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JP7760672B2 - セメントクリンカの製造方法 - Google Patents
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JP7760672B2 - セメントクリンカの製造方法 - Google Patents

セメントクリンカの製造方法

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本開示は、セメントクリンカの製造方法、及びセメントクリンカの製造装置に関する。
特許文献1には、仮焼炉とロータリーキルンとを備えるNSPキルンを用いてセメントクリンカを製造するセメントクリンカの製造方法が開示されている。この製造方法は、仮焼炉に設けられた第1導入口からアンモニアガスを含む熱エネルギー原料を導入する導入工程と、仮焼炉においてアンモニアガスを燃焼する燃焼工程を有する。
特開2023-28050号公報
本開示は、仮焼炉内にアンモニアを供給する場合において、固形分の不完全燃焼によるCOの発生を抑制するのに有用なセメントクリンカの製造方法、及びセメントクリンカの製造装置を提供する。
[1]セメント原料を加熱してセメントクリンカを生成するロータリーキルンからの排ガスが導入される仮焼炉の内部に対して、1以上の第1供給部材により固形分を含む熱エネルギー源を供給する第1供給工程と、前記仮焼炉の内部に対して、1以上の第2供給部材によりアンモニアを供給する第2供給工程と、を含み、前記仮焼炉の内部でのガスの流れを基準として、前記1以上の第2供給部材が前記アンモニアを供給する位置は、前記1以上の第1供給部材が前記固形分を含む熱エネルギー源を供給する位置よりも上流側に配置されており、前記1以上の第1供給部材及び前記1以上の第2供給部材から前記仮焼炉に供給される熱エネルギー源の合計発熱量に対する、前記1以上の第2供給部材から前記仮焼炉に供給される前記アンモニアの発熱量の割合が、0.01~0.90である、セメントクリンカの製造方法。
[2]前記第2供給工程において、前記アンモニアは、空気比が0.1~1.0である空気と共に前記仮焼炉の内部に対して供給される、上記[1]に記載のセメントクリンカの製造方法。
[3]前記固形分は微粉炭であり、前記微粉炭の気乾ベースでの工業分析値は、揮発分が25~35質量%であり、水分が2~4質量%であり、固定炭素が40~60質量%であり、灰分が10~25質量%であり、前記微粉炭の気乾ベースでの化学分析値は、C(炭素)が60~75質量%であり、H(水素)が3~5質量%であり、O(酸素)が6~9質量%であり、N(窒素)が1~3質量%であり、S(硫黄)が0.1~1.0質量%であり、前記微粉炭の発熱量は、4500~6500kcal/kgである、上記[1]又は[2]に記載のセメントクリンカの製造方法。
[4]前記固形分は微粉炭であり、前記微粉炭の粒度分布は、8.00μm以上、且つ16.00μm未満の粒径を有する粒子が5~20質量%であり、16.00μm以上、且つ32.00μm未満の粒径を有する粒子が20~40質量%であり、32.00μm以上、且つ64.00μm未満の粒径を有する粒子が20~40質量%であり、64.00μm以上、且つ128.00μm未満の粒径を有する粒子が10~30質量%である、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載のセメントクリンカの製造方法。
[5]前記仮焼炉の内部に対して、1以上の第3供給部材により酸素を含む熱ガスを供給する第3供給工程を更に含み、前記熱ガスの温度は、700℃~1000℃であり、前記仮焼炉の内部でのガスの流れを基準として、前記1以上の第3供給部材が前記熱ガスを供給する位置は、前記1以上の第1供給部材が前記固形分を含む熱エネルギー源を供給する位置に対応する位置か、又は、当該供給する位置よりも上流側に配置されおり、且つ、前記1以上の第2供給部材が前記アンモニアを供給する位置よりも下流側に配置されている、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載のセメントクリンカの製造方法。
[6]前記第3供給工程では、前記ロータリーキルンで生成されたセメントクリンカを冷却するクリンカクーラからの抽気ガスが、前記熱ガスとして供給される、上記[5]に記載のセメントクリンカの製造方法。
[7]前記合計発熱量に対する、前記1以上の第2供給部材から前記仮焼炉に供給される前記アンモニアの発熱量の割合が、0.01~0.55であり、前記合計発熱量に対する、前記1以上の第1供給部材から前記仮焼炉に供給される前記固形分を含む熱エネルギー源の発熱量の割合が、0.45~0.99である、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載のセメントクリンカの製造方法。
[8]セメント原料を加熱してセメントクリンカを生成するロータリーキルンと、前記ロータリーキルンからの排ガスが導入され、セメント原料を加熱する仮焼炉と、前記仮焼炉の内部に対して、固形分を含む熱エネルギー源を供給する1以上の第1供給部材と、前記仮焼炉の内部に対して、アンモニアを供給する1以上の第2供給部材と、を備え、前記仮焼炉の内部でのガスの流れを基準として、前記1以上の第2供給部材が前記アンモニアを供給する位置は、前記1以上の第1供給部材が前記固形分を含む熱エネルギー源を供給する位置よりも上流側に配置されており、前記1以上の第1供給部材及び前記1以上の第2供給部材から前記仮焼炉に供給される熱エネルギー源の合計発熱量に対する、前記1以上の第2供給部材から前記仮焼炉に供給される前記アンモニアの発熱量の割合が、0.01~0.90である、セメントクリンカの製造装置。
本開示によれば、仮焼炉内にアンモニアを供給する場合において、固形分の不完全燃焼によるCOの発生を抑制するのに有用なセメントクリンカの製造方法、及びセメントクリンカの製造装置が提供される。
図1は、セメントクリンカの製造装置の一例を示す模式図である。 図2は、仮焼炉及びその周辺の部材の一例を模式的に示す側面図である。 図3は、供給部材の一例を模式的に示す側面図である。 図4は、参考例に係るシミュレーション結果を例示する図である。 図5は、実施例に係るシミュレーション結果を例示する図である。 図6は、実施例に係るシミュレーション結果を例示する図である。 図7は、実施例に係るシミュレーション結果を例示する図である。 図8は、実施例に係るシミュレーション結果を例示する図である。 図9は、比較例に係るシミュレーション結果を例示する図である。 図10は、比較例に係るシミュレーション結果を例示する図である。 図11は、比較例に係るシミュレーション結果を例示する図である。 図12は、比較例に係るシミュレーション結果を例示する図である。 図13は、シミュレーション結果を例示するグラフである。 図14は、シミュレーション結果を例示するグラフである。
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。また、各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[セメントクリンカの製造装置]
図1には、一実施形態に係るセメントクリンカの製造装置が模式的に示されている。図1に示される製造装置100(セメントクリンカの製造装置)は、セメント原料の焼成により、セメントの中間製品であるセメントクリンカを製造する装置である。製造装置100は、NSP(ニューサスペンションプレヒータ)方式の予熱装置を備える。製造装置100は、NSPキルンとも称される。製造装置100は、例えば、サイクロンC1,C2,C3,C4と、仮焼炉30と、ロータリーキルン40と、クリンカクーラ48と、を備える。
サイクロンC1,C2,C3,C4及び仮焼炉30は、セメント原料を予熱及び仮焼するプレヒータとして機能する。セメント原料は、例えば、焼却灰、石炭灰、石灰石、鉄源、及びスラグからなる群より選ばれる2種以上を含んでもよい。セメント原料は、サイクロンC1とサイクロンC2との接続部から導入され、サイクロンC1、サイクロンC2、サイクロンC3、仮焼炉30、及びサイクロンC4を流通しながら加熱され、ロータリーキルン40の窯尻42に導入される。ロータリーキルン40の窯尻42に導入される際、セメント原料は、例えば、850℃~1000℃、好ましくは850℃~900℃に加熱される。
仮焼炉30とロータリーキルン40の窯尻42との間は、ライジングダクト34によって接続されている。ライジングダクト34を介して、ロータリーキルン40からの排ガスが、仮焼炉30に導入される。ロータリーキルン40で発生する排ガスは、燃焼排ガスを含む。ロータリーキルン40からの排ガスは、仮焼炉30、サイクロンC4、サイクロンC3、サイクロンC2、及びサイクロンC1を流通し、排ガスとセメント原料との間で熱交換が行われる。
仮焼炉30は、ロータリーキルン40からの排ガスと、仮焼炉30に対して供給される熱エネルギー源とによって、セメント原料を仮焼する。すなわち、仮焼炉30は、セメント原料を加熱する加熱炉である。仮焼炉30の少なくとも一部は、円筒状に形成されている(図2も参照)。仮焼炉30の少なくとも一部において、仮焼炉30の側壁は、仮焼炉30の中心軸まわりに沿って延びていてもよい。仮焼炉30の中心軸は、仮想的なラインであり、例えば、鉛直方向に沿って延びるラインである。
ライジングダクト34には、ライジングダクト34内の排ガスを抽気するプローブ36が接続されている。プローブ36の下流には、クーラ及びバグフィルタ等を有する塩素バイパス設備が設置されており、プローブ36で抽気された抽気ガス(排ガス)に含まれるダストが回収される。塩素バイパス設備を設置することで、製造装置100内から、塩素系化合物及びアルカリ等の揮発分を低減することができる。なお、プローブ36は、ライジングダクト34に代えて、窯尻42に接続されていてもよく、ライジングダクト34と窯尻42との境界部分に接続されていてもよい。
