JP7761017B2 - 固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法Info
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Description
特許文献1に記載の固体電解コンデンサは、複数のコンデンサ素子が積層された素子積層体を備えている。各コンデンサ素子においては、固体電解質層の少なくとも一部を覆う陰極引出層がカーボン層と導電性ペースト層を具備している。
コンデンサ素子同士は、陰極部間に介在する導電性接着剤層により並列に接続されている。
そのため、コンデンサ素子同士が厚さ方向に接続される部分において、[カーボン層/導電性ペースト層/導電性接着剤層/導電性接着剤層/導電性ペースト層/カーボン層]の順に層が重なった構成となる。
導電性ペースト層と導電性接着剤層は、いずれも金属を含む導電性樹脂層である。
しかしながら、隣接する2つのコンデンサ素子のカーボン層の間に存在する導電性樹脂層はコンデンサ素子間を接着する層であるので、コンデンサ素子間の接着の観点からはコンデンサ素子の間に1層あればよいと考えられる。
このため、特許文献1に記載の固体電解コンデンサの構成は、コンデンサ素子の間に多くの層が存在するためにその厚さが不必要に厚くなっているものといえ、さらなる低背化が図られるべきという問題があるといえる。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
本発明の固体電解コンデンサは、複数のコンデンサ素子が積層された積層体を備える固体電解コンデンサであって、前記コンデンサ素子は、誘電体層を少なくとも一方の主面に有する弁作用金属基体と、前記誘電体層上に設けられ、前記弁作用金属基体を陽極部及び陰極部に分離する分離部と、前記陰極部の前記誘電体層上に設けられる固体電解質層と、前記固体電解質層上に設けられるカーボン層と、いずれも前記カーボン層上に設けられる、接着Ag層及び陰極Ag層と、を備え、前記接着Ag層は、前記陰極Ag層よりも陽極部側において前記コンデンサ素子間に配置され、前記陰極Ag層は、前記接着Ag層よりも陰極部側に配置され、前記接着Ag層と前記陰極Ag層はその組成が異なる。
図2は、固体電解コンデンサの一例を模式的に示す斜視図であり、図3は、図2に示す固体電解コンデンサのA-A線断面図である。
図1に示すコンデンサ素子1は、誘電体層20を表面に有する弁作用金属基体10と、誘電体層20上に設けられる分離部30と、誘電体層20上に設けられる固体電解質層40と、固体電解質層40上に設けられるカーボン層50と、カーボン層50上に設けられる接着Ag層60及び陰極Ag層70とを備える。
分離部30は、弁作用金属基体10の短辺に沿うように、弁作用金属基体10の両主面及び両側面に設けられている。分離部30によって、弁作用金属基体10が陽極部31及び陰極部32に分離されている。図1において分離部30よりも右側の、固体電解質層40、カーボン層50及びAg層(接着Ag層60又は陰極Ag層70)が形成されていない領域が陽極部31であり、分離部30よりも左側の、固体電解質層40、カーボン層50及びAg層(接着Ag層60又は陰極Ag層70)が形成されている領域が陰極部32である。
弁作用金属基体10の主面は、多孔質状になっていることが好ましい。弁作用金属基体10の主面が多孔質状になっていることにより、弁作用金属基体10の表面積が大きくなっている。なお、弁作用金属基体10の表面及び裏面の両方が多孔質状である場合に限られず、弁作用金属基体10の表面及び裏面の一方のみが多孔質状であってもよい。
上述のマスク材の塗布に替えて、コイニングにより分離部30を形成するようにしてもよい。コイニングとは、弁作用金属基体10の主面に設けられた多孔質部の一部をプレスして多孔質部を押しつぶすことにより、多孔質部に生じる毛細管現象を抑制して、プレスした箇所を分離部として機能させるものである。また、例えば樹脂テープを貼付することにより、分離部30を形成するようにしてもよい。樹脂テープを用いる場合、分離部30が必要である製造工程が終了した後は、樹脂テープを除去するようにしてもよい。一方、樹脂テープを除去せずに残すようにしてもよい。この場合、樹脂テープは絶縁性に加え、固体電解コンデンサに負荷される温度に十分耐えられるような耐熱性および耐寒性を備えることが好ましい。さらに、上述の方法を組み合わせて、分離部30を形成するようにしてもよい。
