この発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で参照する図面では、同一又はそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
図1は、着座位置における回転シートの斜視図である。図2は、乗降位置における回転シートの斜視図である。この回転シート1は、乗り物用シート、特に、車両用シートとして機能する。
図1及び図2に示されるように、本実施形態の回転シート1は、シート本体2と、シート回転装置10と、を備えている。
シート本体2は、シートクッション2aと、シートバック2bと、を有している。シートクッション2aは、座部を構成する。シートバック2bは、シートクッション2aに着座した乗員の背部を支持する。シート本体2は、車両のフロアFL上に配置される。
フロアFLには、シート本体2をフロアFLに対して車両の前後方向にスライドさせる一対のシートスライダ3が取り付けられている。一対のシートスライダ3は、車両の幅方向に間隔を置いて配置されている。各シートスライダ3は、ロアレール3aと、アッパーレール3bと、を有している。
ロアレール3aは、車両の前後方向と平行となる姿勢でフロアFLに固定されている。アッパーレール3bは、ロアレール3aに対して車両の前後方向(ロアレール3aの長手方向)に相対変位可能である。
シート回転装置10は、着座位置(図1に示される位置)と乗降位置(図2に示される位置)との間でシート本体2を回転させることが可能である。着座位置は、シート本体2が車両の前方を向く位置である。乗降位置は、シート本体2が車両のドアの開口部を向く位置である。シート回転装置10は、シート本体2の下面に固定されている。
図3は、着座位置における、本発明の第1実施形態におけるスライダを含むシート回転装置の斜視図である。図4は、乗降位置におけるシート回転装置の斜視図である。図5は、シート回転装置の分解斜視図である。
図3~図5に示されるように、シート回転装置10は、ベースプレート100と、回転プレート200と、スライダ320を含む連結ユニット300と、駆動ユニット400と、ロックユニット500と、を備えている。
ベースプレート100は、車両のフロアFLに直接的に、又は、他の部材を介して間接的に、固定される。本実施形態では、ベースプレート100は、アッパーレール3bに固定されている。すなわち、ベースプレート100は、シートスライダ3を介してフロアFLに固定されている。
回転プレート200は、シート本体2に対して相対回転しないようにシート本体2の下面に固定されている。図3~図5に示されるように、回転プレート200は、一対のサイドブラケット210と、リアパイプ220と、フロントパイプ230と、連結板240と、ストライカ250と、を有している。
一対のサイドブラケット210は、幅方向に間隔を置いて配置されている。各サイドブラケット210は、シートスライダ3の上方に配置されている。各サイドブラケット210は、前後方向に延びる形状を有している。一対のサイドブラケット210のうち幅方向における左側に配置されたサイドブラケット210の後部には、固定ボルトBによってシートベルトのアンカ(図示略)が固定される。
リアパイプ220は、一対のサイドブラケット210の後部同士を連結している。
フロントパイプ230は、一対のサイドブラケット210の前部同士を連結している。
連結板240は、リアパイプ220とフロントパイプ230とを連結している。
図3~図5に示されるように、ストライカ250は、連結板240の後端部に固定されている。ストライカ250は、幅方向におけるリアパイプ220の内側の端部を跨いだ状態で連結板240に固定されている。
連結ユニット300は、着座位置と乗降位置との間でベースプレート100に対して回転プレート200が回転可能となるようにベースプレート100と回転プレート200とを連結している。
連結ユニット300は、回転リンク310と、スライダ320と、を有している。
回転リンク310は、ベースプレート100と回転プレート200とを連結している。回転リンク310は、固定端部311(図5を参照)と、回転端部312と、を有している。
固定端部311は、回転リンク310の一端部で構成されている。固定端部311は、ベースプレート100に対して相対回転可能となるようにベースプレート100に固定されている。具体的には、固定端部311は、ベースプレート100の裏側から締結部材(ボルト等)によって固定されている。固定端部311は、締結部材の中心軸である固定軸部311aまわりに回転可能である。
