図面を参照しながら、実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(移動通信システムの構成例)
一実施形態に係る移動通信システムの構成例について説明する。一実施形態に係る移動通信システム1は3GPPの5Gシステムである。具体的には、移動通信システム1における無線アクセス方式は、5Gの無線アクセス方式であるNR(New Radio)である。但し、移動通信システム1には、LTE(Long Term Evolution)が少なくとも部分的に適用されてもよい。また、移動通信システム1は、6Gなど、将来の移動通信システムも適用されてよい。
図1は、一実施形態に係る移動通信システム1の構成例を示す図である。
図1に示すように、移動通信システム1は、ユーザ装置(UE:User Equipment)100、5Gの無線アクセスネットワーク(NG-RAN:Next Generation Radio Access Network)10と、5Gのコアネットワーク(5GC:5G Core Network)20とを有する。
UE100は、移動可能な無線通信装置である。UE100は、ユーザにより利用される装置であればどのような装置であっても構わない。例えば、UE100は、携帯電話端末(スマートフォンを含む)やタブレット端末、ノートPC、通信モジュール(通信カード又はチップセットを含む)、センサ若しくはセンサに設けられる装置、車両若しくは車両に設けられる装置(Vehicle UE)、飛行体若しくは飛行体に設けられる装置(Aerial UE)である。
NG-RAN10は、基地局(5Gシステムにおいて「gNB」と呼ばれる)200を含む。gNB200は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して相互に接続される。gNB200は、1又は複数のセルを管理する。gNB200は、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。gNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられる。1つのセルは1つのキャリア周波数に属する。なお、以下では、「セル」と基地局とを区別しないで用いる場合がある。
なお、gNB200がLTEのコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)に接続することもできる。LTEの基地局が5GC20に接続することもできる。LTEの基地局とgNB200とが基地局間インターフェイスを介して接続されることもできる。
5GC20は、AMF(Access and Mobility Management Function)及びUPF(User Plane Function)300を含む。AMFは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。AMFは、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信することにより、UE100のモビリティを管理する。UPFは、データの転送制御を行う。AMF及びUPF300は、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してgNB200と接続される。
(ユーザ装置の構成)
次に、一実施形態に係るユーザ装置であるUE100の構成例について説明する。図2は、UE100の構成例を示す図である。
図2に示すように、UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を有する。
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110はアンテナを含み、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換(ダウンコンバート)して制御部130に出力する。
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120はアンテナを含み、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換(アップコンバート)してアンテナから送信する。
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、少なくとも1つのメモリと、メモリと電気的に接続された少なくとも1つのプロセッサとを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサ及びCPUを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。なお、制御部130は、以下に示す各実施形態において、UE100における各処理及び/又は各動作を行ってもよい。
(基地局の構成例)
次に、一実施形態に係る基地局であるgNB200の構成例について説明する。図3は、gNB200の構成例を表す図である。
図3に示すように、gNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を有する。
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナを含み、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換(アップコンバート)してアンテナから送信する。
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナを含み、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換(ダウンコンバート)して制御部230に出力する。
制御部230は、gNB200における各種の制御を行う。制御部230は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPUと、を含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。なお、制御部230は、以下に示す各実施形態において、gNB200における各処理及び/又は各動作を行ってもよい。
バックホール通信部240は、Xnインターフェイスを介して隣接基地局と接続される。バックホール通信部240は、NGインターフェイスを介してAMF及びUPF300と接続される。なお、gNB200は、CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)とで構成され(すなわち、機能分割され)、両ユニット間はF1インターフェイスで接続されてもよい。
(プロトコルスタックの構成例)
図4は、データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成例を示す図である。
