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JP7753797B2 - ねじ状砥石車のツルーイング方法およびねじ状砥石車のツルーイング装置 - Google Patents
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JP7753797B2 - ねじ状砥石車のツルーイング方法およびねじ状砥石車のツルーイング装置 - Google Patents

ねじ状砥石車のツルーイング方法およびねじ状砥石車のツルーイング装置

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Description

本発明は、ねじ状砥石車のツルーイング方法およびねじ状砥石車のツルーイング装置に関する。
特許文献1,2には、ねじ状砥石車をツルーイングする方法として、ロータリツルアを用いる方法が記載されている。ロータリツルアを回転した状態で、ねじ状砥石車の回転と、ねじ状砥石車とロータリツルアとの相対移動とを同期して、ロータリツルアによりねじ状砥石車のねじ歯面をツルーイングする。
ロータリツルアの軸方向断面形状は、外周端に行くにしたがって細くなるような三角形状に形成されている。先細断面形状のロータリツルアは、ねじ状砥石車のねじ溝形状の諸元に合わせた形状に形成されている。
特開2019-089154号公報 特開2010-029992号公報
しかし、従来の先細断面形状のロータリツルアは、ねじ状砥石車のねじ溝形状の諸元に合わせた専用設計を行っている。そのため、ねじ状砥石車のツルーイングは、ねじ状砥石車毎に、専用のロータリツルアを用いる必要があった。従って、ツールコストが高くなる問題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、1種のロータリツルアを用いて複数種のねじ状砥石車のツルーイングを行うことを可能とするねじ状砥石車のツルーイング方法および装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、ロータリツルアを用いた歯車研削用のねじ状砥石車のツルーイング方法であって、
前記ロータリツルアは、中心軸に直交する円盤面を有し、
前記ねじ状砥石車の諸元に応じて、前記ねじ状砥石車と前記ロータリツルアとの交差角およびオフセット角を算出し、
算出した前記交差角および前記オフセット角となるように前記ねじ状砥石車および前記ロータリツルアを配置した状態で、前記ロータリツルアの前記円盤面により前記ねじ状砥石車のツルーイングを行う、ねじ状砥石車のツルーイング方法にある。
本発明の他の態様は、ロータリツルアを用いて歯車研削用のねじ状砥石車のツルーイングを行うツルーイング装置であって、
前記ロータリツルアは、中心軸に直交する円盤面を有し、
前記ねじ状砥石車の諸元に応じて、前記ねじ状砥石車と前記ロータリツルアとの交差角およびオフセット角を算出する算出部と、
算出した前記交差角および前記オフセット角となるように前記ねじ状砥石車および前記ロータリツルアを配置した状態で、前記ロータリツルアの前記円盤面により前記ねじ状砥石車のツルーイングを行う制御部と、
を備える、ねじ状砥石車のツルーイング装置にある。
上記態様のツルーイング方法およびツルーイング装置によれば、ロータリツルアは、ロータリツルアの中心軸に直交する円盤面を有する。従って、ロータリツルアは、ねじ状砥石車のねじ溝形状の諸元とは無関係の形状であって、異なる形状のねじ状砥石車のツルーイングに適用可能である。
そして、ロータリツルアの円盤面を用いたツルーイングを行うために、ツルーイングの際に、所定の交差角および所定のオフセット角となるようにねじ状砥石車およびロータリツルアを配置している。所定の交差角および所定のオフセット角は、ねじ状砥石車の諸元に応じて算出される。つまり、ツルーイング時において、ツルーイング対象のねじ状砥石車に応じた交差角およびオフセット角となるようにねじ状砥石車およびロータリツルアを配置することで、種々のねじ状砥石車のツルーイングを行うことができる。
以上のごとく、上記態様によれば、1種のロータリツルアを用いて複数種のねじ状砥石車のツルーイングを行うことを可能とするねじ状砥石車のツルーイング方法および装置を提供することができる。
