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JP7764355B2 - 電源重畳通信装置および電源重畳通信システム - Google Patents
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JP7764355B2 - 電源重畳通信装置および電源重畳通信システム - Google Patents

電源重畳通信装置および電源重畳通信システム

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Description

本発明は、電源重畳通信装置および電源重畳通信システムに関する。
近年、車両に搭載される装置間での信号伝送において、ツイストペアケーブルを用いた信号伝送の高速化が進んでいる。例えば、車載イーサネットでは、これまでの中心であった100Mbpsを伝送する100BASE-T1から、Gbps以上の伝送を可能とする1000BASE-T1やマルチギガから25G BASE-T1まで規格化が進みつつある。
また、カメラを中心としたセンサとの通信規格であるMIPI A-PhyでもGbps超の高速信号をツイストペアケーブルで伝送する方式の規格化が進んでいる。
さらに、これらの規格では,ハーネス軽量化のため、信号伝送のためのケーブルに電源を重畳して伝送する電源重畳技術(PoDL:Power over Data Line)の標準化も進められている。
このような車載ケーブル伝送の高速化により課題となるのは、高周波化に伴うEMC性能の維持である。信号伝送に用いられる電流スペクトルがGHz帯を超える領域まで大きいレベルで存在するため、この高周波帯の放射を抑制する必要がある。
また、それと同時に、通信LSIがGHz帯まで信号を授受する感度を有するため、GHz帯のノイズの回り込みも抑制する必要がある。
このような車載ケーブル伝送の高速化により課題となるのは、高周波化に伴うEMC性能の維持である。信号伝送に用いられる電流スペクトルがGHz帯を超える領域まで大きいレベルで存在するため、この高周波帯の放射を抑制する必要がある。また、それと同時に、通信LSIがGHz帯まで信号を授受する感度を有するため、GHz帯のノイズの回り込みも抑制する必要がある。
本発明で対象とする差動方式による信号伝送では、理想的には差動伝送路を構成するPositive(P)側の伝送路と、Negative(N)側の伝送路とが対称となっていることで、逆相の電流が流れたときにそれぞれの配線に電流が流れるときに生じる磁界をキャンセルすることができ、放射を抑制することができる。
また、両者の信号配線に共通のノイズ(コモンモードノイズ)が重畳したときに、差動レシーバでキャンセルすることができ、外来ノイズに対する耐性を向上することができる。
しかしながら、差動伝送路を構成するP、Nの信号配線において、様々な要因により生じる電気特性バラツキにより差動バランスが乱れることで、この差動伝送のメリットを享受できなくなり、EMC性能が悪化する。この差動ラインのばらつきの度合いはモード変換ロスで定義され、特に10MHz以上の高周波領域において、EMC性能の判断基準として用いられる。
これは、差動配線において、差動モードがコモンモードに変換される量、あるいはコモンモードが差動モードに変換される量を表すものであり、これが大きいと意図しないコモンモード成分の発生による放射ノイズの増加や、コモンモード成分が差動成分に変換されることによるノイズ耐性の劣化が発生してしまう。
本発明に関する先行技術文献として、特許文献1が知られている。特許文献1には、電子装置間をツイストペアケーブルで接続し、ツイストペアケーブルに差動信号と電源とを重畳させて伝送するシステムが開示されている。
このシステムでは、信号ライン上には直流カット用のコンデンサを配置し、また電源ライン上にはコモンモードチョークコイルやインダクタ等のフィルタ素子をPoDLフィルタとして挿入している。
これにより、フィルタ素子の周波数範囲に応じて信号と電源の分離を行っている。
米国特許第10,594,519号公報
特許文献1の技術は、通信回路とツイストペアケーブルの間にフィルタ素子を配置することにより、配線基板上の回路からツイストペアケーブルへのコモンモードノイズの漏洩を低減するとともに、ツイストペアケーブルが拾ったコモンモードノイズが配線基板上の回路まで伝搬されることを抑制するものである。
ただし、伝送系を構成するPoDLフィルタ部品において電源重畳により、P・N間で電気特性のアンバランスが生じた場合に、伝送路のモード変換ロスが大きくなり、EMC性能を悪化させてしまうことが課題であった。特に、低周波では、PoDLフィルタ部品のインダクタ成分のばらつきがバイアス電圧の大小の差により発生し、モード変換ロスの増加に寄与することが課題であった。
特許文献1は、モード変換ロスの増加については、考慮されていない。
なお、モード変換ロスは、Mixed Mode S-Parameter のScdの項で表現されるものである。
本発明の目的は、電気的特性のバラツキによるモード変換ロスの増加を抑制可能な電源重畳通信装置および電源重畳通信システムを実現することである。
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
