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JP7757196B2 - 計測方法、計測装置、プログラム、及び記憶媒体 - Google Patents
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JP7757196B2 - 計測方法、計測装置、プログラム、及び記憶媒体 - Google Patents

計測方法、計測装置、プログラム、及び記憶媒体

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Description

本発明は、被検物に起因する光の位相変化を推定する位相計測方法、位相計測装置、プログラム、及び記憶媒体に関する。
近年、ARやVR等に代表されるゴーグル型の光学系やオフアクシス光学系を利用した高度な天体望遠鏡が登場し、非球面や自由曲面を用いた光学素子の需要が高まっている。これらの光学素子の面形状や透過特性を知ることは、製品の性能を保証する上で重要となるが、干渉計等の位相計測手法ではこれらの形状を計測することは困難である。
非特許文献1においてタイコグラフィ技術を応用した位相計測手法が開示されている。非特許文献1に記載の技術では、被検面を照明する領域を逐次変更し、その領域を介した光の強度分布を取得する。取得した複数の光強度分布に対して最適化演算を実行することで、被検物に起因する光の位相変化量を推定している。非特許文献1に係る手法によれば、干渉計等と比較して簡易な光学系で計測が実現できる。
Aaron M. Michalko, and James R. Fienup, "Development of a concave freeform surface measurement using transverse translation-diverse phase retrieval", Optical Engineering Vol.59, pp.064101, June 2020, USA Gregory R. Brady, Manuel Guizar-Sicairos, and James R. Fienup, "Optical wavefront measurement using phase retrieval with transverse translation diversity", Optics express Vol.17, pp.624, January 2009, USA
しかしながら、非特許文献1に開示されている手法では、計測が可能な被検物の形状に制限がある。被検物の素性や形状によっては、照明位置によって光の伝搬方向が大きく変化するため、ある領域を介した光は撮像素子へ到達するが、別の領域を介した光は撮像素子とは異なる方向へ伝搬してしまう。撮像素子へ光が到達しなければ、その領域での位相情報を知ることはできない。
本発明は、簡易な構成で多様な位相変化量が計測可能な位相計測方法を提供する。
本発明の一側面としての計測方法は、照明光によって照明される被検物の照明領域を変更する変更ステップと、前記照明領域の変更に伴って、前記照明領域を経由した前記照明光の伝搬方向または光検出器の位置を補正する第1補正ステップと、前記光検出器によって前記照明領域を経由した前記照明光の光強度分布を取得する取得ステップと、前記光強度分布と前記第1補正ステップにおける補正量とに基づいて前記被検物に起因する前記照明光の位相変化量を算出する算出ステップと、を有し、前記算出ステップは、前記補正量に基づいて前記照明光の位相を補正する第2補正ステップを含むことを特徴とする。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、簡易な構成で多様な位相変化量が計測可能な位相計測手法、位相計測装置、プログラム、及び記憶媒体を提供することができる。
