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JP7746772B2 - 飲料及び飲料の安定剤 - Google Patents
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JP7746772B2 - 飲料及び飲料の安定剤 - Google Patents

飲料及び飲料の安定剤

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Description

本発明は飲料及び飲料の安定剤に関し、特に、コーヒー、コーヒー入り乳飲料等の飲料において、その安定性を保持した上で風味等、飲み口を改善する技術に関する。
嗜好飲料において大きな市場を持つ、乳飲料において、従来用いられてきた乳脂肪を含有する乳製品(牛乳、生クリーム、全脂粉乳、濃縮乳、加糖練乳、無糖練乳等)に代え、コストメリットのある植物油脂を用いる技術が知られている。植物油脂を使用した飲料では、その乳化分散のために乳化剤が使用されており、種々の乳化剤を組み合わせて用いたものが提案されている。
例えば、特許文献1には、植物油脂と、乳化剤としてショ糖脂肪酸エステル、有機酸グリセリン脂肪酸エステル、およびポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/またはレシチンを含む飲料が提案されている。特許文献1の実施例ではショ糖脂肪酸エステルとして、HLB16のショ糖パルミチン酸エステルと共に、HLB5のショ糖ステアリン酸エステルが用いられており、飲料中のHLB5のショ糖ステアリン酸エステルの濃度を0.01又は0.04重量%(=100又は400ppm)としたことが記載されている。
脂質として植物油脂を用いたものではないが、ショ糖脂肪酸エステルを用いたものとして、特許文献2には、特定の2種類のショ糖脂肪酸エステルを所定の割合で組み合わせて用いたミルクコーヒー飲料が提案されている。特許文献2の実施例では、コーヒー飲料に、HLB5のショ糖脂肪酸エステルを0.07重量%(700ppm)配合しているが、植物油脂を含むものではない。
また、特許文献3には、HLBが10以上のショ糖脂肪酸エステルを含むフォーミング用乳成分含有飲料が提案されているが、特許文献3の実施例ではHLB16のショ糖脂肪酸エステルのみが用いられている。また、比較例ではHLB5のショ糖脂肪酸エステルが用いられているが、泡沫安定性等の評価において劣るとされている。
特開2005-341933号公報 特開平7-289164号公報 特開2021-029179号公報
従来提供されている一般的な常温保管可能なミルクコーヒー飲料の脂質含有量は0.3~1質量%程度であるが、コーヒー飲料等においては、脂質含有量が多いほど、コーヒー感が強く、マイルドで飲み易くなる傾向がある。このため、より脂質含有量の多い飲料が望まれるが、脂質は、クリーミングと称される品質劣化の原因となるため、脂質含有量の多い飲料は安定性の面で好ましくない。
一方で、乳などに含まれるタンパク質は、油の周囲に吸着するため、タンパク質含有量が多いと油を安定化させることができる。しかし、タンパク質含有量が多いとタンパク質特有のコクや乳由来の風味が強く、あっさりとした飲み口にならないという欠点がある。
このようなことから、乳が苦手な人やコーヒー本来の風味を楽しみたい人のためには、
高脂質かつ低タンパク質の飲料が望まれるが、低タンパク質では脂質の安定化が難しいことが課題となる。
特に、脂質の中に結晶性が高い硬化植物油由来の飽和脂肪酸を多量に含む場合、ホット販売を想定した60℃保管や真夏の常温保管を想定した35℃保管でも安定な飲料とすることが非常に困難である。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、高脂質かつ低タンパク質であることにより、マイルドで良好な風味、飲み口である上に、乳化剤により乳化が安定化され、常温~高温での保管安定性に優れた、コーヒー飲料等の飲料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、HLBが5以上12以下という中程度のHLBを有するショ糖脂肪酸エステルを所定の割合で配合することにより、高脂質・低タンパク質の飲料において、乳化を安定化させることができ、上記課題を解決することができることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 脂質含有量が1.5質量%以上であり、HLBが5以上12以下のショ糖脂肪酸エステルを650ppm以上含有する飲料。
[2] さらにHLBが12より大きい乳化剤を含有する[1]に記載の飲料。
[3] タンパク質含有量が2質量%以下である[1]又は[2]に記載の飲料。
[4] コーヒー成分を含有する[1]~[3]のいずれかに記載の飲料。
[5] ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が400ppm以下である[1]~[4]のいずれかに記載の飲料。
[6] 有機酸モノグリセリドの含有量が350ppm以下である[1]~[5]のいずれかに記載の飲料。
[7] 前記脂質として植物油並びに植物油を分別、硬化、又はエステル交換した油脂から選択される少なくとも1種を含有する[1]~[6]のいずれかに記載の飲料。
[8] 前記脂質が、硬化ヤシ油及び/又は硬化パーム核油である[7]に記載の飲料。
