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JP7763116B2 - 光ファイバ母材の製造方法および光ファイバの製造方法 - Google Patents
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JP7763116B2 - 光ファイバ母材の製造方法および光ファイバの製造方法 - Google Patents

光ファイバ母材の製造方法および光ファイバの製造方法

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Description

本発明は、光ファイバ母材の製造方法および光ファイバの製造方法に関するものである。
近年、OVD(Outside Vapor Deposition)スートの大型化に伴い、サポート棒の負荷が増加している。一方で、多孔質ガラス母材のクラックを防止する光ファイバ母材の製造方法が提案されている。特許文献1に記載の光ファイバ母材の製造方法は、バーナーに流す燃料ガスの流量を徐々に減らし、バーナーで加熱しながら光ファイバ多孔質母材の表面温度を徐冷する工程を備える。特許文献2に記載の堆積装置は、光ファイバ母材の両端におけるガラス微粒子のクラックを防止する構成を備える。さらに、その大型化に伴う負荷を軽減するために、縦型のOVDにすることが考えられ、特許文献3に記載の堆積装置は、装置内で光ファイバ母材を縦に把持し、上下方向にガラス微粒子を堆積させている。
特許第5163416号公報 特許第6960728号公報 特開2021-175695号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光ファイバ母材の製造方法は、コア部に堆積したガラス微粒子の徐冷をするのみである。光ファイバ母材の冷却時に、ガラス微粒子を堆積した光ファイバ母材部に比べてサポート部は多孔質層がない、もしくは薄いため、冷却速度が大きくなる。このため、サポート部に歪みが生じ、サポート部が破損し得る。特許文献2に記載の構成はサポート部にガラス微粒子が堆積することを抑止して多孔質母材のクラックを防止するもので、サポート部の破損を抑止するものではない。特許文献3に記載の堆積装置は、光ファイバ母材の大型化に伴うサポート部に掛かる負荷を軽減しているものの、歪みについて記述はなく、また煙突効果による上昇気流を制御する必要があり、堆積装置が複雑で高価になる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、光ファイバ母材のサポート部の破損を防止することができる光ファイバ母材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、コア部および前記コア部の両端に熱融着によって接合されたサポート部を有する種棒と、前記コア部の外周に形成された多孔質ガラス部と、を有する光ファイバ母材の製造方法であって、前記サポート部の把持部を把持し、前記種棒に多孔質ガラスを堆積し、前記多孔質ガラス部を形成する工程と、前記光ファイバ母材を加熱し、透明ガラス化する工程と、を備え、前記種棒に前記多孔質ガラス部を形成した後に、バーナーの火炎を用いて前記コア部と前記サポート部との境界部および前記境界部の近傍領域を所定の冷却速度で冷却する工程をさらに備えることを特徴とする、光ファイバ母材の製造方法が提供される。
本発明によれば、サポート部の破損を防止することができる光ファイバ母材の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1実施形態における光ファイバ母材の種棒の斜視図である 図2は、本発明の第1実施形態における図1に示した光ファイバ母材の種棒のII部分の斜視図である。 図3は、本発明の第1実施形態における光ファイバ母材の製造に用いる堆積装置の側面図である。 図4は、本発明の第1実施形態における光ファイバ母材の製造に用いる焼結装置の断面図である。 図5は、本発明の第1実施形態におけるガラス母材の製造方法のフローチャートである。 図6は、本発明の第1実施形態における実施例および比較例のサポート部の徐冷の温度変化を示すグラフである。 図7は、本発明の第1実施形態における実施例および比較例のサポート部のクラックの有無を示す表である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。明細書全般における同じ参照符号は、実質的に同一の構成要素を意味する。