電源重畳通信装置は、差動信号配線に接続される第1の信号配線及び第2の信号配線を有する第1の差動配線と、前記第1の信号配線及び前記第2の信号配線に、それぞれ第1の印加電圧と、第2の印加電圧と、を供給する第1の電源素子と、一端側が前記第1の信号配線に接続される第1の高周波カットフィルタと、一端側が前記第2の信号配線に接続される第2の高周波カットフィルタと、第1のコイルおよび第2のコイルを有し、前記第1のコイルの一方端が前記第1の高周波カットフィルタの他端側に接続され、前記第2のコイルの一方端が前記第2の高周波カットフィルタの他端側に接続され、前記第1のコイルと前記第2のコイルとは互いに逆巻きで磁気結合する第1のインダクタと、を備え、前記差動信号配線に電源が重畳される電源重畳通信装置であって、前記第1の高周波カットフィルタのインダクタンス値L1と前記第1のインダクタの前記第1のコイルのインダクタンス値L3はL1<1.5×L3の関係であり、前記第2の高周波カットフィルタのインダクタンス値L2と前記第1のインダクタの前記第2のコイルのインダクタンス値L4はL2<1.5×L4の関係である。
本発明によれば、電気的特性のバラツキによるモード変換ロスの増加を抑制可能な電源重畳通信装置および電源重畳通信システムを実現することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1に係る電源重畳通信システムの構成を示す図である。 本発明とは異なる例のPoDLフィルタの回路構成の第1の例を示す図である。 本発明とは異なる例のPoDLフィルタの回路構成の第2の例を示す図である。 本発明の実施例1に係る電源重畳通信装置の構成を示す図である。 4端子インダクタ部品の等価回路を示す図である。 本発明の効果を示す図である。 本発明の効果を示す図である。 本発明で解決する課題を説明する図である。 本発明で扱う数値の根拠を説明する図である。 本発明で扱う数値の根拠を説明する図である。 本発明の実施例2に係る回路構成を示す図である。 本発明の実施例3に係るレイアウトパターンを示す図である。 本発明の実施例4に係る回路構成を示す図である。 本発明の実施例5に係る回路構成を示す図である。 本発明の実施例6に係る電源重畳通信システムの構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係る電源重複通信装置1-1(第1の電源重複通信装置)、1-2(第2の電源重複通信装置)を有する電源重複通信システムの構成を示す図である。
図1において、電子装置である電源重畳通信装置1-1は、ケーブルコネクタ16-1を介してツイストペアケーブル(差動信号配線)8に繋がれ、外部の他の電子装置である電源重畳通信装置1-2と接続されて、信号伝送が行われる。また、同時に電源重畳通信装置1-1から電源重畳通信装置1-2に対して、ツイストペアケーブル8に信号に加えて電源電流を重畳することで、電源の供給を行う。
電源重畳通信装置1-1では、通信を行うための通信LSI2-1とケーブルコネクタ16-1の間は、プリント回路基板上にレイアウトされた差動配線5-1で接続される。差動配線5-1は、P側の信号配線6-1(第1の信号配線)とN側の信号配線7-1(第2の信号配線)との対で構成される。
通信LSI2-1とケーブルコネクタ16-1の間には、DC電位をカットするためのAC結合キャパシタ14P-1、14N-1、通信LSIに流入するコモンモードノイズを低減するためのコモンモードチョークコイル(CMCC)15-1、静電破壊を回避するための静電保護素子17P-1、17N-1が配置される。また、信号配線に電源を重畳するための電源素子(電源IC)30-1(第1の電源素子)、電源ラインと信号ラインを接続するための電源重畳用のフィルタ(PoDLフィルタ)10-1(4端子差動モードインダクタ(第1のインダクタ))、第1の高周波カットフィルタである11-1(2端子差動モードインダクタ(第2のインダクタ))、第2の高周波カットフィルタである11-2(2端子差動モードインダクタ(第2のインダクタ))が配置される。電源素子30-1は、外部の電源(図示せず)から電圧Vbatが供給される。
電源素子30-1は、第1の信号配線6-1及び第2の信号配線7-1に、それぞれ第1の印加電圧Vout、Pと、第2の印加電圧Vout、Nと、を供給するように構成されている。
4端子差動モードインダクタ10-1は、互いに逆方向に巻かれ、磁気的に結合する2つのコイルを内在する。
つまり、4端子差動モードインダクタ10-1の一方側のコイル(第1のコイル)は、一端側が第1の高周波カットフィルタである2端子差動モードインダクタ11-1の他端側に接続され、4端子差動モードインダクタ10-1の他方側のコイル(第2のコイル)は、一端側が第2の高周波カットフィルタである2端子差動モードインダクタ11-2の他端側に接続されている。そして、4端子差動モードインダクタ10-1の一方側のコイルと、他方側のコイルとは、逆巻きで磁気結合する。
4端子差動モードインダクタ10-1の一方側のコイルは、第1のインダクタと定義し、4端子差動モードインダクタ10-1の他方側のコイルは、第2のインダクタと定義することができる。
PoDLフィルタの構成の詳細については後ほど詳細に説明する。
また、通信LSI2-1は情報処理LSI9-1と接続され、情報処理LSI9-1は通信LSI2-1とデータをやり取りして各種の処理を行う。電源重畳通信装置1-2も、電源重畳通信装置1-1と同様の回路構成である。
つまり、電源重畳通信装置1-2は、ケーブルコネクタ16-2、P側の信号配線6-2(第3の信号配線)、N側の信号配線7-2(第4の信号配線)、静電保護素子17N-2、17P-2、差動モードインダクタ10-2(4端子インダクタ(第2のインダクタ))、11-3(2端子インダクタ(第3の高周波カットフィルタ))、11-4(2端子インダクタ(第4の高周波カットフィルタ))、コモンモードチョークコイル15-2が配置されている。
また、電源重畳通信装置1-2は、AC結合キャパシタ14P-2、14N-2、通信LSI2-2、情報処理LSI9-2、電源素子30-2(第2の電源素子)が配置されている。電源素子30-2は、信号配線6-2(第3の信号配線)及び信号配線7-2(第4の信号配線)を介して、それぞれ第1の印加電圧Vout、Pと、第2の印加電圧とVout、Nが供給され、動作電圧に変換する。