[9] 下記成分A~Dを含む、脂質含有量が1.5質量%以上で、タンパク質含有量が2質量%以下のミルクコーヒー飲料の安定剤。
成分A:HLBが5以上12以下のショ糖脂肪酸エステル
成分B:HLBが12より大きい乳化剤
成分C:カゼインナトリウム
成分D:微結晶セルロース
本発明によれば、高脂質かつ低タンパク質であることにより、マイルドで良好な風味、飲み口である上に、乳化剤により乳化が安定化され、常温~高温での保管安定性に優れたコーヒー飲料等の飲料を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に特定はされない。
[飲料]
本発明の飲料は、脂質含有量が1.5質量%以上であり、HLBが5以上12以下のショ糖脂肪酸エステルを650ppm以上含有することを特徴とする。
<脂質>
本発明の飲料の脂質含有量は1.5質量%以上であり、脂質含有量が上記下限以上であることにより、高脂質であり、マイルドで飲み口に優れ、コーヒー飲料にあってはコーヒー感が強く、風味のよいものとなる。この観点から、本発明の飲料の脂質含有量は1.8質量%以上であることが好ましく、より好ましくは2.1質量%以上であり、さらに好ましくは2.4質量%以上である。一方、本発明で用いるショ糖脂肪酸エステルによる安定化効果を十分に得る観点から、本発明の飲料の脂質含有量は、4.0質量%以下であることが好ましく、3.5質量%以下であることがより好ましく、3.0質量%以下であることがさらに好ましい。
従って、本発明の飲料では、後述の油脂や乳成分等の脂質含有成分を、得られる飲料の脂質含有量が上記好適範囲内となるように配合される。
なお、飲料の脂質含有量は、飲料に含まれる各成分中の脂質割合と当該成分の含有率から、計算により求めることができる。
<油脂>
本発明の飲料の脂質含有量を上記下限以上とするためには、脂質として、油脂を配合することが好ましい。
油脂としては、特に制限はなく、魚油、牛脂、豚脂、乳脂(バターや無水バター)、馬油、蛇油、卵油、卵黄油、タートル油、ミンク油などの動物性油脂類であってもよいが、植物油脂が好ましく、大豆油、とうもろこし油、綿実油、なたね油、ごま油、シソ油、こめ油、ひまわり油、落花生油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、米胚芽油、小麦胚芽油、玄米胚芽油、ハトムギ油、ガーリックオイル、マカデミアンナッツ油、アボガド油、月見草油、フラワー油、つばき油、ヤシ油、ひまし油、あまに油、カカオ油などの植物油脂類:およびこれらを水素添加又はエステル交換したもの、例えば、これら植物油脂の液状又は固体状物を精製や脱臭、分別、硬化、エステル交換といった油脂加工した、MCT(中鎖脂肪酸油)、硬化ヤシ油、硬化パーム核油などの硬化油や加工油脂、更にこれらの油脂を分別して得られる液体油、固体脂等;中鎖脂肪酸トリグリセライド等が挙げられる。
これらのうち、植物油、植物油を分別、硬化、エステル交換した油脂を用いることがコストの観点から好ましく、特に硬化ヤシ油、硬化パーム核油が飲料に添加した際の風味の観点から好ましい。植物油、植物油を分別、硬化、エステル交換した油脂は、低コストであることから、飲料中の全油脂中50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがさらに好ましく、90質量%以上含むことが最も好ましい。飲料中の油脂の飽和脂肪酸含量は、飲料に添加した際の風味が良好であることおよび飲料を長期保管した際の風味劣化が低減されることから、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が最も好ましい。飲料中の油脂の20℃におけるSFC(固体脂含有率)は、飲料に添加した際の飲み口が優れることから30%以上であることが好ましく、40%以上がさらに好ましい。
飲料には、これらの油脂の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
本発明において、このような油脂は、他の脂質含有成分、例えば後述の乳成分等に含まれる脂質との合計で、飲料中の脂質含有量が前述の好適範囲内となるように用いられる。
<HLBが5以上12以下のショ糖脂肪酸エステル>
本発明では、飲料の安定剤としてHLB5~12のショ糖脂肪酸エステルを必須の乳化剤として用いる。このショ糖脂肪酸エステルのHLBが5未満であっても12を超えても高脂質・低タンパク質の本発明の飲料の安定化効果を十分に得ることができない。
HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルのHLBは、飲料の安定化効果の観点から、HLB7~12の範囲であることが好ましく、9~12の範囲であることがより好ましい。
HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルにおける構成脂肪酸には特に制限はなく、ショ糖脂肪酸エステルの具体例としては、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。これらのうち、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステルが特に好ましく、ショ糖ステアリン酸エステルが最も好ましい