タイコグラフィを用いた位相計測装置の概略図である。 各実施例の位相計測方法を示すフローチャートである。 実施例1の位相計測装置を示す図である。 実施例1における回転量を示す図である。 実施例2の位相計測装置を示す図である。 実施例2における回転量を示す図である。 実施例2の他の位相計測装置を示す図である。 実施例3の位相計測装置を示す図である。 実施例3における移動量を示す図である。 他の実施例に係る位相計測装置の概略図である。 他の実施例に係る位相計測装置の概略図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1(a)は、タイコグラフィを用いた位相計測装置100の概略図である。照明光101は、開口102によって照明領域が限定された後、ハーフミラー103を透過して被検物104を照明する。被検物104で反射した光はハーフミラー103で反射した後、撮像素子(光検出器)105に入射する。撮像素子105は、照明領域を経由した光を検出し、撮像素子105面上での光強度分布を取得する。開口102は、コンピュータ(制御部)107によって制御される駆動部106によって移動される。開口102が移動することで被検物104を照明する照明領域が変更される。開口102および駆動部106により、照明領域を変更する変更手段が構成される。開口102の移動と光強度分布の取得を繰り返すことで、各照明領域を経由した光の光強度分布を取得することができる。取得した光強度分布は、コンピュータ107又は不図示のデータ保持装置に保存される。コンピュータ107は、取得した光強度分布及び開口102の位置を基に後処理を実行することで、反射に起因する光の位相変化量の空間分布を推定する。後処理は、コンピュータ107が実行してもよいし、別の演算装置が実行してもよい。また、ネットワークを通じてクラウド上に存在する演算装置が後処理を実行してもよい。
位相計測装置100における位相の算出方法を以下で説明する。簡単のため照明光は単色とする。また、計測対象を、被検物104での反射に起因する光の位相変化量の空間分布W(x,y)とする。以下、この空間分布W(x,y)を位相変化量と称す。xとyを光軸に垂直な直交座標として、開口102の振幅透過率分布をAp(x、y)とおく。一例として、開口102を半径rの円形開口と仮定すれば、Ap(x、y)は式(1)となる。
入射光の複素振幅をE(x,y)とし、駆動部106によるj回目の移動により開口102の中心が置かれる位置を(xj,)とすると、開口102を透過した直後の光の複素振幅E (x,y)は式(2)となる。
jは1からN(自然数)までの値を取り、Nは開口102が置かれる位置の総数である。開口102を透過した光は被検物104まで伝搬する。開口102から被検物104までの距離をLとすれば、被検物104に到達した光の複素振幅Ein (x,y)は式(3)となる。

は光の伝搬を示す演算子で、
は関数fで表される光を距離Lだけ伝搬させることを示す。光伝搬の演算方法は光学配置に応じて適宜選択すればよい。通常考えられる構成では、照明波長λは可視域で伝搬距離Lは数mmから数十cmとなるため、フレネル回折の式が演算規模と演算精度の観点から好適である。
被検物104に到達した光は、被検物104の表面(被検面)で反射する。簡単のため被検面の反射率は全域で1とする。被検面の形状をH(x,y)としたとき、反射に起因する光の位相変化量W(x,y)は式(4)となる。
kは光の波数である。式(3)及び式(4)より、被検面で反射した光の複素振幅Eout (x,y)は式(5)となる。
iは虚数単位である。被検面で反射した光は撮像素子105まで伝搬する。被検面から撮像素子105までの距離をLとすれば、撮像素子105面上での光の複素振幅E (x,y)は式(6)となる。
撮像素子105によって取得される光強度分布I(x,y)は撮像素子105面上での複素振幅の絶対値の2乗となり、式(7)で表される。
光強度分布I(x,y)を開口102の位置をN回変えて取得する。取得したN個の光強度分布から位相変化量W(x,y)を算出する方法としては、例えば最適化がある。最適化は目的関数Fの値が最も小さくなるように推定対象の変数(最適化変数)を逐次的に変更していく演算方法である。目的関数Fとは、最適化の各繰り返しステップにおける最適化変数が計測結果を再現する度合である。例えば、目的関数Fとして、式(8)に示すような、計測された光強度分布Imeas (x,y)と推定される位相変化量Wから式(1)~式(7)によって算出される光強度分布Iest (x,y;W)との差分二乗和がある。
他にも、複素振幅の絶対値の差分二乗和等がある。目的関数Fは、問題に応じて適宜選択すればよい。最適化を使って位相変化量W(x,y)を推定する方法は非特許文献2に記載があるため、その説明は省略する。
上述した方法により、計測された光強度分布Imeas (x,y)から被検物104に起因する光の位相変化量W(x,y)を推定することができる。しかしながら、被検物104の形状によっては位相変化量W(x,y)を推定できないことがある。図1(b)を用いてこの課題を示す。図1(a)は被検面が凹面で被検面の焦点位置と撮像素子105の位置が略一致する場合である。この場合、開口102の位置によらず反射光は撮像素子105へ向かって伝搬する。一方で、図1(b)に示すように被検面が凸面である場合、被検面の周辺領域で反射した光は外側に向かって伝搬していき、撮像素子105には入射しない。つまり、被検面の周辺領域での位相変化量W(x,y)は計測することができない。
