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JP7746086B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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JP7746086B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を利用して像担持体上に形成したトナー像を転写材に転写し定着するレーザープリンター、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に関する。また、画像形成装置に搭載されている定着器や、記録材に定着されたトナー像を再度加熱することによりトナー画像の光沢度を向上させる光沢付与装置、等の加熱装置に関する。
上述の電子写真方式の画像形成装置の一例としては、画像形成部で記録材にトナー像を転写し、加熱で加熱する構成が一般的である。そのような装置において、加熱部での熱の影響による発生物が加熱装置外へ排出されることを抑制するために、加熱部の長手方向の全面を覆うカバーを設けた構成が特許文献1に開示されている。
特開2017-3873号公報
上述の特許文献1に記載したようなカバーを設けた構成においては、記録材を加熱した場合に、記録材が加熱されることで水蒸気が発生し、水蒸気が画像形成部の方へ流れ、感光体等の印字面に付着し、画像不良が発生する可能性がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、記録材を加熱することにより発生する水蒸気の影響を抑制することを目的とする。
本発明の画像形成装置は、
熱源により加熱される第1の回転体と、
前記第1の回転体とニップ部を形成する第2の回転体と
記第1の回転体の外周面に沿って、前記第1の回転体を囲うように配置される第1のカバーと、
前記第1のカバーと前記第1の回転体の間に配置され、前記第1の回転体に向かって突出する突出部を含む第2のカバーと、
を含み、前記ニップ部で記録材を加熱する像加熱機構と、
トナー像を担持する感光ドラムと、前記感光ドラムを帯電する帯電手段と、前記感光ドラムと転写ニップ部を形成する転写ローラと、を含む転写機構と、
を備え、前記転写機構で記録材にトナーを転写させ、前記像加熱機構で前記トナー像を前記記録材に定着させる画像形成装置であって、
前記第1の回転体の長手方向における前記突出部の長さをL、前記感光ドラム上の印字面幅をW、前記ニップ部と前記感光ドラムの間の距離をN、前記第1の回転体の前記長手方向における長さをOとしたとき、以下の式(1)、式(2)、及び式(3)を満たすことを特徴とする。
L<O …(1)
(O-L)/L≧0.069 …(2)
W≦2×(0.0001×L/2×L/2-0.002×L/2)×N+L …(3)
本発明によれば記録材を加熱することにより発生する水蒸気の影響を抑制することが可能となる。
第1の実施例に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。 第1の実施例に係る定着装置の構成を示す概略図である。 第1の実施例に係るカバーの構成を示す概略図である。 第1の実施例に係る樹脂部材を示す概略図である。 第1の実施例に係る突出部付近の気流を示す概略図である。 第1の実施例に係る評価結果を示す表である。 通紙評価における突出部付近の気流を示す概略図である。 第2の実施例に係る評価結果を示す表である。 感光ドラムへ向かう気流の移動方向を示す概略図である。 樹脂部材から定着フィルムへ向かう気流を示す概略図である。 第2の実施例に係る比較例の画像不良発生位置を示す表である。 気流の移動距離と樹脂部材の長手長さの関係を示す図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
<第1の実施例>
図1は、第1の実施例に係る画像形成装置1の構成を示す概略図である。本発明が適用可能な画像形成装置としては、電子写真方式や静電記録方式を利用したプリンタ、複写機などが挙げられ、ここでは外部機器から入力される画像情報に基づいて記録材に画像を形成するモノクロプリンターに適用した場合について説明する。記録材には、普通紙及び厚紙等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート、並びに布等の、材質の異なる様々なシート材が含まれる。本実施例における画像形成装置1に用いられる記録材Pの最大幅はLTR幅であり、印字面幅は206mmである。
[画像形成装置の構成]
画像形成装置1は、記録材Pにトナー像を形成する画像形成部10と、画像形成部10に記録材Pを給送する給送部60と、トナー像を記録材Pに定着させる像加熱機構としての定着装置70と、記録材Pを排紙部へ排出する排出ローラ対80と、を有する。記録材Pは、レジストレーションローラ対15によって、給送部60から画像形成部10へと給送される。また、画像形成装置1は、画像形成部10で行われる記録材Pに対する画像形成動作を制御するための不図示の制御部を備える。
画像形成部10は、スキャナユニット360と、トナー像を担持する感光ドラム21と
、感光ドラム21に形成されたトナー像を記録材に転写する転写ローラ12と、を有する転写機構である。感光ドラム21と転写ローラ12は転写ニップ部として転写ニップNtrを形成し、記録材を挟持搬送しながらトナー像を記録材Pに転写する。感光ドラム21の周囲には、帯電ローラ22と、前露光装置23と、現像ローラ31を含む現像装置30が配置されている。現像ローラ31、排出ローラ対80、レジストレーションローラ対15の回転軸線は、感光ドラム21の回転軸線と平行である。感光ドラム21や帯電ローラ22、現像ローラ31などは、記録材Pの搬送方向と直交する長手方向に長い回転可能な部材である。