ただし、電源重畳通信装置1-2における電源素子30-2は、電源重畳通信装置1-1の電源素子30-1のように外部の電源からの電圧は供給されてはいない。電源重畳通信装置1-2における電源素子30-2は、信号配線に重畳して電源重畳通信装置1-1から供給される電圧が供給される。
なお、この構成は一般的な回路構成であり、ここに記載されている以外の構成要素(例:コモンモード終端部品、フィルタ部品、電源重畳フィルタ部品など)が追加されてもよく、ここに記載されている部品の一部が構成要素に含まれない場合もある。
電源重畳通信装置1-1、1-2のEMC性能の代表値としてモード変換ロスがある。ケーブルコネクタ16-1、16-2から、ネットワークアナライザを活用して測定したScd11の値が目標値よりも小さいかを確認することで、EMC性能の合否を判定することができる。このような電源重畳通信装置1-1、1-2の例としては、自動車の自動運転電子制御装置(AD-ECU)がある。
本発明における構成要素の特徴は、このモード変換ロスを低く抑えることを目的としたPoDLフィルタの回路構成にある。本発明とは異なるフィルタ部品の課題と効果の差分を含めて、図2ないし図6Bを用いて説明する。
図2に、本発明とは異なる例のPoDLフィルタの回路構成の第1の例(比較例1)を示す。この例では、4端子インダクタ部品である差動モードインダクタ10-1をPoDLフィルタとして活用している。
差動モードインダクタ10-1は、コイルの巻く向きが互いに逆の2つのコイルを平行に近接配置して磁気的に強く結合させることで、部品の自己共振周波数を中心に差動インピーダンスを高くして、高周波の差動電流の流入を防ぐ働きがある。これにより、差動伝送路であるP側の信号配線6-1を通過する高周波の差動信号が、電源素子30-1側に漏れないようにする。
4端子差動モードインダクタ10-1の簡易等価回路を図5に示す(4端子差動モードインダクタ10-2も同様な等価回路である)。
図5において、4端子差動モードインダクタ10-1は、第1のコイル12-1および第2のコイル12-2を有し、第1のコイル12-1の一方端が第1の高周波カットフィルタ11-1の他端側に接続され、第2のコイル12-2の一方端が第2の高周波カットフィルタ11-2の他端側に接続され、第1のコイル12-1と第2のコイル12-2とは互いに逆巻きで磁気結合する。
逆向きの2つのコイル12-1(第1のコイル)と12-2(第2のコイル)は同じインダクタンス値を有する。また、これらコイル12-1と12-2とは互いに強く結合する必要があり、同一部品内に近接配置しているため、コイル間に寄生容量13-1、13-2が存在する。
このような回路構成における電気特性上の課題について、図6Aおよび図6Bを用いて説明する。図6Aに挿入損失を示す。図2で説明した、本発明とは異なる比較例1では、数百MHzを超えたところから挿入損失の劣化が生じため、数Gbps級の信号伝送の性能達成において課題があった。
次に、図3に本発明とは異なる、PoDLフィルタの回路構成の第2の例(比較例2)を示す。この例では、2端子インダクタ部品11-1、11-2をPoDLフィルタとして活用している。2端子インダクタ部品11-1、11-2の自己共振周波数を中心に差動インピーダンスを高くして、高周波電流の流入を防ぐ働きがある。
これにより、差動配線5-1(第1の差動作動配線)を通過する高周波のP側信号、N側信号のそれぞれが、電源素子30-1側に漏れないようにする。このような回路構成における電気特性上の課題について、図6Aおよび図6Bを用いて説明する。
図6Aはモード変換ノイズの特性を示す。図3で説明した比較例2では、100MHzを下回るところでモード変換ノイズが大きく増加していることがわかる。これは、電源素子30-1を介して電圧を印加している状態では、P側配線に接続された2端子インダクタ部品11-1にはグランドに対して高い電圧(例:12V)が印加される一方で、N側に接続された2端子インダクタ部品11-2にはグランドと同電位(0V)が印加された状態になるため、P側の2端子インダクタ部品11-1のみ電圧印加によるインダクタンスの低下が起こり、PとNでインダクタンス値のバランスが崩れ、この差分がモード変換ロスの原因となる。
この図6Aでは、Ethernet 1000BASE-T1の規格値を参考に表示しているが、数十MHz以下で仕様を逸脱してしまっていることがわかる。他方、挿入損失の観点では、独立した2端子部品をPとNの配線にそれぞれ実装するため、図6Aに示すように、差動伝送路に対する損失への悪影響はほとんどない。
なお、図3に示した回路構成で問題になる低周波のモード変換ノイズの問題は、図2の回路構成ではほとんど現れない。これは4端子インダクタでは、実効インダクタンスが相互インダクタンスとの和で表せられ、片方インダクタの影響を打ち消す効果が得られるためである。
以上まとめると、比較例1ではモード変換ノイズは低く抑えられるが挿入損失に問題があり、Gbps級の高周波対応が難しい。他方、比較例2では挿入損失に問題はないが、バイアス印加状態でモード変換ノイズが増加する問題がありEMC性能の達成が難しい。
そこで、本発明では、図4に示す構成のように、P側の信号配線6-1とN側の信号配線7-1に、それぞれ2端子差動モードインダクタ11-1、11-2を接続し、その先に4端子差動モードインダクタ10-1を接続して、電源素子30-1に繋ぐ。
