本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態または実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態または実施例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。更に、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
〔1.本発明の技術的思想〕
ポリイソブチレン系重合体を主成分とする硬化性組成物を硬化して得られる硬化物は、良好なガスバリア性および柔軟性を備えるが、ポリイソブチレン系重合体の極性が低いため、基材への十分な粘着性が得られない場合があり、改善の余地があった。また、近年は、電気電子部品の高性能化および有機ELディスプレイ等の高精密機器のさらなる普及が進んでいる。そのため、良好なガスバリア性および柔軟性と共に、従来よりも高い耐久性と粘着性とを兼ね備える硬化物を提供し得る硬化性組成物が求められている。
これに対し、上述した特許文献1~5に記載の技術には下記のような改善の余地がある。例えば、特許文献1、2では、粘着剤用組成物の粘着性が評価されているが、耐久性の向上については何も検討されていない。
また、特許文献3、4では、硬化性組成物の変形への追従性が評価されているが、粘着性および耐久性について、並びにこれらの両立について何も検討されていない。
また、特許文献5では、官能基を導入したポリイソブチレン系重合体に関する検討は行われていない。また、特許文献5では、粘着性および耐久性について、並びにこれらの両立について、何も検討されていない。
上述したように、特許文献1~5では、粘着性と耐久性との両立は何ら検討されておらず、高い耐久性と粘着性とを兼ね備える硬化物を提供し得る硬化性組成物が依然として求められている。そのため、本発明者は、良好なガスバリア性および柔軟性を有するポリイソブチレン系重合体を主成分とする硬化物において、耐久性と粘着性とを更に高めることを検討した。鋭意検討の過程において、本発明者は、驚くべきことに以下の知見を新規に見出した:(a)ポリイソブチレン系重合体における、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1.0個以下有するポリイソブチレン系重合体の含有比率が増加するほど、粘着性が高まる一方で、架橋密度の低下により耐熱性および耐久性が低下する傾向があること;および、(b)ポリイソブチレン系重合体における、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1.0個超有するポリイソブチレン系重合体の含有比率が増加するほど、耐久性が高まる一方で、粘着性が低下する傾向があること。かかる新規知見に基づき、互いにトレードオフの関係にある耐久性と粘着性との両立について、本発明者はさらに鋭意検討した。その結果、本発明者は、(メタ)アクリロイル基を1分子中に0.5~1.0個有するポリイソブチレン系重合体(A)と、多官能性ビニル系単量体(B)とを併用することにより、上記課題が解決するとの知見を新規に見出し、本発明を完成させるに至った。
〔2.硬化性組成物〕
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物は、(メタ)アクリロイル基を1分子中に0.5~1.0個有するポリイソブチレン系重合体(A)、多官能性ビニル系単量体(B)、および重合開始剤(C)を含む。
本明細書において、「(メタ)アクリロイル基を1分子中に0.5~1.0個有するポリイソブチレン系重合体(A)」、「多官能性ビニル系単量体(B)」および「重合開始剤(C)」を、それぞれ、「(A)成分」、「(B)成分」および「(C)成分」と称する場合もある。また、「本発明の一実施形態に係る硬化性組成物」を「本硬化性組成物」と称する場合がある。
本硬化性組成物は、前述した構成を有するため、高い粘着性と耐久性とを両立する硬化物を提供し得るという利点を有する。また、本硬化性組成物を硬化して得られる硬化物(以下、単に「本硬化物」とも称する)は、ポリイソブチレン系重合体(A)を含んでいるため、良好なガスバリア性および柔軟性を有するという利点も有する。
なお、本明細書において「粘着性に優れる」とは、硬化性組成物またはその硬化物を粘着層として基材上に備える粘着製品を、被着体に貼り付けたときの粘着力に優れることを意図する。また、「耐久性に優れる」とは、硬化物の圧縮永久歪が小さいことを意図する。また、「ガスバリア性に優れる」とは、硬化物の透湿度が小さいことを意図する。また、「柔軟性」は、硬化物の引張物性(引張破断強度(Tb)、引張破断伸び(Eb)、および30%モジュラス(M30))および硬度により評価される。粘着性、耐久性(圧縮永久歪)、透湿度および各引張物性は、後述の実施例に記載された方法で評価される。
本硬化性組成物は、上述した利点を有するため、電気電子部品を含む種々の用途の封止材および粘着剤として、特に好適に利用することができる。
<ポリイソブチレン系重合体(A)>
本硬化性組成物は、硬化性樹脂として、(メタ)アクリロイル基を1分子中に0.5~1.0個有するポリイソブチレン系重合体(A)((A)成分)を含有する。本硬化性組成物における(A)成分は、ポリイソブチレン系重合体からなる主鎖と、1分子中に平均して0.5~1.0個の(メタ)アクリロイル基とを有する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基を1分子中に0.5~1.0個有するポリイソブチレン系重合体」とは、分子内に含まれる(メタ)アクリロイル基の数が異なるポリイソブチレン系重合体分子の集合体であって、1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数の平均値が0.5~1.0個である集合体を意図する。当該集合体は、(メタ)アクリロイル基を有さないポリイソブチレン系重合体分子(以下、単に「非官能化重合体分子」とも称する)と、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1個有する(例えば、主鎖の片方の末端にのみ有する)ポリイソブチレン系重合体分子(以下、単に「単官能化重合体分子」とも称する)との集合体であり、当該集合体中の全分子の半数以上が単官能化重合体分子である集合体を意図する。「(メタ)アクリロイル基を1分子中に0.5~1.0個有するポリイソブチレン系重合体」を、以下、単に「単官能化重合体」とも称する。なお、単官能化重合体は、(メタ)アクリロイル基を1分子中に0.5~1.0個有する限り、その製造過程で生じる、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個(例えば、主鎖の両末端)、または2個以上有するポリイソブチレン系重合体分子(以下、単に「多官能化重合体分子」とも称する)を含んでいてもよい。
これに対し、「(メタ)アクリロイル基を1分子中に1.0個超有するポリイソブチレン系重合体」は、単官能化重合体分子と、多官能化重合体分子との集合体である。「(メタ)アクリロイル基を1分子中に1.0個超有するポリイソブチレン系重合体」を、以下、単に「多官能化重合体」とも称する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基(アクリロイル基およびメタクリロイル基のいずれか一方またはそれら両方)を意図する。また、本明細書において、(A)成分の「主鎖」とは、(A)成分における(メタ)アクリロイル基を除く残りの部分を意図する。
ポリイソブチレン系重合体1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は、平均して0.5~1.0個であり、0.6個~1.0個であることがより好ましく、0.7個~1.0個であることが更に好ましく、0.8~1.0個であることが更に好ましく、0.9~1.0個であることが特に好ましい。ポリイソブチレン系重合体1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数が上述した範囲内である場合、硬化性組成物は生産性に優れるとともに速硬化性に優れ、かつ当該硬化性組成物を硬化してなる硬化物が所望の物性を示すという利点を有する。ポリイソブチレン系重合体1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数が平均して0.5個未満である場合、硬化物のタック性等が低下し、諸物性(例えば所望のレベルの高い粘着性)が得られない場合がある。ポリイソブチレン系重合体1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数が0.5以上である場合、(メタ)アクリロイル基の数が増加するに従い、硬化物のタック性が良好となり、所望のレベルの高い粘着性が得られる傾向がある。また、ポリイソブチレン系重合体1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数が平均して1.0個より大きい場合、単官能化重合体分子と多官能化重合体分子との比率に応じて耐久性と粘着性とがトレードオフの関係になり、耐久性と粘着性とのバランスに優れる硬化性組成物を得ることが難しい傾向がある。
なお、「ポリイソブチレン系重合体1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数」は、「ポリイソブチレン系重合体1分子当たりの(メタ)アクリロイル基の導入数(または官能化率)」ともいえる。