ロータリーキルン40は、セメント原料を焼成してセメントクリンカ(以下、単に「クリンカ」という場合がある。)を生成する。すなわち、ロータリーキルン40は、セメント原料を加熱する加熱炉である。ロータリーキルン40は、燃料を燃焼するバーナ44を備える。バーナ44は、ロータリーキルン40における下流側の端部(クリンカクーラ48に近い端部)に配置されている。バーナ44での燃焼によって、ロータリーキルン40内において、セメント原料が、例えば1300℃~1450℃に加熱される。ロータリーキルン40では、予熱及び仮焼された後のセメント原料が、バーナ44の燃焼によって加熱されてクリンカとなる。
ロータリーキルン40で生成されたクリンカは、クリンカクーラ48に排出される。クリンカクーラ48は、外気等の冷却風によってクリンカを冷却する。クリンカクーラ48において冷却された後のクリンカは、製造装置100から排出される。クリンカクーラ48でのクリンカの冷却に用いられた後のガスの一部が、抽気ガスとして仮焼炉30に導入されてもよい。クリンカクーラ48から仮焼炉30に導入される抽気ガスの温度は、700℃~1000℃、又は800℃~900℃であってもよい。以下、仮焼炉30への熱エネルギー源の導入について説明する。
<熱エネルギー源の導入>
図2には仮焼炉30に熱エネルギー源を導入するための部分が模式的に示されている。製造装置100は、熱エネルギー源供給部50を備える。熱エネルギー源供給部50は、2種以上の熱エネルギー源を供給する。二酸化炭素の排出量を削減する観点から、仮焼炉30には、アンモニア(アンモニアガス)が熱エネルギー源の1種として導入される。仮焼炉30に加えて、ロータリーキルン40にアンモニア(アンモニアガス)が熱エネルギー源の1種として導入されてもよい。仮焼炉30では、アンモニアガスが燃焼される。図2等において、「Z」軸方向は鉛直方向を表し、「S」は仮焼炉30の内部の空間を表す。
熱エネルギー源供給部50は、1以上の供給部材60(第1供給部材)を有する。図2に示される例においては、2つの供給部材60が設けられている。供給部材60は、仮焼炉30の内部に対して、固形分を含む熱エネルギー源を供給する部材(バーナ)である。固形分とは、固形の熱エネルギー源を意味する。供給部材60は、仮焼炉30の内部に対して、固形分と燃焼用空気とを供給してもよい。
固形分は、例えば、微粉炭及び廃棄物の少なくとも一方を含む。仮焼炉30の内部に供給される廃棄物は、廃プラスチック、RDF(Refuse Derived Fuel)、又は肉骨粉等の1種類以上の廃棄物を含んでもよい。供給部材60は、微粉炭と燃焼用空気とを供給してもよく、廃棄物と燃焼用空気とを供給してもよく、微粉炭、廃棄物、及び燃焼用空気を供給してもよい。
供給部材60の端部には、固形分(例えば、微粉炭)と燃焼用空気とを仮焼炉30の内部に対して吐出する(吹き込む)導入口62が設けられている。供給部材60のうちの導入口62を含む端部は、ノズルとして機能する。供給部材60のうちのノズルとして機能する端部は、水平に設置されてもよい。図3には、図2におけるIIIを付した部分が拡大されて、その部分が模式的に示されている。図3に示されるように、供給部材60の上記端部は、仮焼炉30の側壁に接続されていてもよい。
供給部材60は、その導入口62まで、搬送用空気によって固形分を搬送してもよい。供給部材60は、仮焼炉30の内部に対して、固形分(固形分及び搬送用空気)と、燃焼用空気とを個別に供給してもよい。この場合、供給部材60の端部における導入口62には、固形分を吐出するための1以上の開口と、燃焼用空気を吐出するための1以上の開口とが含まれてもよい。固形分と搬送用空気とが個別に供給される場合、供給部材60での搬送中において、固形分と燃焼用空気とが合流しない。
図2及び図3に示される例において、2つの供給部材60の一方を「供給部材60a」と表記し、他方を「供給部材60b」と表記する。供給部材60a及び供給部材60bは、互いに同様の機能及び構成を有している。仮焼炉30の内部でガスが流れる方向において、供給部材60aの導入口62の少なくとも一部は、供給部材60bの導入口62の少なくとも一部と同じ位置に配置されている。仮焼炉30の内部でガスが流れる方向(以下、「ガス流れ方向F」という。)は、仮焼炉30のうちのロータリーキルン40からの排ガスが導入される導入口30aから、その排ガスを含む燃焼ガスが排出される出口30bに向かう方向で定義される。
図2及び図3に示される例では、ガス流れ方向Fは、鉛直方向に沿って下から上に向かう方向である。仮焼炉30の内部において、ロータリーキルン40からの排ガスを含む燃焼ガスが旋回しつつ流通する場合もあるが、上記ガス流れ方向Fは、排ガスの導入口30aと、燃焼ガスの出口30bとの位置関係で定義される。供給部材60aの導入口62の少なくとも一部の高さ位置は、供給部材60bの導入口62の高さ位置の少なくとも一部と一致してもよい。平面視(鉛直上方から視ること)において、供給部材60aの導入口62と、供給部材60bの導入口62との間で、仮焼炉30の中心軸まわりの周方向での位置が異なっている。一例では、上記周方向において、供給部材60aの導入口62と供給部材60bの導入口62との間の角度(小さい方のずれの角度)が、150°~180°程度、160°~180°程度、又は170°~180°程度であってもよい。平面視での導入口62の上記周方向における位置は、導入口62の中心によって定義される。
平面視において、供給部材60(供給部材60a及び供給部材60bのそれぞれ)のうちのノズルとして機能する端部が延びる方向は、仮焼炉30の側壁に対して垂直であってもよい。供給部材60の上記端部が延びる方向は、導入口62に垂直な方向に一致してもよい。これに代えて、仮焼炉30内に形成されている旋回流に沿うように、平面視において、供給部材60の上記端部が延びる方向が、仮焼炉30の側壁に垂直な方向(仮焼炉30の中心軸まわりの円周の径方向)に対して傾斜していてもよい。一例では、平面視において、仮焼炉30の側壁に垂直な方向に対して上記端部が傾斜する角度が、10°程度、20°程度、30°程度、又は40°程度であってもよい。
供給部材60が固形分として微粉炭を供給する場合において、1以上の供給部材60から供給される微粉炭の成分、発熱量、及び粒度分布の一例について説明する。微粉炭の揮発分、水分、固定炭素、及び灰分それぞれの工業分析値(質量%:気乾ベース)は、次のような範囲であってもよい。
(a)揮発分の工業分析値は、25質量%以上、26質量%以上、27質量%以上、又は28質量%以上であってもよい。揮発分の工業分析値は、35質量%以下、34質量%以下、33質量%以下、又は32質量%以下であってもよい。一例では、揮発分の工業分析値は、25~35質量%、又は28~32質量%である。
(b)水分の工業分析値は、2.0質量%以上、2.2質量%以上、2.4質量%以上、又は2.6質量%以上であってもよい。水分の工業分析値は、4.0質量%以下、3.8質量%以下、3.6質量%以下、又は3.4質量%以下であってもよい。一例では、水分の工業分析値は、2.0~4.0質量%、又は2.6質量%~3.4質量%である。
(c)固定炭素の工業分析値は、40質量%以上、42質量%以上、44質量%以上、又は46質量%以上であってもよい。固定炭素の工業分析値は、60質量%以下、58質量%以下、56質量%以下、又は54質量%以下であってもよい。一例では、固定炭素の工業分析値は、40~60質量%、又は46~54質量%である。
(d)灰分の工業分析値は、10質量%以上、11質量%以上、12質量%以上、又は13質量%以上であってもよい。灰分の工業分析値は、25質量%以下、24質量%以下、23質量%以下、又は22質量%以下であってもよい。一例では、灰分の工業分析値は、10~25質量%、又は13~22質量%である。
一例では、微粉炭の成分の工業分析値に関して、揮発分が25~35質量%であり、水分が2~4質量%であり、固定炭素が40~60質量%であり、灰分が10~25質量%である。微粉炭の成分の工業分析値は、JISM8812「石炭類及びコークス類-工業分析方法」に記載の試験方法によって測定される分析値である。
微粉炭のC(炭素)、H(水素)、O(酸素)、N(窒素)、及びS(硫黄)それぞれの化学分析値(質量%:気乾ベース)は、次のような範囲であってもよい。
(a)Cの化学分析値は、60質量%以上、61質量%以上、62質量%以上、又は63質量%以上であってもよい。Cの化学分析値は、75質量%以下、74質量%以下、73質量%以下、又は72質量%以下であってもよい。一例では、Cの化学分析値は、60~75質量%、又は63~72質量%である。
(b)Hの化学分析値は、3.0質量%以上、3.2質量%以上、3.4質量%以上、又は3.6質量%以上であってもよい。Hの化学分析値は、5.0質量%以下、4.8質量%以下、4.6質量%以下、又は4.4質量%以下であってもよい。一例では、Hの化学分析値は、3~5質量%、又は3.6~4.4質量%である。
(c)Oの化学分析値は、6.0質量%以上、6.2質量%以上、6.4質量%以上、又は6.6質量%以上であってもよい。Oの化学分析値は、9.0質量%以下、8.8質量%以下、8.6質量%以下、又は8.4質量%以下であってもよい。一例では、Oの化学分析値は、6~9質量%、又は6.6~8.4質量%である。
(d)Nの化学分析値は、1.0質量%以上、1.1質量%以上、1.2質量%以上、又は1.3質量%以上であってもよい。Nの化学分析値は、3.0質量%以下、2.8質量%以下、2.6質量%以下、又は2.4質量%以下であってもよい。一例では、Nの化学分析値は、1~3質量%、又は1.3~2.4質量%である。