ツルーイング装置を示す図である。 ねじ状砥石車の第一ねじ歯面をツルーイングする場合のねじ状砥石車およびロータリツルアを示す図である。 図2のIII方向から見た図である。 図2のIV方向から見た図である。 ねじ状砥石車の第二ねじ歯面をツルーイングする場合のねじ状砥石車およびロータリツルアを示す図である。 図5のVI方向から見た図である。 図5のVII方向から見た図である。 ツルーイング装置の算出部による処理を示すフローチャートである。 図8のS6の処理を説明するための図である。
(実施形態)
1.ツルーイング装置1の構成
ねじ状砥石車Wのツルーイング装置1について、図1を参照して説明する。ツルーイング装置1は、ロータリツルアTを用いて、工作物であるねじ状砥石車Wをツルーイングするための装置である。詳細には、ツルーイング装置1は、ロータリツルアTをロータリツルアTの中心軸Ct回りに回転し、ねじ状砥石車Wをねじ状砥石車Wの中心軸Cw回りに回転した状態において、ロータリツルアTをねじ状砥石車Wに対してねじ状砥石車Wの中心軸Cw方向に移動することにより、ねじ状砥石車Wのねじ歯面をツルーイングする。
そこで、ツルーイング装置1は、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、相対的に、相互に交差する3軸方向に直動可能に構成された3つの直動装置を備える。本実施形態において、ツルーイング装置1の3つの直動装置は、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、相対的に、相互に直交する3軸であるXt軸、Yt軸、Zt軸の各方向に直動可能とする。
さらに、ツルーイング装置1は、ねじ状砥石車WとロータリツルアTとの相対姿勢を変更するために、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTの少なくとも一方を回転可能に構成された回転装置を備える。本実施形態においては、ツルーイング装置1の回転装置は、ねじ状砥石車Wを、Yt軸に平行なB軸回りに回転可能に構成される。
また、ツルーイング装置1は、ねじ状砥石車Wを、ねじ状砥石車Wの中心軸Cw回りに回転可能に構成された回転装置を備える。本実施形態においては、ねじ状砥石車Wの中心軸Cwは、Yt軸に直交する軸とする。さらに、ツルーイング装置1は、ロータリツルアTを、ロータリツルアTの中心軸Ct軸回りに回転可能に構成された回転装置を備える。本実施形態においては、ロータリツルアTの中心軸Ct軸は、Zt軸に平行な軸とする。
なお、本実施形態においては、図1に示すように、Xt軸方向およびZt軸方向を水平方向とし、Yt軸方向を鉛直方向とする。ただし、Xt軸、Yt軸およびZt軸は、水平方向および鉛直方向に関し、図1とは異なる態様とすることもできる。また、ねじ状砥石車WとロータリツルアTの相対位置を変更するための構成は、図1とは異なる構成とすることもできる。
本実施形態においては、ツルーイング装置1は、ベッド10、工作物保持装置20、工具保持装置30、制御部40および算出部50を備える。ベッド10は、設置面上に設置され、工作物保持装置20の形状および工具保持装置30の形状などに応じた形状に形成される。ベッド10は、例えば、矩形状とする。ベッド10の上面には、Xt軸方向に延在する一対のXt軸案内面11、および、Zt軸方向に延在する一対のZt軸案内面12が形成されている。
工作物保持装置20は、工作物であるねじ状砥石車Wをベッド10に対して、Xt軸方向に直動し、B軸に回転可能とし、Cw軸に回転可能とする。工作物保持装置20は、Xt軸移動テーブル21、B軸回転テーブル22、工作物主軸装置23を主に備える。
Xt軸移動テーブル21は、直動装置の1つを構成する。Xt軸移動テーブル21は、図示しないリニアモータまたはボールねじ機構などの駆動装置によって駆動されることにより、ベッド10のXt軸案内面11に案内されながらXt軸方向へ移動する。
B軸回転テーブル22は、ねじ状砥石車WとロータリツルアTとの相対姿勢を変更するための回転装置を構成する。B軸回転テーブル22は、Xt軸移動テーブル21の上面に設置され、Xt軸移動テーブル21と一体的にXt軸方向へ移動する。また、B軸回転テーブル22は、Xt軸移動テーブル21に対してB軸回りに回転可能に設けられる。B軸回転テーブル22には、図示しない回転モータが収納され、B軸回転テーブル22は、回転モータを駆動することでB軸回りに回転可能となる。
工作物主軸装置23は、ねじ状砥石車Wを、ねじ状砥石車Wの中心軸Cw回りに回転可能な回転装置を構成する。工作物主軸装置23は、B軸回転テーブル22に設けられ、B軸回転テーブル22と一体的にB軸回転する。工作物主軸装置23は、ねじ状砥石車Wを回転可能に保持する。工作物主軸装置23は、回転モータの駆動によりねじ状砥石車WをCw軸回りに回転可能とする。このようにして、工作物保持装置20は、ねじ状砥石車Wを、ベッド10に対して、Xt軸方向へ移動可能とし、B軸回りに回転およびCw軸回りに回転可能とする。