ポリイソブチレン系重合体1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は、以下の方法により算出することができる:(i)ポリイソブチレン系重合体の1H NMR測定を行う;(ii)得られた結果より、(ii-1)重合開始剤に由来する基に帰属されるプロトンのピーク面積(ピークの積分値)から、ポリイソブチレン系重合体中に存在する重合体分子の相対数(A)を算出し、かつ(ii-2)(メタ)アクリロイル基に帰属されるプロトンのピーク面積(ピークの積分値)から、ポリイソブチレン系重合体中に存在する(メタ)アクリロイル基の相対数(B)を算出する;(iii)重合体分子の相対数(A)に対する(メタ)アクリロイル基の相対数(B)の比(B/A)を算出することで、1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数(導入数)を求めることが出来る。
(A)成分の主鎖を構成するポリイソブチレン系重合体は、(a)イソブチレンの単独重合体であってもよく、(b)イソブチレンとイソブチレン以外の単量体とのブロック共重合体、ランダム共重合体もしくはグラフト共重合体であってもよく、または(c)これらの2種以上の混合物であってもよい。
(A)成分の主鎖を構成するポリイソブチレン系重合体が、イソブチレン以外の単量体に由来する構成単位を含む共重合体である場合、イソブチレンに由来する構成単位と、イソブチレン以外の単量体に由来する構成単位との比率は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。(A)成分の主鎖が共重合体である場合、ガスバリア性および柔軟性に優れることから、イソブチレンに由来する構成単位の含有率が、50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましい。イソブチレンに由来する構成単位の含有率が50重量%以上であれば、良好なガスバリア性および柔軟性が発揮されやすく、また、良好な制振性、粘着性、および機械特性が得られやすい、という利点を有する。
イソブチレン以外の単量体としては、イソブチレンとカチオン重合可能な単量体であれば特に制限されない。イソブチレン以外の単量体としては、1-ブテン等の脂肪族オレフィン類、スチレン、メチルスチレン、およびα-メチルスチレン等の芳香族ビニル類、1,3-ブタジエンおよびイソプレン等のジエン類、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルトリメチルシランおよびアリルトリメチルシラン等のシラン類、α-ピネン、β-ピネンおよびリモネン等のテルペン類、ビニルカルバゾール、およびアセナフチレン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、イソブチレンとの共重合性、および、得られる共重合体の物性等の観点から、イソブチレン以外の単量体としては、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、イソプレン、1-ブテン、および1,3-ブタジエンが特に好ましい。
(A)成分の分子量は、特に制限はないが、硬化性組成物の取り扱いやすさおよび硬化物の物性等の観点から、数平均分子量として、500~300000が好ましく、1000~300000がより好ましく、2000~200000であることがより好ましく、3000~100000であることが更に好ましい。(A)成分の数平均分子量が500以上であれば、(a)硬化物の十分な強度が得られやすい、(b)本硬化性組成物が好適な範囲のタック性を示しやすく、取り扱い性が良好である、および(c)ポリイソブチレン系重合体に特徴的な物性(良好なガスバリア性および柔軟性等)が発現しやすい、等の利点を有する。また、(A)成分の数平均分子量が300000以下であれば、良好な流動性および加工性が得られやすいという利点を有する。
(A)成分の分子量分布(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)で表される数)は、1.00~2.00が好ましく、1.10~1.80がより好ましい。分子量分布が上記範囲であれば、(a)樹脂の溶融粘度を低粘度化でき、成形加工時の取り扱い性が向上しやすい、および(b)硬化物の良好な物性が得られやすい、という利点を有する。
なお、本明細書において、数平均分子量および重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC、またはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)とも称する)を用いて、ポリスチレン換算により算出した値である。
(A)成分の(メタ)アクリロイル基が主鎖に結合する様式には、特に制限はないが、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、チオエーテル結合、カーボネート結合、ウレア結合、ヘテロ原子を有しない2価以上の炭化水素基からなる結合等が挙げられる。これらの中でも、合成の容易さから、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合が好ましい。
(A)成分の(メタ)アクリロイル基の結合位置には特に制限は無く、主鎖の末端であってもよいし、側鎖であってもよい。(a)合成が容易である、(b)得られる硬化物のエラストマー材料としての物性が好適である、(c)重合体一分子当たりの官能基数を制御しやすい、および(d)原料を工業的に入手しやすい、という理由から、(A)成分の(メタ)アクリロイル基は、主鎖の末端に結合していることが好ましい。
特に好ましい実施形態において、(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を主鎖の末端に1分子当たり0.5~1.0個有することが好ましく、0.6個~1.0個有することがより好ましく、0.7個~1.0個有することが更に好ましく、0.8~1.0個有することが更に好ましく、0.9~1.0個有することが特に好ましい。当該構成により、本硬化物の粘着性および耐久性を一層向上させることができる。
(A)成分の(メタ)アクリロイル基の構造には、特に制限はないが、硬化物の物性、原料の入手性、および製造のしやすさの観点から、下記一般式(1)で表される構造であることが好ましい。
一般式(1)において、R1は、水素原子またはメチル基を表す。R2は、炭素数2~6の2価の飽和炭化水素基であって、ヘテロ原子を有しない基を表す。R3~R6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の1価の炭化水素基またはアルコキシ基を表す。また、波線は、主鎖との結合部分を表す。
一般式(1)におけるR1は、水素またはメチル基を表す。R1が水素原子である場合、一般式(1)はアクリロイル基となり、R1がメチル基である場合、一般式(1)はメタクリロイル基となる。
本硬化性組成物に配合される他の成分との組合せに応じて、(A)成分の(メタ)アクリロイル基として、アクリロイル基またはメタクリロイル基を任意に選択することができる。
例えば、本硬化性組成物または得られる硬化物の諸物性を調整するために(B)成分としてアクリレート系単量体を添加する場合は、(A)成分の(メタ)アクリロイル基として、R1が水素原子であるアクリロイル基を選択することが好ましい場合がある。また、本硬化性組成物または得られる硬化物の耐熱性などの物性を向上させる目的で、(B)成分としてメタクリレート系単量体を添加する場合は、(A)成分の(メタ)アクリロイル基として、R1がメチル基であるメタクリロイル基を選択することが好ましい場合がある。これらの選択により、(A)成分と(B)成分との反応性が近くなり、均一な構造を有する硬化物が得られやすくなる、という利点を有する。
または、(A)成分と(B)成分とが異なる反応性を有することが好ましい場合は、(B)成分としてアクリレート系単量体を添加する場合に、(A)成分の(メタ)アクリロイル基として、R1がメチル基であるメタクリロイル基を選択してもよい。同様に、(B)成分としてメタクリレート系単量体を添加する場合に、(A)成分の(メタ)アクリロイル基として、R1が水素原子であるアクリロイル基を選択してもよい。
一般式(1)におけるR2は、炭素数2~6の2価の飽和炭化水素基であって、ヘテロ原子を含有しない基である。R2の具体例としては、例えば、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2-、および-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-等が挙げられる。これらの中でも、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、および-CH2CH2CH2CH2-が原料の入手性および反応性の観点から好ましい。
一般式(1)におけるR3~R6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の1価の炭化水素基、またはアルコキシ基である。炭素数1~20の1価の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、およびデカニル基等が挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、およびブトキシ基等が挙げられる。これらの中でも、反応性の点からは水素原子、メチル基、およびメトキシ基からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、原料の入手性も考慮に入れると、水素原子が更に好ましい。
特に好ましい実施形態において、(A)成分は、一般式(1)で表される基を主鎖の末端に1分子当たり0.5~1.0個有することが好ましく、0.6個~1.0個有することがより好ましく、0.7個~1.0個有することが更に好ましく、0.8~1.0個有することが更に好ましく、0.9~1.0個有することが特に好ましい。当該構成により、本硬化物の粘着性および耐久性を一層向上させることができる。