図4に示すように、ユーザプレーンの無線インターフェイスプロトコルは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤとを有する。なお、以下では、レイヤとエンティティとを区別しないで用いる場合がある。
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤとgNB200のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ:Hybrid Automatic Repeat reQuest)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。UE100のMACレイヤとgNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。gNB200のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとgNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
SDAPレイヤは、コアネットワークがQoS(Quality of Service)制御を行う単位であるIPフローと、AS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。なお、RANがEPCに接続される場合は、SDAPが無くてもよい。
図5は、シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
図5に示すように、制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックは、図4に示したSDAPレイヤに代えて、RRC(Radio Resource Control)レイヤ及びNAS(Non-Access Stratum)レイヤを有する。
UE100のRRCレイヤとgNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態である。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がない場合、UE100はRRCアイドル状態である。RRC接続が中断(サスペンド)されている場合、UE100はRRCインアクティブ状態である。
RRCレイヤの上位に位置するNASレイヤは、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。UE100のNASレイヤとAMF300のNASレイヤとの間では、NASシグナリングが伝送される。
なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。
[第1実施形態]
次に、第1実施形態について説明する。
(想定シナリオ)
ここで、第1実施形態に係る移動通信システム1における想定シナリオについて説明する。図6は、想定シナリオを表す図である。
図6に示すように、gNB200-1と遠隔UE(Remote UE)100-1との間の通信に中継UE(Relay UE)100-2が介在し、この通信に対する中継を行うサイドリンク中継を用いるシナリオを想定する。言い換えると、gNB200-1と遠隔UE100-1は、中継UE100-2を介して通信を行うシナリオである。
遠隔UE100-1は、UE間インターフェイスであるPC5インターフェイス(サイドリンク)上で中継UE100-2との無線通信(サイドリンク通信)を行う。中継UE100-2は、NR Uuインターフェイス上でgNB200-1との無線通信(Uu通信)を行う。その結果、遠隔UE100-1は、中継UE100-2を介してgNB200-1と間接的に通信する。Uu通信には、上りリンクの通信及び下りリンクの通信がある。
(想定シナリオにおけるプロトコルスタックの構成例)
次に、想定シナリオにおけるプロトコルスタックの構成例について説明する。
図7は、想定シナリオにおけるユーザプレーンのプロトコルスタックの一例を示す図である。図7は、中継UE100-2を介した中継(すなわち、U2N(UE to Network)中継)におけるユーザプレーンのプロトコルスタックの一例でもある。
また、図8は、想定シナリオにおける制御プレーンのプロトコルスタックの一例を示す。図8は、U2N中継における制御プレーンのプロトコルスタックの一例でもある。
図7に示すように、gNB200-1は、NR Uuインターフェイス上の通信(Uu通信)に用いるUu-SRAP(Sidelink Relay Adaptation Protocol)レイヤ、Uu-RLCレイヤ、Uu-MACレイヤ、及びUu-PHYレイヤを有する。
中継UE100-2は、NR Uuインターフェイス上の通信(Uu通信)に用いるUu-SRAPレイヤ、Uu-RLCレイヤ、Uu-MACレイヤ、及びUu-PHYレイヤを有する。また、中継UE100-2は、PC5インターフェイス上の通信(PC5通信)に用いるPC5-SRAPレイヤ、PC5-RLCレイヤ、PC5-MACレイヤ、及びPC5-PHYレイヤを有する。
遠隔UE100-1は、Uuインターフェイス上の通信(Uu)に用いるUu-SDAPレイヤ及びUu-PDCPレイヤを有する。また、遠隔UE100-1は、PC5インターフェイス上の通信(PC5通信)に用いるPC5-SRAPレイヤ、PC5-RLCレイヤ、PC5-MACレイヤ、及びPC5-PHYレイヤを有する。
図8に示すように、コントロールプレーンでは、ユーザプレーンのUu-SDAPレイヤに代えて、Uu-RRCレイヤが配置される。
図7と図8に示すように、Uuインターフェイス及びPC5インターフェイス上において、SRAPレイヤが配置される。SRAPレイヤは、所謂アダプテーションレイヤの一例である。SRAPレイヤはレイヤ2中継にのみ存在し、レイヤ3中継には存在しない。また、SRAPレイヤは、遠隔UE100-1、中継UE100-2、及びgNB200-1の全てに存在する。更に、SRAPレイヤは、PC5-SRAPとUu-SRAPの2つレイヤが存在する。PC5-SRAPとUu-SRAPは、ベアラマッピング機能を有する。例えば、以下のようなベアラマッピング機能を有する。すなわち、遠隔UE100-1とgNB200-1のUu-SRAPは、ベアラ(Uu-PDCP)とPC5 RLCチャネル(PC5-RLC)とのマッピングを行う。また、中継UE100-2のPC5-SRAPとUu-SRAPは、PC5 RLCチャネル(PC5-RLC)とUu RLCチャネル(Uu-RLC)とのマッピングを行う。更に、Uu-SRAPは、遠隔UE100-1の識別機能を有する。
なお、図7と図8には示されていないが、遠隔UE100-1及び中継UE100-2のそれぞれは、PC5用のRRCレイヤを有してもよい。そのようなRRCレイヤを「PC5-RRCレイヤ」と呼ぶ。遠隔UE100-1と中継UE100-2との間における、PC5-RRC接続と、PC5ユニキャストリンクとは、一対一で対応し、PC5ユニキャストリンクが確立された後にPC5-RRC接続が確立される。