上記では説明を簡単にするために、照明光101を平行光として凸面と凹面による反射を比較したが、本課題は容易に一般化される。被検物104の照明位置を変えると被検物104によって反射または透過した光の伝搬方向は被検物104の形状や屈折率分布に応じて変化するため、特殊な場合を除いて、被検物104を経由した光は撮像素子105のいる方向とは異なる方向に伝搬していく。任意の形状H(x,y)、すなわち任意の位相変化量W(x,y)を測定するためには、各照明領域に応じて光の伝搬方向または撮像素子105の位置を補正しなければならない。
各実施例では、被検物104で反射もしくは透過した光を撮像素子105へ入射させるため、開口102の移動に伴って位相計測装置100の光学配置を補正する。被検物104を経由した光を撮像素子105へ導光させるためには、照明光や被検物104で反射もしくは透過した直後の光の伝搬方向を補正するか、光が伝搬する場所へ撮像素子105を移動させればよい。光の伝搬方向の補正は種々の光学素子の位置や角度を変えることで実施可能である。例えば、光の伝搬方向の補正は照明光101の入射角度や被検物104の設置角度、ハーフミラー103の角度等を変えることで実施可能である。光が撮像素子105へ導かれるようになれば、補正がなされる素子は特定のものに限られない。また光路中に空間位相変調器やDMD(Digital Micromirror Device)等の光の伝搬方向を制御可能な素子を追加することでも光の伝搬方向の補正は達成可能である。これらの補正を行う際の補正量、すなわち素子の駆動量は位相計測装置100の幾何学配置及び被検物104の光学特性、例えば被検物104の面形状H(x,y)や屈折率分布などから定まる。
位相計測装置100の光学配置を補正することで光を撮像素子105に導光できるが、これだけでは位相変化量W(x,y)を適切に算出できない。式(1)から式(8)で示すように、位相変化量W(x,y)は、取得したN個の光強度分布から光学配置に基づいた数式と最適化演算によって算出されるため、光学配置を補正した場合、演算に用いる一連の数式も補正する必要がある。
各実施例では光の伝搬方向または撮像素子105の位置を補正するため、光の複素振幅の位相を変更(補正)すればよい。光の伝搬方向は複素振幅の位相の傾きで決まるため、光の伝搬方向が補正された場合、位相の傾きを補正すればよい。位相の補正は、光の伝搬方向を変えた素子上での光の複素振幅またはそこから伝搬した先での光の複素振幅が対象となる。または、数式の変更により対応関係が導かれる光の複素振幅も対象に含まれる。補正を行う光の複素振幅の位相をΦ(x,y)とおけば、位相の補正は式(9)を演算することに相当する。
ここで、cx,j及びcy,jはj回目の撮像時における位相計測装置100の光学配置の補正量から定まる定数である。指数関数の掛け算の性質から、この補正は光の複素振幅を表す関数に式(10)を乗じることと同値である。
光は空間を伝搬することでその分布を変えるため、単純に位相の傾きを補正するだけとは限らない。数式の変更は式(9)や式(10)で定められる特定の変更に限られるものではなく、より一般には、複素振幅の位相を補正することである。このときの位相補正量は先に述べた光学配置の補正に対応するため、光学配置の補正量から決定される。
以下、図2を参照して、各実施例の位相計測方法について説明する。図2は、各実施例の位相推定方法を示すフローチャートである。
ステップS1では、駆動部106はコンピュータ107の指示に基づいて開口102の位置を移動させる。
ステップS2では、コンピュータ107の指示に基づいて、光の伝搬方向または撮像素子105の位置を補正する。また、補正がなされた素子とその補正量をコンピュータ107は保持、もしくは記録する。
ステップS3では、コンピュータ107は、撮像素子105が取得した撮像素子105上の光強度分布を取得する。
ステップS4では、コンピュータ107は、ステップS1からステップS3の処理の実行回数が所定の回数に到達したかどうかを判定する。所定の回数に到達した場合、フローはステップS5に進み、到達していない場合、フローはステップS1に戻る。
ステップS1からステップS4までの処理を実行することで、異なる照明領域を介した複数の光強度分布を取得することができる。