回転端部312は、回転リンク310の他端部で構成されている。回転端部312は、固定端部311の固定軸部311aを回転中心としてベースプレート100に対して回動可能であり、かつ、回転プレート200に対して相対回転可能となるように回転プレート200に固定されている。具体的には、回転端部312は、締結部材F2によって回転プレート200に固定されている。回転プレート200は、締結部材F2の中心軸である支持軸部312aまわりに回転端部312に対して相対回転可能である。以下、回転プレート200のうち支持軸部312aにより支持された部位を「第1被支持部201」(図3~図5を参照)と表記する。
スライダ320は、メインスライダ321と、サブスライダ322と、を有している。
メインスライダ321は、ロアレール21Aと、アッパーレール21Bと、を含んでいる。
ロアレール21Aは、ベースプレート100に固定されている。具体的に、ロアレール21Aは、ベースプレート100の中央部に固定されている。ロアレール21Aは、直線状に延びる形状を有している。ロアレール21Aは、固定端部311における固定軸部311a及び回転端部312における支持軸部312a間の距離の2倍の長さを半径とし、かつ、固定軸部311aを中心とする仮想円A1(図6を参照)の直径に沿って直線状に延びる形状を有している。なお、図6では、仮想円A1と、固定軸部311a及び支持軸部312a間の長さを半径とし、かつ、支持軸部312aを中心とする円A2と、が一点鎖線で示されており、回転プレート200が二点鎖線で示されている。また、図6における上方に車両の乗降口が設けられている。
図6に示されるように、ロアレール21Aは、車両の前後方向に対して交差する方向でかつ仮想円A1の直径に沿って直線状に延びる形状を有している。ロアレール21Aは、車両の前方に向かうにしたがって次第にドアの開口部に近づくように前後方向に対して傾斜している。
アッパーレール21Bは、ロアレール21Aに沿って移動可能である。アッパーレール21Bは、下方に開口する形状を有している。ロアレール21Aの長手方向と平行な方向におけるアッパーレール21Bの長さは、同方向におけるロアレール21Aの長さよりも小さい。アッパーレール21Bの上面には、支持軸部B1が溶接等によって固定されている。アッパーレール21Bは、当該アッパーレール21Bに対して回転プレート200が相対回転可能となるように回転プレート200を支持している。具体的には、アッパーレール21Bは、支持軸部B1及び締結部材F3によって回転プレート200を支持している。回転プレート200は、締結部材F3の中心軸である支持軸部B1まわりにアッパーレール21Bに対して相対回転可能である。以下、回転プレート200のうち支持軸部B1により支持された部位を「第2被支持部202」(図3~図5を参照)と表記する。
アッパーレール21Bは、回転プレート200の第2被支持部202を、回転プレート200が着座位置から乗降位置に移動するときに回転端部312に対して回転プレート200が回転する方向(図6における右回り)と同じ方向に当該アッパーレール21Bに対して相対回転させつつロアレール21Aに沿って移動させる。
アッパーレール21Bに固定された支持軸部B1は、シート本体2が着座位置及び乗降位置間を移動するときに、円A2が仮想円A1に内接しながら回転するときにおける円A2上の点の軌跡(仮想円A1の直径)に沿うように移動する。
サブスライダ322は、ロアレール22Aと、アッパーレール22Bと、を含んでいる。
ロアレール22Aは、ベースプレート100に固定されている。具体的に、ロアレール22Aは、ベースプレート100のうち幅方向における内側に配置されたシートスライダ3とメインスライダ321のロアレール21Aとの間に位置する部位に固定されている。ロアレール22Aは、直線状に延びる形状を有している。図6に示されるように、ロアレール22Aは、当該ロアレール22Aの延長線が仮想円A1の中心である固定軸部311aを通らない姿勢でベースプレート100に固定されている。ロアレール22Aは、車両の前方に向かうにしたがって次第にドアの開口部に近づくように前後方向に対して傾斜している。