感光ドラム21は、円筒型に成形された感光体である。本実施例の感光ドラム21は、アルミニウムで成形されたドラム状の基体上に、負帯電性の有機感光体で形成された感光層を有している。また、像担持体としての感光ドラム21は、モータによって矢印の方向に回転駆動される。本実施例のプロセス速度は130mm/secである。
帯電ローラ22は、感光ドラム21に所定の圧接力で接触し、帯電部を形成する。帯電ローラ22は、帯電高圧電源によって所望の帯電電圧を印加されることで、感光ドラム21の表面を所定の電位に均一に帯電させる。本実施例では、感光ドラム21は帯電ローラ22により負極性に帯電する。
前露光装置23は、帯電部で安定した放電を生じさせるために、帯電部に侵入する前の感光ドラム21の表面電位を除電する。
露光手段としてのスキャナユニット360は、外部機器から入力された画像情報に対応したレーザ光を、ポリゴンミラーを用いて感光ドラム21に照射することで、感光ドラム21の表面を走査露光する。露光された感光ドラム21の表面には、画像情報に応じた静電潜像が形成される。なお、スキャナユニット360は、レーザスキャナ装置に限定されることはなく、例えば、感光ドラム21の長手方向に沿って複数のLEDが配列されたLEDアレイを有するLED露光装置を採用しても良い。
本実施例の現像装置30は、現像方式として接触現像方式を用いている。即ち、現像ローラ31に担持されたトナー層が、感光ドラム21と現像ローラ31とが対向する現像部(現像領域)において感光ドラム21と接触する。現像ローラ31には現像高圧電源によって現像電圧が印加される。現像電圧の下で、現像ローラ31に担持されたトナーが感光ドラム21の表面の電位分布に従って現像ローラ31からドラム表面に転移することで、感光ドラム上の静電潜像がトナー像に現像される。なお、本実施例では、反転現像方式を採用している。即ち、帯電工程において帯電させられた後、露光工程において露光されることで電荷量が減衰した感光ドラム21の表面領域にトナーが付着することでトナー像が形成される。
本実施例のトナーは、比重1.1の正規の帯電極性が負極性である。トナー粒径は6μmである。本実施例のトナーは、重合法により生成された重合トナーを採用している。また、本実施例のトナーは磁性成分を含有せず、主に分子間力や静電気力(鏡像力)によってトナーが現像ローラ31に塗布される非磁性の一成分現像剤である。ただし、磁性成分を含有する一成分現像剤を用いてもよい。また、一成分現像剤には、トナー粒子以外にもトナーの流動性や帯電性能を調整するための添加物(例えば、ワックスやシリカ微粒子)が含まれている場合がある。また、現像剤として非磁性のトナーと磁性を有するキャリアとによって構成された二成分現像剤を用いてもよい。磁性を有する現像剤を用いる場合、現像剤担持体としては、例えば内側にマグネットが配置された円筒状の現像スリーブが用いられる。
転写ローラ12は、外径8mmのニッケルメッキ鋼棒に、厚み3mmのNBRとエピクロルヒドリンゴムを主成分とする発泡スポンジ体で覆った外径14mmのものを用いている。発砲スポンジの体積抵抗は約10Ω・cmである。転写ローラ12は、感光ドラム21に1kgの加圧力で当接させ、感光ドラム21の回転に伴い、従動して回転する。感光ドラム21から記録材Pにトナー像を転写するときには、転写ローラ12には不図示の電圧源から電圧が印加されている。
本実施例では、転写されずに感光ドラム21上に残ったトナーは、帯電ローラ22で負極性に帯電され、現像装置30に戻るドラムクリーナーレスシステムを採用している。ドラムクリーナーレスシステムでは廃トナー容器が必要ないため、画像形成装置の小型化が可能である。本実施例の感光ドラム21と定着ニップNfの距離は45mmである。
本実施例の定着装置70について以下に説明する。本実施例の定着装置70は、上述のように立ち上げ時間の短縮や低消費電力化を目的としたフィルム加熱方式の像加熱装置である。本実施例における定着装置70の概略を示す断面図を図2(a)に示し、定着装置70の搬送方向上流側から見た長手方向の概略図を図2(b)に示す。図2(b)において、加熱ヒータ113の様子が分かりやすいように、定着フィルム112とヒータホルダ130は外形線のみを点線で示す。
本実施例の定着装置70は、熱源としての加熱ヒータ113がヒータホルダ130に保持され、この周囲に無端状のベルトである定着フィルム112が設けられた構成である。ヒータホルダ130は、加熱ヒータ113の熱を極力奪わないように低熱容量の材料が好ましく、本実施例では耐熱性樹脂である液晶ポリマー(LCP)を用いた。ヒータホルダ130は、強度向上のため、鉄製のステー120で加熱ヒータ113が設けられた側と反対側から支えられている。また、ヒータホルダ130は定着フィルム112の内周面に当接して、定着フィルム112の回転を案内する。
ステー120は、長手両端部から不図示の加圧バネによって加圧ローラ110の方へと加圧されるようになっている。図2(a)に示すように、加熱ヒータ113は定着フィルム112の内周面に接触し、定着フィルム112を内側から加熱する。ステー120が受ける加圧力により、定着フィルム112を挟むように、加熱ヒータ113が対向する加圧ローラ110と加熱定着を行うニップ部として定着ニップNfを形成する。すなわち、加熱ヒータ113が内部空間に設けられた第1の回転体としての定着フィルム112と、第2の回転体としての加圧ローラ110が当接することによって、定着ニップNfが形成される。なお、ステー120は、定着フィルム112や加圧ローラ110、ヒータホルダ130と同様に、記録材Pの搬送方向と直交し、加圧ローラ110の回転軸方向に平行な長手方向に長い部材である。