ステップS5では、コンピュータ107は、ステップS1からS3までで取得した複数の光強度分布、開口102の位置及び光学配置の補正量から位相変化量W(x,y)を推定する。ステップS501ではステップS2で行った光学配置の補正量に基づいて、光の複素振幅の位相を補正する。補正された複素振幅を用いてステップS502で位相変化量W(x,y)を推定する。
各実施例は、数学的にモデル化することができるため、コンピュータシステムのソフトウェア機能として実装可能である。ここで、コンピュータシステムのソフトウェア機能は、実行可能なコードを含んだプログラミング(プログラム)を含む。ソフトウェアコードは、汎用コンピュータで実行可能である。ソフトウェアコードの動作中に、コード、又は関連データは、汎用コンピュータプラットフォーム内に格納される。しかしながら、その他の場合、ソフトウェアは他の場所に格納される、又は適切な汎用コンピュータシステムにロードされる。したがって、ソフトウェアコードは、1つ又は複数のモジュールとして、少なくとも1つの機械可読媒体(記憶媒体)で保持可能である。
(実施例1)
以下、実施例1における位相計測方法について説明する。図3は、実施例1における位相計測装置300の概略図である。実施例1における位相計測装置300は、被検物104を傾け被検物104の角度を変更する回転機構(補正機構)110を有する。被検物104の周辺領域を照明する場合、反射光が撮像素子105へ入射するよう、被検物104を傾ける。このときの回転角θの決定方法を、図4を用いて説明する。
図4では説明を容易にするため撮像素子105をハーフミラーで折り返した位置に示している。また、各変数の符号を分かりやすくするため、被検物104を凹面としている。反射光が伝搬する方向は各照明領域の中心位置xでの被検面の傾きで決まる。位置xでの接線が水平面となす角をφとすると、φと面形状H(x)との関係式は式(11)となる。
角度の符号は紙面に対して反時計回りを正とし、座標xの符号は紙面右を正としている。反射光は入射光とは逆方向で入射角と2φの角度を持った方向に伝搬する。被検物104から撮像素子105までの距離をLとし、位置xと撮像素子105の中心を結ぶ直線が入射光線の中心線となす角度をφj0とすると、幾何学配置からφj0は式(12)で定まる。
被検物104をθ回転させると反射光の伝搬方向は2θ変化するため、反射光を撮像素子105に入射させる条件は式(13)となる。
図4では、被検物104が時計回りに回転しているため、θの値は負となることに注意する。式(11)から式(13)を用いて式(14)の関係式が得られる。
式(14)の関係式を用いてj番目の撮像における被検物104の回転角θを決定し、各撮像時にθだけ被検物104を回転させることで反射光を撮像素子105へ導くことができる。
ここで面形状H(x)は計測対象であるため、事前に知ることはできない。そこで、補正量θの決定には面形状H(x)として設計値などから定まる概算値(面形状H(x)の概形)を用いればよい。
もし設計値が利用できない場合には、開口102を微小移動させながら撮像素子105面上での反射光の位置を取得し、微小移動毎に回転機構110にフィードバックをかければよい。幾何学的な配置から、反射光の移動量δxと被検物104の回転量δθの関係式は式(15)である。
式(15)の関係式を使って回転機構110へフィードバックをかければよい。開口102が目的の位置xに達するまでに回転機構110が回転した総量からθを決めることができる。ただし、微小駆動が必要となるため、計測時間が増大する可能性がある。より好適には、設計値等の概算値を用いてθを決定する方法が良い。
以上により、光を撮像素子105へ導くことができるが、被検物104の角度を変えているため、演算に用いる数式も補正する必要がある。被検物104を回転させたことで、反射光が伝搬する方向は2θだけ変化する。これを数式で書けば、反射光の複素振幅Eout (x)に式(16)を乗じることである。
また、回転によって被検面での反射に起因する光の位相変化量W(x)も変化する。面がθだけ傾いたことに起因する位相変化量W’’(x)は面形状H(x)を用いて式(17)で表される。
このように、位相変化量W’’(x)の大きさは、補正量θに基づいて変化する。従って、被検物104を回転させた後の反射光の複素振幅Eout (x)は式(5)、式(16)、式(17)から式(18)となる。
以上のように変更した数式を用いて最適化演算を行えば、位相変化量W(x)を推定することができる。
(実施例2)
