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JP7755331B2 - 金属の製造システム、及び金属の製造方法 - Google Patents
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JP7755331B2 - 金属の製造システム、及び金属の製造方法 - Google Patents

金属の製造システム、及び金属の製造方法

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Description

本発明は、金属の製造システム、及び金属の製造方法に関する。
例えば、マグネシウムを溶融塩電解法で製造する場合、その材料として、塩化マグネシウムが使用されるが、その塩化マグネシウムが水分を含むと、溶融塩電解で用いられる電極の劣化の原因となる。
そのため、溶融塩電解では、無水塩化マグネシウムが使用され、無水塩化マグネシウムを製造する方法として、特許文献1には、一酸化炭素ガスの存在下において1200℃以下の温度で固体炭酸マグネシウムを塩素ガスと反応させ、溶融状態で無水塩化マグネシウムを取り出し無水塩化マグネシウムを製造する方法が開示されている。
しかし、特許文献1の方法では、温暖化効果ガスである二酸化炭素ガスが副生成物として発生し、大気放出などの廃棄手段が必要になるという問題がある。
特開昭55-20296号公報 国際公開第2018/221698号 特開2022-42280号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、運転時に二酸化炭素ガスの大気放出を抑制し、あるいは効率的に金属の製造を行える、金属の製造システム、及び金属の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の実施形態に係る金属の製造システムは、金属酸化物を塩素化して無水金属塩化物を生成する塩素化炉と、前記無水金属塩化物を電気分解して金属を生成する溶融塩電解槽と、前記塩素化炉から前記溶融塩電解槽に前記無水金属塩化物を供給する供給経路と、前記溶融塩電解槽から前記塩素化炉に前記電気分解により生じた塩素ガスを供給する供給経路と、を備える。
(2)上記(1)の構成において、前記塩素化炉から排出される二酸化炭素ガスを還元し、一酸化炭素ガスを生成するガス還元装置と、金属水酸化物を脱水処理し、前記塩素化炉に供給される前記金属酸化物を生成する加熱炉と、前記ガス還元装置から前記一酸化炭素ガスを前記塩素化炉に供給する供給経路と、前記加熱炉から前記金属酸化物を前記塩素化炉に供給する供給経路と、をさらに備えてよい。
(3)本発明の実施形態に係る、上記(1)の製造システムを用いた金属の製造方法は、前記塩素化炉で、一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガスにより金属酸化物を塩素化して、無水金属塩化物を生成することと、生成した前記無水金属塩化物を前記溶融塩電解槽に供給することと、前記溶融塩電解槽において前記無水金属塩化物を電気分解することで、金属及び塩素ガスを生成することと、生成した前記塩素ガスを前記塩素化炉に供給することと、を含む。
本発明によれば、運転時に二酸化炭素ガスの大気放出を抑制し、あるいは効率的に金属の製造を行える、金属の製造システム、及び金属の製造方法を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の塩素化工程を実施するための装置構成を説明するための図である。 本発明に係る第2実施形態の塩素化工程を実施するための装置構成を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付している。
本実施形態に係る金属の製造システムは、金属酸化物を塩素化して無水金属塩化物を生成する塩素化炉と、無水金属塩化物を電気分解して金属を生成する溶融塩電解槽と、塩素化炉から溶融塩電解槽に無水金属塩化物を供給する供給経路と、溶融塩電解槽から塩素化炉に電気分解により生じた塩素ガスを供給する供給経路と、を備える。かかるシステムを用いることにより、例えば、溶融塩電解槽の陽極で発生した塩素を塩素化炉において利用することができる。塩素ガスは腐食性が高いため、溶融塩電解槽において発生した塩素ガスを塩素化炉において利用できると、塩素ガスの貯蔵時間を短縮することができ、好ましい。塩素ガスの貯蔵時間を短縮する観点から、塩素ガスの供給経路においては、塩素ガスの貯蔵室が省略されてもよい。
塩素化炉は、バッチ式で反応させてもよく、フロー式で反応させてもよい。バッチ式で反応させる場合、塩素化炉における塩素化反応が完了したことを検出した後に、塩素化炉から溶融塩電解槽に無水金属塩化物を液送する。フロー式で反応させる場合、無水金属塩化物は、塩素化炉から溶融塩電解槽に連続的に液送される。
以下、塩素化炉において、酸化マグネシウム、一酸化炭素ガス、及び塩素ガスが添加されて、塩化マグネシウムが生成され、溶融塩電解槽において、塩化マグネシウムから塩素及びマグネシウムが生成される場合を例にして説明する。