ショ糖脂肪酸エステルは、それ自体既知の食品用乳化剤であり、HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルとしては市販されているショ糖脂肪酸エステルを使用できる。例えば、「リョートーシュガーエステルS-1170(HLB:11)、「リョートーシュガーエステルS-970(HLB:9)」、「リョートーシュガーエステルS-770(HLB:7)」、「リョートーシュガーエステルS-570(HLB:5)」、「リョートーシュガーエステルL-570(HLB:5)」(以上、三菱ケミカル社製、商品名);「DKエステルF-110(HLB:11)」、「DKエステルF-90(HLB:9.5)」、「DKエステルF-70(HLB:8)」、「DKエステルF-50(HLB:6)」(以上、第一工業製薬社製、商品名)等が挙げられる。
また、ショ糖脂肪酸エステルとして、特許第5945756号公報に記載のように、マイクロ波を照射して製造したショ糖脂肪酸エステルを用いてもよい。
本発明の飲料には、これらのHLB5~12のショ糖脂肪酸エステルの1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
本発明の飲料のHLB5~12のショ糖脂肪酸エステルの含有量は650ppm以上である。
HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルの含有量が650ppm以上であることで、ショ糖脂肪酸エステルによる安定化効果を十分に得ることができる。飲料の安定化効果の観点から、HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルの含有量は800ppm以上であることが好ましく、1100ppm以上であることがより好ましい。一方で、HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルの含有量が多過ぎると飲料の風味を損なうことから、本発明の飲料のHLB5~12のショ糖脂肪酸エステル含有量は、4000ppm以下であることが好ましく、3500ppm以下であることがより好ましく、2600ppm以下であることがさらに好ましく、2000ppm以下であることが特に好ましく、1500ppm以下であることが最も好ましい。
<HLBが12より大きい乳化剤>
本発明の飲料は、上記のHLB5~12のショ糖脂肪酸エステルと共に、HLBが12より大きい乳化剤を含むことが、より一層の飲料の安定化効果および静菌効果の観点から好ましい。
飲料の安定化の観点から、HLBが12より大きい乳化剤のHLBは、特に13~17であることが好ましく、15~16であることがより好ましい。
HLBが12より大きい乳化剤は、食品用乳化剤であれば特に制限はなく、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性乳化剤や、有機酸モノグリセリド、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、レシチン等のイオン性乳化剤といったショ糖脂肪酸エステル以外の乳化剤であってもよいが、HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルと組み合わせて用いることによる安定化効果および静菌効果の観点で優れることから、ショ糖脂肪酸エステルあるいはポリグリセリン脂肪酸エステルであることが好ましく、ショ糖脂肪酸エステルであることが最も好ましい。
HLBが12より大きいショ糖脂肪酸エステルにおける構成脂肪酸には特に制限はなく、ショ糖脂肪酸エステルの具体例としては、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。これらのうち、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステルが好ましく、ショ糖パルミチン酸エステルが特に好ましい。
HLBが12より大きい乳化剤のうち、特にショ糖脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、「リョートーシュガーエステルS-1670(HLB:16)」、「リョートーシュガーエステルP-1670(HLB:16)」、「リョートーシュガーエステルP-1570(HLB:15)」、「リョートーシュガーエステルS-1570(HLB:15)」、「リョートーシュガーエステルM-1695(HLB:16)」、「リョートーシュガーエステルL-1695(HLB:16)」、「リョートーシュガーエステルO-1570(HLB:15)」(以上、三菱ケミカル(株)製、商品名);「DKエステルSS(HLB:19)」、「DKエステルF-160(HLB:15)」、「DKエステルF-140(HLB:13)」(以上、第一工業製薬社製、商品名)等が挙げられる。
本発明の飲料には、これらのHLBが12より大きい乳化剤の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
本発明の飲料がHLBが12より大きい乳化剤を含む場合、その含有量は、400ppm以上であることが好ましく、900ppm以上であることがより好ましい。一方、HLBが12より大きい乳化剤の含有量は3000ppm以下であることが好ましく、2000ppm以下であることがより好ましく、1500ppm以下であることがもっとも好ましい。HLBが12より大きい乳化剤の含有量が上記下限以上なおかつ上記上限以下であれば、HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルとの併用で良好な安定化効果および静菌効果が得られる。
