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JP7764089B2 - 紙基材及びその製造方法 - Google Patents
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JP7764089B2 - 紙基材及びその製造方法 - Google Patents

紙基材及びその製造方法

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本発明は、紙基材及びその製造方法に関する。
近年、環境保護意識の高まりから合成樹脂基材から紙基材への移行が進みつつあり、例えば、窓付き封筒では、窓の部分を、セロファン等の合成樹脂基材に代えてグラシン紙やトレーシングペーパー等の半透明の紙基材で構成し、リサイクル可能としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-29588号公報
しかし、グラシン紙やトレーシングペーパー等の半透明の紙基材は、リサイクル可能であるものの、合成樹脂基材に比べて透明性が劣るという難点がある。
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、紙基材の透明度を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
(1)本発明に係る紙基材は、加熱によって溶融する有機顔料を含有する。
本発明に係る紙基材によると、加熱によって溶融する有機顔料を含有しているので、当該紙基材を加熱して有機顔料を溶融させることによって、紙基材のパルプ繊維間の隙間を有機顔料で埋めて、透明度を向上させることができる。
また、当該紙基材を部分的に加熱することによって、加熱された部分の有機顔料を溶融させて、当該部分のパルプ繊維間の隙間を有機顔料で埋めて透明度を向上させることができる。すなわち、当該紙基材の加熱する部分を選択することによって、透明度を向上させる部分を任意に選択することができる。
更に、透明度を向上させるには、当該紙基材を加熱すればよいので、必要なときに当該紙基材を加熱することによって、透明度を向上させることができる。
(2)本発明の好ましい実施態様では、当該紙基材の少なくとも一部の前記有機顔料が、溶融固化されている。
この実施態様によると、当該紙基材の少なくとも一部が加熱されて、少なくとも一部の有機顔料が溶融固化されているので、当該紙基材は、その少なくとも一部の透明度が向上した紙基材となる。
(3)本発明の他の実施態様では、当該紙基材が、無機顔料を含有していない。
この実施態様によると、当該紙基材は、透明度を低下させる無機顔料を含有していないので、有機顔料を加熱して溶融固化させることによって、透明度を効果的に向上させることができる。
(4)本発明の一実施態様では、当該紙基材が、トレーシングペーパーまたはグラシン紙である。
この実施態様によると、半透明のトレーシングペーパーまたはグラシン紙からなる紙基材の透明度を一層向上させることができる。
(5)本発明の他の実施態様では、前記有機顔料は、粒子状であって、その平均粒子径が、0.5μm以上10μm未満である。
この実施態様によると、粒子状の有機顔料の平均粒子径が、0.5μm以上10μm未満と小さいので、紙基材の内部に、例えば、有機顔料を含む塗工液を円滑に浸透させて含有させることができる。
(6)本発明に係る紙基材の製造方法は、原紙に、塗工液を塗工または含浸させて紙基材を製造する方法であって、前記塗工液が、加熱によって溶融する有機顔料を含んでいる。
本発明の紙基材の製造方法によると、原紙に、加熱によって溶融する有機顔料を含む塗工液を塗工または含浸させて紙基材を製造するので、当該紙基材を加熱して、有機顔料を溶融させることによって、紙基材のパルプ繊維間の隙間を有機顔料で埋めて、透明度を向上させることができる。
また、当該紙基材を部分的に加熱することによって、加熱された部分の有機顔料を溶融させて、当該部分のパルプ繊維間の隙間を有機顔料で埋めて透明度を向上させることができる。すなわち、当該紙基材の加熱する部分を選択することによって、透明度を向上させる部分を任意に選択することができる。
更に、透明度を向上させるには、当該紙基材を加熱すればよいので、必要なときに当該紙基材を加熱することによって、透明度を向上させることができる。
(7)本発明の一実施態様では、前記塗工液を、前記原紙の少なくとも片面に塗工する工程を備える。
この実施態様によると、原紙の少なくとも片面に、塗工液を塗工して、有機顔料を、原紙の内部に浸透させることができる。
また、原紙が厚いときには、その両面に塗工液をそれぞれ塗工することによって、有機顔料を、原紙の内部に浸透させることができる。