[第1実施形態]
図1は本実施形態における光ファイバ母材の種棒の斜視図であり、図2は図1に示した光ファイバ母材の種棒のII部分の斜視図である。
光ファイバ母材の種棒はコア部11、サポート部12A、12Bを備える。コア部11は、光ファイバ母材の出発材であり、石英ガラス等で形成される。コア部11は、コアおよび当該コアの外周に形成されたクラッド層を有するロッドを加熱延伸することによって形成され得る。コア部11は略円柱形をなし、側部111、端部112、113を備える。側部111は所定の長さを有し、端部112、113は所定の直径を有する。例えば、長さが4000mmであり、直径が70mmであり得る。側部111の外周には後述する堆積工程においてガラス微粒子が堆積され、光ファイバ母材が形成される。図1において、コア部11の仮想のコア軸114が延在する方向をX方向とし、X方向に直交する方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向と称する。
サポート部12A、12Bは支持棒であり、コア部11の両端にそれぞれサポート部12A、12Bが設けられる。サポート部12A、12Bは、ガラス微粒子が堆積する工程および焼結する工程において、コア部11を支持する用途に用いられる。サポート部12A、12Bはコア部11と同様に石英等で構成される。サポート部12A、12Bは略円柱形をなし、それぞれ側部121A、121B、端部122A、122B、123A、123Bを備える。側部121A、121Bは所定の長さを有し、端部122A、122B、123A、123Bは所定の直径を有する。例えば、長さが1000mmであり、直径が65mmであり得る。側部121A、121Bの長さおよび端部122A、122B、123A、123Bの直径は、コア部11の側部111の長さまたは端部112、113の直径、ガラス微粒子が堆積する厚さ等に応じて適宜変更されてもよい。
サポート部12A、12Bの仮想のサポート軸124A、124Bおよびコア軸114が略同一線上に位置し、端部122Aが端部112に接し、端部122Bが端部113に接するように、サポート部12A、12Bはコア部11に接合される。端部122Aおよび端部112、端部122Bおよび端部113は酸水素バーナー等を用いて溶接接合される。溶接接合の方法はこれに限定されず、電気炉等を用いて溶接接合されてもよい。ここで、端部122Aと端部112との接合箇所およびその周辺を境界部115A(図2の端部122Aと端部112との境界および斜線のハッチングの領域)と呼び、端部122Aから所定の長さの側部121を近傍領域125A(図2の点線のハッチングの領域)と呼ぶ。例えば、近傍領域125Aは、端部122Aから端部123Aへの方向に800mmまでの側部121Aの領域であり得る。サポート部12Bの境界部115Bおよび近傍領域125Bも同様である。近傍領域125A、125Bは、側部111の長さ、端部112、113の直径、ガラス微粒子が堆積する厚さ等に応じて適宜変更されてもよい。
サポート部12A、12Bは、後述するガラス微粒子の堆積工程において用いられる堆積装置に応じて、コア部11の一方の端部または両方の端部に接合され得る。例えば、横型の堆積装置によってガラス微粒子が堆積する場合にはコア部11の両方の端部にそれぞれサポート部12A、12Bが接合される。本実施形態では、横型の堆積装置によってガラス微粒子が堆積する場合について説明する。
図3は、本実施形態における光ファイバ母材の製造に用いる堆積装置の側面図である。多孔質ガラス部13は、コア部11に堆積されたガラス微粒子の層である。多孔質ガラス部13は、堆積装置によってコア部11に堆積する。多孔質ガラス部13が堆積する方法は、例えば、VAD(Vapor phase Axial Deposition)法、OVD(Outside Vapor Deposition)法等であり得る。VAD法は、コア部11を垂直把持し、コア部11の下側の端部から上側の端部に向かって鉛直方向にガラス微粒子が堆積する方法である。OVD法は、コア部11を両端把持し、コア部11の側部において水平方向にガラス微粒子が堆積する方法である。本実施形態では、上述のように横型の堆積装置を用い、OVD法によって多孔質ガラス部13が堆積する。