塩素化炉では、酸化マグネシウム、一酸化炭素ガス、及び塩素ガスが投入され、酸化マグネシウムの塩素化が行われる。かかる反応は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物(例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等)の溶融塩中で行われることが好ましい。溶融塩中、酸化マグネシウムの溶解度は低く、塩化マグネシウムの溶解度は高いため、酸化マグネシウムは固体として存在し、塩化マグネシウムは液相中に存在する。また、酸化マグネシウムの塩素化反応では、二酸化炭素が発生する。したがって、塩素化炉をバッチ式とする場合、液相中の固体成分をモニタリングし、固体成分の減少量が一定以下になった場合に塩素化炉の内容物を溶融塩電解槽に輸送してよい。あるいは、塩素化炉中の二酸化炭素濃度を測定し、二酸化炭素濃度が事前に算出された値以上になった場合に塩素化炉の内容物を溶融塩電解槽に輸送してよい。
よって、塩素化炉は、液相中の固体成分の濃度を測定する測定器、及び/又は気相中の二酸化炭素濃度を測定する測定器を備えていてよい。液相中の固体成分の濃度を測定する測定器としては、懸濁液の吸光度や光の透過率を測定する吸光測定器が挙げられる。気相中の二酸化炭素濃度を測定する測定器としては、公知の二酸化炭素計が挙げられる。
また、塩素化炉をフロー式とする場合、未反応の酸化マグネシウムが塩素化炉から排出されないように、塩素化炉の排出口に固体状の酸化マグネシウムをトラップするフィルタを設けることが好ましい。
なお、塩素化炉の内容物は、溶融塩電解槽に輸送する前に液相から不純物を除去してもよい。また、塩素化炉の排出口に酸化マグネシウムをトラップするフィルタを設ける場合、フィルタの孔径は、微粒子状の不純物が通過する程度のサイズにしてよい。なお、微粒子状の不純物はさらに孔径が小さいフィルタ等を用いて別途回収すればよい。
塩素化炉で生成された無水金属塩化物は、供給経路を介して塩素化炉から溶融塩電解槽に液送される。ここで、かかる供給経路の途中で、無水金属塩化物を分離せずに、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物の溶融塩と共に、無水金属塩化物を溶融塩電解槽に供給してよい。例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の溶融塩として塩化ナトリウムの溶融塩を用いる場合は、塩化マグネシウムが溶解した塩化ナトリウムの溶融塩を溶融塩電解槽に供給してもよい。
このようにして塩素化炉から供給される無水金属塩化物は、溶融塩電解槽の運転温度と異なる場合がある。したがって、溶融塩電解槽に供給される液相の温度と、溶融塩電解槽の温度を測定し、これらの温度に応じて溶融塩電解槽に供給される液相の温度を調整してもよい。したがって、溶融塩電解槽は溶融塩の温度を測定する温度計を備えてよく、塩素化炉から溶融塩電解槽の供給経路は供給物(液相)の温度を測定する温度計、並び供給物の温度を制御する冷却器及び/又は加熱器を備えてよい。
温度制御の例として、例えば、溶融塩電解槽が所望の反応温度よりも高い場合、溶融塩電解槽の溶融塩の温度より低い液相を塩素化炉から供給することで、溶融塩電解槽の温度を低下させてよく、溶融塩電解槽が所望の反応温度内にある場合、塩素化炉から供給する液相の温度を当該所望の反応温度に調整することで、液相を供給することによる温度変化を抑制してよい。
溶融塩電解槽では、溶融塩中、無機塩化物を電気分解することで、塩素及びマグネシウムを生成する。陽極から生じる塩素は回収して再度塩素化炉で利用するために塩素化炉に供給する。また、マグネシウムは、溶融塩中では液化し、溶融塩液面に滞留する場合がある。そのような場合は、液化したマグネシウムを回収し、冷却することで固体状のマグネシウムを得ることができる。
以下、塩素化炉による塩素化工程、及びその前段の工程について説明する。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態の金属の製造方法は、一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガスにより金属酸化物から無水金属塩化物を生成する塩素化工程を含む。また、塩素化工程で排出される二酸化炭素ガス(CO2)を還元し、一酸化炭素ガス(CO)を生成するガス還元工程をさらに含んでよい。以下、具体的に、金属酸化物が酸化マグネシウム(MgO)であり、無水金属塩化物が無水塩化マグネシウム(MgCl2)の場合を例にして、説明する。
(塩素化工程)
図1は、本実施形態の塩素化工程を実施するための装置構成(塩素化炉)を説明するための図である。図1に示すように、塩素化工程を実施する装置(塩素化炉)は、反応炉を有しており、反応炉は、反応部1(例えば、反応容器)と、反応部1を加熱する加熱部H(例えば、ヒータ)と、を備えている。
反応部1は、円筒状の本体部11と、本体部11の上部開口を塞ぐ上蓋部12と、本体部11の下部開口を塞ぐ下蓋部13と、を備えている。
例えば、反応部1内に、酸化マグネシウムを入れる時には、上蓋部12を開けて、酸化マグネシウムを投入し、上蓋部12を閉める。
逆に、処理後、生成された無水塩化マグネシウムを取出す時は、下蓋部13を開けて、無水塩化マグネシウムを取出し、下蓋部13を閉める。