(e)Sの化学分析値は、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、又は0.4質量%以上であってもよい。Sの化学分析値は、1.0質量%以下、0.9質量%以下、0.8質量%以下、又は0.7質量%以下であってもよい。一例では、Sの化学分析値は、0.1~1.0質量%、又は0.4~0.7質量%である。
一例では、微粉炭の成分の化学分析値(気乾ベース)に関して、Cが60~75質量%であり、Hが3~5質量%であり、Oが6~9質量%であり、Nが1~3質量%であり、Sが0.1~1.0質量%である。微粉炭の成分の化学分析値(気乾ベース)は、JISM8813「石炭類及びコークス類-元素分析方法」及びJISM8810「石炭類及びコークス類-サンプリング,分析並びに試験方法の通則」に記載の試験方法によって測定される分析値である。
微粉炭のC、H、O、N、及びSそれぞれの化学分析値(質量%:無水無灰ベース)は、次のような範囲であってもよい。
(a)Cの化学分析値は、75質量%以上、76質量%以上、77質量%以上、又は78質量%以上であってもよい。Cの化学分析値は、90質量%以下、89質量%以下、88質量%以下、又は87質量%以下であってもよい。一例では、Cの化学分析値は、75~90質量%、又は78~88質量%である。
(b)Hの化学分析値は、4.0質量%以上、4.2質量%以上、4.4質量%以上、又は4.6質量%以上であってもよい。Hの化学分析値は、6.0質量%以下、5.8質量%以下、5.6質量%以下、又は5.4質量%以下であってもよい。一例では、Hの化学分析値は、4~6質量%、又は4.6~5.4質量%である。
(c)Oの化学分析値は、8.0質量%以上、8.2質量%以上、8.4質量%以上、又は8.6質量%以上であってもよい。Oの化学分析値は、11.0質量%以下、10.8質量%以下、10.6質量%以下、又は10.4質量%以下であってもよい。一例では、Oの化学分析値は、8~11質量%、又は8.6~10.4質量%である。
(d)Nの化学分析値は、1.0質量%以上、1.1質量%以上、1.2質量%以上、又は1.3質量%以上であってもよい。Nの化学分析値は、3.0質量%以下、2.9質量%以下、2.8質量%以下、又は2.7質量%以下であってもよい。一例では、Nの化学分析値は、1~3質量%、又は1.3~2.7質量%である。
(e)Sの化学分析値は、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、又は0.4質量%以上であってもよい。Sの化学分析値は、1.0質量%以下、0.9質量%以下、0.8質量%以下、又は0.7質量%以下であってもよい。一例では、Sの化学分析値は、0.1~1.0質量%、又は0.4~0.7質量%である。
一例では、微粉炭の成分の化学分析値(無水無灰ベース)に関して、Cが75~90質量%であり、Hが4~6質量%であり、Oが8~11質量%であり、Nが1~3質量%であり、Sが0.1~1.0質量%である。微粉炭の成分の化学分析値(気乾ベース)は、JISM8813「石炭類及びコークス類-元素分析方法」及びJISM8810「石炭類及びコークス類-サンプリング,分析並びに試験方法の通則」に記載の試験方法によって測定される分析値である。
微粉炭の発熱量(より詳細には、微粉炭の到着ベースでの低位発熱量)は、4500kcal/kg以上、4700kcal/kg以上、4900kcal/kg以上、又は5100kcal/kg以上であってもよい。本開示において、微粉炭の発熱量は、低位発熱量(到着ベース)を意味する。微粉炭の発熱量は、6500kcal/kg以下、6300kcal/kg以下、6100kcal/kg以下、又は5900kcal/kg以下であってもよい。一例では、微粉炭の発熱量は、4500~6500kcal/kg、又は5100~5900kcal/kgである。微粉炭の発熱量、すなわち微粉炭の低位発熱量(到着ベース)は、JISM8814「石炭類及びコークス類-ボンブ熱量計による総発熱量の測定方法及び真発熱量の計算方法」に記載の試験方法によって測定される。
微粉炭の粒度分布(粒度区分ごとの質量割合)は、次のような範囲であってもよい。粒度区分ごとの質量割合(質量%)は、微粉炭全体の質量に対する当該粒度区分の粒子の質量の割合を意味する。
(a)粒径が8.00μm未満の粒子は、15質量%以下、13質量%以下、11質量%以下、又は9質量%以下であってもよい。粒径が8.00μm未満の粒子が含まれていなくてもよい。
(b)粒径が8.00μm以上、且つ16.00μm未満の粒子は、5質量%以上、6質量%以上、7質量%以上、又は8質量%以上であってもよい。粒径が8.00μm以上、且つ16.00μm未満の粒子は、20質量%以下、19質量%以下、18質量%以下、又は17質量%以下であってもよい。一例では、粒径が8.00μm以上、且つ16.00μm未満の粒子は、5~20質量%、又は8~17質量%である。
(c)粒径が16.00μm以上、且つ32.00μm未満の粒子は、20質量%以上、22質量%以上、24質量%以上、又は26質量%以上であってもよい。粒径が16.00μm以上、且つ32.00μm未満の粒子は、40質量%以下、38質量%以下、36質量%以下、又は34質量%以下であってもよい。一例では、粒径が16.00μm以上、且つ32.00μm未満の粒子は、20~40質量%、又は26~34質量%である。
(d)粒径が32.00μm以上、且つ64.00μm未満の粒子は、20質量%以上、22質量%以上、24質量%以上、又は26質量%以上であってもよい。粒径が32.00μm以上、且つ64.00μm未満の粒子は、40質量%以下、38質量%以下、36質量%以下、又は34質量%以下であってもよい。一例では、粒径が32.00μm以上、且つ64.00μm未満の粒子は、20~40質量%、又は26~34質量%である。
(e)粒径が64.00μm以上、且つ128.00μm未満の粒子は、10質量%以上、12質量%以上、14質量%以上、又は16質量%以上であってもよい。粒径が64.00μm以上、且つ128.00μm未満の粒子は、30質量%以下、28質量%以下、26質量%以下、又は24質量%以下であってもよい。一例では、粒径が64.00μm以上、且つ128.00μm未満の粒子は、10~30質量%、又は16~24質量%である。
(f)粒径が128.00μm以上の粒子は、10質量%以下、9質量%以下、8質量%以下、又は7質量%以下であってもよい。粒径が128.00μm以上の粒子が含まれていなくてもよい。
一例では、微粉炭の粒度分布に関して、8.00μm以上、且つ16.00μm未満の粒径を有する粒子が5~20質量%であり、16.00μm以上、且つ32.00μm未満の粒径を有する粒子が20~40質量%であり、32.00μm以上、且つ64.00μm未満の粒径を有する粒子が20~40質量%であり、64.00μm以上、且つ128.00μm未満の粒径を有する粒子が10~30質量%である。この場合において、8.00μm未満の粒径を有する粒子と、128.00μm以上の粒径を有する粒子との少なくとも一方が微粉炭に含まれてもよく、これらの粒子が双方とも微粉炭に含まれていなくてもよい。微粉炭の粒度分布(粒径)は、JISZ8825「粒子径解析-レーザ回折・散乱法」に記載の試験方法によって測定される。
熱エネルギー源供給部50は、1以上の供給部材70(第2供給部材)を有する。図2に示される例においては、2つの供給部材70が設けられている。供給部材70は、仮焼炉30の内部に対して、熱エネルギー源として、アンモニアを供給する部材(バーナ)である。供給部材70は、アンモニアを含むアンモニア含有ガスを供給するように構成されている。供給部材70により供給されるアンモニア含有ガスは、アンモニアガスのみであってもよく、アンモニアガスと、空気又はメタン等の他のガスとの混合ガスであってもよい。
図3に示されるように、供給部材70は、仮焼炉30の内部に対して、燃焼用空気と共にアンモニアを供給してもよい。供給部材70では、仮焼炉30の内部に導入される前に、アンモニアと燃焼用空気とが合流してもよく、合流せずに、アンモニアと燃焼用空気とが個別に供給されてもよい。アンモニアと共に供給される燃焼用空気の空気比は、例えば、0.1~1.0である。空気比は、供給部材70から供給されるアンモニアを理論的に完全燃焼させるのに必要な最小限の空気量に対して、実際に供給する空気の量の比で定義される。
供給部材70からの燃焼用空気の空気比は、アンモニアの燃焼を促進する観点から、0.15以上、0.2以上、又は、0.25以上であってもよい。供給部材70からの燃焼用空気の空気比は、効率的に空気を導入する観点から、0.9以下、0.8以下、又は、0.7以下であってもよい。一例では、塩素バイパス設備からの排ガスが、燃焼用空気として、供給部材70及び供給部材60のそれぞれから導入される。
供給部材70は、仮焼炉30が運転している期間において連続してアンモニア含有ガスを供給してもよく、仮焼炉30が運転している期間の一部において、アンモニア含有ガスを供給してもよい。
供給部材70から供給されるアンモニア含有ガスの一部が熱エネルギー源に用いられ、別の一部が脱硝に用いられてもよい。すなわち、以下の式(1)のみならず、式(2)のように反応してもよい。
NH+1/4O → 1/2N+3/2HO (1)
NH+NO+1/4O → N+3/2HO (2)
仮焼炉30は、燃焼反応及び脱硝反応の両方が進み得る温度域を有するため、アンモニアの燃焼反応及び脱硝反応の両方を行うことができる。これによって、二酸化炭素及び窒素酸化物の両方の排出量を低減することができる。
供給部材70から供給されるアンモニア含有ガスに含まれるアンモニアが、仮焼炉30において燃焼及び脱硝の両方を行ってもよいし、供給部材70からのアンモニアの全て又は大部分を燃焼反応に利用し、脱硝反応に用いられるアンモニアを供給部材70とは別の位置にある導入口20から供給してもよい。導入口20から供給されるアンモニア含有ガスは、アンモニアのみを含んでいてもよいし、アンモニアガスと他のガスとの混合ガスであってもよい。導入口20は、例えば、仮焼炉30の出口30bとサイクロンC4とを接続し、仮焼炉30からの排ガスが流通する接続部38に設けられる。