この構成では、信号配線に接続する2端子差動モードインダクタ11-1、11-2が高周波成分をカットする役割を果たし、信号の高速伝送性能に効果的に働く。他方、電圧バイアス印加による2端子差動モードインダクタ11-1、11-2のインダクタンスバランス変化の影響に対しては、バイアス電圧の影響を受けにくい4端子差動モードインダクタ10-1を直列に接続して、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2の影響度を相対的に減らすことで軽減し、モード変換ノイズを抑制する。
図4は、電源重畳通信装置1-1を示したが、電源重畳通信装置1-2も、電源重畳通信装置1-1と同様に、P側の信号配線6-1とN側の信号配線7-1に、それぞれ2端子差動モードインダクタ11-1、11-2を接続し、その先に4端子差動モードインダクタ10-1を接続して、電源素子30-1に繋ぐ構成となっている。
図6Aに、実施例1の回路構成をとった場合の挿入損失を示し、図6Bに実施例1のモード変換ノイズの特性を表す。図6Aおよび図6Bに示すように、高速伝送性とEMC性能の両立が実現できている。
図7に、本発明の実施例1である図4の回路構成を取った場合のモード変換ノイズの周波数特性を示す。
図7に示すように、モード変換ノイズの極大値を取る周波数領域が2か所あり、それぞれ点線で囲っている。
1つ目は低周波側に存在する領域1であり、電圧を印加することで、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2のインダクタンス値のバランスが崩れることでモード変換ノイズを増加させる成分である。
2つ目は高周波側に存在する領域2であり、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2のインダクタンス成分と、4端子差動モードインダクタ10-1の容量成分とにより生ずるLC反共振によるインピーダンスピークが、P側とN側でずれることにより生ずるインピーダンスアンバランス化に起因する成分である。
図7を見るとわかるように、実施例1による回路構成においても、領域1のモード変換ノイズが大きくなる場合がある。これは、PoDLフィルタを構成する2端子差動モードインダクタ11-1、11-2のインダクタンス値と、4端子差動モードインダクタ10-1のインダクタンス値と、の比率が不十分な場合に、相対的に2端子差動モードインダクタ11-1、11-2のインダクタンスの変化が大きく見えてしまい、4端子差動モードインダクタ10-1のインダクタンス値の安定性の恩恵が受けられないためである。
ここで、より定量的な議論をする。車載Ethernet規格である1000BASE-T1の規格値を基準に考えると、P・N間のインダクタンス値の差分を5%未満にすると、基準に対してマージンを持ったモード変換ノイズ量となることが目安となることを解析的に確認した。ただし、この5%のクライテリアはインダクタンス値によって変わるのであくまで参考値である。
すなわち、P側の2端子差動モードインダクタ11-1、11-2のインダクタンス値のバイアスによる変化が、4端子差動モードインダクタ10-1のインダクタンス値も含めた全体のインダクタンス値に対して5%未満になるように部品の電気特性値を選択すればよい。
これを実現するために重要なのは、2端子差動モードインダクタ11-1のインダクタンス値(L1)と、2端子差動モードインダクタ11-2のインダクタンス値(L2)と、4端子差動モードインダクタ10-1の第1のコイル12-1のインダクタンス値(L3)と、4端子差動モードインダクタ10-1の第2のコイル12-2のインダクタンス値(L4)との比率である。
4端子差動モードインダクタ10-1は相互インダクタンスもあるため、厳密な数値を数式的に求めるのは困難であるため、パラメトリック解析でモード変換ノイズの規格値に対してマージン確保可能な設計空間マップをシミュレーションにより求めた。
実験により、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2のバイアス電圧による変動量は、10V印加時に8%~10%程度あった。例えば、1000BASE-T1規格では12Vから48Vのバイアス電圧を印加する議論がなされているため、10V印加時の8%変動がL1で生じることを前提に、L1(L2)とL3(L4)の数値の組み合わせによりモード変換ノイズのマージン量がどのように変わるかを知るための設計空間マップを図8のように求めた。
この結果、図7で示した領域1でマージンを確保するためには、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2のインダクタンス値L1、L2が、4端子差動モードインダクタ10-1(差動モードインダクタ、Differential Mode Inductor:DMI)のインダクタンス値L3、L4の1.5倍未満となることで、様々なL値でマージン確保が可能であることを確認した。
すなわち、L1<1.5×L3、L2<1.5×L4の式を満たすことが本発明の効果を発揮する条件式となる。図8の破線で示す傾斜する直線から矢印aから先の領域である。
上述した考察から、第1の高周波カットフィルタである2端子差動モードインダクタ11-1のインダクタンス値L1と4端子差動モードインダクタ10-1の一方側(第1のインダクタ(第1のコイル12-1))のインダクタンス値L3は、L1<1.5×L3の関係であり、第2の高周波カットフィルタである2端子差動モードインダクタ11-2のインダクタンス値L2とである10-1の他方側(第2のインダクタ(第2のコイル12-2))のインダクタンス値L4はL2<1.5×L4の関係である。
以上のように、本発明の実施例1においては、電源重畳通信装置1-1、1-2は、P側の信号配線6-1とN側の信号配線7-1に、それぞれ2端子差動モードインダクタ11-1、11-2を接続し、その先に4端子差動モードインダクタ10-1を接続して、電源素子30-1に繋ぐ構成となっている。