アッパーレール22Bは、ロアレール22Aに沿って移動可能である。アッパーレール22Bは、下方に開口する形状を有している。ロアレール22Aの長手方向と平行な方向におけるアッパーレール22Bの長さは、同方向におけるロアレール22Aの長さよりも小さい。アッパーレール22Bの上面には、支持軸部B2が溶接等によって固定されている。アッパーレール22Bは、当該アッパーレール22Bに対して回転プレート200が相対回転可能となるように回転プレート200を支持している。具体的には、アッパーレール22Bは、支持軸部B2及び締結部材F4(図5を参照)によって回転プレート200を支持している。回転プレート200は、締結部材F4の中心軸である支持軸部B2まわりにアッパーレール22Bに対して相対回転可能である。以下、回転プレート200のうち支持軸部B2により支持された部位を「第3被支持部」と表記する。
アッパーレール22Bは、回転プレート200の第3被支持部を、回転プレート200が着座位置から乗降位置に移動するときに回転端部312に対して回転プレート200が回転する方向(図6における右回り)と同じ方向に当該アッパーレール22Bに対して相対回転させつつロアレール22Aに沿って移動させる。
駆動ユニット400は、連結ユニット300を駆動する。駆動ユニット400は、ベースプレート100に固定されている。駆動ユニット400は、回転リンク310を固定端部311まわりに回転させることが可能である。駆動ユニット400は、モータ410と、モータ410の出力を回転リンク310に伝達するギア420と、を含んでいる。
例えば、回転プレート200が着座位置に位置する状態においてモータ410が駆動されると、回転リンク310が固定端部311まわりに回転するとともに、各アッパーレール21B,22Bが各ロアレール21A,22Aに沿って前方に移動する。これにより、回転プレート200は、ベースプレート100に対して前方に移動しながら乗降口に向けて回転する。その結果、回転プレート200が乗降位置に位置する。
ロックユニット500は、回転プレート200を着座位置でロックする。図5に示されるように、ロックユニット500は、締結部材F5によってベースプレート100に固定されている。ロックユニット500は、ロック装置510と、リリースアクチュエータ520と、伝達部530と、を有している。
ロック装置510は、ストライカ250をロックすることが可能である。ロック装置510は、ロック位置とアンロック位置との間で移動可能なフックを含んでいる。ロック位置は、回転プレート200が着座位置に位置する状態においてストライカ250を保持する位置である。アンロック位置は、ストライカ250の離脱を許容する位置である。
リリースアクチュエータ520は、ロック装置510とは別部材で構成されている。リリースアクチュエータ520は、ロック装置510によるストライカ250のロックを解除するための装置である。
伝達部530は、リリースアクチュエータ520の出力をロック装置510に伝達する。伝達部530は、リンク機構を備えている。
ここで、図7~図24を参照しながら、メインスライダ321及びサブスライダ322について詳述する。まず、図7~図15を参照しながら、メインスライダ321について説明する。
メインスライダ321は、一対の保持ピン21Cと、一対の固定用ローラ21Dと、一対の偏心部材21Eと、一対の調整用ローラ21Fと、一対のレバー21Gと、付勢部材21Hと、一対の水平ピン21Jと、4つの縦ローラ21Kと、をさらに有している。
ロアレール21Aは、上方に開口するとともに一方向に直線状に延びる形状を有している。図7等に示されるように、ロアレール21Aは、底壁a1と、一対の側壁a2と、一対のフランジa3と、を有している。
底壁a1は、ベースプレート100に固定される部位である。底壁a1は、直線状に延びる形状を有している。
一対の側壁a2は、上下方向及び底壁a1の長手方向の双方と直交する幅方向(図11及び図12における左右方向)に互いに対向している。各側壁a2は、幅方向における底壁a1の外端部から起立する形状を有している。各側壁a2は、底壁a1の長手方向に沿って延びる形状を有している。各側壁a2の内面は、平坦に形成されている。各側壁a2の内面は、ガイド面S1を構成している。すなわち、一対のガイド面S1は、幅方向に互いに対向している。
各フランジa3は、側壁a2の上端部から幅方向における内側に向かって突出するとともに底壁a1の長手方向に沿って延びる形状を有している。一対のフランジa3は、幅方向に間隔を置いて互いに対向している。この一対のフランジa3間の間隔がロアレール21Aの開口に相当する。各フランジa3の下面は、平坦に形成されている。