供給部材70の端部には、アンモニア含有ガスを仮焼炉30の内部に対して吐出する(吹き込む)導入口72が設けられている。供給部材70のうちの導入口を含む端部は、ノズルとして機能する。供給部材70の導入口には、アンモニア含有ガスを導入するための1以上の開口が設けられてもよい。供給部材70の端部における導入口72には、アンモニア含有ガスを吐出するための1以上の開口に加えて、燃焼用空気を吐出するための1以上の開口が含まれてもよい。アンモニア含有ガスと共に導入される燃焼用空気の一部は、導入口72から旋回流として吐出されてもよく、燃焼用空気の他の一部は、導入口72から旋回せずに(例えば、直進するように)吐出されてもよい。供給部材70のうちのノズルとして機能する端部は、水平に設置されてもよい。図3に示されるように、供給部材70の上記端部は、仮焼炉30の側壁に接続されていてもよい。
図2及び図3に示される例において、2つの供給部材70の一方を「供給部材70a」と表記し、他方を「供給部材70b」と表記する。供給部材70a及び供給部材70bは、互いに同様の機能及び構成を有している。仮焼炉30内のガス流れ方向Fにおいて、供給部材70aの導入口72の少なくとも一部は、供給部材70bの導入口72の少なくとも一部と同じ位置に配置されている。ガス流れ方向Fが鉛直方向に沿う場合、供給部材70aの導入口72の少なくとも一部の高さ位置は、供給部材70bの導入口72の少なくとも一部の高さ位置と一致してもよい。平面視において、供給部材70aの導入口72と、供給部材70bの導入口72との間で、仮焼炉30の中心軸まわりの周方向での位置が異なっている。一例では、上記周方向において、供給部材70aの導入口72と供給部材70bの導入口72との間の角度(小さい方のずれの角度)が、150°~180°程度、160°~180°程度、又は170°~180°程度であってもよい。平面視での導入口72の上記周方向における位置は、導入口72の中心によって定義される。
平面視において、供給部材70(供給部材70a及び供給部材70bのそれぞれ)のうちのノズルとして機能する端部が延びる方向は、仮焼炉30の側壁に対して垂直であってもよい。供給部材70の上記端部が延びる方向は、導入口72に垂直な方向に一致してもよい。これに代えて、仮焼炉30内に形成されている旋回流に沿うように、平面視において、供給部材70の上記端部が延びる方向が、仮焼炉30の側壁に垂直な方向(仮焼炉30の中心軸まわりの円周の径方向)に対して傾斜していてもよい。一例では、平面視において、仮焼炉30の側壁に垂直な方向に対して上記端部が傾斜する角度が、10°程度、20°程度、30°程度、又は40°程度であってもよい。
続いて、1以上の供給部材70と、1以上の供給部材60との互いの位置関係について説明する。以下では、1つの供給部材70と1つの供給部材60とに着目して、互いの位置関係を説明するが、供給部材70と供給部材60との全ての組合せについて、同じ位置関係が成立する。
供給部材70は、供給部材60とは別体に形成されている。すなわち、供給部材70は、供給部材60に対して物理的に分離している。供給部材70は、供給部材60が熱エネルギー源を供給する位置とは異なる位置から、アンモニアガスを吐出する。つまり、供給部材60が仮焼炉30の内部に対して固形分を供給する位置と、供給部材70が仮焼炉30の内部に対してアンモニア含有ガスを供給する位置とは、互いに異なっている。本開示において、互いに異なる位置(箇所)から熱エネルギー源を供給(吐出)するとは、別体に構成された2つの供給部材が、それぞれ熱エネルギー源を供給(吐出)することを意味する。
仮焼炉30内のガス流れ方向Fを基準として、供給部材70がアンモニアを供給する位置は、供給部材60が固形分を含む熱エネルギー源を供給する位置よりも上流側に配置されている。供給部材70がアンモニアを供給する位置は、供給部材70のアンモニア(アンモニア含有ガス)を吐出する導入口72の位置に相当し、以下、この位置を「供給部材70の供給位置」と称する。供給部材60が固形分を含む熱エネルギー源を供給する位置は、供給部材60の当該熱エネルギー源を吐出する導入口62の位置に相当し、以下、この位置を「供給部材60の供給位置」と称する。ガス流れ方向Fが鉛直方向に沿う場合、供給部材70の導入口72の最上位置(最も上方に位置する箇所)は、供給部材60の導入口62の最下位置(最も下方に位置する箇所)よりも下方に位置する。
以上のように、1以上の供給部材70の供給位置(の全て)が、1以上の供給部材60の供給位置(の全て)に対してガス流れ方向Fにおいて上流側に配置されている。ガス流れ方向Fが鉛直方向に沿う場合、1以上の供給部材70の供給位置(の全て)が、1以上の供給部材60の供給位置(の全て)よりも低い位置に配置されている。図2に示される例においては、供給部材70aの供給位置は、供給部材60aの供給位置及び供給部材60bの供給位置の双方よりも低い位置に配置されている。供給部材70bの供給位置も、供給部材60aの供給位置及び供給部材60bの供給位置の双方よりも低い位置に配置されている。平面視において、供給部材60aの供給位置と供給部材70aの供給位置とは互いに略一致してもよく、供給部材60bの供給位置と供給部材70bの供給位置とは互いに略一致してもよい。アンモニア又は固形分の燃焼に影響が及ばない範囲で、平面視において、供給部材60a(供給部材60b)の供給位置と供給部材70a(供給部材70b)の供給位置とが互いに異なっていてもよい。一例では、平面視において、互いの供給位置が、仮焼炉30の中心軸まわりの周方向で10°程度、20°程度、又は30°程度ずれていてもよい。
仮焼炉30の内部へのアンモニアの供給に起因して、仮焼炉30から排出されるガス中に含まれる一酸化炭素濃度が増加する懸念がある。一酸化炭素濃度が上昇する要因として、次の2つのことが考えられる。
(A)アンモニアの燃焼による微粉炭等の固形分の燃焼阻害
(B)アンモニアと二酸化炭素との反応
要因(A)に関して、固形分の周辺の酸素が、可燃性ガスであるアンモニアガスの燃焼で先に消費され、固形分の燃焼反応に必要な酸素が一時的に不足することによるものと考えられる。一般的に、固形分(固体)の燃焼は、固形分がガスとチャーとに熱分解され、それらが個別に燃焼する段階を経ることから、固形分よりも可燃性ガス(アンモニアガス)の燃焼速度が速いと推定される。仮焼炉30内のガス流れ方向Fにおいて、相対的に燃焼速度が遅い固形分と、相対的に燃焼速度が速いアンモニアガスを同じ位置から供給する場合、又は、上流側で固形分を供給し、下流側でアンモニアガスを供給する場合を考える。これらの場合、上述した燃焼速度の違いから、アンモニアガスの燃焼により、下流側の供給位置の周辺において酸素が消費され、上流側の供給位置では燃焼が完了していない固形分を燃焼させるための酸素が一時的に不足する。その結果、一酸化炭素の発生が促進される。
これに対して、製造装置100では、ガス流れ方向Fにおいて、供給部材70により上流側でアンモニアガスが供給され、供給部材60により下流側で固形分が供給される。この場合、下流側で供給された固形分の周辺において、アンモニアガスの燃焼に起因して酸素が不足してしまう可能性を低減できる。また、固形分の燃焼により発生した二酸化炭素とアンモニアとの反応を抑制できると考えられる。そのため、上流側でアンモニアガスを供給し、下流側で固形分を供給することで、アンモニアガスに起因した一酸化炭素濃度の上昇を抑制することができる。
熱エネルギー源供給部50は、以下に定義される発熱量割合が0.01~0.90となるように、各種の熱エネルギー源を仮焼炉30の内部に対して供給する。
発熱量割合:1以上の供給部材60及び1以上の供給部材70から供給される熱エネルギー源の合計発熱量に対する、1以上の供給部材70から供給されるアンモニアの発熱量の割合。
上記合計発熱量は、1以上の供給部材60から供給される全ての熱エネルギー源の発熱量と、1以上の供給部材70から供給される全ての熱エネルギー源の発熱量との合計である。1以上の供給部材70から供給されるアンモニアの発熱量は、1以上の供給部材70から供給される全てのアンモニアの発熱量である。本開示において、アンモニアの発熱量は、低位発熱量(無水ベース)を意味する。アンモニアの発熱量は、3000kcal/kg以上、3200kcal/kg以上、3400kcal/kg以上、又は3600kcal/kg以上であってもよい。アンモニアの発熱量は、6000kcal/kg以下、5800kcal/kg以下、5600kcal/kg以下、又は5400kcal/kg以下であってもよい。一例では、アンモニアの発熱量は、3000~6000kcal/kg、又は3600~5400kcal/kgである。
上記発熱量割合は、アンモニアの有効利用を促進する観点から、0.05以上、0.1以上、0.15以上、又は0.20以上であってもよい。上記発熱量割合は、アンモニアに起因した固形分の燃焼阻害を抑制する観点から、0.7以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下、0.4以下、0.35以下、又は0.3以下であってもよい。上記発熱量割合は、0.01~0.55であってもよい。この場合、上記合計発熱量に対する、1以上の供給部材60から供給される固形分を含む熱エネルギー源の発熱量の割合は、0.45~0.99であってもよい。上記発熱量割合は、0.01~0.3であってもよい。この場合、上記合計発熱量に対する、1以上の供給部材60から供給される固形分を含む熱エネルギー源の発熱量の割合は、0.7~0.99であってもよい。これらの発熱量の割合は、各種熱エネルギー源の供給量を用いて演算することができる。
