3~30である、項1又は2に記載の微細セルロース繊維粉末。
項4
前記微細セルロース繊維粉末を、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%となるように水に分散させることにより調製した、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%の水分散液の25℃における2.6rpmで測定される粘度が、500mPa・s以上であり、
前記水分散液の25℃における2.6rpmで測定される粘度及び26rpmで測定される粘度から求めたチキソトロピックインデックス(TI値)が、3~30である、項1に記載の微細セルロース繊維粉末。
項5
前記一般式(1)におけるM n+ が、ナトリウムイオン(Na + )である、項1~4のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末。
項6
前記微細セルロース繊維粉末を、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%となるように水に分散させることにより調製した、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%の水分散液の全光線透過率が、96%以上である、項1~5のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末。
項7
前記微細セルロース繊維粉末を、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%となるように水に分散させることにより調製した、微細セルロース繊維の濃度が0.3質量%の水分散液のヘイズ値が、20%以下である、項1~6のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末。
項8
前記微細セルロース繊維粉末が、ジメチルスルホキシドを10~1000ppm含む、項1~7のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末。
項9
前記微細セルロース繊維粉末が、NH 4 + で表されるアンモニウムイオンを5000ppm以下含む、項1~8のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末。
項10
項1~9のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末を水に分散する工程を有する、微細セルロース繊維水分散液の製造方法。
項11
項10に記載の製造方法で得られた微細セルロース繊維水分散液を成膜する工程を有する、フィルムの製造方法。
項12
項1~9のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末を製造する方法であり、
微細セルロース繊維の水分散液を乾燥し、微細セルロース繊維及び水を含む乾燥体を得る乾燥工程を有し、
前記乾燥工程において、凍結乾燥、晶析及び真空乾燥、並びにスプレードライから選択される少なくとも1種の乾燥が行われる、微細セルロース繊維粉末の製造方法。
項13
項1~9のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末を製造する方法であり、
微細セルロース繊維及び水を含む乾燥体を乾式粉砕機により粉砕し、微細セルロース繊維粉末を得る工程を有する、微細セルロース繊維粉末の製造方法。
項14
項1~9のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末を製造する方法であり、
微細セルロース繊維の水分散液を乾燥し、微細セルロース繊維及び水を含む乾燥体を得る乾燥工程を有し、
前記乾燥工程において、凍結乾燥、晶析及び真空乾燥、並びにスプレードライから選択される少なくとも1種の乾燥が行われ、
前記乾燥工程により得られた前記乾燥体を乾式粉砕機により粉砕し、微細セルロース繊維粉末を得る工程を有する、微細セルロース繊維粉末の製造方法。
Claims (9)
- 微細セルロース繊維と、水とを含む微細セルロース繊維粉末であり、
前記微細セルロース繊維の平均繊維幅が、1nm~1000nmであり、
前記微細セルロース繊維は、下記一般式(1)で表される硫酸エステル基を有し、
前記微細セルロース繊維は、硫酸エステル基に起因する硫黄導入量が、0.3mmol/g以上、3.0mmol/g以下であり、
前記粉末のメジアン径が、800μm以下であり、
前記粉末の水分率が50質量%以下であり、
前記粉末が、ジメチルスルホキシドを10~1000ppm含む、微細セルロース繊維粉末。
(一般式(1)において、nは1~3の整数であり、Mn+はn価の陽イオンであり、波線は他の原子への結合部位である。) - 微細セルロース繊維と、水とを含む微細セルロース繊維粉末であり、
前記微細セルロース繊維の平均繊維幅が、1nm~1000nmであり、
前記微細セルロース繊維は、下記一般式(1)で表される硫酸エステル基を有し、
前記微細セルロース繊維は、硫酸エステル基に起因する硫黄導入量が、0.3mmol/g以上、3.0mmol/g以下であり、
前記粉末のメジアン径が、800μm以下であり、
前記粉末の水分率が50質量%以下であり、
前記粉末が、NH4 +で表されるアンモニウムイオンを5000ppm以下含む、微細セルロース繊維粉末。
(一般式(1)において、nは1~3の整数であり、Mn+はn価の陽イオンであり、波線は他の原子への結合部位である。) - 微細セルロース繊維と、水とを含む微細セルロース繊維粉末であり、
前記微細セルロース繊維の平均繊維幅が、1nm~1000nmであり、
前記微細セルロース繊維は、下記一般式(1)で表される硫酸エステル基を有し、
前記微細セルロース繊維は、硫酸エステル基に起因する硫黄導入量が、0.3mmol/g以上、3.0mmol/g以下であり、
前記粉末のメジアン径が、800μm以下であり、
前記粉末の水分率が50質量%以下であり、
前記粉末が、ジメチルスルホキシドを10~1000ppm含み、
前記粉末が、NH4 +で表されるアンモニウムイオンを5000ppm以下含む、微細セルロース繊維粉末。
(一般式(1)において、nは1~3の整数であり、Mn+はn価の陽イオンであり、波線は他の原子への結合部位である。) - 前記一般式(1)におけるMn+が、ナトリウムイオン(Na+)である、請求項1~3のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末を水に分散して微細セルロース繊維水分散液を製造する工程を有する、微細セルロース繊維水分散液の製造方法。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末を水に分散して微細セルロース繊維水分散液を製造する工程、及び得られた微細セルロース繊維水分散液を成膜してフィルムを製造する工程を有する、フィルムの製造方法。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末を製造する方法であり、
微細セルロース繊維の水分散液を乾燥し、微細セルロース繊維及び水を含む乾燥体を得る乾燥工程を有し、
前記乾燥工程において、凍結乾燥、晶析及び真空乾燥、並びにスプレードライから選択される少なくとも1種の乾燥が行われる、微細セルロース繊維粉末の製造方法。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末を製造する方法であり、
微細セルロース繊維及び水を含む乾燥体を乾式粉砕機により粉砕し、微細セルロース繊維粉末を得る工程を有する、微細セルロース繊維粉末の製造方法。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の微細セルロース繊維粉末を製造する方法であり、
微細セルロース繊維の水分散液を乾燥し、微細セルロース繊維及び水を含む乾燥体を得る乾燥工程を有し、
前記乾燥工程において、凍結乾燥、晶析及び真空乾燥、並びにスプレードライから選択される少なくとも1種の乾燥が行われ、
前記乾燥工程により得られた前記乾燥体を乾式粉砕機により粉砕し、微細セルロース繊維粉末を得る工程を有する、微細セルロース繊維粉末の製造方法。
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