また、HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルとHLBが12より大きい乳化剤との併用による相乗効果をより有効に得る観点から、HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルとHLBが12より大きい乳化剤との含有割合は、重量比でHLB5~12のショ糖脂肪酸エステル:HLBが12より大きい乳化剤=20:80~80:20の範囲であることが好ましく、本発明の飲料中のこれらの合計の含有量は1200ppm~6000ppm、特に2000~4000ppmであることが好ましい。
<ポリグリセリン脂肪酸エステル>
本発明の飲料は、デカグリセリン脂肪酸エステル、オクタポリグリセリン脂肪酸エステル、テトラグリセリン脂肪酸エステル、ペンタグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリ脂肪酸エステル等のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有していてもよいが、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する場合、その含有量が多過ぎると飲料の風味を損なうことから好ましくない。
よって、本発明の飲料のポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は400ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがより好ましく、200ppm以下であることが特に好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含まないことが最も好ましい。
<有機酸モノグリセリド>
本発明の飲料は、有機酸モノグリセリドを含んでいてもよく、有機酸モノグリセリドを含有することでより一層優れた安定化効果を得ることができる。
有機酸モノグリセリドは、グリセリン1分子に脂肪酸1分子と有機酸1分子が結合した構造を有し、一般的には、有機酸の酸無水物と脂肪酸モノグリセリドを反応させることにより得られる。反応は、通常、無溶媒条件下で行われ、例えば無水コハク酸と炭素数18のモノグリセリドの反応では、温度120℃前後において90分程度で反応が完了する。かくして得られた有機酸モノグリセリドは、通常、有機酸、未反応モノグリセリド、ジグリセリド、その他オリゴマーを含む混合物となっている。本発明においては、このような混合物をそのまま使用してもよく、有機酸モノグリセリドの純度を高めたい場合は、蒸留モノグリセリドとして市販されているものを使用してもよい。また、有機酸部分が一部中和されたものを使用してもよい。
有機酸モノグリセリドを構成する有機酸としては、例えば、コハク酸、クエン酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、アジピン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸、乳酸などが挙げられる。これらの中では、食品用途に使用されるコハク酸、クエン酸、ジアセチル酒石酸が好ましく、特に風味の点からコハク酸が好ましい。
上記脂肪酸モノグリセリド由来の、有機酸モノグリセリドを構成する脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの炭素数8~22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。これらの中では風味の観点からステアリン酸を主成分とする脂肪酸が好ましく、特に構成脂肪酸の70質量%以上がステアリン酸であるものが好ましい。
有機酸モノグリセリドとしては1種のみを用いてもよく、これを構成する有機酸や脂肪酸が異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
本発明の飲料が有機酸モノグリセリドを含有する場合、飲料の有機酸モノグリセリド含有量が多過ぎると飲料の風味を損なうことから350ppm以下であることが好ましい。一方、有機酸モノグリセリド含有量が少な過ぎると有機酸モノグリセリドを用いることによる前述の効果を十分に得ることができない。このようなことから、飲料の有機酸モノグリセリド含有量は100~350ppmが好ましく、150~350ppmがより好ましい。
<タンパク質含有量>
本発明の飲料は、高脂質・低タンパク質とするために、後述の乳成分やカゼインナトリウム等のタンパク質含有成分を含む場合、タンパク質含有量が2質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.8質量%以下である。タンパク質含有量が少ないことにより、タンパク質特有のコクや乳由来の風味が低減され、飲み口が良好となる。反面、タンパク質が少ないことで飲料の安定性が低下するが、本発明では、HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルを所定の割合で用いることで、安定性を高めることができる。