そして、反応部1の本体部11には、下側にガスを供給するガス供給管INと、上側にガスを非出するガス排気管OUTと、が接続されている。
ガス供給管INには、一酸化炭素ガスと塩素ガスを混合するガスミキサーMから供給される混合ガス(処理ガス)のラインと、一般ガス(窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス)のラインと、が接続されており、バルブB1の制御で、ガス供給管INに供給するラインの切替えができるようになっている。例えば、一般ガスは、上蓋部12、及び、下蓋部13を開ける前の反応部1内のガス置換等の時に使用されてよい。
ガス排気管OUTは、2つのラインに分岐されるようになっており、一方のラインは、真空ポンプ(図示せず)に繋がっていてよく、他方のラインは、ガスの回収のためのガス処理設備(図示せず)に繋がっていてよい。なお、真空ポンプ(図示せず)の排気は、図示を省略しているが、塩素ガス等を無害化する無害化装置(例えば、スクラバー等)に送られてよい。
ガス処理設備は、排ガスから塩素ガスを回収する塩素ガス回収部(塩素ガス回収装置)と、排ガスから二酸化炭素ガスを回収する二酸化炭素ガス回収部(二酸化炭素ガス回収装置)と、を主に備えてよい。
なお、ガス排気管OUTにおいても、排気を一方のライン側(真空ポンプ側)に送るか、他方のライン側(ガス処理設備側)に送るかの選択が、バルブB2の制御で行えるようにしてよい。
塩素化工程に先立ち、酸化マグネシウムを乾燥させる処理を実施してよい。乾燥処理は、例えば、反応部1内に酸化マグネシウムを投入し、上蓋部12を閉じて、反応部1を密閉状態にしたうえで、ガス供給管INからのガスの供給を行わないままで、ガス排気管OUTを真空ポンプ側のラインにして、反応部1内を真空引きしながら加熱部Hを駆動させ、反応部1内の温度が400℃以上になるように加熱することで実施してよい。
このように、塩素化工程の一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガス(処理ガス)を供給する前の前処理として、酸化マグネシウムを真空加熱することで、酸化マグネシウムの表面に吸着している吸着水の除去を行うことができる。
あるいは、塩素化炉に接続された加熱炉において、同様の工程により酸化マグネシウムを加熱処理して乾燥させてもよい。
この後、行われる塩素化処理の温度としては、無水塩化マグネシウムが固体のまま生成されるようにする場合、無水塩化マグネシウムの融点(714℃)未満の温度で処理することになり、例えば、500℃から700℃程度の温度範囲で処理するのが良い。
あるいは、反応炉に、酸化マグネシウムと共にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物(例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等)を投入して、かかる塩化物の溶融塩中で酸化マグネシウムを塩素化してもよい。そのような場合、反応炉は、投入した金属塩化物塩の融点以上に加熱されることが好ましい。
なお、塩素化処理の温度としては、300℃以上であることが好ましく、反応速度等を考えると、500℃から700℃程度の温度範囲にすることがより好ましい。
したがって、この酸化マグネシウムの真空加熱時の温度も500℃から700℃の範囲の温度にしておくと、処理ガスの供給を開始するだけで塩素化を開始できるため、真空加熱時の温度は、500℃から700℃の範囲に設定してもよい。
そして、所定の時間、真空加熱を行ったら、真空引き側のラインのバルブB2を閉めて、反応部1を封止状態にした後、ガス供給管INから処理ガス(一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガス)の供給を開始する。
その後、反応部1内の圧力が大気圧になったら、ガス排気管OUTからガス処理設備側に排ガスが供給できるようにバルブB2を制御して、他方のライン側(ガス処理設備側)に、排ガスが流れるようにする。
つまり、ガス供給管INからガス排気管OUTに向かって、反応部1内に、処理ガスの流れができるようにする。なお、このようにガスを流したままで処理を行うことを吹流し処理と呼ぶ場合がある。
このように、一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガス中で酸化マグネシウム(金属酸化物)を加熱すると、下記式(1)の反応が起こり、無水塩化マグネシウム(無水金属酸化物)が生成される。
MgO+CO+Cl2 → MgCl2+CO2・・・・・・・・・・・(1)
そして、ガス排気管OUTからは、反応に寄与しなかった一酸化炭素ガス、塩素ガス、及び、反応によって生成した二酸化炭素ガスが排出される。排ガスは、先に説明したガス処理設備(図示せず)に送られてよい。
ガス処理設備(図示せず)では、塩素ガス回収部で塩素ガスが回収され、その回収した塩素ガスは、再び、ガスミキサーMに送るための塩素ガスとして利用されてよい。
また、二酸化炭素ガス回収部で二酸化炭素ガスが回収され、その回収された二酸化炭素ガスは、後ほど説明する、ガス還元工程に送られてよい。
さらに、残る一酸化炭素ガスについても、再び、ガスミキサーMに送るための一酸化炭素ガスとして利用される。
