JP7750318B2 - 導電性ペースト、電子部品、及び積層セラミックコンデンサ - Google Patents
導電性ペースト、電子部品、及び積層セラミックコンデンサInfo
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Description
導電性粉末は、特に限定されず、公知の金属粉末を用いることができる。導電性粉末は、例えば、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Cu、およびこれらの合金から選ばれる1種以上の粉末を用いることができる。これらの中でも、導電性、耐食性及びコストの観点から、Ni、またはその合金の粉末(以下、「Ni粉末」と称する場合がある)が好ましい。Ni合金としては、例えば、Mn、Cr、Co、Al、Fe、Cu、Zn、Ag、Au、PtおよびPdからなる群より選択される少なくとも1種以上の元素とNiとの合金を用いることができる。Ni合金におけるNiの含有量は、例えば、50質量%以上、好ましくは80質量%以上である。また、Ni粉末は、脱バインダー処理の際、バインダー樹脂の部分的な熱分解による急激なガス発生を抑制するために、数百ppm程度の元素Sを含んでもよい。
セラミック粉末としては、特に限定されず、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極用ペーストに用いる場合、適用する積層セラミックコンデンサの種類により適宜、公知のセラミック粉末が選択される。セラミック粉末としては、例えば、Ba及びTiを含むペロブスカイト型酸化物が挙げられ、好ましくはチタン酸バリウム(BaTiO3)である。
バインダー樹脂としては、特に限定されず、公知の樹脂を用いることができる。バインダー樹脂としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラールなどのブチラール系樹脂などが挙げられる。中でも、溶剤への溶解性、燃焼分解性の観点などからエチルセルロースを含むことが好ましい。また、内部電極用ペーストに用いる場合、誘電体グリーンシートとの接着強度を向上させる観点からブチラール系樹脂を含む、又は、ブチラール系樹脂を単独で使用してもよい。バインダー樹脂は、1種類を用いてもよく、又は、2種類以上を用いてもよい。また、バインダー樹脂は、各種特性の改善の観点から、セルロース系樹脂とブチラール系樹脂との混合物を用いることが、好ましい。また、バインダー樹脂の分子量は、例えば、20000~200000程度である。
有機溶剤としては、特に限定されず、上記バインダー樹脂を溶解することができる公知の有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、例えば、ジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルアセテート、イソボルニルプロピネート、イソボルニルブチレート及びイソボルニルイソブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのアセテート系溶剤、ターピネオール、ジヒドロターピネオールなどのテルペン系溶剤、トリデカン、ノナン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤などが挙げられる。中でもターピネオールなどのテルペン系溶剤を用いるのが好ましい。なお、有機溶剤は、1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
本発明者らは、導電性ペーストに用いる分散剤について、種々の分散剤を検討した結果、平均分子量が500を超え2000以下であり、かつ、主鎖に対して炭化水素基からなる分岐鎖を1つ以上有する酸系分散剤を用いることにより、導電性ペーストに含有される粉末材料(導電性粉末及びセラミック粉末)の分散性が向上し、かつ、乾燥膜表面の平滑性を向上できることを見出した。この理由の詳細は不明であるが、酸系分散剤が炭化水素基からなる分岐鎖を有することにより、効果的に立体障害を形成して、粉末材料の凝集を抑制するとともに、特定の大きさの分子量とすることで、導電性ペーストに適した粘度を維持できるものと考えられる。以下、本実施形態に用いられる酸系分散剤について、さらに詳細に説明する。
本実施形態の導電性ペーストの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。導電性ペーストは、例えば、上記の各成分(導電性粉末、セラミック粉末、分散剤、バインダー樹脂、有機溶剤など)を混合(攪拌・混練)して、製造することができる。なお、混合(撹拌・混錬)に用いる装置は、特に限定されず、例えば、3本ロールミル、ボールミル、ミキサーなどを用いる。
以下、本発明の電子部品等の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面においては、適宜、模式的に表現することや、縮尺を変更して表現することがある。また、部材の位置や方向などを、適宜、図1などに示すXYZ直交座標系を参照して説明する。このXYZ直交座標系において、X方向およびY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向(上下方向)である。