また、図7と図8には示されていないが、遠隔UE100-1及び中継UE100-2のそれぞれは、PC5-S(Signaling)プロトコルレイヤを有してもよい。PC5-Sプロトコルレイヤは、PDCPレイヤの上位レイヤである。PC5-Sプロトコルレイヤも、PC5-RRCレイヤと同様に、制御情報送信用のレイヤである。
(第1実施形態における通信制御方法)
次に、第1実施形態における通信制御方法について説明する。第1実施形態では、想定シナリオにおいて、ネットワークスライシングを考慮した中継局再選択(relay reselection)について説明する。このような中継局再選択を「スライス固有中継局再選択(slice-specific relay reselection)」と呼ぶ。
スライス固有中継局再選択を説明するに際して、最初に、ネットワークスライシングの概要について説明する。次に、スライス固有セル再選択(slice-specific cell reselection)について説明する。そして、中継局再選択(relay reselection)について説明する。その後、第1実施形態に係るスライス固有中継局再選択について説明する。
(ネットワークスライシング)
ネットワークスライシングは、事業者が構築した物理的なネットワーク(例えば、NG-RAN10及び5GC20で構成されるネットワーク)を仮想的に分割することにより複数の仮想ネットワークを作成する技術である。各仮想ネットワークは、ネットワークスライスと呼ばれる。以下において、ネットワークスライスを単に「スライス」と呼ぶことがある。
各スライスには、当該スライスを識別するスライス識別子が設けられる。スライス識別子の一例として、S-NSSAI(Single Network Slice Selection Assistance Information)が挙げられる。S-NSSAIは、8ビットのSST(slice/service type)を含む。S-NSSAIは、24ビットのSD(slice differentiator)をさらに含んでもよい。SSTは、スライスが対応付けられるサービス種別を示す情報である。SDは、同一のサービス種別と対応付けられた複数のスライスを差別化するための情報である。複数のS-NSSAIを含む情報はNSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)と呼ばれる。
1つ以上のスライスをグルーピングしてスライスグループを構成してもよい。また、スライスグループは、1つ以上のスライスを含むグループであり、当該スライスグループにスライスグループ識別子が割り当てられる。スライスグループは、コアネットワーク(例えば、AMF300)によって構成されてもよく、無線アクセスネットワーク(例えば、gNB200-1)によって構成されてもよい。構成されたスライスグループは、UE100に通知されてもよい。
以下において、用語「スライス」又は「スライシング」とは、単一のスライスの識別子であるS-NSSAI又はS-NSSAIの集まりであるNSSAIを意味してもよい。また、用語「スライス」又は「スライシング」とは、一つ以上のS-NSSAI又はNSSAIのグループであるスライスグループを意味してもよい。
また、UE100は、自身が利用を望む所望スライスを決定する。このような所望スライスは「intended slice」と呼ばれることがある。
なお、3GPPでは、ネットワークスライシングをRANレベルで考慮したRANスライシングについての議論が行われている。例えば、RANスライシングによって、スライス対応の無線リソースの割り当て、スライス対応のサービス品質(QoS:Quality of Service)の実装などが可能となると考えられる。
(スライス固有セル再選択(slice-specific cell reselection))
次に、スライス固有セル再選択について説明する。
3GPPでは、RANスライシングにおいて、スライス固有セル再選択を導入することについての議論が行われている。スライス固有セル再選択は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態のUE100が、移動に伴って、現在のサービングセル(例えば、セル#1)から隣接セル(例えば、セル#2)へ移行するために行われる処理である。
スライス固有セル再選択は、ネットワークから受信又は保持したスライス周波数情報を用いて行われる。スライス周波数情報は、例えば、各スライス(又はスライスグループ)について、当該スライスをサポートする周波数(1つ又は複数の周波数)と、各周波数に付与される周波数優先度とが含まれる。
スライス固有セル再選択では、以下の処理が行われる。
第1に、UE100のNASが、UE100の所望スライスのスライス識別子と各所望スライスのスライス優先度とを含むスライス情報をASへ通知する。「所望スライス」は、上述したintended sliceのことであり、使用見込みのあるスライス、候補スライス、希望スライス、通信したいスライス、要求されたスライス、許容されたスライス、又は意図したスライスを含む。
第2に、UE100のASは、NASから通知された各スライス(又はスライス識別子)をスライス優先度の高い順に並び替える。
第3に、UE100のASは、スライス優先度が高い順に1つのスライスを選択し、選択スライスについて、当該選択スライスと対応付けられた各周波数に周波数優先度を割り当てる。UE100のASは、スライス周波数情報に基づいて、周波数優先度を割り当てる。
第4に、UE100のASは、選択スライスについて、周波数優先度の高い順に1つの周波数を選択して選択した周波数に対する測定処理を行う。
第5に、UE100のASは、測定処理の結果に基づいて、最高ランクのセルを特定し、当該セルが、選択スライスを提供できるか否かを判定する。当該判定は、予め受信した(又は保持した)セル情報に基づいて判定する。セル情報には、セル(例えば、サービングセルと各隣接セル)と、当該セルが提供していない又は提供しているスライスとの対応関係を示す情報が含まれてよい。
第6に、UE100のASは、最高ランクのセルが、選択スライスを提供すると判定した場合、UE100のASは最高ランクのセルを再選択して、当該セルにキャンプオンする。一方、UE100のASは、最高ランクのセルが選択スライスを提供できないと判定した場合、次に周波数優先度の高い周波数を選択して、当該周波数に対する測定処理を行い、上述の処理を繰り返す。UE100のASは、選択スライスについて、測定処理を行う周波数が存在しなくなると、次にスライス優先度の高い選択スライスを選択して、当該選択スライスに対して、上述した処理を繰り返す。
これにより、例えば、UE100は、UE100が所望する所望スライスをサポートするセルを優先的に再選択して、当該セルにおいて適切に通信を行うことが可能となる、
(中継局再選択(relay reselection))
次に、中継局再選択について説明する。