一方で、タンパク質含有量が少なすぎると乳由来の風味がなくなり、コーヒーの風味が強くなりすぎて飲み口が悪くなるために、本発明の飲料のタンパク質含有量の下限は通常0.1質量%以上であり、好ましくは0.3質量%以上である。
なお、飲料のタンパク質含有量は、飲料中の後述の乳成分やカゼインナトリウム等のタンパク質含有成分の中のタンパク質割合と当該成分の含有率から、計算により求めることができる。
<乳成分>
本発明の飲料は、通常牛乳成分あるいは植物性ミルク成分を含む。
牛乳成分として用いられる乳原料は、牛乳、濃縮乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、練乳、バター、チーズ、クリーム、ホエイ、カゼイン、トータルミルクプロテイン、ミネラル濃縮ホエイ、脱乳糖ホエイ、脱塩ホエイ、乳清ミネラル、バターミルクやバターセラム及びそれらを粉末化したバターミルクパウダー、バターセーラムパウダーなどのバターミルク類等の乳製品、乳製品を酵素や微生物を用いて分解した乳分解物等が挙げられる。
植物性ミルク成分としては、豆乳、オーツミルク、ココナッツミルク、ライスミルク、アーモンドミルク、エンドウ豆ミルク、ヘンプミルクなどが挙げられる。
植物性ミルク成分として用いられる豆乳は、大豆原料として黄大豆、青大豆、黒大豆などを限定なく使用することができる。大豆から豆乳を製造する方法としては、公知の方法を用いることができ、一般に大豆を水、熱湯等に一定時間浸漬した後、磨砕し、おからを除去することで得ることができる。
本発明の飲料はこれらの牛乳成分の1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。また、これらの植物性ミルク成分の1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。また、牛乳成分の1種又は2種以上と植物性ミルク成分の1種又は2種以上を含むものであってもよい。
これらの乳成分は、本発明の飲料のタンパク質含有量が、他のタンパク質含有成分中のタンパク質量との合計で好ましくは前述の上限値以下となるように配合される。
<コーヒー成分>
本発明の飲料は、特にコーヒー成分を含有するコーヒー飲料または乳飲料であることが好ましい。
コーヒー成分としては、通常、コーヒー抽出液が用いられる。コーヒー抽出液を製造するためのコーヒー豆としては任意のものを用いることができ、例えばアラビカ種のブラジル、コロンビア、ペルー、キリマンジャロ等や、ロブスタ種のインドネシア、ウガンダ等があり、これらを単独で、または複数種混合して用いることができる。コーヒー豆の焙煎条件、粉砕条件、抽出条件なども任意に選択することができる。
コーヒー抽出液の配合量には特に制限はないが、通常、飲料中のコーヒー抽出液中の固形分(コーヒー成分)の含有量として0.3~1.5質量%程度となるように用いられる。
<その他の添加剤>
本発明の飲料は、長期保管時の安定性等の観点からカゼインナトリウム、増粘多糖類、微結晶セルロース、サポニン等の添加剤の1種又は2種以上を含むものであってもよい。
カゼインナトリウムは、これを含有することで飲料の安定性をより一層高めることができ好ましい。カゼインナトリウムは、飲料の安定性の観点から、飲料中の含有量が600ppm以上、特に800ppm以上となるように用いることが好ましい。一方で、カゼインナトリウムの含有量が多過ぎると、風味が損なわれ、また、ざらつきが発生して好ましくない食感になることから、本発明の飲料のカゼインナトリウムの含有量は2500ppm以下であることが好ましい。
増粘多糖類は、これを含有することで飲料の安定性をより一層高めることができ、好ましい。
増粘多糖類としては、天然水溶性高分子多糖類が好ましく、例えば、ガラクトマンナン、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアガム、タマリンドガム、ジェランガム等が挙げられるが、カラギーナンとキサンタンガムが更に好ましい。
これらの増粘多糖類は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の飲料が増粘多糖類を含む場合、増粘多糖類による安定化効果の観点から、本発明の飲料の増粘多糖類の含有量は20ppm以上であることが好ましく、より好ましくは35ppm以上である。一方で、増粘多糖類の含有量が多過ぎると増粘して好ましくない食感になるおそれがあるため、本発明の飲料の増粘多糖類の含有量は500ppm以下、特に300ppm以下であることが好ましい。
微結晶セルロースは、これを含有することで飲料成分の再分散性を高め、沈殿を抑制する効果があり、好ましい。微結晶セルロースは、沈殿抑制の観点から、飲料中の含有量が150ppm以上、特に300ppm以上となるように用いることが好ましい。一方で、微結晶セルロースの含有量が多過ぎるとざらつきが発生して好ましくない食感になることから、本発明の飲料の微結晶セルロースの含有量は2000ppm以下であることが好ましい。
その他、本発明の飲料には、以下の添加剤を適宜添加することができる。
(pH調整剤)
有機酸およびその塩、重曹、リン酸塩等のpH調整剤
(糖類)
砂糖、グラニュー糖、果糖、ブドウ糖、マルトース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、トレハロース、ラクトース、マンノオリゴ糖、マルトオリゴ糖等の単糖やオリゴ糖
(糖アルコール)
エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール等の糖アルコール
(甘味料)
スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオテーム、ステビア抽出物などの各種甘味料
(香料)
レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、コーヒーフレーバー、紅茶フレーバー、バター香料、クリーム香料、ミルク香料等の香料
(風味付け素材)
β-カロテン、アスタキサンチン、リコピン、パプリカ色素などのカロテノイド、クロロフィル等の色素、食塩、などの風味付け素材
(ミネラル素材)
カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウムなどのミネラル素材
(栄養素材)
ビタミンやコエンザイムQ10、アミノ酸、ペプチド、DHA、EPA等のような栄養素材
(酸化防止剤)
ビタミンC、ビタミンCナトリウム、ビタミンE、ローズマリー抽出物、茶抽出物、ヤマモモ抽出物などの酸化防止剤
(保存料)
カラシ抽出物、リゾチーム等の日持向上剤、ナイシン、ソルビン酸およびその塩などの保存料
(酒類)
リキュール、ウォッカ、焼酎などの酒類
<飲料の種類>
本発明の飲料としては、例えば、乳飲料、スープ飲料、コーヒー飲料、ココア飲料、茶飲料(紅茶、緑茶、中国茶など)、豆類・穀物飲料、酸性飲料、粉末飲料、粉末スープ等が挙げられる。中でも、乳飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、緑茶飲料、中国茶飲料、豆類・穀物飲料が好ましく、乳飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、緑茶飲料、中国茶飲料、豆類・穀物飲料がより好ましく、乳飲料、コーヒー飲料が特に好ましく、コーヒー飲料が最も好ましい。
<飲料の製造方法>
本発明の飲料は、例えば以下のように製造される。
まず、植物油等の脂質含有成分やショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤の他、上記飲料に含まれていてもよいものとして例示した材料を、必要に応じて水などと共に混合して混合液を調製する。
次いで、得られた混合液を撹拌して乳化する。乳化方法としては、通常食品に用いられる均質乳化方法であれば特に制限なく使用することができ、例えば、ホモジナイザーを用いる方法や、コロイドミルを用いる方法、ホモミキサーを用いる方法などいずれも用いることができる。この均質乳化処理は、通常40~80℃の加温条件下で行われる。
乳化処理は1回のみ行っても、2回以上(複数回)を行ってもよい。
乳化処理を複数回行うとは、乳化機に被処理物を導入して所定の条件下で乳化処理した後、乳化処理物を取り出す操作を複数回行うことをさす。ここで、複数回の乳化処理に用いる乳化機は同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
例えば、以下に詳述する高圧乳化処理に先立ち、パドルミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル、ニーダー、インラインミキサー、スタティックミキサー、オンレーター等を用いて、低圧または常圧条件での予備乳化を行ってもよい。
この予備乳化は、通常30℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、通常100℃以下、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下で、通常0.005~20時間、好ましくは0.01~10時間行われる。
工場で大量生産する場合は、より製造効率が高く、時間あたりの処理能力が大きい高圧乳化処理が好ましい。
高圧乳化処理は、例えば、狭い均質バルブの隙間や流路、ノズル等にポンプで送液することで高圧状態となった被処理物を、一気に圧力低下させ、その圧力差のエネルギーで流速を速め、高速で被処理物をバルブやリング、または、被処理物同士で衝突させることで、乱流、キャビテーションやせん断力を生じさせ、そのエネルギーにより、被処理物を細分化、乳化する処理である。
具体的に高圧乳化とは、1段式であればその高圧乳化時点の処理圧が、2段式等の多段式であれば、少なくとも1段の高圧乳化時点の処理圧が、好ましくは10MPa以上、より好ましくは15MPa以上、の状態で乳化することである。乳化処理の処理圧力は、高い程、油脂を十分に細かい微粒子として均一に乳化分散させることができることから好ましい。
乳化安定性の面において、処理圧力の上限については特に制限はないが、用いる乳化機の耐圧性や、工業的な実用化の面で通常200MPa以下である。処理圧力は、好ましくは100MPa以下、より好ましくは80MPa以下、さらに好ましくは50MPa以下、最も好ましくは45MPa以下であることが望ましい。
高圧乳化処理に用いる市販の乳化機としては、例えば、SPX社製 GAURIN 125T、132T、イズミフードマシナリー社製HV-5H、HV-5E等のバルブ式、吉田機械興業社製ナノヴェイダ、スギノマシン社製スターバースト100等のノズル式、パウレック社製マイクロフルイダイザー等のチャンバー式などが挙げられる。