加圧ローラ110は、その芯金117の両端部に設けられた不図示の軸受けで加圧バネの力を受け、芯金117端部に設けられた駆動ギア131に不図示の駆動源により駆動される。加圧ローラ110が駆動されると、定着フィルム112は定着ニップNfで加圧ローラ110に摺動するように従動回転する。定着フィルム112の長手方向の左右何れかへの片寄りを防ぐため、図2(b)に示すように定着フィルム112の両端部には片寄りを規制する定着フランジ150が設けられている。定着フランジ150は、ステー120に嵌合して固定されている。定着フィルム112は、両端部に設けられた定着フランジ150によって内面から支持されながら回転する。
本実施例の定着フィルム112は、変形させない円筒状の状態で外径が20mmであり、厚み方向に多層構成となっている。定着フィルム112の長手長さ(長手方向の長さ)は230mmである。定着フィルム112は、フィルムの強度を保つための基層126と
、導電プライマ層127と、表面への汚れ付着低減のための離型層128と、を有する。
基層126は、加熱ヒータ113の熱を受けるため耐熱性が必要であり、さらに加熱ヒータ113と摺動するため強度も必要である。そこで基層126の材質としては、SUS(Stainless Used Steel:ステンレス鋼)やニッケルなどの金属やポリイミドなどの耐熱性樹脂を用いると良い。金属は樹脂に比べると強度があるため薄肉化でき、また熱伝導率も高いため、加熱ヒータ113の熱を定着フィルム112表面へ伝達しやすい。一方、樹脂は金属に比べると比重が小さいため熱容量が小さく温まりやすい利点がある。さらに樹脂は塗工成型により薄肉のフィルムが成型できるため安価に成型できる。本実施例では、定着フィルム112の基層126の材質としてポリイミド樹脂を用い、熱伝導率と強度を向上させるためカーボン系のフィラーを添加して用いた。基層126の厚さは薄いほど加熱ヒータ113の熱が定着フィルム112表面に伝達されやすいが、反面薄すぎると強度が低下するため15μm~100μm程度が好ましく、本実施例では60μmとした。
導電プライマ層127は、ポリイミド樹脂やフッ素樹脂からなり、カーボン等が添加されて低抵抗化されている。通紙時には、導電層露出部を接地させることにより、定着フィルム112が電位を安定させている。
離型層128の材質としては、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂を用いると好ましい。本実施例ではフッ素樹脂の中でも離型性と耐熱性に優れるPFAを用いており、導電材が分散され、中抵抗化されている。離型層128は、チューブを被覆させたものでも良いが、表面を塗料でコートしたものでも良く、本実施例では、薄肉成型に優れるコートにより離型層128を成型した。離型層128は薄いほど加熱ヒータ113の熱を定着フィルム112表面に伝達しやすいが、反面薄すぎると耐久性が悪化するため、5μm~30μm程度が好ましく、本実施例では10μmとした。
本実施例の加圧ローラ110は外径14mmであり、外径9mmの鉄製の芯金117の表面上に、シリコーンゴムが厚さ2.5mmで弾性層116を形成している。
弾性層116は、耐熱性のあるシリコーンゴムやフッ素ゴムが用いられるが、本実施例ではシリコーンゴムを使用している。加圧ローラ110の外径は、10~50mm程度のものが好ましい。加圧ローラ110の外径は小さい方が熱容量を抑えられるが、反面小さ過ぎると定着ニップNfの幅が狭くなってしまうため適切な径を選定する必要がある。本実施例では、外径を14mmとした。弾性層116の肉厚に関しても、薄すぎると金属製の芯金に熱が逃げるため適度な厚みが必要であり、本実施例では、弾性層116の厚さを2.5mmとした。弾性層116の上には、トナーの離型層として、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)からなる離型層118が形成されている。離型層118は定着フィルム112の離型層128同様、チューブを被覆させたものでも表面を塗料でコートしたものでも良いが、本実施例では、耐久性に優れるチューブで膜厚20μmとした。離型層118の材質としては、PFAの他に、PTFE、FEP等のフッ素樹脂や、離型性の良いフッ素ゴムやシリコーンゴム等を用いても良い。加圧ローラ110の表面硬度は、低いほど軽圧で定着ニップNfの幅が得られるが、低すぎると耐久性が悪化するため、本実施例では、Asker-C硬度(600g荷重)で、40°とした。加圧ローラ110は、不図示の回転手段により、表面移動速度130mm/secで回転する。
本実施例の加熱ヒータ113はフィルム加熱方式の加熱装置で用いられる一般的なヒータであり、セラミックス製の基板上に抵抗発熱体が直列に設けられている。加熱ヒータ1
13は、幅6mm、厚さ1mmのアルミナの基板表面に、Ag/Pd(銀パラジウム)の抵抗発熱体をスクリーン印刷により高さ10μm塗工し、その上に発熱体保護層としてガラスを50μmの厚さで覆ったものを用いた。
図2(a)に示すように、加熱ヒータ113の背面にはセラミック基板の温度を検知するための温度検知素子115が配置されている。この温度検知素子115の信号に応じて、抵抗発熱体に流す電流を適切に制御することで、加熱ヒータ113の温度を調整している。温度が高いと消費電力が多くなるため、適切な設定にする必要がある。本実施例では、普通紙での温調温度は180℃とした。
加熱ヒータ113の背面には、加熱ヒータ113が異常発熱した場合に回路を遮断し安全を確保するために安全素子である温度ヒューズ(不図示)が配置されている。加熱ヒータ113は温度ヒューズを介しては商用電源に接続されている。温度ヒューズが異常高温になると、温度ヒューズが切れて、商用電源から加熱ヒータ113への給電を遮断する。本実施例では、フィルム加熱方式の定着器を用いたがこれに限られるものではなく、例えば、ハロゲンヒータを用いた熱ローラ方式を採用しても良い。
[画像形成動作]