堆積装置3は、基台31、支持部32A、32B、把持部33、応力付与部34、バーナー38、バーナー39A、39Bを備える。基台31は堆積装置3の土台になる部材であり、略直方体をなす。基台31は接地面に対し略水平に設置される。基台31は、基台31の長手方向に延在し、コア部11の下方に設けられたレール等を備え、支持部32A、32B、バーナー38が当該レールに沿って移動可能である。平面視において、基台31の長手方向をX方向とし、基台31の短手方向をY方向とし、基台31の鉛直方向をZ方向とする。
支持部32A、32Bは柱状をなし、互いに対向し、基台31の上部に設けられる。すなわち、支持部32Aは基台31の一方の端部に設けられ、支持部32Bは基台31の他方の端部に設けられる。支持部32A、32Bのうち、少なくともいずれか一方は、基台31に敷設されたレール上を移動可能である。支持部32A、32Bは、サポート部12A、12Bを介してコア部11を回転駆動する回転モータ、変速機等を備える。
把持部33および応力付与部34はチャックを構成し、支持部32A、32Bにそれぞれ設けられる。把持部33は、例えばSUS(Steel Use Stainless)等の金属または耐熱性のフッ素樹脂等で構成され、互いに近接または離隔可能な複数の爪を備える。複数の爪の中央にはサポート部12A、12Bを把持可能な把持穴が形成される。
応力付与部34は把持部33の周囲に設けられ、把持部33に応力を与えることが可能である。応力付与部34が把持部33に応力を与えると、複数の爪は互いに近接し、把持穴の径が小さくなる。これにより、把持穴に挿入されたサポート部12A、12Bは把持部33によって把持される。
バーナー38はコア部11にガラス微粒子を吹き付けるバーナーであり、例えば、酸水素を燃料とするバーナーである。バーナー38は、基台31のレール上に設置される。バーナー38はレール上を移動し、コア軸114を中心に回転するコア部11にガラス微粒子を堆積させることができる。バーナー38は、可燃性ガスを供給するノズル、助燃性ガスを供給するノズル、ガラス原料を供給するノズル等を備える。例えば、可燃性ガスは水素等であり、助燃性ガスは酸素等であり得る。また、ガラス原料は、例えば、SiCl等であり得る。バーナー38は、火炎にガラス原料を投入し、火炎加水分解反応によりガラス微粒子を生成する。バーナー38は、側部111に堆積するガラス微粒子の厚さに応じ、コア軸114の鉛直方向におけるノズルの位置を調整することができる。このようにして、コア部11の外周に多孔質ガラス部13が堆積し、光ファイバ母材1が形成される。
バーナー39Aは、境界部115Aおよび近傍領域125Aに付着した多孔質ガラスを焼き締める酸水素バーナーであり、バーナー39Bは、境界部115Bおよび近傍領域125Bに付着した多孔質ガラスを焼き締める酸水素バーナーである。バーナー39A、39Bは、焼き締め用補助バーナーまたはサイドバーナーとも呼ばれ、可燃性ガスを供給するノズルおよび助燃性ガスを供給するノズル等を備える。バーナー39A、39Bはバーナー38と接触しないように設けられる。バーナー39A、39Bは、サポート軸124A、124Bを中心に回転するサポート部12A、12Bの所定の領域を加熱することができる。バーナー39A、39Bは、境界部115A、115B、近傍領域125A、125Bだけでなく、境界部115A、115Bから光ファイバ母材1への方向における所定の領域を加熱してもよい。例えば、光ファイバ母材1のX方向における中央周辺に対してガラス微粒子の堆積量が少ない光ファイバ母材1の両端周辺を加熱してもよい。
なお、バーナー39A、39Bは、バーナー38が設置されたレール上に設置されてもよく、バーナー38が設置されたレールとは別のレールを敷設し、当該別のレールに設置されてもよい。この場合、バーナー39A、39Bは、レール上を移動し、サポート部12A、12Bを加熱することができる。
バーナー39A、39Bは、火炎の温度を徐々に下げることによって、サポート部12A、12Bを徐冷することができる。バーナー38による堆積が必要量に達し、堆積を終了すると、堆積サポート部12A、12Bは、多孔質ガラス部13に比べて多孔質層がない、もしくは薄いため、ガラス表面の冷却速度が大きくなる。また、多孔質ガラス部13の堆積量の増加に応じて、サポート部12A、12Bにかかる負荷が大きくなる。これにより、サポート部12A、12Bに歪みが発生しやすくなり、サポート部12A、12Bにクラック等が発生し破損する。ガラス微粒子の堆積工程の後、サポート部12A、12Bを所定の温度範囲および所定の冷却速度で徐冷することにより、サポート部12A、12Bの歪みの発生を抑圧することができる。
