以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
本明細書において,用語「炭素数1から6の直鎖アルキル基」は,炭素数1から6の任意の直鎖アルキル基をいい,具体的にはメチル基,エチル基,n-プロピル基,n-ブチル基,n-ペンチル基,またはn-ヘキシル基をいう。
本明細書において,用語「炭素数1から6の直鎖アルコキシ基」は,炭素数1から6の任意の直鎖アルキル基を有するアルコキシ基を包含する。例えば,メチルオキシ基,エチルオキシ基,n-プロピルオキシ基などが挙げられる。本明細書において,用語「炭素数1から6の直鎖または分岐鎖アルコキシ基」は,炭素数1から6の任意の直鎖または分岐鎖アルキル基を有するアルコキシ基を包含する。例えば,メチルオキシ基,エチルオキシ基,n-プロピルオキシ基,イソプロピルオキシ基,n-ブチルオキシ基,イソブチルオキシ基,tert-ブチルオキシ基,n-ペンチルオキシ基,イソペンチルオキシ基などが挙げられる。
本明細書において,用語「炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基」は,炭素数1から6の任意の直鎖アルキル基を有するアルキルチオ基を包含する。例えば,メチルチオ基,エチルチオ基,n-プロピルチオ基などが挙げられる。本明細書において,用語「炭素数1から6の直鎖または分岐鎖アルキルチオ基」は,炭素数1から6の任意の直鎖または分岐鎖アルキル基を有するアルキルチオ基を包含する。例えば,メチルチオ基,エチルチオ基,n-プロピルチオ基,イソプロピルチオ基,n-ブチルチオ基,イソブチルチオ基,tert-ブチルチオ基,n-ペンチルチオ基,イソペンチルチオ基などが挙げられる。
本明細書において,用語「炭素数1から6のシアノアルコキシ基」は,上記炭素数1から6の直鎖アルコキシ基を構成する少なくとも1つの水素原子がシアノ基で置換された基をいう。
本明細書において,用語「炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基」は,アミノ基を構成する水素原子の1つまたは2つが,炭素数1から6の直鎖アルキル基で置換された基を包含する。例えば,メチルアミノ基,ジメチルアミノ基,エチルアミノ基,メチルエチルアミノ基,ジエチルアミノ基などが挙げられる。本明細書において,用語「炭素数1から6の直鎖または分岐鎖アルキルアミノ基」は,アミノ基を構成する水素原子の1つまたは2つが,炭素数1から6の任意の直鎖または分岐鎖アルキル基で置換された基を包含する。例えば,メチルアミノ基,ジメチルアミノ基,エチルアミノ基,メチルエチルアミノ基,ジエチルアミノ基,n-プロピルアミノ基,ジn-プロピルアミノ基,イソプロピルアミノ基,ジイソプロピルアミノ基などが挙げられる。
本明細書において,用語「分岐または環を形成していてもよい炭素数1から7のアルキル基」は,炭素数1から7の任意の直鎖アルキル基,炭素数3から7の任意の分岐鎖アルキル基,および炭素数3から7の任意の環状アルキル基を包含する。単に,「低級アルキル基」という場合もある。例えば,炭素数1から7の任意の直鎖アルキル基としては,メチル基,エチル基,n-プロピル基,n-ブチル基,n-ペンチル基,n-ヘキシル基,およびn-ヘプチル基が挙げられ,炭素数3から7の任意の分岐鎖アルキル基としては,イソプロピル基,イソブチル基,tert-ブチル基,イソペンチル基などが挙げられ,そして炭素数3から7の任意の環状アルキル基としては,シクロブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基などが挙げられる。
本明細書において,用語「分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基」は,炭素数2から7の任意の直鎖アルケニル基,炭素数3から7の任意の分岐鎖アルケニル基,および炭素数3から7の任意の環状アルケニル基を包含する。単に,「低級アルケニル基」という場合もある。例えば,炭素数2から7の任意の直鎖アルケニル基としては,エテニル基,1-プロペニル基,2-プロペニル基,1-ブテニル基,2-ブテニル基,1-ペンテニル基,2-ペンテニル基,3-ペンテニル基,4-ペンテニル基,1-ヘキセニル基などが挙げられ,炭素数3から7の任意の分岐鎖アルケニル基としては,イソプロペニル基,1-メチル-1-プロペニル基,1-メチル-2-プロペニル基,2-メチル-1-プロペニル基,2-メチル-2-プロペニル基,1-メチル-2-ブテニル基などが挙げられ,そして炭素数3から7の任意の環状アルケニル基としては,シクロブテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基などが挙げられる。本明細書において,用語「分岐または環を形成していてもよい炭素数2から7のアルケニル基」は,炭素数2から7の任意の直鎖アルケニル基,炭素数3から7の任意の分岐鎖アルケニル基,および炭素数3から7の任意の環状アルケニル基を包含する。単に,「低級アルケニル基」という場合もある。例えば,炭素数2から7の任意の直鎖アルケニル基としては,エテニル基,1-プロペニル基,2-プロペニル基,1-ブテニル基,2-ブテニル基,1-ペンテニル基,2-ペンテニル基,3-ペンテニル基,4-ペンテニル基,1-ヘキセニル基などが挙げられ,炭素数3から7の任意の分岐鎖アルケニル基としては,イソプロペニル基,1-メチル-1-プロペニル基,1-メチル-2-プロペニル基,2-メチル-1-プロペニル基,2-メチル-2-プロペニル基,1-メチル-2-ブテニル基などが挙げられ,そして炭素数3から7の任意の環状アルケニル基としては,シクロブテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基などが挙げられる。
本明細書において,用語「アルキニル基」は,隣接する炭素間に少なくとも1つの三重結合を更に含有する,上で定義される任意のアルキル又はアルケニルを意味する。代表的な直鎖状及び分枝鎖状アルキニルは,アセチレニル,プロピニル,1-ブチニル,2-ブチニル,1-ペンチニル,2-ペンチニル,3-メチル-1ブチニルを含む。
本明細書において,用語「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール基」は,炭化水素のみで構成された,炭素数6から12の任意のアリール基と,当アリール基の環構造を構成する少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子(例えば,窒素原子,酸素原子,および硫黄原子,ならびにこれらの組合せ)で置換された,炭素数3から12の任意のヘテロアリール基とを包含する。当該炭素数6から12のアリール基としては,フェニル基,ナフチル基,インデニル基,アズレニル基などが挙げられ,そして当該炭素数3から12の任意のヘテロアリール基としては,ピリジル基,ピロリル基,キノリル基,インドリル基,イミダゾリル基,フリル基,チエニル基などが挙げられる。
本明細書において,用語「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数3から12のアリール部分を有するアラルキル基」の例としては,ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基,3-フェニルプロピル基,2-フェニルプロピル基,4-フェニルブチル基,2-フェニルブチル基,ピリジルメチル基,インドリルメチル基,フリルメチル基,チエニルメチル基,ピロリルメチル基,2-ピリジルエチル基,1-ピリジルエチル基,3-チエニルプロピル基などが挙げられる。
本明細書において,用語「アシル基」の例としては,脂肪族アシル基および芳香族アシル基が挙げられる。具体的には,脂肪族アシル基の例としては,ホルミル基,アセチル基,プロピオニル基,ブチリル基,イソブチリル基,ペンタノイル基,ピバロイル基,バレリル基,イソバレリル基,オクタノイル基,ノナノイル基,デカノイル基,3-メチルノナノイル基,8-メチルノナノイル基,3-エチルオクタノイル基,3,7-ジメチルオクタノイル基,ウンデカノイル基,ドデカノイル基,トリデカノイル基,テトラデカノイル基,ペンタデカノイル基,ヘキサデカノイル基,1-メチルペンタデカノイル基,14-メチルペンタデカノイル基,13,13-ジメチルテトラデカノイル基,ヘプタデカノイル基,15-メチルヘキサデカノイル基,オクタデカノイル基,1-メチルヘプタデカノイル基,ノナデカノイル基,アイコサノイル基およびヘナイコサノイル基のようなアルキルカルボニル基;スクシノイル基,グルタロイル基,アジポイル基のようなカルボキシ化アルキルカルボニル基;クロロアセチル基,ジクロロアセチル基,トリクロロアセチル基,トリフルオロアセチル基のようなハロゲノ低級アルキルカルボニル基;メトキシアセチル基のような低級アルコキシ低級アルキルカルボニル基;(E)-2-メチル-2-ブテノイル基のような不飽和アルキルカルボニル基が挙げられる。また,芳香族アシル基の例としては,ベンゾイル基,α-ナフトイル基,β-ナフトイル基のようなアリールカルボニル基;2-ブロモベンゾイル基,4-クロロベンゾイル基のようなハロゲノアリールカルボニル基;2,4,6-トリメチルベンゾイル基,4-トルオイル基のような低級アルキル化アリールカルボニル基;4-アニソイル基のような低級アルコキシ化アリールカルボニル基;2-カルボキシベンゾイル基,3-カルボキシベンゾイル基,4-カルボキシベンゾイル基のようなカルボキシ化アリールカルボニル基;4-ニトロベンゾイル基,2-ニトロベンゾイル基のようなニトロ化アリールカルボニル基;2-(メトキシカルボニル)ベンゾイル基のような低級アルコキシカルボニル化アリールカルボニル基;4-フェニルベンゾイル基のようなアリール化アリールカルボニル基などが挙げられる。好適には,ホルミル基,アセチル基,プロピオニル基,ブチリル基,イソブチリル基,ペンタノイル基,ピバロイル基,ベンゾイル基である。
本明細書において,用語「シリル基」の例としては,トリメチルシリル基,トリエチルシリル基,イソプロピルジメチルシリル基,t-ブチルジメチルシリル基,メチルジイソプロピルシリル基,メチルジ-t-ブチルシリル基,トリイソプロピルシリル基のようなトリ低級アルキルシリル基;ジフェニルメチルシリル基,ブチルジフェニルブチルシリル基,ジフェニルイソプロピルシリル基,フェニルジイソプロピルシリル基のような1~2個のアリール基で置換されたトリ低級アルキルシリル基などが挙げられる。好適には,トリメチルシリル基,トリエチルシリル基,トリイソプロピルシリル基,t-ブチルジメチルシリル基,t-ブチルジフェニルシリル基であり,さらに好適にはトリメチルシリル基である。