画像形成装置1の画像形成動作について説明する。画像形成装置1に画像形成の指令が入力されると、画像形成装置1に接続された外部のコンピュータから入力された画像情報に基づいて、画像形成部10による画像形成プロセスが開始される。スキャナユニット360は、入力された画像情報に基づいて、感光ドラム21に向けてレーザ光を照射する。このとき感光ドラム21は、帯電ローラ22により予め帯電されており、レーザ光が照射されることで感光ドラム21上に静電潜像が形成される。その後、現像ローラ31によりこの静電潜像が現像され、感光ドラム21上にトナー像が形成される。
上述の画像形成プロセスに並行して、記録材Pは、給送部60によってレジストレーションローラ対15に給送され、レジストレーションローラ対15のニップに突き当たることで斜行が補正される。そして、レジストレーションローラ対15は、トナー像の転写タイミングに合わせて駆動され、記録材Pを転写ローラ12及び感光ドラム21によって形成される転写ニップNtrに向けて搬送する。
転写手段としての転写ローラ12には、転写高圧電源から転写電圧が印加され、転写ニップNtrで記録材Pに、感光ドラム21に担持されているトナー像が転写される。トナー像を転写された記録材Pは、定着装置70に搬送され、定着装置70の定着フィルム112と加圧ローラ110との間の定着ニップNfで挟持搬送される際にトナー像が加熱及び加圧される。これによりトナー粒子が溶融し、その後固着することで、トナー像が記録材Pに定着する。定着装置70を通過した記録材Pは、排出手段としての排出ローラ対80によって機外に排出される。
[本実施例の特徴]
本実施例の特徴である定着装置70のカバー構造50について、図3を用いて説明する。カバー構造50は、第1のカバーとしての金属部材51と第2のカバーとしての樹脂部材52で構成される。なお、本実施例において、カバー構造50は定着装置70の構成要素としているが、カバー構造50が定着装置70から独立した部材であると考えても差し支えない。
金属部材51は、カバー部として定着フィルム112の長手方向の全域にわたって、定着フィルム112の外周面に沿って設置されている。金属部材51は、精度良く形成するために材質として金属が好ましく、本実施例では電気亜鉛メッキ鋼板を使用している。定
着フィルム112の外周面と金属部材51の間には、定着フィルム112の回転方向に沿って気流を案内する気流案内空間Sが形成される。
樹脂部材52は、定着ニップNfより記録材搬送方向において上流側で、金属部材51の端部に設置されている。樹脂部材52は、定着フィルム112に対して隙間を有して設けられているが、仮に定着フィルム112回転時に接触してしまった場合でも、定着フィルム112へのダメージによる画像不良を発生させないため、柔らかい材質である樹脂を使用している。本実施例では、樹脂部材52の材質にはPBTを使用している。
樹脂部材52は、定着フィルム112側(加熱回転体側)に突出する突出部521と、金属部材51と接続する当接面522を有する。当接面522が金属部材51に倣うようにして設置されることで、定着フィルム112と突出部521の間の空間が狭まるように配置される。定着フィルム112とカバー構造50間の距離は、定着フィルム112から突出部521までの距離Aが最短となる。定着フィルム112と樹脂部材52間の距離は短い方が望ましく、本実施例では、定着フィルム112の外周面から樹脂部材52の突出部521までの距離Aを2.5mmとしている。
図4(a)は樹脂部材52の斜視図であり、図4(b)は樹脂部材52の断面図である。突出部521の長手長さLは、定着フィルム112周りの気流を制御するために、定着フィルム112の長手長さよりも短い。なお、本実施例においては、突出部521の長手長さは樹脂部材52の長手長さLと同じ値であるが、樹脂部材52の長手長さに寄らず突出部521の長手長さが定着フィルム112に対して短ければよい。本実施例では、定着フィルム112の長手長さ(第1カバーの第1の長さ)230mmに対して、樹脂部材52の長手長さL(第2カバーの第2の長さ)は215mmである。定着フィルム112周りの気流を制御する仕組みについて、詳細は後述する。
図4(b)に示したように、樹脂部材52は、突出部521と金属部材51に当接する当接面522を有する。突出部521は、当接面522と反対側の面から突出している。樹脂部材52は、当接面522から突出部521の先端までの距離Bに対して、当接面522が金属部材51と接触する長手方向と直交する方向の距離Cが大きくなるように形成されている。距離Cを大きくすることで、樹脂部材52が金属部材51に倣って設置されるため、樹脂特有のたわみが規制されて、突出部521が定着フィルム112に対して精度よく配置される。
[気流方向]
図5(a)に示すように、記録材Pが定着ニップNfに通紙されるとき、定着フィルム112は回転するため、定着フィルム112とカバー構造50の間には、定着フィルム112の回転方向に沿って、矢印の向きに気流が発生する。すなわち、カバー構造50の金属部材51が定着フィルム112の周りの気流を、定着フィルム112の外周面に沿うように案内する。記録材Pが高温高湿環境下に放置されて多くの水分を含んだ場合、記録材Pが定着装置70を通過すると定着ニップ出口付近Xの辺りで、水蒸気が発生する。この水蒸気は、気流案内空間S内を定着フィルム112の回転方向に沿って移動し、定着ニップNfに対して搬送方向下流側から上流側へと流れる。
図5(b)は、定着フィルム112側からカバー構造50を見た図である。図5(b)では、樹脂部材52の突出部521付近の気流の方向を矢印で示している。定着ニップ出口付近Xから定着フィルム112の回転方向に沿って樹脂部材52の方へと流れた気流は突出部521にぶつかり、突出部521に沿って長手方向の外側へ向かう。突出部521の長手方向の両端には、気流案内空間S内の気流が定着装置外へ排出される際に通過する開放部Eが設けられている。すなわち、気流案内空間内で長手方向の外側へ案内された気