詳細には、工作物主軸装置23は、ハウジング23aと主軸23bとを備える。工作物主軸装置23のハウジング23aがB軸回転テーブル22に固定され、工作物主軸装置23の主軸23bがハウジング23aに回転可能に支持されている。この主軸23bの先端に、ねじ状砥石車Wが同軸に取り付けられている。つまり、ねじ状砥石車Wは、工作物主軸装置23の主軸23bに片持ち支持されている。ただし、工作物主軸装置23は、ねじ状砥石車Wを両持ち支持するように構成しても良い。
工具保持装置30は、コラム31、サドル32、工具主軸装置33を主に備える。コラム31は、直動装置の1つを構成する。コラム31は、図示しないリニアモータまたはボールねじ機構などの駆動装置によって駆動されることにより、ベッド10のZt軸案内面12に案内されながらZt軸方向へ移動する。コラム31の上下方向に延びる面(図1の左面)には、Yt軸案内面31aが形成されている。サドル32は、直動装置の1つを構成する。サドル32は、図示しないリニアモータまたはボールねじ機構などの駆動装置によって駆動されることにより、コラム31のYt軸案内面31aに案内されながらYt軸方向へ移動する。
工具主軸装置33は、サドル32に設けられると共に、サドル32と一体的にYt軸方向へ移動する。工具主軸装置33は、ロータリツルアTを保持する。工具主軸装置33には、図示しない回転モータが収納され、工具主軸装置33は、回転モータの駆動によりロータリツルアTをCt軸回りに回転可能とする。このようにして、工具保持装置30は、ロータリツルアTを、ベッド10に対して、Yt軸方向およびZt軸方向に移動可能とし、かつ、Ct軸回りに回転可能に保持する。
詳細には、工具主軸装置33は、ハウジング33aと主軸33bとを備える。工具主軸装置33のハウジング33aがサドル32に固定され、工具主軸装置33の主軸33bがハウジング33aに回転可能に支持されている。この主軸33bの先端に、ロータリツルアTが取り付けられている。つまり、ロータリツルアTは、工具主軸装置33の主軸33bに片持ち支持されている。
なお、上記においては、工作物保持装置20がねじ状砥石車Wを保持し、工具保持装置30がロータリツルアTを保持する場合を例にあげた。この他に、ツルーイング装置1は、工具保持装置30がねじ状砥石車Wを保持し、工作物保持装置20がロータリツルアTを保持する構成とすることもできる。
制御部40は、演算処理装置(プロセッサ)および記憶装置を備えており、ツルーイング用のプログラムを実行することにより、各駆動装置を制御する。つまり、制御部40は、ロータリツルアTの回転、工作物であるねじ状砥石車Wの回転、ねじ状砥石車WとロータリツルアTとの相対的な移動を制御する。そして、制御部40は、ねじ状砥石車Wのねじ歯面をツルーイングするために、工作物主軸装置23と工具主軸装置33とを同期して回転制御しながら、各駆動装置を制御する。
算出部50は、ロータリツルアTを用いてねじ状砥石車Wのねじ歯面をツルーイングするための条件として、特に、後述する交差角θ1,θ2およびオフセット角φ1,φ2を算出する。算出部50は、演算処理装置(プロセッサ)および記憶装置を備えている。算出部50は、制御部40と一体的な装置を構成しても良いし、制御部40とは別体の装置を構成しても良い。
2.座標系の定義
以下に説明するねじ状砥石車Wのねじ歯面のツルーイングにおける座標系について定義する。座標系の定義について、図2を参照して説明する。
ねじ状砥石車Wの中心軸を、Zw軸とする。つまり、Zw軸は、図1に示すツルーイング装置1におけるCw軸に一致する。また、Zw軸に直交し、かつ、相互に直交する軸を、Xw軸、Yw軸とする。ただし、本実施形態においては、Xw軸およびZw軸を水平方向とし、Yw軸を鉛直方向とする。従って、Yw軸は、図1に示すツルーイング装置1におけるYt軸に平行な軸である。
ロータリツルアTの中心軸を、Zt軸とする。つまり、Zt軸は、図1に示すツルーイング装置1におけるCt軸に一致する。また、Zt軸に直交し、かつ、相互に直交する軸を、Xt軸、Yt軸とする。ただし、本実施形態においては、Xt軸およびZt軸を水平方向とし、Yt軸を鉛直方向とする。ロータリツルアTの中心軸Zt上の基準原点をT0とする。図2において、ロータリツルアTの中心軸Zt上の基準原点T0は、Xt軸、Yt軸およびZt軸の交点である。例えば、Xt軸およびYt軸は、ロータリツルアTの第一円盤面T1上、第二円盤面T2上、または、第一円盤面T1と第二円盤面T2との中間位置などとする。