よって、電気的特性のバラツキによるモード変換ロスの増加を抑制可能な電源重畳通信装置および電源重畳通信システムを実現することができる。つまり、Gbps級の信号伝送性能を達成しながらEMC性能を向上する電源重畳通信装置および電源重畳通信システムを実現することができる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について説明する。
実施例2の全体構成は、実施例1と同様であるので、全体構成の図示は省略し、実施例1との相違点のみ説明する。
図8を用いて、本発明の実施例2に係る部品パラメータの制約値について説明する。先に説明したように、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2のインダクタンス値は、4端子差動モードインダクタ10-1のインダクタンス値に対して相対的に小さい方が良い。ただし、値そのものが小さい場合に悪影響を与える副次効果が表れる。
すなわち、図7で示した領域2の特性である。この特性は、2端子差動モードインダクタ11-1、1-2と4端子差動モードインダクタ10-1の寄生成分の共振により生ずると前述した。この極大値は、その共振のQ値が高いほど、鋭いインピーダンスピークの特性差になり、大きなモード変換ノイズを生じてしまう。
すなわち、この共振のQ値を一定以下に抑えることが重要である。並列LC共振のQ値を抑えるためにはL値を大きくすることが必要となる。4端子差動モードインダクタ10-1に一般的に寄生するサブpFから1pF程度の寄生容量との共振を想定して、図8のように解析空間を求めると、L1のインダクタンス値が2.1μHより大きい場合に規格値に対してマージンを持つことを求めた。
すなわち、図4に示した回路構成において、実施例1の数値限定に加えて、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2のインダクタンス値を2.1μH以上とすることが、本発明の実施例2である。図8に示すように、破線から矢印aで示す方向の領域(L1<1.5×L3)であって、一点鎖線から矢印bで示す方向の領域(L1≧2.1μH)とする。
電源重畳通信装置1-2の2端子差動モードインダクタ11-3、11-4のインダクタンス値も2.1μH以上とする。
実施例2によれば、実施例1と同様な効果を得ることができる他、モード変換ノイズをさらに抑制することができるという効果を得ることができる。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3について説明する。
実施例3の全体構成は、実施例1と同様であるので、全体構成の図示は省略し、実施例1との相違点のみ説明する。
図9と図10を用いて、本発明の実施例3に係る回路構成と部品パラメータの制約値について説明する。
先に説明したように、図7で示した領域2の特性は、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2と4端子差動モードインダクタ11-1、11-2の寄生成分の共振により生じ、その極大値は共振のQ値に依存する。この共振のQ値を一定以下に抑えることが重要である。
先ほどは、L値を一定以上大きくすることでQ値を抑える条件について説明した(図9のLine2)。なお、Q値を抑制する他の手段として、LC並列共振回路に対して、並列に抵抗を挿入する方法がある。
具体的には、図10に示すように、2つの2端子差動モードインダクタ11-1、11-2に並列にそれぞれ抵抗部品3-1、3-2を接続する。この時、これら抵抗部品3-1、3-2の抵抗値は500Ω~1.5kΩの間の値をとる。下限である500Ωは信号配線の特性インピーダンス50Ωの10倍の値であり、信号配線からの漏洩を抑制するために最低限必要な値である。
また、上限の1.5kΩは、Q値を下げるためには抵抗値が一定値以下まで小さくなる必要があり、その限界値である。
図9には、実施例1、実施例2の境界線に加えて、並列抵抗3-1、3-2を挿入した場合の2端子差動モードインダクタ11-1、11-2の境界条件の変化を示す。抵抗を並列に挿入すると、抵抗によるQ値低減効果が加わるため、インダクタの下限値の制約が低くなる。具体的には1.5μHまで境界条件が下がる。
すなわち、500Ω~1.5kΩの抵抗部品を並列に繋いだ場合、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2のインダクタンス値は1.5μH以上であれば良い。
図9には参考までに、境界条件付近のモード変換ノイズの解析結果を表す。ここで求めた境界条件を逸脱すると、わずかながら規格値を逸脱していることが確認できる。
なお、図10は、電源重畳通信装置1-1における構成を示したが、電源重畳通信装置1-2における2端子差動モードインダクタ11-3、11-4にも、それぞれ並列に抵抗を接続することができる。この場合、2端子差動モードインダクタ11-3、11-4のインダクタンス値も、1.5μH以上であれば良い。
実施例3によれば、実施例1、実施例2と同様な効果を得ることができる他、抵抗を2端子差動モードインダクタ11-1、11-2に並列に挿入して、抵抗によるQ値低減効果を加えることにより、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2の下限値の制約を低くすることができるという効果がある。
(実施例4)
次に、本発明の実施例4について説明する。
実施例4の全体構成は、実施例1と同様であるので、全体構成の図示は省略し、実施例1との相違点のみ説明する。