流は、開放部Eを通って定着装置外へ排出される。定着フィルム112よりも長手長さを短くした樹脂部材52を、定着ニップNfより搬送方向において上流側で、金属部材51の端部に設けることで、定着装置外へ排出される気流の方向を制御している。
水蒸気が感光ドラム21の印字面に多く流入すると、帯電ローラ22で過帯電され、白抜け等の画像不良が発生する場合がある。特に本実施例の様な、クリーニングブレードやトナー回収容器等の遮蔽物がないクリーナーレスシステム構成において、画像不良の発生は高まる。しかし、長手方向において、感光ドラム21の印字面幅Wに対してカバー構造50の樹脂部材52の長手長さLが十分長い場合、水蒸気は印字面幅Wより外側に流れるため、感光ドラム21の印字面への水蒸気の流入を抑制することができる。すなわち、本実施例では定着フィルム112側に突出した樹脂部材52の突出部521で気流を制御することで、定着ニップNfの搬送方向下流側付近で発生する水蒸気による画像不良を抑制している。
一方で、樹脂部材52の長手長さLが長すぎる場合には、気流を樹脂部材52の長手方向外側に案内することが難しい。定着フィルム112はフランジ等を介して両端を側板に支持されている。側板と樹脂部材52の間に十分な隙間がある場合には、気流は樹脂部材52の長手方向外側に向かう。しかしながら、樹脂部材52が長く、樹脂部材52と側板の間の隙間となる開放部Eの幅が小さい場合には、開放部Eから逃げられる空気の量が減るため、空気は外側へ向かわずに、定着フィルム112の回転方向に沿って定着装置外へ排出される。
[本発明の効果]
本発明の効果を確認するため、通紙評価を行い、水蒸気による画像不良が発生するか検証した。従来例1として、カバー構造50に樹脂部材52のない構成についても同様に評価した。更に、比較例として樹脂部材52の長手長さLを本実施例の215mmから変更した構成を複数評価した。それぞれの比較例における樹脂部材52の長手長さLは、比較例1が定着フィルム112の長手長さと同じ230mm、比較例2が200mm、比較例3が180mm、比較例4が166mm、比較例5が150mmである。評価は、高温高湿(温度30℃、湿度80%)環境下で行った。評価用紙は、この高温高湿環境下に2日放置したXerox Vitality Multipurpose Paper(Letterサイズ、20lb)紙を用いた。評価用紙の印字面幅Wは先述の通り、206mmである。評価画像はハーフトーン印字パターンとし、連続で50枚通紙した。50枚通紙して、評価画像に白抜け等の画像不良がない場合を〇、1枚でも白抜け等の画像不良が発生した場合を×とした。その評価結果を表にして図6に示す。また、本実施例、従来例、比較例の樹脂部材52が設けられる金属部材51の端部における気流の方向を図7に示す。
本実施例では、画像不良は発生しなかった。図7(a)に示すように、本実施例では、樹脂部材52によって気流が長手方向の外側へと向かう。すなわち、水蒸気を含んだ気流の方向を変えることで、感光ドラム21印字面への水蒸気流入が抑制され、画像不良の発生を防ぐことができた。
従来例1では、画像不良が発生した。図7(b)に示すように、従来例1では突出部の様な遮蔽物がないため、気流は定着フィルム112の回転方向に沿った方向となる。定着装置70の定着ニップNfの搬送方向下流側付近から上流側付近へと流れた水蒸気は、その後、感光ドラム21の印字面の方向へ流れる。そして、感光ドラム21の印字面へ水蒸気が流入したため、従来例1では画像不良が発生した。
比較例1では、画像不良が発生した。比較例1は、樹脂部材52の長手長さLが大きく
、水蒸気が通過する隙間がほぼない。つまり、樹脂部材52によって水蒸気の流れを抑制する効果はあるものの、樹脂部材52の長手方向外側には水蒸気の行き場がないため、図7(c)に示すように、樹脂部材52を超えて定着フィルム112の回転方向に沿って水蒸気が流れる。すなわち、比較例1においては、樹脂部材52による気流の方向制御効果が得られず、感光ドラム21の印字面に水蒸気が流入したため、画像不良が発生した。
比較例2、3、4では、印字面幅Wより樹脂部材52の長手長さLは短いものの、画像不良は発生しなかった。すなわち、比較例2、3、4も本発明を利用して画像不良を防止した実施例であるといえる。図7(d)、(e)、(f)に示すように、比較例2、3、4では、樹脂部材52によって気流が開放部Eを通って長手方向の外側へと向かうためである。また、樹脂部材52の長手長さが短くなるほど、樹脂部材52にぶつかって長手方向外側に案内される空気量に対して、樹脂部材52にぶつからずに定着フィルム112の回転方向に沿って開放部Eを通って流れ出る空気量が増える。すると、定着装置70から外部へ排出される気流の向きは、長手方向の外側へ向かう方向から、より感光ドラム21の中心に近い方向となる。
比較例5では、画像不良が発生した。樹脂部材52の長手長さLが短いために、図7(g)で示すように、多くの水蒸気が樹脂部材52にぶつかることなく開放部Eを通って定着フィルム112の回転方向に沿って定着装置70から流れ出る。その影響を受けて、突出部521で長手方向外側へと流れる水蒸気も、より定着フィルム112の回転方向に沿った方向に流れるようになり、長手方向の外側へと向かいづらい。すなわち、樹脂部材52の長手長さLが不十分であったために、感光ドラム21印字面に水蒸気が流入し、比較例5では画像不良が発生した。
本実施例は、プロセス速度を130mm/secとしたが、プロセス速度が速くなった場合でも、画像不良抑制のために必要な樹脂部材52の長さは変わらない。これは、気流は定着フィルム112の回転によって発生するものであり、プロセス速度が気流の向きに与える影響が小さいためである。プロセス側が速い場合には、樹脂部材52から漏れ出る風量が増える傾向はあるものの、感光ドラム21が回転する速さも速いため、感光ドラム21の単位面積当たりに流入する水蒸気量に大きな差は発生しない。
