JP7749009B2 - 燃料電池セルアセンブリおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
[燃料電池セルアセンブリの構成]
まず、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの構成について説明する。図1に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの上面図を示す。図2に、図1のII-II断面図を示す。図の方位のうち、前後左右方向は各部材の面方向、上下方向は各部材の厚さ方向、積層方向を示す。図1においては、説明の便宜上、積層されている部材を透過して示し、接着部材についてはハッチングを施して示す。図1、図2に示すように、燃料電池セルアセンブリ10は、電極部材2と、ガスケット30と、接着部材40と、セパレータ50と、を備えている。
次に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法について説明する。本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法は、ガスケット成形工程と、配置工程と、一体化工程と、を有している。
本工程においては、EPDMを有するゴム組成物を射出成形してガスケット30を成形する。図3に、ガスケット成形時の成形型の断面模式図を示す。なお、図3を含む以下の図面は全て、図2に対応しており、図1のII-II断面に相当する部分を示す。図3に示すように、成形型8は、上型80と下型81とを備えている。上型80と下型81とを合わせることにより、ガスケット30と型対称の形状を有するキャビティ82が区画されている。まず、成形型8を型締めし、予め100℃程度に加熱されているゴム組成物をキャビティ82に注入する。そのまま170℃下で10分間保持して架橋させた後、成形型8の型開きを行い、ガスケット30を取り出す。
本工程においては、セパレータ50の上面に、電極部材2と、成形されたガスケット30と、接着部材40と、を配置する。図4に、接着部材を塗布したセパレータの断面模式図を示す。図5に、配置工程における各部材の断面模式図を示す。まず、図4に示すように、セパレータ50の上面の所定位置に、充分に流動性を有するよう150℃以上の温度に加熱した接着部材40を、ディスペンサーを用いて枠状に塗布する。次に、図5に示すように、セパレータ50の上面において、接着部材40の内側に電極部材2を配置し、接着部材40の外側にガスケット30を配置する。
本工程においては、接着部材40を溶融させてから硬化して、電極部材2、ガスケット30およびセパレータ50を接着部材40により一体化する。図6に、一体化工程における各部材の断面模式図を示す。先の配置工程においてセットされたセパレータ50、電極部材2、ガスケット30、および接着部材40の積層体を、ホットプレス機に設置して、図6に下向きの白抜き矢印で示すように、140℃に加熱された押圧部材83により接着部材40を押圧する。これにより、接着部材40が溶融して、図6に横向きの白抜き矢印で示すように、上側ガス拡散層21および下側ガス拡散層22の外周端部に含浸すると共に、MEA20の外周端面、ガスケット30、およびセパレータ50に接着する。その後、積層体を常温に戻すことにより、接着部材40が硬化して、電極部材2、ガスケット30、およびセパレータ50が接着部材40を介して一体化された燃料電池セルアセンブリ10が製造される(前出図2参照)。
次に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリおよびその製造方法の作用効果について説明する。本実施形態の燃料電池セルアセンブリ10において、ガスケット30はEPDM製である。このため、ガスケット30は耐久性に優れる。また、シリコーンゴムを使用しないため、シール性の低下や、分解物によるMEA20の汚染が少ない。
本実施形態の燃料電池セルアセンブリおよびその製造方法と、第一実施形態のそれとの相違点は、製造方法の一部のみであり、配置工程において、セパレータに接着部材を塗布するのではなく、成形されたガスケットに予め接着部材を固定しておく点である。ここでは、主に相違点を説明する。
本実施形態の燃料電池セルアセンブリおよびその製造方法と、第一実施形態のそれとの相違点は、接着部材およびガスケットの形状などと、接着部材を射出成形により成形する点である。ここでは、主に相違点を説明する。
まず、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの構成について説明する。図9に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの部分断面図を示す。図9において、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。図9に示すように、燃料電池セルアセンブリ11は、電極部材2と、ガスケット31と、接着部材41と、セパレータ50と、を備えている。
