JP7767035B2 - 複合着色粒子 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、粒子表面において正の電荷を有する樹脂粒子、粒子表面において負の電荷を有する着色粒子及び粒子表面において負の電荷を有する低密度粒子を含み、前記樹脂粒子に前記着色粒子及び前記低密度粒子がクーロン力によって複合化された複合着色粒子に関する。
さらに、本発明は、粒子表面において正の電荷を有する樹脂粒子を含む樹脂エマルジョン、粒子表面において負の電荷を有する着色粒子を含む分散体、並びに、粒子表面において負の電荷を有する低密度粒子を含む分散体を混合する複合化工程を含む複合着色粒子の製造方法に関する。
本発明に用いられる樹脂粒子は、粒子表面において正の電荷を有する樹脂粒子(カチオン性樹脂粒子)である。このような樹脂粒子としては、カチオン基で修飾された高分子からなる樹脂粒子が使用でき、具体的には、樹脂粒子に試剤を付着又は反応させて正の電荷を生じせしめたもの、及び、樹脂粒子を調製する際に正の電荷を有する官能基又はその前駆体を含むモノマーを共存させて、生成する高分子をカチオン化せしめたものが挙げられる。
酢酸ビニル系樹脂のカチオン性樹脂粒子は、酢酸ビニルモノマーの他にカチオン性モノマー又はカチオン性乳化剤等のカチオン性助剤を加えて重合されたものが好ましい。例えば、酢酸ビニルモノマー単独、又は酢酸ビニルモノマーと塩化ビニルや(メタ)アクリル系モノマー等の酢酸ビニルモノマーと共重合可能なコモノマーの混合物を用いて重合する際に、カチオン性乳化剤を用いたり、カチオン基を有するポリマーを保護コロイドとしたり、あるいはカチオン性モノマーを加えて逆相乳化重合を行うことにより作製される。
アクリル系樹脂のカチオン性樹脂粒子は、アクリル系モノマーの他にカチオン性モノマー又はカチオン性乳化剤等のカチオン性助剤を加えて重合されたものが好ましい。例えば、(メタ)アクリルモノマー単独、又は(メタ)アクリルモノマーと(メタ)アクリルモノマーと共重合可能なコモノマーの混合物を用いて重合する際に、カチオン性乳化剤を用いたり、カチオン基を有するポリマーを保護コロイドとしたり、あるいはカチオン性モノマーを加えて逆相乳化重合を行うことにより作製される。
ウレタン系樹脂のカチオン性樹脂粒子としては、四級化アンモニウム基を有するウレタン系樹脂のカチオン性樹脂粒子が好ましい。このカチオン性樹脂粒子は、例えば、溶剤中又は無溶剤で、ポリオール、ポリイソシアネート及び三級アミノ基含有ポリオールを反応させてポリウレタンの分散液を作製し、次いで、ポリウレタン中の三級アミノ基を酸でプロトン化、あるいはアルキル化剤で四級化することにより、四級化アンモニウム基を有するウレタン系樹脂のカチオン性樹脂粒子を作製することができる。
本発明においては、粒子表面において負の電荷を有する着色粒子(アニオン性着色粒子)が用いられる。これには、粒子表面において負の電荷を有し、染料を含有する樹脂粒子(以下、アニオン性染料粒子ということがある)、及び、粒子表面において負の電荷を有する顔料粒子(以下、アニオン性顔料粒子ということがある)が含まれる。
この範囲の粒子径を有することが、カチオン性樹脂粒子と複合化して良好な複合着色粒子を形成するので好ましい。アニオン性着色粒子の形状は、球状、特に真球状が好ましい。
本発明に用いられるアニオン性染料粒子には、アニオン性を有する樹脂粒子の内部又は表面に染料が包容された粒子、及び樹脂粒子の内部又は表面にアニオン性の染料が包容された粒子が含まれ、特に、アニオン性を有する樹脂微粒子の内部又は表面に染料が包容されたアニオン性染料微粒子が好ましい。
油溶性染料としては、モノアゾ、ジアゾ、金属錯塩型モノアゾ、アントラキノン、フタロシアニン、トリアリールメタンが挙げられる。また、酸塩基性染料の官能基を疎水基で置換した造塩タイプ油溶性染料も使用することができる。
本発明に用いられる顔料粒子は、粒子表面において負の電荷を有する樹脂粒子(以下、アニオン性顔料粒子ということがある。)である。このような顔料粒子としては、アニオン性基で修飾された固体顔料からなる顔料粒子が使用できる。