各保持ピン21Cは、アッパーレール21Bに固定されている。一対の保持ピン21Cは、アッパーレール21Bの長手方向に互いに離間した位置に配置されている。各保持ピン21Cは、一対のガイド面S1同士を結ぶ方向及びロアレール21Aの長手方向の双方と直交する方向(上下方向)に延びる形状を有している。各保持ピン21Cは、中心軸AX1に沿って延びている。各保持ピン21Cは、段付きボルトで構成されている。具体的に、各保持ピン21Cは、円柱状の外周面を有する第1段部c1と、第1段部c1の外径よりも小さな外径を有する第2段部c2と、を有している。各保持ピン21Cの先端部は、アッパーレール21Bにかしめられている。
各固定用ローラ21Dは、保持ピン21Cに対して相対回転可能となるように保持ピン21Cに保持されている。図10及び図12に示されるように、各固定用ローラ21Dは、第1段部c1に保持されている。各固定用ローラ21Dは、ガイド面S1に接しながら回転する。
各偏心部材21Eは、保持ピン21Cの中心軸AX1と平行な回転軸AX2まわりに回転可能となるようにアッパーレール21Bに保持されている。本実施形態では、各偏心部材21Eは、保持ピン21Cに対して相対回転可能となるように保持ピン21Cに保持されている。具体的に、各偏心部材21Eは、第2段部c2に保持されている。すなわち、メインスライダ321では、回転軸AX2は、中心軸AX1と一致している。
各偏心部材21Eは、挿通孔e1と、偏心外周面e2と、を有している。
挿通孔e1は、保持ピン21Cを挿通させる。挿通孔e1の内径は、保持ピン21Cの第2段部c2の外径と実質的に等しくなるように設定されている。
偏心外周面e2は、回転軸AX2から偏倚した位置を通りかつ回転軸AX2と平行な偏心中心AX3まわりの外周面である。
各調整用ローラ21Fは、偏心部材21Eに対して偏心中心AX3まわりに相対回転可能となるように偏心部材21Eに保持されている。各調整用ローラ21Fは、偏心部材21Eを介して保持ピン21Cに保持されている。各調整用ローラ21Fは、偏心外周面e2に対して摺動する内周面f1を有している。内周面f1の径は、偏心外周面e2の径と実質的に等しくなるように設定されている。各調整用ローラ21Fは、ガイド面S1に接しながら回転する。
各レバー21Gは、回転軸AX2まわりに偏心部材21Eと一体的に回転するように偏心部材21Eに固定されている。各レバー21Gは、偏心部材21Eの上面に溶接されている。各レバー21Gは、回転軸AX2と直交する方向に延びる形状を有している。
付勢部材21Hは、回転軸AX2まわりに偏心部材21Eがアッパーレール21Bに対して相対回転するようにレバー21Gを付勢している。付勢部材21Hは、一対のレバー21G同士を連結している。付勢部材21Hは、一対のレバー21G同士が互いに近づく方向に各レバー21Gを付勢している。例えば、付勢部材21Hは、引っ張りコイルバネで構成される。
付勢部材21Hが一対のレバー21Gを付勢する(引っ張る)ことにより、各偏心部材21Eがレバー21Gとともに回転軸AX2まわりにアッパーレール21Bに対して相対回転する。これにより、偏心外周面e2及びそれに保持された調整用ローラ21Fもアッパーレール21Bに対して回転軸AX2まわりに相対回転するため、調整用ローラ21Fは、一対のガイド面S1のうちの一方(図11における左側)のガイド面S1に押し付けられる。そうすると、その反力が偏心部材21Eを介してアッパーレール21Bに伝わるため、保持ピン21Cを介してアッパーレール21Bに保持された固定用ローラ21Dは、一対のガイド面S1のうちの他方(図11における右側)のガイド面S1に押し付けられる。
この状態が図13に示されている。図13に示されるように、レバー21Gに作用する付勢部材21Hの付勢力F21の延長線と回転軸AX2との間の距離L1の方が、ガイド面S1に作用する調整用ローラ21Fの押圧力F22の延長線と回転軸AX2との間の距離L2よりも大きい。このため、付勢部材21Hによる付勢力F21よりも、調整用ローラ21Fによるガイド面S1の押圧力F22の方が大きくなる。
図14は、一対のガイド面S1間の幅W1が図13に示される状態よりも小さい場合を示している。この状態では、矢印AR1で示されるように図13に示される状態よりも一対のレバー21G間の距離が大きくなりつつ、固定用ローラ21D及び調整用ローラ21Fの各ガイド面S1への接触が維持される。なお、図14には、図13に示される位置におけるガイド面S1及びそれを含む側壁a2が二点鎖線で示されている。