本実施例では、ドラムクリーナーレスシステムであったが、ドラムにトナーを清掃するクリーニングブレードや、紙紛を回収するブラシ等が設置された場合であっても、樹脂部材52により、同様の結果が得られる。
樹脂部材52を定着ニップNfより搬送方向において上流側で、金属部材51の端部に設けることは気流の方向を制御する上で重要であるが、更に定着装置がフィルム加熱方式の場合、樹脂部材52が定着フィルム112と接触する可能性を小さくする効果もある。定着フィルム112の軌跡は、記録材の搬送状態によって変わりうるが、定着ニップNfの搬送方向下流側付近と比較して、搬送方向上流側付近ではヒータホルダ130に沿って定着フィルム112の軌跡が安定するためである。
通紙評価においては、定着フィルム112と樹脂部材52が接触することはなかった。しかし、通紙時以外も定着フィルム112と加圧ローラ110の圧を解除することなく、ニップを形成する状態を保ち続ける構成では、定着フィルム112がニップ形状に倣って変形する場合がある。このような場合でも、定着フィルム112が回転することで、変形は徐々に軽減され、定着フィルム112は元の形状に戻る。一方で、回転直後は変形したままの状態で回転するため、定着フィルム112の近傍の部材に接触する可能性がある。本実施例では、定着フィルム112近傍に設けられる樹脂部材52を樹脂で形成することで、例え接触しても、定着フィルム112表面にキズをつける可能性を下げている。
以上説明したように、定着フィルム112の外周面の長手方向の全域を覆うカバー構造50に、定着フィルム112側に突出する適切な長手長さの樹脂部材52を設置することで、感光ドラム21の印字面より外側に向かう気流を形成することができる。本構成によって、定着ニップNfで水蒸気が発生した場合であっても、感光ドラム21印字面への水蒸気の流入を抑制し、画像不良の発生を防止できる。
また、画像形成動作が停止し、定着フィルム112が定着していないような状態では、水蒸気は気流案内空間S内に滞留し、液化するような場合も考えられる。本実施例においては、感光ドラム21の鉛直方向上側に定着フィルム112が位置しており、カバー構造50が定着フィルム112と感光ドラム21のその間の空間に設けられている。そのため、水蒸気が液化したとしても、液化した水蒸気をカバー構造50が受け止めるため、画像形成装置1が駆動していない状態においても、感光ドラム21に付着することを防ぐ効果も期待できる。
なお、転写機構と像加熱機構が設けられる画像形成装置として単色のモノクロトナーを使用したモノクロレーザプリンタを代表例に説明や通紙評価を行ったが、本発明の適用はこれに限られるものではない。例えば、中間転写ベルトを介して2色以上のカラートナーを記録材上に転写し、画像形成するタンデム方式等のカラーレーザプリンタなどの画像形成装置に本発明を適用することも可能である。転写ベルトを有する画像形成装置においても、本発明により定着装置で発生する水蒸気が転写ベルトや感光ドラムの印字面へ付着することを防いで、画像不良の発生を防止できる。
<第2の実施例>
次に、第2の実施例として、感光ドラム21と定着ニップNfの距離を第1の実施例より小さくした構成について説明する。本実施例では、感光ドラム21と定着ニップNfの距離は、35mmであり、画像形成装置がさらに小型化されている。画像形成装置の構成等、第1の実施例と同様の構成については説明を省略する。
[本発明の効果]
本発明の効果を確認するため、通紙評価を行い、水蒸気による画像不良が発生するか検証した。従来例2として、カバー構造50に樹脂部材52のない構成についても同様に評価した。また、比較例として樹脂部材52の長手長さLを本実施例の215mmから変更した構成を複数評価した。それぞれの比較例における樹脂部材52の長手長さLは、比較例6が定着フィルム112と同じ230mm、比較例7が200mm、比較例8が180mm、比較例9が166mm、比較例10が150mmである。評価は、高温高湿(温度30℃、湿度80%)環境下で行った。評価用紙はこの高温高湿環境下に2日放置したXerox Vitality Multipurpose Paper(Letterサイズ、20lb)紙を用いた。評価用紙の印字面幅は先述の通り、206mmである。評価画像はハーフトーン印字パターンとし、連続で50枚通紙した。50枚通紙して、評価画像に白抜け等の画像不良がない場合を〇、1枚でも白抜け等の画像不良が発生した場合を×として評価結果を表にして図8に示す。
本実施例では、画像不良の発生はなかった。すなわち、本実施例では、第1の実施例と同様に樹脂部材52によって気流が長手方向の外側へと向かい、定着装置70で発生した水蒸気が感光ドラム21印字面へ流入することを抑制できている。
従来例2では、画像不良が発生した。従来例1と同様に、水蒸気が定着フィルム112の回転方向に沿って流れ、感光ドラム21印字面へと流入したためである。
比較例6では、画像不良が発生した。比較例1と同様に、樹脂部材52と定着フィルム112の間から定着フィルム112の回転方向に沿って水蒸気が漏れ出てしまい、感光ドラム21に水蒸気が流入したためである。
比較例7、8では、印字面幅Wより樹脂部材52の長手長さLは短いものの、画像不良は発生しなかった。比較例2、3、4と同様に、樹脂部材52によって気流は長手方向の外側へ向かうためである。すなわち、比較例7、8も本発明を利用して画像不良を防止した実施例であるといえる。