3GPPでは、サイドリンク中継において、中継局再選択を導入することについて議論されている。中継局再選択は、例えば、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態のUE100が、移動に伴って、現在の中継UE(例えば、中継UE#1)から他の中継UE(例えば、中継UE#2)へ移行するために行われる。
遠隔UE100-1は、サイドリンク通信に用いる周波数がカバレッジ範囲外となると中継局再選択を行ってもよい。また、遠隔UE100-1は、自身がキャンプオンするセルのRSRP測定値が所定閾値より低くなると中継局再選択を行ってもよい。遠隔UE100-1は、SD-RSRP(Sidelink Discovery Reference Signal Received Power)が最低受信RSRPレベル(最低受信品質レベル)を超える中継UEを候補中継UEとして選択する。遠隔UE100-1は、所定基準を満たす全ての候補中継UEのうち、無線リンク(すなわち、PC5ユニキャストリンク)の品質が最も高い候補中継UEを、再選択用の中継UEとして選択してもよい。そして、遠隔UE100-1は、当該中継UEを再選択し、当該中継UEにキャンプオンする。
なお、中継局選択(relay selection)についても同様の処理が行われてもよい。
(第1実施形態に係るスライス固有中継局再選択(slice-specific relay reselection))
上述した中継局再選択(relay reselection)は、スライスについては考慮されていない。そのため、例えば、UE100は、中継局再選択により、所望スライス(intended slice)をサポートする中継UE100-2を再選択するとは限らない。従って、想定シナリオにおいて、適切な通信が行われない場合がある。
また、上述したスライス固有セル再選択(slice-specific cell reselection)は、セルについて考慮されているものの、サイドリンク中継という想定シナリオにおいて適切に動作するとは限らない場合もある。
そこで、第1実施形態では、想定シナリオにおいて、スライスを考慮した中継局再選択(すなわち、スライス固有中継局再選択(slice-specific relay reselection))について説明する。
具体的には、第1に、第1中継ユーザ装置(例えば、中継UE100-2)が、第1中継ユーザ装置でサポート可能なネットワークスライスを含む第1スライスサポート情報を遠隔ユーザ装置(例えば、遠隔UE100-1)へ送信する。第2に、遠隔ユーザ装置が、第1スライスサポート情報に基づいて、遠隔ユーザ装置が利用を所望する所望ネットワークスライス(例えば、所望スライス(intended slice))をサポートする中継ユーザ装置を再選択する再選択処理を行う。
これにより、所望スライスをサポートする中継UE100-2を遠隔UE100-1が再選択することが可能となり、サイドリンク中継による通信を適切に行うことが可能となる。
(第1実施形態に係る動作例)
図9は第1実施形態に係る動作例を表す図である。図9は、スライス固有中継局再選択(slice-specific relay reselection)の手順を表している。
なお、遠隔UE100-1は、図9に示す動作中は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態となっている。遠隔UE100-1と中継UE100-2との間では、PC5接続が切断されてもよいし、PC5接続により接続されてもよい。中継UE100-2は、図9に示す動作中は、RRCコネクティッド状態でもよいし、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態であってもよい。
図9に示すように、ステップS10において、中継UE100-2は、gNB200-1のサービングセルに対して、当該サービングセルがサポートするスライスを示す情報(以下、「セルサポートスライス情報」と称する場合がある。)の提供を要求してもよい。ステップS10は、中継UE100-2の所定レイヤが、gNB200-1の所定レイヤに対して、当該要求を含む所定レイヤのメッセージを送信するステップであってもよい。所定レイヤは、Uuリンクにおける、Uu-PHYレイヤ、Uu-MACレイヤ、Uu-RLCレイヤ、及びUu-SRAPレイヤのいずれかのレイヤであってもよい。
ステップS11において、中継UE100-2は、当該サービングセルがサポートするスライスを特定する。中継UE100-2は、当該サービングセルが提供するスライス固有セル再選択又はRACHの設定情報から、当該サービングセルがサポートするスライスを特定してもよい。当該設定情報は、当該サービングセルからブロードキャスト送信されるシステム情報ブロック(SIB)に含まれてもよい。また、当該設定情報は、当該サービングセルからユニキャスト送信されるRRC解放(RRCRelease)メッセージに含まれてもよい。または、中継UE100-2は、当該サービングセルが提供するセルサポートスライス情報から、当該サービングセルがサポートするスライスを特定してもよい。当該セルサポートスライス情報は、当該サービングセルからユニキャスト送信される個別シグナリング(dedicated signaling)として送信されてもよい。
なお、gNB200-1のサービングセルは、スライス毎にQoSを表したQoS設定情報を個別シグナリングとして、中継UE100-2へ送信してもよい。中継UE100-2では、QoS設定情報に基づいて、QoS要件を満たすのに十分な容量を各スライスが持っているか否かをスライス毎に判定できる。当該QoS設定情報は、中継UE100-2からの要求により、当該サービングセルが当該中継UE100-2へ送信してもよい。
ステップS12において、中継UE100-2は、自身がサポート可能なスライスを特定する。中継UE100-2は、ステップS11で特定したスライス(すなわち、サービングセルがサポートするスライス)を自身がサポート可能なスライスとして特定してもよい。中継UE100-2は、これに加えて、自身の無線リソースの使用状況、ハードウェアの付加状況、Uuリンク及び/又はPC5ユニキャストリンクの混雑状況、及びQoS設定情報に基づいて、自身がサポート可能なスライスを特定してもよい。
ステップS13において、中継UE100-2は、ステップS12で特定した、自身がサポート可能なスライスを示す情報(以下、「サポート可能スライス情報」と称する場合がある。)をgNB200-1へ送信してもよい。サポート可能スライス情報は、所定レイヤのメッセージに含まれて送信されてもよい。
ステップS14において、中継UE100-2は、中継UE100-2に隣接する隣接中継UE(例えば第2中継ユーザ装置)がサポートするスライスを特定してもよい。この場合、gNB200-1のサービングセルは、隣接中継UEがサポートするスライスをステップS13などにより取得しているため、隣接中継UEがサポートするスライスを示す情報(以下、「隣接中継UEスライスサポート情報」と称する場合がある。)を、中継UE100-2へ送信することが可能である。当該隣接中継UEスライスサポート情報は、所定レイヤにメッセージに含まれて送信されてもよい。