そして、無水塩化マグネシウムの生成が終わったら、反応部1への処理ガスの供給を止めるとともに、バルブB2を制御して、ガス処理設備(図示せず)への排気を止め、反応部1を封止した状態にし、加熱部Hの加熱を止めた後、バルブB2を制御して、ガス排気管OUTを真空ポンプ側のラインにして、反応部1内を真空引きする。真空引きの前には、少なくとも、600℃以下の温度まで反応部1内の温度が下がるのを待つことが好ましい。600℃以下の温度まで反応部1内の温度が下がるのを待った後、真空引きを行うのは、真空下では、無水塩化マグネシウムが650℃程度の温度で気化するため、生成された無水塩化マグネシウムが真空引きによって、反応部1外に排出されるのを防止するためである。
そして、反応部1の真空引きが終わったら、再び、バルブB2を制御して、反応部1を密閉状態にした後、ガス供給管INから一般ガス(例えば、窒素ガス)を反応部1に供給し、大気圧になったら、下蓋部13を開けて、無水塩化マグネシウムの取出しを行い、塩素化工程が終了する。
なお、以上は、バッチ式で塩素化炉を運転させる場合の処理の例である。フロー式で塩素化炉を運転させる場合、反応炉に、酸化マグネシウムと共にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物(例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等)を投入して、かかる塩化物の溶融塩中で酸化マグネシウムを塩素化することが好ましい。この場合、上述のとおり、溶融塩中、酸化マグネシウムが固体として存在し、塩化マグネシウムは液相中に存在する。したがって、塩素化炉から溶融塩電解槽に溶融塩を液送することで、塩化マグネシウムを液相として供給することができる。塩素化炉から溶融塩電解槽への供給経路の直前には、固体である酸化マグネシウムが輸送されないように、フィルタが設けられることが好ましい。また、フロー式の運転において、反応ガスは吹き流し等により供給すればよい。
本実施形態に係る金属の製造システムは、塩素化炉から排出される二酸化炭素ガスを還元し、一酸化炭素ガスを生成するガス還元装置と、金属水酸化物を脱水処理し、前記塩素化炉に供給される前記金属酸化物を生成する加熱炉と、前記ガス還元装置から前記一酸化炭素ガスを前記塩素化炉に供給する供給経路と、前記加熱炉から前記金属酸化物を前記塩素化炉に供給する供給経路と、をさらに備えてよい。かかるシステムを用いることにより、塩素化炉から排出される二酸化炭素ガスから一酸化炭素ガスを生成し、塩素化工程において再利用することができる。また、金属酸化物を金属水酸化物から生成することができる。加熱炉の詳細については、第3実施形態において後述する。
(ガス還元工程)
次に、ガス還元装置によるガス還元工程について説明する。ガス還元工程は、塩素化工程で排出された二酸化炭素ガス(つまり、塩素化炉において二酸化炭素ガス回収部で回収した二酸化炭素ガス)を還元し、一酸化炭素ガスを生成する工程である。
なお、二酸化炭素ガスを一酸化炭素ガスに還元する技術は、様々な方法が公知であるので、ここでは、本実施形態において好適なものについて、簡単に、説明する。
例えば、特許文献2に開示されているような、下記式(2)の反応式(いわゆる、逆シフト反応)に従ったガス還元工程、つまり、ガス還元工程が、水素ガスを還元剤として二酸化炭素ガスを還元し、一酸化炭素ガスを生成する工程が挙げられる。
CO2+H2 → CO+H2O・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
先に示した式(1)に示したように、塩素化工程では、反応に寄与した一酸化炭素ガスと当量の二酸化炭素ガスが生成されるので、ガス還元工程においても、その生成された二酸化炭素ガスと当量の一酸化炭素ガスを生成することにより、塩素化工程とガス還元工程との間の過不足のないガスの循環ループが実現できる。
したがって、塩素化工程で発生した二酸化炭素ガスは、全てガス還元工程で一酸化炭素ガスにして、再度、塩素化工程で用いることが可能なため、無水金属塩化物の製造運転において、二酸化炭素ガスを大気放出するような廃棄手段の必要がない。
また、別の方法としては、特許文献3に開示されているような二酸化炭素ガスを電気分解し、一酸化炭素ガスを生成する方法が挙げられる。
このように、電気分解で、直接、二酸化炭素ガスを還元する方法の場合でも、投入した二酸化炭素ガスと生成する一酸化炭素ガスの量がほぼ同じになるので、塩素化工程とガス還元工程との間の過不足のないガスの循環ループが実現できる。
一方、特許文献1で示されているように、炭酸マグネシウム鉱石を一酸化炭素ガスと塩素ガスで塩素化した場合、下記式(3)に示すように、使用する一酸化炭素ガスの倍の量の二酸化炭素ガスが生成されることになる。
MgCO3+CO+Cl2 → MgCl2+2CO2・・・・・・・・・(3)
このため、仮に、二酸化炭素ガスを一酸化炭素ガスにし、再利用することを考えたとしても、生成された二酸化炭素ガスのうちの半分しか、使用することができず、残る半分は大気放出などの廃棄手段に頼ることになる。