図11は、本発明の実施例1に係る実装パターンを示す図である。図11に示すように、電源重畳通信装置1-1におけるプリント基板19の表面(一面)には、差動配線5-1を構成するP側の信号配線6-1と、N側の信号配線7-1とが形成されている。そして、差動配線5-1の両脇に、それぞれ2端子差動モードインダクタ部品11-1、11-2が形成され、差動配線5-1に接続されている。
また、2端子差動モードインダクタ部品11-1、11-2は、スルーホール18-1、18-2を介してプリント基板19の裏面(他面)に実装された4端子差動モードインダクタ10-1と接続される構成とする。4端子差動モードインダクタ10-1には、プリント基板19の裏面に形成された電源供給線GおよびVにより電源が供給される。
図11に示した構成とすることで、P側の配線6-1とN側の配線7-1との配線間の距離を一定に保つことができ、2つの配線であるP側の信号配線6-1とN側の信号配線7-1とからなる差動インピーダンスを一様に保ち、高周波電気特性を良好に保つことができるという効果がある。
図11は、電源重畳通信装置1-1の例であるが、電源重畳装置1-2も同様な構成となっている。
なお、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2と同じ層(面)に、4端子差動モードインダクタ10-1を配置する場合は、P側の信号配線6-1とN側の信号配線7-1を、4端子差動モードインダクタ10-1を大きく迂回するように外側に配線しなければならない。
この場合、P側の信号配線6-1とN側の信号配線7-1の電磁結合が変化し、インピーダンス不整合の要因になる他、P側の信号配線6-1とN側の信号配線7-1とに対するノイズ混入量の差によるノイズ耐性の劣化が発生するデメリットもある。
よって、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2と、4端子差動モードインダクタ10-1とは、プリント基板の表面と裏面とに別箇配置する等の対策を行うことにより、ノイズ耐性の劣化を防止することができる。
実施例4は、上述した実施例1~3のいずれかと同様な構成としたうえで、図11に示すような構成とすることができる。
実施例4によれば、実施例1、2、3と同様な効果を得ることができる他、P側の信号配線6-1とN側の信号配線7-1とからなる差動インピーダンスを一様に保ち、高周波電気特性を良好に保つことができるという効果を得ることができる。
(実施例5)
次に、本発明の実施例5について説明する。
実施例5の全体構成は、実施例1と同様であるので、全体構成の図示は省略し、実施例1との相違点のみ説明する。
図12は、本発明の実施例5に係る回路構成を示す図である。図12に示した例は、実施例1で説明した回路構成の2端子差動モードインダクタ11-1、11-2を、さらに多数のインダクタで構成した例である。
図12に示した例では、P側の信号配線6-1に2つの2端子差動モードインダクタ11-1、11-5を直列に接続し、N側の信号配線7-1に2つの2端子差動モードインダクタ11-2、11-6を直列に接続し、それらの先に4端子差動モードインダクタ10-1が配置された構成とする。
このように、2端子差動モードインダクタ11-1および11-5と、11-2および11-6との2つに分けるメリットは、異なる自己共振周波数のインダクタ部品を複数用いることで、広帯域なフィルタ性能を得ることができるためである。
例えば、実施例1において自己共振周波数700MHzの部品を1つ用いるよりも、自己共振周波数1GHzと500MHzの部品の二つに分解した方が、より広い周波数範囲で高インピーダンスなフィルタを構成できることになる。
この発明における、インダクタンス値の条件としては、実施例1ないし実施例3における2端子重複モードインダクタンス部品のインダクタンス値に対する条件を、二つの2端子重複モードインダクタ部品の合計値で代替して考えれば良い。
すなわち、実施例1のL1と実施例5のL1A+L1Bが等価であると考えればよい。
なお、図12は、電源重畳通信装置1-1の例であるが、電源重畳装置1-2も同様な構成となっている。
実施例5によれば、実施例1、2、3、4と同様な効果を得ることができる他、広帯域なフィルタ性能を得ることができるという効果がある。
(実施例6)
次に、本発明の実施例6について説明する。
実施例6の全体構成は、実施例1と同様であるので、全体構成の図示は省略し、実施例1との相違点のみ説明する。
図13は、本発明の実施例6に係る回路構成を示す図である。実施例6は、差動配線が2対ある場合に、電源供給を共通の電源素子から実施する場合の実施例である。
図13に示すように、差動配線5-1と差動配線5-2(第2の差動配線)があり(図1に示した電源重畳通信装置1-1の差動配線5-1と、電源重畳通信装置1-2の差動配線5-2)、それぞれに2端子差動モードインダクタ11-1、11-2および11-3、11-4が接続されている。さらに、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2および11-3、11-4には1つの4端子差動モードインダクタ10-1が接続され、P側部品である2端子差動モードインダクタ11-1、11-3を4端子差動モードインダクタ10-1の電源側に接続し、N側部品である2端子差動モードインダクタ11-2、11-4を4端子差動モードインダクタ10-1のグランド側に接続する構成とする。
つまり、4端子差動モードインダクタ10-1は、4端子差動モードインダクタ10-1として動作すると共に、4端子差動モードインダクタ10-2としても動作する。
このような構成とすることで、大型部品である4端子差動モードインダクタ10-1を、共通化利用して、部品点数を減らし、コストを低減する効果がある。