本明細書において,用語「ハロゲン原子」としては,例えば,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,またはヨウ素原子が挙げられる。好適には,フッ素原子または塩素原子である。
本明細書において,用語「核酸合成のアミノ基の保護基」,「核酸合成の水酸基の保護基」,「核酸合成の保護基で保護された水酸基」,「核酸合成の保護基で保護されたリン酸基」,「核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基」の「保護基」とは,核酸合成の際に安定してアミノ基,水酸基,リン酸基またはメルカプト基を保護し得るものであれば,特に制限されない。具体的には,酸性または中性条件で安定であり,加水素分解,加水分解,電気分解,および光分解のような化学的方法により開裂し得る保護基のことをいう。このような保護基としては,例えば,低級アルキル基,低級アルケニル基,アシル基,テトラヒドロピラニルまたはテトラヒドロチオピラニル基,テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロチオフラニル基,シリル基,低級アルコキシメチル基,低級アルコキシ化低級アルコキシメチル基,ハロゲノ低級アルコキシメチル基,低級アルコキシ化エチル基,ハロゲン化エチル基,1~3個のアリール基で置換されたメチル基,「低級アルキル基,低級アルコキシ基,ハロゲン原子またはシアノ基でアリール環が置換された1~3個のアリール基で置換されたメチル基」,低級アルコキシカルボニル基,「ハロゲン原子,低級アルコキシ基またはニトロ基で置換されたアリール基」,「ハロゲン原子またはトリ低級アルキルシリル基で置換された低級アルコキシカルボニル基」,アルケニルオキシカルボニル基,「低級アルコキシまたはニトロ基でアリール環が置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基」などが挙げられる。
より具体的には,テトラヒドロピラニル基またはテトラヒドロチオピラニル基としては,テトラヒドロピラン-2-イル基,3-ブロモテトラヒドロピラン-2-イル基,4-メトキシテトラヒドロピラン-4-イル基,テトラヒドロチオピラン-4-イル基,4-メトキシテトラヒドロチオピラン-4-イル基などが挙げられる。テトラヒドロフラニル基またはテトラヒドロチオフラニル基としては,テトラヒドロフラン-2-イル基,テトラヒドロチオフラン-2-イル基が挙げられる。低級アルコキシメチル基としては,メトキシメチル基,1,1-ジメチル-1-メトキシメチル基,エトキシメチル基,プロポキシメチル基,イソプロポキシメチル基,ブトキシメチル基,t-ブトキシメチル基などが挙げられる。低級アルコキシ化低級アルコキシメチル基としては,2-メトキシエトキシメチル基などが挙げられる。ハロゲノ低級アルコキシメチル基としては,2,2,2-トリクロロエトキシメチル基,ビス(2-クロロエトキシ)メチル基などが挙げられる。低級アルコキシ化エチル基としては,1-エトキシエチル基,1-(イソプロポキシ)エチル基などが挙げられる。ハロゲン化エチル基としては,2,2,2-トリクロロエチル基などが挙げられる。1~3個のアリール基で置換されたメチル基としては,ベンジル基,α-ナフチルメチル基,β-ナフチルメチル基,ジフェニルメチル基,トリフェニルメチル基,α-ナフチルジフェニルメチル基,9-アンスリルメチル基などが挙げられる。「低級アルキル基,低級アルコキシ基,ハロゲン原子またはシアノ基でアリール環が置換された1~3個のアリール基で置換されたメチル基」としては,4-メチルベンジル基,2,4,6-トリメチルベンジル基,3,4,5-トリメチルベンジル基,4-メトキシベンジル基,4-メトキシフェニルジフェニルメチル基,4,4’-ジメトキシトリフェニルメチル基,2-ニトロベンジル基,4-ニトロベンジル基,4-クロロベンジル基,4-ブロモベンジル基,4-シアノベンジル基などが挙げられる。低級アルコキシカルボニル基としては,メトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基,t-ブトキシカルボニル基,イソブトキシカルボニル基などが挙げられる。「ハロゲン原子,低級アルコキシ基またはニトロ基で置換されたアリール基」としては,4-クロロフェニル基,2-フロロフェニル基,4-メトキシフェニル基,4-ニトロフェニル基,2,4-ジニトロフェニル基などが挙げられる。「ハロゲン原子またはトリ低級アルキルシリル基で置換された低級アルコキシカルボニル基」としては,2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基,2-トリメチルシリルエトキシカルボニル基などが挙げられる。アルケニルオキシカルボニル基としては,ビニルオキシカルボニル基,アリールオキシカルボニル基などが挙げられる。「低級アルコキシまたはニトロ基でアリール環が置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基」としては,ベンジルオキシカルボニル基,4-メトキシベンジルオキシカルボニル基,3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル基,2-ニトロベンジルオキシカルボニル基,4-ニトロベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。
「核酸合成の水酸基の保護基」としては,好適には,脂肪族アシル基,芳香族アシル基,1~3個のアリール基で置換されたメチル基,「低級アルキル,低級アルコキシ,ハロゲン,シアノ基でアリール環が置換された1~3個のアリール基で置換されたメチル基」,またはシリル基であり,さらに好適には,アセチル基,ベンゾイル基,ベンジル基,p-メトキシベンゾイル基,ジメトキシトリチル基,モノメトキシトリチル基またはtert-ブチルジフェニルシリル基である。「核酸合成の保護基で保護された水酸基」の保護基としては,好適には,脂肪族アシル基,芳香族アシル基,「1~3個のアリール基で置換されたメチル基」,「ハロゲン原子,低級アルコキシ基またはニトロ基で置換されたアリール基」,低級アルキル基,または低級アルケニル基であり,さらに好適には,ベンゾイル基,ベンジル基,2-クロロフェニル基,4-クロロフェニル基または2-プロペニル基である。「核酸合成のアミノ基の保護基」としては,好適には,アシル基であり,さらに好適には,ベンゾイル基である。「核酸合成の保護基で保護されたリン酸基」の「保護基」としては,好適には,低級アルキル基,シアノ基で置換された低級アルキル基,アラルキル基,「ニトロ基またはハロゲン原子でアリール環が置換されたアラルキル基」または「低級アルキル基,ハロゲン原子,またはニトロ基で置換されたアリール基」であり,さらに好適には,2-シアノエチル基,2,2,2-トリクロロエチル基,ベンジル基,2-クロロフェニル基または4-クロロフェニル基である。「核酸合成の保護基で保護されたリン酸基」を構成する保護基は1つまたはそれ以上であり得る。「核酸合成の保護基で保護されたメルカプト基」の「保護基」としては,好適には,脂肪族アシル基または芳香族アシル基であり,さらに好適には,ベンゾイル基である。
本明細書において,用語「ヌクレオシド」とは,人工ヌクレオシドおよびヌクレオシド類縁体を包含し,プリンまたはピリミジン塩基と糖とが結合した「ヌクレオシド」のうち非天然型のもの,ならびに,プリンおよびピリミジン以外の芳香族複素環および芳香族炭化水素環でプリンまたはピリミジン塩基との代用が可能なものと糖が結合したものをいう。本明細書において,ヌクレオシドは,糖部分が非天然の糖を有するもの,特に2'位と4'位の炭素原子が架橋されているリボースを有するものが好ましい。
本明細書において,用語「オリゴヌクレオチド」とは,人工オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド類縁体を包含し,同一または異なる「ヌクレオシド」が天然および非天然のリン含有連結基,例えば,リン酸ジエステル結合,ホスホロチオエート基,アルキルホスホネート結合,ホスホロジアミデート結合,ボラノホスフェート結合等で2個以上結合したものをいい,好ましくは2から100個までの,より好ましくは5から50個までの人工ヌクレオチドが結合したもの,またはこれらの相補鎖と2重鎖を形成したものをいう。
本明細書において,用語「その薬理学上許容される塩」は,例えば,式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩,又は式(II)で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ有するオリゴヌクレオチドの薬学的に許容される塩を意味する。そのような塩としては,例えば,ナトリウム塩,カリウム塩,リチウム塩のようなアルカリ金属塩,カルシウム塩,マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩,アルミニウム塩,鉄塩,亜鉛塩,銅塩,ニッケル塩,コバルト塩などの金属塩;アンモニウム塩のような無機塩,t-オクチルアミン塩,ジベンジルアミン塩,モルホリン塩,グルコサミン塩,フェニルグリシンアルキルエステル塩,エチレンジアミン塩,N-メチルグルカミン塩,グアニジン塩,ジエチルアミン塩,トリエチルアミン塩,ジシクロヘキシルアミン塩,N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩,クロロプロカイン塩,プロカイン塩,ジエタノールアミン塩,N-ベンジル-フェネチルアミン塩,ピペラジン塩,テトラメチルアンモニウム塩,トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;フッ化水素酸塩,塩酸塩,臭化水素酸塩,ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン原子化水素酸塩,硝酸塩,過塩素酸塩,硫酸塩,リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩,トリフルオロメタンスルホン酸塩,エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩,ベンゼンスルホン酸塩,p-トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩,酢酸塩,リンゴ酸塩,フマル酸塩,コハク酸塩,クエン酸塩,酒石酸塩,シュウ酸塩,マレイン酸塩等の有機酸塩;および,グリシン塩,リジン塩,アルギニン塩,オルニチン塩,グルタミン酸塩,アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩が挙げられる。