(A)成分の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を適用できる。原料の入手性および生産性が高く、工業的にも好適に使用できるという理由から、例えば、WO2013/047314号公報、特開2013-216782号公報、およびWO2017/099043号公報等に記載の製造方法を好適に用いることができる。当該製造方法は、例えば、(i)一官能性重合開始剤(例えば、クミルクロリド、tert-ブチルクロリド、および2-クロロ-2,4,4-トリメチルペンタン等)およびルイス酸触媒(例えば、TiCl4等)を用い、含窒素化合物等の電子供与体成分(例えば、2-メチルピリジン、2,6-ジメチルピリジン、トリエチルアミン等)の共存下で、イソブチレンのリビングカチオン重合を行い、ポリイソブチレン系重合体の骨格(主鎖)を製造する工程、および(ii)主鎖の末端を(メタ)アクリル酸フェノキシアルキル系化合物等を用いて官能化する工程、を含む。当該方法により、主鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体を製造することができる。当該方法において、溶媒としては、入手性、原料および重合体の溶解性、および経済性の点から、塩化メチル、塩化ブチル、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、およびトルエン等を用いることが特に好ましい。また、当該方法において、反応は、低温(例えば-70℃等)で行われることが好ましい。当該方法の工程(ii)において、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキル系化合物の使用量を調整することより、官能化率を制御することができる。
別法として、例えば、(i)イソブチレンとカチオン重合可能な官能基(カチオン重合性官能基)と(メタ)アクリロイル基との両方を有する単量体を製造する工程、および(ii)イソブチレンと(i)で得られた単量体とをカチオン重合によりランダム共重合させる工程、を含む。当該方法により、主鎖の側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体を製造することができる。
<多官能性ビニル系単量体(B)>
(B)成分は、後述の重合開始剤(C)((C)成分)から生じる活性種により重合する化合物であり、重合性官能基を1分子中に2つ以上有するビニル系単量体である。
本硬化性組成物における(B)成分の作用としては、(a)硬化物の諸物性を調整する作用、(b)反応性希釈剤としての作用、および(c)架橋点を形成する作用、が挙げられる。また、本硬化性組成物が(B)成分を含むことにより、(A)成分の単官能化重合体の使用に伴って生じやすい耐熱性および耐久性の低下を防ぐことができる。したがって、(A)成分と(B)成分とを併用することにより、耐久性と粘着性とを両立する硬化物を提供することができる。
(B)成分の例としては、WO2013/047314号公報、および特開2013-216782号公報等に記載の化合物が挙げられる。これらの中でも、(A)成分との相溶性および/または光硬化性に優れるという観点から、炭素数1~30のアルキル基または脂環式基を有する(メタ)アクリレート系単量体が好ましい。これらの(B)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の好ましい例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリル酸付加物、ポリエチレングリコール(PEG)200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)400ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)600ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジグリセリンテトラアクリレート、ジペンタンエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、プロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、グリセリンジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物のジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、が挙げられる。
入手性、および反応性の観点から、(B)成分は、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、および、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1つであることが更に好ましい。
(B)成分の2価以上のアルキル基または脂環式基において異性体が存在する場合は、いずれの異性体でも同様に使用することができ、それらの混合物を用いてもよい。
(B)成分の数平均分子量は、特に制限はないが、2000以下が好ましく、1000以下がより好ましい。(B)成分の数平均分子量が2000以下であれば、本硬化性組成物の粘度が好適な範囲となり、良好な取り扱い性が得られやすい、という利点を有する。(B)成分の数平均分子量の下限値は、特に制限はないが、本硬化性組成物の取扱いやすさに優れることからは、例えば、150以上であることが好ましく、170以上であることがより好ましい。
(B)成分の1分子中の重合性官能基の数は、2個以上であれば特に制限はないが、1分子当たり10個以下が好ましく、6個以下がより好ましく、3個以下が更に好ましい。
本硬化性組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して、0.01~100重量部であることが好ましく、0.10~100重量部であることがより好ましく、0.50~50重量部であることが更に好ましく、0.50~30重量部であることがより更に好ましく、0.50~20重量部であることが特に好ましい。(B)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して、0.01重量部以上であることにより、(B)成分の上述の作用が良好に発揮される。また、(B)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して、100重量部以下であることにより、本硬化物が、好適な範囲の硬度を有する、という利点を有する。
<重合開始剤(C)>
(C)成分は、外部刺激によって、単量体の重合を開始し得る活性種(例えばラジカル種)を生じる化合物である。(C)成分としては、特に制限はないが、公知の光ラジカル重合開始剤、および熱ラジカル重合開始剤が挙げられる。
本硬化性組成物の速硬化性に優れることから、(C)成分は、活性エネルギー線の照射によりラジカル種を生じる光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。なお、本明細書において、活性エネルギー線は、広義の光の全てを包含し、例えば、α線、β線等の放射線、γ線、X線等の電磁波、電子線(EB)、紫外線(波長100~400nm)および可視光線(波長400~800nm)等が挙げられ、好ましくは紫外線である。
光ラジカル重合開始剤の例としては、WO2013/047314号公報、および特開2013-216782号公報に記載の化合物が挙げられる。これらの中でも、(a)ヒドロキシル基およびフェニルケトン構造を有する化合物、(b)ベンゾフェノン構造を有する化合物、および(c)アシルホスフィンオキシド構造を有する化合物、を好ましく用いることができる。
(a)ヒドロキシル基およびフェニルケトン構造を有する化合物としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、および、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン等が挙げられる。
(b)ベンゾフェノン構造を有する化合物としては、ベンゾフェノン、3-メトキシベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4-クロロベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、および、4-クロロ-4’-ベンジルベンゾフェノン等が挙げられる。
(c)アシルホスフィンオキシド構造を有する化合物としては、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、および、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド等が挙げられる。
これらの中でも、硬化性と貯蔵安定性が良好であるという点で、ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド、が特に好ましい。
光ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。また、光ラジカル重合開始剤の1種以上を、他の化合物と組み合わせて用いてもよい。光ラジカル重合開始剤と他の化合物とを組み合わせて用いる場合、他の化合物としては、ジエタノールメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンが好適に挙げられる。光ラジカル重合開始剤と上述したアミンと、更にフェニルヨードニウムクロリド等のヨードニウム塩とを組み合わせて使用してもよい。また、光ラジカル重合開始剤と上述したアミンと、更にメチレンブルー等の色素とを組み合わせて使用してもよい。
(C)成分として光ラジカル重合開始剤を使用する場合、必要に応じて、重合禁止剤を添加することもできる。本硬化性組成物において、光ラジカル重合開始剤と重合禁止剤とを共存させることにより、硬化性組成物の意図しない硬化を防ぎ、取り扱いやすくする、という利点が得られる。重合禁止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、およびp-tert-ブチルカテコール等が挙げられる。