固体電解質層40を構成する材料としては、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類等の導電性高分子等が用いられる。これらの中では、ポリチオフェン類が好ましく、PEDOTと呼ばれるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。また、上記導電性高分子は、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等のドーパントを含んでいてもよい。
カーボン層50は、例えば、カーボンペーストを固体電解質層40の表面に塗布して乾燥させる方法等によって形成される。
図1に示す形態では、接着Ag層60が形成された領域よりも陽極部31側の領域において、カーボン層50が露出している。
この領域でカーボン層が露出していると、カーボン層50を介して固体電解質層40と接着Ag層60との電気的接続が良好となり、ESRを低下させることができる。
接着Ag層と陰極Ag層はいずれもAgを含む導電性層であるが、その組成が異なる。
接着Ag層と陰極Ag層の組成が異なることは、コンデンサ素子断面の電子顕微鏡観察においてカーボン層上のAg層に境界が観察されることで判別できる。また、SEM-EDXによる元素分析において境界を境に元素濃度が異なることでも判別できる。典型的には、接着Ag層においてバインダーの量が多いことから炭素(C)の濃度が高くなり、陰極Ag層においてバインダーの量が少ないことから炭素(C)の濃度が低くなることで判別できる。
隣接するコンデンサ素子間を接着するためには接着Ag層に含まれるバインダーの量が陰極Ag層に含まれるバインダーの量よりも多いことが好ましい。
接着Ag層及び陰極Ag層に含まれるバインダーの量の測定は、SEM-EDXによる元素分析において炭素(C)の量をバインダーの量とみなして、接着Ag層及び陰極Ag層における炭素の量の相対的な大小関係を定めることによって行うことができる。
固体電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)を低くするためにはAg層の導電性が高い(比抵抗が低い)ことが好ましいので、陰極Ag層に含まれるバインダーの量が接着Ag層に含まれるバインダーの量よりも少ないことが好ましい。
接着Ag層及び陰極Ag層の比抵抗は、接着Ag層用組成物及び陰極Ag層用組成物をそれぞれシート状に形成した測定用試料の、ミリオームメーター等を用いた4端子法による測定値として定義することができる。
コンデンサ素子における接着Ag層の厚さは例えば5μm以上、50μm以下であることが好ましい。
コンデンサ素子における陰極Ag層の厚さは例えば3μm以上、30μm以下であることが好ましい。
図2及び図3に示す固体電解コンデンサ100は、複数のコンデンサ素子が積層された積層体が封止材で封止されて封止体110が形成されており、コンデンサ素子の陽極部と接続された陽極側リードフレーム120と、コンデンサ素子の陰極部と接続された陰極側リードフレーム130とを備えている。
各コンデンサ素子1の陽極部31が陽極側リードフレーム120によってまとめられて、封止体110の外に引き出される。
各コンデンサ素子1の陰極部32が陰極側リードフレーム130によってまとめられて、封止体110の外に引き出される。
接着Ag層60と陰極Ag層70は接しており、境界を有する。また、接着Ag層よりも陰極部側において厚さ方向に陰極Ag層と接着Ag層が重なっていてもよい。
固体電解コンデンサにおける接着Ag層の厚さは、接着Ag層と陰極Ag層が接する部分における接着Ag層の厚さとして定める。図4で両矢印t2で示す厚さであり、5μm以上、50μm以下であることが好ましい。なお、接着Ag層の厚さはリードフレームがコンデンサ素子間に存在しないコンデンサ素子間において定める。接着Ag層の厚さは陰極Ag層の厚さより厚いことが好ましい。また、陰極Ag層の厚さはコンデンサ素子1つあたりの陰極Ag層の厚さとして測定され、接着Ag層の厚さはコンデンサ素子2つ分の接着Ag層の厚さとして測定される。コンデンサ素子1つあたりにおいても接着Ag層の厚さが陰極Ag層の厚さより厚いことが好ましい。
すなわち、「固体電解コンデンサにおける接着Ag層の厚さ×1/2>固体電解コンデンサにおける陰極Ag層の厚さ」であることが好ましい。
また、陰極Ag層の量が低減されるためにコストダウンが可能である。