(導電性粉末スラリーの分散性)
導電性粉末と分散剤、及び有機溶剤からなる評価用の導電性粉末スラリーを作製し、その粘度を測定して分散性を評価した。後述する試験1に記載の配合で評価用の導電性粉末スラリーを作製し、作製1時間後の粘度を、ブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm(ずり速度=4sec-1)の条件で測定した。導電性粉末スラリーの分散性が十分でない場合、導電性粉末(粉末材料)が凝集して凝集粒子を形成し、この凝集粒子の影響により、導電性粉末スラリーの粘度が上昇する。よって、導電性粉末スラリーの粘度が低いほど、分散性に優れることを示す。
セラミック粉末と分散剤、及び有機溶剤からなる評価用のセラミック粉末スラリーを作製し、その粘度を測定して分散性を評価した。後述する試験1に記載の配合で評価用のセラミック粉末スラリーを作製し、作製1時間後の粘度を、ブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm(ずり速度=4sec-1)の条件で測定した。セラミック粉末スラリーの分散性が十分でない場合、セラミック粉末(粉末材料)が凝集して凝集粒子を形成し、セラミック粉末スラリーの粘度が上昇する。よって、セラミック粉末のスラリーの粘度は低いほど、分散性に優れることを示す。
導電性ペーストを作製し、作製24時間経過後の粘度を、ブルックフィールド社製B型粘度計を用いて10rpm(ずり速度=4sec-1)の条件で測定した。導電性ペーストの分散性が十分でない場合、導電性粉末やセラミック粉末(粉末材料)が凝集して凝集粒子を形成し、導電性ペーストの粘度が上昇する。よって、導電性ペーストの粘度は、印刷に適した粘度範囲内で低いほど分散性に優れることを示す。
導電性ペーストをPETフィルム上に載せ、幅50mm、隙間125μmのアプリケータで長さ約100mmに延ばした。得られたPETフィルムを120℃、40分乾燥させて、乾燥膜を形成した後、この乾燥膜を2.54cm(1インチ)角に4枚切断し、PETフィルムをはがした上で各4枚の乾燥膜の厚み、重量を測定して、乾燥膜密度(平均値)を算出した。
2.54cm(1インチ)角の耐熱強化ガラス上に、作製した導電ペーストをスクリー
ン印刷し、大気中120℃で1時間乾燥させることにより、20mm角、膜厚1~3μm
の乾燥膜を作製した。乾燥膜の表面粗さRa(算術平均粗さ)、Rt(最大断面高さ)を、JIS B0601-2001の規格に基づいて測定した。
(導電性粉末)
導電性粉末としては、Ni粉末(SEM平均粒径0.2μm)を使用した。
セラミック粉末としては、チタン酸バリウム(BaTiO3;SEM平均粒径0.05μm)を使用した。
バインダー樹脂としては、エチルセルロース樹脂、及び、ポリビニルブチラール樹脂(PVB樹脂)を使用した。なお、あらかじめバインダー樹脂(バインダー樹脂全量100質量%)に対して、エチルセルロース樹脂50質量%、ポリビニルブチラール樹脂50質量%)を、ターピネオールに溶解させた有機ビヒクルを準備して、この有機ビヒクルを、導電性ペーストを作製する際に用いた。
酸系分散剤として、下記の酸系分散剤A~Eを用いた。
酸系分散剤A、B:平均分子量が、それぞれ1500(酸系分散剤A)、800(酸系分散剤B)である、ポリカルボン酸を主鎖とする炭化水素系グラフト共重合体
酸系分散剤C、D:平均分子量が、それぞれ370(酸系分散剤C)、230(酸系分散剤D)であり、炭化水素基と、2つのカルボキシル基を有する酸系分散剤
酸系分散剤E:平均分子量が350であり、直鎖の炭化水素基(分岐鎖でない)と、1つのカルボキシル基とを有する酸系分散剤(従来の導電性ペーストに使用される酸系分散剤)
塩基系分散剤F:ポリエーテルアミン系分散剤(ポリオキシエチレンラウリルアミン)
塩基系分散剤G:脂肪族アミン系分散剤(ロジンアミン)
有機溶剤として、ターピネオール(テルペン系溶剤)を使用した。
[導電性粉末スラリーの分散性]
導電性粉末(Ni粉末)100質量部、分散剤0.2質量部、及び、有機溶剤(ターピネオール)34質量部からなる、評価用の導電性粉末スラリーを作製し、上記方法で分散性(粘度)を評価した。分散剤としては、酸系分散剤A~Eを用いた。各酸系分散剤に対する評価結果を表1に示す。
セラミック粉末(チタン酸バリウム)100質量部、分散剤0.6質量部、及び、有機溶剤(ターピネオール)33質量部からなる、評価用のセラミック粉末スラリーを作製し、上記方法で分散性(粘度)を評価した。分散剤としては、酸系分散剤A~Eを用いた。各酸系分散剤に対する評価結果を表1に示す。
導電性ペーストを下記の方法で作製し、更に詳細に評価を行った。
導電性ペースト全量(100質量%)に対して、Ni粉末50質量%、セラミック粉末3.8質量%、エチルセルロース樹脂とポリビニルブチラール樹脂からなるバインダー樹脂(エチルセルロース樹脂:ポリビニルブチラール樹脂(質量比)=1:1)を合計で6質量%、酸系分散剤Bを0.05質量%、及び、残部がターピネオールからなる配合で、これらの材料を混合して、導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの分散性(粘度)、乾燥膜密度、乾燥膜の表面粗さを上記方法で評価した。評価結果を表2に示す。なお、実施例1は参考例である。