3.ねじ状砥石車Wの形状
ねじ状砥石車Wの形状について図2を参照して説明する。図2には、1条ねじのねじ状砥石車Wを示す。ただし、ツルーイング対象のねじ状砥石車Wは、多条ねじとすることもできる。
ねじ状砥石車Wは、外周面に、中心軸Zw方向の一方(図2の左側)を向く第一ねじ歯面W1、および、中心軸Zw方向の他方(図2の右側)を向く第二ねじ歯面W2を有する。ねじ状砥石車Wの諸元は、次のとおりである。
ねじ状砥石車Wは、外径Doであり、基準円直径Dsである。第一ねじ歯面W1の正面圧力角α1であり、第二ねじ歯面W2の正面圧力角α2である。正面圧力角α1,α2は、ねじ状砥石車Wの中心軸Zw方向の断面における圧力角である。ねじ状砥石車Wの進み角(リード角とも称する)は、γである。
ところで、ねじ状砥石車Wは、歯車G(図示せず)を研削するための工具として用いられる。ねじ状砥石車Wの上述した諸元は、研削対象である歯車Gの諸元によって決定される。研削対象である歯車Gの諸元は、歯車Gの歯直角圧力角αgn、ねじれ角βg、モジュールMg、正面圧力角αgt、基準円直径Dgs、歯末のたけHgなどを含む。
4.ロータリツルアTの形状
ロータリツルアTの形状について図2を参照して説明する。ロータリツルアTは、中心軸Ztに直交する円盤面T1,T2を有する。本実施形態においては、ロータリツルアTは、工具主軸装置33の主軸33b側である基端側を法線とする第一円盤面T1と、自由端側である先端側を法線とする第二円盤面T2とを備える。つまり、第一円盤面T1と第二円盤面T2は、背向しており、両者の面法線がロータリツルアTの中心軸Ztに一致する。
ロータリツルアTにおける第一円盤面T1および第二円盤面T2が、ツルーイングを実施する部位となる。ここで、ロータリツルアTは、第一円盤面T1と第二円盤面T2との距離に相当する所定の厚み(外周面の幅)を有する。ロータリツルアTの厚みは、ツルーイング対象であるねじ状砥石車Wにおけるツルーイングを行っていない部位に干渉しないような厚みに設定されている。また、ロータリツルアTの外周面は、円筒面形状に形成されている。
5.所定の基準軸の定義
所定の基準軸は、以下に説明するツルーイングにおけるねじ状砥石車WとロータリツルアTとの相対位置を定義するために用いられる。所定の基準軸は、ねじ状砥石車Wの中心軸Zwに直交する方向の軸である。図2において、所定の基準軸は、Yw軸とする。つまり、所定の基準軸Ywは、ねじ状砥石車Wの中心軸Zwに直交し、当該中心軸Zwを通り、鉛直方向に平行な軸とする。
6.ねじ状砥石車Wの第一ねじ歯面W1のツルーイング方法
次に、ロータリツルアTを用いたねじ状砥石車Wの第一ねじ歯面W1のツルーイング方法について、図2~図4を参照して説明する。
第一ねじ歯面W1のツルーイングは、図2~図4に示すように、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTの位置関係が交差角θ1およびオフセット角φ1となるように、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを配置した状態で、ロータリツルアTの第一円盤面T1により行われる。交差角θ1およびオフセット角φ1は、図1に示す算出部50により算出される。以下に詳細に説明する。
図2に示すように、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、ねじ状砥石車Wの中心軸Zwに直交する方向であり、かつ、所定の基準軸Ywに直交する方向に投影する。つまり、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、Xw方向に投影する。このとき、図2に示すように、ねじ状砥石車Wの中心軸ZwとロータリツルアTの中心軸Ztとが平行に位置する。この状態を基準として、以下に交差角θ1およびオフセット角φ1について説明する。
まず、交差角θ1について説明する。ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、所定の基準軸Ywの方向に投影する。図3が、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、所定の基準軸Ywの方向に投影した状態を表す。所定の基準軸Ywの方向に投影したときに、ねじ状砥石車Wの中心軸ZwとロータリツルアTの中心軸Ztとの為す角度が、交差角θ1となる。つまり、図3に示すように、ロータリツルアTは、ねじ状砥石車Wに対して、交差角θ1を有して配置されている。