高圧乳化処理における時間あたりの処理能力としては、通常0.1トン/時間以上、好ましくは1トン/時間以上、より好ましくは5トン/時間以上、最も好ましくは10トン/時間以上であり、このような処理能力とすることで、高圧乳化処理を、製造効率を低減することなく実施することができる。高圧乳化処理における時間あたりの処理能力の上限は特にないが、通常500トン/時間以下である。
また、各回の乳化処理時間は、処理量や処理圧力によっても異なるが、特に工場で大量生産する場合においては、生産性を損なうことなく、良好な乳化安定性を得る上で、通常0.005時間以上、好ましくは0.01時間以上、最も好ましくは0.1時間以上、通常20時間以下、好ましくは10時間以下、より好ましくは5時間以下、特に好ましくは2時間以下、最も好ましくは1時間以下である。
高圧乳化処理時の温度は、通常30℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、通常100℃以下、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下である。処理温度が上記下限以上であることが、乳化効率の面で好ましく、また、乳化液の取り扱い性の面で、処理温度は上記上限以下であることが好ましい。この処理温度についても各回毎に異なっていてもよく、同一であってもよい。
また、乳化処理時の被処理物のpHについては、用いる乳化剤が水に充分分散し、効率良く油脂を乳化するという点から通常5.0以上、好ましくは5.0より大きく、より好ましくは5.2以上、更に好ましくは5.5以上、特に好ましくは6.0以上で、通常9.0以下、好ましくは8.0以下である。被処理物のpHは、被処理物に重曹、リン酸塩等のpH調整剤、その他の添加剤を添加することにより調整することができる。
この均質乳化処理後には、UHT殺菌、レトルト殺菌などの殺菌処理を行う。通常レトルト殺菌は、110~140℃、例えば121℃で、10~40分の条件で行われる。一方、PETボトル用飲料などに用いられるUHT殺菌は、より高温、例えば殺菌温度120~150℃で、且つ121℃での殺菌価(Fo)が10~50に相当する超高温殺菌である。UHT殺菌は飲料に直接水蒸気を吹き込むスチームインジェクション式や飲料を水蒸気中に噴射して加熱するスチームインフュージョン式などの直接加熱方式、プレートやチューブなど表面熱交換器を用いる間接加熱方式など公知の方法で行うことができ、例えばプレート式殺菌装置を用いることができる。
尚、製造された本発明の飲料は、容器詰め飲料に好適であり、例えば、缶飲料、ペットボトル飲料、紙パック飲料、ビン詰飲料、プラチックカップ飲料などに適用することができる。
本発明の飲料は、高脂質・低タンパク質であっても安定性に優れるため、このようにして製造された容器詰め飲料は、ホット販売を想定した60℃保管や真夏の常温保管を想定した35℃保管でも長期に亘り、良好な乳化状態と風味、飲み口を安定に維持することができる。
[ミルクコーヒー飲料の安定剤]
本発明の安定剤は、脂質含有量が1.5質量%以上で、タンパク質含有量が2質量%以下のミルクコーヒー飲料の安定剤であって、下記成分A~Dを含むことを特徴とする。
成分A:HLBが5以上12以下のショ糖脂肪酸エステル
成分B:HLBが12より大きい乳化剤
成分C:カゼインナトリウム
成分D:微結晶セルロース
上記成分Aは、本発明の飲料に含まれるHLBが5以上12以下のショ糖脂肪酸エステルとして前述したものと同義であり、好ましいものも同様である。
また、上記成分Bは、本発明の飲料に含まれるHLBが12より大きい乳化剤として前述したものと同義であり、好ましいものも同様である。
本発明のミルクコーヒー飲料の安定剤の成分A~Dの含有量には特に制限はないが、本発明の飲料中の含有量としてそれぞれ前述した好適範囲となる飲料を製造することができるような量であればよい。
また、本発明のミルクコーヒー飲料の安定剤は、成分A~Dのすべてが予め混合されて一剤化されたものであってもよく、成分A~Dのうちの一部と残部とが別々に提供されるものであってもよい。
また、成分A~Dがすべて別々に提供されるものであってもよい。
特に制限されるものではないが、本発明のミルクコーヒー飲料の安定剤の一態様において、成分A~Dの合計100質量%中に
成分A:15~60質量%
成分B:15~60質量%
成分C:15~60質量%
成分D:5~30質量%
の割合で含むことが好ましい。
また、これらが固形分濃度5~50質量%の水乳化液の形態とされていてもよい。
本発明のミルクコーヒー飲料の安定剤は、これを飲料製造時に油脂や乳成分、その他の乳化剤や添加剤等と混合して、前述の飲料の製造方法に従って均質乳化処理することで、本発明の飲料を効率的に製造することができる。
以下に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[使用原料]
以下の実施例及び比較例で飲料の調製に用いた原料は次の通りである。
<ショ糖脂肪酸エステル>
P-1670:三菱ケミカル社製ショ糖パルミチン酸エステル「リョートーシュガーエステルP-1670」(HLB:16)
S-1170:三菱ケミカル社製ショ糖ステアリン酸エステル「リョートーシュガーエステルS-1170」(HLB:11)
<有機酸モノグリセリド>
B-30:理研ビタミン社製コハク酸ステアリン酸モノグリセリド「ポエムB-30」
<増粘多糖類>
MW-210:三菱ケミカル社製κ-カラギーナン「ソアギーナMW-210」
ML310:三菱ケミカル社製λ-カラギーナン「ソアギーナML310」
