JP7748799B2 - メラノソームの分解促進作用の評価方法 - Google Patents
メラノソームの分解促進作用の評価方法Info
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Description
項1. 被験物質のメラノソームの分解促進作用を評価する方法であって、
液透過性膜の一方の面にケラチノサイトを付着させ、他方の面にメラノサイトを付着させた状態で培養し、ケラチノサイトにメラノソームを貪食させる第1工程、
前記第1工程後に、液透過性膜からメラノサイトを除去することにより、液透過性膜の一方の面にメラノソーム貪食ケラチノサイトが付着している評価モデルを作製する第2工程、
前記第2工程で得られた評価モデルを被験物質の存在下でインキュベートした後に、評価モデルのケラチノサイト内のメラニン量又はメラノソーム量を測定する第3工程、及び
前記第3工程おいて測定されたメラニン量又はメラノソーム量に基づいて、被験物質のメラノソームの分解促進作用を判定する第4工程
を含む、評価方法。
項2. 前記第1工程において、液透過性膜を底部に有するカルチャーインサートを用いて培養容器を区切ってケラチノサイトとメラノサイトを隔てて共培養することにより、ケラチノサイトにメラノソームを貪食させる、項1に記載の評価方法。
項3. 候補物質の中からメラノソームの分解促進作用を有する物質をスクリーニングする方法であって、
液透過性膜の一方の面にケラチノサイトを付着させ、他方の面にメラノサイトを付着させた状態で培養し、ケラチノサイトにメラノソームを貪食させる第I工程、
前記第I工程後に、液透過性膜からメラノサイトを除去することにより、液透過性膜の一方の面にメラノソーム貪食ケラチノサイトが付着している評価モデルを作製する第II工程、
前記第II工程で得られた評価モデルを候補物質の存在下でインキュベートした後に、評価モデルのケラチノサイト内のメラニン量又はメラノソーム量を測定する第III工程、及び
前記第III工程おいてメラニン量又はメラノソーム量を低下させた候補物質を、メラノソームの分解促進作用を有するものとして選定する第IV工程
を含むスクリーニング方法。
項4. 前記第I工程において、液透過性膜を底部に有するカルチャーインサートを用いて培養容器を区切ってケラチノサイトとメラノサイトを隔てて共培養することにより、ケラチノサイトにメラノソームを貪食させる、項3に記載のスクリーニング方法。
項5. メラノソームの分解促進作用の評価モデルであって、
液透過性膜の一方の面にメラノソーム貪食ケラチノサイトが付着しており、
液透過性膜の一方の面にケラチノサイトを付着させ、他方の面にメラノサイトを付着させた状態で培養することによりケラチノサイトにメラノソームを貪食させた後に、当該液透過性膜からメラノサイトを除去することにより得られる、評価モデル。
本発明の評価方法は、被験物質のメラノソームの分解促進作用を評価する方法である。具体的には、本発明の評価方法は、以下の第1工程~第4工程を含むことを特徴とする。
第1工程:液透過性膜の一方の面にケラチノサイトを付着させ、他方の面にメラノサイトを付着させた状態で培養し、ケラチノサイトにメラノソームを貪食させる工程。
第2工程:前記第1工程後に、液透過性膜からメラノサイトを除去することにより、液透過性膜の一方の面にメラノソーム貪食ケラチノサイトが付着している評価モデルを作製する工程。
第3工程:前記第2工程で得られた評価モデルを被験物質の存在下でインキュベートした後に、評価モデルのケラチノサイト内のメラニン量又はメラノソーム量を測定する工程。
第4工程:前記第3工程おいて測定されたメラニン量又はメラノソーム量に基づいて、被験物質のメラノソームの分解促進作用を判定する工程。
第1工程では、第1工程:液透過性膜の一方の面にケラチノサイトを付着させ、他方の面にメラノサイトを付着させた状態で培養し、ケラチノサイトにメラノソームを貪食させる。第1工程では、メラノサイトから産生されたメラノソームが、液透過性膜を介してケラチノサイトに受け渡され、メラノソーム貪食ケラチノサイトが生成する。
第1-2工程:第1-1工程後の液透過性膜を、ケラチノサイト又はメラノサイトが付着していない面が上側になるように培養容器にセットし、他方の細胞(ケラチノサイト又はメラノサイト)を播種して共培養を行うことにより、ケラチノサイトにメラノソームを貪食させる。
(1)先ず、カルチャーインサートの外側表面の多孔質膜を上面にして、当該多孔質膜の外側表面の外周から上に延びるリング状ホルダーを装着して容器を形成し、一方の細胞の懸濁液を入れて培養することにより、当該細胞をカルチャーインサートの外側表面の多孔質膜に付着させる(第1-1工程)。