顔料を分散剤で表面処理する方法としては、顔料の分散液にアニオン性の高分子分散剤を供給し、アニオン性の高分子分散剤を顔料表面に付着させる方法が挙げられる。
<アニオン性低密度粒子>
<複合化>
以上の複合着色粒子の製造方法は、工業的に良好に実施することができる。
本発明の複合着色粒子は、筆記具(ボールペン、マーキングペン等)としての要求特性に応じて添加された他の成分を含有する水性媒体中に分散されて、筆記具用の水性インク組成物が構成される。前記水性媒体を構成する他の成分としては、pH調整剤、増粘剤、防錆剤、防腐剤、抗菌剤、潤滑剤、及び、分散媒としての溶剤などを挙げることができる。
水性インク組成物には、複合着色粒子の分散状態を安定化させ、筆記具用インクとしての使用性を確保するために、分散媒として水性媒体が配合される。水性インク組成物における水性媒体の配合量は、複合着色粒子100質量部に対し、3~300質量部が好ましく、5~100質量部がより好ましい。
本発明の水性インク組成物は、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップを筆記先端部に備えたサインペン体、マーキングペン体や、ボールペンチップを筆記先端部に備えたボールペン体などに搭載して使用に供され、本発明の水性インク組成物を搭載した筆記具は、分散安定性及び筆記性に優れるという利点を有する。
カチオン性の樹脂粒子のエマルジョンとして、カチオン変性酢酸ビニル系樹脂、カチオン変性アクリル系樹脂又はカチオン変性ウレタン系樹脂のそれぞれの水性エマルジョンを使用した。
(樹脂粒子A-1)カチオン変性酢酸ビニル系樹脂としては、カチオン変性酢酸ビニル樹脂エマルジョン(ビニブラン1008;日信化学工業株式会社製)を使用した。
(樹脂粒子A-2)カチオン変性アクリル系樹脂としては、カチオン変性ポリビニルアルコール-アクリル樹脂エマルジョン(モビニール6950;ジャパンコーティングレジン株式会社製)を使用した。
(樹脂粒子A-3)カチオン変性ウレタン系樹脂としては、カチオン変性ウレタンエマルジョン(スーパーフレックス620;第一工業製薬株式会社製)を使用した。
(樹脂粒子A-4)比較として、ノニオン性変性酢酸ビニル系樹脂のエマルジョン(ビニブラン1002;日信化学工業株式会社製)を使用した。
アニオン性の着色粒子としては、下記調製例1~3の方法により得られたアニオン性の着色粒子が水性媒体に分散した着色樹脂分散体を使用した。
2リットルのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管、モノマー投入用1000ml分液漏斗を取り付け、温水槽にセットし、蒸留水329.5部、グリセリンモノメタクリレート(日油株式会社製、ブレンマーGLM)5部、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム(三菱ケミカル株式会社製、アクリルエステルSEM-Na)5部、重合性界面活性剤(ADEKA株式会社製、アデカリアソープSE-10N、エーテルサルフェート)20部及び過硫酸アンモニウム0.5部を仕込んで、窒素ガスを導入しながら、内温を50℃まで昇温した。
この調製液を上記分液漏斗から温度50℃付近に保った上記フラスコ内に撹拌下で3時間にわたって添加し、乳化重合を行った。さらに5時間熟成して重合を終了し、染料を内包したアニオン性樹脂からなるアニオン性樹脂染料粒子B-1のエマルジョンを得た。
容器に、イオン交換水、水溶性有機溶剤、粘度調整剤、pH調整剤、分散剤及び顔料を前記の配合比率で順次加え、撹拌機で2時間のプレミキシングを行い、1mmジルコニアビーズミルにて分散処理を行い、遠心分離により不純物を除去し、さらにミクロフィルター(ポアサイズ5.0μm;ミリポア社製)を用いて減圧ろ過を行って、pH8.9のアニオン樹脂変性カーボンブラック粒子のエマルジョンを得た(C-1)。アニオン樹脂変性カーボンブラックからなるアニオン性樹脂変性顔料粒子C-1の平均粒子径は0.1μmであった。