したがって、本実施形態のように、金属酸化物である酸化マグネシウムを一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガスで処理すると、塩素化工程で使用する一酸化炭素ガスとガス還元工程で生成する一酸化炭素ガスの量がほぼ一致するので、一酸化炭素ガスと二酸化炭素ガスとの間の過不足のないガスの循環ループが可能となり、二酸化炭素ガスを大気放出するような廃棄手段の必要がない。
また、本実施形態のように、酸化マグネシウムを無水塩化マグネシウムにするにあたって、炭素成分を含む還元剤として、一酸化炭素ガスしか用いていないため、コークス等の炭素系固体還元剤を用いたときのように、炭素系固体還元剤に起因する不純物(例えば、炭素粉、コークスに含まれる不純物)が、生成した無水塩化マグネシウム中に混じることが抑制されるという利点もある。
(溶融塩電解工程)
次いで、溶融塩電解槽における溶融塩電解工程について説明する。溶融塩電解工程は、塩素化工程で生成された無水金属塩化物を材料として金属を生成する工程である。以下、塩素化工程で生成された無水塩化マグネシウムを材料に、電気分解でマグネシウムを生成する例を用いて説明する。
溶融塩電解工程は、例えばマグネシウムを製造するのに用いられている一手法であってよい。したがって、簡単に説明すると、溶融塩電解工程では、例えば、溶融塩電界槽(例えばレンガ炉)内で700℃前後の温度に塩化マグネシウムを加熱し、塩化マグネシウムを溶融する。
溶融塩電界槽内には、少なくとも一対の電極が設けられており、その電極間に電源を繋げ、2.5(V)以上の電圧をかけると、陽極で塩素ガスが発生し、陰極でマグネシウムが生成する。
溶融塩電解工程で発生する塩素ガスは塩素化工程で使用されるようにしてもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態は、塩素化工程での処理温度を無水塩化マグネシウムの融点以上とする場合や、溶融塩中で塩素化工程を実施する場合に好適な方法について、説明する。
図2は、第2実施形態の塩素化工程を実施するための装置構成を説明するための図である。なお、図2で示す装置構成は、第1実施形態で説明した反応炉を含む装置構成と多くの点で類似するため、第1実施形態と同様の点については説明を省略する場合がある。
図2に示すように、反応炉として第1実施形態と異なる点は、下蓋部13(図1参照)が省略され、本体部11が有底状になっている点と、本体部11の上下方向中間部より少し上側に設けられ、バルブB3を有する配管で無水塩化マグネシウムを回収する回収部2に繋がっている点である。
無水塩化マグネシウムを回収する回収部2は、天井を有し、下側に開口した円筒状の本体部21と、下側の開口を塞ぐ下蓋部22と、を備えている。
そして、回収部2の本体部21は、先に述べたように、バルブB3を有する配管で反応炉の本体部11と繋がっているとともに、バルブB4を有する配管で真空ポンプ(図示せず)に繋がっている。なお、図示は省略しているが、回収部2にも一般ガスの供給が行えるように、バルブによって開閉制御されるガス配管が接続されていてよい。
塩素化処理の手順は、バルブB3を閉じて反応部1と回収部2の間が縁切りされた状態で行われ、塩素化工程での処理温度を無水塩化マグネシウムの融点以上とするか、溶融塩中で塩素化工程を実施することを除けば、第1実施形態と同様である。
具体的には、反応部1内に酸化マグネシウムを投入後、真空加熱を行って酸化マグネシウムの表面にある吸着水を除去するか、別途設けられた加熱炉において加熱を行って酸化マグネシウムの表面にある吸着水を除去し、その後、一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガス(処理ガス)を反応部1に供給し、無水塩化マグネシウムの生成を行う。
なお、酸化マグネシウムの投入量は、回収部2との接続が行われている、バルブB3を有する配管の位置に届かない程度にすることが好ましい。
この際、例えば、真空加熱から無水塩化マグネシウムの生成反応が終了するまでの間の温度を、無水塩化マグネシウムの融点以上、あるいは添加したアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物(例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等)塩の融点以上とすることが好ましい。また温度は、1200℃以下の温度(例えば1000℃前後)にすることが好ましい。
このようにした場合の反応式自体は、式1で示したものと同じであるが、塩素化炉は無水塩化マグネシウムが融解する条件に保たれているので、無水塩化マグネシウムが生成されると、その無水塩化マグネシウムは液体の状態になる。なお、無水塩化マグネシウムの沸点は1412℃のため、無水塩化マグネシウムが沸騰しないように、塩素化炉の温度は例えば1400℃以下、又は1200℃以下に保たれることが好ましい。なお、酸化マグネシウムの融点は、2852℃である。
したがって、処理ガスの供給を第1実施形態と同様に吹き流しで行っても、無水塩化マグネシウムが蒸気として排出されること実質的に考えなくてもよい。
このようにすれば、無水塩化マグネシウム又は添加したアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物の溶融塩の液中をバブリングするように処理ガスが供給される。これにより、液中に含まれている反応前の酸化マグネシウムと処理ガスとの接触確率が高くなり、効率的に反応を進めることができる。