硬化のために本硬化性組成物を加熱できる場合は、(C)成分として、熱によりラジカル種を発生する熱ラジカル重合開始剤を用いることもできる。また、(C)成分として、光ラジカル重合開始剤と熱ラジカル重合開始剤とを組み合わせて使用してもよい。
熱ラジカル重合開始剤の例としては、アゾ系開始剤、過酸化物、過硫酸、および、レドックス開始剤等が挙げられる。これらの中でも、アゾ系開始剤および過酸化物がより好ましい。
アゾ系開始剤としては、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、および、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル等が挙げられる。
過酸化物としては、t-ブチルパーオキシピバレート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、過酸化ジクミル、および、過酸化ベンゾイル等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
本硬化性組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して、0.01~20.0重量部であることが好ましく、0.05~20.0重量部であることがより好ましく、0.10~20.0重量部であることが更に好ましく、0.10~10.0重量部であることがより更に好ましく、0.10~5.0重量部であることが特に好ましい。(C)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して、0.01重量部以上であることにより、(C)成分の作用が発揮され、良好な硬化性が得られる。また、(C)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して、20.0重量部以下であることにより、(a)外部刺激(光、熱等)が深部まで届くことにより、未硬化部分の発生を防止できる、および(b)硬化物が良好な耐熱性を示しやすい、という利点を有する。
<単官能性ビニル系単量体(D)>
本硬化性組成物は、単官能性ビニル系単量体(D)((D)成分)をさらに含むことが好ましい。本硬化性組成物における(D)成分の作用としては、(a)硬化物の諸物性(例えば、柔軟性等)を調整する作用、および(b)反応性希釈剤としての作用、が挙げられる。
(D)成分は、(C)成分から生じる活性種により重合する化合物であり、重合性官能基を1分子中に1つ有するビニル系単量体である。
(D)成分の例としては、WO2013/047314号公報、および特開2013-216782号公報等に記載の化合物が挙げられる。このような化合物としては、鎖状または環状の(メタ)アクリレート系単量体、スチレン系単量体、共役ジエン系単量体、アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、アクリルアミド系単量体、ビニルケトン系単量体、およびビニルエステル系単量体等が挙げられる。これらの(D)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、(A)成分との相溶性および/または光硬化性に優れるという観点から、炭素数1~30のアルキル基または脂環式基を有する(メタ)アクリレート系単量体が好ましい。
得られる硬化物の物性が良好であり、硬化性組成物の粘度を調整しやすいという点から好ましい(D)成分の例としては、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル等が挙げられる。また、入手性の観点から好ましい(D)成分の例としては、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等が挙げられる。
(D)成分のアルキル基または脂環式基において異性体が存在する場合は、いずれの異性体でも同様に使用することができ、それらの混合物を用いてもよい。
(D)成分の数平均分子量は、特に制限はないが、1000以下が好ましく、500以下がより好ましい。(D)成分の数平均分子量が1000以下であれば、本硬化性組成物の粘度が好適な範囲となり、良好な取り扱い性が得られやすい、という利点を有する。(D)成分の数平均分子量の下限値は、特に制限はないが、本硬化性組成物の取扱いやすさおよび安全性に優れることからは、例えば、50以上であることが好ましく、70以上であることがより好ましい。
本硬化性組成物における(D)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して、0.1~1000重量部であることが好ましく、0.50~1000重量部であることがより好ましく、1.0~1000重量部であることが更に好ましく、1.0~500重量部であることがより更に好ましく、1.0~300重量部であることが特に好ましい。(D)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して、0.1重量部以上であることにより、(D)成分の上述の作用が良好に発揮される。また、(D)成分の含有量が、(A)成分100重量部に対して、1000重量部以下であることにより、本硬化物が、好適な範囲の硬度を有し、また、良好な機械物性および耐熱性を有する、という利点を有する。
<その他の成分>
本硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、添加剤(例えば、充填剤、可塑剤、保存安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、および顔料)、硬化物のゴム物性等を調整するエラストマー(例えば、(A)成分とは異なる光硬化が可能な(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー、および、スチレン系ブロック共重合体等)、チオール系化合物、3級アミン化合物、並びに、接着性付与剤等が挙げられる。
(添加剤)
本硬化性組成物における充填剤および可塑剤の含有量は、特に制限はないが、添加により得られる効果と経済性との兼ね合いの観点から、(A)成分100重量部に対して、0.1~500重量部であることが好ましく、1.0~300重量部であることがより好ましい。
本硬化性組成物における保存安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、および顔料の含有量は、特に制限はないが、添加により得られる効果と経済性との兼ね合いの観点から、(A)成分100重量部に対して、0.01~20.0重量部であることが好ましく、0.10~10.0重量部であることがより好ましい。
これらの添加剤としては、WO2013/047314号公報、および特開2013-216782号公報等に記載の各種添加剤が挙げられる。
((メタ)アクリロイル基含有オリゴマー)
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーとしては、イソブチレンに由来する構成単位を含まないオリゴマーからなる主鎖と、1分子中に平均して1個以上の(メタ)アクリロイル基と、を有する化合物が挙げられる。(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
主鎖を構成するオリゴマーとしては、例えば、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリイソプレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、エポキシ化合物の重合体、ひまし油、および、シリコーン系重合体等が挙げられる。
これらの中でも、本硬化性組成物の他の成分との相溶性に優れることから、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリイソプレン、ポリアクリレート、エポキシ化合物の重合体、およびひまし油からなる群より選択されるオリゴマーからなる主鎖を含む化合物が好ましい。
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーの数平均分子量は、特に制限はないが、入手性、本硬化性組成物の他の成分との相溶性、および本硬化性組成物の取り扱いやすさに優れることからは、200~500000であることが好ましく、1000~100000であることがより好ましい。
本硬化性組成物における(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーの含有量は、特に制限はないが、(i)本硬化性組成物の粘度が好適な範囲となること、および/または、(ii)本硬化性組成物の他の成分との相溶性に優れることから、(A)成分100重量部に対して、0.1~1000重量部であることが好ましく、1.0~300重量部であることがより好ましい。
(スチレン系ブロック共重合体)
スチレン系ブロック共重合体としては、スチレン-ブタジエン共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン共重合体(SIS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン共重合体(SEPS)、スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体(SIBS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)、および、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル共重合体(ABS)等が挙げられる。これらのスチレン系ブロック共重合体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