MV512:三菱ケミカル社製ι-カラギーナン「ソアギーナMV512」
XG400:三菱ケミカル社製キサンタンガム「ソアキサンXG400」
<乳成分>
牛乳:雪印メグミルク社製「メグミルク牛乳」
脂肪粉乳:よつ葉乳業社製「よつ葉北海道脱脂粉乳」
<油脂>
植物油脂乳化物:脂質として硬化ヤシ油を45質量%含有するO/Wエマルション
<その他の成分>
微結晶セルロース:旭化成ケミカル社製「セオラスSC-900S」
カゼインナトリウム:タツアジャパン社製「Tatua100」
重曹:富士フィルム和光純薬社製
グラニュー糖:日新製糖社製
コーヒー豆:コロンビアEX L=20.5 アライドコーヒーロースターズ社製
[実施例1~5、比較例1]
コーヒー豆に10倍量の熱水を加えて抽出したコーヒー抽出液に、予め熱水で溶解した重曹を加えてpH調整後、表1に記載する成分を、表1に記載する含有量となるように加えて混合、溶解させ、さらに水を加え全量を100質量%とした。本液を65℃に昇温し、高圧ホモジナイザーにて20MPaの圧力で均質化後、缶容器に充填、密封し、121℃、30分間のレトルト殺菌を行い、缶入りミルクコーヒーを調製した。殺菌後の飲料のpHは6.6~6.8であった。
得られた各缶入りミルクコーヒーの各成分の配合量と、各成分の脂質含有量及びタンパク質含有量とから算出した脂質含有量及びタンパク質含有量は表2に示す通りであった。
得られた各缶入りミルクコーヒーについて、以下の評価を行って結果を表3に示した。
[各缶入りミルクコーヒーの評価方法]
<35℃、4週間後安定性>
油粒:各缶入りミルクコーヒーを35℃で4週間保管し、その後、3℃で1晩静置した。翌日、缶を開けて内容液をカップに移した際の油粒の発生状況を目視観察し、下記基準で評価した。
1:油粒が多量に存在する。
2:油粒が存在し、品質上やや問題となる。
3:油粒がわずかに存在するが、品質上問題のないレベルである。
4:油粒が全くなく良好な状態である。
沈殿:上記油粒の評価において、内容液をカップに移した後の缶底を目視観察し、下記基準で評価した。
1:沈殿物が多量にある。
2:沈殿物があり、品質上やや問題となる。
3:沈殿物がわずかに存在するが、品質上問題のないレベルである。
4:沈殿物が全くなく良好である。
<60℃、4週間後安定性>
油粒:各缶入りミルクコーヒーを60℃で4週間保管し、その後、3℃で1晩静置した。翌日、缶を開けて内容液をカップに移した際の油粒の発生状況を目視観察し、下記基準で評価した。
1:油粒が多量に存在する。
2:油粒が存在し、品質上やや問題となる。
3:油粒がわずかに存在するが、品質上問題のないレベルである。
4:油粒が全くなく良好な状態である。
沈殿:上記油粒の評価において、内容液をカップに移した後の缶底を目視観察し、下記基準で評価した。
1:沈殿物が多量にある。
2:沈殿物があり、品質上やや問題となる。
3:沈殿物がわずかに存在するが、品質上問題のないレベルである。
4:沈殿物が全くなく良好である。
以上の結果から、HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルを650ppm以上含む本発明の飲料は、脂質含有量1.5質量%以上(実施例1~5では2.67質量%)、タンパク質含有量2質量%以下(実施例1~5では0.466又は0.559質量%)という高脂質・低タンパク質の飲料において、35℃の長期保管後であっても60℃の長期保管後であっても乳化安定性に優れることが分かる。
これに対して、HLB5~12のショ糖脂肪酸エステルの含有量が600ppmで少ない比較例1では、いずれの温度でも安定性に劣る。
実施例2~5より、更にカゼインナトリウムを含むことで安定性が改善されることが分かる。
また、実施例2~5より、更に微結晶セルロースを含むことで安定性が改善されることが分かる。
更に、実施例3~5より、更に増粘多糖類を含むことで安定性が改善されることが分かる。

Claims (6)

  1. 脂質含有量が1.質量%以上であり、HLBが5以上12以下のショ糖脂肪酸エステルを650ppm以上含有し、更に、
    微結晶セルロースを含有し、
    HLBが12より大きい乳化剤を400ppm以上含有し、
    有機酸モノグリセリドを100~350ppm含有し、
    タンパク質含有量が0.1質量%以上、2質量%以下である、乳飲料。
  2. コーヒー成分を含有する請求項1に記載の飲料。
  3. ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が400ppm以下である請求項1又は2に記載の飲料。
  4. 前記脂質として植物油並びに植物油を分別、硬化、又はエステル交換した油脂から選択される少なくとも1種を含有する請求項1~のいずれか1項に記載の飲料。
  5. 前記脂質が、硬化ヤシ油及び/又は硬化パーム核油である請求項に記載の飲料。
  6. 下記成分A~Dを含む、脂質含有量が1.質量%以上で、タンパク質含有量が2質量%以下で、有機酸モノグリセリドの含有量が100~350ppmのミルクコーヒー飲料の安定剤。
    成分A:HLBが5以上12以下のショ糖脂肪酸エステル15~60質量%
    成分B:HLBが12より大きい乳化剤15~60質量%
    成分C:カゼインナトリウム15~60質量%
    成分D:微結晶セルロース5~30質量%
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