そして、所定の時間、塩素化処理を行った後、処理ガスの供給を停止するとともに、加熱部Hによる加熱を止め、反応部1を封止した状態にして、反応部1内の温度が、好ましくは600℃以下の温度まで下がるのを待つ。
この温度が下がるのを待っている間に、回収部2は、バルブB4を開にして真空ポンプで真空引きが行われ、例えば、10Pa以下の内圧になるまで真空引きが行われる。なお、真空引きが終わったら、バルブB4を閉じて、回収部2を真空封止状態にする。
一方、反応部1内の温度が600℃以下になったら、反応部1内も真空引きを行い、例えば、10Pa以下の圧力になるまで真空引きが行われ、再び、反応部1は封止(真空封止)状態にされる。
その後、バルブB3を開け、反応部1と回収部2が繋がった状態にし、反応部1から回収部2に無水塩化マグネシウムを供給する。反応部1にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物を添加しなかった場合は、例えば、加熱部Hを駆動させ、反応部1内の温度を無水塩化マグネシウムが気化する温度まで上げることにより回収部2に無水塩化マグネシウムを供給してよい。なお、無水塩化マグネシウムが真空状態の中にある場合、650℃を超える温度、例えば、700℃程度に加熱すると、無水塩化マグネシウムが気化する。
この場合、気化した無水塩化マグネシウムは、回収部2に流れ込み、気化温度より低い温度になっている回収部2内において、液体又は固体に戻る。これにより、無水塩化マグネシウムが気体状でなくなるため、回収部2の圧力が下がり、反応部1から気体状態の無水塩化マグネシウムが、順次、流れ込むことになり、回収部2に無水塩化マグネシウムが回収される。
なお、図示は省略しているが、バルブB3を有する配管は、内部で無水塩化マグネシウムが固化しないように保温(加熱)する加熱機構を備えている。
そして、無水塩化マグネシウムの回収が終わったら、バルブB3を閉じて、加熱部Hの駆動を止めるとともに、回収部2内に一般ガス(例えば、窒素ガス)を供給して、回収部2内を大気圧にし、下蓋部22を開けて、回収部2から無水塩化マグネシウムを取出せば、塩素化工程が終わる。
なお、本実施形態でも、塩素化処理を行っている間、二酸化炭素ガスが生成されるが、その生成された二酸化炭素ガスを回収し、再び、ガス還元工程で一酸化炭素ガスに戻し、その一酸化炭素ガスが、再び、塩素化工程で使用される点は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
また上記したように、生成した無水塩化マグネシウムを蒸気回収すると、仮に反応できなかった酸化マグネシウムが存在したとしても、沸点の高い酸化マグネシウムは気化しないため、酸化マグネシウムのコンタミがほとんどない無水塩化マグネシウムとして回収できるという利点がある。
なお、上記では、無水塩化マグネシウムを蒸気回収する処理の例について説明したが、反応部1から回収部2への無水塩化マグネシウムの回収は液体のまま実施されてよい。すなわち、回収部2には、無水塩化マグネシウムの融解塩、又はアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩化物に融解塩が混合した混合物が、液相として供給されてよい。このように液相で回収部2への供給を行うことにより、フロー式の運転を行うことも可能である。
(第3実施形態)
ところで、我が国は資源に乏しいといわれているが、マグネシウム資源は、海水中に豊富に存在し、例えば、イオン交換膜浸透法で濃縮したにがり水をアルカリ処理すると、金属水酸化物である水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)が得られ、また水酸化マグネシウムは、数百℃の加熱で脱水反応が起こり、金属酸化物である酸化マグネシウムになる。
なお、アルカリ処理とは、例えば、酸化カルシウム(CaO)、水酸化ナトリウム(NaOH)等をにがり水に入れることで、にがり水中の塩化マグネシウムを溶解度の低い水酸化マグネシウムにして析出させ、濾過回収する処理である。
したがって、このようにして製造した酸化マグネシウムを用いるようにすれば、世界情勢などの影響を受けない安定した原材料確保ができる。
このため、先に説明した実施形態の塩素化工程において、用いられる酸化マグネシウム(金属酸化物)が、水酸化マグネシウム(金属水酸化物)を加熱して脱水する脱水処理で生成したものとしてもよい。第3実施形態として、この脱水処理を含む場合について、簡単に説明する。第3実施形態において、本実施形態に係る金属の製造システムは、金属水酸化物を脱水処理し、塩素化炉に供給される金属酸化物を生成する加熱炉をさらに備える。かかるシステムを用いることにより、金属酸化物を金属水酸化物から生成することができる。
以下では、本実施形態の金属の製造方法が、金属水酸化物を脱水処理し、金属酸化物を生成する脱水工程を備え、脱水工程で生成した金属酸化物が塩素化工程で用いられる場合について、説明する。
先に説明したように、酸化マグネシウムは水和物を形成する材料ではないものの、表面には吸着水が吸着する場合がある。