このような構成にしても、高周波部分の接続点に2端子差動モードインダクタ11-1、11-2、11-3、11-4が配置されているため、高周波特性は劣化せず、さらに4端子差動モードインダクタ10-1とのインダクタンス値との比率によって、2端子差動モードインダクタ11-1、11-2、11-3、11-4のインダクタンス値バランス変化を保証することが可能である。
実施例6によれば、実施例1と同様な効果を得ることができる他、大型部品である4端子差動モードインダクタ10-1を共通化利用して、部品点数を減らし、コストを低減することができるという効果がある。
(実施例7)
次に、本発明の実施例7について説明する。
実施例7の全体回路構成は、実施例1と同様であるので、全体回路構成の図示は省略し、実施例1との相違点のみ説明する。
図14は、本発明の実施例7に係る適用例を示す図である。実施例7では、将来の車載アーキテクチャとして活用される予定のゾーンアーキテクチャでの活用例を示している。ゾーンアーキテクチャでは、自動車車両40のセントラルECU41を中心に、物理的な位置で決まるゾーン毎にZone ECU42-1、
Zone ECU42-2、Zone ECU42-3、Zone ECU42-4と相互にケーブル8-1、ケーブル8-2、ケーブル8-3、ケーブル8-4、ケーブル8-5などで互いに接続され、各Zone ECU42-1、
Zone ECU42-2、Zone ECU42-3、Zone ECU42-4から先には、さらにZone毎のECU43-1、ECU43-2、ECU43-3、ECU43-4、ECU43-5などと接続されている。
Zone ECU42-1、Zone ECU42-2、Zone ECU42-3、Zone ECU42-4では、電源供給にZone ECU間で電源供給ラインを冗長化した構成をとることが想定され、Zone ECU間を接続するケーブルで電源重畳をすることが想定される。
上述した実施例1~6のうちのいずれかの電源重畳通信装置1-1、1-2を、Zone ECU42-1、Zone ECU42-2、Zone ECU42-3、Zone ECU42-4に適用することができる。
この場合、消費電力の比較的大きいZone ECUへの電力供給をするために、高い電圧を活用することが想定されるため、本発明のPoDLフィルタ回路構成を活用して、高バイアス印加によるEMC性能劣化を回避することが必須となり、実施例7は有効であると考える。
実施例7によれば、実施例1~6の効果を有する車両搭載電源重畳通信システムを実現することができるという効果を得ることができる。
なお、本明細書では車載機器を前提に説明するが、同様な通信システムを利用する他のアプリケーションにも活用できる発明である。例えば、産業用ロボットと電子カメラの間の通信でも同様に効果を発揮することが可能である。
以上説明した各実施形態や各種変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
また、上記では種々の実施形態や変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1-1、1-2・・・電源重畳通信装置(電子装置)、2-1、2-2・・・通信LSI、3-1、3-2・・・抵抗部品、5-1、5-2・・・差動配線、6-1、6-2・・・P側の信号配線、7-1、7-2・・・N側の信号配線、8、8-1、8-2、8-3、8-4・・・ツイストペアケーブル(差動信号配線)、9-1、9-2・・・情報処理LSI、10-1、10-2・・・4端子差動モードインダクタ、11-1、11-2、11-3、11-4、11-5、11-6・・・2端子差動モードインダクタ、12-1、12-2・・・差動モードインダクタ内部のコイル(第1のコイル、第2のコイル)、13-1、13-2・・・差動モードインダクタのコイル間寄生容量、14N-1、14N-2、14P-1、14N-2・・・AC結合キャパシタ、15-1、15-2・・・コモンモードチョークコイル(CMCC)、16-1、16-2・・・ケーブルコネクタ、17N-1、17-2、17P-1、17P-2・・・静電保護素子、18-1、18-2・・・スルーホール、19・・・プリント基板、30-1、30-2・・・電源素子(電源IC)、40・・・自動車車両、41・・・セントラルECU、42-1、42-2、42-3、42-4・・・Zone ECU、43-1、43-2、43-3、43-4・・・ECU

Claims (11)

  1. 差動信号配線に接続される第1の信号配線及び第2の信号配線を有する第1の差動配線と、
    前記第1の信号配線及び前記第2の信号配線に、それぞれ第1の印加電圧と、第2の印加電圧と、を供給する第1の電源素子と、
    一端側が前記第1の信号配線に接続される第1の高周波カットフィルタと、
    一端側が前記第2の信号配線に接続される第2の高周波カットフィルタと、
    第1のコイルおよび第2のコイルを有し、前記第1のコイルの一方端が前記第1の高周波カットフィルタの他端側に接続され、前記第2のコイルの一方端が前記第2の高周波カットフィルタの他端側に接続され、前記第1のコイルと前記第2のコイルとは互いに逆巻きで磁気結合する第1のインダクタと、
    を備え、前記差動信号配線に電源が重畳される電源重畳通信装置であって、
    前記第1の高周波カットフィルタのインダクタンス値L1と前記第1のインダクタの前記第1のコイルのインダクタンス値L3はL1<1.5×L3の関係であり、
    前記第2の高周波カットフィルタのインダクタンス値L2と前記第1のインダクタの前記第2のコイルのインダクタンス値L4はL2<1.5×L4の関係であることを特徴とする電源重畳通信装置。
  2. 電源重畳通信システムであって、
    請求項1に記載の前記電源重畳通信装置からなる第1の電源重畳通信装置と、第2の電源重畳通信装置と、を備え、
    前記第2の電源重畳通信装置は、