その薬学的に許容される溶媒和物は,例えば式(I)で表される化合物の薬学的に許容される溶媒和物,又は式(II)で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ有するオリゴヌクレオチドの薬学的に許容される溶媒和物を意味する。溶媒和物の例は,水和物である。
「Base」は,例えば,プリン塩基(すなわち,プリン-9-イル基)またはピリミジン塩基(すなわち,2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基)である。これらの塩基は,水酸基,炭素数1から6の直鎖アルキル基,炭素数1から6の直鎖アルコキシ基,メルカプト基,炭素数1から6の直鎖アルキルチオ基,アミノ基,炭素数1から6の直鎖アルキルアミノ基,およびハロゲン原子からなるα群より選択される任意の置換基を1以上有していてもよい。
上記「Base」の具体例としては,6-アミノプリン-9-イル基(アデニニル基),2,6-ジアミノプリン-9-イル基,2-アミノ-6-クロロプリン-9-イル基,2-アミノ-6-フルオロプリン-9-イル基,2-アミノ-6-ブロモプリン-9-イル基,2-アミノ-6-ヒドロキシプリン-9-イル基(グアニニル基),6-アミノ-2-メトキシプリン-9-イル基,6-アミノ-2-クロロプリン-9-イル基,6-アミノ-2-フルオロプリン-9-イル基,2,6-ジメトキシプリン-9-イル基,2,6-ジクロロプリン-9-イル基,6-メルカプトプリン-9-イル基,2-オキソ-4-アミノ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基(シトシニル基),4-アミノ-2-オキソ-5-フルオロ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基,4-アミノ-2-オキソ-5-クロロ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基,2-オキソ-4-メトキシ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基,2-オキソ-4-メルカプト-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基,2-オキソ-4-ヒドロキシ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基(ウラシリル基),2-オキソ-4-ヒドロキシ-5-メチル-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基(チミニル基),および4-アミノ-5-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基が挙げられる。
中でも,「Base」は,核酸医薬への導入という観点から,2-オキソ-4-ヒドロキシ-5-メチル-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基(チミニル基),2-オキソ-4-アミノ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基(シトシニル基),6-アミノプリン-9-イル基(アデニニル基),2-アミノ-6-ヒドロキシプリン-9-イル基(グアニニル基),4-アミノ-5-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基,および2-オキソ-4-ヒドロキシ-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基(ウラシリル基)が好適であり,特に,2-オキソ-4-ヒドロキシ-5-メチル-1,2-ジヒドロピリミジン-1-イル基(チミニル基)が好適である。また,オリゴヌクレオチドの合成の際には,水酸基およびアミノ基が保護基により保護されていることが好ましい。
このようなヌクレオシド構造を含むオリゴヌクレオチド類縁体(アンチセンス分子)は,例えば,従来のEoNAを用いる場合と比較して,酵素耐性能が飛躍的に向上する。また,当該EoNAを上回る一本鎖RNA(ssRNA)結合親和性を有する。
これらのことから,式(I)で表される化合物の薬学的に許容される溶媒和物,又は式(II)で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ有するオリゴヌクレオチドの薬学的に許容される溶媒和物(オリゴヌクレオチド類縁体)は,抗腫瘍剤,抗ウイルス剤をはじめとした,特定の遺伝子の働きを阻害して疾病を治療する医薬品(アンチセンス分子)としての有用性が期待される。
特に,アンチセンス法では,相補センス鎖RNAに対する結合親和性および生体内DNA分解酵素への耐性の両方が必要とされる。一般的に,核酸は,一本鎖状態では,糖部の構造が絶えずDNA二重鎖に近い形と,DNA-RNA二重鎖やRNA二重鎖に近い形との間で揺らいでいることが知られている。一本鎖核酸が相補的なRNA鎖と二重鎖を形成する場合,その糖部構造は固定される。そこで,本発明の2’,4’-架橋型ヌクレオシドでは,糖部を予め二重鎖を形成する場合の状態に固定されているため,目的のRNA鎖と二重鎖を形成しやすく,安定に存在させることができる。また,核酸二重鎖は,水分子のネットワークと呼ばれる鎖のようにつながった水和水により安定化されていることも知られている。
本発明のオリゴヌクレオチド類縁体は,例えば,賦形剤,結合剤,防腐剤,酸化安定剤,崩壊剤,滑沢剤,矯味剤などの医薬の製剤技術分野において通常用いられる補助剤を配合して,非経口投与製剤またはリポソーム製剤とすることができる。また,例えば,当該技術分野で通常用いられる医薬用担体を配合して,液剤,クリーム剤,軟膏剤などの局所用の製剤を調製することができる。
アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与方法及び製剤は,例えば,以下の文献にも開示されている。国際公開第2004/016749号,国際公開第2005/083124号,国際公開2007/143315号,国際公開第2009/071680号,国際公開第2013/089283号。
上記の製剤の投与は,治療される病態の重度と反応度に依存し,治療コースは,数日から数ヶ月,あるいは,治癒が実現されるまで,又は,病状の減退が達成されるまで持続する。最適投与スケジュールは,生体における薬剤蓄積の測定から計算が可能である。当該分野の当業者であれば,最適用量,投与法,及び,繰り返し頻度を定めることができる。最適用量は,個々のアンチセンスオリゴヌクレオチドの相対的効力に応じて変動するが,一般に,インビトロ及びインビボの動物実験におけるIC50又はEC50に基づいて計算することが可能である。例えば,アンチセンスオリゴヌクレオチドの分子量(アンチセンスオリゴヌクレオチド配列及び化学構造から導かれる)と,例えば,IC50のような効果的用量(実験的に導かれる)が与えられたならば,mg/kgで表される用量が通例にしたがって計算される。
すなわち,本明細書は,対象に(1)式(I)で表される化合物,その薬学的に許容される塩,またはその薬学的に許容される溶媒和物,(2)式(II)で表されるヌクレオシド構造を少なくとも1つ有するオリゴヌクレオチド,その薬学的に許容される塩,またはその薬学的に許容される溶媒和物,又は(3)これらを含む医薬(製剤)を投与する工程を含む,対象疾患の治療方法や予防方法をも提供する。
チミン塩基アナログの合成
化合物2:アルゴン気流下、文献(J. Org. Chem. 2019, 84, 13336-13344)に従って合成した化合物1 (957 mg, 1.81 mmol) の無水塩化メチレン溶液 (15 mL) に0°Cで10-カンファースルホン酸 (21 mg, 0.09 mmol) を加え、室温で40分間撹拌した。反応終了後、反応液を飽和重曹水で中和し、酢酸エチル (100 mL) で希釈した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (956 mg) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 3:1) で精製し、化合物2 (934 mg, 収率98%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 0.08 (3H, s), 0.11 (3H, s), 0.14 (3H, s), 0.16 (3H, s), 0.93 (9H, s), 0.96 (9H, s), 1.39 (3H, d, J = 5.0 Hz), 1.94 (3H, d, J = 1.0 Hz), 3.79 (2H, s), 3.87 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.26 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.39 (1H, q, J = 5.0 Hz), 6.16 (1H, s), 7.68 (1H, d, J = 1.0 Hz), 8.55 (1H, brs). HRMS (ESI): Calcd for C24H44N2NaO7Si2 [MNa+] 551.2585, found 551.2585.
化合物3:化合物2 (162 mg, 0.31 mmol) のテトラヒドロフラン溶液 (9 mL) に室温でテトラブチルアンモニウムフルオリド (1M テトラヒドロフラン溶液, 0.64 mL, 0.64 mmol)を加え、2時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去して粗成績体 (304 mg) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 20:1) で精製し、化合物3 (87 mg, 収率95%) を白色固体として得た。1H NMR (CD3OD)δ: 1.40 (3H, d, J = 5.0 Hz), 1.86 (3H, d, J = 1.0 Hz), 3.68, 3.73 (2H, AB, J = 12.0 Hz), 3.91 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.33 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.46 (1H, q, J = 5.0 Hz), 6.19 (1H, s), 8.02 (1H, q, J = 1.0 Hz). HRMS (ESI): Calcd for C12H16N2NaO7 [MNa+] 323.0855, found 323.0858.