比較例9、10では、画像不良が発生した。比較例5と同様に、樹脂部材52の長さが足りず、感光ドラム21印字面に水蒸気が流入したためである。本実施例では、第1の実施例と比較して定着ニップNfと感光ドラム21間の距離が短くなったため、感光ドラム21印字面に気流が流れやすくなっている。そのため、比較例4では画像不良は発生しなかったが、樹脂部材52の長手長さLが比較例4と同じ比較例9では画像不良が発生した。すなわち、定着ニップNfと感光ドラム21の間の距離が短くなると、画像不良抑制のために必要な樹脂部材52の長手長さLは長くなる。定着装置70から流れ出る気流の向きが同じであっても、感光ドラム21が定着装置70に近い分、水蒸気が印字面より外側へと流れきれずに、感光ドラム21印字面に流入しやすくなるためである。
以上より、定着ニップNfと感光ドラム21の間の距離が近くなった本実施例においても、適切な長手長さの樹脂部材52を設置することで、画像不良の発生を防ぐことができることが確認できた。すなわち、定着フィルム112周りを覆う金属部材51に、定着フィルム112側に突出する適切な長手長さの樹脂部材52を設置することで、感光ドラム21の印字面より外側に向かう気流を形成することができる。本構成によって、定着ニップNfで水蒸気が発生した場合であっても、感光ドラム21印字面への水蒸気の流入を抑制し、画像不良の発生を防ぐことができる。
<関係式>
樹脂部材52の長手長さをL、感光ドラム21の印字面幅をW、定着ニップNfと感光ドラム21間の距離をN、定着フィルム112の長手長さをOとして、画像不良の発生を防ぐための関係式を導く。図9(a)は、定着フィルム112の長手長さO、樹脂部材52の長手長さL、及び感光ドラム21の印字面幅Wを図示した概略図であり、図9(b)は、定着ニップNfと感光ドラム21間の距離Nを図示した画像形成装置の概略図である。ここで、定着ニップNfと転写ニップNtr間の距離を、定着ニップNfと感光ドラム21間の距離Nとして計算している。また、図9(a)には感光ドラム21上の印字面を二点鎖線で示す。
第1の実施例と第2の実施例で行った通紙評価の結果より、比較例1、6のように、樹脂部材52の長手長さLが長すぎる場合には、樹脂部材52を超えて気流が長手方向外側に向かわずに、感光ドラム21の印字面に水蒸気が流入することが分かった。一方で、定着フィルム112の長手長さOに対して、樹脂部材52の長手長さLが実施例1、2以上であれば、気流が樹脂部材52の長手両端部の脇の開放部Eを通り、水蒸気が感光ドラム21の印字面に流入しないことが通紙評価より分かっている。定着フィルム112周りの気流を長手方向外側に向けるためには、定着フィルム112と樹脂部材52の長手長さの差O-Lは大きいほどよく、樹脂部材52の長手長さLは小さいほどよい。よって、定着フィルム112と樹脂部材52の長手長さの差O-Lを樹脂部材52の長手長さLで除した値を基準として用いる。実施例1、2において、定着フィルム112と樹脂部材52の長手長さの差O-Lを樹脂部材52の長手長さLで除した値は0.0698となる。以上より、感光ドラム21の印字面への水蒸気流入を防ぐためには、以下の式1を満たせばよい。
(式1)
(O-L)/L≧0.069
一方で、樹脂部材52の長手長さLが小さすぎる場合には、気流が十分外側に向かわず、感光ドラム21の印字面に水蒸気が流入することが、比較例5、9、10の結果より分かっている。そこで、画像不良を発生させないための、樹脂部材52の長手長さLの最小値を求めるための関係式を次に求める。
感光ドラム21の印字面への水蒸気流入を防ぐために最低限必要な樹脂部材52の長手長さLは、図10に示すように樹脂部材52の両端部の脇を通る気流の向きに左右される。気流が感光ドラム21の印字面より内側に当たる場合には、水蒸気が印字面に流入し画像不良が発生する。つまり気流の向きは、定着フィルム112上の気流がぶつかる位置、すなわち画像不良が発生する位置により確認することができる。そこで比較例11として、樹脂部材52の長手長さLを100mmとした場合の通紙評価を追加で行った。評価条件は、第1の実施例と第2の実施例で行った通紙評価と同様である。気流が感光ドラム21にぶつかる長手中心からの距離を水蒸気付着距離Dとして結果をまとめた表を図11に示す。比較例9、10、11においては、水蒸気付着距離Dが印字面幅の半分W/2より小さくなったために、画像不良が発生したと考えられる。すなわち、水蒸気付着距離Dが印字面幅の半分W/2より小さい場合は、水蒸気付着距離Dが定着フィルム112上の中心からの画像不良発生長手位置となる。
本実施例において、定着フィルム112や樹脂部材52、感光ドラム21の長手中心は、長手方向に垂直な同一面上に位置し、長手中心が一致する。図11に示すように、画像不良が定着フィルム112上で発生する位置は、長手方向において樹脂部材52よりも外側である。この結果から、樹脂部材52によって気流は外側に向かうことが確認できる。さらに、定着フィルム112上の画像不良発生長手位置から樹脂部材52の端部までの長手方向距離D-L/2は、樹脂部材52の長手長さLが大きいほど大きい。すなわち、樹脂部材52の長手端部の脇に十分な隙間がある場合には、樹脂部材52の長手長さLが大きいほど、気流を外側に向ける作用も大きくなることが確認できる。
定着フィルム112上に画像不良が発生するか否かは、樹脂部材52の長手長さLと印字面幅Wに加えて、定着ニップNfと感光ドラム21間の距離Nも影響する。樹脂部材52の長手端部の脇を通る気流の向きが同じであれば、定着ニップNfと感光ドラム21間の距離Nが大きいほど、水蒸気は感光ドラム21に到着する前に外側へと向かうためである。そこで、樹脂部材52の長手長さLと印字面幅Wに加えて、定着ニップNfと感光ドラム21間の距離Nの関係について考える。