製造装置100は、1以上の供給部材80(第3供給部材)を備えてもよい。図2に示される例においては、1つの供給部材80が設けられているが、2以上の供給部材80が設けられてもよい。供給部材80は、仮焼炉30の内部に対して、温度が700℃~1000℃であり、酸素を含む熱ガスを供給する部材である。供給部材80から供給される熱ガスの温度は、800℃~900℃であってもよい。供給部材80は、クリンカクーラ48からの抽気ガスを上記熱ガスとして、仮焼炉30の内部に対して供給してもよい。
供給部材80の端部には、熱ガスを仮焼炉30の内部に対して吐出する(吹き込む)導入口が設けられている。供給部材80により熱ガスが供給される位置は、供給部材80の端部に設けられた導入口の位置に相当し、以下、この位置を「供給部材80の供給位置」という。仮焼炉30内のガス流れ方向Fにおいて、1以上の供給部材80の供給位置は、1以上の供給部材60の供給位置に対応する位置か、又は当該供給位置よりも上流側に配置され、且つ、1以上の供給部材70の供給位置よりも下流側に配置されていてもよい。仮焼炉30内のガス流れ方向Fにおいて、供給部材80の供給位置が、供給部材60の供給位置に対応する位置にあるとは、供給部材80の導入口の少なくとも一部と、供給部材60の導入口62の少なくとも一部とが、互いに同じ位置にあることを意味する。供給部材80から熱ガスを仮焼炉30の内部に対して吹き込むことによって、固形分の燃焼性をより向上させることができる。
図2に示される例においては、供給部材80の供給位置が、供給部材60a及び供給部材60bの双方の供給位置よりも下方に位置する。すなわち、供給部材80の導入口の最上位置は、供給部材60a及び供給部材60bの双方における導入口の最下位置よりも下方に位置する。また、供給部材80の供給位置は、供給部材70a及び供給部材70bの双方の供給位置よりも上方に位置する。すなわち、供給部材80の導入口の最下位置は、供給部材70a及び供給部材70bの双方における導入口の最上位置よりも上方に位置する。供給部材80の供給位置は、供給部材60の供給位置と供給部材70の供給位置との間において、供給部材60の供給位置寄りに配置されていてもよい。図2に示される例とは異なり、供給部材80の供給位置の高さ位置が、供給部材60aの供給位置の高さ位置に一致し、供給部材60bの供給位置の高さ位置に一致してもよい。供給位置同士の高さ位置が一致するとは、1つの供給部材の導入口の少なくとも一部の高さ位置が、他の1つの供給部材の導入口の少なくとも一部の高さ位置と同じであることを意味する。1つの供給部材80に加えて、他の供給部材80が設けられる場合、供給部材60及び供給部材70に対する他の供給部材80の位置関係も同様である。
1つの供給部材60と1つの供給部材80が設けられる場合、平面視において、仮焼炉30の中心軸まわりの周方向で、供給部材80の供給位置が、下流に位置する供給部材60の位置と略一致してもよく、又は、互いのずれの角度が30°程度以下であってもよい。この場合、より効果的に固形分の周囲の燃焼温度を高めることが可能となる。2つの供給部材60と2つの供給部材80とが設けられる場合でも、供給部材60の供給位置と対応する供給部材80の供給位置との周方向のずれ程度は、略一致するか、又は、30°程度以下のずれであってもよい。
[セメントクリンカの製造方法]
続いて、セメントクリンカの製造方法の一例として、製造装置100において実行されるクリンカの製造過程について説明する。製造装置100において実行されるクリンカの製造過程は、例えば、予熱工程と、仮焼工程と、焼成工程と、冷却工程と、を含む。これらの工程は、少なくとも部分的に重複した期間においてそれぞれ実行される。予熱工程は、サイクロンC1~C4において、ロータリーキルン40からの排ガス等を含む高温のガスにより、セメント原料を予熱する工程である。
仮焼工程は、仮焼炉30において、ロータリーキルン40からの排ガスと、仮焼炉30の内部に供給される各種の熱エネルギー源とにより、セメント原料を仮焼する工程である。焼成工程は、ロータリーキルン40において、バーナ44からの燃焼ガスにより、セメント原料の焼成を行う工程である。冷却工程は、クリンカクーラ48において、ロータリーキルン40で生成されたクリンカを冷却する工程である。
上記仮焼工程について、その一例を詳細に説明する。仮焼工程は、例えば、第1供給工程と、第2供給工程と、第3供給工程と、加熱工程と、を含む。第1供給工程、第2供給工程、第3供給工程、及び加熱工程は、少なくとも部分的に重複した期間においてそれぞれ実行される。第1供給工程は、仮焼炉30の内部に対して、1以上の供給部材60により、固形分を含む熱エネルギー源を供給する工程である。第1供給工程では、例えば、供給部材60a及び供給部材60b(2つの供給部材60)のそれぞれから、固形分を含む熱エネルギー源が供給される。第1供給工程において各供給部材60から供給される固形分は、微粉炭であってもよく、廃棄物であってもよく、微粉炭及び廃棄物の両方であってもよい。
第2供給工程は、仮焼炉30の内部に対して、1以上の供給部材70により、アンモニアを供給する工程である。第2供給工程では、例えば、2つの供給部材70である供給部材70a及び供給部材70b(2つの供給部材70)のそれぞれから、アンモニア含有ガスが供給される。第2供給工程において、アンモニアが、空気比が0.1~1.0である空気と共に仮焼炉30の内部に対して供給されてもよい。第2供給工程において各供給部材70がアンモニアを供給する位置は、ガス流れ方向Fを基準として、第1供給工程において各供給部材60が固形分を含む熱エネルギー源を供給する位置よりも、上流側に位置する。
第1供給工程及び第2供給工程において仮焼炉30に供給される熱エネルギー源の合計発熱量に対する、第2供給工程において仮焼炉30に供給されるアンモニアの発熱量の割合は、0.01~0.90である。アンモニアの発熱量に係る上記割合は、0.01~0.55であってもよい。この場合、第1供給工程及び第2供給工程において仮焼炉30に供給される熱エネルギー源の合計発熱量に対する、第1供給工程において仮焼炉30に供給される固形分を含む熱エネルギー源の発熱量の割合は、0.45~0.99であってもよい。
第3供給工程は、仮焼炉30の内部に対して、1以上の供給部材80(例えば、1つ又は2つの供給部材80)により酸素を含む熱ガスを供給する工程である。供給部材80から供給される熱ガスの温度は、900℃~1200℃であってもよい。供給部材80から供給される熱ガスとして、クリンカクーラ48でのクリンカの冷却に用いられた後の抽気ガスが利用されてもよい。第3供給工程において供給部材80が熱ガスを供給する位置は、ガス流れ方向Fを基準として、第1供給工程において各供給部材60が固形分を含む熱エネルギー源を供給する位置に一致するか、当該位置よりも上流側に位置してもよい。第3供給工程において供給部材80が熱ガスを供給する位置は、ガス流れ方向Fを基準として、第2供給工程において各供給部材70がアンモニアを供給する位置よりも、下流側に位置してもよい。
加熱工程は、仮焼炉30において、アンモニアガスを燃焼しつつ、セメント原料を加熱する工程である。仮焼工程は、脱硝工程を含んでもよい。例えば、脱硝工程では、仮焼炉30の上部(出口30b)とサイクロンC4とを接続する接続部38に設けられた導入口20から、接続部38内にアンモニア含有ガスが供給される。これにより、仮焼炉30での仮焼に用いられた後の排ガスに対して脱硝処理が行われる。
[シミュレーションによる検証結果]
続いて、仮焼炉30の内部に対してアンモニアを供給することによる影響を検証するためのシミュレーションの実行結果について説明する。解析ソフトウェアとして、(株)アールフロー社製の熱流体・粉体解析ソフトウェア「R-FLOW」を用いてシミュレーションを行った。シミュレーション上の仮焼炉30の条件では、下段に2つのバーナを配置し、上段に2つのバーナを配置した。以下、下段に配置された2つのバーナを、「下段バーナ1」及び「下段バーナ2」と称し、上段に配置された2つのバーナを、「上段バーナ1」及び「上段バーナ2」と称する。下段バーナ1及び下段バーナ2は、それぞれ供給部材70a及び供給部材70bに対応し、上段バーナ1及び上段バーナ2は、それぞれ供給部材60a及び供給部材60bに対応する。固形分として廃棄物を含まずに微粉炭のみが供給されるものとした。純度100%のアンモニアが供給されるとものと想定し、アンモニアの低位発熱量(無水ベース,純度100%)を4,427kcal/kg、すなわち、1.86×10J/kgとした。
シミュレーションで想定した微粉炭の成分に関する工業分析値(質量%:気乾ベース)、化学分析値(質量%:気乾ベース)、及び化学分析値(質量%:無水無灰ベース)を、下記の表1に示す。また、微粉炭の低位発熱量(到着ベース)を5,749kcal/kg、すなわち、2.415×10J/kgとした。
シミュレーションで想定した微粉炭の粒度分布を、下記の表2に示す。
上記の表2において、粒径8.00μmでの積算質量割合(11.00質量%)は、微粉炭の全体質量に対する8.00μm未満の粒子の質量の割合を意味する。粒径8.00μmでの質量割合(6.00質量%)は、微粉炭の全体質量に対する、粒径が4.00μm以上、且つ8.00μm未満の粒子の質量の割合を意味する。8.00μm以外の粒径の欄も同様である。
(参考例)
4つのバーナ全てから、微粉炭を供給する場合のシミュレーションを行った。そのシミュレーションの条件の概要を下記に示す。
・上段バーナ1,2:各バーナから供給される微粉炭の熱量割合を25%、供給量を1.3t/hとした。
・下段バーナ1,2:各バーナから供給される微粉炭の熱量割合を25%、供給量を1.3t/hとした。
・各バーナにおいて、微粉炭が搬送用空気により搬送されるとし、その搬送用空気の流量を500Nm/hとし、酸素濃度を21%とした。つまり、各バーナからの搬送用空気に起因した酸素量は、500×0.21=105Nm/hとなる。
・各バーナにおいて、(微粉炭+搬送用空気)とは別に燃焼用空気が供給されるとし、その燃焼用空気の流量を1,200Nm/hとし、酸素濃度を18%とした。つまり、各バーナからの燃焼用空気に起因した酸素量は、1200×0.18=216Nm/hとなる。