ここで、交差角θ1は、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTの少なくとも一方を、所定の基準軸Ywに平行な軸回りに回転可能に構成された回転装置により設定される。図1に示すツルーイング装置1においては、交差角θ1は、ねじ状砥石車WをB軸回りに回転可能なB軸回転テーブル22により設定される。
次に、オフセット角φ1について説明する。ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、ねじ状砥石車Wの中心軸Zwの方向に投影する。図4が、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、ねじ状砥石車Wの中心軸Zwの方向に投影した状態を表す。中心軸Zwの方向に投影したとき、所定の基準軸Ywと、ねじ状砥石車Wの中心軸Zwに直交しロータリツルアTの基準原点T0を通る軸線(図4の破線)との為す角度が、オフセット角φ1となる。図4に示すように、ロータリツルアTは、ねじ状砥石車Wに対して、オフセット角φ1を有して配置されている。
ここで、オフセット角φ1は、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、相対的に、相互に交差する3軸方向に直動可能に構成された3つの直動装置の少なくとも1つにより設定される。図1に示すツルーイング装置1においては、オフセット角φ1は、ねじ状砥石車WをXt軸に直動可能なXt軸移動テーブル、および、ロータリツルアTをYt軸に直動可能なサドル32により設定される。
図2~図4に示すように、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTが、交差角θ1およびオフセット角φ1となるように配置された状態において、ロータリツルアTの外周端のうちねじ状砥石車Wをツルーイングする部位は、P1となる。
そして、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTが、交差角θ1およびオフセット角φ1となるように配置されることで、ツルーイング位置において、ロータリツルアTの第一円盤面T1が、ねじ状砥石車Wの第一ねじ歯面W1に一致する。この状態で、ロータリツルアTをねじ状砥石車Wの中心軸Zwの方向に相対移動させる。そうすると、ロータリツルアTの第一円盤面T1により、ねじ状砥石車Wの第一ねじ歯面W1のツルーイングが行われる。ツルーイングされた第一ねじ歯面W1は、正面圧力角α1を有する状態となる。
7.ねじ状砥石車Wの第二ねじ歯面W2のツルーイング方法
次に、ロータリツルアTを用いたねじ状砥石車Wの第二ねじ歯面W2のツルーイング方法について、図5~図7を参照して説明する。
第二ねじ歯面W2のツルーイングは、図5~図7に示すように、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTの位置関係が交差角θ2およびオフセット角φ2となるように、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを配置した状態で、ロータリツルアTの第二円盤面T2により行われる。交差角θ2およびオフセット角φ2は、図1に示す算出部50により算出される。以下に詳細に説明する。
図5に示すように、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、ねじ状砥石車Wの中心軸Zwに直交する方向であり、かつ、所定の基準軸Ywに直交する方向に投影する。つまり、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、Xw方向に投影する。このとき、図5に示すように、ねじ状砥石車Wの中心軸ZwとロータリツルアTの中心軸Ztとが平行に位置する。この状態を基準として、以下に交差角θ2およびオフセット角φ2について説明する。
まず、交差角θ2について説明する。ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、所定の基準軸Ywの方向に投影する。図6が、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、所定の基準軸Ywの方向に投影した状態を表す。所定の基準軸Ywの方向に投影したときに、ねじ状砥石車Wの中心軸ZwとロータリツルアTの中心軸Ztとの為す角度が、交差角θ2となる。つまり、図6に示すように、ロータリツルアTは、ねじ状砥石車Wに対して、交差角θ2を有して配置されている。