これらの中でも、本硬化性組成物の他の成分との相溶性に優れ、また、好ましいゴム物性が得られることから、スチレン-ブタジエン共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン共重合体(SIS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン共重合体(SEPS)、および、スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体(SIBS)等が好ましい。
スチレン系ブロック共重合体の数平均分子量は、特に制限はないが、(i)本硬化性組成物の粘度が好適な範囲となること、および/または、(ii)本硬化性組成物の他の成分との相溶性に優れることからは、10000~500000であることが好ましく、50000~300000であることがより好ましい。
本硬化性組成物におけるスチレン系ブロック共重合体の含有量は、特に制限はないが、粘着性と耐久性とのバランスの観点から、(A)成分100重量部に対して、0.1~1000重量部であることが好ましく、1.0~300重量部であることがより好ましい。
(チオール系化合物)
本硬化性組成物は、その他の成分としてチオール系化合物を含むことにより、(a)架橋点を増大させることにより、硬化性を向上させて、硬度および強度の高い硬化物を提供することができる、または、(b)連鎖移動作用によって架橋点を減少させることにより、柔軟性および粘着性に優れる硬化物を提供することができる、という利点を適宜に有する。
チオール系化合物としては、デカンチオール、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトグリコレート)、ブタンジオール ビス(3-メルカプトグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトグリコレート)、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコール ビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトール ヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5-トリス(3-メルカブトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン等が挙げられる。これらのチオール系化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
本硬化性組成物におけるチオール系化合物の含有量は、特に制限はないが、本硬化性組成物の硬化性および取扱いやすさに優れることから、(A)成分100重量部に対して、0.1~100重量部であることが好ましく、0.50~30重量部であることがより好ましい。
(3級アミン化合物)
本硬化性組成物が、その他の配合成分として3級アミン化合物を含むことにより、光硬化性が向上し得るという利点を有する。
3級アミン化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N’-ジエタノールアミン、N,N’-ジメチル-P-トルイジン、N,N’-ジメチル-アニリン、N-メチル-ジエタノールアミン、N-メチル-ジメタノールアミン、N,N’-ジメチルアミノ-アセトフェノン、N,N’-ジメチルアミノベンゾフェノン、N,N’-ジエチルアミノ-ベンゾフェノン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。これらの3級アミン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
本硬化性組成物における3級アミン化合物の含有量は、特に制限はないが、本硬化性組成物の硬化性に優れることから、(A)成分100重量部に対して、0.1~100重量部であることが好ましく、0.50~30重量部であることがより好ましい。
(接着性付与剤)
本硬化性組成物が、その他の配合成分として接着性付与剤(「密着性付与剤」とも称される)を含むことにより、硬化物の粘着性が向上し得るという利点を有する。
接着性付与剤としては、3-(メタ)アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリルオキシオクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートリン酸エステル、メタクリロキシオキシエチルアシッドホスフェートモノエチルアミンハーフソルト、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの接着性付与剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
これらの中でも、接着性に優れることから、3-(メタ)アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートリン酸エステル、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本硬化性組成物における接着性付与剤の含有量は、特に制限はないが、硬化性と接着性とのバランスの観点から、(A)成分100重量部に対して、0.01~20.0重量部であることが好ましく、0.1~10.0重量部であることがより好ましい。
<本硬化性組成物の物性>
好ましい実施形態において、本硬化性組成物は、ポリイソブチレン系重合体(A)100重量部に対して、多官能性ビニル系単量体(B)0.01~100重量部、および、重合開始剤(C)0.01~20.0重量部を含む。当該構成により、硬化性組成物により得られる硬化物が、より高い粘着性と耐久性とを両立できるという利点を有する。
好ましい実施形態において、本硬化性組成物は、ポリイソブチレン系重合体(A)100重量部に対して、多官能性ビニル系単量体(B)0.01~100重量部、重合開始剤(C)0.01~20.0重量部、および、単官能性ビニル系単量体(D)0.1~1000重量部を含む。当該構成により、硬化性組成物により得られる硬化物が、より高い粘着性と耐久性とを両立でき、さらに好ましい諸物性(例えば、柔軟性等)を有するという利点を有する。
本硬化性組成物は、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1.0個超有するポリイソブチレン系重合体の含有量が、(A)成分100重量部に対して、20重量部以下であることが好ましく、15重量部以下であることがより好ましく、10重量部以下であることが更に好ましく、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1.0個超有するポリイソブチレン系重合体を含まないことが特に好ましい。当該構成により、耐久性と粘着性とのバランスに優れた硬化物が得られやすいという利点を有する。(メタ)アクリロイル基を1分子中に1.0個超有するポリイソブチレン系重合体の含有量が少ないほど、多官能化重合体分子の含有量が減少するため、耐久性と粘着性とのバランスに優れる硬化物を得やすい傾向がある。
本硬化性組成物は、取り扱いやすさの観点から、室温で液状であることが好ましい。また、光硬化による硬化性に優れる組成物を得やすいことから、本硬化性組成物の外観は、無色透明、淡黄色透明、淡黄色半透明、または、白色半透明であることが好ましい。
本硬化性組成物の粘度は、特に制限はないが、種々の塗布方法または充填方法に対応できるという点で、25℃での粘度が0.0001~10000Pa・secであることが好ましく、さらに取り扱いのしやすさの観点から、0.001~5000Pa・secであることがより好ましい。
低粘度の組成物の塗布または充填に好適な方法(例えば、スプレー、インクジェット、およびスクリーン印刷、コーキングガン、スプレーガン等)により本硬化性組成物を塗布または充填する場合は、本硬化性組成物の25℃での粘度は、例えば、0.0001~5000Pa・secであることが好ましく、0.0001~3000Pa・secであることがより好ましい。本硬化性組成物の粘度が上記範囲であれば、取り扱いがしやすく、かつ、吐出口から本硬化性組成物を容易に吐出することができる。
本硬化性組成物を、フォームインプレイスガスケット(FIPG)、キュアードインプレイスガスケット(CIPG)、モールドインプレイスガスケット(MIPG)、液体射出成形(LIM)、およびその他のディスペンシング等の用途に用いる場合は、本硬化性組成物の25℃での粘度は、たとえば、0.001~10000Pa・secであることが好ましく、0.001~5000Pa・secであることがより好ましい。本硬化性組成物の25℃での粘度が0.001Pa・sec以上であれば、良好なチクソ性が得られるため、所望の形状に成形しやすい、という利点を有する。また、本硬化性組成物の25℃での粘度が10000Pa・sec以下であれば、良好な吐出速度で吐出可能であるため、生産性の低下を防ぐという利点を有する。
なお、硬化性組成物の粘度は、測定温度25℃にて、東機産業(株)製コーンプレート型粘度計TVE-25Hを用いて測定することができる。
<本硬化性組成物の形態>
本硬化性組成物は、1成分型であってもよいし、2成分型であってもよいし、3成分以上の多成分型であってもよい。
1成分型の硬化性組成物とは、全ての配合成分を予め配合した後、密封保存したものである。1成分型の硬化性組成物は、施工の際に複数の成分を混合および混練する手間が不要となり、同時にその際に生じる計量誤差もなくなるため、硬化不良等の品質上の欠陥を防ぐことができる観点から好ましい形態である。