・仮焼炉30の導入口30aから導入される上昇流の流量を40,000Nm/hとし、その上昇流の酸素濃度を4%とした。つまり、下段バーナ1,2のうちの片側の1つのバーナに着目すると、そのバーナ(例えば、下段バーナ1)付近の酸素には、搬送用空気及び燃焼用空気の酸素とは別に、仮焼炉30内の上昇流の半分(片側分)から、40000/2×0.04=800Nm/hの酸素が加わる。
・熱量割合25%に相当する1.3t/hの微粉炭の理論燃焼酸素量は、1830Nm/hである。これに対して、下段バーナ1付近での酸素量は、105+216+800=1121Nm/hである。つまり、下段バーナ1付近では、微粉炭の理論燃焼酸素量を下回り、空気比は1121/1830=0.61となる。
各バーナに係る熱量割合は、上段バーナ1,2及び下段バーナ1,2から供給される熱エネルギー源の合計発熱量に対する、当該バーナから供給される熱エネルギーの発熱量の割合を意味する。酸素濃度は、体積基準での濃度(体積%)を意味する。
参考例に係るシミュレーションによって得られた、仮焼炉30の内部に発生する二酸化炭素(CO)の濃度ソース分布を図4に示す。図4に示されるコンター図が、仮焼炉30の内部でのCOの濃度ソース分布のシミュレーション結果である。コンター図における色の濃さが、単位時間及び単位容積当たりに発生・消失するCOの量を表す。コンター図の下端が、仮焼炉30の導入口30aに相当し、コンター図の上端が、仮焼炉30の出口30b(出口)に相当する。図4に示される結果から、微粉炭の燃焼速度は遅く、仮焼炉30の出口付近まで、COの発生が継続していることが分かる。
(実施例1)
図2等で説明した熱エネルギー源の導入と同様に、上段バーナ1,2から微粉炭を供給し、下段バーナ1,2からアンモニアを供給する場合のシミュレーションを行った。そのシミュレーションの条件の概要を下記に示す。仮焼炉30内の上昇流の条件は、参考例と同じである。
・上段バーナ1,2:各バーナから供給される微粉炭の供給量を2t/hとした。
・上段バーナ1,2の各バーナにおいて、微粉炭が搬送用空気により搬送されるとし、その搬送用空気の流量を500Nm/hとし、酸素濃度を21%とした。
・上段バーナ1,2の各バーナにおいて、(微粉炭+搬送用空気)とは別に、燃焼用空気が供給されるとし、その燃焼用空気の流量を1,200Nm/hとし、酸素濃度を18%とした。
・下段バーナ1,2:各バーナから供給されるアンモニアの供給量を1,100Nm/hとした。
・下段バーナ1,2の各バーナにおいて、アンモニアとは別に燃焼用空気が供給されるとし、その燃焼用空気の流量を1,200Nm/hとし、酸素濃度を18%とした。
・下段バーナ1,2の各バーナにおいて、上記の(アンモニア+燃焼用空気)とは別の燃焼用空気が供給されるとし、その燃焼用空気の流量を500Nm/hとし、酸素濃度を21%とした。
実施例1に係る上記条件において、上段バーナ1,2の各バーナからの微粉炭の熱量割合は38%であり、下段バーナ1,2の各バーナからのアンモニアの熱量割合は12%である。言い換えると、4つの全てのバーナからの供給される熱エネルギー源の合計発熱量に対する、下段バーナ1,2から供給されるアンモニアの熱量の割合(上述した発熱量割合に相当)は、0.24である。
実施例1に係るシミュレーションによって得られた、仮焼炉30の内部に発生する二酸化炭素(CO)の濃度ソース分布を図5に示す。図5に示されるシミュレーション結果は、図4に示されるシミュレーション結果に対応する。実施例1に係るシミュレーションにおいても、微粉炭の燃焼速度は遅く、仮焼炉30の出口付近まで、COの発生が継続していることが分かる。
実施例1に係るシミュレーションによって得られた、仮焼炉30の内部に発生するアンモニア(NH)の濃度ソース分布を図6に示す。図6に示されるコンター図が、仮焼炉30の内部でのNHの濃度ソース分布のシミュレーション結果である。コンター図における色の濃さが、単位時間及び単位容積当たりに発生・消失するNHの量を表す。コンター図の下端が、仮焼炉30の導入口30aに相当し、コンター図の上端が、仮焼炉30の出口30bに相当する。図6に示される結果から、アンモニアの燃焼速度は速く、下段バーナから供給した直後にアンモニアは消失することが分かる。
実施例1に係る上記条件において、アンモニア1100Nm/hの理論燃焼酸素は、上述した式(1)より、1100×3/4=825Nm/hである。下段バーナ1付近の酸素の量は、燃焼用空気の供給量及び酸素濃度から、1200×0.18+500×0.21=321Nm/hである。なお、下段バーナ1からの燃焼用空気の空気比は、321/825(約0.39)である。下段バーナ1付近の酸素には、燃焼用空気の酸素とは別に、仮焼炉30内の上昇流の半分(片側分)から、40000/2×0.04=800Nm/hの酸素が加わり、合計で1121Nm/hとなり、理論燃焼酸素を上回る。理論燃焼酸素を上回る酸素によって、下段バーナ1からのアンモニアは、計算上は完全燃焼する。上段バーナ1の付近には、酸素を優先的に消費するアンモニアは存在しない。
(実施例2)
実施例1と同様に、上段バーナ1,2から微粉炭を供給し、下段バーナ1,2からアンモニアを供給する場合のシミュレーションを行った。そのシミュレーションの条件の概要を下記に示す。仮焼炉30内の上昇流の条件は、参考例と同じである。
・上段バーナ1,2:各バーナから供給される微粉炭の供給量を1.3t/hとした。
・上段バーナ1,2の各バーナにおいて、微粉炭が搬送用空気により搬送されるとし、その搬送用空気の流量を500Nm/hとし、酸素濃度を21%とした。
・上段バーナ1,2の各バーナにおいて、(微粉炭+搬送用空気)とは別に燃焼用空気が供給されるとし、その燃焼用空気の流量を1,200Nm/hとし、酸素濃度を18%とした。
・下段バーナ1,2:各バーナから供給されるアンモニアの供給量を2,300Nm/hとした。
・下段バーナ1,2の各バーナにおいて、アンモニアとは別に燃焼用空気が供給されるとし、その燃焼用空気の流量を1,200Nm/hとし、酸素濃度を18%とした。
・下段バーナ1,2の各バーナにおいて、上記の(アンモニア+燃焼用空気)とは別の燃焼用空気が供給されるとし、その燃焼用空気の流量を500Nm/hとし、酸素濃度を21%とした。
実施例2に係る上記条件において、上段バーナ1,2の各バーナからの微粉炭の熱量割合は25%であり、下段バーナ1,2の各バーナからのアンモニアの熱量割合は25%である。言い換えると、4つの全てのバーナからの供給される熱エネルギー源の合計発熱量に対する、下段バーナ1,2から供給されるアンモニアの熱量の割合(上述した発熱量割合に相当)は、0.50である。
実施例2に係るシミュレーションによって得られた、仮焼炉30の内部に発生する二酸化炭素(CO)の濃度ソース分布を図7に示す。図7に示されるシミュレーション結果は、図4に示されるシミュレーション結果に対応する。実施例2に係るシミュレーションにおいても、微粉炭の燃焼速度は遅く、仮焼炉30の出口付近まで、COの発生が継続していることが分かる。
実施例2に係るシミュレーションによって得られた、仮焼炉30の内部に発生するアンモニア(NH)の濃度ソース分布を図8に示す。図8に示されるシミュレーション結果は、図6に示されるシミュレーション結果に対応する。図8に示される結果から、アンモニアの燃焼速度は速く、下段バーナから供給した直後に、ほとんどのアンモニアが消失することが分かる。
実施例2に係る上記条件において、アンモニア2,300Nm/hの理論燃焼酸素は、上述した式(1)より、2300×3/4=1725Nm/hである。下段バーナ1付近の酸素の量は、燃焼用空気の供給量及び酸素濃度から、1200×0.18+500×0.21=321Nm/hである。下段バーナ1付近には、燃焼用空気の酸素とは別に、仮焼炉30内の上昇流の半分(片側分)から、40000/2×0.04=800Nm/hの酸素が加わり、合計で1121Nm/hとなり、空気比は1121/1725=0.65となる。発生する未燃のアンモニアは上方に向かって拡散しガス流れ下流から導入されるクーラ抽気ガス(例えば、酸素濃度20%以上)によって完全燃焼する。微粉炭が供給される上段バーナ1の付近には、酸素を優先的に消費するアンモニアは存在しない。
(比較例1)
上段バーナ1及び下段バーナ1から微粉炭とアンモニアとを供給し、上段バーナ2及び下段バーナ2から微粉炭を供給する場合のシミュレーションを行った。そのシミュレーションの条件の概要を下記に示す。仮焼炉30内の上昇流の条件は、参考例と同じである。
・上段バーナ1及び下段バーナ1:各バーナから供給される微粉炭の供給量を1t/hとし、アンモニアの供給量を1,100Nm/hとした。
・上段バーナ2及び下段バーナ2:各バーナから供給される微粉炭の供給量を1t/hとした。
・4つのバーナの各バーナにおいて、微粉炭が搬送用空気により搬送されるとし、その搬送用空気の流量を500Nm/hとし、酸素濃度を21%とした。
・上段バーナ1及び下段バーナ1の各バーナにおいて、(微粉炭+搬送用空気)及びアンモニアとは別に、燃焼用空気が供給されるとし、その燃焼用空気の流量を1,200Nm/hとし、酸素濃度を18%とした。
・上段バーナ2及び下段バーナ2の各バーナにおいて、(微粉炭+搬送用空気)とは別に、燃焼用空気が供給されるとし、その燃焼用空気の流量を1,200Nm/hとし、酸素濃度を18%とした。
比較例1に係る上記条件において、4つの各バーナからの微粉炭の熱量割合は19%であり、上段バーナ1及び下段バーナ1の各バーナからのアンモニアの熱量割合は12%である。比較例1に係るシミュレーションによって得られた、仮焼炉30の内部に発生する二酸化炭素(CO)の濃度ソース分布を図9に示す。図9に示されるシミュレーション結果は、図4に示されるシミュレーション結果に対応する。比較例1に係るシミュレーションによって得られた、仮焼炉30の内部に発生するアンモニア(NH)の濃度ソース分布を図10に示す。図10に示されるシミュレーション結果は、図6に示されるシミュレーション結果に対応する。図9及び図10に示される結果においても、微粉炭の燃焼速度は遅く、仮焼炉30の出口付近までCOの発生が継続していることと、及びアンモニアの燃焼速度が速いことが分かる。