(2)次いで、培養液を除去して、前記リング状ホルダーを外し、カルチャーインサートをカルチャーインサートの受け皿となるプレート(コンパニオンプレート)に装着し、カルチャーインサート内に他方の細胞の懸濁液を入れて培養する(第1-2工程)。
第2工程では、第1工程後の液透過性膜から付着しているメラノサイトを除去することにより、液透過性膜の一方の面にメラノソーム貪食ケラチノサイトが付着している評価モデルを作製する。第2工程において液透過性膜の一方の面に付着しているメラノサイトを除去することにより、メラノサイトによる影響を排除してメラノソーム分解促進作用を評価することが可能になる。
第3工程では、被験物質の存在下で前記評価モデルをインキュベートした後に、評価モデルのケラチノサイト内のメラニン量を測定する。
第4工程では、前記第3工程おいて測定されたメラニン量又はメラノソーム量に基づいて、被験物質のメラノソームの分解促進作用を判定する。具体的には、前記第3工程においてメラニン量又はメラノソーム量を低下させた被験物質は、メラノソームの分解促進作用があると判定される。一方、前記第3工程においてメラニン量又はメラノソーム量を低下させなかった被験物質は、メラノソームの分解促進作用がないと判定される。
本発明のスクリーニング方法は、候補物質の中から、メラノソームの分解促進作用を有する物質を選定する方法である。具体的には、本発明のスクリーニング方法は、以下の第I工程~第IV工程を含むことを特徴とする。
第I工程:液透過性膜の一方の面にケラチノサイトを付着させ、他方の面にメラノサイトを付着させた状態で培養し、ケラチノサイトにメラノソームを貪食させる工程。
第II工程:前記第I工程後に、液透過性膜からメラノサイトを除去することにより、液透過性膜の一方の面にメラノソーム貪食ケラチノサイトが付着している評価モデルを作製する工程。
第III工程:前記第II工程で得られた評価モデルを候補物質の存在下でインキュベートした後に、評価モデルのケラチノサイト内のメラニン量又はメラノソーム量を測定する工程。
第IV工程:前記第III工程おいてメラニン量又はメラノソーム量を低下させた候補物質を、メラノソームの分解促進作用を有するものとして選定する工程。
第I工程及び第II工程は、それぞれ前記評価方法における第1工程及び第2工程と同様である。
第III工程では、候補物質の存在下で前記評価モデルをインキュベートした後に、評価モデルのケラチノサイト内のメラニン量又はメラノソーム量を測定する。
第IV工程では、前記第III工程おいてメラニン量又はメラノソーム量を低下させた候補物質を、メラノソームの分解促進作用を有するものとして選定する。
本発明の評価モデルは、メラノソームの分解促進作用の評価のために使用される評価モデルであって、液透過性膜の一方の面にメラノソーム貪食ケラチノサイトが付着しており、液透過性膜の一方の面にケラチノサイトを付着させ、他方の面にメラノサイトを付着させた状態で培養することによりケラチノサイトにメラノソームを貪食させた後に、当該液透過性膜からメラノサイトを除去することにより得られるものであることを特徴とする。以下、本発明の評価モデルについて詳述する。
1.ケラチノサイトが付着している液透過性膜の作製
[実施例1]
Ad-MEDビドリゲル2(12ウェルタイプ、関東化学株式会社製)を用いて、メラノソーム貪食ケラチノサイトを付着させた液透過性膜を作製した。当該ad-MEDビドリゲル2には、ビドリゲル膜(コラーゲン線維が高密度に折り重なった多孔質膜、膜面積1cm2、孔径67nm)を底部に有するカルチャーインサート、及び当該カルチャーインサートの受け皿となる12ウェルプレートが備わっている。また、当該ad-MEDビドリゲル2の付属品として購入したオプションリング(リング状ホルダー)も使用した。当該オプションリングは、カルチャーインサートの外側表面のビドリゲル膜を上にした状態で、ビドリゲル膜の外側表面の外周から上に延びるように装着して、一時的にウェルを形成できるように構成されている。
Ad-MEDビドリゲル2(12ウェルタイプ、関東化学株式会社製)を用いて、カルチャーインサート内でケラチノサイトを培養し、ケラチノサイト付着ビドリゲル膜を得た。ケラチノサイトの培養条件は、前記実施例1と同様である