図4は、実施形態における光ファイバ母材の製造に用いる焼結工程に用いる装置の断面図である。焼結装置5は、炉心管51、吸気孔52、排気孔53、ヒーター54、上蓋55、支持部56を備える。
炉心管51は、光ファイバ母材1を格納可能な円筒状の反応容器であり、透明石英ガラス等で構成され得る。吸気孔52は、炉心管51の底部に設けられ、炉心管51の内部511に脱水ガス、不活性ガス等を導入する。例えば、脱水ガスは塩素、塩化チオニル等であり、不活性ガスはアルゴン、ヘリウム等であり得る。排気孔53は、炉心管51の側部の上方に設けられ、炉心管51に充填された脱水ガス、不活性ガス等を必要に応じて排気する。ヒーター54は、炉心管51の周囲に設けられ、光ファイバ母材1を加熱する。上蓋55は、炉心管51の上部に設けられ、炉心管51に光ファイバ母材1が格納された後に、炉心管51の上部を封止する。上蓋55には、サポート部12Aを挿入可能な開口部551が形成される。
支持部56は炉心管51の上部に設けられ、サポート部12Aを把持し、光ファイバ母材1を吊り下げ支持する。支持部56は、図示されていない駆動機構によって回転可能に構成される。支持部56が回転することにより、光ファイバ母材1は炉心管51の内部511において回転し、ヒーター54によって加熱される。これにより、光ファイバ母材1のコア部11および多孔質ガラス部13が焼結され、ガラス化する。
図5は、本実施形態におけるガラス母材の製造方法のフローチャートである。まず、サポート部12A、12Bがコア部11の両端に接合される(ステップS101)。コア軸114、サポート軸124A、サポート軸124Bが略同一線上に位置するように、酸水素バーナー等を用いてコア部11にサポート部12A、12Bが溶融接合される。
次に、サポート部12A、12Bが接合されたコア部11(光ファイバ母材)が、堆積装置3に設置される(ステップS102)。サポート部12A、12Bが堆積装置3の把持部33によってそれぞれ把持される。ここで、バーナー39A、39Bが近傍領域125A、125Bを加熱することを妨げないように、把持部33がサポート部12A、12Bを把持することが望ましい。
堆積装置3がサポート部12A、12B、コア部11を回転し、バーナー38によってガラス微粒子が側部111に堆積する(ステップS103)。バーナー38はコア部11の例えば下部をX方向に往復しながら火炎にガラス原料を投入し、生成されたガラス微粒子が側部111に堆積する。側部111に多孔質ガラス部13が堆積する間、バーナー39A、39Bは、コア部11の両端に堆積した多孔質ガラス部13を加熱してもよい。コア部11の両端では、密度の低い多孔質ガラス体が堆積するため、クラック等が発生しやすくなる。このため、バーナー39A、39Bがそれぞれコア部11の両端に堆積した多孔質ガラス部13を加熱することによって、堆積量が少ない部分の多孔質ガラス部13にクラック等が発生することを防ぐことができる。
多孔質ガラス部13が十分にコア部11に堆積すると、バーナー38へのガラス原料、可燃性ガス、助燃性ガスの供給が停止され、バーナー38が消火される。その後、バーナー39A、39Bによってサポート部12A、12Bが目標温度まで徐冷される(ステップS104)。サポート部12A、12Bを徐冷する方法について詳細に説明する。バーナー39A、39Bの火炎の温度を徐々に下げながら、境界部115A、115Bおよび近傍領域125A、125Bにバーナー39A、39Bの火炎が吹き付けられる。これにより、境界部115A、115Bおよび近傍領域125A、125Bの温度が、所定の温度から目標温度まで徐々に下げられる。すなわち、所定の温度から目標温度までの温度範囲において、境界部115A、115Bおよび近傍領域125A、125Bが所定の冷却速度で徐冷される。所定の温度および目標温度は、例えば、それぞれ1150℃および1050℃であり得る。所定の温度から目標温度までの温度範囲は、石英の歪点前後の温度を含むことが好ましく、例えば、1090℃を含むことがより好ましく、温度範囲は1100℃から1050℃までであってもよい。所定の冷却速度は、例えば、5℃/分、10℃/分、20℃/分、30℃/分等の冷却速度であり得る。境界部115A、115Bおよび近傍領域125A、125Bの温度が目標温度まで下げられると、バーナー39A、39Bが消火され、境界部115A、115Bおよび近傍領域125A、125Bは自然冷却される(ステップS105)。