化合物4:アルゴン気流下、化合物3 (145 mg, 0.48 mmol) の無水ピリジン溶液 (3 mL) に室温で4,4'-ジメトキシトリチルクロリド (489 mg, 1.44 mmol) を加え、室温で6時間撹拌した。反応終了後、メタノールを加えてクエンチし、室温で30分間撹拌した。酢酸エチルで希釈した後、有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (739 mg) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 50:1→20:1) で精製し、化合物4 (290 mg) を定量的に白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.28 (3H, s), 1.36 (3H, d, J = 5.0 Hz), 3.10 (1H, d, J = 11.0 Hz), 3.39, 3.48 (2H, AB, J = 10.0 Hz), 3.76 (6H, s), 4.32 (1H, dd, J = 3.0, 11.0 Hz), 4.48 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.38 (1H, q, J = 5 Hz), 6.22 (1H, s), 6.84 (4H, d, J = 7.5 Hz), 7.19-7.45 (9H, m), 7.80 (1H, s), 10.03 (1H, brs). HRMS (ESI): Calcd for C33H34N2NaO9 [MNa+] 625.2162, found 625.2161.
化合物5:アルゴン気流下、化合物4 (96 mg, 0.16 mmol) の無水ジクロロメタン溶液 (2 mL) にN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.42 mL, 2.4 mmol) を加え、0°Cで2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミジド (0.18 mL, 0.8 mmol) を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水を加えクエンチし、室温で30分間撹拌した後、酢酸エチルで希釈した。有機層を水で1回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (244 mg) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 1:1) で精製し、化合物5 (114 mg, 収率89%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.07-1.34 (18H, m), 2.34-2.46 (1H, m), 2.55-2.63 (1H, m), 3.35-3.40 (1H, m), 3.50-3.95 (11H, m), 4.29 (0.5H, dd, J = 3.0, 7.0 Hz), 4.33 (0.5H, dd, J = 3.0, 8.0 Hz), 4.58 (0.5H, d, J = 3.0 Hz), 4.61 (0.5H, d, J = 3.0 Hz), 5.36-5.42 (1H, m), 6.19 (0.5H, s), 6.20 (0.5H, s), 6.81-6.86 (4H, m), 7.23-7.42 (9H, m), 7.82 (0.5H, s), 7.83 (0.5H, s), 8.34 (1H, brs), 8.38 (1H, brs). 31P NMR (CDCl3) δ: 149.4, 149.5. HRMS (ESI): Calcd for C42H51N4NaO10P [MNa+] 825.3241, found 825.3243.
5-メチルシトシン塩基アナログの合成
化合物6:アルゴン気流下、化合物2 (204 mg, 0.39 mmol) の無水アセトニトリル溶液 (4 mL) に室温でトリエチルアミン (0.267 mL, 1.93 mmol)、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド (TPSCl) (198 mg, 0.66 mmol)、4,4-ジメチルアミノピリジン (9.0 mg, 0.077 mmol) を加え、室温で4時間撹拌した。反応終了後、28%アンモニア水溶液 (2 mL) を加え、さらに室温で4時間撹拌した。酢酸エチルで希釈した後、有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (380 mg) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 30:1 → 10:1) で精製し、化合物6 (164 mg, 収率81%) を淡褐色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 0.04 (3H, s), 0.08 (3H, s), 0.14 (3H, s), 0.17 (3H, s), 0.91 (9H, s), 0.96 (9H, s), 1.38 (3H, d, J = 5.0 Hz), 1.95 (3H, s), 3.78 (2H, s), 3.82 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.34 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.42 (1H, q, J = 5.0 Hz), 6.22 (1H, s), 7.73 (1H, brs). HRMS (MALDI): Calcd for C24H45N3NaO6Si2 [MNa+] 550.2739, found 550.2728.
化合物7:アルゴン気流下、化合物6 (54 mg, 0.10 mmol) の無水ジメチルホルムアミド溶液 (1 mL) に室温で安息香酸無水物 (28 mg, 0.12 mmol) を加え、室温で18時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルで希釈した後、有機層を飽和重層水:水 (1:1) で2回、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (71 mg) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 100:1) で精製し、化合物7 (48 mg, 収率74%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 0.08 (3H, s), 0.11 (3H, s), 0.16 (3H, s), 0.19 (3H, s), 0.93 (9H, s), 0.98 (9H, s), 1.40 (3H, d, J = 5.0 Hz), 2.14 (3H, s), 3.81 (2H, s), 3.87 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.32 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.40 (1H, q, J = 5.0 Hz), 6.20 (1H, s), 7.42-7.56 (3H, m), 7.85 (1H, s), 8.32 (1H, d, J = 7.0 Hz). HRMS (MALDI): Calcd for C31H49N3NaO7Si2 [MNa+] 654.3001, found 654.3007.
化合物8:化合物7 (84 mg, 0.16 mmol) のテトラヒドロフラン溶液 (4 mL) に室温でテトラブチルアンモニウムフルオリド (1M テトラヒドロフラン溶液, 0.35 mL, 0.35 mmol)を加え、3時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去して粗成績体 (179 mg) を得た。粗成績体をアセトンに溶かし、シリカゲル (300 mg) を加えた後、再び溶媒を減圧留去した。ドライチャージにてシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/酢酸エチル = 2:1) を行い、化合物8 (54 mg, 収率84%) を白色固体として得た。1H NMR (CD3COCD3)δ: 1.39 (3H, d, J = 5.0 Hz), 2.07 (3H, s), 3.71-3.84 (2H, m), 4.00-4.11 (2H, m), 4.47 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.95 (1H, t, J = 5.5 Hz), 5.53 (1H, q, J = 5.0 Hz), 6.28 (1H, s), 7.44-7.59 (3H, m), 8.29-8.33 (3H, m). HRMS (ESI): Calcd for C19H21N3NaO7 [MNa+] 426.1277, found 426.1277.
化合物9:アルゴン気流下、化合物8 (35 mg, 0.088 mmol) の無水ピリジン溶液 (1 mL) に室温で4,4'-ジメトキシトリチルクロリド (51 mg, 0.15 mmol) を加え、室温で4時間撹拌した。反応終了後、飽和重層水を加えてクエンチし、酢酸エチルで希釈した後、有機層を飽和重層水で2回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (97 mg) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 3:2) で精製し、化合物9 (37 mg, 収率60%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.39 (3H, d, J = 5.0 Hz), 1.45 (3H, s), 2.65 (1H, brd, J = 10.0 Hz), 3.41, 3.47 (2H, AB, J = 10.5 Hz), 3.80 (3H, s), 3.81 (3H, s), 4.29 (1H, brm), 4.49 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.39 (1H, q, J = 5 Hz), 6.25 (1H, s), 6.85-6.89 (4H, m), 7.27-7.55 (12H, m), 7.94 (1H, s), 8.29 (1H, d, J = 7.0 Hz). HRMS (ESI): Calcd for C40H39N3NaO9 [MNa+] 728.2584, found 727.2589.
化合物10:アルゴン気流下、化合物9 (37 mg, 0.052 mmol) の無水ジクロロメタン溶液 (1 mL) にN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.14 mL, 0.79 mmol) を加え、0°Cで2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミジド (0.059 mL, 0.26 mmol) を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水を加えクエンチし、室温で30分間撹拌した後、酢酸エチルで希釈した。有機層を水で1回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (105 mg) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 2:1) で精製し、化合物10 (31 mg, 収率66%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.07-1.37 (18H, m), 2.34-2.62 (2H, m), 3.37-3.42 (1H, m), 3.51-3.90 (11H, m), 4.32-4.36 (1H, m), 4.62 (0.5H, d, J = 3.0 Hz), 4.65 (0.5H, d, J = 3.0 Hz), 5.39-5.42 (1H, m), 6.24 (0.5H, s), 6.25 (0.5H, s), 6.83-6.89 (4H, m), 7.27-7.54 (12H, m), 8.00 (1H, s), 8.29 (1H, d, J = 8.0 Hz), 13.4 (1H, brs). 31P NMR (CDCl3) δ: 149.6, 149.7. HRMS (ESI): Calcd for C49H57N5O10P [MH+] 906.3843, found 906.3847.
チミン塩基アナログの別途合成
化合物12:アルゴン気流下、文献 (Org. Lett. 2013, 15, 3702-3705) に従って合成した化合物11 (5 g, 20.8 mmol) の無水塩化メチレン溶液 (100 mL) に室温で1,1’-カルボニルジイミダゾール (5.1 g, 31.2 mmol) を加え、15時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去して粗成績体 (10.5 g) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 20:1 → 10:1) で精製し、化合物12 (4.6 g, 収率83%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.97 (3H, d, J = 1.0 Hz), 4.56 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.74 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.54 (1H, s), 5.58 (1H, d, J = 7.0 Hz), 5.77 (1H, d, J = 7.0 Hz), 7.07 (1H, d, J = 1.0 Hz), 8.60 (1H, brs). HRMS (EI): Calcd for C11H10N2O6 [M+] 266.0539, found 266.0540.
化合物13:アルゴン気流下、化合物12 (4.5 g, 16.9 mmol) の無水ジメチルホルムアミド溶液 (80 mL) に0゜Cで1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン (5 mL, 33.8 mmol)、ベンジルクロロメチルエーテル (3.5 mL, 25.4 mmol) を加えた後、1時間撹拌した。反応終了後、反応液に0゜Cで飽和重曹水を加えてクエンチし、室温で30分間撹拌した。水で希釈した後、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (5.4 g) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 100:1 → 50:1) で精製し、化合物13 (4.9 g, 収率75%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.94 (3H, d, J = 1.0 Hz), 4.56 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.64 and 4.69 (2H, AB, J = 12.5 Hz), 4.73 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.40 and 5.46 (2H, AB, J = 10.0 Hz), 5.48 (1H, s), 5.51 (1H, d, J = 7.0 Hz), 5.81 (1H, d, J = 7.0 Hz), 6.98 (1H, d, J = 1.0 Hz), 7.26-7.38 (5H, m). HRMS (ESI): Calcd for C19H18N2NaO7 [MNa+] 409.1012, found 409.1009.