(8)本発明の他の実施態様では、前記塗工液を塗工した前記原紙の少なくとも一部を加熱して、前記有機顔料の少なくとも一部を溶融固化させる工程を備える。
この実施態様によると、有機顔料を含む塗工液を塗工して浸透させた原紙の少なくとも一部を加熱することによって、原紙の内部の有機顔料を溶融させて、パルプ繊維間の隙間を有機顔料で埋めるので、少なくとも一部の透明度が高い紙基材を得ることができる。この場合、加熱する部分を選択することによって、任意の部分の透明度を高めた紙基材を得ることができる。
(9)本発明の更に他の実施態様では、前記塗工する工程における単位体積当たりの前記有機顔料のドライ塗工量が、37.21kg/m以上111.63kg/m以下である。
この実施態様によると、原紙の単位体積当たりの有機顔料のドライ塗工量が、37.21kg/m以上であるので、透明度を効果的に向上させることができる一方、111.63kg/m以下であるので、紙基材の内部に、有機顔料を安定して含ませることができる。
(10)本発明の更に他の実施態様では、前記塗工液が、前記有機顔料のエマルジョンを含む水性の塗工液である。
この実施態様によると、有機顔料を十分に分散させた塗工液を、原紙に塗工あるいは含浸させることによって、有機顔料を、原紙の内部に浸透させることができる。
(11)本発明の他の実施態様では、前記原紙が、トレーシングペーパーまたはグラシン紙である。
この実施態様によると、半透明のトレーシングペーパーまたはグラシン紙からなる原紙の透明度を一層向上させた紙基材を得ることができる。
本発明によれば、紙基材に含有されている有機顔料を、加熱溶融させて、紙基材のパルプ繊維間の隙間を埋めることによって、透明度を向上させることができる。
また、紙基材の加熱部分を選択することによって、有機顔料を溶融させる部分、すなわち、透明度を向上させる部分を任意に選択することができる。
更に、透明度を向上させるには、当該紙基材を加熱すればよいので、必要なときに当該紙基材を加熱することによって、透明度を向上させることができる。
図1は本発明の一実施形態に係る紙基材の概略構成を示す模式図である。 図2は図1の紙基材の一部を加熱した後の模式図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る紙基材の概略構成を示す模式図である。
この実施形態の紙基材1は、加熱によって溶融する有機顔料3を含有した原紙2からなる。原紙2は、透明度を高めるために、無機顔料を含有していない紙が好ましく、パルプの繊維長が短い、例えば、パルプの繊維長が、0.1mm~1.5mmである紙が好ましい。この原紙2は、例えば、トレーシングペーパーやグラシン紙などの半透明の紙が好ましく、この実施形態では、原紙2は、トレーシングペーパーである。
この実施形態の紙基材1は、原紙の片面に、粒子状の有機顔料3を含む塗工液を塗工し、原紙2の内部に有機顔料3を浸透させることによって、製造することができる。
原紙2の内部は、パルプ繊維4の隙間が存在しており、この実施形態の有機顔料3は、白色であるので、この図1の紙基材1は、白色で不透明である。
この有機顔料3は、その融点以上に加熱されると、溶融し、冷却されると、固化してその形態を保持する。
有機顔料3の材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン及びこれらの共重合体などの熱可塑性樹脂が挙げられる。粒子状の有機顔料3は、中実粒子が好ましいが、中空粒子であってもよく、両者を併せて使用してもよい。
この実施形態の紙基材1は、加熱によって溶融する有機顔料3を含有しているので、紙基材1を、有機顔料3の融点以上に加熱すると、加熱された有機顔料3が溶融して、パルプ繊維4の隙間に入り込んで隙間を埋めることによって、透明にすることができると共に、有機顔料3を含む塗工液を塗工する前の元の原紙に比べて、透明度を向上させることができる。
溶融した有機顔料3は、冷却されることによって、パルプ繊維4の隙間を埋めた状態で固化して透明度が維持される。
加熱前の紙基材1では、原紙2の内部に、有機顔料3が分散して存在しているので、紙基材1の一部を部分的に加熱することによって、加熱された部分は、パルプ繊維4の隙間が溶融した有機顔料3で埋められて透明になると共に、透明度が向上する。すなわち、紙基材1では、加熱する部分を選択することによって、任意の部分を透明にすることができる。
図2は、図1の紙基材1の一部を加熱して有機顔料3を加熱溶融させて固化させた紙基材1aの概略構成を示す模式図である。
矢符Aで示される加熱された部分は、その内部の粒子状の有機顔料3が、溶融して、パルプ繊維4の隙間に入り込んで隙間を埋めた状態の有機顔料3aとして冷却固化される。