10%FBS(ウシ胎児血清)を含有するHAMF12培地を用いて、75cm2フラスコでヒトメラノーマ細胞(HMV-II、RCB368)を37℃、5%CO2の環境でコンフルエントな状態になるまで培養した。培養後、ヒトメラノーマ細胞を回収し、遠心分離した後、上清を捨て細胞ペレットを回収し、-20℃で凍結させた。凍結させた細胞ペレットにlysis buffer(0.1 M Tris-HCl,pH7.5,1% Igepal CA-630, 0.01%SDS)1mlを添加して十分に懸濁した後、4℃で20分間静置した。静置後,細胞溶解液を遠心分離(1,000×g、5分、4℃)し、得られた上清をマイクロチューブに移し、遠心分離を行った(1,000×g、5分、4℃)。上清を新しいマイクロチューブに移して遠心分離を行い(20,000×g、5分、4℃)、上清を除去した。得られたペレットにPBS(-)0.05mLを添加することによりメラノソーム溶液を調製した。
抽出したメラノソームを添加しなかったこと以外は、前記比較例2と同条件で、ケラチノサイト付着ビドリゲル膜を得た。
実施例1及び比較例1~3で得られたケラチノサイト付着ビドリゲル膜に対してフォンタナ・マッソン染色を行ってメラニンを可視化し、ケラチノサイトが付着している側の表面を光学顕微鏡で観察した。得られた結果を図2に示す。この結果、メラノソームを抽出してケラチノサイトに添加した比較例1では、一部のケラチノサイトにおいてのみメラノソームの貪食が確認されたが、ケラチノサイトとメラノサイトをビドリゲル膜を介して分離した状態で共培養した実施例1では、ケラチノサイトの全体に亘って均一にメラノソームを貪食していることが確認された。
前記実施例1と同条件で、ケラチノサイト付着ビドリゲル膜(メラノサイトは除去済)を有するカルチャーインサートを準備した。
Claims (5)
- 被験物質のメラノソームの分解促進作用を評価する方法であって、
液透過性膜の一方の面にケラチノサイトを付着させ、他方の面にメラノサイトを付着させた状態で培養し、ケラチノサイトにメラノソームを貪食させる第1工程、
前記第1工程後に、液透過性膜からメラノサイトを除去することにより、液透過性膜の一方の面にメラノソーム貪食ケラチノサイトが付着している評価モデルを作製する第2工程、
前記第2工程で得られた評価モデルを被験物質の存在下でインキュベートした後に、評価モデルのケラチノサイト内のメラニン量又はメラノソーム量を測定する第3工程、及び
前記第3工程おいて測定されたメラニン量又はメラノソーム量に基づいて、被験物質のメラノソームの分解促進作用を判定する第4工程
を含む、評価方法。 - 前記第1工程において、液透過性膜を底部に有するカルチャーインサートを用いて培養容器を区切ってケラチノサイトとメラノサイトを隔てて共培養することにより、ケラチノサイトにメラノソームを貪食させる、請求項1に記載の評価方法。
- 候補物質の中からメラノソームの分解促進作用を有する物質をスクリーニングする方法であって、
液透過性膜の一方の面にケラチノサイトを付着させ、他方の面にメラノサイトを付着させた状態で培養し、ケラチノサイトにメラノソームを貪食させる第I工程、
前記第I工程後に、液透過性膜からメラノサイトを除去することにより、液透過性膜の一方の面にメラノソーム貪食ケラチノサイトが付着している評価モデルを作製する第II工程、
前記第II工程で得られた評価モデルを候補物質の存在下でインキュベートした後に、評価モデルのケラチノサイト内のメラニン量又はメラノソーム量を測定する第III工程、及び
前記第III工程おいてメラニン量又はメラノソーム量を低下させた候補物質を、メラノソームの分解促進作用を有するものとして選定する第IV工程
を含むスクリーニング方法。 - 前記第I工程において、液透過性膜を底部に有するカルチャーインサートを用いて培養容器を区切ってケラチノサイトとメラノサイトを隔てて共培養することにより、ケラチノサイトにメラノソームを貪食させる、請求項3に記載のスクリーニング方法。
- 被験物質のメラノソームの分解促進作用を評価するための評価モデルの使用であって、
前記評価モデルが、液透過性膜の一方の面にメラノソーム貪食ケラチノサイトが付着しており、液透過性膜の一方の面にケラチノサイトを付着させ、他方の面にメラノサイトを付着させた状態で培養することによりケラチノサイトにメラノソームを貪食させた後に、当該液透過性膜からメラノサイトを除去することにより得られ、
前記評価モデルが、被験物質の存在下でインキュベートされるものである、前記使用。
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| JP2019180324A (ja) | 2018-04-12 | 2019-10-24 | 小林製薬株式会社 | メラノサイトの共存下でのケラチノサイトのオートファジー活性を増大又は抑制する物質のスクリーニング方法 |
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