化合物14:アルゴン気流下、化合物13 (3 g, 7.76 mmol) の無水アセトニトリル溶液 (75 mL) に室温でエチレングリコール (1.3 mL, 23.3 mmol) を加え、0゜CでN-ヨードスクシンイミド (2.1 g, 9.32 mmol) を加えた後、室温で3時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてクエンチし、室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、酢酸エチルで希釈した。有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (4.7 g) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 1:2) で精製し、化合物14 (4.1 g, 収率92%) を白色泡状物質として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.91 (3H, d, J = 1.0 Hz), 2.08 (1H, t, J = 5.5 Hz), 3.42 and 3.54 (2H, AB, J = 11.5 Hz), 3.62-3.86 (4H, m), 4.69 (2H, s), 5.38 (2H, s), 5.43 (1H, d, J = 10.0 Hz), 5.49 (1H, d, J = 10.0 Hz), 5.59 (1H, s), 7.00 (1H, d, J = 1.0 Hz), 7.26-7.34 (5H, m). HRMS (ESI): Calcd for C21H23IN2NaO9 [MNa+] 597.0346, found 597.0351.
化合物15:アルゴン気流下、化合物14 (4.2 g, 7.31 mmol) の無水ジメチルホルムアミド溶液 (50 mL) に18-クラウン-6 (7.7 g, 29.3 mmol)、安息香酸カリウム (4.7 g, 29.3 mmol) を加え、80゜Cで36時間撹拌した。反応終了後、反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水で2回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (4 g) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 1:3) で精製し、化合物15 (2.2 g, 収率53%) を白色泡状物質として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.91-1.96 (4H, m), 3.71-3.95 (4H, m), 4.52 and 4.69 (2H, AB, J = 12.0 Hz), 4.65 (2H, s), 5.26 and 5.44 (2H, AB, J = 10.0 Hz), 5.46 (1H, dd, J = 7.0, 1.0 Hz), 5.64 (1H, d, J = 1.0 Hz), 5.68 (1H, d, J = 7.0 Hz), 6.99 (1H, d, J = 1.0 Hz), 7.26-7.33 (5H, m), 7.45 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.58 (1H, tt, J = 7.5, 1.5 Hz), 8.08 (2H, dd, J = 7.5, 1.5 Hz). HRMS (ESI): Calcd for C28H28N2NaO11 [MNa+] 591.1591, found 591.1594.
化合物16:アルゴン気流下、化合物15 (2.2 g, 3.87 mmol) の無水テトラヒドロフラン溶液 (35 mL) に室温でトリブチルアミン (1.9 mL, 7.74 mmol)、セレノシアン酸2-ニトロフェニル (1.3 g, 5.81 mmol)を加え、1時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水を加えてクエンチし、室温で30分間撹拌した。酢酸エチルで2回抽出した後、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (5.5 g) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 1:1 → 1:2) で精製し、化合物16 (2.2 g, 収率76%) を黄色泡状物質として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.96 (3H, d, J = 1.0 Hz), 3.06-3.25 (2H, m), 3.98-4.18 (2H, m), 4.41 and 4.75 (2H, AB, J = 12.0 Hz), 4.65 (2H, s), 5.28 and 5.45 (2H, AB, J = 10.0 Hz), 5.46 (1H, dd, J = 7.5, 1.0 Hz), 5.66 (1H, d, J = 7.5 Hz), 5.79 (1H, d, J = 1.0 Hz), 7.04 (1H, d, J = 1.0 Hz), 7.26-7.38 (6H, m), 7.44 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.54-7.62 (3H, m), 8.05 (2H, dd, J = 7.5, 1.5 Hz), 8.27 (1H, d, J = 8.0 Hz). HRMS (ESI): Calcd for C34H31N3NaO12Se [MNa+] 776.0971, found 776.0970.
化合物17:化合物16 (2.1 g, 2.79 mmol) の無水テトラヒドロフラン溶液 (25 mL) に室温で35%過酸化水素水 (0.72 mL, 8.37 mmol)、ピリジン (0.68 mL, 8.37 mmol) を加え、4時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水を加えてクエンチし、室温で30分間撹拌した。酢酸エチルで2回抽出した後、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (2 g) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 1:1) で精製し、化合物17 (972 mg, 収率63%) を黄色泡状物質として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.92 (3H, d, J = 1.0 Hz), 4.46 (1H, dd, J = 6.0, 1.5 Hz), 4.62 (2H, s), 4.64 (2H, s), 4.81 (1H, dd, J = 14.0, 1.5 Hz), 5.19 and 5.42 (2H, AB, J = 10.0 Hz), 5.48 (1H, dd, J = 7.0, 1.5 Hz), 5.51 (1H, d, J = 1.5 Hz), 5.70 (1H, d, J = 7.0 Hz), 6.58 (1H, dd, J = 14.0, 6.0 Hz), 6.97 (1H, d, J = 1.0 Hz), 7.26-7.32 (5H, m), 7.44 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.58 (1H, tt, J = 7.5, 1.0 Hz), 8.08 (2H, dd, J = 7.5, 1.0 Hz). HRMS (ESI): Calcd for C28H26N2NaO10 [MNa+] 573.1485, found 573.1487.
化合物18:アルゴン気流下、化合物17 (972 mg, 1.77 mmol) の無水メタノール溶液 (15 mL) に室温で炭酸カリウム (48.8 mg, 0.35 mmol)を加え、1時間撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸 (20 μL, 0.35 mmol)で中和し、室温で30分間撹拌した後、溶媒を減圧留去して粗成績体 (1.1 g) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 20:1) で精製し、化合物18 (622 mg, 収率84%) を白色泡状物質として得た。1H NMR (CD3OD)δ: 1.87 (3H, d, J = 1.5 Hz), 3.65 and 3.76 (2H, AB, J = 12.0 Hz), 4.18-4.24 (2H, m), 4.38 (1H, d, J = 6.5 Hz), 4.56 (1H, dd, J = 13.5, 1.0 Hz), 4.66 (2H, s), 5.49 (2H, s), 6.04 (1H, d, J = 3.5 Hz), 6.71 (1H, dd, J = 13.5, 6.0 Hz), 7.23-7.35 (5H, m), 7.66 (1H, d, J = 1.5 Hz). HRMS (ESI): Calcd for C20H24N2NaO8 [MNa+] 443.1430, found 443.1431.
化合物19:アルゴン気流下、化合物18 (300 mg, 0.71 mmol) の無水ピリジン溶液 (7 mL) に0゜Cで1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン (0.34 mL, 1.07 mmol) を加え、室温で17時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重層水を加えてクエンチし、室温で30分間撹拌した後、酢酸エチルで希釈した。有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (683 mg) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 3:1) で精製し、化合物19 (270 mg, 収率57%) を無色油状物質として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.02-1.11 (28H, m), 1.91 (3H, d, J = 1.0 Hz), 3.25 (1H, d, J = 6.0 Hz), 3.91 and 4.06 (2H, AB, J = 12.5 Hz), 4.25 (1H, td, J = 6.5, 1.0 Hz), 4.30 (1H, dd, J = 6.0, 1.0 Hz), 4.65 (1H, dd, J = 13.5, 1.0 Hz), 4.71 (2H, s), 4.73 (1H, d, J = 6.5 Hz), 5.46 and 5.50 (2H, AB, J = 9.5 Hz), 5.75 (1H, d, J = 1.0 Hz), 6.55 (1H, dd, J = 13.5, 6.0 Hz), 7.10 (1H, d, J = 1.0 Hz), 7.23-7.39 (5H, m). HRMS (ESI): Calcd for C32H50N2NaO9Si2 [MNa+] 685.2953, found 685.2952.
化合物20:アルゴン気流下、化合物19 (285 mg, 0.43 mmol) の無水塩化メチレン溶液 (4 mL) に室温で10-カンファースルホン酸 (5 mg, 0.021 mmol) を加え、30分間撹拌した。反応終了後、反応液を飽和重曹水で中和し、室温で30分間撹拌した後、酢酸エチルで希釈した。有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗成績体 (301 mg) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 5:1) で精製し、化合物20 (229 mg, 収率80%) を無色油状物質として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 0.97-1.12 (28H, m), 1.42 (3H, d, J = 4.5 Hz), 1.92 (3H, d, J = 1.0 Hz), 3.82 and 4.02 (2H, AB, J = 12.5 Hz), 3.90 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.40 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.72 (2H, s), 5.39 (1H, q, J = 4.5 Hz), 5.47 and 5.52 (2H, AB, J = 9.5 Hz), 6.09 (1H, s), 7.23-7.40 (5H, m), 7.56 (1H, d, J = 1.0 Hz). HRMS (ESI): Calcd for C32H50N2NaO9Si2 [MNa+] 685.2953, found 685.2949.