したがって、この図2の紙基材1aは、図1の白色不透明の紙基材1と異なり、加熱された部分が、透明であると共に、有機顔料3を含む塗工液を塗工する前の元の原紙に比べて、透明度が向上している。
この実施形態では、原紙の片面に塗工する有機顔料3を含む塗工液の固形分は、下記表1に示される配合とした。
表1に示すように、塗工液の固形分は、乾燥重量で、有機顔料を80重量%、水性バインダーとしてのラテックスエマルジョンを20重量%とした。
表1の配合における有機顔料としては、中部サイデン株式会社製のバンスターSP765(商品名)を使用した。この有機顔料の平均粒子径は、約0.5μmであり、その融点は、100℃~120℃である。
また、ラテックスエマルジョンとしては、日本ゼオン株式会社製のLX430(商品名)を使用した。
透明度を向上させる上では、有機顔料の配合割合を高めることが望まれるが、原紙に対する塗工液の塗工性等を考慮して、有機顔料を80重量%とした。
この有機顔料とラテックスエマルジョンからなる固形分を含む塗工液を、原紙の片面に塗工し、原紙の内部に浸透させる。
このように塗工液は、有機顔料のラテックスエマルジョンを含んでいるので、塗工液の水分量を少なくして加熱後の収縮を低減することができる。
この塗工液の適切な固形分の濃度を検討するための実験を行った。
この実験では、下記表2に示すように、固形分の濃度を異ならせたNo.1~No.4の4種類の塗工液を調製し、各塗工液をトレーシングペーパーの片面に塗工し、有機顔料の融点以上で加熱し、冷却後の皺の発生状況及び不透明度を評価した。塗工液を塗工したトレーシングペーパーは、ドライヤに入れて加熱した。
トレーシングペーパーは、坪量47g/m、厚み43μm、不透明度32%のトレーシングペーパーを使用した。
不透明度は、JIS-P-8149に準拠して測定した。
塗工液のドライ塗工量は、4g/mとした。
皺の発生状況は、皺が無い又はその上に別の層を問題なく塗工できる場合を「○」、少し皺やうねりが発生したが、その上に別の層を塗工できる場合を「△」、皺が酷く、その上に別の層を塗工できない場合を「×」の3段階で評価した。
No.1~No.4の各固形分濃度の各塗工液を塗工して加熱したトレーシングペーパーは、その不透明度の値が、元の不透明度32%に比べて小さくなっており、いずれも透明度が向上している。
しかし、No.2の固形分20重量%の塗工液では、水の割合が、80重量%と高くなるために、加熱後のトレーシングペーパーの収縮が大きくなって皺やうねりが少し発生し、No.1の固形分10重量%の塗工液では、水の割合が90重量%と更に高くなるために、加熱後のトレーシングペーパーの収縮が一層大きくなって皺の発生が酷く、得られたトレーシングペーパー上に別の層を形成するのが困難であった。
なお、No.2の塗工液を塗工し、加熱して得られたトレーシングペーパーは、上記のように皺の発生は、認められたものの、得られたトレーシングペーパー上に別の層を塗工して形成することが可能であった。
一方、固形分30重量%のNo.3の塗工液を塗工して加熱して得られたトレーシングペーパー、及び、固形分40重量%のNo.4の塗工液を塗工して加熱して得られたトレーシングペーパーは、水の割合が、70重量%及び60重量%と比較的少ないので、皺やうねりの発生は認められなかった。
しかし、固形分が40重量%の塗工液では、粘度が高くなって塗工が難しくなった。
塗工性が良好で、皺やうねりの発生を抑制するために、塗工液中の固形分は、20重量%以上40重量%未満であるのが好ましく、20重量%以上30重量%以下であるのがより好ましい。
次に、粒子状の有機顔料の適切な粒子径について検討するための実験を行った。
この実験では、上記表1に示される配合の有機顔料として、下記表3に示すように、平均粒子径が、0.5μm、1.0μm、2.0μm、10μmの有機顔料をそれぞれ使用し、固形分濃度が25重量%のNo.5~No.8の4種類の塗工液を調製した。調製した各塗工液を、上記の坪量47g/m、厚み43μm、不透明度32%のトレーシングペーパーの片面に、4g/mのドライ塗工量となるように塗工し、有機顔料の融点以上で加熱し、冷却後の各トレーシングペーパーの不透明度をそれぞれ測定した。
表3に示すように、No.8からNo.5へと平均粒子径が小さくなるにつれて、不透明度の値が小さくなり、透明度が向上していることが分る。
有機顔料の平均粒子径が、10μmのNo.8では、不透明度の値が33%であり、元のトレーシングペーパーの不透明度32%よりも大きくなっている。
これは、有機顔料の平均粒子径が10μmと比較的大きいために、トレーシングペーパーの内部へ完全に浸透することができず、一部が塗工面に残存して透明化を妨げていると思われる。