ステップS15において、中継UE100-2は、スライスサポート情報(第1スライスサポート情報)を遠隔UE100-1へ送信する。ここでは、中継UE100-2は、自身がどのスライスについてサポート可能かを示す情報を遠隔UE100-1へ送信している。中継UE100-2は、スライスサポート情報を含むディスカバリメッセージを送信してもよい。また、中継UE100-2は、スライスサポート情報を含むPC5-RRCメッセージを送信してもよい。また、中継UE100-2は、スライスサポート情報を含むPC5-Sメッセージを送信してもよい。
スライスサポート情報には、中継UE100-2がサポート可能なスライスの識別子が含まれる。サポート可能なスライスは、ステップS12で特定したスライスであってもよい。スライスサポート情報には、隣接中継UEでサポートするスライスの識別子が含まれてもよい。隣接中継UEでサポートするスライスは、ステップS14で特定したスライスであってもよい。当該識別子を含むスライスサポート情報が、隣接中継UEスライスサポート情報(第2スライスサポート情報)であってもよい。第2スライスサポート情報が第1スライスサポート情報に含まれて第1スライスサポート情報として送信されてもよいし、第1スライスサポート情報と第2スライスサポート情報が別々に送信されてもよい。
なお、図9に示す例では、スライスサポート情報を送信する中継UE100-2は1つであるが、複数の中継UEから各々、スライスサポート情報が送信されてもよい。複数の中継UEが各々、どのスライスをサポートできるのかを遠隔UE100-1に提供することになる。この場合、遠隔UE100-1は、後段の処理によって、複数のスライスサポート情報に基づいて、複数の中継UEの中から、所望スライスをサポートする中継UEを再選択することになる。
ステップS16において、遠隔UE100-1のASは、上位レイヤ(NAS)から所望スライス(intended slice)が通知される。所望スライスには、所望スライス毎の優先度情報が含まれてもよい。
ステップS17において、遠隔UE100-1は、(最高優先度の)所望スライスを特定し、当該所望スライスをサポートする中継UEを特定する。ステップS17において、遠隔UE100-1は、どの中継UEが所望スライスをサポートするのかを判断している。このようにして特定された中継UEを、「特定中継UE」と称する場合がある。遠隔UE100-1は、スライスサポート情報に基づいて、特定中継UEを特定する。遠隔UE100-1は、複数の特定中継UEを特定してもよい。
ステップS18において、遠隔UE100-1は、特定中継UEの優先度を上げる処理を行う。
例えば、当該優先度を上げる処理として、遠隔UE100-1が、当該中継UEの無線測定値(SD-RSRP又はSL-RSRP(Sidelink Reference Signal Received Power)など)にオフセット値を加えるようにしてもよい。当該オフセット値は、中継UE100-2から通知されてもよい。また、当該オフセット値は、gNB200-1から通知されてもよい。中継UE100-2からの当該通知は所定レイヤのメッセージに含まれて送信されてもよい。また、gNB200-1からの当該通知はUu-RRCレイヤのメッセージに含まれて送信されてもよい。或いは、当該オフセット値は自身で決定(実装依存)してもよい。なお、遠隔UE100-1は、当該中継UEのみを再選択候補としてもよい。
ステップS19において、遠隔UE100-1は、中継局再選択処理を実行する。例えば、遠隔UE100-1は、以下の処理を行う。すなわち、遠隔UE100-1は、周囲の中継UEに対して、無線測定値を取得する。遠隔UE100-1は、特定中継UEの無線測定値にオフセット値を加える。遠隔UE100-1は、当該無線測定値が最低無線品質レベルを超える中継UEを候補中継UEとして選択する。遠隔UE100-1は、候補中継UEの中から所定基準を満たす(例えば、無線測定値が最も高い)中継UEを選択してもよい。遠隔UE100-1は選択した当該中継UEを適切な(suitable)中継UEとしてもよい。ステップS18において、特定中継UEの無線測定値に対して優先度が上げられているため、中継局再選択処理において、特定中継UEが適切な中継UEとして選択されやすくなる。
ステップS20において、遠隔UE100-1は、中継再選択が成功したか否かを判定する。ステップS20において、中継再選択が成功した場合(ステップS20でYES)、処理はステップS21へ移行する。一方、ステップS20において、中継再選択が成功しなかった場合(ステップS20でNO)、処理は再びステップS17へ移行する。
中継再選択が成功したか否かは、遠隔UE100-1が適切な中継UEを選択できたか否かに基づく。遠隔UE100-1は、適切な中継UEを選択できた場合、中継再選択が成功した(ステップS20でYES)と判定してもよい。一方、遠隔UE100-1は、所望スライスをサポートする中継UEが存在しなかったり、無線測定値が最低無線品質レベルよりも低かったため適切なUEを選択できなかったりした場合、中継再選択が成功しなかった(ステップS20でNO)と判定してもよい。
処理が再びステップS17へ移行した場合、ステップS17において、遠隔UE100-1は、次に優先度の高い所望スライスをサポートする中継UEを、特定中継UEとして、上述した処理を繰り返す。遠隔UE100-1は、最低優先度の所望スライスをサポートする中継UEを、特定中継UEとして選択しても、中継再選択に成功しなかった場合、スライス固有中継局再選択による再選択を行わないようにしてもよい。
ステップS21において、遠隔UE100-1は、所望スライスをサポートする中継UEを再選択し、当該中継UEにキャンプオンする。
例えば、gNB200-1のサービングセルが遠隔UE100-1にとって目的とするスライスを提供していないシナリオが考えられる。しかし、上述したように、遠隔UE100-1は、スライス固有中継局再選択(slice-specific relay reselection)の手順を実行することで、目的のスライスを提供するセルにキャンプしている中継UE(再選択した中継UE)を介して、当該セルに間接的に接続して、目的のスライスにアクセスすることが可能となる。このことからも、スライス固有中継局再選択により、適切なサイドリンク中継を行うことが可能である。
(第1実施形態の変形例1)
第1実施形態では、スライス固有中継局再選択(slice-specific relay reselection)の手順について説明した。スライス固有中継局選択(slice-specific relay selection)についても、上述したスライス固有中継局再選択の手順により実行されてもよい。この場合、中継再選択の実行(ステップS18)においては、所定基準として、中継局選択(relay selection)固有の基準が用いられて中継UEが選択されてもよい。