以下、実施例2における位相計測手法について説明する。図5は、実施例2における位相計測装置500の概略図である。実施例2における位相計測装置500は、照明光101の角度(照明光101が被検物104に入射する角度)を変える回転機構(補正機構)204を有する。照明光101は照明ユニット201から射出される。照明ユニット201は光源202、コリメータレンズ203、開口102を有している。駆動部106と回転機構204は、コンピュータ107の指示に基づいて、照明ユニット201の位置と角度を制御する。図2で示したフローチャートのステップS1において、駆動部106によって照明ユニット201を移動させることで、被検物104の照明領域を変更する。続いてステップS2において、回転機構204によって照明ユニット201を回転させることで反射光が撮像素子105へ向かうように光の伝搬方向を補正する。このときの回転量θは、図6に示した幾何学図から式(19)で定まる。
ここで、図6では照明ユニット201が時計回りに回転しているため、θの値は負となることに注意する。φj0、φ、θは実施例1と同様に設計値などの概算値を用いて算出することができる。
ステップS2で照明ユニット201を回転させたことで照明領域が変化するため、必要に応じてステップS1及びステップS2を繰り返す。または、ステップS2での照明領域の変化を考慮した上でステップS1での照明ユニット201の移動量を決定する。もしくは、式(2)でのxを修正することで、演算時に照明領域のずれ量を考慮してもよい。
以上により、光を撮像素子105へ導くことができるが、照明光101の角度を変更しているため、演算に用いる数式も補正する必要がある。本実施例では開口102に角度θjを持った平行光が入射するため、照明光101の複素振幅E(x)は式(20)となる。
開口102を透過した光もおよそ平行光であるため、被検物104の直前での光の複素振幅Ein (x)は式(21)と近似できる。
また実施例1と同様に、照明光101が傾いたことで反射に起因する光の位相変化量はW’’(x)となる。よって式(5)、式(17)及び式(21)を用いて、被検面で反射した直後の反射光Eout (x)を書き直すと式(22)となる。
式(22)は式(18)と同様に位相の傾きが補正される形をしており、実施例1と同様の効果が得られること示している。
以上のように変更した数式を用いて最適化演算を行えば位相変化量W(x)を推定することができる。
式(21)では近似式を用いたが、光伝搬をフレネル回折として計算しても同様に位相の傾きを補正する項が得られる。
本実施例では照明ユニット201を回転させる構成を例示したが、照明光101に角度を付ける方法はこれに限ることはない。例えば、照明ユニット201を回転させる回転機構204の代わりに、図7に示すように、光源202を駆動部205で移動させても照明光101の角度を変えることができる。
(実施例3)
以下、実施例3における位相計測手法について説明する。図8は、実施例3における位相計測装置800の概略図である。実施例3における位相計測装置800は、撮像素子105を移動して撮像素子105の位置を変更する駆動機構(補正機構)301を有する。駆動機構301は図2で示したフローチャートのステップS2において、コンピュータ107の指示に基づいて、反射光の伝搬方向に応じて、撮像素子105を移動させる。このときの移動量Δxは図9に示した幾何学図から式(23)で定まる。
従って、開口102の移動に応じて撮像素子105をΔxだけ移動すれば、反射光の光強度分布を取得することができる。
本実施例では撮像素子105の位置を変えているため、撮像素子105の移動に応じて演算に用いる数式も補正する必要がある。撮像素子105がΔxだけ移動したため、取得された光強度分布Imeas (x)は、実際の光強度分布I(x)をΔxだけシフトしたものとなり、式(24)で表される。
従って、位相変化量W(x)の推定演算においては、W(x)の推定値からIest (x)を算出し、これをΔxだけシフトさせた後に式(25)で表される目的関数Fを算出する。
しかしながら、面形状によってはΔxは撮像素子105面上での光強度分布の広がりよりも大きくなるため、式(25)を計算するには計算領域を拡大する必要がある。計算領域の拡大は演算時間の増大を招くため、望ましくない。そこで、以下の様に式(25)を書き換える。光伝搬をフレネル回折として伝搬の演算子
を書き下せば、式(6)よりΔxだけシフトした撮像素子105面上での光の複素振幅E (x-Δx)は式(26)となる。