2成分型の硬化性組成物とは、硬化性組成物の貯蔵安定性等を考慮して配合成分をA液とB液との二液に分けて配合しておき、使用前に混合するものである。二液への分割方法は、硬化性組成物の混合比、貯蔵安定性、混合方法、ポットライフ等を考慮し、種々の組合せが可能である。
必要に応じて、A液、B液以外に第三成分を用意して3成分型の硬化性組成物とすることも可能であり、それ以上の分割も必要に応じて調整することが可能である。
配合成分の混合法としては、特に限定されず、ハンドミキサー、スタティックミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパー、ロール、ニーダー、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、高剪断型ミキサー等を用いて混合する方法が挙げられる。混合は、必要に応じて、遮光下で行ってもよい。
混合時の温度としては、10~100℃の温度が好ましく、20~80℃であることがより好ましい。また、混合時間としては、0.1~5時間程度であることが好ましく、10分~3時程度であることがより好ましい。
<塗布方法または充填方法>
本硬化性組成物を被着体に塗布または充填する方法としては、特に限定されず、シール剤および接着剤を塗布または充填するための公知の方法が用いられる。このような方法としては、自動塗布機を用いたディスペンシング、スプレー、インクジェット、スクリーン印刷、グラビア印刷、ディッピング、スピンコート、並びに、コーキングガンおよびスプレーガンを用いる充填等が挙げられる。
本硬化性組成物の室温での粘度が高く、取り扱いが困難な場合は、所望の粘度になるように本硬化性組成物を加熱してもよい。その際の温度としては、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。本硬化性組成物を100℃以下で加熱することにより、(C)成分および(D)成分が揮発しにくい。そのため、安全上の利点、および、硬化性組成物中の各成分の配合比の変化を防ぐことができるという利点が得られる。
〔3.硬化物〕
本発明の一実施形態に係る硬化物は、〔2.硬化性組成物〕の項で説明した本硬化性組成物を硬化させてなるものである。本発明の一実施形態に係る硬化物を、単に本硬化物ともいう。
本硬化物は、前記構成を有するため、高い粘着性と耐久性とを両立することができる。また、本硬化物は、良好なガスバリア性および柔軟性を有する。
<本硬化物の物性>
本硬化物は、良好な柔軟性を有するため種々の用途に適用することができるが、例えば、ゴム的な性質および/または比較的硬質な性質が求められる用途に好適に用いることができる。当該用途に本硬化物を適用する場合、本硬化物の硬度は、1~90度であることが好ましく、5~85度であることがより好ましい。本硬化物の硬度が1度以上であれば、柔らかすぎず、良好なタック性および取り扱い性が得られやすく、また、90度以下であれば、割れにくい、という利点を有する。なお、本明細書において、硬化物の硬度は、JIS K 6253:2012に準拠して測定される値を意図する。硬化物の硬度の測定方法は、下記実施例にて詳述する。
本硬化物の引張破断強度(Tb)は、0.010~50MPaであることが好ましく、0.10~40MPaであることがより好ましい。本硬化物の引張破断強度(Tb)が0.010MPa以上であれば、硬化物が良好な強度を有し、取り扱いやすく、また、50MPa以下であれば、ゴム的な性質が保持される、という利点を有する。また、本硬化物の引張破断強度(Tb)が上記範囲であれば、シール剤、防湿剤、ポッティング剤、およびガスケット材等の種々の用途に適用しやすいという利点を有する。なお、本明細書において、硬化物の引張破断強度(Tb)は、JIS K 6251:2017に準拠して測定される値を意図する。硬化物の引張破断強度(Tb)の測定方法は、下記実施例にて詳述する。
本硬化物の圧縮永久歪は、70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることが更に好ましい。本硬化物の圧縮永久歪が70%以下であれば、気密性を良好に保持することができるという利点、並びに、シール剤、防湿剤、ポッティング剤、およびガスケット材等の種々の用途に適用しやすいという利点を有する。なお、本明細書において、硬化物の圧縮永久歪は、JIS K 6262:2013に準拠して測定される値を意図する。硬化物の圧縮永久歪の測定方法は、下記実施例にて詳述する。
本硬化物の透湿度は、50g/m2・24hrs以下であることが好ましく、25g/m2・24hrs以下であることがより好ましい。本硬化物の透湿度が50g/m2・24hrs以下であれば、高いガスバリア性を要する種々の用途(例えば、シール剤、封止材、防湿剤、ガスケット材、ポッティング剤、コンフォーマルコーティング等)に適用しやすいという利点を有する。なお、本明細書において、硬化物の透湿度は、JIS Z 0208:1976に準拠して、0.5mm厚の試験片を用いて測定される値を意図する。硬化物の透湿度の測定方法は、下記実施例にて詳述する。
本硬化物の粘着力は、ステンレス鋼板(SUS304、エンジニアリングテストサービス製)に対する粘着力の値として、0.10N/25mm以上であることが好ましく、1.0N/25mm以上であることが更に好ましい。本硬化物の粘着力が0.10N/25mm以上であれば、基材からはがれにくく、高い粘着性を要する種々の用途(例えば、シール剤、封止材、防湿剤、ガスケット材、ポッティング剤、コンフォーマルコーティング等)に適用しやすいという利点を有する。硬化物の粘着力の測定方法は、下記実施例にて詳述する。
<硬化方法>
本硬化物は、本硬化性組成物に外部刺激(光または熱)を与えて硬化させることによって得られる。
(C)成分が光ラジカル重合開始剤である場合、外部刺激は、光(活性エネルギー線)の照射である。活性エネルギー線の光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LED、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置、レーザー等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射量は、積算光量1kJ/m2以上であることが好ましく、10kJ/m2以上であることがより好ましい。積算光量が1kJ/m2以上であれば、本硬化性組成物を十分に硬化させることができる。
光源から放たれる活性エネルギー線の波長と、(C)成分の吸収波長(および/または最大吸収波長)とをできる限り一致させることにより、効率の良い硬化が達成できる。
(C)成分が熱ラジカル重合開始剤である場合、外部刺激は、熱(加熱)である。加熱温度および加熱時間は特に限定されず、使用する熱ラジカル重合開始剤の種類により異なるが、通常50~250℃が好ましく、70~200℃がより好ましい。加熱時間(硬化時間)は、使用する熱ラジカル重合開始剤の種類、添加剤、加熱温度(反応温度)等により異なるが、通常1分~5時間の範囲である。
本硬化性組成物の硬化は、大気、窒素、およびアルゴン等の種々の雰囲気下で行うことができる。特別な設備を必要とせず、簡便に実施できるという点で、本硬化性組成物を大気下で硬化させることが好ましい。また、大気中の酸素による硬化阻害が懸念される場合は、窒素およびアルゴン等の不活性ガス下で硬化させることが好ましい。
〔4.用途〕
本硬化性組成物は、高い粘着性と耐久性とを両立し、さらに良好なガスバリア性および柔軟性を有する硬化物を提供することができるため、高いレベルの粘着性、耐久性、ガスバリア性および柔軟性が求められる種々の用途に、好適に用いることができる。このような用途としては、電気・電子部品(LED、電池、センサー、半導体、回路基板、ディスプレイ、家電、光通信・光回路、光記録、磁気記録等)、医薬品・医療品、自動車部品・船舶部品、建築部品、音響用部品等における、封止材、粘着剤、シール材、ガスケット材、接着剤、コーティング材、被覆材、レジスト材、防振材、制振材、衝撃吸収材、緩衝材、電気絶縁材料、発泡体、塗料、インク、注型剤、ポッティング剤、モールド材、アンダーフィル材、ダイボンド材、充填材等が挙げられる。また、これらの用途に適用される本硬化物は、シート状(フィルム状)、テープ状、成形体状(パッキン、Oリング、ベルト、チューブ、弁、ホース等)等の各種形態で使用することができる。
本硬化物は、特に、封止材および粘着剤として、好適に用いることができる。本発明の一実施形態に係る封止材および粘着剤は、〔2.硬化性組成物〕の項で説明した本硬化性組成物を硬化させてなるものである。本発明の一実施形態に係る封止材および粘着剤を、それぞれ、単に本封止材および本粘着剤ともいう。
本封止材および本粘着剤は、前記構成を有するため、高い粘着性と耐久性とを両立することができる。また、本封止材は、良好なガスバリア性および柔軟性を有する。
本封止材および本粘着剤は、本硬化性組成物を被着体に塗布または2つ以上の被着体間に充填し、硬化性組成物を硬化させることにより製造することができる。本硬化性組成物の塗布方法、充填方法および硬化方法は、〔2.硬化性組成物〕および〔3.硬化物〕の項の記載を適宜援用する。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例における測定および評価は、以下の方法で行った。
<分子量>
「重量平均分子量Mw」、「数平均分子量Mn」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn))」は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。
測定装置としてWaters社製GPCシステムを用いて、クロロホルムを移動相とし、カラム温度35℃の条件にて、重合体濃度が4mg/mlである試料溶液を用いて測定した。カラム(固定相)としては、ポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(Shodex GPC K-804および、K-802.5;いずれも昭和電工(株)製)を用いた。