(第1実施形態の変形例2)
第1実施形態の変形例2は、中継UE100-2が遠隔UE100-1に対して、スライス毎の付加情報を送信する例である。
具体的には、第1に、第1中継ユーザ装置(例えば、中継UE100-2)が、ネットワークスライス毎の付加情報を遠隔ユーザ装置(例えば、遠隔UE100-1)へ送信する。第2に、遠隔ユーザ装置が、付加情報に基づいて、遠隔ユーザ装置が要求するQoSを満たすか否かをネットワークスライス毎に特定し、特定したネットワークスライスと第1スライスサポート情報とに基づいて、再選択処理を行う。
これにより、遠隔UE100-1は、スライス固有中継局再選択において、自身が要求するQoSを満たすスライスをサポートする中継UEを再選択することが可能となる。そのため、想定シナリオにおいて、サイドリンク中継を適切に行うことが可能となる。
(変形例2の動作例)
図10は、第1実施形態の変形例に係る動作例を表す図である。
図10に示すように、ステップS30において、中継UE100-2は、付加情報を、遠隔UE100-1へ送信する。付加情報は、ディスカバリメッセージ、PC5-RRCメッセージ、及びPC5-Sメッセージのいずれかに含まれて送信されてもよい。付加情報は、第1実施形態のスライスサポート情報に含まれて送信されてもよい。また、当該付加情報は、スライスサポート情報と付加情報とが同一のメッセージ内に含まれて送信されてもよい。また、当該付加情報は、スライスサポート情報とは別のメッセージに含まれて送信されてもよい。
付加情報は、以下であってもよい。すなわち、付加情報は、スライス毎に利用可能なリソースプール及び/又はスライス毎に利用不可能(又は許可しない)リソースプールの情報であってもよい。また、付加情報は、スライス毎に利用可能なリソースプール及び/又はスライス毎に利用不可能(又は許可しない)リソースプールの情報であって、当該情報がUE毎であってもよい。更に、付加情報は、スライス毎にアクティブなPC5接続UE(遠隔UE100-1)数であってもよい。更に、付加情報は、スライス毎にサポート可能なスループットであってもよい。更に、付加情報は、スライス毎にサポート可能な遅延量であってもよい。
ステップS31において、遠隔UE100-1は、付加情報に基づいて、自身が要求するQoSを満たすか否かをスライス毎に特定する。遠隔UE100-1は、あるスライスについて自身が要求するQoSを満たさないと判定すると、当該スライスをサポートする中継UEは、所望スライス(intended slice)の要件を満たしていないと判定してもよい。この場合、遠隔UE100-1は、当該中継UEを、スライス固有中継局再選択の候補から除外してもよい。一方、遠隔UE100-1は、あるスライスについて当該QoSを満たすと判定すると、当該スライスをサポートする中継UEが所望スライスの要件を満たすと判定し、当該中継UEを特定中継UE(図9のステップS17)に含めてもよい。
ステップS32において、遠隔UE100-1は、特定したスライス毎の性能と、所望スライスとを考慮して、スライス固有中継再選択処理(図9のステップS16からステップS21)を実行する。
(変形例3)
付加情報には、サービングセル200-1の「スライス周波数情報」が含まれてもよい。スライス周波数情報は、上述したように、スライス固有の周波数と各周波数(1又は複数)に付与される周波数優先度(1又は複数)とを含む。
中継UE100-2は、サービングセル200-1のスライス周波数情報をサービングセル200-1から予め受信し、取得している。そのため、中継UE100-2は、当該スライス周波数情報を含む付加情報を遠隔UE100-1へ送信することが可能である(ステップS30)。
遠隔UE100-1では、所望スライス、スライスサポート情報に加え、スライス周波数情報を考慮して、特定中継UEを選択することが可能となる(ステップS32)。例えば、所望スライスが中継UE#1と中継UE#2の2つ中継UEでサポートされるケースを考える。また、例えば、スライス周波数情報には、中継UE#1では所望スライスについて「800MHz」、中継UE#2では所望スライスについて「3.5GHz」が使用されることを示す情報が含まれているケースを考える。この場合、遠隔UE100-1は、中継UE#1のカバレッジの観点から、中継UE#1へ接続した方がよいと判定することが可能である。そして、遠隔UE100-1は、当該中継UE#1を特定中継UEとして、スライス固有中継再選択処理(図9のステップS16からステップS21)を実行することが可能である。
[第2実施形態]
第2実施形態では、gNB200-1が各スライスで使用するリソースプールの情報を中継UE100-2へ送信する例である。
図11は、リソースプールの割り当て例を表す図である。例えば、リソースプールAは、スライスA専用に割り当てられ、リソースプールBは、スライスBとスライスCとで共用で割り当てられると仮定する。この場合、リソースプールAはスライスA専用であるため、スライスBとスライスCよりも、多くのリソースの割り当てが可能となる。そのため、スライスAのアクセスを、スライスB及びスライスCのアクセスよりも優先させることが可能になる。また、スライスAのアクセスと、スライスB及びスライスCのアクセスとは、異なるリソースプールが用いられるため、2つのアクセスにおける干渉を抑制させることが可能となる。
具体的には、第1に、基地局(例えば、gNB200-1)が、ネットワークスライスとリソースプールとの対応関係を示すマッピング情報を中継ユーザ装置(例えば、中継UE100-2)へ送信する。第2に、中継ユーザ装置が、マッピング情報を遠隔ユーザ装置(例えば、遠隔UE100-1)へ送信する。第3に、遠隔ユーザ装置と中継ユーザ装置が、マッピング情報に基づいて、リソースプールを用いた通信(例えば、サイドリンク中継による通信)を行う。
これにより、例えば、中継UE100-2と遠隔UE100-1は、マッピング情報に基づいて、スライスAを用いたサイドリンク中継を、他のスライスを用いたサイドリンク中継よりも、優先して行うことが可能となる。
(第2実施形態に係る動作例)
図12は、第2実施形態に係る動作例を表す図である。
ステップS40において、gNB200-1は、リソースプール情報を、中継UE100-2へ送信する。
第1に、リソースプール情報は、スライスとリソースプールと対応関係を表すマッピング情報であってもよい。当該マッピング情報は、リソースプール毎に使用可能なスライスを指定する情報であってもよい。図11の例では、マッピング情報は、リソースプールAはスライスA、リソースプールBはスライスB及びスライスCを指定する情報となる。また、当該マッピング情報は、スライス毎に使用可能なリソースプールを指定する情報であってもよい。図11の例では、マッピング情報は、スライスAはリソースプールA、スライスBはリソースプールB、スライスCはリソースプールBを指定する情報となる。