ガラス微粒子の堆積量が多い部分と比べて、端部112、113の周辺ではガラス微粒子が堆積した量が少ないために、冷却速度が大きくなる。同様に、ガラス微粒子が堆積されないサポート部12A、12Bにおいても冷却速度が大きくなる。また、多孔質ガラス部13の堆積量に応じて、サポート部12A、12Bにかかる負荷が大きくなる。これにより、サポート部12A、12Bに歪みが発生しやすくなり、サポート部12A、12Bが破損する虞がある。ガラス微粒子の堆積工程の後、コア部とサポート部との境界部およびその近傍領域を目標温度まで所定の冷却速度で徐冷することにより、サポート部の歪みの発生を抑圧することができる。このため、サポート部の破損を防止することが可能となる。
サポート部12A、12Bの温度が自然冷却により所定の温度まで下げられると、サポート部12A、12Bが把持部33から取り外され、光ファイバ母材1が堆積装置3から撤去される(ステップS106)。さらに、サポート部12Bとコア部11との接合部が、バーナーまたは電気炉によって溶融され、光ファイバ母材1からサポート部12Bが分離および撤去されてもよい(ステップS107)。
サポート部12Aが支持部56によって支持され、光ファイバ母材1が炉心管51の内部511に垂直に設置される(ステップS108)。焼結装置5によって光ファイバ母材1が加熱され、焼結される(ステップS109)。まず、塩素(Cl)等が吸気孔52から内部511に導入される。次に、光ファイバ母材1が内部511において回転しながら、ヒーター54によって加熱される。これにより、光ファイバ母材1に含まれる不純物等が取り除かれる。さらに、塩素が排気孔53から炉心管51の外部に排出され、ヘリウム(He)が雰囲気ガスとして吸気孔52から内部511に導入される。光ファイバ母材1は内部511において回転しながら、ヒーター54によって所定の温度に加熱される。所定の温度は、例えば1500℃等であり得る。光ファイバ母材1の焼結が完了すると、ヘリウムが排気孔53から炉心管51の外部に排出され、透明ガラス化された光ファイバ母材1が炉心管51から取り出される。この後の工程において、透明ガラス化された光ファイバ母材1は、加熱され、線引きされる。このようにして、光ファイバが形成される。
以上に述べたように、本実施形態によれば、コア部とサポート部との境界部およびその近傍領域を所定の温度範囲および所定の冷却速度で徐冷することにより、サポート部の破損を防止することが可能となる。
[実施例]
図6は、本実施形態における実施例および比較例のサポート部の徐冷の温度変化を示すグラフであり、図7は、本実施形態における実施例および比較例のサポート部のクラックの有無を示す表である。上述したように、多孔質ガラス部13の堆積工程の後に、所定の冷却速度でサポート部12A、12Bを徐冷し、サポート部12A、12Bにおけるクラックの有無を調べた。実施例において用いられた堆積工程後の光ファイバ母材1の重量は180kgであり、石英からなるサポート部12A、12Bの直径は63mmであった。堆積工程後にバーナー38が消火された後、境界部115A、115Bおよび近傍領域125A、125Bにバーナー39A、39Bの火炎が吹き付けられ、サポート部12A、12Bが徐冷された。
1150℃~1050℃までの冷却速度を5℃/分として、サポート部12A、12Bを徐冷した場合のサポート部12A、12Bの温度変化を図6に実線で示し、図7の第1行に光ファイバ母材重量、サポート部の直径、およびサポート部のクラックの有無を示す(実施例1)。1150℃~1050℃までの冷却速度を10℃/分として、サポート部12A、12Bを徐冷した場合のサポート部12A、12Bの温度変化を図6に破線で示し、図7の第2行に光ファイバ母材重量、サポート部の直径、およびサポート部のクラックの有無を示す(実施例2)。1150℃~1050℃までの冷却速度を20℃/分として、サポート部12A、12Bを徐冷した場合のサポート部12A、12Bの温度変化を図6に一点鎖線で示し、図7の第3行に光ファイバ母材重量、サポート部の直径、およびサポート部のクラックの有無を示す(実施例3)。サポート部12A、12Bの温度が目標温度まで達すると、バーナー39A、39Bが消火され、サポート部12A、12Bが自然冷却された。実施例1-3の場合、サポート部12A、12Bにクラックは生じず、堆積装置3から光ファイバ母材1を撤去する際にサポート部12A、12Bが破損することはなかった。
[比較例]