図15は、一対のガイド面S1間の幅W2が図13に示される状態よりも大きい場合を示している。この状態では、矢印AR1で示されるように図13に示される状態よりも一対のレバー21G間の距離が小さくなりつつ、固定用ローラ21D及び調整用ローラ21Fの各ガイド面S1への接触が維持される。なお、図15には、図13に示される位置におけるガイド面S1及びそれを含む側壁a2が二点鎖線で示されている。
次に、図16~図24を参照しながら、サブスライダ322について説明する。サブスライダ322は、一対の保持ピン22Cと、4つの固定用ローラ22Dと、偏心部材22Eと、一対の調整用ローラ22Fと、レバー22Gと、付勢部材22Hと、をさらに有している。
ロアレール22Aは、上方に開口するとともに一方向に直線状に延びる形状を有している。図16、図17等に示されるように、ロアレール22Aの構成は、ロアレール21Aの構成と同じである。ロアレール22Aにおける底壁a1のうちフランジa3と対向する部位の上面は、平坦に形成されている。この上面は、フランジa3の下面とともに一対のガイド面S2を構成している。すなわち、一対のガイド面S2は、上下方向に互いに対向している。
各保持ピン22Cは、アッパーレール22Bに固定されている。一対の保持ピン22Cは、アッパーレール22Bの長手方向に互いに離間した位置に配置されている。各保持ピン22Cは、一対のガイド面S2同士を結ぶ方向及びロアレール22Aの長手方向の双方と直交する方向(幅方向)に延びる形状を有している。各保持ピン22Cは、中心軸AX1に沿って延びている。アッパーレール22Bには、各保持ピン22Cを挿通させた状態で当該保持ピン22Cを保持する保持ピン挿通孔b1が設けられている。
各固定用ローラ22Dは、保持ピン22Cに対して相対回転可能となるように保持ピン22Cに保持されている。図16及び図17に示されるように、各固定用ローラ22Dは、幅方向におけるアッパーレール22Bの外側に配置されている。各固定用ローラ22Dは、ガイド面S2に接しながら回転する。
偏心部材22Eは、保持ピン22Cの中心軸AX1と平行な回転軸AX2まわりに回転可能となるようにアッパーレール22Bに保持されている。偏心部材22Eは、保持ピン22Cから離間した位置に配置されている。アッパーレール22Bには、偏心部材22Eを挿通させた状態で当該偏心部材22Eを保持する偏心部材挿通孔b2が設けられている。偏心部材挿通孔b2は、一対の保持ピン挿通孔b1間に形成されている。すなわち、サブスライダ322では、回転軸AX2は、中心軸AX1から離間している。
偏心部材22Eは、本体e3と、突出偏心部e4と、を有している。
本体e3は、回転軸AX2まわりに回転する。本体e3は、円柱状の外周面の一部が回転軸AX2と平行な平面で切り取られた形状を有している。
突出偏心部e4は、回転軸AX2と平行な方向における本体e3の端部から回転軸AX2と平行な方向における外向きに突出している。突出偏心部e4は、回転軸AX2から離間した位置に形成された偏心中心AX3まわりの外周面である偏心外周面e2を有している。
各調整用ローラ22Fは、偏心部材22Eに対して偏心中心AX3まわりに相対回転可能となるように偏心部材22Eに保持されている。具体的に、各調整用ローラ22Fは、突出偏心部e4に保持されている。図21に示されるように、各調整用ローラ22Fは、偏心外周面e2に対して摺動する内周面f1を有している。内周面f1の径は、偏心外周面e2の径と実質的に等しくなるように設定されている。各調整用ローラ22Fは、ガイド面S2に接しながら回転する。
レバー22Gは、回転軸AX2まわりに偏心部材22Eと一体的に回転するように偏心部材22Eに固定されている。レバー22Gは、幅方向におけるアッパーレール22Bの内側に配置されている。図17に示されるように、レバー22Gには、本体e3を挿通させる貫通孔g1が設けられている。貫通孔g1は、本体e3の外周面に対応する形状を有している。
付勢部材22Hは、回転軸AX2まわりに偏心部材22Eがアッパーレール22Bに対して相対回転するようにレバー22Gを付勢している。付勢部材22Hは、トーションばねで構成されている。付勢部材22Hの一端は、アッパーレール22Bに固定されており、付勢部材22Hの他端は、レバー22Gに固定されている。