第2に、リソースプール情報は、遠隔UE100-1とリソースプールとの対応関係を表すマッピング情報であってもよい。当該マッピング情報は、リソースプール毎に使用可能な遠隔UE100-1を指定する情報であってもよい。例えば、図11の例では、マッピング情報は、リソースプールAは遠隔UE#1、リソースプールBは遠隔UE#2及び遠隔UE#3を指定する情報となる。また、当該マッピング情報は、遠隔UE100-1毎に使用可能なリソースプールを指定する情報であってもよい。例えば、図11の例では、マッピング情報は、遠隔UE#1はリソースプールA、遠隔UE#2はリソースプールB、遠隔UE#3はリソースプールBを指定する情報となる。
なお、gNB200-1は、所定レイヤによるメッセージに、リソースプール情報を含ませて送信することで、中継UE100-2へリソースプール情報を送信してもよい。
リソースプール情報の送信により、gNB200-1は、中継UE100-2に対して、スライス毎にリソースプールを設定できる。
ステップS41において、中継UE100-2は、遠隔UE100-1へ、リソースプール情報を送信する。例えば、中継UE100-2は、PC5-RRCメッセージ、PC5-Sメッセージ、及びディスカバリメッセージのいずれかにリソースプール情報を含ませて送信してもよい。当該リソースプール情報は、ステップS40のリソースプール情報と同じである。なお、gNB200-1が、リソースプール情報を遠隔UE100-1へ送信してもよい。この場合、gNB200-1は、リソースプール情報を含む、Uu-RRCメッセージ又はUu-PDCPメッセージを遠隔UE100-1へ送信してもよい。中継UE100-2は、リソースプール情報を遠隔UE100-1へ送信することで、遠隔UE100-1に対してスライス毎のリソースプールを設定する。
ステップS42において、中継UE100-2と遠隔UE100-1は、リソースプール情報に基づいて、リソースプールを用いたサイドリンク中継を行う。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
3GPPでは、スライス固有RACH(slice-specific RACH)について議論されている。スライス固有RACHは、スライス毎(又はスライスグループ毎)に分離されたランダムアクセス機会(separated RO(RACH Occasion))及び/又はスライス毎に分離されたプリアンブル(separated preamble)を用いて行われるランダムアクセス手順のことである。スライス固有RACHにより、例えば、スライス間、スライスグループ間、又はスライスを用いるアクセスとスライスを用いないアクセスとの間、において当該リソースが重複する事態を抑制できる。また、当該リソースの重複を避けることによって、複数のUE100が送信したRACHの干渉を抑制できる。また、あるスライス(又はスライスグループ)のアクセスを(干渉が発生しにくいリソースを割り当てることで)優先制御することも可能となる。
例えば、以下のようなシナリオを仮定する。すなわち、所望スライス(intended slice)を用いた通信を行いたい遠隔UE100-1が存在する。また、当該所望スライスをサポートする中継UE100-2がRRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にある。
そこで、このようなシナリオにおいて、遠隔UE100-1は、当該中継UE100-2に対して、スライス固有RACHを開始させるように指示する。これにより、当該中継UE100-2がgNB200-1とRRC接続されて、遠隔UE100-1は、当該中継UE100-2を介して、所望スライスを用いた通信を行うことが可能となる。
具体的には、第1に、遠隔ユーザ装置(例えば、遠隔UE100-1)が、第1中継ユーザ装置(例えば、中継UE100-2)に対する接続(例えば、PC5-RRC接続)を確立するための接続要求メッセージ(例えば、PC5-RRC接続要求メッセージ)を第1中継ユーザ装置へ送信する。第2に、遠隔ユーザ装置が、第1中継ユーザ装置が基地局(例えば、gNB200-1)と接続(例えば、Uu-RRC接続)を確立するための所定メッセージを中継ユーザ装置へ送信する。第3に、第1中継ユーザ装置が、接続要求メッセージ及び所定メッセージのいずれかに含まれるネットワークスライス識別子に紐づけられたRACHリソースを用いて、基地局に対してランダムアクセス手順を実行する。
(第3実施形態に係る動作例)
図13は、第3実施形態に係る動作例を表す図である。
図13に示すように、遠隔UE100-1はRRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態である(ステップS50)。また、中継UE100-2も、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態である(ステップS51)。図13に示す動作中は、遠隔UE100-1と中継UE100-2は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態を維持する。
ステップS52において、遠隔UE100-1は、スライスを用いた通信を行うことを決定する。例えば、遠隔UE100-1のNASは、遠隔UE100-1のASへ、所望スライス(intended slice)を通知した後、PC5-RRC接続要求を通知する。又は、遠隔UE100-1のNASは、遠隔UE100-1のASへ、PC5-RRC接続要求とともに所望スライスを通知してもよい。遠隔UE100-1のASは、所望スライスの通知とPC5-RRC接続要求の通知とにより、所望スライスを用いた通信を行うことを決定してもよい。
ステップS53において、遠隔UE100-1は、PC5-RRC接続確立要求メッセージを中継UE100-2へ送信する。遠隔UE100-1のPC5-RRCレイヤが、中継UE100-2のPC5-RRCレイヤへ、当該メッセージを送信してもよい。
ステップS54において、遠隔UE100-1と中継UE100-2との間のPC5リンク上で、PC5-RRC接続が確立する。
ステップS55において、遠隔UE100-1は、first messageを送信する。first messageは、中継UE100-2においてgNB200-1に対してRRC接続を確立させるために遠隔UE100-1から中継UE100-2へ送信されるメッセージである。中継UE100-2は、first messageの受信に応じて、gNB200-1に対するRRC接続の確立を開始する。first messageは、PC5-RRCメッセージとして送信されてもよい。なお、以下では、first messageを「所定メッセージ」と称する場合がある。
所定メッセージは、RACH手順において、最初にスケジューリング送信されるメッセージであるMsg3(MSG3:第3メッセージ)であってもよい。Msg3は、RRC接続要求メッセージの一例である。所定メッセージは、RRCセットアップ要求(RRCSetupRequest)メッセージであってもよい。また、所定メッセージは、RRC接続再開(RRCResumeRequest)メッセージであってもよい。