酸系分散剤の種類、及び、含有量を表2に示した量とした以外は、実施例1と同様の条件で導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度、乾燥膜密度、乾燥膜の表面粗さを上記方法で評価した。評価結果を表2に示す。
分散剤として、酸系分散剤B、及び、塩基系分散剤Fを、表3に示す量で加えた以外は、実施例1と同様の条件で導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度、乾燥膜密度、乾燥膜の表面粗さを上記方法で評価した。評価結果を表3に示す。
分散剤として、酸系分散剤Bの他に塩基系分散剤F又は塩基系分散剤Gを、表4に示す量で加えた以外は、実施例2と同様の条件で導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度、乾燥膜密度、乾燥膜の表面粗さを上記方法で評価した。評価結果を表4に示す。
分散剤を、酸系分散剤Eに変えた以外は、実施例1と同様の条件で導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度、乾燥膜密度、乾燥膜の表面粗さを上記方法で評価した。評価結果を表2に示す。
[比較例2]
分散剤を、酸系分散剤Eに変えた以外は、実施例3と同様の条件で導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度、乾燥膜密度、乾燥膜の表面粗さを上記方法で評価した。評価結果を表2~4に示す。
[比較例3]
分散剤を、酸系分散剤Cに変えた以外は、実施例3と同様の条件で導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度、乾燥膜密度、乾燥膜の表面粗さを上記方法で評価した。評価結果を表2に示す。
[比較例4]
分散剤を、酸系分散剤Eに変えた以外は、実施例2と同様の条件で導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度、乾燥膜密度、乾燥膜の表面粗さを上記方法で評価した。評価結果を表4に示す。
実施例の導電性ペーストは、酸系分散剤C、Eを、実施例で用いた酸系分散剤と同量で用いた比較例の導電性ペーストと比べた場合、導電性ペーストの粘度が低く分散性に優れ、乾燥膜密度が向上し、かつ乾燥膜表面がより平滑であることが確認された。
10 セラミック積層体
11 内部電極層
12 誘電体層
20 外部電極
21 外部電極層
22 メッキ層
Claims (12)
- 導電性粉末、セラミック粉末、分散剤、バインダー樹脂及び有機溶剤を含む導電性ペーストであって、
前記分散剤が酸系分散剤を含み、
前記酸系分散剤は、平均分子量が500を超え2000以下であり、かつ、主鎖に対して炭化水素基からなる分岐鎖を1つ以上有する、ポリカルボン酸を主鎖とする炭化水素系グラフト共重合体であり、
前記酸系分散剤は、前記導電性粉末100質量部に対して、0.2質量部以上5質量部以下含有される、
導電性ペースト。 - 前記分散剤は、さらに塩基系分散剤を含む、請求項1に記載の導電性ペースト。
- 前記塩基系分散剤は、脂肪族アミン及びポリエーテルアミンから選ばれる1種又は2種以上である、請求項2に記載の導電性ペースト。
- 前記塩基系分散剤は、前記導電性粉末100質量部に対して、0.01質量部以上3質量部以下含有される、請求項2又は3に記載の導電性ペースト。
- 前記導電性粉末は、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Cu及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種の金属粉末を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
- 前記導電性粉末は、平均粒径が0.05μm以上1.0μm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
- 前記セラミック粉末は、ペロブスカイト型酸化物を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
- 前記セラミック粉末は、平均粒径が0.01μm以上0.5μm以下であること、請求項1~7のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
- 前記バインダー樹脂は、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂及びブチラール系樹脂のうち少なくとも1つを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
- 積層セラミック部品の内部電極用である、請求項1~9のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の導電性ペーストを用いて形成される電子部品。
- 誘電体層と内部電極層とを積層した積層体を少なくとも有し、
前記内部電極層は、請求項1~10のいずれか一項に記載の導電性ペーストを用いて形成される積層セラミックコンデンサ。
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