したがって、粒子状の有機顔料の平均粒子径は、10μm未満であるのが好ましい。
表3では、有機顔料の平均粒子径が、0.5μm以上2.0μm以下で元のトレーシングペーパーに比べて、透明度が向上していることが分かる。
次に、塗工液の塗工量について検討するための実験を行った。
この実験では、上記表3のNo.5と同じ塗工液、すなわち、平均粒子径が0.5μmの有機顔料を、上記表1の割合で配合した固形分の濃度が25重量%の塗工液を、上記の坪量47g/m、厚み43μm、不透明度32%のトレーシングペーパーの片面に、下記表4のNo.5~No.11に示すように、塗工量を異ならせて塗工し、有機顔料の融点以上に加熱し、冷却後の皺の発生状況及び不透明度を評価した。No.12については、厚みが43μmではなく、略2倍の厚みである85μmのトレーシングペーパーの両面に塗工した場合を示している。
この表4において、No.5、No.9、No.10、及び、No.11は、塗工液のウェット塗工量が、16g/m、24g/m、32g/m、及び、8g/mとなるようにそれぞれ塗工した。
上記のように固形分濃度は、いずれも25重量%であるので、No.5、No.9、No.10、及び、No.11の塗工液のドライ塗工量は、4g/m、6g/m、8g/m、及び、2g/mであり、No.5は、上記表3のNo.5と同じドライ塗工量である。
略2倍の厚みのトレーシングペーパーの両面に塗工液を塗工したNo.12は、トレーシングペーパーの各面に、No.5と同様に、塗工液のウェット塗工量16g/mでそれぞれ塗工した。したがって、両面では、ウェット塗工量は、16×2g/mとなり、ドライ塗工量は、4×2g/mとなる。
表4では、体積当たりの有機顔料のドライ塗工量を併せて示している。
No.11の塗工液のドライ塗工量2g/mでは、有機顔料の含有量が、1.6(=2×0.8)g/mであるので、体積当たりの有機顔料のドライ塗工量は、37.21kg/mであり、No.5、9、10、11、12の中で、有機顔料のドライ塗工量は最も少ない。この有機顔料のドライ塗工量が最も少ないNo.11では、不透明度が29%であり、トレーシングペーパーの元の不透明度32%に比べて透明度が向上している。したがって、体積当たりの有機顔料のドライ塗工量は、このNo.11の37.21kg/m以上であるのが好ましい。
No.10のドライ塗工量8g/mでは、有機顔料の含有量が、6.4(=8×0.8)g/mであるので、体積当たりの有機顔料のドライ塗工量は、148.84kg/mであり、No.5、9、10、11、12の中で、有機顔料のドライ塗工量は最も多い。この有機顔料のドライ塗工量が最も多いNo.10では、塗工性が悪く、また、有機顔料の使用量が多くなってコストが高くなる。したがって、塗工性及び経済性の観点から、体積当たりの有機顔料のドライ塗工量は、このNo.10の148.84kg/m未満であるのが好ましい。
また、このNo.10では、水の量が、24(=32-8)g/mと多いので、加熱後のトレーシングペーパーの収縮が大きくなって皺の発生が酷く、得られたトレーシングペーパー上に別の層を形成するのが困難であった。また、不透明度を測定することができなかった。
皺の発生を抑制するためには、水の量は、24(=32-8)g/m未満とするのが好ましい。
No.9のドライ塗工量6g/mでは、有機顔料の含有量が、4.8(=6×0.8)g/mであるので、体積当たりの有機顔料のドライ塗工量は、111.63kg/mであり、有機顔料のドライ塗工量は、上記No.10についで2番目に多い。この体積当たりの有機顔料のドライ塗工量が2番目に多いNo.9では、不透明度が25%であり、No.11の不透明度29%に比べて透明度が向上している。
上記のように、体積当たりの有機顔料のドライ塗工量は、No.10の148.84kg/m未満であるのが好ましく、透明度が向上しているNo.9の有機顔料のドライ塗工量である111.63kg/m以下であるのがより好ましい。
また、上記のように体積当たりの有機顔料のドライ塗工量は、No.11の37.21kg/m以上であるのが好ましいので、体積当たりの有機顔料のドライ塗工量は、37.21kg/m以上111.63kg/m以下であるのが好ましい。
No.5のドライ塗工量4g/mでは、有機顔料の含有量が、3.2(=4×0.8)g/mであるので、体積当たりの有機顔料のドライ塗工量は、74.42kg/mである。このNo.5では、不透明度が21%であり、No.11の不透明度29%に比べて透明度が一層向上している。
略2倍の厚みのトレーシングペーパーの各面に、No.5と同様に、ドライ塗工量4g/mをそれぞれ塗工したNo.12は、体積当たりの有機顔料のドライ塗工量が、No.5と略同じ75.29kg/mである。このNo.12は、透明度が、No.5と同じ21%であった。すなわち、体積当たりの有機顔料のドライ塗工量が略同じであれば、薄いトレーシングペーパーの片面に塗工しても、厚いトレーシングペーパーの両面に塗工しても略同じ不透明度となることが分かる。