ここで、遠隔UE100-1は、PC5-RRC接続要求メッセージ(ステップS53)及び所定メッセージ(ステップS55)のいずれかのメッセージに、ステップS52で決定したスライス(所望スライス)の識別子を含ませて送信する。
ステップS56において、中継UE100-2は、所定メッセージの受信に応じて、RACH手順を開始することを決定する。そして、ステップS56において、中継UE100-2は、PC5-RRC接続要求メッセージ又は所定メッセージに含まれるスライスの識別子から、遠隔UE100-1が使用するスライスを特定し、当該スライスに紐づけられたRACHリソースを特定する。スライスとRACHリソースとの紐付け情報は、gNB200-1からシステム情報ブロック(SIB)に含まれ、中継UE100-2がgNB200-1から受信しているものとする。
ステップS57からステップS60において、中継UE100-2はスライス固有RACH手順を実行する。すなわち、ステップS57において、中継UE100-2は、ステップS56で特定した(すなわち、所望スライスに紐づけられた)RACHリソースを用いて、PRACH上のプリアンブルを含むMsg1(MSG1:第1メッセージ)をgNB200-1へ送信する。ステップS58において、gNB200-1は、リソース割り当て情報などを含むMsg2(MSG2:第2メッセージ)を中継UE100-2へ送信する。ステップS59において、中継UE100-2は、リソース割り当て情報のリソースを用いて、Msg3をgNB200-1へ送信する。中継UE100-2は、ステップS55でMsg3を受信した場合、当該Msg3を送信してもよい。ステップS60において、gNB200-1は、RRC接続に関する制御情報などを含むMsg4(MSG:第4メッセージ)を中継UE100-2へ送信する。
(第3実施形態の変形例)
次に、第3実施形態の変形例について説明する。
第3実施形態で説明したセル固有RACH手順(ステップS57からステップS60)について、干渉などによって、当該手順が失敗する場合がある。この場合、中継UE100-2がgNB200-1とRRC接続することができず、遠隔UE100-1は、中継UE100-2を介して、スライス(所望スライス)を利用した通信を行うことができない場合がある。
そこで、第3実施形態の変形例では、中継UE100-2はRACH手順に失敗した場合の動作又は処理について説明する。
具体的には、第1に、第1中継ユーザ装置(例えば、中継UE100-2)が、ランダムアクセス手順に失敗した場合、ランダムアクセス手順に失敗したことを示す情報を含む失敗メッセージを、遠隔ユーザ装置(例えば、遠隔UE100-1)へ送信する。第2に、遠隔ユーザ装置は、失敗メッセージを受信したことに応じて、所定処理を行う。ここで、所定処理は、遠隔ユーザ装置が、第1中継ユーザ装置に対してランダムアクセス手順を再度実行するよう要求することを示す情報を含む要求メッセージを第1中継ユーザ装置へ送信すること、及び遠隔ユーザ装置が、中継ユーザ装置の再選択をトリガすること、のいずれかである。
これにより、中継UE100-2においてセル固有RACH手順が失敗した場合であっても、再度当該手順が行われるか、又は、中継局再選択(relay reselection)が行われるため、遠隔UE100-1はスライスを用いた通信を適切に実行することが可能となる。
(変形例の動作例)
図14は、第3実施形態の変形例に係る動作例を表す図である。なお、図14では、ステップS70以降が示されているが、ステップS70以前は、第1実施形態(図13)におけるステップS50からステップS55までが行われたものとして説明する。
ステップS70において、中継UE100-2は、スライス固有RACH手順が実行される。当該手順において、中継UE100-2は、第3実施形態と同様に、遠隔UE100-1が使用するスライス(所望スライス)に紐づけられRACHリソースを用いてMsg1を送信する(図13のステップS57)。
ステップS71において、中継UE100-2は、スライス固有RACH手順に失敗したことを検出する。
ステップS72において、中継UE100-2は、スライス固有RACH手順に失敗したことを示す情報を含む失敗メッセージを遠隔UE100-1へ送信する。失敗メッセージは、PC5-RRCメッセージとして送信されてもよい。
ステップS73において、遠隔UE100-1は、失敗メッセージを受信したことに応じて所定処理を行う。所定処理は、遠隔UE100-1が、中継UE100-2に対してセル固有RACH手順を再度実行するよう要求することを示す情報を含む要求メッセージを送信すること、及び、遠隔UE100-1が中継局再選択(relay reselection)をトリガすることのいずれかである。
遠隔UE100-1は、中継局再選択をトリガする場合、当該中継UE100-2を選択する際に用いた優先度(例えば最高優先度)のスライス(第1ネットワークスライス)の次の優先度(例えば第2優先度)のスライス(第2ネットワークスライス)を選択してもよい。また、遠隔UE100-1は、この場合、当該スライスをサポートする他の中継UEを選択してもよい。また、遠隔UE100-1は、中継局再選択をトリガする場合、現在の中継UE100-2を中継局再選択候補から外して、中継局再選択処理(例えば、図9)を行うようにしてもよい。
[その他の実施形態]
UE100(中継UE100-2と遠隔UE100-1も含む)又はgNB200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM又はDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
また、UE100又はgNB200が行う各処理を実行する回路を集積化し、UE100又はgNB200の少なくとも一部を半導体集積回路(チップセット、SoC:System on a chip)として構成してもよい。
本開示で使用されている「に基づいて(based on)」、「に応じて(depending on)」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。また、「取得する(obtain/acquire)」は、記憶されている情報の中から情報を取得することを意味してもよく、他のノードから受信した情報の中から情報を取得することを意味してもよく、又は、情報を生成することにより当該情報を取得することを意味してもよい。「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。さらに、本開示で使用されている「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
本願は、米国仮出願第63/299604号(2022年1月14日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。