カーボン層上にAg層が形成される領域の面積はESRに影響し、この領域の面積が小さいとESRが大きくなってしまう傾向があるが、カーボン層上の陰極側の領域には陰極Ag層が形成されているので、カーボン層上にAg層が形成された領域の面積は従来の固体電解コンデンサに対して同じであり、ESRが大きくなることは防止される。
陰極Ag層と接着Ag層はその組成が異なるが、陰極Ag層として比抵抗が小さいAg層を用いることが好ましく、陰極Ag層を多く塗布した方がESRが小さくなるが、固体電解質層の材料によっては陰極Ag層の塗布面積が小さくなってもESRに与える影響が小さいものがあり、そのような場合には、カーボン層の全面に陰極Ag層を設けず、カーボン層上に接着Ag層だけが設けられた領域があるようにする本発明の技術が特に有効である。
図5に示すコンデンサ素子2では、カーボン層50上に設けられた接着Ag層60が分離部30の上にまで延びている。
この形態のコンデンサ素子を使用すると、固体電解質層40とカーボン層50が分離部30の端部までに形成されているので、陰極部の面積が広くなり、固体電解コンデンサのESRを低くすることができる。
このようなコンデンサ素子を使用しても、固体電解コンデンサを製造することができる。
図6に示す固体電解コンデンサ200は、略直方体状の外形を有している。固体電解コンデンサ200は、封止体210と、陽極外部電極220と、陰極外部電極230とを備える。
図7に示すように、複数のコンデンサ素子1の間に接着Ag層60が配置されてコンデンサ素子1同士が接着され、複数のコンデンサ素子1が積層された積層体240となっている。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、誘電体層を少なくとも一方の主面に有する弁作用金属基体の前記誘電体層上に分離部及び固体電解質層が設けられ、さらに前記固体電解質層上にカーボン層が設けられた弁作用金属基体を準備する工程と、前記カーボン層が設けられた前記弁作用金属基体の陰極部側の一部に陰極Ag層用組成物を付与して陰極Ag層を前記カーボン層上に形成する工程と、前記カーボン層が設けられた前記弁作用金属基体の前記陰極Ag層が形成された部位よりも陽極部側に接着Ag層用組成物を付与して接着Ag層を前記カーボン層上に形成する工程と、を行ってコンデンサ素子を作製する工程と、前記コンデンサ素子同士を前記接着Ag層を介して複数個接着して積層体を得る工程と、を行う。
以下の例では、大判の弁作用金属基体を用いて、複数のコンデンサ素子を同時に製造する方法について説明する。
分離部30よりも素子部11の陰極部側(図8の下側)の領域に固体電解質層及びカーボン層を形成する。固体電解質層及びカーボン層の形成は従来公知の手法により行うことができる。
図8には、分離部30よりも素子部11の先端側の領域に形成されたカーボン層50を示している。
図9には、弁作用金属基体10Aの素子部11の陰極部側を陰極Ag層用組成物310に浸漬する工程を示している。
素子部11の長さの半分程度を陰極Ag層用組成物310に浸漬することにより、弁作用金属基体10Aの陰極部側の一部のカーボン層50上に陰極Ag層用組成物310を付着させ、引き上げ、乾燥することにより、陰極Ag層70が付与される。
陰極Ag層用組成物は、Ag粒子、バインダー、溶媒等を含むペーストである。
この工程で形成される陰極Ag層の厚さが3μm以上、30μm以下であることが好ましい。
図10には、ディスペンサ330により、陰極Ag層70が形成された部位よりも陽極部側のカーボン層50上に接着Ag層用組成物320を付与する工程を示している。
ディスペンサ330を移動させる範囲について、陰極Ag層70が形成された部位の陽極部側の端部を始点として、そこから陽極部側(図10の右側)にディスペンサを移動させるようにすることで、陰極Ag層70が形成されていない部位に接着Ag層60を形成することができる。また、陰極Ag層70と接着Ag層60が厚さ方向に重ならないようにすることもできる。
また、接着Ag層用組成物を弁作用金属基体の一方の主面に形成した後に弁作用金属基体を裏返して、弁作用金属基体の他方の主面に接着Ag層用組成物を形成する。
そして、コンデンサ素子同士を接着Ag層を介して複数個接着して積層体を得る工程を更に行って、固体電解コンデンサを製造することができる。
陰極Ag層用組成物及び接着Ag層用組成物の比抵抗は、陰極Ag層用組成物及び接着Ag層用組成物をそれぞれシート状に形成した測定用試料の、ミリオームメーター等を用いた4端子法による測定値として定義することができる。