付勢部材22Hがレバー22Gを付勢することにより、偏心部材22Eがレバー22Gとともに回転軸AX2まわりにアッパーレール22Bに対して相対回転する。これにより、偏心外周面e2及びそれに保持された各調整用ローラ22Fもアッパーレール22Bに対して回転軸AX2まわりに相対回転するため、図21に示されるように、各調整用ローラ22Fは、一対のガイド面S2のうちの一方(この例では上方)のガイド面S2に押し付けられる。そうすると、その反力が偏心部材22Eを介してアッパーレール22Bに伝わるため、各保持ピン22Cを介してアッパーレール22Bに保持された固定用ローラ22Dは、図20に示されるように、一対のガイド面S2のうちの他方(この例では下方)のガイド面S2に押し付けられる。
この状態が図22に示されている。図22に示されるように、レバー22Gに作用する付勢部材22Hの付勢力F21の延長線と回転軸AX2との間の距離L1の方が、ガイド面S2に作用する調整用ローラ22Fの押圧力F22の延長線と回転軸AX2との間の距離L2よりも大きい。このため、付勢部材22Hによる付勢力F21よりも、調整用ローラ22Fによるガイド面S2の押圧力F22の方が大きくなる。
図23は、一対のガイド面S2間の高さH1が図22に示される状態よりも大きい場合を示している。この状態では、矢印AR3に示されるようにレバー22Gが回転することによって、図22に示される状態よりも、レバー22Gのうちの付勢部材22Hの付勢力の作用点と下方のガイド面S2との間の距離が大きくなりつつ、固定用ローラ22D及び調整用ローラ22Fの各ガイド面S2への接触が維持される。なお、図23には、図22に示される位置におけるガイド面S2及びそれを含むフランジa3が二点鎖線で示されている。
図24は、一対のガイド面S2間の高さH2が図22に示される状態よりも小さい場合を示している。この状態では、矢印AR4に示されるようにレバー22Gが回転することによって、図22に示される状態よりも、レバー22Gのうちの付勢部材22Hの付勢力の作用点と下方のガイド面S2との間の距離が小さくなりつつ、固定用ローラ22D及び調整用ローラ22Fの各ガイド面S2への接触が維持される。なお、図24には、図22に示される位置におけるガイド面S2及びそれを含むフランジa3が二点鎖線で示されている。
以上に説明したように、本実施形態におけるスライダ320では、調整用ローラ21F,22Fが一対のガイド面S1,S2の一方に接しながら回転し、固定用ローラ21D,22Dが一対のガイド面S1,S2の他方に接しながら回転するため、ロアレール21A,22Aに対するアッパーレール21B,22Bのガタつきが抑制される。
さらに、レバー21G,22Gに作用する付勢部材21H,22Hの付勢力F21の延長線と回転軸AX2との間の距離L1の方が、ガイド面S1,S2に作用する調整用ローラ21F,22Fの押圧力F22の延長線と回転軸AX2との間の距離L2よりも大きいため、調整用ローラ21F,22Fによるガイド面S1,S2の押圧力F22が付勢部材21H,22Hによる付勢力F21よりも大きくなる。よって、著しい大型化を回避しながら、各ローラ21D,21F,22D,22Fによるロアレール21A,22Aの押圧力F22を増大させることが可能となる。
上記実施形態において、メインスライダ321及びサブスライダ322の少なくとも一方は、図25及び図26に示される変形スライダ323で構成されてもよい。変形スライダ323は、ロアレール23Aと、アッパーレール23Bと、一対の第1保持ピン23C1と、一対の第2保持ピン23C2と、一対の第1固定用ローラ23D1と、4つの第2固定用ローラ23D2と、一対の第1偏心部材23E1と、第2偏心部材23E2と、一対の第1調整用ローラ23F1と、一対の第2調整用ローラ23F2と、一対の第1レバー23G1と、第2レバー23G2と、第1付勢部材23H1と、第2付勢部材23H2と、を有している。
ロアレール23Aの構成は、ロアレール21A,22Aの構成と同じである。
各第1保持ピン23C1の構成は、メインスライダ321における保持ピン21Cの構成と同じである。各第2保持ピン23C2の構成は、サブスライダ322における保持ピン22Cの構成と同じである。
各第1固定用ローラ23D1の構成は、メインスライダ321における固定用ローラ21Dの構成と同じである。各第2固定用ローラ23D2の構成は、サブスライダ322における固定用ローラ22Dの構成と同じである。
各第1偏心部材23E1の構成は、メインスライダ321における偏心部材21Eの構成と同じである。第2偏心部材23E2の構成は、サブスライダ322における偏心部材22Eの構成と同じである。
各第1調整用ローラ23F1の構成は、メインスライダ321における調整用ローラ21Fの構成と同じである。各第2調整用ローラ23F2の構成は、サブスライダ322における調整用ローラ22Fの構成と同じである。