化合物21:化合物20 (235 mg, 0.35 mmol) のテトラヒドロフラン溶液 (3 mL) に室温でテトラブチルアンモニウムフルオリド (1M テトラヒドロフラン溶液, 0.39 mL, 0.39 mmol)を加え、1時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去して粗成績体 (395 mg) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 50:1) で精製し、化合物21 (129 mg, 収率88%) を無色油状物質として得た。 1H NMR (CD3OD)δ: 1.40 (3H, d, J = 5.0 Hz), 1.84 (3H, s), 3.66 and 3.73 (2H, AB, J = 12.0 Hz), 3.79 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.25 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.67 (2H, s), 5.44-5.51 (3H, m), 6.12 (1H, s), 7.22-7.29 (5H, m), 7.93 (1H, s). HRMS (ESI): Calcd for C20H24N2NaO8 [MNa+] 443.1430, found 443.1429.
化合物3:化合物21 (109 mg, 0.26 mmol) の無水メタノール溶液 (3 mL) に室温で水酸化パラジウム-活性炭素(約50%含水, 100 mg)を加え、水素気流下で12時間撹拌した。反応終了後、セライトパッドを通して反応液を吸引ろ過した後、減圧留去して粗成績体 (85 mg) を得た。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 20:1 → 10:1) で精製し、化合物3 (72 mg, 収率92%) を無色油状物質として得た。1H NMR (CD3OD)δ: 1.40 (3H, d, J = 5.0 Hz), 1.86 (3H, s), 3.67 and 3.74 (2H, AB, J = 12.0 Hz), 3.91 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.32 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.47 (1H, q, J = 5.0 Hz), 6.19 (1H, s), 8.02 (1H, s). HRMS (ESI): Calcd for C12H16N2NaO7 [MNa+] 323.0855, found 323.0854.
アデニン塩基アナログの合成
化合物23:アルゴン気流下、文献 (Carbohydr. Res. 1982, 100, 315-329) に従って合成した化合物22 (4.8 g, 12.7 mmol) の無水アセトニトリル溶液 (30 mL) に0゜Cでエチレングリコール (30 mL) とN-ヨードスクシンイミド(4.0 g, 17.7 mmol) を加え、室温で17時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液 (200 mL) を加えて、クロロホルム (200 mL) で希釈した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 40:1) で精製し、化合物23 (5.7 g, 収率79%) を薄黄色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 2.19 (1H, brs), 3.47 (1H, d, J = 12.0 Hz), 3.69-3.71 (1H, m), 3.82-3.91 (3H, m), 5.65 (1H, d, J = 7.5 Hz), 5.76 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.46 (1H, s), 7.55 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.64 (1H, t, J = 7.5 Hz), 8.03 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.15 (1H, s), 8.80 (1H, s), 8.99 (1H, brs). HRMS (ESI): Calcd for C20H18N5O7INa [M+Na+] 590.0149, found 590.0165.
化合物24:アルゴン気流下、化合物23 (100 mg, 0.176 mmol) のN,N-ジメチルホルムアミド溶液 (3 mL) に室温で安息香酸カリウム (118 mg, 0.733 mmol) と18-クラウン-6 (194 mg, 0.733 mmol) を加え、85 ゜Cで24時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水溶液 (50 mL) を加えて酢酸エチル (50 mL) で希釈した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 40:1) で精製し、化合物24 (66 mg, 収率67%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 2.25 (1H, brs), 3.80-3.82 (2H, m), 3.87-3.91 (1H, m), 4.01-4.03 (1H, m), 4.62 (1H, d, J = 12.0 Hz), 5.82 (1H, dd, J = 2.0, 7.5 Hz), 5.90 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.54 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.47 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.54 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.60-7.65 (2H, m), 8.02-8.05 (4H, m), 8.15 (1H, s), 8.63 (1H, s), 9.01 (1H, brs). HRMS (ESI): Calcd for C27H23N5O9Na [M+Na+] 584.1393, found 584.1399.
化合物25:化合物24 (484 mg, 0.86 mmol) を無水テトラヒドロフラン(10 mL)に溶解して共沸した。残渣に再び無水テトラヒドロフラン (8 mL) を加えて、アルゴン気流下、室温でトリ-n-ブチルホスフィン (0.424 mL, 348 mg, 1.72 mmol) とセレノシアン酸-2-ニトロフェニル(292 mg, 1.29 mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。反応終了後、飽和重曹水を加えてクエンチし、酢酸エチルで希釈した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。粗成績体に酢酸エチルを加えて生じた沈殿をろ取して、真空中で乾燥することでセレン中間体 (480 mg) を黄色固体として得た。このセレン中間体(480 mg)を無水テトラヒドロフラン(4 mL)に溶解し、35%過酸化水素水(0.19 mL, 1.93 mmol)とピリジン(0.16 mL, 1.93 mmol)を加えて、室温で14時間撹拌した。反応終了後、反応液に水(100 mL)と酢酸エチル(100 mL)を加えて、分液抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 1:2) で精製し、化合物25 (286 mg, 収率61%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 4.54 (1H, dd, J = 2.0, 6.0 Hz), 4.63 (1H, d, J = 12.0 Hz), 5.94 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.34 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.65 (1H, dd, J = 6.0, 12.0 Hz), 7.45-7.64 (6H, m), 8.01-8.04 (4H, m), 8.14 (1H, s), 8.56 (1H, s), 8.97 (1H, brs). HRMS (ESI): Calcd for C27H21N5O8Na [M+Na+] 566.1288, found 566.1329.
化合物26:アルゴン気流下、化合物25 (370 mg, 0.68 mmol) のエタノール/ピリジン(1:1, 4 mL)溶液に、0 ゜Cで1 M水酸化ナトリウム水溶液 (3.4 mL, 3.4 mmol) を加えて、0 ゜Cで2時間撹拌した。反応終了後、反応液にDOWEXを加えて中和し、混合液をろ過した後、ろ液を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 30:1) で精製し、化合物26 (237 mg, 収率84%) を白色固体として得た。1H NMR (CD3OD)δ: 3.71 (1H, d, J = 12.0 Hz), 3.81 (1H, d, J = 12.0 Hz), 4.21 (1H, d, J = 6.0 Hz), 4.60 (1H, d, J = 14.0 Hz), 4.68 (1H, d, J = 6.0 Hz), 4.81-4.83 (1H, m), 6.32 (1H, d, J = 5.0 Hz), 6.62 (1H, dd, J = 6.0, 13.5 Hz), 7.57 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.66 (1H, t, J = 7.5 Hz), 8.09 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.64 (1H, s), 8.73 (1H, s).HRMS (ESI): Calcd for C19H19N5O7Na [M+Na+] 436.1233, found 436.1233.
化合物27:化合物26 (237 mg, 0.57 mmol) を無水ピリジン(5 mL)に溶解して共沸した。残渣に再び無水ピリジン (5 mL) を加えて、アルゴン気流下、0 ゜Cで1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン (0.37 mL, 1.15 mmol)を加えて、室温で12時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水溶液(50 mL)を加えて酢酸エチル(50 mL)で希釈した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 2:1) で精製し、化合物27 (219 mg, 収率58%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.07-1.17 (28H, m), 3.45 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.98 (1H, d, J = 12.5 Hz), 4.06 (1H, d, J = 12.5 Hz), 4.34 (1H, d, J = 6.0 Hz), 4.69-4.74 (2H, m), 5.50 (1H, d, J = 6.0 Hz), 6.13 (1H, s), 6.62 (1H, dd, J = 6.0, 13.5 Hz), 7.53 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.5 Hz), 8.02 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.08 (1H, s), 8.73 (1H, s), 8.98 (1H, s).HRMS (ESI): Calcd for C31H45N5O7NaSi2 [M+Na+] 678.2755, found 678.2755.
化合物28:アルゴン気流下、化合物27 (219 mg, 0.33 mmol) の無水ジクロロメタン(4 mL)溶液に、0 ゜Cで10-カンファースルホン酸 (8 mg, 0.03 mmol)を加えて、室温で17時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水溶液(50 mL)を加えて酢酸エチル(50 mL)で希釈した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去しすることでアセタール中間体(216 mg)を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 0.95-1.11 (28H, m), 1.48 (3H, d, J = 5.0 Hz), 3.87 (1H, d, J = 12.6 Hz), 4.04 (1H, d, J = 12.6 Hz), 4.32 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.86 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.51 (1H, q, J = 5.0 Hz), 6.60 (1H, s), 7.54 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.5 Hz), 8.02 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.35 (1H, s), 8.82 (1H, s), 9.01 (1H, s).HRMS (ESI): Calcd for C31H45N5O7NaSi2 [M+Na+] 678.2755, found 678.2759. アルゴン気流下、アセタール中間体(216 mg)を無水テトラヒドロフラン(3 mL)に溶解し、室温でテトラブチルアンモニウムフルオリド (1M テトラヒドロフラン溶液, 0.66 mL, 0.66 mmol) を加え、1時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 30:1) を行い、化合物28 (115 mg, 収率84%) を白色固体として得た。1H NMR (DMSO-d6)δ: 1.38 (3H, d, J = 5.0 Hz), 3.57 (1H, d, J = 6.0 Hz), 4.10 (1H, dd, J = 3.0, 8.0 Hz), 4.65 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.20 (1H, d, J = 8.0 Hz), 5.47 (1H, d, J = 7.9 Hz), 5.53 (1H, q, J = 5.0 Hz), 6.78 (1H, s), 7.55 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.65 (1H, t, J = 7.5 Hz), 8.04 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.59 (1H, s), 8.77 (1H, s), 11.2 (1H, s).HRMS (ESI): Calcd for C19H19N5O6Na [M+Na+] 436.1233, found 436.1232.