<粘度>
測定温度25℃にて、東機産業(株)製コーンプレート型粘度計TVE-25Hを用いて、試料(硬化性組成物)の粘度を測定した。
<引張物性>
硬化性組成物を0.5mm厚になるように、PETフィルム上に塗布した。その後、UV照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、型式:LH6)を用いて、UV光を照射(照射条件:照度500mW/cm2、光量5000mJ/cm2)することにより硬化性組成物を硬化させて、シート状の硬化物を得た。得られた硬化物から、7号ダンベル形状の試験片を作製した。
得られた試験片を用いて、JIS K 6251:2017に準拠して、室温(23℃)で、引張速度200mm/分の条件下で引張試験を行い、引張破断強度(Tb)、引張破断伸び(Eb)、および30%モジュラス(M30)を測定した。引張破断強度(Tb)は、試験片が破断した時点での引張強度(MPa)である。引張破断伸び(Eb)は、引張試験開始時点の試験片の長さを100%とし、破断した時点での試験片の長さの相対値(%)である。30%モジュラス(M30)は、試験片を30%伸長したときの引張強度(MPa)である。
<硬度(A型)>
硬化性組成物を0.5mm厚になるように硬化させて、シート状の試験片を作製した。次いで、JIS K 6253:2012に準拠し、硬化させた試験片を重ねて6mm厚とし、タイプAデュロメータを用いて、硬度(A型)を測定した。
<圧縮永久歪>
硬化性組成物を12.5mm厚になるように硬化させて、円柱形状の試験片を作製した。得られた試験片を用いて、JIS K 6262:2013に準拠して、120℃で、24時間、25%圧縮の条件下で、圧縮永久歪を測定した。
<透湿度>
硬化性組成物を0.5mm厚になるように硬化させて、シート状の試験片を作製した。得られた試験片を用いて、JIS Z 0208:1976に準拠して、40℃、相対湿度90%RHの条件で、透湿度を測定した。
<粘着力>
厚さ25μmのPETフィルム上に、硬化性組成物を0.5mm厚になるように塗工し、塗工面に離型性PETフィルムを貼り付けた。次に、引張物性の測定方法と同様にして、UV照射装置を用いて、同条件でUV照射することにより、硬化性組成物を硬化させた。得られたシート状の硬化物(粘着剤)を25mm幅に切断した。次いで、離型性PETフィルムを剥がし、硬化物表面を、ステンレス鋼板(SUS304、(株)エンジニアリングテストサービス製)に貼り付け、2kgの圧着ローラーを用いて圧着した。貼り付けから3日後にオートグラフ((株)島津製作所製、AG-2000A)を用いて、23℃、剥離速度300mm/minの条件で180°剥離試験を行い、粘着力(N/25mm)を測定した。
<官能化率>
ポリイソブチレン系重合体1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数は、以下の方法により算出した:(i)ポリイソブチレン系重合体の1H NMR測定を行った;(ii)得られた結果より、(ii-1)重合開始剤に由来する基に帰属されるプロトンのピーク面積(ピークの積分値)から、ポリイソブチレン系重合体中に存在する重合体分子の相対数(A)を算出し、かつ(ii-2)(メタ)アクリロイル基に帰属されるプロトンのピーク面積(ピークの積分値)から、ポリイソブチレン系重合体中に存在する(メタ)アクリロイル基の相対数(B)を算出した;(iii)重合体分子の相対数(A)に対する(メタ)アクリロイル基の相対数(B)の比(B/A)を算出し、1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数(導入数)を求めた。
(製造例1)1分子中に0.5~1.0個の(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体(A-1)の合成
1Lのセパラブルフラスコの容器内の気体を窒素と置換した。その後、n-ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)30mLおよび塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)400mLを容器内に加えた。続いて、容器内の原料を窒素雰囲気下で撹拌しながら-70℃まで冷却した。次いで、イソブチレン200mL(2.12mol)、クミルクロリド1.56g(0.0101mol)および2,6-ルチジン0.378g(0.00353mol)を容器内に加えた。容器内の反応混合物が-70℃まで冷却された後で、四塩化チタン1.44mL(0.0131mol)を容器内に加えて重合を開始した。重合開始後、一定の間隔毎に容器内の反応混合物を測定に必要な最低量を取り出し、取り出した反応混合物をガスクロマトグラフィーに供し、反応混合物中の残存イソブチレン濃度を測定して、投入したイソブチレンの消費量を測定した。投入したイソブチレンの99.9%以上が消費された段階で、イソブチレンの重合を終了した。かかる操作により、ポリイソブチレン系重合体(主鎖)を得た。次に、容器内からポリイソブチレン系重合体を取り出すことなく、重合されたポリイソブチレン系重合体が入っている容器内にアクリル酸フェノキシブチル2.44g(0.0111mol)、および、四塩化チタン4.98mL(0.0454mol)を加え、-75~-80℃で更に3時間、容器内の反応混合物の撹拌を続けることで、官能化反応を行った。
反応終了後、反応混合物内に大量のメタノールを注ぐことにより、触媒を失活させた。反応混合物中のメタノール、塩化ブチル、およびヘキサンを主成分とする溶媒を除去し、粘ちょうな沈殿物を得た。得られた沈殿物を塩化ブチル1000gに溶解させ、得られた溶解物に粉末活性炭20g(フタムラ化学株式会社製、製品名「太閤A」)を加えて、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。続いて、混合物をろ過して混合物中の活性炭を取り除き、ろ液を得た。得られたろ液に4-メトキシフェノール0.0123gを加えて、得られた混合液中の溶媒を減圧下に留去することにより、アクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体(A-1)を得た。A-1の数平均分子量Mnは15100であり、分子量分布Mw/Mnは1.26であり、1分子当たりのアクリロイル基の導入数は0.93であった。すなわち、ポリイソブチレン系重合体(A-1)は、単官能化重合体であり、主鎖の片方の末端のみにアクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体分子が大部分を占める、ポリイソブチレン重合体分子の集合体といえる。
(製造例2)1分子中に0.5~1.0個の(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体(A-2)の合成
2Lのセパラブルフラスコの容器内の気体を窒素と置換した。その後、n-ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)60mLおよび塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)800mLを容器内に加えた。続いて、容器内の原料を窒素雰囲気下で撹拌しながら-70℃まで冷却した。次いで、イソブチレン306mL、クミルクロリド8.36gおよびトリエチルアミン0.82gを容器内に加えた。容器内の反応混合物が-70℃まで冷却された後で、四塩化チタン2.84mLを容器内に加えて重合を開始した。重合開始後、一定の間隔毎に容器内の反応混合物を測定に必要な最低量を取り出し、取り出した反応混合物をガスクロマトグラフィーに供し、反応混合物中の残存イソブチレン濃度を測定して、投入したイソブチレンの消費量を測定した。投入したイソブチレンの99.9%以上が消費された段階で、イソブチレンの重合を終了した。かかる操作により、ポリイソブチレン系重合体(主鎖)を得た。次に、容器内からポリイソブチレン系重合体を取り出すことなく、重合されたポリイソブチレン系重合体が入っている容器内にアクリル酸フェノキシブチル17.0g、および四塩化チタン23.7mLを加え、-75~-80℃で更に3時間、容器内の反応混の撹拌を続けることで、官能化反応を行った。
反応終了後、反応混合物内に大量のメタノールを注ぐことにより、触媒を失活させた。反応混合物中のメタノール、塩化ブチル、およびヘキサンを主成分とする溶媒を除去し、粘ちょうな沈殿物を得た。得られた沈殿物を塩化ブチル1500gに溶解させ、得られた溶解物に粉末活性炭30g(フタムラ化学株式会社製、製品名「太閤A」)を加えて、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。続いて、混合物をろ過して混合物中の活性炭を取り除き、ろ液を得た。得られたろ液に4-メトキシフェノール0.0300gを加えて、得られた混合液中の溶媒を減圧下に留去することにより、アクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体(A-2)を得た。A-2の数平均分子量Mnは5100であり、分子量分布Mw/Mnは1.31であり、1分子当たりのアクリロイル基の導入数は0.85であった。すなわち、ポリイソブチレン系重合体(A-2)は単官能化重合体であり、主鎖の片方の末端のみにアクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体分子が大部分を占める、ポリイソブチレン系重合体分子の集合体といえる。
(製造例3)1分子中に1.0個超の(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体((A)成分の比較成分)(X-1)の合成