ここで、交差角θ2は、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTの少なくとも一方を、所定の基準軸Ywに平行な軸回りに回転可能に構成された回転装置により設定される。図1に示すツルーイング装置1においては、交差角θ2は、ねじ状砥石車WをB軸回りに回転可能なB軸回転テーブル22により設定される。
次に、オフセット角φ2について説明する。ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、ねじ状砥石車Wの中心軸Zwの方向に投影する。図7が、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、ねじ状砥石車Wの中心軸Zwの方向に投影した状態を表す。中心軸Zwの方向に投影したとき、所定の基準軸Ywと、ねじ状砥石車Wの中心軸Zwに直交しロータリツルアTの基準原点T0を通る軸線(図7の破線)との為す角度が、オフセット角φ2となる。図7に示すように、ロータリツルアTは、ねじ状砥石車Wに対して、オフセット角φ2を有して配置されている。
ここで、オフセット角φ2は、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、相対的に、相互に交差する3軸方向に直動可能に構成された3つの直動装置の少なくとも1つにより設定される。図1に示すツルーイング装置1においては、オフセット角φ2は、ねじ状砥石車WをXt軸に直動可能なXt軸移動テーブル、および、ロータリツルアTをYt軸に直動可能なサドル32により設定される。
図5~図7に示すように、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTが、交差角θ2およびオフセット角φ2となるように配置された状態において、ロータリツルアTの外周端のうちねじ状砥石車Wをツルーイングする部位は、P2となる。
そして、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTが、交差角θ2およびオフセット角φ2となるように配置されることで、ツルーイング位置において、ロータリツルアTの第二円盤面T2が、ねじ状砥石車Wの第二ねじ歯面W2に一致する。この状態で、ロータリツルアTをねじ状砥石車Wの中心軸Zwの方向に相対移動させる。そうすると、ロータリツルアTの第二円盤面T2により、ねじ状砥石車Wの第二ねじ歯面W2のツルーイングが行われる。ツルーイングされた第二ねじ歯面W2は、正面圧力角α2を有する状態となる。
ここで、図3および図6に示すように、第一ねじ歯面W1をツルーイングする際の交差角θ1と第二ねじ歯面W2をツルーイングする際の交差角θ2とは、同一の角度である。一方、図4および図7に示すように、第一ねじ歯面W1をツルーイングする際のオフセット角φ1と第二ねじ歯面W2をツルーイングする際のオフセット角φ2とは、異なる角度である。ただし、オフセット角φ1の絶対値とオフセット角φ2の絶対値とは、歯車Gの歯直角圧力角αgn(もしくは正面圧力角αgt)が左右歯面において異なる特殊な場合を除き、一致する。そして、オフセット角φ1の回転方向とオフセット角φ2の回転方向とは、反対方向となる。
8.算出部50による処理
図1に示す算出部50による処理について、図8および図9を参照して説明する。算出部50は、上述したように、ロータリツルアTを用いてねじ状砥石車Wのねじ歯面をツルーイングするための条件として、特に、後述する交差角θ1,θ2およびオフセット角φ1,φ2を算出する。
算出部50は、まず、算出のための基本情報を取得する(S1)。基本情報は、ねじ状砥石車Wの諸元、および、ねじ状砥石車Wによる研削対象である歯車G(図示せず)の諸元である。本実施形態においては、基本情報は、歯車GのモジュールMg、歯直角圧力角αgn、ねじれ角βg、歯末のたけHg、および、ねじ状砥石車Wの外径Do、ねじ条数を含む。
続いて、算出部50は、歯車Gの歯直角圧力角αgnおよびねじれ角βgに基づいて、歯車Gの正面圧力角αgtを算出する(S2)。ただし、基本情報に歯車Gの正面圧力角αgtが含まれている場合には、算出部50は、正面圧力角αgtを取得すれば良い。ここで、歯車Gの正面圧力角αgtは、ねじ状砥石車Wの正面圧力角α1,α2の絶対値に等しい。ただし、歯車Gの正面圧力角αgtが左右歯面において異なる特殊な場合は、左右歯面それぞれの正面圧力角αgtがねじ状砥石車Wの正面圧力角α1,α2どちらかの絶対値にそれぞれ等しい。