次に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法について説明する。本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法は、ガスケット成形工程と、配置工程と、一体化工程と、を有している。ガスケット成形工程は、第一実施形態と同様であるため説明を省略する。
図10に、配置工程における各部材の断面模式図を示す。図10に示すように、本工程においては、成形型の下型85に、セパレータ50を配置して、セパレータ50の上面の所定位置に電極部材2とガスケット31とを配置する。面方向における電極部材2とガスケット31との間には、次の一体化工程において、接着部材41の材料である液状組成物が注入される空間が配置されている。
本工程においては、成形型に液状組成物を注入し硬化させることにより、電極部材2、ガスケット31およびセパレータ50を該液状組成物の硬化物である接着部材41により一体化する。図11に、一体化工程における成形型の断面模式図を示す。図11に示すように、成形型8は、上型84と下型85とを備えている。下型85には、セパレータ50、電極部材2、およびガスケット31が配置されている。上型84と下型85とを合わせることにより、接着部材41と型対称の形状を有するキャビティ86が区画されている。上型84は、キャビティ86に接続されるゲート87を有している。
次に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリおよびその製造方法の作用効果について説明する。本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法は、本開示の第二の製造方法、第四の製造方法の概念に含まれる。本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法によると、一体化工程において、成形型8内にセパレータ50、電極部材2、およびガスケット31を配置した状態で、熱酸変性オレフィン系熱可塑性樹脂を有する液状組成物410を注入し硬化させることにより、電極部材2、ガスケット31、およびセパレータ50を容易に一体化することができる。液状組成物410の射出成形を140℃程度で行うため、加熱時に電解質膜が変質するおそれは少ない。液状組成物410は、電極部材2の上側ガス拡散層21および下側ガス拡散層22に含浸する。これにより、接着性およびシール性が高くなる。本実施形態の燃料電池セルアセンブリの製造方法によると、燃料電池セルアセンブリ11の製造が効率化されるため、より生産性を高めることができる。
本実施形態の燃料電池セルアセンブリおよびその製造方法と、第一実施形態のそれとの相違点は、電極部材におけるガス拡散層の大きさおよび接着部材の接着形態である。ここでは、主に相違点を説明する。図12に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの部分断面図を示す。図12において、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。図12に示すように、燃料電池セルアセンブリ12は、電極部材2と、ガスケット30と、接着部材42と、セパレータ50と、を備えている。
本実施形態の燃料電池セルアセンブリおよびその製造方法と、第一実施形態のそれとの相違点は、電極部材におけるガス拡散層の大きさ、接着部材の接着形態、およびガスケットの形状などである。ここでは、主に相違点を説明する。図13に、本実施形態の燃料電池セルアセンブリの部分断面図を示す。図13において、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。図13に示すように、燃料電池セルアセンブリ13は、電極部材2と、ガスケット32と、接着部材43と、セパレータ50と、を備えている。
以上、本開示の燃料電池セルアセンブリおよびその製造方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
本開示の燃料電池セルアセンブリの構成要素のうち、電極部材は、MEAとガス拡散層とを有する。MEAは、電解質膜と、電解質膜の両面に配置される一対の電極触媒層と、を有する。電解質膜としては、燃料電池に用いられるプロトン伝導性のイオン交換膜を用いればよい。電極触媒層は、白金、白金合金などの触媒を担持した導電性の担体などを含んで構成すればよい。電極触媒層は、必ずしも電解質膜の表面全体に形成される必要はない。電極触媒層は、MEAにおける発電領域に応じて、電解質膜の表面に適宜形成すればよい。ガス拡散層としては、カーボンペーパー、カーボンクロスなどのカーボン多孔質体、金属メッシュなどの金属多孔質体などを用いればよい。