このNo.5の不透明度21%及び上記No.9の不透明度25%は、いずれもNo.11の不透明度29%に比べて透明度が向上しているので、体積当たりの有機顔料のドライ塗工量は、No.5の74.42kg/m以上であって、No.9の111.63kg/m以下であるのが、より好ましい。
図1に示される紙基材1は、加熱によって溶融する有機顔料3を含有しているので、必要なタイミングで、有機顔料3の融点以上に加熱することによって、有機顔料3が溶融して、パルプ繊維4の隙間に入り込んで隙間を埋めることによって透明にすることができると共に、元の原紙に比べて透明度を向上させることができる。
したがって、必要な時に紙基材1を加熱して透明な紙基材1にすることができる。
この場合、紙基材1の全体を有機顔料3の融点以上に加熱すれば、紙基材1の全体を透明することができるし、紙基材1の任意の部分を、その部分に対応した熱板等によって、有機顔料3の融点以上に加熱すれば、任意の部分の有機顔料3を溶融させて、パルプ繊維4の隙間に入り込ませて隙間を埋めることで、任意の部分を透明にすることができる。
したがって、例えば、紙基材1からなる包装紙において、その一部分以外、例えば、バーコードが印字される部分以外を加熱して透明にすると共に、バーコードが印字される部分は、白色のまま残しつつ、包装紙を透明にして内部を視認できるようにするといったことが可能となる。
また、例えば、文字や図形の形状などに応じた部分を加熱して、文字や図形の形状などに応じた部分を透明にすることによって、下地の色を視認可能として、下地の色で文字や図形の形状などを表示するといったデザイン的な利用が可能となる。
この実施形態では、白色不透明の紙基材1をユーザーに提供し、ユーザーが所望のタイミングで紙基材1の全体、あるいは、任意の部分を、有機顔料3の融点以上に加熱して透明化して使用するようにしてもよい。
また、白色の紙基材1の全体、あるいは、任意の部分を、有機顔料3の融点以上に加熱して透明化し、透明化した紙基材をユーザーに提供するようにしてもよい。
上記実施形態では、原紙に有機顔料を含む塗工液を塗工して原紙の内部に有機顔料を浸透させたが、原紙を、有機顔料を含む塗工液に含浸して、原紙の内部に有機顔料3を浸透させてもよい。
1,1a 紙基材
2 原紙
3,3a 有機顔料
4 パルプ繊維

Claims (10)

  1. 加熱によって溶融し、平均粒子径が、0.5μm以上10μm未満の粒子状の有機顔料を含有し
    前記有機顔料は、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン及びこれらの共重合体からなる群から選択される、
    ことを特徴とする紙基材。
  2. 当該紙基材の少なくとも一部の前記有機顔料が、溶融固化されている、
    請求項1に記載の紙基材。
  3. 当該紙基材が、無機顔料を含有していない、
    請求項1または2に記載の紙基材。
  4. 当該紙基材が、トレーシングペーパーまたはグラシン紙である、
    請求項3に記載の紙基材。
  5. 原紙に、塗工液を塗工または含浸させて紙基材を製造する方法であって、
    前記塗工液が、加熱によって溶融し、平均粒子径が、0.5μm以上10μm未満の粒子状の有機顔料を含み、
    前記有機顔料は、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン及びこれらの共重合体からなる群から選択される、
    ことを特徴とする紙基材の製造方法。
  6. 前記塗工液を、前記原紙の少なくとも片面に塗工する工程を備える、
    請求項5に記載の紙基材の製造方法。
  7. 前記塗工液を塗工した前記原紙の少なくとも一部を加熱して、前記有機顔料の少なくとも一部を溶融固化させる工程を備える、
    請求項6に記載の紙基材の製造方法
  8. 前記塗工する工程における単位体積当たりの前記有機顔料のドライ塗工量が、37.21kg/m以上111.63kg/m以下である、
    請求項6または7に記載の紙基材の製造方法。
  9. 前記塗工液が、前記有機顔料のエマルジョンを含む水性の塗工液である、
    請求項5ないし8のいずれか一項に記載の紙基材の製造方法。
  10. 前記原紙が、トレーシングペーパーまたはグラシン紙である、
    請求項5ないし9のいずれか一項に記載の紙基材の製造方法。
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