分散剤:αメチルスチレン-アクリル共重合体(ジョンクリル61J、ジョンソン社製、30質量%水溶液) 10質量%
pH調整剤:アミノメチルプロパノール 0.1質量%
粘度調整剤:ポリビニルピロリドン 5質量%
水溶性有機溶剤:プロピレングリコールモノエチルエーテル 5質量%
イオン交換水 69.9質量%
表面がアニオン性に変性されたアニオン性顔料粒子C-2として、カーボンブラックの表面に酸性基が付与された自己分散型カーボンブラック(商品名CAB-O-JET200;キャボット・スペシャリティ社製)のエマルジョンを使用した。
アニオン性低密度粒子としては、下記調製例4~6の方法により得られたアニオン性の低密度粒子が水性媒体に分散した低密度粒子エマルジョンを使用した。
アニオン性密実樹脂粒子からなる低密度粒子D-1として、アニオン性を有する密実構造の変性ポリエチレン樹脂粒子(商品名ケミパールA-100、三井化学株式会社製、密度0.89g/cm3)の固形分濃度40%のエマルジョンを調製した。
アニオン性中空樹脂からなる低密度粒子D-2として、アニオン性を有する中空構造の架橋型変性スチレン-アクリル樹脂粒子(商品名:ローペイクULTRA E、ダウ・ケミカル社製、中空率:45%、屈折率:1.6、体積平均粒径:500nm)の固形分濃度30%のエマルジョンを調製した。
アニオン性中空無機材からなる低密度粒子D-3として、中空構造のシリカ粒子からなる微小中空球(商品名:シリナックス、日鉄鉱業株式会社製;見かけ密度0.13g/cm3、粒子径(メジアン径)130nm、ガラス厚15nm)を使用して、これを下記の組成で混合してアニオン性分散剤を吸着させることにより、アニオン性が付与されたアニオン性変性低密度粒子D-3の固形分濃度30質量%のエマルジョンを製造した。
ジョンクリル63J(BASF JAPAN社) 6質量%
バイオデンS(日本曹達社) 0.2質量%
トリエタノールアミン 1.4質量%
プロピレングリコール 15質量%蒸留水 残部
表1に示す組み合わせ及び質量比(固形物の質量比)で、前記した各種のカチオン性樹脂粒子エマルジョンA-1~A-4に調製例1~3で作成したアニオン性着色粒子エマルジョンB-1又はC-1~C-2のいずれかを加えて混合し、次いで調製例4~6で作成したアニオン性低密度粒子エマルジョンD-1~D-3のいずれかを加え(又は加えずに)、撹拌機を用いて混合し、R-1~R-7の水性分散体を得た。次いで、ホモミキサーを用いて強く撹拌を行うことにより解凝集を行い、実施例としてアニオン性低密度粒子を含有する複合着色粒子P-1~P-5を、比較例としてアニオン性低密度粒子を含有しない複合着色粒子Q-1~Q-2をいずれも固形分濃度20質量%の水性分散体状態で得た。
これらの図及び表により、本発明の複合着色粒子は大粒径の粒子で構成され、小粒径の染料含有微粒子がほとんど含まれないことが明らかである。
実施例としてP-1~P-5、比較例としてQ-1~Q-2の複合着色粒子のエマルジョンをそれぞれ使用し、pH調整剤、増粘剤、潤滑剤、防錆剤、防腐剤及び分散媒を表3に示す組み合わせ及び重量比で配合、混合し、一部の凝集物を除去し、水性インク組成物の分散体を調製した。
〔ボールペンの作製〕
実施例1~5及び比較例1~5で得られた水性インク組成物を用いてボールペンを作製した。具体的には、透明ポリプロピレン製インク収容管(内径3.8mm、長さ113mm)と直径0.5mmの超硬合金製ボールを備えたステンレス製チップからなるリフィールを作成し、これに各水性インク組成物を0.8g充填し、インク収容管後端に鉱油を主成分とするインク追従体を充填した。得られたリフィールを、ボールペン(三菱鉛筆株式会社製、商品名:シグノUM-100)の軸に装填してボールペンを作製した。
前記した各実施例及び比較例の各ボールペンを用いて、下記評価方法により分散安定性及び筆記性の評価を行った。
各ボールペンをキャップし、ペン先を下方にした状態で垂直に立て、25℃の室内に60日間静置した後、リフィールを取り出して、充填されたインクの状態を観察し、評価した。
分散安定性の評価基準:
A:リフィールのいずれの部分にも凝集物が認められなかった
B:リフィールの表層部又は底部に僅かながら凝集物が認められた
C:リフィールの表層部又は底部に大きな凝集物が認められた
各ボールペンをキャップした状態でチップを下方にして垂直に立て、25℃の室内に60日間静置した後、ISO規格141415-1に準拠した筆記試験機を用いて旧JISP3201に準拠した筆記用紙Aに筆記し、筆跡を評価した。筆記条件は、温度20℃、ペン角度70度、ペン先荷重100g、及び筆記速度4m/分とした。
筆跡の評価基準:
A:筆跡のカスレ、割れが認められなかった
B:筆跡のカスレ、割れが部分的に認められた
C:筆跡のカスレ、割れが顕著に発生した
上記で作製したボールペンを用いて、25℃、60%RH下で、PPC用紙に荷重100g、筆記角度60°で直線を引き、引き終えた最終点において、ボールペンのチップをPPC紙面から離すことなく10秒間保持し、その後ボールペンを紙面から離した。紙面の最終点に残されたインクの最大直径をルーペで測定した。測定された直径の小ささを接触直流度合いとして下記評価基準で耐滲み性を評価した。
評価基準:
A:紙面のインクの直径が1.0mm未満
B:紙面のインクの直径が1.0mm以上2.0mm未満
C:紙面のインクの直径が2.0mm以上
2 粒子表面において負の電荷を有する低密度粒子
3 粒子表面において正の電荷を有する樹脂粒子
Claims (13)
- 粒子表面において正の電荷を有する樹脂粒子、粒子表面において負の電荷を有する着色粒子、及び、粒子表面において負の電荷を有し、見かけ密度が0.1g/cm 3 ~1.0g/cm 3 の低密度粒子を含み、前記低密度粒子がアニオン性官能基で修飾された低密度樹脂、中空樹脂粒子、又は、中空無機粒子からなり、前記樹脂粒子に前記着色粒子及び前記低密度粒子がクーロン力によって複合化された複合着色粒子。
- 複合着色粒子の見かけ密度が0.6g/cm3~1.8g/cm3である請求項1に記載の複合着色粒子。
- 複合着色粒子の少なくとも95%が0.2μm~3.0μmの範囲内の粒子径である請求項1又は2に記載の複合着色粒子。
- 低密度粒子が中空樹脂粒子又は中空無機粒子からなる請求項1~3の何れか一つに記載の複合着色粒子。
- 低密度粒子がアニオン性官能基で修飾されたオレフィンを含む重合体又は共重合体からなる請求項1~3の何れか一つに記載の複合着色粒子。
- 粒子表面において正の電荷を有する樹脂粒子が、カチオン基で修飾された高分子からなる粒子である請求項1~5の何れか一つに記載の複合着色粒子。
- 粒子表面において負の電荷を有する着色粒子が、アニオン性官能基で修飾された、顔料又は着色剤含有樹脂の微粒子からなる請求項1~6の何れか一つに記載の複合着色粒子。
- 粒子表面において負の電荷を有する着色粒子が、アニオン性を有する、アクリル系樹脂、ウレア系樹脂、ウレタン系樹脂及びウレア-ウレタン系樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種のアニオン性樹脂の内部又は表面に染料が包容された粒子からなる請求項1~7の何れか一つに記載の複合着色粒子。
- 請求項1~8の何れか一つに記載の複合着色粒子が媒体に分散してなるインク組成物。
- 請求項9に記載のインク組成物を搭載した筆記具。
- 粒子表面において正の電荷を有する樹脂粒子を含む樹脂エマルジョンに、粒子表面において負の電荷を有する着色粒子を含む分散体及び見かけ密度が0.1g/cm 3 ~1.0g/cm 3 の低密度粒子を含むエマルジョンを混合する複合化工程を含む、前記樹脂粒子に前記着色粒子及び前記低密度粒子がクーロン力によって複合化された複合着色粒子の製造方法。
- さらに、凝集体を破砕する解凝集工程を含む請求項11に記載の複合着色粒子の製造方法。
- 複合着色粒子の少なくとも95%が0.2μm~3.0μmの範囲内の粒子径を有する請求項11又は12に記載の複合着色粒子の製造方法。
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