続いて、算出部50は、ねじ状砥石車Wの外径Doおよび歯車Gの歯末のたけHgに基づいて、ねじ状砥石車Wの基準円直径Dsを算出する(S3)。ただし、基本情報にねじ状砥石車Wの基準円直径Dsが含まれている場合には、算出部50は、基準円直径Dsを取得すれば良い。
続いて、算出部50は、ねじ状砥石車Wの基準円直径Dsおよびねじ条数、ならびに、歯車GのモジュールMgに基づいて、ねじ状砥石車Wの進み角γを算出する(S4)。ただし、基本情報にねじ状砥石車Wの進み角γが含まれている場合には、算出部50は、進み角γを取得すれば良い。
続いて、算出部50は、歯車Gの正面圧力角αgtおよびねじ状砥石車Wの進み角γに基づいて、ねじ状砥石車Wの三次元座標系(Xw,Yw,Zw)において、ロータリツルアTの中心軸の単位ベクトルVtを算出する(S5)。なお、歯車Gの正面圧力角αgtは、上述したように、左右歯面において異なる特殊な場合を除き、ねじ状砥石車Wの正面圧力角α1,α2の絶対値に等しい。歯車Gの正面圧力角αgtが左右歯面において異なる特殊な場合は、左右歯面それぞれの正面圧力角αgtがねじ状砥石車Wの正面圧力角α1,α2どちらかの絶対値にそれぞれ等しい。
ロータリツルアTの中心軸の単位ベクトルVtは、図9に示す。単位ベクトルVtの算出においては、ロータリツルアTの外周端のうちねじ状砥石車Wをツルーイングする部位P0が、Yw軸上に位置する状態とし、ロータリツルアTの第一円盤面T1が、ねじ状砥石車Wの第一ねじ歯面W1に一致する状態とする。この状態におけるロータリツルアTの中心軸の単位ベクトルをVtとする。
続いて、算出部50は、三次元ベクトル計算または三次元CADモデル解析などを用いて、交差角θ1,θ2およびオフセット角φ1,φ2を算出する(S6)。具体的には、算出部50は、図9に示すようなねじ状砥石車Wの三次元座標系(Xw,Yw,Zw)において、ロータリツルアTの中心軸の単位ベクトルVtを、ねじ状砥石車Wの中心軸回りに回転させる。そして、単位ベクトルVtのYw方向成分がゼロになる回転角度を算出する。
図9において、回転角度φ1だけ回転したときのロータリツルアTの中心軸の単位ベクトルVt1は、Yw方向成分がゼロとなり、Xw-Zw平面に平行なベクトルとなる。このときの回転角度φ1が、オフセット角φ1となる。
さらに、単位ベクトルVt1がYw方向成分がゼロとなる状態において、ねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを、所定の基準軸Ywの方向に投影したとき、ねじ状砥石車Wの中心軸とロータリツルアTの中心軸との為す角度が、交差角θ1となる。このようにして、算出部50は、交差角θ1およびオフセット角φ1を算出する。ロータリツルアTの第二円盤面T2によりねじ状砥石車Wの第二ねじ歯面W2をツルーイングする場合も同様の処理により、交差角θ2およびオフセット角φ2が算出される。
9.効果
本実施形態のツルーイング装置1は、上述したように、中心軸Ctに直交する円盤面T1,T2を有するロータリツルアTを用いて、歯車研削用のねじ状砥石車Wのツルーイングを行う。そして、ツルーイング装置1の算出部50が、ねじ状砥石車Wの諸元に応じて、ねじ状砥石車WとロータリツルアTとの交差角θ1,θ2およびオフセット角φ1,φ2を算出する。ツルーイング装置1の制御部40が、算出された交差角θ1,θ2およびオフセット角φ1,φ2となるようにねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを配置した状態で、ロータリツルアTの円盤面T1,T2によりねじ状砥石車Wのツルーイングを行う。
上述したように、ロータリツルアTは、ロータリツルアTの中心軸Ctに直交する円盤面T1,T2を有する。従って、ロータリツルアTは、ねじ状砥石車Wのねじ溝形状の諸元とは無関係の形状であって、異なる形状のねじ状砥石車Wのツルーイングに適用可能である。
そして、ロータリツルアTの円盤面T1,T2を用いたツルーイングを行うために、ツルーイングの際に、所定の交差角θ1,θ2および所定のオフセット角φ1,φ2となるようにねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを配置している。所定の交差角θ1,θ2および所定のオフセット角φ1,φ2は、ねじ状砥石車Wの諸元に応じて算出される。つまり、ツルーイング時において、ツルーイング対象のねじ状砥石車Wに応じた交差角θ1,θ2およびオフセット角φ1,φ2となるようにねじ状砥石車WおよびロータリツルアTを配置することで、種々のねじ状砥石車Wのツルーイングを行うことができる。