1Lのセパラブルフラスコの容器内の気体を窒素と置換した。その後、n-ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)30mLおよび塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)350mLを容器内に加えた。続いて、容器内の原料を窒素雰囲気下で撹拌しながら-70℃まで冷却した。次いで、イソブチレン150mL、p-ジクミルクロライド1.76gおよび2,6-ルチジン0.29gを容器内に加えた。容器内の反応混合物が-70℃まで冷却された後で、四塩化チタン0.85mLを容器内に加えて重合を開始した。重合開始後、一定の間隔毎に容器内の反応混合物を測定に必要な最低量を取り出し、取り出した反応混合物をガスクロマトグラフィーに供し、反応混合物中の残存イソブチレン濃度を測定して、投入したイソブチレンの消費量を測定した。投入したイソブチレンの99.9%以上が消費された段階で、イソブチレンの重合を終了した。かかる操作により、ポリイソブチレン系重合体(主鎖)を得た。次に、容器内からポリイソブチレン系重合体を取り出すことなく、重合されたポリイソブチレン系重合体が入っている容器内にアクリル酸フェノキシブチル3.70g、および四塩化チタン5.00mLを加え、-70~-80℃で更に3時間、容器内の反応混合物の撹拌を続けることで、官能化反応を行った。
反応終了後、反応混合物内に大量のメタノールを注ぐことにより、触媒を失活させた。反応混合物中のメタノール、塩化ブチル、およびヘキサンを主成分とする溶媒を除去し、粘ちょうな沈殿物を得た。得られた沈殿物を塩化ブチル650gに溶解させ、得られた溶解物に粉末活性炭10g(フタムラ化学株式会社製、製品名「太閤A」)を加えて、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。続いて、混合物をろ過して混合物中の活性炭を取り除き、ろ液を得た。得られたろ液に4-メトキシフェノール0.0160gを加えて、得られた混合液中の溶媒を減圧下に留去することにより、アクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体(X-1)を得た。X-1の数平均分子量Mnは14200であり、分子量分布Mw/Mnは1.20であり、1分子当たりのアクリロイル基の導入数は1.85であった。すなわち、ポリイソブチレン系重合体(X-1)は多官能化重合体であり、主鎖の両方の末端にアクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体分子が大部分を占める、ポリイソブチレン系重合体分子の集合体といえる。
以下の実施例および比較例において、各種配合成分は、以下に示すものを使用した。
<(A)成分>
A-1:製造例1で得られたポリイソブチレン系重合体
A-2:製造例2で得られたポリイソブチレン系重合体
<(A)成分の比較成分>
X-1:製造例3で得られたポリイソブチレン系重合体
<(B)成分>
B-1:1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトアクリレート1,6HX-A)
B-2:トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートTMP-A)
<(C)成分>
C-1:光重合開始剤 2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、Darocure1173)
C-2:光重合開始剤 ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド(BASFジャパン製、Irgacure819)
<(D)成分>
D-1:アクリル酸イソノニル
D-2:アクリル酸ジシクロペンタニル(昭和電工マテリアルズ(株)製、FA-513AS)
<その他の配合成分>
E-1:ヒンダードフェノール系酸化防止剤 3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)プロピオン酸-n-オクタデシル(アデカ製、アデカスタブAO-50)
E-2:疎水性フュームドシリカ(充填剤)(エボニック製、アエロジルR972)
(実施例1~3)
(A)成分としてA-1、(B)成分としてB-1、(C)成分としてC-1およびC-2、(D)成分としてD-1、および、その他の配合成分としてE-1を、表1に示す重量比で混合し、淡黄色透明の硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物について、粘度を測定した。また、硬化性組成物を硬化して得られた無色透明の硬化物について、引張物性、硬度、圧縮永久歪、透湿度および粘着力を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例4)
表1に示す重量比で、その他の配合成分としてE-2を加えたこと以外は実施例3と同様にして硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物について、粘度を測定した。また、硬化性組成物を硬化して得られた無色透明の硬化物について、引張物性、硬度、圧縮永久歪、透湿度および粘着力を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例5)
(B)成分として、B-1に代えて、B-2を表1に示す重量比で用いたこと以外は実施例3と同様にして硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物について、粘度を測定した。また、硬化性組成物を硬化して得られた無色透明の硬化物について、引張物性、硬度、圧縮永久歪、透湿度および粘着力を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例6)
(D)成分として、表1に示す重量比でD-1とD-2とを併用したこと以外は実施例3と同様にして硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物について、粘度を測定した。また、硬化性組成物を硬化して得られた無色透明の硬化物について、引張物性、硬度、圧縮永久歪、透湿度および粘着力を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例7)
(D)成分として、D-1に代えて、D-2を表1に示す重量比で用いたこと以外は実施例3と同様にして硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物について、粘度を測定した。また、硬化性組成物を硬化して得られた無色透明の硬化物について、引張物性、硬度、圧縮永久歪、透湿度および粘着力を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例8)
(A)成分として、A-1に代えてA-2を表1に示す重量比で用いたこと以外は実施例7と同様にして硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物について、粘度を測定した。また、硬化性組成物を硬化して得られた無色透明の硬化物について、引張物性、硬度、圧縮永久歪、透湿度および粘着力を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例1~3)
X-1、A-1、C-1、C-2、D-1、および、E-1を、表1に示す重量比で混合し、淡黄色透明の硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物について、粘度を測定した。また、硬化性組成物を硬化して得られた無色透明の硬化物について、引張物性、硬度、圧縮永久歪、透湿度および粘着力を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例6および実施例7の粘着力の測定では、実施例6および実施例7の粘着力が非常に高いことにより、硬化物(粘着剤)と基材(PETフィルム)との間で剥離が生じたため、硬化物とステンレス鋼板との間の粘着力は測定できなかった。したがって、表1において、実施例6および実施例7の粘着力は、硬化物と基材との剥離が発生した時点の剥離応力を記載している。
表1に示すように、X-1(多官能化重合体)を含み、(B)成分を含まない比較例1~3では、A-1(単官能化重合体)の比率を増やすにつれて、粘着性は上昇するが、圧縮永久歪が増加し、耐久性が低下していることが分かる。このことから、以下の(a)および(b)の考察が得られる:(a)多官能化重合体を含む硬化性組成物において、粘着性を高めるために、単官能化重合体を添加すると、耐久性が顕著に低下すること、(b)耐久性の低下を抑えるために、単官能化重合体の添加量を制限すると、粘着性の向上効果が十分に得られないこと。更には、これらの考察から、単官能化重合体のみを含み、多官能化重合体を含まない硬化性組成物に着目し、当該硬化性組成物において、粘着性と耐久性との両立を試みることは想定困難であると言える。
しかしながら、驚くべきことに、実施例1~3では、単官能化重合体のみを含む硬化性組成物において、(B)成分の添加量を変化させることにより、粘着性と耐久性のバランスに優れる硬化物を提供し得ることが分かった。また、いずれの硬化物も柔軟性およびガスバリア性に優れるものであった。
実施例4の硬化性組成物は、充填剤(疎水性フュームドシリカ)を含むことにより、高い粘着性および耐久性を保持しつつ、高強度である硬化物を提供することができた。実施例5の硬化性組成物は、(B)成分として、3官能性ビニル系単量体を用いることにより、柔軟性、粘着性、および耐久性に優れる硬化物を提供することができた。実施例6~7では、2種類の(D)成分を併用した場合および(D)成分の種類を変化させた場合にも、本発明の効果が得られることが分かった。また、実施例8では、(A)成分の分子量を変化させた場合にも、本発明の効果が得られることが分かった。