式(26)に対して単純な式変更を行うことで、式(27)が得られる。
式(27)を伝搬の演算子
を使って書き直せば、式(28)が得られる。
演算子
の前に出てきた位相部は撮像時に消失するため無視できる。従って、演算時に必要な数式の変更はEout (x)に位相変調を表す式(29)を乗じることである。
更に、式(5)より、式(30)を得ることができる。
式(30)より、撮像素子105の移動は位相の傾きを補正することと同様に扱うことができる。つまり、式(30)は式(18)と同様に位相の傾きが補正される形をしており、実施例1と同様の効果が得られること示している。
以上のように変更した数式を用いて最適化演算を行えば位相変化量W(x)を推定することができる。
上記実施例1~3は適宜組み合わせ可能である。つまり、照明光101が被検物104に入射する角度、被検物104の角度、または撮像素子105の位置の少なくとも1つを変更することで、光強度分布を取得すればよい。
[その他の実施例]
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
上記各実施例では、被検物104の各照明領域を経由した光が撮像素子105へ到達するように各種素子を駆動して光の伝搬方向を補正するか、または撮像素子105の位置を補正している。加えて、これらの補正に対応した数式の補正を行った上で位相変化量Wの推定演算を行っている。数式の補正は、光の複素振幅に位相の変化を与える複素関数を乗じるか、位相の傾きを補正することで達成できる。位相の傾きを補正する量は光学配置の補正量に基づいて決定されている。上記各実施例にて示された光学配置の補正方法や数式の補正方法は一例であり、本発明の主旨の範囲内で変更が可能である。
上記各実施例では、計測対象は被検物104での反射に起因する光の位相変化量Wとしていたが、計測対象はこれに限られない。反射による光の位相変化量Wが得られれば、式(4)によって、被検面の形状分布Hを得ることができる。もしくは、最適化変数をHとしても面形状を算出することができる。すなわち、各実施例に記載の方法は形状計測方法としても機能する。
また、例えば図10に示す構成にすれば、被検物104を透過した光の位相変化量W、すなわち透過波面を得ることもできる。すなわち、各実施例に記載の方法は透過波面計測方法としても機能する。更に、計測対象がレンズや凹面鏡などであれば、透過または反射による位相変化量Wを理想量からの差分量として定式化し直すことで収差量を算出する収差計測方法としても機能する。いずれの場合においても、得られる計測量の基本は被検物104に起因する光の位相変化量Wであり、その位相変化量Wから換算される物理量は、上記各実施例の方法の計測対象に含まれる。また、撮像素子105で計測される光は被検物104からの反射光または透過光のどちらかで限定されるものではない。
上記各実施例においては、説明を簡単にするため、詳細な駆動誤差や駆動に伴う他の値の変化は無視している。例えば実施例1において被検物104を傾けた場合、傾きによって、被検物104の照明位置や開口102から被検物104までの距離が変化する。これらの変化も補正する様に一連の数式を変更して実施する必要がある。そのため、各実施例の中で例示した数式は本発明を実施する上で一意に定まる物ではなく、本発明の主旨の範囲内で適宜変更される。
上記各実施例では説明を容易にするため、照明光101は平行光としたが、照明光101の形態はこれに限ることはない。図11に示すように点光源401から発せられる球面波の一部を切り出した構成でも良い。他にも、レンズによって形成された収束波の一部でも良い。照明光101の形態によって照明光101の複素振幅E(x,y)を適宜変更すれば本発明は機能する。また、図11に示すようにハーフミラー103を無くすことも可能である。
上記各実施例では照明領域を限定する方法として開口102を例示したが、照明領域を限定する方法はこれに限られない。被検面の照明範囲を限定し、照明領域の位置を変えられる手法であれば本発明は機能する。例えば、光ファイバの端面から射出する光は広がりが限定的であるため、特段の開口部材を設置すること無く、照明範囲を限定できる。ファイバの位置または向きを変えることで照明領域の位置と照明角度を変えることが可能である。また、半導体レーザーからの射出光なども広がりが限定的であるため、開口部材を使わずとも照明領域を限定、移動することが可能となる。
本発明は、上記各実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
変更手段 102,106
光検出器 105