このため、第1実施形態では、一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガス(処理ガス)を供給する前の塩素化工程の前処理として真空加熱を実施することについて説明した。本実施形態では、金属水酸化物から金属酸化物を生成し、その金属酸化物を塩素化工程で用いるために、この前処理により脱水を行えばよい。
つまり、脱水工程を、塩素化工程の混合ガス(処理ガス)を供給する前の前処理として、塩素化工程を行う反応炉(例えば、反応部1内)又は反応炉に連結した加熱炉で実施すれば、脱水工程から塩素化工程及び融解塩電解を一連とした効率的な製造方法とすることができる。なお、反応炉が反応部1に脱水処理後の材料を供給可能に設けられた脱水処理部を有する形態でもよい。
したがって、本実施形態の脱水工程は、第1実施形態での酸化マグネシウムから吸着水を除去するための真空加熱工程と同様に実施することができ、その後の塩素化工程、ガス還元工程、及び溶融塩電解工程は、第1実施形態、及び、第2実施形態で説明したと同様に実施できる。
(第4実施形態)
第3実施形態では、にがり水をアルカリ処理することで水酸化マグネシウムを得て、その水酸化マグネシウムを脱水処理することで酸化マグネシウムを得る方法について、説明したが、第4実施形態として、海水、又は、にがり水から水酸化マグネシウムを得る別の方法について、説明する。
海水やにがり水を、電源に接続された陽極と陰極を設けた電気分解炉に入れ、電気を流し、直接、電気分解する電解工程を行えば、陽極から塩素ガスが発生し、陰極から水素ガスが発生するが、この反応によって、海水やにがり水中の水素イオン(H+)、及び、塩素イオン(Cl-)が減少する。なお、海水とにがり水を混ぜた混合水であっても同様の反応が起きるため、海水とにがり水の混合水であってもよい。
そして、水素イオンの減少に伴い、水酸化イオン(OH-)の割合が増加することになるため、水溶液はアルカリ性になるが、塩素イオンの減少によって、電気的な中性が保てていないマグネシウムイオン(Mg2+)の割合も増加しているため、これらが反応し、水酸化マグネシウムが生成される。つまり、塩化マグネシウムの塩素の減少を補うように水酸基が反応し、水酸化マグネシウムが生成される。
しかしながら、水酸化マグネシウムは水への溶解度が小さいため、海水やにがり水中に析出することとなるので、簡単に、水酸化マグネシウムを濾過回収することが可能である。
この場合、上述のように、陽極からは塩素ガスも発生するため、この塩素ガスを塩素ガス回収装置で回収すれば、この回収した塩素ガスを塩素化工程で用いる塩素ガスに利用できるという利点がある。
したがって、無水金属塩化物の製造方法が、海水、にがり水、又は、海水とにがり水の混合水を電気分解し、水酸化マグネシウム(金属水酸化物)と塩素ガスを生成する電解工程を備え、その電解工程で生成した水酸化マグネシウムが第3実施形態で説明した脱水工程で用いられるようにし、さらに、その電解工程で生成した塩素ガスを塩素ガス回収装置で回収し、その回収した塩素ガスを塩素化工程で用いるようにすれよい。
(その他の形態)
第4実施形態で説明したように、海水、にがり水、又は、海水とにがり水の混合水を電気分解する電解工程では、水酸化マグネシウム、塩素ガス(Cl2)に加え、水素ガス(H2)も生成されるので、その塩素ガスと水素ガスを反応させることで塩化水素ガス(HCl)を生成することができる(式(4)参照)。
Cl2+H2 → 2HCl・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
そして、塩化水素ガスは、塩素化工程で示した300℃以上、1200℃以下の温度であれば、酸化マグネシウムと速やかに反応し、塩化マグネシウムが生成される(式(5)参照)。
MgO+2HCl → MgCl2+H2O・・・・・・・・・・・・・(5)
したがって、電解工程で生成される塩素ガスに加え、水素ガス回収装置で水素ガスも回収するようにし、その塩素ガス、及び、水素ガスを反応させ、塩化水素ガスを生成するガス生成工程を設けるようにすれば、これまで説明してきた塩素化工程の一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガスを用いる態様に代えて、塩化水素ガスを用いるようにしても塩化マグネシウムの生成が可能である。
なお、式(5)に示したように、反応副生成物として水(H2O)が発生するが、これまで説明してきた通り、塩素化工程をガスの吹流し処理で行えば、つまり、塩化水素ガスの吹流し処理で行えば、発生した水が反応部1から排気され続けるため、水が無くなるまでの間、処理を行うことで無水塩化マグネシウムが得られる。
そして、塩化水素ガスには炭素成分が含まれていないため、この処理によって二酸化炭素が発生することはない。
このことから、無水金属塩化物の製造方法が、海水、にがり水、又は、海水とにがり水の混合水を電気分解し、水酸化マグネシウム(金属水酸化物)、塩素ガス、及び、水素ガスを生成する電解工程と、塩素ガスと水素ガスを反応させ、塩化水素ガスを生成するガス生成工程と、水酸化マグネシウム(金属水酸化物)を脱水処理し、酸化マグネシウム(金属酸化物)を生成する脱水工程と、塩化水素ガス中で酸化マグネシウム(金属酸化物)を300℃以上、1200℃以下に加熱し、無水塩化マグネシウム(無水金属塩化物)を生成する塩素化工程と、を備えるものとしても、二酸化炭素の大気放出などを行う必要のない無水塩化マグネシウム(無水金属塩化物)の製造方法を実現することができる。