比較例1に係る上記条件から、下段バーナ1からの微粉炭の理論燃焼酸素量を、次のように求めた。微粉炭の元素組成であるC66.5wt%(気乾ベース)、H4.0wt%(気乾ベース)、O7.3wt%(気乾ベース)から、C+O=CO、及びH+(1/4)O=(1/2)HOの反応式を考慮し、微粉炭1kgあたりの理論燃焼酸素量は、{66.5/100/12+(4-7.3/8)/100/1×(1/4)}×22.414=1.41Nm/kgである。1t(トン)あたりに換算すると、理論燃焼酸素量は、1410Nm/tである。1100Nm/hのアンモニアと1t/hの微粉炭との理論燃焼酸素量は、825+1410=2235Nm/hである。これに対して、下段バーナ1付近での酸素の量は、搬送用空気及び燃焼用空気の供給量及び酸素濃度から、500×0.21+1200×0.18=321Nm/hである。これに、仮焼炉30内の上昇流の片側分に含まれる酸素(800Nm/h)が加わり、合計の酸素量は、321+800=1121Nm/hである。下段バーナ1付近では、アンモニアと微粉炭との理論燃焼酸素量を下回り、燃焼速度が速いアンモニアが優先して酸素を消費して完全燃焼するが、微粉炭に関しては酸素が不足し、未燃分が発生する。上段バーナ1の付近においても、同様に、アンモニアが完全燃焼するが、未燃分の微粉炭が発生する。
(比較例2)
上段バーナ1及び上段バーナ2から微粉炭を供給し、下段バーナ1及び下段バーナ2から微粉炭とアンモニアとを供給する場合のシミュレーションを行った。そのシミュレーションの条件の概要を下記に示す。仮焼炉30内の上昇流の条件は、参考例と同じである。
・上段バーナ1及び上段バーナ2:各バーナから供給される微粉炭の供給量を1t/hとした。
・下段バーナ1及び下段バーナ2:各バーナから供給される微粉炭の供給量を1t/hとし、アンモニアの供給量を1,100Nm/hとした。
・4つのバーナの各バーナにおいて、微粉炭が搬送用空気により搬送されるとし、その搬送用空気の流量を500Nm/hとし、酸素濃度を21%とした。
・上段バーナ1及び上段バーナ2の各バーナにおいて、(微粉炭+搬送用空気)とは別に、燃焼用空気が供給されるとし、その燃焼用空気の流量を1,200Nm/hとし、酸素濃度を18%とした。
・下段バーナ1及び下段バーナ2の各バーナにおいて、(微粉炭+搬送用空気)及びアンモニアとは別に、燃焼用空気が供給されるとし、その燃焼用空気の流量を1,200Nm/hとし、酸素濃度を18%とした。
比較例2に係る上記条件において、4つの各バーナからの微粉炭の熱量割合は19%であり、下段バーナ1及び下段バーナ2の各バーナからのアンモニアの熱量割合は12%である。比較例2に係るシミュレーションによって得られた、仮焼炉30の内部に発生する二酸化炭素(CO)の濃度ソース分布を図11に示す。図11に示されるシミュレーション結果は、図4に示されるシミュレーション結果に対応する。比較例2に係るシミュレーションによって得られた、仮焼炉30の内部に発生するアンモニア(NH)の濃度ソース分布を図12に示す。図12に示されるシミュレーション結果は、図6に示されるシミュレーション結果に対応する。図11及び図12に示される結果においても、微粉炭の燃焼速度は遅く、仮焼炉30の出口付近までCOの発生が継続していることと、及びアンモニアの燃焼速度が速いことが分かる。
比較例2に係る上記条件から、比較例1での計算と同様に、下段バーナ1からの1100Nm/hのアンモニアと1t/hの微粉炭との理論燃焼酸素量は、2235Nm/hである。これに対して、下段バーナ1付近での酸素量は、321+800=1121Nm/hである。下段バーナ1付近では、アンモニアと微粉炭との理論燃焼酸素量を下回り、燃焼速度が速いアンモニアが優先して酸素を消費して完全燃焼するが、微粉炭に関しては酸素が不足し、未燃分が発生する。上段バーナ1の付近においては、実施例1,2と同様に、酸素を優先的に消費するアンモニアは存在しない。
(主要な条件のまとめ)
以上の参考例、比較例1、比較例2、及び実施例1,2における主要な条件を下記の表3に示す。表3内において、()内の数値は、4つのバーナからの熱エネルギー源の合計発熱量に対する、各熱エネルギー源の熱量の割合を表す。
(理論燃焼酸素量との関係からの比較検証)
上段バーナ1及び下段バーナ1付近における現象について、実施例1,2と比較例1,2とを比較する。実施例1においては、下段バーナ1付近でアンモニアは完全燃焼し、微粉炭は供給されないので、比較例1,2に比べてCO濃度を低くすることができる。また、上段バーナ1付近では、燃焼速度が遅い微粉炭は、酸素不足により未燃となるが、酸素を優先的に消費するアンモニアが存在しないため、比較例1に比べて微粉炭は燃焼しやすい。実施例2においても、下段バーナ1付近で比較例1,2に比べてCO濃度を低くすることができ、上段バーナ1付近では、酸素を優先的に消費するアンモニアが存在しないため、比較例1に比べて微粉炭は燃焼しやすい。比較例1では上段バーナ1及び下段バーナ1の付近において、比較例2では下段バーナ1の付近において、アンモニアの導入に起因して未燃分の微粉炭の量が実施例1,2よりも多くなる。
以上のように、実施例1,2において未燃分の微粉炭が発生する量は、比較例1,2に比べて最も少なくなる。なお、熱ガスとしてのクーラ抽気ガス(例えば、酸素濃度20%以上)が仮焼炉30の内部に導入されることで、仮焼炉30の出口において未燃分の微粉炭を減少させることができる。
(横断面での平均CO濃度の比較検証)
上述した参考例、実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2のそれぞれについて、シミュレーションにより、高さごとに(高さを変化させて)横断面での平均CO濃度を算出した。シミュレーションにより算出された結果を図13に示す。図13のグラフにおいて、横軸は、仮焼炉30の底部(炉底)からの高さ[m]を、仮焼炉30の上下方向での全長[m]で除算して得られる値を表し、縦軸は、鉛直方向に直交する横断面での平均CO濃度の算出値を表す。
図13に示されるグラフから、下段バーナ1,2付近の高さ(横軸の値が0.23付近)での算出値、及び、仮焼炉30の出口付近(横軸の値が1.0付近)の高さでの算出値を読み取った結果を、下記の表4に示す。
表4に示される結果から、下段バーナ付近の高さ、及び仮焼炉30の出口付近の高さのいずれにおいても、比較例1,2に比べて、実施例1,2での平均CO濃度が低いことが分かる。すなわち、比較例1,2に比べて、実施例1,2では、微粉炭の不完全燃焼の発生を抑制したうえで、アンモニアが燃焼されていることが分かる。なお、下段バーナ付近の高さにおいて、比較例1に比べて比較例2の平均CO濃度が高い理由としては、下段バーナから微粉炭の燃焼を阻害するアンモニアが比較例1より比較例2がより多く供給されているためである。
(横断面での平均NH濃度の比較検証)
上述した参考例、実施例1,実施例2、比較例1、及び比較例2のそれぞれについて、シミュレーションにより、高さごとに(高さを変化させて)横断面での平均NH濃度を算出した。シミュレーションにより算出された結果を図14に示す。図14のグラフにおいて、横軸は、仮焼炉30の底部(炉底)からの高さ[m]を、仮焼炉30の上下方向での全長[m]で除算して得られる値を表し、縦軸は、鉛直方向に直交する横断面での平均NH濃度の算出値を表す。
図14に示されるグラフから、下段バーナ1,2付近の高さ(横軸の値が0.23付近)での算出値、及び、仮焼炉30中間付近(横軸の値が0.32付近)の高さでの算出値を読み取った結果を、下記の表5に示す。
表5に示される結果から、下段バーナ付近の高さ(Z=0.23)、及び仮焼炉30の中間付近の高さ(Z=0.32)のいずれにおいても、比較例1,2に比べて、実施例1での平均NH濃度が低いことが分かる。すなわち、比較例1,2に比べて、実施例1では、アンモニアが良く燃焼されていることが分かる。実施例2では比較例1、2に比べて下段バーナ付近および仮焼炉中間付近での平均NH濃度が高くなったが、これは比較例1、2の2.1倍の量のアンモニアを入れているためである。しかしながら、図14に示すように仮焼炉30の出口ではアンモニアはゼロとなり完全燃焼しており問題ない。また、比較例1、2の2.1倍の量のアンモニアを入れているにも関わらず、表4のCO濃度は比較例1、2よりも低い値を示している。このことからも、仮焼炉30の内部でのガスの流れを基準として、アンモニアガスを微粉炭よりも上流側から供給することが有効であることがわかる。
[本開示のまとめ]
以上に説明したセメントクリンカの製造方法は、セメント原料を加熱してセメントクリンカを生成するロータリーキルン(40)からの排ガスが導入される仮焼炉(30)の内部(S)に対して、1以上の第1供給部材(60)により固形分を含む熱エネルギー源を供給する第1供給工程と、仮焼炉(30)の内部(S)に対して、1以上の第2供給部材(70)によりアンモニアを供給する第2供給工程と、を含む。仮焼炉(30)の内部(S)でのガスの流れを基準として、1以上の第2供給部材(70)がアンモニアを供給する位置は、1以上の第1供給部材(60)が固形分を含む熱エネルギー源を供給する位置よりも上流側に配置されている。1以上の第1供給部材(60)及び1以上の第2供給部材(70)から仮焼炉(30)に供給される熱エネルギー源の合計発熱量に対する、1以上の第2供給部材(70)から仮焼炉(30)に供給されるアンモニアの発熱量の割合が、0.01~0.90である。