一方、比較例として、堆積工程後の光ファイバ母材1の重量が180kgであり、サポート部12A、12Bの直径が63mmであり、1150℃~1050℃までの冷却速度を30℃/分として、サポート部12A、12Bを徐冷した場合のサポート部12A、12Bの温度変化を図6に2点鎖線で示し、図7の第4行に光ファイバ母材重量、サポート部の直径、およびサポート部のクラックの有無を示す(比較例1)。さらに、別の比較例として、堆積工程後の光ファイバ母材1の重量が300kgであり、サポート部12A、12Bの直径が63mmであり、1150℃~1050℃までの冷却速度を20℃/分とした場合のサポート部12A、12Bにおけるクラックの有無を調べた(比較例2)。比較例1、2の場合、サポート部12A、12Bにクラックが生じ、堆積装置3から光ファイバ母材1を撤去する前にサポート部12A、12Bが破損した。このように、所定の温度範囲において冷却速度が大きい場合、サポート部12A、12Bが破損しやすくなることが確認された。
1 :光ファイバ母材
11 :コア部
115:境界部
12 :サポート部
125:近傍領域
13 :多孔質ガラス部
3 :堆積装置
38 :バーナー
39 :バーナー
5 :焼結装置

Claims (12)

  1. コア部および前記コア部の両端に熱融着によって接合されたサポート部を有する種棒と、
    前記コア部の外周に形成された多孔質ガラス部と、を有する光ファイバ母材の製造方法であって、
    前記サポート部の把持部を把持し、前記種棒に多孔質ガラスを堆積し、前記多孔質ガラス部を形成する工程と、
    前記光ファイバ母材を加熱し、透明ガラス化する工程と、を備え、
    前記種棒に前記多孔質ガラス部を形成した後に、バーナーの火炎を用いて前記コア部と前記サポート部との境界部および前記境界部の近傍領域を1050℃以上1150℃の温度範囲において20℃/分以下の冷却速度で冷却する工程をさらに備え
    前記バーナーは、焼き締め用補助バーナーであることを特徴とする、光ファイバ母材の製造方法。
  2. 前記冷却する工程は、前記境界部および前記近傍領域を前記バーナーの火炎の温度を下げることによって冷却することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  3. 記冷却速度は、5℃/分以上かつ20℃/分以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  4. 前記冷却する工程は、1090℃を含む温度範囲において行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  5. 前記冷却する工程は、少なくとも1080℃以上1100℃以下の温度範囲において行われることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  6. 前記冷却する工程は、少なくとも1050℃以上1150℃以下の温度範囲において行われることを特徴とする請求項4または5に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  7. 前記光ファイバ母材の重量は180kg以上であり、
    前記サポート部は略円柱形をなし、前記サポート部の直径は63mm以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  8. 前記光ファイバ母材は横型であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  9. 前記近傍領域は、前記サポート部の一部を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  10. 前記近傍領域は、さらに前記多孔質ガラス部の端部を含むことを特徴とする請求項9に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  11. 前記サポート部の一部は、前記サポート部の長手方向において、前記境界部からの長さが800mm以下の領域であることを特徴とする請求項9または10に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  12. 請求項1乃至1のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造方法によって製造した前記光ファイバ母材を高温で線引きし、光ファイバを製造する光ファイバの製造方法。
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