化合物29:化合物28 (115 mg, 0.28 mmol) を無水ピリジン(5 mL)に溶解して共沸した。残渣に再び無水ピリジン (3 mL) を加えて、アルゴン気流下、室温で4,4'-ジメトキシトリチルクロリド (189 mg, 0.56 mmol) を加え、室温で22時間撹拌した。反応終了後、飽和重層水を加えてクエンチし、酢酸エチルで希釈した後、有機層を飽和重層水で2回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 1:2) で精製し、化合物29 (199 mg) を定量的に白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.44 (3H, d, J = 5.0 Hz), 2.61 (1H, d, J = 12 Hz), 3.40 (1H, d, J = 10 Hz), 3.46 (1H, d, J = 10 Hz), 3.79 (6H, s), 4.54 (1H, dd, J = 3.0, 12 Hz), 4.77 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.51 (1H, q, J = 5.0 Hz), 6.68 (1H, s), 6.85 (4H, d, J = 8.9 Hz), 7.23-7.26 (1H, m), 7.29-7.33 (6H, m), 7.42 (2H, d, J = 7.5 Hz), 7.54 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.5 Hz), 8.04 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.52 (1H, s), 8.84 (1H, s), 9.20 (1H, s).HRMS (ESI): Calcd for C40H37N5O8Na [M+Na+] 738.2540, found 738.2537.
化合物30:アルゴン気流下、化合物29 (150 mg, 0.21 mmol) の無水ジクロロメタン溶液 (2 mL) にN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.22 mL, 1.26 mmol) を加え、0゜Cで2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミジド (0.14 mL, 0.63 mmol) を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水を加えクエンチし、酢酸エチルで希釈した。有機層を飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 1:1) で精製し、化合物30 (160 mg, 収率83%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.00-1.18 (12H, m), 1.39 (3H, brs), 2.33-2.37 (1H, m), 2.47-2.49 (1H, m), 3.32-3.39 (1H, m), 3.52-3.73 (4H, m), 3.78-3.79 (6H, m), 4.56 (0.5H, d, J = 6.7 Hz), 4.63 (0.5H, d, J = 8.5 Hz), 4.96 (0.5H, brs), 4.98 (0.5H, brs), 5.51-5.53 (1H, m), 6.68 (0.5H, s), 6.69 (0.5H, s), 6.81-6.84 (4H, m), 7.21-7.29 (7H, m), 7.38-7.41 (2H, m), 7.52-7.55 (2H, m), 7.60-7.63 (1H, m), 8.02 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.51 (0.5H, s), 8.53 (0.5H, s), 8.84 (1H, brs), 8.99-9.00 (1H, brd). 31P NMR (CDCl3) δ: 149.6, 149.7. HRMS (ESI): Calcd for C49H55N7O9P [M+H+] 916.3799, found 916.3797.
グアニン塩基アナログの合成
化合物32:アルゴン気流下、国際公開特許(WO 2016/115222 A1)に従って合成した化合物31 (100 mg, 0.19 mmol) の無水テトラヒドロフラン溶液 (3 mL) にN,N-カルボニルジイミダゾール(45 mg, 0.28 mmol) を加え、室温で22時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧留去し、粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 30:1) で精製し、化合物32 (95 mg, 収率90%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 3.73 (3H, s), 4.19 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.47 (2H, dd, J = 7.0, 12.0 Hz), 4.68 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.39 (1H, s), 6.91 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.12 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.22 (4H, t, J = 7.0 Hz), 7.29-7.37 (6H, m), 7.73 (1H, s), 7.77 (1H, s), 10.88 (1H, brs). HRMS (ESI): Calcd for C31H25N5O6Na [M+Na+] 586.1703, found 586.1703.
化合物33:アルゴン気流下、化合物32 (2.0 g, 3.55 mmol) の無水テトラヒドロフラン溶液 (10 mL) に室温でエチレングリコール (10 mL) とN-ヨードスクシンイミド (1.1 g, 4.97 mmol) を加え、45 ゜Cで16時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(200 mL)を加えて、クロロホルム (200 mL) で希釈した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 30:1) で精製し、ヨウ素中間体 (2.1 g, 収率79%, ジアステレオマー混合比約4:1) を薄黄色固体として得た。HRMS (ESI): Calcd for C33H29N5O8I [M-H-] 750.1061, found 750.1061.アルゴン気流下、上述のヨウ素中間体 (810 mg, 1.08 mmol) のN,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) に溶解し、室温で安息香酸カリウム (865 mg, 5.39 mmol) と18-クラウン-6(1.43 g, 5.39 mmol)を加え、80 ゜Cで2日間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水溶液(100 mL)を加えて酢酸エチル(100 mL)で希釈した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 40:1) で精製し、化合物33 (433 mg, 収率54%) を白色固体として得た。1H NMR (CD3OD)δ: 3.59-3.64 (6H, m), 3.74-3.82 (3H, m), 4.23 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.42 (1H, dd, J = 2.0, 7.5 Hz), 6.20 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.84 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.15-7.21 (4H, m), 7.25-7.32 (8H, m), 7.53 (2H, t, J = 7.5 Hz), 7.66 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.76 (1H, s), 7.98 (2H, d, J = 7.5 Hz). HRMS (ESI): Calcd for C40H35N5O10Na [M+Na+] 768.2282, found 768.2276.
化合物34:化合物33 (1.44 g, 1.93 mmol) を無水テトラヒドロフラン(10 mL)に溶解して共沸した。残渣に再び無水テトラヒドロフラン (10 mL) を加えて、アルゴン気流下、室温でトリ-n-ブチルホスフィン (0.952 mL, 781 mg, 3.86 mmol) とセレノシアン酸-2-ニトロフェニル(658 mg, 2.90 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応終了後、飽和重曹水を加えてクエンチし、酢酸エチルで希釈した。有機層を飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 40:1) で精製し、セレン中間体 (2.05 g) を黄色固体として得た。このセレン中間体(2.05 g)を無水テトラヒドロフラン(20 mL)に溶解し、35%過酸化水素水(0.58 mL, 5.79 mmol)と炭酸水素ナトリウム(486 mg, 5.79 mmol)を加えて、室温で20時間撹拌した。反応終了後、反応液に水(100 mL)と酢酸エチル(200 mL)を加えて、分液抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 40:1) で精製し、化合物34 (1.18 g, 収率84%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 3.66 (3H, s), 3.86 (1H, d, J = 12.0 Hz), 4.17 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.38-4.42 (2H, m), 4.67-4.72 (2H, m), 5.70 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.47 (1H, dd, J = 6.0, 13.5 Hz), 6.75 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.10-7.26 (12H, m), 7.49 (2H, t, J = 8.0 Hz), 7.61 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.97-8.03 (3H, m), 11.73 (1H, brs). HRMS (ESI): Calcd for C40H33N5O9Na [M+Na+] 750.2176, found 750.2177.
化合物35:アルゴン気流下、化合物34 (240 mg, 0.33 mmol) のエタノール/ピリジン(1:1, 4 mL)溶液に、0 ゜Cで2 M水酸化ナトリウム水溶液 (0.82 mL, 1.65 mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液にDOWEXを加えて中和し、混合液をろ過した後、ろ液を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 20:1) で精製し、化合物35 (131 mg, 収率66%) を白色固体として得た。1H NMR (CD3OD)δ: 3.43 (1H, d, J = 12.0 Hz), 3.48 (1H, d, J = 12.0 Hz), 3.77 (3H, s), 4.10-4.11 (3H, m), 4.51 (1H, d, J = 14.0 Hz), 5.45 (1H, t, J = 2.0 Hz), 6.53 (1H, dd, J = 6.0, 14.0 Hz), 6.85 (2H, d, J = 9.0 Hz), 7.22-7.24 (4H, m), 7.28-7.33 (8H, m), 7.82 (1H, s).HRMS (ESI): Calcd for C32H31N5O7Na [M+Na+] 620.2121, found 620.2124.
化合物36:化合物35 (389 mg, 0.65 mmol) を無水アセトニトリル(10 mL)に溶解して共沸した。残渣に無水N,N-ジメチルホルムアミド (5 mL) を加えて、アルゴン気流下、室温でイミダゾール (177 mg, 2.60 mmol) 及び1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン (0.42 mL, 1.30 mmol)を加えて、室温で2時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水溶液(100 mL)を加えて酢酸エチル(100 mL)で希釈した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 50:1) で精製し、ジシロキサン中間体 (614 mg) を白色固体として得た。アルゴン気流下、このジシロキサン中間体 (614 mg) の無水ジクロロメタン(5 mL)溶液に、室温で10-カンファースルホン酸 (151 mg, 0.65 mmol) を加えて、室温で15時間撹拌した。15時間後、さらに10-カンファースルホン酸 (75 mg, 0.32 mmol) を追加して、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水溶液 (50 mL) を加えてクロロホルム (50 mL) で希釈した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 20:1) を行い、化合物36 (106 mg, 収率29%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 0.95-1.12 (28H, m), 1.45 (3H, d, J = 5.0 Hz), 3.85 (1H, d, J = 12.5 Hz), 4.04 (1H, d, J = 12.5 Hz), 4.21 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.58 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.47 (1H, q, J = 5.0 Hz), 6.29 (1H, s), 6.57 (2H, brs), 7.84 (1H, s), 11.94 (1H, brs). HRMS (ESI): Calcd for C24H41N5O7NaSi2 [M+Na+] 590.2442, found 590.2446.