制御部 107
補正機構 110,204,301

Claims (13)

  1. 照明光によって照明される被検物の照明領域を変更する変更ステップと、
    前記照明領域の変更に伴って、前記照明領域を経由した前記照明光の伝搬方向または光検出器の位置を補正する第1補正ステップと、
    前記光検出器によって前記照明領域を経由した前記照明光の光強度分布を取得する取得ステップと、
    前記光強度分布と前記第1補正ステップにおける補正量とに基づいて前記被検物に起因する前記照明光の位相変化量を算出する算出ステップとを有し、
    前記算出ステップは、前記補正量に基づいて前記照明光の位相を補正する第2補正ステップを含むことを特徴とする計測方法。
  2. 記第2補正ステップにおいて、前記補正量に基づいて、前記算出ステップにて用いられる前記照明光の位相を補正することを特徴とする請求項1に記載の計測方法。
  3. 前記算出ステップにおいて、最適化演算を行うことを特徴とする請求項2に記載の計測方法。
  4. 前記第2補正ステップにおいて、前記照明領域を照明する前記照明光または前記照明領域を経由した前記照明光の複素振幅を表す関数の位相を前記補正量に基づいて補正することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の計測方法。
  5. 前記第2補正ステップにおいて、前記補正量に基づいて、前記関数の位相の傾きを補正することを特徴とする請求項4に記載の計測方法。
  6. 記位相変化量は、前記補正量に基づいて、変化することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の計測方法。
  7. 前記第1補正ステップにおいて、前記照明光が前記被検物に入射する角度、前記被検物の角度、または前記光検出器の位置の少なくともつを変更することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の計測方法。
  8. 前記補正量は、前記被検物の面形状の概形に基づいて決定されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の計測方法。
  9. 照明光によって照明される被検物の照明領域を変更する変更手段と、
    前記照明領域を経由した前記照明光の光強度分布を取得する光検出器と、
    前記照明領域の変更に伴って、前記照明領域を経由した前記照明光の伝搬方向または前記光検出器の位置を補正する補正機構と、
    前記光強度分布と前記補正機構の補正量とに基づいて前記被検物に起因する前記照明光の位相変化量を算出する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記補正量に基づいて前記照明光の位相を補正することを特徴とする計測装置。
  10. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の計測方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
  12. 照明光によって照明される被検物の照明領域を変更する変更ステップと、
    前記照明領域の変更に伴って、前記照明領域で反射した前記照明光の伝搬方向または光検出器の位置を補正する第1補正ステップと、
    前記光検出器によって前記照明領域で反射した前記照明光の光強度分布を取得する取得ステップと、
    前記光強度分布と前記第1補正ステップにおける補正量とに基づいて前記被検物の面形状を算出する算出ステップとを有し、
    前記算出ステップは、前記補正量に基づいて前記照明光の位相を補正する第2補正ステップを含むことを特徴とする形状計測方法。
  13. 照明光によって照明される被検物の照明領域を変更する変更ステップと、
    前記照明領域の変更に伴って、前記照明領域を経由した前記照明光の伝搬方向または光検出器の位置を補正する第1補正ステップと、
    前記光検出器によって前記照明領域を経由した前記照明光の光強度分布を取得する取得ステップと、
    前記光強度分布と前記第1補正ステップにおける補正量とに基づいて前記被検物の収差量を算出する算出ステップとを有し、
    前記算出ステップは、前記補正量に基づいて前記照明光の位相を補正する第2補正ステップを含むことを特徴とする収差計測方法。
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