以上、具体的な実施形態では、金属酸化物が酸化マグネシウムであり、無水金属塩化物が無水塩化マグネシウムである場合を例にして説明してきたが、本発明は具体的な実施形態に限定されるものではない。例えば、金属酸化物が酸化チタン(TiO)であり、無水金属塩化物が四塩化チタン(TiCl4)であってもよい。
また、実施形態では、一酸化炭素ガスと塩素ガスをガスミキサーMで混合して均一に分散した状態で反応部1に供給するようにしていた。
このようにガスミキサーMで均質分散混合された混合ガスは、ガスの比重の差による分離が発生しない。例えば、空気中には、主に酸素ガスと窒素ガスが存在するが、空気は、これらのガスが均質分散混合された状態となっているため、比重によるガスの分離が発生せず、結果、人が窒息しないのと同様に、ガス分離が発生しない混合を行うのがガスミキサーMである。なお、ガスミキサー自体は、混合ガスのボンベを作るときに、ボンベ内でガス分離が起きないようにするために一般に使用される装置である。
このため、一対一の割合で一酸化炭素ガスと塩素ガスをガスミキサーMに送って均質分散混合した混合ガスを反応部1に供給すると、酸化マグネシウムに対して均一に反応等量比(一対一の割合)の混合ガスが接触することになるため、反応効率をよくすることができる。
しかしながら、ガスミキサーMを通さずに一酸化炭素ガスと塩素ガスを合流させて反応部1に供給するようにしても塩素化処理自体は可能であるため、ガスミキサーMで混合ガスにすることが必須というわけではない。
さらに、第1実施形態では、生成した無水塩化マグネシウムを取出すまでの間、無水塩化マグネシウムを気化させないように取扱っていたが、無水塩化マグネシウムを生成するまでの処理温度は、無水塩化マグネシウムの融点未満の温度として、無水塩化マグネシウムを生成した後に、塩素化工程での無水塩化マグネシウムの回収を第2実施形態のように蒸気回収(反応部1から気体状態で回収部2に送り、回収部2で固化させて回収)するようにしてもよい。
このようにすれば、先に説明したように、仮に、反応していない酸化マグネシウムが存在していたとしても、その酸化マグネシウムのコンタミを抑制した無水塩化マグネシウムを得ることができる。
このように、具体的な実施形態に、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
1…反応部、11…本体部、12…上蓋部、13…下蓋部、2…回収部、21…本体部、22…下蓋部、B1,B2,B3,B4…バルブ、H…加熱部、M…ガスミキサー、IN…ガス供給管、OUT…ガス排気管。

Claims (4)

  1. 金属酸化物を300~700℃で塩素化して無水金属塩化物を生成する塩素化炉と、
    前記無水金属塩化物を電気分解して金属を生成する溶融塩電解槽と、
    前記塩素化炉から前記溶融塩電解槽に前記無水金属塩化物を供給する供給経路と、
    前記溶融塩電解槽から前記塩素化炉に前記電気分解により生じた塩素ガスを供給する供給経路と、を備え、
    前記無水金属塩化物は、気体の状態で前記塩素化炉から回収され
    前記金属酸化物は、酸化マグネシウムであり、
    前記無水金属塩化物は、無水塩化マグネシウムである、
    金属の製造システム。
  2. 前記塩素化炉の排ガスを送気するガス排気管と、
    前記ガス排気管に接続されるガス処理設備であって、前記ガス排気管を通る前記排ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素ガス回収部と、前記排ガスから塩素ガスを回収する塩素ガス回収部と、を備えるガス処理設備と、
    前記排ガスから回収された前記二酸化炭素ガスを還元し、一酸化炭素ガスを生成するガス還元装置と、をさらに備え、
    前記ガス処理設備は、前記排ガスから回収された前記塩素ガスを、前記塩素化炉に供給する、
    請求項1に記載の製造システム。
  3. 前記塩素化炉から排出される二酸化炭素ガスを還元し、一酸化炭素ガスを生成するガス還元装置と、
    金属水酸化物を脱水処理し、前記塩素化炉に供給される前記金属酸化物を生成する加熱炉と、
    前記ガス還元装置から前記一酸化炭素ガスを前記塩素化炉に供給する供給経路と、
    前記加熱炉から前記金属酸化物を前記塩素化炉に供給する供給経路と、
    をさらに備える、請求項1に記載の製造システム。
  4. 前記塩素化炉で、一酸化炭素ガスと塩素ガスの混合ガスにより金属酸化物を塩素化して、無水金属塩化物を生成することと、
    生成した前記無水金属塩化物を前記溶融塩電解槽に供給することと、
    前記溶融塩電解槽において前記無水金属塩化物を電気分解することで、金属及び塩素ガスを生成することと、
    生成した前記塩素ガスを前記塩素化炉に供給することと、
    を含む、
    請求項1に記載の製造システムを用いた金属の製造方法。
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