化合物37:化合物36 (22 mg, 0.039 mmol) を無水ピリジン(1 mL)に溶解して共沸した。残渣に再び無水ピリジン (1 mL) を加えて、アルゴン気流下、0 ゜Cでイソブチリルクロリド (8.2 μL, 0.078 mmol)を加え、2時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水溶液(20 mL)を加えてクロロホルム(20 mL)で希釈した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することで中間体(25 mg)を得た。アルゴン気流下、中間体(25 mg)を無水テトラヒドロフラン(1 mL)に溶解し、室温でテトラブチルアンモニウムフルオリド (1M テトラヒドロフラン溶液, 0.1 mL, 0.1 mmol)を加え、1時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 15:1) を行い、化合物37 (11 mg, 収率69%) を白色固体として得た。1H NMR (CD3OD)δ: 1.22 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.42 (3H, d, J = 5.0 Hz), 2.66-2.74 (1H, m), 3.69 (1H, d, J = 12.0 Hz), 3.74 (1H, d, J = 12.0 Hz), 4.16 (1H, d, J = 3.0 Hz), 4.60 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.53 (1H, q, J = 5.0 Hz), 6.54 (1H, s), 8.25 (1H, s). HRMS (ESI): Calcd for C16H21N5O7Na [M+Na+] 418.1339, found 418.1339.
化合物38:化合物37 (155 mg, 0.18 mmol) を無水ピリジン(2 mL)に溶解して共沸した。残渣に再び無水ピリジン (2 mL) を加えて、アルゴン気流下、室温で4,4'-ジメトキシトリチルクロリド (89 mg, 0.26 mmol) を加え、室温で16時間撹拌した。反応終了後、飽和重層水を加えてクエンチし、クロロホルムで希釈した後、有機層を飽和重層水で2回、飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (クロロホルム/メタノール = 50:1) で精製し、化合物38 (82 mg, 収率67%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.26 (6H, d, J = 7.0 Hz), 1.39 (3H, d, J = 5.0 Hz), 2.55-2.62 (1H, m), 3.36 (1H, d, J = 10.0 Hz), 3.41 (1H, d, J = 10 Hz), 3.79 (6H, s), 4.51 (1H, dd, J = 3.0, 12 Hz), 4.59 (1H, d, J = 3.0 Hz), 5.43 (1H, q, J = 5.0 Hz), 6.35 (1H, s), 6.83 (4H, d, J = 9.0 Hz), 7.20-7.23 (1H, m), 7.28-7.31 (6H, m), 7.39-7.40 (2H, m), 8.11 (1H, s), 8.25 (1H, s). HRMS (ESI): Calcd for C37H39N5O9Na [M+Na+] 720.2645, found 720.2642.
化合物39:アルゴン気流下、化合物38 (35 mg, 0.05 mmol) の無水ジクロロメタン溶液 (1 mL) にN,N-ジイソプロピルエチルアミン (52 μL, 0.3 mmol) を加え、0゜Cで2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルクロロホスホロアミジド (33 μL, 0.15 mmol) を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水を加えクエンチし、酢酸エチルで希釈した。有機層を飽和食塩水で1回洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。粗成績体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル = 1:2) で精製し、化合物39 (24 mg, 収率53%) を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3)δ: 1.03 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.07 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.13-1.16 (6H, m), 1.26-1.28 (6H, m), 1.38 (3H, t, J = 6.0 Hz), 2.40-2.60 (3H, m), 3.30 (1H, d, J = 11.0 Hz), 3.35 (1H, d, J = 11.0 Hz), 3.47-3.65 (3H, m), 3.70-3.79 (8H, m), 4.42 (0.5H, dd, J = 3.0, 6.0 Hz), 4.56 (0.5H, dd, J = 3.0, 6.0 Hz), 4.95 (0.5H, d, J = 3.0 Hz), 5.01 (0.5H, d, J = 3.0 Hz), 5.44-5.48 (1H, m), 6.36 (0.5H, s), 6.37 (0.5H, s), 6.81-6.83 (4H, m), 7.20-7.24 (1H, m), 7.26-7.30 (6H, m), 7.38-7.40 (2H, m), 8.12 (0.5H, s), 8.15 (0.5H, s), 8.25 (1H, s), 8.36 (1H, s), 11.94 (1H, brs), 11.97 (1H, brs). 31P NMR (CDCl3) δ: 146.8, 148.5. HRMS (ESI): Calcd for C46H57N7O10P [M+H+] 898.3905, found 898.3893.
TaNAアナログ導入オリゴヌクレオチドの合成
オリゴヌクレオチドの合成は、アミダイトブロック5と市販のdA(Bz)、dG(iBu)、dC(Bz)、dmC (Ac)、Tのホスホロアミダイトを0.1 Mの無水アセトニトリル溶液として調製し、GeneDesign nS-8II Oligonucleotides Synthesizerを用いて通常のホスホロアミダイト法に従って行った。合成スケールは0.2 μmolとし、トリチルオン条件で行った。活性化剤には5-エチルチオ-1H-テトラゾール (0.25 M 無水アセトニトリル溶液) を用い、縮合時間はアミダイトブロック5で5分間、天然のアミダイトブロックで25秒間とした。合成完了後、28%アンモニア水で室温下1.5時間処理してカラム担体からの切り出しおよび塩基部、リン酸ジエステル部の脱保護を行った。次に簡易ゲルろ過カラム (Waters Sep-Pak(登録商標)Plus C18 Cartridges) で精製し、さらに逆相HPLCにより精製を行った。以下にHPLC測定条件を示す。
溶離液 A液: 0.1 M 酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液 (pH 7.0)
B液: アセトニトリル
グラジエント B液濃度: 5-15% (30 min) or 10-15% (30 min)
(酵素耐性用オリゴヌクレオチドの分取)
カラム Waters XBridge(登録商標) Shield RP18 5 μm (10 × 50 mm) (精製)
Waters XBridge(登録商標) Shield RP18 2.5μm (4.6 × 50 mm) (純度確認)
流速 2.0 mL/min (精製)
1.0 mL/min (純度確認)
カラム温度 40°C
検出 UV (260 nm)
融解温度 (T m ) 測定 (二重鎖形成能評価)
終濃度をリン酸緩衝液 (pH 7.0) 10 mM 、塩化ナトリウム 200 mM、各オリゴヌクレオチド2.5 μMとしたサンプル溶液 (120 μL) を沸騰水中に浴し、室温までゆっくりと冷ました後、サンプル溶液を20°Cまで冷却して測定を開始した。毎分0.5°Cの割合で90°Cまで昇温し、0.5°C間隔で260 nmにおける吸光度をプロットした。Tm値は全て中線法で算出し、3回の独立した測定結果の平均値とした。
条件:200mMのNaClと2.5Mのそれぞれのストランドを含む10mMリン酸ナトリウムバッファ(pH7.0)
表におけるX,Y及びZは,以下の修飾を意味する。
オリゴヌクレオチド及び改変オリゴヌクレオチドの配列は,配列番号1~10で示され,一本鎖RNA及び一本鎖DNAの配列は,それぞれ配列番号11及び12で示される。
融解温度 (T m ) 測定 (三重鎖形成能評価)
終濃度をリン酸緩衝液 (pH 7.0) 10 mM 、塩化カリウム 200 mM、塩化マグネシウム10 mM、各オリゴヌクレオチド4 μMとしたサンプル溶液 (120 μL) を沸騰水中に浴し、室温までゆっくりと冷ました後、サンプル溶液を15°Cまで冷却して測定を開始した。毎分0.5°Cの割合で90°Cまで昇温し、0.5°C間隔で260 nmにおける吸光度をプロットした。Tm値は全て中線法で算出し、3回の独立した測定結果の平均値とした。
条件:200mMのNaCl,5mM MgCl
2,及び1.5Mのそれぞれのストランドを含む10mMリン酸ナトリウムバッファ(pH7.0)
C(アンダーバー)は,2’-デオキシ-5-メチルシチジンを示す。
表2におけるX,Y及びZは,以下の修飾を意味する。
オリゴヌクレオチド及び改変オリゴヌクレオチドの配列は,配列番号13~22で示され,二本鎖ヘアピンDNAの配列は,配列番号23で示される。
酵素耐性能実験
終濃度をそれぞれTris-HCl緩衝液 (pH8.0) 50 mM、塩化マグネシウム 10 mM、3'-エキソヌクレアーゼ (Crotalus Admanteus Venom Phosphodiesterase:CAVP,Pharmacia Biotech社製) 0.01 unit、各オリゴヌクレオチド7.5 μMとしたサンプル溶液(250 μL)を、37 °Cに保ち反応を行った。経時的に反応液の一部(45 μL)を採取し、90°Cで2分間加熱して酵素を失活させ、オリゴヌクレオチドの残量を、HPLCにより定量した。以下にHPLC測定条件を示す。
溶離液 A液: 0.1 M 酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液 (pH 7.0)
B液: アセトニトリル
グラジエント B液濃度: 5-13% (30 min) (TaNA、LNA、天然), 7-11% (60 min) (ENA)
カラム Waters XBridge(登録商標) Shield RP18 2.5 μm (4.6 × 50 mm)
流速 1.0 mL/min
カラム温度 40°C
検出 UV (260 nm)
得られた結果を図1に示す。図1は,酵素耐性能実験の結果を示す図面に代わるグラフである。酵素耐性用オリゴヌクレオチドは,配列番号24のもの(天然),配列番号24において9番目のTが,Me-TaNA修飾されたもの,LNA修飾されたもの,及びENA修飾されたものである。