ガスケットは、ソリッドゴムを用いて製造される。例えば、ソリッドゴムをゴム成分とするゴム組成物を、射出成形、プレス成形などして製造すればよい。ソリッドゴムとしては、シリコーンゴム以外が望ましく、例えば、EPDM、フッ素ゴム、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水素添加アクリロニトリル-ブタジエンゴム(H-NBR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)などが挙げられる。ガスケットの耐久性などを考慮すると、EPDM、フッ素ゴムが好適である。ゴム組成物は、ゴム成分の他に、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、補強剤、老化防止剤、加工助剤などを含んでいてもよい。架橋剤としては、硫黄などの揮発成分を含まないという理由から、有機過酸化物を用いることが望ましい。上記実施形態においては、燃料電池セルアセンブリを積層した際のシール性を高めるという観点から、ガスケットにリップ部を配置した。リップ部の有無を含めて、ガスケットの形状、厚さなどは適宜決定すればよい。
セパレータの材質としては、ステンレス鋼、チタン、銅、マグネシウム、アルミニウム、カーボン、グラファイト、セラミックス、導電性樹脂(カーボン、グラファイト、ポリアクリロニトリル系炭素繊維などを有する熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂)などが挙げられる。また、これらの材料からなる本体部の表面に、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)などの処理によりダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)、グラファイト膜などの炭素薄膜が形成されたものでもよい。形成される流路、貫通孔などを含めて、セパレータの構成は限定されない。
接着部材は、熱可塑性ポリマーを有し、少なくとも電極部材およびガスケットに接着するものであればよい。燃料電池の作動温度、電解質膜の耐熱温度を考慮すると、熱可塑性ポリマーとしては、融点が70℃以上170℃以下のものを選択することが望ましい。融点が140℃以下のものがより好適である。融点が比較的低い熱可塑性ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系熱可塑性樹脂が挙げられる。なかでも、接着性が良好であるという観点から、酸変性オレフィン系熱可塑性樹脂が好適である。酸変性オレフィン系熱可塑性樹脂とは、酸、酸無水物、酸エステル、メタロセンなどにより変性された、オレフィン系熱可塑性樹脂を意味する。酸による変性は、オレフィン系熱可塑性樹脂に酸成分をグラフト化してもよく、共重合してもよく、あるいはこれらを組み合わせて行ってもよい。
本開示の燃料電池セルアセンブリの製造方法は、予めガスケットを成形しておき、成形されたガスケットと電極部材とを、熱可塑性ポリマーの溶融、硬化を利用して接着し一体化することを特徴とする。熱可塑性ポリマーを有する接着部材の供給方法の違いにより、次の(a)、(b)の形態が挙げられる。
(a)ソリッドゴムからガスケットを成形するガスケット成形工程と、電解質膜および電極触媒層を有する膜電極接合体と、該膜電極接合体の厚さ方向両面の少なくとも片面に配置されるガス拡散層と、を有する電極部材と、成形された該ガスケットと、熱可塑性ポリマーを有する接着部材と、を配置する配置工程と、該接着部材を溶融させてから硬化して、該電極部材と該ガスケットとを該接着部材により一体化する一体化工程と、を有する燃料電池セルアセンブリの製造方法。
(b)ソリッドゴムからガスケットを成形するガスケット成形工程と、電解質膜および電極触媒層を有する膜電極接合体と、該膜電極接合体の厚さ方向両面の少なくとも片面に配置されるガス拡散層と、を有する電極部材と、成形された該ガスケットと、を成形型内に配置する配置工程と、該成形型に熱可塑性ポリマーを有する液状組成物を注入し硬化させることにより、該電極部材と該ガスケットとを該液状組成物の硬化物である接着部材により一体化する一体化工程と、を有する燃料電池セルアセンブリの製造方法。
Claims (12)
- 電解質膜および電極触媒層を有する膜電極接合体と、該膜電極接合体の厚さ方向両面の少なくとも片面に配置されるガス拡散層と、を有する電極部材と、
該電極部材の積層方向に対して交差する方向を面方向として、
該電極部材の面方向外側に枠状に配置されるソリッドゴム製のガスケットと、
熱可塑性ポリマーを有し、該ガスケットとは別に該電極部材の面方向外側に枠状に配置され、該電極部材および該ガスケットに接着して該電極部材および該ガスケットを一体化する接着部材と、
を備え、
該電極部材に対する該接着部材の接着形態は、該ガス拡散層への含浸および該膜電極接合体への接着の少なくとも一方であり、
該接着部材は該電解質膜の少なくとも外周端面を被覆し、