陰極Ag層用組成物の比抵抗が1×10-5Ω・cm以上、1×10-4Ω・cm以下であることが好ましい。また、接着Ag層用組成物の比抵抗が1×10-4Ω・cm以上、1×10-3Ω・cm以下であることが好ましい。
また、ディスペンサによる接着Ag層の形成を容易にする観点から、接着Ag層用組成物の粘度が3000mPa・s以上、30000mPa・s以下であることが好ましい。
10、10A 弁作用金属基体
11 素子部
12 支持部
20 誘電体層
30 分離部
31 陽極部
32 陰極部
40 固体電解質層
50 カーボン層
60 接着Ag層
70 陰極Ag層
100、200 固体電解コンデンサ
110、210 封止体
120 陽極側リードフレーム
130 陰極側リードフレーム
140、240 積層体
210a 第1主面
210b 第2主面
210c 第1側面
210d 第2側面
210e 第1端面
210f 第2端面
220 陽極外部電極
230 陰極外部電極
310 陰極Ag層用組成物
320 接着Ag層用組成物
330 ディスペンサ
Claims (9)
- 複数のコンデンサ素子が積層された積層体を備える固体電解コンデンサであって、
前記コンデンサ素子は、誘電体層を少なくとも一方の主面に有する弁作用金属基体と、
前記誘電体層上に設けられ、前記弁作用金属基体を陽極部及び陰極部に分離する分離部と、
前記陰極部の前記誘電体層上に設けられる固体電解質層と、
前記固体電解質層上に設けられるカーボン層と、
いずれも前記カーボン層上に設けられる、接着Ag層及び陰極Ag層と、を備え、
前記接着Ag層は、前記陰極Ag層よりも陽極部側において前記コンデンサ素子間に配置され、
前記陰極Ag層は、前記接着Ag層よりも陰極部側に配置され、
前記接着Ag層と前記陰極Ag層はその組成が異なる、固体電解コンデンサ。 - 前記接着Ag層に含まれるバインダーの量が前記陰極Ag層に含まれるバインダーの量より多い、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陰極Ag層の比抵抗が前記接着Ag層の比抵抗よりも低い、請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記接着Ag層が形成された領域よりも陽極部側の領域において、前記カーボン層が露出している、請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記カーボン層上に設けられた前記接着Ag層が前記分離部の上にまで延びている請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
- 誘電体層を少なくとも一方の主面に有する弁作用金属基体の前記誘電体層上に分離部及び固体電解質層が設けられ、さらに前記固体電解質層上にカーボン層が設けられた弁作用金属基体を準備する工程と、前記カーボン層が設けられた前記弁作用金属基体の陰極部側の一部に陰極Ag層用組成物を付与して陰極Ag層を前記カーボン層上に形成する工程と、前記カーボン層が設けられた前記弁作用金属基体の前記陰極Ag層が形成された部位よりも陽極部側に接着Ag層用組成物を付与して接着Ag層を前記カーボン層上に形成する工程と、を行ってコンデンサ素子を作製する工程と、
前記コンデンサ素子同士を、前記接着Ag層を介して複数個接着して積層体を得る工程と、を行う、固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記陰極Ag層を前記カーボン層上に形成する工程では、前記カーボン層が設けられた前記弁作用金属基体の陰極部側の端部を含む一部を前記陰極Ag層用組成物に浸漬する、請求項6に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記接着Ag層を前記カーボン層上に形成する工程では、前記陰極Ag層が形成された部位よりも陽極部側のカーボン層上に、ディスペンサにより前記接着Ag層用組成物を塗布する、請求項6又は7に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記陰極Ag層用組成物と前記接着Ag層用組成物の組成が異なる、請求項6又は7に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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