気流が定着ニップNfから感光ドラム21の方へ1mm進んだときにどれだけ長手方向外側に移動するかについて、1mm当たりの気流長手移動距離として{D-(L/2)}/Nで表すことができる。本数値と、樹脂部材52の長手長さLの半分の値について、比較例9、10、11の結果をグラフにして図12に示す。本グラフでは、1mm当たりの気流長手移動距離{D-(L/2)}/Nをy軸、樹脂部材52の長手長さの半分の値L/2をx軸とした。樹脂部材52の長手長さLが大きいほど、気流が外側へと向かうことがグラフからも明らかである。また、比較例9、10、11の結果から近似式を導き出すと、y=0.0001×x^2-0.002×xが得られる。更に、水蒸気が感光ドラム21の印字面に当たらないようにするには、水蒸気付着距離Dが感光ドラム21の印字面の半分W/2よりも大きければよく、W/2≦Dを満たせばよい。これらの式を整理することで、感光ドラム21の印字面に気流があたらない構成とする以下の式2を得ることができる。
(式2)
W≦2×(0.0001×L/2×L/2-0.002×L/2)×N+L
以上より、上記式1と式2を満たすことによって、水蒸気が感光ドラム21の印字面に流入しない構成が得られる。すなわち、定着フィルム112の長手長さO、感光ドラム21の印字面幅W、定着ニップNfと感光ドラム21間の距離Nから、適切な樹脂部材52の長手長さLの範囲を定めることができる。
金属部材…51(第1のカバー)、樹脂部材…52(第2のカバー)、定着装置(加熱装置)…70、加圧ローラ(第2の回転体)…110、定着フィルム(第1の回転体)…112、突出部…521、定着ニップ…Nf、記録材…P、気流案内空間…S

Claims (12)

  1. 熱源により加熱される第1の回転体と、
    前記第1の回転体とニップ部を形成する第2の回転体と
    記第1の回転体の外周面に沿って、前記第1の回転体を囲うように配置される第1のカバーと、
    前記第1のカバーと前記第1の回転体の間に配置され、前記第1の回転体に向かって突出する突出部を含む第2のカバーと、
    を含み、前記ニップ部で記録材を加熱する像加熱機構と、
    トナー像を担持する感光ドラムと、前記感光ドラムを帯電する帯電手段と、前記感光ドラムと転写ニップ部を形成する転写ローラと、を含む転写機構と、
    を備え、前記転写機構で記録材にトナーを転写させ、前記像加熱機構で前記トナー像を前記記録材に定着させる画像形成装置であって、
    前記第1の回転体の長手方向における前記突出部の長さをL、前記感光ドラム上の印字面幅をW、前記ニップ部と前記感光ドラムの間の距離をN、前記第1の回転体の前記長手方向における長さをOとしたとき、以下の式(1)、式(2)、及び式(3)を満たすことを特徴とする画像形成装置。
    L<O …(1)
    (O-L)/L≧0.069 …(2)
    W≦2×(0.0001×L/2×L/2-0.002×L/2)×N+L …(3)
  2. 前記第1のカバーは、前記外周面との間に気流案内空間を形成し、
    前記突出部は、前記気流案内空間内の前記第1の回転体の回転方向の気流を遮るように突出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1のカバーは、前記第1の回転体の前記長手方向の全域にわたって設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記突出部は、前記ニップ部に対して、前記記録材の搬送方向の上流側に設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記突出部は、前記第1のカバーの前記ニップ部に近い側の端部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1の回転体の長手方向に見た場合、前記第2のカバーから前記第1の回転体までの最短の距離は、前記第1のカバーから前記第1の回転体までの最短の距離より短いことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記第1のカバーの材質は、金属であり、
    前記第2のカバーの材質は、樹脂であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第2のカバーは、前記第1のカバーに当接する当接面を更に有し、
    前記突出部は、前記当接面と反対側の面から突出し、
    前記当接面の前記長手方向と直交する方向の長さは、前記当接面から前記突出部の先端までの長さより長いことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記熱源は、前記第1の回転体の内部空間に配置されるヒータであり、
    前記第1の回転体は、筒状のフィルムであり、
    前記第2の回転体は、弾性層を備える加圧ローラであり、
    前記ヒータと前記加圧ローラで前記フィルムを挟持しており、記録材上の画像は前記フィルムと前記加圧ローラの間に形成された前記ニップ部で前記フィルムを介して加熱されることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記第1のカバーは、前記感光ドラムと前記第1の回転体の間の空間に位置することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記第1の回転体は、前記感光ドラムに対して鉛直方向上側に位置し、
    前記第1のカバーは、鉛直方向から見たときに前記感光ドラムと重なっていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記転写機構は、前記感光ドラムに静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を前記感光ドラム上に現像する現像手段と、を更に含むことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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