各第1レバー23G1の構成は、メインスライダ321におけるレバー21Gの構成と同じである。第2レバー23G2の構成は、サブスライダ322におけるレバー22Gの構成と同じである。
第1付勢部材23H1の構成は、メインスライダ321における付勢部材21Hの構成と同じである。第2付勢部材23H2の構成は、サブスライダ322における付勢部材22Hの構成と同じである。
アッパーレール23Bは、メインスライダ321におけるアッパーレール21Bの構成の特徴と、サブスライダ322におけるアッパーレール22Bの構成の特徴と、を有している。具体的に、アッパーレール23Bのうち当該アッパーレール23Bの長手方向における両端には、各第1保持ピン23C1を固定する部位が設けられており、アッパーレール23Bのうち当該アッパーレール23Bの長手方向における中央部には、各第2保持ピン23C2を挿通させた状態で当該第2保持ピン23C2を保持する保持ピン挿通孔b1と、第2偏心部材23E2を挿通させた状態で当該第2偏心部材23E2を保持する偏心部材挿通孔b2と、が設けられている。
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(態様1)
上方に開口するとともに一方向に延びる形状を有し、互いに対向する一対のガイド面を含むロアレールと、
前記ロアレールに沿って移動可能なアッパーレールと、
前記アッパーレールに固定されており、前記一対のガイド面同士を結ぶ方向及び前記ロアレールの長手方向の双方と直交する方向に延びる形状を有する保持ピンと、
前記保持ピンに対して相対回転可能となるように前記保持ピンに保持された固定用ローラと、
前記保持ピンの中心軸と平行な回転軸まわりに回転可能となるように前記アッパーレールに保持された偏心部材であって、前記回転軸から偏倚した位置を通りかつ前記回転軸と平行な偏心中心まわりの偏心外周面を含む前記偏心部材と、
前記偏心外周面に対して摺動する内周面を有し、前記偏心部材に対して前記偏心中心まわりに相対回転可能となるように前記偏心部材に保持された調整用ローラと、
前記回転軸まわりに前記偏心部材と一体的に回転するように前記偏心部材に固定されたレバーと、
前記回転軸まわりに前記偏心部材が前記アッパーレールに対して相対回転するように前記レバーを付勢する付勢部材と、を備え、
前記レバーに作用する前記付勢部材の付勢力の延長線と前記回転軸との間の距離の方が、前記ガイド面に作用する前記調整用ローラの押圧力の延長線と前記回転軸との間の距離よりも大きい、スライダ。
このスライダでは、付勢部材の付勢力によって偏心部材がレバーとともに回転軸まわりアッパーレールに対して相対回転することにより、偏心外周面及びそれに保持された調整用ローラもアッパーレールに対して回転軸まわりに相対回転するため、調整用ローラは、一対のガイド面のうちの一方のガイド面に押し付けられる。そうすると、その反力をアッパーレールが受けるため、保持ピンを介してアッパーレールに保持された固定用ローラは、一対のガイド面のうちの他方のガイド面に押し付けられる。よって、ロアレールに対するアッパーレールのガタつきが抑制される。
さらに、レバーに作用する付勢部材の付勢力の延長線と回転軸との間の距離の方が、ガイド面に作用する調整用ローラの押圧力の延長線と回転軸との間の距離よりも大きいため、調整用ローラによるガイド面の押圧力が付勢部材による付勢力よりも大きくなる。よって、著しい大型化を回避しながら、各ローラによるロアレールの押圧力を増大させることが可能となる。
(態様2)
前記偏心部材は、前記保持ピンを挿通させる挿通孔を含むとともに、前記保持ピンに対して相対回転可能となるように前記保持ピンに保持されている、態様1に記載のスライダ。
(態様3)
前記アッパーレールは、
前記保持ピンを挿通させた状態で当該保持ピンを保持する保持ピン挿通孔と、
前記偏心部材を挿通させた状態で当該偏心部材を保持する偏心部材挿通孔と、を有し、
前記偏心部材は、
前記回転軸まわりに回転する本体と、
前記回転軸と平行な方向における前記本体の端部から前記回転軸と平行な方向における外向きに突出しており、前記偏心外周面を有する突出偏心部と、を有し、
前記レバーは、前記本体に固定されており、
前記調整用ローラは、前記突出偏心部に保持されている、態様1に記載のスライダ。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。