上述したように、固形分の燃焼阻害の発生により、固形分が不完全燃焼し、一酸化炭素(CO)の発生が増加し得る。これに対して、上記製造方法では、仮焼炉(30)の内部でのガスの流れを基準として、下流側から固形分を供給し、上流側からアンモニアを供給する。これにより、燃焼速度の違いにより、アンモニアの導入に起因して、固形分を燃焼するための酸素が不足して、燃焼阻害が発生する程度を低減することができる。従って、上記製造方法は、仮焼炉内にアンモニアを供給する場合において、固形分の不完全燃焼によるCOの発生を抑制するのに有用である。
以上に説明したセメントクリンカの製造方法では、上記固形分は微粉炭であってもよい。その微粉炭の工業分析値(気乾ベース)は、揮発分が25~35質量%であり、水分が2~4質量%であり、固定炭素が40~60質量%であり、灰分が10~25質量%であってもよい。上記微粉炭の化学分析値(気乾ベース)は、C(炭素)が60~75質量%であり、H(水素)が3~5質量%であり、O(酸素)が6~9質量%であり、N(窒素)が1~3質量%であり、S(硫黄)が0.1~1.0質量%であってもよい。上記微粉炭の発熱量は、4500~6500kcal/kgであってもよい。
上述したシミュレーションによる検証によって、少なくとも、このような成分及び発熱量を有する微粉炭を固形分として第1供給部材(60)から供給する場合に、COの発生が抑制されることが確認された。
以上に説明したセメントクリンカの製造方法では、上記固形分は微粉炭であってもよい。その微粉炭の粒度分布は、8.00μm以上、且つ16.00μm未満の粒径を有する粒子が5~20質量%であり、16.00μm以上、且つ32.00μm未満の粒径を有する粒子が20~40質量%であり、32.00μm以上、且つ64.00μm未満の粒径を有する粒子が20~40質量%であり、64.00μm以上、且つ128.00μm未満の粒径を有する粒子が10~30質量%であってもよい。
上述したシミュレーションによる検証によって、少なくとも、このような粒度分布を有する微粉炭を固形分として第1供給部材(60)から供給する場合に、COの発生が抑制されることが確認された。
以上に説明したセメントクリンカの製造方法では、第2供給工程において、アンモニアは、空気比が0.1~1.0である空気と共に仮焼炉(30)の内部(S)に対して供給されてもよい。アンモニアの燃焼速度は速いために、上流側で消失することで、下流側で供給される固形分の燃焼へ影響を及ぼす程度が小さい。上記方法では、アンモニアを、空気比が0.1~1.0である空気と共に供給することで、供給直後において、より確実にアンモニアを消失させることができる。従って、アンモニアの導入に起因した固形分の不完全燃焼によるCOの発生を抑制するのに有用である。
以上に説明したセメントクリンカの製造方法は、仮焼炉(30)の内部(S)に対して、1以上の第3供給部材(80)により酸素を含む熱ガスを供給する第3供給工程を更に含んでもよい。熱ガスの温度は、700℃~1000℃であってもよい。仮焼炉(30)の内部(S)でのガスの流れを基準として、1以上の第3供給部材(80)が熱ガスを供給する位置は、1以上の第1供給部材(60)が固形分を含む熱エネルギー源を供給する位置に対応する位置か、又は当該供給する位置よりも上流側に配置されており、且つ、1以上の第2供給部材(70)がアンモニアを供給する位置よりも下流側に配置されていてもよい。下流側から固形分を供給するとしても、アンモニアの供給により酸素は減少し、これにより、下流側での固形分を燃焼するための酸素が多少は不足する。上記方法では、固形分の供給位置に対応する位置、又は、固形分の供給位置とアンモニアの供給位置との間から、酸素を含む熱ガスを供給することで、固形分の燃焼を促進し、未燃分の固形分が発生する程度を低減させることができる。従って、アンモニアを導入する場合でも、固形分の不完全燃焼によるCOの発生を抑制するのに有用である。
以上に説明したセメントクリンカの製造方法において、第3供給工程では、ロータリーキルン(40)で生成されたセメントクリンカを冷却するクリンカクーラ(48)からの抽気ガスが、上記熱ガスとして供給されてもよい。この場合、クリンカの冷却に用いられた後のガスを、固形分の燃焼を促進するための熱ガスとして有効利用することができる。
以上に説明したセメントクリンカの製造方法において、上記合計発熱量に対する、1以上の第2供給部材(70)から仮焼炉(30)に供給されるアンモニアの発熱量の割合が、0.01~0.55であってもよい。上記合計発熱量に対する、1以上の第1供給部材(60)から仮焼炉(30)に供給される固形分を含む熱エネルギー源の発熱量の割合が、0.45~0.99であってもよい。この場合、上記合計発熱量に対するアンモニアの発熱量の割合を0.55以下とすることで、アンモニアの導入に起因して固形分の燃焼阻害が発生することを低減させることができる。
セメントクリンカの製造装置(100)は、セメント原料を加熱してセメントクリンカを生成するロータリーキルン(40)と、ロータリーキルン(40)からの排ガスが導入され、セメント原料を加熱する仮焼炉(30)と、仮焼炉(30)の内部(S)に対して、固形分を含む熱エネルギー源を供給する1以上の第1供給部材(60)と、仮焼炉(30)の内部(S)に対して、アンモニアを供給する1以上の第2供給部材(70)と、を備える。仮焼炉(30)の内部(S)でのガスの流れを基準として、1以上の第2供給部材(70)がアンモニアを供給する位置は、1以上の第1供給部材(60)が固形分を含む熱エネルギー源を供給する位置よりも上流側に配置されている。1以上の第1供給部材(60)及び1以上の第2供給部材(70)から仮焼炉(30)に供給される熱エネルギー源の合計発熱量に対する、1以上の第2供給部材(70)から仮焼炉(30)に供給されるアンモニアの発熱量の割合が、0.01~0.90である。この製造装置(100)は、上述した製造方法と同様に、仮焼炉内にアンモニアを供給する場合において、固形分の不完全燃焼によるCOの発生を抑制するのに有用である。
100…製造装置(セメントクリンカの製造装置)、30…仮焼炉、40…ロータリーキルン、48…クリンカクーラ、50…熱エネルギー源供給部、60,60a,60b…供給部材(第1供給部材)、70,70a,70b…供給部材(第2供給部材)、80…供給部材(第3供給部材)、F…ガス流れ方向。

Claims (6)

  1. セメント原料を加熱してセメントクリンカを生成するロータリーキルンからの排ガスが導入される仮焼炉の内部に対して、1以上の第1供給部材により固形分を含む熱エネルギー源を供給する第1供給工程と、
    前記仮焼炉の内部に対して、1以上の第2供給部材によりアンモニアを供給する第2供給工程と、を含み、
    前記仮焼炉の内部でのガスの流れを基準として、前記1以上の第2供給部材が前記アンモニアを供給する位置は、前記1以上の第1供給部材が前記固形分を含む熱エネルギー源を供給する位置よりも上流側に配置されており、
    前記1以上の第1供給部材及び前記1以上の第2供給部材から前記仮焼炉に供給される熱エネルギー源の合計発熱量に対する、前記1以上の第2供給部材から前記仮焼炉に供給される前記アンモニアの発熱量の割合が、0.01~0.90である、
    セメントクリンカの製造方法。
  2. 前記固形分は微粉炭であり、
    前記微粉炭の気乾ベースでの工業分析値は、揮発分が25~35質量%であり、水分が2~4質量%であり、固定炭素が40~60質量%であり、灰分が10~25質量%であり、
    前記微粉炭の気乾ベースでの化学分析値は、C(炭素)が60~75質量%であり、H(水素)が3~5質量%であり、O(酸素)が6~9質量%であり、N(窒素)が1~3質量%であり、S(硫黄)が0.1~1.0質量%であり、
    前記微粉炭の発熱量は、4500~6500kcal/kgである、
    請求項1に記載のセメントクリンカの製造方法。
  3. 前記固形分は微粉炭であり、
    前記微粉炭の粒度分布は、
    8.00μm以上、且つ16.00μm未満の粒径を有する粒子が5~20質量%であり、
    16.00μm以上、且つ32.00μm未満の粒径を有する粒子が20~40質量%であり、
    32.00μm以上、且つ64.00μm未満の粒径を有する粒子が20~40質量%であり、
    64.00μm以上、且つ128.00μm未満の粒径を有する粒子が10~30質量%である、
    請求項1に記載のセメントクリンカの製造方法。
  4. 前記仮焼炉の内部に対して、1以上の第3供給部材により酸素を含む熱ガスを供給する第3供給工程を更に含み、
    前記熱ガスの温度は、700℃~1000℃であり、
    前記仮焼炉の内部でのガスの流れを基準として、前記1以上の第3供給部材が前記熱ガスを供給する位置は、
    前記1以上の第1供給部材が前記固形分を含む熱エネルギー源を供給する位置に対応する位置か、又は、当該供給する位置よりも上流側に配置されており、且つ、
    前記1以上の第2供給部材が前記アンモニアを供給する位置よりも下流側に配置されている、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  5. 前記第3供給工程では、前記ロータリーキルンで生成されたセメントクリンカを冷却するクリンカクーラからの抽気ガスが、前記熱ガスとして供給される、
    請求項に記載のセメントクリンカの製造方法。
  6. 前記合計発熱量に対する、前記1以上の第2供給部材から前記仮焼炉に供給される前記アンモニアの発熱量の割合が、0.01~0.55であり、
    前記合計発熱量に対する、前記1以上の第1供給部材から前記仮焼炉に供給される前記固形分を含む熱エネルギー源の発熱量の割合が、0.45~0.99である、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法。
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