    前記差動信号配線に接続される第3の信号配線及び第4の信号配線を有する第2の差動配線と、
    前記第3の信号配線及び前記第4の信号配線を介して、それぞれ第1の印加電圧と、第2の印加電圧とが供給され、動作電圧に変換する第2の電源素子と、
    一端側が前記第3の信号配線に接続される第3の高周波カットフィルタと、
    一端側が前記第4の信号配線に接続される第4の高周波カットフィルタと、
    第3のコイルおよび第4のコイルを有し、前記第3のコイルの一方端が前記第3の高周波カットフィルタの他端側に接続され、前記第2のコイルの一方端が前記第4の高周波カットフィルタの他端側に接続され、前記第3のコイルと前記第4のコイルとは互いに逆巻きで磁気結合する第2のインダクタと、
    を備え、
    前記第3の高周波カットフィルタのインダクタンス値L5と前記第2のインダクタの前記第3のコイルのインダクタンス値L7はL5<1.5×L7の関係であり、
    前記第4の高周波カットフィルタのインダクタンス値L6と前記第2のインダクタの前記第4のコイルのインダクタンス値L8はL6<1.5×L8の関係であり、
    前記第1の電源重畳通信装置と前記第2の電源重畳通信装置は、前記差動信号配線を介して接続されることを特徴とする電源重畳通信システム。
  3. 請求項2に記載の電源重畳通信システムにおいて、
    前記差動信号配線を介して前記第1の電源重畳通信装置から前記第2の電源重畳通信装置に電源供給されることを特徴とする電源重畳通信システム。
  4. 請求項2または請求項3に記載の電源重畳通信システムにおいて、
    前記第1の高周波カットフィルタの前記インダクタンス値L1、前記第2の高周波カットフィルタの前記インダクタンス値L2、前記第3の高周波カットフィルタの前記インダクタンス値L5および前記第4の高周波カットフィルタの前記インダクタンス値L6は、2.1μH以上であることを特徴とする電源重畳通信システム。
  5. 請求項1に記載の電源重畳通信装置において、
    前記第1の高周波カットフィルタと並列に配置された第1の抵抗体と、
    前記第2の高周波カットフィルタと並列に配置された第2の抵抗体と、を備え、
    前記第1の抵抗体の抵抗値r1は500Ω≦r1≦1500Ωであり、
    前記第2の抵抗体の抵抗値r2は500Ω≦r2≦1500Ωであり、
    前記第1の高周波カットフィルタの前記インダクタンス値L1は、1.5μH以上であり、前記第2の高周波カットフィルタの前記インダクタンス値L2は、1.5μH以上であることを特徴とする電源重畳通信装置。
  6. 請求項2に記載の電源重畳通信システムにおいて、
    前記第3の高周波カットフィルタと並列に配置された第3の抵抗体と、
    前記第4の高周波カットフィルタと並列に配置された第4の抵抗体と、を備え、
    前記第3の抵抗体の抵抗値r3は500Ω≦r3≦1500Ωであり、
    前記第4の抵抗体の抵抗値r4は500Ω≦r4≦1500Ωであり、
    前記第3の高周波カットフィルタの前記インダクタンス値L5は1.5μH以上であり、前記第4の高周波カットフィルタの前記インダクタンス値L6は1.5μH以上であることを特徴とする電源重畳通信システム。
  7. 請求項1に記載の電源重畳通信装置において、
    前記第1の高周波カットフィルタおよび前記第2の高周波カットフィルタは、2端子差動モードインダクタであり、
    前記第1のインダクタは、4端子差動モードインダクタであり、
    前記第1の高周波カットフィルタおよび前記第2の高周波カットフィルタは、前記第1の信号配線および前記第2の信号配線が形成される基板の一面に形成され、
    前記第1のインダクタは前記基板の他面に形成されていることを特徴とする電源重畳通信装置。
  8. 請求項2に記載の電源重畳通信システムにおいて、
    前記第3の高周波カットフィルタおよび前記第4の高周波カットフィルタは、2端子差動モードインダクタであり、
    前記第2のインダクタは、4端子差動モードインダクタであり、
    前記第3の高周波カットフィルタおよび前記第4の高周波カットフィルタは、前記第3の信号配線および前記第4の信号配線が形成される基板の一面に形成され、
    前記第2のインダクタは、前記基板の他面に形成されていることを特徴とする電源重畳通信システム。
  9. 請求項1に記載の電源重畳通信装置において、
    前記第1の高周波カットフィルタは、互いに直列に接続された複数の2端子差動モードインダクタであり、
    前記第2の高周波カットフィルタは、互いに直列に接続された複数の2端子差動モードインダクタであることを特徴とする電源重畳通信装置。
  10. 請求項2に記載の電源重畳通信システムにおいて、
    前記第3の高周波カットフィルタの他端側は、前記第1の電源重畳通信装置の前記第1のインダクタの前記第1のコイルの一方端に接続され、
    前記第4の高周波カットフィルタの他端側は、前記第1の電源重畳通信装置の前記第1のインダクタの前記第2のコイルの一方端に接続され、
    前記第1の電源重畳通信装置の前記第1のインダクタは、前記第1のインダクタとして動作すると共に、前記第2の電源重畳通信装置の前記第2のインダクタとしても動作することを特徴とする電源重畳通信システム。
  11. 請求項2に記載の電源重畳通信システムにおいて、
    少なくとも1つの前記第1の電源重畳通信装置と、前記第1の電源重畳通信装置に前記差動信号配線を介して接続される少なくとも2つの前記第2の電源重畳通信装置と、を有するネットワークが形成されることを特徴とする電源重畳通信システム。
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