該電極部材の積層方向において、該接着部材の厚さは該膜電極接合体の該片面に配置される該ガス拡散層の厚さ以上であり、該接着部材の厚さ方向一面の少なくとも一部は該ガスケットで被覆されることを特徴とする燃料電池セルアセンブリ。 - 前記ガス拡散層は、前記膜電極接合体の厚さ方向両面に配置され、
前記接着部材は、二つの該ガス拡散層の少なくとも一方に含浸される請求項1に記載の燃料電池セルアセンブリ。 - 前記ガス拡散層は、前記膜電極接合体の厚さ方向両面に配置され、
前記電極部材を積層方向から見た場合に、二つの該ガス拡散層の面方向の大きさは異なり、
前記接着部材は、小さい方の該ガス拡散層側に露出した該膜電極接合体に接着される請求項1または請求項2に記載の燃料電池セルアセンブリ。 - 前記電極部材を積層方向から見た場合に、前記膜電極接合体の面方向の大きさは、前記ガス拡散層の面方向の大きさより大きく、
前記接着部材は、外側に突出した該膜電極接合体の少なくとも一面に接着される請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料電池セルアセンブリ。 - 前記ガスケットと前記接着部材とが前記電極部材の積層方向に積層される部分の厚さは、該電極部材の厚さ以上である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の燃料電池セルアセンブリ。
- さらに、前記電極部材および前記ガスケットに積層されるセパレータを備え、
前記接着部材は、該電極部材、該ガスケットおよび該セパレータに接着して該電極部材、該ガスケットおよび該セパレータを一体化する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の燃料電池セルアセンブリ。 - 前記ソリッドゴムは、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)またはフッ素ゴムである請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の燃料電池セルアセンブリ。
- 前記熱可塑性ポリマーは、酸により変性されたオレフィン系熱可塑性樹脂を有する請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の燃料電池セルアセンブリ。
- 請求項1に記載の燃料電池セルアセンブリの製造方法であって、
ソリッドゴムからガスケットを成形するガスケット成形工程と、
電解質膜および電極触媒層を有する膜電極接合体と、該膜電極接合体の厚さ方向両面の少なくとも片面に配置されるガス拡散層と、を有する電極部材と、成形された該ガスケットと、熱可塑性ポリマーを有する接着部材と、を配置する配置工程と、
該接着部材を溶融させてから硬化して、該電極部材と該ガスケットとを該接着部材により一体化する一体化工程と、
を有することを特徴とする燃料電池セルアセンブリの製造方法。 - 請求項1に記載の燃料電池セルアセンブリの製造方法であって、
ソリッドゴムからガスケットを成形するガスケット成形工程と、
電解質膜および電極触媒層を有する膜電極接合体と、該膜電極接合体の厚さ方向両面の少なくとも片面に配置されるガス拡散層と、を有する電極部材と、成形された該ガスケットと、を成形型内に配置する配置工程と、
該成形型に熱可塑性ポリマーを有する液状組成物を注入し硬化させることにより、該電極部材と該ガスケットとを該液状組成物の硬化物である接着部材により一体化する一体化工程と、
を有することを特徴とする燃料電池セルアセンブリの製造方法。 - 請求項6に記載の燃料電池セルアセンブリの製造方法であって、
ソリッドゴムからガスケットを成形するガスケット成形工程と、
セパレータの一面に、電解質膜および電極触媒層を有する膜電極接合体と、該膜電極接合体の厚さ方向両面の少なくとも片面に配置されるガス拡散層と、を有する電極部材と、成形された該ガスケットと、熱可塑性ポリマーを有する接着部材と、を配置する配置工程と、
該接着部材を溶融させてから硬化して、該電極部材、該ガスケットおよび該セパレータを該接着部材により一体化する一体化工程と、
を有することを特徴とする燃料電池セルアセンブリの製造方法。 - 請求項6に記載の燃料電池セルアセンブリの製造方法であって、
ソリッドゴムからガスケットを成形するガスケット成形工程と、
成形型内にセパレータを配置して、さらにその一面に、電解質膜および電極触媒層を有する膜電極接合体と、該膜電極接合体の厚さ方向両面の少なくとも片面に配置されるガス拡散層と、を有する電極部材と、成形された該ガスケットと、を配置する配置工程と、
該成形型に熱可塑性ポリマーを有する液状組成物を注入し硬化させることにより、該電極部材、該ガスケットおよび該セパレータを該液状組成物の硬化物である接着部材により一体化する一体化工程と、
を有することを特徴とする燃料電池セルアセンブリの製造方法。
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