従って、本実施形態のツルーイング装置1によれば、1種のロータリツルアTを用いて複数種のねじ状砥石車Wのツルーイングを行うことを可能とする。
1 ねじ状砥石車のツルーイング装置
40 制御部
50 算出部
T ロータリツルア
T1,T2 円盤面
W ねじ状砥石車
θ1,θ2 交差角
φ1,φ2 オフセット角

Claims (7)

  1. ロータリツルアを用いた歯車研削用のねじ状砥石車のツルーイング方法であって、
    前記ロータリツルアは、中心軸に直交する円盤面を有し、
    前記ねじ状砥石車の諸元に応じて、前記ねじ状砥石車と前記ロータリツルアとの交差角およびオフセット角を算出し、
    算出した前記交差角および前記オフセット角となるように前記ねじ状砥石車および前記ロータリツルアを配置した状態で、前記ロータリツルアの前記円盤面により前記ねじ状砥石車のツルーイングを行う、ねじ状砥石車のツルーイング方法。
  2. 前記ねじ状砥石車の中心軸に直交する方向であり、かつ、前記ねじ状砥石車の中心軸に直交する所定の基準軸に直交する方向に投影した場合に、前記ねじ状砥石車の中心軸と前記ロータリツルアの中心軸とが平行であり、
    前記交差角は、前記所定の基準軸方向に投影した場合に、前記ねじ状砥石車の中心軸と前記ロータリツルアの中心軸との為す角度であり、
    前記オフセット角は、前記ねじ状砥石車の中心軸方向に投影した場合に、前記所定の基準軸と、前記ねじ状砥石車の中心軸に直交し前記ロータリツルアの中心軸上の基準原点を通る軸線との為す角度である、請求項1に記載のねじ状砥石車のツルーイング方法。
  3. 前記ねじ状砥石車の前記諸元は、前記ねじ状砥石車の正面圧力角および進み角を含む、請求項1または2に記載のねじ状砥石車のツルーイング方法。
  4. 前記ねじ状砥石車の正面圧力角および進み角は、前記ねじ状砥石車による研削対象である歯車の諸元に基づいて決定される、請求項3に記載のねじ状砥石車のツルーイング方法。
  5. 前記オフセット角は、前記ねじ状砥石車の一方のねじ歯面と他方のねじ歯面とにおいて異なる角度とし、
    前記交差角は、前記ねじ状砥石車のリード角とは異なる角度であって、前記ねじ状砥石車の前記一方のねじ歯面と前記他方のねじ歯面とにおいて同一の角度とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のねじ状砥石車のツルーイング方法。
  6. ロータリツルアを用いて歯車研削用のねじ状砥石車のツルーイングを行うツルーイング装置であって、
    前記ロータリツルアは、中心軸に直交する円盤面を有し、
    前記ねじ状砥石車の諸元に応じて、前記ねじ状砥石車と前記ロータリツルアとの交差角およびオフセット角を算出する算出部と、
    算出した前記交差角および前記オフセット角となるように前記ねじ状砥石車および前記ロータリツルアを配置した状態で、前記ロータリツルアの前記円盤面により前記ねじ状砥石車のツルーイングを行う制御部と、
    を備える、ねじ状砥石車のツルーイング装置。
  7. 前記ねじ状砥石車の中心軸に直交する方向であり、かつ、前記ねじ状砥石車の中心軸に直交する所定の基準軸に直交する方向に投影した場合に、前記ねじ状砥石車の中心軸と前記ロータリツルアの中心軸とが平行であり、
    前記交差角は、前記所定の基準軸方向に投影した場合に、前記ねじ状砥石車の中心軸と前記ロータリツルアの中心軸との為す角度であり、
    前記オフセット角は、前記ねじ状砥石車の中心軸方向に投影した場合に、前記所定の基準軸と、前記ねじ状砥石車の中心軸に直交し前記ロータリツルアの中心軸上の基準原点を通る軸線との為す角度であり、
    さらに、
    前記ねじ状砥石車および前記ロータリツルアの少なくとも一方を、前記所定の基準軸に平行な軸回りに回転可能に構成された回転装置と、
    前記ねじ状砥石車および前記ロータリツルアを、相対的に、相互に交差する3軸方向に直動可能に構成された3つの直動装置と、
    を備え、
    前記交差角は、前記回転装置により設定され、
    前記オフセット角は、前記3つの直動装置の少なくとも1つにより設定される、請求項6に記載のねじ状砥石車のツルーイング装置。
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